JP5848485B1 - 風力選別機 - Google Patents
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Abstract
Description
ところで、回収されたこれらの容器は、必ずしも空缶と廃ペットボトルとに分別されているとは限らず、両者が混在した状態で回収されてくる場合がほとんどである。このため、専用の選別機によってアルミ缶、スチール缶、廃プラスチック容器(例えばペットボトルなど)に選別されている。
しかしながら、近年、回収容器中に占める廃プラスチック容器の割合が多くなり、従来の選別機では廃プラスチック容器を選別しきれなくなっていた。よって、選別機に回収容器を送り込む供給コンベアの周囲に作業者を配置し、手選別にて廃プラスチック容器の全部又は大半を選別除去して前処理を行っているところもある。このため、選別にかかる作業負担の軽減が求められている。
缶は、スチール缶(ブリキ缶を含む)およびまたはアルミ缶である。
ベルトコンベアの搬送路の途中には、回収容器から空容器を選別するために、風力選別機本体が設けられる。
風力選別機本体として設けられた側壁は、その入口から出口まで、ベルトコンベアに沿って延びるように立設している。
ブロワは、羽根車の回転運動によってベルトコンベアの搬送方向に対して直交する方向(ほぼ直交する方向を含む)にかつ水平方向に送風する装置であり、いわゆる送風機である。ブロワの送風出力については特に問わないが、ベルトコンベアに搬送されている空容器を吹き上げて、通路、さらには通路の奥の別の搬送装置まで吹き飛ばすことができるだけの出力を最低限有している。
第2のノズルは、ベルトコンベアの上流から通路に向かう方向に(平面視すると、搬送方向に対して斜め約45°の角度をなして)送風する(傾斜ノズル)。第2のノズルは、風力選別機本体の入口(上流側の部分)の近傍でかつベルトコンベアの上方の所定高さ位置に設けられている。第2のノズルの吹き出し角度はやや下方に向かいかつ通路奥に向かって圧縮空気を噴射するように設定されている。したがって、噴射を受けて踊りあがるような挙動をとる空容器はブロワによる横方向噴射により、確実にかつスピィーディに排出されることとなる。
しかしながら、請求項2に記載の発明によれば、上流側側壁と通路側壁とにより形成される角が存在しないだけでなく、第2のノズルにより面取り壁に沿って送風されることによって、回収容器およびまたは空容器が中身が入った容器とは異なり浮かび上がり、通路に向かって、確実に(集積(滞積)することなく)吹き飛ばすことができる。
しかしながら、請求項2に記載の発明によれば、上流側側壁と通路の側壁とにより形成される角が存在しないだけでなく、第1のノズルにより面取り壁に沿って送風されることによって、回収容器およびまたは空容器が通路に向かって案内されて、同所に集積(滞積)することなく、通路に向かって所定速度で吹き飛ばすことができる。
この実施例は、図1に示すように、回収容器から、スチール缶、ビン、アルミ缶、ペットボトルを選別する選別システムに関するものである。ビニル袋に投入された回収容器は、破袋機にてビニル袋が破袋されることにより、ビニル袋から取り出され、ベルトコンベア上に山積み搭載されて下流に向かって搬送される。11は、取り出された回収容器がランダムに搭載されて下流に向かって搬送されるベルコンベヤを示す。ベルトコンベア11は、作業スペースでは1本の直線上に床面に配置されている。ベルトコンベア11の容器搭載面はほぼ水平にセットされている。ベルトコンベア11は、その延在方向にて両端のローラに環状のベルトを掛け回して構成されており、そのベルト上面が回収容器(多数の缶やボトル)の載置面となる。
ベルトコンベヤ11の最上流位置には、上記破袋機から材料すなわち回収容器が搬送される搬送コンベヤ12が配置されており、搬送コンベヤ12からベルトコンベヤ11に回収容器は移載されることとなる。ベルトコンベア11の搭載面にはほぼ一定の高さに回収容器が搭載されることとなる。
ベルトコンベヤ11の中流位置には、公知の磁力選別機(磁選機)13が配設されている。ベルトコンベヤ11にて搬送されてきた回収容器は、まず、この磁力選別機13にて回収容器からスチール缶のみが選別されて除去される。この除去されたスチール缶は、スチールプレス機14にてプレスされることとなる。したがって、スチール缶以外のペットボトル、アルミ缶、ガラス製のビンなど磁力に反応しない回収容器はこの磁選機13部分をスルー(通過)する。
そして、磁力選別機13を通過した回収容器は、本願発明の一実施例に係る風力選別機15を通過することとなる。すなわち、風力選別機15はベルトコンベヤ11(搬送路)において磁選機13の下流に位置している。風力選別機15では、その本体16に近接して設けられたエアコンプレッサ17によって生成された高圧のエアをブロワ26から噴出させることにより、本体16の位置でベルトコンベア11上の空のアルミ缶、空のペットボトルが空容器としてメッシュコンベア19まで吹き飛ばされる。なお、ベルトコンベア11が稼動運転されている状態ではブロワ26からは常時エアが噴出される構成であるが、本体16の上流側にセンサを配置してセンサが回収容器の不搭載を所定時間検知したときは、ブロワ26の稼動を停止する構成とすることもできる。
また、その重量により吹き飛ばされなかったビン、内容物の含まれた(中身が入った)回収容器は、この風力選別機15を通過し、ベルトコンベア11にてさらに下流に向けて搬送される。
この下流端では、例えば手選別でガラス製のビンとビン以外のものとが選別されて個別に回収されることとなる。
メッシュコンベア19はベルトコンベア11とほぼ平行に配置されており、通路28を吹き飛ばされてきて移載された空容器(空のアルミ缶、空のペットボトル)は、このメッシュコンベア19によって、アルミ選別機20にまで搬送される。すなわち、ベルトコンベア11とメッシュコンベア19は同時に運転される構成である。
このアルミ選別機(アルミセパレータ)20では、空容器のうちのアルミ缶のみが分離・選別され、アルミプレス機21によってプレスされることとなる。なお、22はメッシュコンベア19から空容器が移載される第1のサブコンベアであり、空容器をアルミセパレータ20を介して第2のサブコンベア23まで搬送する。
これらの選別機を経て搬送された結果、第2のサブコンベア23上に搭載された回収容器は、アルミ缶が取り除かれた回収容器である空のペットボトル(プラスチックボトル)のみで構成されることとなる。第2のサブコンベア23は、ペットプレス機24まで空のペットボトルのみを搬送し、ここでペットボトルはプレスされる。プレス後のペットボトルは資源として有効に利用されることとなる。
そして、この側壁25(上流に向かって左側の側壁)の一部が切り欠かれて開口を形成し、この開口を介してメッシュコンベア19に通ずる通路28が、ベルトコンベア11による回収容器の搬送方向と直交する方向に延びて設けられている。さらに、通路28と交わる側壁25とは異なる側壁25(上流に向かって右側側壁)のうち、通路28の延長線上に位置してブロワ26を構成する3本のノズルが設けられている。この3本のノズルは、上ノズル、中ノズル、下ノズルのように縦方向に等間隔に離間して設けられ、ブロア26(3本のノズル)からの送風がコンベヤベルト11上に搭載されている回収容器の全体に当たるよう構成してあり、重量の軽い空容器は通路28に向かって吹き飛ばされることとなる。通路28は搬送路とメッシュコンベヤ19とを直線的に連通している。
風力選別機本体16内におけるベルトコンベア11に沿って立設された側壁25のうち、上流側の側壁(側壁の一部が切り欠かれてこの切り欠きより上流側)25と、通路28の側壁(通路側壁)27とにより形成される角部は平面視して斜めに面取りされている。そして、この面取り部分の縁には面取り壁41が立設されている。
通路28の構成壁27および面取り壁41はいずれも平滑な金属板(垂直壁)で形成されている。
なお、第1のノズル30から圧縮空気が噴射するように、ホースなどの配管を介して第1のノズル30とエアコンプレッサ17とが連通・連結されている(図示せず)。
そして、第2のノズル31は、回収容器の搬送路の上流側から通路28に向かう方向に斜め下向きに圧縮空気を送風するものである。また、第2のノズル31からの送風は、面取り壁41に沿ってなされる。第2のノズル31(斜め噴射ノズル)は、風力選別機本体16の入口近傍でかつベルトコンベア11の上方所定高さ位置に設けられている(図3、図5参照)。
第2のノズル31から圧縮空気が噴射するように、フレキシブルな配管などを介して第2のノズル31とエアコンプレッサ17とが連通・連結されている(図示せず)。
第1のノズル30から噴射する圧縮空気と、第2のノズル31から噴射する圧縮空気は、また、ブロワ17への圧縮空気は、同一のエアコンプレッサ17から供給される。第1のノズル30の放出流量と第2のノズル31の放出流量とは同じである。ブロワ17は3本のノズルからこれらノズル30,31に対しては圧縮空気を3倍量で噴出することとなる。
運転開始により稼動するベルトコンベア11にて搬送された回収容器は、風力選別機本体16内において、ブロア26からの横方向への常時送風により空容器が吹き上げられ、メッシュコンベア19に向かって吹き飛ばされて移動させられる。もし空容器が吹き上げられなかった場合であっても、第1のノズル30による送風により、空容器は風力選別機本体16内に戻される。また、ベルトコンベア11と通路28とが交差することにより形成される角部(下流側コーナー)の近傍における回収容器およびまたは空容器の集積(滞積)を、第1のノズル30による送風により分散させることができる。
同時に第2のノズル31により面取り壁41に沿って送風されることによって、回収容器およびまたは空容器が集積(滞積)することなく、通路28を通ってメッシュコンベア19に吹き飛ばされる。なお、これらのブロワ26および第1、第2のノズル30,31は、ベルトコンベア11が走行中(運転中)はONとされ、常時圧縮空気を噴射しているものである。
これにより、回収容器から空容器のみを選別することができ、手選別による負担を低減させることができる。その結果、回収容器の分別にかかる経費を低減することができる。
しかしながら、この実施例では、上流側側壁25と通路側壁27とにより形成される角が存在しない(面取り)だけでなく、第2のノズル31により面取り壁41に沿って送風されることによって、回収容器およびまたは空容器が集積(滞積)することなく、空容器は必ずメッシュコンベア19に吹き飛ばすことができる。
15 風力選別機、
16 風力選別機本体、
25 側壁、
26 ブロワ、
27 通路側壁、
28 通路、
30 第1のノズル、
31 第2のノズル。
Claims (2)
- ベルトコンベアによって搬送された、缶、瓶、ペットボトルからなる回収容器から、内容物が含まれていない缶とペットボトルとからなる空容器を風力により選別する風力選別機本体が、該ベルトコンベアにより構成される該回収容器の搬送路の途中に設けられた風力選別機であって、
前記風力選別機本体は、
前記ベルトコンベアに沿って立設された側壁と、
前記側壁の一部を切り欠いて、前記ベルトコンベアによる前記回収容器の搬送方向に対して直交する方向に延びるように設けられた通路側壁を有する通路と、
前記通路に前記空容器のみを吹き飛ばすブロワと、
前記搬送路の上流方向に向け送風する第1のノズルと、を有し、
前記第1のノズルによる送風により、前記ブロアによる前記空容器の吹き飛ばしの際に、前記ベルトコンベアと前記通路と交差することにより形成される角の近傍における前記回収容器およびまたは前記空容器の集積を抑制する風力選別機。 - 前記ベルトコンベアの上流側の側壁と前記通路側壁とから構成される角を面取りするとともに、面取りによって形成された面取り壁に沿って送風する第2のノズルが、前記ベルトコンベアの上流から前記通路に向かう方向に送風されるように設けられた請求項1に記載の風力選別機。
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