JP5844856B1 - 雨樋固定金具、およびそれを利用した雨樋設置方法 - Google Patents
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Abstract
Description
従前までの一般的な雨樋は、図9ないし図18に示すように、対象建築物軒先適所に沿って複数固定した樋受け金具5に軒樋4を掛け渡し状に設置するものであり、該樋受け金具5には、「打ち込み、正面打ち、つる打首、横打ち」など様々な形態のものが存在するが、例えば、「正面打ち」について示すと、亜鉛鍍金矩形鋼棒製の支持腕53を有し、同支持腕53基端がわに、対象建築物軒先の鼻隠などの適所に接合可能であって、ネジ結合などによって同対象建築物軒先鼻隠適所に固定可能な、亜鉛鍍金鋼板製帯状部品からなる固着機構6を組み込み可能とした定着部54を設け、同支持腕53の対象建築物軒先広小舞直下となる先端に、亜鉛鍍金矩形鋼棒製、概略U字形であって、先端に先端係合鈎51、基部に基部係合部52を有する受け枠50を一体化したものであり、該受け枠50上に軒樋4を載置し、図14ないし図18に示すように、銅線や塩ビ被覆鋼線、鍍金鋼線などの結束線7を、受け枠50先端係合鈎51と基部係合部52との間に、同軒樋4耳部40,40上を跨ぎ、巻掛けるよう掛け渡し、同結束線7の端部同士を捩り込んで縛り、軒樋4が上方に浮き上がるのを規制するよう、固定してなるものである。
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)および1(2)に提案されているものに代表されるように、雨樋の軒樋上面に差し込まれた逆U字形の樋網の背面に接当しながら横架する帯板の両端を下方に折り返して、軒樋の耳部に係合する係合部を形成し、該帯板および係合部のバネ効果を利用し、係合部を受金に掛止するという簡単な動作で設置を完了できるものとした結束金具や、同特許文献1(3)に見られるような、樋受具本体の一端に、軒樋の耳部を抱持すべく折曲可能な弾性片と、線状体の一端を掛止すべく前方に突出する掛止片とを設け、弾性片により軒樋を保持させた上、線状体にて結束するよう作業を進めるようにして作業を迅速に行えるものとし、高所作業の安全性を高めた樋受具などが散見される。
上述したとおり、従前までに提案のある各種雨樋用の受け金具類などは、何れも、軒樋の耳部間に掛け渡すよう装着する帯状部品や線状部品類が不可欠なものであり、特に、軒樋上に帯状部品を装着するものは、対象建築物軒先から軒樋に流れ込む雨水の一部を、軒樋の下面がわに回り込ませてしまい、円滑な排水の妨げとなってしまう虞があり、また、線状部品類にて結束するものは、ペンチ類などの工具を用いた高所作業が不可欠となり、しかもそれらは何れも軒樋を掃除する際に邪魔になり、風雨雪などの様々な外力によって劣化、破損し易く、耐久強度やメンテナンス性に課題を残すものであって、永年に亘り、雨樋の施工に携わる中で得た経験や、様々な顧客ニーズによって得られた知見などを踏まえ、従前までの技術を鑑みると、雨樋の排水性を損ねることなく、高所施工および保守・清掃作業における繁雑さを解消し、より迅速且つ安全に設置することができ、さらに耐久性およびメンテナンス性に秀れる雨樋設置に関する新技術開発の可能性を痛感するに至ったものである。
そこで、この発明は、結束用線状部品の工具を用いた捩り作業を全く不要とし、設置作業性を高める上、軒樋の耳部上間に掛け渡す部品を無くし、軒樋の排水性能やメンテナンス作業性を高めることができ、しかも耐久性に秀れた新たな雨樋技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の雨樋固定金具、および、それを利用した新規な雨樋設置方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の雨樋固定金具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、概略U字形の受け枠を有し、該受け枠先端に先端係合鈎、同受け枠基部に基部係合部を設け、該受け枠の適所から支持腕を延伸し、該支持腕の基端がわに、該受け枠を対象建築物軒先適所に固定可能な固着機構を設けた樋受け金具の複数を、各受け枠が対象建築物軒先下に沿って適宜間隔を隔てて配するよう、各固着機構を介して固定し、各樋受け金具受け枠間上に掛け渡すよう軒樋を搭載した雨樋に対し、組み込み可能とするよう、当該樋受け金具受け枠を挟み、その両側縁に沿うよう平行状配置可能な一対の塑性板製抱持帯を有し、それら平行状配置とした一対の抱持帯相互の対峙縁の中、当該受け枠の先端係合鈎および基部係合部に係合可能となる位置夫々に設けた連結部が、両抱持帯同士を一体化し、各抱持帯の各両端からは、軒樋の耳部を回り込むよう折曲可能な長さの繋着爪を延伸してなるものとした構成を要旨とする雨樋固定金具である。
上記した雨樋固定金具に関連し、この発明には、それを利用した雨樋設置方法も包含している。
即ち、概略U字形に折曲した受け枠を有し、該受け枠先端に先端係合鈎、同受け枠基部に基部係合部を設け、該受け枠の適所から支持腕を延伸し、該支持腕の基端がわに、該受け枠を対象建築物軒先適所に固定可能な固着機構を設けた樋受け金具の複数を、各受け枠が対象建築物軒先下に沿って適宜間隔を隔てて配するよう各固着機構を介して固定し、各樋受け金具受け枠間上に掛け渡すよう軒樋を搭載した雨樋を設け、各受け枠の各下面に、この発明の基本をなす雨樋固定金具の連結部を重ね合わせ、各一対の抱持帯相互間に受け枠を挟むよう配すると共に、連結部の両端がわ縁を、夫々先端係合鈎および基部係合部に係合し、軒樋下面形状に沿うよう、各一対の抱持帯を折曲した上、各繋着爪を軒樋の耳部を回り込むよう折曲し、樋受け金具受け枠と軒樋とを固定してなるものとした、この発明の基本をなす雨樋固定金具を利用した雨樋設置方法である。
抱持帯は、対象樋受け金具受け枠の両がわに沿い、同受け枠に搭載した軒樋の下面形状に沿うよう折曲可能であり、設置状態にあっては、軒樋の下面を抱持し、一対の抱持帯対峙縁中途部適所間に連結部を介し、両抱持帯同士が一体化する機能を担い、樋受け金具受け枠を挟み、その両側縁に沿うよう平行状配置可能な一対の塑性板製とし、各両端からは、軒樋の耳部を回り込むよう折曲可能な長さの繋着爪を延伸してなり、手指による操作で容易に塑性変形可能であり、しかも風雨などに曝され、樋受け金具受け枠および軒樋に加わる外力を受けても不用意に変形、離脱しない程度の厚み寸法および充分な強度を有するものとしなければならない。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以上のとおり、図1に示す構成からなるこの発明の雨樋固定金具1は、図2ないし図6に示すように、この発明の雨樋部3に組み込むことが可能となり、金属棒か金属板を概略U字形に折曲した受け枠50を有し、該受け枠50先端に先端係合鈎51、同受け枠50基部に基部係合部52を設け、該受け枠50の基部から支持腕53を延伸し、該支持腕53の基端がわ定着部54に、該受け枠50を図示しない対象建築物軒先適所に固定可能なネジ結合用の固着機構6を設けた樋受け金具5の複数を、各受け枠50,50,……が対象建築物軒先下に沿って適宜間隔(約90cm)を隔てて配するよう各固着機構6,6,……を介して固定し、各樋受け金具5,5,……受け枠50,50,……間上に掛け渡すよう軒樋4を搭載した雨樋部3を設け、各受け枠50,50,……の各下面に、雨樋固定金具1の主連結部22を重ね合わせ、各一対の抱持帯2,2相互間に受け枠50を挟むよう配すると共に、当該受け枠50の基部係合部52に主連結部22の対峙する端縁を係合し、同先端係合鈎51に、一対の対峙する舌片部23,23の対峙する端縁を係合する。
叙述の如く、この発明の雨樋固定金具、およびそれを利用した雨樋設置方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前までの軒樋結束金具類や樋受具類などの技術に比較して大幅に固定強度および耐久強度を高め、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上に、高所施工の作業効率と作業安全性とを大幅に改善し得るものとなることから、従前まででは、結束線を巻掛け、工具類を用いて捩り上げ、固定するという煩雑な高所作業が大きな負担となっていた建築業界は固よりのこと、住宅のメンテナンスをより経済的に行いたいと希望する施工主や、従来型の雨樋金具類の耐久性および施工作業性を改善したいと考える住宅部品業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
2 抱持帯
20 同 対峙縁
21 同 連結部
22 同 主連結部
23 同 舌片部
24 同 補助連結部
25 同 繋着爪
3 雨樋部
4 軒樋
40 同 耳部
5 樋受け金具
50 同 受け枠
51 同 先端係合鈎
52 同 基部係合部
53 同 支持腕
54 同 定着部
6 固着機構
7 結束線
Claims (6)
- 概略U字形の受け枠を有し、該受け枠先端に先端係合鈎、同受け枠基部に基部係合部を設け、該受け枠の適所から支持腕を延伸し、該支持腕の基端がわに、該受け枠を対象建築物軒先適所に固定可能な固着機構を設けた樋受け金具の複数を、各受け枠が対象建築物軒先下に沿って適宜間隔を隔てて配するよう各固着機構を介して固定し、各樋受け金具受け枠間上に掛け渡すよう軒樋を搭載した雨樋に対し、組み込み可能とするよう当該樋受け金具受け枠を挟み、その両側縁に沿うよう平行状配置可能な一対の塑性板製抱持帯を有し、それら平行状配置とした一対の抱持帯相互の対峙縁の中、当該受け枠の先端係合鈎および基部係合部に係合可能となる位置夫々に設けた連結部が、両抱持帯同士を一体化し、各抱持帯の各両端からは、軒樋の耳部を回り込むよう折曲可能な長さの繋着爪を延伸してなるものとしたことを特徴とする雨樋固定金具。
- 概略U字形の受け枠を有し、該受け枠先端に先端係合鈎、同受け枠基部に基部係合部を設け、該受け枠の適所から支持腕を延伸し、該支持腕の基端がわに、該受け枠を対象建築物軒先適所に固定可能な固着機構を設けた樋受け金具の複数を、各受け枠が対象建築物軒先下に沿って適宜間隔を隔てて配するよう各固着機構を介して固定し、各樋受け金具受け枠間上に掛け渡すよう軒樋を搭載した雨樋に対し、組み込み可能とするよう当該樋受け金具受け枠を挟み、その両側縁に沿うよう平行状配置可能な一対の塑性板製抱持帯を有し、それら平行状配置とした一対の抱持帯相互の対峙縁の中、当該受け枠の先端係合鈎および基部係合部の何れか一方に係合可能となる位置から、同先端係合鈎および基部係合部の何れか他方までの距離の中間適所までの範囲間に設けた主連結部が、両抱持帯の何れか一方端寄りの箇所同士を一体化し、当該受け枠の先端係合鈎および基部係合部の何れか他方に係合可能となる位置に設けた補助連結部が、両抱持帯の何れか他方端寄りの箇所同士を一体化し、各抱持帯の各両端からは、軒樋の耳部を回り込むよう折曲可能な長さの繋着爪を延伸してなるものとしたことを特徴とする雨樋固定金具。
- 金属棒か金属板を概略U字形に折曲した受け枠を有し、該受け枠先端に先端係合鈎、同受け枠基部に基部係合部を設け、該受け枠の適所から支持腕を延伸し、該支持腕の基端がわに、該受け枠を対象建築物軒先適所に固定可能な固着機構を設けた樋受け金具の複数を、各受け枠が対象建築物軒先下に沿って適宜間隔を隔てて配するよう各固着機構を介して固定し、各樋受け金具受け枠間上に掛け渡すよう軒樋を搭載した雨樋に対し、組み込み可能とするよう当該樋受け金具受け枠を挟み、その両側縁に沿うよう平行状配置可能な一対の塑性板製抱持帯を有し、それら平行状配置とした一対の抱持帯相互の対峙縁の中、当該受け枠の先端係合鈎および基部係合部の何れか一方に係合可能となる位置から、同先端係合鈎および基部係合部の何れか他方までの距離の中間適所までの範囲間に設けた主連結部が、両抱持帯同士を一体化し、当該受け枠の先端係合鈎および基部係合部の何れか他方に係合可能となる位置に、互いに分離した一対の舌片部を対峙するよう突設し、各抱持帯の各両端からは、軒樋の耳部を回り込むよう折曲可能な長さの繋着爪を延伸してなるものとしたことを特徴とする雨樋固定金具。
- 概略U字形に折曲した受け枠を有し、該受け枠先端に先端係合鈎、同受け枠基部に基部係合部を設け、該受け枠の適所から支持腕を延伸し、該支持腕の基端がわに、該受け枠を対象建築物軒先適所に固定可能な固着機構を設けた樋受け金具の複数を、各受け枠が対象建築物軒先下に沿って適宜間隔を隔てて配するよう各固着機構を介して固定し、各樋受け金具受け枠間上に掛け渡すよう軒樋を搭載した雨樋を設け、各受け枠の各下面に、前記請求項1記載の雨樋固定金具の連結部を重ね合わせ、各一対の抱持帯相互間に受け枠を挟むよう配すると共に、各連結部の両端がわ縁を、夫々先端係合鈎および基部係合部に係合し、軒樋下面形状に沿うよう各一対の抱持帯を折曲した上、各繋着爪を軒樋の耳部を回り込むよう折曲し、樋受け金具受け枠と軒樋とを固定してなるものとした、前記請求項1記載の雨樋固定金具を利用した雨樋設置方法。
- 概略U字形に折曲した受け枠を有し、該受け枠先端に先端係合鈎、同受け枠基部に基部係合部を設け、該受け枠の適所から支持腕を延伸し、該支持腕の基端がわに、該受け枠を対象建築物軒先適所に固定可能な固着機構を設けた樋受け金具の複数を、各受け枠が対象建築物軒先下に沿って適宜間隔を隔てて配するよう各固着機構を介して固定し、各樋受け金具受け枠間上に掛け渡すよう軒樋を搭載した雨樋を設け、各受け枠の各下面に、前記請求項2記載の雨樋固定金具の主連結部を重ね合わせ、各一対の抱持帯相互間に受け枠を挟むよう配すると共に、当該受け枠の先端係合鈎および基部係合部の何れか一方に主連結部の対峙する端縁を係合し、同先端係合鈎および基部係合部の何れか他方に、補助連結部の対峙する端縁を係合し、軒樋下面形状に沿うよう各一対の抱持帯を折曲した上、各繋着爪を軒樋の耳部を回り込むよう折曲し、樋受け金具受け枠と軒樋とを固定してなるものとした、前記請求項2記載の雨樋固定金具を利用した雨樋設置方法。
- 金属棒か金属板を概略U字形に折曲した受け枠を有し、該受け枠先端に先端係合鈎、同受け枠基部に基部係合部を設け、該受け枠の適所から支持腕を延伸し、該支持腕の基端がわに、該受け枠を対象建築物軒先適所に固定可能な固着機構を設けた樋受け金具の複数を、各受け枠が対象建築物軒先下に沿って適宜間隔を隔てて配するよう各固着機構を介して固定し、各樋受け金具受け枠間上に掛け渡すよう軒樋を搭載した雨樋を設け、各受け枠の各下面に、前記請求項3記載の雨樋固定金具の主連結部を重ね合わせ、各一対の抱持帯相互間に受け枠を挟むよう配すると共に、当該受け枠の先端係合鈎および基部係合部の何れか一方に主連結部の対峙する端縁を係合し、同先端係合鈎および基部係合部の何れか他方に、各一対の舌片部の対峙する端縁を係合し、軒樋下面形状に沿うよう各一対の抱持帯を折曲した上、各繋着爪を軒樋の耳部を回り込むよう折曲し、樋受け金具受け枠と軒樋とを固定してなるものとした、前記請求項3記載の雨樋固定金具を利用した雨樋設置方法。
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