JP5842189B2 - 熱延鋼板の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱延鋼板の製造装置に関する。
自動車用や構造材用等として用いられる鋼材は、強度、加工性、靭性といった機械的特性に優れることが求められ、これらの機械的特性を総合的に高めるには、鋼材の組織を微細化することが有効である。そのため、微細な組織を有する鋼材を得るための方法が数多く模索されている。また、組織の微細化によれば、合金元素の添加量を削減しても優れた機械的性質を具備した高強度の熱延鋼板を製造することが可能となる。
組織を微細化する方法としては、熱間仕上げ圧延の特に後段において高圧下圧延を行い、オーステナイト粒に大きな変形を与えるとともに鋼板に圧延歪を蓄積させ、圧延後に得られるフェライト粒の微細化を図ることが知られている。さらに、オーステナイトの再結晶や回復を抑制してフェライト変態を促進させるという観点から、圧延後のできるだけ短時間内に鋼板を600℃〜700℃にまで冷却することが有効である。すなわち、熱間仕上げ圧延に引き続き、従来よりも早く冷却することが可能な冷却装置を設置し、圧延後の鋼板を急冷するとよい。そして、このように圧延後の鋼板を急冷するに際し、冷却能力を高めるために、鋼板に噴射される単位面積当りの冷却水量、すなわち、水量密度を大きくすることが効果的である。
しかしながら、このように冷却水量、水量密度を大きくすると、給水と排水との関係で、鋼板上面に溜まる水(滞留水)が増加する。このような滞留水は鋼板の冷却に供された後の水であり、できるだけこれを早く排出し、ノズルからの供給水を鋼板に提供して冷却能力を確保することが重要である。また、滞留水は水の層であるから、これが厚いとノズルからの噴流の抵抗となって、冷却水が効果的に鋼板に届かないこともある。さらに滞留水は、鋼板の板幅方向中央部から両端部に向けて流れ、その流速は鋼板の端部に近づくほど増加する。従って、滞留水の量が増加すると、鋼板の板幅方向における冷却ムラが大きくなることがある。また、滞留水の量が増加しすぎると、上面ガイドより上にまで滞留水が達してノズル先端が水没することもある。
上記したように、熱間仕上げ圧延の後にできるだけ早く、かつ、急激な冷却をすることが効果的であることから、熱間仕上げ圧延機の最終スタンドのワークロール直後から冷却することが好ましい。すなわち、熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドのハウジングの内側に存する鋼板に冷却水を噴射して冷却をする。このような冷却に関する技術が特許文献1に記載されている。
また、特許文献2、3には噴射された冷却水を吸引除去する技術が開示されている。特許文献2、3に記載の技術によれば、鋼板の上面側に板幅方向にスリットノズルを設け、このスリットノズルから鋼板上面に堆積した冷却水を吸引する。これにより、板幅方向への冷却水の流動を抑えることができ、温度ムラを抑制することが可能となる。
特許第4029871号公報 特許第1974457号公報 特開昭63−40611号公報
鋼板上面側に噴射された冷却水のうち、その多くは鋼板の板幅方向に移動し、下方に落下して排出されている。しかしながら、熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドのハウジング内側では、鋼板の搬送パスラインの両側方に当該ハウジングの立設部が配置されている。従って、最終スタンドのハウジング内側に冷却水を噴射した場合、ハウジングの立設部が壁となり、冷却水の排水が阻害されることや、立設部に衝突し、上方に移動した一部の冷却水が上面ガイドに滞留し、ノズルの先端を水没させてしまうことがあった。特許文献1に記載された発明は上面ガイドの排水性能を向上させることが記載されているが、冷却性能を向上させるためにさらに大量の冷却水を使用した場合には、側部からの排水性を向上させることも重要である。
また、特許文献2、3に記載の技術は、比較的冷却水量が少なく、冷却水を供給するノズル数が少ない場合には吸引のためのノズルを配置することができる。しかしながら、冷却能力を高めるために冷却水の供給ノズルを密に配置し、さらに大きな流量で冷却水を供給するような場合には従来の技術は適用することができなかった。そしてそのための新しい排水性向上のための技術が必要であった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、熱延鋼板製造ラインにおいて、排水性に優れた熱延鋼板の製造装置を提供することを課題とする。
発明者らは鋭意検討の結果、以下のような知見に基づき発明を完成させた。すなわち、熱間仕上げ圧延機の最終スタンドのハウジングの立設部とパスラインとの間の狭い幅において、該幅で排水性を向上させるためには、ポンプを用いた水の吸引が有効であると考えた。そこで、熱間仕上げ圧延機の直後に噴射される大流量の冷却水に基づく排水を、ポンプ等を用いて強制的におこなうための具体的な検討をおこなった。
鋼板の上面に噴射された冷却水は通常、鋼板の板幅方向に移動し、その端部から重力により自然に落下し、装置の隙間を通って下部へ排水される。従ってこのような自然排水に、強制的な排水を加えれば排水を促進することができる。
すなわち、ここでは以下の問題を取り上げる。冷却される鋼板の板幅方向の両側に排水のための空間を十分に確保することができればよいが、他の装置との関係や、下面ガイドの存在、及び冷却水の高流量化等により自然排水のみでは排水能力が不足することがある。また、冷却水の高流量化にともない、冷却水を供給するノズルをパスライン方向にも密に配置するため、鋼板上に達した冷却水は、ノズルからの噴流によりパスライン方向へ移動して分散することができず、そのほとんどが鋼板の板幅方向に移動する。従って、ますます鋼板の板幅方向における排水の重要性が高まる。排水能力が不足すると鋼板の上面に滞留する冷却水が増え、水面が上昇してノズルにまで達してしまう。この場合には適切な冷却が困難となり、冷却能力が低下して冷却ムラが発生する。
このような状況では、自然排水に加えて、冷却水の少なくとも一部を強制的に排水することがよいとの知見を得た。そしてその際には、鋼板になるべく近接した位置で吸引することが好ましいという知見も得た。しかしながら、例えば排水のための空間が鋼板と仕上げ圧延機のハウジング立設部との間にしか確保することができない場所では、鋼板と仕上げ圧延機のハウジング立設部との間隔は通常狭いことから、単純にここにポンプを設置することは困難である。そこで、強制排水手段をどのように構成するかに関し、および排水すべき水の取り回しに関して工夫をする必要があった。具体的には、導水路を形成して冷却水を集め、これをポンプ等の強制排水機器で排水することが有効であることがわかった。
また、冷却水の供給流量密度(水量密度)によっては供給時や他の時に多量の空気を巻き込むことがあり、ポンプの吸引効率の大幅な低下やポンプの故障を招くことがあった。例えば所定の水量密度では、噴射される冷却水量と巻き込まれる空気流量との割合が水:空気で概ね1:2であることもあった。従って、そのときには、供給した冷却水に加えて、多量の空気をも搬送可能である強制排水手段を構成することが好ましいという知見を得た。以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、熱間仕上げ圧延機列と、該熱間仕上げ圧延機列の下工程側に配置され、パスラインを搬送される鋼板を冷却可能に設けられた冷却装置と、を備える熱延鋼板の製造装置であって、冷却装置は、パスラインの上方から該パスラインに冷却水を噴射可能な上面側のノズルと、パスラインの下方から該パスラインに冷却水を噴射可能な下面側のノズルと、パスライン及び上面側のノズルの間に配置される板状の部材である上面ガイドと、パスライン及び下面側のノズルの間に配置される板状の部材である下面ガイドと、上面側のノズルから噴射された冷却水の少なくとも一部を強制的に吸引して排出可能な強制排水手段と、を有し、強制排水手段は、冷却水が流入する側の開口、及び冷却水が流出する側の開口を備える導水路と、冷却水が流出する側の開口に設けられ、導水路内に流入した冷却水を強制的に排出する吸引装置と、を備え、導水路のうち、冷却水が流入する側の開口がパスライン方向に複数設けられる、又は導水路内で流路がパスライン方向に分割される、分割導水路が形成されており、複数の分割導水路のうち、いずれの分割導水路に冷却水を流入させるかを選択可能とされていることを特徴とする熱延鋼板の製造装置である。
請求項2に記載の発明は、熱間仕上げ圧延機列と、該熱間仕上げ圧延機列の下工程側に配置され、パスラインを搬送される鋼板を冷却可能に設けられた冷却装置と、を備える熱延鋼板の製造装置であって、冷却装置は、パスラインの上方から該パスラインに冷却水を噴射可能な上面側のノズルと、パスラインの下方から該パスラインに冷却水を噴射可能な下面側のノズルと、パスライン及び上面側のノズルの間に配置される板状の部材である上面ガイドと、パスライン及び下面側のノズルの間に配置される板状の部材である下面ガイドと、上面側のノズルから噴射された冷却水の少なくとも一部を強制的に吸引して排出可能な強制排水手段と、を有し、強制排水手段は、冷却水が流入する側の開口、及び冷却水が流出する側の開口を備える導水路と、冷却水が流出する側の開口に設けられ、導水路内に流入した冷却水を強制的に排出する吸引装置と、を備え、熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドのハウジングは立設する一対の立設部を有しており、冷却装置は、その一部が熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドの立設部間に配置され、強制排水手段の冷却水が流入する側の開口の少なくとも一部も立設部間に配置されることを特徴とする熱延鋼板の製造装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の熱延鋼板の製造装置において、導水路のうち、冷却水が流入する側の開口がパスライン方向に複数設けられる、又は導水路内で流路がパスライン方向に分割される、分割導水路が形成されており、複数の分割導水路のうち、いずれの分割導水路に冷却水を流入させるかを選択可能とされていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の熱延鋼板の製造装置において、均一冷却幅をW[m]、該均一冷却幅の端部と立設部との平均的な間隙距離をWSW[m]、重力加速度をg[m/s]とし、均一冷却幅における平均的な水量密度をQ[m/(m・s)]とし、WSW、及び上面ガイドと鋼板の上面との平均的な距離であるh[m]から決まる値をCとし、
Figure 0005842189
としたとき、
Figure 0005842189
であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4に記載の熱延鋼板の製造装置において、強制排水手段の導水路のうち、冷却水が流入する側の開口が、下面ガイドの板幅方向端部と、熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドのハウジングの立設部と、の間に設けられ、開口は、下面ガイドの上面と同じ高さ、又は下面ガイドの上面より下の位置に配置されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜4に記載の熱延鋼板の製造装置において、強制排水手段の導水路のうち、冷却水が流入する側の開口は、その少なくとも一部が熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドのハウジングの立設部間に配置されるとともに、上面ガイドの下面と同じ高さ、又は上面ガイドの下面より高い位置に配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の熱延鋼板の製造装置において、導水路の冷却水が流入する開口は、上面ガイドの板幅方向端部と、熱間仕上げ圧延機のハウジングの立設部と、の間に設けられ、その開口は、上面ガイドの下面と同じ高さ、又は上面ガイドの下面より上の位置に配置されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置において、導水路は気液を分離する部位を備えていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置において、強制排水手段の吸引装置は、気液混相流を吸引可能であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置において、強制排水手段の吸引装置は、空気のみでの待機運転が可能であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置において、強制排水手段の吸引装置は、水を循環させるバイパスを具備し、当該水の循環による待機運転が可能であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、熱間仕上げ圧延機列と、該熱間仕上げ圧延機列の下工程側に配置され、パスラインを搬送される鋼板を冷却可能に設けられた冷却装置と、を備える熱延鋼板の製造装置であって、冷却装置は、パスラインの上方から該パスラインに冷却水を噴射可能な上面側のノズルと、パスラインの下方から該パスラインに冷却水を噴射可能な下面側のノズルと、パスライン及び上面側のノズルの間に配置される板状の部材である上面ガイドと、パスライン及び下面側のノズルの間に配置される板状の部材である下面ガイドと、上面側のノズルから噴射された冷却水の少なくとも一部を強制的に吸引して排出可能な強制排水手段と、を有し、強制排水手段は上面ガイドの上面に具備された水中ポンプであることを特徴とする熱延鋼板の製造装置である。
本発明により、熱延鋼板の製造ラインにおいて、排水性に優れた熱延鋼板の製造装置を提供することができる。また、これによって冷却水の量を増加させることが可能となり、圧延後の急冷をさらに促進させることができるので機械的性能に優れた鋼板を製造することが可能となる。
第一実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置の一部を模式的に示した図である。 図1のうち、冷却装置が配置される部分に注目して拡大した図である。 図2のうち、冷却装置の上工程側を拡大して示した図である。 図2のIV−IV矢視断面図である。 ノズルを説明するための斜視図である。 ノズルを説明するための他の図である。 SWを説明するための図である。 第一実施形態の変形例にかかる熱延鋼板の製造装置を説明する図である。 第二実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置を説明する図である。 第三実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置を説明する図である。 第四実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置を説明する図である。 第三、第四実施形態の他の例を説明する図である。 第五実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置を説明する図である。 第六実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置を説明する図である。
本発明の上記した作用および利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は、第一実施形態にかかる熱延鋼板の製造装置10の一部を概略的に示した図である。図1では、鋼板1は紙面左(上工程側、上流側)から右(下工程側、下流側)の方向へと搬送されており、紙面上下方向が鉛直方向である。上工程側・下工程側の方向を通板方向と記載することがあり、これに直交する方向で、通板される鋼板の板幅の方向を板幅方向と記載することがある。また、図において見易さのため繰り返しとなる符号の記載は省略することがある。
図1に示すように、熱延鋼板の製造装置10は、熱間仕上げ圧延機列11、冷却装置20、搬送ロール12、12、…、ピンチロール13を備えている。また図示及び説明は省略するが、熱間仕上げ圧延機列11より上工程側には、加熱炉や粗圧延機列等が配置され、熱間仕上げ圧延機列11に入るための鋼板の条件を整えている。一方、ピンチロール13の下工程側には他の冷却装置や巻き取り機等が設けられ、鋼板コイルとして出荷するための各種設備が配置されている。
熱延鋼板は概ね次のように製造される。すなわち、加熱炉から抽出され、粗圧延機で所定の厚さに圧延された粗バーが、温度を制御されながら連続的に熱間仕上げ圧延機列11で所定の厚さにまで圧延される。その後、冷却装置20内で急速に冷却される。ここに、冷却装置20は、熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド11gにおいて、圧延ロールを支持するハウジング11ghの内側に、当該最終スタンド11gの圧延ロール11gw、11gw(図2参照)に極力近接するようにして設置されている。そして、ピンチロール13を通過して他の冷却装置により所定の巻き取り温度にまで冷却され、巻き取り機によりコイル状に巻き取られる。
以下、熱延鋼板の製造装置10(以下単に「製造装置10」と記載することがある。)について詳しく説明する。図2、図3は、図1のうち冷却装置20が備えられた部位を拡大して示した図である。図2は冷却装置20の全体が表れるように拡大した図である。図3は、さらに最終スタンド11gの近傍に注目した図である。図4は、図2にIV−IVで示した矢視断面図である。従って図4では紙面上下が製造装置10の鉛直方向、紙面左右が板幅方向、及び紙面奥/手前方向が通板方向となる。
本実施形態における熱間仕上げ圧延機列11は、図1からわかるように7機の圧延機11a、…、11f、11gが通板方向に沿って並列されている。ぞれぞれの圧延機11a、…、11f、11gは、いわゆる各スタンドを構成する圧延機で、最終製品において必要とされる厚さ、機械的性質、表面品質等の条件を満たすことができるように圧下率等の圧延条件が設定されている。ここで、各スタンドの圧下率は製造される鋼板が有するべき性能を満たすように設定されるが、高圧下圧延を行ってオーステナイト粒に大きな変形を与えるとともに鋼板に圧延歪を蓄積させ、圧延後に得られるフェライト粒の微細化を図る観点から最終スタンド11gにおいて圧下率が大きいことが好ましい。
各スタンドの圧延機11a、…、11f、11gは、実際に鋼板を挟んで圧下する一対のワークロール11aw、11aw、…、11fw、11fw、11gw、11gwと、該ワークロールに外周同士を接するように配置された一対のバックアップロール11ab、11ab、…、11fb、11fb、11gb、11gbとを有している。また当該ワークロール、及びバックアップロールの回転軸は、該ワークロール及びバックアップロールを内側に含むように設けられたハウジング11ah、…、11fh、11ghの対向して立設された立設部(最終スタンドにおいては図4の立設部11gr、11gr)間に配置されている。すなわち、ハウジングの立設部は、図4からわかるように、鋼板1の通板のライン(パスライン)を挟むように立設されている。
ここで、図2にL1で示した距離は、ワークロール11gwの回転中心軸とハウジング立設部11gr、11grの下工程側端面との距離であり、ワークロール11gwの半径r1よりも大きい。従って、L1−r1に相当する部位には、後述するように冷却装置20の一部を配置することができる。すなわち当該冷却装置20の一部をハウジング11ghの内側に挿入するように設置することが可能である。
また、図4に示すように、冷却装置20がハウジング11ghの内側に挿入された部位において、冷却装置20の下面ガイド40の板幅方向端部と、ハウジング立設部11gr、11grとの間にはWSW、WSWで示した間隙が形成される。
次に冷却装置20について説明する。冷却装置20は、上面給水手段21、21、…、下面給水手段22、22、…、上面ガイド30、30、…、下面ガイド40、40、…、及び強制排水手段50を備えている。
上面給水手段21、21、…は、鋼板1(パスライン)の上側から冷却水を供給する手段であり、ヘッダ21a、21a、…、各ヘッダ21a、21a、…に複数列をなして設けられた導管21b、21b、…、及び該導管21b、21b、…の先端に取り付けられたノズル21c、21c、…を備えている。
本実施形態では、図2〜図4からわかるようにヘッダ21aは板幅方向に延在する配管であり、このようなヘッダ21a、21a、…が通板方向に複数配列されている。
導管21bは各ヘッダ21aから分岐する複数の細い配管であり、その開口端部が鋼板1の上面側に向けられている。導管21b、21b、…は、ヘッダ21aの管長方向に沿って、すなわち板幅方向に複数、櫛歯状に設けられている。
各導管21b、21b、…の先端にはノズル21c、21c、…が取り付けられている。本実施形態のノズル21c、21c、…は、扇状の冷却水噴流(例えば、5mm〜30mm程度の厚さ)を形成可能なフラットタイプのスプレーノズルである。図5、図6にノズル21c、21c、…により鋼板1の表面に形成される冷却水噴流について模式図を示した。図5は斜視図である。図6は当該噴流が鋼板1の表面に衝突したときの衝突態様を概略的に示した図である。図6に白丸で表したのはノズル21c、21c、…の直下の位置であり、太線で示したのは冷却水噴流の衝突位置、形状である。図5、図6には通板方向と板幅方向を併せて示している。
図5、図6からわかるように本実施形態では、隣り合うノズル列A、B、Cでは、板幅方向の位置をずらすように配置し、さらにその隣のノズル列A、B、Cと板幅方向の位置が同じとなるように、いわゆる千鳥状配列としている。
本実施形態では、鋼板1の表面における板幅方向の全ての位置にわたって冷却水噴流を少なくとも2回通過できるようにノズル21c、21c、…を配置した。すなわち、通板される鋼板1上のある点STは、図6の直線矢印に沿って移動する。その際にノズル列Aで2回(A1、A2)、ノズル列Bで2回(B1、B2)、ノズル列Cで2回(C1、C2)、…というように、各ノズル列A、B、Cにおいて当該ノズル列A、B、Cに属するノズル21c、21c、…からの噴流が2回衝突する。そのために、ノズルの間隔P、冷却水噴流の衝突幅L、ねじり角βの間に、
L≧2P/cosβ
の関係が成り立つように、ノズル21c、21c、…を配置した。図6では2回通過としたが、これに限定されることはなく、3回以上通過するように構成してもよい。なお、板幅方向における冷却能の均一化を図るという観点から、通板方向で隣り合うノズル列A、B、Cでは、互いに逆の方向にノズル21c、21c、…を捻った。
また、ノズルの配列により鋼板の冷却に関する「均一冷却幅」が定まる。これは、配置されるノズルの性質上、搬送される鋼板の均一な冷却が可能である板幅方向の大きさを意味する。具体的には、鋼板の製造装置において製造できる最大の鋼板の板幅と一致することが多い。具体的には例えば図6にWで示した大きさである。
上面給水手段21が備えられる位置、特にノズル21c、21c、…が配置されるべき位置は特に限定されるものではない。本実施形態では、少なくとも熱間仕上げ圧延機列11における最終スタンド11gの直後に、該最終スタンド11gのハウジング11ghの内側から当該最終スタンド11gのワークロール11gwに極力近接するように配置させる。このように配置することで、熱間仕上げ圧延機列11による圧延直後の鋼板1を急冷することが可能になるとともに、鋼板1の先端部を安定して冷却装置20に誘導することができる。本実施形態では、図2からわかるように、ワークロール11gwに近い冷却ノズル21cは鋼板1に近づけて配置する。
さらに、図2、図3からわかるように、各ノズル21c、21c、…の冷却水噴射口から噴射される冷却水の噴射方向は鉛直方向を基本とする一方、最終スタンド11gのワークロール11gwに最も近いノズル21c、21c、…からの冷却水の噴射は、鉛直よりもワークロール11gwの方向に傾けられることが好ましい。これにより、鋼板1が最終スタンド11gで圧下されてから冷却が開始されるまでの時間をより一層短くし、圧延で蓄積された圧延歪が回復する時間をほぼゼロにすることも可能となる。従って、より微細な組織を有する鋼板を製造することができる。
下面給水手段22、22、…は、鋼板1(パスライン)の下側から冷却水を供給する手段であり、ヘッダ22a、22a、…、各ヘッダ22a、22a、…に複数列をなして設けられた導管22b、22b、…、及び該導管の先端に取り付けられたノズル22c、22c、…を備えている。下面給水手段22、22、…は、上記した上面給水手段21、21、…に対向して設けられ、冷却水の噴射方向が異なるが、概ね該上面給水手段21、21、…と同様であるのでここでは説明を省略する。
次に上面ガイド30について説明する。上面ガイド30は、図2〜図4に良く表れているように、鋼板1(パスライン)と上面給水手段21、21、…との間に配置される板状の部材である。上面ガイド30により、鋼板1が上面給水手段21、21、…に引っ掛かることを防止している。従って、上面ガイド30には、上面給水手段21、21、…のノズル21c、21c、…から噴射される冷却水が貫通することのできる孔が設けられている。
上面ガイドは公知のものを用いることができ、その形状は特に限定されるものではない。
上面ガイド30は、図2に示したように配置される。すなわち、本実施形態では3つの上面ガイド30、30、30が用いられ、これが通板方向に配列される。いずれの上面ガイド30、30、30もノズル21c、21c、…の高さ方向位置に対応するように配置されている。詳しくは、最終スタンド11gに近い上面ガイド30では最終スタンド11g側端部が低く、他端側が高くなるように傾斜して配置されている。他の2つの上面ガイド30、30は、通板面から所定の間隔を有して該パスラインと略平行に配置されている。
次に下面ガイド40について説明する。下面ガイド40は、下面給水手段22と鋼板1(パスライン)との間に配置される板状の部材である。これにより、特に鋼板1を製造装置10に通す際に、鋼板の最先端が下面給水手段22、22、…や搬送ロール12、12、…に引っ掛かることを防止できる。従って、下面ガイド40には下面給水手段22、22、…からの噴流を通過させる流入孔が設けられている。これにより、下面給水手段22からの噴流が該下面ガイド40を通過して鋼板1の下面に達し、適切な冷却をすることが可能となる。
このような下面ガイド40は、図2に示したように配置される。すなわち、本実施形態では4つの下面ガイド40、40、…が用いられ、搬送ロール12、12、12間、ワークロール11gwと搬送ロール12との間、又は搬送ロール12とピンチロール13との間に配置される。いずれの下面ガイド40、40、…も搬送ロール12、12、…の上端部に対してあまり低くならない高さに配置される。
ここで用いられる下面ガイド40の形状は特に限定されるものではなく公知の下面ガイドを用いることが可能である。下面冷却では、鋼板冷却後の排水はほとんどがそのまま下方向に排水されることが望ましい。従って図示はしないが、下面ガイド40には排水用の孔が設けられていることが望ましい。また、搬送ロールが密に配置され、下面ガイドが不要な場合にも上記した下面給水手段は適用可能である。
次に強制排水手段50について説明する。強制排水手段50は導水路51、51、及び吸引装置としてのポンプ52、52を備えている。
導水路51、51は、本実施形態では図2及び図4にその態様が良く表れているように、流路を形成する筒状体である。ここで「筒状体」は流路を形成することができれば良く、円管状、ダクト状等、その断面形状は特に限定されるものではない。
導水路51、51の一方の開口51a、51a(以下、「入口51a、51a」と記載することがある。)は、図4からわかるように、下面ガイド40とハウジング立設部11gr、11grとの間の間隙のそれぞれに配置されている。
入口51aの板幅方向の範囲は、下面ガイド40とハウジング立設部11grとの間の距離(すなわちWSW)に近い大きさが好ましい。これにより効率良く排水すべき水を導水路51内に導入することができる。一方、入口51aの通板方向の範囲は、図2からわかるように下面ガイド40の上工程側先端から、ハウジング立設部11grの下工程側端部までとすることが好ましい。これにより最も強制排水が必要であるハウジング立設部11gr、11gr間の排水を選択的に効率良く強制排水することができる。多くの場合、ハウジング立設部11grより下工程側においては、板幅方向は大きく開放されており、自然落下による排水を阻害する障害物が配置されていないことに基づくものである。従って、板幅方向においてハウジング立設部11gr、11grと同様に排水の自然落下を阻害するものがある場合には、入口51aをさらに下工程側に延長するように広げるように構成してもよい。
また、入口51aの鉛直方向高さ位置は、下面ガイド40の上面と同一、又はこれより低い位置であることが好ましい。入口51aが下面ガイド40より高い位置にあると、鋼板1が何らかの理由で板幅方向に蛇行したときに、鋼板1が導水路51に衝突して破損する虞があるからである。
一方、導水路51、51の他方側の開口51b、51b(以下、「出口51b、51b」と記載することがある。)は、図4からわかるように、ポンプ52、52へと通じる開口部である。従って、出口51b、51bは、後述するポンプ52、52の設置位置に合わせて設けられる。
入口51a、51aから出口51b、51bへと通じる中途の導水路51、51の断面形状及び流れ方向形状は特に限定されることはないが、できるだけ流動抵抗が小さい形状であることが好ましい。流動抵抗が上昇する原因として例えば、急な曲がり、急激な流路断面積の変化、突起物の存在を挙げることができる。また、入口51a、51aは出口51b、51bより開口面積が大きいことが好ましいが、その際の導水路51、51の流路断面積の変化も可能な限り緩やかであることが好ましい。
ポンプ52、52は、導水路51、51の出口51b、51bに連結され、導水路51、51によって導かれた排水を強制的にピットへ送水するためのポンプである。ポンプ52、52として用いられる具体的な態様は、上記したように最終スタンド11gのハウジング11ghの内側に供給された冷却水を排水するに際し、その排水を促進することができれば特に限定されるものではない。ただし、実際に供給される冷却水の状態や、製造装置10による熱延鋼板の製造の観点から、以下のような態様であることが好ましい。
ポンプは排水がない状況においても運転可能であるもの、すなわち待機運転ができるものが好ましい。熱延鋼板の製造では、冷却水の節約のため、圧延が行われる直前まで冷却水を止めておく、又は少量のみ循環させるといった運転をおこなう。そして圧延の直前から大量の冷却水の噴射を開始する。従って、待機運転可能なポンプを用いることにより、排水がない状態から急激な排水が必要な状態への変化に対応し、冷却水が供給される初期においても円滑に排水をおこなうことができる。
待機運転の方法には大きく分けて2種類あり、そのうちの一方は水がなく空気のみでも吸引可能なポンプを用いる方法、他方はポンプにバイパスを設けて常に水を循環させておく方法である。本実施形態ではいずれの方法によるポンプでも良いが、後述するように排水すべき水には多量の空気を含む場合もあるので、空気のみでも吸引可能なポンプであることが好ましい。空気のみでも吸引可能なポンプの場合、排水がない場合には周囲に充填している蒸気を吸い取ることができ、視界改善や作業環境の向上を図ることも可能である。
また、ポンプは多量の空気を含んだ気液混相流を吸引して効率良く排出できるものが好ましい。冷却水の供給水の流量密度(水量密度)によっては供給時や他の時に多量の空気を巻き込むことがあり、このような混相流も効率良く排出できることにより、供給する冷却水の水量密度を大きくすることができる。例えば所定の水量密度では、噴射される冷却水量と巻き込まれる空気流量との割合が水:空気で概ね1:2であることもあった。
上記した観点から、具体的なポンプの種類として軸流ポンプが好ましい。軸流ポンプは、気液混相流を吸引しても振動を少なくすることができる構造を有しているからである。その他、大きな水量を流すことができるポンプとして渦巻き型ポンプ、縦軸ポンプ、エアリフトポンプを挙げることができる。ただし、気液混相流を吸引した場合の振動について考慮する必要がある。
ポンプ52、52が配置される位置は、上記導水路51、51を含めて板幅方向一方側のポンプ52および導水路51と、他方側のポンプ52および導水路51と、で対称であることが好ましい。これにより流動抵抗やポンプ能力が対称となり、排水能力が対称となるので、板幅方向の一方と他方とで排水に不均衡が生じることを抑制することができる。すなわち、排水の不均衡に起因する冷却ムラを防止することが可能となる。本実施形態ではこのような均衡を得るとの観点から2基のポンプ52、52を用いる例を説明した。ただし、これに限定されることはなく、1基であったり、さらに多くの複数基を適用してもよい。
このような強制排水手段50により、仕上げ圧延機の最終スタンド11gのハウジング11gh内に供給された冷却水の少なくとも一部を強制的に排水することができ、排水性を向上させて効果的な鋼板の冷却が可能となる。排水すべき水を導水路51、51を用いて集めてポンプ52、52により強制的に排水するので、効率良く排水することができる。
ここで、強制排水手段50による強制排水は、必ずしも供給された冷却水の全てを排水の対象とする必要はなく、一部でもよい。一部の冷却水を強制排水するだけでも排水性の向上を図ることは可能だからである。
図2に戻って熱延鋼板の製造装置10について説明を続ける。搬送ロール12、12、…は、鋼板1のテーブルであるとともに該鋼板1を通板方向に搬送するロールである。上記したように搬送ロール12、12、…間、ワークロール11gwと搬送ロール12との間、又は搬送ロール12とピンチロール13との間に下面ガイド40、40、…が配置される。
ピンチロール13は、水切りを兼ねており、冷却装置20の下工程側に設けられている。これにより、冷却装置20内で噴射された冷却水が鋼板1の下工程側へと流出することを防止することが可能になる。さらには、冷却装置20における鋼板1の波打ちを抑制して、特に、鋼板1の先端が巻き取り機に噛み込む前の時点における鋼板1の通板性を向上させることができる。ここでピンチロール13のロールのうち上側のロール13aは図2に示したように上下に移動可能とされている。
上記した熱延鋼板の製造装置10により例えば次のように鋼板の製造をおこなう。すなわち、鋼板が巻き取り機により巻き取られ、次の鋼板の圧延が開始されるまでの非圧延時間では冷却装置20における冷却水の噴射は停止される。そして、冷却装置20の下工程側のピンチロール13は、上記非圧延時間中に、冷却装置20の上面ガイド30よりも高い位置にまで上側のロール13aが移動され、その後、次の鋼板の圧延が開始される。
当該次の鋼板の先端がピンチロール13に到達したときに冷却水の噴射による冷却を開始する。また、鋼板1の先端がピンチロール13を通過した直後に上側のロール13aを下降させ、鋼板1のピンチを開始する。
ここで、ピンチロール13は、鋼板の先端が通過する前に、ピンチできる状態に設定しておいてもよい。これによって、最終スタンド11gを通過した先端部に早く張力を付与することが可能となる。また、ピンチロール13の上下ロール間の隙間を通過する鋼板の厚さよりも広くし、ピンチをすることなく水切りの機能のみ持たせる方式もある。この場合、図示はしないがピンチロール13よりも出側に他のピンチロールを設置してピンチを行うこととなる。
また、熱間仕上げ圧延機列11での通板速度は通板開始部分を除いて一定としてもよい。これにより、鋼板全長に亘って機械的強度が高められた鋼板を製造することができる。
ここで、冷却装置20から供給される冷却水の流量密度(水量密度)は、必要とされる冷却能を備えるものであれば特に限定されるものはない。ただし、上記したように、鋼板組織の微細化の観点から、圧延直後の急冷が効果的であり、そのために水量密度の大きい冷却水が供給されることが好ましい。従って、排水も当該冷却水の供給量、水量密度に対応する排水性能を確保することできればよい。鋼板組織の微細化の観点から、供給される冷却水の流量密度(水量密度)は、片面あたり10〜25[m/(m・分)]を挙げることができる。これより大きい水量密度でもよい。
鋼板1の上面側に供給された冷却水は、その多くは板幅方向両端に移動し、その両端より下方へ流れ落ちる。このとき強制排水手段50が配置された部位では、排水が導水路51、51に入り、集められてポンプ52、52によりピットに送られる。一方、強制排水手段50が配置されていない部位では、そのまま流れ落ち、ピットまで設けられた溝等を通ってピットへと流れ込む。このように、排水の少なくとも一部は強制排水手段50により強制的にピットにまで送られるので、全体として排水性を向上させることができる。また、ポンプ52、52により吸引した排水を直接ピットに流すことができるので、自然落下する排水の水量を少なくすることができる。すなわち、自然落下した排水がピットにまで通る流路(溝)を小さくすることが可能となり、設備コストの観点から有利である。
鋼板1の下面側に供給された冷却水はそのまま落下してピットまで設けられた溝等を通ってピットへ流れる。
冷却装置20がハウジング11ghの内側に挿入された際には、上記したように、冷却装置20の下面ガイド40の板幅方向端部と、ハウジング立設部11gr、11grとの間にはWSW、WSWで示した間隙が形成される(図4参照)。間隙WSWが狭い場合には、冷却水の排水が阻害される程度も大きい。従って、このような場合に冷却装置20の強制排水手段50の効果がより顕著に発揮される。ここで、具体的に間隙WSWの大きさについて考察する。
図7には、以下で用いる式において使用する記号の意味を説明するための模式図を示した。この図から、式(2)に示した水量密度の範囲において、間隙WSWを含む式(1)が成立する場合には、間隙WSWからの排水が阻害される程度が大きい。
Figure 0005842189
Figure 0005842189
Wは均一冷却幅[m]であり、WSW[m]は、均一冷却幅Wの端部とハウジング立設部11grとの平均的な間隙距離である。ここでは一例として該平均的な間隙距離は、下面ガイド40の板幅方向端部とハウジング立設部11grとの間との距離と同じとみなしてWSWとした。
均一冷却幅Wは、上記したように、配置されるノズル群の性質上、搬送される鋼板の均一な冷却が可能である板幅方向の大きさを意味する。具体的には、鋼板の製造装置において製造できる最大の鋼板の幅と一致することが多い。具体的には例えば図6にWで示した大きさである。g[m/s]は重力加速度、Qは後述する式(3)により求まる水量密度を意味する。また、Cは後述する式(4)、式(5)により求まる値で、冷却水が板幅方向へ流れ、ハウジング立設部との間から流出する際の排水断面積の収縮、拡大による圧力損失の係数を表わす。Q、Cについては、後で式(3)〜式(5)に表わしつつ説明する。
上記式(1)は次のような考えにより導くことができる。上面側から供給された冷却水は鋼板に衝突後、板幅方向へ分かれて排水される。しかしながら、均一冷却幅Wの端部とハウジング立設部11grとの間隙が狭くなると、排水が板幅方向に移動し、これがハウジング立設部11grに衝突して下方向の流れに変化するときの流動抵抗が増大する。この流動抵抗の増大により、ハウジング立設部11grに衝突した排水は鋼板側へ跳ね返り、上面ガイド30、30、…の噴流孔からノズル21c、21c、…の先端側へ逆流して上面ガイド30、30、…の上にも水が滞留し、ノズル21c、21c、…の先端が水に浸かってしまう。
具体的には、式(1)の左辺は冷却水が板幅方向端とハウジング立設部11gr間で排水される場合の圧力損失を表している。ここで式(1)の左辺が1以上になると、流動抵抗は大きく、排水が上面ガイド30、30、…の噴流孔から逆流してノズル21c、21c、…の先端が水没するといった現象が発生しやすくなる。式(1)における1.7なる値は板幅方向への排水が板幅方向端とハウジング立設部11gr、11gr間での曲がり(排水の方向転換)で発生する圧力損失の係数であり、実験により得られた値である。すなわち、このような場合に、冷却装置20の強制排水手段50による強制排水の効果がより顕著に発揮される。
また、式(2)により水量密度Qの範囲を制限した理由は次の通りである。すなわち、水量密度Qが0.08[m/(m・s)]よりも大きい場合にハウジング立設部11grに衝突した排水が鋼板側へ跳ね返るといった現象が発生することがあり、適切な排水のためには式(1)を満たす必要があった。一方、水量密度Qが0.08[m/(m・s)]以下では、ハウジング立設部11grに衝突した排水が鋼板側へ跳ね返るといった現象が発生し難く、式(1)とは無関係となる。
上記式(1)、式(2)中のQについて説明する。Q[m/(m・s)]は均一冷却幅Wにおける平均的な水量密度であり、次式(3)で表わされる。
Figure 0005842189
式(3)で、Q[m/s]は流量であり、Whp[m]は図7に示したように、ハウジング立設部11gr内においてノズル21c、21c、…が配置される搬送方向(通板方向)冷却距離である。当該式(3)は冷却水の流量を均一冷却可能な面積で割ることで、均一冷却面での水量密度を求めているものである。
次に上記式(1)中のCについて説明する。Cは次式(4)、及び式(5)から求められる。
Figure 0005842189
Figure 0005842189
ここで、h[m]は図7に示した上面ガイド30と鋼板1との平均的な距離である。式(4)、式(5)からわかるように、Cは、冷却水が板幅方向へ流れ、WSWで表わされる間隙から流出する際の排水断面積が、それぞれ収縮(式(4))、又は拡大(同等も含む。式(5))した場合の圧力損失の係数であり、従来公知の実験式に基づいて実験により得たものである。
以上のように、特にWSWの大きさを十分に確保することができない場合において、冷却装置20の強制排水手段50による排水の円滑の効果がより顕著に発揮される。ただし、式(1)、式(2)の条件を満たさない場合であっても、冷却装置20による排水性の向上が図られる。ここでは、より効果の高い例としてWSWの大きさを考察した。
図8は、強制排水手段50の変形例にかかる強制排水手段50’が適用された例を示す図であり、図4に相当する図である。強制排水手段50’は、外気混入防止ガイド54が備えられる点で強制排水手段50と異なる。これ以外は両手段は共通するので、同じ符号を付すとともに、説明を省略する。
外気混入防止ガイド54は、図8からわかるように、上面ガイド30の板幅方向端部とハウジング立設部11grとの間隙を塞ぐように配置された板状の部材で、図8に表れる断面を有して通板方向に延在する。これにより排水が導水路51に入り込む際における外気の吸い込みを抑制することができ、効率的に冷却水のみを吸引することが可能となる。本例では図8のように、外気混入防止ガイド54の一端が上面ガイド30に接し、他端がハウジング立設部11grに接するように配置されているが、これに限定されることなく、多少の間隙は許容することができる。ただし、外気の吸い込み抑制の観点から当該間隙はできるだけ小さいことが好ましい。また、上面ガイド30は操業中や定期点検、修理等において可動に構成されていることが通常であることから、外気混入防止ガイド54は上面ガイド30に垂下するように取り付けられていることが好ましい。
本例の外気混入防止ガイド54は、図8からよくわかるように、円弧状の断面を有している。より具体的には、外気混入防止ガイド54は、円弧状断面である凸側面が上方に向けられている。すなわち、一対の対向する外気混入防止ガイド54、54においてその上端部の間隔が狭く形成され、少なくとも下端部は当該上端部よりも広い間隔となるように配置される。このように円弧状の断面とすることにより、排水の流動抵抗を抑制して該排水を導水路51に導くことが可能となる。これによりさらに円滑な排水が促進される。ここでは断面が円弧状である例を説明したが、流動抵抗を抑制し得る他の形状を用いることも可能である。これには例えば円弧状でない曲線、傾斜した直線、又は直線の組み合わせ等を挙げることができる。
図9は第二実施形態にかかる製造装置を説明する図であり、冷却装置120を説明する図2に相当する図である。本実施形態では、冷却装置120の強制排水手段150のうち、導水路151が強制排水手段50の導水路51と異なる。他の部位については、上記した冷却装置20、および製造装置10と共通するので、同じ符号を付すとともに、説明を省略する。
導水路151は、図9からもわかるように、入口側において複数の分割導水路151p、151q、151r、151sが通板方向に配列され、その下端で合流するように形成されている。分割導水路151p、151q、151r、151sは、各々独立して流路の閉鎖および開放を切り替えることができるように構成されている。すなわち、流路の閉鎖時には閉鎖された分割導水路内を水が移動することが禁止される。一方、流路の開放時にはここに水が流通する。このような導水路151によれば、必要な分割導水路のみを選択的に使用し、上面給水手段21、21、…の使用状況に対応することができる。例えばワークロール11gwに近い位置に配置された上面給水手段21、21、…のみを使用し、他の上面給水手段21、21、…を使用しないときには、分割導水路151pのみを開放し、他の分割導水路151q、151r、151sは閉鎖することもできる。必要としない分割導水路を閉鎖することにより、排水が流入しない部分からの空気混入を防ぐことができ、ポンプ効率を向上し、排水性を向上させることができる。
図10は第三実施形態にかかる製造装置を説明する図であり、冷却装置220を説明する図4に相当する図である。本実施形態では、冷却装置220には、強制排水手段50の他、さらに第二の強制排水手段250が備えられている。他の部位については、上記した冷却装置20、及び製造装置10と共通するので、同じ符号を付すとともに、説明を省略する。
第二の強制排水手段250は第二の導水路251、251、及び第二のポンプ252、252を備えている。
導水路251、251は、図10にその態様が良く表れており、流路を形成する筒状の部材である。
導水路251、251の一方の開口251a、251a(以下、「入口251a、251a」と記載することがある。)は、図10からわかるように、上面ガイド30とハウジング立設部11gr、11grとの間の間隙のそれぞれに配置されている。
入口251aの板幅方向の範囲は、上面ガイド30とハウジング立設部11grとの間の距離(すなわちWSW)に近い大きさが好ましい。これにより排水すべき水を効率良く導水路251内に導入することができる。一方、入口251aの通板方向の範囲は、図示は省略するが、上面ガイド30の上工程側先端から、ハウジング立設部11grの下工程側端部までとすることが好ましい。これにより、最も強制排水が必要であるハウジング立設部11gr、11gr内の排水を選択的に効率良く強制排水することができる。多くの場合、ハウジング立設部11grより下工程側においては、板幅方向は大きく開放されており、自然落下による排水を阻害する障害物が配置されていないことが多いことに基づくものである。従って、板幅方向においてハウジング立設部と同様に排水の自然落下を阻害するものがある場合には、入口251aをさらに下工程側に延長するように広げるように構成してもよい。
また、入口251aの鉛直方向高さ位置は、上面ガイド30の下面と同一、又はこれより高い位置であることが好ましい。入口251aが上面ガイド30より低い位置にあると、鋼板1が何らかの理由で板幅方向に蛇行し、鋼板が跳ね上がったときに、鋼板1が導水路251に衝突して破損する虞があるからである。
一方、導水路251、251の他方側の開口251b、251b(以下、「出口251b、251b」と記載することがある。)は、図10からわかるように、ポンプ252、252へと通じる開口部である。従って、出口251b、251bは、後述するポンプ252、252の設置位置に合わせて設けられる。
入口251a、251aから出口251b、251bへと通じる中途の導水路251、251の断面形状及び流れ方向形状は特に限定されることはないが、できるだけ流動抵抗が小さい形状であることが好ましい。流動抵抗が上昇する原因として例えば、急な曲がり、急激な流路断面積の変化、突起物の存在を挙げることができる。また、入口251a、251aは出口251b、251bより開口面積が大きいことが好ましいが、その際の導水路251、251の流路断面積の変化も可能な限り緩やかであることが好ましい。
ポンプ252、252は、導水路251、251の出口251b、251bに連結され、導水路251、251によって導かれた排水を強制的にピットへ送水するためのポンプである。ポンプ252、252については、上記したポンプ52、52と共通するので、ここでは説明を省略する。
以上のような第二の強制排水手段250により、水量密度が大きいことによりハウジング立設部11gr、11grに衝突して上方に移動した水を導水路251、251に導入して強制的に排水することができる。従って、さらに排水性を向上させることが可能となる。
図11は第四実施形態にかかる製造装置を説明する図であり、冷却装置320を説明する図4に相当する図である。本実施形態では、冷却装置320には、強制排水手段50の他、さらに、上記した第二の強制排水手段250とは異なる第二の強制排水手段350が備えられている。他の部位については、上記した冷却装置20、及び製造装置10と共通するので、同じ符号を付すとともに、説明を省略する。
第二の強制排水手段350は第二の導水路351、351、及び第二のポンプ352、352を備えている。
導水路351、351は、図11にその態様が良く表れており、流路を形成する筒状の部材である。
導水路351、351の一方の開口351a、351a(以下、「入口351a、351a」と記載することがある。)は、図11からわかるように、上面ガイド30の上面とヘッダ21aとの間のうち、板幅方向両端部に配置されている。当該入口351a、351aは互いに開口が向かい合うように形成されている。
一方、導水路351、351の他方側の開口351b、351b(以下、「出口351b、351b」と記載することがある。)は、図11からわかるように、ポンプ352、352へと通じる開口部である。従って、出口351b、351bは、後述するポンプ352、352の設置位置に合わせて設けられる。
入口351a、351aから出口351b、351bへと通じる中途の導水路351、351の断面形状及び流れ方向形状は、特に限定されることはないが、できるだけ流動抵抗が小さい形状であることが好ましい。流動抵抗が上昇する原因として例えば、急な曲がり、急激な流路断面積の変化、突起物の存在を挙げることができる。従って導水路351、351の流路断面積の変化も可能な限り緩やかであることが好ましい。
ポンプ352、352は、導水路351、351の出口351b、351bに連結され、導水路351、351によって導かれた排水を強制的にピットへ送水するためのポンプである。ポンプ352、352については、上記したポンプ52、52と共通するので、ここでは説明を省略する。
以上のような第二の強制排水手段350により、上面ガイド30を超えて水位が上昇した滞留水を円滑に排水することができる。
第四実施形態に含まれる第二の強制排水手段350は、上面ガイド30を超えて水位が上昇した滞留水を円滑に排水する目的の強制排水手段である。かかる目的を達成するための第二の強制排水手段として、この他にも水中ポンプを上面ガイドの上面側に設置することを挙げることができる。
ここで、第三実施形態、第四実施形態に備えられる強制排水手段250、350は、第二の強制排水手段として説明した。しかしながら強制排水手段250、350は第二としてでなく、強制排水手段250、350のみが備えられ、強制排水手段50は備えられない冷却装置であってもよい。
また、第三実施形態、第四実施形態では第二の強制排水手段250、350の導水路251、351の出口がハウジング11ghよりも上方に達しており、その後に第二のポンプ252、352で排水されるように記載されている。しかしながらこれに限定されることなく、例えば図12のように構成されてもよい。すなわち、第二の強制排水手段350’において、第二の導水路351’はその出口側が下工程側に延在し、ハウジング立設部11grより下工程側に達した後に、下方に設置された第二のポンプ352’に接続されている態様である。これによれば第二の強制排水手段をハウジング11ghよりも上に配置することがなく、より安定した設備配置をすることができる。
図13は第五実施形態にかかる製造装置を説明する図であり、冷却装置420を説明する図で、図2に相当する。本実施形態では、冷却装置420の強制排水手段450が上記した強制排水手段50と異なる。他の部位については、上記した冷却装置20、及び製造装置10と共通するので、同じ符号を付すとともに、説明を省略する。
強制排水手段450は、導水路451、排水ポンプ452a、及び排気ポンプ452bを備えている。
導水路451では、図13からもわかるように、上記説明した導水路51に気液分離部451aが設けられている。気液分離部451aは、気相と液相とを分離することができれば特にその態様は限定されることはない。これには例えばサイクロンのような回転体を用いる装置、又は大きな空間を形成して上下に気液を分離する装置等を挙げることができる。
排水ポンプ452aは、気液分離部451aのうち分離された水(液体)部分に連結され、この水をピットに送水するポンプである。ポンプとしては送水することができるものであれば公知のものを用いることができる。
排気ポンプ452bは、気液分離部451aのうち分離された気体部分に連結され、この気体を排気するポンプである。ポンプとしては排気することができるものであれば公知のものを用いることができる。
これによれば、液体用、及び気体用のポンプをそれぞれ準備すればよく、比較的安価なポンプを用いて冷却装置を構成することができる。
図14は第六実施形態にかかる製造装置を説明する図であり、冷却装置520を説明する図で、図4に相当する。本実施形態では冷却装置520の強制排水手段550に、第二の導水路551が備えられている点で冷却装置20と異なる。他の部位については、上記した冷却装置20、及び製造装置10と共通するので、同じ符号を付すとともに、説明を省略する。
第二の導水路551は、その入り口551aがハウジング立設部11gr間に向けてに開口している。そして、第二の導水路551はハウジング立設部11grを貫通するように該ハウジング立設部11grの外側に導出され、その出口が導水路51に連結している。これによれば、導水路を設けるための空間的な制約が緩和されて第二の導水路を設置することができるので、設置が比較的容易である。また第二の導水路551により排水の効率も向上させることができる。
本実施形態では第二の導水路551は導水路51に連結される形態の例であるが、これに限らず、第二の導水路が別に設置された他の排水ポンプに連結されていてもよい。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明する。
実施例では、第一実施形態の冷却装置20の態様の冷却装置を用いて平均の排出速度を求めた。具体的な条件は次の通りである。
・鋼板の幅:1.6m
・ヘッダの通板方向ピッチ:0.16m
・鋼板と上面ガイドとの距離:0.3m
・鋼板幅方向端部とハウジング立設部との距離:0.15m
・導水路入口の板幅方向大きさ:0.10m
・ポンプ:排水能力400m/時の軸流ポンプを6台(板幅方向一方側に3台、他方側に3台)
・供給する冷却水の水量密度:20m/(m・分)
以上のような条件で冷却水の供給及び排水をおこなった。その結果、空気が混入した冷却水の平均排出速度は概ね3m/秒であり、導水路内では概ね8m/秒となった。このときには、鋼板上面の滞留水は逆流することなく、上面ガイドに達することもなかった。
一方、上記と同じ条件で、強制排水手段を用いることなく冷却水の供給をおこなったところ、鋼板上面の滞留水は上面ガイドに達し、冷却及び排水が困難な状況になった。
1 鋼板
10 製造装置
11 圧延機列
11g 最終スタンド
11gh ハウジング
11gr (ハウジング)立設部
12 搬送ロール
13 ピンチロール
20 冷却装置
21 上面給水手段
21a 冷却ヘッダ
21b 導管
21c 冷却ノズル
22 下面給水手段
22a 冷却ヘッダ
22b 導管
22c 冷却ノズル
30 上面ガイド
40 下面ガイド
50 強制排水手段
51 導水路
52 ポンプ(吸引装置)
150 強制排水手段
151 導水路
250 第二の強制排水手段
251 導水路(第二の導水路)
252 ポンプ(第二の吸引装置)
350 第二の強制排水手段
351 導水路(第二の導水路)
352 ポンプ(第二の吸引装置)
551 第二の導水路

Claims (12)

  1. 熱間仕上げ圧延機列と、該熱間仕上げ圧延機列の下工程側に配置され、パスラインを搬送される鋼板を冷却可能に設けられた冷却装置と、を備える熱延鋼板の製造装置であって、
    前記冷却装置は、前記パスラインの上方から該パスラインに冷却水を噴射可能な上面側のノズルと、前記パスラインの下方から該パスラインに冷却水を噴射可能な下面側のノズルと、前記パスライン及び前記上面側のノズルの間に配置される板状の部材である上面ガイドと、前記パスライン及び前記下面側のノズルの間に配置される板状の部材である下面ガイドと、前記上面側のノズルから噴射された冷却水の少なくとも一部を強制的に吸引して排出可能な強制排水手段と、を有し、
    前記強制排水手段は、前記冷却水が流入する側の開口、及び前記冷却水が流出する側の開口を備える導水路と、前記冷却水が流出する側の開口に設けられ、前記導水路内に流入した前記冷却水を強制的に排出する吸引装置と、を備え、
    前記導水路のうち、前記冷却水が流入する側の開口が前記パスライン方向に複数設けられる、又は前記導水路内で流路が前記パスライン方向に分割される、分割導水路が形成されており、前記複数の分割導水路のうち、いずれの分割導水路に冷却水を流入させるかを選択可能とされていることを特徴とする熱延鋼板の製造装置。
  2. 熱間仕上げ圧延機列と、該熱間仕上げ圧延機列の下工程側に配置され、パスラインを搬送される鋼板を冷却可能に設けられた冷却装置と、を備える熱延鋼板の製造装置であって、
    前記冷却装置は、前記パスラインの上方から該パスラインに冷却水を噴射可能な上面側のノズルと、前記パスラインの下方から該パスラインに冷却水を噴射可能な下面側のノズルと、前記パスライン及び前記上面側のノズルの間に配置される板状の部材である上面ガイドと、前記パスライン及び前記下面側のノズルの間に配置される板状の部材である下面ガイドと、前記上面側のノズルから噴射された冷却水の少なくとも一部を強制的に吸引して排出可能な強制排水手段と、を有し、
    前記強制排水手段は、前記冷却水が流入する側の開口、及び前記冷却水が流出する側の開口を備える導水路と、前記冷却水が流出する側の開口に設けられ、前記導水路内に流入した前記冷却水を強制的に排出する吸引装置と、を備え、
    前記熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドのハウジングは立設する一対の立設部を有しており、
    前記冷却装置は、その一部が前記熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドの立設部間に配置され、前記強制排水手段の前記冷却水が流入する側の開口の少なくとも一部も前記立設部間に配置されることを特徴とする熱延鋼板の製造装置。
  3. 前記導水路のうち、前記冷却水が流入する側の開口が前記パスライン方向に複数設けられる、又は前記導水路内で流路が前記パスライン方向に分割される、分割導水路が形成されており、前記複数の分割導水路のうち、いずれの分割導水路に冷却水を流入させるかを選択可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の熱延鋼板の製造装置。
  4. 均一冷却幅をW[m]、該均一冷却幅の端部と前記立設部との平均的な間隙距離をWSW[m]、重力加速度をg[m/s]とし、前記均一冷却幅における平均的な水量密度をQ[m/(m・s)]とし、前記WSW、及び前記上面ガイドと前記鋼板の上面との平均的な距離であるh[m]から決まる値をCとし、
    Figure 0005842189
    としたとき、
    Figure 0005842189
    である請求項2又は3に記載の熱延鋼板の製造装置。
  5. 前記強制排水手段の前記導水路のうち、前記冷却水が流入する側の開口が、前記下面ガイドの板幅方向端部と、前記熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドのハウジングの前記立設部と、の間に設けられ、前記開口は、前記下面ガイドの上面と同じ高さ、又は前記下面ガイドの上面より下の位置に配置されることを特徴とする請求項2〜4に記載の熱延鋼板の製造装置。
  6. 前記強制排水手段の前記導水路のうち、前記冷却水が流入する側の開口は、その少なくとも一部が前記熱間仕上げ圧延機列の最終スタンドのハウジングの前記立設部間に配置されるとともに、前記上面ガイドの下面と同じ高さ、又は前記上面ガイドの下面より高い位置に配置されていることを特徴とする請求項2〜4に記載の熱延鋼板の製造装置。
  7. 前記導水路の前記冷却水が流入する開口は、前記上面ガイドの板幅方向端部と、前記熱間仕上げ圧延機の前記ハウジングの前記立設部と、の間に設けられ、その開口は、前記上面ガイドの下面と同じ高さ、又は前記上面ガイドの下面より上の位置に配置されることを特徴とする請求項6に記載の熱延鋼板の製造装置。
  8. 前記導水路は気液を分離する部位を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  9. 前記強制排水手段の前記吸引装置は、気液混相流を吸引可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  10. 前記強制排水手段の前記吸引装置は、空気のみでの待機運転が可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  11. 前記強制排水手段の前記吸引装置は、水を循環させるバイパスを具備し、当該水の循環による待機運転が可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱延鋼板の製造装置。
  12. 熱間仕上げ圧延機列と、該熱間仕上げ圧延機列の下工程側に配置され、パスラインを搬送される鋼板を冷却可能に設けられた冷却装置と、を備える熱延鋼板の製造装置であって、
    前記冷却装置は、前記パスラインの上方から該パスラインに冷却水を噴射可能な上面側のノズルと、前記パスラインの下方から該パスラインに冷却水を噴射可能な下面側のノズルと、前記パスライン及び前記上面側のノズルの間に配置される板状の部材である上面ガイドと、前記パスライン及び前記下面側のノズルの間に配置される板状の部材である下面ガイドと、前記上面側のノズルから噴射された冷却水の少なくとも一部を強制的に吸引して排出可能な強制排水手段と、を有し、
    前記強制排水手段は前記上面ガイドの上面に具備された水中ポンプであることを特徴とする熱延鋼板の製造装置。
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