JP5843172B2 - 高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法 - Google Patents

高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5843172B2
JP5843172B2 JP2013263667A JP2013263667A JP5843172B2 JP 5843172 B2 JP5843172 B2 JP 5843172B2 JP 2013263667 A JP2013263667 A JP 2013263667A JP 2013263667 A JP2013263667 A JP 2013263667A JP 5843172 B2 JP5843172 B2 JP 5843172B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polyethylene glycol
molecular weight
high molecular
weight polyethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013263667A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014132077A (ja
JP2014132077A5 (ja
Inventor
山本 裕二
裕二 山本
宏樹 吉岡
宏樹 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP2013263667A priority Critical patent/JP5843172B2/ja
Publication of JP2014132077A publication Critical patent/JP2014132077A/ja
Publication of JP2014132077A5 publication Critical patent/JP2014132077A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5843172B2 publication Critical patent/JP5843172B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/02Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring
    • C08G65/30Post-polymerisation treatment, e.g. recovery, purification, drying

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

本発明は、高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法に関する。更に詳しくは、本発明は、酵素などの生理活性タンパク質やその他薬剤の化学修飾、リポソーム、ポリマーミセルなどのドラッグデリバリーシステムにおける化学修飾を主とする医薬用途に用いられる高分子量の活性化ポリエチレングリコール、またはその出発物質として有用な高純度の高分子量ポリエチレングリコール原料を得る精製方法に関する。
本発明は、ポリペプチド、酵素、抗体やその他低分子薬物や遺伝子、オリゴ核酸などを含む核酸化合物、核酸医薬やその他の生理活性物質の修飾、または、リポソーム、ポリマーミセル、ナノパーティクル、ゲルデバイスなどのドラッグデリバリーシステムキャリアへの応用を含む医薬用途に特に適する。
近年、活性化ポリエチレングリコールは、ドラッグデリバリーシステムの重要な担体として広く使用されている。このような医薬用途を目的とした活性化ポリエチレングリコールは、これを修飾して製造される薬剤の性能や安全性の観点より、不純物の少ないものが求められてきた。このような活性化ポリエチレングリコールにおける不純物の中で薬剤の性能に大きな影響を与えるのが、薬剤の体内動態や物理的性質などを大きく変える可能性のある、目的物とは分子量が異なるポリエチレングリコール不純物である。特に高分子量のポリエチレングリコール化合物の場合、このようなポリエチレングリコール不純物は、従来の技術では除去が非常に難しいため大きな問題となる。
例えば特許文献1(特開平11-335460号)に記述されているように、多くの活性化ポリエチレングリコールの原料として使用されるモノメトキシポリエチレングリコールには不純物として少量の水分子を由来とするジオール体と呼ばれる両末端が水酸基で分子量が目的物の約2倍程度のポリエチレングリコール不純物が含有されていることは広く知られており、これは活性化ポリエチレングリコールの薬物などへの修飾の際に大きな問題となる。このような原料を使用して活性化ポリエチレングリコールを合成した場合、結果としてこのポリエチレングリコール不純物の両末端に位置する水酸基は活性化され、2個の活性化基を有するより分子量の大きなポリエチレングリコール不純物が副生してしまうことになる。このようなポリエチレングリコール不純物を有する活性化ポリエチレングリコールを薬剤の修飾に用いると、結果として分子量の異なるポリエチレングリコールが修飾された薬剤が含まれ、薬剤の体内動態や物理的性質などに大きな影響を与えるため、いずれかの段階でこれを精製することが必要となってくる。
しかし、ポリエチレングリコール結合後の薬剤の精製は、その分離が困難であるという技術的問題と同時に、薬物収率を顕著に低下させるというコスト面での非常に大きな問題を抱えている。よって、ポリエチレングリコール不純物は、できるだけ薬物との結合前に除去しておくことが望ましい。
例えば特許文献2(特開平8-165343)に示されているように、アミンを有する官能基を有する活性化ポリエチレングリコールであればイオン交換樹脂を用いたクロマトグラムで分離することが可能であることが示されており、薬剤と反応する前の活性化ポリエチレングリコールの段階で精製するという方法もある。しかし、このような精製法は、イオン交換樹脂との親和性を持つ電荷を有した官能基に適用が絞られる。
一般性を考えると、イオン性の官能基を持っていないポリエチレングリコール化合物への応用性は重要である。特に多品種への展開、工業的効率を考慮すると、特にこの活性化ポリエチレングリコールの前駆体である、水酸基、または特定の保護基を持ったポリエチレングリコール化合物の応用性は非常に大きな課題である。実際に広く活性化ポリエチレングリコールの原料として用いられる、モノメトキシポリエチレングリコールの高純度化については、多くの方法についての報告がなされている。
ここで従来の技術について、特にその性能の高さから現在使用の主流である分子量約20,000以上の高分子量ポリエチレングリコール化合物に対する応用性と、実際に産業的なスケールで実施するための工業的な応用性や汎用性を主な論点として特徴を記述する。
一つの方法は、特許文献3(特開平11-335460号)、特許文献4(US2006/0074200)に示されているような、合成方法の最適化により、ポリエチレングリコール原料である高純度のメトキシポリエチレングリコールを得る方法である。これらの例においては、アルコール化合物を出発物質としたエチレンオキシド付加反応において系内の水分をppmオーダーで制御することにより、より高分子量の不純物であるジオール体の原因となる水分子の影響を最小限に抑え、ジオール体の生成を抑制している。この方法は、分子量20,000以上の高分子量のメトキシポリエチレングリコールにも適用可能な方法であることが示されており、また工業的生産性にも優れた手法である。しかし、このような反応系の水分を数ppmという極めて低いオーダーでの制御下において高分子量メトキシポリエチレングリコールを製造するのは高度な技術が必要であり、専門の高価な施設の導入が必要である。
また、特許文献4(US2006/0074200)においては、EO付加前の水分量を10ppm以下と極微量に抑えた製法が記述されているが、分子量20,000以上の高分子量メトキシポリエチレングリコールの合成に際しては少なくとも2%以上のジオール体の生成が認められ、従来の技術によってこのような重合系より徹底的に水分を排除してジオール体の含量を減らすことは技術的に一定の制約があることが示唆されている。
このような不純物を減らすもうひとつの方法は、末端水酸基を有する高分子量メトキシポリエチレングリコールから、より高分子量の不純物であるジオール体を精製により除去して低減するという方法である。代表的な実験の例としては、非特許文献1(Makromol. Chem., 189, 1809-1817(1988) Leonard)らの透析による精製や、非特許文献2(J. Bioactive Compatible Polymers, 16, 206-220(2001) Lapienis)らのシリカゲルカラムでの精製があげられる。これらの技術では、このように小スケールではポリエチレングリコール不純物の分離・除去が可能であることが示されているが、両者ともにエチレングリコール(オキシエチレン基)の平均付加モル数が110程度に相当する5,000程度以下の比較的低分子量のポリエチレングリコール化合物の精製に対して適用されたものであり、より分離の困難な分子量20,000以上の高分子量ポリエチレングリコール化合物に関しての応用性は述べられていない。
これらの技術をさらに発展させ、実用に対する可能性を広げたのが、特許文献5(US5,298,410)における精製例であり、この例においてはメトキシポリエチレングリコールをジメチルトリチル基にて修飾し、極性の違い化学修飾によって増幅してカラムクロマトグラムによって分取し、後に当該フラクションのジメチルトリチル基を脱離するという、複数の段階を経てジオール体の少ないメトキシポリエチレングリコールの単離を行なう実験が示されている。同様の技術は、特許文献6(特表2008-514693)にも記述されており、こちらはメトキシポリエチレングリコールを酢酸エステル基またはフタル酸エステルにて修飾し、やはり極性の違いを化学修飾によって増幅してカラムクロマトグラムによって分取し、後に当該フラクションのこれらの基を脱離するという技術であり、こちらはより大きなスケールで、更に分子量20,000という高分子量ポリエチレングリコール化合物での実施が可能であることが示されている。
特開平11-335460 特開平8-165343 特開平11-335460号 US2006/0074200 US5,298,410 特表2008-514693 WO2006/028745 特許第3626494号 US5932462 特開2004-197077号公報
Makromol. Chem.,189, 1809-1817(1988) Leonard J. BioactiveCompatible Polymers, 16, 206-220(2001) Lapienis
しかしながらこれらの全ての例においてはカラムクロマトグラムによる分離が適用されているという点から、これらの例では最大1-2%程度と希釈条件で操作しなくてはならず、また、分離に多くの時間を要し、大型のカラム装置の導入が必要であり、また、最終的には大量のクロマトグラムゲルという廃棄物が出てしまうことから、産業への利用上多くの問題を抱えている。
特許文献5(US5,298,410)、特許文献6(特表2008-514693)については、精製効率は従来の技術よりも改善されているが、一方でメチルトリチル基や酢酸エステル基、フタル酸エステル基などを一旦化学修飾により導入し、これを用いて精製後脱保護し、もう一度水酸基に戻す必要があるため工程が非常に煩雑になってしまっているということと、工程中に化学修飾を施しているために新たな化学種の不純物を生じさせる可能性があるという二つの問題が新たに生じている。特に後者は、このメトキシポリエチレングリコールを原料として製造される活性化ポリエチレングリコールの不純物プロファイルを複雑にすることにつながり、極めて重要な問題である。
一方、特許文献7(WO2006/028745)においては、ポリカルボン酸からなるイオン交換樹脂に対してメトキシポリエチレングリコールを作用させ、相互作用の強いジオール体を吸着させ除去を行なう例が示されている。この技術は分子量20,000以上の高分子量メトキシポリエチレングリコールにおいても有効な精製方法であることが示されている。しかも、この技術はカラムクロマトグラムを用いておらず、イオン交換樹脂への吸着とろ過というシンプルな工程より構成されており、上記のようなカラムクロマトグラムのいくつかの問題を回避することが可能となっている。しかしながら、このような、イオン交換樹脂を使用した精製方法も、上記のカラムクロマトグラムを利用した製法と同じく、原理的に固体表面への相互作用、吸着現象を利用した方法のため、希薄溶液条件下において大量の樹脂を使用しての精製処理を行なうことが必要であり、工程中のメトキシポリエチレングリコールの濃度はやはり1-2%程度と希釈下での工程を余儀なくされていることから工業的な生産性からして十分に満足できるものではない。また、最終的には大量のイオン交換樹脂という廃棄物が出てしまい、この方法もまた産業利用上に問題を有する精製法である。
以上より、現在において、活性化ポリエチレングリコールの原料であるメトキシポリエチレングリコールから、より高分子量のジオールを除去する方法は、応用性、工業化に際していまだに問題を有している。
また、一方で特許文献8(特許第3626494号)のように典型的には2本以上の直鎖型活性化ポリエチレングリコールのカップリング反応を経て得られる分岐型ポリエチレングリコールにおいては、直鎖型活性化ポリエチレングリコールを原料として使用するため、目的物と比較して分子量が半分であるポリエチレングリコール不純物を含有することとなる。このような場合生成物としてアミン基のようなイオン性基を有する分岐型ポリエチレングリコールが得られるときには、特許文献9(US5932462)のようにイオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラムによって分子量の異なるポリエチレングリコール不純物との分離が可能である。しかしながら、このようなイオン交換カラムクロマトグラムを用いた精製は、イオン性基を持たない生成物と不純物の組み合わせに対しては有効でなく汎用性に問題がある。また、イオン交換カラムクロマトグラムに際しても大型のカラム装置の導入が必要であり、やはり最終的には廃棄物として大量のイオン交換樹脂が出てしまい工業化に対しても問題を有している。
なお、特許文献10(特開2004-197077号公報)によれば、高分子量ポリエチレングリコール化合物は、1価または多価の水酸基を有する出発物質よりエチレンオキシドを重合する工程とその後の活性化工程を経て得られる。
このように、医薬用途に用いられる様々な高分子量ポリエチレングリコール化合物は、いずれもその製造法より分子量の異なるポリエチレングリコール不純物を含有し、この除去については多くの課題を有している。
本発明の課題は、主成分と分子量の異なるポリエチレングリコール不純物の含有量を軽減した高純度の高分子量ポリエチレングリコール化合物を得ることである。
また、本発明の課題は、原理的にポリエチレングリコール化合物由来の新たな不純物種を生じる可能性がなく、工業的に容易に実施可能で、また生産性に優れ、ゲルや樹脂といった廃棄物を生成しない精製方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一定の組成を持つ有機溶剤と塩の水溶液からなる系において特定の抽出操作を行なう高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法を見出した。この発明の特徴は、有機溶剤として高分子量ポリエチレングリコール化合物に対して適度の溶解性を有する特定の芳香族炭化水素溶剤、またはエステル化合物溶剤を主成分とした特定の有機溶剤を抽出に使用することにより構造の化学的な改変なく、大スケールで容易に実施可能で工業的であり、樹脂やゲルなど大量の担体/吸着剤、限外ろ過膜などのデバイスを用いず、その後の化学修飾工程に対しても有利な特徴を持つ精製工程を提供している点にある。また、この特定の抽出操作を組み合わせにより、低分子量側のポリエチレングリコール不純物の除去も可能とした点にも有用な特徴を有する。
本発明は、以下のものである。
(1)
分子内のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数が220から4500である高分子量ポリエチレングリコール化合物から不純物を除去する精製方法であって、
前記高分子量ポリエチレングリコール化合物が一般式[1]で表され、
Figure 0005843172
Zは、2〜8価であり水素原子を除いた合計原子数が30以下の結合部位である。
PEG1、PEG2およびPEG3は結合部位および末端基を含むそれぞれ異なる構造のポリエチレングリコール鎖であり、PEG1が一般式 [2]
-(CH2CH2O)n1-(A1)a -R1 …[2]
PEG2が一般式 [3]
-(CH2CH2O)n2-(A2)b -X2 …[3]
で示され、PEG3は分岐状であり、
m1、m2、およびm3はそれぞれPEG1、PEG2およびPEG3のZと結合している本数を示し、m1=2-7、m2=1、m3=0であり、
(ただし、R1は炭素数1から7の炭化水素基、炭素数4から9のアセタール基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、アセチル基、アジド基、オキシアミン基およびアルデヒド基から選ばれた官能基またはこの官能基の保護基であり、
X2、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、アセチル基、アジド基、オキシアミン基およびアルデヒド基から選ばれた官能基、またはこの官能基の保護基であり、R1とは異なる。
n1 、n2はエチレンオキシドユニットの平均付加モル数で220≦(n1×m1)+ n2≦4500である。A1、A2はそれぞれ個別に−CH−CH−O−を含まない−CH−、−O−、−S−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−OCONH−、−NHOCO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SOC−、−S−S−、及びこれらからなる群から選ばれる基の組み合わせからなる、30個以下の炭素原子を持つ2価の結合部位基である。a、bはA1、A2のユニット数で0または1である。)
前記不純物が、前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の重合反応時の開始物質に混入する水分に起因する両水酸基末端のポリエチレングリコール化合物または前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の活性化工程において生ずる分解物であるポリエチレングリコール化合物を含み、
(A) 水と、合計炭素数8以下の芳香族炭化水素溶剤と合計炭素数5以下のエステル化合物からなる群より選ばれた一種以上の有機溶剤との少なくとも一方に前記高分子量ポリエチレングリコール化合物が溶解している状態で、前記水と前記有機溶剤とを混合する混合工程;および
(B) 得られた混合物を有機層と水層とに分層させ、この有機層と水層とを分離する分離工程を有しており、前記混合工程(A)および前記分離工程(B)を50〜90℃で行なうことを特徴とする、高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法。
(2)
前記分離工程(B)にて分離した前記水層に対して、新たに有機溶剤を添加し、前記混合工程(A)および前記分離工程(B)を繰り返すことを特徴とする、(1)の方法。
(3)
前記分離工程(B)にて分離した前記有機層に対して、新たに水を添加し、前記混合工程(A)および前記分離工程(B)を繰り返すことを特徴とする、(1)の方法。
(4)
前記有機溶剤が、キシレン、トルエン、ベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチルおよび酢酸ブチルからなる群より選ばれた一種以上の溶媒である、(1)〜(3)のいずれか一つの方法。
(5)
前記有機溶剤がトルエンまたは酢酸エチルである、(4)の方法。
(6)
ヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N’-ジメチルホルムアミド、N,N’-ジメチルホルムスルホキシドおよびN,N’-ジメチルアセトアミドからなる群より選ばれた一種以上の添加溶剤を前記有機溶剤に対して10質量%以下混合する、(1)〜(5)のいずれか一つの方法。
(7)
前記添加溶剤が、メタノールおよびエタノールからなる群より選ばれた一種以上であることを特徴とする、(6)の方法。
(8)
前記水に対して有機塩と無機塩との少なくとも一方が溶解されている、(1)〜(7)のいずれか一つの方法。
(9) 前記水に対して3〜20質量%のアルカリ金属無機塩またはアルカリ金属有機塩が溶解されていることを特徴とする、(8)の方法。
(10)
前記有機溶剤の質量または前記有機溶剤と前記添加溶剤との合計質量が前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の1〜50質量倍であり、前記水の質量、または前記水、前記有機塩および前記無機塩の合計質量が前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の0.1〜50質量倍である、(1)〜()のいずれか一つの方法。
11
混合時の前記有機溶剤および前記水の合計質量、前記有機溶剤、前記水、前記有機塩および前記無機塩の合計質量、または前記有機溶剤、前記添加溶剤、前記水、前記有機塩および前記無機塩の合計質量を100としたときの前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の質量が2−50である、(1)〜(10)のいずれか一つの方法。
12
前記高分子量ポリエチレングリコール化合物分子内のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数が440から3500である、(1)〜(11)のいずれか一つの方法。
(13)
前記水層から前記高分子量ポリエチレングリコール化合物を回収する、(1)〜(12)のいずれか一つの方法。
(14)
前記有機層から前記高分子量ポリエチレングリコール化合物を回収する、(1)〜(12)のいずれか一つの方法。
本発明は、ポリペプチド、酵素、抗体やその他低分子などの薬物や遺伝子、オリゴ核酸などを含む核酸化合物、核酸医薬やその他の生理活性物質の修飾、または、リポソーム、ポリマーミセル、ナノパーティクル、ゲルデバイスなどのドラッグデリバリーシステムキャリアへの修飾を含む医薬用途を目的とした、高純度の高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法を提供する。この精製方法を適用することにより、高分子量ポリエチレングリコール化合物中の分子量の異なるポリエチレングリコール不純物の除去を、工業的に容易に実施可能で、また生産性に優れ、ゲルや樹脂といった廃棄物を生成しない工程にて実施することが可能である。
ポリエチレングリコールを溶質として用いて有機層と水層に分層させる抽出操作は、一般的にはポリエチレングリコールとイオン性の低分子のような極性の大きく異なる物質を分離する手法としてみなされており、本発明以前にはこのような高分子量のポリエチレングリコール化合物がその分子量の違いにより有機層と水層に明確に異なる比率で分配され、かつこれが精製技術として用いられると考えることは困難であった。
実施例1で得られたフラクション1〜4のGPCクロマトグラムを示す。 実施例10で得られたフラクション1〜4のGPCクロマトグラムを示す。
本発明は、高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法に関する。更に詳しくは、本発明は、酵素などの生理活性タンパク質やその他薬剤の化学修飾、リポソーム、ポリマーミセル、ゲルデバイスなどの薬物担体における化学修飾、カテーテルなどの医用材料の表面修飾などを主とする医薬用途に用いられる高純度の高分子量活性化ポリエチレングリコール、またはその出発物質として有用な高純度の高分子量ポリエチレングリコール原料を得る精製方法に関する。
本発明の活性化ポリエチレングリコールとは、末端の少なくともひとつに他の分子と反応させることができる官能基を有するポリエチレングリコール化合物のことである。この活性化ポリエチレングリコールは、代表的には酵素などの生理活性タンパク質やその他薬剤の化学修飾、リポソーム、ポリマーミセルなどの薬物担体における化学修飾を主とする医薬用途に用いられるものであり、これには、直線状なポリエチレングリコール構造を持つものだけではなく、分岐したポリエチレングリコール構造を持つものも含まれる。
本発明によって精製される高分子量ポリエチレングリコール化合物とは、上記のような活性化ポリエチレングリコールならびにこの出発物質として使用されることを目的とした、高分子量を有するポリエチレングリコール化合物のことである。この高分子量ポリエチレングリコール化合物の分子内のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数の下限は、220、好ましくは440、より好ましくは660であり、上限は4500、好ましくは3500、より好ましくは2500、最も好ましくは2000である。また、好ましくは、その構造が下記一般式[1]で表される。
Figure 0005843172

Zは、2〜8価の結合部位であり、ポリエチレングリコールの溶解特性に大きな影響を与えないことが望ましく、好ましくは2〜8価の合計炭素数が30以下の結合部位であり、より好ましくは−O−、−S−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−OCONH−、−NHOCO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SOC−、−S−S−のいずれかうち少なくとも一つの結合基を含む2〜8価の合計炭素数が30以下の結合部位であり、もっとも好ましくは少なくとも一つの−O−を含む合計炭素数が30以下の結合部位である。これに制限されるものではないが、例えば2価と3価、4価の結合部位の具体例としては以下のような構造があげられる。
Figure 0005843172

ここで、l1、l2、l3、l4、l5はそれぞれ独立した0以上の整数で、各分子内でそれぞれの和が30以下である。Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6はそれぞれ独立した結合基であり−O−、−S−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−OCONH−、−NHOCO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SOC−、−S−S−より選択される。
PEG1、PEG2およびPEG3は結合部位および末端基を含むそれぞれ異なる構造のポリエチレングリコールセグメントであり、それぞれPEG1、PEG2は直鎖型、PEG3は構造中に一つ以上の分岐点を持つ分岐型である。m1、m2、およびm3は各ポリエチレングリコールセグメントの本数を示し、0≦m1≦8、0≦m2≦8、0≦m3≦8かつ、2≦m1+ m2+ m3≦8である。
この一般式[1]は、さらに好ましくはm1=1、m2=1、m3=0であり、PEG1が一般式 [2]
-(CH2CH2O)n1-(A1)a-R1 …[2]
PEG2が一般式 [3]
-(CH2CH2O)n2-(A2)b-X2 …[3]
で表されるZが2価の直鎖型ポリエチレングリコール化合物である。
本発明では、一般式[1]においてm1=2-7、m2=1、m3=0であり、PEG1が一般式 [2]、PEG2が一般式 [3]で表されるZが3価以上の分岐型ポリエチレングリコール化合物である。
または、一般式[1]においてm1=0、m2=1、m3=2-7であり、PEG2が一般式 [3]、PEG3が一般式 [4]
-(CH2CH2O)n3-Z’-[(CH2CH2O)n4-(A3)c- R3]m4 …[4]
で示されるZが3価以上でかつPEG3内にも分岐点を有する多分岐型ポリエチレングリコール化合物である。
ここでR1はPEGに相当する直鎖型ポリエチレングリコールの末端構成要素を、R3はPEG3に相当する分岐型ポリエチレングリコール部位の末端構成要素を表し、X2はPEG2に相当する直鎖型ポリエチレングリコールのR1、R3とは異なる末端基の構成要素を表す。A1、A2、A3はそれぞれ個別に2価の結合部位基である。n1、n2、n3、n4はそれぞれ各ポリエチレングリコールセグメントのエチレンオキシドユニットの平均付加モル数を示す。Zは2〜8価、Z’は2−9価のそれぞれ独立した結合部位である。m4はPEG3の結合部位Z’に結合している末端側のポリエチレングリコールセグメントの本数を示す。
さらに詳しくは、R1、またはR3は、キャッピング基、官能基、または官能基の保護基である。キャッピング基としては、抽出工程の分層に際してその容易さや必要な時間から、両親媒性のポリエチレングリコール部位との組み合わせにおいて、顕著な界面活性能を発生しない基であることが望ましく、炭素数1から7の炭化水素基、または、炭素数4から9のアセタール基である。炭素数1から7の炭化水素基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基などのアルキル基、フェニル基、ベンジル基、炭素数4から9のアセタール基としてはジメトキシエタン基、ジメトキシプロパン基、ジメトキシブタン基、ジメトキシペンタン基、ジメトキシヘキサン基、ジメトキシヘプタン基、ジエトキシエタン基、ジエトキシプロパン基、ジエトキシブタン基などを挙げることができる。精製後の化学修飾における有用性や安定性、薬物や核酸、ドラッグデリバリーシステムキャリアへの修飾を含む医薬用途を目的とした機能、性能、また抽出操作における分層の容易さを考慮すると、好ましくは、炭化水素基としてはメチル基、エチル基、tert-ブチル基、ベンジル基、アセタール基としてはジエトキシプロパン基、ジエトキシブタン基であり、最も好ましくはメチル基である。官能基としては、官能基の安定性を考慮すると、好ましくはアミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、アセチル基、アジド基、オキシアミン基、アルデヒド基であり、好ましくは水酸基である。官能基の保護基としては、好ましくはアミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、アセチル基、アジド基、オキシアミン基、アルデヒド基の保護基、好ましくは水酸基の保護基である。
X2は官能基または官能基の保護基で、官能基の安定性を考慮すると、好ましくはアミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、アセチル基、アジド基、オキシアミン基、アルデヒド基またはそれらの保護基であり、好ましくは水酸基またはその保護基である。ただし、R1、R3とは異なる基である。
A1、A3はそれぞれ各ポリエチレングリコールセグメントと各末端基R1、R3の間のリンカー部位であり、それぞれ独立して、−CH−CH−O−を含まない−CH−、−CONH−、−NHCO−、−OCONH−、−NHOCO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SOC−、−CHNH−、−NHCH−、−S−、−S−S−、及び−O−からなる群から選ばれる基の組み合わせからなる、2価で合計炭素数30以下の結合部位基である。
n1、n2、n3、n4はそれぞれ各ポリエチレングリコールセグメントのエチレンオキシドユニットの平均付加モル数であり、m1、m2、m3およびm4との関係において、分子内のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数が上記で定義された下限と上限との間にあることを条件とする。つまり、個別には一般式[1]においてm1=1、m2=1、m3=0の場合にはn1+n2であり、m1=2-7、m2=1、m3=0の場合には(n1×m1)+ n2であり、m1=0、m2=1、m3=2-7の場合にはn2+(n3 +
(n4×m4))×m3が上記下限と上限との間にある。さらに好ましくは、m1=1、m2=1、m3=0の場合に、もしくはm1=2-7、m2=1、m3=0の場合には[PEG1]m1の部分のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数、つまりそれぞれ、n1、もしくはn1×m1が、上記定義のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数の下限より大きく、同様にm1=0、m2=1、m3=2-7の場合には[PEG3]m3の部分のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数、つまり(n3 + (n4×m4))×m3)が上記定義のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数の下限より大きい。
本発明において上記一般式[1] で示される高分子量ポリエチレングリコール化合物は、例えば特許文献10(特開2004-197077号公報)のように1価または多価の水酸基を有する出発物質よりエチレンオキシドを重合する工程とその後の活性化工程を経て得られるか、または特許文献8(特許第3626494号)のように典型的には2本以上の直鎖型ポリエチレングリコールのカップリング反応と活性化工程を経て得られる。また、本発明において除去される高分子量ポリエチレングリコール化合物に含有されるポリエチレングリコール不純物とは、主成分である高分子量ポリエチレングリコール化合物とは異なる分子量を持つこと以外に特に限定されるものではないが、上記のような合成経路を考え合わせると、例としては重合反応時の開始物質混入する水分に起因するジオール体と呼ばれる両水酸基末端のポリエチレングリコール化合物や、活性化工程における副反応によるポリエチレングリコール化合物同士の反応物、重合中の停止反応または粘度上昇による攪拌の不均一性から来る低分子量側へのテーリング成分や、ポリエチレングリコール化合物同士のカップリング反応の未反応物に起因するポリエチレングリコール化合物の残基、活性化を含む各反応工程において生じる分解物などがあげられる。上記高分子量ポリエチレングリコール化合物に含有されるポリエチレングリコール不純物ジオール体は、典型的な例として重合の開始物質として一官能の低分子化合物を用いる場合は高分子量ポリエチレングリコール化合物の約2倍の分子量を持つが、重合の開始物質として三官能以上の低分子化合やポリエチレングリコール化合物を用いる場合は高分子量ポリエチレングリコール化合物より低分子量となる場合がある。
本発明における抽出工程は、一般的な操作で特に限定されないが、典型的には有機溶剤と水または塩の水溶液からなり高分子量ポリエチレングリコール化合物が溶解した混合溶剤を撹拌や振とうなどにより混合し、一定時間これを静置することにより有機層と水層に分層させる工程を含んでなる工程である。ここで、分層後の有機層と水層は、それぞれ前記の有機溶剤と塩の水溶液を主成分とするがその組成が抽出工程前後で完全に一致する必要はなく、上記の高分子量ポリエチレングリコール化合物や不純物、その他の溶剤成分などを含んでなる。また、この抽出工程において、高分子量ポリエチレングリコール化合物は、あらかじめ上記有機溶剤と塩の水溶液からなる混合溶剤系に溶解していれば良く、それ以前の工程で有機溶剤、水または塩の水溶液、またはそれぞれを構成する成分のいずれかに溶解させていることを指定するものではないが、工程の単純化からは上記有機溶剤、またはそれを構成する有機溶剤成分のいずれか、または上記塩の水または水溶液に溶解していることが好ましい。工程中の混合、分層の時間は特に限定されないが、好ましくは1分〜12時間の間であり、より好ましくは10分〜3時間である。また、この抽出操作を実施する雰囲気は特に限定されないが、好ましくは高分子量ポリエチレングリコール化合物に対して望ましくない酸化を最小限に抑えることを目的として、典型的には不活性である窒素などのガス存在下にて行う。また、特に酸化が起きやすい構造や官能基を持つ高分子量ポリエチレングリコール化合物を精製する場合には系内に酸化防止剤、または還元剤などを含有することができる。また、装置も特に限定されないが、酸化劣化の起きにくい窒素下かつ密閉状態での操作を考慮して耐圧容器にて行うこともできる。また、同様に特定のpH領域で不安定な構造や官能基を持つ高分子量ポリエチレングリコール化合物を精製する場合には、緩衝溶液や酸、アルカリの添加により系内のpHを適切な範囲に制御することができる。
本発明における抽出操作において使用される有機溶剤は、合計炭素数8以下の芳香族炭化水素溶剤および合計炭素数5以内のエステル化合物溶剤から選択される有機溶剤またはそれらの混合物である。本発明の目的とする高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製の効率からは、有機溶剤は、好ましくはキシレン、トルエン、ベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルから選択される1種以上の溶媒であり、それらの混合物であってもよく、より好ましくはトルエン、酢酸エチルであり、それらの混合物であっても良い、最も好ましくはトルエンである。
上記の有機溶剤を用いる理由は、本発明において用いられるような高分子量ポリエチレングリコール化合物に対して過度な親和性を持たず、適度な溶解性を有する上に、水に対して溶解しないことから分層が良好に行われる性質があげられる。このような性質によって、高分子量ポリエチレングリコール化合物と、分子量の異なるポリエチレングリコール不純物の溶解性が異なる条件での効果的な精製が可能である。また、このような高分子量ポリエチレングリコール化合物に対して適度な溶解性を有する溶剤を工程に用いることは、抽出工程の後に冷却、または貧溶媒の添加による上記高分子量ポリエチレングリコール化合物を結晶化して単離を行うことに対しても有効な性質である。また揮発性であるというもうひとつの共通する特性も、脱溶剤が容易に可能であるという、単離を前提としたその後の処理工程での利点にもつながる。また、水に対して良好に分離する性質は、精製効率や出来高の向上や分層に要する時間を短縮に寄与するという抽出工程上の利点だけでなく、その後の高分子量ポリエチレングリコール化合物の活性化反応の際に障害となる水分の影響を最小限に抑制することも容易に可能とする。また、上記有機溶剤として特にトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤を用いた場合は、脱溶剤による濃縮、単離の際に水分を共沸し除去することが可能であり、得られた高分子量ポリエチレングリコール化合物の水分量をより低レベルにすることが可能である。
以上のように、本発明では医薬用途に用いられる高分子量の活性化ポリエチレングリコール化合物またはその元となる高分子量ポリエチレングリコール原料の精製という観点から、非常に多面的な利点を有する特定の芳香族炭化水素溶剤、またはエステル化合物溶剤を有機溶剤を使用して抽出操作を行うということを一つの大きな特徴とする。上記有機溶剤の他に分層速度や出来高などの調節を目的として、この系に下記に規定された有機溶剤からなる添加成分を含有することも可能である。
上記その他の添加有機溶剤としては、特に限定されるのもではないが、一般にはヘキサン、シクロヘキサンを含む炭化水素、塩化メチレン、クロロホルムなどの塩化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノールなどのアルコール、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテルなどのエーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、その他N,N’-ジメチルホルムアミド、N,N’-ジメチルホルムスルホキシド、N,N’-ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。また精製効率を上げ、また分層を短時間で効率的に行うためには、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノールなどのアルコール、好ましくは、メタノール、エタノールを加えることは特に効果的である。この添加する添加成分の量としては有機溶剤の10質量%以下、好ましくは5質量%以下である(有機溶剤の合計量を100質量%とする)。
本発明において使用される塩の水溶液としては、無機塩、有機塩の水溶液を用いる。ここで無機塩、有機塩としては特に制限されるものではないが、アルカリ金属塩が好ましく、より好ましくはアルカリ金属ハロゲン塩、最も好ましくは塩化ナトリウムである。水溶液の塩濃度としては、特に制限されるものではないが、高分子量ポリエチレングリコール化合物の有機層への移行割合は塩の水溶液の塩濃度の増加に対して大きくなるために、本発明で対象とする高分子量ポリエチレングリコール化合物に対する精製効果や歩留まりなどを考慮すると3〜20質量%が好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。
使用する有機溶剤と塩の水溶液の量については、特に限定されるものでないが、精製効果や歩留まり、生産性は両者の量のバランスの上に決定され、このことを考慮すると、有機溶剤は上記高分子量ポリエチレングリコールの1〜50質量倍、水または塩の水溶液は高分子量ポリエチレングリコール化合物の0.1〜50質量倍とするのが好ましく、より好ましくは有機溶剤と塩の水溶液ともに高分子量ポリエチレングリコール化合物の5〜20質量倍である。
また本発明の抽出系においては、二次元表面への吸着による精製ではなく、高分子量ポリエチレングリコールとポリエチレングリコール不純物との各溶剤成分への溶解度の差を利用した精製を行うため、上記有機溶剤と塩の水溶液に対する高分子量ポリエチレングリコールの濃度が比較的高濃度の領域での操作が可能である。この場合、精製効率と出来高の関係を考慮して、全有機溶剤および水(存在する場合は更に塩)の合計量に対する高分子量ポリエチレングリコール化合物の濃度は、抽出系において有機溶剤と塩の水溶液の合計質量100とすると、高分子量ポリエチレングリコール化合物の量は好ましくは2〜50、より好ましくは3〜30、最も好ましくは5〜20である。
抽出操作を行なう温度としては、ポリエチレングリコール化合物の有機層への移行割合は系の温度の増加に対して大きくなるために、本発明で対象とする高分子量ポリエチレングリコール化合物に対する精製効果や歩留まりなどを考慮すると50〜90℃が好ましく、より好ましくは50〜80℃、最も好ましくは50〜70℃である。

分子量の異なるポリエチレングリコール不純物の含有量は、典型的には高分子の分子量分布を測定できるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による分析によって決定され得る。本発明においては、GPCシステムとしてSHODEX GPC SYSTEM-11、検出器である示唆屈折計としてSHODEX
RIX8、GPCカラムとしてはSHODEX KF801L、KF803L、KF804L(φ8mm×300mm)を3本直列に繋ぎ、カラムオーブンの温度を40℃とし、溶離液としてはテトラヒドロフランを用い、流速は1ml/分とし、試料の濃度は0.1質量%とし、抽入容量は0.1mlとして測定を行った。検量線は関東化学(株)製のエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ならびにPolymer Laboratory製の分子量600〜70000のポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキシドのGPC用Polymer Standardsを用いて作成したものを用いた。データの解析はBORWIN GPC計算プログラムを使用した。分子量の異なるポリエチレングリコール不純物の含有量は、RI検出器によって得られたクロマトグラムにおける不純物のピークとメインピークとの間の極小点より垂直に引いた直線でピーク面積を区切り、それより溶出時間の早い、つまりより高分子量側のピーク面積について全体の面積に対する割合、またはそれより溶出時間の遅い、つまりより低分子量側のピーク面積について全体の面積に対する割合を算出し、これを異なる分子量を持ったポリエチレングリコール不純物の含有量とした。不純物のピークが非常に小さいか、またはシャープでなく明確な極小点が得られない場合は、これに変わってクロマトグラムの変曲点より垂直に引いた直線でピーク面積を区切り、同様に算出した。また、分子量の異なるポリエチレングリコール不純物の含有量は、飛行時間型質量分析装置(TOF-MS)など、その他分子量分布を決定するに適した分析手段によっても同様に決定することが可能である。
本発明における抽出工程の後の処理工程については、特にこれを限定するものではないが、有機層を回収する場合は、典型的にはこの分離した有機層を冷却するか、またはヘキサンやシクロヘキサンなどの炭化水素、イソプロパノールなどの高級アルコール、ジエチルエーテルやメチルtert-ブチルエーテルなどのエーテルを貧溶媒として添加し、高分子量ポリエチレングリコールを結晶化させ乾燥して単離することができる。また、脱溶剤によって有機溶剤系を除去し、高分子量ポリエチレングリコール乾燥固化して単離することもまた可能である。また、使用している有機溶剤がその後の反応を阻害するものでなければ、これら結晶化や脱溶剤の操作なく、高分子量ポリエチレングリコールを含む有機層をそのまま活性化の反応に使用することも可能である。また、これらの単離や反応などの操作に先立って、厳密な水分量制御が必要な場合は、付加的に、上記高分子量ポリエチレングリコールを含む有機層、またはこれを由来とする高分子量ポリエチレングリコールの溶液を典型的には硫酸マグネシウムや硫酸ナトリウムなどの脱水剤を用い、またトルエンやベンゼンなどの有機溶剤が主成分の場合は共沸して脱水をすることができる。また、水層を回収する場合は、このままスプレードライ、凍結乾燥、または有機層への抽出を経て濃縮、結晶化、乾燥などのいずれかを含む工程によって高分子量ポリエチレングリコールを回収することができる。
以下の実施例1〜9は請求項1外の参考例であり、実施例10、11が請求項1内である。
実施例1-9において高分子ポリエチレングリコール化合物より除去されるポリエチレングリコール不純物は、目的物の約2倍の分子量を持つジオール体に起因する不純物である。
(実施例1)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した300mLの4つ口フラスコに、式[4]で示されるメトキシポリエチレングリコール(分子量: 30,000、高分子量不純物量:2.81%):10gとトルエン:100gを入れ、窒素下で攪拌しながらマントルヒーターを用いて50℃で溶解した。これに、10質量%食塩水:100gを添加してゆっくりと攪拌し、68℃になるまで加温した。68℃になってから、この溶液を30分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて10分間静置して分層させた。分層した上層の有機層を駒込ピペットを用いて300mLナスフラスコに回収した。このトルエンを主成分とする有機層はエバポレーターにて80℃で20gまで濃縮し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら25℃まで冷却した後これにヘキサン20gを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を20gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1を回収した(2.7g)。続いて、残った水層にトルエン100gを添加し、ゆっくりと攪拌し68℃になるまで加温し、68℃になってから、この溶液を30分攪拌、10分静置した。以後、フラクション1と同様にトルエン層回収、濃縮、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2を回収した(2.4g)以下同様の操作を繰り返し、フラクション3(2.0g)、フラクション4(1.0g)を回収した。
得られたフラクション1〜4のGPCクロマトグラムを図1に示す。図のように、ジオール体とメトキシポリエチレングリコールの溶出ピークの間の極小点よりベースラインに対して垂直に線を引き、ピーク面積を、ジオール体とメトキシポリエチレングリコールに割り当てた結果、試料1、2、3、4それぞれの高分子量不純物量は、0.39%、0.46%、0.55%、1.65%であった。
Figure 0005843172

(実施例2)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した300mLの4つ口フラスコに、メトキシポリエチレングリコール(分子量: 40,000、高分子量不純物量:2.80%):10gとトルエン:100gを入れ、窒素下で攪拌しながらマントルヒーターを用いて50℃で溶解した。これに、10質量%食塩水:50gを添加してゆっくりと攪拌し、68℃になるまで加温した。68℃になってから、この溶液を30分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて10分間静置して分層させた。分層した上層の有機層を駒込ピペットを用いて300mLナスフラスコに回収した。このトルエンを主成分とする有機層はエバポレーターにて80℃で20gまで濃縮し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら25℃まで冷却した後これにヘキサン20gを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を20gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1を回収した(2.0g)。続いて、残った水層にトルエン100gを添加し、ゆっくりと攪拌し68℃になるまで加温し、68℃になってから、この溶液を30分攪拌、10分静置した。以後、フラクション1と同様にトルエン層回収、濃縮、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2を回収した(1.0g)以下同様の操作を繰り返し、フラクション3(1.0g)を回収した。
得られたフラクション1〜3の高分子量不純物量は、0.42%、0.17%、0.55%であった。
(実施例3)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した100mLの4つ口フラスコに、メトキシポリエチレングリコール(分子量: 40,000、高分子量不純物量:2.80%):10gとトルエン:30gを入れ、窒素下で攪拌しながらマントルヒーターを用いて50℃で溶解した。これに、10質量%食塩水:30gを添加してゆっくりと攪拌し、68℃になるまで加温した。68℃になってから、この溶液を30分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて20分間静置して分層させた。分層した上層の有機層を駒込ピペットを用いて300mLナスフラスコに回収した。このトルエンを主成分とする有機層はエバポレーターにて80℃で20gまで濃縮し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら25℃まで冷却した後これにヘキサン20gを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を20gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1を回収した(3.5g)。続いて、残った水層にトルエン30gを添加し、ゆっくりと攪拌し68℃になるまで加温し、68℃になってから、この溶液を30分攪拌、10分静置した。以後、フラクション1と同様にトルエン層回収、濃縮、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2を回収した(1.8g)以下同様の操作を繰り返し、フラクション3(0.8g)を回収した。
得られたフラクション1〜3の高分子量不純物量は、0.68%、0.37%、0.39%であった。
(実施例4)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した200mLの4つ口フラスコに、メトキシポリエチレングリコール(分子量: 30,000高分子量不純物量:2.81%):10gとトルエン:25g、酢酸エチル:25gを入れ、窒素下で攪拌しながらマントルヒーターを用いて50℃で溶解した。これに、15質量%食塩水:50gを添加してゆっくりと攪拌し、53℃になるまで加温した。53℃になってから、この溶液を30分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて30分間静置して分層させた。分層した上層の有機層を駒込ピペットを用いて300mLナスフラスコに回収した。このトルエンを主成分とする有機層はエバポレーターにて80℃で20gまで濃縮し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら25℃まで冷却した後これにヘキサン20gを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を20gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1を回収した(1.0g)。続いて、残った水層にトルエン:25g、酢酸エチル:25gを添加し、ゆっくりと攪拌し55℃になるまで加温し、55℃になってから、この溶液を30分攪拌、30分静置した。以後、フラクション1と同様にトルエン層回収、濃縮、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2を回収した(6.6g)。
得られたフラクション1〜2の高分子量不純物量は、0.46%、2.08%であった。
(実施例5)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した200mLの4つ口フラスコに、式[5]で示されるα-ジエトキシプロパノキシ-ω-メチル-ポリエチレングリコール(分子量: 30,000高分子量不純物量:3.26%):10gと酢酸エチル:50gを入れ、窒素下で攪拌しながらマントルヒーターを用いて50℃で溶解した。これに、13質量%食塩水:50gを添加してゆっくりと攪拌し、54℃になるまで加温した。54℃になってから、この溶液を30分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて30分間静置して分層させた。分層した上層の有機層を駒込ピペットを用いて300mLナスフラスコに回収した。このトルエンを主成分とする有機層はエバポレーターにて80℃で20gまで濃縮し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら25℃まで冷却した後これにヘキサン20gを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を20gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1を回収した(2.5g)。
得られたフラクション1の高分子量不純物量は、0.33%であった。
Figure 0005843172

(実施例6)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した200mLの4つ口フラスコに、式[6]で示されるα−ベンジロキシポリエチレングリコール(分子量: 30,000高分子量不純物量:3.29%):10gとトルエン:70gを入れ、窒素下で攪拌しながらマントルヒーターを用いて50℃で溶解した。これに、10質量%食塩水:70gを添加してゆっくりと攪拌し、68℃になるまで加温した。68℃になってから、この溶液を30分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて30分間静置して分層させた。分層した上層の有機層を駒込ピペットを用いて300mLナスフラスコに回収した。このトルエンを主成分とする有機層はエバポレーターにて80℃で20gまで濃縮し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら25℃まで冷却した後これにヘキサン20gを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を20gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1を回収した(1.2g)。続いて、残った水層にトルエン66.5g、エタノール3.5gを添加し、ゆっくりと攪拌し69℃になるまで加温し、69℃になってから、この溶液を30分攪拌、10分静置
した。以後、フラクション1と同様にトルエン層回収、濃縮、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2を回収した(2.6g)。以下同様の操作を繰り返し、フラクション3(2.1g)、フラクション4(1.2g)を回収した。。
得られたフラクション1〜4の高分子量不純物量は、2.74%、1.86%、1.01%、0.38%であった。
Figure 0005843172

(実施例7)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した3,000mLの4つ口フラスコに、メトキシポリエチレングリコール(分子量:40,000、高分子量不純物量:2.80%):200gとトルエン:1,000gを入れ、窒素下で攪拌しながらマントルヒーターを用いて50℃で溶解した。これに、1,000g の10質量%食塩水を添加してゆっくりと攪拌し、68℃になるまで加温した。68℃になってから、この溶液を10分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて30分間静置して分層させた。分層した上層のトルエン層をガラス管とシリコンチューブを通して真空下のベルジャー中に置いた2,000mLナスフラスコに回収した。トルエン溶液はエバポレーターにて80℃で500gまで濃縮し、硫酸マグネシウム:10gを入れてマグネチックスターラーを用いて攪拌しながら50℃にて脱水を行い、硫酸マグネシウムをろ過にて除去した後、25℃まで冷却した後これにヘキサンを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を500gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1(108g)を回収した。続いて、残った水層にトルエン800gを添加し、ゆっくりと攪拌し68℃になるまで加温し、68℃になってから、この溶液を30分攪拌、20分静置した。以後、フラクション1と同様にトルエン層回収、濃縮、脱水、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2(24g)を回収した。
得られたフラクション1〜2の高分子量不純物量は、1.01%、0.58%であった。
(実施例8)
機械式攪拌装置と温度計を装着した100Lのステンレス密閉容器に、メトキシポリエチレングリコール(分子量:40,000、高分子量不純物量:2.80%):5kgとトルエン:20kgを入れ、窒素下で攪拌しながら60℃で溶解した。これに、25kg の10質量%食塩水を添加してゆっくりと攪拌し、70℃になるまで加温した。70℃になってから、この溶液を30分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて3時間静置して分層させた。まず分層した下層の水層を底栓よりステンレス容器に取り出し、次に上層のトルエン層を底栓よりもう一つのステンレス容器に回収した。トルエン溶液はエバポレーターにて70℃で3.8kgまで濃縮し、再度15kgのトルエンで溶解し、硫酸マグネシウム:500gを入れて攪拌しながら60℃にて脱水を行い、硫酸マグネシウムをろ過にて除去した後、25℃まで冷却した後これにヘキサン5kgを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を8kgのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1(1.7kg)を回収した。続いて、残った水層にトルエン15kgを添加し、ゆっくりと攪拌し70℃になるまで加温し、70℃になってから、この溶液を30分攪拌、4時間静置した。以後、試料6と同様にトルエン層回収、濃縮、脱水、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2(0.9kg)を回収した。
得られた各試料は、実施例1と同様にGPCによる測定を行なった。ジオール体とメトキシポリエチレングリコールのピーク面積を実施例1と同様に求めた結果、フラクション1〜2のそれぞれの高分子量不純物量は、1.08%、1.24%であった。
(実施例9)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した200mLの4つ口フラスコに、式[7]で示されるα−t-ブトキシ-ポリエチレングリコール(分子量: 40,000高分子量不純物量:6.08%):10gとトルエン:66.5g、エタノール3.5gを添加し、ゆっくりと攪拌し69℃になるまで加温し、69℃になってから、この溶液を30分攪拌、10分静置した。分層した上層の有機層を駒込ピペットを用いて300mLナスフラスコに回収した。このトルエンを主成分とする有機層はエバポレーターにて80℃で20gまで濃縮し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら25℃まで冷却した後これにヘキサン20gを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を20gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1を回収した(0.8g)。続いて、残った水層にトルエン:66.5g、エタノール3.5gを添加し、ゆっくりと攪拌し70℃になるまで加温し、70℃になってから、この溶液を30分攪拌、30分静置した。以後、フラクション1と同様にトルエン層回収、濃縮、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2を回収した(3.0g)。
得られたフラクション1〜2の高分子量不純物量は、それぞれ0.96%、0.16%であった。
Figure 0005843172

次の実施例10において除去されるポリエチレングリコール不純物は、分子量が目的物より低い主に誘導体化の反応過程における分解によって生じた分子量が約半分のポリエチレングリコール化合物に起因する不純物である。
(実施例10)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した300mLの4つ口フラスコに、式[8]で示される分岐型ポリエチレングリコール(分子量: 40,000低分子量不純物量:2.36%):10gとトルエン:100gを入れ、窒素下で攪拌しながらマントルヒーターを用いて50℃で溶解した。これに、10質量%食塩水:100gを添加してゆっくりと攪拌し、68℃になるまで加温した。68℃になってから、この溶液を30分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて30分間静置して分層させた。分層した上層の有機層を駒込ピペットを用いて300mLナスフラスコに回収した。このトルエンを主成分とする有機層はエバポレーターにて80℃で20gまで濃縮し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら25℃まで冷却した後これにヘキサン20gを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を20gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1を回収した(3.0g)。続いて、残った水層にトルエン100gを添加し、ゆっくりと攪拌し68℃になるまで加温し、68℃になってから、この溶液を30分攪拌、30分静置した。以後、フラクション1と同様にトルエン層回収、濃縮、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2を回収した(1.0g)。以下フラクション2と同様の操作を繰り返し、フラクション3(1.5g)を回収した。またフラクション3の処理が終了した水層に対しトルエン100gを添加し、70℃で20分攪拌、20分静置し、濃縮、酢酸エチル:20gへの溶解、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション4を回収した(1.2g)。
得られたフラクション1〜4の低分子量不純物量は、5.36%、4.17%、1.59%、0.00%であった。
Figure 0005843172
次の実施例11において除去されるポリエチレングリコール不純物は、式[9]で示される分岐型ポリエチレングリコールの合成に、重合の開始物質として分子量40,000の式[8]で示される分岐型ポリエチレングリコールを用いこれに混入した水分が原因の、分子量が目的物より低く約4,000のジオール体に起因する不純物である。
(実施例11)
機械式攪拌装置、ジムロート冷却管、温度計、窒素吹き込み管を装着した300mLの4つ口フラスコに、式[9]で示される分岐型ポリエチレングリコール(分子量: 42,000、n’=約45、低分子量不純物量:2.55%):10gとトルエン:100gを入れ、窒素下で攪拌しながらマントルヒーターを用いて50℃で溶解した。これに、10質量%食塩水:100gを添加してゆっくりと攪拌し、67℃になるまで加温した。67℃になってから、この溶液を30分攪拌し、攪拌を停止して同温度にて30分間静置して分層させた。分層した上層の有機層を駒込ピペットを用いて300mLナスフラスコに回収した。このトルエンを主成分とする有機層はエバポレーターにて80℃で20gまで濃縮し、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら25℃まで冷却した後これにヘキサン20gを加えて結晶を析出させた。このスラリーを30分攪拌し、ろ過し、残渣を20gのヘキサンにて洗浄した後、真空にて乾燥を行いフラクション1を回収した(4.2g)。続いて、残った水層にトルエン100gを添加し、ゆっくりと攪拌し70℃になるまで加温し、70℃になってから、この溶液を30分攪拌、30分静置した。以後、フラクション1と同様にトルエン層回収、濃縮、ヘキサン晶析、乾燥を行いフラクション2を回収した(3.8g)。
得られたフラクション1〜2の低分子量不純物量は、5.02%、0.14%であった。
Figure 0005843172

Figure 0005843172
Figure 0005843172

Claims (14)

  1. 分子内のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数が220から4500である高分子量ポリエチレングリコール化合物から不純物を除去する精製方法であって、
    前記高分子量ポリエチレングリコール化合物が一般式[1]で表され、
    Figure 0005843172
    Zは、2〜8価であり水素原子を除いた合計原子数が30以下の結合部位である。
    PEG1、PEG2およびPEG3は結合部位および末端基を含むそれぞれ異なる構造のポリエチレングリコール鎖であり、
    PEG1が一般式 [2]
    -(CH2CH2O)n1-(A1)a -R1 …[2]
    PEG2が一般式 [3]
    -(CH2CH2O)n2-(A2)b -X2 …[3]
    で示され、
    PEG3は分岐状であり、
    m1、m2、およびm3はそれぞれPEG1、PEG2およびPEG3のZと結合している本数を示し、m1=2-7、m2=1、m3=0であり、
    (ただし、R1は炭素数1から7の炭化水素基、炭素数4から9のアセタール基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、アセチル基、アジド基、オキシアミン基およびアルデヒド基から選ばれた官能基またはこの官能基の保護基であり、
    X2、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、アセチル基、アジド基、オキシアミン基およびアルデヒド基から選ばれた官能基、またはこの官能基の保護基であり、R1とは異なる。
    n1 、n2はエチレンオキシドユニットの平均付加モル数で220≦(n1×m1)+ n2≦4500である。
    A1、A2はそれぞれ個別に−CH−CH−O−を含まない−CH−、−O−、−S−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−OCONH−、−NHOCO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SOC−、−S−S−、及びこれらからなる群から選ばれる基の組み合わせからなる、30個以下の炭素原子を持つ2価の結合部位基である。
    a、bはA1、A2のユニット数で0または1である。)
    前記不純物が、前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の重合反応時の開始物質に混入する水分に起因する両水酸基末端のポリエチレングリコール化合物または前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の活性化工程において生ずる分解物であるポリエチレングリコール化合物を含み、
    (A) 水と、合計炭素数8以下の芳香族炭化水素溶剤と合計炭素数5以下のエステル化合物からなる群より選ばれた一種以上の有機溶剤との少なくとも一方に前記高分子量ポリエチレングリコール化合物が溶解している状態で、前記水と前記有機溶剤とを混合する混合工程;および
    (B) 得られた混合物を有機層と水層とに分層させ、この有機層と水層とを分離する分離工程を有しており、前記混合工程(A)および前記分離工程(B)を50〜90℃で行なうことを特徴とする、高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法。
  2. 前記分離工程(B)にて分離した前記水層に対して、新たに有機溶剤を添加し、前記混合工程(A)および前記分離工程(B)を繰り返すことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記分離工程(B)にて分離した前記有機層に対して、新たに水を添加し、前記混合工程(A)および前記分離工程(B)を繰り返すことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. 前記有機溶剤が、キシレン、トルエン、ベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチルおよび酢酸ブチルからなる群より選ばれた一種以上の溶媒である、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  5. 前記有機溶剤がトルエンまたは酢酸エチルである、請求項4記載の方法。
  6. ヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N’-ジメチルホルムアミド、N,N’-ジメチルホルムスルホキシドおよびN,N’-ジメチルアセトアミドからなる群より選ばれた一種以上の添加溶剤を前記有機溶剤に対して10質量%以下混合する、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  7. 前記添加溶剤が、メタノールおよびエタノールからなる群より選ばれた一種以上であることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 前記水に対して有機塩と無機塩との少なくとも一方が溶解されている、請求項1〜7のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  9. 前記水に対して3〜20質量%のアルカリ金属無機塩またはアルカリ金属有機塩が溶解されていることを特徴とする、請求項8記載の方法。
  10. 前記有機溶剤の質量または前記有機溶剤と前記添加溶剤との合計質量が前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の1〜50質量倍であり、前記水の質量、または前記水、前記有機塩および前記無機塩の合計質量が前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の0.1〜50質量倍である、請求項1〜のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  11. 混合時の前記有機溶剤および前記水の合計質量、前記有機溶剤、前記水、前記有機塩および前記無機塩の合計質量、または前記有機溶剤、前記添加溶剤、前記水、前記有機塩および前記無機塩の合計質量を100としたときの前記高分子量ポリエチレングリコール化合物の質量が2−50である、請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  12. 前記高分子量ポリエチレングリコール化合物分子内のエチレンオキシドユニットの合計平均付加モル数が440から3500である、請求項1〜11のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  13. 前記水層から前記高分子量ポリエチレングリコール化合物を回収する、請求項1〜12のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  14. 前記有機層から前記高分子量ポリエチレングリコール化合物を回収する、請求項1〜12のいずれか一つの請求項に記載の方法。
JP2013263667A 2009-03-31 2013-12-20 高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法 Active JP5843172B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013263667A JP5843172B2 (ja) 2009-03-31 2013-12-20 高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009084773 2009-03-31
JP2009084773 2009-03-31
JP2013263667A JP5843172B2 (ja) 2009-03-31 2013-12-20 高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010078127A Division JP5569787B2 (ja) 2009-03-31 2010-03-30 高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014132077A JP2014132077A (ja) 2014-07-17
JP2014132077A5 JP2014132077A5 (ja) 2014-08-28
JP5843172B2 true JP5843172B2 (ja) 2016-01-13

Family

ID=43069052

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010078127A Active JP5569787B2 (ja) 2009-03-31 2010-03-30 高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法
JP2013263667A Active JP5843172B2 (ja) 2009-03-31 2013-12-20 高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010078127A Active JP5569787B2 (ja) 2009-03-31 2010-03-30 高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20100292515A1 (ja)
JP (2) JP5569787B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109909464A (zh) * 2019-04-11 2019-06-21 东北大学 一种具有骨架结构的高透磁高导热结晶器内套

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8163869B1 (en) 2010-12-27 2012-04-24 Nof Corporation Purification method of carboxyl group-containing polyoxyethylene derivative
WO2014157117A1 (ja) 2013-03-27 2014-10-02 日油株式会社 アミノ基を一つ有するポリエチレングリコールの精製方法
JP6366382B2 (ja) * 2014-06-27 2018-08-01 キヤノン株式会社 トナーの製造方法
JP6935059B2 (ja) 2017-03-30 2021-09-15 日油株式会社 カルボキシル基を一つ有するポリエチレングリコールの精製方法
DE102018000650A1 (de) * 2018-01-27 2019-08-01 Friedrich-Schiller-Universität Jena Verfahren zur Bestimmung von Verunreinigungen in Polyalkylenethern oder Polyalkylenaminen und dessen Verwendung
JP7177392B2 (ja) * 2018-03-29 2022-11-24 日油株式会社 トリチル基含有単分散ポリエチレングリコールの精製方法
EP4083107A4 (en) * 2019-12-27 2024-01-24 Nof Corp PROCESS FOR PURIFYING BRANCHED POLYETHYLENE GLYCOL
CN111579660A (zh) * 2020-04-24 2020-08-25 药源生物科技(启东)有限公司 一种测定聚乙二醇4000及其散剂平均分子量及分布系数的检测方法
CN115160558B (zh) * 2022-07-27 2023-06-02 江西阿尔法高科药业有限公司 一种药用辅料级聚氧乙烯的精制方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3492358A (en) * 1968-04-10 1970-01-27 Dow Chemical Co Purification of ethers
JPS5432597A (en) * 1977-08-18 1979-03-09 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd Purification of high molecular weight alkylene oxide polymer
DE2854541A1 (de) * 1978-12-16 1980-06-26 Bayer Ag Verfahren zur reinigung nichtionischer emulgatoren
US4962238A (en) * 1989-10-04 1990-10-09 Exxon Research And Engineering Company Removal of glycols from a polyalkylene glycol dialkyl ether solution
DE3933333A1 (de) * 1989-10-06 1991-04-11 Basf Ag Verfahren zur reinigung von polyalkylenetherglykolen, die heteropolysaeuren enthalten
US5298410A (en) * 1993-02-25 1994-03-29 Sterling Winthrop Inc. Lyophilized formulation of polyethylene oxide modified proteins with increased shelf-life
US5932462A (en) * 1995-01-10 1999-08-03 Shearwater Polymers, Inc. Multiarmed, monofunctional, polymer for coupling to molecules and surfaces
JPH09169683A (ja) * 1995-12-20 1997-06-30 Denki Kagaku Kogyo Kk ポリオキシアルキレン誘導体の精製方法
US5800711A (en) * 1996-10-18 1998-09-01 Mdv Technologies, Inc. Process for the fractionation of polyoxyalkylene block copolymers
WO1999048948A1 (fr) * 1998-03-24 1999-09-30 Nof Corporation Derives d'oxiranne et leur procede de production
JP4123856B2 (ja) * 2001-07-31 2008-07-23 日油株式会社 生体関連物質の修飾剤およびポリオキシアルキレン誘導体の製造方法
JP4412461B2 (ja) * 2002-11-20 2010-02-10 日油株式会社 修飾された生体関連物質、その製造方法および中間体
WO2006006511A1 (ja) * 2004-07-13 2006-01-19 Kaneka Corporation ポリエーテルの製造方法
US20060045866A1 (en) * 2004-09-01 2006-03-02 Chris Chappelow Novel high purity and high molecular weight mPEG alcohol compositions
US7199193B2 (en) * 2004-09-28 2007-04-03 Dow Global Technologies, Inc. Polyethylene glycol compounds and process of making

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109909464A (zh) * 2019-04-11 2019-06-21 东北大学 一种具有骨架结构的高透磁高导热结晶器内套
CN109909464B (zh) * 2019-04-11 2020-10-16 东北大学 一种具有骨架结构的高透磁高导热结晶器内套

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010254981A (ja) 2010-11-11
JP2014132077A (ja) 2014-07-17
US20100292515A1 (en) 2010-11-18
JP5569787B2 (ja) 2014-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5843172B2 (ja) 高分子量ポリエチレングリコール化合物の精製方法
JP5713274B2 (ja) 高分子量ポリオキシアルキレン誘導体の精製方法
JP6460366B2 (ja) アミノ基を一つ有するポリエチレングリコールの精製方法
KR101663862B1 (ko) 카복실기-함유 폴리옥시에틸렌 유도체의 정제방법
EP2576655B1 (en) Membrane enhanced polymer synthesis
JP4796581B2 (ja) 高純度のメトキシポリエチレングリコール及びそれらの誘導体の製造方法
JP5618248B2 (ja) カルボキシル基含有ポリオキシエチレン誘導体の精製方法
KR102393786B1 (ko) 카복실기를 1개 갖는 폴리에틸렌글리콜의 정제 방법
JP6848743B2 (ja) ポリアルキレングリコール誘導体の製造方法及び精製方法
US11905366B2 (en) Method for producing multi-arm type polyethylene glycol derivative
KR102542987B1 (ko) 트리틸기 함유 단분산 폴리에틸렌 글리콜의 정제 방법
EP3064524B1 (en) Method for producing polyalkylene glycol derivative having amino group at end
US8163869B1 (en) Purification method of carboxyl group-containing polyoxyethylene derivative
KR20220043155A (ko) 폴리에테르 폴리올의 정제 공정
KR20210148151A (ko) 말단 카르복실기함유 폴리에틸렌글리콜의 제조 방법 및 활성화 폴리에틸렌글리콜의 제조 방법
WO2009084833A2 (en) A new preparing method of benxyloxypolyethyleneglycol and its derivatives

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150216

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5843172

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250