以下、図面を参照して、本発明の実施の形態による遊技機について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1実施形態)
〔遊技機構成〕
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態による遊技機1の全体構成を説明する。図1は、前面枠5及びガラス枠6を閉じた状態の遊技機1の斜視図である。図2は、ガラス枠6のみを開けた状態の遊技機1の斜視図である。
図1及び図2に示すように、遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5は、遊技盤30(図3参照)を収納可能な収納部(遊技盤収納部)5aを有する枠体である。前面枠5には、遊技盤30が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図3参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600及び演出制御装置700(図4参照)や、前面枠5の裏面下部に配置された電源装置800及び払出制御装置640等にアクセスすることができる。
前面枠5の裏面上部には島設備に設置された補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留する貯留ユニット641が設けられ、前面枠5の左側部裏側には貯留ユニット641から流下してきた遊技球を上皿11aに払い出す払出ユニット642が設けられる。払出制御装置640は、払出ユニット642の動作を制御する装置である。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図44参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図44参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図44参照)の一部を構成している。
また、ガラス枠6の裏面には補強板金6bが配設され、補強板金6bは後述する遊技盤30の除電ユニット900(図3参照)と接触可能に後方に突設される導通部6cを有する。導通部6cはアース部材として機能し、導通部6cが除電ユニット900の導電部材901(図34参照)と接触することで遊技盤30に帯電する静電気を除去する。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは前面枠5の左下隅部に配置される。
左側の可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1の始動口スイッチ等に対して電波を発振する行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ23(図43参照)によって磁気を検出したり、電波センサ24(図43参照)によって電波を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図43参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図43参照)によって検出される。
ガラス枠6の前面下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられた球発射ユニット13に供給される。
球発射ユニット13よりも下方の前面枠5には下皿14が設置されており、前面枠5の右下隅部には球発射ユニット13の動作を制御するための操作ハンドル15が設置されている。遊技者が操作ハンドル15を回動操作することによって、球発射ユニット13は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。また、演出ボタン17の外周部には選択ボタン29が配置されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図4参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態(通常状態)においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の確変状態(確率変動状態)、変動表示ゲームの抽選確率は通常の確率だが変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態(時間短縮変動状態)、大当り遊技状態(特別遊技状態)、又は小当り遊技状態等である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)などが考えられる。
なお、ループタイプでは確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定して確変状態を発生させ、回数切りタイプや転落抽選タイプでは大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしているが、特定領域を備える入賞装置などを設け、当該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
〔遊技盤構成〕
図3〜図5を参照して、遊技機1に備えられる遊技盤30について説明する。
図3は、センターケース(前面構成部材)34を取り付けた状態の遊技盤30の正面図である。図4は、遊技盤30、センターケース34、及び演出装置ユニット(裏面構成部材)200の斜視図である。図5は、センターケース34を取り外した状態の遊技盤30の斜視図である。なお、前面構成部材と裏面構成部材を合わせてセンターケースと呼ぶ場合もある。
図3〜図5に示すように、遊技盤30は、プラスチック等からなる矩形状の遊技板32の表面に、金属製のガイドレール32aや導電性樹脂製の区画部材32bを設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。遊技板32は、後方が透けて見える透明部材である。遊技板32と、遊技領域31を区画するガイドレール32a及び区画部材32bとによって、遊技盤本体部が構成される。
遊技盤30の右上隅部には、遊技板32に帯電する静電気をガラス枠6に逃がして除去する除電ユニット900が設けられる。なお、除電ユニット900の詳細については、図34〜図40にて後述する。
遊技盤30の右上隅部及び右下隅部には前面枠5に設けられるクランプ状の固定部材(図示省略)により固定される固定受部32cが形成されており、遊技盤30の左上隅部及び左下隅部には前面枠5に設けられる係合フック5b(図2参照)が係合可能な係合受部32dが形成されている。前面枠5の固定部材及び係合フック5bが遊技盤30の固定受部32c,係合受部32dに係合することで、遊技盤30は前面枠5の収納部5aに収納された状態で前面枠5の前面に固定される。
遊技領域31には、開口部(表示窓部)34aを有するセンターケース(前面構成部材)34が配設される。遊技板32にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口32eが形成されており、センターケース34はその開口32eに前方から嵌装される。
図4に示すように、遊技盤30の裏側には各種演出装置から構成される演出装置ユニット(裏面構成部材)200が配設され、この演出装置ユニット200の裏側には表示ユニット70及び主制御ユニット80が配設される。表示ユニット70は、メイン表示装置としての変動表示装置35と、変動表示装置35に表示される演出等を制御する演出制御装置700と、を備える。主制御ユニット80は、遊技制御装置600と、当該遊技制御装置600を演出装置ユニット200に対して回動可能に取り付けるためのベース部材81と、を備える。
図3及び図4に示すように、表示ユニット70の変動表示装置35は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する。センターケース34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部(表示窓部)34aを介して視認可能となっている。
変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域)を設定して、各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
図3に示すように、センターケース34の左側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース34の左下方の遊技領域31には3つの一般入賞口40が配置されており、センターケース34の右下方の遊技領域31には一つの一般入賞口40が配置されている。
センターケース34の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備える。遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。但し、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、可動部材38aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口38に入賞できないようになっている。
可動部材38aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド27(図43参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、確変状態や時短状態においては通常遊技状態に比べて入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりしており、このような状態を一般的には普電サポート状態という。
第1始動入賞口37と右側の一般入賞口40の間の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28a(図43参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下カウントスイッチ605a〜605m(図43参照)が配設されている。
また、センターケース34の左上部には、大入賞口ソレノイド28b(図43参照)によって回動することで第2大入賞口を開放する回動部42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上カウントスイッチ606(図43参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出ユニット642から上皿11aに排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が最も多く、一般入賞口40(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせても良い。
なお、第2始動入賞口38の下方の遊技領域31には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域31の外側であって遊技板32の右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜59を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、遊技機1の電源投入時から最初の大当りの発生まで大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知するための高確率表示部及び時短状態が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する時短状態表示部からなる遊技状態表示部57と、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉ラウンド回数)を表示するラウンド数表示部59が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、球発射ユニット13から遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット642を介して上皿11aに排出される。
普図始動ゲート36は、当該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図31、図43参照)と、ゲートスイッチ603を支持した状態でフランジ部36bを介して遊技盤本体部(遊技板32)に取り付けられるゲート部材(支持部材)36a(図31参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート36通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド27(図43参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口37への入賞及び第2始動入賞口38への入賞は、第1始動口スイッチ601(図43参照)と第2始動口スイッチ602(図43参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置600の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部54や特図2保留表示部55に表示されるとともに、変動表示装置35の表示部35aや後述するサブ表示装置(第2表示装置)としての表示器480にも表示される。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37への入賞もしくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への入賞もしくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、変動表示装置35の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置41や第2特別変動入賞装置42に設けられた大入賞口ソレノイド28a及び大入賞口ソレノイド28b(図43参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから特別遊技状態が発生するまでの間に後述するラウンド数決定遊技(補助遊技)を実行する場合と実行しない場合とがあるが、どちらか一方に統一しても良い。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、変動表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔センターケース〕
次に、図3、図6及び図7を参照して、センターケース34について説明する。図6は、センターケース34の分解斜視図である。図7(A)はセンターケース34に配設される振分装置90の分解斜視図であり、図7(B)はセンターケース34に設置された振分装置90の正面図である。
図6に示すように、センターケース(前面構成部材)34は、透明なリング状(フレーム状)の枠体として構成されている。センターケース34は、遊技盤30の遊技板32に形成された開口32e(図4参照)に嵌装される嵌装部34bと、嵌装部34bに対して鍔状に形成される鍔部34cと、遊技球が転動可能なガイド部34dと、を備える。センターケース34は、鍔部34cよりも前側が遊技領域31内に配設される。
図3及び図6に示すように、センターケース34の左上部には、第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第2大入賞口を開閉する回動部42aと、回動部42aを回動させる大入賞口ソレノイド28bと、遊技球の第2大入賞口への入賞を検出するカウントセンサとしての上カウントスイッチ606と、を備える。第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球は、入賞球流路44を通って遊技盤の裏面側に導かれる。
大入賞口ソレノイド28bは、センターケース34の裏面に固定される。大入賞口ソレノイド28bの取付位置におけるセンターケース34の前面には、装飾板34eが設けられている。装飾板34eは、大入賞口ソレノイド28bを隠蔽する部材である。センターケース34はほぼ全体が透明部材として形成されているが、装飾板34eを設けることで、大入賞口ソレノイド28bが前方から視認されることを防止でき、美観を損ねることがない。なお、装飾板34eを透明としてその前面に装飾シールを貼着することで、大入賞口ソレノイド28bが前方から視認されることを規制しても良い。
センターケース34の下部には、遊技球が転動可能な転動面101を有するステージ部100と、遊技領域31を流下する遊技球をステージ部100に導くワープ通路110と、演出装置ユニット(裏面構成部材)200の内部に遊技球が流入することを規制するためのカバー部材120とを備える。ステージ部100、ワープ通路110及びカバー部材120は透明部材として構成されている。
ワープ通路110は、センターケース34の左下部に配設される。ワープ通路110は、センターケース34の左側方の遊技領域31を流下してきた遊技球を受け入れ可能な受入部111と、受入部111を通過した遊技球をステージ部100の転動面101の左端に誘導する誘導部112と、から構成されている。受入部111は、センターケース34の左側方を流下してきた遊技球を受け入れやすいように左斜め上方に向かって開口している。誘導部112は、背面が開口する通路状となっているがカバー部材120によって背面の開口が塞がれるようになっている。
ステージ部100は、センターケース34の下部中央に配設される。ステージ部100は、左右方向に延設され、遊技球が転動可能な転動面101を備える。ステージ部100の後方にはカバー部材120が設けられる。
ステージ部100の転動面101は、左右両端部と中央部とが高くなる波状に形成されている。転動面101の中央部には後方に向かって下り傾斜する第1案内部102が設けられ、第1案内部102の左右両側方における転動面101には前方に向かって下り傾斜する第2案内部103が設けられる。
カバー部材120は、転動面101の後端部分から上方に起立する起立壁部121と、転動面101と対向するように起立壁部121の上端から前方に向かって折り返される折返壁部122とから構成される。カバー部材120の起立壁部121と折返壁部122とによって、転動面101を転動する遊技球が変動表示装置35(演出装置ユニット200)側に流入することを防止できる。
また、折返壁部122はその先端がステージ部100の前面よりも前方に突出するように形成されるので、ステージ部100の下方の遊技領域31等において遊技球が障害釘等に衝突して上方に跳ね上がっても、折返壁部122によって遊技領域31側に跳ね返される。これにより遊技領域31から跳ね上がった遊技球が変動表示装置35(演出装置ユニット200)側に進入することを防止できる。
カバー部材120の起立壁部121には、第1案内部102と対応する位置に形成される開口部121a、及び開口部121aとステージ部100の前面下部に開口する流出口104とに連通する連通路121b(図6参照)が形成される。第1案内部102から開口部121aを介して連通路121bに流入した遊技球は、転動面101の下方に誘導され、流出口104から遊技領域31に排出される。
ワープ通路110からステージ部100に導かれた遊技球は、転動面101上を転動した後、第1案内部102から連通路121bを通って流出口104から遊技領域31に排出されるか、又は第2案内部103から遊技領域31へと排出される。ステージ部100の流出口104は第1始動入賞口37の直上方に形成されるのに対して第2案内部103は第1始動入賞口37の左右側にずれて配設されているため(図3及び図6参照)、流出口104から排出される遊技球の方が第2案内部103から排出される遊技球よりも第1始動入賞口37へ誘導される確率が高くなる。
図3及び図6に示すように、センターケース34の右上部には、センターケース34のガイド部34dを転動してきた遊技球が流入する振分空間(振分空間部)34fが形成されており、当該振分空間34fには遊技球が通過可能な第1通過ゲート部34g(第1特定領域、抽選ゲート)及び第2通過ゲート部34h(第2特定領域、固定ゲート)が配設されている。振分空間34fに流入した遊技球は、振分装置90によって振り分けられ、第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hを通過する。振分装置90は、遊技球の流下ルートを切り換える装置である。なお、第1通過ゲート部34gの前面には「変動」の文字装飾が施されており、第2通過ゲート部34hの前面には「固定」の文字装飾が施されている。
図6及び図7(A)に示すように、振分装置90は、センターケース34の裏面に固定される固定ベース91と、固定ベース91内に固定される回転モータ92と、回転モータ92によって回転駆動され遊技球の流下ルートを切り換える切換部93と、を備える。
切換部93は、略円柱状の部材であって、外周面から径方向に突出する突起93aを有している。切換部93は、センターケース34の振分空間34f内に収容され、センターケース34の前面に対して回転可能に配設される。
回転モータ92は固定ベース91に取り付けられており、回転モータ92の回転軸92aには円板部96が固定されている。円板部96の中心には前方に突出する突出軸96aが形成され、この突出軸96aに切換部93の裏面に突設される軸部(図示省略)が固定される。したがって、回転モータ92の駆動力は、円板部96を介して切換部93に伝達される。
円板部96は前後方向に貫通する切欠部96bを備えており、切欠部96bを有する円板部96及び固定ベース91内に配設されるフォトセンサ97によって切換部93の初期位置が検出される。
フォトセンサ97は、円板部96が通過可能な溝部と、この溝部を跨ぐように配設された発光部及び受光部とを、備えている。フォトセンサ97の発光部は、受光部に向けて光(赤外線)を照射している。この光が、円板部96により遮光される遮光状態であるか、円板部96の切欠部96bを通じて通光する通光状態であるかを判別し、通光状態である場合に切換部93が初期位置にあると判断される。なお、切換部93の回転位置は、初期位置からの回転モータ92のステップ数により検出することができる。
図7(B)に示すように、センターケース34に切換部93が配設されることで、振分空間34f内には、第1通過ゲート部34gへと遊技球を誘導する第1誘導路94と、第2通過ゲート部34hへと遊技球を誘導する第2誘導路95とが形成される。
回転モータ92によって切換部93が図7(B)において時計回りに所定量回転すると、切換部93の突起93aが第2誘導路95の上流部を閉塞し、振分空間34f内に流入する遊技球は第1誘導路94を通じて第1通過ゲート部34gへと導かれる。一方、回転モータ92によって切換部93が図7(B)において反時計回りに所定量回転すると、切換部93の突起93aが第1誘導路94の上流部を閉塞し、振分空間34f内に流入する遊技球は第2誘導路95を通じて第2通過ゲート部34hへと導かれる。第1通過ゲート部34g及び第2通過ゲート部34hを通過した遊技球は、振分空間34fの下部に形成された排出通路98を通じて、センターケース34の右側方の遊技領域31に排出される。
なお、第1通過ゲート部34gには遊技球が第1通過ゲート部34gを通過したこと検出する第1通過検出センサ607aが設けられており、第2通過ゲート部34hには遊技球が第2通過ゲート部34hを通過したこと検出する第2通過検出センサ607bが設けられている。
図6及び図7(A)に示すように、振分装置90の固定ベース91内には、2枚のLED基板99a,99cが収容されている。
LED基板99aの前面には、第1誘導路94及び第2誘導路95に沿って複数(5個)のLED99bが設けられている。遊技状態に応じてLED99bを発光させることで、第1誘導路94及び第2誘導路95が光るような発光演出が行われる。
LED基板99cは、LED基板99aの下方に配置される。LED基板99cの前面には、排出通路98に沿って四個のLED99dが横一列に設けられるとともに、その下方に後述する報知演出に用いられる三個の報知LED99eが横一列に設けられる。
LED基板99cの報知LED99eの前方のセンターケース34には、各報知LED99eに対応してレンズ部材61〜63が取り付けられている。左側に配置されるレンズ部材61の前面には「変動」の文字装飾が施されており、右側に配置されるレンズ部材63の前面には「固定」の文字装飾が施されている。中央のレンズ部材62には、「狙え」の文字装飾が施されている。
遊技状態に応じてLED基板99cの報知LED99eを発光させることで、上記したレンズ部材61〜63を介した報知演出が行われる。この報知演出の詳細については、図104〜図105を参照して後述する。また、遊技状態に応じてLED基板99cのLED99dを発光させることで、排出通路98が光るような発光演出が行われる。
なお、遊技機1では、LED基板99aのLED99b及びLED基板99cのLED99dの前方には、レンズ部材を設けていないが、必要に応じてレンズ部材を設けてもよい。
〔演出装置ユニット〕
次に、図4及び図8を参照して、演出装置ユニット(裏面構成部材)200について説明する。図8は、演出装置ユニット200の分解斜視図である。
演出装置ユニット200は、遊技盤30の裏面に固定されるユニットベース部材210と、ユニットベース部材210内に収容される奥側演出装置300、下部演出装置220、上部装飾ユニット240、及び下部装飾ユニット260と、を備える。上部装飾ユニット240には、上部演出装置400及び右部演出装置500が取り付けられている。
図8及び図9を参照して、ユニットベース部材210について説明する。図9は、ユニットベース部材210の斜視図である。
図8及び図9に示すように、ユニットベース部材210は、背面壁211と、背面壁211の外周縁から前方に起立する側壁212とから構成される枠体であって、各種装置等を収容可能に構成されている。
遊技機1の遊技盤30の遊技板32は樹脂製であり、従来の木製の遊技板と比較して遊技板32の板厚は薄くなっている。遊技機1では、薄くなった遊技板32の板厚を補うため、ユニットベース部材210の側壁212の前端にスペーサ部材213が一体形成されている(スペーサ部材213を別部材として取り付けるようにしても良い)。ユニットベース部材210を遊技板32に設置した時の前後方向の厚さが薄いと前面枠5への係合による固定が困難となるが、ユニットベース部材210には前後方向に厚みを持たせたスペーサ部材213を設けたので、ユニットベース部材210を遊技板32に設置した時の前後方向の厚さが従来と同等となり、前面枠5に係合(適切に収納)させることが可能となる。
ユニットベース部材210の右上隅部に位置するスペーサ部材213には切欠部213aが形成されている。この切欠部213aは遊技盤30のアース処理のために必要であり、除電ユニット900(図3参照)に対応する位置に配設される。
なお、遊技機1では、スペーサ部材213を、ユニットベース部材210の側壁212に沿って額縁状に形成するようにしたが、ユニットベース部材210の左右上下の4つの角部のみに形成するようにしてもよい。また、スペーサ部材213は透明な遊技板32を介して視認可能となっているので、スペーサ部材213の前面に装飾シートや装飾シールを取り付けて装飾性を高めてもよい。
ユニットベース部材210の背面壁211は、その上側部分が後方に窪んでいる。背面壁211の上側部分と側壁212とによって取り囲まれる空間が奥側演出装置300及び上部装飾ユニット240を収容する上部収容空間214であり、背面壁211の下側部分と側壁212とによって取り囲まれる空間が下部演出装置220及び下部装飾ユニット260を収容する下部収容空間215である。
図4及び図9に示すように、ユニットベース部材210の上側部分の裏面には変動表示装置35を有する表示ユニット70が配設され、ユニットベース部材210の下側部分の裏面には遊技制御装置600を有する主制御ユニット80が配設される。
背面壁211の上側部分には、変動表示装置35の表示部35aと対応する位置に窓部216が開口形成されている。変動表示装置35の表示部35aは、窓部216を介して視認可能となっている。
また、背面壁211の下側部分の裏面には、遊技制御装置600や各種装置等と電気的に接続される中継基板が4つ取り付けられる。背面壁211には、図9の破線に示すように、これら4つの中継基板の周囲をそれぞれ取り囲む包囲壁が形成されている。包囲壁は、背面壁211の裏面から後方に起立する壁部材である。
ユニットベース部材210の下部に位置する側壁212には、下部装飾ユニット260を介して遊技盤30の下方に導かれる遊技球を通過させるための開口217が形成されている。また、ユニットベース部材210の左側に位置する曲面の側壁212には、遊技盤30に配設される電気部品の配線を通す配線用開口212a、212bが形成されている。電気部品の配線処理の詳細については、図29〜図33にて後述する。
また、ユニットベース部材210の右下部に位置するスペーサ部材213には、ドロワーコネクタ基板219を収納するための収納部218が設けられ、当該収納部の背面壁にはドロワーコネクタを遊技盤の後方に臨ませるための開口が形成されている。内枠5に設けられた収納部5aの右下部にもドロワーコネクタ基板(図示省略)が配設されており、収納部5aに遊技盤30が収納された時に、遊技盤30と内枠5のドロワーコネクタ同士が接続する。2つのドロワーコネクタを接続することで、遊技盤30側の各種電気部品(遊技制御装置600、演出制御装置700等)と内枠5側の各種電気部品(電源装置600、払出制御装置640等)を電気的に接続できる。電気部品の接続にワイヤーハーネスを用いる場合には配線の取り回し等が煩雑となるが、遊技機1ではドロワーコネクタ基板を用いているので接続作業の簡素化を図ることが可能となる。
〔下部演出装置〕
次に、図8、図10及び図11を参照して、下部演出装置220について説明する。図10は、下部演出装置220の分解斜視図である。図11(A)は下部演出装置220の可動部分の裏面図であり、図11(B)は下部演出装置220の斜視図である。
図8及び図10に示すように、下部演出装置220は、平板状の固定ベース221と、固定ベース221の前面に取り付けられるカバー部材222と、固定ベース221とカバー部材222との間の収容空間内に上下動可能に収容される可動装飾部材223と、可動装飾部材223を駆動する駆動モータ230と、を備える。
固定ベース221は、略矩形状の板部材であって、ユニットベース部材210の下部の背面壁211(図9参照)に固定される。
カバー部材222は、固定ベース221の前面を覆うように、当該固定ベース221に取り付けられる蓋部材である。カバー部材222と固定ベース221の間には各種部材を収容可能な収容空間が形成される。
カバー部材222は、後述する可動装飾部材223が下限位置(初期位置)にある場合に、可動装飾部材223の装飾体224を収容する収容凹部222aを有している。また、カバー部材222の上面壁222bには文字装飾が施されており、カバー部材222の前面壁222cには駆動モータ230等と接続する電気配線を通過させるための配線用開口222dが形成されている。
可動装飾部材223は、装飾体224と、当該装飾体224の裏面に固定されるスライド板225とを備え、下限位置(初期位置)と上限位置との間で上下動可能に構成されている。
装飾体224は円盤状の部材であって、装飾体224の前面には文字装飾が施されている。なお、装飾体224の内部にLED基板を配設し、LED基板に設けられたLEDを用いて装飾体224を発光させるようにしてもよい。
図10及び図11(A)に示すように、スライド板225は、上下方向に延設される板状部材である。スライド板225の上部は装飾体224の裏面に固定されており、スライド板225の下部は装飾体224から下方に延在するように構成されている。スライド板225は、固定ベース221の前面中央に固定されたガイド部材226に対して、上下方向に摺動自在に取り付けられる。ガイド部材226は上下方向に延設されており、ガイド部材226の横断面形状はコ字状に形成されている。
スライド板225がガイド部材226に取り付けられた状態では、スライド板225の後端側がガイド部材226内に挿入され、スライド板225の前端側はガイド部材226内に挿入されずに露出している。このように露出しているスライド板225の右側部には、上下方向に亘ってラックギア225aが形成されている。
駆動モータ230は、可動装飾部材223を上下動させる駆動源である。駆動モータ230は、出力軸231が後方に向かうように、カバー部材222の裏面に固定される。駆動モータ230の出力軸231には、主動ギア232が固定される。
主動ギア232は、固定ベース221に突出形成された第1軸221aに回転自在に軸支される第1従動ギア233に噛合する。第1従動ギア233は、固定ベース221に突出形成された第2軸221bに回転自在に軸支される第2従動ギア234に噛合する。第2従動ギア234は、可動装飾部材223のスライド板225のラックギア225aに噛合する。
上記のように構成される下部演出装置220では、遊技状態に応じて、可動装飾部材223が下限位置と上限位置との間で上下動するように制御される。
図8に示すように、下部演出装置220による演出が実行されていない場合には、駆動モータ230は停止しており、可動装飾部材223は下限位置に位置している。このように可動装飾部材223が下限位置にある場合には、装飾体224は、カバー部材120(図3参照)の後方に位置しており、視認されにくい状態となっている。
なお、固定ベース221には略コ字形状のフォトセンサ235が配設されており、可動装飾部材223が下限位置にある時に、可動装飾部材223のスライド板225の下端が、フォトセンサ235の凹部に挿入されフォトセンサ235の発射光を遮光するようになっている。したがって、フォトセンサ235が通光状態であるか遮光状態であるかを検知することで、可動装飾部材223が下限位置(初期位置)にあるか否かを検出することができる。
遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動モータ230が正転駆動され、駆動モータ230の駆動力が各ギア233,234,235を介してスライド板225に伝達される。これにより、図11(B)に示すようにスライド板225が上昇し、可動装飾部材223は上限位置まで上昇する。このように可動装飾部材223が上限位置まで上昇すると、装飾体224の全体が遊技者によって視認可能な状態となる。
その後、駆動モータ230が逆転駆動され、スライド板225が下降することで、可動装飾部材223は上限位置から初期位置に戻る。なお、駆動モータ230の正転及び逆転を交互に繰り返すことで、可動装飾部材223を上下に振動させる振動演出を実行することもできる。
〔奥側演出装置〕
次に、図8、図12〜図15を参照して、奥側演出装置300について説明する。図12は、奥側演出装置300の分解斜視図である。図13は、奥側演出装置300の左側のシャッタユニット330の分解斜視図である。図14は、左側のシャッタユニット330の回動扉340の回動動作を説明する図である。図15は、左側のシャッタユニット330のスライド動作を説明する図である。
図8及び図12に示すように、奥側演出装置300は、額縁状のベース枠310と、ベース枠310の前面側に取り付けられるカバー枠320と、ベース枠310とカバー枠320との間において左右方向にスライド移動可能に配設される一対のシャッタユニット330と、これらシャッタユニット330を駆動する駆動ユニット360と、を備える。
ベース枠310は、平板状の枠体であって、ユニットベース部材210の背面壁211の上部に固定される。ベース枠310は、ユニットベース部材210の窓部216と対応する位置に、変動表示装置35の表示部35aを視認可能とする開口部311を備える。
カバー枠320は、ベース枠310の形状に対応して形成された枠体であって、ベース枠310の前面を覆うように当該ベース枠310に固定される。カバー枠320は、ユニットベース部材210の窓部216と対応する位置に、変動表示装置35の表示部35aを視認可能とする開口部321を備える。
図12に示すように、ベース枠310とカバー枠320との間には、一対のシャッタユニット330が設けられる。これらシャッタユニット330は、変動表示装置35の表示部35aよりも側方の位置(初期位置)と、表示部35aの前方の位置(中央位置)との間で左右方向にスライド移動するように構成されている。したがって、シャッタユニット330が収容される空間は、変動表示装置35の表示部35aの側方に設定されてシャッタユニット330が待機する待機領域と、表示部35aの前方に設定されてシャッタユニット330が動作する演出領域と、に分けられる。
また、ベース枠310の上部とカバー枠320の上部との間には、シャッタユニット330を駆動する駆動ユニット360を配設するための配設空間が形成される。この配設空間は、シャッタユニット330が収容される空間(待機領域及び演出領域)と連通している。
一対のシャッタユニット330は、左右方向に離間して配設される。左側のシャッタユニット330と右側のシャッタユニット330とは、左右対称となるように構成されている。これらシャッタユニット330は同じ機能を果たす部材であるため、左側のシャッタユニット330の構成について主に説明し、右側のシャッタユニット330の構成についての説明は省略する。
図13に示すように、左側のシャッタユニット330は、スライド部材331と、スライド部材331の前面に取り付けられる装飾部材334と、スライド部材331及び装飾部材334に対して回動自在に設けられる回動扉340と、回動扉340を回転駆動する駆動モータ350と、を備える。
スライド部材331は、正面視で略コ字状の部材であって、前面上部に駆動モータ350を収容するための収容凹部331aを備えている。
スライド部材331の上端面には、カバー枠320の裏面上部に水平に固定されたガイドロッド322(図12及び図15参照)に対してスライド可能に取り付けられる取付部332が形成されている。取付部332には左右方向に亘って軸受孔332aが貫通形成されており、取付部332の軸受孔332aにガイドロッド322が挿通される。
ブロック状の取付部332の上端面には、後述する駆動ユニット360の無端ベルト375に固定されるベルト固定部333が形成されている。ベルト固定部333には左右方向に亘って貫通孔333aが形成されており、ベルト固定部333は貫通孔333aを介して無端ベルト375に取り付けられる。
装飾部材334はスライド部材331の前面を覆うように設けられる部材であって、装飾部材334の前面にはメッキ加工等の装飾が施されている。装飾部材334がスライド部材331に設置された状態では、駆動モータ350は装飾部材334によって隠蔽される。
スライド部材331及び装飾部材334の上部はもう一方のシャッタユニット330側に向かって突出する上側突出部330a(図12参照)として形成されており、スライド部材331及び装飾部材334の下部はもう一方のシャッタユニット330側に向かって突出する下側突出部330b(図12参照)として形成されている。左右二つのシャッタユニット330が中央位置まで移動した場合には、左側のシャッタユニット330の上側突出部330a及び下側突出部330bと、右側のシャッタユニット330の上側突出部330a及び下側突出部330bとが微小隙間をあけて対向(近接)する。
回動扉340は、スライド部材331及び装飾部材334に対して回動する可動部材である。回動扉340は、第1ベース341と、第1ベース341の裏側に固定される第2ベース342と、第1ベース341と第2ベース342との間の収容空間に配設されるLED基板343と、を備える。
第1ベース341は、略矩形状の透光性部材であって、表面(図14(A)参照)に文字装飾が施されている。第1ベース341の右上端面には上方に突出する上側回動軸341aが形成されており、第1ベース341の右下端面には下方に突出する下側回動軸341bが形成されている。
第1ベース341の裏面に固定される第2ベース342は、略矩形状の透光性部材であって、表面(図14(B)参照)に文字装飾が施されている。第2ベース342の前面であって、第1ベース341の上側回動軸341a及び下側回動軸341bが設けられる側とは反対側の側部寄りの位置には、上下一対の磁性体収容部342aが形成されている。これら磁性体収容部342aには、磁性体344が収容される。
LED基板343は、第1ベース341と第2ベース342の間の収容空間内において当該第1ベース341の裏面に固定される。LED基板343は、複数のLED343aを有しており、これらLED343aが横向きとなるように第1ベース341に配置されている。LED343aは、回動扉340の前面及び裏面(第1ベース341及び第2ベース342)を同時に発光させる共通の発光源である。このように、回動扉340の前面及び裏面を同時に発光させることで、回動扉340全体を用いた発光演出が可能となり、演出効果を高めることができる。また、回動扉340の前面及び裏面を発光させるためのLEDをそれぞれ別個に設ける場合に比べ部品点数が少なくなる。
回動扉340は、上側回動軸341a及び下側回動軸341bが装飾部材334の上部及び下部に形成された一対の軸受孔334aにそれぞれ挿入されることで、スライド部材331及び装飾部材334に対して回動可能となっている。回動扉340の上側回動軸341aは、連結部材351を介して駆動モータ350の出力軸に連結される。
図14(A)に示すように、回動扉340による回動演出が実行されていない場合には、駆動モータ350は停止しており、第1ベース341の表面が回動扉340の前面となり、第1ベース341の表面に施された文字装飾が視認可能となる。これに対して、回動扉340による回動演出が実行される場合には、駆動モータ350が駆動され、図14(B)に示すように第2ベース342の表面が回動扉340の前面となり、第2ベース342の表面に施された文字装飾が視認可能となる。
図12及び図15に示すように、一対のシャッタユニット330を駆動する駆動ユニット360は、ベース枠310の上部とカバー枠320の上部との間の配設空間内に収容される。駆動ユニット360は、左側のシャッタユニット330を駆動する左側駆動機構370と、右側のシャッタユニット330を駆動する右側駆動機構380と、から構成されている。
左側駆動機構370は、出力軸が後方に向くようにカバー枠320の裏面上部に固定される駆動モータ371と、駆動モータ371の出力軸に固定される主動プーリ372と、主動プーリ372の左右側方に配設される二つの従動プーリ373,374と、これらプーリ372,373,374に巻き回される無端ベルト375と、を備える。
従動プーリ373は、駆動モータ371の左側方に設けられており、ベース枠310とカバー枠320のそれぞれに端部が固定される固定軸361を介して軸支されている。また、従動プーリ374は、駆動モータ371の右側方に設けられており、ベース枠310とカバー枠320のそれぞれに端部が固定される固定軸362を介して軸支されている。
従動プーリ373,374の間に位置する無端ベルト375に、左側のシャッタユニット330のベルト固定部333が固定されている。
一方、右側駆動機構380は、出力軸が前方を向くようにベース枠310の前面上部に固定される駆動モータ381と、駆動モータ381の出力軸に固定される主動プーリ382と、主動プーリ382の左右側方に配設される二つの従動プーリ383,384と、これらプーリ382,383,384に巻き回される無端ベルト385と、を備える。
従動プーリ383は、駆動モータ381の左側方に設けられており、左側駆動機構370の従動プーリ374を軸支する固定軸362を介して軸支されている。このように、固定軸362は、従動プーリ374,383の両方を支持する共通軸となっている。また、従動プーリ384は、駆動モータ381の右側方に設けられており、ベース枠310とカバー枠320のそれぞれに端部が固定される固定軸363を介して軸支されている。
従動プーリ383,384の間に位置する無端ベルト385に、右側のシャッタユニット330のベルト固定部333が固定されている。
奥側演出装置300による演出が実行されていない場合には、駆動ユニット360の駆動モータ371,381は停止しており、左右のシャッタユニット330は待機領域における初期位置(待機位置)に位置している。このようにシャッタユニット330が初期位置にある場合には、シャッタユニット330は上部装飾ユニット240(図8参照)の後方に位置しており、シャッタユニット330のほぼ全体が視認されにくい状態となっている。シャッタユニット330の前方に上部装飾ユニット240が配設されているので、待機領域で停止しているシャッタユニット330においては、回動扉340による回動演出が不能となっている。つまり、待機領域は、シャッタユニット330の回動扉340が回動不能な広さ(前後幅)に設定されている。
なお、カバー枠320の左側部には略コ字形状のフォトセンサ335(図12参照)が配設されており、左側のシャッタユニット330が初期位置にある時に、シャッタユニット330のスライド部材331の左端面に形成された遮光板331b(図15参照)が、フォトセンサ335の凹部に挿入されフォトセンサ335の発射光を遮光するようになっている。したがって、フォトセンサ335が通光状態であるか遮光状態であるかを検知することで、左側のシャッタユニット330が初期位置にあるか否かを検出することができる。
また、カバー枠320の右側部には略コ字形状のフォトセンサ336(図12参照)が配設されており、右側のシャッタユニット330が初期位置にある時に、シャッタユニット330のスライド部材331の右端面に形成された遮光板331b(図12参照)が、フォトセンサ336の凹部に挿入されフォトセンサ336の発射光を遮光するようになっている。したがって、フォトセンサ336が通光状態であるか遮光状態であるかを検知することで、右側のシャッタユニット330が初期位置にあるか否かを検出することができる。
遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動ユニット360の駆動モータ371が逆転駆動され、左側のシャッタユニット330が初期位置から右方向に移動するように無端ベルト375が回転する。この時、駆動ユニット360の駆動モータ381が正転駆動され、右側のシャッタユニット330が初期位置から左方向に移動するように無端ベルト385が回転する。これにより、図15に示すように、左右のシャッタユニット330はガイドロッド322に沿って待機領域から変動表示装置35の表示部35aの前方の演出領域にスライド移動する。
なお、各シャッタユニット330のスライド部材331の下端面には突片331cが下向きに突出形成されており、各突片331cはベース枠310の下部とカバー枠320の下部との間に形成されたガイド溝(図示省略)に摺動自在に挿入されている。シャッタユニット330の上部は取付部332を介してガイドロッド322に沿ってガイドされ、シャッタユニット330の下部は突片331cを介してガイド溝に沿ってガイドされるので、シャッタユニット330をスムーズにスライド移動させることができる。
シャッタユニット330が待機領域内の初期位置から演出領域内の中央位置まで移動した場合には、シャッタユニット330のほぼ全体が遊技者によって視認可能となる。演出領域では、シャッタユニット330の前方に回動扉340の回動動作を妨げる部材が配設されておらず、回動扉340の回動動作が可能となっている。つまり、演出領域は、シャッタユニット330の回動扉340が回動可能な広さ(前後幅)に設定されている。
本実施形態による遊技機1では、左右のシャッタユニット330を待機領域内の初期位置から演出領域内の中央位置までスライド移動させてから、各シャッタユニット330の回動扉340を回動させる。このように演出動作を制御することで、変動表示装置35周りの待機領域や演出領域等の空間を効率的に活用でき、奥側演出装置300による演出効果を高めることが可能となる。
また、シャッタユニット330は待機領域から演出領域において左右方向にスライド移動するように構成されおり、シャッタユニット330に設けられる回動扉340は演出領域の前後方向の空間を利用して回動するように構成されているので、一つの奥側演出装置300において異なる演出動作を実現でき、奥側演出装置300の演出効果をより高めることが可能となる。また、待機領域周辺の省スペース化を図ることができる。
シャッタユニット330の待機領域の前方には上部装飾ユニット240が配設されているので、待機領域周辺における装飾性を高めることができる。なお、本実施形態では、待機領域にあるシャッタユニット330の前方に上部装飾ユニット240を配設するようにしたが、待機領域にあるシャッタユニット330の後方(待機領域の背面部分)に上部装飾ユニット240のような装飾部材を配設してもよい。この場合には、シャッタユニット330が待機領域から移動した場合に装飾部材が視認可能な状態となる。
奥側演出装置300では、ベース枠310の上部とカバー枠320の上部との間に駆動ユニット360を配設するための配設空間が形成されており、この配設空間はシャッタユニット330が動作する空間(待機領域及び演出領域)と連通するように構成されている。駆動ユニット360が駆動した場合には、無端ベルト375,385や各シャッタユニット330の動きにより、駆動ユニット360の配設空間内の空気とシャッタユニット330が動作する空間内の空気とが攪拌され、駆動ユニット360を構成する駆動モータ371,381の発熱を抑えることができる。これにより、駆動モータ371,381等の電気的駆動源の故障や動作不良を抑制することが可能となる。
〔下部装飾ユニット〕
次に、図8、図16〜図20を参照して、下部装飾ユニット260について説明する。
図16は、下部装飾ユニット260の分解斜視図である。図17は、下部装飾ユニット260を構成する中間部材290の斜視図である。図18は、中間部材290に取り付けられた装飾部材270の斜視図である。図19(A)は下部装飾ユニット260の一部を拡大した正面図であり、図19(B)は図19(A)のB−B面に沿う下部装飾ユニット260の縦断面図である。図20は、下部装飾ユニット260を構成する流路構成部材280の斜視図である。
図8に示すように、下部装飾ユニット260は、下部演出装置220の前方に配置された状態で、ユニットベース部材210の下部収容空間215内に収容される。下部装飾ユニット260は、遊技領域31の下部を装飾する部材として機能するとともに、入賞口等に入賞した遊技球を前面枠5の球回収口5c(図2参照)に誘導する部材として機能する。前面枠5の球回収口5cから回収された遊技球は、誘導路(図示省略)を通って遊技機1の外部に導かれる。
図8及び図16に示すように、下部装飾ユニット260は、流路構成部材280と、流路構成部材280の前面に配設される中間部材290と、中間部材290の前面に配設されるLED基板261と、中間部材290の前面を覆うように配設される装飾部材270と、を備える。
図16及び図17に示すように、中間部材290は、略矩形状の板部材である。中間部材290は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球を誘導する第1誘導樋291と、第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を誘導する第2誘導樋292と、一般入賞口40に入賞した遊技球を誘導する誘導路293と、を備える。
第1誘導樋291は、遊技領域31(図3参照)に設けられた第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に対応して、中間部材290の中央部に形成されている。第1誘導樋291は、前後方向に延設される遊技球転動路であって、中間部材290を前後方向に貫通するように形成されている。第1誘導樋291は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球を中間部材290の前方から後方に誘導する。
第2誘導樋292は、遊技領域31に設けられた第1特別変動入賞装置41に対応して、第1誘導樋291の右側方に形成されている。第2誘導樋292は、前後方向に延設される遊技球転動路であって、中間部材290を前後方向に貫通するように形成されている。第2誘導樋292は、第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を中間部材290の前方から後方に誘導する。
誘導路293は、遊技領域31に設けられた4つの一般入賞口40のそれぞれに対応して形成されている。第1誘導樋291の左側方に三つの誘導路293が設けられ、第2誘導樋292の右側方に一つの誘導路293が設けられる。誘導路293は、前後方向に延設される遊技球転動路であって、中間部材290を前後方向に貫通するように形成されている。誘導路293は、一般入賞口40に入賞した遊技球を中間部材290の前方から後方に誘導する。
また、中間部材290は、磁気センサ23を取り付けるための取付孔294(図16参照)を三つ有している。取付孔294は中間部材290を前後方向に貫通する孔であって、三つの取付孔294は左右方向に所定間隔をあけて配列されている。磁気センサ23は、中間部材290の裏側から取付孔294に挿入され、当該中間部材290に固定される。中間部材290に固定された状態では、磁気センサ23の先端部分が当該中間部材290の前方に突出する。
LED基板261は、中間部材290の前面に固定される。このLED基板261には、前方に向かって光を照射する複数のLED261aと、中間部材290の第1誘導樋291、第2誘導樋292及び誘導路293を通過させる五つの開口261bと、磁気センサ23を通過させる三つの通過孔261cとが設けられている。
図16及び図18に示すように、装飾部材270は略矩形板状の透光性部材であって、装飾部材270の前面には文字装飾等の各種装飾が施されている。装飾部材270は、LED基板261を覆うように中間部材290に取り付けられる。下部装飾ユニット260が遊技機1に備えられた状態では、下部装飾ユニット260の装飾部材270はカバー部材120(図3及び図4参照)の後方に位置しており、装飾部材270の上側半分が透明のカバー部材120や遊技板32越しに視認可能となる。
装飾部材270は、中間部材290の第1誘導樋291を収容する樋収容部271と、第2誘導樋292を通過させる貫通孔272と、誘導路293を通過させる貫通孔273と、を備える。
樋収容部271は、装飾部材270の中央部分に形成されている。装飾部材270が中間部材290に設置された状態では、樋収容部271内に中間部材290の第1誘導樋291が収容される。樋収容部271の前側壁には、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球を当該樋収容部271内に受け入れる貫通孔271aが形成されている。
また、装飾部材270が中間部材290に設置された状態では、中間部材290の第2誘導樋292は貫通孔272を通じて装飾部材270の前方に突出し、中間部材290の各誘導路293は各貫通孔273を通じて装飾部材270の前方に突出する。
図16及び図18に示すように、上記した装飾部材270は、磁気センサ23を収容する磁気センサ収容部274と、電波センサ24を収容する電波センサ収容部276と、をさらに備えている。
電波センサ収容部276は、装飾部材270に左下部に設けられている。電波センサ24は、電波センサ収容部276内に取り付けられる。
磁気センサ収容部274は、中間部材290に固定される三つの磁気センサ23に対応して配置されている。三つの磁気センサ収容部274は、装飾部材270の前面上部であって、遊技板32を介して遊技者から視認可能となる位置に設けられている。
図19(A)及び図19(B)に示すように、磁気センサ収容部274は、略円筒状に形成されており、磁気センサ23の先端部分が挿入される挿入孔274aを有している。したがって、装飾部材270が中間部材290に設置されると、中間部材290に固定された磁気センサ23の先端部分が装飾部材270の磁気センサ収容部274の挿入孔274a内に挿入される。磁気センサ収容部274内に収容された磁気センサ23は、当該磁気センサ23が配置された遊技領域31周辺の所定範囲内の磁気を検出する。
図16及び図18に示すように、装飾部材270の前面上部であって、遊技板32を介して遊技者から視認可能となる位置には、磁気センサ収容部274の外形と同一の外形を有するダミー収容部275が二つ設けられる。ダミー収容部275は、磁気センサ収容部274に収容された磁気センサ23の磁気検出範囲外(磁気検出範囲内でも良い)の位置に配置される。このようにダミー収容部275を装飾部材270に設けることで、磁気センサ23の個数を増やすことなく、磁気不正に対する抑止力を高めることが可能となる。
なお、装飾部材270には二つのダミー収容部275を形成したが、ダミー収容部275の個数は必要に応じて任意に定められる。
上記のように構成される下部装飾ユニット260では、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球は装飾部材270の前方から貫通孔271a及び第1誘導樋291を通じて中間部材290の後方に誘導され、第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球は装飾部材270の前方から第2誘導樋292を通じて中間部材290の後方に誘導される。また、各一般入賞口40に入賞した遊技球は、装飾部材270の前方から各誘導路293を通じて中間部材290の後方に誘導される。このように中間部材290の後方に誘導された遊技球は、流路構成部材280の前面側の各種流路に流入する。
図16及び図20に示すように、流路構成部材280は、中間部材290の裏面に固定され、中間部材290の裏面と流路構成部材280の前面との間に各種流路を形成する枠体である。
流路構成部材280は、第1誘導樋291から流入してきた遊技球を下方に導く始動入賞口流路281と、第2誘導樋292から流入してきた遊技球を下方に導く第1大入賞口流路282と、左側の三つの誘導路293から流入してきた遊技球を下方に導く一般入賞口流路283と、右側の一つの誘導路293から流入してきた遊技球を下方に導く一般入賞口流路284と、第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を下方に導く第2大入賞口流路285と、これら流路281〜285から流下してきた遊技球が合流する合流路286と、を備える。
始動入賞口流路281は、流路構成部材280の前面中央部に形成される。始動入賞口流路281の上流部は第1誘導樋291に連通し、始動入賞口流路281の下流部は合流路286に連通する。第1誘導樋291から流入してきた遊技球は、始動入賞口流路281を流下して合流路286に導かれる。
第1大入賞口流路282は、始動入賞口流路281の右側方の流路構成部材280に形成される。第1大入賞口流路282の上流部は第2誘導樋292に連通し、第1大入賞口流路282の下流部は合流路286に連通する。第2誘導樋292から流入してきた遊技球は、第1大入賞口流路282を流下して合流路286に導かれる。
一般入賞口流路283は、始動入賞口流路281の左側方の流路構成部材280に形成される。一般入賞口流路283の上流部は三つの流路に分岐しており、これら三つの流路が三つの誘導路293のそれぞれに連通している。一般入賞口流路283の下流部は、上流部の三つの流路が集合する一つの流路であって、合流路286に連通する。左側の三つの誘導路293から流入してきた遊技球は、一般入賞口流路283を流下して合流路286に導かれる。一般入賞口流路283の出口部には、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出する入賞口スイッチ604aが設けられている。
一般入賞口流路284は、第1大入賞口流路282の右側方の流路構成部材280に形成される。一般入賞口流路284の上流部は右側の誘導路293に連通し、一般入賞口流路284の下流部は合流路286に連通する。右側の誘導路293から流入してきた遊技球は、一般入賞口流路284を流下して合流路286に導かれる。一般入賞口流路284の出口部には、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出する入賞口スイッチ604bが設けられている。
第2大入賞口流路285は、一般入賞口流路283の左側方の流路構成部材280に形成される。第2大入賞口流路285の上流部は第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を流下させる入賞球流路44(図6及び図21参照)の下流端に連通し、第2大入賞口流路285の下流部は合流路286に連通する。入賞球流路44から流入してきた遊技球は、第2大入賞口流路285を流下して合流路286に導かれる。
合流路286は、流路構成部材280の前面下部に設けられ、流入してきた遊技球を遊技機1の前方に転動させるように形成されている。合流路286を転動した遊技球は、ユニットベース部材210に形成される開口217を介して前面枠5の球回収口5c(図2参照)に導かれ、図示しない誘導路を通って遊技機1の外部に導かれる。
なお、図20に示すように、流路構成部材280は、磁気センサ23等の各種センサの電気配線を外側に導出するための配線用開口287を有している。
上記した下部装飾ユニット260では、磁気センサ23を中間部材290に固定し、磁気センサ23を収容する磁気センサ収容部274を装飾部材270に設けるようにしたが、磁気センサ23を装飾部材270と遊技板32との間に配設してもよい。また、電波センサ24を、装飾部材270の電波センサ収容部276に配設するのではなく、装飾部材270と遊技板32との間に配設してもよい。
〔上部装飾ユニット〕
次に、図8及び図21を参照して、上部装飾ユニット240について説明する。図21は、上部装飾ユニット240の分解斜視図である。
図8及び図21に示すように、上部装飾ユニット240は、奥側演出装置300の前方に配置された状態で、ユニットベース部材210の上部収容空間214内に収容される。
上部装飾ユニット240は、変動表示装置35の表示部35aの左側縁に沿って上下方向に延在する左装飾部241と、表示部35aの右側縁に沿って上下方向に延在する右装飾部242と、表示部35aの上側縁に沿って左右方向に延在する上装飾部243と、を備える。上部装飾ユニット240は、正面視で略コ字状に構成されている。
図21に示すように、左装飾部241は、普図始動ゲート36を含む左側の遊技領域31の後方に配置される(図3参照)。左装飾部241の裏面には、第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を流下させる入賞球流路44が取り付けられる。
入賞球流路44は、第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を左右方向に誘導する上流側流路44aと、上流側流路44aに連接され遊技球を下方に誘導する下流側流路44bと、から構成される。
入賞球流路44の下流側流路44bが左装飾部241の裏面に固定され、下流側流路44bの上部に連接される上流側流路44aは左装飾部241の切欠部241aを通って左装飾部241の右側方に延設される。上流側流路44aは上装飾部243の下面に沿って配設され、上流側流路44aの上流端はセンターケース(前面構成部材)34に設けられる入賞球流路44に接続され、第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に入賞した遊技球が流入する。また、入賞球流路44の下流側流路44bの下流端は、前述した下部装飾ユニット260の第2大入賞口流路285(図20参照)の上流部に接続される。
普図始動ゲート36の後方に位置する左装飾部241には、磁気センサ23を収容するための磁気センサ収容部241bが形成されている。この磁気センサ収容部241bに収容された磁気センサ23によって、普図始動ゲート36周辺(図31参照)の磁気が検出される。これに対して、第2特別変動入賞装置42の大入賞口ソレノイド28b(図32参照)が配設される位置近傍の上装飾部243には、磁気センサ収容部241bと同外形を有するダミー収容部243bが設けられている。ダミー収容部243bは、磁気センサ収容部241bに収容された磁気センサ23の磁気検出範囲外(磁気検出範囲内でも良い)の位置に配置される。大入賞口ソレノイド28bの周辺に磁気センサを配置すると、ソレノイド駆動時の磁力を磁気センサが検出してしまい、磁気不正の判断を誤ってしまう可能性がある。そのため、大入賞口ソレノイド28bの近傍には、磁気センサを収容する磁気センサ収容部ではなく、ダミー収容部243bを配設し、第2特別変動入賞装置42に対する磁気不正を抑止している。なお、大入賞口ソレノイド28bの近傍に、当該大入賞口ソレノイド28bからの磁力を検出しない程度に検出精度を低下させた磁気センサを配置してもよい。
左装飾部241、右装飾部242、及び上装飾部243は透光性部材であって、これら装飾部241,242,243の裏面には一枚のLED基板244が固定される。LED基板244の前面には、左装飾部241、右装飾部242、及び上装飾部243に対して光を照射するLED244aが複数設けられている。
また、上装飾部243の前面には上部演出装置400を取り付けるための取付凹部243aが形成されており、右装飾部242の前面には右部演出装置500を取り付けるための取付凹部242aが形成されている。
上部演出装置400が上装飾部243の取付凹部243aに設置された状態では、当該上部演出装置400は、センターケース34の開口部(表示窓部)34a内であって、変動表示装置35の表示部35aの上方に位置している(図3参照)。また、右部演出装置500が右装飾部242の取付凹部242aに設置された状態では、当該右部演出装置500は、センターケース34の開口部(表示窓部)34a内であって、変動表示装置35の表示部35aの右側方に位置している(図3参照)。
〔上部演出装置〕
次に、図21〜図25Bを参照して、上部演出装置400について説明する。
図22は、上部演出装置400の分解斜視図である。図23は、上部演出装置400の可動表示ユニット450を構成する導光板470の斜視図である。図24は、上部演出装置400の横断面図である。図25Aは、上部演出装置400の可動表示ユニット450及び駆動機構440の斜視図である。図25Bは、固定ベース420を取り外した状態における上部演出装置400の裏面図である。
図21及び図22に示すように、上部演出装置400は、上装飾部243の取付凹部243aに固定される上部固定ユニット410と、上部固定ユニット410の前面に上下動可能に配設される可動表示ユニット450と、から構成されている。
図22〜図24に示すように、可動表示ユニット450は、各種部材が取り付けられる取付ベース460と、取付ベース460の前方に配設される導光板470と、導光板470の前方に配設されるサブ表示装置としての表示器480と、各種部材の周囲を取り囲むように取付ベース460に取り付けられるカバー部材490と、を備える。
取付ベース460は平板状の部材であり、取付ベース460の前面の上部及び下部には前方に立設する壁部461が形成されている。上下一対の壁部461は、左右方向に延設されるともに、上側の壁部461の下面と下側の壁部461の上面とが対向するように配置される。上側の壁部461の下面には導光板470の上部が係合可能な係合溝461aが左右方向に亘って形成されており、下側の壁部461の上面には導光板470の下端が係合可能な係合溝461aが左右方向に亘って形成されている。導光板470は、これら係合溝461aに係合することで、上下の壁部461によって支持される。
導光板470は透光性を有する板部材であって、導光板470の内部には「大チャンスざます!!」という文字をかたどったパターン溝が形成されている。導光板470は、当該導光板470の左右側方に配置されるLED基板462のLED462aからの光を受けた時に、パターン溝が発光表示されるように構成されている。
二つのLED基板462は、取付ベース460の前面に左右方向に離間して配置される。取付ベース460には左右一対の基板支持部463が形成されており、これら左右の基板支持部463にLED基板462がそれぞれ取り付けられる。左側の基板支持部463に支持されたLED基板462のLED462aは導光板470の左端面に光を照射するように右向きに配置され、右側の基板支持部463に支持されたLED基板462のLED462aは導光板470の右端面に光を照射するように左向きに配置される。
左側のLED基板462には四つのLED462aが上下一列に並んで配置されており、右側のLED基板462には三つのLED462aが上下一列に並んで配置されている。左側のLED基板462の各LED462aと、右側のLED基板462の各LED462aとは、上下方向の位置が異なるように上下にずらして配置されている。このようなLED配置とすることで、導光板470を全体的に均一に照らすことが可能となる。
図22及び図24に示すように、表示器480は、矩形状のELディスプレイであって、非表示状態時には後方に配置された導光板470が視認可能な透過型表示装置である。表示器480は、カバー部材490内に取り付けられる。表示器480が配設されたカバー部材490を取付ベース460に取り付けることで、表示器480は導光板470の前方に位置するようになっている。
カバー部材490は透光性を有する枠部材であり、カバー部材490の前面には表示器480を視認可能とする窓部491が開口形成されている。
図22、図24及び図25Aを参照して、上部演出装置400の上部固定ユニット410について説明する。
図22、図24及び図25Aに示すように、上部固定ユニット410は、固定ベース420と、固定ベース420の前面に取り付けられる装飾カバー部材430と、固定ベース420と装飾カバー部材430との間の収容空間に配設され可動表示ユニット450を駆動する駆動機構440と、を備える。
固定ベース420は、平板状の部材であって、上装飾部243の取付凹部243aに固定される。固定ベース420の前面には、駆動機構440の駆動モータ441を取り付けるための取付部421が形成されている。
装飾カバー部材430は、駆動機構440を取り囲むカバー部材であって、固定ベース420に固定される。装飾カバー部材430の前面には「陸」、「海」、「空」の文字装飾が施されており、三つの文字装飾は左右方向に一列に並設されている。これら文字装飾は、可動表示ユニット450が上部固定ユニット410の前方に位置している場合には可動表示ユニット450により隠蔽されて視認不能な状態となり、可動表示ユニット450が下降した場合には視認可能な状態となる。
駆動機構440は、駆動源としての駆動モータ441と、駆動モータ441の出力軸に固定される円板状のカムリンク442と、カムリンク442と連係するスライダー443と、を備える。
スライダー443は、左右方向に延在する平板状の部材である。スライダー443は、当該スライダー443を前後方向に貫通するとともに、左右方向に延設される長孔443aを有している。スライダー443の長孔443aには、カムリンク442のリンクピン442aが摺動自在に挿入される。リンクピン442aは、カムリンク442の回転中心からオフセットされた位置において、当該カムリンク442の前面に固定されている。
スライダー443の左右両端部には前方に向かって突出する連結ピン443bが設けられており、装飾カバー部材430にはスライダー443の連結ピン443bを前後方向に通過させるガイド溝431が形成されている。二つのガイド溝431は、上下方向に対して僅かに傾いて延設されており、左右方向に離間した状態で平行に配置されている。スライダー443を装飾カバー部材430に配設した状態では、スライダー443の連結ピン443bはガイド溝431を通じて装飾カバー部材430の前方に突出する。連結ピン443bの突出部分には、可動表示ユニット450の取付ベース460が固定される。このように可動表示ユニット450はスライダー443の連結ピン443bを介して支持されている。
なお、二つのガイド溝431の間における装飾カバー部材430には、スライダー443の前面に突設されたガイドピン464(図25A及び図25B参照)が摺動自在に挿入される中央ガイド溝432が設けられる。中央ガイド溝432は、ガイド溝431と平行に形成されている。
図25Bに示すように、上部演出装置400による演出が実行されていない場合には、駆動機構440の駆動モータ441は停止しており、カムリンク442のリンクピン442aは最上位置に位置している。この時、スライダー443の連結ピン443bによって支持されている可動表示ユニット450は、上部固定ユニット410の前方位置(初期位置)で停止している。可動表示ユニット450が初期位置で停止している場合には、上部固定ユニット410の装飾カバー部材430の文字装飾は視認不能な状態となる。
遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動機構440の駆動モータ441が正転駆動され、カムリンク442のリンクピン442aが図25Bにおいて時計回り方向に旋回する。リンクピン442aが旋回してスライダー443の長孔443aを摺動しながら最上位置から下降すると、リンクピン442aの位置に応じてスライダー443も下降する。これにより、スライダー443の連結ピン443bによって支持されている可動表示ユニット450が上部固定ユニット410に対して下降する。この時、可動表示ユニット450の取付ベース460のガイドピン464は、装飾カバー部材430の中央ガイド溝432に沿って下方に移動する。
リンクピン442aが最上位置から最下位置まで旋回すると、可動表示ユニット450が初期位置から下限位置まで下降し、上部固定ユニット410の装飾カバー部材430の文字装飾が視認可能な状態となる。この後、リンクピン442aが最下位置から最上位置まで旋回するように駆動モータ441が正転駆動されると、可動表示ユニット450は初期位置まで上昇する。
なお、上部演出装置400はスライダー443の位置を検出する位置検出センサ(図示省略)を備えており、この位置検出センサに基づいて可動表示ユニット450が初期位置にあるか下限位置にあるかが判定される。また、上部演出装置400では、駆動モータ441の正転及び逆転を交互に繰り返すことで、可動表示ユニット450を上下に振動させる振動演出を実行することもできる。
〔右部演出装置〕
次に、図21、図26〜図28Bを参照して、右部演出装置500について説明する。
図26は、右部演出装置500の分解斜視図である。図27は、右部演出装置500の縦断面斜視図である。図28Aは、右部演出装置500の可動装飾ユニット550及び駆動機構540の斜視図である。図28Bは、固定ベース520を取り外した状態における右部演出装置500の裏面図である。
図21及び図26に示すように、右部演出装置500は、右装飾部242の取付凹部242aに固定される側部固定ユニット510と、側部固定ユニット510に対して左右方向にスライド移動可能に配設される可動装飾ユニット550と、から構成されている。
図26及び図27に示すように、可動装飾ユニット550は、側部固定ユニット510の前方に配設される取付ベース560と、取付ベース560の前面に固定される装飾部材570と、装飾部材570に対して回転可能に設けられる回転筒580と、装飾部材570の下部に取り付けられる一対の赤外線センサ(人感センサ)590と、を備える。
取付ベース560は平板状の部材であり、取付ベース560の前面には装飾部材570が取り付けられている。
装飾部材570は、箱状部材である。装飾部材570の中央部分には前後方向に貫通する開口部571が形成され、この開口部571内に位置するように回転筒580が配設される。回転筒580の上端は閉塞端として形成されており、回転筒580の下端は開口端として形成されている。
装飾部材570の上部には回転筒580を回転駆動する駆動モータ551を収容するモータ収容部572が形成されており、装飾部材570の下部には赤外線センサ590を収容するセンサ収容部573が形成されている。
駆動モータ551がモータ収容部572に収容された状態では、駆動モータ551の出力軸は下向きとなる。駆動モータ551の出力軸の下端には、回転筒580の閉塞端(上端)が固定される。
また、装飾部材570の開口部571には、回転筒580の開口端を通じて当該回転筒580内に挿入されるLED基板552が固定されている。このLED基板552の表面には、回転筒580を発光させるための複数のLED552aが設けられている。
赤外線センサは、遊技者の身体の一部等が検出範囲内に進入したことを検出する非接触式人感センサである。赤外線センサ590の検出範囲については、図111にて後述する。装飾部材570のセンサ収容部573には、二個の赤外線センサ590が左右方向に隣接して配設されている。
図26及び図27に示すように、側部固定ユニット510は、固定ベース520と、固定ベース520の前面に取り付けられる装飾カバー部材530と、固定ベース520と装飾カバー部材530との間の収容空間に配設され可動装飾ユニット550を駆動する駆動機構540と、を備える。
固定ベース520は、平板状の部材であって、右装飾部242の取付凹部242aに固定される。固定ベース520の前面には、駆動機構540の駆動モータ541を取り付けるための取付部521が形成されている。
装飾カバー部材530は、駆動機構540を取り囲むカバー部材であって、固定ベース520に固定される。装飾カバー部材530の前面には、「手をかざして廻せ」の文字装飾が施されている。この文字装飾は、可動装飾ユニット550が側部固定ユニット510の前方に位置している場合には可動装飾ユニット550により隠蔽されて視認不能な状態となり、可動装飾ユニット550が左方向にスライド移動した場合には視認可能な状態となる。
図26及び図28Aに示すように、駆動機構540は、駆動源としての駆動モータ541と、駆動モータ541の出力軸に固定される円板状のカムリンク542と、カムリンク542と連係するスライダー543と、を備える。
スライダー543は、上下方向に延在する平板状の部材である。スライダー543は、当該スライダー543を前後方向に貫通するとともに、上下方向に延設される長孔543aを有している。スライダー543の長孔543aには、カムリンク542のリンクピン542aが摺動自在に挿入される。リンクピン542aは、カムリンク542の回転中心からオフセットされた位置において、当該カムリンク542の前面に固定されている。
スライダー543の上下両端部には前方に向かって突出するガイドピン543bが設けられており、装飾カバー部材530にはスライダー543のガイドピン543bが摺動自在に係合するガイド溝531が形成されている。二つのガイド溝531は、左右方向に延設されるとともに、上下方向に離間した状態で水平に配置されている。スライダー543は、ガイドピン543bがガイド溝531に沿って摺動することで、左右方向にスライド移動する。
また、可動装飾ユニット550の取付ベース560の裏面にはスライダー543に連結される上下一対の連結ボス561(図28A参照)が形成されており、これら連結ボス561を介して、取付ベース560を含む可動装飾ユニット550がスライダー543に固定される。装飾カバー部材530には、取付ベース560の連結ボス561を前後方向に通過させるガイド溝532が形成されている。二つのガイド溝532は、左右方向に延設されており、二つのガイド溝531の内側において上下方向に離間した状態で水平に配置されている。可動装飾ユニット550は、連結ボス561がガイド溝532に沿って摺動することで、左右方向にスライド移動する。
図27に示すように、右部演出装置500による演出が実行されていない場合には、駆動機構540の駆動モータ541は停止しており、カムリンク542のリンクピン542aは最も右寄りの右限位置に位置している。この時、スライダー543によって支持されている可動装飾ユニット550は、側部固定ユニット510の前方位置(初期位置)で停止している。可動装飾ユニット550が初期位置で停止している場合には、側部固定ユニット510の装飾カバー部材530の文字装飾は視認不能な状態となる。
図28Bに示すように、遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動機構540の駆動モータ541が正転駆動され、カムリンク542のリンクピン542aが図28Bにおいて時計回り方向に旋回する。リンクピン542aが旋回してスライダー543の長孔543aを摺動しながら右限位置から左方に移動すると、リンクピン542aの位置に応じてスライダー543も左方向に移動する。これにより、スライダー543に連結されている連結ボス561がガイド溝532に沿って移動し、可動装飾ユニット550が側部固定ユニット510に対して左方向にスライド移動する。
リンクピン542aが右限位置から左限位置まで旋回すると、可動装飾ユニット550が初期位置から左側方の左限位置までスライド移動し、側部固定ユニット510の装飾カバー部材530の文字装飾が視認可能な状態となる。この後、リンクピン542aが左限位置から右限位置まで旋回するように駆動モータ541が逆転駆動されると、可動装飾ユニット550は初期位置までスライド移動する。
右部演出装置500は、可動装飾ユニット550が左限位置に位置し、かつ赤外線センサ590が検出状態となった場合に、駆動モータ551によって回転筒580を回転させるように構成されている。この時、LED基板552のLED552aを用いた発光演出も行われる。
なお、右部演出装置500はスライダー543の位置を検出する位置検出センサ(図示省略)を備えており、この位置検出センサに基づいて可動装飾ユニット550が初期位置にあるか左限位置にあるかが判定される。また、右部演出装置500では、駆動モータ541の正転及び逆転を交互に繰り返すことで、可動装飾ユニット550を左右に振動させる振動演出を実行することもできる。
〔配線引き回し構造〕
以下、図29から図33を参照して、遊技板32に配設される電気部品(ここでは普図始動ゲート36及び第2特別変動入賞装置42)の配線引き回し構造について説明する。前述のように本発明の第1の実施の形態の遊技板32は後方を透視可能な透明部材である。このため、遊技盤30と後方のユニットベース部材210との間の装飾空間(すなわち、前述の上部収容空間214と下部収容空間215とからなる空間)に配設される演出装置ユニット200は、遊技者から視認されて装飾効果を生み出す立体装飾部材として機能する。また、遊技盤30に配設され、遊技板32の後方に引き回される電気部品の配線も遊技者から視認可能となるので、立体装飾部材の装飾を邪魔しない配線処理が望まれる。
図29は、本発明の第1の実施の形態の上部装飾ユニット240の斜視図である。図30は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤30を取り付けた状態の上部装飾ユニット240の左上拡大斜視図である。図31は、本発明の第1の実施の形態の図30における普図始動ゲート(ゲートスイッチ603が特定電気部品に相当)36の周辺拡大図である。図32は、本発明の第1の実施の形態の図30における大入賞口ソレノイド28b及び上カウントスイッチ606(通常電気部品に相当)の周辺拡大図である。図33は、本発明の第1の実施の形態の図30における普図始動ゲート36周辺部分の裏面斜視図である。
図29に示すように、正面視でメイン表示装置(変動表示装置)35の左右側部及び上部の周縁を略コ字状に装飾する上部装飾ユニット240は、左装飾部241と、右装飾部242と、上装飾部243とで構成される。なお、図29は前述した図21に含まれる図と同じであり、説明済みの構成については同じ符号を付して適宜説明を省略する。
右装飾部242の上方には、上装飾部243との繋ぎ部分にセンターケース34の振分装置90(図3参照)が配設されるので、振分装置90に設けられる各センサの配線を上部装飾ユニット240の裏面側に引き回すための配線用開口242bが設けられている。
上装飾部243の取付凹部243aには、上部演出装置400(図8参照)の配線を上部装飾ユニット240の裏面側に引き回すための配線用開口243cが設けられている。また、上装飾部243には、第2特別変動入賞装置42(図30参照)の後方に位置して上部前面装飾部材245が設けられる。そして、上部前面装飾部材245の前面には、第2特別変動入賞装置42の配線を上部装飾ユニット240の裏面側に引き回すための配線用開口245aが設けられている。
ここで、第2特別変動入賞装置42の配線引き回し構造について説明する。図30及び図32に示すように、遊技盤30を取り付けた状態では上部前面装飾部材245の前方には、遊技領域31に設けられる第2特別変動入賞装置42が配置される。第2特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド28bによって回動部42aが動作することで第2大入賞口に遊技球が入賞可能になる。第2大入賞口には入賞した遊技球を検出する上カウントスイッチ606が備えられている。第2大入賞口に入賞した遊技球は、入賞球流路44に導かれる。そして、図32及び図33に示すように、大入賞口ソレノイド28b及び上カウントスイッチ606の配線W2は、回動部42aの後方に位置する配線用開口245aから上部前面装飾部材245等の立体装飾部材の内部に形成される配線導出路(図示省略)を通って、ユニットベース部材210の裏面側の配線用開口212bから装飾空間の外に導出される。このように、上部前面装飾部材245は、配線W2が遊技板32の後方で露出しないように遮蔽するとともに装飾効果も有する遮蔽装飾部として機能し、さらに前面の配線用開口245aから配線W2を内部に引き入れて裏面側に引き出すための配線導出部としても機能する。
このように第2特別変動入賞装置42が遊技板32の中央寄り(上部装飾ユニット240の中央)に配置される場合は、第2特別変動入賞装置42の配線W2を、後方の立体装飾部材の内部に設けられる配線導出路を介して立体装飾部材の裏面側に引き回し、装飾空間の外に導出する。これにより、上部装飾ユニット240の前方に配線W2を通して端部まで引き回す構造に比べ、配線距離が短く効率のよい配線処理を行うことができるとともに、遊技板32後方の美観や視認性の低下を抑制することができる。このとき配線W2は、上部装飾ユニット240の上装飾部243に突出して設けられる上部前面装飾部材245から内部に引き入れられる。このように上部装飾ユニット240は、装飾空間に収納されるベースの上装飾部243(第2装飾部)の前方に突出して設けられ、遊技板32の裏面に近接もしくは当接する上部前面装飾部材245(第1装飾部)を備える。上装飾部243よりも遊技板32に近い上部前面装飾部材245に配線用開口245aが設けられ、配線用開口245aから配線W2が内部に引きこまれるので、遊技板32の後方における配線W2の露出量を減らすことができ、遊技板の後方の美観の低下を抑制することができる。
また、図29、図30及び図32に示すように、上部前面装飾部材245の上方には、不正行為を検出する磁気センサ23を収容しているかのように見せるダミー収容部243bが突設される。このようなダミー収容部243bは、あまり不正行為が発生しない場所や他の磁気を有する装置(例えば、第2特別変動入賞装置42)に反応してしまう場所に設けられる。遊技者には磁気センサ23の有無を判断することはできない。このようにダミー収容部243bを設けることで、遊技者に数多くの磁気センサ23が設置されていると思わせることができるので、不正行為を断念させる効果が得られる。
図29に示すように、左装飾部241の前面には、側部前面装飾部246が突設される。図30及び図31に示すように、側部前面装飾部246は、普図始動ゲート36の後方に位置し、遊技板32裏から装飾空間に出されるゲートスイッチ603の配線W1が前方を通るように配設される。具体的には、ゲートスイッチ603の配線W1は、ゲート部材36aのフランジ部36bの後方及び側部前面装飾部246の前方を通過しその端部に引き回される。その後、図33に示すように、配線W1は、ユニットベース部材210の側壁212に前後方向に形成される配線用開口212aから装飾空間の外部に導出され、配線用開口212aに沿って配線されてユニットベース部材210の裏面側に導出される。ユニットベース部材210は、配線W1を配線用開口212aに通して装飾空間の外に引き回す配線導出部としても機能する。
ここで、側部前面装飾部246は、配線W1と同系色になるよう配色される。これにより、側部前面装飾部246の前方を通る配線W1が目立たなくなるので、さらに遊技板32の後方の美観や側部前面装飾部246の視認性の低下を抑制することができる。なお、側部前面装飾部246に配線W1の引き回し方向(ここでは左右方向)と同じ方向への縞模様やカットを設けて、配線W1と同系色になってもならなくても同等の効果が得られるようにしてもよい。
このように普図始動ゲート36が遊技板32の端部寄り(装飾空間の端部)に配設される場合は、普図始動ゲート36の配線W1を、後方の上部装飾ユニット240の前を通って端部まで引き回し、側方に設けられる配線用開口212aに通して装飾空間の外に導出する。このとき上部装飾ユニット240の前面(遊技者が遊技板32を介して視認可能な領域)に配線導出部を形成する必要がないので、上部装飾ユニット240の装飾性の低下を防止することができる。
また、前述した第2特別変動入賞装置42の大入賞口ソレノイド28bの前方には、当該大入賞口ソレノイド28bを遮蔽する装飾板(遮蔽板)34e(図6参照)が設けられている。この装飾板34eにより、大入賞口ソレノイド28bが遊技者に直接視認可能となることを規制しており、第2特別変動入賞装置42周辺の美観が損なわれることを防止することができる。また、装飾板34eの後方を大入賞口ソレノイド28bの配線が通ってから配線用開口245aに導かれるため、装飾板34eによって大入賞口ソレノイド28bの配線が視認し難くなる。また、普図始動ゲート36のゲートスイッチ603は、ゲート部材36a(図31参照)により前面側が覆われた状態となっているため、当該ゲート部材36aがゲートスイッチ603を遮蔽する部材として機能する。これにより、ゲートスイッチ603が遊技者に直接視認可能となることを規制しており、普図始動ゲート36周辺の美観が損なわれることを防止することができる。さらに、ゲート部材36aに設けられたフランジ部36bの後方をゲートスイッチ603の配線が通過するので、フランジ部36bによってゲートスイッチ603の配線が視認し難くなる。
以上、本発明の第1の実施の形態では、遊技領域31(装飾空間)の端部に近い普図始動ゲート36(第2電気部品)の配線W1は、上部装飾ユニット240(立体装飾部材)の前方を通って、ユニットベース部材210の配線用開口212aに沿って引き回されることで装飾空間の外に導出される一方、遊技領域31の端部から遠い第2特別変動入賞装置42(第1電気部品)の配線W2は、上部装飾ユニット240の配線用開口245aから内部を通って装飾空間の外に導出される。そして、装飾空間の外(ユニットベース部材210の裏面側)に導出された配線W1、W2は、遊技制御装置600に接続される。このように、電気部品の配置に応じて配線の引き回し構造を適用するので効率のよい配線処理が可能である。
なお、図29〜図31に示すように、普図始動ゲート36近くの磁気センサ収容部241bは、その形状はダミー収容部243bと同じである。磁気センサ収容部241bは、不正行為を検出する磁気センサ23を実際に収容している。このように、遊技領域31に一見して区別がつかない磁気センサ収容部241b及びダミー収容部243bを設け、不正行為の発生割合が高い箇所に磁気センサ23を備えることで、効率よく不正行為の発見及び防止を行うことができる。なお、本発明の第1の実施の形態では、磁気センサ収容部241b及びダミー収容部243bは、それぞれ左装飾部241及び上装飾部243(すなわち上部装飾ユニット240)に配設されているが、遊技板32側に配設してもよい。
〔除電ユニット〕
次に、図34から図40を参照して、透明樹脂製の遊技板32に帯電した静電気を枠体(ここではガラス枠6)側に逃がす除電ユニット900について説明する。前述したように本発明の第1の実施の形態では、ガラス枠6の裏面に補強板金6b(図2参照)が設けられ、遊技盤30の右側部上方に除電ユニット900(図3及び図5参照)が設けられる。そして、ガラス枠6と前面枠5からなる枠体(開閉枠4)に遊技盤30が収納された状態において、除電ユニット900に設けられる金属の導電部材901をガラス枠6の補強板金6bに接触させることでアースする。以下、その仕組みを説明する。
図34は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤30に設けられた除電ユニット900の取付状態を示す斜視図である。図35は、本発明の第1の実施の形態の除電ユニット900の斜視分解図である。図36は、本発明の第1の実施の形態の除電ユニット900の裏面斜視図である。図37は、本発明の第1の実施の形態の図34における除電ユニット900を示す縦断面図である。図38及び図39は、本発明の第1の実施の形態の枠体(開閉枠4)に収納されるときの除電ユニット900の動作態様を示す縦断面図である。
図34〜図39に示すように、遊技盤30の右側部上方には、遊技板32前面の区画部材32bによって除電ユニット900を取り付ける取付部902が形成される。除電ユニット900は、前面に開口するねじ穴903を有し、取付部902に取り付けられた後、ねじ穴903にねじ904を通して遊技板32に止着される。取付部902の後方に位置する遊技板32及びユニットベース部材210のスペーサ部材213には、ねじ904による止着位置の下方にそれぞれ切欠部32f、213aが形成される。これら切欠部32f、213aは、遊技盤30が前面枠5に収納されるときに前面枠5に設けられる突出押圧部5d(図38参照)が挿通可能なように形成されている。
ここで、除電ユニット900は、収容空間形成部905及びレール導通部906を有するベース部材907と、ガラス枠6の補強板金6bに接触可能な導電部材901と、ガイドレール32aと接触可能な導通部材908と、を備える。なお、ガイドレール32aは遊技板32に直接取り付けられていても良いし、区画部材32bに取り付けられていても良い。要は、発射された遊技球や遊技板に帯電した静電気を集めることができれば遊技板32への取り付け方は任意に設定できる。
ベース部材907は後面が開口した箱形状であり、収容空間形成部905は、開口した後面から導電部材901を収容可能な収容空間905aを形成している。また、レール導通部906は、収容空間形成部905の側面に、遊技領域31を区画するガイドレール32aと接触可能に突出して設けられる。ここで、レール導通部906の後面にはL字型の導通部材908が取り付けられる。レール導通部906の端部には導通部材908及びガイドレール32aを差し込み可能な差込部906aが設けられており、図36に示すように差込部906aに差し込まれた導通部材908の接触部908aとガイドレール32aとが接触することでガイドレール32aを介して遊技盤30に帯電する静電気を除電ユニット900の導通部材908に流す。そして、導通部材908のもう一方の端部には、ねじ904によってベース部材907及び導電部材901と共に遊技板32に止着される被固定部908bが設けられており、ガイドレール32aから接触部908aを介して導通部材908に流れた静電気を被固定部908bを介して導電部材901に流す。
導電部材901の上端部には、前面で導通部材908の被固定部908bと接触し、後面で遊技板32と接触し、前述したようにベース部材907及び導通部材908とともにねじ904によって遊技板32に止着される被固定部901aが設けられる。また、被固定部901aの下方には、押圧受部901bが設けられる。図37に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられていない状態において、押圧受部901bは、遊技板32の切欠部32fに突出して臨む。また、図38に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられた状態において、押圧受部901bは、切欠部32fに挿通される前面枠5の突出押圧部5dにより前方に押し出される。そして、押圧受部901bの下方には、前下方に傾斜する平板部901cを介して接触部901dが設けられる。このとき平板部901cは、ベース部材907の後面に設けられる支持部907aの上面に沿って配設される。
図37に示すように導電部材901の接触部901dは、遊技盤30が前面枠5に取り付けられていない状態ではベース部材907の収容空間905a内に収まっている状態(埋没状態)を維持する。これに対し、図38に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられた状態では、前面枠5の突出押圧部5dによる押圧受部901bの前方への押し出しに伴って導電部材901の接触部901dも前方に押し出される。そして、押圧受部901bが切欠部32fから完全に押し出されると、接触部901dは、ベース部材907(収容空間形成部905)の前面に開口して設けられる露出開口907bから外部(遊技盤30の外)に突出する突出状態に変化する。
このように導電部材901は、押圧受部901bが前方向への力を受けることで弾性変形する板ばねとして機能する。そして、図39に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられて接触部901dが埋没状態から突出状態に変換した状態でガラス枠6が閉じられると、接触部901dにガラス枠6裏面に設けられる補強板金6bの導通部6cが接触する。これにより導電部材901は遊技盤30の静電気を導通部6cを介してガラス枠6に逃がして除去することができる。
このとき接触部901dの下方であって導電部材901の下端には、接触部901dの前方への突出を規制するストッパ部901eが設けられており、ストッパ部901eがベース部材907の露出開口907bの下枠を形成する動作規制部907cに係止されることで、接触部901dの突出状態が安定する。
本発明の第1の実施の形態の除電ユニット900は、遊技盤30が前面枠5に収納されない状態、すなわち遊技盤30が運搬されたり着脱されたりする状況では、導電部材901はベース部材907(収容空間905a)から露出しない埋没状態を維持するので、導電部材901によって作業者が怪我することを防止することができる。一方、遊技盤30が前面枠5に収納されている状態では、導電部材901は前面枠5の突出押圧部5dによって埋没状態からベース部材907の外に突出する突出状態に変換される。そして、導電部材901が突出状態のときガラス枠6を閉じると、補強板金6bの導通部6cは接触部901dと接触して遊技盤30に帯電した静電気を除去するアース部材として機能する。
このように本発明の除電ユニット900は、樹脂製の遊技板32に帯電した静電気を枠体側(ここではガラス枠6)に逃がすことで確実に除去することができる。また、遊技盤30の収納状況に応じて導電部材901の姿勢状態が変換されるので、安全な運搬作業及び着脱作業を提供することができる。また、導電部材901の状態変換作業やアース部材との接触作業は、遊技盤30を前面枠5及びガラス枠6からなる収納枠体に収納する作業に伴い完了するので、特別な除電作業が不要である。そして、遊技盤30の収容作業効率が下がることもなく、効率よい除電を提供できる。
そして、遊技板32に設けられ、遊技領域31を区画するガイドレール32aは遊技板32に帯電した静電気を集める帯電部材として機能し、ガイドレール32aと遊技盤30の端部に設けられる除電ユニット900の導電部材901とは、導通部材908を介して導通する。帯電し易い遊技板32に静電気を集める帯電部材を設けることで集電効率が向上し、効率よく遊技板32に帯電した静電気を除去することができる。
なお、導通部材908の接触部908aと接触する遊技盤30の帯電部材は、ガイドレール32aに限らない。遊技盤30に設けられ、導電性の高い部材であれば装飾用のメッキパーツでもよい。遊技領域31に臨むように遊技板32に取り付けられる装飾部材を帯電部材として機能させるためには、装飾部材に金属膜を付着すればよいので、遊技領域31(遊技板32の後方)の美観を損ねることなく、遊技領域31に臨む帯電部材を配設することができる。
また、除電ユニット900のベース部材907は、遊技板32の前方に設けられている区画部材32bと遊技板32とに挟持された状態でねじ904によって遊技板32に止着される。これにより、導電部材901を支持するベース部材907の遊技板32への止着状態が強固なものになり安定する。
ここで、除電ユニット900を遊技板32に止着する止着部材として導電性の高いねじ904を用いる。このときベース部材907だけでなく、導電部材901も一緒に遊技板32に止着される。よって、遊技板32に帯電した静電気は止着部材を介して導電部材901に導かれるので、除電効率が向上する。
なお、本発明の第1の実施の形態では、ガラス枠6を閉じたときに除電ユニット900の導電部材901が枠体(開閉枠4)の外枠側(ガラス枠6)に接地される構成としたが、内枠側(前面枠5)に接地される構成にしてもよい。
(変形例)
図40は、本発明の第1の実施の形態の変形例の除電ユニットを示す図である。図40(A)は斜視図であり、図40(B)は枠体に取り付けられた状態における縦断面図である。
変形例では、図40(A)及び図40(B)に示すように、ベース部材907の露出開口907bの左右枠に沿って前方に保護壁907dが突設される。保護壁907dは、導電部材901の接触部901dが突出状態であるときに接触部901dを左右側方から被覆可能に設けられ、このときガラス枠6の補強板金6bの導通部6cは保護壁907dの間で接触部901dに接触する。
これにより、薄板である導電部材901の接触部901dの側部エッジを破損や変形から保護することができる。
以上、本実施形態における遊技機1の構造について説明した。続いて、本実施形態における遊技機1の制御について説明する。まず、本実施形態における遊技の仕様について説明する。
〔遊技機仕様〕
図41は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の仕様を説明する図である。(A)は変動表示ゲームの仕様、(B)は特図変動表示ゲームが特別結果となった場合の各大当り状態(特別遊技状態)の発生割合、(C)は抽選ゲート(変動部、第1通過ゲート部34g)に遊技球が通過した場合の大当り状態のラウンド数の選択確率を含むラウンド振分テーブル1、(D)は固定ゲート(固定部、第2通過ゲート部34h)に遊技球が通過した場合の大当り状態のラウンド数を含むラウンド振分テーブル2を示している。
(A)を参照すると、本実施形態における遊技機では、低確率状態では、大当り確率が1/300、高確率状態(確変状態)では大当り確率が1/50に設定されている。
また、特図変動表示ゲームで大当りが発生すると、65/100の確率で確変状態に移行する。具体的には、(B)に示すように、第1特別結果確変大当り、第2特別結果通常大当り、第2特別結果確変大当りの3種類が発生し、それぞれ、5/100、35/100、60/100の確率で選択される。
大当り状態におけるラウンド数は、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド、16ラウンドが選択可能となっている。第1特別結果確変大当りでは、常に16ラウンドが選択される。一方、第2特別結果通常大当り及び第2特別結果確変大当りの場合には、5ラウンド、10ラウンド又は15ラウンドのいずれかが選択される。
具体的には、前述のように、振分装置90の抽選ゲートを遊技球が通過した場合には、(C)に示すように、50/100の確率で5ラウンド又は15ラウンドが選択される。一方、固定ゲートに遊技球が通過した場合には、(D)に示すように、必ず10ラウンドが選択される。
最後に普図変動表示ゲームについて説明する。本実施形態では、普電サポート状態(電サポ状態、時短状態又は確変状態)でない場合(非電サポ状態)には、普図変動表示ゲームの当選確率が0/128に設定されており、必ず当選しないように設定されている。
一方、普電サポート状態の場合には、普図変動表示ゲームの当選確率が127/128に設定されており、ほぼ確実に当選するように設定されている。普図変動表示ゲームに当選すると、普通電動役物が1.5秒間開放され、さらに、この開放が3回繰り返される。また、複数の開放パターンを定義し、抽選によっていずれかの開放パターンで普通電動役物を開放させるようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機1では、普図変動表示ゲームの変動時間は、普電サポート状態であるか否かにかかわらず、1秒間となっている。非電サポ状態で普図変動表示ゲームの当選確率に0よりも大きい値が設定され、さらに変動時間が長く設定されている場合には、普図変動表示ゲームが終了するまでに時間を要するため、特別遊技状態の終了後にすぐに普電サポート状態に移行できないおそれがある。普図変動表示ゲームの当選確率を0に設定し、変動時間を一定にすることによって、特別遊技状態の終了後にすぐに普電サポート状態に移行させることが可能となる。
なお、非電サポ状態においても普図変動表示ゲームの当選確率が0よりも大きい値を設定してもよい。さらに、複数の開放パターンを設定するようにしてもよい。例えば、通常の普電ショート開放の他に、所定の確率で普通電動役物を比較的長い時間開放させる普電ロング開放を含めるようにしてもよい。普電ロング開放中には、特別な演出を実行するようにしてもよい。
なお、本実施形態の遊技機1では、2つの始動入賞口が備えられているが、いずれの始動入賞口に入賞しても第1特別結果確変大当り、第2特別結果通常大当り、第2特別結果確変大当りの振り分けは同じであるが、例えば、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、第1特別結果確変大当りに振り分けられる確率を高くするなど、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合のほうが有利となるように設定してもよい。
続いて、本発明の第1の実施の形態の遊技機における状態遷移について説明する。図42は、本発明の第1の実施の形態の遊技機における状態の遷移を説明する図である。
まず、通常状態において、始動入賞口に遊技球が入賞すると、変動表示ゲームが開始される。変動表示ゲームがはずれの場合には、通常状態に戻る。
変動表示ゲームの結果が第1特別結果の場合には、図41にて説明したように、16ラウンド大当りとなる。このとき、センターケース34の上部に配設された第2特別変動入賞装置42が開放される。
一方、変動表示ゲームの結果が第2特別結果となった場合には、遊技者は振分装置90に向かって遊技球を発射し、抽選ゲート(第1通過ゲート部34g)又は固定ゲート(第2通過ゲート部34h)に当該遊技球を通過させる。
前述のように、遊技者が抽選ゲート(第1通過ゲート部34g)を選択して遊技球を通過させた場合には、抽選で5ラウンド又は15ラウンドが選択される。一方、固定ゲート(第2通過ゲート部34h)が選択された場合には、必ず、10ラウンドが選択されるようになっている。
本実施形態では、5ラウンドが選択される確率と、15ラウンドが選択される確率はそれぞれ50/100に設定されているが、抽選ゲート(第1通過ゲート部34g)を選択した場合に選択されるラウンド数の期待値が10ラウンドになるように設定されていれば、別のラウンド数を設定するようにしてもよい。例えば、4ラウンドと16ラウンドが50/100の確率で選択されるようにしてもよいし、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンドが等確率で選択されるようにしてもよい。
したがって、遊技者は、確実に10ラウンド分の賞球が得られるように固定ゲートを選択してもよいし、より多くの賞球を取得可能な抽選ゲートを選択してもよく、好みによって選択することができる。
また、変動表示ゲームの結果が第2特別結果となった場合には、特別遊技状態が開始されると、遊技盤30の右下方に配設されたアタッカ形式の第1特別変動入賞装置41が選択されたラウンド数分だけ開放される。
〔遊技制御装置/演出制御装置〕
次に、図43及び図44を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図43は、遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図44は、遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図43に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621(621a、621b)及び入力ポート622(622a、622b)、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621aには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及び下カウントスイッチ605a〜605mが接続される。また、近接I/F621bには、上カウントスイッチ606、第1通過検出センサ607a及び第2通過検出センサ607bが接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
第1通過検出センサ607aは、振分装置90に備えられた第1通過ゲート部34gを遊技球が通過したことを検出する。同様に、第2通過検出センサ607bは、第2通過ゲート部34hを遊技球が通過したことを検出する。
近接I/F621は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F621は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F621aと近接I/F621bの二つの近接I/Fを設けている理由は、近接I/F621aの入力端子数が限られているためである。近接I/F621bは不足する入力端子数に応じて近接I/F621aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしてもよい。なお、近接I/F621aとして必要な入力端子数を備えるものを用いることによって、近接I/F621bを設けないようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、電波センサ24の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート622aに入力される。また、入力ポート622aには、遊技機1の前面枠5等に設けられた不正検出用の磁気センサ23の検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ24は、入賞口スイッチ604などを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート622aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、入力ポート622bへの出力は、遊技制御装置600から中継基板650を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F621の出力のうち第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622bの他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに直接遊技用マイコン611へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602からの負論理の信号を直接遊技用マイコン611へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート622aには、磁気センサ23からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート622bが保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート622aや後述の入力ポート623も同様である。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、普図表示部(普図表示器)53、特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、高確率表示部、時短状態表示部、ラウンド数表示部59が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。遊技制御装置600から演出制御装置700には、シリアル通信でデータが送信される。
演出制御装置700には、出力部630のバッファ632aを介してサブコマンドが入力される。バッファ632aを有することによって、演出制御装置700の側から遊技制御装置600に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631b及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図3参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置42の回動部42a(図3参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材38aを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631bとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、及び上カウントスイッチ606からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス680を介して遊技用マイコン611に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部630を介さずに直接中継基板650に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板650のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板650を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各ポート622、623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各ポートから遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
図44に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17又は選択ボタン29(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752n、人感センサ(赤外線センサ)590のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750が設けられている。さらに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカ10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図45は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図46は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、入力ポート623の状態を読み込み(ステップA1004)、割込み処理のモードを設定する(ステップA1005)。
次に、遊技制御装置600は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))640や演出制御装置700)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(ステップA1006)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640や演出制御装置700の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。したがって、遊技制御装置600が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置600)の起動を遅らせて従属制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなしている。
なお、入力ポート623には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート623の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置600は、停電を監視する処理を実行する(ステップA1007〜ステップA1011)。遊技制御装置600は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(ステップA1007)。停電監視信号のチェックは、電源装置800から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1008)。そして、ステップA1007の処理で設定したチェック回数分だけステップA1008の判定を繰り返す(ステップA1009)。
遊技制御装置600は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(ステップA1009の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。すなわち、遊技制御装置600が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなしている。これにより、遊技制御装置600の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンでない場合(ステップA1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップA1010)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(ステップA1011)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(ステップA1011の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、ステップA1007の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(ステップA1011の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1012)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1013)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1014)。本実施形態では、遊技制御装置600は、演出制御装置700との間でシリアル通信を行っている。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1015)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1015の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1016、ステップA1017)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1016の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、ステップA1017の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1016、ステップA1017の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1018)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1019)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1016又はステップA1017の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1018の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1019の結果が「N」)、図46のステップA1040からステップA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1019の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップA1020)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1021)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1021の結果が「N」)、ステップA1024以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1021の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1022)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率表示部のLEDをオン(点灯)に設定する(ステップA1023)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1024)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1041)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1042)。さらに、電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1025以降の処理を実行する。
なお、ステップA1024で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1043で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置600は、ステップA1024又はステップA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1025)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1026)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。このとき、乱数生成回路が正常に動作するかのチェックを行うようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1027)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1028)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1029)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、ステップA1029の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1029からステップA1031までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1029)の前に割り込みを許可(ステップA1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1032の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1032の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1033〜ステップA1039)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1033)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1036)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1037)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1038)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1039)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図47は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606、第1通過検出センサ607a、第2通過検出センサ607bなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置640に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。例えば、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜m、上カウントスイッチ606が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
次に、遊技制御装置600は、特別遊技状態における大当りラウンド数を決定するための振分装置90の動作を制御する振分状態処理を実行する。なお、振分状態処理の詳細については、図48にて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図49にて後述する。また、特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1110)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1111)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサ23からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1112)。さらに、電波センサ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する電波不正監視処理を実行する(ステップA1113)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1114)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1115)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1116)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1117)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔振分状態更新処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における振分状態更新処理(ステップA1108)の詳細について説明する。本処理では、センターケース右上部に配設された振分装置90に設けられた切換部93の振分状態を所定間隔(本実施形態では、5秒)で切り替えて、振分状態の情報を演出制御装置700にコマンド出力するための処理である。図48は、本発明の第1の実施の形態の振分状態更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、振分状態が初期化済みであるか否かを判定する(ステップA7001)。本実施形態では、振分部材(切換部93)の初期状態は、「変動側」となっている。遊技制御装置600は、振分状態が初期化済みの場合には(ステップA7001の結果が「Y」)、ステップA7007以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、振分状態が初期化済みでない場合には(ステップA7001の結果が「N」)、振分状態の初期化処理を実行する(ステップA7002)。そして、初期化が完了したか否かを判定する(ステップA7003)。初期化が完了しない場合には(ステップA7003の結果が「N」)、振分部材(切換部93)の振分状態の初期化が完了するまでA7004以降の処理を待機させるために、振分状態更新処理を終了する。
遊技制御装置600は、切換部93の初期化が完了した場合には(ステップA7003の結果が「Y」)、初期の振分状態に応じた振分状態コマンドを準備し(ステップA7004)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7005)。さらに、振分状態を切り替えるタイミングを設定する切替タイマをセットする(ステップA7006)。なお、本実施形態では、切替タイマに設定する時間は5秒となっている。
続いて、遊技制御装置600は、切替タイマが0でなければ、タイマを−1更新する(ステップA7007)。そして、切替タイマが0になったか否かを判定する(ステップA7008)。切替タイマが0になった場合には(ステップA7008の結果が「Y」)、振分状態を切り替えるタイミングであるため、振分部材(切換部93)の状態変更をセットし(ステップA7014)、切替タイマを5秒に設定する(ステップA7015)。
一方、遊技制御装置600は、切替タイマが0になっていない場合には(ステップA7008の結果が「N」)、振分状態の変更中であるか否かを判定する(ステップA7009)。振分状態の変更中でない場合には(ステップA7009の結果が「N」)、振分状態の変更が完了しているため、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、振分状態の変更中である場合には(ステップA7009の結果が「Y」)、振分状態変更処理を実行する(ステップA7010)。そして、振分状態の変更が完了したか否かを判定する(ステップA7011)。振分状態の変更が完了していない場合には(ステップA7011の結果が「N」)、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、振分状態の変更が完了した場合には(ステップA7011の結果が「Y」)、変更後の振分状態に応じた振分状態コマンドを準備し(ステップA7012)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7013)。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1109)の詳細について説明する。図49は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1通過ゲート部(抽選ゲート)34g及び第2通過ゲート部(固定ゲート)34hの遊技球の通過の監視、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
遊技制御装置600は、まず、第1通過ゲート部34g及び第2通過ゲート部34hの遊技球の通過を監視する通過ゲートスイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。通過ゲートスイッチ監視処理では、通過したゲートに応じた大当りラウンドを決定するための乱数を抽出及び保存する処理である。通過ゲートスイッチ監視処理の詳細については、図50にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図51にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(ステップA1203)。大入賞口スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置42内に設けられた上カウントスイッチ606及び第1特別変動入賞装置41内に設けられた下カウントスイッチ605a〜605mによって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしていなければ、特図ゲーム処理タイマを−1更新する(ステップA1204)。そして、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1205)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1204の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。なお、変動表示ゲームが実行される場合にのみ変動制御タイマを更新することによって変動時間を計測するようにしてもよい。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA1205の結果が「N」)、ステップA1218以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(ステップA1205の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1206)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA1207)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1208)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1209)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA1209の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(ステップA1210)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図54にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA1209の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(ステップA1211)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。特図変動中処理の詳細については、図62にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA1209の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(ステップA1212)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。また、大当りラウンド決定処理を行うために必要な情報を設定する。特図表示中処理の詳細については、図64にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA1209の結果が「3」)、大当りラウンド決定処理を実行する(ステップA1213)。大当りラウンド決定処理は、第2特別結果大当り発生時に大当りラウンドを決定するための処理である。通過ゲートスイッチ監視処理で通過フラグ格納領域及びラウンド乱数格納領域に格納された値に基づいて、大当りラウンドを決定する。大当りラウンド決定処理の詳細については、図66にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA1209の結果が「4」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1214)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。ファンファーレ/インターバル中処理の詳細については、図66にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA1209の結果が「5」)、大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1215)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(ステップA1209の結果が「6」)、大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1216)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を「7」に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「7」の場合には(ステップA1209の結果が「7」)、大当り終了処理を実行する(ステップA1217)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図71にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1218)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に対応する図柄変動制御処理を実行する(ステップA1219)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1220)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に対応する図柄変動制御処理を実行する(ステップA1221)。
〔通過ゲートスイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における通過ゲートスイッチ監視処理(ステップA1201)の詳細について説明する。図50は、本発明の第1の実施の形態の通過ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
通過ゲートスイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1通過検出センサ607aがオンになっているか否か、すなわち、第1通過ゲート部34gに遊技球が通過したか否かを判定する(ステップA7001)。第1通過検出センサ607aがオンになっている場合には(ステップA7001の結果が「Y」)、第1通過フラグを通過フラグ格納領域にセーブする(ステップA7002)。なお、前述のように、第1通過ゲート部34gは変動側に配置されており、特図変動表示ゲームが第2特別結果となった後に実行されるラウンド数決定遊技(補助遊技)において第1通過ゲート部34gに遊技球が通過した場合には、5ラウンド又は15ラウンドのいずれかの大当りラウンドが実施される。
遊技制御装置600は、第1通過検出センサ607aがオンになっていない場合には(ステップA7001の結果が「N」)、第2通過検出センサ607bがオンになっているか否か、すなわち、第2通過ゲート部34hに遊技球が通過したか否かを判定する(ステップA7003)。第2通過検出センサ607bがオンになっている場合には(ステップA7003の結果が「Y」)、第2通過フラグを通過フラグ格納領域にセーブする(ステップA7004)。なお、前述のように、第2通過ゲート部34hは固定側に配置されており、特図変動表示ゲームが第2特別結果となった後に実行されるラウンド数決定遊技(補助遊技)において第2通過ゲート部34hに遊技球が通過した場合には、大当りラウンド数は常に10ラウンドとなる。
遊技制御装置600は、第1通過検出センサ607aがオンになっておらず、かつ、第2通過検出センサ607bがオンになっていない場合には(ステップA7003の結果が「N」)、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hのいずれかに遊技球が通過し、通過フラグ格納領域に通過フラグをセーブすると、さらに、ラウンド決定用乱数を抽出し、抽出された乱数をラウンド乱数格納領域にセーブする(ステップA7105)。なお、固定ラウンドが選択された場合であっても、ラウンド決定用乱数が抽出されて大当りラウンド数の抽選が行われるが、変動ラウンドが選択された場合にのみラウンド決定用乱数が抽出されるようにしてもよい。
続いて、遊技制御装置600は、大当りラウンドを決定中であるか否かを判定する(ステップA7106)。大当りラウンドを決定中であるか否かは、特図ゲーム処理番号が「3」であるか否かを判定するようにしてもよい。遊技制御装置600は、大当りラウンドを決定中であれば(ステップA7106の結果が「Y」)、特図ゲーム処理における大当りラウンド決定処理(ステップA1213)で大当りラウンドを決定するために本処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、大当りラウンドを決定中でない場合には(ステップA7106の結果が「N」)、現在の遊技状態が大当り中であるか否かを判定する(ステップA7107)。大当り中でない場合には(ステップA7107の結果が「N」)、大当り中でない(例えば、客待ち状態、通常遊技状態、時短状態等)にもかかわらず、遊技者が右打ちをしているため、右打ち警告(左打ち)コマンドを準備し(ステップA7108)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7109)。演出制御装置700は、右打ち警告(左打ち)コマンドを受信すると、左打ちを行うように促す警告表示を行う。警告表示は、変動表示装置35で行っても良いが、遊技の演出の妨げにならないように、上部演出装置400に備えられた表示器(以降、「サブ表示装置」)480で行うとよい。
遊技制御装置600は、現在の遊技状態が大当り中である場合(ステップA7107の結果が「Y」)、また、ステップA7109の処理が終了すると、通過フラグ格納領域とラウンド乱数格納領域をクリアする(ステップA7110)。すなわち、大当りラウンド決定中の場合には通過フラグ格納領域及びラウンド乱数格納領域がクリアされないため、後述する大当りラウンド決定処理において、通過フラグ格納領域とラウンド乱数格納領域に格納された値に基づいて、ラウンド数を決定することができる。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図51は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図52にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(ステップA1303)。普通電動役物が作動中である場合には(ステップA1303の結果が「Y」)、ステップA1305以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(ステップA1303の結果が「N」)、普電不正入賞が発生しているか否かを判定する(ステップA1304)。
普電不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。ステップA1304の処理では、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値、例えば5個)以上であるかを判定している。
遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生している場合には(ステップA1304の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普電不正入賞が発生していない場合には(ステップA1304の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1305)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1306)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA1302、ステップA1306)の詳細について説明する。図52は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(ステップA1401)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(ステップA1401の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(ステップA1401の結果が「Y」)、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否か、すなわち、乱数が抽出されているか否かを判定する(ステップA1402)。乱数が抽出されていない場合には(ステップA1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
遊技制御装置600は、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合には(ステップA1402の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(ステップA1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し(ステップA1406)、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(ステップA1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1408)。
遊技制御装置600は、ステップA1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(ステップA1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(ステップA1409)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(ステップA1409の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(ステップA1410)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA1411)。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。このとき、飾り特図保留数コマンドに新たに生成された始動記憶に対応する先読み結果を合わせて送信するようにしてもよい。例えば、飾り特図保留数コマンドのACTION部に先読み結果を示す値を加算するようにしてもよい。
具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1412)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1413)。そして、ステップA1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1414)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(ステップA1415)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1416)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA1417)。具体的には、変動パターン乱数1〜3を抽出し、それぞれ対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、ステップA1416の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(ステップA1418)。特図保留情報判定処理の詳細については、図53にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(ステップA1409の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA1419)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1420)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図52)における特図保留情報判定処理(ステップA1418)の詳細について説明する。図53は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かを判定する(ステップA1501)。先読み演出の実行条件は、例えば、遊技球が第1始動入賞口37に入賞した場合には、普電サポートなし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口38に入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。通常遊技状態の場合には、また、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(ステップA1501の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
また、通常遊技状態(非電サポ状態)で普図変動表示ゲームの結果が当りとなった場合に、4/5の確率で可動部材38aが短時間開放する普電ショート開放、又は、1/5確率で可動部材38aが長時間(0.5+5秒)開放する普電ロング開放が選択される仕様では、普電ショート開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行わない一方、普電ロング開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行うようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(ステップA1501の結果が「Y」)、新たに記憶された始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA1502)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、ステップA1502の大当り判定処理による判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA1503)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(ステップA1503の結果が「N」)、停止図柄パターンとして、はずれ停止図柄パターンを設定する(ステップA1506)。そして、ステップA1507以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(ステップA1503の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(ステップA1504)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り停止図柄パターンが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、ステップA1504の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り停止図柄パターンを取得し、設定する(ステップA1505)。
続いて、遊技制御装置600は、ステップA1505の処理で設定した大当り停止図柄パターン又はステップA1506の処理で設定したはずれ停止図柄パターンを先読み停止図柄停止パターン領域にセーブする(ステップA1507)。さらに、対象の始動口スイッチ及び停止図柄パターンに対応する先読み図柄コマンドを準備し(ステップA1508)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1509)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(ステップA1510)。特図情報設定処理の詳細については、図58にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定するために、監視対象の始動口に対応する後半変動パターン設定情報テーブルを準備し(ステップA1510)、変動パターン全体を設定するための変動パターン設定処理を実行する(ステップA1511)。変動パターン設定処理の詳細については、図59にて後述する。なお、特図変動表示ゲームの結果ごとに変動パターン設定処理を定義し、対象の特図変動表示ゲームの結果に応じて対応する変動パターン設定処理を実行するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置600は、変動パターン設定処理で設定された前半変動番号及び後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備し(ステップA1513)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1514)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
以上のように、特図保留情報判定処理では、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームを実行する前に、特図変動表示ゲームの結果を取得し、演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA1210)の詳細について説明する。図54は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(ステップA1601)。さらに、特図2保留数が0の場合には(ステップA1601の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かを判定する(ステップA1606)。このように、特図2保留数のチェック(ステップA1601)を、特図1保留数のチェック(ステップA1606)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合には(ステップA1601の結果が「N」)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA1602)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1603)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理を実行する(ステップA1604)。特図2変動開始処理の詳細については、図55にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(ステップA1605)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理の詳細については、図61にて後述する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合には(ステップA1606の結果が「N」)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA1607)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1608)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図1変動開始処理を実行する(ステップA1609)。特図1変動開始処理の詳細については、図55にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(ステップA1610)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理の詳細については、図61にて後述する。
なお、飾り特図保留数コマンドは、保留数が変化した場合のみに演出制御装置700に送信するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(ステップA1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かを判定する(ステップA1611)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(ステップA1611の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(ステップA1612)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(ステップA1613)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1614)。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合には(ステップA1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、ステップA1615以降の処理を実行する。
最後に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(ステップA1615)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に対応する処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図変動開始処理(ステップA1604、ステップA1609)の詳細について説明する。図55は、本発明の第1の実施の形態の特図変動開始処理の手順を示すフローチャートであり、(A)は第1特図変動表示ゲームの開始時に実行される特図1変動開始処理、(B)は第2特図変動表示ゲームの開始時に実行される特図2変動開始処理である。まず、特図1変動開始処理について説明する。
遊技制御装置600は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をRWMの変動図柄判別領域にセーブする(ステップA1701)。次に、最先の始動記憶に対応する第1特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合に大当りフラグ1を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(ステップA1702)。
次に、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に対応する特図1停止図柄設定処理を実行する(ステップA1703)。特図1停止図柄設定処理の詳細については、図56にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(ステップA1708)。特図情報設定処理の詳細については、図58にて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、特図1用の変動パターン(変動表示時間)に関する情報を、始動記憶として記憶されている乱数に基づき設定する特図1パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA1705)。続いて、第1特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行し(ステップA1706)。変動パターン設定処理の詳細については、図59にて後述する。
最後に、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(ステップA1707)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理の詳細については、図60にて後述する。
また、(B)に示す特図2変動開始処理(ステップA1609)は、特図1変動開始処理と同様の手順であり、特図1の代わりに特図2に対応する処理が実行される。
次に、前述した特図変動開始処理における特図停止図柄設定処理(ステップA1703、ステップA1713)の詳細について説明する。図56は、本発明の第1の実施の形態の特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。図57は、本発明の第1の実施の形態の特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1が設定されているか否か、すなわち、対象の特図1変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定する(ステップA1801a)。大当りフラグ1が設定されている場合には(ステップA1801aの結果が「Y」)、保留数1用、すなわち、変動が開始される始動記憶に対応する特図1大当り図柄乱数格納領域から乱数をロードする(ステップA1802a)。さらに、停止図柄を決定するためのテーブルとして、特図1用の大当り図柄テーブルを設定する(ステップA1803a)。
次に、遊技制御装置600は、ステップA1802aの処理で取得した大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号をステップA1803aの処理で設定された特図1用の大当り図柄テーブルから取得し、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA1804a)。
続いて、遊技制御装置600は、現在の遊技状態に対応する大当り停止図柄情報テーブルを設定する(ステップA1805a)。そして、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを大当り停止図柄情報テーブルから取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA1806a)。さらに、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得し、確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップA1807a)。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ1が設定されていない場合には(ステップA1801aの結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を取得し、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA1808a)。さらに、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA1809a)。
ステップA1807a又はステップA1809aの処理が終了すると、遊技制御装置600は、飾り特図コマンドテーブルから停止図柄パターンに対応し、ACTION部及びMODE部からなる飾り特図1コマンドを準備する(ステップA1810a)。さらに、飾り特図コマンド領域に、ステップA1810aの処理で取得された飾り特図コマンドをセーブし(ステップA1811a)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1812a)。
さらに、遊技制御装置600は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1813a)最後に、特図1用の大当り図柄乱数セーブ領域を0クリアし(ステップA1814a)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
また、図57に示す特図2停止図柄設定処理は、特図1の代わりに特図2に対応する処理が実行され、特図1停止図柄設定処理と同様の手順であるため、説明を省略する。
〔特図情報設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA1704、ステップA1714)の詳細について説明する。図58は、本発明の第1の実施の形態の特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(ステップA1901)。時短状態でない場合には(ステップA1901の結果が「N」)、通常時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップA1902)。一方、時短状態の場合には(ステップA1901の結果が「Y」)、時短時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップA1903)。
遊技制御装置600は、変動パターン選択グループ情報テーブルが設定されると、設定された変動パターン選択グループ情報テーブルから変動図柄判別フラグに対応する特図保留数をロードする(ステップA1904)。さらに、特図保留数に対応する変動パターン選択グループ情報を取得し、変動振分情報1領域にセーブする(ステップA1905)。
これにより変動振分情報1領域には、変動を開始する特図の種別(特図1又は特図2)と、当該特図の種別についての始動記憶数に関する情報である保留数情報と、時短状態か否かの情報を含む遊技状態情報とから求められる変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は後に変動グループを選択するために用いられる。
なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず、変動グループを選択し、さらに、この変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。一の変動パターンを選択する際に、新たに別の乱数を取得するようにしてもよい。
続いて、遊技制御装置600は、振分ベースポインタテーブルを設定し(ステップA1906)、停止図柄パターンに対応する振分ベースポインタを取得する(ステップA1907)。さらに、取得された振分ベースポインタに演出モード番号を加算し(ステップA1908)、加算後の値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA1909)、特図情報設定処理を終了する。
これにより変動振分情報2領域には、停止図柄パターン情報及び演出モード情報に基づいて取得される変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA1706、ステップA1716)の詳細について説明する。図59は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
変動パターン設定処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA2001)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(ステップA2002)。
そして、遊技制御装置600は、演出モード番号が2未満(0又は1の何れか)であるか否かを判定する(ステップA2003)。演出モード番号が2未満でない場合には(ステップA2003の結果が「N」)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるか否かを判定する(ステップA2004)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合には(ステップA2004の結果が「N」)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA2007)。
一方、遊技制御装置600は、演出モード番号が2未満である場合(ステップA2003の結果が「Y」)、又は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合には(ステップA2004の結果が「Y」)、ステップA2002の処理で準備した後半変動グループテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA2005)。次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(ステップA2006)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA2007)。
なお、演出モード番号が2未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合は、始動記憶数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、遊技制御装置600は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための2バイト振分処理を実行する(ステップA2008)。そして、2バイト振分処理によって選択された後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(ステップA2009)。さらに、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップA2010)。
さらに、遊技制御装置600は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択する振り分け処理を実行する(ステップA2011)。そして、振分処理によって選択された後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA2012)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置600は、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA2013)、変動振分情報1及び変動振分情報2(決定された後半変動番号を含む)に基づいてテーブル選択ポインタを算出する(ステップA2014)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップA2015)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(ステップA2016)。
その後、遊技制御装置600は、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターン(前半変動番号)を選択する振り分け処理を実行する(ステップA2017)。そして、振分処理によって選択された前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップA2018)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA1707、ステップA1717)の詳細について説明する。図60は、本発明の第1の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動開始情報設定処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA2101)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA2102)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA2103)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA2104)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA2105)。
そして、遊技制御装置600は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA2106)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2107)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA2108)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA2109)、コマンド設定処理を行う(ステップA2110)。
次に、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(ステップA2111)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA2112)。さらに、乱数格納領域をシフトし(ステップA2113)、シフト後の空き領域を0クリアする(ステップA2114)。
その後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間の延長に関する処理として、まず、停止延長情報領域をクリアする(ステップA2115)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであり(ステップA2116の結果が「Y」)、演出モード番号が3であり(ステップA2117の結果が「Y」)、当該演出モードでの残り回転数(ゲーム数)が1である場合には(ステップA2118の結果が「Y」)、特図高確率(高確率状態)中であるか否かを判定する(ステップA2119)。
遊技制御装置600は、特図高確率中でない場合には(ステップA2119の結果が「N」)、停止延長情報1を停止延長情報領域にセーブし(ステップA2120)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(ステップA2122)、コマンド設定処理(ステップA2123)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間(通常停止時間)よりも延長された特図延長表示時間1(第1延長停止時間)に設定される。
また、遊技制御装置600は、特図高確率中である場合には(ステップA2119の結果が「Y」)、停止延長情報2を停止延長情報領域にセーブする(ステップA2121)。そして、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備し(ステップA2122)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2123)。その後、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間よりも延長された特図延長表示時間2(第2延長停止時間)に設定される。
一方、遊技制御装置600は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(ステップA2116の結果が「N」)、演出モード番号が3でない場合(ステップA2117の結果が「N」)、又は、演出モード2での残り回転数(ゲーム数)が1でない場合には(ステップA2118の結果が「N」)、変動開始情報設定処理を終了する。この場合は停止時間の延長が設定されず通常停止時間が設定される。
このように特図変動表示ゲームの停止時間は、当該特図変動表示ゲームの結果や特定回転数であるか否か、演出モードの状態に基づき、当該特図変動表示ゲームの開始時に設定が行われるようになっている。これにより、例えば変動時間と停止時間とで連続する演出を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置600が、始動記憶手段(遊技制御装置600)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなしている。また、遊技制御装置600が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなしている。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は、演出制御装置700に送信され、演出制御装置700では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づいて、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置700に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置700での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理〕
次に、前述した特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(ステップA1605、ステップA1610)の詳細について説明する。図61は、本発明の第1の実施の形態の特図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートであり、(A)は第1特図変動表示ゲームの場合、(B)は第2特図変動表示ゲームの場合である。まず、第1特図変動表示ゲームの場合について説明する。
遊技制御装置600は、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA2201)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA2202)。
そして、遊技制御装置600は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA2203)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2204)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA2205)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば200ms)を設定する(ステップA2206)。その後、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
また、(B)に示す第2特図変動表示ゲームの場合についても、第1特図変動表示ゲームの場合と同様の手順であり、特図1の代わりに特図2に対応する処理が実行される。
〔特図変動中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA1211)の詳細について説明する。図62は、本発明の第1の実施の形態の特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、停止延長情報(停止延長情報1又は2)があるか否かを判定する(ステップA2301)。停止延長情報がない場合には(ステップA2301の結果が「N」)、通常特図表示時間(例えば600ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2302)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(ステップA2306)、特図表示中処理を終了する。
また、遊技制御装置600は、停止延長情報がある場合には(ステップA2301の結果が「Y」)、停止延長情報1であるか否かを判定する(ステップA2303)。停止延長情報1である場合には(ステップA2303の結果が「Y」)、特図延長表示時間1(例えば3500ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2304)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(ステップA2306)、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、停止延長情報1でない場合(ステップA2303の結果が「N」)、すなわち停止延長情報2である場合には、特図延長表示時間2(例えば14300ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2305)。そして、特図表示中処理移行設定処理を実行し(ステップA2306)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置600が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなしている。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
次に、前述した特図変動中処理における特図表示中処理移行設定処理(ステップA2306)の詳細について説明する。図63は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図表示中処理に対応する処理番号「2」を設定し(ステップA2401)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA2402)。
次に、遊技制御装置600は、特図1及び特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA2403、ステップA2404)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に対応する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256ms)をセーブする(ステップA2405)。
その後、遊技制御装置600は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(ステップA2406)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA2407)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA1212)の詳細について説明する。図64は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードし(ステップA2501)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA2502)。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定する(ステップA2503)。
遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ2が大当りである場合には(ステップA2503の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA2508)。そして、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2509)。
一方、遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ2が大当りでない場合には(ステップA2503の結果が「N」)、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードし(ステップA2504)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA2505)。続いて、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定する(ステップA2506)。
遊技制御装置600は、大当りフラグ1が大当りである場合には(ステップA2506の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2507)。
遊技制御装置600は、特図1又は特図2が大当りの場合には、停止図柄領域から停止図柄番号を取得する(ステップA2510)。そして、大当りのラウンド数が固定となる停止図柄番号(第1特別結果確変大当り)であるか否かを判定する(ステップA2511)。ラウンド数が固定となる停止図柄番号でない場合(ステップA2511の結果が「N」)、すなわち、大当りのラウンド数を選択できる停止図柄番号(第2特別結果通常大当り及び第2特別結果確変大当り)である場合には、大当りラウンド決定処理移行設定処理を実行し(ステップA2512)、その後、特図表示中処理を終了する。なお、大当りラウンド決定処理移行設定処理の詳細については、図65にて後述する。
一方、遊技制御装置600は、ラウンド数が固定となる停止図柄番号の場合には(ステップA2511の結果が「N」)、固定用のラウンド数上限値(16ラウンド)を準備する(ステップA2513)。そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(ステップA2514)、その後、特図表示中処理を終了する。なお、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理の詳細については、図67にて後述する。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ1が大当りでない場合には(ステップA2506の結果が「N」)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行し(ステップA2516)、さらに、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数更新処理を実行する(ステップA2517)。そして、特図普段処理移行設定処理を実行し(ステップA2517)、その後、特図表示中処理を終了する。なお、時短状態の実行回数を管理は、変動開始時に行ってもよい。
〔大当りラウンド決定処理移行設定処理〕
次に、前述した特図表示中処理における大当りラウンド決定処理移行設定処理(ステップA2512)の詳細について説明する。図65は、本発明の第1の実施の形態の大当りラウンド決定処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、処理番号として「3」を設定し(ステップA7201)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA7202)。
そして、遊技制御装置600は、ラウンド決定開始コマンドを準備し(ステップA7203)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7204)。その後、大当りラウンド決定処理移行設定処理を終了する。ラウンド決定開始コマンドは、大当りラウンドのラウンド数の抽選を行うことを演出制御装置700に通知するためのコマンドである。演出制御装置700は、ラウンド決定開始コマンドを受信すると、大当りラウンドを決定する演出を開始する。
〔大当りラウンド決定処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当りラウンド決定処理(ステップA1213)の詳細について説明する。図66は、本発明の第1の実施の形態の大当りラウンド決定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、通過ゲートスイッチ監視処理(図50)で通過フラグ格納領域に設定された通過フラグをロードし(ステップA7301)、通過フラグが設定されているか否かを判定する(ステップA7302)。通過フラグが設定されていない場合には(ステップA7302の結果が「N」)、大当りラウンドを決定する必要がないため、大当りラウンド決定処理を終了する。
遊技制御装置600は、通過フラグが設定されている場合には(ステップA7302の結果が「Y」)、設定されている通過フラグが第1(変動)通過フラグであるか否かを判定する(ステップA7303)。第1(変動)通過フラグの場合には(ステップA7303の結果が「Y」)、5ラウンド又は15ラウンドが1対1で選択されるラウンド振分テーブル1(図41(C))を設定する(ステップA2704)。一方、第1(変動)通過フラグでない場合(ステップA7303の結果が「N」)、すなわち、第2(固定)通過フラグが設定されている場合には、10ラウンドが選択されるラウンド振分テーブル2(図41(D))を設定する(ステップA2705)。なお、ラウンド振分テーブル2に実行ラウンドの期待値(平均値)が10ラウンドとなるように複数のラウンド数を設定しておいても良い。
遊技制御装置600は、ラウンド振分テーブルが設定されると、通過ゲートスイッチ監視処理で設定されたラウンド決定用乱数をラウンド乱数格納領域からロードする(ステップA2706)。さらに、ロードされたラウンド決定用乱数に基づいて、設定されたラウンド振分テーブルから対応するラウンド数を取得する(ステップA2707)。
さらに、遊技制御装置600は、取得したラウンド数に対応するラウンド数決定コマンドを準備し(ステップA2708)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2709)。さらに、取得したラウンド数に対応するラウンド数上限値(5ラウンド、10ラウンド、15ラウンドのいずれか)を準備し(ステップA2710)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行する(ステップA2514)。その後、特図表示中処理を終了する。なお、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理の詳細については、図67にて後述する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図表示中処理及び大当りラウンド決定処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA2514、ステップA7311)の詳細について説明する。図67は、本発明の第1の実施の形態のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得してRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA2801)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA2802)。これによりラウンド数表示部59に大当りのラウンド数が表示される。
次に、遊技制御装置600は、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA2803)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2804)。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA2805)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2806)。
続いて、遊技制御装置600は、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備し(ステップA2807)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2808)。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA2809)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば6000ms又は48ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2810)。
そして、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42)の大入賞口不正入賞数領域をクリアする(ステップA2811)。さらに、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA2812)。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲームモードフラグをロードし(ステップA2813)、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域へセーブする(ステップA2814)。これにより特別結果が発生した際における演出モードの情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
続いて、遊技制御装置600は、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号である「4」を設定し(ステップA2815)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA2816)。
次に、遊技制御装置600は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA2817)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2818)。
その後、遊技制御装置600は、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA2819)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブする(ステップA2820)。さらに、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA2821)。
そして、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA2822)、さらに、高確率状態の表示に対応する遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部59)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアする(ステップA2823)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA2824)。
次に、遊技制御装置600は、停電復旧時に演出制御装置700に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA2825)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップA2826)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常動作状態となる。
その後、遊技制御装置600は、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA2827)、演出残り回転数領域をクリアする(ステップA2828)。そして、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブし(ステップA2829)、さらに、演出モードコマンド領域に演出モード1のコマンドをセーブする(ステップA2830)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、前述した特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA2515)の詳細について説明する。図68は、本発明の第1の実施の形態の演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定する(ステップA2901)。次モード移行情報が更新なしコードである場合には(ステップA2901の結果が「Y」)、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば、高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合などである。
また、遊技制御装置600は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合には(ステップA2901の結果が「N」)、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新する(ステップA2902)。そして、演出残り回転数が0となったか否かを判定する(ステップA2903)。
遊技制御装置600は、演出残り回転数が0となった場合(ステップA2903の結果が「Y」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合には、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA2904)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA2905)。
そして、遊技制御装置600は、移行する演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブし(ステップA2906)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブする(ステップA2907)。さらに、移行する演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA2908)。
その後、遊技制御装置600は、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップA2909)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブする(ステップA2910)。その後、コマンド設定処理を実行し(ステップA2911)、演出モード情報チェック処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、演出残り回転数が0でない場合(ステップA2903の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも現在の演出モードが継続する場合には、演出残り回転数が規定回転数(例えば8回)であるか否かを判定する(ステップA2912)。
遊技制御装置600は、演出残り回転数が規定回転数でない場合には(ステップA2912の結果が「N」)、演出モード情報チェック処理を終了する。一方、演出残り回転数が規定回転数である場合には(ステップA2912の結果が「Y」)、演出モード切替準備コマンドを準備し(ステップA2913)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2914)。その後、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。
以上のように遊技制御装置600で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、前述した特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップA2516)の詳細について説明する。図69は、本発明の第1の実施の形態の時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図高確率(高確率状態)中であるか否かを判定する(ステップA3001)。特図高確率中である場合には(ステップA3001の結果が「Y」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図高確率中でない場合には(ステップA3001の結果が「N」)、特図時短(時短状態)中であるか否かを判定する(ステップA3002)。特図時短中でない場合には(ステップA3002の結果が「N」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合には(ステップA3002の結果が「Y」)、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数を−1更新し(ステップA3003)、時間短縮変動回数が0となったか否かを判定する(ステップA3004)。
遊技制御装置600は、時間短縮変動回数が0でない場合(ステップA3004の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が0である場合(ステップA3004の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、確率情報コマンド(時短終了)を準備し(ステップA3005)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3006)。その後、時短終了設定処理を実行し(ステップA3007)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔時短終了設定処理〕
次に、前述した時間短縮変動回数更新処理における時短終了設定処理(ステップA3007)の詳細について説明する。図70は、本発明の第1の実施の形態の時短終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3101)、さらに、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3102)。
次に、遊技制御装置600は、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップA3103)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA3104)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA3105)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA3106)、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA1217)の詳細について説明する。図71は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データか否かを判定する(ステップA3201)。
遊技制御装置600は、高確率データでない場合には(ステップA3201の結果が「N」)、大当り終了設定処理1を実行する(ステップA3202)。一方、高確率データである場合には(ステップA3201の結果が「Y」)、大当り終了設定処理2を実行する(ステップA3203)。
その後、遊技制御装置600は、特図ゲームモードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA3204)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3205)。
次に、遊技制御装置600は、演出モードの管理に必要な情報をセーブするために、まず、停止図柄パターンに対応する演出モード情報設定テーブルを設定する(ステップA3206)。そして、設定された演出モード情報設定テーブルを参照して、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブする(ステップA3207)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブし(ステップA3208)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA3209)。
その後、遊技制御装置600は、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップA3210)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブし(ステップA3211)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3212)。最後に、特図普段処理移行設定処理3を実行し(ステップA3213)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA3202)及び大当り終了設定処理2(ステップA3203)の詳細について説明する。図72は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理の手順を示すフローチャートであり、(A)は大当り終了設定処理1、(B)は大当り終了設定処理2を示す。
最初に大当り終了設定処理1について説明する。遊技制御装置600は、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3301)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3302)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA3303)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブする(ステップA3304)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA3305)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば70)をセーブして(ステップA3306)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば70)をセットすることで、所定回数(例えば70回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
続いて、大当り終了設定処理2について説明する。遊技制御装置600は、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3311)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3312)。
次に、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA3313)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短フラグをセーブする(ステップA3314)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA3315)、時間短縮変動回数領域をクリアして(ステップA3316)、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに次回の特別結果態様の導出まで時短状態となる。すなわち、遊技制御装置600が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、第2始動入賞口38の可動部材38aを開状態とする期間を延長する特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、前述した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA3213)の詳細について説明する。図73は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図普段処理に対応する処理番号として「0」を設定し(ステップA3401)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA3402)。
その後、遊技制御装置600は、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA3403)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA3404)。
続いて、遊技制御装置600は、確率変動判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA3405)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアする(ステップA3406)。さらに、遊技状態表示番号領域に時短中の番号をセーブする(ステップA3407)。
そして、遊技制御装置600は、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップA3408)。最後に、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップA3409)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA1219、ステップA1221)の詳細について説明する。図74は、本発明の第1の実施の形態の図柄変動制御処理の手順を示すフローチャートである。図柄変動制御処理は、第1特図や第2特図等の特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する特図変動制御フラグが変動中であるかをチェックし(ステップA3501)、変動中であるか否かを判定する(ステップA3502)。
そして、遊技制御装置600は、特図変動中フラグが変動中である場合には(ステップA3502の結果が「Y」)、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA3503)。そして、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する点滅制御タイマを−1更新し(ステップA3504)、当該タイマの値が0、すなわちタイムアップしたか否かを判定する(ステップA3505)。
遊技制御装置600は、点滅制御タイマの値が0である場合には(ステップA3505の結果が「Y」)、点滅制御タイマ初期値を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップA3506)、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する変動図柄番号を+1更新する(ステップA3507)。
また、遊技制御装置600は、ステップA3507の処理の終了後、又は、点滅制御タイマの値が0でない場合には(ステップA3505の結果が「N」)、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA3508)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブし(ステップA3511)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図変動中フラグが変動中でない場合には(ステップA3502の結果が「N」)、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA3509)。そして、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA3510)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA3511)、図柄変動制御処理を終了する。
以上の処理によって、特図1表示器51及び特図2表示器52のうち、制御対象となる特図表示器(例えば、特図1表示器51)に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
〔磁石不正監視処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップA1112)の詳細について説明する。図75は、本発明の第1の実施の形態の磁石不正監視処理の手順を示すフローチャートである。磁石不正監視処理では、磁気センサ23からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置600は、まず、磁気センサ23から出力されて入力ポート622aに取り込まれる検出信号の状態から、異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップA3601)。磁石センサ(磁気センサ23)がオンである場合(ステップA3601の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を検出した場合には、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新し(ステップA3602)、当該タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA3603)。
遊技制御装置600は、磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップA3603の結果が「Y」)、すなわち、異常な磁気を一定期間継続して検出した場合には、磁石不正監視タイマをクリアする(ステップA3604)。さらに、磁石不正報知タイマ初期値を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップA3605)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップA3606)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備する(ステップA3607)。
さらに、遊技制御装置600は、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップA3613)。すなわち、磁気センサ23が一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、遊技制御装置600は、磁石センサ(磁気センサ23)がオンでない場合(ステップA3601の結果が「N」)、すなわち、異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアする(ステップA3608)。
さらに、遊技制御装置600は、ステップA3608の処理終了後、又は、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA3603の結果が「N」)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップA3609)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップA3610)。
遊技制御装置600は、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(ステップA3610の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が0である場合(ステップA3610の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップA3611)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備し(ステップA3612)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップA3613)。
そして、遊技制御装置600は、ステップA3607又はステップA3612の処理で準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合には(ステップA3613の結果が「Y」)、磁石不正監視処理を終了する。一方、値が一致しない場合には(ステップA3613の結果が「N」)、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップA3614)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3615)。その後、磁石不正監視処理を終了する。
〔電波不正監視処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における電波不正監視処理(ステップA1113)の詳細について説明する。図76は、本発明の第1の実施の形態の電波不正監視処理の手順を示すフローチャートである。電波不正監視処理では、電波センサ24からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
遊技制御装置600は、まず、電波センサ24から出力されて近接I/F621aを経由して入力ポート622aに取り込まれる検出信号の状態から、電波センサ24がオン、すなわち、異常な電波を検出した状態であるか否かを判定する(ステップA3701)。電波センサがオンである場合(ステップA3701の結果が「Y」)、すなわち異常な電波を検出した場合には、電波不正報知タイマ初期値を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップA3702)。
さらに、遊技制御装置600は、電波不正報知のコマンドを準備し(ステップA3703)、電波不正フラグとして電波不正発生フラグを設定する(ステップA3704)。
一方、遊技制御装置600は、電波センサがオンでない場合(ステップA3701の結果が「N」)、すなわち、異常な電波を検出していない場合には、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップA3705)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置600は、電波不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップA3706)。電波不正報知タイマの値が0でない場合(ステップA3706の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、電波不正監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、電波不正報知タイマの値が0である場合(ステップA3706の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合には、電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップA3707)、電波不正フラグとして電波不正解除フラグを設定する(ステップA3708)。
ステップA3704又はステップA3708の処理で電波不正フラグが設定されると、遊技制御装置600は、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップA3709)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合とは異なり、異常な電波を検出した時点で異常が発生したと判定する。
遊技制御装置600は、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致する場合には(ステップA3709の結果が「Y」)、電波不正監視処理を終了する。一方、値が一致しない場合には(ステップA3709の結果が「N」)、準備した電波不正フラグを電波不正フラグ領域にセーブし(ステップA3710)、コマンド設定処理を実行する(ステップA3711)。その後、電波不正監視処理を終了する。
以上が、遊技制御装置600(メイン基板)で実行される処理の説明である。続いて、遊技制御装置600から受信したコマンドに基づいて実行される演出制御について説明する。演出制御は、演出制御装置700(サブ基板)によって実行される。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
まず、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図77は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される1stメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン710は、まず、割込みを禁止する(ステップB1001)。次に、各種初期化処理を実行する(ステップB1003)。具体的には、作業領域であるRAM711を0クリアし、CPU初期化処理を実行する。さらに、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し、乱数初期化処理を実行する。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(ステップB1003)、割込みを許可する(ステップB1004)。割込みの発生タイミングで遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するなどの割込み処理が実行される。割込み処理の詳細については図78にて後述する。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1005)。WDTは、上述した初期化処理に含まれるCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているか否かを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17(選択ボタン29)の操作信号を検出し、検出した信号(入力情報)を生成する演出ボタン入力処理を実行する(ステップB1006)。また、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析して特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1007)。具体的には、割り込みで受信バッファにコマンドを正確に受信できたか否かを判定し、受信できた場合には、受信したコマンドを1stシーン制御処理(ステップB1009)などで利用するために区分けをする。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(ステップB1008)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。なお、実際に表示や音声の出力、発光等の処理が必要な場合には、後述するサウンド制御処理(ステップB1012)、装飾制御処理(ステップB1013)、モータ/ソレノイド(SOL)制御処理(ステップB1014)で処理される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(ステップB1007)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置(以降、「メイン表示装置」)35又はサブ表示装置480に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1009)。1stシーン制御処理では、遊技の進行にかかわるシーンを制御する。なお、1stシーン制御処理の詳細については、図80にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1010)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、報知LEDの発光、画面表示や警報音の出力など所定の処理を実行する。なお、実際の報知は、後述するサウンド制御処理(ステップB1012)、装飾制御処理(ステップB1013)、モータ/ソレノイド(SOL)制御処理(ステップB1014)で実行される。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集し、所定のレジスタに書き込む演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1011)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカ10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1012)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置101、枠装飾装置181)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1013)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置102、枠演出装置182)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1014)。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1015)、ステップB1005の処理に戻る。以降、ステップB1005からステップB1015までの処理を繰り返す。
〔割込み処理(演出制御装置)〕
続いて、タイマによって所定の間隔で実行される割込処理について説明する。図78は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700における割込み処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を実行する(ステップB1101)。
続いて、演出制御装置700は、外部からの信号入力を監視し、入力を受け付けるための入力処理を実行する(ステップB1102)。例えば、演出ボタン17が操作されたことによって入力された信号を検出し、当該信号の入力を受け付ける。
さらに、演出制御装置700は、1stシーン制御処理表示制御処理(図77のステップB1009)によって指示された画像をメイン表示装置35から出力したり、サウンド制御処理(図77のステップB1012)によって指示された効果音や報知音などをスピーカ10に出力したりする出力処理を実行する(ステップB1103)。
最後に、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたメインコマンドの入力を監視し、当該メインコマンドを受信するメインコマンド受信処理を実行し(ステップB1104)、割込み処理を終了する。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置700によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図79は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720によって実行される2ndメイン処理の手順を示すフローチャートである。2ndメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、まず、CPU初期化処理を実行する(ステップB1201)。そして、作業領域であるRAM721を0クリアして(ステップB1202)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM721に設定する(ステップB1203)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(ステップB1204)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(ステップB1205)。
さらに、映像制御用マイコン720は、各種制御処理の初期化処理を実行する(ステップB1206)。各種制御処理の初期化処理では、後述する各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、メイン表示装置35(又はサブ表示装置480)に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、メイン表示装置35(又はサブ表示装置480)の画面描画を許可する(ステップB1207)。
その後、映像制御用マイコン720は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(ステップB1208)、システム周期待ちフラグが1に設定されるまで待機する(ステップB1209)。
映像制御用マイコン720は、システム周期待ちフラグが1に設定された場合には(ステップB1209の結果が「Y」)、映像制御用マイコン720が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1210)。なお、WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン720がリセットされる。
続いて、映像制御用マイコン720は、受信コマンドチェック処理を実行する(ステップB1211)。受信コマンドチェック処理では、遊技制御装置600から送信され、主制御用マイコン710を介して受信したコマンドを特定し、以降実行される処理に応じて区分けする。
次に、映像制御用マイコン720は、メイン表示装置35(又はサブ表示装置480)に表示する内容を決定する2ndシーン制御処理を実行する(ステップB1212)。具体的には、2ndシーン制御処理では、予告キャラクタ等を設定したり、表示されるキャラクタの優先順位を決定したりする。
次に、映像制御用マイコン720は、遊技状態、リーチシーンに応じた背景表示を行う背景処理を実行する(ステップB1213)。続いて、変動表示に関する表示制御を行う変動表示処理を実行する(ステップB1214)。さらに、前述した先読みコマンド受信処理で先読み記憶領域に記憶された保留演出情報に基づいて保留表示を行う保留表示処理を実行する(ステップB1215)。
次に、映像制御用マイコン720は、客待ちデモコマンドを受けてから所定時間(例えば20秒)経過後に、客待ちデモ背景を設定する客待ちデモ処理を実行する(ステップB1216)。
最後に、映像制御用マイコン720は、画像ROM557に格納されたデータをRAMに転送し、メイン表示装置35(又はサブ表示装置480)に実際に表示させる表示システム処理を実行し(ステップB1217)、ステップB1208の処理に戻る。以降、ステップB1208からステップB1217までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB1009)の詳細について説明する。図80は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(ステップB1301)。テスト中モードの場合には(ステップB1301の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(ステップB1301の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1302)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(ステップB1302の結果が「N」)、ステップB1307以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(ステップB1302の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(ステップB1303)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1304)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(ステップB1304の結果が「N」)、ステップB1307以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(ステップB1304の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリにセーブする(ステップB1305)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1306)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(ステップB1311)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1307)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「電源投入コマンド」の場合には、電源投入処理を実行する(ステップB1308)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「停電復旧コマンド」の場合には、停電復旧処理を実行する(ステップB1309)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電発生時に客待ち状態だった場合には客待ち処理が実行される。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」の場合には、客待ち処理を実行する(ステップB1310)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。客待ち処理の詳細については、図83にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「変動パターンコマンド」の場合には、変動中処理を実行する(ステップB1311)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図84にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「図柄停止コマンド」の場合には、図柄停止処理を実行する(ステップB1312)。図柄停止処理では、指定された識別図柄で変動表示を停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「ラウンド決定開始コマンド」の場合には、大当りラウンド決定中処理を実行する(ステップB1313)。大当りラウンド決定中処理では、変動表示ゲームの結果が第2特別結果大当りとなり、大当りラウンド数を選択させるための処理を行う。大当りラウンド決定中処理の詳細については、図95にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」の場合には、大当りファンファーレ処理を実行する(ステップB1314)。大当りファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「大入開放n回目コマンド」の場合には、大当りラウンド中処理を実行する(ステップB1315)。大当りラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「インターバルコマンド」の場合には、大当りインターバル処理を実行する(ステップB1316)。大当りインターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「エンディングコマンド」の場合には、大当りエンディング処理を実行する(ステップB1317)。大当りエンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1318)。保留数コマンドは更新された保留数が通知されるコマンドであり、保留数コマンド受信処理は、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
続いて、主制御用マイコン710は、飾り特図コマンド受信処理を実行する(ステップB1319)。飾り特図コマンド受信処理は、変動開始時に変動パターンコマンドに先立って送信される飾り特図コマンドを受信する処理である。
次に、主制御用マイコン710は、事前判定コマンド受信処理を実行する(ステップB1320)。事前判定コマンド受信処理は、転落・昇格・転落昇格を含む事前演出図柄コマンド、事前演出変動コマンドに基づいて、保留表示演出等を設定する処理である。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(ステップB1321)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
次に、主制御用マイコン710は、右打ち警告コマンド受信処理を実行する(ステップB1322)。右打ち警告コマンド受信処理は、大当りラウンド決定時などの右打ちを行うタイミング以外で遊技者が右打ちをした場合に、メイン表示装置35やサブ表示装置480などに警告表示を行うための処理である。右打ち警告コマンド受信処理の詳細については、図106にて後述する。右打ち警告コマンド受信処理が終了すると、1stシーン制御処理を終了し、1stメイン処理に復帰する。
次に、メイン表示装置35及びサブ表示装置480の表示について説明する。
〔画面表示(メイン表示装置・サブ表示装置)〕
図81は、本発明の第1の実施の形態のメイン表示装置35及びサブ表示装置480の表示内容の一例を示す図であり、(A)は客待ち状態、(B)は客待ち状態以外を示している。
本実施形態における遊技機では、(A)に示すように、客待ち状態中の場合には、消費電力を低減させるために、メイン表示装置35には最小限の表示のみを行うようになっている(省エネモード)。例えば、表示画面の輝度を最小限にして消費電力を低減させていることを示す表示(「省エネ中です。」)や通常画面に復帰する方法を示す表示(「ハンドルにタッチ又はボタン操作で復帰します。」)を行っている。
このとき、サブ表示装置480には、客待ちデモ画像(映像)や機種情報(機種名、大当り確率、確変割合等)などを含むデモ表示が行われている。省エネモードから復帰すると、デモ表示(客待ちデモ画像)がメイン表示装置35に出力されるようにしても良い。このとき、サブ表示装置480では、機種情報のみを表示するようにしてもよいし、メイン表示装置35とは異なる画像を表示してもよい。なお、省エネモードであってもサブ表示装置480は消灯されないが、メイン表示装置35よりも画面サイズが小さいため、消費電力を削減することができる。
一方、(B)に示すように、客待ち状態以外、例えば、変動表示ゲームの実行中の場合には、識別図柄(左飾り図柄、中飾り図柄、右飾り図柄)を変動表示させる。このとき、中飾り図柄を他の識別図柄(左飾り図柄、右飾り図柄)よりも小さく表示するようにしてもよい。
また、リーチ発生時の演出表示やエラー発生時のエラー表示なども行われる。メイン表示装置の画面下部には、特図1及び特図2の始動記憶を表示する記憶表示領域が割り当てられており、始動記憶表示とともに先読み表示などが行われる。
このとき、サブ表示装置480では、メイン表示装置35に表示される内容の補助演出(補助演出画像、予告画像の表示)などが行われる。また、始動記憶数を表示したり、普図変動表示ゲームを実行したりする。なお、通常はメイン表示装置35で実行される変動表示ゲームを所定条件の成立によりメイン表示装置35に代えてサブ表示装置480で実行するようにしてもよいし、メイン表示装置35及びサブ表示装置480の両方で変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
〔画面表示(サブ表示装置)〕
次に、サブ表示装置480の詳細について説明する。図82は、本発明の第1の実施の形態のサブ表示装置480の構成を示す図であり、(A)はサブ表示装置480の表示画面、(B)は普図ゲーム補助表示領域、(C)は特図変動表示ゲームにおける状態表示図柄(第4図柄)を示している。
(A)に示すように、サブ表示装置480の画面では、右上部に普図ゲーム補助表示領域482が配置され、下部に特図ゲーム補助表示領域483が配置されている。普図ゲーム補助表示領域482及び特図ゲーム補助表示領域483については、表示位置が固定された不変表示領域となっている。なお、客待ちデモ中には不変表示領域を非表示としてもよいし、そのまま表示を継続させてもよい。
普図ゲーム補助表示領域482には、(B)に示すように、右側に普図変動表示ゲームの始動記憶数、左側に普図変動表示ゲームの結果が表示されている。普図変動表示ゲームの始動記憶数は、数値で表示されているが、その他の態様で表示するようにしてもよい。普図変動表示ゲームの結果は、当り「○」又ははずれ「×」で表現されているが、その他の態様であってもよい。普図変動表示ゲームの実行中には、「○」と「×」とが変動表示される。
また、特図ゲーム補助表示領域483には、特1ゲーム状態表示領域484a、特1記憶数表示領域485a、特2ゲーム状態表示領域484b及び特2記憶数表示領域485bが含まれている。
特1ゲーム状態表示領域484aには、特図1変動表示ゲームにおける状態表示図柄(第4図柄)が表示される。また、特1記憶数表示領域485aには、特図1変動表示ゲームを実行するための始動記憶数が表示される。同様に、特2ゲーム状態表示領域484bには、特図2変動表示ゲームにおける状態表示図柄(第4図柄)が表示される。特2記憶数表示領域485bには、特図2変動表示ゲームを実行するための始動記憶数が表示される。
特1記憶数表示領域485a及び特2記憶数表示領域485bに表示される始動記憶数は、数字で表示されるため、先読み表示は行われないようになっている。
特1ゲーム状態表示領域484a及び特2ゲーム状態表示領域484bに表示される状態表示図柄(第4図柄)は、少なくとも飾り図柄と並行して変動及び停止することで飾り図柄変動表示ゲームの進行を把握可能とする図柄であり、本実施形態では、飾り図柄(左、中、右)と合わせて飾り図柄変動表示ゲームの結果を導出するための図柄でもある。例えば、同一の飾り図柄の組合せで当り発生時の態様が類似する小当りと2ラウンド大当りとを、第4図柄によって判別することができる。
状態表示図柄(第4図柄)の変動表示は、(C)に示すように、表示される色が変動表示される。具体的には、「白」→「青」→「緑」→「黄」→「橙」→「赤」→「白」・・・の順で表示が変化する。
なお、上部演出装置400が動作しているか否かにかかわらず、サブ表示装置480は他の可動役物などによって遮蔽されることがないため、普図ゲーム補助表示領域482及び特図ゲーム補助表示領域483(特図1及び特図2の第4図柄表示領域484、記憶数表示領域485)は常時視認可能となっている。
〔客待ち処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB1310)の詳細について説明する。図83は、本発明の第1の実施の形態の客待ち処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、客待ちデモが実行中であるか否かを判定する(ステップB1401)。客待ちデモが実行中でない場合には(ステップB1401の結果が「N」)、客待ち開始フラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1402)。客待ち開始フラグが設定されていない場合には(ステップB1402の結果が「N」)、客待ち開始タイマをセットし(ステップB1403)、さらに、客待ち開始フラグをセットする(ステップB1404)。
主制御用マイコン710は、客待ち開始フラグのセット(ステップB1404)が終了した場合、又は、既に客待ち開始フラグがセットされている場合には(ステップB1402の結果が「Y」)、客待ち開始タイマが0でなければ−1更新する(ステップB1405)。そして、客待ち開始タイマが0であるか否かを判定する(ステップB1406)。
主制御用マイコン710は、開始タイマが0になった場合には(ステップB1406の結果が「Y」)、客待ちデモを開始するために、客待ちデモ設定処理を実行する(ステップB1407)。さらに、各待ちデモ開始フラグをリセットし(ステップB1408)、客待ちデモを解除する設定解除タイマをセットする(ステップB1409)。客待ちデモ設定処理が実行されると、自動的又は遊技者の操作によって発射報知態様の選択画面が表示される。
主制御用マイコン710は、設定解除タイマのセットが終了した場合、又は、既に客待ちデモが開始されている場合には(ステップB1401の結果が「Y」)、解除タイマが0でなければ−1更新する(ステップB1410)。そして、解除タイマが0であるか否かを判定する(ステップB1411)。
主制御用マイコン710は、設定解除タイマが0の場合には(ステップB1411の結果が「Y」)、報知態様設定済みフラグをリセットし(ステップB1412)、発射報知態様の設定をリセットする(ステップB1413)。なお、発射報知態様の設定をリセットすると、固定側及び変動側それぞれのタイミングを報知する設定となる。
本実施形態の遊技機1では、客待ちデモの実行中に大当りラウンド数を固定にするか変動(抽選)にするかを選択するための補助を行うための発射報知態様を選択することができる。前述のように、大当り発生後、遊技球を振分装置90に向かって発射し、変動側(第1通過ゲート部34g)又は固定側(第2通過ゲート部34h)を通過させることによって大当りラウンド数の決定態様を選択することができる。本実施形態では、ゲートの開放タイミングを報知する発射報知態様を客待ちデモ中に設定することが可能となっており、以下、発射報知態様の設定方法について説明する。
主制御用マイコン710は、発射報知態様の選択画面がメイン表示装置35に表示されると、まず、発射報知態様が選択中であるか否かを判定する(ステップB1414)。発射報知態様が選択中でない場合には(ステップB1414の結果が「N」)、発射報知切替操作があるか否かを判定する(ステップB1415)。発射報知切替操作がない場合には(ステップB1415の結果が「Y」)、客待ち処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、発射報知の選択操作があるか否かを判定する(ステップB1416)。発射報知の選択がある場合には(ステップB1416の結果が「Y」)、選択操作に対応する発射報知態様を強調表示する(ステップB1417)。
主制御用マイコン710は、選択操作がない場合(ステップB1416の結果が「N」)、又は、選択操作に対応する発射報知態様の強調表示が終了すると、さらに、選択された発射報知態様の確定操作があるか否かを判定する(ステップB1418)。さらに、発射報知態様の確定操作がない場合には(ステップB1418の結果が「N」)、客待ち処理を終了する。
主制御用マイコン710は、発射報知態様の確定操作がある場合には(ステップB1418の結果が「Y」)、確定操作に対応する発射報知態様を設定する(ステップB1419)。さらに、報知態様設定済みフラグをセーブし(ステップB1420)、確定画面を所定時間表示する(ステップB1421)。その後、客待ち処理を終了する。なお、発射報知態様の選択については、発射報知態様設定処理(図97)及び設定画面(図103、図104)を参照しながらさらに詳しく後述する。
〔変動中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB1311)の詳細について説明する。図84は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1501)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1501の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、PB(プッシュボタン)情報をクリアする(ステップB1502)。PB(プッシュボタン)情報とは、演出ボタン17による入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(ステップB1503)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明や電動役物の動作態様を設定する。
さらに、主制御用マイコン710は、変動演出パターン設定処理を実行する(ステップB1504)。変動演出パターン設定処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定したり、変動パターンコマンドに基づいて変動時間や予告演出を設定したりする。
続いて、主制御用マイコン710は、役物演出動作設定処理を実行する(ステップB1505)。役物演出動作設定処理は、変動パターンに対応して演出を行う演出装置と該演出装置による演出動作の内容(演出態様)を設定する処理である。役物演出動作設定処理で設定された演出態様に基づいて、後述する奥側演出動作制御処理(ステップB1513)、下部演出動作制御処理(ステップB1514)、上部演出動作制御処理(ステップB1515)、右部演出動作制御処理(ステップB1516)が実行される。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(ステップB1506)。乱数シード初期化処理は、演出内容を決定するためなどに使用する乱数のシードを初期化する処理である。
さらに、主制御用マイコン710は、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1507)。その後、変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(ステップB1508)。そして、最初のシーンを設定し、シーン更新タイマをセットする(ステップB1509)。最後に、演出リクエストフラグをクリアし(ステップB1510)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(ステップB1501の結果が「N」)、シーン更新タイマが0になったか否かを判定する(ステップB1511)。シーン更新タイマが0になった場合(ステップB1511の結果が「Y」)、すなわち、シーンの切り替えタイミングの場合には、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB1512)。
さらに、主制御用マイコン710は、シーンに対応する各種可動役物(演出装置)を動作させる。具体的には、奥側演出動作制御処理(ステップB1513)、下部演出動作制御処理(ステップB1514)、上部演出動作制御処理(ステップB1515)、右部演出動作制御処理(ステップB1516)が実行される。
ここで、各種可動役物に関する演出態様について説明する。奥側演出動作の具体的な内容については図85から図87、上部演出動作については図88及び図89を参照しながらさらに説明する。また、右部演出動作制御処理の詳細については、図90にて後述し、右部演出動作については図91から図94を参照しながらさらに説明する。
〔奥側演出装置〕
図85は、本発明の第1の実施の形態の奥側演出装置300を右上方からみた図であり、(A)はシャッタユニット330のスライド動作前の状態、(B)はシャッタユニット330のスライド動作中の状態を示している。図86は、本発明の第1の実施の形態の奥側演出装置300の動作を正面からみた図であり、(A)は回動扉340が回動する前の状態、(B)は回動扉340が回動した後の状態を示している。
図85(A)を参照すると、センターケース34を上方からのぞき込むと、カバー部材222の上面壁222bに文字装飾が施されている。また、上面壁222bの間には、可動装飾部材223がメイン表示装置35の中央下部に前方から重なるように配置されている。そして、図85(B)に示すように左右に配置されたシャッタユニット330が収容空間からメイン表示装置35の中央側に向かってスライドする。
その後、図86(A)に示すように、左右のシャッタユニット330がそれぞれ所定位置まで移動する。左右のシャッタユニット330が所定位置まで移動すると、回動扉340が回動可能な状態になる。なお、回動扉340は、シャッタユニット330の動作とは独立して回動することが可能となっている。
左右のシャッタユニット330の下側突出部330bの間には、接触などによる破損を防ぐために、隙間が設けられるようになっている。この場合、遊技中の遊技者からは、可動装飾部材223による演出が実行されているか否かにかかわらず、この隙間が視認できないようになっている。可動装飾部材223(下部演出装置220)による演出については、図87にて後述する。
さらに、左右のシャッタユニット330に備えられた回動扉340が回動するまでの間、左右のシャッタユニット330によって区画領域が形成され、メイン表示装置35による表示を視認することが可能となっている。このとき、メイン表示装置35で表示されている識別図柄を、図86(A)に示すように、遊技者に視認可能に縮小して表示し、さらに、リーチ演出画像を表示する。また、左右のシャッタユニット330の外側にもメイン表示装置35による表示を視認することが可能な領域があり、この領域にも演出画像(外部演出画像)が表示される。
その後、左右の回動扉340が回動し、メイン表示装置35の中央部を遮蔽する。回動扉340の裏面側には、左右の回動扉340が近接することによって一の図柄(意匠)となるように装飾が施されている。本実施形態では、図86(B)に示すように、「勝負」の文字装飾が導出される。このとき、左右の回動扉340の対面側には磁性体344が収容されており、左右の回動扉340が磁力によって近接する合体状態を維持するように構成されている。
また、回動扉340に備えられ、互いに吸着する磁性体は、一方が硬磁性体、他方が軟磁性体となっている。例えば、右側の回動扉340は上側に硬磁性体、下側に軟磁性体が配置され、左側の回動扉340は上側に軟磁性体、下側に硬磁性体が配置される。これにより、一方の回動扉340に硬磁性体を配置して他方の回動扉340に軟磁性体を配置する場合に比べ、左右の回動扉340が合体状態となる際に位置ズレが生じにくくなる。なお、左右の回動扉340に収容される磁石を両方とも硬磁性体としても良い。
〔下部演出装置〕
図87は、本発明の第1の実施の形態の下部演出装置220を説明する図であり、(A)は可動装飾部材223の動作前の状態を上方から見た図、(B)は可動装飾部材223の動作後の状態を正面から見た図を示している。
(A)を参照すると、前述のように、可動装飾部材223が左右のシャッタユニット330の下側突出部330b同士の隙間を遊技者から視認できないように前方から覆うように配置されている。これにより、左右のシャッタユニット330が実際には合体(当接)していないにも拘らず、合体(当接)しているかのように見せることができ、左右のシャッタユニット330の下側突出部330bの破損を防止しつつ演出効果を高めることが可能となる。なお、可動装飾部材223は、シャッタユニット330がスライドした場合に可動させてもよいし、単独で動作するようにしてもよい。また、左右のシャッタユニット330の上側突出部330aについても下側突出部330bのように隙間を可動装飾部材223のような装飾部材により視認困難となるようにしても良い。
(B)に示すように、可動装飾部材223が上方向に可動すると、装飾体224の全体が遊技者から視認可能となる。この場合であっても、前述のように、可動装飾部材223が左右のシャッタユニット330の下側突出部330b同士の隙間を遊技者から視認できないようにしている。なお、上側突出部330aや下側突出部330b同士の隙間を視認困難に遮蔽する部材については、可動しない装飾部材としても良い。
〔上部演出装置〕
図88は、本発明の第1の実施の形態において変動表示ゲームの開始から仮停止するまでのメイン表示装置35及びサブ表示装置480を示す図である。
変動表示ゲームが開始され、大当り(特別結果態様)となる期待度が高い場合には、(A)に示すように、サブ表示装置480に予告演出画像が表示される。なお、予告演出画像が表示された場合のほうが、されない場合よりも期待度が高くなっている。
その後、(B)に示すように、サブ表示装置480には補助演出画像が表示され、リーチが発生する。補助演出画像は、予告演出に対応するものであってもよいし、期待度などに応じた独立した画像であってもよい。
そして、(C)に示すように、識別図柄が仮停止すると、サブ表示装置480には動作予兆画像が表示される。動作予兆画像が表示されると、上部演出装置400が上下に振動するなど、サブ表示装置480の動作の開始(発展)を示唆する態様で演出が実行される。(C)に示す仮停止の状態から識別図柄が本停止する場合もあるが、発展する場合には、図柄の仮停止が継続し、図89に示す演出が実行される。
図89は、本発明の第1の実施の形態において変動表示ゲームの仮停止後に上部演出装置400で実行される発展演出の一例を示す図である。
(A)を参照すると、発展演出が開始されることがサブ表示装置480の可変表示領域481に表示され、上部演出装置400が下降動作を行う。その後、(B)に示すように、上部演出装置400が上下に振動するように動作し、大当り(特別結果態様)となる期待度に応じた演出が実行される。
(C)を参照すると、大当り(特別結果態様)となる期待度が中程度であることを示すメッセージ(「いくぞ!!」)が表示され、その後、上部演出装置の上昇動作が実行される。そして、(D)に示すように、大当り(特別結果態様)となる期待度が中程度であることを示す演出が実行される。
(E)を参照すると、可変表示領域481が透過状態となり、後方に位置する導光板470による発光演出が実行されることによって、大当り(特別結果態様)となる期待度が大きいことを示すメッセージ(「大チャンスざます!!」)が表示される。そして、上部演出装置の上昇動作が実行され、(F)に示すように、大当り(特別結果態様)となる期待度が大きいことを示す演出が実行される。このような演出を実行することで大当りに対する期待感を効果的に煽ることができて遊技の興趣が向上する。
〔右部演出装置〕
次に、前述した変動中処理における右部演出動作制御処理(ステップB1516)の詳細について説明する。図90は、本発明の第1の実施の形態の右部演出動作制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、役物演出動作設定処理(ステップB1505)で右部演出動作を実行するように設定されているか否かを判定する(ステップB7001)。右部演出動作を実行するように設定されていない場合には(ステップB7001の結果が「N」)、右部演出動作制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、右部演出動作を実行するように設定されている場合には(ステップB7001の結果が「Y」)、演出開始タイミングであるか否かを判定する(ステップB7002)。演出開始タイミングでない場合には(ステップB7002の結果が「N」)、ステップB7006以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、演出開始タイミングである場合には(ステップB7002の結果が「Y」)、可動装飾ユニット550の移動動作をセットする(ステップB7003)。さらに、手かざし演出画像をメイン表示装置35に表示する(ステップB7004)。手かざし演出画像は、図91に示すように、可動装飾ユニット550に備えられた赤外線センサ(以下、「人感センサ」として説明する)590を利用した演出を説明するための画像である。続いて、主制御用マイコン710は、大当りとなる信頼度に応じて回転筒580の最大回転速度をセットする(ステップB7005)。
次に、主制御用マイコン710は、人感センサ590が有効になっている期間(人感検知期間)か否かを判定する(ステップB7006)。人感検知期間中の場合には(ステップB7006の結果が「Y」)、手かざし演出画像を更新する(ステップB7007)。更新された手かざし演出画像では、例えば、図92に示すように、より具体的な動作説明をしたり、図93に示すように、残り時間を表示したりする。
続いて、主制御用マイコン710は、人感検知がなされたか否かを判定する(ステップB7008)。人感検知がなされた場合には(ステップB7008の結果が「Y」)、回転筒580が最大回転速度に未到達であれば、回転筒580の回転速度をアップする(ステップB7009)。
主制御用マイコン710は、演出終了タイミングであるか否かを判定する(ステップB7010)。演出終了タイミングでない場合には(ステップB7010の結果が「N」)、右部演出動作制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出終了タイミングの場合には(ステップB7010の結果が「Y」)、回転筒580の回転を停止して可動装飾ユニット550の復帰動作をセットし(ステップB7011)、図94に示すように、メイン表示装置35に演出結果画像を表示する(ステップB7012)。
図91から図94は、本発明の第1の実施の形態の右部演出動作の態様を説明する図である。右部演出装置500による演出(「手かざしチャンス」演出)は、リーチ発生時に実行される。「手かざしチャンス」演出実行中の場合、識別図柄は、メイン表示装置35の右上部に縮小した状態で変動表示される。
図91に示すように、「手かざしチャンス」演出が開始されると、まず、「手かざしチャンス」演出の内容及び操作の説明が表示される。このとき、右部演出装置500は遊技盤中央に向かって移動する。
また、「手かざしチャンス」演出では、遊技者が右部演出装置500に備えられた回転筒580の前方で手を振り、人感センサ590によって検知することによって、回転筒580を回転させることができる。また、手を振る速さや回数に応じて回転筒580は高速に回転するようになっている。
図92及び図93に示すように、右部演出装置500が遊技盤中央に移動し、所定位置に到達すると、右部演出装置500の移動した後に説明表示部が現れる。また、手をかざす位置(人感センサ590の検知範囲)を示唆する表示がなされる。さらに、図93に示すように、「手かざしチャンス」演出の残り時間がメイン表示装置35に表示される。なお、残り時間はサブ表示装置480に表示するようにしてもよい。
「手かざしチャンス」演出がタイムアップすると、図94(A)に示すように、期待度を示す情報(「激アツだ!」)が表示される。その後、図94(B)に示すように、発展演出が実行される。このような演出を実行することで遊技者が積極的に遊技に参加することになり、遊技の興趣が向上する。
〔大当りラウンド決定中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理における大当りラウンド決定中処理(ステップB1313)の詳細について説明する。図95は、本発明の第1の実施の形態の大当りラウンド決定中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、ラウンド決定開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB7101)。ラウンド決定開始コマンドを受信していない場合には(ステップB7101の結果が「N」)、ステップB7106以降の処理を実行する。
一方、主制御用マイコン710は、ラウンド決定開始コマンドを受信した場合には(ステップB7101の結果が「Y」)、サブ表示装置480の下降動作を設定する(ステップB7102)。さらに、サブ表示装置480に発射停止示唆画像を表示する(ステップB7103)。図101(B)に示すように、サブ表示装置480を下降させ、サブ表示装置480に一時的に発射を停止するように示唆するメッセージを含む発射停止示唆画像を表示させる。さらに、メイン表示装置35に遊技説明を行う旨のメッセージを表示する。その後、メイン表示装置35で遊技説明を継続する(図102)。
さらに、主制御用マイコン710は、発射停止示唆音声を出力し(ステップB7104)、大当りラウンド決定処理における処理番号に「1」を設定する(ステップB7105)。
続いて、主制御用マイコン710は、振分状態コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB7106)。振分状態コマンドを受信した場合には(ステップB7106の結果が「Y」)、受信した振分状態コマンドに対応する振分状態報知を実行する(ステップB7107)。振分状態報知は、例えば、受信した振分状態に対応するレンズ部材61、63を発光させる。
次に、主制御用マイコン710は、処理番号に応じた処理を実行する(ステップB7108)。処理番号が「1」の場合には、大当りラウンドを決定するための遊技を説明するためのラウンド決定方法説明処理を実行する(ステップB7109)。ラウンド決定方法説明処理の詳細については、図96にて後述する。
主制御用マイコン710は、処理番号が「2」の場合には、大当りラウンドを変動にするか固定するかを決定するための発射タイミングを報知する発射報知態様設定処理を実行する(ステップB7110)。発射報知態様設定処理の詳細については、図97にて後述する。
主制御用マイコン710は、処理番号が「3」の場合には、遊技者が設定した大当りラウンドの決定方法に対応する発射タイミングを報知する発射タイミング報知処理を実行する(ステップB7111)。発射タイミング報知処理の詳細については、図98にて後述する。
続いて、主制御用マイコン710は、ラウンド数決定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB7112)。ラウンド数決定コマンドを受信していない場合には(ステップB7112の結果が「N」)、大当りラウンド決定中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、ラウンド数が決定したことを通知するラウンド数決定コマンドを受信した場合には(ステップB7112の結果が「Y」)、ラウンド数決定コマンドに対応するゲート通過音を出力する(ステップB7113)。図99に示すように、ラウンド数決定コマンドに対応するゲート通過音は、例えば、15ラウンドの場合は「ズキューン!」、5ラウンドの場合は「プシュー!」、10ラウンドの場合は「チャキーン!」のようにそれぞれ異なる報知音が設定される。
さらに、主制御用マイコン710は、メイン表示装置35に確定ラウンドに対応するラウンド確定画像を表示する(ステップB7114)。さらに、サブ表示装置480に確定ラウンドに対応するラウンド確定画像を表示する(ステップB7115)。その後、下降しているサブ表示装置480を元に戻すために、上昇動作を設定し(ステップB7116)、振分状態報知を停止する(ステップB7117)。その後、大当りラウンド決定中処理を終了する。
〔ラウンド決定方法説明処理〕
次に、前述した大当りラウンド決定中処理におけるラウンド決定方法説明処理(ステップB7109)の詳細について説明する。図96は、本発明の第1の実施の形態のラウンド決定方法説明処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、更新タイマがセット済みか否かを判定する(ステップB7201)。この更新タイマは、ラウンド決定方法をメイン表示装置35に出力する時間を管理するためのタイマである。主制御用マイコン710は、更新タイマがセット済みの場合には(ステップB7201の結果が「Y」)、ステップB7207以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、更新タイマがセット済みでない場合には(ステップB7201の結果が「N」)、非電サポ状態での初当りか否か(説明表示条件が成立したか否か)を判定する(ステップB7202)。非電サポ状態での初当りの場合(ステップB7202の結果が「Y」)、すなわち、非電サポ状態での遊技開始から最初の大当りの場合には、メイン表示装置35にラウンド決定方法の詳細説明画像を表示する(ステップB7203)。そして、詳細説明更新タイマをセットする(ステップB7204)。
一方、主制御用マイコン710は、非電サポ状態での初当りでない場合(ステップB7202の結果が「N」)、すなわち、遊技開始から既に大当りが発生している場合には、すでにラウンド決定方法の詳細説明画像が表示されているので、メイン表示装置35にラウンド決定方法の簡易説明画像を表示する(ステップB7205)。そして、簡易説明更新タイマをセットする(ステップB7206)。
更新タイマがセット済みの場合(ステップB7201の結果が「Y」)、ステップB7206又はステップB7206の処理が終了した場合には、続いて、主制御用マイコン710は、更新タイマが0でなければ−1更新する(ステップB7207)。さらに、更新タイマが0になったか否かを判定する(ステップB7208)。
主制御用マイコン710は、更新タイマが0になっていない場合には(ステップB7208の結果が「N」)、更新タイマのタイマ値に応じた説明画像に更新する(ステップB7209)。一方、更新タイマが0になった場合には(ステップB7208の結果が「Y」)、処理番号を「2」に設定する(ステップB7210)。その後、ラウンド決定方法説明処理を終了する。
〔発射態様設定処理〕
次に、前述した大当りラウンド決定中処理における発射態様設定処理(ステップB7110)の詳細について説明する。図97は、本発明の第1の実施の形態の発射態様設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、報知態様設定済みフラグがあるか否かを判定する(ステップB7301)。報知態様設定済みフラグは、大当りラウンドの決定方法が変動か固定かを遊技者が決定済みの場合に設定される。主制御用マイコン710は、報知態様設定済みフラグがある場合には(ステップB7301の結果が「Y」)、処理番号を「3」に設定し(ステップB7311)、発射態様設定処理を終了する。
主制御用マイコン710は、報知態様設定済みフラグがない場合には(ステップB7301の結果が「N」)、設定画面が表示済みであるか否かを判定する(ステップB7302)。そして、表示済みでない場合には(ステップB7302の結果が「Y」)、発射報知態様設定画面を表示する(ステップB7303)。
さらに、主制御用マイコン710は、発射報知態様設定画面において発射報知態様の選択操作があるか否かを判定する(ステップB7304)。発射報知態様の選択操作がある場合には(ステップB7304の結果が「Y」)、選択操作に対応する発射報知態様を強調表示する(ステップB7305)。
続いて、主制御用マイコン710は、選択された発射報知態様の確定操作があるか否かを判定する(ステップB7306)。選択された発射報知態様の確定操作がない場合には(ステップB7306の結果が「N」)、発射態様設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、選択された発射報知態様の確定操作がある場合には(ステップB7306の結果が「Y」)、確定操作に対応する発射報知態様を設定し(ステップB7307)、報知態様設定済みフラグをセーブする(ステップB7308)。さらに、メイン表示装置35に設定確定画面を表示し(ステップB7309)、サブ表示装置480に案内表示画面を表示する(ステップB7310)。その後、処理番号を「3」に設定し(ステップB7311)、発射態様設定処理を終了する。
〔発射タイミング報知処理〕
次に、前述した大当りラウンド決定中処理における発射タイミング報知処理(ステップB7111)の詳細について説明する。図98は、本発明の第1の実施の形態のラウンド決定方法説明処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、発射報知態様の設定をチェックする(ステップB7401)。そして、設定された発射報知態様がデフォルト(両方(変動、固定)報知)設定であるか否かを判定する(ステップB7402)。設定された発射報知態様がデフォルト設定の場合には(ステップB7402の結果が「Y」)、振分状態コマンドに対応する状態報知画像を表示する(ステップB7407)。なお、図100に示すように、振分状態コマンドが変動側を示す場合には、状態報知画像1として「変動ゲートなら今だ!」といったメッセージが表示され、振分状態コマンドが固定側を示す場合には、状態報知画像2として「固定ゲートなら今だ!」といったメッセージが表示される。
一方、主制御用マイコン710は、受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応するか否かを判定する(ステップB7403、ステップB7404)。受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応する場合には(ステップB7404の結果が「Y」)、サブ表示装置480に発射示唆画像を表示する(ステップB7405)。受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応しない場合には(ステップB7404の結果が「N」)、サブ表示装置480に発射待機示唆画像を表示する(ステップB7406)。なお、図100に示すように、受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応する場合には、発射示唆画像として、「今だ打て!!」といったメッセージが表示され、受信した振分状態コマンドが発射報知態様の設定に対応しない場合には、発射待機示唆画像として、「まだ待て!!」といったメッセージが表示される。
〔発射報知態様〕
ここで、図101から図106を参照しながら発射報知態様の選択について具体的に説明する。図101及び図102は、本発明の第1の実施の形態の(飾り)特図変動表示ゲームの結果が第2特別結果となってから大当りラウンドを決定する方法を提示するまでの流れを説明する図である。図103及び図104は、本発明の第1の実施の形態の大当りラウンドを決定するための発射報知態様の選択する手順を説明する図である。図105及び図106は、本発明の第1の実施の形態の発射報知タイミングを示す画像が表示されてから遊技球が通過ゲートを通過するまでの流れを説明する図である。
図101(A)は、変動表示ゲームの結果、大当りラウンドの抽選が行われる第2特別結果大当り(確変、通常)となった状態を示している。このとき、大当りラウンド数は決定されていないため、特別遊技状態は開始されていない。また、振分装置90の振分部材(切換部93)は、所定の時間間隔で変動側と固定側に切り替えられている。前述したように、振分部材(切換部93)の切替に対応してレンズ部材61、63を介してLEDが点灯(点滅)する。なお、振分装置90の振分部材(切換部93)の切換は、大当りラウンド決定時以外にも、所定の時間間隔で変動側と固定側に継続して切り替えられている。
その後、(B)に示すように、上部演出装置400が下降動作し、サブ表示装置480の可変表示領域481に一時的に遊技球の発射を停止する旨のメッセージが表示される。このとき、メイン表示装置35には、これから遊技説明を行う旨のメッセージが表示される。サブ表示装置480では、後述するように、遊技球の発射停止を促す報知が行われるため、上部演出装置400を可動(下降動作)させることによって、遊技者に確実に気付かせることができる。
また、サブ表示装置480は、前述のように、振分装置90の近傍であってメイン表示装置35よりも前方に配置されており、メイン表示装置35に表示された遊技説明に重ならないように可動させることによって、振分装置90に向けた遊技球の発射を効果的に抑制することが可能となる。
図102は、大当りラウンドを決定するための遊技の説明がメイン表示装置35に表示されている状態を示している。このとき、サブ表示装置480は、一時的に遊技球の発射を停止する旨のメッセージの表示が継続されている。
本実施形態では、遊技球を通過ゲートに通過させることによって大当りラウンド数が決定される。図103を参照すると、「固定」「抽選」「両方」のいずれかの報知態様を選択するための状態となっている。報知態様の選択は、選択ボタン29を操作することによって選択し、演出ボタン17を操作することによって確定する。例えば、図104(A)に示すように、選択ボタン29によって「抽選」を選択し、演出ボタン17を操作することによって、(B)に示すように、発射報知態様が確定される。
大当りラウンド数についてさらに説明すると、図41(B)(C)に示したように、「固定」は10ラウンド固定、「抽選」は5ラウンド又は15ラウンドのいずれかを抽選して選択される。この点について、メイン表示装置35で明確に示すことによって、ゲート(特定領域)毎の遊技価値の決定態様を遊技者に理解させることが可能となり、大当りラウンド数決定遊技(補助遊技)進行の円滑化を図ることが可能となる。
このように、遊技者が振分状態を選択して報知させるように設定することができるため、「固定(第1特定領域)」「抽選(第2特定領域)」のうち任意の一方の特定領域を狙った遊技球の発射操作がし易くなる。
「抽選」が選択された場合について説明すると、図105(A)に示すように、切換部93が変動側を閉鎖している状態では、サブ表示装置480に発射を待機するメッセージ(「まだ待て!!」)が表示される。これに対し、(B)に示すように、切換部93が変動側を開放している状態では、サブ表示装置480に発射を指示するメッセージ(「今だ打て!!」)が表示される。
このように、遊技者が指定した大当りラウンド数の決定方法を選択するタイミングで、遊技球の発射タイミングが報知されるため、設定した発射タイミングと異なる時期に遊技球の発射をしてしまうことを防ぐことができる。
そして、報知にしたがって遊技球を発射し、図106(A)に示すように、遊技者が指定したゲートに遊技球を通過させることによって、大当りラウンド数の抽選が行われる。(A)では、変動側の第1通過ゲート部34gを遊技球が通過したため、5ラウンド又は15ラウンドの大当りラウンド数の抽選が行われる。(B)では、ラウンド数の多い15ラウンドに当選したため、メイン表示装置35にその旨(「15R確定!!」)を示すメッセージが表示され、サブ表示装置480に祝福のメッセージが表示される。
以上のように、本実施形態によれば、大当り決定方法を選択する補助遊技の内容を遊技者に理解させつつ、遊技者の意思に反して大当りラウンド数(特別遊技状態の種類)が決定されてしまうという不都合を回避することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、メイン表示装置35で補助遊技状態に関する説明を表示し、サブ表示装置480で遊技球の発射停止を促す報知を行うことによって、遊技者が理解し易いように情報を提示することができる。
〔右打ち警告〕
次に、前述した1stシーン制御処理における右打ち警告コマンド受信処理(ステップB1322)の詳細について説明する。図107は、本発明の第1の実施の形態の右打ち警告コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、右打ち警告表示中であるか否かを判定する(ステップB7501)。右打ち警告表示中の場合には(ステップB7501の結果が「Y」)、ステップB7507以降の処理を実行する。
また、主制御用マイコン710は、右打ち警告表示中でない場合には(ステップB7501の結果が「N」)、右打ち警告コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB7502)。右打ち警告コマンドを受信していない場合には(ステップB7502の結果が「N」)、右打ち警告コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、右打ち警告コマンドを受信した場合には(ステップB7502の結果が「Y」)、サブ表示装置480で予告演出が実行中であるか否かを判定する(ステップB7503)。サブ表示装置480で予告演出が実行中である場合には(ステップB7503の結果が「Y」)、予告演出の表示を優先するため、右打ち警告コマンド受信処理を終了する。
なお、予告演出実行中であっても右打ち警告画像を表示するようにしてもよい。この場合には、表示中の予告画像の視認を妨げないように縮小した表示を行う。
一方、主制御用マイコン710は、サブ表示装置480で予告演出が実行中でない場合には(ステップB7503の結果が「N」)、サブ表示装置480の下降動作を設定する(ステップB7504)。このとき、メイン表示装置35で変動表示ゲームを実行している場合には、サブ表示装置480を下降させずに初期位置で後述する右打ち警告画像を表示するようにしてもよい。
また、主制御用マイコン710は、サブ表示装置480に右打ち警告画像を表示する(ステップB7505)。なお、右打ち警告画像は、左狙い示唆画像であってもよい。さらに、主制御用マイコン710は、警告表示タイマを設定する(ステップB7506)。
続いて、主制御用マイコン710は、表示タイマが0でなければ−1更新する(ステップB7507)。そして、表示タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(ステップB7508)。表示タイマがタイムアップしていない場合には(ステップB7508の結果が「N」)、右打ち警告コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、表示タイマがタイムアップした場合には(ステップB7508の結果が「Y」)、サブ表示装置480を初期位置に戻すために、上昇動作を設定する(ステップB7509)。さらに、サブ表示装置の右打ち警告画像(左狙い示唆画像)を消去し(ステップB7510)、右打ち警告コマンド受信処理を終了する。
図108は、本発明の第1の実施の形態の右打ち警告の一例を説明する図であり、(A)は通常遊技中に右打ちを行うことで第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hを遊技球が通過する様子を示し、(B)は右打ち警告を行っている様子を示している。
本実施形態の遊技機1における遊技では、大当りラウンド決定時以外は、左打ちを行うようになっている。(A)に示すように、通常遊技中に右打ちを行うことによって第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hを遊技球が通過すると、遊技制御装置600から演出制御装置700に右打ち警告コマンドが送信される。
演出制御装置700は、右打ち警告コマンドを受信すると、(B)に示すように、サブ表示装置480を下降させ、サブ表示装置480の可変表示領域481に右打ち警告画像(「左側に発射してください」)を表示する。このとき、メイン表示装置35で変動表示ゲームが実行されている場合には、前述のように、サブ表示装置480を下降させずに、初期位置のままで右打ち警告画像を表示するようにしてもよい。
〔エラー監視〕
次に、前述した1stメイン処理における遊技機エラー監視処理(ステップB1010)の詳細について説明する。図109は、本発明の第1の実施の形態の遊技機エラー監視処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、RAM初期化報知処理を実行する(ステップB2001)。RAM初期化報知処理は、起動時など、遊技制御装置600及び演出制御装置700のRAMが初期化されたことを報知する処理である。
次に、主制御用マイコン710は、枠開放センサエラー報知処理を実行する(ステップB2002)。枠開放センサエラー報知処理では、ガラス枠6や前面枠5が開放されている間、具体的には、枠の開放コマンドを受信してから閉鎖コマンドを受信するまでの間、エラーを報知する。エラー報知は、報知音を出力させたり、遊技状態報知LED12を点灯させたりし、具体的には、図112に示すように、メイン表示装置35でエラーの発生、サブ表示装置480でエラーの種類(エラーコード)を表示し、さらに、スピーカ10から音による報知を行うようになっている。
このように、メイン表示装置(第1表示装置)35及びサブ表示装置(第2表示装置)480にエラーを表示することによって、不正の可能性があるような行為の抑止効果を向上させることが可能となる。
次に、主制御用マイコン710は、払出エラー報知処理を実行する(ステップB2003)。払出エラー報知処理では、払出制御装置640から送信されたコマンドに基づいて、払出制御で発生したエラーを報知する。
次に、主制御用マイコン710は、磁気センサエラー報知処理を実行する(ステップB2004)。磁気センサエラー報知処理では、磁気センサ23によって検出された異常に基づいて遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいてエラーを報知する。
磁気センサ23は、図111に示すように、遊技球が通過するゲート(例えば、普図始動ゲート36)及び入賞口(例えば、始動入賞口37、38、一般入賞口40)の上流部に配置される。これは、磁石などの磁力によって遊技球の軌道を変化させて入賞させるなどの不正を検知するためである。
次に、主制御用マイコン710は、電波センサエラー報知処理を実行する(ステップB2005)。電波センサエラー報知処理では、電波センサ24によって検出された異常に基づいて遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいてエラーを報知する。
最後に、主制御用マイコン710は、人感センサエラー報知処理を実行する(ステップB2005)。人感センサエラー報知処理では、演出制御装置700が人感センサ590によって検出された異常に基づいて単独でエラーを報知する。
また、図111に示すように、人感センサ590は、磁気センサ23でカバーできない領域(人感センサ検出範囲)992をカバーするように配置される。このように、磁気センサ23の検出範囲991となっていない領域992を人感センサ590による検出範囲とすることで、磁気センサ23の数を削減することができる。
なお、ダミー収容部275に、磁気センサ23を収容するようにしてもよい。これにより磁気センサ23の検出範囲を広げることができる。また、磁気センサ23を遊技盤後方の装飾部材に設けていたが、遊技板32の表又は裏に配設するようにしてもよい。
本実施形態では、右部演出装置500の可動時には、演出用に人感センサ590が利用されるが、右部演出装置500の非可動時には、人感センサ590を異常検知センサとして機能させる。そして、前述のように、人感センサ590が所定時間以上に検知状態となっている場合に異常(エラー)報知するように制御している。人感センサエラー報知処理の詳細については、図110にて後述する。
以上のように、人感センサ590による検出範囲は、右下部に配置された一般入賞口40の上流部をカバーしている。このように、入賞口よりも上流側に検出範囲を設定することによって、不正の可能性がある異常な行為を効果的に検出することが可能となる。
次に、前述した遊技機エラー監視処理における人感センサエラー処理(ステップB2006)の詳細について説明する。図110は、本発明の第1の実施の形態の人感センサエラー処理の手順を示すフローチャートである。人感センサエラー処理では、人感センサ590を利用した演出を実行していない間、人感センサ590が、所定期間、人感検知を継続した場合にエラーとして報知する。
主制御用マイコン710は、まず、右部演出装置500による演出動作を行う変動表示ゲーム(演出動作変動表示ゲーム)が実行中であるかをチェックする(ステップB7601)。そして、演出動作変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する(ステップB7602)。演出動作変動表示ゲームが実行中の場合には(ステップB7602の結果が「Y」)、ステップB7609以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、演出動作変動表示ゲームが実行中でない場合には(ステップB7602の結果が「N」)、人感検知状態であるか否かを判定する(ステップB7603)。人感検知状態である場合には(ステップB7603の結果が「Y」)、エラー判定カウンタを+1更新する(ステップB7604)。
そして、主制御用マイコン710は、エラー判定カウンタの値がエラー判定値に到達したか否かを判定する(ステップB7605)。エラー判定カウンタの値がエラー判定値に到達した場合には(ステップB7605の結果が「Y」)、エラー報知を実行する(ステップB7606)。なお、人感センサによるエラー検出は、遊技に関係のない位置に遊技者の身体の一部が位置していることによるものであるため、エラー報知を、短時間(例えば、1〜2秒程度)の実行としてもよいし、非人感検知状態になるとすぐに解除するようにしてもよい。
一方、主制御用マイコン710は、人感検知状態でない場合には(ステップB7603の結果が「N」)、所定時間、非人感検知状態が継続しているか否かを判定する(ステップB7607)。非人感検知状態が継続している場合には(ステップB7607の結果が「Y」)、エラー判定カウンタをリセットする(ステップB7608)。
このように、本実施形態では、所定期間内に所定回数、人感検知状態が検出された場合にエラーが発生したと判定し、報知音を出力する。すなわち、常態では非人感検知状態(非検出状態)となる人感センサ590が所定期間にわたって人感検知状態(検出状態)となるような異常な事態(換言すると、不正の可能性があるような行為)の発生を判定することが可能となる。
次に、主制御用マイコン710は、エラー報知中であるか否かを判定する(ステップB7609)。エラー報知中でない場合には(ステップB7609の結果が「N」)、人感センサエラー処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、エラー報知中の場合には(ステップB7609の結果が「Y」)、エラー報知の解除条件が成立したか否かを判定する(ステップB7610)。エラー報知の解除条件は、例えば、遊技場の従業員や遊技者からの解除入力があった場合、非人感検知状態が所定時間継続した場合である。また、解除入力は、専用のスイッチを設けてもよいし、演出ボタン17の長押し(例えば、3秒)などの特殊操作であってもよい。
主制御用マイコン710は、エラー報知の解除条件が成立した場合には(ステップB7610の結果が「Y」)、エラー報知を解除する(ステップB7611)。一方、エラー報知の解除条件が成立していない場合には(ステップB7610の結果が「N」)、エラー報知を継続し、その後、人感センサエラー処理を終了する。
本実施形態によれば、人感センサ(非接触センサ、赤外線センサ)590による検出を所定の演出(右部演出)を行うために利用するほかに、異常の発生を判定するためにも利用することによって、演出実行時以外にも人感センサ590を有効に活用することが可能となる。
ところで、従来の遊技機の中には、変動表示ゲームが特別結果となっただけでは特別遊技状態が開始されず、変動表示ゲームが特別結果となった後に遊技領域に設けた特定ゲート(抽選ゲート)に遊技球が通過したことに基づいて抽出された乱数に基づいてラウンド数を決定するような補助遊技を実行し、該補助遊技で決定したラウンド数に応じた特別遊技状態を開始するようなものが提案されている(例えば、特開2008−132167号公報)。また、特定ゲート(抽選ゲート)を複数設け、変動表示ゲームが特別結果となった後に遊技球が通過した特定ゲートに応じた抽選形態によって特別遊技状態の種類を決定するような補助遊技を実行する遊技機も提案されている(例えば、特開2009−189504号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載されたような、特定ゲートを通過したことにより特別遊技状態の種類(ラウンド数等)を決定するような補助遊技を実行する遊技機においては、補助遊技の内容を遊技者が即座に理解することができないという問題があった。また、特別結果となった後に最初に特定ゲートに遊技球が通過すると特別遊技状態の種類を決定するため、変動表示ゲーム中に発射された遊技球が特定ゲートを通過してしまって、遊技者の意思に反して特別遊技状態の種類が決定されてしまうという問題が発生する可能性もあった。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、大当り決定方法を選択する補助遊技の内容を遊技者に理解させつつ、遊技者の意思に反して大当りラウンド数(特別遊技状態の種類)が決定されてしまうという不都合を回避することが可能となる。
また、従来の遊技機の中には、遊技盤の所定位置に遊技者の身体の一部(主に手)が検出範囲内に進入したことを検出可能な非接触センサ(赤外線センサ等の人感センサ)を設け、演出可能期間中に非接触センサで遊技者の身体の一部(主に手)を検出したことに基づいて所定の演出を行うようなものが提案されている(例えば、特開2010−124445号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載されたような遊技機では、非接触センサからの入力が演出可能期間中にのみ有効とされており、非接触センサを有効に活用することができていなかった。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、遊技者の身体の一部を検出可能な非接触センサを演出以外にも有効に活用することが可能となる。
また、従来の遊技機の中には、枠体に着脱可能に収納される遊技板の前面に遊技球が流下可能な遊技領域を形成した遊技盤を有し、遊技板を透明樹脂製にして後方に装飾部材を配設し、遊技板を介して装飾部材を透視可能にすることで装飾効果の向上を狙った遊技機が提案されている(特開2010−99515号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載されたような遊技機のように、透明樹脂製の遊技板を用いる場合には、木製の遊技板に比べて静電気が帯電し易くなり、帯電した静電気によって遊技機が誤作動してしまう可能性がある。そこで、遊技板に帯電した静電気をアースされた枠体側に逃がして除去することが考えられる。しかし、遊技盤に枠体に接触可能な導電部材を突出して設ける場合には、遊技盤の運搬時や着脱時に導電部材によって作業者が怪我をする虞がある。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、透明樹脂製の遊技板に帯電した静電気を枠体側に逃がして除去することができるとともに、遊技盤の運搬や着脱時に導電部材によって作業者が怪我することを防止することもできる。
また、従来の遊技機の中には、遊技板を透明樹脂製にして後方に装飾部材を配設し、遊技板を介して装飾部材を透視可能にすることで装飾効果の向上を狙った遊技機が提案されている(例えば、特開2010−99515号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載された遊技機のように、透明樹脂製の遊技板を用いる場合には、該遊技板に配設される電気部品の配線を遊技板後方に引き回す配線処理が行われている。このとき、遊技板の後方に引き回された電気部品の配線は透明部材の遊技板を介して視認可能になるので、遊技板の後方の美観を損ねてしまったり、装飾部材の視認性を低下させてしまったりする問題が生じる。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、電気部品の配線を立体装飾部材の前方を通して装飾空間の端部まで引き回す場合に比べ、効率よく電気部品の配線処理を行うことができ、遊技板の後方(裏面側)の美観や装飾部材の視認性が低下してしまうことを抑制することが可能となる。
また、従来の遊技機の中には、表示装置の表示部の前方で所定の演出動作を行うことが可能な可動演出部材を備えた可動演出装置を設け、変動表示ゲームの進行に応じて可動演出部材を複数の駆動部により駆動することで、演出動作をより複雑なものとした遊技機も提案されている(例えば、特開2011−125543号公報)。
しかしながら、上記した特許文献に記載された遊技機のように、表示装置の周辺に比較的大型の可動演出装置を配設してしまうと、他の可動演出装置や装飾部材等を配置するスペースが狭まってしまうという問題がある。そこで、スペースの確保のために可動演出部材を小型化させたり、可動演出部材の動作態様を単調にしたりすると当然のように演出効果も低下してしまい、遊技の興趣が低下する原因にもなってしまう。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、表示装置周辺の限られた空間を効率よく利用しつつ、可動演出装置による演出効果を効果的に向上させることが可能となる。
(第2実施形態)
第2の実施の形態の遊技機では、一括表示装置(特図/普図LED基板、表示基板)50の確認点灯を行うことによって、不良品であるか否かや接続不良が発生しているか否かを電源投入時に判定できるように構成される。
また、第2の実施の形態の遊技機では、遊技盤の後方に配置された第2サブ表示装置(第2表示装置)が備えられている。さらに、複数の遊技機で定期的(例えば、所定の時刻)に特別な演出が実行可能に構成されている。
また、第1の実施の形態では、変動表示ゲームの結果が特定の大当りとなった場合に、第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hに遊技球を通過させることによって、特別遊技状態のラウンド数の抽選方法を決定するように構成されていた。第2の実施の形態では、さらに、特別遊技状態中及び/又は終了時に第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hに遊技球を通過させることによって、特別遊技状態終了後の演出モードを決定することができるように構成されている。
以下、前述した第2の実施の形態における遊技機の特徴とともに、第1の実施の形態の遊技機と相違する構成について説明する。まず、一括表示装置(特図/普図LED基板)50の構成及び制御について説明する。
〔一括表示装置(特図/普図LED基板)の構成〕
図113は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置(特図/普図LED基板)50を示す図である。図114は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置50を制御する遊技制御装置600の外観を示す図である。
第2の実施の形態の一括表示装置50は、第1の実施の形態と同様に、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56)と、を有している。第1特図変動表示部51及び第2特図変動表示部52以外の遊技の進行を示す表示部を進行表示部とする。
また、一括表示装置50には、遊技機1の電源投入時から最初の大当りの発生まで大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知するための高確率表示部及び時短状態が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する時短状態表示部からなる遊技状態表示部57と、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉ラウンド回数)を表示するラウンド数表示部59が設けられている。
第1特図変動表示部(特図1表示器)51については図115、第2特図変動表示部(特図2表示器)52については図116、その他の表示部については図117を参照しながら説明する。
一括表示装置50は、1列12ピンに構成されている基板側コネクタ65を備えており、配線側コネクタ(配線の一端側コネクタ)66aを介して接続配線66に接続される。また、接続配線66の他方は、遊技制御装置600の一括表示用コネクタ(表示用コネクタ)693に接続される。
図114に示す遊技制御装置600は、遊技制御基板を収装する基板ボックスとして構成される。基板ボックスは、遊技機1に取り付けられる取付ベース(第1ケース部材)と、取付ベースに取り付けられ、取付ベースとの間に遊技制御基板を収納する収納空間を画成する蓋部材(第2ケース部材)とを備える。基板ボックスは、透明な合成樹脂によって構成され、蓋部材が取付ベースに取り付けられた状態でも内部に収納された遊技制御基板が透視可能に構成されている。
取付ベース(第1ケース部材)と蓋部材(第2ケース部材)とは、締め方向にしか回せないワンウェイネジ(固着具)によって封止されている。遊技制御基板を取り出すためには、ワンウェイネジを切り離す必要がある。したがって、取付ベースと蓋部材との固着を解除すると痕跡が残り、遊技制御基板を交換するなどの不正行為が行われた場合に容易に発見することができる。
遊技制御装置600は、遊技機内の各構成又は外部機器に接続するため端子が備えられている。具体的には、基板ボックス上部に左から順に、第1始動口スイッチコネクタ691、第2始動口スイッチコネクタ692、一括表示用コネクタ693、演出用コネクタ694及び各種スイッチ用コネクタ695を備える。さらに、下部左側には検査端子用コネクタ696、下部右側には情報出力用コネクタ697及び電源用コネクタ698を備える。
各端子について説明すると、第1始動口スイッチコネクタ691は第1始動口スイッチ601に接続され、第2始動口スイッチコネクタ692は第2始動口スイッチ602に接続され、始動口に遊技球が入賞した場合に信号が入力される。
一括表示用コネクタ693は、前述のように、一括表示装置50に接続される。一括表示用コネクタ693は、2列12ピンに構成されており、詳細については図118及び図119にて後述する。また、一括表示用コネクタ693は、他のコネクタに挟まれた状態、つまり、他のコネクタよりも内側に配置されている。これにより、島設備への設置時等に遊技球が当るなどの破損/接続不良要因が発生する可能性を削減することができ、一括表示装置50に各種の表示がされなくなって遊技進行が把握できなくなる不都合を防止することができる。
演出用コネクタ694は、演出制御装置700が接続され、遊技に関わるコマンドが送信される。各種スイッチ用コネクタ695には、カウントスイッチなどが接続される。検査端子用コネクタ696は、検査装置670に接続され、検査用の信号が出力される。情報出力用コネクタ697は、図示しない情報収集装置や管理装置などの外部装置に遊技データが出力される。電源用コネクタ698は、電源装置800や払出制御装置640が接続され、電源の供給を受けたり、停電監視信号やリセット信号などの信号が入力されたり、払出に関わるコマンドが送受信されたりする。
〔一括表示装置の表示態様〕
次に、図115及び図116を参照しながら特図表示器(特図1表示器51、特図2表示器52)の表示について説明する。図115は、本発明の第2の実施の形態の特図1表示器51の表示態様を説明する図である。図116は、本発明の第2の実施の形態の特図2表示器52の表示態様を説明する図である。(A)は特図表示器の構成及び変動態様を説明する図であり、(B)は変動表示ゲームの結果表示態様の一覧を示す図である。なお、特図1表示器51の表示態様と特図2表示器52の表示態様との差異は、ドット(D.P)が点灯するか否かだけであるため、主として特図1表示器51について説明する。
(A)を参照すると、特図表示器は、いわゆる7セグ表示器(7セグLED)である。特図表示器は、横1セグメント(セグメントa、d)、及び縦2セグメント(セグメントf、e、b、c)の長方形により構成され、残る1セグメント(セグメントg)が長方形の真ん中を横切ることで8の字状となっている。セグメントcの右下方には、円形のセグメントD.Pが配置されている。
本実施形態における特図表示器は、まず、すべてのセグメントを消灯させた状態から変動表示が開始される。このとき、前回の結果表示態様がハズレの場合であっても当りの場合であっても同様に、消灯から始まり点灯と消灯を繰り返して変動表示を行う。これにより、変動開始後すぐに特図表示器の表示態様が変化するため、変動表示中であることを即座に把握することができる。
(B)は変動表示ゲームの結果表示態様の一覧を示す図である。本実施形態の遊技機1では、ハズレと、1〜9、A〜H当りの18種類の結果表示態様が定義されている。特図1表示器51では、結果表示態様出力時に常にD.Pを点灯させ、図116に示すように、特図2表示器52では、結果表示態様出力時に常にD.Pを消灯させるように構成されている。
結果表示態様がハズレの場合には、セグメントg及びD.Pを点灯させ、他のセグメントをすべて消灯させる。変動表示中は、結果に係わらず、ハズレの表示と全消灯を交互に表示するが、当り図柄を含めて変動表示するようにしてもよい。また、特図表示器の結果表示態様は、変動表示ゲームの結果に対応して決定される。
また、結果表示態様は、図115及び図116に示した18種類に限らず、さらに多くの種類を定義してもよいし、特図1と特図2で数を異ならせてもよい。例えば、変動表示ゲームの結果及び変動パターンに応じて決定してもよい。また、特図1表示器51と特図2表示器52の表示態様を逆にしてもよい。
図117は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置50における特図表示器以外の出力態様を説明する図である。
特図1保留表示部54は、4つのLEDからなり、点灯しているLEDの個数で第1変動表示ゲームの未処理回数(始動記憶数)を表示するものである。同様に、特図2保留表示部55は、第2変動表示ゲームの未処理回数(始動記憶数)を表示するものである。
遊技状態表示部57は、高確率報知LEDと時短報知LEDの2つのLEDからなる。高確率報知LEDは、電源投入時(詳しくは停電復旧時)に高確率状態(確変状態)の場合に点灯し、最初の大当りが発生すると、消灯される。また、通常時には高確率状態であっても高確率報知LEDは点灯しないように制御される。なお、高確率状態でない場合には消灯される。また、時短報知LEDは、通常時であっても、電源投入時であっても、時短状態の場合に点灯するように制御される。
普図保留表示部56は、第1普図記憶表示器と第2普図記憶表示器の2つのLEDからなり、第1普図記憶表示器及び第2普図記憶表示器が共に消灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数(始動記憶数)が「0」であることを示す。また、第1普図記憶表示器が点灯し第2普図記憶表示器が消灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「1」、第1普図記憶表示器及び第2普図記憶表示器が共に点灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「2」であることを示している。さらに、第1普図記憶表示器が点滅し第2普図記憶表示器が点灯している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「3」、第1普図記憶表示器及及び第2普図記憶表示器が共に点滅している場合は普図変動表示ゲームの未処理回数が「4」であることを示している。
普図表示部(普図表示器)53は、普図始動ゲート36を遊技球が通過した場合に消灯した状態から、点灯と消灯を交互に繰り返す点滅状態となり、普図変動表示ゲームが実行中であることを示すLEDである。普図表示部53が点滅している場合は普図変動表示ゲームが変動表示中であることを示し、普図表示部53が点灯している場合は普図変動表示ゲームの結果が当りであることを示し、普図表示部53が消灯している場合は普図変動表示ゲームの結果がはずれであることを示している。なお、変動開始は、消灯からではなく、前回の普図変動表示ゲームにおける結果表示態様の逆の表示態様から開始するようにしてもよい。
ラウンド数表示部59は、第1ラウンド数表示部、第2ラウンド数表示部及び第3ラウンド数表示部の3つのLEDからなる。第1ラウンド数表示部が点灯し第2ラウンド数表示部及び第3ラウンド数表示部が消灯している場合は第1変動表示ゲーム又は第2変動表示ゲームの遊技結果が5R大当りであることを示す。同様に、第1ラウンド数表示部及び第3ラウンド数表示部が消灯し第2ラウンド数表示部が点灯している場合は10R大当り、第1ラウンド数表示部及び第2ラウンド数表示部が消灯し第3ラウンド数表示部が点灯している場合は15R大当り、第1ラウンド数表示部、第2ラウンド数表示部及び第3ラウンド数表示部が点灯している場合は16R大当りであることを示している。
〔一括表示装置の配線〕
続いて、図118から図120を参照しながら、特図表示器を含む一括表示装置50とコネクタとの配線について説明する。図118は、本発明の第2の実施の形態の特図表示器を構成する7セグLEDを説明する図である。(A)は各セグメント及び端子を示し、(B)は回路図を示している。なお、図118に示す7セグLEDは、特図1表示器51に対応する。
(A)に示すように、本実施形態における特図表示器を構成する7セグLEDは、セグメントa〜セグメントg及びD.Pの8個のLEDによって構成されている。また、7セグLEDには、1〜10の10本の端子が備えられている。
そして、(B)に示すように、セグメントaには端子1、セグメントbには端子10、セグメントcには端子8、セグメントdには端子5、セグメントeには端子4、セグメントfには端子2、セグメントgには端子3、D.Pには端子6が接続される。また、本実施形態の7セグLEDは、アノードコモンであり、端子9及び端子7が共通の+極となっている。
図119は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置50に接続される遊技制御装置600の一括表示用コネクタを説明する図である。(A)はコネクタのピン配置、(B)はピンと出力データとの対応を示している。
(A)に示すように、一括表示用コネクタは、2列12ピンの構成となっておる。また、(B)に示すように、1ピンから8ピンには、各LEDを点灯させるための信号を出力するLEDセグメント0からLEDセグメント7が割り当てられ、9ピンから12ピンには出力先を指定するLEDデジット0からLEDデジット3が割り当てられている。図120にて後述するように、LEDデジット0がオンの場合には特図1表示器51、LEDデジット1がオンの場合には特図2表示器52が指定される。また、7セグ以外のLEDについては図120に詳細を示す。
特図表示器を構成する7セグLEDには、10本の端子が備えられ、1ピンから10ピンまでが各端子に接続される。図118及び図119に示すように、アノードコモンである端子9(コモン端子)にLEDデジット0が接続される。さらに、特図1表示器51及び特図2表示器52におけるハズレ図柄や変動中を表示するためのLEDセグメント2、LEDセグメント6、LEDデジット0及びLEDデジット1のデータ信号を出力するピン(3ピン、7ピン、9ピン、10ピン)は、コネクタの最端部には配置されず、最端部よりも中寄りに配置されている。
基本的にコネクタの最端部のピンは、コネクタ接続の際や配線処理時に最も負荷がかかるために他のピンと比較して折れ易かったり、半差しとなっている状態が発生し易かったりする。そこで、以上のようなピン配置としたことで、基板側コネクタと配線の一端側コネクタの着脱時に特定の発光部材に対応するピンに接続不良が発生しにくくなる。
したがって、特定の発光部材が点滅しなくなってしまうことを防ぎ、当り図柄と比較して出現頻度の多いハズレ図柄が表示されなくなったり、変動表示中であること(変動表示ゲームの進行状況)が理解できなかったりという不都合が発生しにくくなる。また、状態表示部から遊技状態が把握できなくなるという不都合を極力回避することが可能となる。
図120は、本発明の第2の実施の形態の一括表示コネクタの各ピンと、一括表示装置50を構成する各端子との接続を示す図である。
前述のように、特図1表示器51及び特図2表示器52におけるハズレ図柄を表示するためのLED(真ん中の「g」)及び変動中を表示するLED(「g」及び「D.P」)に対応するピン配置がコネクタの最端部には配置されず、最端部よりも中寄りに配置されている。すなわち、ピン配置が最端部となっていないセグメントLEDにより、変動中の表示やハズレの表示を行っている。また、特図1表示器51や特図2表示器52の表示に係わるLEDデジット0及び1のピン配置も最端部となっていない。なお、遊技状態を特定/把握するために重要な状態表示部に対応するピン配置についてもコネクタの最端部には配置せず、最端部よりも中寄りに配置している。
また、図120に示すように、特図1表示器51と特図2表示器52とで共通のデータ線によって接続されているが、各セグメントに異なる信号線に接続されている。例えば、特図1表示器51では、セグメント(a)に1ピン(LEDセグメント0)が接続されているが、特図2表示器52では、セグメント(a)に2ピン(LEDセグメント1)が接続されている。
一方、特図1表示器51のコモン端子にはLEDデジット0、特図2表示器52のコモン端子にはLEDデジット1が接続されるように、異なる信号線が接続される。
以上のように構成することによって、信号線や配線の異常により一方の表示器の変動中やハズレを示すセグメント(g)に表示ができなくても他方の表示器の変動中やハズレを示すセグメント(g)への表示を可能としている。当然のことながら、特図1表示器51と特図2表示器52とで各セグメントに同じ信号線に接続するようにしてもよい。
なお、本実施形態とは逆に最も点灯頻度の高いセグメントLEDに対応するピンの配置をコネクタの最端部に配置すると、信号線の異常やセグメントの異常を発見し易くなるという利点がある。
〔一括表示装置の表示態様の変形例〕
続いて、一括表示装置50の出力態様の変形例について説明する。図121は、本発明の第2の実施の形態の7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例1を示す図である。
変形例1では、前回表示結果から最初にドットLEDを点灯し、その後はハズレLEDとドットLEDを交互に点灯させる。このように構成した場合であっても、変動表示開始時に前回表示結果から表示態様が変化するので、変動表示中であることを即座に把握することが可能となっている。
図122は、本発明の第2の実施の形態の7セグLEDによって変動中を示す表示態様の変形例2を示す図である。
変形例2では、前回表示結果から最初に全消灯から開始し、その後、ハズレ表示態様や当り表示態様とならないようにコネクタのピン配置が最端部となっていないLED(c〜e)を順次点灯させる。このように構成した場合であっても、変形例1と同様に、変動表示開始時に前回表示結果から表示態様が変化するので、変動表示中であることを即座に把握することが可能となる。
図123は、本発明の第2の実施の形態の7セグLEDによってハズレを示す表示態様の変形例を示す図である。なお、(A)〜(C)は特図1表示器51のハズレ表示態様を示している。
(A)のハズレ表示態様1は本実施形態と同様に、セグメント(g)とセグメント(D.P)を点灯させる表示態様である。(B)のハズレ表示態様2はセグメント(d)とセグメント(D.P)を点灯させる表示態様である。(C)のハズレ表示態様3はセグメント(d)とセグメント(g)とセグメント(D.P)を点灯させる表示態様である。なお、特図2表示器52の場合にはセグメント(D.P)が点灯しないようにすればよい。
これらの表示態様のうちの一つをハズレの態様としてもよいし、複数の態様を組み合わせるようにしてもよい。また、これらのいずれの態様であっても、各セグメントに対応する一括表示用コネクタのピン配置は最端部に配置されないようになっている。
また、複数のハズレの態様を組み合わせて表示する場合、導出されたハズレの表示態様に応じた演出を行うようにしてもよい。図124は、本発明の第2の実施の形態のハズレ表示態様に応じて演出モードを切り替える一例を説明する図である。
図124に示す例では、まず、演出ステージAによる演出が実行されている。変動表示ゲームの結果、ハズレ表示態様1が導出された場合には、演出ステージを変更せずに、演出ステージAを継続する。なお、他の演出ステージであった場合に演出ステージAに変更するようにしてもよい。
また、変動表示ゲームの結果、ハズレ表示態様2が導出された場合には、変動表示装置35にシャッターの画像を表示し、演出ステージBに移行する。同様に、ハズレ表示態様3が導出された場合には、変動表示装置35にシャッターの画像を表示し、演出ステージCに移行する。
このとき、ハズレ表示態様の種類によって変動表示が終了した後の停止表示時間が異なるように構成され、演出としてステージチェンジを伴わないハズレ表示態様1が短く、演出としてステージチェンジを伴うハズレ表示態様2及びハズレ表示態様3が長くなるようになっている。
続いて、一括表示装置(特図/普図LED基板)50の変形例について説明する。本実施形態の一括表示装置50では、2個の7セグLEDと16個の単体LEDによって構成されていたが、他の構成であってもよい。図125及び図126を参照しながら変形例について説明する。
図125は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置50の変形例1を示す図である。変形例1の一括表示装置50は、すべて7セグLEDによって構成されている。また、図126は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置50の変形例2を示す図である。変形例2の一括表示装置50は、すべて単体のLEDによって構成されている。
なお、いずれの構成であっても、制御するLED数は同じであるため、本実施形態と同様に制御すればよい。また、コネクタのピン配置も同様であり、特図1表示器51及び特図2表示器52におけるハズレ図柄を表示するためのLED(真ん中の「g」)及び変動中を表示するLED(「g」及び「D.P」)に対応するピン配置がコネクタの最端部には配置しないように配置する。また、遊技状態表示部57に対応するピン配置もコネクタの最端部には配置しないようにする。
〔一括表示装置の点灯確認〕
続いて、一括表示装置50の点灯確認を行う手順について説明する。図127は、本発明の第2の実施の形態の遊技制御装置600におけるメイン処理の後半部のフローチャートである。なお、メイン処理の前半部の処理については、第1の実施の形態と同じである。
第2の実施の形態では、一括表示装置50が正常に点灯するかを確認するための確認表示を可能としている。確認表示は、RAMクリアを伴う電源投入時に行われる。なお、RAMクリアが行われた場合に限らず、単なる電源投入時(停電復旧時を含む)に確認表示を毎回行うようにしてもよい。
遊技制御装置600は、ステップA1042の処理が終了した後、点灯確認実行フラグ領域に実行フラグをセーブする(ステップA1050)。点灯確認実行フラグ領域に実行フラグがセーブされている場合には、タイマ割込処理のセグメントLED編集処理(ステップA1111)で点灯確認が実行される。セグメントLED編集処理の詳細については、図128にて後述する。
図128は、本発明の第2の実施の形態のセグメントLED編集処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、一括表示装置50の点灯確認処理を実行する(ステップA4001〜A4008)。具体的には、変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する(ステップA4001)。変動表示ゲームが実行中の場合には(ステップA4001の結果が「Y」)、点灯確認処理を行わずに、確認制御タイマ及び点灯確認実行フラグ領域をクリアし(ステップA4008)、その後の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、変動表示ゲームが実行中でない場合には(ステップA4001の結果が「N」)、点灯確認実行フラグ領域をチェックし(ステップA4002)、実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップA4003)。実行フラグがセットされていない場合には(ステップA4003の結果が「N」)、ステップA4009以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、点灯確認の実行フラグがセットされている場合には(ステップA4003の結果が「Y」)、確認制御タイマを+1更新する(ステップA4004)。そして、確認制御タイマの値に対応する確認表示データをセグメント領域にセーブする(ステップA4005)。セグメント領域にセーブされた確認表示データに基づいて、タイマ割込処理のステップA1103の処理で一括表示装置50の出力態様が更新される。確認表示の詳細については、図129にて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、確認制御タイマが全確認工程終了値に到達したか否かをチェックし(ステップA4006)、全確認工程終了値に到達したか否かを判定する(ステップA4007)。全確認工程終了値に到達した場合には(ステップA4007の結果が「Y」)、確認制御タイマ及び点灯確認実行フラグ領域をクリアし(ステップA4008)、その後の処理を実行する。一方、全確認工程終了値に到達していない場合には(ステップA4007の結果が「N」)、確認制御タイマ及び点灯確認実行フラグ領域をクリアせずに、その後の処理を実行する。
一括表示装置50の点灯確認処理が終了すると、遊技制御装置600は、まず、点滅制御ポインタに点灯ポインタを設定する(ステップA4009)。続いて、表示制御タイマを+1更新する(ステップA4010)。さらに、表示制御タイマがオンタイミングかをチェックし(ステップA4011)、オンタイミングであるか否かを判定する(ステップA4012)。そして、オンタイミングでない場合には(ステップA4012の結果が「N」)、点滅制御ポインタに消灯ポインタを設定する(ステップA4013)。
次に、遊技制御装置600は、普図保留数テーブルを設定する(ステップA4014)。続いて、普図保留数と点滅制御ポインタに対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA4015)。
次に、遊技制御装置600は、特図1保留数表示テーブルを設定する(ステップA4016)。続いて、特図1保留数に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA4017)。同じく、特図2保留数表示テーブルを設定し(ステップA4018)、その後、特図1保留数に対応する表示データを取得して、セグメント領域にセーブする(ステップA4019)。
次に、遊技制御装置600は、ラウンド表示LED表示テーブルを設定する(ステップA4020)。続いて、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA4021)。さらに、遊技状態表示テーブルを設定し(ステップA4022)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA4023)。
最後に、遊技制御装置600は、高確率報知フラグがオンに設定されているか否かを判定し(ステップA4024)、高確率報知フラグがオンに設定されていない場合には(ステップA4024の結果が「N」)、高確率報知LEDのオフデータをセグメント領域にセーブする(ステップA4025)。
続いて、一括表示装置50の各LEDの確認表示ついて説明する。図129は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置50の確認表示の一例を説明する図である。
本実施形態における一括表示装置50の確認表示は、(A)から(F)に示す態様で各LEDを点灯させる。具体的に説明すると、RAMクリアが行われた後、(A)に示すように、一括表示装置50の異常確認のために全LEDを点灯させる。
その後、各LEDデジットに対応するLEDを異常箇所確認用に点灯させる。具体的には、(B)に示すLEDデジット0に対応するLED、(C)に示すLEDデジット1に対応するLED、(D)に示すLEDデジット2に対応するLED、(E)に示すLEDデジット3に対応するLEDの順で点灯させる。そして、最後に、(F)に示すように、特図1表示器51及び特図2表示器52にハズレ図柄を表示した状態として、確認表示を終了する。
また、本実施形態では、各LEDデジットに対応する点灯は、3秒間隔で切り替えるようにしている。このとき、各LEDデジット単位で点灯させている3秒間を点滅表示にしてもよい。
以上のように構成することによって、一括表示装置50を構成する複数の発光部材(LED)に関する不良が発生していないか否かを効率良く確認することが可能となる。また、変動表示ゲームが実行されている場合には、確認点灯制御を実行しない(確認点灯制御を中止する)ため、確認点灯制御により変動表示ゲームの実行が阻害されることがない。
また、同時点灯制御(ダイナミック点灯でもスタティック点灯でもよい)により配線の接続不良や発光部材の不良を瞬時に判断することが可能となる。さらに、LEDデジット(表示ブロック)単位での順次点灯制御により端部コネクタにおける配線の誤接続を判断することが可能となる。また、配線の誤接続の確認よりも発光部材が点灯するか否かの確認を優先して行うことで、効率良く不良確認をすることができる。さらに、順次点灯制御でLEDデジットに対応する表示部を順次点灯させることで、複数の表示部の点灯確認を効率よく行うことが可能となる。
続いて、一括表示装置50の確認表示の変形例について説明する。図130は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置50に含まれる7セグLEDの確認表示の変形例を説明する図である。
図130に示す変形例では、7セグLEDについて、まず、全セグメントを点灯させた後に、確認表示を行うセグメントを点滅させ、確認対象のセグメントを順次移動させる。確認表示は、特図1表示器51及び特図2表示器52に対して共通の手順で行われる。また、各セグメントの点灯は、3秒間隔で切り替えられる。すべての確認パターンが終了した後、再度、確認表示を行うように確認工程を複数周回繰り返すようにしてもよいし、1回だけでもよい。
なお、各セグメントの点灯順は、全点灯の後、セグメント(a)から(g)、ドットの順としてもよいが、これに限らず、確認しやすい態様であれば他の順序であってもよい。
図131は、本発明の第2の実施の形態の一括表示装置50に含まれる単体のLEDの確認表示の変形例を説明する図である。
図131に示す変形例では、各単体のLEDについて、まず、すべてのLEDを点灯させた後に、確認表示を行うLEDを点滅させ、確認対象のLEDを順次移動させる。確認表示は、LEDデジット2に対応する単体LED及びLEDデジット3に対応する単体LEDに対して共通の手順で行われる。
また、各LEDの点灯は、7セグLEDと同様に、3秒間隔で切り替えられる。すべての確認パターンが終了した後、再度、確認表示を行うように確認工程を複数周回繰り返すようにしてもよいし、1回だけでもよい。
図130及び図131に示すように一括表示装置50に含まれる各セグメント及びLEDの確認表示を行うことによって、各セグメント及びLEDの点灯可否だけでなく、一括表示コネクタに対する配線の接続順序の誤りを発見することが可能となる。
〔ゲート通過による演出モードの選択〕
続いて、第1の実施の形態では、特定の大当り(第2特別結果)が発生し、特別遊技状態に移行する前に、第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hに遊技球を通過させることによって、大当りラウンド数を抽選していた。第2の実施の形態では、さらに、特別遊技状態終了後の演出モードを第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hに遊技球を通過させることによって選択可能とする。
図132は、本発明の第2の実施の形態の通過ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。図50に示した第1の実施の形態の通過ゲートスイッチ監視処理との相違点は、大当り中(特別遊技状態)に通過ゲートを遊技球が通過した場合に、演出モードを選択中であれば、通過フラグ格納領域とラウンド乱数格納領域をクリアせずに、処理を終了する点である。
具体的には、遊技制御装置600は、通過ゲートを遊技球が通過し、大当りラウンド決定中ではなく、かつ、大当り中であって場合には(ステップA7107の結果が「Y」)、演出(変動)モード決定中であるか否かを判定する(ステップA7111)。演出(変動)モード決定中である場合には(ステップA7111の結果が「Y」)、処理を終了する。一方、モード決定中でない場合には(ステップA7111の結果が「N」)、第1の実施の形態と同様に、通過フラグ格納領域とラウンド乱数格納領域をクリアする(ステップA7110)。
本実施形態では、大当り状態が終了する際に演出モードを選択するため、通過ゲートを遊技球が通過した状態した後、すなわち、演出モードの選択後に実行された大当り終了処理で演出モードが設定される。なお、演出モードの詳細については、図134Aにて後述する。
図133は、本発明の第2の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通する処理については説明を省略する。
遊技制御装置600は、まず、演出モードを決定中であることを示す演出モード決定中フラグをセットし(ステップA3250)、大当りのエンディングの開始から最初に通過したゲート(第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34h)を示す通過フラグを通過フラグ領域からロードする(ステップA3251)。
そして、通過フラグが通過フラグ領域にセーブされていたか否かを判定する(ステップA3252)。通過フラグが通過フラグ領域にセーブされていない場合には(ステップA3252の結果が「N」)、演出モードが決定されていないので、大当り終了処理を終了する。
一方、通過フラグが通過フラグ領域にセーブされていた場合には(ステップA3252の結果が「Y」)、第1の実施の形態と同様に、ステップA3201からA3205までの処理を実行する。そして、特図ゲームモードフラグに対応する演出モード番号選択テーブルを取得する(ステップA3253)。演出モード番号選択テーブルの詳細については、図134Bにて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、演出モード番号選択テーブルからステップA3251でロードされた通過フラグに対応する演出モード番号を取得する(ステップA3254)。そして、取得した演出モード番号を演出モード番号領域にセーブする(ステップA3255)。
その後、遊技制御装置600は、設定された演出モード番号に対応する演出コマンドに設定する(ステップA3210〜A3212)。最後に、特図普段処理移行設定処理3を実行し(ステップA3213)、大当り終了処理を終了する。なお、このとき通過フラグをクリアしておくとよい。
なお、演出モードの決定は、大当りのエンディング期間中に、通過ゲートに遊技球を通過させることによって行われる。一方、エンディング期間中に、通過ゲートに遊技球を通過させなければ、大当り(特別遊技状態)が終了せずに、エンディング状態が維持されたままとなる。したがって、演出モードが決定又は設定されないと特別遊技状態が終了しないので、遊技者は休憩時間とすることができる。
なお、エンディング期間中に制限時間を設定し、タイムアップした場合には特図ゲームモードフラグに対応する演出モードを選択するようにしてもよいし、タイムアップ時点で乱数を抽出し、この乱数値に応じて演出モードを選択するようにしてもよい。
また、特定の大当り(時短又は確変)の場合にだけ演出モードを選択可能としてもよいし、大当り終了処理(エンディング)中に演出モードを選択させるのではなく、インターバル中(所定回数目)に演出モードを選択させるようにしてもよい。
以上のように、通過ゲートに遊技球を通過させるとすぐに、演出モードが切り替わるため、演出モードの決定から実際に決定された演出モードに移行するまでが間延びしてしまうことがなく、遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができる。また、大当り終了処理終了後に遊技状態が切り替わるため、遊技状態の切り替わり時に演出モードも切り替わることになり、演出モードが切り替わることに対して遊技者が違和感を覚えることがない。
〔演出モード〕
図134Aは、本発明の第2の実施の形態の演出モードを説明する図である。本実施形態では、通常演出モード、時短演出モード、確変演出モードの3種類の演出モードが定義されている。
通常演出モードは、通常状態(通常演出モード1)又は時短状態(通常演出モード2)で実行可能となっている。通常演出モード2では、実際の遊技状態は時短状態であるが、通常状態に対応する変動パターンの振分や各種演出(先読み予告、通常予告等)が行われる。なお、通常演出モード1と通常演出モード2との間に演出内容の差異はない。
同様に、時短演出モードは、時短状態(時短演出モード1)又は確変状態(時短演出モード2)で実行可能となっている。時短演出モード2では、実際の遊技状態は確変状態であるが、時短状態に対応する変動パターンの振分や各種演出(先読み予告、通常予告等)が行われる。なお、時短演出モード1と時短演出モード2との間に演出内容の差異はない。
また、確変演出モードは、第1の実施の形態と同様に、確変状態にのみ実行可能となっている。すなわち、本実施形態では、実際の遊技状態よりも有利な遊技状態の演出モードは選択できないようになっている。このように、特別遊技状態の終了後の遊技状態毎に演出モードが決定されるので、演出モードの決定に際してバリエーションを増やすことができる。
なお、確変状態で通常演出モードを選択可能としてもよい。本実施形態の通過ゲートは2種類であるが、例えば、第1通過ゲート部34gに遊技球が通過した場合には通常演出モード、第2通過ゲート部34hに遊技球が通過した場合には時短演出モード、いずれのゲートも通過させずに所定時間経過した場合や演出ボタン17を操作した場合に確変モードが選択されるようにしてもよい。また、選択可能な演出モードの数に対応する分の通過ゲートを設けてもよい。
また、前述のように、演出モードは、大当り(特別遊技状態)終了時のエンディング中に選択される。本実施形態では、大当り終了後に時短状態又は確変状態のいずれかに移行するため、通常状態で演出モードを選択することはできないようになっている。
図134Bは、本発明の第2の実施の形態の演出モード番号選択テーブルを説明する図である。(A)は時短時演出モード番号選択テーブル、(B)は確変時演出モード番号選択テーブルである。
図134Bに示すように、通過フラグに応じて演出モード番号が設定されている。第1通過フラグは、第1通過ゲート部34gに遊技球が通過した場合に設定され、第2通過フラグは、第2通過ゲート部34hに遊技球が通過した場合に設定される。
したがって、(A)に示すように、時短状態に移行する場合、第1通過ゲート部34gに遊技球を通過させると通常演出モード、第2通過ゲート部34hに遊技球を通過させると時短演出モードが選択される。同様に、(B)に示すように、確変状態に移行する場合、第1通過ゲート部34gに遊技球を通過させると時短演出モード、第2通過ゲート部34hに遊技球を通過させると確変演出モードが選択される。
本実施形態では、遊技者の発射操作に起因して演出モードが設定されるので、特定領域(通過ゲート)を狙って遊技球を発射するという楽しみと、自分のタイミングで演出モードが決定できるという楽しみを付与することができる。このように、演出モードの決定権を遊技者に与えることが可能となるため、演出モードを決定する際の興趣を向上させることができる。
続いて、各演出モードの詳細について説明する。図135Aは、本発明の第2の実施の形態の遊技制御装置600における遊技状態及び保留数に応じた変動パターン選択テーブルを説明する図である。(A)は、はずれ時、(B)は大当り時を示す。
(A)に示すように、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、保留数に応じて選択される選択テーブルが異なるように設定されている。基本的には、保留数が少ないほど変動時間の長いロング変動が選択されやすい選択テーブルが選択され、保留数が多いほど変動時間の短いショート変動が選択されやすい選択テーブルが選択される。リーチの発生確率については、遊技状態(演出モード)によって異なるように設定されている。
一方、(B)に示すように、大当り時の場合には、保留数にかかわらず、リーチが必ず発生し、変動時間が比較的長くなるように設定されている。また、時短状態の場合と確変状態の場合とで共通の選択テーブルが選択される。
演出制御装置700では、遊技制御装置600で選択された演出モードに対応したコマンドを受信し、対応する演出が実行される。図135Bは、本発明の第2の実施の形態の演出制御装置700における演出モードに応じた演出を説明する図である。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信したコマンドに対応する演出モードに対応する演出ステージを選択する。本実施形態では、実際の遊技状態と、演出における遊技状態とが異なる場合があるため、遊技者が実際の遊技状態を把握できるように、表示装置(メイン表示装置又はサブ表示装置)において状態報知がなされる。
そして、通常演出モードが選択されている場合には、期待度の低い演出が実行されやすくなるため、先読み予告演出や通常予告演出が実行されやすくなるように設定されている。一方、時短演出モードや確変演出モードは、もともと期待度の高い演出が実行されるため、先読み予告演出や通常予告演出の実行頻度が通常演出モードの場合よりも実行されにくくなるように設定されている。
〔演出モード選択の具体例〕
続いて、大当り終了時に演出モードを選択する手順について、図136Aから図139Bを参照しながら具体的に説明する。図136Aは、本発明の第2の実施の形態の最終ラウンド中に表示される演出モードを選択するためのメッセージを示す図である。
図136Aに示すように、大当りにおいて最終ラウンド(15ラウンド)が開始されると、大当り終了後の演出モードをエンディング中に選択することが報知される(選択示唆報知(演出モード選択説明報知))。なお、選択示唆報知は、ラウンド中でなくてもよく、たとえば、インターバル中(予め設定された回数目のインターバルや毎インターバル)に行ってもよい。
図136Bは、本発明の第2の実施の形態の最終ラウンド終了時の状態を示す図である。最終ラウンドが終了すると、エンディングが実行され、大当り終了後の遊技状態(「確変状態」又は「時短状態」)が報知される。そして、上部演出装置400がスライドして下降し、サブ表示装置480に一時的に遊技球の発射を停止する旨が報知される。
その後、図137の上図に示すように、演出モードを選択するための説明がメイン表示装置35に表示される。このとき、第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hに遊技球を通過させることによって演出モードが選択されることから、通過ゲートが有効(遊技球の通過を検出可能)となるまでの時間を表示するようにしてもよい。また、エンディングの開始とともに通過ゲートが有効となるように設定するなどして、通過ゲートが有効となるまでの時間を表示しないようにしてもよい。
通過ゲートが有効になると、図137の下図及び図138Aに示すように、サブ表示装置480に開放されているゲートを示唆する報知がなされる。遊技者は、サブ表示装置480に表示された示唆にしたがって、遊技球を発射することによって、所望の演出モードを選択することができる。このとき、通過可能なゲートを示すレンズ部材が点灯するように制御される。このように、有効状態中に発射タイミングの示唆に応じて振分装置90(振分空間34f)に向けて遊技球を発射するという簡単な操作で任意の演出モードに決定することができる。
なお、サブ表示装置480を含む上部演出装置400が下方にスライドした状態となっているが、上方にスライドして通常位置に戻してから報知を行うようにしてもよい。
その後、図138Bに示すように、遊技球を発射していずれかの通過ゲートを通過させると、通過時に通過音が出力され、演出モードが選択される。図138Bに示すように、左側の第1通過ゲート部34gに遊技球が通過したため、図139Aに示すように、時短演出モードが選択される。
そして、エンディングが終了すると、図139Bに示すように、選択された演出が実行される。このとき、実際に遊技状態が確変状態であり、演出モードと異なっているため、メイン表示装置35及びサブ表示装置480又はいずれか一方に、実際の遊技状態と実行中の演出モードとを表示するようにする。
図136Aから図139Bではエンディング中に大当り終了後の演出モードを決定していたが、ラウンド間のインターバルで大当り終了後の演出モードを決定し、さらに、エンディング中に演出モードの詳細(ステージ)を決定することが可能な変形例について説明する。以下、図140Aから図144Bを参照しながら変形例について説明する。
図140Aは、本発明の第2の実施の形態のインターバル中に表示される演出モードを選択するためのメッセージを示す図である。ここで、総ラウンド数は、15ラウンドとしている。本変形例では、12ラウンドと13ラウンドとの間のインターバルで演出モードの選択示唆報知(演出モード選択説明報知)が行われる。
図140Bは、本発明の第2の実施の形態のインターバルにおける演出モード選択時の状態を示す図である。演出モードの選択状態に移行すると、大当り終了後の遊技状態(時短状態)が報知される。そして、上部演出装置400がスライドして下降し、サブ表示装置480に一時的に遊技球の発射を停止する旨が報知される。
その後、図141の上図に示すように、演出モードを選択するための説明がメイン表示装置35に表示される。このとき、通過ゲートが有効(遊技球の通過を検出可能)となるまでの時間を表示する。
通過ゲートが有効になると、図141の下図に示すように、サブ表示装置480に開放されているゲートを示唆する報知がなされ、遊技球を発射することによって、所望の演出モードを選択することができる。そして、遊技球を発射していずれかの通過ゲートを通過させると、通過時に通過音が出力され、演出モードが選択される。この場合、左側の第1通過ゲート部34gに遊技球が通過したため、図142の上図に示すように、通常演出モードが選択される。
その後、図142の下図に示すように、最終ラウンド(15ラウンド)になると、再び、エンディング中に演出モードを選択することが報知される。そして、図143Aに示すように、大当り終了後の遊技状態(「時短状態」)と選択済みの演出モード(「通常演出モード))が表示される。このとき、上部演出装置400がスライドして下降し、サブ表示装置480に一時的に遊技球の発射を停止する旨が報知される。
その後、図143Bに示すように、演出モードを選択するための説明がメイン表示装置35に表示され、通過ゲートが有効(遊技球の通過を検出可能)となるまでの時間がさらに表示される。このとき選択される演出モードは、選択済みの演出モードの詳細なステージである。このように、本変形例においてはより詳細な演出内容を遊技者が指定することが可能となっている。
通過ゲートが有効になると、図144Aに示すように、遊技者は、サブ表示装置480に表示された示唆にしたがって、遊技球を発射することによって、所望の演出モード(ステージ)を選択することができる。図144Aでは「通常演出モード」の「第1演出ステージ」が選択されている。
その後、エンディングが終了すると、図144Bに示すように、選択された演出モードに基づいて、大当り終了後の演出が実行される。このとき、実際に遊技状態が時短状態であり、演出モードと異なっているため、メイン表示装置35及びサブ表示装置480又はいずれか一方に、実際の遊技状態と実行中の演出モードとを表示するようにする。本変形例では選択されたステージも表示される。
なお、演出モードに対応する数の通過ゲートを設け、大当りが終了するまでの任意のタイミングで演出モードの決定期間を発生させて、その間に遊技球が通過した演出モードとなるようにしてもよい。また、大当り終了後の遊技状態を報知せずに演出モードを決定させ、大当りの終了後に発生した演出モードによって遊技者が遊技状態を推測できるようにしてもよい。
以上のように、本変形例によれば、複数段階で演出モードを決定することになるので、演出モードの決定を楽しむ機会を増やすことができる。また、複数段階で演出モードを決定することによって演出モードの種類を増やすことも可能となる。
〔右部演出装置(第2サブ表示装置)〕
第1の実施の形態では、メイン表示装置35の他に、上部演出装置400にサブ表示装置480を備えていたが、第2の実施の形態では、さらに、右部演出装置500に第2サブ表示装置(第2表示装置)595を備える。なお、以降、サブ表示装置480を第2サブ表示装置595と区別しやすいように、第1サブ表示装置480とする。
図145は、本発明の第2の実施の形態の遊技盤30の正面図である。第1の実施の形態の遊技盤30と共通する構成については、同じ符号を割り当てて説明を省略する。第1の実施の形態の遊技盤30との相違点は、右部演出装置500の構成及び配置、第2普図始動ゲートが備えられている点などである。図146は、本発明の第2の実施の形態の右部演出装置500を説明する図である。
第1の実施の形態の右部演出装置500は、遊技盤の前方を左右方向にスライド移動可能に構成され、装飾部材570に対して回転可能に設けられる回転筒580と、装飾部材570の下部に取り付けられる一対の赤外線センサ(人感センサ)590と、を備えていた。
これに対し、第2の実施の形態の右部演出装置500は、図146に示すように、遊技盤の後方(裏面側)を左右方向にスライド移動可能に構成され、第2サブ表示装置595を備える。また、右部演出装置500の上部には、第1の実施の形態と同様に、一対の赤外線センサ(人感センサ)590が配置されている。
右部演出装置500は、遊技盤30の裏面側空間に配置されており、遊技板32が透明部材であるため、遊技盤30の裏面側に収容されている場合であっても、第2サブ表示装置595の表示内容を遊技者が視認することができる。
また、図145に示すように、右部演出装置500が遊技盤30の裏面側空間に配置されたことにより、センターケース34の右側方、振分装置90の下方に第1の実施の形態よりも広い右側遊技領域31bが形成される。これに対し、センターケース34の左側方の遊技領域を左側遊技領域31a、センターケース34の下方の遊技領域を下側遊技領域31cとする。
また、右側遊技領域31bの下方の遊技領域には、第2普図始動ゲート39が配置される。第2普図始動ゲート39は、図146に示すように、右部演出装置500が遊技板32の裏面側に収容されている場合に、正面から見て右部演出装置500と重ならない位置に配置される。さらに、右側遊技領域31bには、遊技釘以外に不透明部材を配置せずに、第2サブ表示装置595を視認できるようになっている。そのため、第2サブ表示装置595の視認性を考慮した効率の良い表示を行うことが可能となっている。
センターケース34と右側遊技領域31bとの間には、センターケース34の内部に遊技球の進入を防ぐための進入規制壁45が設けられている。進入規制壁45は、透明部材によって構成され、第2サブ表示装置595の視認を阻害しないようになっている。
右部演出装置500は、前述のように、左右方向にスライド移動可能に構成される。図146に示すように、遊技盤30の裏面側にすべて収容可能となっており、最も左側に移動した場合には、メイン表示装置35の前方に重なる状態となる。第2サブ表示装置595が移動することで表示部の見え方が変化し、第2サブ表示装置595による表示演出の演出効果を高めることができる。
また、メイン表示装置35よりも手前側に第2サブ表示装置595が配置されるため、これらの表示装置で奥行き感を強調することができる。また、遊技盤30を透視する必要のある第2サブ表示装置595をメイン表示装置35よりも手前側に配置することで、第2サブ表示装置595の見にくさを緩和することができる。なお、第1サブ表示装置480よりも第2サブ表示装置595を前方側に配置するなど、第1サブ表示装置480と第2サブ表示装置595の前後位置を異ならせるようにすると、さらに奥行き感を強調することができる。
また、右部演出装置500は、上下方向及び前後方向にも動作可能に構成されている。なお、左右方向に移動していない場合に限り、上下方向又は前後方向に動作するように構成される。このように構成することによって、駆動機構(移動機構)への負担を軽減して故障の発生を防止することができる。なお、右部演出装置500は、軸を中心に回動(揺動)するように動作してもよい。
続いて、第2の実施の形態における右部演出装置500による演出の制御について説明する。図147は、本発明の第2の実施の形態の右部演出動作制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、役物演出動作設定処理(ステップB1505)で右部演出動作を実行するように設定されているか否かを判定する(ステップB7051)。右部演出動作を実行するように設定されていない場合には(ステップB7051の結果が「N」)、右部演出動作制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、右部演出動作を実行するように設定されている場合には(ステップB7051の結果が「Y」)、ガセ演出が設定されているか否かを判定する(ステップB7052)。ガセ演出は、変動表示ゲームの結果がはずれにもかかわらず右部演出装置500による演出(第2サブ表示装置595が左右方向に移動することを期待させる(仄めかす)初期演出)を実行するものである。
主制御用マイコン710は、ガセ演出が設定されている場合には(ステップB7052の結果が「Y」)、ガセ演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップB7080)。ガセ演出の演出開始タイミングの場合には(ステップB7080の結果が「Y」)、可動装飾ユニット550のガセ演出用の上下動作と動作時間をセットする(ステップ7081)。
続いて、主制御用マイコン710は、ガセ演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップB7082)。ガセ演出の終了タイミングの場合には(ステップB7082の結果が「Y」)、ガセ演出用の演出画像を表示する(ステップ7083)。その後、右部演出動作制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、ガセ演出が設定されていない場合には(ステップB7052の結果が「N」)、初期演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップB7053)。初期演出の開始タイミングである場合には(ステップB7053の結果が「Y」)、可動装飾ユニット550の本演出用の上下動作と動作時間をセットする(ステップ7054)。
さらに、主制御用マイコン710は、本演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップB7055)。本演出の開始タイミングである場合には(ステップB7055の結果が「Y」)、可動装飾ユニット550の本演出用の上下動作と動作時間をセットする(ステップ7056)。さらに、メイン表示装置35に表示されていた第4図柄が右部演出装置500の移動によって視認できなくなるため、当該第4図柄を第2サブ表示装置595に表示する(ステップB7057)。このとき、メイン表示装置35で第4図柄の表示を継続していてもよいし、第4図柄が第2サブ表示装置595に表示されている間はメイン表示装置35に表示しないようにしてもよい。
次に、主制御用マイコン710は、これから実行する本演出が手かざし予告演出であるか否かを判定する(ステップB7058)。手かざし予告演出を実行する場合には(ステップB7058の結果が「Y」)、第2サブ表示装置595に手かざし予告演出画像を表示する(ステップB7059)。さらに、手かざし予告演出に用いられるレベルメータの最大レベルを大当りとなる信頼度に応じてセットする(ステップB7060)。
主制御用マイコン710は、手かざし予告演出を実行しない場合には(ステップB7058の結果が「N」)、大当りとなる信頼度に応じて表示予告演出の種類を確定する(ステップB7061)。さらに、第2サブ表示装置595に決定した表示予告演出の表示を開始する(ステップB7062)。
続いて、主制御用マイコン710は、手かざし予告演出を実行中であるか否かを判定する(ステップB7063)。手かざし予告演出中の場合には(ステップB7063の結果が「Y」)、赤外線センサ590による人感検知期間中であるか否かを判定する(ステップB7064)。
主制御用マイコン710は、人感検知期間中である場合には(ステップB7064の結果が「Y」)、手かざし演出画像を更新する(ステップB7065)。そして、赤外線センサ590によって遊技者による手かざしが検出されたか否かを判定する(ステップB7066)。そして、レベルメータが最大レベルに到達していなければ、レベルゲージを+1更新する(ステップB7067)。
一方、主制御用マイコン710は、手かざし予告演出中でない場合には(ステップB7063の結果が「N」)、表示予告演出が実行中であるか否かを判定する(ステップB7068)。表示予告演出が実行中でない場合には(ステップB7068の結果が「N」)、右部演出動作制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、表示予告演出が実行中の場合には(ステップB7068の結果が「Y」)、第2サブ表示装置595に表示された表示予告演出画像を更新する(ステップB7069)。さらに、可動装飾ユニット550(第2サブ表示装置595)が上下動作を行うタイミングであるか否かを判定する(ステップB7070)。
主制御用マイコン710は、可動装飾ユニット550が上下動作を行うタイミングの場合には(ステップB7070の結果が「Y」)、可動装飾ユニット550の本演出用の上下動作と動作時間をセットする(ステップ7071)。一方、可動装飾ユニット550が上下動作を行うタイミングでない場合には(ステップB7070の結果が「N」)、右部演出動作制御処理を終了する。
最後に、主制御用マイコン710は、本演出の演出終了タイミングであるか否かを判定する(ステップB7072)。本演出の終了タイミングでない場合には(ステップB7072の結果が「N」)、右部演出動作制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、本演出の終了タイミングの場合には(ステップB7072の結果が「Y」)、可動装飾ユニット550の復帰動作をセットする(ステップB7073)。さらに、第2サブ表示装置595に表示していた第4図柄をメイン表示装置35に表示し(ステップB7074)、演出結果画像を表示する(ステップB7075)。
続いて、図148、図149A及び図149Bを参照しながら第2の実施の形態における右部演出装置500による演出について説明する。図148は、本発明の第2の実施の形態の右部演出装置500による演出を説明する図である。
前述のように、変動表示ゲームが開始され、演出制御装置700の主制御用マイコン710によって右部演出動作制御処理が実行され、右部演出装置500による演出が実行される場合には、(A)に示すように、右部演出装置500の可動装飾ユニット550(第2サブ表示装置595)が上下動作を開始する。このとき、メイン表示装置35の右下部には、特図1変動表示ゲーム用の第4図柄1481a及び特図2変動表示ゲーム用の第4図柄1481bが変動表示されている。
また、(A)に示す可動装飾ユニット550の上下動作は、本演出又はガセ演出いずれの場合も同様に発生する。このとき、第2サブ表示装置595の表示内容はいずれの演出かを判別できないような曖昧な表示態様になっている。
実行される演出が本演出の場合には、(B)に示すように、可動装飾ユニット550がメイン表示装置35側にスライドし、第2サブ表示装置595に変動表示ゲームが特別結果(大当り)となる期待度が高いことを示す表示(「チャンス」)がなされる。このとき、特図1変動表示ゲーム用の第4図柄1481a及び特図2変動表示ゲーム用の第4図柄1481bが可動装飾ユニット550の移動によって視認できなくなるため、第2サブ表示装置595に特図1変動表示ゲーム用の第4図柄1482a及び特図2変動表示ゲーム用の第4図柄1482bが表示される。その後、手かざし予告演出又は予告演出が実行される。手かざし予告演出の詳細については図149A、予告演出の詳細については図149Bにて後述する。
一方、実行される演出がガセ演出の場合には、(C)に示すように、可動装飾ユニット550の上下動作が停止し、第2サブ表示装置595に期待度が低いこと(ガセ演出であること)を示す表示がなされる。
図149Aは、本発明の第2の実施の形態の手かざし予告演出を説明する図である。手かざし予告演出が開始されると、(A)に示すように、実行中の変動表示ゲームの期待度に応じた最大レベルが設定されたレベルメータがメイン表示装置35に表示される。そして、右部演出装置500が収容されていた位置に期待度が高い旨の表示がなされる。この表示は、可動装飾ユニット550の移動によって、透明な遊技板32を介して視認できるように予め配置されたものであってもよいし、右部演出装置500に重なって配置された表示装置によるものであってもよい。
可動装飾ユニット550がメイン表示装置35の前面側に移動すると、第2サブ表示装置595には、遊技者に手かざしを促す表示(「タッチぢゃ〜」)がなされる。そして、(B)に示すように、右部演出装置500の前方で遊技者が手をかざすと、赤外線センサ590が検出し、検出時間又は検出回数に応じてレベルメータのゲージが増加する。なお、第2サブ表示装置595には、手で触れるように指示しているが、実際には人感検知があったか否かのみを判定している。
その後、(C)に示すように、所定時間の経過又はゲージが最大レベルまで更新された場合には、第2サブ表示装置595に予告が表示される。そして、右部演出装置500が右方向に移動し、初期位置に復帰すると、変動表示ゲームの進行、期待度などに応じた予告演出画像又は補助演出画像が表示される。
続いて、赤外線センサ590による手かざし予告演出が行わないが、可動装飾ユニット550が移動し、第2サブ表示装置595に予告画像が表示される予告演出について説明する。図149Bは、本発明の第2の実施の形態の第2サブ表示装置595による予告演出を説明する図である。
(A)に示すように、可動装飾ユニット550がメイン表示装置35の前方に移動すると、第2サブ表示装置595に第1の予告画像が表示される。そして、メイン表示装置35に第2サブ表示装置595に注目するように示唆する表示がなされ、(B)に示すように、可動装飾ユニット550が上下動作を開始する。このとき、第2サブ表示装置595には、第2の予告画像が表示される。
その後、(C)に示すように、可動装飾ユニット550の上下動作が停止し、結果示唆画像が表示される。そして、可動装飾ユニット550は初期位置に復帰するが、結果示唆画像は変動表示ゲームが終了するまで表示が継続される。なお、遊技板32が透明であるため、初期位置に復帰した後も遊技者は結果示唆画像を視認することができる。
以上のように、本実施形態によれば、メイン表示装置35と第2サブ表示装置595とを配設されていても、遊技盤30の裏面側空間に配置することによって、遊技盤レイアウトの制約を緩和し、遊技の興趣を向上することが可能となる。
また、第2サブ表示装置595の幅を大きくし、初期位置において、開口部(表示窓部)34aと遊技板32とをまたがって配設されるようにしてもよい。図150は、本発明の第2の実施の形態の第2サブ表示装置595が初期位置において開口部(表示窓部)34aと遊技板32とをまたがって配設された変形例を示す図である。
図150に示すように、本変形例では、第2の実施の形態の第2サブ表示装置595よりも横幅が広くなっており、初期位置(常態位置)において、進入規制壁45を境界に表示画面が分割されるように構成されている。そのため、本変形例の開口部34aは第2の実施の形態の開口部34aよりも振分装置90の下方において外側に拡張されている。
本変形例では、常態位置に右部演出装置500が配置されている場合には、進入規制壁45を境界として進入規制壁の一側(非透視表示領域)と他側(透視表示領域)とで異なる演出画像を表示する。例えば、遊技板32を介在させずに視認可能な非透視表示領域には、補助・予告画像とともに第4図柄及び変動表示ゲームの保留記憶数を表示させ、遊技板32を介在し視認可能な透視表示領域には、補助・予告画像とともに機種情報などを表示させるようにしてもよい。非透視表示領域で表示される演出画像と、透視表示領域で表示される演出画像とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、非透視表示領域と透視表示領域とでまたがって演出画像を表示するようにしてもよい。
なお、非透視表示領域と透視表示領域とで同じ演出画像を表示するようにしてもよい。また、進入規制壁45の外側に位置する領域を装飾部材等の遮蔽部材で遮蔽し、常態では一部(進入規制壁の内側)だけを視認できるようにしておいてもよい。また、遊技板32及び進入規制壁45が透明部材で構成されているため、境界に関わらず、一の演出画像を表示するようにしてもよい。
以上のように、本変形例によれば、開口窓部の縁部を表示境界として利用するので、透視表示領域と非透視表示領域とに異なる表示を行っても違和感が生じることを防止できる。また、非透視表示領域よりも視認しにくい透視表示領域にあまり頻繁に見ることのない機種情報を表示することによって、表示領域を有効に活用することができる。
〔定期演出〕
第2の実施の形態の遊技機では、遊技場に設置された複数の遊技機が同じ演出を定期的に行う定期演出(特定演出)が実行される。定期演出を実行するタイミングは、電源投入時の時刻を基準として設定される。遊技機の電源投入は、遊技島などの遊技店内の同一の電源供給エリアで同時に行われ、これにより、各遊技機で定期演出を同時に実行可能となる。
図151は、本発明の第2の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。第1の実施の形態の演出制御装置700との相違点は、時刻を計測するRTC(リアルタイムクロック)715を備える点と、停電時にバックアップ電源部820から電源が供給される点である。
RTC715は、時間情報(日付情報、時刻情報)を計時可能な計時手段であり、主制御用マイコン710からの要求に応じて時間値を提供する。また、RTC715は、電源装置800とは独立した電源である電池716から電力が供給されており、遊技機1の電源遮断時にも継続して動作可能である。
また、バックアップ電源部820から電力が供給されているため、停電時にも定期演出の基準時刻を保持することができるため、停電発生後であっても定期演出を継続して実行することが可能となっている。
続いて、第2の実施の形態における演出制御装置700による1stメイン処理について説明する。図152は、本発明の第2の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行される1stメイン処理の手順を示すフローチャートである。第1の実施の形態との相違点は、定期演出を実行するために時刻情報等を設定する点であり、その他の処理については第1の実施の形態と同様である。
具体的には、主制御用マイコン710が、1stメイン処理を開始し、割り込みを禁止した後(ステップB1001)、時刻情報記憶処理(ステップB1020)を実行する。時刻情報記憶処理は、定期演出の実行可否などを設定する。時刻情報記憶処理の詳細については、図153にて後述する。時刻情報記憶処理は、電源投入時に一度だけ実行される。
図153は、本発明の第2の実施の形態の時刻情報記憶処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、初期化スイッチ信号がオンであるか否かを判定する(ステップB7701)。初期化スイッチ信号は、強制的なRAMクリアが行われる場合に入力される信号であるため、遊技機に異常が発生した場合などに入力される。各遊技機のRAMクリアを同時に行うことは不可能であるため、個別にRAMクリアされた遊技機では、定期演出の基準時刻までクリアされてしまうため、複数の遊技機で同期する定期演出を実行することはできない。
主制御用マイコン710は、初期化スイッチ信号がオンである場合には(ステップB7701の結果が「Y」)、定期演出を実行するための基準年月日情報をクリアする(ステップB7710)。さらに、定期演出を無効とするための定期演出無効フラグをRAM711に記憶する(ステップB7711)。最後に、定期演出無効報知情報をセットし(ステップB7712)、時刻情報記憶処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、初期化スイッチ信号がオンでない場合には(ステップB7701の結果が「N」)、定期演出を実行するための基準年月日情報が記憶されているか否かを判定する(ステップB7702)。基準年月日情報が記憶されていない場合には(ステップB7702の結果が「N」)、RTC715から取得した年月日情報を基準年月日情報としてRAM711に記憶する(ステップB7703)。基準年月日情報は、RAMクリア後に電源が初めて投入された場合に新たに記憶される。さらに、定期演出を無効とするための定期演出無効フラグをクリアする(ステップB7704)。
主制御用マイコン710は、基準年月日情報が設定された後、又は、基準年月日情報が記憶されている場合には(ステップB7702の結果が「Y」)、RTC715から日時情報を取得する(ステップB7705)。日時情報は、日付(年月日)及び時刻である。
続いて、主制御用マイコン710は、基準年月日情報とステップB7705の処理で取得された日時情報に基づいて定期演出態様を決定し、RAM711に記憶する(ステップB7706)。定期演出態様は、基準年月日からの経過日数に基づいて決定される。定期演出態様を決定するためのテーブルの一例を図154を参照しながら説明する。
図154は、本発明の第2の実施の形態の定期演出の態様を決定するための定期演出態様決定テーブルの一例を示す図である。本実施形態の定期演出は、基準年月日からの経過日数に基づいて決定される。基準年月日は、RAMクリア後に最初に電源が投入された時刻が設定される。
本実施形態では、図154に示すように、2週間毎に定期演出の態様が演出Aから演出Fまで切り替えられ、12週以降は、演出Aから演出Fまでを定期演出毎に順次実行するようになっている。なお、12週以降は、遊技者が演出Aから演出Fを選択できるようにしてもよいし、遊技者が定期演出毎の演出を予め決定(カスタマイズ)できるようにしてもよい。
ここで、図153の時刻情報記憶処理のフローチャートの説明に戻る。主制御用マイコン710は、ステップB7705の処理で取得された日時情報に基づいて、定期演出の実行時刻を決定し、RAM711の実行情報記憶領域に記憶する(ステップB7707)。定期演出の実行時刻を格納する実行情報記憶領域の一例を図155を参照しながら説明する。
図155は、本発明の第2の実施の形態の定期演出の実行情報記憶領域の内容の一例を示す図である。定期演出の実行情報記憶領域には、定期演出の実行回を示す定期演出回数、定期演出回数に対応する実行時刻、及び、実行される演出態様が記憶される。図155では、電源が投入された時刻が09時00分1.28秒として情報が記憶されている。
定期演出回数は、本実施形態では1日6回だが、電源投入の時刻によっては回数が少なくなる場合もある。実行時刻については電源が投入されるたびに更新され、本実施形態では、電源投入時の時刻を基準として2時間おきに実行されるように定義される。実行時刻は、ステップB7706の処理で決定され、記憶される。
さらに、演出態様は、日付情報に基づいて、ステップB7706の処理で決定される。なお、基準年月日からの経過日数によって一義的に各定期演出の演出態様を決定するのではなく、客待ち時等に演出ボタン17を操作することによって、各定期演出時に実行される演出態様を遊技者が任意に設定(カスタマイズ)可能としてもよい。なお、遊技者に任意に設定(カスタマイズ)させる場合には、過去に実行された演出態様の中から選択させるようにしてもよいし、遊技者個人の遊技履歴(ゲーム回数やミッションの達成度等)に応じて選択できる演出態様の選択肢を増やすようにしてもよい。
ここで、図153の時刻情報記憶処理のフローチャートの説明に戻る。主制御用マイコン710は、最後に、定期演出有効報知情報をセットし(ステップB7708)、時刻情報記憶処理を終了する。なお、ステップB7708の処理でセットされる定期演出有効報知情報と、ステップB7712の処理でセットされる定期演出無効報知情報については、図156にて説明する。
図156は、本発明の第2の実施の形態の定期演出報知情報の一例を示す図であり、(A)は定期演出無効報知情報、(B)は定期演出有効報知情報である。
定期演出無効報知情報は、RAMクリアが実行された(初期化スイッチ信号が入力された)場合に表示され、具体的には、時刻情報記憶処理の実行後又は電源投入コマンドの受信時に表示される。
定期演出有効報知情報は、RAMクリアが実行されずに電源が復帰した場合(停電時における正常復旧)、又は、機種全台の電源が同時に投入された場合に表示され、具体的には、時刻情報記憶処理の実行後又は停電復旧コマンドの受信時に表示される。
続いて、定期演出を実際に実行する手順について説明する。定期演出は、前述のように、あらかじめ設定された時刻に実行される。図157は、本発明の第2の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。第2の実施の形態の1stシーン制御処理には、第1の実施の形態における1stシーン制御処理に含まれる処理に定期演出を実行するための定期演出実行処理(ステップB1323)が追加されている。
定期演出実行処理は、1stシーン制御処理の最後に実行され、現在時刻と定期演出の実行開始時刻とを比較して定期演出を実行したり、実行中の定期演出の制御を行ったりする。定期演出実行処理の詳細については、図158を参照しながら説明する。
図158は、本発明の第2の実施の形態の定期演出実行処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、RTC715から時刻情報を取得する(ステップB7801)。そして、取得した時刻情報に基づいて、定期演出開始時間であるか否かを判定する(ステップB7802)。定期演出開始時間でない場合には(ステップB7802の結果が「N」)、ステップB7806以降の処理を実行する。なお、ステップB7801の処理では、定期演出の開始時間であることをRTC715から取得した時刻情報によって判定するようにしているが、電源投入時に取得した時刻情報に基づいて、演出制御装置700が時刻を計時するようにし、その時刻により定期演出の開始時間であることを判定してもよい。
主制御用マイコン710は、定期演出開始時間になった場合には(ステップB7802の結果が「Y」)、定期演出の実行情報記憶領域から演出態様(A〜F)を取得する(ステップB7803)。さらに、演出態様に対応する定期演出実行時間を定期演出タイマにセットする(ステップB7804)。定期演出実行時間は、定期演出態様決定テーブルに含むようにしてもよいし、専用の対応テーブルを記憶するようにしてもよい。
さらに、主制御用マイコン710は、第1サブ表示装置480において定期演出の実行を開始する(ステップB7805)。定期演出は、第1サブ表示装置480に映像(画像)を表示し、さらに、スピーカ10から音声を出力する。このように、定期演出は第1サブ表示装置480で予告演出に優先して行われるため、メイン表示装置35での変動表示ゲームの実行を妨げることがない。ただし、変動表示ゲームにおける演出に第1サブ表示装置480を用いる場合には予告演出の実行は規制されることになる。なお、第1サブ表示装置480と第2サブ表示装置の595両方で定期演出を実行してもよい。
続いて、主制御用マイコン710は、定期演出中であるか否かを判定する(ステップB7806)。定期演出中の場合には(ステップB7806の結果が「Y」)、定期演出タイマを−1更新する(ステップB7814)。そして、定期演出タイマが0になったか否かを判定する(ステップB7815)。定期演出タイマが0になった場合には(ステップB7815の結果が「Y」)、定期演出実行処理を終了する。
主制御用マイコン710は、定期演出タイマが0になっていない場合には(ステップB7815の結果が「N」)、定期演出タイマに対応する演出(表示及び音声)を取得する(ステップB7816)。そして、取得した演出を実行し(ステップB7817)、定期演出実行処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、定期演出中でない場合には(ステップB7806の結果が「N」)、第2サブ表示装置595における予告演出の実行をチェックし(ステップB7808)、予告演出を実行中であるか否かを判定する(ステップB7808)。予告演出を実行中である場合には(ステップB7808の結果が「Y」)、ステップB7811以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、予告演出を実行中でない場合には(ステップB7808の結果が「N」)、次回定期演出までの残り時間を算出する(ステップB7809)。そして、算出した残り時間を第2サブ表示装置595に表示する(ステップB7810)。次回定期演出までの残り時間の表示は予告演出よりも優先順位が低いため、第2サブ表示装置595での予告演出の実行を妨げることがない。なお、定期演出の所定時間(例えば3分)前になったら予告演出に優先して残り時間を優先表示するようにしてもよい。
続いて、主制御用マイコン710は、第1サブ表示装置480(上部演出装置400)の移動を含む予告演出の規制フラグをクリアする(ステップB7811)。そして、定期演出3分前であるか否かを判定し(ステップB7812)、3分前の場合には(ステップB7812の結果が「Y」)、第1サブ表示装置480(上部演出装置400)の移動を含む予告演出の規制フラグをセットする(ステップB7813)。このように制御することによって、定期演出が近くなると第1サブ表示装置480がメイン表示装置35の前方に移動するような予告演出の実行が規制され、メイン表示装置35における演出を阻害せずに定期演出を開始することが可能となる。
なお、サブ表示装置が1つしかない場合には、定期演出と、残り時間の表示とを同じサブ表示装置で行えばよい。このとき、定期演出>予告演出>残り時間表示の順で優先して表示すればよく、信頼度が高い場合などには予告演出を優先するようにしてもよい。
また、客待ち状態である場合には無駄な電力消費を抑えるためにエコ(省エネ)表示モードに移行させたままの状態を維持して定期演出を実行しないようにしてもよい。また、それとは逆に客待ち状態である場合にはメイン表示装置とサブ表示装置の両方で定期演出を実行するようにしてもよい。
以上、定期演出の実行手順を説明したが、図159から図162を参照しながら、定期演出の具体例を説明する。
図159は、本発明の第2の実施の形態の定期演出が実行される前までの演出態様の一例を示す図である。(A)は通常演出時、(B)は上部演出装置400の移動規制後、(C)は移動規制後に予告演出を実行する場合を示している。
(A)に示す状態では、第2サブ表示装置595に表示されているように、次回の定期演出の開始まで5分以上あるため、通常の演出が実行され、上部演出装置400の移動も規制されていない。
(B)に示す状態では、次回の定期演出の開始まで3分以内となったため、第1サブ表示装置480の移動を含む予告演出の規制フラグがセットされた状態となっている。この状態では、(C)に示すように、予告演出が実行される場合であっても、上部演出装置400を下方向にスライドさせずに予告演出が実行される。なお、第1サブ表示装置480及び第2サブ表示装置595の表示内容については通常の予告表示と同様である。このように制御することによって、前述のように、メイン表示装置35における変動表示ゲームの実行を妨げることなく定期演出を実行することができる。
図160は、本発明の第2の実施の形態の定期演出が実行される前までの演出態様の一例を示す図である。(A)は変動表示ゲーム終了後、(B)は変動表示ゲーム実行中、(C)は定期演出実行前の状態を示している。(A)〜(C)に示すように、上部演出装置400の移動を伴う演出が規制された状態で、遊技が継続される。
図161は、本発明の第2の実施の形態の定期演出実行時の態様の一例を示す図である。(A)は定期演出実行直前、(B)は定期演出実行開始時、(C)は定期演出実行中の状態を示している。
(A)を参照すると、定期演出の実行直前には、音声等によるカウントダウン演出が実行される。そして、カウントダウンが終了すると、(B)に示すように、定期演出が開始される。このとき、第1サブ表示装置480では演出名などの情報が表示される。また、3分前から第1サブ表示装置480を備える上部演出装置400の移動が規制されるため、通常、常態位置(初期位置)で定期演出が実行される。なお、複数の変動表示ゲームにわたる先読み予告演出や1の変動表示ゲームで複数の変動表示ゲームを擬似する擬似連演出においてカウントダウン演出を実行するような場合には、定期演出のカウントダウン演出と音声等を変えるようにするとよい。
その後、(C)に示すように、定期演出が開始され、所定の時間実行される。定期演出の実行時間は、変動表示ゲームの変動時間よりも長く設定されるため、定期演出の実行中に複数の変動表示ゲームがまたがって実行される。また、定期演出中には、定期演出による音声出力と、予告演出を含む変動表示ゲームによる音声出力とのいずれの音量を大きくしてもよいが、例えば、信頼度(期待度)の高い予告演出が実行された場合にのみ変動表示ゲームにおける音声出力の音量を大きくしてもよい。また、常に定期演出による音声出力の音量を大きくするようにしてもよい。
図162は、本発明の第2の実施の形態の定期演出終了時の態様の一例を示す図である。(A)は定期演出実行中、(B)は定期演出終了直前、(C)は定期演出終了後の状態を示している。
(A)に示すように、定期演出実行中であっても、予告演出が実行されていなければ、第2サブ表示装置595には通常の演出画像が表示される。また、定期演出実行中において、メイン表示装置35における変動表示ゲームを阻害することがなければ、上部演出装置400及び右部演出装置500の一方又は両方を上下に揺動させるような演出を定期演出の一環として行ってもよい。
(B)に示すように、定期演出の最後には、第1サブ表示装置480の表示や音声出力などによって終了を報知する。その後、(C)に示すように、通常演出に復帰する。なお、定期演出から復帰したタイミングで実行されている変動表示ゲームでは、通常演出に復帰した際に正常に演出を実行することができない可能性があるため、予告演出の実行が規制されているが、変動時間と定期演出の残り時間を比較するなどして正常に演出を実行可能な場合には、規制せずに予告演出を実行するようにしてもよい。
以上、本実施の形態では、第1サブ表示装置480で定期演出を実行する例について説明してきたが、メイン表示装置35で定期演出を実行するようにしてもよい。図163は、本発明の第2の実施の形態におけるメイン表示装置35で定期演出を実行する変形例について説明する図である。(A)は定期演出開始直前、(B)は定期演出開始時、(C)は定期演出実行中を示している。
(A)に示すように、第2の実施の形態と同様に、カウントダウン演出とともに定期演出が開始される。このとき、上部演出装置400の移動が規制される。そして、(B)及び(C)に示すように、定期演出が開始されると、メイン表示装置35及び第1サブ表示装置480で定期演出が実行される。このとき、変動表示ゲームは、メイン表示装置35の一部の領域で縮小して実行される。また、第2サブ表示装置595では、予告演出などの補助演出が継続して実行される。なお、第1サブ表示装置480や第2サブ表示装置595で変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
最後に、図150にて説明したように、幅の広い第2サブ表示装置595が配設されている場合に定期演出を実行する変形例について説明する。図164は、本発明の第2の実施の形態の第2サブ表示装置595が初期位置において開口部(表示窓部)34aと遊技板32とをまたがって配設された変形例を示す図である。
本変形例では、第2サブ表示装置595のうち遊技板32を透視する分だけ見にくくなる領域(透視表示領域)には、図150に示した例と同様に、遊技開始後にはあまり重要視されない機種情報(機種名、確率等のスペック)を表示する。これに対し、表示窓部34aに臨む領域(非透視表示領域)には、遊技開始後に重要視される予告演出や定期演出までの残り時間を表示する。
なお、透視表示領域に機種情報の代わりに残り時間を表示してもよいし、機種情報と残り時間とを表示するようにしてもよい。
以上より、本実施形態によれば、変動表示ゲームの表示を阻害することなく時刻情報(計時値)に基づいて定期演出を実行することによって、遊技の興趣を向上させることが可能となる。また、補助演出用の演出表示領域(第1サブ表示装置480)で補助演出に優先して特定演出を実行するので、演出効果の高い定期演出を効果的に実行することができる。
さらに、本実施形態によれば、第1サブ表示装置480がメイン表示装置35の中央寄りに位置した状態で定期演出が開始されてしまうことを防止することができるため、変動表示ゲームの表示と定期演出の表示とを両立させることができる。また、次回定期演出までの残り時間の表示よりも予告演出を優先して時実行するため、予告演出を阻害することなく次回の特定演出までの残り時間を報知することが可能となる。
ところで、従来の遊技機の中には、複数の発光部材(LED等)により構成される変動表示部を有する表示基板に基板側コネクタを実装し、一端が変動表示ゲームの制御を行う制御装置に接続される配線の他端部に設けられた端部コネクタを基板側コネクタに差し込むことで表示基板と制御装置とを接続し、変動表示ゲーム中においては変動表示部の特定の発光部材を点滅させることで変動表示中であることを表示し、最終的に一又は複数の発光部材を点灯させることで変動表示ゲームの結果を導出するよう構成されているものが提案されている(例えば、特開2009−045343号公報、特開2011−217828号公報)。
上記特許文献に記載されたような遊技機では、表示基板の基板側コネクタと配線の端部コネクタとを接続する際に、コネクタ同士の差し込みが不十分であったり、基板側コネクタに設けられたピンが変形したり破損したりすることで接続不良が発生する可能性がある(特に、ピン配列の列端部ほど接続不良が発生し易い)。
このような接続不良が発生してしまうと、変動表示部を構成する複数の発光部材(LED等)の発光状態に支障が出てしまうが、特に、変動表示ゲームの結果として出願頻度の高い外れを表示するための一又は複数の発光部材に対応するピンに接続不良が発生してしまうと、変動表示ゲームの結果が導出されたのか否かを変動表示部の表示状態から把握することが困難になってしまうという不都合が発生する。
また、変動表示ゲームの結果として出願頻度の高い外れを表示するための一又は複数の発光部材に対応するピンに接続不良が発生してしまうと、変動表示ゲームの結果が導出されたのか否かを変動表示部の表示状態から把握することが困難になってしまうという不都合が発生する。
これに対し、本願実施形態に記載された発明によれば、変動表示ゲームの結果として出願頻度の高い外れを表示するための一又は複数の発光部材に対応するピンに接続不良が発生してしまうことを極力回避し、変動表示部の表示状態から変動表示ゲームの結果が導出されたことが把握困難になってしまうという不都合を解決することが可能となる。
また、変動表示中であることを表示するための特定の発光部材に対応するピンに接続不良が発生することを極力回避し、変動表示部の表示状態から遊技者が変動表示ゲームの進行状況を把握することが困難になってしまうという問題を解決することが可能となる。
また、上記特許文献に記載された遊技機では、変動表示部を構成する複数の発光部材が常時点灯しているようなものではないため、実際に変動表示ゲームが行ってみないと発光部材のそれぞれが適切に発光するか否かを確認することができないという問題があった。
また、変動表示ゲームを実行しただけでは変動表示部を構成する全ての発光部材の点灯確認ができないような場合(当りにならないと発光しないような発光部があるような場合)には、点灯確認に非常に時間がかかってしまうという問題もある。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、変動表示部を構成する複数の発光部材に関する不良が発生していないか否かを効率良く確認することが可能となる。
また、従来の遊技機の中には、表示装置をメイン表示装置と該メイン表示装置の一側方に配設されるサブ表示装置とから構成し、サブ表示装置をメイン表示装置の前方に重なるように支軸を中心に回転させることで、サブ表示装置の表裏を遊技者に視認させるようにしたものが提案されている(例えば、特開2011−087706号公報)。
しかしながら、上記特許文献に記載された遊技機では、遊技盤に形成される窓部の内側に収まるように2つの表示装置を配設していたため、窓部を必要以上に大きくしなければならず、遊技球の流下領域や他の遊技部材を配置するためのスペースが圧迫されてしまうという問題がある。
また、限られた大きさの窓部の内側に2つの表示装置を収容しながら両者がなるべく重ならないように配置しようとすると、2つの表示装置の少なくとも一方の大きさや配置に大きな制約が生じてしまうという問題があった。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、2つの表示装置を設けたことで発生する遊技盤レイアウトの制約を緩和して、遊技の興趣を向上することが可能となる。
また、従来の遊技機の中には、RTC(リアルタイムクロック)のような計時手段を設け、該計時手段の計時値が演出実行値となる毎に演出装置で特定の演出を実行するようなものが提案されている(例えば、特開2008−104741号公報、特開2010−017352号公報)。
しかしながら、上記特許文献に記載された遊技機では、計時手段の計時値が演出実行値となると表示装置で特定の演出(計時演出)が実行されるため、表示装置で実行されている変動表示ゲームの表示が阻害されてしまう場合があり、遊技の興趣が減衰してしまうという問題がある。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、変動表示ゲームの表示を阻害することなく計時値に基づく特定演出を実行することで、興趣を高めることが可能となる。
また、従来の遊技機の中には、設定時間が経過する毎に演出(変動)モードを「1」および「2」に交互に切り替え、変動表示ゲームの実行時に設定されている演出(変動)モードに応じた変動パターンテーブルから変動パターンを決定するようにした遊技機も提案されている(例えば、特開2003−038790号公報)
しかしながら、上記特許文献に記載されたような遊技機においては、せっかく演出モードを切り替える機能を設けたにもかかわらず、設定時間が経過する毎に演出モードが自動的に切り替わってしまうため、演出モードの決定に対して遊技者が関与することができず、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。
これに対し、本実施形態に記載された遊技機によれば、演出モードの決定に遊技者を関与させることで遊技の興趣を向上させることが可能となる。
今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。