JP5843866B2 - 位置決め部材の組付方法、決定方法、径決定方法、測定装置及び決定装置 - Google Patents

位置決め部材の組付方法、決定方法、径決定方法、測定装置及び決定装置 Download PDF

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Description

本発明は、軸部を有する軸側ワークと軸部が挿入される穴部を有する穴側ワークとの間の挿入溝に挿入される位置決め部材の組付方法、決定方法、径決定方法、穴側ワークのがたつき量を測定する測定装置及び決定装置に関する。
無段変速機においては、固定プーリ半体と一体の回転軸(つまり、プーリシャフト(固定シーブ))と、この回転軸に外挿される可動プーリ半体(可動シーブ)との間に挿入溝を設け、この挿入溝に位置決め部材として機能するボールを挿入することで、軸側ワークである回転軸と、穴側ワークである可動プーリ半体とを周方向で位置決めする構造が知られている。この種のボールスプライン機構では、挿入溝を構成する各部材の内外スプラインの加工誤差によるがたつきを低減するために、がたつき量を測定する測定装置によって、挿入溝に基準ボールを入れた状態で周方向のがたつき量を測定し、測定されたがたつき量に応じて実際に組み付けるボールの径を決定している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献2では、ボールスプライン機構は車両におけるVベルト式の無段変速機のプーリに適用されており、上記軸側ワークは、固定シーブを一体に備えた回転シャフトに相当し、上記穴側ワークは、回転シャフト上を軸方向に移動自在なスライドシーブに相当する。
特開2000−283865号公報 特開平11−142101号公報
しかし、従来の方法では、基準ボールを用意しなければならず、更に、基準ボールの組み付けや取り外しの作業が生じるため、部品点数の増大や作業工程の増大を招く。このことは、最終的に使用するボールを組み込んでアッシー化(ユニット化とも言う)するまでの作業効率の悪化の要因となる。
また、上記従来のがたつき量の測定装置では、穴側ワークである可動プーリ半体の周方向、すなわち、穴側ワークが嵌挿される軸側ワークである回転軸の軸線を中心にした穴側ワークの回転方向のがたつき量を測定できるが、軸方向の動作のがたつき量については測定できない。このため、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量(倒れ量)を修正できず、穴側ワークの軸方向の動作にがたつきが生じる可能性がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えることができる位置決め部材の組付方法、決定方法、径決定方法及び決定装置を提供することを目的とする。また、本発明は、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を測定できる測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、軸部の外周に内側に凹む外スプラインが形成された軸側ワークと、穴部の内周に外側に凹む内スプラインが形成された穴側ワークとが嵌合され、前記軸側ワークと前記穴側ワークとの周方向の位置決めのために、前記外スプラインと前記内スプラインとで構成される挿入溝に位置決め部材を組み付ける位置決め部材の組付方法において、複数の前記軸側ワークの前記軸部における少なくとも1箇所の直径を測定する軸側ワーク測定工程と、複数の前記穴側ワークの前記穴部における前記軸部に対応する位置の直径を測定する穴側ワーク測定工程と、前記位置決め部材として、予め定めた外径の位置決め部材を用意し、測定された複数の前記軸側ワーク及び複数の前記穴側ワークから、前記予め定めた外径の位置決め部材と前記挿入溝との間のクリアランスを適正に保つように、一対の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを設定するマッチング工程と、前記マッチング工程の後に、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを前記位置決め部材を非装着で嵌合させた状態にして軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定するがたつき量測定工程と、前記がたつき量が適正範囲内であることが確認された場合に、前記予め定めた外径の位置決め部材を前記挿入溝に組み付け、前記がたつき量が適正範囲を外れていれば、前記軸側ワーク及び前記穴側ワークの形状を測定し、この測定結果から挿入すべき位置決め部材の径を算出し、この算出した径の位置決め部材を前記挿入溝に組み付ける位置決め部材組付工程とを有することを特徴とする。
この構成によれば、軸側ワークの所定軸部の外径と、穴側ワークにおける軸側ワークの所定軸部に対応する所定穴部の内径とを測定し、測定された複数の軸側ワーク及び複数の穴側ワークの中から適正範囲内のクリアランスとなる外径又は内径を有する一対の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを選択することで、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を所定範囲内に抑えることができ、所定の位置決め部材を挿入溝に組み付けることが可能になる。このため、従来のような基準となる位置決め部材を挿入溝に挿入しなくても済み、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えることができる。従って、コストを抑えることができるとともに、生産性を向上させることができる。
上記構成において、前記穴側ワークのがたつき量は、前記軸側ワークの軸線に直交する軸線回りで前記穴側ワークを一方向及びこの一方向とは反対の他方向に回動させたときの一方向及び他方向での穴側ワークの倒れ量であるのが良い。この構成によれば、軸側ワークの軸線に直交する軸線回りでの穴側ワークの一方向及び他方向の回動による穴側ワークの倒れ量を測定するので、軸側ワークと穴側ワークとで、例えばベルト式無段変速機のドライブプーリ又はドリブンプーリを構成する場合に、ドライブプーリ又はドリブンプーリにおけるベルトとの当り面の振れ量を確認することができ、これによって、ドライブプーリ又はドリブンプーリとベルトとの当たり具合を推測することができる。この結果、ベルト式無段変速機が搭載される車両の燃費への影響を把握することができる。
また、上記構成において、前記所定の位置決め部材は、予め寸法が設定されたものであるのが良い。この構成によれば、位置決め部材の寸法が予め設定されているので、挿入溝の形状に応じて寸法の異なる位置決め部材を多数用意しなくて済み、また、挿入溝に合わせて位置決め部材を変更する必要がなく、部品点数を抑えることができるとともに、作業工数を減らすことができる。
また、上記構成において、前記がたつき量を測定する前に、前記軸側ワークの軸線に対して前記穴側ワークの軸線を一致させるようにしても良い。この上記構成によれば、がたつき量測定前に軸側ワークの軸線に対して穴側ワークの軸線を一致させることで、軸側ワークと穴側ワークとのがたつき量を精度良く測定することができる。
また、上記構成において、前記がたつき量測定時には、前記軸側ワークから前記穴側ワークが離間する所望の測定位置に前記穴側ワークを移動させるようにしても良い。この構成によれば、軸側ワークから穴側ワークが離間する所望のがたつき量測定位置に穴側ワークを移動させるため、穴側ワークのがたつき量の測定を、軸側ワークに対する穴側ワークの可動範囲の全域に亘って行うことができ、穴側ワークの十分な信頼性確認を行うことができる。
また、本発明では、軸部を有する軸側ワークと、前記軸部が挿入される穴部を有する穴側ワークとを有し、前記軸部の外周には、内側に凹む外スプラインが形成され、前記穴部の内周には、外側に凹む内スプラインであって、前記外スプラインと位置が合った状態で、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを周方向で位置決めする位置決め部材が挿入される挿入溝を形成する内スプラインが形成される組立体における位置決め部材の決定方法において、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを、前記位置決め部材を非装着で組んだ状態にし、前記挿入溝に向けて、前記挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動工程と、前記プローブが前記挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、前記挿入溝に挿入する前記位置決め部材を決定する位置決め部材決定工程とを有することを特徴とする。
この構成によれば、軸側ワークと穴側ワークとを、位置決め部材を非装着で組んだ状態にし、該位置決め部材が挿入される挿入溝に向けて、この挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動工程と、プローブが挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、挿入溝に挿入する位置決め部材を決定する位置決め部材決定工程とを有するので、基準の位置決め部材を用意する必要がなく、この種の基準部材の組み付けや取り外しの作業を行う必要もなく、適切な位置決め部材を決定することができる。従って、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えつつ、位置決め部材を決定することができる。
上記構成において、前記挿入溝を複数有し、前記プローブは前記挿入溝毎に独立して設けられ、各プローブのストローク量に基づいて各挿入溝に挿入する前記位置決め部材を各々決定するようにしても良い。この構成によれば、全ての挿入溝に合わせて最適な位置決め部材を選択することができる。
また、上記構成において、前記ストローク量と、前記位置決め部材のサイズとを対応づけた対応付けデータを有し、前記位置決め部材決定工程では、前記対応付けデータを参照し、前記ストローク量に基づいて前記位置決め部材のサイズを決定するようにしても良い。この構成によれば、位置決め部材のサイズを簡易に決定することができる。
また、上記構成において、前記ストローク量の測定は、前記プローブが挿通開始位置から、前記プローブが当接するまでの移動時間以上に設定された一定時間が経過した後の前記プローブの位置までの距離を測ることにしても良い。この構成によれば、当接検出用のセンサ等を設けることなく、ストローク量を適切に測定することができる。
また、上記構成において、前記位置決め部材決定工程では、前記ストローク量が予め定めた許容範囲内か否かを判定し、許容範囲内の場合に、前記ストローク量に基づいて前記位置決め部材を決定し、許容範囲外の場合、前記外スプラインと前記内スプラインとが周方向にずれている旨の報知を行うようにしても良い。この構成によれば、軸側ワークと穴側ワークとが周方向にずれた状態で組み立てられていた場合に、それを検出でき、修正することができる。この修正後に再度ストローク量を測定することにより、より確実に適切な位置決め部材を決定することができる。
また、本発明は、軸部を有する軸側ワークと、前記軸部が挿入される穴部を有する穴側ワークとを有し、前記軸部の外周には、内側に凹む外スプラインが形成され、前記穴部の内周には、外側に凹む内スプラインであって、前記外スプラインと位置が合った状態で、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを周方向で位置決めする位置決め部材が挿入される挿入溝を形成する内スプラインが形成される組立体における位置決め部材の組付方法において、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを、前記位置決め部材を非装着で組んだ状態にし、前記挿入溝に向けて、前記挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動工程と、前記プローブが前記挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、前記挿入溝に挿入する前記位置決め部材を決定する位置決め部材決定工程と、決定された前記位置決め部材を、前記組んだ状態の前記軸側ワークと前記穴側ワークに組み付ける位置決め部材組付工程とを有することを特徴とする。
この構成によれば、基準の位置決め部材を用意する必要がなく、この種の基準部材の組み付けや取り外しの作業を行う必要もなく、適切な位置決め部材を決定して該位置決め部材を組み付けることができる。従って、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えつつ、位置決め部材を組み付けることができる。
また、本発明は、軸部の外周に内側に凹む外スプラインが形成された軸側ワークと、穴部の内周に外側に凹む内スプラインが形成された穴側ワークとが嵌合され、外スプラインと内スプラインとで構成される挿入溝に挿入される位置決め部材の径決定方法において、前記位置決め部材として、予め定めた外径の位置決め部材を用意し、前記軸側ワーク及び前記穴側ワークの測定情報に基づいて、測定された複数の前記軸側ワーク及び複数の前記穴側ワークから、前記予め定めた外径の位置決め部材と前記挿入溝との間のクリアランスを適正に保つように、一対の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを設定するマッチング工程と、前記マッチング工程の後に、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを前記位置決め部材を非装着で嵌合させた状態にして、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定するがたつき量測定工程と、前記がたつき量が適正範囲内の場合に、前記予め定めた外径の位置決め部材を前記挿入溝に組み付け、前記外スプライン及び前記内スプラインの測定情報に基づいて、前記挿入溝に挿入する前記位置決め部材の径を算出する算出工程と、算出された径の前記位置決め部材を前記挿入溝に挿入した状態にして、前記軸側ワークと前記穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定し、この測定結果に基づいて前記位置決め部材が適正か否かを検査する検査工程とを有することを特徴とする。
この構成によれば、外スプライン及び内スプラインの測定情報に基づいて、挿入溝に挿入する位置決め部材の径を算出し、算出された径の位置決め部材を挿入溝に挿入した状態にして、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定し、この測定結果に基づいて位置決め部材が適正か否かを検査するので、基準の位置決め部材を用意する必要がなく、この種の基準部材の組み付けや取り外しの作業を行う必要もなく、適切な径の位置決め部材を決定することができる。従って、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えることができる。
上記構成において、前記算出工程では、前記測定情報に基づいて前記外スプライン及び前記内スプラインの形状を示す座標式を各々得て、前記挿入溝内に設定した中心座標に前記位置決め部材を配置した条件で、前記座標式で示される各スプラインの座標との間のクリアランスが所定条件を満たす前記位置決め部材の径を算出するようにしても良い。この構成によれば、挿入溝に合わせた適切な径の位置決め部材を決定することができる。
また、上記構成において、前記がたつき量は、前記軸側ワークの軸線に直交する軸線周りで前記穴側ワークを一方向及びこの一方向とは反対の他方向に回動させたときの一方向及び他方向での穴側ワークの倒れ量にしても良い。この構成によれば、軸側ワークと穴側ワークとで、例えばベルト式無段変速機のドライブプーリ又はドリブンプーリを構成する場合に、ドライブプーリ又はドリブンプーリにおけるベルトとの当り面の振れ量を確認することができ、これによって、ドライブプーリ又はドリブンプーリとベルトとの当たり具合を推測することができる。この結果、ベルト式無段変速機が搭載される車両の燃費への影響を把握することができる。
また、上記構成において、複数の前記軸側ワークの前記軸部における少なくとも1箇所の直径と、複数の前記穴側ワークの前記穴部における前記軸部に対応する位置の直径とを測定し、この測定結果に基づいて、一対の所望の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを設定するマッチング工程と、このマッチング工程の後に、予め定めた径の位置決め部材を前記挿入溝に挿入した状態にして、前記軸側ワークと前記穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定するマッチング工程後の測定工程とを有し、この測定工程で測定されたがたつき量が適正範囲内でない場合に、前記算出工程を実施するようにしても良い。この構成によれば、予め定めた径の位置決め部材でがたつき量が適正範囲内であった場合、挿入溝の測定や上記算出工程や検査工程を不要にできる。
また、本発明は、軸側ワークに穴側ワークが挿入されて形成される被測定品としての組立体の穴側ワークのがたつき量を測定する測定装置において、前記軸側ワークの芯出しをする求心機構と、前記求心機構の軸線に一致する軸線を有し、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを同軸状態にするワーク保持機構とを備え、前記ワーク保持機構は、前記組立体の前記穴側ワークを、前記軸側ワークの軸線に直交する軸線回りで回動させ、前記穴側ワークが回動された際の前記穴側ワークの倒れ量が測定部によって測定され、前記ワーク保持機構は、当該ワーク保持機構を前記軸側ワークの軸線に直交する軸線回りで回動させる回動手段を有し、この回動手段が、前記穴側ワークを時計回り及び反時計回りに所望の回転トルクで回動させることを特徴とする。
この構成によれば、軸側ワークの芯出しをする求心機構と、軸側ワークと穴側ワークとを同軸状態にするワーク保持機構とを備え、ワーク保持機構は、組立体の穴側ワークを、軸側ワークの軸線に直交する軸線回りで回動させ、軸側ワークが回動された際の穴側ワークの倒れ量が測定部によって測定されるため、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定することができる。
また、回動手段が、穴側ワークを時計回り及び反時計回りに所望の回転トルクで回動させるので、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、上記構成において、前記組立体は、外スプラインが形成された前記軸側ワークに内スプラインが形成された前記穴側ワークが嵌挿され、前記外スプライン及び前記内スプラインで構成されるスプラインに、前記穴側ワークを周方向に位置決めする位置決め部材が組み付けられるものであっても良い。この場合、外スプライン及び内スプラインで構成されるスプラインに穴側ワークを周方向に位置決めする位置決め部材が組み付けられるので、組立体の穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を測定することができる。
また、上記構成において、前記ワーク保持機構は、前記穴側ワークに芯出しして固定されつつ、前記穴側ワークの軸方向の端面基準で前記穴側ワークに固定される固定治具を有し、当該固定治具によって前記組立体の穴側ワークを芯出しして、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを同軸状態にする構成であっても良い。この場合、穴側ワークに芯出しして固定されつつ、穴側ワークの軸方向の端面基準で穴側ワークに固定される固定治具によって組立体の穴側ワークを芯出しして、軸側ワークと穴側ワークとを同軸状態にするようにすれば、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、上記構成において、前記求心機構は、一対の軸側ワーク芯出し治具を有し、当該軸側ワーク芯出し治具によって前記軸側ワークの一端及び他端に形成されたセンタ穴を押すことにより、前記組立体の前記軸側ワークを芯出しするものであっても良い。この構成によれば、軸側ワーク芯出し治具によって軸側ワークの一端及び他端に形成されたセンタ穴を押すことにより、組立体の軸側ワークを芯出しするので、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、上記構成において、前記ワーク保持機構を移動させる移動手段を有し、当該移動手段によって、前記軸側ワークから前記穴側ワークが離間する所望の測定位置に、前記穴側ワークを移動させる構成としても良い。この構成によれば、移動手段によって、軸側ワークから穴側ワークが離間する所望の測定位置に、穴側ワークを移動させるので、穴側ワークが軸側ワークから離間した状態で穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、本発明は、軸部を有する軸側ワークと、前記軸部が挿入される穴部を有する穴側ワークとを有し、前記軸部の外周には、内側に凹む外スプラインが形成され、前記穴部の内周には、外側に凹む内スプラインであって、前記外スプラインと位置が合った状態で、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを周方向で位置決めする位置決め部材が挿入される挿入溝を形成する内スプラインが形成される組立体における位置決め部材の決定装置において、前記位置決め部材を非装着で、前記軸側ワークと前記穴側ワークとにより組まれた組立体における前記外スプラインと前記内スプラインとの位置が合った状態の挿入溝に向けて、前記挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動機構と、前記プローブが前記挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、前記挿入溝に挿入する前記位置決め部材を決定する決定部とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、基準の位置決め部材を用意する必要がなく、この種の基準部材の組み付けや取り外しの作業を行う必要もなく、適切な位置決め部材を決定することができる。従って、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えつつ、位置決め部材を決定することができる。
本発明の位置決め部材の組付方法では、複数の軸側ワークの軸部における少なくとも1箇所の直径を測定する軸側ワーク測定工程と、複数の前記穴側ワークの穴部における軸部に対応する位置の直径を測定する穴側ワーク測定工程と、前記位置決め部材として、予め定めた外径の位置決め部材を用意し、測定された複数の軸側ワーク及び複数の穴側ワークから、前記予め定めた外径の位置決め部材と前記挿入溝との間のクリアランスを適正に保つように、一対の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを設定するマッチング工程と、マッチング工程の後に、軸側ワークと穴側ワークとを位置決め部材を非装着で嵌合させた状態にして軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定するがたつき量測定工程と、がたつき量が適正範囲内であることが確認された場合に、前記予め定めた外径の位置決め部材を前記挿入溝に組み付け、前記がたつき量が適正範囲を外れていれば、前記軸側ワーク及び前記穴側ワークの形状を測定し、この測定結果から挿入すべき位置決め部材の径を算出し、この算出した径の位置決め部材を前記挿入溝に組み付ける位置決め部材組付工程とを有するので、軸側ワークの所定軸部の外径と、穴側ワークにおける軸側ワークの所定軸部に対応する所定穴部の内径とを測定し、測定された複数の軸側ワーク及び複数の穴側ワークの中から適正範囲内のクリアランスとなる外径又は内径を有する一対の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを選択することで、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を所定範囲内に抑えることができ、所定の位置決め部材を挿入溝に組み付けることが可能になる。このため、従来のような基準となる位置決め部材を挿入溝に挿入しなくても済み、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えることができる。従って、コストを抑えることができるとともに、生産性を向上させることができる。
また、穴側ワークのがたつき量を、軸側ワークの軸線に直交する軸線回りで穴側ワークを一方向及びこの一方向とは反対の他方向に回動させたときの一方向及び他方向での穴側ワークの倒れ量にすれば、軸側ワークの軸線に直交する軸線回りでの穴側ワークの一方向及び他方向の回動による穴側ワークの倒れ量を測定することで、軸側ワークと穴側ワークとで、例えばベルト式無段変速機のドライブプーリ又はドリブンプーリを構成する場合に、ドライブプーリ又はドリブンプーリにおけるベルトとの当り面の振れ量を確認することができ、これによって、ドライブプーリ又はドリブンプーリとベルトとの当たり具合を推測することができる。この結果、ベルト式無段変速機が搭載される車両の燃費への影響を把握することができる。
また、所定の位置決め部材を、予め寸法が設定されたものにすれば、位置決め部材の寸法が予め設定されているため、挿入溝の形状に応じて寸法の異なる位置決め部材を多数用意しなくて済み、また、挿入溝に合わせて位置決め部材を変更する必要がなく、部品点数を抑えることができるとともに、作業工数を減らすことができる。
また、がたつき量を測定する前に、軸側ワークの軸線に対して穴側ワークの軸線を一致させるようにすれば、がたつき量測定前に軸側ワークの軸線に対して穴側ワークの軸線を一致させることで、軸側ワークと穴側ワークとのがたつき量を精度良く測定することができる。
また、がたつき量測定時には、軸側ワークから穴側ワークが離間する所望の測定位置に穴側ワークを移動させるようにすれば、軸側ワークから穴側ワークが離間する所望のがたつき量測定位置に穴側ワークを移動させるため、穴側ワークのがたつき量の測定を、軸側ワークに対する穴側ワークの可動範囲の全域に亘って行うことができ、穴側ワークの十分な信頼性確認を行うことができる。
また、本発明の位置決め部材の決定方法では、軸側ワークと穴側ワークとを、位置決め部材を非装着で組んだ状態にし、位置決め部材が挿入される挿入溝に向けて、この挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動工程と、プローブが挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、挿入溝に挿入する位置決め部材を決定する位置決め部材決定工程とを有するので、基準の位置決め部材を用意する必要がなく、この種の基準部材の組み付けや取り外しの作業を行う必要もなく、適切な位置決め部材を決定することができる。これにより、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えつつ、位置決め部材を決定することができる。
また、挿入溝を複数有し、プローブは挿入溝毎に独立して設けられ、各プローブのストローク量に基づいて各挿入溝に挿入する位置決め部材を各々決定するようにすれば、全ての挿入溝に合わせて最適な位置決め部材を選択することができる。
また、ストローク量と位置決め部材のサイズとを対応づけた対応付けデータを有し、位置決め部材決定工程では、対応付けデータを参照し、ストローク量に基づいて位置決め部材のサイズを決定するようにすれば、位置決め部材のサイズを簡易に決定することができる。
また、ストローク量の測定は、プローブが挿通開始位置から、プローブが当接するまでの移動時間以上に設定された一定時間が経過した後のプローブの位置までの距離を測ることにしても良い。この構成によれば、当接検出用のセンサ等を設けることなく、ストローク量を適切に測定することができる。
また、位置決め部材決定工程では、ストローク量が予め定めた許容範囲内か否かを判定し、許容範囲内の場合に、ストローク量に基づいて位置決め部材を決定し、許容範囲外の場合、外スプラインと内スプラインとが周方向にずれている旨の報知を行うようにすれば、軸側ワークと穴側ワークとが周方向にずれた状態で組み立てられていた場合に、それを検出でき、修正することができる。
また、本発明の位置決め部材の組付方法では、軸側ワークと穴側ワークとを、位置決め部材を非装着で組んだ状態にし、位置決め部材が挿入される挿入溝に向けて、この挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動工程と、プローブが挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、挿入溝に挿入する位置決め部材を決定する位置決め部材決定工程と、決定された位置決め部材を、組んだ状態の軸側ワークと穴側ワークに組み付ける位置決め部材組付工程とを有するので、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えつつ、位置決め部材を組み付けることができる。
また、本発明の位置決め部材の径決定方法では、挿入溝に挿入する位置決め部材として、予め定めた外径の位置決め部材を用意し、軸側ワーク及び穴側ワークの測定情報に基づいて、測定された複数の前記軸側ワーク及び複数の前記穴側ワークから、前記予め定めた外径の位置決め部材と前記挿入溝との間のクリアランスを適正に保つように、一対の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを設定するマッチング工程と、前記マッチング工程の後に、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを前記位置決め部材を非装着で嵌合させた状態にして、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定するがたつき量測定工程と、前記がたつき量が適正範囲内の場合に、前記予め定めた外径の位置決め部材を前記挿入溝に組み付け、外スプライン及び内スプラインの測定情報に基づいて、挿入溝に挿入する位置決め部材の径を算出し、算出された径の位置決め部材を挿入溝に挿入した状態にして、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定し、この測定結果に基づいて位置決め部材が適正か否かを検査するので、基準の位置決め部材を用意する必要がなく、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えることができる。
また、算出工程では、測定情報に基づいて外スプライン及び内スプラインの形状を示す座標式を各々得て、挿入溝内に設定した中心座標に位置決め部材を配置した条件で、座標式で示される各スプラインの座標との間のクリアランスが所定条件を満たす位置決め部材の径を算出するようにすれば、挿入溝に合わせた適切な径の位置決め部材を決定することができる。
また、がたつき量を、軸側ワークの軸線に直交する軸線周りで穴側ワークを一方向及びこの一方向とは反対の他方向に回動させたときの一方向及び他方向での穴側ワークの倒れ量にするようにすれば、軸側ワークと穴側ワークとで、例えばベルト式無段変速機のドライブプーリ又はドリブンプーリを構成する場合に、ドライブプーリ又はドリブンプーリにおけるベルトとの当り面の振れ量を確認することができ、これによって、ドライブプーリ又はドリブンプーリとベルトとの当たり具合を推測することができる。この結果、ベルト式無段変速機が搭載される車両の燃費への影響を把握することができる。
また、複数の軸側ワークの軸部における少なくとも1箇所の直径と、複数の穴側ワークの穴部における軸部に対応する位置の直径とを測定し、この測定結果に基づいて、一対の所望の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを設定するマッチング工程と、このマッチング工程の後に、予め定めた径の位置決め部材を挿入溝に挿入した状態にして、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定するマッチング工程後の測定工程とを有し、この測定工程で測定されたがたつき量が適正範囲内でない場合に、上記算出工程を実施するようにすれば、予め定めた径の位置決め部材でがたつき量が適正範囲内であった場合、挿入溝の測定や上記算出工程や検査工程を不要にできる。
また、本発明の測定装置では、組立体の穴側ワークを、軸側ワークの軸線に直交する軸線回りで回動させ、軸側ワークが回動された際の穴側ワークの倒れ量が測定部によって測定されるため、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定することができる。
また、回動手段が、穴側ワークを時計回り及び反時計回りに所望の回転トルクで回動させるので、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、外スプライン及び内スプラインで構成されるスプラインに穴側ワークを周方向に
位置決めする位置決め部材が組み付けられるようにすれば、穴側ワークの軸方向の動作の
がたつき量を測定することができる。
また、穴側ワークに芯出しして固定される固定治具によって組立体の穴側ワークを芯出しして、軸側ワークと穴側ワークとを同軸状態にするため、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、軸側ワーク芯出し治具によって組立体の軸側ワークを芯出しするようにすれば、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、移動手段によって軸側ワークから穴側ワークが離間する所望の測定位置に、穴側ワークを移動させるようにすれば、穴側ワークの軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、本発明の位置決め部材の決定装置では、位置決め部材を非装着で、軸側ワークと穴側ワークとにより組まれた組立体における外スプラインと内スプラインとの位置が合った状態の挿入溝に向けて、前記挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動機構と、前記プローブが前記挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、前記挿入溝に挿入する前記位置決め部材を決定する決定部とを備えるので、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えつつ、位置決め部材を決定することができる。
第1実施形態の位置決め部材の組付方法を適用した無段変速機の模式図である。 ドリブンシャフト及びドリブンプーリの断面図である。 図2のIII−III断面図である。 ローラーベアリングの決定及び組み付け要領を示すフローチャートである。 プーリシャフトと可動プーリ半体の単体検査を説明する作用図である。 プーリシャフトと可動プーリ半体における径検査結果のランク分けを説明する作用図である。 径がランク分けされたプーリシャフト及び可動プーリ半体の組み合わせを設定するランク対照表である。 ローラーベアリングの組み付け時に使用される支持台の正面図である。 可動プーリ半体の倒れ量の測定を説明する作用図であり、図9(A)はプーリシャフトに対して可動プーリ半体を一方向に倒した状態を示す作用図、図9(B)はプーリシャフトに対して可動プーリ半体を他方向に倒した状態を示す作用図である。 第2実施形態のローラーベアリングの決定及び組み付け手順を示すフローチャートである。 スプラインの測定装置を示す図である。 図12(A)は測定装置のプローブを示す図であり、図12(B)はプローブがスプラインに当接した状態を示す図である。 第3実施形態のローラーベアリングの組み付け要領を示すフローチャートである。 スプラインの断面とローラーベアリングとの関係を示す図である。 図15(A)は外スプラインの測定を示す図であり、図15(B)は内スプラインの測定を示す図である。 第4実施形態の支持台の正面図である。 支持台の平面図である。 固定治具の取り付け状態を示す断面図である。 固定治具の平面図である。 変形例のドリブンシャフト及びドリブンプーリの断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
本実施形態では、無段変速機に用いられる位置決め部材(後述するローラーベアリング48)の組付方法を説明する。
図1は、無段変速機の模式図である。
無段変速機1は、車両に搭載されるCVT(Continuous Variable Transmission)であり、トルクコンバータ(不図示)等を介して車両のエンジン(不図示)に連結されている。車両のエンジンからの出力は、無段変速機1の入力軸であるドライブシャフトDvSに入力される。
無段変速機1は、ドライブシャフトDvS上に配置されるドライブプーリ10と、ドライブシャフトDvSに平行なドリブンシャフトDnS(軸側ワーク)上に配置されるドリブンプーリ20と、ドライブプーリ10とドリブンプーリ20との間に掛け回される無端状のVベルト30とを備えて構成されている。
ドリブンシャフトDnSは出力ギヤ9を備え、ドライブシャフトDvSの入力は、Vベルト30、ドリブンシャフトDnS及び出力ギヤ9を経て、駆動輪へ伝達される。
ドライブプーリ10は、ドライブシャフト(軸部)DvSに固定された固定プーリ半体11と、固定プーリ半体11と一体回転するとともに固定プーリ半体11に対して接近・離反するようにドライブシャフトDvSの軸方向に移動可能に設けられた可動プーリ半体12とを備えている。
固定プーリ半体11及び可動プーリ半体12は、Vベルト30の側面に当接する当接面11A,12Aを有し、断面V字状となるように対向する当接面11A,12AによってVベルト30が保持されるベルト保持部13が形成されている。
可動プーリ半体12の側面にはドライブ油室14が形成されており、可動プーリ半体12の軸方向の移動は、ドライブ油室14に供給される制御油圧によって制御される。可動プーリ半体12が軸方向に移動することで、ベルト保持部13の間隔が変化し、ドライブプーリ10のプーリ径が変化する。
つまり、本実施形態では、ドライブシャフトDvSと固定プーリ半体11とを一体化したプーリシャフト(固定シーブとも言う)PS1が、軸部(ドライブシャフトDvS)を有する軸側ワークを構成するとともに、可動プーリ半体(可動シーブとも言う)12が、ドライブシャフトDvSが挿入される穴部12Hを有する穴側ワークを構成している。
両ワーク間(プーリシャフトPS1と可動プーリ半体12の間)には、両ワークを周方向で位置決めする位置決め部材(後述するローラーベアリング48と同等部品)を挿入する挿入溝(後述するスプライン47と同等の溝)が設けられており、この位置決め部材によって両ワークを周方向で位置決めするとともに、両ワークを軸方向に相対移動自在に案内するスプライン構造を構成している。なお、このスプライン構造は、後述するドリブンプーリ20及びドリブンシャフトDnSのスプライン構造と同構造である。
ドリブンプーリ20は、ドリブンシャフトDnS上に固定された固定プーリ半体21と、固定プーリ半体21と一体回転するとともに固定プーリ半体21に対して接近・離反するようにドリブンシャフトDnSの軸方向に移動可能に設けられた可動プーリ半体22とを備えている。固定プーリ半体21及び可動プーリ半体22は、Vベルト30の側面に当接する当接面21A,22Aを有し、断面V状となるように対向する当接面21A,22AによってVベルト30が保持されるベルト保持部23が形成されている。
可動プーリ半体22の側面にはドリブン油室24が形成されており、可動プーリ半体22の軸方向の移動は、ドリブン油室24に供給される制御油圧によって制御される。可動プーリ半体22が軸方向に移動することで、ベルト保持部23の間隔が変化し、ドリブンプーリ20のプーリ径が変化する。
このように、ドリブンプーリ20側においても、ドリブンシャフトDnSと固定プーリ半体21とを一体化したプーリシャフト(固定シーブとも言う)PS2が、軸部(ドリブンシャフトDnS)を有する軸側ワークを構成し、可動プーリ半体(可動シーブとも言う)22が、ドリブンシャフトDnSが挿入される穴部22Hを有する穴側ワークを構成している。両ワーク間(プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22の間)にも、両ワークを周方向で位置決めする位置決め部材(後述するローラーベアリング48)を挿入する挿入溝(後述するスプライン47)が設けられており、この位置決め部材によって両ワークを周方向で位置決めするとともに、両ワークを軸方向に相対移動自在に案内するスプライン構造を構成している。
無段変速機1の変速比は、エンジンの負荷および回転数等に応じてドライブ油室14及びドリブン油室24への油圧供給を制御することにより、無段階に変化する。例えば、ドライブプーリ10の可動プーリ半体12を固定プーリ半体11に接近させてドライブプーリ10のプーリ径を大きくしていき、ドリブンプーリ20の可動プーリ半体22を固定プーリ半体21から離反させてドリブンプーリ20のプーリ径を小さくしていくと、無段変速機1の変速比が無段階で小さくなっていく。
逆に、ドライブプーリ10の可動プーリ半体12を固定プーリ半体11から離反させてドライブプーリ10のプーリ径を小さくしていき、ドリブンプーリ20の可動プーリ半体22を固定プーリ半体21に接近させてドリブンプーリ20のプーリ径を大きくしていくと、無段変速機1の変速比が無段階に大きくなっていく。
図2は、ドリブンシャフトDnS及びドリブンプーリ20の断面図である。図3は、図2のIII−III断面図である。
図1に示したプーリシャフトPS1及び可動プーリ半体12と、プーリシャフトPS2及び可動プーリ半体22とは、基本構造が同一であり、ここでは、プーリシャフトPS2及び可動プーリ半体22のみの構造を説明する。
図2及び図3に示すように、ドリブンシャフトDnSは、ドライブシャフトDvS(図1参照)と平行に延びる中空の軸部31を有し、円板状の固定プーリ半体21は、軸部31の一端(基端部)に一体に形成されている。軸部31は、他端(先端側)側に向かって細くなっていく複数の段を有する段付きの軸であり、一端側から順に、可動プーリ半体22が嵌挿される嵌挿軸部33、嵌挿軸部33より小径の位置決め軸部34、この位置決め軸部34より小径の中間軸部35、及び、中間軸部35より小径の他端側軸部36を有している。
軸部31には軸方向に貫通する貫通孔32が形成されており、貫通孔32は、可動プーリ半体22の制御油が流れる油路となっている。軸部31の一端及び他端の貫通孔32は、ドリブンシャフトDnSの軸線Z1と同軸に形成されたセンタ穴部(センタ穴)32A,32Aとなっている。
位置決め軸部34の外周部34Aには、ドリブンシャフトDnSの軸線Z1と平行に延びる外スプライン37が複数形成されている。図3に示すように、外スプライン37は、位置決め軸部34の径方向内側に凹む断面略半円状の溝であり、外周部34Aの周方向に等間隔(120°間隔)をあけて3個所に形成されている。外スプライン37における他端側の端部は、中間軸部35側に開放している。
また、位置決め軸部34には、外周部34Aを径方向に貫通して貫通孔32を外側に連通させる油路34Bが形成されている。
可動プーリ半体22は、当接面22Aが形成された円板状のプーリ部41と、プーリ部41の中央に設けられて嵌挿軸部33及び位置決め軸部34に嵌挿される内筒部42と、プーリ部41の外径部から内筒部42を囲うように延びる外筒部43とを有している。
内筒部42は、ドリブンシャフトDnSの嵌挿軸部33を摺動する摺動筒部44と、位置決め軸部34を摺動する位置決め筒部45とを有している。摺動筒部44及び位置決め筒部45の軸線は一致しており、これら軸線は内筒部42の軸線Z2に一致している。
内筒部42には、油路34Bをドリブン油室24(図1参照)に連通させる油路40が形成されている。
位置決め筒部45の内周部45Aには、内筒部42の軸線Z2と平行に延びる内スプライン46が複数形成されている。図3に示すように、内スプライン46は、位置決め軸部34の径方向外側に凹む断面略半円状の溝であり、内周部45Aの周方向に等間隔(120°間隔)をあけて外スプライン37に対応した位置の3個所に形成されている。
可動プーリ半体22は、各内スプライン46が各外スプライン37に合わさるように位置決め軸部34に嵌挿され、内スプライン46及び外スプライン37が合わさることで、断面略円形のスプライン(挿入溝)47が形成される。
各スプライン47内には、ローラーベアリング48の側面視矩形の長手方向がドリブンシャフトDnSの軸方向に沿うように、ローラーベアリング48が各々配置される。これらローラーベアリング48は、ドライブシャフトDvS及び固定プーリ半体21からなるプーリシャフトPS2と、プーリシャフトPS2に挿入される可動プーリ半体(穴側ワーク)22とを周方向で位置決めする位置決め部材として機能するとともに、可動プーリ半体22をプーリシャフトPS2の軸方向にガイドする直動ガイド部材として機能する。これによって、ドリブンプーリ20には、摺動スプライン機構が構成され、この摺動スプライン機構によって軸部31に対する可動プーリ半体22の周方向の回転が規制され、且つ、可動プーリ半体22が軸部31の軸方向に滑らかに摺動可能である。
ローラーベアリング48は、中間軸部35側のスプライン47の端から挿入されてスプライン47内に組み付けられ、位置決め筒部45の内周の溝に係合される一対のクリップ90,90によって軸方向に位置決めされる。
ところで、上記摺動スプライン機構では、可動プーリ半体22を適正に摺動させるために、スプライン47とローラーベアリング48との間には所定のクリアランスが設けられており、スプライン47を構成する外スプライン37,46の製造上の寸法誤差等により、個体差を無視して同一サイズのローラーベアリング48を使用すると、摺動スプライン機構にはがたつきが発生する。このがたつきの量は、大きすぎても小さすぎても摺動スプライン機構の性能に影響するため、適切なサイズのローラーベアリング48を選定する必要がある。
従来、この種のスプライン機構では、挿入溝(スプライン47に相当)に基準となる所定サイズのボールを入れた状態でがたつき量を測定し、測定したがたつき量に応じて実際に組み付けるボールのサイズを決定している。しかし、この方法は、基準ボールを用意しなければならず、更に、基準ボールの組み付けや取り外しの作業が生じるため、スプライン機構の組み立てに要する作業工数が増えてしまい、好ましくない。
そこで、本実施形態では、基準のボールあるいは基準のローラーベアリングを使用せずにローラーベアリング48の決定及び組み付けを行うようにしている。
次に、プーリシャフトPS2(ドリブンシャフトDnSと固定プーリ半体21)と可動プーリ半体22との間に使用するローラーベアリング48の決定及び組み付け要領を説明する。なお、この要領は、図1に示すドライブシャフトDvSと固定プーリ半体11とを一体化したプーリシャフトPS1と可動プーリ半体12との間に使用する位置決め部材であるローラーベアリングの決定及び組み付け要領と同様である。(図4、図5の説明中の符号については、図2及び図3を参照)
図4は、上記のローラーベアリング48の決定及び組み付け要領を示すフローチャート、図5は、プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22の単体検査を説明する作用図、図6は、プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22における径検査結果のランク分けを説明する作用図、図7は、径がランク分けされたプーリシャフト及び可動プーリ半体の適正な組み合わせを設定するランク対照表である。
図4において、まず、プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22の単体検査が行われる(ステップS11:単体検査工程)。この単体検査工程では、プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22との嵌め合い部に対応する各径が測定される。
具体的には、図5に示すように、不図示の測定装置によって、プーリシャフトPS2の嵌挿軸部33と位置決め軸部34の外径Dout1,Dout2、及び、可動プーリ半体22の摺動筒部44と位置決め筒部45の内径Din1,Din2が各々測定される。
これらの外径Dout1,Dout2及び内径Din1,Din2は、プーリシャフトPS2に可動プーリ半体22を組んだときの、後述する可動プーリ半体22の倒れ量に直接影響を及ぼす寸法である。
図4に戻って、これらの測定結果は、不図示の演算処理装置に出力され、この演算処理装置により、上記のように測定された各径をランク分けし、プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22の組合せを設定する(ステップS12:マッチング工程)。このマッチング工程では、複数のプーリシャフトPS2の外径Dout1,Dout2、及び複数の可動プーリ半体22の内径Din1,Din2が測定され、各径の寸法公差内でランク分けされる。このランク分けの方法については、図5及び図6の各図で説明する。
図6(A)に示すように、測定された嵌挿軸部33(軸大径部)の外径Dout1は、例えば、設定された寸法許容範囲下限の外径寸法D1から寸法許容範囲上限の外径寸法D4までの間で設定された3つのランクA〜Cの中で、ランクAに入っている。
以下同様に、図6(B)に示すように、測定された位置決め軸部34(軸小径部)の外径Dout2は、例えば、設定された寸法許容範囲下限の外径寸法D5から寸法許容範囲上限の外径寸法D8までの間で設定された3つのランクD〜Fの中で、ランクEに入っている。
以上の図6(A),(B)に示すように、一つのプーリシャフトPS2では、嵌挿軸部33の外径Dout1がランクA、位置決め軸部34の外径Dout2がランクEとなっている。
また、図6(C)に示すように、測定された摺動筒部44(穴大径部)の内径Din1は、例えば、設定された寸法許容範囲下限の内径寸法d1から寸法許容範囲上限の内径寸法d4までの間で設定された3つのランクa〜cの中で、ランクcに入っている。
また、図6(D)に示すように、測定された位置決め筒部45(穴小径部)の内径Din2は、例えば、設定された寸法許容範囲下限の内径寸法d5から寸法許容範囲上限の内径寸法d8までの間で設定された3つのランクd〜fの中で、ランクdに入っている。
以上の図6(C),(D)に示すように、一つの可動プーリ半体22では、摺動筒部44の内径Din1がランクc、位置決め筒部45の内径Din2がランクdとなっている。
以上の図6(A)〜図6(D)で分けられたランクは、各プーリシャフトPS2及び各可動プーリ半体22毎に記憶装置(不図示)に記憶される。
図7において、各外径がランク分けされたプーリシャフトPS2と各内径がランク分けされた可動プーリ半体22において、これらのプーリシャフトPS2と可動プーリ半体22とを嵌合させたときに、各外径とこれに対応する各内径との間が適正範囲内のクリアランスとなるように、プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22との組み合わせが設定される。
即ち、プーリシャフトPS2の外径のランクが、嵌挿軸部33でランクA、位置決め軸部34でランクE(図中に「A・E」と記載)であれば、このプーリシャフトPS2と組み合わされる可動プーリ半体22の内径のランクは、摺動筒部44でランクa、位置決め筒部45でランクe(図中に「a・e」と記載)である。
また、可動プーリ半体22の内径のランクが、摺動筒部44でランクc、位置決め筒部45でランクd(図中に「c・d」と記載)であれば、この可動プーリ半体22と組み合わされるプーリシャフトPS2の外径のランクは、摺動筒部44でランクC、位置決め筒部45でランクD(図中に「C・D」と記載)である。
このように、図7に示したランク対照表に基づき、複数のプーリシャフトPS2と複数の可動プーリ半体22の中から適合するプーリシャフトPS2と可動プーリ半体22とが選択されて嵌合されることになる。
図4に戻って、ランクの適合するプーリシャフトPS2と可動プーリ半体22とを準備し、可動プーリ半体22に対し、ローラーベアリング48の位置決め用の一対のクリップ90,90のうち、挿入溝を構成するスプライン47の奥側(開放側と反対側)のクリップ90だけをセットする(ステップS13:片側クリップセット工程)。
次に、プーリシャフトPSに可動プーリ半体22を組む(ステップS14:可動プーリ半体嵌合工程(穴側ワーク嵌合工程))。具体的な組み立ては、図8に示される支持台50によって行われる。
図8は、ローラーベアリング48の組み付け時に使用される支持台50の正面図である。
プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22とは、ローラーベアリング48を非装着で組んだ状態にされる。この場合、図8に一例を示すように、プーリシャフトPS2は、スプライン47の開口側を上方に向けた姿勢で支持台50に支持される。
支持台50は、底板51と、底板51から立設する左右一対の壁部52,52と、壁部52,52の上部に掛け渡される天板53とを備えたフレーム54を有しており、このフレーム54には、軸線Z1が底板51に対し垂直となるようにプーリシャフトPS2を支持する求心機構(軸側ワーク芯出し治具)55が設けられる。
この求心機構55は、底板51に設けられてプーリシャフトPS2の一端(基端部)を支持する一端側支持軸56と、天板53に設けられて一端側支持軸56と同軸でプーリシャフトPS2の他端(先端部)を支持する他端側支持軸57とを有している。この求心機構55では、他端側支持軸57の下端部がコイルばね57Bによって下方に付勢され、この付勢力により、プーリシャフトPSが上下から挟持されるとともに、プーリシャフトPSの軸線Z1が求心機構55の軸線Z3と一致するように芯出しされる。
また、左右一対の壁部52,52には、可動プーリ半体22を所定の姿勢に保持可能なワーク保持機構60が設けられる。このワーク保持機構60は、可動プーリ半体22が固定治具61を介して固定される左右一対の支持テーブル62と、支持テーブル62を、上記軸線Z1,Z3に直交する軸線X1周りに回動自在に支持する一対の回転軸63,63と、回転軸63,63を壁部52,52に沿って上下動自在に支持する可動連結部64,64と、回転軸63,63を回動させるサーボ機構65と、サーボ機構65を制御する制御部67とを備えて構成されている。この制御部67が回転軸63,63の回転位置を制御することにより、可動プーリ半体22をプーリシャフトPS2の軸線Z1に対して垂直に支持したり、軸線Z1に直交する軸線X1周りに回動させたりすることができる。
次に、プーリシャフトPS2及び可動プーリ半体22の支持台50へのセットついて説明する。
まず、可動プーリ半体22は、芯出し治具(不図示)によって固定治具61に芯出しされた状態で固定される。次に、ドリブンシャフトDnSに可動プーリ半体22の内筒部42が嵌挿されることで、組立体49が形成される。そして、組立体49が支持台50にセットされる。詳細には、求心機構55の一端側支持軸56及び他端側支持軸57にドリブンシャフトDnSがセットされるとともに、可動プーリ半体22が固定治具61を介してワーク保持機構60の支持テーブル62にセットされる。この状態では、求心機構55及びワーク保持機構60によって、ドリブンシャフトDnSと可動プーリ半体22とが芯出しされ、軸線Z1と軸線Z2とが同軸となる。倒れ量測定が行われるときには、可動プーリ半体22は、可動連結部64,64によって、可動プーリ半体22の当接面22AとドリブンシャフトDnSの固定プーリ半体21の当接面21Aとの間が離間する所望の測定位置に移動される。上記所望の測定位置は、摺動スプライン機構としての可動プーリ半体22の可動範囲内である。
図4に戻り、プーリシャフトPS2に可動プーリ半体22を組んだ後、可動プーリ半体22の倒れ量(V面倒れ量)を測定する(ステップS15:倒れ量測定工程)。倒れ量とは、プーリシャフトPS2に対する可動プーリ半体22の所定方向のがたつき量である。
がたつき量とは、プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22との間で、(1)軸線Z1,Z2の延びる方向(軸方向)のがたつき量、(2)軸線Z1,Z2に直交する方向(半径方向)のがたつき量、(3)軸線Z1,Z2回り(周方向)のがたつき量、(4)以下に示す軸線Z1に直交する軸線X1回りのがたつき量であるが、本ステップ15では、上記(4)のがたつき量である可動プーリ半体22の倒れ量を測定する。
上記ステップS12のマッチング工程において、クリアランスが適正範囲内となる一対のプーリシャフトPS2及び可動プーリ半体22を選択しているので、この工程での可動プーリ半体22の倒れ量は小さくなっていると予想される。従って、この倒れ量測定工程は、倒れ量が適正範囲内に入っていることを念のために確認する倒れ量確認工程である。
倒れ量の測定は、図8において、制御部67の制御のもと、プーリシャフトPS2及び可動プーリ半体22からなる組立体49を支持台50にセットした状態でサーボ機構65を駆動し、可動プーリ半体22を軸部31の軸線Z1に直交する軸線X1回りで回動させることで行われる。
倒れ量の測定は、軸線X1回りにおける一方向、及びこの一方向とは逆の他方向の両方の回動で行われるとともに、この際の回転軸63の回転トルクは、倒れ量θ1,θ2の測定に適した所望の回転トルク値に設定されている。
倒れ量の測定時の状態を図9(A),(B)に示す。
図9は、可動プーリ半体22の倒れ量の測定を説明する作用図であり、図9(A)はプーリシャフトPS2に対して可動プーリ半体22を一方向に倒した状態を示す作用図、図9(B)はプーリシャフトPS2に対して可動プーリ半体22を他方向に倒した状態を示す作用図である。なお、図9では、分かり易くするため、倒れ量は実際の倒れ量よりも大きく示されている。
図9(A),(B)において、可動プーリ半体22の倒れ量は、軸線Z1を通り軸線X1(図5参照)に直交する断面において、固定プーリ半体21の当接面21Aに沿う基準線Pと、可動プーリ半体22が軸線X1回りで回動されて倒れた際の当接面22Aに沿う直線P1とが成す角度で規定される。可動プーリ半体22の倒れ量が0(ゼロ)の場合、基準線Pと直線P1とは平行になる。倒れ量とは、ドリブンプーリ20におけるV字形状のベルト保持部23を構成する一つの面である当接面22Aの倒れ量(V面倒れ量)である。
図9(A),(B)では、時計回り(一方向)の倒れ量を倒れ量θ1で示し、反時計回り(他方向)の倒れ量を倒れ量θ2で示している。
次に、制御部67によってサーボ機構65が駆動されて回転軸63,63が回動され、可動プーリ半体22は、軸線X1回りで時計回り及び反時計回りに回転され、この際の倒れ量θ1及び倒れ量θ2が測定される。倒れ量θ1,θ2は、図8に示した回転軸63を回転させた際にサーボ機構65から出力されるサーボモーターの回転角に基づいて制御部67で算出される。
例えば、倒れ量θ1と倒れ量θ2との和を可動プーリ半体22の倒れ量とし、この倒れ量を上記計算式に適用しても良い。さらに、倒れ量は、可動プーリ半体22の周方向に120°毎に測定した3個所の倒れ量θ1,θ2の平均値としても良い。
なお、倒れ量の測定はサーボ機構65を利用して算出することを示したが、例えば、接触式変位計や、非接触式のレーザ変位センサを利用して倒れ量θ1,θ2を直接測定してもかまわない。
図4に戻って、測定された倒れ量が適正範囲内かどうか判断する(ステップS16)。
倒れ量が適正範囲内であれば(YES)、ステップS17の処理に移行する。
倒れ量が適正範囲を外れていれば(NO)、ステップS18の処理に移行する。
ステップS17では、予め設定されたローラーベアリング(位置決め部材)48をスプライン47に挿入する。ローラーベアリング48は、ローラー径が所定の寸法範囲内に形成されたものである。この処理の後、ステップS20の処理に移行する。
ステップS18では、プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22を単品に分解し、プーリシャフトPS2の外スプライン37と可動プーリ半体22の内スプライン46の加工精度、即ち、外スプライン37及び内スプライン46の出来上がりの形状(R形状、深さ等)を測定し、この測定結果からスプライン47に挿入すべきローラーベアリングのローラー径を算出する。
そして、プーリシャフトPS2に可動プーリ半体22を組み、ステップS17で算出されたローラー径のローラーベアリング48をスプライン47に挿入する(ステップS19)。この処理の後、ステップS20の処理に移行する。
ステップS20では、可動プーリ半体22の入口側のクリップ90をセットする。これにより、一対のクリップ90,90を含むローラーベアリング48の組み込み作業が終了する。
また、この組み込み作業が終了すれば、同時に、プーリシャフトPS2、可動プーリ半体22及びローラーベアリング48のアッシー化(ユニット化)が完了する。
その後、最終的な確認として、可動プーリ半体22の倒れ量(V面倒れ量)を測定する(ステップS21)。この測定で、可動プーリ半体22の倒れ量が適正範囲内(検査OK)であれば、処理を終了する。
ここで、もし可動プーリ半体22の倒れ量が適正範囲内から外れるようであれば、倒れ量が適正範囲内になるように、ステップS18及びステップS19と同様の処理を実行する。
以上に説明した実施形態では、マッチング工程において、クリアランスが適正範囲内となる一対のプーリシャフトPS2及び可動プーリ半体22を選択することで、プーリシャフトPS2と可動プーリ半体22との間のクリアランスを適正に保つことができ、可動プーリ半体22の倒れ量(がたつき量)が抑えられ、これによって、所定寸法(外径)のローラーベアリング48をスプライン47に挿入することで、スプライン47とローラーベアリング48との間のクリアランスも適正に保つことが可能になる。
発明者らは、Vベルト式の無段変速機1において、軸線X1回りの倒れが存在すると、ドリブンプーリ20の当接面21A,22A間の間隔にがたつきが生じ、Vベルト30とドリブンプーリ20との接続が安定せず、燃費に影響する、という知見を得ており、上記のように、この軸線X1回りの倒れ量を測定し、適正範囲内が否かをチェックすることにより、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつきを抑えて燃費に有利な製品か否かを効率よく検査可能になる。
以上の図1〜図4で説明したように、軸部としてのドライブシャフトDvS、ドリブンシャフトDnSの外周に内側に凹む外スプライン37が形成された軸側ワークとしてのプーリシャフトPS1,PS2と、穴部12H,22Hの内周に外側に凹む内スプライン46が形成された穴側ワークとしての可動プーリ半体12,22とが嵌合され、プーリシャフトPS1,PS2と可動プーリ半体12,22との周方向の位置決めのために、外スプライン37と内スプライン46とで構成される挿入溝としてのスプライン47に位置決め部材としてのローラーベアリング48を組み付ける位置決め部材の組付方法において、複数のプーリシャフトPS1,PS2のドライブシャフトDvS、ドリブンシャフトDnSにおける少なくとも1箇所の直径(外径Dout1,Dout2)を測定する軸側ワーク測定工程と、複数のプーリシャフトPS1,PS2の穴部12H,22HにおけるドライブシャフトDvS、ドリブンシャフトDnSに対応する位置の直径(内径Din1,Din2)を測定する穴側ワーク測定工程と、測定された複数のプーリシャフトPS1,PS2及び複数の可動プーリ半体12,22から、一対の所望のプーリシャフトPS1,PS2及び可動プーリ半体12,22の組み合わせを設定するマッチング工程と、マッチング工程の後に、プーリシャフトPS1,PS2と可動プーリ半体12,22とをローラーベアリング48を非装着で嵌合させた状態にしてプーリシャフトPS1,PS2と可動プーリ半体12,22との相対的ながたつき量を測定するがたつき量測定工程と、がたつき量が適正範囲内であることが確認された場合に、スプライン47に所定のローラーベアリング48を組み付ける位置決め部材組付工程とを有するので、プーリシャフトPS1,PS2のドライブシャフトDvS、ドリブンシャフトDnSの外径(詳しくは、嵌挿軸部33、位置決め軸部34の外径Dout1,Dout2)と、可動プーリ半体12,22におけるプーリシャフトPS1,PS2のドライブシャフトDvS、ドリブンシャフトDnSに対応する所定の穴部12H,22Hの内径(詳しくは、摺動筒部44、位置決め筒部45の内径Din1,Din2)とを測定し、測定された複数のプーリシャフトPS1,PS2及び複数の可動プーリ半体12,22の中から適正範囲内のクリアランスとなる外径Dout1,Dout2又は内径Din1,Din2を有する一対のプーリシャフトPS1,PS2及び可動プーリ半体12,22の組み合わせを選択することで、プーリシャフトPS1,PS2と可動プーリ半体12,22との相対的ながたつき量を所定範囲内に抑えることができ、所定のローラーベアリング48をスプライン47に組み付けることが可能になるため、従来のような基準となる位置決め部材を挿入溝に挿入しなくても済み、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えることができる。従って、コストを抑えることができるとともに、生産性を向上させることができる。
また、図8、図9で説明したように、可動プーリ半体12,22のがたつき量は、プーリシャフトPS1,PS2、詳しくは軸部31の軸線Z1に直交する軸線X1回りで可動プーリ半体12,22を一方向及びこの一方向とは反対の他方向に回動させたときの一方向及び他方向での可動プーリ半体12,22の倒れ量であるので、プーリシャフトPS1,PS2の軸線Z1に直交する軸線X1回りでの可動プーリ半体12,22の一方向及び他方向の回動による可動プーリ半体12,22の倒れ量を測定するので、プーリシャフトPS1,PS2と可動プーリ半体12,22とで、例えばベルト式の無段変速機1のドライブプーリ10又はドリブンプーリ20を構成する場合に、ドライブプーリ10又はドリブンプーリ20におけるVベルト30との当り面の振れ量を確認することができ、これによって、ドライブプーリ10又はドリブンプーリ20とVベルト30との当たり具合を推測することができる。この結果、ベルト式の無段変速機1が搭載される車両の燃費への影響を把握することができる。
更に、図2に示すように、所定のローラーベアリング48は、予め寸法が設定されたものであるので、スプライン47の形状に応じて寸法の異なる位置決め部材を多数用意しなくて済み、また、スプライン47に合わせて位置決め部材を変更する必要がなく、部品点数を抑えることができるとともに、作業工数を減らすことができる。
更にまた、図2、図8で説明したように、がたつき量を測定する前に、プーリシャフトPS1,PS2の軸線Z1に対して可動プーリ半体12,22の軸線Z2を一致させるので、がたつき量測定前にプーリシャフトPS1,PS2の軸線Z1に対して可動プーリ半体12,22の軸線Z2を一致させることで、プーリシャフトPS1,PS2と可動プーリ半体12,22とのがたつき量を精度良く測定することができる。
また、がたつき量測定時には、プーリシャフトPS1,PS2から可動プーリ半体12,22が離間する所望の測定位置に可動プーリ半体12,22を移動させるので、可動プーリ半体12,22のがたつき量の測定を、プーリシャフトPS1,PS2に対する可動プーリ半体12,22の可動範囲の全域に亘って行うことができ、可動プーリ半体12,22の十分な信頼性確認を行うことができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、スプライン47の径を直接測定し、この測定結果に基づいてローラーベアリング48の径(サイズ)を決定することにより、基準ボールを使用せずにローラーベアリング48の決定及び組み付けを行うようにしている。なお、本実施形態及び以下に述べる各実施形態においては、上記実施の形態と同様の部分には同符号を付している。
図10は、ローラーベアリング48の決定及び組み付け要領を示すフローチャートである。
まず、プーリシャフトPSと可動プーリ半体22の単体検査が行われる(ステップS11A:単体検査工程)。この単体検査工程では、図1に示すプーリシャフトPSと可動プーリ半体22との嵌め合い部に対応する各径が測定される。具体的には、不図示の測定装置によって、プーリシャフトPSの嵌挿軸部33と位置決め軸部34の外径、及び、可動プーリ半体22の摺動筒部44と位置決め筒部45の内径が各々測定される。そして、これらの測定結果は、不図示の演算処理装置に出力され、この演算処理装置により、各径が予め定めた適正範囲内か否かが検査されるとともに、プーリシャフトPSと可動プーリ半体22との嵌め合い部の各クリアランスが算出され、各クリアランスが予め定めた適正範囲内か否かが検査される。
検査OKであれば、可動プーリ半体22に対し、ローラーベアリング48の位置決め用の一対のクリップ90,90のうち、挿入溝を構成するスプライン47の奥側(開放側と反対側)のクリップ90だけをセットする(ステップS12A:片側クリップセット工程)。
次に、プーリシャフトPSに可動プーリ半体22に入れる(ステップS13A:可動プーリ半体挿入工程(穴側ワーク挿入工程))。このようにして、プーリシャフトPSと可動プーリ半体22とは、ローラーベアリング48を非装着で組んだ状態とされる。この場合、プーリシャフトPSは、スプライン47の開口側を上方に向けた姿勢で支持台50(図8参照)に支持される。
図10に戻り、プーリシャフトPSに可動プーリ半体22を入れた後、スプライン47の測定を行い、測定結果からローラーベアリング48の径を特定する(ステップS14A:測定工程)。なお、この測定工程の測定動作は、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定することにも該当する。
図11は、ステップS14Aの測定工程で使用する測定装置70を示している。
この測定装置70は、各スプライン47に向けて移動自在な複数のプローブ71と、各プローブ71を独立して駆動するプローブ移動機構72と、各プローブ移動機構72を制御する制御部73とを備え、ローラーベアリング48の決定装置として機能する装置である。
各プローブ71は、制御部73の制御の下、各プローブ71を駆動するプローブ移動機構72によって軸線Z1に沿って移動し、各スプライン47に向けて移動可能に構成されている。つまり、各プローブ71は、スプライン47と同数(本構成では3個)、且つ、スプライン47の周方向の角度間隔(本構成では120°間隔)で設けられている。プローブ移動機構72は、各プローブ71を所定の推力で昇降させる装置であり、公知のサーボモーターと直動機構とを組み合わせた直動装置等を広く適用することができる。
図12(A)に示すように、各プローブ71の先端部71Aは、円錐台形状を有し、最小径RAがスプライン47の内径r1よりも小、且つ、最大径RBがスプライン47の内径r1よりも大に形成された先細テーパ形状に形成されている。
このため、各プローブ71を各スプライン47に向けて移動させることにより、図12(B)に示すように、各プローブ71の先端部71Aが各スプライン47に挿入され、先端部71Aのテーパ面が各スプライン47の入口端部に当接する位置PT1まで移動させることができる。
また、図12(B)に示す位置PT0は、各プローブ71の挿通開始位置となる基準位置であり、各プローブ71は、この基準位置PT0に戻ることで、各スプライン47から待避し、且つ、この基準位置PT0から各スプライン47に向けて移動する。このため、スプライン47の内径r1が同一であれば、基準位置PT0から当接位置PT1までのプローブ71のストローク量S(PT0とPT1の差分値)は同一であり、内径r1が大きいとストローク量Sは増加し、内径r1が小さいとストローク量Sは減少する。つまり、ストローク量Sと内径r1とは一対一の対応関係となる。
図11に示すように、制御部73には、ストローク量Sと、このストローク量Sの時の内径r1に挿入するローラーベアリング48の径(ローラー径)とを対応づけた対応付けデータであるデータベース73Aが記憶されている。そして、図10に示すステップS14Aの測定工程では、各プローブ71が挿通開始位置となる基準位置T0から予め定めた一定時間が経過した後の当接位置PT1を測定することによって、スプライン47毎に上記ストローク量Sを測定し、この測定の後、制御部73がデータベース73Aを参照することにより、測定した各ストローク量Sに対応するローラーベアリング48の径を特定する。つまり、制御部73はローラーベアリング48を決定する決定部として機能している。
ここで、上記一定時間は、プローブ71が各スプライン47の入口端部に当接するまでの移動時間以上に設定されており、つまり、正常な挿通であればプローブ71が停止している状態となる時間に設定されている。このため、当接位置PT1を適切に測定でき、その結果、ストローク量Sを適切に測定できる。
このようにして、各スプライン47に最適なローラー径を簡易に特定することができる。この特定結果は、ローラーベアリング48の選定や組み付けを人の手で行う場合には、担当作業者に報知され、また、自動装置で行う場合には、該自動装置に報知される。
次いで、図10に示すように、ステップS14Aで特定されたローラー径のローラーベアリング48を、対応するスプライン47に各々挿入し、スプライン47の入口側のクリップ90(図2参照)を組み込む(ステップS15A,S16A:ローラーベアリング組込工程(位置決め部材組込工程))。これにより、一対のクリップ90,90を含むローラーベアリング48の組み込み作業が終了する。また、この組み込み作業が終了すれば、同時に、プーリシャフトPS、可動プーリ半体22及びローラーベアリング48のアッシー化(ユニット化)が完了する。
その後、この組み立てアッシー(組立体49)を検査する検査工程が実施され(ステップS17A)、この検査工程で検査OKとなれば、該組み立てアッシーに関する一連の作業が終了する。
この検査工程では、図8に示す軸線X1周りに可動プーリ半体22を時計回り及び反時計回りに回動させることにより、アッシー化した状態で、可動プーリ半体22の倒れ量θ1,θ2(図9参照)を各々測定し、これら倒れ量θ1,θ2が予め定めた適正範囲内か否かをチェックする検査等が行われる。なお、倒れ量θ1,θ2の測定は、回転軸63,63を回転させた際にサーボ機構65から出力されるサーボモーターの回転角に基づいて制御部67で算出される。但し、サーボモーターの回転角に限らず、接触式変位計や、非接触式のレーザ変位センサを利用して可動プーリ半体22の倒れ量を直接測定しても良い。
発明者らは、Vベルト式の無段変速機1において、軸線X1回りの倒れが存在すると、ドリブンプーリ20の当接面21A,22A間の間隔にがたつきが生じ、Vベルト30とドリブンプーリ20との接続が安定せず、燃費に影響する、という知見を得ており、上記のように、この軸線X1回りの倒れ量を測定し、適正範囲内が否かをチェックすることにより、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつきを抑えて燃費に有利な製品か否かを効率よく検査可能になる。
そして、検査OKであれば、続く工程(無段変速機1を構成する各アッシーの組立工程)に移行する。一方、検査NGであれば、入口側のクリップ90と可動プーリ半体22と奥側のクリップ90とを順に取り外すことにより組み立てアッシーを分解し、再度、上記ステップS11Aから各工程を実行する。以上が、ローラーベアリング48の決定及び組み付け要領である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、プーリシャフト(軸側ワーク)PSと可動プーリ半体(穴側ワーク)22とを、ローラーベアリング(位置決め部材)48を非装着で組んだ状態にし、組んだ状態で形成されるスプライン(挿入溝)47に向けて、先細テーパ形状のプローブ71を挿通させ、プローブ71がスプライン47に当接するまでのストローク量Sに基づいて、スプライン47に挿入するローラーベアリング48を決定するので、基準のローラーベアリングを用意する必要がなく、この種の基準部材の組み付けや取り外しの作業を行う必要もなく、適切なローラーベアリング48を決定することができる。
また、ストローク量Sに基づいてスプライン47の径に対応するローラーベアリング48を決定するので、例えば、三次元測定装置のようなスプライン47内面の数カ所に数回に分けてプローブを当ててスプライン径を測定する方法よりも簡易であり、且つ、スプライン径に対するプローブ径を大きくとることができる。従って、車両に搭載される無段変速機1に設けられる小径のスプライン47の測定に好適である。
しかも、本構成では、ローラーベアリング48を決定した後、決定されたローラーベアリング48を、上記組んだ状態のプーリシャフトPSと可動プーリ半体12に組み付けるので(図4のステップS15A参照)、この組み付けにより、プーリシャフトPSと可動プーリ半体12に対するローラーベアリング48の組み付けが完了し、プーリシャフトPS、可動プーリ半体12及びローラーベアリング48のアッシー化(ユニット化)が完了する。このように、ローラーベアリング48を決定及び組み付けに要する一連の作業に必須の分解作業がなく、基準のローラーベアリングも用意する必要がないので、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えることが可能である。
また、スプライン47を複数有し、プローブ71はスプライン47毎に独立して設けられ、各プローブ71のストローク量Sに基づいて各スプライン47に挿入するローラーベアリング48を各々決定するので、全てのスプライン47に合わせて最適なローラーベアリング48を選択することが可能である。このローラーベアリング48の決定方法としては、各スプライン47の径毎にローラーベアリング48を決定する方法に限らず、全てのスプライン47の径の組み合わせに応じて各ローラーベアリング48を決定する方法等の様々な方法を適用しても良い。
具体的には、複数のスプライン47のうち一番小さいものに合わせて、その一番小さい径のスプライン47に応じた最適なローラーベアリング48を複数のスプライン47の全てに適用する方法や、複数のスプライン47の径の平均値を算出した後、複数のスプライン47のうち、算出した平均値よりもその径が大きいか等しいスプライン47には、その径の平均値に応じたローラーベアリング48を適用すると共に、算出した平均値よりもその径が小さいスプライン47には、その径に応じた最適なローラーベアリング48を適用する方法などが考えられる。
また、ストローク量Sの測定は、プローブ71が挿通開始位置である基準位置T0から、プローブ71が当接するまでの移動時間以上に設定された一定時間が経過した後のプローブ71の位置までの距離を測ることであるため、当接検出用のセンサ等を設けることなく、ストローク量Sを適切に測定することができる。
上記実施形態のステップS14Aの測定工程において、ストローク量Sが、スプライン47を構成する内外スプライン37,46の位相が揃った状態で想定される予め定めた許容範囲内か否かを判定するようにしても良い。この場合、ストローク量Sが許容範囲内であれば、ストローク量Sに基づいてローラーベアリング48を決定し、許容範囲外であれば、内外スプライン37,46が周方向にずれている旨(位相が揃っていない旨)の報知を行う。これにより、プーリシャフトPSと可動プーリ半体12とが周方向にずれた状態で組み立てられていた場合に、それを検出でき、修正することができる。この修正後に、再度、ストローク量Sを測定することにより、より確実に適切なローラーベアリング48を決定することが可能になる。
<第3実施形態>
本実施形態では、基準のボールあるいは基準のローラーベアリングを使用せずに予め設定されたローラーベアリング48の組み付けを行い、この組み付けで検査NGとなった場合に、内外スプライン37,46の座標情報を測定し、この座標情報に基づいてローラーベアリング48の適正な径(サイズ)を算出するようにしている。
図13は、ローラーベアリング48の組み付け要領を示すフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、第1実施形態と同じステップについては同じ符号を付し、重複する説明は省略する。つまり、本実施形態では、ステップS18B及びS22Bを除いて、第1実施形態と同じである。より具体的には、ステップS16において、測定された倒れ量が適正範囲を外れていた場合に、ステップS18Bのスプライン測定及びローラー径算出工程に移行し、最終確認であるステップS21において、可動プーリ半体22の倒れ量(V面倒れ量)が適正範囲を外れていた場合にも、ステップS18Bに移行するようになっている。
なお、このステップS18Bの測定及び算出については、ライン上に配置された自動測定機やコンピュータ等の演算装置で行っているが、これに限らず、作業員が適宜行うようにしても良い。
図14はスプライン47の断面とローラーベアリング48との関係を示し、図15(A)はプーリシャフトPS2の外スプライン37の測定(後述するOPD測定)を示し、図15(B)は可動プーリ半体22の内スプライン46の測定(後述するOPD測定)を示している。なお、図15(A)(B)は、説明を分かり易くするため、OPD測定を模式的に示している。
図14に示すように、スプライン47の溝形状は、ローラーベアリング48の中心座標(X0、Y0)を中心にして90度間隔で径が異なる複数の溝R1,R2,R3、R4で構成されており、スプライン47の測定は、オーバーピンダイヤメータ(径)(以下、OPDと言う)を測定する方法で行う。
図15(A)に示すように、外スプライン37のOPD測定は、外スプライン37にOPD測定ピンPM(図中、直径をpmで示す)をセットし、プーリシャフトPSの中心位置(軸線Z1に相当)から上記ピンPMの最外径位置までの距離R+PSを測定することによって行われる。より具体的には、予めセットされた状態において、3次元測定機等の測定機を用いて各部の座標情報を計測し、プーリシャフトPSの中心位置に対応する座標と、ピンPMの最外径位置に対応する座標との差分に基づいて距離R+PSを得、この距離R+PSとピンPMの直径pmとの差分により距離R_PS(図11(A)参照)を得る。この測定によって、外スプライン37を構成する溝R2、R4の半径を測定するようにしている。なお、OPD測定ピンPMには、寸法精度が高く製作された円柱を使用している。
図15(B)に示すように、内スプライン46のOPD測定は、内スプライン46にOPD測定ピンPM(図中、直径をpmで示す)をセットし、可動プーリ半体12の中心位置(軸線Z1に相当)から上記ピンPMの最内径位置までの距離R−MPを測定することによって行われる。この場合も、予めセットされた状態において、3次元測定機等の測定機を用いて各部の座標情報を計測し、可動プーリ半体12の中心位置に対応する座標と、ピンPMの最内径位置に対応する座標との差分に基づいて距離R−MPを得、この距離R−MPとピンPMの直径pmとの加算により距離R_MP(図15(B)参照)を得る。この測定によって、内スプライン46を構成する溝R1、R3の半径を測定するようにしている。なお、これらのOPD測定を用いた溝の測定法については、公知の方法を広く適用可能である。
スプライン47の測定が終了すると、この測定結果に基づいて該スプライン47に挿入するローラーベアリング48の径を算出する処理に移行する。この算出の説明については、図14を参照しながら説明する。
また、この算出に際し、前提の条件1として、ローラーベアリング48の弾性変形及び塑性変形は無しとし、条件2として、ローラーベアリング48の半径R0(図14参照)はローラーランク(複数の径種類がある)に準ずるものとし、条件3として、変動値は、溝R1,R2,R3、R4の径と、OPD測定ピンPMの径の公差Aのみとしている。
まず、ローラーベアリング48の中心座標(X0、Y0)(図14参照)が(0,0)にあるものとし、この条件により、溝R1の中心座標(X1、Y1)を式(1)で表記する。
Figure 0005843866
値K及び値θAについては対応する箇所を図14に示している。これら値は、予め測定した測定値等に基づいて指示される。本実施形態では、値Kは値0.2mm程度であり、値θAは30°〜40°程度の値になっている。なお、計算式は省略するが、中心座標(X1、Y1)が、溝R1の径や上記公差Aの値によって変化するように、これらの変動を折り込んだ計算式としても良い。
ローラーベアリング48の外径形状の座標(X2、Y2)は式(2)の関係を有するため、ローラー座標(X2、X2)は式(3)で表記される。
Figure 0005843866
また、溝R1の形状線上の座標(X3、Y3)は式(4)の関係を有するため、溝R1座標(X3、X2)は式(5)で表記される。
Figure 0005843866
次いで、上記の数式で表されるローラー座標(X2、X2)と溝R1座標(X3、X3)とに基づいて、式(6)により、ローラーベアリング48と溝R1との径方向のクリアランス量CLである値ΔYを算出する。
Figure 0005843866
このクリアランス量ΔYの最小クリアランス量ΔYmin1を算出することによって、溝R1とローラーベアリング48との間の最小クリアランス量ΔYmin1が得られる。この最小クリアランス量ΔYmin1を、ローラーベアリング48のローラーランクに従った複数種類の径毎に算出した後、残りの溝R2〜R4についても同様の計算を行い、溝R2とローラーベアリング48との間の最小クリアランス量ΔYmin2、溝R3とローラーベアリング48との間の最小クリアランス量ΔYmin3、及び、溝R4とローラーベアリング48との間の最小クリアランス量ΔYmin4を算出する。
そして、同じローラーベアリング48について、径方向に半円を構成する溝R1及び溝R2、溝R3及び溝R4の各々についてのトータルの最小クリアランス量ΔYmin12、ΔYmin34を式(7)(8)により算出する。
Figure 0005843866
次に算出された最小クリアランス量ΔYmin12、ΔYmin34に基づいて、適正なローラーベアリング48の径を選択する処理を行う。この場合、最小クリアランス量ΔYmin12、ΔYmin34が最も小さいローラーベアリング48の径を選択する方法、或いは、最小クリアランス量ΔYmin12、及び、ΔYmin34が予め定めた最適範囲内となるローラーベアリング48の径を選ぶ方法等が適用される。
このようにして各スプライン47に挿入するローラーベアリング48の径を算出処理によって選ぶと、ステップS19に移行して各ローラーベアリング48を各スプライン47に挿入し(位置決め部材挿入工程)、ステップS20にてスプライン47の入口側のクリップ90(図2参照)をセットし(位置決め部材組込工程)、組み込み作業が完了する。その後、ステップS21に移行して、可動プーリ半体22の倒れ量(V面倒れ量)を測定し、ステップS22にて倒れ量が適正範囲内かどうかを判断し、倒れ量が適正範囲内であれば(YES)、処理を終了する。ここで、もし可動プーリ半体22の倒れ量が適正範囲内から外れるようであれば、倒れ量が適正範囲内になるように、再度ステップ18Bへ移行し、スプライン測定及びローラー径算出工程を再び実施する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、外スプライン37及び内スプライン46の測定情報に基づいて、内外スプライン37,46で構成されるスプライン(挿入溝)47に挿入するローラーベアリング(位置決め部材)48の径を算出する算出工程(ステップS18B)と、算出した径のローラーベアリング48をスプライン47に挿入した状態にして、プーリシャフト(軸側ワーク)PSと可動プーリ半体(穴側ワーク)12との相対的ながたつき量を測定し、この測定結果に基づいてローラーベアリング48が適正か否かを検査する検査工程(ステップS19〜S22B)とを有するので、基準のローラーベアリングを用意する必要がなく、この種の基準部材の組み付けや取り外しの作業を行う必要もなく、適切な径のローラーベアリング48を決定することができる。従って、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えることができる。
また、上記算出工程では、測定情報に基づいて内外スプライン37,46の形状を示す座標式を各々得て、スプライン47内に設定した中心座標(X0、Y0)にローラーベアリング48を配置した条件で、前記座標式で示される各スプライン37,46の座標との間のクリアランス(ΔYmin12、ΔYmin34)が所定条件を満たすローラーベアリング48の径を算出するので、スプライン47に合わせた適切な径のローラーベアリング48を決定することができる。
また、本実施形態では、複数のプーリシャフトPS1,PS2のドライブシャフトDvS、ドリブンシャフトDnSにおける少なくとも1箇所の直径(外径Dout1,Dout2)と、複数のプーリシャフトPS1,PS2の穴部12H,22HにおけるドライブシャフトDvS、ドリブンシャフトDnSに対応する位置の直径(内径Din1,Din2)とを測定し、この測定結果に基づいて、一対の所望のプーリシャフトPS1,PS2及び可動プーリ半体12,22の組み合わせを設定するマッチング工程(ステップS11〜S12)と、この工程の後に、予め定めた径のローラーベアリング48をスプライン47に挿入した状態にして、プーリシャフトPS1,PS2と可動プーリ半体12,22との相対的ながたつき量を測定する測定工程(ステップS21)とを有し、この測定工程で測定されたがたつき量が適正範囲内でない場合に、ステップS18Bの算出工程へ移行するので、上記予め定めた径のローラーベアリング48でがたつき量が適正範囲内でなかった場合に限って、ステップS18Bの算出処理を実施する。このため、上記予め定めた径のローラーベアリング48が適正であった場合には、ステップS18Bの算出処理を不要にでき、ステップS18B,S19に必要な測定や演算等を不要にできる。
また、本実施形態では、上記マッチング工程を行うので、予め定めた径のローラーベアリング48をスプライン47に組み付けただけでも、プーリシャフトPS1,PS2と可動プーリ半体12,22との相対的ながたつき量を適正範囲内に抑えることが可能な場合が生じる。これによっても、従来のような基準となる位置決め部材を挿入溝に挿入しなくても済み、部品点数の増大や作業工程の増大を抑えることができる。また、スプライン47の形状に応じて寸法の異なる位置決め部材を多数用意しなくて済む。従って、コストを抑えることができるとともに、生産性を向上させることができる等の第1実施形態と同様の各種の効果を具備する。
なお、この実施形態では、マッチング工程を経て予め定めた径のローラーベアリング48が適正でなかった場合にステップS18B,S19へ移行する場合を説明したが(図13参照)、これに限らず、マッチング工程及び予め定めた径のローラーベアリング48をセットする工程を省略しても良い。要は、ステップS18Bのローラー径の算出工程と、ここで算出されたローラーベアリング48を組み込んで倒れ量を検査する検査工程(ステップS19〜S22B)とを実施すれば良い。
なお、ステップS18Bのスプライン測定、換言すると、プーリシャフトPS1,PS2および可動プーリ半体12,22を単品に分解し、プーリシャフトPS1,PS2と可動プーリ半体12,22の加工精度を測定することは、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定することにも該当する。
<第4実施形態>
上記摺動スプライン機構では、可動プーリ半体22を適正に摺動させるために、スプライン47とローラーベアリング48との間にはクリアランスが設けられており、スプライン47の製造上の寸法誤差等により、摺動スプライン機構にはがたつきが発生する。このがたつきの量は、大きすぎても小さすぎても摺動スプライン機構の性能に影響するため、生産時に製品毎にがたつき量を精密に管理する必要がある。
発明者らは、Vベルト式の無段変速機1において、可動プーリ半体22のがたつき量が燃費に及ぼす影響を調査した。その結果、軸部31に対する可動プーリ半体22の周方向のがたつき量も燃費に対して重要であるが、軸部31の軸線Z1に直交する軸線X1(図4)回りで、可動プーリ半体22を回動させた際の可動プーリ半体22の倒れ量が燃費に対して大きく影響するとの知見を得た。すなわち、軸線X1回りの倒れが存在すると、ドリブンプーリ20の当接面21A,22A間の間隔にがたつきが生じ、Vベルト30とドリブンプーリ20との接続が安定せず、燃費に影響する。
しかし、従来のがたつき量の測定装置では、可動プーリ半体22の周方向、すなわち軸側ワークの軸線を中心にした穴側ワークの回転方向のがたつき量を測定できるが、軸方向の動作のがたつき量(倒れ量)については測定できない。このため、穴側ワークの軸方向の動作のがたつきを修正できず、穴側ワークの軸方向の動作にがたつきが生じる可能性がある。
そこで、本実施形態では、寸法が規定されている基準ローラーベアリングを用いる構成で、穴側ワークである可動プーリ半体22の軸方向の動作の倒れ量(がたつき量)を測定し、がたつきを抑えることができるようにすることを目的とする。
本実施形態のローラーベアリング48の組み付け方法では、まず、基準ローラーベアリング(基準位置決め部材)48A(図16参照)がスプライン47に仮組みされ、次いで、可動プーリ半体22の倒れ量が測定され、倒れ量の実測値に応じたローラーベアリング48の直径が算出され、この直径を有するローラーベアリング48がスプライン47に組み付けられる。
図16は、この組み付けに使用される台であって、倒れ量の測定装置としても機能する支持台50を示している。図16に示すように、支持台50には、ドリブンシャフトDnSの軸部31に可動プーリ半体22が嵌挿されて形成される組立体49が被測定品としてセットされる。
支持台50は、底板51と、互いの間をあけて一対で底板51上に立設される壁部52,52と、壁部52,52の上部に掛け渡される天板53とを備えたフレーム54を有している。
また、支持台50は、複数のローラーベアリング48が収納されたストッカー(不図示)を有している。このストッカーには、直径の異なる複数種類のローラーベアリング48が収納されている。
壁部52,52の間の幅方向の中間部には、軸線Z1が底板51に対し垂直となる向きとなるように組み立てアッシーである組立体49のドリブンシャフトDnSを支持する求心機構(軸側ワーク芯出し治具)55が設けられている。求心機構55は、底板51から上方に延びる一端側支持軸56と、天板53から下方に延びるとともに一端側支持軸56と同軸な他端側支持軸57とを有し、ドリブンシャフトDnSは、一端側支持軸56と他端側支持軸57との間に狭持される。
詳細には、一端側支持軸56の先端部には、先端側へ先細るテーパ部56Aが形成されており、テーパ部56Aは軸部31の一端側のセンタ穴部32Aに挿入される。また、他端側支持軸57の先端部には、先端側へ先細るテーパ部57Aが形成されており、テーパ部57Aは、軸部31の他端側のセンタ穴部32Aに挿入される。ドリブンシャフトDnSの軸線Z1は、テーパ部56A,57Aが貫通孔32の両端部に挿入され、テーパ部56A,57Aによってセンタ穴部32A,32Aが押圧されることで芯出しされ、求心機構55の軸線Z3に一致する。テーパ部57Aは、他端側支持軸57に設けられたコイルばね57Bによって下方に付勢されており、組立体49はコイルばね57Bの付勢力によって安定して支持される。
図17は、支持台50の平面図である。図17では、底板51及び天板53の図示は省略されている。
図16及び図17に示すように、壁部52,52には、可動プーリ半体22を保持するワーク保持機構60が設けられている。
ワーク保持機構60は、可動プーリ半体22に取り付けられる固定治具61と、固定治具61とともに可動プーリ半体22がセットされる支持テーブル62と、支持テーブル62を軸支する一対の回転軸63,63と、回転軸63,63を壁部52,52上に移動可能に連結する可動連結部(移動手段)64,64と、回転軸63,63を回動させるサーボ機構(回動手段)65と、サーボ機構65を制御する制御部(測定部)67とを備えて構成されている。
図18は、固定治具61の取り付け状態を示す断面図である。図19は、固定治具61の平面図である。
図18及び図19に示すように、固定治具61は、板を枠状に形成した枠部91と、枠部91の中央に形成された孔部92とを有し、可動プーリ半体22の外筒部43の先端側に被せるようにして取り付けられる。
孔部92は、可動プーリ半体22の外筒部43の先端部が収容される収容穴92Aと、収容穴92Aよりも小径に形成された逃げ孔92Bとを有している。逃げ孔92Bは、逃げ孔92Bの軸方向の一端の内周部から突出するフランジ部93によって形成されており、内筒部42は逃げ孔92Bを通って外側に突出する。フランジ部93は、固定治具61の底面61Aに対して平行に形成されている。
フランジ部93の下面には、収容穴92Aに収容された可動プーリ半体22の外筒部43の先端面(軸方向の端面)43Aが当接する。この先端面43Aは、内筒部42の軸線Z4に対して直交するように形成されている。また、収容穴92Aの径は、収容穴92Aの内径部が外筒部43の外周部に当接しないように外筒部43よりも大径に形成されている。
枠部91は、孔部92の軸線Z4に直交する中心線X2を分割線として2分割で構成されており、一対の分割体91A,91Bを複数のボルト95で結合して構成される。また、枠部91の外縁部には、外側に突出する一対の係止部96,96が形成されている。係止部96,96は、各突出部に係止溝96Aを形成して構成される。係止部96,96は、孔部92の軸線Z4を通るとともに中心線X2に直交する中心線Y2上に配置され、分割体91A,91Bにそれぞれ形成されている。
固定治具61を可動プーリ半体22に取り付ける際には、図18に示すように、固定治具61の底面61Aに当接するように設けられる芯出し治具80が用いられる。
芯出し治具80は、平板状のベースプレート81と、ベースプレート81に対し垂直に立設される円筒部82と、円筒部82の中央でベースプレート81に立設される位置決め軸83とを有している。円筒部82の上部には、位置決め部(不図示)が形成されており、この位置決め部に固定治具61がセットされると、固定治具61の軸線Z4は位置決め軸83の軸線Z5に一致する。
円筒部82の内径は、プーリ部41及び外筒部43を収容可能な大きさを有している。位置決め軸83は、可動プーリ半体22の摺動筒部44の内径部44Aよりも僅かに小さい外径を有し、位置決め軸83が内径部44Aに嵌合されると、位置決め軸83の軸線Z5と内筒部42の軸線Z2とが一致する。
固定治具61を可動プーリ半体22に取り付ける際には、まず、芯出し治具80の位置決め軸83に摺動筒部44の内径部44Aを嵌合する。次に、固定治具61を芯出し治具80の上記位置決め部にセットして、可動プーリ半体22の内筒部42の軸線Z2を、固定治具61の軸線Z4に一致させるとともに、フランジ部93の下面を可動プーリ半体22の外筒部43の先端面43Aに当接させて、フランジ部93の下面と内筒部42の軸線Z2とを直交させる。この状態で固定治具61を可動プーリ半体22にビス等を用いた固定具(不図示)により固定することで、固定治具61を可動プーリ半体22に芯出しした状態で固定できる。この芯出しした状態では、内筒部42の軸線Z2は、固定治具61の軸線Z4に一致しており、固定治具61の各係止部96,96からの距離が等しい位置に位置することになる。
可動プーリ半体22は、鋳造または鍛造により製造されているため、その外表面部は可動プーリ半体22の芯出し用の位置決めに使用可能な精度を有していない。しかし、本実施の形態では、機械加工で高精度に仕上げられた内径部44Aに芯出し治具80の位置決め軸83を嵌合させることで位置決めでき、簡単な構成で高精度に位置決めをすることができる。
芯出し治具80は、芯出しの完了後に固定治具61から取り外される。
図16及び図17に示すように、支持台50の支持テーブル62は、板状のテーブル本体62Aと、テーブル本体62Aの中央に形成された逃げ孔62Bとを有している。逃げ孔62Bは、支持テーブル62にセットされた可動プーリ半体22のプーリ部41及び外筒部43を逃げる孔である。
テーブル本体62Aの幅方向の両側面部には、回転軸63,63がそれぞれ接続されている。回転軸63,63の軸線は、ドリブンシャフトDnSの軸線Z1に直交して設けられている。すなわち、回転軸63,63の軸線は、ドリブンシャフトDnSの軸線Z1に直交する軸線X1に一致しており、回転軸63,63が回転することで、支持テーブル62は軸線X1回りで回動する。
テーブル本体62Aには、係止溝96A,96Aに嵌合して固定治具61を位置決めする複数の位置決めピン66が設けられている。詳細には、位置決めピン66は、係止溝96A,96Aに対応して一対で設けられるピン66A,66A、ピン66B,66B、及び、ピン66C,66Cを備えている。ピン66A,66A、ピン66B,66B、及び、ピン66C,66Cは、3個所のスプライン47の配置に対応して周方向に等間隔をあけて配置されており、固定治具61をピン66A,66A、ピン66B,66B、及び、ピン66C,66Cに順にセットすることで、固定治具61のセット方向を120°毎に変更できる。
また、ワーク保持機構60は、固定治具61を位置決めピン66にセットすることで、固定治具61の軸線Z4が求心機構55の軸線Z3(図16)と同軸になるように高精度に構成されている。すなわち、固定治具61を位置決めピン66で位置決めすることで、内筒部42の軸線Z2をドリブンシャフトDnSの軸線Z1に一致させることができる。
支持台50では、求心機構55にドリブンシャフトDnSをセットすることで、軸線Z1が垂直となるようにドリブンシャフトDnSが所定位置に固定され、芯出しされた可動プーリ半体22を固定治具61とともに支持テーブル62にセットすることで、可動プーリ半体22の内筒部42の軸線Z2が軸線Z1に一致するため、内筒部42と嵌挿軸部33及び位置決め軸部34との間のクリアランスを周方向において均一化することができる。このため、可動プーリ半体22の倒れ量を正確に測定できる。
ワーク保持機構60の可動連結部64,64は、軸線Z1の方向に上下に移動可能に構成されている。このため、可動連結部64,64の位置を上下に調節することで、可動プーリ半体22のドリブンシャフトDnSに対する軸線Z1方向の位置を所望の位置に変更できる。倒れ量の測定の際には、可動プーリ半体22の可動範囲内において、固定プーリ半体21から可動プーリ半体22が離間するように、可動連結部64,64の上下の位置が調整される。このように、固定プーリ半体21から可動プーリ半体22を離間させた状態で倒れ量を測定することで、可動プーリ半体22が固定プーリ半体21に当接しないため、倒れ量を正確に測定できる。
また、無段階に変化させることができる無段変速機1の、所望の変速比に応じたベルト保持部23の間隔になるように、固定プーリ半体21から可動プーリ半体22を離間させた状態で倒れ量を測定できるので、無段変速機1の所望の変速比の時の倒れ量を測定できる。
倒れ量の測定は、制御部67の制御のもと、図16に示すように組立体49を支持台50にセットした状態でサーボ機構65を駆動し、可動プーリ半体22を軸部31の軸線Z1に直交する軸線X1回りで回動することで行われる。倒れ量の測定は、軸線X1回りにおける時計回り及び反時計回りの両方で行われるとともに、この際の回転軸63の回転トルクは、倒れ量θ1,θ2の測定に適した所望の回転トルク値に設定されている。また、倒れ量θ1,θ2は、回転軸63を回転させた際にサーボ機構65から出力されるサーボモーターの回転角に基づいて制御部67で算出される。
なお、倒れ量の測定はサーボ機構65を利用して算出することを示したが、例えば、接触式変位計や、非接触式のレーザ変位センサを利用して倒れ量θ1,θ2を直接測定してもかまわない。
次に、倒れ量θ1,θ2の測定の手順、及び、ローラーベアリング48の組み付け方法について説明する。
ローラーベアリング48の組み付け方法は、組立体49を組み立てる仮組工程と、可動プーリ半体22の倒れ量を測定する倒れ量測定工程と、倒れ量の測定結果に基づいてローラーベアリング48を組み付ける組付工程とを有している。
仮組工程では、まず、可動プーリ半体22は、芯出し治具80によって固定治具61に芯出しされた状態で固定される。次に、ドリブンシャフトDnSに可動プーリ半体22の内筒部42が嵌挿されるとともに、スプライン47に複数の基準ローラーベアリング48Aが位置決め部材として組み付けられることで、組立体49が形成される。ここで、基準ローラーベアリング48Aは、倒れ量の測定用に直径が所定の寸法に調整されたローラーベアリングである。
倒れ量測定工程では、まず、組立体49が支持台50にセットされる。詳細には、求心機構55の一端側支持軸56及び他端側支持軸57にドリブンシャフトDnSをセットされるとともに、可動プーリ半体22が固定治具61を介してワーク保持機構60の支持テーブル62にセットされる。この状態では、求心機構55及びワーク保持機構60によって、ドリブンシャフトDnSと可動プーリ半体22とが芯出しされ、軸線Z1と軸線Z2とが同軸となる。また、倒れ量測定工程では、可動プーリ半体22は、可動連結部64,64によって、可動プーリ半体22の当接面22AとドリブンシャフトDnSの固定プーリ半体21の当接面21Aとの間が離間する所望の測定位置に移動される。上記所望の測定位置は、摺動スプライン機構としての可動プーリ半体22の可動範囲内である。
次に、制御部67によってサーボ機構65が駆動されて回転軸63,63が回動され、可動プーリ半体22は、軸線X1回りで時計回り及び反時計回りに回転され、この際の倒れ量θ1及び倒れ量θ2が測定される。また、倒れ量θ1,θ2は、固定治具61をピン66A,66A、ピン66B,66B、及び、ピン66C,66Cに順にセットすることで、可動プーリ半体22の周方向に120°毎に位置を変えて測定される。
基準ローラーベアリング48Aは、倒れ量θ1,θ2の測定後に取り外される。
組付工程では、倒れ量測定工程で測定された倒れ量θ1,θ2に所定の計算式が適用され、倒れ量θ1,θ2に応じたローラーベアリング48の直径が制御部67によって算出される。ここで、上記計算式は、倒れ量θ1,θ2を、規定値よりも小さくすることが可能なローラーベアリング48の直径を算出するように構成されている。また、例えば、倒れ量θ1と倒れ量θ2との和を可動プーリ半体22の倒れ量とし、この倒れ量を上記計算式に適用しても良い。さらに、倒れ量は、可動プーリ半体22の周方向に120°毎に測定した3個所の倒れ量θ1,θ2の最大値としても良い。
次に、倒れ量θ1,θ2に応じて決定された直径のローラーベアリング48が、上述のストッカーから選び出されるとともに、スプライン47に挿入されて組み付けられ、組付工程が完了する。
このように、軸線X1回りの倒れ量θ1,θ2を測定し、倒れ量θ1,θ2に応じた直径のローラーベアリング48をスプライン47に組み付けるため、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量(倒れ量)を抑えることができる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、寸法が規定されている基準位置決め部材をスプライン47に挿入して被測定品としての組立体(組み立てアッシー)49を組み立てる仮組工程と、組立体49のドリブンシャフトDnSの軸線Z1に直交する軸線X1回りで、時計回り及び反時計回りで可動プーリ半体22を回動させ、時計回りで回動させた際の可動プーリ半体22の倒れ量θ1及び、反時計回りで回動させた際の可動プーリ半体22の倒れ量θ2を測定する倒れ量測定工程と、倒れ量測定工程における倒れ量θ1,θ2に応じた大きさの直径のローラーベアリング48を、スプライン47に組み付ける組付工程とを有することで、ドリブンシャフトDnSの軸線Z1に直交する軸線X1回りで、時計回り及び反時計回りで回動させる方向の倒れ量θ1,θ2を減少させるようにローラーベアリング48を組み付けできるため、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量(倒れ量)を抑えることができる。本実施の形態では、車両に搭載されるVベルト式の無段変速機1の可動プーリ半体22の倒れ量θ1,θ2を低減でき、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を低減できるため、Vベルト30と可動プーリ半体22との間の伝達ロスを低減でき、車両の燃費を向上できる。
また、倒れ量測定工程では、可動プーリ半体22を時計回り及び反時計回りに所望の回動トルクで回動させるため、倒れ量θ1,θ2を正確に測定でき、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を効果的に低減できる。
また、可動プーリ半体22を回動させる前に、可動プーリ半体22をドリブンシャフトDnSに対して芯出しして、可動プーリ半体22とドリブンシャフトDnSとを同軸状態にするため、倒れ量θ1,θ2を正確に測定でき、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を低減できる。
さらに、可動プーリ半体22を回動させる前に、一対の一端側支持軸56及び他端側支持軸57によって、ドリブンシャフトDnSの一端及び他端に形成されたセンタ穴部32A,32Aを押すことで、組立体49のドリブンシャフトDnSを芯出しするため、倒れ量θ1,θ2を正確に測定でき、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を低減できる。
また、倒れ量測定工程では、ドリブンシャフトDnSから可動プーリ半体22が離間する所望の測定位置に可動プーリ半体22を移動させるため、可動プーリ半体22がドリブンシャフトDnSから離間した状態で倒れ量θ1,θ2を正確に測定でき、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を低減できる。
なお、上記した図18及び図19に示す構成は、上記各実施形態の支持台50に適用することが可能である。
また、本発明を適用した実施の形態によれば、ドリブンシャフトDnSの芯出しをする求心機構55と、ドリブンシャフトDnSと可動プーリ半体22とを同軸状態にするワーク保持機構60とを備え、ワーク保持機構60は、組立体49の可動プーリ半体22を、ドリブンシャフトDnSの軸線Z1に直交する軸線X1回りで回動させ、ドリブンシャフトDnSが回動された際の可動プーリ半体22の倒れ量θ1,θ2が制御部67によって測定され、ドリブンシャフトDnSと可動プーリ半体22とが同軸の状態で可動プーリ半体22の倒れ量θ1,θ2が測定されるため、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を正確に測定することができる。
本実施の形態では、支持台50で倒れ量θ1,θ2測定し、その後、倒れ量を減少させるようにローラーベアリング48を組み付けするため、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつきを抑えることができる。このため、車両に搭載されるVベルト式の無段変速機1の可動プーリ半体22の倒れ量θ1,θ2を低減でき、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量(倒れ量)を低減できるため、Vベルト30と可動プーリ半体22との間の伝達ロスを低減でき、車両の燃費を向上できる。
また、外スプライン37及び内スプライン46で構成されるスプライン47に可動プーリ半体22を周方向に位置決めする基準ローラーベアリング48Aまたはローラーベアリング48が組み付けられる組立体49の可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を測定することができる。
また、サーボ機構65が、可動プーリ半体22を時計回り及び反時計回りに所望の回転トルクで回動させるため、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
さらに、可動プーリ半体22に芯出しして固定されつつ、可動プーリ半体22の先端面43A基準で可動プーリ半体22に固定される固定治具61によって組立体49の可動プーリ半体22を芯出しして、ドリブンシャフトDnSと可動プーリ半体22とを同軸状態にするため、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、求心機構55によってドリブンシャフトDnSの一端及び他端に形成されたセンタ穴部32A,32Aを押すことにより、組立体49のドリブンシャフトDnSを芯出しするため、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
また、可動連結部64,64によって、ドリブンシャフトDnSの当接面21Aから可動プーリ半体22の当接面22Aが離間する所望の測定位置に、可動プーリ半体22を移動させるため、当接面22Aが当接面21Aに当接しない状態で可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を正確に測定できる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形可能である。
例えば、上記実施形態では、図6(A)〜(D)に示したように、プーリシャフトPS2の外径のランクを設定された寸法許容範囲の下限から上限までの間で3つに分け、可動プーリ半体22の内径のランクを設定された寸法許容範囲の下限から上限までの間で3つに分けたが、分けるランクの数はこれに限らない。
また、上記実施形態では、軸側ワークとして無段変速機1のプーリシャフトPSを例に挙げ、穴側ワークとして可動プーリ半体22を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、軸部を有する軸側ワーク及び該軸部が挿入される穴部を有する穴側ワークを備え、両ワーク間に位置決め部材を挿入する挿入溝を有する構成に広く適用することができる。
また、上記実施の形態では、基準ローラーベアリング48Aが組み付けられた組立体49の倒れ量θ1,θ2を支持台50で測定する場合について説明したが、これに限らず、例えば、ローラーベアリング48が組み付けられた組立体49の倒れ量θ1,θ2を支持台50で測定しても良い。
更に、上記実施形態では、サーボ機構65によって可動プーリ半体22を回動させるものとして説明したが、これに限らず、他の回動手段によって可動プーリ半体22を回動させても良い。例えば、支持テーブル62にトルクレンチを接続し、トルクレンチを手動で操作して一定の回転トルクで支持テーブル62を回動させ、可動プーリ半体22を回動させるようにしても良い。
また、上記実施の形態では、固定治具61を芯出し治具80の位置決め部にセットして、可動プーリ半体22の軸線Z2を、固定治具61の軸線Z4に一致させて芯出しし、その状態で固定治具61を可動プーリ半体22に固定具により固定するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、可動プーリ半体22の外筒部43の外表面部を芯出しに使用可能な高精度に形成し、この外表面部を、2分割の固定治具61の各収容穴92Aの内周面で狭持することで、芯出ししつつ固定治具61を可動プーリ半体22に固定しても良い。
また、上記実施の形態においては、摺動スプライン機構としてローラーベアリング48をベアリングとして用いたものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ボールベアリングをベアリングとして用いても良い。この場合について、変形例として説明する。
<変形例>
図20は、変形例におけるドリブンシャフトDnS及びドリブンプーリ20の断面図である。なお、この変形例において、上記実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
各スプライン47内には、複数のボールベアリング(位置決め部材)148が、ドリブンシャフトDnSの軸方向に一列となるように並べて配置される。すなわち、ドリブンプーリ20には、スプライン47にボールベアリング148が設けられることで、ボールスプライン機構が構成されている。このボールスプライン機構では、複数のボールベアリング148が内スプライン46及び外スプライン37に係合することにより、軸部31に対する可動プーリ半体22の周方向の回転が規制されている。また、このボールスプライン機構によって、可動プーリ半体22は軸部31の軸方向に滑らかに摺動可能である。
この変形例のように、可動プーリ半体22を周方向に位置決めする位置決め部材としてボールベアリング148を用いる構成においても、組立体(組み立てアッシー)49の可動プーリ半体22を、ドリブンシャフトDnSの軸線Z1に直交する軸線X1回りで回動させ、ドリブンシャフトDnSが回動された際の可動プーリ半体22の倒れ量θ1,θ2を測定することで、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつき量を正確に測定することができる。そして、基準ボールベアリングを組み付けた際の倒れ量θ1,θ2測定し、その後、倒れ量を減少させるようにボールベアリング148を組み付けることで、可動プーリ半体22の軸方向の動作のがたつきを抑えることができる。
1 無段変速機
11,21 固定プーリ半体(軸側ワーク)
12,22 可動プーリ半体(穴側ワーク)
12H,22H 穴部
31 軸部
32A センタ穴部(センタ穴)
37 外スプライン
46 内スプライン
47 スプライン(挿入溝)
48 ローラーベアリング(位置決め部材)
48A 基準ローラーベアリング(基準位置決め部材)
49 組立体(組み立てアッシー)
50 支持台(倒れ量の測定装置)
55 求心機構(軸側ワーク芯出し治具)
60 ワーク保持機構
70 測定装置(位置決め部材の決定装置)
71 プローブ
72 プローブ移動機構
73 制御部(決定部)
73A データベース(対応付けデータ)
90 クリップ
148 ボールベアリング(位置決め部材)
Din1,Din2 内径(穴部の直径)
DnS ドリブンシャフト(軸部,軸側ワーク)
Dout1,Dout2 外径(軸部の直径)
DvS ドライブシャフト(軸部,軸側ワーク)
PS1,PS2 プーリシャフト(軸側ワーク)
X1 軸線(軸側ワークの軸線に直交する軸線)
Z1 軸線(軸側ワークの軸線)
Z2 軸線(穴側ワークの軸線)
θ1,θ2 倒れ量

Claims (21)

  1. 軸部の外周に内側に凹む外スプラインが形成された軸側ワークと、穴部の内周に外側に凹む内スプラインが形成された穴側ワークとが嵌合され、前記軸側ワークと前記穴側ワークとの周方向の位置決めのために、前記外スプラインと前記内スプラインとで構成される挿入溝に位置決め部材を組み付ける位置決め部材の組付方法において、
    複数の前記軸側ワークの前記軸部における少なくとも1箇所の直径を測定する軸側ワーク測定工程と、
    複数の前記穴側ワークの前記穴部における前記軸部に対応する位置の直径を測定する穴側ワーク測定工程と、
    前記位置決め部材として、予め定めた外径の位置決め部材を用意し、測定された複数の前記軸側ワーク及び複数の前記穴側ワークから、前記予め定めた外径の位置決め部材と前記挿入溝との間のクリアランスを適正に保つように、一対の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを設定するマッチング工程と、
    前記マッチング工程の後に、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを前記位置決め部材を非装着で嵌合させた状態にして、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定するがたつき量測定工程と、
    前記がたつき量が適正範囲内であることが確認された場合に、前記予め定めた外径の位置決め部材を前記挿入溝に組み付け、前記がたつき量が適正範囲を外れていれば、前記軸側ワーク及び前記穴側ワークの形状を測定し、この測定結果から挿入すべき位置決め部材の径を算出し、この算出した径の位置決め部材を前記挿入溝に組み付ける位置決め部材組付工程とを有することを特徴とする位置決め部材の組付方法。
  2. 前記穴側ワークのがたつき量は、前記軸側ワークの軸線に直交する軸線回りで前記穴側ワークを一方向及びこの一方向とは反対の他方向に回動させたときの一方向及び他方向での穴側ワークの倒れ量であることを特徴とする請求項1に記載の位置決め部材の組付方法。
  3. 前記所定の位置決め部材は、予め寸法が設定されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置決め部材の組付方法。
  4. 前記がたつき量を測定する前に、前記軸側ワークの軸線に対して前記穴側ワークの軸線を一致させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位置決め部材の組付方法。
  5. 前記がたつき量測定時には、前記軸側ワークから前記穴側ワークが離間する所望の測定位置に前記穴側ワークを移動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の位置決め部材の組付方法。
  6. 軸部を有する軸側ワークと、前記軸部が挿入される穴部を有する穴側ワークとを有し、前記軸部の外周には、内側に凹む外スプラインが形成され、前記穴部の内周には、外側に凹む内スプラインであって、前記外スプラインと位置が合った状態で、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを周方向で位置決めする位置決め部材が挿入される挿入溝を形成する内スプラインが形成される組立体における位置決め部材の決定方法において、
    前記軸側ワークと前記穴側ワークとを、前記位置決め部材を非装着で組んだ状態にし、前記挿入溝に向けて、前記挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動工程と、
    前記プローブが前記挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、前記挿入溝に挿入する前記位置決め部材を決定する位置決め部材決定工程と
    を有することを特徴とする位置決め部材の決定方法。
  7. 前記挿入溝を複数有し、前記プローブは前記挿入溝毎に独立して設けられ、各プローブのストローク量に基づいて各挿入溝に挿入する前記位置決め部材を各々決定することを特徴とする請求項6に記載の位置決め部材の決定方法。
  8. 前記ストローク量と、前記位置決め部材のサイズとを対応づけた対応付けデータを有し、 前記位置決め部材決定工程では、前記対応付けデータを参照し、前記ストローク量に基づいて前記位置決め部材のサイズを決定することを特徴とする請求項6又は7に記載の位置決め部材の決定方法。
  9. 前記ストローク量の測定は、前記プローブが挿通開始位置から、前記プローブが当接するまでの移動時間以上に設定された一定時間が経過した後の前記プローブの位置までの距離を測ることであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の位置決め部材の決定方法。
  10. 前記位置決め部材決定工程では、前記ストローク量が予め定めた許容範囲内か否かを判定し、許容範囲内の場合に、前記ストローク量に基づいて前記位置決め部材を決定し、許容範囲外の場合、前記外スプラインと前記内スプラインとが周方向にずれている旨の報知を行うことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の位置決め部材の決定方法。
  11. 軸部を有する軸側ワークと、前記軸部が挿入される穴部を有する穴側ワークとを有し、前記軸部の外周には、内側に凹む外スプラインが形成され、前記穴部の内周には、外側に凹む内スプラインであって、前記外スプラインと位置が合った状態で、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを周方向で位置決めする位置決め部材が挿入される挿入溝を形成する内スプラインが形成される組立体における位置決め部材の組付方法において、
    前記軸側ワークと前記穴側ワークとを、前記位置決め部材を非装着で組んだ状態にし、前記挿入溝に向けて、前記挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動工程と、
    前記プローブが前記挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、前記挿入溝に挿入する前記位置決め部材を決定する位置決め部材決定工程と、
    決定された前記位置決め部材を、前記組んだ状態の前記軸側ワークと前記穴側ワークに組み付ける位置決め部材組付工程と
    を有することを特徴とする位置決め部材の組付方法。
  12. 軸部の外周に内側に凹む外スプラインが形成された軸側ワークと、穴部の内周に外側に凹む内スプラインが形成された穴側ワークとが嵌合され、外スプラインと内スプラインとで構成される挿入溝に挿入される位置決め部材の径決定方法において、
    前記位置決め部材として、予め定めた外径の位置決め部材を用意し、
    前記軸側ワーク及び前記穴側ワークの測定情報に基づいて、測定された複数の前記軸側ワーク及び複数の前記穴側ワークから、前記予め定めた外径の位置決め部材と前記挿入溝との間のクリアランスを適正に保つように、一対の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを設定するマッチング工程と、
    前記マッチング工程の後に、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを前記位置決め部材を非装着で嵌合させた状態にして、軸側ワークと穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定するがたつき量測定工程と、
    前記がたつき量が適正範囲内の場合に、前記予め定めた外径の位置決め部材を前記挿入溝に組み付け、
    前記外スプライン及び前記内スプラインの測定情報に基づいて、前記挿入溝に挿入する前記位置決め部材の径を算出する算出工程と、
    算出された径の前記位置決め部材を前記挿入溝に挿入した状態にして、前記軸側ワークと前記穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定し、この測定結果に基づいて前記位置決め部材が適正か否かを検査する検査工程とを有することを特徴とする位置決め部材の径決定方法。
  13. 前記算出工程では、前記測定情報に基づいて前記外スプライン及び前記内スプラインの形状を示す座標式を各々得て、前記挿入溝内に設定した中心座標に前記位置決め部材を配置した条件で、前記座標式で示される各スプラインの座標との間のクリアランスが所定条件を満たす前記位置決め部材の径を算出することを特徴とする請求項12に記載の位置決め部材の径決定方法。
  14. 前記がたつき量は、前記軸側ワークの軸線に直交する軸線周りで前記穴側ワークを一方向及びこの一方向とは反対の他方向に回動させたときの一方向及び他方向での穴側ワークの倒れ量であることを特徴とする請求項12又は13に記載の位置決め部材の径決定方法。
  15. 複数の前記軸側ワークの前記軸部における少なくとも1箇所の直径と、複数の前記穴側ワークの前記穴部における前記軸部に対応する位置の直径とを測定し、この測定結果に基づいて、一対の所望の軸側ワーク及び穴側ワークの組み合わせを設定するマッチング工程と、
    このマッチング工程の後に、予め定めた径の位置決め部材を前記挿入溝に挿入した状態にして、前記軸側ワークと前記穴側ワークとの相対的ながたつき量を測定するマッチング工程後の測定工程とを有し、
    この測定工程で測定されたがたつき量が適正範囲内でない場合に、前記算出工程を実施することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の位置決め部材の径決定方法。
  16. 軸側ワークに穴側ワークが挿入されて形成される被測定品としての組立体の穴側ワークのがたつき量を測定する測定装置において、
    前記軸側ワークの芯出しをする求心機構と、前記求心機構の軸線に一致する軸線を有し、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを同軸状態にするワーク保持機構とを備え、
    前記ワーク保持機構は、前記組立体の前記穴側ワークを、前記軸側ワークの軸線に直交する軸線回りで回動させ、前記穴側ワークが回動された際の前記穴側ワークの倒れ量が測定部によって測定され、
    前記ワーク保持機構は、当該ワーク保持機構を前記軸側ワークの軸線に直交する軸線回りで回動させる回動手段を有し、この回動手段が、前記穴側ワークを時計回り及び反時計回りに所望の回転トルクで回動させることを特徴とする測定装置。
  17. 前記組立体は、外スプラインが形成された前記軸側ワークに内スプラインが形成された前記穴側ワークが嵌挿され、前記外スプライン及び前記内スプラインで構成されるスプラインに、前記穴側ワークを周方向に位置決めする位置決め部材が組み付けられるものであることを特徴とする請求項16に記載の測定装置。
  18. 前記ワーク保持機構は、前記穴側ワークに芯出しして固定されつつ、前記穴側ワークの軸方向の端面基準で前記穴側ワークに固定される固定治具を有し、当該固定治具によって前記組立体の穴側ワークを芯出しして、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを同軸状態にすることを特徴とする請求項16又は17のいずれか一項に記載の測定装置。
  19. 前記求心機構は、一対の軸側ワーク芯出し治具を有し、当該軸側ワーク芯出し治具によって前記軸側ワークの一端及び他端に形成されたセンタ穴を押すことにより、前記組立体の前記軸側ワークを芯出しするものであることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一項に記載の測定装置。
  20. 前記ワーク保持機構を移動させる移動手段を有し、当該移動手段によって、前記軸側ワークから前記穴側ワークが離間する所望の測定位置に、前記穴側ワークを移動させることを特徴とする請求項16乃至19のいずれか一項に記載の測定装置。
  21. 軸部を有する軸側ワークと、前記軸部が挿入される穴部を有する穴側ワークとを有し、前記軸部の外周には、内側に凹む外スプラインが形成され、前記穴部の内周には、外側に凹む内スプラインであって、前記外スプラインと位置が合った状態で、前記軸側ワークと前記穴側ワークとを周方向で位置決めする位置決め部材が挿入される挿入溝を形成する内スプラインが形成される組立体における位置決め部材の決定装置において、
    前記位置決め部材を非装着で、前記軸側ワークと前記穴側ワークとにより組まれた組立体における前記外スプラインと前記内スプラインとの位置が合った状態の挿入溝に向けて、前記挿入溝よりも最小径が小、且つ、最大径が大に形成された先細テーパ形状のプローブを挿通させるプローブ移動機構と、
    前記プローブが前記挿入溝に当接するまでのストローク量に基づいて、前記挿入溝に挿入する前記位置決め部材を決定する決定部とを備えたことを特徴とする位置決め部材の決定装置。
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