JP5848138B2 - 射出成形装置のノズルヒータ - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形装置のノズルヒータに関し、詳しくは、射出ノズルから射出される溶融樹脂を所定温度に加熱・保温するノズルヒータに関する。
ノズルヒータは、射出成形装置の射出ノズルの外周部に配設されて、該射出ノズルを加熱又は保温することによって、該射出ノズルの内部を通過し先端から射出される溶融樹脂を加熱又は保温するものである。
従来から、ノズルヒータとして、射出ノズルを同心状に取り囲む形態のバンドヒータが知られている。しかし、バンドヒータは、射出ノズルのサイズに対して比較的大きな容積を占めるため、射出ノズルを望み通りに並べて配置することが困難であり、その構造上、小型化が困難であるという問題があった。
この問題を解決するため、バンドヒータに替わって、カートリッジヒータを使用したノズルヒータが提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の技術は、「高強度の材料から形成された材料パイプを有する射出成形用のホットランナーノズル(射出ノズル)であって、金型あるいはマニホールドへ取り付けられ、溶融物のための少なくとも一つのフローダクトが内部に設けられており、その下端にノズル先端を有し、また材料パイプの周辺に取り付けられる溶融物のためのヒータ(ノズルヒータ)を有し、前記ヒータが高い熱伝導性を有する材料から形成された一体のブロックとして構成されており、材料パイプのための第1の受容チャネルと、直線状の加熱エレメント(カートリッジヒータ)のための少なくとも一つの別の受容チャネルとを有し、この別のチャネルが第1の受容チャネルとほぼ平行であるホットランナーノズル。」である。
即ち、特許文献1には、従来の射出ノズルを受容するチャネルと、カートリッジヒータを受容するチャネルとがほぼ平行であって、高い熱伝導性を有する材料から形成された一体のブロックであるノズルヒータが開示されている。
しかし、本発明者らの研究によれば、特許文献1に記載の技術では、いわゆる樹脂焼けが多く、場合によっては、不必要な高熱を溶融樹脂に与え分解を生じるおそれもあり、プラスチック成形品の機能や外観に悪影響を及ぼすという問題が生じることが判明した。
特開2002−225094
そこで、本発明の課題は、ノズルヒータの小型化を達成すると共に、樹脂焼けを防止し完成品であるプラスチック成形品の機能や外観を向上させることができるノズルヒータを提供することにある。
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.射出成形装置の射出ノズル近傍に配設され、該射出ノズルから射出される溶融樹脂を加熱又は保温するノズルヒータにおいて、
前記射出ノズルとは別体として構成されると共に、該射出ノズルに接触して取り付けられるノズルジャケットと、
前記射出ノズルを加熱又は保温する直線状のカートリッジヒータと、
前記カートリッジヒータを収容し、前記ノズルジャケットに接触して取り付けられるヒータケースとを有し、
前記ノズルジャケットと、前記カートリッジヒータと、前記ヒータケースとが、略平行に配設される構成であり、
前記ノズルジャケットと前記ヒータケースは、高い熱伝導性を有する材料から形成され、
前記ノズルジャケットと前記ヒータケースとの接触部分における、長手方向両端を除く中央部の全部又は一部に、伝熱抑制部を介在させ
該伝熱抑制部が、前記ヒータケースに空隙部を設けることによって構成され、
該伝熱抑制部が、前記ノズルジャケットとヒータケースとが接触する部分にのみ設けられ
更に、前記空隙部は、長手方向中央部が深く形成され、両端に向かって連続的又は段階的に浅く形成されていることを特徴とする射出成形装置のノズルヒータ。
隙部に、伝熱抑制部材が配設されていることを特徴とする前記1に記載の射出成形装置のノズルヒータ。
.伝熱抑制部が、複数に区切られていることを特徴とする前記1又は2に記載の射出成形装置のノズルヒータ。
前記1に示す発明によれば、溶融樹脂を加熱又は保温する熱源として、カートリッジヒータを採用することで小型化を達成することができる。更に、ノズルジャケットとヒータケースを別部材とし、長手方向両端を除く中央部の全部又は一部に伝熱抑制部を介在させたことによって、該中央部に熱が集中することを防ぎ射出ノズル内を均等な温度に保つことで樹脂焼けを防止し、完成品であるプラスチック成形品の機能や外観を向上させることができる。
また、伝熱抑制部を、ヒータケースのみに空隙部を設けることで形成することができ、これにより製造を容易にし、製造コストを抑えることができる。
ノズルジャケットへの伝熱は、主にヒータケースとの接点から行われるので、かかるノズルジャケットとヒータケースとの接触する部分にのみ伝熱抑制部を介在させればよく、これによって加工工程を簡略化でき、製造を容易にし、製造コストを抑えることができる。
採用するカートリッジヒータの特性によって、長手方向中央部が最も高温に発熱し、両端に向かって徐々に低温になる場合がある。この場合であっても、空隙部を、長手方向中央部が深く、両端に向かって連続的又は段階的に浅く形成することで、射出ノズルにおける中央部から両端部にかけての各部において均一な温度とすることができる。また、射出ノズルの両端が接する冷却された金型からの熱移動によって、射出ノズルの両端に近づくにつれて温度が下がるため、この影響をも考慮して、射出ノズルにおける温度の均一性を確保することができる。
前記に示す発明によれば、伝熱抑制部として伝熱抑制部材を採用し、伝熱抑制部材を形成する材料として適当な熱伝導率のものを採用することで、射出ノズルへの伝熱を効果的に抑制・調整することができる。
前記に示す発明によれば、伝熱抑制部を複数に区切ることによって、ノズルジャケットとヒータケースとの長手方向中央部の接触する面積を調整し、伝熱の加減を調整することで、射出ノズルへの伝熱を効果的に抑制・調整することができる。
ノズルヒータの実施例を表す斜視図 ノズルヒータの実施例を表す概略側面断面図 ノズルジャケットとヒータケースの断面形状を示す概略平面断面図 ノズルジャケットとヒータケースとの取り付け手段を表す概略側面断面図 2以上のカートリッジヒータを備える実施例を表す概略平面断面図 ノズルヒータの他の実施例を表す概略側面断面図 ノズルヒータの他の実施例を表す概略側面断面図 伝熱抑制部の形態を表す概略側面断面図 伝熱抑制部が複数に区切られた実施例を表す概略側面断面図 ノズルヒータが装着された射出ノズルを複数連接させた例を表す概略図
本発明に係る射出成形装置のノズルヒータ(単に「ノズルヒータ」ということもある。)1は、射出成形装置の射出ノズル2の外周部に配設されて、射出ノズル2を加熱又は保温することによって、射出ノズル2の内部を通過し先端から射出される溶融樹脂を加熱又は保温するものである。射出成形装置内における溶融樹脂は、一定の高温状態に保つ必要があり、射出ノズル2においても同様である。このため、射出成形装置には、射出ノズル2を加熱又は保温するノズルヒータ1が必要になる。
以下、添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る射出成形装置のノズルヒータ1を表す斜視図である。
図2は、本発明に係る射出成形装置のノズルヒータ1を表す概略断面図であり、図1における射出ノズル2とカートリッジヒータ12の中心軸を接続する平面を断面とする。
図1に示すとおり、本発明に係るノズルヒータ1は、ノズルジャケット11、カートリッジヒータ12、ヒータケース13から構成される。また、図2に示すとおり、ノズルジャケット11とヒータケース13との接触部分における、長手方向両端を除く中央部の全部又は一部に、伝熱抑制部14を介在させてある。
先ず、ノズルジャケット11について説明する。
ノズルジャケット11は、図1又は図2に示すように、射出ノズル2に接触して取り付けられる。射出ノズル2との接触は、射出ノズル2の外側面の全部又は一部と接触する態様であればよい。また、射出ノズル2への取り付け手段に限定はなく、抱持、ネジ止め等の公知公用の取り付け手段を特別の制限なく採用することができる。尚、図1又は図2に示す実施例では、射出ノズル2の外側面を囲うように取り付けられた円筒形状のノズルジャケット11が、射出ノズル2の先端部21側に配設された鍔部22とフランジ3によって挟持された態様である。
ノズルジャケット11は、射出ノズル2に接触して取り付けられる態様であれば、その
形態を特に問わない。形態を例示するとすれば、射出ノズル2は、一般的に円筒形状をしているものが多いため、図1に示すように、ノズルジャケット11も射出ノズル2を同心状に取り囲み抱持するような円筒形状とすることが挙げられる。また、射出ノズル2の全体を均等に加熱・保温するため、図1又は図2に示すように、射出ノズル2の外側面の大部分を覆うような形態であることが好ましい。
後述するが、ヒータケース13とは、ノズルジャケット11の長手方向外側面の一部又は全部において接触される。
ノズルジャケット11は、高い熱伝導性を有する材料から形成される。高い熱伝導性を有する材料とは、熱伝導率が高い材料をいう。当該材料として、アルミニウム、銅、鉄等の金属を例示することができ、中でも、材料コストや加工容易性の観点からアルミニウムを採用することが好ましい。
続いて、カートリッジヒータ12について説明する。
カートリッジヒータ12は、直線状の形態をした加熱器具であり、後述するヒータケース13とノズルジャケット11とを介して、射出ノズル2を加熱・保温する。詳述すると、直線状、棒状又は円柱状の形態をした発熱部と、この発熱部の端部に接続端子と接続ケーブルを備える形態である。
本発明において、カートリッジヒータ12は、カートリッジヒータとして公知公用のものを特別の制限なく採用することができる。例えば、200V系の射出成形装置に対応させるため、耐電圧が200V〜240Vであって、ヒータ能力が100W程度のものを挙げることができる。
カートリッジヒータ12は、電力により加熱されるため、ノズルヒータ1が取り付けられる射出成形装置が備える電源又は外部電源に接続され、同じく射出成形装置が備える制御装置又は独立した制御装置により、一定の温度に加熱・保温されるよう管理される。
また、後述するが、カートリッジヒータ12を、1つの射出ノズル2に対して、2以上備える構成としてもよい。
続いて、ヒータケース13について説明する。
ヒータケース13は、図1又は図2に示すように、カートリッジヒータ12を収容し、ノズルジャケット11と接触して取り付けられる。
カートリッジヒータ12の収容手段に限定はなく、公知公用の収容手段を特別の制限なく採用することができる。但し、カートリッジヒータ12は、いわゆる消耗品であり、定期的に交換が必要な部材であるため、図2に示すように、カートリッジヒータ12の形状に開けられた開口又は孔を設け、この開口又は孔にカートリッジヒータ12を挿入することで収容する手段が好ましい。これらの収容手段を採用することにより、取り付けと取り外しが容易になる。
ヒータケース13は、カートリッジヒータ12を収容し、ノズルジャケット11と接触して取り付けられる態様であれば、その形態を特に問わない。形態を例示するとすれば、カートリッジヒータ12は、直線状の形状をしているため、この直線状の形状に対応させるため、ヒータケース13もカートリッジヒータ12を同心状に取り囲み抱持するような形状とすることが挙げられる(図3(a)〜(d)参照)。また、カートリッジヒータ12からの熱を効率よく伝導させるため、図1又は図2に示すように、カートリッジヒータ12の発熱部の大部分を覆うように収容する態様であることが好ましい。
ノズルジャケット11とは、ヒータケース13の長手方向外側面の一部又は全部におい
て接触される。従って、ヒータケース13の形状は、図1及び図3(a)〜(b)に示すように、ノズルジャケット11の形状を延伸したような形状を採用することができる。
ヒータケース13は、高い熱伝導性を有する材料から形成される。高い熱伝導性を有する材料とは、熱伝導率が高い材料をいう。当該材料として、アルミニウム、銅、鉄等の金属を例示することができ、中でも、材料コストや加工容易性の観点からアルミニウムを採用することが好ましい。
また、後に詳述するが、カートリッジヒータ12を、1つの射出ノズルに対して2以上備える構成とすることができるが、この場合は、2以上のヒータケース13を設ける構成としてもよいし(図5(a)参照。)、1つのヒータケース13に2以上の開口又は孔を備える構成としてもよい(図5(b)参照。)。
各部の位置関係について説明する。
図1又は図2に示すように、ノズルジャケット11と、カートリッジヒータ12と、ヒータケース13とは、それぞれの長手方向外側面を略平行に並べる態様で配設される。このように略平行に配設されるのは、射出ノズル2近傍には空間が少ないことから、ノズルヒータ1の小型化・省スペース化を達成するためである。
また、図1に示すように、フランジ3の形状が矩形である場合は、このフランジ3の長辺側へヒータケース13を配設することが好ましい。短辺側にヒータケース13を配設すると、ヒータケース13がフランジ3の短辺側から食み出し、隣接して設置される射出ノズルに接触するおそれがあるためである。
ノズルジャケット11とヒータケース13の取り付けについて説明する。
前述のとおり、ノズルジャケット11とヒータケース13とは、双方の長手方向外側面の一部又は全部において接触し取り付けられる。接触面の形態は、ノズルジャケット11とヒータケース13の形態によって異なるが、例えば、図3(a)及び(c)に示す断面視曲線の接触面と、図3(b)及び(d)に示す断面視直線の接触面が考えられる。
ノズルジャケット11とヒータケース13の取り付け手段に限定はなく、公知公用の取り付け手段を特別の制限なく採用することができる。例えば、図4(a)に示すように、ノズルジャケット11とヒータケース13の接触面にそれぞれ孔を設け、それぞれの孔にピン15を嵌合し固定する手段を挙げることができる。図示しないが、一方にピン状の凸部を設け、他方にこれに対応する孔である凹部を設け、嵌合固定する手段を採用することもできる。また、図4(b)に示すように、ノズルジャケット11とヒータケース13の両端に2の孔が設けられた板状の連結部材16を配設し、これをネジ等で固定する手段を挙げることができる。更にまた、図4(a)又は(b)に示す手段に代えて又は加えて、ノズルジャケット11とヒータケース13の接触面に、相互に対応するガイド凸部及びガイド凹部を設け、位置決めや固定する手段を挙げることもできる。
前述のとおり、本発明に係るノズルヒータ1は、2以上のカートリッジヒータ12を備える構成とすることができる。
2以上のカートリッジヒータ12を配設する手段としては、次のような手段を挙げることができる。例えば、図5(a)に示すように、2つ目のヒータケース13を、1つ目のヒータケース13と相対向する位置に配設し、カートリッジヒータ12を収容する手段を挙げることができる。また、図5(b)に示すように、1つのヒータケース13に、2以上の開口又は孔を設け、2以上のカートリッジヒータ12を収容する手段を挙げることができる。
続いて、伝熱抑制部14について説明する。
伝熱抑制部14は、カートリッジヒータ12により発熱した熱を、ヒータケース13を介してノズルジャケット11に伝える際に、その伝熱を抑制する役割を果たす。
前述のとおり、本発明が解決しようとする課題は、「樹脂焼けを防止し完成品であるプラスチック成形品の機能や外観を向上」させることである。
先ず、本発明者らは、従来の技術で樹脂焼けが発生する原因を究明した。即ち、従来の技術では、(1)カートリッジヒータの特性上、カートリッジヒータの発熱部における長手方向中央部の発熱が、両端部に比べて大きいこと、(2)射出ノズルの両端は近接する冷却された金型に接すること、の2点の理由から、射出ノズルの温度は、中央部が高温になることが原因で、樹脂焼けが生じ、完成品であるプラスチック成形品の機能や外観に悪影響を与えていることを究明した。
そこで、本発明者らは、射出ノズルの長手方向中央部への伝熱を、両端部に比べて抑制することで、かかる問題を解決すべく検討し、伝熱抑制部14を介在させることを創出したのである。
従って、伝熱抑制部14は、ノズルジャケット11とヒータケース13との接触部分における、長手方向両端を除く中央部の全部又は一部に介在される。これにより、射出ノズル2の長手方向中央部への伝熱を抑制することができ、樹脂焼けの問題を解消することができる。
伝熱抑制部14は、図6に示すように、ノズルジャケット11とヒータケース13とが接触する部分のみに介在させることができる。図6(a)はノズルジャケット11に、図6(b)はヒータケース13に、伝熱抑制部14を介在させた例である。これは、ノズルジャケット11への伝熱は、主にヒータケース13との接点から行われるので、かかるノズルジャケット11とヒータケース13との接触する部分にのみ伝熱抑制部14を介在させればよく、これによって加工工程を簡略化でき、製造を容易にし、製造コストを抑えることができるためである。尚、伝熱抑制部14は、ノズルジャケット11とヒータケース13の両方に設けてもよい。
また、伝熱抑制部14は、図2に示すように、ノズルジャケット11の外側面全周にわたって介在させることができる。これは、ノズルジャケット11の全周にわたって伝熱抑制部14を介在させることにより、ノズルジャケット11とヒータケース13との取り付け位置が任意となり、取り付け位置の誤認を防止し、取り付け作業が容易となるためである。尚、図2はノズルジャケット11に伝熱抑制部14を介在させた例であるが、同様に、ヒータケース13に伝熱抑制部14を介在させてもよい。
続いて、伝熱抑制部14の具体的態様について説明する。
伝熱抑制部14は、ノズルジャケット11又はヒータケース13の少なくとも一方に空隙部を設けることによって構成することができる(図2、図6及び図7〜9参照。)。空隙部は、ノズルジャケット11又はヒータケース13を形成する高い熱伝導性を有する材料よりも熱伝導率が低いので、空隙部が設けられた部分の伝熱を抑制することができる。
空隙部は、ノズルジャケット11又はヒータケース13の外側面に、凹部を設けることによって形成することができる。また、空隙部は、図7に示すように、ノズルジャケット11又はヒータケース13の外側面に、開口部を設けることによって形成することもできる。尚、図2及び図7は、ノズルジャケット11に凹部又は開口部を設けた例であるが、同様に、ヒータケース13に凹部又は開口部を設けてもよいし、両方に凹部又は開口部を設けてもよい。
空隙部を、凹部又は開口部によって形成する選択は、使用するカートリッジヒータ12の特性や、ノズルジャケット11及びヒータケース13を形成する材料の熱伝導率等によって選択される。即ち、これらの特性や熱伝導率によって、射出ノズル2の長手方向中央部における温度は異なるので、温度が高いのであれば凹部を深くするか又は開口部とすることができ、温度が低いのであれば比較的浅い凹部をもって形成する選択をすることができる。
空隙部には、伝熱抑制部材(図示しない)を配設することができる。これは、伝熱抑制部材を形成する材料として適当な熱伝導率のものを採用することで、射出ノズル2への伝熱を効果的に抑制・調整することができるためである。伝熱抑制部材は、ノズルジャケット11及びヒータケース13を形成する材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率の材料から形成される。
空隙部は、図8(a)〜(c)に例示するように、長手方向中央部を深く形成し、両端に向かって連続的に又は段階的に浅く形成することができる。これは、採用するカートリッジヒータ12の特性によって、長手方向中央部が最も高温に発熱し、両端に向かって徐々に低温になる場合があり、この場合であっても、射出ノズル2における中央部から両端部にかけての各部において均一な温度とするためである。また、前述のとおり、射出ノズル2の両端が接する冷却された金型からの熱移動によって、射出ノズル2の両端に近づくにつれて温度が下がるため、この影響をも考慮して、射出ノズル2における温度の均一性を確保するためでもある。
伝熱抑制部14は、図9に示すように、複数に区切って形成することができる。これにより、ノズルジャケット11とヒータケース13との長手方向中央部の接触する面積を調整し、伝熱の加減を調整することで、射出ノズル2への伝熱を効果的に抑制・調整することができる。
ノズルヒータ1を装着した射出ノズル2は、ノズルヒータ1の小型化によって、複数を連接して設置することができる。この際に、射出ノズル2を高密度に連接させるには、図10に示すように、ヒータケース13が配設されている位置とは反対側を近接させる手段を採用することができる。
1 射出成形装置のノズルヒータ
11 ノズルジャケット
12 カートリッジヒータ
13 ヒータケース
14 伝熱抑制部
15 ピン
16 連結部材
2 射出ノズル
21 先端部
22 鍔部
3 フランジ
4 溶融樹脂の流路
B ボルト又は雄ネジ

Claims (3)

  1. 射出成形装置の射出ノズル近傍に配設され、該射出ノズルから射出される溶融樹脂を加熱又は保温するノズルヒータにおいて、
    前記射出ノズルとは別体として構成されると共に、該射出ノズルに接触して取り付けられるノズルジャケットと、
    前記射出ノズルを加熱又は保温する直線状のカートリッジヒータと、
    前記カートリッジヒータを収容し、前記ノズルジャケットに接触して取り付けられるヒータケースとを有し、
    前記ノズルジャケットと、前記カートリッジヒータと、前記ヒータケースとが、略平行に配設される構成であり、
    前記ノズルジャケットと前記ヒータケースは、高い熱伝導性を有する材料から形成され、
    前記ノズルジャケットと前記ヒータケースとの接触部分における、長手方向両端を除く中央部の全部又は一部に、伝熱抑制部を介在させ
    該伝熱抑制部が、前記ヒータケースに空隙部を設けることによって構成され、
    該伝熱抑制部が、前記ノズルジャケットとヒータケースとが接触する部分にのみ設けられ
    更に、前記空隙部は、長手方向中央部が深く形成され、両端に向かって連続的又は段階的に浅く形成されていることを特徴とする射出成形装置のノズルヒータ。
  2. 隙部に、伝熱抑制部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置のノズルヒータ。
  3. 伝熱抑制部が、複数に区切られていることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形装置のノズルヒータ。
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