JP5848485B1 - 風力選別機 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送中の空き缶、空きペットボトルに空気を噴射して分離する風力選別機において、吹き飛ばし通路との交差部での容器の滞留を排除する。【解決手段】ベルトコンベアの中流位置にコンベア搬送路と直交させて空容器排出路を設け、コンベア上の回収容器に向かってブロワから空気を噴射して空容器のみをコンベアベルト上から排出路に排出する。搬送路と排出路との交差部にて、搬送方向とは逆方向にノズルから空気を噴射し、交差部コーナでの容器の滞積を完全に排除する。交差部の上流側コーナは斜め面取りし斜め方向に別ノズルから空気噴射して空容器の排出を促進する。【選択図】図3

Description

この発明は風力選別機、詳しくはベルトコンベアによって搬送された飲料容器などの回収容器から、内容物が残っていない空き缶や空きペットボトルとそれ以外とを風力により分離して選別する風力選別機に関する。
飲料容器の空き缶(アルミ缶・スチール缶)、空瓶、廃ペットボトル等は、市町村等の各自治体による回収の他、コンビニエンスストアや自動販売機等からの事業系ルートを通じても回収される。これらは種類別に選別され、それぞれが再生処理された後、さまざまな形で再利用されている。
ところで、回収されたこれらの容器は、必ずしも空缶と廃ペットボトルとに分別されているとは限らず、両者が混在した状態で回収されてくる場合がほとんどである。このため、専用の選別機によってアルミ缶、スチール缶、廃プラスチック容器(例えばペットボトルなど)に選別されている。
しかしながら、近年、回収容器中に占める廃プラスチック容器の割合が多くなり、従来の選別機では廃プラスチック容器を選別しきれなくなっていた。よって、選別機に回収容器を送り込む供給コンベアの周囲に作業者を配置し、手選別にて廃プラスチック容器の全部又は大半を選別除去して前処理を行っているところもある。このため、選別にかかる作業負担の軽減が求められている。
その一方、特許文献1に記載された選別装置は、第1の光電センサで空き缶または廃ペットボトルを検知し、第2の光電センサで廃ペットボトルを検知してこの廃ペットボトルに対してパルスエアを噴射して吹き飛ばすことにより、これらを選別処理するものである。
特開2009−268996号公報
しかしながら、特許文献1に記載の選別装置では、例えば空缶や廃プラスチック容器の内部に飲料が残存していた場合であっても、廃プラスチック容器と認識し、吹き飛ばすため、空のプラスチック容器と飲料等が存在するプラスチック容器とを手選別する必要があり、結局、選別にかかる作業負担の軽減につながらない。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、ブロアからの風力によって、コンベヤベルト上から空容器を吹き飛ばす風力選別機におけるこの空容器の挙動に着目した。そして、内容物が含まれていない空容器が、風力選別機より下流側に搬送されないよう構成することにより、回収容器から空容器のみを選別することができることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、缶、瓶、プラスチック容器からなる回収容器から、内容物が含まれていない缶やプラスチック容器(空容器)を風力により分離して選別する風力選別機を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、搬送路を構成するベルトコンベアに搭載された、缶、瓶、ペットボトルを含む回収容器から、内容物が含まれていない缶やペットボトルからなる空容器を風力により選別する風力選別機であって、この搬送路の途中に風力選別機本体が設けられ、この風力選別機本体は、前記ベルトコンベアに沿って立設された側壁と、前記ベルトコンベアによる搬送方向に対して略直角に交差する方向に延びてこの側壁の一部を切り欠いてこの搬送路に連通するよう設けられた通路と、この通路に設けられた通路側壁と、この通路に向かって前記空容器のみを吹き飛ばすブロワと、この搬送路においてこの通路が開口する位置で搬送路の上流に向け送風する第1のノズルと、を有し、この第1のノズルによる送風により、前記ブロアによる前記空容器の吹き飛ばしの際に、前記搬送路の側壁と前記通路の通路側壁とが交差する角の近傍における前記回収容器およびまたは前記空容器の集積を抑制する風力選別機である。
ここでいう回収容器とは、主として缶、瓶、プラスチック容器を含むものであり、それらの比率等は回収ごとに異なる。プラスチック容器は、例えばペットボトルなどのように材質がプラスチックである容器であり、その材質は、ポリエチレン、ポリプロピレンのような汎用樹脂や、ポリエチレンテレフタレートのような機能性樹脂などである。空容器とは、内容物が含まれていない缶と中身が残っていないプラスチック容器(ペットボトル)である。このため、ブロアや第1のノズルからの送風により吹き飛ばされない重量物である瓶、内容物が含まれている缶、中身が残っているプラスチック容器は、ベルトコンベアによってそのまま下流側に搬送される。
缶は、スチール缶(ブリキ缶を含む)およびまたはアルミ缶である。
ベルトコンベアは、輪状にした幅広のベルトを台車の上で回転させ、その上に回収容器を載せて搬送する装置である。ベルトコンベアの搬送路の両側には、ベルトコンベアを取り囲むように一対の側壁が立設されている。また、天井壁でベルトコンベアを覆うこともできる。ベルトコンベアの近傍に設けられた側壁はその種類を特に問わない。例えば、板材に限られずフェンス金網のような網状のものであってもよい。
ベルトコンベアの搬送路の途中には、回収容器から空容器を選別するために、風力選別機本体が設けられる。
風力選別機本体は、ベルトコンベア上の回収容器に送風することによって空容器のみを回収容器から分離(選別)するものである。すなわち、搬送路を構成する側壁の一部を切り欠いて開口し、この開口部分で、搬送路に対して直交する通路と連通させる。したがって、搬送路のこの部分(位置)にブロワ、第1のノズルが配設され、風力選別機本体は、搬送路と直交する通路と、ベルトコンベア(搬送路)の側壁と、この側壁と交差して角を形成する通路側壁と、交差位置にて通路に向かってエアを吹き出すブロワと、交差位置にて搬送路上流に向かってエアを吹き出す第1のノズルとを含んで構成されることになる。
風力選別機本体として設けられた側壁は、その入口から出口まで、ベルトコンベアに沿って延びるように立設している。
ブロワは、羽根車の回転運動によってベルトコンベアの搬送方向に対して直交する方向(ほぼ直交する方向を含む)にかつ水平方向に送風する装置であり、いわゆる送風機である。ブロワの送風出力については特に問わないが、ベルトコンベアに搬送されている空容器を吹き上げて、通路、さらには通路の奥の別の搬送装置まで吹き飛ばすことができるだけの出力を最低限有している。
ブロワからの圧縮空気の吹き出しによって吹き飛ばされた空容器は、通路を通って、別の搬送装置に移動する。この通路は、直線上に延び、かつ側壁面と底面、上面(天井面)を有する、断面矩形に形成してある。強い空気の流れを形成するためである。
第1のノズルは、ベルトコンベアの下流から上流に向かう方向に送風するものである(逆噴射ノズル)。第1のノズルは、風力選別機本体の出口近傍でかつベルトコンベアの上方の所定高さ位置に設けられている。第1のノズルにより送風されるガス(エア)は、風力選別機本体の出口の中央より若干下方に向かって送風されるように、この第1のノズルが取り付けられていることが好ましい。この場合、ブロアによる空容器の吹き飛ばしの際に、ベルトコンベアと通路とが交差することにより形成される角の近傍における回収容器・空容器の堆積を効率よく防止することができる。例えば第1のノズルからのエアはベルトコンベヤに横たわるペットボトル(500mlボトル)の重心位置またはやや下方位置に向かって吹き出される。これにより、当該ペットボトルが空であれば舞い上がるように動きブロワからのエアで効率良く横方向に吹き飛ばすことができる。第1のノズルからのエアは、前記ブロワからの水平方向噴射流れをやや上流側に湾曲させる効果を発揮する。すなわち、第1ノズルからのエア噴射により上記滞積をなくすものである。
請求項1に記載の発明によれば、ベルトコンベアにて搬送された回収容器は、風力選別機本体内において、ブロアからの送風により空容器を吹き上げ、吹き飛ばして移動させる。その際に、ベルトコンベアと通路と交差することにより形成される角の近傍における回収容器およびまたは空容器の滞積、滞留を、第1のノズルによる送風により防止する。これにより、回収容器から空容器のみを選別することができ、手選別による負担を低減させることができる。その結果、回収容器の分別に要する経費を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、前記ベルトコンベアに沿って立設された側壁と前記通路側壁とから構成される角を面取りするとともに、面取りによって形成された面取り壁に沿って送風する第2のノズルが、前記ベルトコンベアの上流から前記通路に向かう方向に送風されるように設けられた請求項1に記載の風力選別機である。
ベルトコンベアに沿って立設された側壁のうち、上流側の側壁(以下、単に「上流側側壁」という。)と、通路側壁とにより形成される角を面取りし、面取り部分に面取り壁が立設されることによって側面を形成する。そして、この面取り壁に沿って第2のノズルによる送風がなされる。
第2のノズルは、ベルトコンベアの上流から通路に向かう方向に(平面視すると、搬送方向に対して斜め約45°の角度をなして)送風する(傾斜ノズル)。第2のノズルは、風力選別機本体の入口(上流側の部分)の近傍でかつベルトコンベアの上方の所定高さ位置に設けられている。第2のノズルの吹き出し角度はやや下方に向かいかつ通路奥に向かって圧縮空気を噴射するように設定されている。したがって、噴射を受けて踊りあがるような挙動をとる空容器はブロワによる横方向噴射により、確実にかつスピィーディに排出されることとなる。
上流側側壁と通路側壁とにより形成される角(コーナー)存在している場合、ブロアからの送風と、第1のノズルによる逆向き送風とにより、回収容器およびまたは空容器がその角の近傍に集積(滞積)しやすくなる場合がある。この結果、ブロアからの送風のみでは、集積された空容器が邪魔をして、搬送されてきた空容器を通路奥に向かって、すなわち別の搬送装置にまで吹き飛ばすことが困難になることもある。
しかしながら、請求項2に記載の発明によれば、上流側側壁と通路側壁とにより形成される角が存在しないだけでなく、第2のノズルにより面取り壁に沿って送風されることによって、回収容器およびまたは空容器が中身が入った容器とは異なり浮かび上がり、通路に向かって、確実に(集積(滞積)することなく)吹き飛ばすことができる。
請求項1に記載の発明によれば、ベルトコンベアにて搬送された回収容器は、風力選別機本体内において、ブロアからの送風(搬送方向に対して横方向からの送風)により空容器を吹き上げ、吹き飛ばして横方向に移動させる。ブロワから、搬送方向とは直交する方向へ常時送風(空気噴射)することにより、いわば圧縮空気の横方向への流れを形成するものである。その際に、ベルトコンベアと通路とが交差(ほぼ直交)することにより形成される角の近傍における回収容器およびまたは空容器の集積(滞積)を、第1のノズルによる逆向きの送風により防止する。すなわち、上記横向きの圧縮空気の流れをこの逆向き送風により一部について湾曲迂回させることとする。併せて、逆向き噴射により空容器に踊り上がるような挙動をとらせることにより、回収容器から空容器のみをスムーズに選別することができる。つまり、手選別による負担をなくす(低減する)ことができる結果、回収容器の分別にかかる経費を大幅に低減することができる。
ところで、上流側側壁と通路の側壁とにより形成される角(直角のコーナー)が存在している場合、ブロアからの送風と、第1のノズルによる送風とにより、回収容器およびまたは空容器がその角の近傍に集積(滞積)しやすくなる。これにより、ブロアからの送風のみでは、吹き飛ばすことが困難になることもある。
しかしながら、請求項2に記載の発明によれば、上流側側壁と通路の側壁とにより形成される角が存在しないだけでなく、第1のノズルにより面取り壁に沿って送風されることによって、回収容器およびまたは空容器が通路に向かって案内されて、同所に集積(滞積)することなく、通路に向かって所定速度で吹き飛ばすことができる。
この発明の一実施例に係る風力選別機を示すその概略平面図である。 この発明の一実施例に係る風力選別機の第2のノズルを示すその正面図である。 この発明の一実施例に係る風力選別機の風力選別機本体を示すその平面図である。 この発明の一実施例に係る風力選別機の風力選別機本体を示すもので図3のA矢視図である。 この発明の一実施例に係る風力選別機の風力選別機本体を示すもので図3のB矢視図である。
以下、この発明の一実施例を具体的に説明する。
この実施例は、図1に示すように、回収容器から、スチール缶、ビン、アルミ缶、ペットボトルを選別する選別システムに関するものである。ビニル袋に投入された回収容器は、破袋機にてビニル袋が破袋されることにより、ビニル袋から取り出され、ベルトコンベア上に山積み搭載されて下流に向かって搬送される。11は、取り出された回収容器がランダムに搭載されて下流に向かって搬送されるベルコンベヤを示す。ベルトコンベア11は、作業スペースでは1本の直線上に床面に配置されている。ベルトコンベア11の容器搭載面はほぼ水平にセットされている。ベルトコンベア11は、その延在方向にて両端のローラに環状のベルトを掛け回して構成されており、そのベルト上面が回収容器(多数の缶やボトル)の載置面となる。
ベルトコンベヤ11の最上流位置には、上記破袋機から材料すなわち回収容器が搬送される搬送コンベヤ12が配置されており、搬送コンベヤ12からベルトコンベヤ11に回収容器は移載されることとなる。ベルトコンベア11の搭載面にはほぼ一定の高さに回収容器が搭載されることとなる。
ベルトコンベヤ11の中流位置には、公知の磁力選別機(磁選機)13が配設されている。ベルトコンベヤ11にて搬送されてきた回収容器は、まず、この磁力選別機13にて回収容器からスチール缶のみが選別されて除去される。この除去されたスチール缶は、スチールプレス機14にてプレスされることとなる。したがって、スチール缶以外のペットボトル、アルミ缶、ガラス製のビンなど磁力に反応しない回収容器はこの磁選機13部分をスルー(通過)する。
そして、磁力選別機13を通過した回収容器は、本願発明の一実施例に係る風力選別機15を通過することとなる。すなわち、風力選別機15はベルトコンベヤ11(搬送路)において磁選機13の下流に位置している。風力選別機15では、その本体16に近接して設けられたエアコンプレッサ17によって生成された高圧のエアをブロワ26から噴出させることにより、本体16の位置でベルトコンベア11上の空のアルミ缶、空のペットボトルが空容器としてメッシュコンベア19まで吹き飛ばされる。なお、ベルトコンベア11が稼動運転されている状態ではブロワ26からは常時エアが噴出される構成であるが、本体16の上流側にセンサを配置してセンサが回収容器の不搭載を所定時間検知したときは、ブロワ26の稼動を停止する構成とすることもできる。
また、その重量により吹き飛ばされなかったビン、内容物の含まれた(中身が入った)回収容器は、この風力選別機15を通過し、ベルトコンベア11にてさらに下流に向けて搬送される。
この下流端では、例えば手選別でガラス製のビンとビン以外のものとが選別されて個別に回収されることとなる。
メッシュコンベア19はベルトコンベア11とほぼ平行に配置されており、通路28を吹き飛ばされてきて移載された空容器(空のアルミ缶、空のペットボトル)は、このメッシュコンベア19によって、アルミ選別機20にまで搬送される。すなわち、ベルトコンベア11とメッシュコンベア19は同時に運転される構成である。
このアルミ選別機(アルミセパレータ)20では、空容器のうちのアルミ缶のみが分離・選別され、アルミプレス機21によってプレスされることとなる。なお、22はメッシュコンベア19から空容器が移載される第1のサブコンベアであり、空容器をアルミセパレータ20を介して第2のサブコンベア23まで搬送する。
これらの選別機を経て搬送された結果、第2のサブコンベア23上に搭載された回収容器は、アルミ缶が取り除かれた回収容器である空のペットボトル(プラスチックボトル)のみで構成されることとなる。第2のサブコンベア23は、ペットプレス機24まで空のペットボトルのみを搬送し、ここでペットボトルはプレスされる。プレス後のペットボトルは資源として有効に利用されることとなる。
ベルトコンベア11は、輪状にした幅広のベルトを台車の上で回転させ、その上に回収容器を載せて搬送する公知の装置である。ベルトコンベア11のベルト幅は例えば約100cm、長さは10m程度である。このベルトコンベア11の両側には、ベルトコンベア11を取り囲むように一対のフェンス25(側壁)が対向して立設されている。このベルトコンベア11の延長方向の中間部より下流側(ベルトコンベア11によって搬送される回収容器の搬送路での中間部分より下流側)に、上述のように、風力選別機15が設けられている。
風力選別機15は、図1に示すように、ベルトコンベア11による搬送路の途中に(一部に)設けられている。この風力選別機15は、コンプレッサ17の他に風力選別機本体16を有している。この風力選別機本体16は、ベルトコンベア11に沿ってその両側に所定高さで立設された一対の側壁25,25と、ベルトコンベア11による回収容器の搬送方向に対して直交する方向に空容器のみを吹き飛ばしてメッシュコンベア19に移動させるブロワ26と、ブロワ26によって吹き飛ばされた空容器がメッシュコンベア19まで移動する、通路側壁27を有する通路28と、ベルトコンベア11の下流側から上流に向けて圧縮空気を噴射する第1のノズル30と、ベルトコンベア11の上流から通路に向かう方向に向け圧縮空気を噴射する第2のノズル31とを備えている。
風力選別機本体16の内部では、上述のようにベルトコンベア11(コンベヤベルトそのもの)を挟み込むように立設された金属板で形成された側壁25,25を備えている。
そして、この側壁25(上流に向かって左側の側壁)の一部が切り欠かれて開口を形成し、この開口を介してメッシュコンベア19に通ずる通路28が、ベルトコンベア11による回収容器の搬送方向と直交する方向に延びて設けられている。さらに、通路28と交わる側壁25とは異なる側壁25(上流に向かって右側側壁)のうち、通路28の延長線上に位置してブロワ26を構成する3本のノズルが設けられている。この3本のノズルは、上ノズル、中ノズル、下ノズルのように縦方向に等間隔に離間して設けられ、ブロア26(3本のノズル)からの送風がコンベヤベルト11上に搭載されている回収容器の全体に当たるよう構成してあり、重量の軽い空容器は通路28に向かって吹き飛ばされることとなる。通路28は搬送路とメッシュコンベヤ19とを直線的に連通している。
ブロワ26は、羽根車の回転運動によってベルトコンベア11の搬送方向に対して直交する方向に送風する装置である。このブロワ26の出力は、例えば0.75kW程度であり、風量は例えば29m/min程度である。このブロワ26によって噴射されて形成された圧縮空気の壁状の流れにより、ベルトコンベア11上にて搬送されている空容器を吹き上げて、メッシュコンベア19まで吹き飛ばすことができるよう構成してある。
ブロワ26によって吹き飛ばされた空容器は、通路28を通って、メッシュコンベア19に移動する。この通路28は側壁27や天井壁、底壁を有する断面矩形、すなわち矩形枠状の板材で形成してある。通路28内に強い流れを形成するためである。なお、通路断面積はその全長にわたって同一であるが、入り口側を細く(狭く)、出口側をやや広くしてもよい。空気圧を高めて通路28に空容器を吹き飛ばすと、空気流れの圧力が少し弱くなる出口側にあっても空容器が引っかかり滞積(滞留)するおそれをなくすためである。また、通路28は出口側を入り口側より低く形成して空容器の排出を容易としてもよい。
風力選別機本体16内におけるベルトコンベア11に沿って立設された側壁25のうち、上流側の側壁(側壁の一部が切り欠かれてこの切り欠きより上流側)25と、通路28の側壁(通路側壁)27とにより形成される角部は平面視して斜めに面取りされている。そして、この面取り部分の縁には面取り壁41が立設されている。
通路28の構成壁27および面取り壁41はいずれも平滑な金属板(垂直壁)で形成されている。
ここで、第1のノズル30は、回収容器の搬送路の下流から上流に向かう方向に送風するものである。第1のノズル30は、風力選別機本体の出口近傍でかつベルトコンベア11の上方の所定高さ位置に横断ブラケット42により架設されている。1本の第1のノズル30(逆噴射ノズル)により送風される圧縮空気は、風力選別機本体16の出口の中央にて若干下方に向けて送風されるようにこの第1のノズル30は取り付けられている。これは、ブロワ30(3本ノズル)からの横方向の圧縮空気の流れに対して搬送方向とは逆向きの流れ(横流れに対して直交流れ)を衝突させて、横流れに対してやや上流向きの湾曲流れ部分を形成する意味もある。また、逆噴射により空容器を浮き上がるような挙動とすることができる。
なお、第1のノズル30から圧縮空気が噴射するように、ホースなどの配管を介して第1のノズル30とエアコンプレッサ17とが連通・連結されている(図示せず)。
そして、第2のノズル31は、回収容器の搬送路の上流側から通路28に向かう方向に斜め下向きに圧縮空気を送風するものである。また、第2のノズル31からの送風は、面取り壁41に沿ってなされる。第2のノズル31(斜め噴射ノズル)は、風力選別機本体16の入口近傍でかつベルトコンベア11の上方所定高さ位置に設けられている(図3、図5参照)。
第2のノズル31から圧縮空気が噴射するように、フレキシブルな配管などを介して第2のノズル31とエアコンプレッサ17とが連通・連結されている(図示せず)。
第1のノズル30から噴射する圧縮空気と、第2のノズル31から噴射する圧縮空気は、また、ブロワ17への圧縮空気は、同一のエアコンプレッサ17から供給される。第1のノズル30の放出流量と第2のノズル31の放出流量とは同じである。ブロワ17は3本のノズルからこれらノズル30,31に対しては圧縮空気を3倍量で噴出することとなる。
次に、この風力選別機を利用して、回収容器から空容器を選別する風力選別方法を説明する。
運転開始により稼動するベルトコンベア11にて搬送された回収容器は、風力選別機本体16内において、ブロア26からの横方向への常時送風により空容器が吹き上げられ、メッシュコンベア19に向かって吹き飛ばされて移動させられる。もし空容器が吹き上げられなかった場合であっても、第1のノズル30による送風により、空容器は風力選別機本体16内に戻される。また、ベルトコンベア11と通路28とが交差することにより形成される角部(下流側コーナー)の近傍における回収容器およびまたは空容器の集積(滞積)を、第1のノズル30による送風により分散させることができる。
同時に第2のノズル31により面取り壁41に沿って送風されることによって、回収容器およびまたは空容器が集積(滞積)することなく、通路28を通ってメッシュコンベア19に吹き飛ばされる。なお、これらのブロワ26および第1、第2のノズル30,31は、ベルトコンベア11が走行中(運転中)はONとされ、常時圧縮空気を噴射しているものである。
これにより、回収容器から空容器のみを選別することができ、手選別による負担を低減させることができる。その結果、回収容器の分別にかかる経費を低減することができる。
さらに、上流側側壁25と通路側壁27とにより形成される角がもし存在している場合、ブロア26からの送風と、第1のノズル30による送風とにより、回収容器およびまたは空容器がその角の近傍に集積(滞積)することがある。これにより、ブロア26からの横方向の送風のみでは、メッシュコンベア19に吹き飛ばすことが困難になることもある。
しかしながら、この実施例では、上流側側壁25と通路側壁27とにより形成される角が存在しない(面取り)だけでなく、第2のノズル31により面取り壁41に沿って送風されることによって、回収容器およびまたは空容器が集積(滞積)することなく、空容器は必ずメッシュコンベア19に吹き飛ばすことができる。
この発明は、風力選別機、詳しくはベルトコンベアによって搬送された回収容器から、内容物が含まれていない缶及びペットボトルとそれ以外とに風力により選別する技術として有用である。
11 ベルトコンベア、
15 風力選別機、
16 風力選別機本体、
25 側壁、
26 ブロワ、
27 通路側壁、
28 通路、
30 第1のノズル、
31 第2のノズル。

Claims (2)

  1. ベルトコンベアによって搬送された、缶、瓶、ペットボトルからなる回収容器から、内容物が含まれていない缶とペットボトルとからなる空容器を風力により選別する風力選別機本体が、該ベルトコンベアにより構成される該回収容器の搬送路の途中に設けられた風力選別機であって、
    前記風力選別機本体は、
    前記ベルトコンベアに沿って立設された側壁と、
    前記側壁の一部を切り欠いて、前記ベルトコンベアによる前記回収容器の搬送方向に対して直交する方向に延びるように設けられた通路側壁を有する通路と、
    前記通路に前記空容器のみを吹き飛ばすブロワと、
    前記搬送路の上流方向に向け送風する第1のノズルと、を有し、
    前記第1のノズルによる送風により、前記ブロアによる前記空容器の吹き飛ばしの際に、前記ベルトコンベアと前記通路と交差することにより形成される角の近傍における前記回収容器およびまたは前記空容器の集積を抑制する風力選別機。
  2. 前記ベルトコンベアの上流側の側壁と前記通路側壁とから構成される角を面取りするとともに、面取りによって形成された面取り壁に沿って送風する第2のノズルが、前記ベルトコンベアの上流から前記通路に向かう方向に送風されるように設けられた請求項1に記載の風力選別機。
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