JP5846864B2 - バイアス励磁トランス及び電気回路 - Google Patents
バイアス励磁トランス及び電気回路 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5846864B2 JP5846864B2 JP2011244363A JP2011244363A JP5846864B2 JP 5846864 B2 JP5846864 B2 JP 5846864B2 JP 2011244363 A JP2011244363 A JP 2011244363A JP 2011244363 A JP2011244363 A JP 2011244363A JP 5846864 B2 JP5846864 B2 JP 5846864B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil
- magnetic flux
- core
- magnetic
- circuit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
- Dc-Dc Converters (AREA)
Description
そこで、従来から、トランスの磁気回路に永久磁石を挿入し、バイアス励磁を付勢し磁束密度の振幅を大きく取る技術は開示されている。
すなわち、マグネットにより磁束の逆バイアスを印加して、コイルによる順方向の磁束を発生させることで、「・・・1次コイルの通電初期の立ち上がりを速くした・・・」(段落0007)の記載がある。
すなわち、B−H曲線の第3象限から第1象限を十分に利用できる効率の良いトランスを実現した。
(1)請求項1に係るバイアス励磁トランスは、
対向する一対のヨークと、両ヨークの中間部同士を連結するギャップを設けた中間脚と、該両ヨークの対向する第1端部同士及び第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚の一方を構成する永久磁石が付装されコイル1が巻装されたコア1と、該一対の外側脚の他方を構成するコイル2が巻装されたコア2を備え、
前記コイル1と前記コイル2は疎結合され、
前記永久磁石の発生する磁束Pは、前記コア1、前記コア2及び前記両ヨークを閉磁気回路として通過し、
前記コイル2に、該磁束Pと抗する磁束2を発生させるべく電流を流し、該コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記磁束P、前記磁束1及び前記磁束2は、前記中間脚を同方向に通過し、
前記コア2内において前記磁束2の磁束密度は、該磁束P及び該磁束1の量の加算値における磁束密度より大きく、該磁束P及び該磁束1に抗すべく該コア2を通過し、
前記磁束2は前記コア1を通過できず、該磁束2のコア1の通過に起因する前記永久磁石の弱磁化、を防止することを特徴とする。
(2)請求項2に係るバイアス励磁トランスは、請求項1において、
前記閉磁気回路に前記磁束Pのみが通過しているとき、B−H曲線において、前記コア2の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第3象限にあり、前記コイル2に前記コイル1より大きな電流が流れるとき、該コア2の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第1象限にあり、又は、
前記閉磁気回路に前記磁束Pのみが通過しているとき、B−H曲線において、前記コア2の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第1象限にあり、前記コイル2に前記コイル1より大きな電流が流れるとき、該コア2の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第3象限にあることを特徴とする。
(3)請求項3に係るバイアス励磁トランスは、
対向する一対のヨークと、両ヨークの中間部同士を連結するコイル2が巻装された中間脚と、該両ヨークの対向する第1端部同士及び第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚の一方を構成する永久磁石が付装されコイル1が巻装されたコア1と、該一対の外側脚の他方を構成するギャップを設けたコア2を備え、
前記コイル1と前記コイル2は疎結合され、
前記永久磁石の発生する磁束Pは、前記コア1、該コア1から前記中間脚までの両ヨーク及び前記中間脚を閉磁気回路として通過し、
前記コイル2に、該磁束Pと抗する磁束2を発生させるべく電圧を印加し、該コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束φ1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記磁束P及び前記磁束1は、前記両ヨーク、前記中間脚及び前記コア2を通過し、
前記磁束2は、前記コア2を前記磁束P及び前記磁束1と同方向に通過し、
前記中間脚内において前記磁束2の磁束密度は、該磁束P及び該磁束1の量の加算値における磁束密度より大きく、該磁束P及び該磁束1に抗すべく該中間脚を通過し、
前記磁束2は前記コア1を通過できず、該磁束2のコア1の通過に起因する前記永久磁石の弱磁化、を防止することを特徴とする
(4)請求項4に係るバイアス励磁トランスは、請求項3において、
前記閉磁気回路に磁束Pのみが通過しているとき、B−H曲線において、前記中間脚の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第3象限にあり、前記コイル2に電圧を印加したとき、該中間脚の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第1象限にあり、又は、
前記閉磁気回路に磁束Pのみが通過しているとき、B−H曲線において、前記中間脚の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第1象限にあり、前記コイル2に電圧を印加したとき、該中間脚の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第3象限にあることを特徴とする。
(5)請求項5に係るバイアス励磁トランスは、請求項1又は2において、
前記コア2にさらにコイル3を巻装したことを特徴とする。
(6)請求項6に係るバイアス励磁トランスは、請求項3又は4において、
前記中間脚にさらにコイル3を巻装したことを特徴とする。
(7)請求項7に係る電気回路は、
請求項1〜4のいずれかに記載のバイアス励磁トランスを用いた電気回路において、前記コイル1の両端に整流素子1及び整流素子2を逆方向並列接続し、該コイル1の他端と前記コイル2の他端を導通させ、該コイル1の一端と該コイル2の一端に電位差を印加したとき、
前記コイル1の一端に印加した電位1が前記整流素子1に対し順方向であるとき、該電位1による電流は前記整流素子1と前記コイル2に流れ、又は、
前記コイル1の一端に印加した電位2が前記整流素子2に対し順方向であるとき、該電位2による電流は前記整流素子2と前記コイル2に流れ、
前記コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記コイル2のリアクタンスにより突入電流を防止することを特徴とする。
(8)請求項8に係る電気回路は、
請求項1〜4のいずれかに記載のバイアス励磁トランスを用いた電気回路において、前記コイル1の両端に整流素子を並列接続し、前記コイル2の一端と該コイル2の他端に電位差を印加したとき、前記コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧が前記整流素子に対し順方向であるとき、該誘起電圧による電流は該コイル1に流れ、
前記コイル1への該誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記コイル2の両端に印加した電位差を消滅させたとき、該コイル2の自己誘導により、該コイル2の一端に印加した電位と同極性の電位を該コイル2の他端に発生することを特徴とする。
(9)請求項9に係る電気回路は、
請求項5又は6に記載のバイアス励磁トランスを用いた電気回路において、前記コイル1の両端に整流素子を並列接続し、前記コイル2の一端と該コイル2の他端に電位差を印加したとき、前記コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧が前記整流素子に対し順方向であるとき、該誘起電圧による電流は該コイル1に流れ、
前記コイル1への該誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記コイル2の両端に印加した電位差を消滅させたとき、該コイル2と該コイル3の相互誘導により該コイル3の両端に電位差3を発生することを特徴とする。
(10)請求項10に係る電気回路は、
請求項5又は6に記載のバイアス励磁トランスを用いた電気回路において、前記コイル1の両端に整流素子を並列接続し、前記コイル2の一端と該コイル2の他端に電位差を印加したとき、前記コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧が前記整流素子に対し順方向であるとき、該誘起電圧による電流は該コイル1に流れ、
前記コイル1への該誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記コイル3の両端に電位差4を発生することを特徴とする。
(B)コイル2の発生する磁束が、永久磁石を永久磁石の磁束と逆方向に通過し、永久磁石の磁力を劣化させることのないように、コイル2に電位差が印加されたとき、コイル2からコイル1への相互誘導によりコイル1がコイル2の磁束に抗するよう永久磁石が付装されているコア1に磁束を発生する。
(1−1)バイアス励磁トランスの構成
図1(A)は、本発明によるバイアス励磁トランスの実施の形態1の構成及び磁束を示す図である。
まず、トランスの構成を明確にするために、図1(B)のXYZ座標を使用して説明する。
図1(B)を正視して、左右水平方向にX軸(右方向が正)があり、上下垂直方向にY軸(上方向が正)があり、紙面の裏面から表面に向け、Z軸が正方向に延びている。
中間脚は、コア1とコア2の間(一般的には中央であるが、これに限定しない。)に存在する
両ヨーク、中間脚、コア1及びコア2はZ軸方向に厚みを有している。いわゆるEI型のトランスの磁気回路である。
両ヨーク、中間脚、コア1及びコア2には、上記の説明により図1(A)において符号を割愛している。
コイルL1(コイル1とも称す。)はコア1を周回して巻装され、コイルL2はコア2を周回して巻装されている。
図示されていないが、コア1の左右に図示するコイルL1は同一巻線であり連続し、コイルL1のX軸負側とX軸正側(コア1を挟んで)のコイルL1による磁束の打ち消しはない。コイルL2(コイル2とも称す。)も同様である。他の実施の形態でも同様である。
図1(A)において、ギャップAG1(a air gap1)が存在する中間脚には磁束φPは、ほとんど通過できない。磁束φPは、ギャップAG1の無いコア2をほとんど通過する。
これは、コイル1及びコイル2に電流が流れていない状態である。
図1(A)の符号φPは、永久磁石から発生する磁束のみである。
たとえば、磁気回路MC1がEI型の磁気回路であれば、磁気回路の左脚、右脚又は中間脚の一部にエアギャップ又は磁束を通しにくい材料を付装(挾持、挾装又は挾着されている。)することで実現可能である。
(1−2)バイアス励磁トランスの動作
以下、バイアス励磁トランスの動作を説明をする。
図2(A)は、上記の様にコイルL1とコイルL2に電流を流した場合における磁気回路MC1に発生する磁束を示している。
この磁束φP+磁束φ1は、上部(Y軸正方向)ヨークと中間脚の接続領域で上部ヨーク内のX軸正側からコア2へ向かう(Y軸負方向)磁束Xと中間脚のY軸負方向へ向かう磁束Yに分かれる。磁束X及び磁束Yは磁束量である。
αは、Y軸正方向に存在しX軸方向に延在するヨークと中間脚の接続領域において磁束φP+磁束φ1がヨークのX軸正方向に分岐してコア2通過する磁束量の割合の係数である。
βは、Y軸正方向に存在しX軸方向に延在するヨークと中間脚の接続領域において磁束φP+磁束φ1が中間脚方向に分岐して中間脚をY軸負方向に通過する磁束量の割合の係数である。α=磁束X/(φP+φ1)、β=磁束Y/(φP+φ1)である。
コア2を通過する磁束X2は、X2=(φP+φ1)α−φ2、中間脚を通過する磁束Y2は、Y2=(φP+φ1)β+φ2、となる。
すなわち、コア2を通過する磁束X2と中間脚を通過する磁束Y2は磁束φ2を相殺し、コア1には、磁束φPと磁束φ1のみが流れ、磁束φ2が流れ込まない。
よって、永久磁石は磁束φ2により弱磁化、消磁又は逆励磁されない。
(2−1)回路構成
図3は、本発明であるバイアス励磁トランスの実施の形態1を使用した電気回路の実施の形態1を示す。図3を参照し本発明の電気回路の実施の形態1の回路構成の説明をする。
バイアス励磁トランスの実施の形態1と同様に、コイルL1(コイル1とも称す。)とコイルL2(コイル2とも称す。)は磁気回路MC1により疎結合されている。
コイル2一端(黒丸印あり)には、符号D7で示される整流素子7(ダイオードD7)のアノードが接続され、コイル2の他端(黒丸印なし)には整流素子7のカソードが接続されている。
端子T2と端子T4は接続され、直流電位の他方の極性(負電位)の電位を伝達するものである。
端子T1に、直流の負極性電位を印加し、端子T3は直流の負極性電位を出力し、端子T2に、直流の正極性電位を印加し端子T4に直流の正極性電位を出力しても良い。この場合、整流素子7の極性を逆とする。
(2−2)回路動作
図3を参照し、本発明であるバイアス励磁トランスの実施の形態1を使用した電気回路の実施の形態1の動作を説明する。
B−H曲線の第3象限の下部とは、図8に示すB−H曲線のB軸のBN1付近を意味する。すなわち、コア2は、充分な負極性磁束密度を有している。
また、磁気回路MC1に残留磁気(B軸のRP)がある場合、図8のB−H曲線において、B軸のRPからBP1へ遷移するのみである。
それと共に、コイル2への電流を断としても、B軸のBP1の磁束密度は、B軸のRPの残留磁束密度として残る。
すなわち、コイル2の他端に正極電位が印加され、コイル1に電流が流れるとき、コイル1の磁束φ1とコイル2の磁束φ2相互の磁束が抗し、磁束φ2のコア1への進入を阻止する。
また、整流素子2は、コイル1の電流が遮断されたときの自己誘導電圧を吸収する。
整流素子7も、コイル2の電流が遮断されたときの自己誘導電圧を吸収する。
このときのコイル1に流れる電流方向(負荷としての原理)は、前述したコイル1の他端に正極電位が発生し、整流素子2を介してコイル1に流れる電流方向と同一である。
したがって、磁束φ1(磁束1とも称す。)は、磁束φ2(磁束2とも称す。)に抗す。
よって、磁束1は、コア1の永久磁石の磁束φP(磁束Pとも称す。)と同方向である。
コイル2に大きなリアクタンスが発生する理由は、上記で説明したとおり、コア2の磁束密度が、B−H曲線の第3象限から第1象限に大きく遷移できるからである。
突入電流を防止し、外部の負荷に電力を供給する定常電流となったときでも、永久磁石が磁束φ2により、弱磁化、消磁又は逆励磁されることはない。突入電流が流れる前の状態を維持している。
なおこの場合、磁束方向が逆になるので、コイル1及びコイル2の一端と他端を交換するか、永久磁石PMの磁極P1とP2を交換する。コイル2に並列接続されている整流素子7も逆方向接続する。
(3−1)バイアス励磁トランスの構成
図4(A)は、本発明によるバイアス励磁トランスの実施の形態2の構成及び磁束を示す図である。
まず、トランスの構成を明確にするために、図4(B)のXYZ座標を使用して説明する。
図4(B)を正視して、左右水平方向にX軸(右方向が正)があり、上下垂直方向にY軸(上方向が正)があり、紙面の裏面から表面に向け、Z軸が正方向に延びている。
中間脚は、コア1とコア2の間(一般的には中央であるが、これに限定しない。)に存在する
両ヨーク、中間脚、コア1及びコア2はZ軸方向に厚みを有している。いわゆるEI型のトランスの磁気回路である。
両ヨーク、中間脚、コア1及びコア2には、上記の説明により図4(A)において符号を割愛している。
コイルL1(コイル1とも称す。)はコア1を周回して巻装され、コイルL2は中間脚を周回して巻装されている。
図示されていないが、コア1の左右に図示するコイルL1は同一巻線であり連続している。コイルL2(コイル2とも称す。)も同様である。
ギャップAG2(a air gap2)が存在するコア2には、磁束φPはほとんど通過できない。磁束φPは、ギャップAGの無い中間脚をほとんど通過する。
(3−2)バイアス励磁トランスの動作
以下、バイアス励磁トランスの動作を説明をする。
図4(A)の磁束φ1(磁束1とも称す。)、磁束φ2(磁束2とも称す。)の磁束方向と、図2(A))の磁束φ1、磁束φ2の磁束方向は便宜上同一方向としている。
図5のコイル1に流れる電流方向と図3のコイル1に流れる電流方向は逆であり、図5のコイル2に流れる電流方向と図3のコイル2に流れる電流方向は逆であり、よって、コイル1、コイル2から発生する磁束自体は逆となるが、コイル1はコア1、コイル2はコア2又は中間脚への巻装方法により、発生する磁束の方向は、Y軸正方向でもY軸負方向でも如何様にできる。
バイアス励磁トランスの実施の形態2では、コイル2が中間脚に巻装され、バイアス励磁トランスの実施の形態1では、コイル2がコア2に巻装され、いずれのコイル2の磁束φ2も、コイル2を巻装している中間脚、コア2をY軸正方向に発生している。
磁束の計算は、バイアス励磁トランスの実施の形態1と同様である。コイル2の巻装部がコア2か中間脚かの相違である。
φ2>α(φP+φ1)で(いずれも磁束量)あれば、中間脚の磁束はφ2が支配的となり、中間脚の磁束密度は第1象限に遷移し、図8のB−H曲線のB軸のBP1付近に達する。
すなわち、従来技術のバイアス励磁を施した磁気回路のように永久磁石の磁力の低下、消磁や逆励磁がない。
(4−1)回路構成
図5は、本発明であるバイアス励磁トランスの実施の形態2を使用した電気回路の実施の形態2を示す。図5を参照し本発明の電気回路の実施の形態2の回路構成の説明をする。
バイアス励磁トランスの実施の形態2と同様に、コイルL1(コイル1とも称す。)とコイルL2(コイル2とも称す。)は磁気回路MC2により疎結合されている。
(4−2)回路動作
図5を参照し、本発明であるバイアス励磁トランスの実施の形態2を使用した電気回路の実施の形態2の動作を説明する。
以下の説明に出現する磁束φP、φ1、φ2は、バイアス励磁トランスの実施の形態2で説明したものであり、本説明において割愛する。
すなわち、端子Tgに正極性パルス(PWM)を印加する。
したがって、非常に効率の良いフライバック型DC/DCコンバータを実現できる。磁束1が磁束2を阻止するのでコア1に付装されている永久磁石PMへの逆励磁も発生しないので、永久磁石PMの劣化もない。常に、効率の良いDC/DCコンバータを維持できる。
これにより、端子T4を基準として端子T3に負極電位を出力する。
(5−1)バイアス励磁トランスの構成
図6(A)は、本発明によるバイアス励磁トランスの実施の形態3の構成及び磁束を示す図である。
まず、トランスの構成を明確にするために、図6(B)のXYZ座標を使用して説明する。
図6(B)を正視して、左右水平方向にX軸(右方向が正)があり、上下垂直方向にY軸(上方向が正)があり、紙面の裏面から表面に向け、Z軸が正方向に延びている。
中間脚は、コア1とコア2の間(一般的には中央であるが、これに限定しない。)に存在する
両ヨーク、中間脚、コア1及びコア2はZ軸方向に厚みを有している。いわゆるEI型のトランスの磁気回路である。
両ヨーク、中間脚、コア1及びコア2には、上記の説明により図6(A)において符号を割愛している。
コイルL1(コイル1とも称す。)はコア1を周回して巻装され、コイルL2及びコイルL3はコア2を周回して巻装されている。
コイル2とコイル3が巻装されているコア2にはギャップが存在しないので、コイル3はコイル2に密結合されている。
コイル3は図6(A)のように巻装されても良いが、重ね巻きでも良い。
図示されていないが、コア1の左右に図示するコイルL1は同一巻線であり連続している。コイルL2(コイル2とも称す。)、コイルL3(コイル3とも称す。)も同様である。
図6(A)において、磁束は、コイル1及びコイル2に電流が流れていない状態では、バイアス励磁トランスの実施の形態1の図1(A)の磁束と同様となる。
この場合、ギャップAG1(a air gap1)が存在する中間脚には磁束φPは、ほとんど通過できない。磁束φPは、ギャップAG1の無いコア2をほとんど通過する。符号φPは、永久磁石から発生する磁束のみである。
たとえば、磁気回路MC1がEI型の磁気回路であれば、磁気回路の左脚、右脚又は中間脚の一部にエアギャップ又は磁束を通しにくい材料を付装(挾持、挾装又は挾着されている。)することで実現可能である。
(5−2)バイアス励磁トランスの動作
以下、バイアス励磁トランスの動作を説明をする。
図6(A)の磁束φ1(磁束1とも称す。)、磁束φ2(磁束2とも称す。)の磁束方向と、図2(A)の磁束φ1、磁束φ2の磁束方向は便宜上同一方向としている。
図7のコイル1に流れる電流方向と図3のコイル1に流れる電流方向は逆であり、図7のコイル2に流れる電流方向と図3のコイル2に流れる電流方向は逆であり、よって、コイル1、コイル2から発生する磁束自体は逆となるが、コイル1はコア1、コイル2はコア2への巻装方法により、発生する磁束の方向は、Y軸正方向でもY軸負方向でも如何様にできる。
バイアス励磁トランスの実施の形態2では、コイル2が中間脚に巻装され、バイアス励磁トランスの実施の形態1では、コイル2がコア2に巻装され、いずれのコイル2の磁束φ2も、コイル2を巻装している中間脚又はコア2をY軸正方向に発生している。
磁束量の計算は、バイアス励磁トランスの実施の形態1、2と同様である。
φ2>α(φP+φ1)で(いずれも磁束量)あれば、コア2の磁束はφ2が支配的となり、コア2の磁束密度は第1象限に遷移し、図8のB−H曲線のB軸のBP1付近に達する。
(6−1)回路構成
図7は、本発明であるバイアス励磁トランスの実施の形態3を使用した電気回路の実施の形態3を示す。図7を参照し、本発明である電気回路の実施の形態3を説明する。
バイアス励磁トランスの実施の形態3と同様に、コイルL1(コイル1とも称す。)とコイルL2(コイル2とも称す。)は磁気回路MC1により疎結合され、コイルL2(コイル2とも称す。)とコイルL3(コイル3とも称す。)は、磁気回路MC2のコア2により密結合されていている。
半導体素子の制御端(ゲートG)は端子Tgに接続されている。
(6−2)回路動作
図7を参照し、本発明であるバイアス励磁トランスの実施の形態3を使用した電気回路の実施の形態3の動作を説明する。
以下の説明に出現する磁束φP、φ1、φ2は、バイアス励磁トランスの実施の形態3で説明したものであり、本説明において割愛する。
フォワード型DC/DCコンバータを構成する。
これにより、端子T4を基準として端子T3に正極電位を出力するフォワード型DC/DCコンバータとなる。
TF1〜TF3 トランス
L1〜L3 コイル
PM 永久磁石
P1、P2 永久磁石の極
MC1、MC2 磁気回路
AG1、AG2 ギャップ
D1〜D7 整流素子
T1〜T4、Tg 端子
X、Y、Z XYZ座標の各軸
φP、φ1、φ2 磁束
α、β 係数
Claims (10)
- 対向する一対のヨークと、両ヨークの中間部同士を連結するギャップを設けた中間脚と、該両ヨークの対向する第1端部同士及び第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚の一方を構成する永久磁石が付装されコイル1が巻装されたコア1と、該一対の外側脚の他方を構成するコイル2が巻装されたコア2を備え、
前記コイル1と前記コイル2は疎結合され、
前記永久磁石の発生する磁束Pは、前記コア1、前記コア2及び前記両ヨークを閉磁気回路として通過し、
前記コイル2に、該磁束Pと抗する磁束2を発生させるべく電流を流し、該コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記磁束P、前記磁束1及び前記磁束2は、前記中間脚を同方向に通過し、
前記コア2内において前記磁束2の磁束密度は、該磁束P及び該磁束1の量の加算値における磁束密度より大きく、該磁束P及び該磁束1に抗すべく該コア2を通過し、
前記磁束2は前記コア1を通過できず、該磁束2のコア1の通過に起因する前記永久磁石の弱磁化、を防止することを特徴とするバイアス励磁トランス。 - 前記閉磁気回路に前記磁束Pのみが通過しているとき、B−H曲線において、前記コア2の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第3象限にあり、前記コイル2に前記コイル1より大きな電流が流れるとき、該コア2の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第1象限にあり、又は、
前記閉磁気回路に前記磁束Pのみが通過しているとき、B−H曲線において、前記コア2の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第1象限にあり、前記コイル2に前記コイル1より大きな電流が流れるとき、該コア2の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第3象限にあることを特徴とする請求項1に記載のバイアス励磁トランス。 - 対向する一対のヨークと、両ヨークの中間部同士を連結するコイル2が巻装された中間脚と、該両ヨークの対向する第1端部同士及び第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚の一方を構成する永久磁石が付装されコイル1が巻装されたコア1と、該一対の外側脚の他方を構成するギャップを設けたコア2を備え、
前記コイル1と前記コイル2は疎結合され、
前記永久磁石の発生する磁束Pは、前記コア1、該コア1から前記中間脚までの両ヨーク及び前記中間脚を閉磁気回路として通過し、
前記コイル2に、該磁束Pと抗する磁束2を発生させるべく電圧を印加し、該コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束φ1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記磁束P及び前記磁束1は、前記両ヨーク、前記中間脚及び前記コア2を通過し、
前記磁束2は、前記コア2を前記磁束P及び前記磁束1と同方向に通過し、
前記中間脚内において前記磁束2の磁束密度は、該磁束P及び該磁束1の量の加算値における磁束密度より大きく、該磁束P及び該磁束1に抗すべく該中間脚を通過し、
前記磁束2は前記コア1を通過できず、該磁束2のコア1の通過に起因する前記永久磁石の弱磁化、を防止することを特徴とするバイアス励磁トランス。 - 前記閉磁気回路に磁束Pのみが通過しているとき、B−H曲線において、前記中間脚の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第3象限にあり、前記コイル2に電圧を印加したとき、該中間脚の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第1象限にあり、又は、
前記閉磁気回路に磁束Pのみが通過しているとき、B−H曲線において、前記中間脚の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第1象限にあり、前記コイル2に電圧を印加したとき、該中間脚の磁気回路の磁場Hの値及び磁束密度Bの値は第3象限にあることを特徴とする請求項3に記載のバイアス励磁トランス。 - 前記コア2にさらにコイル3を巻装したことを特徴とする請求項1又は2に記載のバイアス励磁トランス。
- 前記中間脚にさらにコイル3を巻装したことを特徴とする請求項3又は4に記載のバイアス励磁トランス。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のバイアス励磁トランスを用いた電気回路において、前記コイル1の両端に整流素子1及び整流素子2を逆方向並列接続し、該コイル1の他端と前記コイル2の他端を導通させ、該コイル1の一端と該コイル2の一端に電位差を印加したとき、
前記コイル1の一端に印加した電位1が前記整流素子1に対し順方向であるとき、該電位1による電流は前記整流素子1と前記コイル2に流れ、又は、
前記コイル1の一端に印加した電位2が前記整流素子2に対し順方向であるとき、該電位2による電流は前記整流素子2と前記コイル2に流れ、
前記コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記コイル2のリアクタンスにより突入電流を防止することを特徴とする電気回路。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のバイアス励磁トランスを用いた電気回路において、前記コイル1の両端に整流素子を並列接続し、前記コイル2の一端と該コイル2の他端に電位差を印加したとき、前記コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧が前記整流素子に対し順方向であるとき、該誘起電圧による電流は該コイル1に流れ、
前記コイル1への該誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記コイル2の両端に印加した電位差を消滅させたとき、該コイル2の自己誘導により、該コイル2の一端に印加した電位と同極性の電位を該コイル2の他端に発生することを特徴とする電気回路。 - 請求項5又は6に記載のバイアス励磁トランスを用いた電気回路において、前記コイル1の両端に整流素子を並列接続し、前記コイル2の一端と該コイル2の他端に電位差を印加したとき、前記コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧が前記整流素子に対し順方向であるとき、該誘起電圧による電流は該コイル1に流れ、
前記コイル1への該誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記コイル2の両端に印加した電位差を消滅させたとき、該コイル2と該コイル3の相互誘導により該コイル3の両端に電位差3を発生することを特徴とする電気回路。 - 請求項5又は6に記載のバイアス励磁トランスを用いた電気回路において、前記コイル1の両端に整流素子を並列接続し、前記コイル2の一端と該コイル2の他端に電位差を印加したとき、前記コイル2からの相互誘導によるコイル1への誘起電圧が前記整流素子に対し順方向であるとき、該誘起電圧による電流は該コイル1に流れ、
前記コイル1への該誘起電圧によりコイル1に電流が流れたとき発生すべく磁束1は、該磁束2に抗すべく磁束の方向であり、
前記コイル3の両端に電位差4を発生することを特徴とする電気回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011244363A JP5846864B2 (ja) | 2011-11-08 | 2011-11-08 | バイアス励磁トランス及び電気回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011244363A JP5846864B2 (ja) | 2011-11-08 | 2011-11-08 | バイアス励磁トランス及び電気回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013102030A JP2013102030A (ja) | 2013-05-23 |
JP5846864B2 true JP5846864B2 (ja) | 2016-01-20 |
Family
ID=48622394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011244363A Expired - Fee Related JP5846864B2 (ja) | 2011-11-08 | 2011-11-08 | バイアス励磁トランス及び電気回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5846864B2 (ja) |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5097855A (ja) * | 1973-12-28 | 1975-08-04 | ||
JPS5411420A (en) * | 1977-06-28 | 1979-01-27 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Ferro-resonance transformer |
EP1014397A1 (en) * | 1998-12-15 | 2000-06-28 | Alcatel | High leakage inductor for a switched power converter |
JP2002083722A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Tokin Corp | インダクタ及びトランス |
JP2003304681A (ja) * | 2002-04-11 | 2003-10-24 | Toyota Motor Corp | 直流電圧変換装置 |
DE112004000034T5 (de) * | 2003-04-22 | 2005-09-01 | Sanken Electric Co. Ltd., Niiza | Leistungsfaktorkorrekturschaltung |
JP2006262680A (ja) * | 2005-03-18 | 2006-09-28 | Sony Corp | スイッチング電源回路 |
JP4692155B2 (ja) * | 2005-08-25 | 2011-06-01 | サンケン電気株式会社 | スイッチング電源装置 |
JP2007123596A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Yaskawa Electric Corp | 直流リアクトルおよびインバータ装置 |
JP2008048527A (ja) * | 2006-08-14 | 2008-02-28 | Ntt Data Ex Techno Corp | スイッチング電源回路及びトランス |
-
2011
- 2011-11-08 JP JP2011244363A patent/JP5846864B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013102030A (ja) | 2013-05-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2017081971A1 (ja) | 磁気部品集合体およびこの磁気部品集合体を用いた電力変換装置 | |
US8059428B2 (en) | Reactor arrangement for alternating electrical current | |
JP2009146955A (ja) | 複合リアクトルおよび電源装置 | |
JP7126210B2 (ja) | リアクトル、電源回路 | |
JP2007123596A (ja) | 直流リアクトルおよびインバータ装置 | |
TWI390560B (zh) | 變壓裝置 | |
JP4626389B2 (ja) | 複合リアクトル | |
JPWO2010010761A1 (ja) | 絶縁型スイッチング電源装置 | |
JP2012231585A (ja) | 電力変換回路 | |
JP2014123639A (ja) | インターリーブ用pfcチョークコイル | |
KR20190016479A (ko) | Dc/dc 컨버터 | |
JP5934001B2 (ja) | Dc−dcコンバータ | |
JP2006217789A (ja) | 永久磁石発電装置 | |
JP2008048527A (ja) | スイッチング電源回路及びトランス | |
JP5846864B2 (ja) | バイアス励磁トランス及び電気回路 | |
JP2013214633A (ja) | スイッチング電源、力率補正及び磁束相殺トランス回路 | |
JP4193942B2 (ja) | インダクタンス部品 | |
JP2014216522A (ja) | 変圧器及びそれを用いた電力変換装置 | |
JP2013090491A (ja) | フォワード・フライバック電源回路 | |
JP5214779B2 (ja) | 電源装置 | |
JP2007185002A (ja) | 永久磁石発電装置 | |
JP2007097297A (ja) | スイッチング電源回路 | |
JP2008004754A (ja) | 電磁機器 | |
JP2005317623A (ja) | 直流リアクトル | |
JP3594944B2 (ja) | スイッチング回路装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141028 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151026 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151104 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151124 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5846864 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |