JP5843065B2 - ルテニウムの回収方法 - Google Patents

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本発明は白金族金属を含む溶液からルテニウムを効率よく回収する方法に関する。
白金族金属を含む溶液からルテニウムを分離し回収する方法として、ルテニウムの揮発性を利用した酸化蒸留方法が知られている。白金族金属のうち、ルテニウム(Ru)とオスミウム(Os)の酸化物は揮発性を有するので他の白金族金属から蒸留して分離することができる。例えば特公平01−30896号公報(特許文献1)には、白金族金属を含む溶液に臭素酸ナトリウムを加えてルテニウム等を四酸化物にし、これを蒸留して分離回収する方法が記載されている。
このルテニウムの酸化蒸留法について、蒸留した四酸化ルテニウムを臭素酸ナトリウム溶液のトラップ槽に導入して白金等のミストを捕集すると共に四酸化ルテニウムの還元を防止して収率を高める方法が知られている(特開2006−161096号公報:特許文献2)。また、ルテニウムの酸化蒸留法を利用してルテニウム含有スクラップからルテニウムを回収する方法も知られている(特開2009−203486号公報:特許文献3)。
特公平01−30896号公報 特開2006−161096号公報 特開2009−203486号公報
従来のルテニウム酸化蒸留法では、反応槽にルテニウム含有溶液を入れておき、そこに酸化剤を添加してルテニウムを酸化蒸留させていた。ところが、この方法では、実用段階で反応槽が大型になるとルテニウムの回収率は80%程度が限度になると云う問題がある。この理由は、反応槽が大型になると溶液の撹拌効率や加熱効率の低下によって、反応槽内に昇温が不十分な部分が生じ、酸化反応が不均一になることが影響している。
また、ルテニウム酸化蒸留法では、酸化剤の必要量を一度に全量添加すると、酸化剤が十分に溶解せずに底部に固まってしまい、反応槽底部のドレイン口が詰まってしまうと云う問題を生じるので、酸化剤はゆっくり少量づつ添加する必要があり、また、発生する四酸化ルテニウムは腐食性ガスであるので、酸化剤の添加口は小さく形成されており、少量の酸化剤がゆっくり添加される。このため、従来のルテニウム酸化蒸留法では、溶液中のルテニウムが十分な量の酸化剤に接する状態を形成し難い。
さらに、従来のルテニウムの酸化蒸留法では、酸化蒸留反応の終点は原料溶液量や蒸留温度などの反応条件に基づいて経験的に判定し、あるいは酸化反応槽や回収槽の溶液の色変化を目視観察して判断していた。しかし、反応時間を経験的に定めると、反応元液中のルテニウムの量が変動した場合などに対応できず、また反応槽や回収槽の溶液の色変化を目視確認する方法では微少な変化が分かり難く、作業者による誤差も大きいなどの問題があった。
一方、酸化蒸留によって発生する四酸化ルテニウム蒸気は非常に不安定な腐食性ガスであるため、反応槽で四酸化ルテニウム量などを測定すると器具の腐食が進み、信頼性ある測定を長期間行うことが難しく、酸化反応を安定に制御し難しい問題があった。このような問題を解決するため、四酸化ルテニウムガスの吸収工程で副生するガスを利用して酸化反応の終点を把握する方法が検討されている(特願2010−148929号)。
本発明は、大型の反応槽を用いても酸化反応の効率が良く、ルテニウムの回収率を高めることができるルテニウム回収方法を提供する。また、この回収方法にルテニウムの酸化反応の終点を把握する上記方法を組み込み、安定に酸化反応を制御することができるルテニウム回収方法を提供する。
本発明は以下の構成からなるルテニウムの回収方法に関する。
〔1〕ルテニウムを含む白金族金属含有溶液から四酸化ルテニウムを蒸留させる工程、この四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する工程を有するルテニウムの回収方法において、加熱した酸化剤水溶液に上記白金族金属含有溶液を滴下することによって四酸化ルテニウムを蒸留させることを特徴とするルテニウムの回収方法。
〔2〕酸化剤として臭素酸ナトリウムを用い、反応槽に臭素酸ナトリウム水溶液を入れ、該水溶液のpHを1〜5に調整しながら、加熱した臭素酸ナトリウム水溶液に上記白金族金属含有溶液を滴下して酸化ルテニウムを蒸留させる上記[1]に記載するルテニウムの回収方法。
〔3〕蒸留した四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させる工程において、該吸収工程から排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させ、このアルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化を測定することによってルテニウムの酸化反応の終点を把握する上記[1]または上記[2]に記載するルテニウムの回収方法。
〔4〕塩酸による吸収工程から排出される副生ガスを吸収したアルカリ溶液の酸化還元電位について、電位変化率が0.5mV/min以下の状態が30分以上継続した段階を蒸留反応の終点とする上記[3]に記載するルテニウムの回収方法。
本発明の回収方法は、加熱した酸化剤水溶液にルテニウムを含む白金族金属含有溶液(元液)を滴下するので、大型の反応槽でも、ルテニウムが酸化剤に均一に接触して十分に酸化され、酸化反応の効率がよく、ルテニウムの回収率を高めることができる。また、酸化剤が加熱されているので、生成した四酸化ルテニウムがすぐに蒸留し、反応が早い。
また、元液を供給するので、供給速度を調節して四酸化ルテニウムのガス発生をコントロールすることができ、反応槽内の突発的な泡立ちやガス発生などの過剰反応を防止することができる。さらに、反応効率が良いので酸化剤の必要量を従来の方法よりも少なくすることができる。
従来の方法では、作業員が粉末の酸化剤を反応槽に供給しているが、本発明の方法では、反応槽に酸化剤水溶液を入れておき、これに元液を管路を通じて供給することができるので、作業が安全である。
さらに、本発明の回収方法では、蒸留した四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させる際に副生するガスをアルカリ溶液に吸収させ、このアルカリ溶液の電位変化を測定して酸化蒸留の終点を把握する方法を採用すれば、酸化反応を制御するための測定器具を腐食性の四酸化ルテニウムに接触させる必要がなく、測定器具の腐食を避けることができ、酸化蒸留反応の進行を安定かつ正確に把握することができる。
本発明に係るルテニウム回収方法の装置例を示す模式図。
以下、本発明を具体的に説明する。
〔ルテニウムの回収方法〕
本発明の回収方法は、ルテニウムを含む白金族金属含有溶液から四酸化ルテニウムを蒸留させる工程、この四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する工程を有するルテニウムの回収方法において、加熱した酸化剤水溶液に上記白金族金属含有溶液を滴下することによって四酸化ルテニウムを蒸留させることを特徴とするルテニウムの回収方法である。
また、本発明の回収方法は、加熱した酸化剤水溶液にルテニウムを含む白金族金属含有溶液を滴下して四酸化ルテニウムを蒸留させ、この四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収するルテニウムの回収方法において、該吸収工程で排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させ、このアルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化を測定することによってルテニウムの酸化反応の終点を把握するルテニウムの回収方法である。
本発明の回収方法において、ルテニウムを含む白金族金属含有溶液は、例えば、銅電解スライムの塩酸浸出後液、使用済みスパッタリング用ターゲット材の塩酸浸出液などを用いることができる。
ルテニウムを含む白金族金属含有溶液からルテニウムを酸化して蒸留させる。四酸化ルテニウム(RuO4)の沸点は約130℃であり、揮発性を有するので、ルテニウムを酸化して蒸留することによって他の白金族金属から分離することができる。
ルテニウムを酸化する酸化剤としては、アルカリ金属の塩素酸塩や臭素酸塩が好適に用いられ、例えば臭素酸ナトリウム(NaBrO3)が用いられる。
本発明の回収方法は、ルテニウムを含む白金族金属含有溶液(元液)に酸化剤を添加する従来の方法に代えて、反応槽に酸化剤溶液、例えば臭素酸ナトリウム水溶液を入れておき、該溶液のpHを1〜5、好ましくはpH1〜4に調整しながら、加熱した酸化剤溶液にルテニウムを含む白金族金属含有溶液(元液)を滴下し、ルテニウムを酸化して蒸留させる。
元液に酸化剤を添加する従来の方法では、反応槽が大型化すると、反応槽での元液の撹拌や加熱効果が不均一になりやすく、元液に含まれるルテニウムが十分に酸化剤に接触することができ難くなるので、酸化反応の効率が低く、ルテニウムの回収率が低下する。
一方、本発明の回収方法では、加熱した酸化剤溶液に元液を滴下するので、滴下された元液に含まれるルテニウムが十分な量の酸化剤に接触することができ、大型の反応槽でも酸化反応の効率がよく、ルテニウムの回収率が向上する。さらに、酸化剤溶液が加熱されているので、生成した四酸化ルテニウム(RuO4)をすぐに揮発させることができる。
反応槽内のpHを1〜5、好ましくはpH1〜4に調整しながら、加熱した酸化剤溶液に元液を滴下してルテニウムを酸化し、蒸留させる。酸化剤として臭素酸ナトリウム水溶液を用いる場合、この溶液のpHは6以上なので、そのまま元液を滴下すると、元液に含まれるルテニウムの多くは加水分解して水酸化物沈殿になり、酸化反応の効率が低下する。
また、臭素酸イオンはプロトン(水素イオン等)と反応することによって酸化剤として作用するので(2BrO3 - + 12H+ + 10e- → Br2 + 6H2O)、反応槽内はプロトンが存在するように酸性にすることが必要である。反応槽内がpH5を超えると、酸化剤の機能が低下する。一方、pHが1より低いと臭素酸ナトリウムが酸分解して酸化剤として機能しなくなるので、酸化反応中の反応槽内はpH1以上に調整される。
ルテニウムの酸化によって生成する四酸化ルテニウムの沸点は約130℃であるので、蓋をした反応槽内の酸化剤溶液を70℃〜90℃、好ましくは80℃〜85℃に加熱して、四酸化ルテニウムを蒸留させるとよい。
本発明の回収方法において、好ましくは、蒸留した四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する工程において、該吸収工程から排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させ、このアルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化を測定することによってルテニウムの酸化反応の終点を把握するとよい。
具体的には、反応槽および蒸留した酸化ルテニウムを塩酸に吸収させる工程において、臭素ガスおよび塩素ガスが副生する。この副生ガスを例えば水酸化ナトリウム水溶液に吸収させ、副生ガスを吸収した水酸化ナトリウムの酸化還元電位を測定し、該電位の変化によってルテニウムの酸化反応の終点を把握する。
例えば、基準値以下の電位変化率が一定時間継続すれば、酸化反応は終了したものと判断することができる。電位変化率〔(電位変化量)/(経過時間)〕は次式(1)によって測定することができる。
電位変化率〔ΔE/Δt〕n=〔En−E(n-1)〕/〔tn−t(n-1)〕… (1)
式中、ΔEは電位変化量、Δtは単位時間、Enはn測定時の電位、E(n-1)は(n-1)測定時の電位、tnはn測定時、t(n-1)は(n-1)測定時。
電位変化率の基準値および定常状態の継続時間は適用される反応条件や装置構成によって定めればよい。例えば、電位変化率が0.5mV/min以下の状態が30分以上継続した段階を蒸留反応の終点とすることができる。このような方法によって酸化蒸留反応の進行を安定かつ正確に把握することができる。
〔装置構成〕
本発明の回収方法は、例えば、図1に示す装置によって実施することができる。
図示するように、反応槽10はマントルヒータに設置されており、約70℃〜90℃に加熱されている。反応槽10には酸化剤水溶液、例えば臭素酸ナトリウム水溶液が入っている。臭素酸ナトリウム水溶液には塩酸が加えられ、pH1〜5、好ましくはpH1〜4に調整されている。
反応槽10は蓋9によって閉じられており、この蓋9を貫通して撹拌機8、管路7が設けられている。反応槽10には送液ポンプ17を通じて元液の供給槽16が接続している。供給槽16にはルテニウム(Ru)を含む白金族金属を含有する塩酸酸性溶液(元液)が入っている。この元液には水酸化ナトリウム(NaOH)が加えられてpH約1に調整されている。元液は送液ポンプ17を通じて反応槽10に少量づつ供給される。
反応槽10において、臭素酸ナトリウム水溶液に元液が少量づつ添加され、該元液に含まれるルテニウムは、臭素酸ナトリウムによって酸化されて揮発性の四酸化ルテニウム(RuO4)を生じ、このRuO4がガス化して蒸留し、同時に臭素ガス(Br2)が副生する。
反応槽10には管路7を通じて回収槽11が接続している。図示する装置例では回収槽11が三段に設けられている。回収槽11には塩酸が入っており、蒸留したRuO4ガスは回収槽11に導入され、塩酸に吸収されて塩化ルテニウム酸溶液(H2RuCl6)になり、回収される。回収槽11では塩素ガス(Cl2)が副生する。反応槽10において副生したガス(主にBr2)はRuO4ガスと共に回収槽11に導入されるが、酸性であるので塩酸には殆ど吸収されず、回収槽11において副生したガス(主にCl2)と共に槽外に排出される。
回収槽11には管路7を通じて吸収槽12が接続している。図示する装置例では吸収槽12が二段に設けられている。吸収槽12にはNaOH溶液(吸収液)が入っている。回収槽11から排出された副生ガスは吸収槽12に導入され、NaOH溶液に吸収される。二段目の吸収槽12にはNaOH溶液の酸化還元電位を測定するORP計15が設置されている。
二段目の吸収槽12には空槽13が接続しており、さらに空槽13には吸気ポンプ14が接続している。反応槽10から回収槽11、吸収槽12、空槽13は管路7を通じて吸気ポンプ14によって吸引されており、RuO4蒸留ガスと副生ガスは吸引されて各槽に導入され、また吸気ポンプ14によって流量が制御される。さらに空槽13では吸引されたガス中のミストなどが捕集される。
回収槽11から排出された副生ガスは吸収槽12に導かれてNaOH溶液に吸収される。副生ガスを吸収したNaOH溶液の酸化還元電位がORP計15によって測定され、その経時変化、例えば、電位変化率が上記式(1)によって測定される。この電位変化率が基準値以下、例えば0.5mV/min以下であって、この基準値以下の電位変化率が30分継続すれば酸化蒸留反応は終了したものと判断し、反応を停止する。
以下、本発明の実施例を示す。図1に示す蒸留装置を用いてルテニウムの酸化蒸留を行なった。ルテニウム回収率はRu回収率(%)=(Ru回収量)/(反応前の元液中のRu量)の式によって求めた。
〔実施例1〕
臭素酸ナトリウム2560gを水10Lに溶解し、これに塩酸を添加してpH4に調整して酸化剤水溶液を調製した。この酸化剤水溶液を反応槽10に入れて80℃に加熱した。一方、供給槽16にはRuおよび白金族金属(Pt,Pd,Rh,Ir)を含む塩酸性溶液にNaOH水溶液を加えてpH1.0に調整した元液(Ru濃度15.2g/L、液量25L)を入れ、この元液の全量を2時間かけて少量づつ反応槽10に滴下した。反応槽10は80℃に加熱しながら撹拌し、送液ポンプ17を用いて元液を供給槽16から吸引して滴下しながら反応させた。反応槽10で発生したRuO4蒸気を含む蒸留ガスは回収槽11(6NのHCl水溶液)に導いてRuO4蒸気をHCl溶液に吸収させ、塩化ルテニウム酸(H2RuCl6)溶液として回収した。回収槽11から排出された副生ガス(Br2およびCl2)は吸収槽12(NaOH水溶液)に導いて吸収させた。元液の全量を滴下して反応終了とした。反応終了後に回収槽11に吸収されたRu量から測定したRu回収率は96.8%であった。反応後の反応槽内液はpH3.0であった。
〔比較例1〕
実施例1と同様の元液25Lを先に反応槽に入れ、反応槽の元液に粉末の臭素酸ナトリウム2560gを16分かけて少量づつ添加し、反応槽の温度を80℃に昇温して反応させた。蒸留後の処理は実施例1と同様に行なった。その結果、回収槽11に吸収されたRu量から測定したRu回収率は78.7%であり、実施例1のRu回収率より大幅に低かった。反応後の反応槽内液はpH4.5であった。
〔実施例2〕
図1の装置において、吸収槽12(2本目)(内液は4NのNaOH水溶液)の酸化還元電位変化をORP計(vs Ag/AgCl)を用いて5分おきに測定し、上記式(1)に基いて電位変化量(mV/min)を算出し、酸化蒸留の終点を定めた以外は実施例1と同様にして元液の酸化蒸留を行った。電位変化率が0.5mV/min以下になってから30分経過した時点で、反応槽10の蒸気発生はほぼなくなり、電位変化率もほぼ0mV/minに落ち着いたので、反応を終了した。その結果、Ruの回収率は99.2%であった。
10−反応槽、11−回収槽、12−吸収槽、13−空槽、14−吸気ポンプ、15−ORP計、16−供給槽、17−送液ポンプ

Claims (4)

  1. ルテニウムを含む白金族金属含有溶液から四酸化ルテニウムを蒸留させる工程、この四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させて塩化ルテニウム酸溶液を回収する工程を有するルテニウムの回収方法において、加熱した酸化剤水溶液に上記白金族金属含有溶液を滴下することによって四酸化ルテニウムを蒸留させることを特徴とするルテニウムの回収方法。
  2. 酸化剤として臭素酸ナトリウムを用い、反応槽に臭素酸ナトリウム水溶液を入れ、該水溶液のpHを1〜5に調整しながら、加熱した臭素酸ナトリウム水溶液に上記白金族金属含有溶液を滴下して四酸化ルテニウムを蒸留させる請求項1に記載するルテニウムの回収方法。
  3. 蒸留した四酸化ルテニウムを塩酸に吸収させる工程において、該吸収工程から排出される副生ガスをアルカリ溶液に吸収させ、このアルカリ溶液の酸化還元電位の経時変化を測定することによってルテニウムの酸化反応の終点を把握する請求項1または請求項2に記載するルテニウムの回収方法。
  4. 塩酸による吸収工程から排出される副生ガスを吸収したアルカリ溶液の酸化還元電位について、電位変化率が0.5mV/min以下の状態が30分以上継続した段階を蒸留反応の終点とする請求項3に記載するルテニウムの回収方法。
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