JP5844100B2 - 表面実装水晶振動子及びその製造方法 - Google Patents

表面実装水晶振動子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面実装用の水晶振動子に係り、特に、小型で生産性と信頼性を向上させた表面実装水晶振動子及びその製造方法に関する。
[従来の技術]
表面実装水晶振動子は小型・軽量であることから、特に携帯型の電子機器に周波数や時間の基準源として内蔵される。
従来の表面実装水晶振動子は、セラミック基板上に水晶片を搭載し、凹状のカバーを逆さまにして被せて密閉封入したものがある。近年では、周波数偏差Δf/fが比較的緩く、例えば±150〜±250ppmの安価な民生用がある。
特に、従来の表面実装水晶振動子の一般的な構成は、セラミック基板上に例えばAgPd(銀・パラジウム)の金属電極のパターンが形成され、更に、水晶片を支持する部分にAgPdの支持電極が積層され、その支持電極で水晶片を持ち上げているようになっている。
これは、水晶片の中央部がセラミック基板(ベース)の面に接触すると、振動を妨げ、等価抵抗値の劣化を招くため、水晶片を搭載する支持電極はベース面からある程度嵩上げする必要がある。
尚、金属電極及び支持電極をAgPdで形成しているのは、酸化しづらいからである。
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2007−158419号公報「表面実装水晶発振器」(日本電波工業株式会社)[特許文献1]、特開2003−179456号公報「水晶製品用表面実装容器及びこれを用いた水晶製品」(日本電波工業株式会社)[特許文献2]、特開2001−110925号公報「導電性キャップ、電子部品及び導電性キャップの絶縁被膜形成方法」(株式会社村田製作所)[特許文献3]がある。
特許文献1には、表面実装水晶発振器において、ICチップ2上に水晶片3が搭載され、実装基板4上にICチップ2等が形成され、金属カバー5が設けられた構成が示されている。
また、特許文献2には、水晶製品用表面実装容器において、単層基板1A上に水晶端子6を介して水晶片3が設けられ、カバー2で密閉封入した構成が示されている。
また、特許文献3には、従来技術の[0005]に、基板51上には、金属キャップ52の下方開口端面が基板51の上面51aに接触する部分に、矩形枠状の絶縁膜55が形成されていることが示されている。
特開2007−158419号公報 特開2003−179456号公報 特開2001−110925号公報
しかしながら、従来の表面実装水晶振動子では、酸化しづらいとの理由で金属電極及び支持電極をAgPdで形成しているが、ベース面から水晶片を離すために支持電極に厚みが必要であるため、支持電極はスクリーン印刷でAgPdを例えば3回塗布して積層させることになり、表面実装水晶振動子の製造が複雑になるという問題点があった。
特に、AgPdは粘度が低いため、一度に厚い膜を形成することはできず、薄く成膜して、更に薄い膜を積層する工程を繰り返す必要があった。
また、AgPdは粘度が低いため、金属電極上に支持電極が形成されるが、支持電極のAgPd膜がだれて金属電極の周囲にはみ出すこともあった。
更に、現在、Pd(パラジウム)はAg(銀)に対して約22倍のコストであり、Pdの使用量が多くなれば、製造コストが高くなるという問題点があった。
また、従来の表面実装水晶振動子において、水晶片を一方の短辺の2箇所で保持する片持ちタイプがあるが、その2箇所における支持電極に接続する接続端子の引き回し配線が水晶片の上面から見た場合、水晶片より外側に出ている部位がある。
そして、製造工程における周波数調整で、水晶片の励振電極をアルゴン(Ar)イオンで削ることになるが、水晶片より外側に出ている部位が削られてしまう可能性があり、調整機のイオンガンの位置だしが困難であるという問題点があった。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、小型化を実現しつつ、品質を高め、製造コストを低減し、生産性を向上させることができる表面実装水晶振動子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、矩形のセラミック基板上に水晶片が搭載される表面実装水晶振動子であって、水晶片を一方の短辺で保持する第1及び第2の支持電極と、基板の角部に形成された貫通孔の壁面に形成されたスルー端子と、基板の表面には第1及び第2の支持電極の下層に形成される第1及び第2の下層部と、第1の下層部の端部と当該端部から最短の角部のスルー端子とを接続する第1の接続端子と、第2の下層部の端部と、第1の下層部が接続するスルー端子とは基板上で対角にある角部のスルー端子とを接続する第2の接続端子と、水晶片を覆い、内部を気密封止するカバーとを備え、スルー端子、下層部及び接続端子を、銀とパラジウムの合金又は銀と白金の合金の金属膜で形成し、第1及び第2の支持電極を銀で形成すると共に、第2の接続端子は、第2の下層部における基板中央側の端部に一端が接続し、基板の長辺に沿って接続されるスルー端子方向に他端が延びる第1の部分と、第1の部分の他端に一端が接続し、スルー端子に他端が接続する第2の部分とを有することを特徴とする。
本発明は、上記表面実装水晶振動子において、基板周囲の内側に、カバーが搭載される帯状の絶縁膜を形成することを特徴とする。
本発明は、矩形のセラミック基板上に水晶片が搭載される表面実装水晶振動子の製造方法であって、基板の角部に形成された貫通孔の壁面にスルー端子を形成すると共に、基板の表面には水晶片を一方の短辺で保持する第1及び第2の支持電極の下層に第1及び第2の下層部と、第1の下層部の端部と当該端部から最短の角部のスルー端子とを接続する第1の接続端子と、第2の下層部の端部と、第1の下層が接続するスルー端子とは基板上で対角にある角部のスルー端子とを接続する第2の接続端子とを、銀とパラジウムの合金又は銀と白金の合金の金属膜で形成すると共に、第2の接続端子は、第2の下層部における基板中央側の端部に一端が接続し、基板の長辺に沿って接続されるスルー端子方向に他端が延びる第1の部分と、第1の部分の他端に一端が接続し、スルー端子に他端が接続する第2の部分とを有するものとし、第1及び第2の下層部上に第1及び第2の支持電極を銀で形成し、水晶片を覆い、内部を気密封止するカバーを設けたことを特徴とする。
本発明は、上記表面実装水晶振動子の製造方法において、第1及び第2の支持電極が、メタルマスクを用いて1回で形成することを特徴とする。
本発明によれば、水晶片を一方の短辺で保持する第1及び第2の支持電極と、基板の角部に形成された貫通孔の壁面に形成されたスルー端子と、基板の表面には第1及び第2の支持電極の下層に形成される第1及び第2の下層部と、第1の下層部の端部と当該端部から最短の角部のスルー端子とを接続する第1の接続端子と、第2の下層部の端部と、第1の下層部が接続するスルー端子とは基板上で対角にある角部のスルー端子とを接続する第2の接続端子と、水晶片を覆い、内部を気密封止するカバーとを備え、スルー端子、下層部及び接続端子を、銀とパラジウムの合金又は銀と白金の合金の金属膜で形成し、第1及び第2の支持電極を銀で形成すると共に、第2の接続端子は、第2の下層部における基板中央側の端部に一端が接続し、基板の長辺に沿って接続されるスルー端子方向に他端が延びる第1の部分と、第1の部分の他端に一端が接続し、スルー端子に他端が接続する第2の部分とを有する表面実装水晶振動子としているので、第2の接続端子における第1の部分が搭載される水晶片の裏側に隠れる位置に形成されるため、周波数調整時のアルゴンイオンによって誤って第1の部分の配線パターンを削ることがなく、小型化を実現しつつ、品質を高め、製造コストを低減し、生産性を向上させることができる効果がある。
本発明によれば、基板の角部に形成された貫通孔の壁面にスルー端子を形成すると共に、基板の表面には水晶片を一方の短辺で保持する第1及び第2の支持電極の下層に第1及び第2の下層部と、第1の下層部の端部と当該端部から最短の角部のスルー端子とを接続する第1の接続端子と、第2の下層部の端部と、第1の下層が接続するスルー端子とは基板上で対角にある角部のスルー端子とを接続する第2の接続端子とを、銀とパラジウムの合金又は銀と白金の合金の金属膜で形成すると共に、第2の接続端子は、第2の下層部における基板中央側の端部に一端が接続し、基板の長辺に沿って接続されるスルー端子方向に他端が延びる第1の部分と、第1の部分の他端に一端が接続し、スルー端子に他端が接続する第2の部分とを有するものとし、第1及び第2の下層部上に第1及び第2の支持電極を銀で形成し、水晶片を覆い、内部を気密封止するカバーを設けた表面実装水晶振動子の製造方法としているので、第2の接続端子における第1の部分が搭載される水晶片の裏側に隠れる位置に形成されるため、周波数調整時のアルゴンイオンによって誤って第1の部分の配線パターンを削ることがなく、小型化を実現しつつ、品質を高め、製造コストを低減し、生産性を向上させることができる効果がある。
本水晶振動子における電極パターンの平面説明図である。 本水晶振動子の支持電極パターンの平面説明図である。 本水晶振動子の水晶片搭載の平面説明図である。 本水晶振動子にカバーが搭載された状態の断面説明図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る表面実装水晶振動子は、水晶片を短辺の一方で支持電極により保持する片持ちタイプであって、矩形のセラミック基板の角部に形成された貫通孔の壁面にAgPdのスルー端子が形成され、基板の表面にスルー端子に接続して支持電極の下層を形成するAgPdの金属電極が形成され、その金属電極の上に水晶片を保持するAgの支持電極が形成されたものであり、小型化を実現しつつ、製造コストを低減させ、生産性を向上させたものである。
特に、支持電極は、スクリーンマスクではなくメタルマスクを用いてAg膜を1回で厚く形成するようにしているので、製造コストを低減でき、更に製造プロセスも簡略化できるものである。
更に、接続端子における基板長辺に平行な引き出し配線パターンを水晶片の裏側に隠れる位置に基板上に形成したものであり、周波数調整時のArイオンによって誤って引き出し配線パターンを削ることがなく、品質及び生産性を向上させることができる。
[本実施の形態の前提]
従来、水晶片を保持する支持電極は、AgPdで形成されてきたのは、AgPd印刷が耐環境性に優れ、AgPd膜が酸化しづらいためである。
本発明の実施の形態では、水晶片に金属カバーを被せ、パッケージ内をN2パージして気密封止するようにしているので、パッケージ内の支持電極をAgで形成したとしても酸化は起こりにくい。
尚、N2パージは、窒素をパッケージ内に送り込んで、酸素等を追い出す作業である。
但し、パッケージから引き出される金属電極及びスルー端子は空気にさらされるため、AgPdで形成する必要がある。
[本水晶振動子の電極パターン:図1]
本発明の実施の形態に係る表面実装水晶振動子(本水晶振動子)について図1を参照しながら説明する。図1は、本水晶振動子における電極パターンの平面説明図である。
本水晶振動子の金属電極の電極パターンは、図1に示すように、セラミック基板(ベース)1上に、支持電極の下層となる支持電極下層部3aのパターンと、ベース1の四隅に形成されたスルー端子2b,2cと、支持電極下層部3aとスルー端子2cを接続する接続端子2a1 ,2a2 ,2a3 のパターンとを基本的に有している。
ここで、接続端子2aが接続するスルー端子を2cとし、接続端子2aが接続しないスルー端子を2bとして、区別している。
また、本水晶振動子は、水晶片の短辺の一方のみで保持する片持ちタイプであるため、支持電極下層部3aの2つがベース1の短辺の一方側に設けられている。そして、その短辺の反対側の短辺(基板1の他方の短辺)には、水晶片の短辺の他方で、水晶片を支持する支持部の下層部(支持下層部)3a′が形成されている。
ここで、電極パターンの各部について具体的に説明する。
スルー端子2b,2cは、ベースに分離する前のセラミックシート状態で、個々の水晶振動子の領域を定めるブレイクラインの交点にスルーホール(貫通孔)が形成され、そのスルーホールの壁面に金属膜が形成されてベースの表裏を接続する電極となっている。
また、スルー端子2b,2cは、スルーホールの壁面だけでなく、他の電極が接続しやすいように、ベースの表裏でスルーホール部分を除いて扇形のパターンとなっている。
接続端子2a1 は、支持電極下層部3a(図1の下側の支持電極下層部3a)の端部から最も近い角部のスルー端子2c(図1の左下側のスルー端子2c)に直線的に接続するようになっている。特に、支持電極下層部3aにおいて、近いベース1の長辺の側から接続端子2a1 がスルー端子2cに引き出されている。
また、接続端子2a2 は、支持電極下層部3a(図1の上側の支持電極下層部3a)の端部からベース1の長辺に平行に引き出され、その後、接続端子2a3 の一端に接続し、接続端子2a3 の他端がスルー端子2c(図1の右上側のスルー端子2c)に接続している。具体的に、接続端子2a3 は、スルー端子2cからベース1のほぼ中央方向に斜めに形成されている。
そして、本水晶振動子の特徴として、接続端子2a2 は、支持電極下層部3aの端部であっても、ベース1の中央側の端部から引き出されている。通常、支持電極下層部3aにおいて、近いベース1の長辺側の端部から接続端子2a2 が引き出されるが、本水晶振動子では、長辺側の端部から特定の距離dだけ中央側に接続端子2a2 が形成される。
これは、その後の工程で、水晶片が搭載され、周波数調整のためArイオンによって励振電極を削っても、接続端子2a2 が水晶片の裏側に隠れてしまうため、誤って接続端子2a2 が削られることがない構成となっている。
そして、ベース1の表面には、支持電極下層部3a、支持下層部3a′と接続端子2a1 ,2a2 ,2a3 が一体でAgPdにより形成されると共に、ベース1の表裏を接続するスルー端子2b,2cも同時に形成される。
また、ベース1の裏面には、各スルー端子2b,2cに接続する実装端子の電極パターンがAgPdにより形成される。
スルー端子2cに接続する実装端子は、電圧が印加される電極となり、スルー端子2bに接続する実装端子は、グランドレベルに接続するGND電極となる。
また、ベース1には、ベース1の表面であって外周の内側を周回するよう帯状にガラス等で絶縁膜が形成され、ベース1上の接続端子2a1 ,2a3 を覆って横断している。
そして、絶縁膜は、ベース1の外周端からは離れて内側に形成され、スルー端子2b,2cが形成されている角部までを覆うものとはなっていない。
但し、カバーのずれを考慮して絶縁膜10をスルー端子2b,2cの中心側に延ばすようにしてもよい。中心側とは、ベース1の角部を対角線で結んだ場合の線端の部分である。
[本水晶振動子の支持電極パターン:図2]
次に、本水晶振動子の支持電極パターンについて図2を参照しながら説明する。図2は、本水晶振動子の支持電極パターンの平面説明図である。
図2に示すように、支持電極3bは、支持電極下層部3aの上に積層されてAgにより形成されるものである。尚、支持下層部3a′の上にもAgにより支持部3b′が形成される。
支持電極3b、支持部3b′は、Agを用いているため、粘度が高く、メタルマスクを用いて一度の塗布で厚みのある金属膜を形成できる。一度の塗布で形成される支持電極3b、支持部3b′の厚さは、従来のAgPdを用いた金属膜(粘度が低い)の三層分に相当する。
つまり、同じ厚みの支持電極3bを形成するのに、本実施の形態ではAg膜を一度塗布すればよいが、従来のAgPd膜では三度塗布する必要があり、多くのPdを使用してコスト高であり、作業工程も複雑になっている。
また、支持電極3bは、粘度の高いAgを用いているため、だれて支持電極下層部3aからはみ出すことがなく、金属製のカバーがすれて搭載されてもショートする可能性を少なくできる。
[本水晶振動子の水晶片搭載:図3]
次に、本水晶振動子の水晶片搭載について図3を参照しながら説明する。図3は、本水晶振動子の水晶片搭載の平面説明図である。
水晶片5は、ATカットとし、対向した励振電極5aが両主面に形成されている。
また、水晶片5には、励振電極5aからは互いに同じ方向の端部に延出して幅方向の全幅にわたって折り返された引出電極5bが形成されている。
そして、引出電極5bの延出した端部が導電材としての導電性接着剤によって支持電極3bに固着して、引出電極5bと支持電極3bとを電気的・機械的に接続している。
また、上述したように、接続端子2a2 は、水晶片5の裏側に隠れてしまうため、周波数調整のためArイオンによって励振電極を削っても、誤って接続端子2a2 が削られることがないものである。
[本水晶振動子の断面:図4]
次に、本水晶振動子にカバーが搭載された状態の断面について図4を参照しながら説明する。図4は、本水晶振動子にカバーが搭載された状態の断面説明図である。特に、図4では、図3のA′−A′部分の断面説明図となっている。
図4に示すように、ベース1の表面に支持電極下層部3a、支持下層部3a′、接続端子2a1 ,2a2 ,2a3 が、ベース1の四隅の角部にはスルー端子2b,2cが、ベース1の裏面には実装端子4がAgPdで形成されている。
また、支持電極下層部3a上にAgの支持電極3bが形成され、更に水晶片5が導電性接着剤7で支持電極3bに接着されている。
また、ベース1の周囲には絶縁膜10が形成され、その絶縁膜10上に、絶縁性の封止材としての樹脂を介して金属製のカバー6が搭載される。
カバー6は、凹状の形状をしており、開口端面がL字状に折曲し、その凹状の形状を逆さまにして、そのL字状の部分が封止剤の樹脂を介して絶縁膜10上に接合される。
カバー6で封止する場合には、N2パージにより気密封止するため、Agで形成された支持電極3b、支持部3b′が酸化することがなく、品質的には問題はない。
[本水晶振動子の製造方法]
次に、本水晶振動子の製造方法について説明する。
[第1工程/シート状セラミック生地焼成]
先ず、シート状セラミックベースの元となるシート状セラミック生地を形成する。
シート状セラミック生地には、個々のセラミックベース1に対応して隣接する領域同士区切るブレイクラインを形成すると共にその四隅部(角部)に貫通孔を形成する。
そして、貫通孔が形成されたシート状セラミック生地を焼成し、シート状セラミックベースを得る。
[第2工程/回路パターン形成]
次に、シート状セラミックベースの回路パターンに対応した領域に、AgPd合金の金属ペーストを厚み約10μm程度で、スクリーンマスクを用いた印刷によって形成する。
回路パターンは、一主面(表面)では、図1に示すように、金属パターンが形成され、他主面(裏面)では、実装端子4のパターンが形成され、更に、貫通孔の壁面にはスルー端子2b,2cが形成される。
そして、AgPd合金とした金属ペーストを約850℃で焼成し、金属ペースト中のバインダを蒸発させると共にAgPd合金を溶融して固体化し、金属パターンの形成されたシート状セラミックベースを得る。
尚、セラミックの焼成温度は約1500〜1600℃、AgPd合金はこれ以下の850℃となることから、セラミックの焼成後にAgPd合金ペーストを塗布して、セラミックとともにAgPd合金ペーストを焼成する。
これは、セラミック生地にAgPd合金ペーストを塗布してセラミックの焼成温度で焼成すると、AgPd合金ペーストは高温過ぎて塊粒になって回路パターンを形成できないことに起因する。
[第3工程/絶縁膜10形成]
次に、絶縁膜10の形成について説明する。
金属パターン等が形成されたシート状セラミックベースの各矩形領域(各ベース1に相当)の周囲の内側に絶縁膜10としてガラスペーストを印刷によって形成する。
そして、約850℃程度の温度で焼成してガラスを固体化する。
[第4工程/支持電極3b形成]
次に、支持電極3bの形成について説明する。
支持電極3b、支持部3b′が、図2に示すように、ニッケル(Ni)のメタルマスクを用いて、AgPdの支持電極下層部3a、支持下層部3a′の上にAgの金属膜により形成される。
支持電極3b等は、Agの金属膜であるため、粘度が高く、一度の成膜で厚みのある膜を形成することができる。従って、支持電極3bは、だれて支持電極下層部3aからはみ出すことがない。
[第5工程/水晶片搭載]
次に、金属パターン等の形成されたシート状セラミックベースの各支持電極3bに、励振電極5aから引出電極5bの延出した水晶片5を導電性接着剤7によって固着して搭載し、電気的・機械的に接続する。
[第6工程/周波数調整]
次に、シート状セラミックベースに搭載(固着)された水晶振動子としての各水晶片5の振動周波数を質量負荷効果によって調整する。
具体的には、シート状セラミックベースの裏面において、各水晶片5と電気的に接続した実装端子4に測定器からの測定端子(プローブ)を接触させる。そして、板面が露出した水晶片5の表面側の励振電極5aにArガスイオンを照射して表面を削り取り、励振電極5aの質量を減じて振動周波数を低い方から高い方に調整する。
但し、例えば、蒸着やスパッタによって励振電極5a上に金属膜を付加して、振動周波数を高い方から低い方に調整することもできる。
[第7工程/金属カバー接合(密閉封入)]
次に、水晶片5が搭載されたシート状セラミックベース1Aの個々のセラミックベース1に対応した矩形状領域の外周表面であって絶縁膜10上に、凹状とした金属のカバー6の開口端面(フランジ下面)を、封止材を介して接合する。
ここでは、カバー6の開口端面に予め塗布又は転写された樹脂を封止材とし、加熱溶融して接合する。例えば、カバー6の開口端面をL字状として所謂シールパスを長くする。これにより、個々の水晶片5を密閉封入して集合化されたシート状の水晶振動子を形成する。
[第8工程/分割]
最後に、水晶振動子が集合化されたシート状セラミックベースをブレイクラインに従って縦横に分割して、個々の表面実装水晶振動子を得る。
また、ここでは、金属パターン等の形成されたシート状セラミックベースの状態で、水晶片5の搭載(第5工程)、周波数調整(第6工程)及びカバー6の接合(第7工程)の工程を連続的に行えるので、生産性を向上させることができる効果がある。
更に、本実施形態では、セラミックベース1の裏面の実装端子4は、それぞれが電気的に独立した4端子とする。一方、シート状セラミックベースの状態では、隣接する矩形状領域の4つの角部における各実装端子4(4個)はスルー端子2b,2cを経て電気的に共通接続する。
従って、4つの角部の各実装端子4が共通接続された状態でも、各セラミックベース1の支持電極3bに接続する一組の対角部の実装端子4に測定端子を接触させて、水晶片5毎に振動周波数を調整できる効果がある。
また、絶縁膜10をガラスとしたが、例えば、封止材の樹脂よりも耐熱性があれば樹脂であっても適用できる。
そして、金属パターンは、AgPd合金としたが、セラミックに対する付着力が比較的良好なAgを主とした例えばAgPt(銀・白金)合金でもよく、Ag系厚膜材料であれば適用できる。
[実施の形態の効果]
本水晶振動子によれば、片持ちタイプにおいて、支持電極下層部3a、支持下層部3a′、接続端子2a1 ,2a2 ,2a3 、スルー端子2b,2cをAgPd合金で一体的に形成し、支持電極下層部3a、支持下層部3a′の上にはAgの支持電極3b、支持部3b′を形成し、水晶片5を搭載後に、カバー6で気密封止するようにしているので、支持電極3b、支持部3b′が空気にさらされて酸化することがなく、粘度が高いAgのため一度の成膜でAgPdに比べて厚みのあるものにでき、しかもだれることがないため、小型化を実現しつつ、品質を向上させ、生産性を向上させることができる効果がある。
また、本水晶振動子によれば、支持電極3b、支持部3b′をAg膜で形成するようにしているので、製造コストを低減できる効果がある。
また、本水晶振動子によれば、接続端子2a2 をベース1の長辺より中央側に形成するようにしているので、水晶片が搭載されると、水晶片5の裏側に隠れてしまうため、周波数調整のためArイオンによって励振電極を削っても、誤って接続端子2a2 が削られることがなく、品質を向上させ、生産性を向上させることができる効果がある。
本発明は、小型化を実現しつつ、品質を高め、製造コストを低減し、生産性を向上させることができる表面実装水晶振動子及びその製造方法に好適である。
1...基板(ベース)、 2a1 ,2a2 ,2a3 ...接続端子、 2b,2c...スルー端子、 3a...支持電極下層部、 3a′...支持下層部、 3b...支持電極、 3b′...支持部、 4...実装端子、 5...水晶片、 5a...励振電極、 5b...引出電極、 6...カバー、 7...導電性接着剤、 10...絶縁膜

Claims (4)

  1. 矩形のセラミック基板上に水晶片が搭載される表面実装水晶振動子であって、
    水晶片を一方の短辺で保持する第1及び第2の支持電極と、
    前記基板の角部に形成された貫通孔の壁面に形成されたスルー端子と、
    前記基板の表面には前記第1及び第2の支持電極の下層に形成される第1及び第2の下層部と、
    前記第1の下層部の端部と当該端部から最短の角部のスルー端子とを接続する第1の接続端子と、
    前記第2の下層部の端部と、前記第1の下層部が接続するスルー端子とは前記基板上で対角にある角部のスルー端子とを接続する第2の接続端子と、
    前記水晶片を覆い、内部を気密封止するカバーとを備え、
    前記スルー端子、前記下層部及び前記接続端子を、銀とパラジウムの合金又は銀と白金の合金の金属膜で形成し、前記第1及び第2の支持電極を銀で形成すると共に、
    前記第2の接続端子は、前記第2の下層部における前記基板中央側の端部に一端が接続し、前記基板の長辺に沿って接続される前記スルー端子方向に他端が延びる第1の部分と、前記第1の部分の他端に一端が接続し、前記スルー端子に他端が接続する第2の部分とを有することを特徴とする表面実装水晶振動子。
  2. 基板周囲の内側に、カバーが搭載される帯状の絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1記載の表面実装水晶振動子。
  3. 矩形のセラミック基板上に水晶片が搭載される表面実装水晶振動子の製造方法であって、
    前記基板の角部に形成された貫通孔の壁面にスルー端子を形成すると共に、前記基板の表面には前記水晶片を一方の短辺で保持する第1及び第2の支持電極の下層に第1及び第2の下層部と、前記第1の下層部の端部と当該端部から最短の角部のスルー端子とを接続する第1の接続端子と、前記第2の下層部の端部と、前記第1の下層が接続するスルー端子とは前記基板上で対角にある角部のスルー端子とを接続する第2の接続端子とを、銀とパラジウムの合金又は銀と白金の合金の金属膜で形成すると共に、前記第2の接続端子は、前記第2の下層部における前記基板中央側の端部に一端が接続し、前記基板の長辺に沿って接続される前記スルー端子方向に他端が延びる第1の部分と、前記第1の部分の他端に一端が接続し、前記スルー端子に他端が接続する第2の部分とを有するものとし、
    前記第1及び第2の下層部上に前記第1及び第2の支持電極を銀で形成し、前記水晶片を覆い、内部を気密封止するカバーを設けたことを特徴とする表面実装水晶振動子の製造方法。
  4. 第1及び第2の支持電極が、メタルマスクを用いて1回で形成することを特徴とする請求項3記載の表面実装水晶振動子の製造方法。
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