JP5686791B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
本発明は、変動表示ゲームを実行可能な変動表示部を有する表示基板を備える遊技機に関する。
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、遊技領域に設けた始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となると遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものが一般的である。
このような遊技機では、複数の発光部材(LED等)により構成される変動表示部を有する表示基板に基板側コネクタを実装し、一端が変動表示ゲームの制御を行う制御装置に接続される配線の他端部に設けられた端部コネクタを基板側コネクタに差し込むことで表示基板と制御装置とを接続している。
そして、変動表示ゲーム中においては変動表示部の特定の発光部材を点滅させることで変動表示中であることを表示し、最終的に一又は複数の発光部材を点灯させることで変動表示ゲームの結果を導出するよう構成されている(例えば、特許文献1及び2)。
ところで、上記特許文献に記載されたような遊技機では、表示基板の基板側コネクタと配線の端部コネクタとを接続する際に、コネクタ同士の差し込みが不十分であったり、基板側コネクタに設けられたピンが変形したり破損したりすることで接続不良が発生する可能性がある(特に、ピン配列の列端部ほど接続不良が発生し易い)。
このような接続不良が発生してしまうと、変動表示部を構成する複数の発光部材(LED等)の発光状態に支障が出てしまうが、特に、変動表示ゲームの結果として出願頻度の高い外れを表示するための一又は複数の発光部材に対応するピンに接続不良が発生してしまうと、変動表示ゲームの結果が導出されたのか否かを変動表示部の表示状態から把握することが困難になってしまうという不都合が発生する。
そこで、本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであり、変動表示ゲームの結果として出願頻度の高い外れを表示するための一又は複数の発光部材に対応するピンに接続不良が発生してしまうことを極力回避し、変動表示部の表示状態から変動表示ゲームの結果が導出されたことが把握困難になってしまうという不都合を解決することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明の代表的な一形態では、変動表示ゲームを実行可能な変動表示部を有する表示基板と、前記変動表示ゲームの制御を行う制御装置と、前記表示基板と前記制御装置とを接続する配線と、を備え、前記変動表示部で実行された前記変動表示ゲームの結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、前記変動表示部は、複数の発光部材により構成されてなり、前記制御装置は、前記複数の発光部材のうち所定の発光部材の発光状態を変化させることで前記変動表示ゲームが実行中であることを表示させるとともに、一以上の発光部材を点灯させることで外れ結果又は当り結果を表示させ、前記表示基板には、前記複数の発光部材に対応する複数のピンが配列された基板側コネクタが実装され、当該基板側コネクタに前記配線の一端側コネクタが接続され、前記基板側コネクタは、少なくとも前記外れ結果を表示する時に点灯する発光部材に電源を供給する信号線のピンの配置がピン配列の列端部とならないように設定されており、前記制御装置には、前記表示基板に対応する表示用コネクタを含む複数のコネクタが列を形成するように配設されてなり、前記表示用コネクタは、前記複数のコネクタに含まれる当該表示用コネクタ以外のコネクタの間に挟まれるように前記制御装置に配設されていることを特徴とする。
「発光部材」は、例えば、LEDであり、単体のLEDであってもよいし、7セグLEDであってもよい。「変動表示部」は、単体のLED及び7セグLEDいずれか一方又は両方を組合せて構成される。
本発明の一形態によれば、変動表示部の表示状態から変動表示ゲームの結果が導出されたことが把握困難になってしまうことを極力回避することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態による遊技機について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1実施形態)
〔遊技機構成〕
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態による遊技機1の全体構成を説明する。図1は、前面枠5及びガラス枠6を閉じた状態の遊技機1の斜視図である。図2は、ガラス枠6のみを開けた状態の遊技機1の斜視図である。
〔遊技機構成〕
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態による遊技機1の全体構成を説明する。図1は、前面枠5及びガラス枠6を閉じた状態の遊技機1の斜視図である。図2は、ガラス枠6のみを開けた状態の遊技機1の斜視図である。
図1及び図2に示すように、遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5は、遊技盤30(図3参照)を収納可能な収納部(遊技盤収納部)5aを有する枠体である。前面枠5には、遊技盤30が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図3参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600及び演出制御装置700(図4参照)や、前面枠5の裏面下部に配置された電源装置800及び払出制御装置640等にアクセスすることができる。
前面枠5の裏面上部には島設備に設置された補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留する貯留ユニット641が設けられ、前面枠5の左側部裏側には貯留ユニット641から流下してきた遊技球を上皿11aに払い出す払出ユニット642が設けられる。払出制御装置640は、払出ユニット642の動作を制御する装置である。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図44参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図44参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図44参照)の一部を構成している。
また、ガラス枠6の裏面には補強板金6bが配設され、補強板金6bは後述する遊技盤30の除電ユニット900(図3参照)と接触可能に後方に突設される導通部6cを有する。導通部6cはアース部材として機能し、導通部6cが除電ユニット900の導電部材901(図34参照)と接触することで遊技盤30に帯電する静電気を除去する。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは前面枠5の左下隅部に配置される。
左側の可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1の始動口スイッチ等に対して電波を発振する行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ23(図43参照)によって磁気を検出したり、電波センサ24(図43参照)によって電波を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図43参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図43参照)によって検出される。
ガラス枠6の前面下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられた球発射ユニット13に供給される。
球発射ユニット13よりも下方の前面枠5には下皿14が設置されており、前面枠5の右下隅部には球発射ユニット13の動作を制御するための操作ハンドル15が設置されている。遊技者が操作ハンドル15を回動操作することによって、球発射ユニット13は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。また、演出ボタン17の外周部には選択ボタン29が配置されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図4参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態(通常状態)においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の確変状態(確率変動状態)、変動表示ゲームの抽選確率は通常の確率だが変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態(時間短縮変動状態)、大当り遊技状態(特別遊技状態)、又は小当り遊技状態等である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)などが考えられる。
なお、ループタイプでは確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定して確変状態を発生させ、回数切りタイプや転落抽選タイプでは大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしているが、特定領域を備える入賞装置などを設け、当該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
〔遊技盤構成〕
図3〜図5を参照して、遊技機1に備えられる遊技盤30について説明する。
図3〜図5を参照して、遊技機1に備えられる遊技盤30について説明する。
図3は、センターケース(前面構成部材)34を取り付けた状態の遊技盤30の正面図である。図4は、遊技盤30、センターケース34、及び演出装置ユニット(裏面構成部材)200の斜視図である。図5は、センターケース34を取り外した状態の遊技盤30の斜視図である。なお、前面構成部材と裏面構成部材を合わせてセンターケースと呼ぶ場合もある。
図3〜図5に示すように、遊技盤30は、プラスチック等からなる矩形状の遊技板32の表面に、金属製のガイドレール32aや導電性樹脂製の区画部材32bを設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。遊技板32は、後方が透けて見える透明部材である。遊技板32と、遊技領域31を区画するガイドレール32a及び区画部材32bとによって、遊技盤本体部が構成される。
遊技盤30の右上隅部には、遊技板32に帯電する静電気をガラス枠6に逃がして除去する除電ユニット900が設けられる。なお、除電ユニット900の詳細については、図34〜図40にて後述する。
遊技盤30の右上隅部及び右下隅部には前面枠5に設けられるクランプ状の固定部材(図示省略)により固定される固定受部32cが形成されており、遊技盤30の左上隅部及び左下隅部には前面枠5に設けられる係合フック5b(図2参照)が係合可能な係合受部32dが形成されている。前面枠5の固定部材及び係合フック5bが遊技盤30の固定受部32c,係合受部32dに係合することで、遊技盤30は前面枠5の収納部5aに収納された状態で前面枠5の前面に固定される。
遊技領域31には、開口部(表示窓部)34aを有するセンターケース(前面構成部材)34が配設される。遊技板32にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口32eが形成されており、センターケース34はその開口32eに前方から嵌装される。
図4に示すように、遊技盤30の裏側には各種演出装置から構成される演出装置ユニット(裏面構成部材)200が配設され、この演出装置ユニット200の裏側には表示ユニット70及び主制御ユニット80が配設される。表示ユニット70は、メイン表示装置としての変動表示装置35と、変動表示装置35に表示される演出等を制御する演出制御装置700と、を備える。主制御ユニット80は、遊技制御装置600と、当該遊技制御装置600を演出装置ユニット200に対して回動可能に取り付けるためのベース部材81と、を備える。
図3及び図4に示すように、表示ユニット70の変動表示装置35は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する。センターケース34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部(表示窓部)34aを介して視認可能となっている。
変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域)を設定して、各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
図3に示すように、センターケース34の左側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース34の左下方の遊技領域31には3つの一般入賞口40が配置されており、センターケース34の右下方の遊技領域31には一つの一般入賞口40が配置されている。
センターケース34の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備える。遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。但し、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、可動部材38aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口38に入賞できないようになっている。
可動部材38aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド27(図43参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、確変状態や時短状態においては通常遊技状態に比べて入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりしており、このような状態を一般的には普電サポート状態という。
第1始動入賞口37と右側の一般入賞口40の間の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28a(図43参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下カウントスイッチ605a〜605m(図43参照)が配設されている。
また、センターケース34の左上部には、大入賞口ソレノイド28b(図43参照)によって回動することで第2大入賞口を開放する回動部42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上カウントスイッチ606(図43参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出ユニット642から上皿11aに排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が最も多く、一般入賞口40(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせても良い。
なお、第2始動入賞口38の下方の遊技領域31には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域31の外側であって遊技板32の右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜59を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、遊技機1の電源投入時から最初の大当りの発生まで大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知するための高確率表示部及び時短状態が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する時短状態表示部からなる遊技状態表示部57と、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉ラウンド回数)を表示するラウンド数表示部59が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、球発射ユニット13から遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット642を介して上皿11aに排出される。
普図始動ゲート36は、当該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図31、図43参照)と、ゲートスイッチ603を支持した状態でフランジ部36bを介して遊技盤本体部(遊技板32)に取り付けられるゲート部材(支持部材)36a(図31参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート36通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド27(図43参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口37への入賞及び第2始動入賞口38への入賞は、第1始動口スイッチ601(図43参照)と第2始動口スイッチ602(図43参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置600の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部54や特図2保留表示部55に表示されるとともに、変動表示装置35の表示部35aや後述するサブ表示装置(第2表示装置)としての表示器480にも表示される。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37への入賞もしくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への入賞もしくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、変動表示装置35の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置41や第2特別変動入賞装置42に設けられた大入賞口ソレノイド28a及び大入賞口ソレノイド28b(図43参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから特別遊技状態が発生するまでの間に後述するラウンド数決定遊技(補助遊技)を実行する場合と実行しない場合とがあるが、どちらか一方に統一しても良い。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、変動表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔センターケース〕
次に、図3、図6及び図7を参照して、センターケース34について説明する。図6は、センターケース34の分解斜視図である。図7(A)はセンターケース34に配設される振分装置90の分解斜視図であり、図7(B)はセンターケース34に設置された振分装置90の正面図である。
次に、図3、図6及び図7を参照して、センターケース34について説明する。図6は、センターケース34の分解斜視図である。図7(A)はセンターケース34に配設される振分装置90の分解斜視図であり、図7(B)はセンターケース34に設置された振分装置90の正面図である。
図6に示すように、センターケース(前面構成部材)34は、透明なリング状(フレーム状)の枠体として構成されている。センターケース34は、遊技盤30の遊技板32に形成された開口32e(図4参照)に嵌装される嵌装部34bと、嵌装部34bに対して鍔状に形成される鍔部34cと、遊技球が転動可能なガイド部34dと、を備える。センターケース34は、鍔部34cよりも前側が遊技領域31内に配設される。
図3及び図6に示すように、センターケース34の左上部には、第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第2大入賞口を開閉する回動部42aと、回動部42aを回動させる大入賞口ソレノイド28bと、遊技球の第2大入賞口への入賞を検出するカウントセンサとしての上カウントスイッチ606と、を備える。第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球は、入賞球流路44を通って遊技盤の裏面側に導かれる。
大入賞口ソレノイド28bは、センターケース34の裏面に固定される。大入賞口ソレノイド28bの取付位置におけるセンターケース34の前面には、装飾板34eが設けられている。装飾板34eは、大入賞口ソレノイド28bを隠蔽する部材である。センターケース34はほぼ全体が透明部材として形成されているが、装飾板34eを設けることで、大入賞口ソレノイド28bが前方から視認されることを防止でき、美観を損ねることがない。なお、装飾板34eを透明としてその前面に装飾シールを貼着することで、大入賞口ソレノイド28bが前方から視認されることを規制しても良い。
センターケース34の下部には、遊技球が転動可能な転動面101を有するステージ部100と、遊技領域31を流下する遊技球をステージ部100に導くワープ通路110と、演出装置ユニット(裏面構成部材)200の内部に遊技球が流入することを規制するためのカバー部材120とを備える。ステージ部100、ワープ通路110及びカバー部材120は透明部材として構成されている。
ワープ通路110は、センターケース34の左下部に配設される。ワープ通路110は、センターケース34の左側方の遊技領域31を流下してきた遊技球を受け入れ可能な受入部111と、受入部111を通過した遊技球をステージ部100の転動面101の左端に誘導する誘導部112と、から構成されている。受入部111は、センターケース34の左側方を流下してきた遊技球を受け入れやすいように左斜め上方に向かって開口している。誘導部112は、背面が開口する通路状となっているがカバー部材120によって背面の開口が塞がれるようになっている。
ステージ部100は、センターケース34の下部中央に配設される。ステージ部100は、左右方向に延設され、遊技球が転動可能な転動面101を備える。ステージ部100の後方にはカバー部材120が設けられる。
ステージ部100の転動面101は、左右両端部と中央部とが高くなる波状に形成されている。転動面101の中央部には後方に向かって下り傾斜する第1案内部102が設けられ、第1案内部102の左右両側方における転動面101には前方に向かって下り傾斜する第2案内部103が設けられる。
カバー部材120は、転動面101の後端部分から上方に起立する起立壁部121と、転動面101と対向するように起立壁部121の上端から前方に向かって折り返される折返壁部122とから構成される。カバー部材120の起立壁部121と折返壁部122とによって、転動面101を転動する遊技球が変動表示装置35(演出装置ユニット200)側に流入することを防止できる。
また、折返壁部122はその先端がステージ部100の前面よりも前方に突出するように形成されるので、ステージ部100の下方の遊技領域31等において遊技球が障害釘等に衝突して上方に跳ね上がっても、折返壁部122によって遊技領域31側に跳ね返される。これにより遊技領域31から跳ね上がった遊技球が変動表示装置35(演出装置ユニット200)側に進入することを防止できる。
カバー部材120の起立壁部121には、第1案内部102と対応する位置に形成される開口部121a、及び開口部121aとステージ部100の前面下部に開口する流出口104とに連通する連通路121b(図6参照)が形成される。第1案内部102から開口部121aを介して連通路121bに流入した遊技球は、転動面101の下方に誘導され、流出口104から遊技領域31に排出される。
ワープ通路110からステージ部100に導かれた遊技球は、転動面101上を転動した後、第1案内部102から連通路121bを通って流出口104から遊技領域31に排出されるか、又は第2案内部103から遊技領域31へと排出される。ステージ部100の流出口104は第1始動入賞口37の直上方に形成されるのに対して第2案内部103は第1始動入賞口37の左右側にずれて配設されているため(図3及び図6参照)、流出口104から排出される遊技球の方が第2案内部103から排出される遊技球よりも第1始動入賞口37へ誘導される確率が高くなる。
図3及び図6に示すように、センターケース34の右上部には、センターケース34のガイド部34dを転動してきた遊技球が流入する振分空間(振分空間部)34fが形成されており、当該振分空間34fには遊技球が通過可能な第1通過ゲート部34g(第1特定領域、抽選ゲート)及び第2通過ゲート部34h(第2特定領域、固定ゲート)が配設されている。振分空間34fに流入した遊技球は、振分装置90によって振り分けられ、第1通過ゲート部34g又は第2通過ゲート部34hを通過する。振分装置90は、遊技球の流下ルートを切り換える装置である。なお、第1通過ゲート部34gの前面には「変動」の文字装飾が施されており、第2通過ゲート部34hの前面には「固定」の文字装飾が施されている。
図6及び図7(A)に示すように、振分装置90は、センターケース34の裏面に固定される固定ベース91と、固定ベース91内に固定される回転モータ92と、回転モータ92によって回転駆動され遊技球の流下ルートを切り換える切換部93と、を備える。
切換部93は、略円柱状の部材であって、外周面から径方向に突出する突起93aを有している。切換部93は、センターケース34の振分空間34f内に収容され、センターケース34の前面に対して回転可能に配設される。
回転モータ92は固定ベース91に取り付けられており、回転モータ92の回転軸92aには円板部96が固定されている。円板部96の中心には前方に突出する突出軸96aが形成され、この突出軸96aに切換部93の裏面に突設される軸部(図示省略)が固定される。したがって、回転モータ92の駆動力は、円板部96を介して切換部93に伝達される。
円板部96は前後方向に貫通する切欠部96bを備えており、切欠部96bを有する円板部96及び固定ベース91内に配設されるフォトセンサ97によって切換部93の初期位置が検出される。
フォトセンサ97は、円板部96が通過可能な溝部と、この溝部を跨ぐように配設された発光部及び受光部とを、備えている。フォトセンサ97の発光部は、受光部に向けて光(赤外線)を照射している。この光が、円板部96により遮光される遮光状態であるか、円板部96の切欠部96bを通じて通光する通光状態であるかを判別し、通光状態である場合に切換部93が初期位置にあると判断される。なお、切換部93の回転位置は、初期位置からの回転モータ92のステップ数により検出することができる。
図7(B)に示すように、センターケース34に切換部93が配設されることで、振分空間34f内には、第1通過ゲート部34gへと遊技球を誘導する第1誘導路94と、第2通過ゲート部34hへと遊技球を誘導する第2誘導路95とが形成される。
回転モータ92によって切換部93が図7(B)において時計回りに所定量回転すると、切換部93の突起93aが第2誘導路95の上流部を閉塞し、振分空間34f内に流入する遊技球は第1誘導路94を通じて第1通過ゲート部34gへと導かれる。一方、回転モータ92によって切換部93が図7(B)において反時計回りに所定量回転すると、切換部93の突起93aが第1誘導路94の上流部を閉塞し、振分空間34f内に流入する遊技球は第2誘導路95を通じて第2通過ゲート部34hへと導かれる。第1通過ゲート部34g及び第2通過ゲート部34hを通過した遊技球は、振分空間34fの下部に形成された排出通路98を通じて、センターケース34の右側方の遊技領域31に排出される。
なお、第1通過ゲート部34gには遊技球が第1通過ゲート部34gを通過したこと検出する第1通過検出センサ607aが設けられており、第2通過ゲート部34hには遊技球が第2通過ゲート部34hを通過したこと検出する第2通過検出センサ607bが設けられている。
図6及び図7(A)に示すように、振分装置90の固定ベース91内には、2枚のLED基板99a,99cが収容されている。
LED基板99aの前面には、第1誘導路94及び第2誘導路95に沿って複数(5個)のLED99bが設けられている。遊技状態に応じてLED99bを発光させることで、第1誘導路94及び第2誘導路95が光るような発光演出が行われる。
LED基板99cは、LED基板99aの下方に配置される。LED基板99cの前面には、排出通路98に沿って四個のLED99dが横一列に設けられるとともに、その下方に後述する報知演出に用いられる三個の報知LED99eが横一列に設けられる。
LED基板99cの報知LED99eの前方のセンターケース34には、各報知LED99eに対応してレンズ部材61〜63が取り付けられている。左側に配置されるレンズ部材61の前面には「変動」の文字装飾が施されており、右側に配置されるレンズ部材63の前面には「固定」の文字装飾が施されている。中央のレンズ部材62には、「狙え」の文字装飾が施されている。
遊技状態に応じてLED基板99cの報知LED99eを発光させることで、上記したレンズ部材61〜63を介した報知演出が行われる。この報知演出の詳細については、図104〜図105を参照して後述する。また、遊技状態に応じてLED基板99cのLED99dを発光させることで、排出通路98が光るような発光演出が行われる。
なお、遊技機1では、LED基板99aのLED99b及びLED基板99cのLED99dの前方には、レンズ部材を設けていないが、必要に応じてレンズ部材を設けてもよい。
〔演出装置ユニット〕
次に、図4及び図8を参照して、演出装置ユニット(裏面構成部材)200について説明する。図8は、演出装置ユニット200の分解斜視図である。
次に、図4及び図8を参照して、演出装置ユニット(裏面構成部材)200について説明する。図8は、演出装置ユニット200の分解斜視図である。
演出装置ユニット200は、遊技盤30の裏面に固定されるユニットベース部材210と、ユニットベース部材210内に収容される奥側演出装置300、下部演出装置220、上部装飾ユニット240、及び下部装飾ユニット260と、を備える。上部装飾ユニット240には、上部演出装置400及び右部演出装置500が取り付けられている。
図8及び図9を参照して、ユニットベース部材210について説明する。図9は、ユニットベース部材210の斜視図である。
図8及び図9に示すように、ユニットベース部材210は、背面壁211と、背面壁211の外周縁から前方に起立する側壁212とから構成される枠体であって、各種装置等を収容可能に構成されている。
遊技機1の遊技盤30の遊技板32は樹脂製であり、従来の木製の遊技板と比較して遊技板32の板厚は薄くなっている。遊技機1では、薄くなった遊技板32の板厚を補うため、ユニットベース部材210の側壁212の前端にスペーサ部材213が一体形成されている(スペーサ部材213を別部材として取り付けるようにしても良い)。ユニットベース部材210を遊技板32に設置した時の前後方向の厚さが薄いと前面枠5への係合による固定が困難となるが、ユニットベース部材210には前後方向に厚みを持たせたスペーサ部材213を設けたので、ユニットベース部材210を遊技板32に設置した時の前後方向の厚さが従来と同等となり、前面枠5に係合(適切に収納)させることが可能となる。
ユニットベース部材210の右上隅部に位置するスペーサ部材213には切欠部213aが形成されている。この切欠部213aは遊技盤30のアース処理のために必要であり、除電ユニット900(図3参照)に対応する位置に配設される。
なお、遊技機1では、スペーサ部材213を、ユニットベース部材210の側壁212に沿って額縁状に形成するようにしたが、ユニットベース部材210の左右上下の4つの角部のみに形成するようにしてもよい。また、スペーサ部材213は透明な遊技板32を介して視認可能となっているので、スペーサ部材213の前面に装飾シートや装飾シールを取り付けて装飾性を高めてもよい。
ユニットベース部材210の背面壁211は、その上側部分が後方に窪んでいる。背面壁211の上側部分と側壁212とによって取り囲まれる空間が奥側演出装置300及び上部装飾ユニット240を収容する上部収容空間214であり、背面壁211の下側部分と側壁212とによって取り囲まれる空間が下部演出装置220及び下部装飾ユニット260を収容する下部収容空間215である。
図4及び図9に示すように、ユニットベース部材210の上側部分の裏面には変動表示装置35を有する表示ユニット70が配設され、ユニットベース部材210の下側部分の裏面には遊技制御装置600を有する主制御ユニット80が配設される。
背面壁211の上側部分には、変動表示装置35の表示部35aと対応する位置に窓部216が開口形成されている。変動表示装置35の表示部35aは、窓部216を介して視認可能となっている。
また、背面壁211の下側部分の裏面には、遊技制御装置600や各種装置等と電気的に接続される中継基板が4つ取り付けられる。背面壁211には、図9の破線に示すように、これら4つの中継基板の周囲をそれぞれ取り囲む包囲壁が形成されている。包囲壁は、背面壁211の裏面から後方に起立する壁部材である。
ユニットベース部材210の下部に位置する側壁212には、下部装飾ユニット260を介して遊技盤30の下方に導かれる遊技球を通過させるための開口217が形成されている。また、ユニットベース部材210の左側に位置する曲面の側壁212には、遊技盤30に配設される電気部品の配線を通す配線用開口212a、212bが形成されている。電気部品の配線処理の詳細については、図29〜図33にて後述する。
また、ユニットベース部材210の右下部に位置するスペーサ部材213には、ドロワーコネクタ基板219を収納するための収納部218が設けられ、当該収納部の背面壁にはドロワーコネクタを遊技盤の後方に臨ませるための開口が形成されている。内枠5に設けられた収納部5aの右下部にもドロワーコネクタ基板(図示省略)が配設されており、収納部5aに遊技盤30が収納された時に、遊技盤30と内枠5のドロワーコネクタ同士が接続する。2つのドロワーコネクタを接続することで、遊技盤30側の各種電気部品(遊技制御装置600、演出制御装置700等)と内枠5側の各種電気部品(電源装置600、払出制御装置640等)を電気的に接続できる。電気部品の接続にワイヤーハーネスを用いる場合には配線の取り回し等が煩雑となるが、遊技機1ではドロワーコネクタ基板を用いているので接続作業の簡素化を図ることが可能となる。
〔下部演出装置〕
次に、図8、図10及び図11を参照して、下部演出装置220について説明する。図10は、下部演出装置220の分解斜視図である。図11(A)は下部演出装置220の可動部分の裏面図であり、図11(B)は下部演出装置220の斜視図である。
次に、図8、図10及び図11を参照して、下部演出装置220について説明する。図10は、下部演出装置220の分解斜視図である。図11(A)は下部演出装置220の可動部分の裏面図であり、図11(B)は下部演出装置220の斜視図である。
図8及び図10に示すように、下部演出装置220は、平板状の固定ベース221と、固定ベース221の前面に取り付けられるカバー部材222と、固定ベース221とカバー部材222との間の収容空間内に上下動可能に収容される可動装飾部材223と、可動装飾部材223を駆動する駆動モータ230と、を備える。
固定ベース221は、略矩形状の板部材であって、ユニットベース部材210の下部の背面壁211(図9参照)に固定される。
カバー部材222は、固定ベース221の前面を覆うように、当該固定ベース221に取り付けられる蓋部材である。カバー部材222と固定ベース221の間には各種部材を収容可能な収容空間が形成される。
カバー部材222は、後述する可動装飾部材223が下限位置(初期位置)にある場合に、可動装飾部材223の装飾体224を収容する収容凹部222aを有している。また、カバー部材222の上面壁222bには文字装飾が施されており、カバー部材222の前面壁222cには駆動モータ230等と接続する電気配線を通過させるための配線用開口222dが形成されている。
可動装飾部材223は、装飾体224と、当該装飾体224の裏面に固定されるスライド板225とを備え、下限位置(初期位置)と上限位置との間で上下動可能に構成されている。
装飾体224は円盤状の部材であって、装飾体224の前面には文字装飾が施されている。なお、装飾体224の内部にLED基板を配設し、LED基板に設けられたLEDを用いて装飾体224を発光させるようにしてもよい。
図10及び図11(A)に示すように、スライド板225は、上下方向に延設される板状部材である。スライド板225の上部は装飾体224の裏面に固定されており、スライド板225の下部は装飾体224から下方に延在するように構成されている。スライド板225は、固定ベース221の前面中央に固定されたガイド部材226に対して、上下方向に摺動自在に取り付けられる。ガイド部材226は上下方向に延設されており、ガイド部材226の横断面形状はコ字状に形成されている。
スライド板225がガイド部材226に取り付けられた状態では、スライド板225の後端側がガイド部材226内に挿入され、スライド板225の前端側はガイド部材226内に挿入されずに露出している。このように露出しているスライド板225の右側部には、上下方向に亘ってラックギア225aが形成されている。
駆動モータ230は、可動装飾部材223を上下動させる駆動源である。駆動モータ230は、出力軸231が後方に向かうように、カバー部材222の裏面に固定される。駆動モータ230の出力軸231には、主動ギア232が固定される。
主動ギア232は、固定ベース221に突出形成された第1軸221aに回転自在に軸支される第1従動ギア233に噛合する。第1従動ギア233は、固定ベース221に突出形成された第2軸221bに回転自在に軸支される第2従動ギア234に噛合する。第2従動ギア234は、可動装飾部材223のスライド板225のラックギア225aに噛合する。
上記のように構成される下部演出装置220では、遊技状態に応じて、可動装飾部材223が下限位置と上限位置との間で上下動するように制御される。
図8に示すように、下部演出装置220による演出が実行されていない場合には、駆動モータ230は停止しており、可動装飾部材223は下限位置に位置している。このように可動装飾部材223が下限位置にある場合には、装飾体224は、カバー部材120(図3参照)の後方に位置しており、視認されにくい状態となっている。
なお、固定ベース221には略コ字形状のフォトセンサ235が配設されており、可動装飾部材223が下限位置にある時に、可動装飾部材223のスライド板225の下端が、フォトセンサ235の凹部に挿入されフォトセンサ235の発射光を遮光するようになっている。したがって、フォトセンサ235が通光状態であるか遮光状態であるかを検知することで、可動装飾部材223が下限位置(初期位置)にあるか否かを検出することができる。
遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動モータ230が正転駆動され、駆動モータ230の駆動力が各ギア233,234,235を介してスライド板225に伝達される。これにより、図11(B)に示すようにスライド板225が上昇し、可動装飾部材223は上限位置まで上昇する。このように可動装飾部材223が上限位置まで上昇すると、装飾体224の全体が遊技者によって視認可能な状態となる。
その後、駆動モータ230が逆転駆動され、スライド板225が下降することで、可動装飾部材223は上限位置から初期位置に戻る。なお、駆動モータ230の正転及び逆転を交互に繰り返すことで、可動装飾部材223を上下に振動させる振動演出を実行することもできる。
〔奥側演出装置〕
次に、図8、図12〜図15を参照して、奥側演出装置300について説明する。図12は、奥側演出装置300の分解斜視図である。図13は、奥側演出装置300の左側のシャッタユニット330の分解斜視図である。図14は、左側のシャッタユニット330の回動扉340の回動動作を説明する図である。図15は、左側のシャッタユニット330のスライド動作を説明する図である。
次に、図8、図12〜図15を参照して、奥側演出装置300について説明する。図12は、奥側演出装置300の分解斜視図である。図13は、奥側演出装置300の左側のシャッタユニット330の分解斜視図である。図14は、左側のシャッタユニット330の回動扉340の回動動作を説明する図である。図15は、左側のシャッタユニット330のスライド動作を説明する図である。
図8及び図12に示すように、奥側演出装置300は、額縁状のベース枠310と、ベース枠310の前面側に取り付けられるカバー枠320と、ベース枠310とカバー枠320との間において左右方向にスライド移動可能に配設される一対のシャッタユニット330と、これらシャッタユニット330を駆動する駆動ユニット360と、を備える。
ベース枠310は、平板状の枠体であって、ユニットベース部材210の背面壁211の上部に固定される。ベース枠310は、ユニットベース部材210の窓部216と対応する位置に、変動表示装置35の表示部35aを視認可能とする開口部311を備える。
カバー枠320は、ベース枠310の形状に対応して形成された枠体であって、ベース枠310の前面を覆うように当該ベース枠310に固定される。カバー枠320は、ユニットベース部材210の窓部216と対応する位置に、変動表示装置35の表示部35aを視認可能とする開口部321を備える。
図12に示すように、ベース枠310とカバー枠320との間には、一対のシャッタユニット330が設けられる。これらシャッタユニット330は、変動表示装置35の表示部35aよりも側方の位置(初期位置)と、表示部35aの前方の位置(中央位置)との間で左右方向にスライド移動するように構成されている。したがって、シャッタユニット330が収容される空間は、変動表示装置35の表示部35aの側方に設定されてシャッタユニット330が待機する待機領域と、表示部35aの前方に設定されてシャッタユニット330が動作する演出領域と、に分けられる。
また、ベース枠310の上部とカバー枠320の上部との間には、シャッタユニット330を駆動する駆動ユニット360を配設するための配設空間が形成される。この配設空間は、シャッタユニット330が収容される空間(待機領域及び演出領域)と連通している。
一対のシャッタユニット330は、左右方向に離間して配設される。左側のシャッタユニット330と右側のシャッタユニット330とは、左右対称となるように構成されている。これらシャッタユニット330は同じ機能を果たす部材であるため、左側のシャッタユニット330の構成について主に説明し、右側のシャッタユニット330の構成についての説明は省略する。
図13に示すように、左側のシャッタユニット330は、スライド部材331と、スライド部材331の前面に取り付けられる装飾部材334と、スライド部材331及び装飾部材334に対して回動自在に設けられる回動扉340と、回動扉340を回転駆動する駆動モータ350と、を備える。
スライド部材331は、正面視で略コ字状の部材であって、前面上部に駆動モータ350を収容するための収容凹部331aを備えている。
スライド部材331の上端面には、カバー枠320の裏面上部に水平に固定されたガイドロッド322(図12及び図15参照)に対してスライド可能に取り付けられる取付部332が形成されている。取付部332には左右方向に亘って軸受孔332aが貫通形成されており、取付部332の軸受孔332aにガイドロッド322が挿通される。
ブロック状の取付部332の上端面には、後述する駆動ユニット360の無端ベルト375に固定されるベルト固定部333が形成されている。ベルト固定部333には左右方向に亘って貫通孔333aが形成されており、ベルト固定部333は貫通孔333aを介して無端ベルト375に取り付けられる。
装飾部材334はスライド部材331の前面を覆うように設けられる部材であって、装飾部材334の前面にはメッキ加工等の装飾が施されている。装飾部材334がスライド部材331に設置された状態では、駆動モータ350は装飾部材334によって隠蔽される。
スライド部材331及び装飾部材334の上部はもう一方のシャッタユニット330側に向かって突出する上側突出部330a(図12参照)として形成されており、スライド部材331及び装飾部材334の下部はもう一方のシャッタユニット330側に向かって突出する下側突出部330b(図12参照)として形成されている。左右二つのシャッタユニット330が中央位置まで移動した場合には、左側のシャッタユニット330の上側突出部330a及び下側突出部330bと、右側のシャッタユニット330の上側突出部330a及び下側突出部330bとが微小隙間をあけて対向(近接)する。
回動扉340は、スライド部材331及び装飾部材334に対して回動する可動部材である。回動扉340は、第1ベース341と、第1ベース341の裏側に固定される第2ベース342と、第1ベース341と第2ベース342との間の収容空間に配設されるLED基板343と、を備える。
第1ベース341は、略矩形状の透光性部材であって、表面(図14(A)参照)に文字装飾が施されている。第1ベース341の右上端面には上方に突出する上側回動軸341aが形成されており、第1ベース341の右下端面には下方に突出する下側回動軸341bが形成されている。
第1ベース341の裏面に固定される第2ベース342は、略矩形状の透光性部材であって、表面(図14(B)参照)に文字装飾が施されている。第2ベース342の前面であって、第1ベース341の上側回動軸341a及び下側回動軸341bが設けられる側とは反対側の側部寄りの位置には、上下一対の磁性体収容部342aが形成されている。これら磁性体収容部342aには、磁性体344が収容される。
LED基板343は、第1ベース341と第2ベース342の間の収容空間内において当該第1ベース341の裏面に固定される。LED基板343は、複数のLED343aを有しており、これらLED343aが横向きとなるように第1ベース341に配置されている。LED343aは、回動扉340の前面及び裏面(第1ベース341及び第2ベース342)を同時に発光させる共通の発光源である。このように、回動扉340の前面及び裏面を同時に発光させることで、回動扉340全体を用いた発光演出が可能となり、演出効果を高めることができる。また、回動扉340の前面及び裏面を発光させるためのLEDをそれぞれ別個に設ける場合に比べ部品点数が少なくなる。
回動扉340は、上側回動軸341a及び下側回動軸341bが装飾部材334の上部及び下部に形成された一対の軸受孔334aにそれぞれ挿入されることで、スライド部材331及び装飾部材334に対して回動可能となっている。回動扉340の上側回動軸341aは、連結部材351を介して駆動モータ350の出力軸に連結される。
図14(A)に示すように、回動扉340による回動演出が実行されていない場合には、駆動モータ350は停止しており、第1ベース341の表面が回動扉340の前面となり、第1ベース341の表面に施された文字装飾が視認可能となる。これに対して、回動扉340による回動演出が実行される場合には、駆動モータ350が駆動され、図14(B)に示すように第2ベース342の表面が回動扉340の前面となり、第2ベース342の表面に施された文字装飾が視認可能となる。
図12及び図15に示すように、一対のシャッタユニット330を駆動する駆動ユニット360は、ベース枠310の上部とカバー枠320の上部との間の配設空間内に収容される。駆動ユニット360は、左側のシャッタユニット330を駆動する左側駆動機構370と、右側のシャッタユニット330を駆動する右側駆動機構380と、から構成されている。
左側駆動機構370は、出力軸が後方に向くようにカバー枠320の裏面上部に固定される駆動モータ371と、駆動モータ371の出力軸に固定される主動プーリ372と、主動プーリ372の左右側方に配設される二つの従動プーリ373,374と、これらプーリ372,373,374に巻き回される無端ベルト375と、を備える。
従動プーリ373は、駆動モータ371の左側方に設けられており、ベース枠310とカバー枠320のそれぞれに端部が固定される固定軸361を介して軸支されている。また、従動プーリ374は、駆動モータ371の右側方に設けられており、ベース枠310とカバー枠320のそれぞれに端部が固定される固定軸362を介して軸支されている。
従動プーリ373,374の間に位置する無端ベルト375に、左側のシャッタユニット330のベルト固定部333が固定されている。
一方、右側駆動機構380は、出力軸が前方を向くようにベース枠310の前面上部に固定される駆動モータ381と、駆動モータ381の出力軸に固定される主動プーリ382と、主動プーリ382の左右側方に配設される二つの従動プーリ383,384と、これらプーリ382,383,384に巻き回される無端ベルト385と、を備える。
従動プーリ383は、駆動モータ381の左側方に設けられており、左側駆動機構370の従動プーリ374を軸支する固定軸362を介して軸支されている。このように、固定軸362は、従動プーリ374,383の両方を支持する共通軸となっている。また、従動プーリ384は、駆動モータ381の右側方に設けられており、ベース枠310とカバー枠320のそれぞれに端部が固定される固定軸363を介して軸支されている。
従動プーリ383,384の間に位置する無端ベルト385に、右側のシャッタユニット330のベルト固定部333が固定されている。
奥側演出装置300による演出が実行されていない場合には、駆動ユニット360の駆動モータ371,381は停止しており、左右のシャッタユニット330は待機領域における初期位置(待機位置)に位置している。このようにシャッタユニット330が初期位置にある場合には、シャッタユニット330は上部装飾ユニット240(図8参照)の後方に位置しており、シャッタユニット330のほぼ全体が視認されにくい状態となっている。シャッタユニット330の前方に上部装飾ユニット240が配設されているので、待機領域で停止しているシャッタユニット330においては、回動扉340による回動演出が不能となっている。つまり、待機領域は、シャッタユニット330の回動扉340が回動不能な広さ(前後幅)に設定されている。
なお、カバー枠320の左側部には略コ字形状のフォトセンサ335(図12参照)が配設されており、左側のシャッタユニット330が初期位置にある時に、シャッタユニット330のスライド部材331の左端面に形成された遮光板331b(図15参照)が、フォトセンサ335の凹部に挿入されフォトセンサ335の発射光を遮光するようになっている。したがって、フォトセンサ335が通光状態であるか遮光状態であるかを検知することで、左側のシャッタユニット330が初期位置にあるか否かを検出することができる。
また、カバー枠320の右側部には略コ字形状のフォトセンサ336(図12参照)が配設されており、右側のシャッタユニット330が初期位置にある時に、シャッタユニット330のスライド部材331の右端面に形成された遮光板331b(図12参照)が、フォトセンサ336の凹部に挿入されフォトセンサ336の発射光を遮光するようになっている。したがって、フォトセンサ336が通光状態であるか遮光状態であるかを検知することで、右側のシャッタユニット330が初期位置にあるか否かを検出することができる。
遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動ユニット360の駆動モータ371が逆転駆動され、左側のシャッタユニット330が初期位置から右方向に移動するように無端ベルト375が回転する。この時、駆動ユニット360の駆動モータ381が正転駆動され、右側のシャッタユニット330が初期位置から左方向に移動するように無端ベルト385が回転する。これにより、図15に示すように、左右のシャッタユニット330はガイドロッド322に沿って待機領域から変動表示装置35の表示部35aの前方の演出領域にスライド移動する。
なお、各シャッタユニット330のスライド部材331の下端面には突片331cが下向きに突出形成されており、各突片331cはベース枠310の下部とカバー枠320の下部との間に形成されたガイド溝(図示省略)に摺動自在に挿入されている。シャッタユニット330の上部は取付部332を介してガイドロッド322に沿ってガイドされ、シャッタユニット330の下部は突片331cを介してガイド溝に沿ってガイドされるので、シャッタユニット330をスムーズにスライド移動させることができる。
シャッタユニット330が待機領域内の初期位置から演出領域内の中央位置まで移動した場合には、シャッタユニット330のほぼ全体が遊技者によって視認可能となる。演出領域では、シャッタユニット330の前方に回動扉340の回動動作を妨げる部材が配設されておらず、回動扉340の回動動作が可能となっている。つまり、演出領域は、シャッタユニット330の回動扉340が回動可能な広さ(前後幅)に設定されている。
本実施形態による遊技機1では、左右のシャッタユニット330を待機領域内の初期位置から演出領域内の中央位置までスライド移動させてから、各シャッタユニット330の回動扉340を回動させる。このように演出動作を制御することで、変動表示装置35周りの待機領域や演出領域等の空間を効率的に活用でき、奥側演出装置300による演出効果を高めることが可能となる。
また、シャッタユニット330は待機領域から演出領域において左右方向にスライド移動するように構成されおり、シャッタユニット330に設けられる回動扉340は演出領域の前後方向の空間を利用して回動するように構成されているので、一つの奥側演出装置300において異なる演出動作を実現でき、奥側演出装置300の演出効果をより高めることが可能となる。また、待機領域周辺の省スペース化を図ることができる。
シャッタユニット330の待機領域の前方には上部装飾ユニット240が配設されているので、待機領域周辺における装飾性を高めることができる。なお、本実施形態では、待機領域にあるシャッタユニット330の前方に上部装飾ユニット240を配設するようにしたが、待機領域にあるシャッタユニット330の後方(待機領域の背面部分)に上部装飾ユニット240のような装飾部材を配設してもよい。この場合には、シャッタユニット330が待機領域から移動した場合に装飾部材が視認可能な状態となる。
奥側演出装置300では、ベース枠310の上部とカバー枠320の上部との間に駆動ユニット360を配設するための配設空間が形成されており、この配設空間はシャッタユニット330が動作する空間(待機領域及び演出領域)と連通するように構成されている。駆動ユニット360が駆動した場合には、無端ベルト375,385や各シャッタユニット330の動きにより、駆動ユニット360の配設空間内の空気とシャッタユニット330が動作する空間内の空気とが攪拌され、駆動ユニット360を構成する駆動モータ371,381の発熱を抑えることができる。これにより、駆動モータ371,381等の電気的駆動源の故障や動作不良を抑制することが可能となる。
〔下部装飾ユニット〕
次に、図8、図16〜図20を参照して、下部装飾ユニット260について説明する。
次に、図8、図16〜図20を参照して、下部装飾ユニット260について説明する。
図16は、下部装飾ユニット260の分解斜視図である。図17は、下部装飾ユニット260を構成する中間部材290の斜視図である。図18は、中間部材290に取り付けられた装飾部材270の斜視図である。図19(A)は下部装飾ユニット260の一部を拡大した正面図であり、図19(B)は図19(A)のB−B面に沿う下部装飾ユニット260の縦断面図である。図20は、下部装飾ユニット260を構成する流路構成部材280の斜視図である。
図8に示すように、下部装飾ユニット260は、下部演出装置220の前方に配置された状態で、ユニットベース部材210の下部収容空間215内に収容される。下部装飾ユニット260は、遊技領域31の下部を装飾する部材として機能するとともに、入賞口等に入賞した遊技球を前面枠5の球回収口5c(図2参照)に誘導する部材として機能する。前面枠5の球回収口5cから回収された遊技球は、誘導路(図示省略)を通って遊技機1の外部に導かれる。
図8及び図16に示すように、下部装飾ユニット260は、流路構成部材280と、流路構成部材280の前面に配設される中間部材290と、中間部材290の前面に配設されるLED基板261と、中間部材290の前面を覆うように配設される装飾部材270と、を備える。
図16及び図17に示すように、中間部材290は、略矩形状の板部材である。中間部材290は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球を誘導する第1誘導樋291と、第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を誘導する第2誘導樋292と、一般入賞口40に入賞した遊技球を誘導する誘導路293と、を備える。
第1誘導樋291は、遊技領域31(図3参照)に設けられた第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に対応して、中間部材290の中央部に形成されている。第1誘導樋291は、前後方向に延設される遊技球転動路であって、中間部材290を前後方向に貫通するように形成されている。第1誘導樋291は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球を中間部材290の前方から後方に誘導する。
第2誘導樋292は、遊技領域31に設けられた第1特別変動入賞装置41に対応して、第1誘導樋291の右側方に形成されている。第2誘導樋292は、前後方向に延設される遊技球転動路であって、中間部材290を前後方向に貫通するように形成されている。第2誘導樋292は、第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を中間部材290の前方から後方に誘導する。
誘導路293は、遊技領域31に設けられた4つの一般入賞口40のそれぞれに対応して形成されている。第1誘導樋291の左側方に三つの誘導路293が設けられ、第2誘導樋292の右側方に一つの誘導路293が設けられる。誘導路293は、前後方向に延設される遊技球転動路であって、中間部材290を前後方向に貫通するように形成されている。誘導路293は、一般入賞口40に入賞した遊技球を中間部材290の前方から後方に誘導する。
また、中間部材290は、磁気センサ23を取り付けるための取付孔294(図16参照)を三つ有している。取付孔294は中間部材290を前後方向に貫通する孔であって、三つの取付孔294は左右方向に所定間隔をあけて配列されている。磁気センサ23は、中間部材290の裏側から取付孔294に挿入され、当該中間部材290に固定される。中間部材290に固定された状態では、磁気センサ23の先端部分が当該中間部材290の前方に突出する。
LED基板261は、中間部材290の前面に固定される。このLED基板261には、前方に向かって光を照射する複数のLED261aと、中間部材290の第1誘導樋291、第2誘導樋292及び誘導路293を通過させる五つの開口261bと、磁気センサ23を通過させる三つの通過孔261cとが設けられている。
図16及び図18に示すように、装飾部材270は略矩形板状の透光性部材であって、装飾部材270の前面には文字装飾等の各種装飾が施されている。装飾部材270は、LED基板261を覆うように中間部材290に取り付けられる。下部装飾ユニット260が遊技機1に備えられた状態では、下部装飾ユニット260の装飾部材270はカバー部材120(図3及び図4参照)の後方に位置しており、装飾部材270の上側半分が透明のカバー部材120や遊技板32越しに視認可能となる。
装飾部材270は、中間部材290の第1誘導樋291を収容する樋収容部271と、第2誘導樋292を通過させる貫通孔272と、誘導路293を通過させる貫通孔273と、を備える。
樋収容部271は、装飾部材270の中央部分に形成されている。装飾部材270が中間部材290に設置された状態では、樋収容部271内に中間部材290の第1誘導樋291が収容される。樋収容部271の前側壁には、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球を当該樋収容部271内に受け入れる貫通孔271aが形成されている。
また、装飾部材270が中間部材290に設置された状態では、中間部材290の第2誘導樋292は貫通孔272を通じて装飾部材270の前方に突出し、中間部材290の各誘導路293は各貫通孔273を通じて装飾部材270の前方に突出する。
図16及び図18に示すように、上記した装飾部材270は、磁気センサ23を収容する磁気センサ収容部274と、電波センサ24を収容する電波センサ収容部276と、をさらに備えている。
電波センサ収容部276は、装飾部材270に左下部に設けられている。電波センサ24は、電波センサ収容部276内に取り付けられる。
磁気センサ収容部274は、中間部材290に固定される三つの磁気センサ23に対応して配置されている。三つの磁気センサ収容部274は、装飾部材270の前面上部であって、遊技板32を介して遊技者から視認可能となる位置に設けられている。
図19(A)及び図19(B)に示すように、磁気センサ収容部274は、略円筒状に形成されており、磁気センサ23の先端部分が挿入される挿入孔274aを有している。したがって、装飾部材270が中間部材290に設置されると、中間部材290に固定された磁気センサ23の先端部分が装飾部材270の磁気センサ収容部274の挿入孔274a内に挿入される。磁気センサ収容部274内に収容された磁気センサ23は、当該磁気センサ23が配置された遊技領域31周辺の所定範囲内の磁気を検出する。
図16及び図18に示すように、装飾部材270の前面上部であって、遊技板32を介して遊技者から視認可能となる位置には、磁気センサ収容部274の外形と同一の外形を有するダミー収容部275が二つ設けられる。ダミー収容部275は、磁気センサ収容部274に収容された磁気センサ23の磁気検出範囲外(磁気検出範囲内でも良い)の位置に配置される。このようにダミー収容部275を装飾部材270に設けることで、磁気センサ23の個数を増やすことなく、磁気不正に対する抑止力を高めることが可能となる。
なお、装飾部材270には二つのダミー収容部275を形成したが、ダミー収容部275の個数は必要に応じて任意に定められる。
上記のように構成される下部装飾ユニット260では、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に入賞した遊技球は装飾部材270の前方から貫通孔271a及び第1誘導樋291を通じて中間部材290の後方に誘導され、第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球は装飾部材270の前方から第2誘導樋292を通じて中間部材290の後方に誘導される。また、各一般入賞口40に入賞した遊技球は、装飾部材270の前方から各誘導路293を通じて中間部材290の後方に誘導される。このように中間部材290の後方に誘導された遊技球は、流路構成部材280の前面側の各種流路に流入する。
図16及び図20に示すように、流路構成部材280は、中間部材290の裏面に固定され、中間部材290の裏面と流路構成部材280の前面との間に各種流路を形成する枠体である。
流路構成部材280は、第1誘導樋291から流入してきた遊技球を下方に導く始動入賞口流路281と、第2誘導樋292から流入してきた遊技球を下方に導く第1大入賞口流路282と、左側の三つの誘導路293から流入してきた遊技球を下方に導く一般入賞口流路283と、右側の一つの誘導路293から流入してきた遊技球を下方に導く一般入賞口流路284と、第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を下方に導く第2大入賞口流路285と、これら流路281〜285から流下してきた遊技球が合流する合流路286と、を備える。
始動入賞口流路281は、流路構成部材280の前面中央部に形成される。始動入賞口流路281の上流部は第1誘導樋291に連通し、始動入賞口流路281の下流部は合流路286に連通する。第1誘導樋291から流入してきた遊技球は、始動入賞口流路281を流下して合流路286に導かれる。
第1大入賞口流路282は、始動入賞口流路281の右側方の流路構成部材280に形成される。第1大入賞口流路282の上流部は第2誘導樋292に連通し、第1大入賞口流路282の下流部は合流路286に連通する。第2誘導樋292から流入してきた遊技球は、第1大入賞口流路282を流下して合流路286に導かれる。
一般入賞口流路283は、始動入賞口流路281の左側方の流路構成部材280に形成される。一般入賞口流路283の上流部は三つの流路に分岐しており、これら三つの流路が三つの誘導路293のそれぞれに連通している。一般入賞口流路283の下流部は、上流部の三つの流路が集合する一つの流路であって、合流路286に連通する。左側の三つの誘導路293から流入してきた遊技球は、一般入賞口流路283を流下して合流路286に導かれる。一般入賞口流路283の出口部には、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出する入賞口スイッチ604aが設けられている。
一般入賞口流路284は、第1大入賞口流路282の右側方の流路構成部材280に形成される。一般入賞口流路284の上流部は右側の誘導路293に連通し、一般入賞口流路284の下流部は合流路286に連通する。右側の誘導路293から流入してきた遊技球は、一般入賞口流路284を流下して合流路286に導かれる。一般入賞口流路284の出口部には、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出する入賞口スイッチ604bが設けられている。
第2大入賞口流路285は、一般入賞口流路283の左側方の流路構成部材280に形成される。第2大入賞口流路285の上流部は第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を流下させる入賞球流路44(図6及び図21参照)の下流端に連通し、第2大入賞口流路285の下流部は合流路286に連通する。入賞球流路44から流入してきた遊技球は、第2大入賞口流路285を流下して合流路286に導かれる。
合流路286は、流路構成部材280の前面下部に設けられ、流入してきた遊技球を遊技機1の前方に転動させるように形成されている。合流路286を転動した遊技球は、ユニットベース部材210に形成される開口217を介して前面枠5の球回収口5c(図2参照)に導かれ、図示しない誘導路を通って遊技機1の外部に導かれる。
なお、図20に示すように、流路構成部材280は、磁気センサ23等の各種センサの電気配線を外側に導出するための配線用開口287を有している。
上記した下部装飾ユニット260では、磁気センサ23を中間部材290に固定し、磁気センサ23を収容する磁気センサ収容部274を装飾部材270に設けるようにしたが、磁気センサ23を装飾部材270と遊技板32との間に配設してもよい。また、電波センサ24を、装飾部材270の電波センサ収容部276に配設するのではなく、装飾部材270と遊技板32との間に配設してもよい。
〔上部装飾ユニット〕
次に、図8及び図21を参照して、上部装飾ユニット240について説明する。図21は、上部装飾ユニット240の分解斜視図である。
次に、図8及び図21を参照して、上部装飾ユニット240について説明する。図21は、上部装飾ユニット240の分解斜視図である。
図8及び図21に示すように、上部装飾ユニット240は、奥側演出装置300の前方に配置された状態で、ユニットベース部材210の上部収容空間214内に収容される。
上部装飾ユニット240は、変動表示装置35の表示部35aの左側縁に沿って上下方向に延在する左装飾部241と、表示部35aの右側縁に沿って上下方向に延在する右装飾部242と、表示部35aの上側縁に沿って左右方向に延在する上装飾部243と、を備える。上部装飾ユニット240は、正面視で略コ字状に構成されている。
図21に示すように、左装飾部241は、普図始動ゲート36を含む左側の遊技領域31の後方に配置される(図3参照)。左装飾部241の裏面には、第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を流下させる入賞球流路44が取り付けられる。
入賞球流路44は、第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を左右方向に誘導する上流側流路44aと、上流側流路44aに連接され遊技球を下方に誘導する下流側流路44bと、から構成される。
入賞球流路44の下流側流路44bが左装飾部241の裏面に固定され、下流側流路44bの上部に連接される上流側流路44aは左装飾部241の切欠部241aを通って左装飾部241の右側方に延設される。上流側流路44aは上装飾部243の下面に沿って配設され、上流側流路44aの上流端はセンターケース(前面構成部材)34に設けられる入賞球流路44に接続され、第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に入賞した遊技球が流入する。また、入賞球流路44の下流側流路44bの下流端は、前述した下部装飾ユニット260の第2大入賞口流路285(図20参照)の上流部に接続される。
普図始動ゲート36の後方に位置する左装飾部241には、磁気センサ23を収容するための磁気センサ収容部241bが形成されている。この磁気センサ収容部241bに収容された磁気センサ23によって、普図始動ゲート36周辺(図31参照)の磁気が検出される。これに対して、第2特別変動入賞装置42の大入賞口ソレノイド28b(図32参照)が配設される位置近傍の上装飾部243には、磁気センサ収容部241bと同外形を有するダミー収容部243bが設けられている。ダミー収容部243bは、磁気センサ収容部241bに収容された磁気センサ23の磁気検出範囲外(磁気検出範囲内でも良い)の位置に配置される。大入賞口ソレノイド28bの周辺に磁気センサを配置すると、ソレノイド駆動時の磁力を磁気センサが検出してしまい、磁気不正の判断を誤ってしまう可能性がある。そのため、大入賞口ソレノイド28bの近傍には、磁気センサを収容する磁気センサ収容部ではなく、ダミー収容部243bを配設し、第2特別変動入賞装置42に対する磁気不正を抑止している。なお、大入賞口ソレノイド28bの近傍に、当該大入賞口ソレノイド28bからの磁力を検出しない程度に検出精度を低下させた磁気センサを配置してもよい。
左装飾部241、右装飾部242、及び上装飾部243は透光性部材であって、これら装飾部241,242,243の裏面には一枚のLED基板244が固定される。LED基板244の前面には、左装飾部241、右装飾部242、及び上装飾部243に対して光を照射するLED244aが複数設けられている。
また、上装飾部243の前面には上部演出装置400を取り付けるための取付凹部243aが形成されており、右装飾部242の前面には右部演出装置500を取り付けるための取付凹部242aが形成されている。
上部演出装置400が上装飾部243の取付凹部243aに設置された状態では、当該上部演出装置400は、センターケース34の開口部(表示窓部)34a内であって、変動表示装置35の表示部35aの上方に位置している(図3参照)。また、右部演出装置500が右装飾部242の取付凹部242aに設置された状態では、当該右部演出装置500は、センターケース34の開口部(表示窓部)34a内であって、変動表示装置35の表示部35aの右側方に位置している(図3参照)。
〔上部演出装置〕
次に、図21〜図25Bを参照して、上部演出装置400について説明する。
次に、図21〜図25Bを参照して、上部演出装置400について説明する。
図22は、上部演出装置400の分解斜視図である。図23は、上部演出装置400の可動表示ユニット450を構成する導光板470の斜視図である。図24は、上部演出装置400の横断面図である。図25Aは、上部演出装置400の可動表示ユニット450及び駆動機構440の斜視図である。図25Bは、固定ベース420を取り外した状態における上部演出装置400の裏面図である。
図21及び図22に示すように、上部演出装置400は、上装飾部243の取付凹部243aに固定される上部固定ユニット410と、上部固定ユニット410の前面に上下動可能に配設される可動表示ユニット450と、から構成されている。
図22〜図24に示すように、可動表示ユニット450は、各種部材が取り付けられる取付ベース460と、取付ベース460の前方に配設される導光板470と、導光板470の前方に配設されるサブ表示装置としての表示器480と、各種部材の周囲を取り囲むように取付ベース460に取り付けられるカバー部材490と、を備える。
取付ベース460は平板状の部材であり、取付ベース460の前面の上部及び下部には前方に立設する壁部461が形成されている。上下一対の壁部461は、左右方向に延設されるともに、上側の壁部461の下面と下側の壁部461の上面とが対向するように配置される。上側の壁部461の下面には導光板470の上部が係合可能な係合溝461aが左右方向に亘って形成されており、下側の壁部461の上面には導光板470の下端が係合可能な係合溝461aが左右方向に亘って形成されている。導光板470は、これら係合溝461aに係合することで、上下の壁部461によって支持される。
導光板470は透光性を有する板部材であって、導光板470の内部には「大チャンスざます!!」という文字をかたどったパターン溝が形成されている。導光板470は、当該導光板470の左右側方に配置されるLED基板462のLED462aからの光を受けた時に、パターン溝が発光表示されるように構成されている。
二つのLED基板462は、取付ベース460の前面に左右方向に離間して配置される。取付ベース460には左右一対の基板支持部463が形成されており、これら左右の基板支持部463にLED基板462がそれぞれ取り付けられる。左側の基板支持部463に支持されたLED基板462のLED462aは導光板470の左端面に光を照射するように右向きに配置され、右側の基板支持部463に支持されたLED基板462のLED462aは導光板470の右端面に光を照射するように左向きに配置される。
左側のLED基板462には四つのLED462aが上下一列に並んで配置されており、右側のLED基板462には三つのLED462aが上下一列に並んで配置されている。左側のLED基板462の各LED462aと、右側のLED基板462の各LED462aとは、上下方向の位置が異なるように上下にずらして配置されている。このようなLED配置とすることで、導光板470を全体的に均一に照らすことが可能となる。
図22及び図24に示すように、表示器480は、矩形状のELディスプレイであって、非表示状態時には後方に配置された導光板470が視認可能な透過型表示装置である。表示器480は、カバー部材490内に取り付けられる。表示器480が配設されたカバー部材490を取付ベース460に取り付けることで、表示器480は導光板470の前方に位置するようになっている。
カバー部材490は透光性を有する枠部材であり、カバー部材490の前面には表示器480を視認可能とする窓部491が開口形成されている。
図22、図24及び図25Aを参照して、上部演出装置400の上部固定ユニット410について説明する。
図22、図24及び図25Aに示すように、上部固定ユニット410は、固定ベース420と、固定ベース420の前面に取り付けられる装飾カバー部材430と、固定ベース420と装飾カバー部材430との間の収容空間に配設され可動表示ユニット450を駆動する駆動機構440と、を備える。
固定ベース420は、平板状の部材であって、上装飾部243の取付凹部243aに固定される。固定ベース420の前面には、駆動機構440の駆動モータ441を取り付けるための取付部421が形成されている。
装飾カバー部材430は、駆動機構440を取り囲むカバー部材であって、固定ベース420に固定される。装飾カバー部材430の前面には「陸」、「海」、「空」の文字装飾が施されており、三つの文字装飾は左右方向に一列に並設されている。これら文字装飾は、可動表示ユニット450が上部固定ユニット410の前方に位置している場合には可動表示ユニット450により隠蔽されて視認不能な状態となり、可動表示ユニット450が下降した場合には視認可能な状態となる。
駆動機構440は、駆動源としての駆動モータ441と、駆動モータ441の出力軸に固定される円板状のカムリンク442と、カムリンク442と連係するスライダー443と、を備える。
スライダー443は、左右方向に延在する平板状の部材である。スライダー443は、当該スライダー443を前後方向に貫通するとともに、左右方向に延設される長孔443aを有している。スライダー443の長孔443aには、カムリンク442のリンクピン442aが摺動自在に挿入される。リンクピン442aは、カムリンク442の回転中心からオフセットされた位置において、当該カムリンク442の前面に固定されている。
スライダー443の左右両端部には前方に向かって突出する連結ピン443bが設けられており、装飾カバー部材430にはスライダー443の連結ピン443bを前後方向に通過させるガイド溝431が形成されている。二つのガイド溝431は、上下方向に対して僅かに傾いて延設されており、左右方向に離間した状態で平行に配置されている。スライダー443を装飾カバー部材430に配設した状態では、スライダー443の連結ピン443bはガイド溝431を通じて装飾カバー部材430の前方に突出する。連結ピン443bの突出部分には、可動表示ユニット450の取付ベース460が固定される。このように可動表示ユニット450はスライダー443の連結ピン443bを介して支持されている。
なお、二つのガイド溝431の間における装飾カバー部材430には、スライダー443の前面に突設されたガイドピン464(図25A及び図25B参照)が摺動自在に挿入される中央ガイド溝432が設けられる。中央ガイド溝432は、ガイド溝431と平行に形成されている。
図25Bに示すように、上部演出装置400による演出が実行されていない場合には、駆動機構440の駆動モータ441は停止しており、カムリンク442のリンクピン442aは最上位置に位置している。この時、スライダー443の連結ピン443bによって支持されている可動表示ユニット450は、上部固定ユニット410の前方位置(初期位置)で停止している。可動表示ユニット450が初期位置で停止している場合には、上部固定ユニット410の装飾カバー部材430の文字装飾は視認不能な状態となる。
遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動機構440の駆動モータ441が正転駆動され、カムリンク442のリンクピン442aが図25Bにおいて時計回り方向に旋回する。リンクピン442aが旋回してスライダー443の長孔443aを摺動しながら最上位置から下降すると、リンクピン442aの位置に応じてスライダー443も下降する。これにより、スライダー443の連結ピン443bによって支持されている可動表示ユニット450が上部固定ユニット410に対して下降する。この時、可動表示ユニット450の取付ベース460のガイドピン464は、装飾カバー部材430の中央ガイド溝432に沿って下方に移動する。
リンクピン442aが最上位置から最下位置まで旋回すると、可動表示ユニット450が初期位置から下限位置まで下降し、上部固定ユニット410の装飾カバー部材430の文字装飾が視認可能な状態となる。この後、リンクピン442aが最下位置から最上位置まで旋回するように駆動モータ441が正転駆動されると、可動表示ユニット450は初期位置まで上昇する。
なお、上部演出装置400はスライダー443の位置を検出する位置検出センサ(図示省略)を備えており、この位置検出センサに基づいて可動表示ユニット450が初期位置にあるか下限位置にあるかが判定される。また、上部演出装置400では、駆動モータ441の正転及び逆転を交互に繰り返すことで、可動表示ユニット450を上下に振動させる振動演出を実行することもできる。
〔右部演出装置〕
次に、図21、図26〜図28Bを参照して、右部演出装置500について説明する。
次に、図21、図26〜図28Bを参照して、右部演出装置500について説明する。
図26は、右部演出装置500の分解斜視図である。図27は、右部演出装置500の縦断面斜視図である。図28Aは、右部演出装置500の可動装飾ユニット550及び駆動機構540の斜視図である。図28Bは、固定ベース520を取り外した状態における右部演出装置500の裏面図である。
図21及び図26に示すように、右部演出装置500は、右装飾部242の取付凹部242aに固定される側部固定ユニット510と、側部固定ユニット510に対して左右方向にスライド移動可能に配設される可動装飾ユニット550と、から構成されている。
図26及び図27に示すように、可動装飾ユニット550は、側部固定ユニット510の前方に配設される取付ベース560と、取付ベース560の前面に固定される装飾部材570と、装飾部材570に対して回転可能に設けられる回転筒580と、装飾部材570の下部に取り付けられる一対の赤外線センサ(人感センサ)590と、を備える。
取付ベース560は平板状の部材であり、取付ベース560の前面には装飾部材570が取り付けられている。
装飾部材570は、箱状部材である。装飾部材570の中央部分には前後方向に貫通する開口部571が形成され、この開口部571内に位置するように回転筒580が配設される。回転筒580の上端は閉塞端として形成されており、回転筒580の下端は開口端として形成されている。
装飾部材570の上部には回転筒580を回転駆動する駆動モータ551を収容するモータ収容部572が形成されており、装飾部材570の下部には赤外線センサ590を収容するセンサ収容部573が形成されている。
駆動モータ551がモータ収容部572に収容された状態では、駆動モータ551の出力軸は下向きとなる。駆動モータ551の出力軸の下端には、回転筒580の閉塞端(上端)が固定される。
また、装飾部材570の開口部571には、回転筒580の開口端を通じて当該回転筒580内に挿入されるLED基板552が固定されている。このLED基板552の表面には、回転筒580を発光させるための複数のLED552aが設けられている。
赤外線センサは、遊技者の身体の一部等が検出範囲内に進入したことを検出する非接触式人感センサである。赤外線センサ590の検出範囲については、図111にて後述する。装飾部材570のセンサ収容部573には、二個の赤外線センサ590が左右方向に隣接して配設されている。
図26及び図27に示すように、側部固定ユニット510は、固定ベース520と、固定ベース520の前面に取り付けられる装飾カバー部材530と、固定ベース520と装飾カバー部材530との間の収容空間に配設され可動装飾ユニット550を駆動する駆動機構540と、を備える。
固定ベース520は、平板状の部材であって、右装飾部242の取付凹部242aに固定される。固定ベース520の前面には、駆動機構540の駆動モータ541を取り付けるための取付部521が形成されている。
装飾カバー部材530は、駆動機構540を取り囲むカバー部材であって、固定ベース520に固定される。装飾カバー部材530の前面には、「手をかざして廻せ」の文字装飾が施されている。この文字装飾は、可動装飾ユニット550が側部固定ユニット510の前方に位置している場合には可動装飾ユニット550により隠蔽されて視認不能な状態となり、可動装飾ユニット550が左方向にスライド移動した場合には視認可能な状態となる。
図26及び図28Aに示すように、駆動機構540は、駆動源としての駆動モータ541と、駆動モータ541の出力軸に固定される円板状のカムリンク542と、カムリンク542と連係するスライダー543と、を備える。
スライダー543は、上下方向に延在する平板状の部材である。スライダー543は、当該スライダー543を前後方向に貫通するとともに、上下方向に延設される長孔543aを有している。スライダー543の長孔543aには、カムリンク542のリンクピン542aが摺動自在に挿入される。リンクピン542aは、カムリンク542の回転中心からオフセットされた位置において、当該カムリンク542の前面に固定されている。
スライダー543の上下両端部には前方に向かって突出するガイドピン543bが設けられており、装飾カバー部材530にはスライダー543のガイドピン543bが摺動自在に係合するガイド溝531が形成されている。二つのガイド溝531は、左右方向に延設されるとともに、上下方向に離間した状態で水平に配置されている。スライダー543は、ガイドピン543bがガイド溝531に沿って摺動することで、左右方向にスライド移動する。
また、可動装飾ユニット550の取付ベース560の裏面にはスライダー543に連結される上下一対の連結ボス561(図28A参照)が形成されており、これら連結ボス561を介して、取付ベース560を含む可動装飾ユニット550がスライダー543に固定される。装飾カバー部材530には、取付ベース560の連結ボス561を前後方向に通過させるガイド溝532が形成されている。二つのガイド溝532は、左右方向に延設されており、二つのガイド溝531の内側において上下方向に離間した状態で水平に配置されている。可動装飾ユニット550は、連結ボス561がガイド溝532に沿って摺動することで、左右方向にスライド移動する。
図27に示すように、右部演出装置500による演出が実行されていない場合には、駆動機構540の駆動モータ541は停止しており、カムリンク542のリンクピン542aは最も右寄りの右限位置に位置している。この時、スライダー543によって支持されている可動装飾ユニット550は、側部固定ユニット510の前方位置(初期位置)で停止している。可動装飾ユニット550が初期位置で停止している場合には、側部固定ユニット510の装飾カバー部材530の文字装飾は視認不能な状態となる。
図28Bに示すように、遊技機1において遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、駆動機構540の駆動モータ541が正転駆動され、カムリンク542のリンクピン542aが図28Bにおいて時計回り方向に旋回する。リンクピン542aが旋回してスライダー543の長孔543aを摺動しながら右限位置から左方に移動すると、リンクピン542aの位置に応じてスライダー543も左方向に移動する。これにより、スライダー543に連結されている連結ボス561がガイド溝532に沿って移動し、可動装飾ユニット550が側部固定ユニット510に対して左方向にスライド移動する。
リンクピン542aが右限位置から左限位置まで旋回すると、可動装飾ユニット550が初期位置から左側方の左限位置までスライド移動し、側部固定ユニット510の装飾カバー部材530の文字装飾が視認可能な状態となる。この後、リンクピン542aが左限位置から右限位置まで旋回するように駆動モータ541が逆転駆動されると、可動装飾ユニット550は初期位置までスライド移動する。
右部演出装置500は、可動装飾ユニット550が左限位置に位置し、かつ赤外線センサ590が検出状態となった場合に、駆動モータ551によって回転筒580を回転させるように構成されている。この時、LED基板552のLED552aを用いた発光演出も行われる。
なお、右部演出装置500はスライダー543の位置を検出する位置検出センサ(図示省略)を備えており、この位置検出センサに基づいて可動装飾ユニット550が初期位置にあるか左限位置にあるかが判定される。また、右部演出装置500では、駆動モータ541の正転及び逆転を交互に繰り返すことで、可動装飾ユニット550を左右に振動させる振動演出を実行することもできる。
〔配線引き回し構造〕
以下、図29から図33を参照して、遊技板32に配設される電気部品(ここでは普図始動ゲート36及び第2特別変動入賞装置42)の配線引き回し構造について説明する。前述のように本発明の第1の実施の形態の遊技板32は後方を透視可能な透明部材である。このため、遊技盤30と後方のユニットベース部材210との間の装飾空間(すなわち、前述の上部収容空間214と下部収容空間215とからなる空間)に配設される演出装置ユニット200は、遊技者から視認されて装飾効果を生み出す立体装飾部材として機能する。また、遊技盤30に配設され、遊技板32の後方に引き回される電気部品の配線も遊技者から視認可能となるので、立体装飾部材の装飾を邪魔しない配線処理が望まれる。
以下、図29から図33を参照して、遊技板32に配設される電気部品(ここでは普図始動ゲート36及び第2特別変動入賞装置42)の配線引き回し構造について説明する。前述のように本発明の第1の実施の形態の遊技板32は後方を透視可能な透明部材である。このため、遊技盤30と後方のユニットベース部材210との間の装飾空間(すなわち、前述の上部収容空間214と下部収容空間215とからなる空間)に配設される演出装置ユニット200は、遊技者から視認されて装飾効果を生み出す立体装飾部材として機能する。また、遊技盤30に配設され、遊技板32の後方に引き回される電気部品の配線も遊技者から視認可能となるので、立体装飾部材の装飾を邪魔しない配線処理が望まれる。
図29は、本発明の第1の実施の形態の上部装飾ユニット240の斜視図である。図30は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤30を取り付けた状態の上部装飾ユニット240の左上拡大斜視図である。図31は、本発明の第1の実施の形態の図30における普図始動ゲート(ゲートスイッチ603が特定電気部品に相当)36の周辺拡大図である。図32は、本発明の第1の実施の形態の図30における大入賞口ソレノイド28b及び上カウントスイッチ606(通常電気部品に相当)の周辺拡大図である。図33は、本発明の第1の実施の形態の図30における普図始動ゲート36周辺部分の裏面斜視図である。
図29に示すように、正面視でメイン表示装置(変動表示装置)35の左右側部及び上部の周縁を略コ字状に装飾する上部装飾ユニット240は、左装飾部241と、右装飾部242と、上装飾部243とで構成される。なお、図29は前述した図21に含まれる図と同じであり、説明済みの構成については同じ符号を付して適宜説明を省略する。
右装飾部242の上方には、上装飾部243との繋ぎ部分にセンターケース34の振分装置90(図3参照)が配設されるので、振分装置90に設けられる各センサの配線を上部装飾ユニット240の裏面側に引き回すための配線用開口242bが設けられている。
上装飾部243の取付凹部243aには、上部演出装置400(図8参照)の配線を上部装飾ユニット240の裏面側に引き回すための配線用開口243cが設けられている。また、上装飾部243には、第2特別変動入賞装置42(図30参照)の後方に位置して上部前面装飾部材245が設けられる。そして、上部前面装飾部材245の前面には、第2特別変動入賞装置42の配線を上部装飾ユニット240の裏面側に引き回すための配線用開口245aが設けられている。
ここで、第2特別変動入賞装置42の配線引き回し構造について説明する。図30及び図32に示すように、遊技盤30を取り付けた状態では上部前面装飾部材245の前方には、遊技領域31に設けられる第2特別変動入賞装置42が配置される。第2特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド28bによって回動部42aが動作することで第2大入賞口に遊技球が入賞可能になる。第2大入賞口には入賞した遊技球を検出する上カウントスイッチ606が備えられている。第2大入賞口に入賞した遊技球は、入賞球流路44に導かれる。そして、図32及び図33に示すように、大入賞口ソレノイド28b及び上カウントスイッチ606の配線W2は、回動部42aの後方に位置する配線用開口245aから上部前面装飾部材245等の立体装飾部材の内部に形成される配線導出路(図示省略)を通って、ユニットベース部材210の裏面側の配線用開口212bから装飾空間の外に導出される。このように、上部前面装飾部材245は、配線W2が遊技板32の後方で露出しないように遮蔽するとともに装飾効果も有する遮蔽装飾部として機能し、さらに前面の配線用開口245aから配線W2を内部に引き入れて裏面側に引き出すための配線導出部としても機能する。
このように第2特別変動入賞装置42が遊技板32の中央寄り(上部装飾ユニット240の中央)に配置される場合は、第2特別変動入賞装置42の配線W2を、後方の立体装飾部材の内部に設けられる配線導出路を介して立体装飾部材の裏面側に引き回し、装飾空間の外に導出する。これにより、上部装飾ユニット240の前方に配線W2を通して端部まで引き回す構造に比べ、配線距離が短く効率のよい配線処理を行うことができるとともに、遊技板32後方の美観や視認性の低下を抑制することができる。このとき配線W2は、上部装飾ユニット240の上装飾部243に突出して設けられる上部前面装飾部材245から内部に引き入れられる。このように上部装飾ユニット240は、装飾空間に収納されるベースの上装飾部243(第2装飾部)の前方に突出して設けられ、遊技板32の裏面に近接もしくは当接する上部前面装飾部材245(第1装飾部)を備える。上装飾部243よりも遊技板32に近い上部前面装飾部材245に配線用開口245aが設けられ、配線用開口245aから配線W2が内部に引きこまれるので、遊技板32の後方における配線W2の露出量を減らすことができ、遊技板の後方の美観の低下を抑制することができる。
また、図29、図30及び図32に示すように、上部前面装飾部材245の上方には、不正行為を検出する磁気センサ23を収容しているかのように見せるダミー収容部243bが突設される。このようなダミー収容部243bは、あまり不正行為が発生しない場所や他の磁気を有する装置(例えば、第2特別変動入賞装置42)に反応してしまう場所に設けられる。遊技者には磁気センサ23の有無を判断することはできない。このようにダミー収容部243bを設けることで、遊技者に数多くの磁気センサ23が設置されていると思わせることができるので、不正行為を断念させる効果が得られる。
図29に示すように、左装飾部241の前面には、側部前面装飾部246が突設される。図30及び図31に示すように、側部前面装飾部246は、普図始動ゲート36の後方に位置し、遊技板32裏から装飾空間に出されるゲートスイッチ603の配線W1が前方を通るように配設される。具体的には、ゲートスイッチ603の配線W1は、ゲート部材36aのフランジ部36bの後方及び側部前面装飾部246の前方を通過しその端部に引き回される。その後、図33に示すように、配線W1は、ユニットベース部材210の側壁212に前後方向に形成される配線用開口212aから装飾空間の外部に導出され、配線用開口212aに沿って配線されてユニットベース部材210の裏面側に導出される。ユニットベース部材210は、配線W1を配線用開口212aに通して装飾空間の外に引き回す配線導出部としても機能する。
ここで、側部前面装飾部246は、配線W1と同系色になるよう配色される。これにより、側部前面装飾部246の前方を通る配線W1が目立たなくなるので、さらに遊技板32の後方の美観や側部前面装飾部246の視認性の低下を抑制することができる。なお、側部前面装飾部246に配線W1の引き回し方向(ここでは左右方向)と同じ方向への縞模様やカットを設けて、配線W1と同系色になってもならなくても同等の効果が得られるようにしてもよい。
このように普図始動ゲート36が遊技板32の端部寄り(装飾空間の端部)に配設される場合は、普図始動ゲート36の配線W1を、後方の上部装飾ユニット240の前を通って端部まで引き回し、側方に設けられる配線用開口212aに通して装飾空間の外に導出する。このとき上部装飾ユニット240の前面(遊技者が遊技板32を介して視認可能な領域)に配線導出部を形成する必要がないので、上部装飾ユニット240の装飾性の低下を防止することができる。
また、前述した第2特別変動入賞装置42の大入賞口ソレノイド28bの前方には、当該大入賞口ソレノイド28bを遮蔽する装飾板(遮蔽板)34e(図6参照)が設けられている。この装飾板34eにより、大入賞口ソレノイド28bが遊技者に直接視認可能となることを規制しており、第2特別変動入賞装置42周辺の美観が損なわれることを防止することができる。また、装飾板34eの後方を大入賞口ソレノイド28bの配線が通ってから配線用開口245aに導かれるため、装飾板34eによって大入賞口ソレノイド28bの配線が視認し難くなる。また、普図始動ゲート36のゲートスイッチ603は、ゲート部材36a(図31参照)により前面側が覆われた状態となっているため、当該ゲート部材36aがゲートスイッチ603を遮蔽する部材として機能する。これにより、ゲートスイッチ603が遊技者に直接視認可能となることを規制しており、普図始動ゲート36周辺の美観が損なわれることを防止することができる。さらに、ゲート部材36aに設けられたフランジ部36bの後方をゲートスイッチ603の配線が通過するので、フランジ部36bによってゲートスイッチ603の配線が視認し難くなる。
以上、本発明の第1の実施の形態では、遊技領域31(装飾空間)の端部に近い普図始動ゲート36(第2電気部品)の配線W1は、上部装飾ユニット240(立体装飾部材)の前方を通って、ユニットベース部材210の配線用開口212aに沿って引き回されることで装飾空間の外に導出される一方、遊技領域31の端部から遠い第2特別変動入賞装置42(第1電気部品)の配線W2は、上部装飾ユニット240の配線用開口245aから内部を通って装飾空間の外に導出される。そして、装飾空間の外(ユニットベース部材210の裏面側)に導出された配線W1、W2は、遊技制御装置600に接続される。このように、電気部品の配置に応じて配線の引き回し構造を適用するので効率のよい配線処理が可能である。
なお、図29〜図31に示すように、普図始動ゲート36近くの磁気センサ収容部241bは、その形状はダミー収容部243bと同じである。磁気センサ収容部241bは、不正行為を検出する磁気センサ23を実際に収容している。このように、遊技領域31に一見して区別がつかない磁気センサ収容部241b及びダミー収容部243bを設け、不正行為の発生割合が高い箇所に磁気センサ23を備えることで、効率よく不正行為の発見及び防止を行うことができる。なお、本発明の第1の実施の形態では、磁気センサ収容部241b及びダミー収容部243bは、それぞれ左装飾部241及び上装飾部243(すなわち上部装飾ユニット240)に配設されているが、遊技板32側に配設してもよい。
〔除電ユニット〕
次に、図34から図40を参照して、透明樹脂製の遊技板32に帯電した静電気を枠体(ここではガラス枠6)側に逃がす除電ユニット900について説明する。前述したように本発明の第1の実施の形態では、ガラス枠6の裏面に補強板金6b(図2参照)が設けられ、遊技盤30の右側部上方に除電ユニット900(図3及び図5参照)が設けられる。そして、ガラス枠6と前面枠5からなる枠体(開閉枠4)に遊技盤30が収納された状態において、除電ユニット900に設けられる金属の導電部材901をガラス枠6の補強板金6bに接触させることでアースする。以下、その仕組みを説明する。
次に、図34から図40を参照して、透明樹脂製の遊技板32に帯電した静電気を枠体(ここではガラス枠6)側に逃がす除電ユニット900について説明する。前述したように本発明の第1の実施の形態では、ガラス枠6の裏面に補強板金6b(図2参照)が設けられ、遊技盤30の右側部上方に除電ユニット900(図3及び図5参照)が設けられる。そして、ガラス枠6と前面枠5からなる枠体(開閉枠4)に遊技盤30が収納された状態において、除電ユニット900に設けられる金属の導電部材901をガラス枠6の補強板金6bに接触させることでアースする。以下、その仕組みを説明する。
図34は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤30に設けられた除電ユニット900の取付状態を示す斜視図である。図35は、本発明の第1の実施の形態の除電ユニット900の斜視分解図である。図36は、本発明の第1の実施の形態の除電ユニット900の裏面斜視図である。図37は、本発明の第1の実施の形態の図34における除電ユニット900を示す縦断面図である。図38及び図39は、本発明の第1の実施の形態の枠体(開閉枠4)に収納されるときの除電ユニット900の動作態様を示す縦断面図である。
図34〜図39に示すように、遊技盤30の右側部上方には、遊技板32前面の区画部材32bによって除電ユニット900を取り付ける取付部902が形成される。除電ユニット900は、前面に開口するねじ穴903を有し、取付部902に取り付けられた後、ねじ穴903にねじ904を通して遊技板32に止着される。取付部902の後方に位置する遊技板32及びユニットベース部材210のスペーサ部材213には、ねじ904による止着位置の下方にそれぞれ切欠部32f、213aが形成される。これら切欠部32f、213aは、遊技盤30が前面枠5に収納されるときに前面枠5に設けられる突出押圧部5d(図38参照)が挿通可能なように形成されている。
ここで、除電ユニット900は、収容空間形成部905及びレール導通部906を有するベース部材907と、ガラス枠6の補強板金6bに接触可能な導電部材901と、ガイドレール32aと接触可能な導通部材908と、を備える。なお、ガイドレール32aは遊技板32に直接取り付けられていても良いし、区画部材32bに取り付けられていても良い。要は、発射された遊技球や遊技板に帯電した静電気を集めることができれば遊技板32への取り付け方は任意に設定できる。
ベース部材907は後面が開口した箱形状であり、収容空間形成部905は、開口した後面から導電部材901を収容可能な収容空間905aを形成している。また、レール導通部906は、収容空間形成部905の側面に、遊技領域31を区画するガイドレール32aと接触可能に突出して設けられる。ここで、レール導通部906の後面にはL字型の導通部材908が取り付けられる。レール導通部906の端部には導通部材908及びガイドレール32aを差し込み可能な差込部906aが設けられており、図36に示すように差込部906aに差し込まれた導通部材908の接触部908aとガイドレール32aとが接触することでガイドレール32aを介して遊技盤30に帯電する静電気を除電ユニット900の導通部材908に流す。そして、導通部材908のもう一方の端部には、ねじ904によってベース部材907及び導電部材901と共に遊技板32に止着される被固定部908bが設けられており、ガイドレール32aから接触部908aを介して導通部材908に流れた静電気を被固定部908bを介して導電部材901に流す。
導電部材901の上端部には、前面で導通部材908の被固定部908bと接触し、後面で遊技板32と接触し、前述したようにベース部材907及び導通部材908とともにねじ904によって遊技板32に止着される被固定部901aが設けられる。また、被固定部901aの下方には、押圧受部901bが設けられる。図37に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられていない状態において、押圧受部901bは、遊技板32の切欠部32fに突出して臨む。また、図38に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられた状態において、押圧受部901bは、切欠部32fに挿通される前面枠5の突出押圧部5dにより前方に押し出される。そして、押圧受部901bの下方には、前下方に傾斜する平板部901cを介して接触部901dが設けられる。このとき平板部901cは、ベース部材907の後面に設けられる支持部907aの上面に沿って配設される。
図37に示すように導電部材901の接触部901dは、遊技盤30が前面枠5に取り付けられていない状態ではベース部材907の収容空間905a内に収まっている状態(埋没状態)を維持する。これに対し、図38に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられた状態では、前面枠5の突出押圧部5dによる押圧受部901bの前方への押し出しに伴って導電部材901の接触部901dも前方に押し出される。そして、押圧受部901bが切欠部32fから完全に押し出されると、接触部901dは、ベース部材907(収容空間形成部905)の前面に開口して設けられる露出開口907bから外部(遊技盤30の外)に突出する突出状態に変化する。
このように導電部材901は、押圧受部901bが前方向への力を受けることで弾性変形する板ばねとして機能する。そして、図39に示すように遊技盤30が前面枠5に取り付けられて接触部901dが埋没状態から突出状態に変換した状態でガラス枠6が閉じられると、接触部901dにガラス枠6裏面に設けられる補強板金6bの導通部6cが接触する。これにより導電部材901は遊技盤30の静電気を導通部6cを介してガラス枠6に逃がして除去することができる。
このとき接触部901dの下方であって導電部材901の下端には、接触部901dの前方への突出を規制するストッパ部901eが設けられており、ストッパ部901eがベース部材907の露出開口907bの下枠を形成する動作規制部907cに係止されることで、接触部901dの突出状態が安定する。
本発明の第1の実施の形態の除電ユニット900は、遊技盤30が前面枠5に収納されない状態、すなわち遊技盤30が運搬されたり着脱されたりする状況では、導電部材901はベース部材907(収容空間905a)から露出しない埋没状態を維持するので、導電部材901によって作業者が怪我することを防止することができる。一方、遊技盤30が前面枠5に収納されている状態では、導電部材901は前面枠5の突出押圧部5dによって埋没状態からベース部材907の外に突出する突出状態に変換される。そして、導電部材901が突出状態のときガラス枠6を閉じると、補強板金6bの導通部6cは接触部901dと接触して遊技盤30に帯電した静電気を除去するアース部材として機能する。
このように本発明の除電ユニット900は、樹脂製の遊技板32に帯電した静電気を枠体側(ここではガラス枠6)に逃がすことで確実に除去することができる。また、遊技盤30の収納状況に応じて導電部材901の姿勢状態が変換されるので、安全な運搬作業及び着脱作業を提供することができる。また、導電部材901の状態変換作業やアース部材との接触作業は、遊技盤30を前面枠5及びガラス枠6からなる収納枠体に収納する作業に伴い完了するので、特別な除電作業が不要である。そして、遊技盤30の収容作業効率が下がることもなく、効率よい除電を提供できる。
そして、遊技板32に設けられ、遊技領域31を区画するガイドレール32aは遊技板32に帯電した静電気を集める帯電部材として機能し、ガイドレール32aと遊技盤30の端部に設けられる除電ユニット900の導電部材901とは、導通部材908を介して導通する。帯電し易い遊技板32に静電気を集める帯電部材を設けることで集電効率が向上し、効率よく遊技板32に帯電した静電気を除去することができる。
なお、導通部材908の接触部908aと接触する遊技盤30の帯電部材は、ガイドレール32aに限らない。遊技盤30に設けられ、導電性の高い部材であれば装飾用のメッキパーツでもよい。遊技領域31に臨むように遊技板32に取り付けられる装飾部材を帯電部材として機能させるためには、装飾部材に金属膜を付着すればよいので、遊技領域31(遊技板32の後方)の美観を損ねることなく、遊技領域31に臨む帯電部材を配設することができる。
また、除電ユニット900のベース部材907は、遊技板32の前方に設けられている区画部材32bと遊技板32とに挟持された状態でねじ904によって遊技板32に止着される。これにより、導電部材901を支持するベース部材907の遊技板32への止着状態が強固なものになり安定する。
ここで、除電ユニット900を遊技板32に止着する止着部材として導電性の高いねじ904を用いる。このときベース部材907だけでなく、導電部材901も一緒に遊技板32に止着される。よって、遊技板32に帯電した静電気は止着部材を介して導電部材901に導かれるので、除電効率が向上する。
なお、本発明の第1の実施の形態では、ガラス枠6を閉じたときに除電ユニット900の導電部材901が枠体(開閉枠4)の外枠側(ガラス枠6)に接地される構成としたが、内枠側(前面枠5)に接地される構成にしてもよい。
(変形例)
図40は、本発明の第1の実施の形態の変形例の除電ユニットを示す図である。図40(A)は斜視図であり、図40(B)は枠体に取り付けられた状態における縦断面図である。
図40は、本発明の第1の実施の形態の変形例の除電ユニットを示す図である。図40(A)は斜視図であり、図40(B)は枠体に取り付けられた状態における縦断面図である。
変形例では、図40(A)及び図40(B)に示すように、ベース部材907の露出開口907bの左右枠に沿って前方に保護壁907dが突設される。保護壁907dは、導電部材901の接触部901dが突出状態であるときに接触部901dを左右側方から被覆可能に設けられ、このときガラス枠6の補強板金6bの導通部6cは保護壁907dの間で接触部901dに接触する。
これにより、薄板である導電部材901の接触部901dの側部エッジを破損や変形から保護することができる。
以上、本実施形態における遊技機1の構造について説明した。続いて、本実施形態における遊技機1の制御について説明する。まず、本実施形態における遊技の仕様について説明する。
〔遊技機仕様〕
図41は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の仕様を説明する図である。(A)は変動表示ゲームの仕様、(B)は特図変動表示ゲームが特別結果となった場合の各大当り状態(特別遊技状態)の発生割合、(C)は抽選ゲート(変動部、第1通過ゲート部34g)に遊技球が通過した場合の大当り状態のラウンド数の選択確率を含むラウンド振分テーブル1、(D)は固定ゲート(固定部、第2通過ゲート部34h)に遊技球が通過した場合の大当り状態のラウンド数を含むラウンド振分テーブル2を示している。
図41は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の仕様を説明する図である。(A)は変動表示ゲームの仕様、(B)は特図変動表示ゲームが特別結果となった場合の各大当り状態(特別遊技状態)の発生割合、(C)は抽選ゲート(変動部、第1通過ゲート部34g)に遊技球が通過した場合の大当り状態のラウンド数の選択確率を含むラウンド振分テーブル1、(D)は固定ゲート(固定部、第2通過ゲート部34h)に遊技球が通過した場合の大当り状態のラウンド数を含むラウンド振分テーブル2を示している。
(A)を参照すると、本実施形態における遊技機では、低確率状態では、大当り確率が1/300、高確率状態(確変状態)では大当り確率が1/50に設定されている。
また、特図変動表示ゲームで大当りが発生すると、65/100の確率で確変状態に移行する。具体的には、(B)に示すように、第1特別結果確変大当り、第2特別結果通常大当り、第2特別結果確変大当りの3種類が発生し、それぞれ、5/100、35/100、60/100の確率で選択される。
大当り状態におけるラウンド数は、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド、16ラウンドが選択可能となっている。第1特別結果確変大当りでは、常に16ラウンドが選択される。一方、第2特別結果通常大当り及び第2特別結果確変大当りの場合には、5ラウンド、10ラウンド又は15ラウンドのいずれかが選択される。
具体的には、前述のように、振分装置90の抽選ゲートを遊技球が通過した場合には、(C)に示すように、50/100の確率で5ラウンド又は15ラウンドが選択される。一方、固定ゲートに遊技球が通過した場合には、(D)に示すように、必ず10ラウンドが選択される。
最後に普図変動表示ゲームについて説明する。本実施形態では、普電サポート状態(電サポ状態、時短状態又は確変状態)でない場合(非電サポ状態)には、普図変動表示ゲームの当選確率が0/128に設定されており、必ず当選しないように設定されている。
一方、普電サポート状態の場合には、普図変動表示ゲームの当選確率が127/128に設定されており、ほぼ確実に当選するように設定されている。普図変動表示ゲームに当選すると、普通電動役物が1.5秒間開放され、さらに、この開放が3回繰り返される。また、複数の開放パターンを定義し、抽選によっていずれかの開放パターンで普通電動役物を開放させるようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機1では、普図変動表示ゲームの変動時間は、普電サポート状態であるか否かにかかわらず、1秒間となっている。非電サポ状態で普図変動表示ゲームの当選確率に0よりも大きい値が設定され、さらに変動時間が長く設定されている場合には、普図変動表示ゲームが終了するまでに時間を要するため、特別遊技状態の終了後にすぐに普電サポート状態に移行できないおそれがある。普図変動表示ゲームの当選確率を0に設定し、変動時間を一定にすることによって、特別遊技状態の終了後にすぐに普電サポート状態に移行させることが可能となる。
なお、非電サポ状態においても普図変動表示ゲームの当選確率が0よりも大きい値を設定してもよい。さらに、複数の開放パターンを設定するようにしてもよい。例えば、通常の普電ショート開放の他に、所定の確率で普通電動役物を比較的長い時間開放させる普電ロング開放を含めるようにしてもよい。普電ロング開放中には、特別な演出を実行するようにしてもよい。
なお、本実施形態の遊技機1では、2つの始動入賞口が備えられているが、いずれの始動入賞口に入賞しても第1特別結果確変大当り、第2特別結果通常大当り、第2特別結果確変大当りの振り分けは同じであるが、例えば、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、第1特別結果確変大当りに振り分けられる確率を高くするなど、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合のほうが有利となるように設定してもよい。
続いて、本発明の第1の実施の形態の遊技機における状態遷移について説明する。図42は、本発明の第1の実施の形態の遊技機における状態の遷移を説明する図である。
まず、通常状態において、始動入賞口に遊技球が入賞すると、変動表示ゲームが開始される。変動表示ゲームがはずれの場合には、通常状態に戻る。
変動表示ゲームの結果が第1特別結果の場合には、図41にて説明したように、16ラウンド大当りとなる。このとき、センターケース34の上部に配設された第2特別変動入賞装置42が開放される。
一方、変動表示ゲームの結果が第2特別結果となった場合には、遊技者は振分装置90に向かって遊技球を発射し、抽選ゲート(第1通過ゲート部34g)又は固定ゲート(第2通過ゲート部34h)に当該遊技球を通過させる。
前述のように、遊技者が抽選ゲート(第1通過ゲート部34g)を選択して遊技球を通過させた場合には、抽選で5ラウンド又は15ラウンドが選択される。一方、固定ゲート(第2通過ゲート部34h)が選択された場合には、必ず、10ラウンドが選択されるようになっている。
本実施形態では、5ラウンドが選択される確率と、15ラウンドが選択される確率はそれぞれ50/100に設定されているが、抽選ゲート(第1通過ゲート部34g)を選択した場合に選択されるラウンド数の期待値が10ラウンドになるように設定されていれば、別のラウンド数を設定するようにしてもよい。例えば、4ラウンドと16ラウンドが50/100の確率で選択されるようにしてもよいし、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンドが等確率で選択されるようにしてもよい。
したがって、遊技者は、確実に10ラウンド分の賞球が得られるように固定ゲートを選択してもよいし、より多くの賞球を取得可能な抽選ゲートを選択してもよく、好みによって選択することができる。
また、変動表示ゲームの結果が第2特別結果となった場合には、特別遊技状態が開始されると、遊技盤30の右下方に配設されたアタッカ形式の第1特別変動入賞装置41が選択されたラウンド数分だけ開放される。
〔遊技制御装置/演出制御装置〕
次に、図43及び図44を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
次に、図43及び図44を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図43は、遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図44は、遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図43に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621(621a、621b)及び入力ポート622(622a、622b)、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621aには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及び下カウントスイッチ605a〜605mが接続される。また、近接I/F621bには、上カウントスイッチ606、第1通過検出センサ607a及び第2通過検出センサ607bが接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
第1通過検出センサ607aは、振分装置90に備えられた第1通過ゲート部34gを遊技球が通過したことを検出する。同様に、第2通過検出センサ607bは、第2通過ゲート部34hを遊技球が通過したことを検出する。
近接I/F621は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F621は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F621aと近接I/F621bの二つの近接I/Fを設けている理由は、近接I/F621aの入力端子数が限られているためである。近接I/F621bは不足する入力端子数に応じて近接I/F621aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしてもよい。なお、近接I/F621aとして必要な入力端子数を備えるものを用いることによって、近接I/F621bを設けないようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、電波センサ24の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート622aに入力される。また、入力ポート622aには、遊技機1の前面枠5等に設けられた不正検出用の磁気センサ23の検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ24は、入賞口スイッチ604などを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート622aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、入力ポート622bへの出力は、遊技制御装置600から中継基板650を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F621の出力のうち第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622bの他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに直接遊技用マイコン611へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602からの負論理の信号を直接遊技用マイコン611へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート622aには、磁気センサ23からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート622bが保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート622aや後述の入力ポート623も同様である。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、普図表示部(普図表示器)53、特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、高確率表示部、時短状態表示部、ラウンド数表示部59が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。遊技制御装置600から演出制御装置700には、シリアル通信でデータが送信される。
演出制御装置700には、出力部630のバッファ632aを介してサブコマンドが入力される。バッファ632aを有することによって、演出制御装置700の側から遊技制御装置600に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631b及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図3参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置42の回動部42a(図3参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材38aを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631bとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、及び上カウントスイッチ606からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス680を介して遊技用マイコン611に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部630を介さずに直接中継基板650に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板650のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板650を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各ポート622、623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各ポートから遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
図44に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17又は選択ボタン29(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752n、人感センサ(赤外線センサ)590のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750が設けられている。さらに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカ10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図45は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図46は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
まず、メイン処理について説明する。図45は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図46は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、入力ポート623の状態を読み込み(ステップA1004)、割込み処理のモードを設定する(ステップA1005)。
次に、遊技制御装置600は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))640や演出制御装置700)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(ステップA1006)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640や演出制御装置700の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。したがって、遊技制御装置600が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置600)の起動を遅らせて従属制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなしている。
なお、入力ポート623には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート623の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置600は、停電を監視する処理を実行する(ステップA1007〜ステップA1011)。遊技制御装置600は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(ステップA1007)。停電監視信号のチェックは、電源装置800から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1008)。そして、ステップA1007の処理で設定したチェック回数分だけステップA1008の判定を繰り返す(ステップA1009)。
遊技制御装置600は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(ステップA1009の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。すなわち、遊技制御装置600が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなしている。これにより、遊技制御装置600の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンでない場合(ステップA1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップA1010)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(ステップA1011)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(ステップA1011の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、ステップA1007の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(ステップA1011の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1012)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1013)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1014)。本実施形態では、遊技制御装置600は、演出制御装置700との間でシリアル通信を行っている。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1015)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1015の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1016、ステップA1017)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1016の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、ステップA1017の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1016、ステップA1017の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1018)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1019)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1016又はステップA1017の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1018の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1019の結果が「N」)、図46のステップA1040からステップA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1019の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップA1020)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1021)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1021の結果が「N」)、ステップA1024以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1021の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1022)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率表示部のLEDをオン(点灯)に設定する(ステップA1023)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1024)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1041)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1042)。さらに、電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1025以降の処理を実行する。
なお、ステップA1024で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1043で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置600は、ステップA1024又はステップA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1025)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1026)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。このとき、乱数生成回路が正常に動作するかのチェックを行うようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1027)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1028)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1029)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、ステップA1029の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1029からステップA1031までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1029)の前に割り込みを許可(ステップA1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1032の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1032の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1033〜ステップA1039)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1033)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1036)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1037)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1038)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1039)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図47は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図47は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606、第1通過検出センサ607a、第2通過検出センサ607bなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置640に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。例えば、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜m、上カウントスイッチ606が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
次に、遊技制御装置600は、特別遊技状態における大当りラウンド数を決定するための振分装置90の動作を制御する振分状態処理を実行する。なお、振分状態処理の詳細については、図48にて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図49にて後述する。また、特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1110)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1111)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサ23からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1112)。さらに、電波センサ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する電波不正監視処理を実行する(ステップA1113)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1114)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1115)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1116)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1117)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔振分状態更新処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における振分状態更新処理(ステップA1108)の詳細について説明する。本処理では、センターケース右上部に配設された振分装置90に設けられた切換部93の振分状態を所定間隔(本実施形態では、5秒)で切り替えて、振分状態の情報を演出制御装置700にコマンド出力するための処理である。図48は、本発明の第1の実施の形態の振分状態更新処理の手順を示すフローチャートである。
次に、前述したタイマ割込み処理における振分状態更新処理(ステップA1108)の詳細について説明する。本処理では、センターケース右上部に配設された振分装置90に設けられた切換部93の振分状態を所定間隔(本実施形態では、5秒)で切り替えて、振分状態の情報を演出制御装置700にコマンド出力するための処理である。図48は、本発明の第1の実施の形態の振分状態更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、振分状態が初期化済みであるか否かを判定する(ステップA7001)。本実施形態では、振分部材(切換部93)の初期状態は、「変動側」となっている。遊技制御装置600は、振分状態が初期化済みの場合には(ステップA7001の結果が「Y」)、ステップA7007以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、振分状態が初期化済みでない場合には(ステップA7001の結果が「N」)、振分状態の初期化処理を実行する(ステップA7002)。そして、初期化が完了したか否かを判定する(ステップA7003)。初期化が完了しない場合には(ステップA7003の結果が「N」)、振分部材(切換部93)の振分状態の初期化が完了するまでA7004以降の処理を待機させるために、振分状態更新処理を終了する。
遊技制御装置600は、切換部93の初期化が完了した場合には(ステップA7003の結果が「Y」)、初期の振分状態に応じた振分状態コマンドを準備し(ステップA7004)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7005)。さらに、振分状態を切り替えるタイミングを設定する切替タイマをセットする(ステップA7006)。なお、本実施形態では、切替タイマに設定する時間は5秒となっている。
続いて、遊技制御装置600は、切替タイマが0でなければ、タイマを−1更新する(ステップA7007)。そして、切替タイマが0になったか否かを判定する(ステップA7008)。切替タイマが0になった場合には(ステップA7008の結果が「Y」)、振分状態を切り替えるタイミングであるため、振分部材(切換部93)の状態変更をセットし(ステップA7014)、切替タイマを5秒に設定する(ステップA7015)。
一方、遊技制御装置600は、切替タイマが0になっていない場合には(ステップA7008の結果が「N」)、振分状態の変更中であるか否かを判定する(ステップA7009)。振分状態の変更中でない場合には(ステップA7009の結果が「N」)、振分状態の変更が完了しているため、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、振分状態の変更中である場合には(ステップA7009の結果が「Y」)、振分状態変更処理を実行する(ステップA7010)。そして、振分状態の変更が完了したか否かを判定する(ステップA7011)。振分状態の変更が完了していない場合には(ステップA7011の結果が「N」)、本処理を終了する。
遊技制御装置600は、振分状態の変更が完了した場合には(ステップA7011の結果が「Y」)、変更後の振分状態に応じた振分状態コマンドを準備し(ステップA7012)、コマンド設定処理を実行する(ステップA7013)。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1109)の詳細について説明する。図49は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1109)の詳細について説明する。図49は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1通過ゲート部(抽選ゲート)34g及び第2通過ゲート部(固定ゲート)34hの遊技球の通過の監視、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
遊技制御装置600は、まず、第1通過ゲート部34g及び第2通過ゲート部34hの遊技球の通過を監視する通過ゲートスイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。通過ゲートスイッチ監視処理では、通過したゲートに応じた大当りラウンドを決定するための乱数を抽出及び保存する処理である。通過ゲートスイッチ監視処理の詳細については、図50にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図51にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(ステップA1203)。大入賞口スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置42内に設けられた上カウントスイッチ606及び第1特別変動入賞装置41内に設けられた下カウントスイッチ605a〜605mによって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしていなければ、特図ゲーム処理タイマを−1更新する(ステップA1204)。そして、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1205)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1204の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。なお、変動表示ゲームが実行される場合にのみ変動制御タイマを更新することによって変動時間を計測するようにしてもよい。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA1205の結果が「N」)、ステップA1218以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(ステップA1205の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1206)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA1207)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1208)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1209)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA1209の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(ステップA1210)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図54にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA1209の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(ステップA1211)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。特図変動中処理の詳細については、図62にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA1209の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(ステップA1212)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。また、大当りラウンド決定処理を行うために必要な情報を設定する。特図表示中処理の詳細については、図64にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA1209の結果が「3」)、大当りラウンド決定処理を実行する(ステップA1213)。大当りラウンド決定処理は、第2特別結果大当り発生時に大当りラウンドを決定するための処理である。通過ゲートスイッチ監視処理で通過フラグ格納領域及びラウンド乱数格納領域に格納された値に基づいて、大当りラウンドを決定する。大当りラウンド決定処理の詳細については、図66にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA1209の結果が「4」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1214)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。ファンファーレ/インターバル中処理の詳細については、図66にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA1209の結果が「5」)、大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1215)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(ステップA1209の結果が「6」)、大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1216)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を「7」に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「7」の場合には(ステップA1209の結果が「7」)、大当り終了処理を実行する(ステップA1217)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図71