JP5841667B2 - 工程中の反応混合物に酸化防止剤を供給するポリオレフィンを製造するための方法 - Google Patents

工程中の反応混合物に酸化防止剤を供給するポリオレフィンを製造するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、1つ以上の反応器において、安定化ポリオレフィンを製造するための方法であって、ポリマーおよび/または未反応モノマーが存在している間の工程中、生成後ステップの前、またはその間に、酸化防止剤が反応混合物に供給される方法に関する。
酸化防止剤は、通常、ポリオレフィンにおいて、その寿命および耐老化性を向上させるために使用されている。いくつかのクラスの酸化防止剤、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン含有酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤、芳香族アミン類、およびヒンダードアミン系安定化剤が知られている。
プラスチック材料における、味および/または臭気の発生は、味および/または臭気発生物質が原因であることが知られており、味および/または臭気発生物質は、例えば、プラスチック材料の配合に関連した、化学分解または化学変化により生成される。無用な味および/または臭気は、周囲雰囲気、例えば、食品包装中に放出される、または抽出媒体、例えば、パイプ内の飲料水によりプラスチック材料から抽出される、酸化防止剤などの添加剤からも発生し得る。
比較的低濃度のそのような味および/または臭気生成物質でさえ、人間が、一般に、味および臭気に非常に敏感であるので、プラスチック材料の欠点となる。1または数ppb(パーツパービリオン)程度の低い濃度は、味および/または臭気をはっきりさせるのに十分である。
J. Appl. Polymer Sci.、Vol. 99、2006、p.1350〜1358、「Novel stabilization system for polypropylene via the Ziegler-Natta catalysed polymerisation in the presence of aluminium aryloxide.」において、N. Kawamotoらは、重合触媒と共に、フェノール系酸化防止剤、それらのトリエチルアルミニウムとの反応生成物(アルミニウムアリールオキシド誘導体)を反応器に添加してから、重合反応を実施することを記載している。遊離フェノール系酸化防止剤は、触媒を不活性化することが記載されている。味および/または臭気特性は、問題にならない。
J. Appl. Polymer Sci.、Vol. 99、2006、p.1350〜1358、「Novel stabilization system for polypropylene via the Ziegler-Natta catalysed polymerisation in the presence of aluminium aryloxide.」
したがって、味および臭気が改善した安定化ポリオレフィンを製造するための方法を提供することが、本発明の根底にある目的である。別の目的は、該方法を、既存の設備に容易に適用することができることである。
したがって、本発明の方法により生成されたオレフィンホモポリマーまたはコポリマーは、食品包装用のフィルムまたは容器を製造するため、飲用水を輸送するパイプなどの飲料水用途のため、配水システムまたは配水網におけるパイプのために使用できる材料をもたらす。
したがって、本発明は、第1の実施形態において、
オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)と、
酸化防止剤(B)と
を含む安定化ポリオレフィンを製造するための方法であって、
オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)が、1つ以上の反応器で実施される工程において生成され、
酸化防止剤(B)が、
減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップから選択される、工程中の生成後ステップの前、またはその間に、ポリマーおよび/または未反応モノマーに供給される方法を提供する。
本発明は、さらに、第2の実施形態において、
オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)と、
酸化防止剤(B)と
を含む安定化ポリオレフィンを製造するための方法であって、
オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)が、1つ以上の反応器で実施される工程において生成され、
式(I)によるビタミンE型安定化剤:
Figure 0005841667
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立に、H、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換もしくは置換の脂肪族もしくは芳香族ヒドロカルビル基である)から選択される、または
一般式R11-P(OAr)2を有し、OArが式(II)によるものであるリン含有安定化剤
Figure 0005841667
(式中、
R11は、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換の脂肪族または芳香族ヒドロカルビル基であり、
R12、R13、R14、R15およびR16は、独立に、水素原子、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換もしくは置換の脂肪族もしくは芳香族ヒドロカルビル基である)
あるいはそれらの混合物
から選択される酸化防止剤(B)が、
減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップから選択される、工程中の生成後ステップの前、および/またはその間に供給される方法を提供する。
驚くべきことに、該方法中に活性触媒(複数可)/助触媒に酸化防止剤を添加することは、該方法を損なわない、例えば、触媒を不活性化しないことが判明した。さらに、本発明におけるように酸化防止剤を添加することにより、酸化防止剤の分布は、より均一になる。加えて、酸化防止剤は、例えば、さらなる(通常製品が依存する)添加剤と配合するため、または物品を形成するための、第1の再溶融ステップにすでに存在する。それによって、再溶融によって引き起こされる分解は、大幅に減少する。
驚くべきことに、さらに、本発明の実施形態による工程中に生成されたポリマーの味および臭気は、大幅に減少することが判明した。
本発明のすべての実施形態において、以下の定義を適用する。
用語「ポリマー」は、成分(A)を含む、本発明による工程中に存在する使用済みモノマーから生じる任意の中間生成物を包含する。
好ましくは、第1の実施形態において、酸化防止剤(B)は、
(i)ポリマーおよび/または未反応モノマーが少なくとも1つの反応器に存在している間の工程中に、前記反応器に供給される、および/または
(ii)オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)の生成工程が、2つ以上の反応器で実施される場合、2つの反応器間で行われる工程ステップ中に、ポリマーに供給される、および/または
(iii)減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップから選択される生成後ステップの前、および/またはその間であって、
前記反応器の後、
または
オレフィンホモポリマーもしくはコポリマー(A)の生成工程が、2つ以上の反応器で実施される場合は、最後の反応器の後
のいずれかに、
ポリマーに供給される。
好ましくは、第1の実施形態において、酸化防止剤(B)は、式(I)によるビタミンE型安定化剤:
Figure 0005841667
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立に、H、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換もしくは置換の脂肪族もしくは芳香族ヒドロカルビル基である)
から選択される、
または酸化防止剤(B)は、一般式R11-P(OAr)2を有し、OArが式(II)によるものであるリン含有安定化剤
Figure 0005841667
(式中、
R11は、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換の脂肪族または芳香族ヒドロカルビル基であり、
R12、R13、R14、R15およびR16は、独立に、水素原子、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換もしくは置換の脂肪族もしくは芳香族ヒドロカルビル基である)
あるいはそれらの混合物
から選択される。
好ましくは、第2の実施形態において、酸化防止剤(B)は、
減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップから選択される、工程中の生成後ステップの前、またはその間に、ポリマーおよび/または未反応モノマーに供給され、
より好ましくは、第2の実施形態において、酸化防止剤(B)は、
(i)ポリマーおよび/または未反応モノマーが少なくとも1つの反応器に存在している間の工程中に、前記反応器に供給される、および/または
(ii)オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)の生成工程が、2つ以上の反応器で実施される場合、2つの反応器間で行われる工程ステップ中に、ポリマーに供給される、および/または
(iii)減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップから選択される生成後ステップの前、および/またはその間であって
前記反応器の後、
または
オレフィンホモポリマーもしくはコポリマー(A)の生成工程が、2つ以上の反応器で実施される場合は、最後の反応器の後
のいずれかに、ポリマーに供給される。
特に明確に反対の記述がない限り、以下において、本発明のすべての実施形態の好ましい特徴を述べる。
成分(B)は、別々の入口を通して供給されてもよいし、供給されるモノマーなどの反応物流の一部であってもよい。
上述した通り、成分(B)は、オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)の生成工程が、2つ以上の反応器で実施される場合、2つの反応器間で行われる工程ステップ中に、ポリマーに供給されてもよい。そのような場合において、成分(B)はまた、2つの反応器間で行われるステップの2つ以上に供給されてもよい。しかし、通常、成分(B)が、2つの反応器間で行われる工程ステップ中に、ポリマーに供給される場合、成分(B)は、2つの反応器間で行われる3つ以下の工程ステップ中に、ポリマーに供給され、好ましくは、2つの反応器間で行われる1つの工程ステップ中のみに、ポリマーに供給される。
上述した通り、成分(B)は、減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップから選択される生成後ステップの前、またはその間に供給されてもよい。そのような場合、該工程が、列挙した工程ステップの1つを欠いていれば、成分(B)は、該工程中に存在する、列挙した生成後ステップの1つ以上の前、またはその間に供給される。通常、成分(B)は、3つ以下の生成後ステップの前、またはその間に供給され、好ましくは、1つの生成後ステップの前、またはその間に供給される。
通常、ステップの順序は、それらが存在する場合、減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップである。
好ましくは、成分(B)は、触媒不活性化ステップの前、またはその間に供給され、より好ましくは、成分(B)は、脱気ステップの前、またはその間に供給され、最も好ましくは、成分(B)は、触媒不活性化ステップの前、またはその間に供給される。
成分(B)が、ポリマーおよび/または未反応モノマーが少なくとも1つの反応器に存在している間の工程中に、前記反応器に供給される場合、好ましくは、成分(B)は、ポリマーおよび、場合により未反応モノマーが存在している間の工程中に、少なくとも1つの反応器に供給され、より好ましくは、成分(B)は、ポリマーおよび未反応モノマーが存在している間の工程中に、少なくとも1つの反応器に供給される。
式(I)によるビタミンE型安定化剤(B)の、非置換または置換の脂肪族または芳香族ヒドロカルビル基R1、R2、R3、R4および/またはR5中に存在し得るヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、リンなどであってもよい。しかし、R1、R2、R3、R4またはR5、より好ましくはR1、R2、R3、R4およびR5は、ヘテロ原子を含まない、すなわち、非置換もしくは置換の脂肪族もしくは芳香族ヒドロカルビル基のみ、または、前述した通り、Hであることが好ましい。
さらに、好ましくはR2、R3、R4またはR5、より好ましくはR2、R3、R4およびR5は、H、または、1から5個の炭素原子を含む飽和脂肪族ヒドロカルビル基であり、さらにより好ましくはR2、R3、R4またはR5、より好ましくはR2、R3、R4およびR5は、H、またはメチル基である。
さらに、好ましくは、R5は、他の残基R2からR4の性質に関係なく、メチル基である。
特に好ましい実施形態において、R4およびR5は、メチル基であり、R2およびR3は、H、またはメチル基である。
最も好ましくは、R2、R3、R4およびR5は、すべてメチル基である。
さらに、好ましくは、R1は、5から50個の炭素原子を含有する、非置換または置換の脂肪族または芳香族ヒドロカルビル基であり、より好ましくは、R1は、5から50個、より好ましくは10から30個の炭素原子を含有する、非置換または置換の脂肪族ヒドロカルビル基であり、最も好ましくは、R1は、4,8,12-トリメチル-トリデシル基である。
R11は、好ましくは、存在するヘテロ原子が、酸素、窒素およびリン原子から選択される、好ましくは、存在するヘテロ原子が、酸素およびリン原子から選択される、脂肪族または芳香族ヒドロカルビル基である。
R11中の少なくとも1個のリン原子の場合、R1は、芳香族ヒドロカルビル基の炭素原子を介して、式R11-P(OAr)2のリン原子に直接結合し、その芳香族ヒドロカルビル基自体、前記芳香族ヒドロカルビル基の異なる炭素原子を介して、さらなるP(OAr)2基のさらなるリン原子に直接結合する、すなわち、R1が2つのP(OAr)2基を架橋する芳香族ヒドロカルビル基であることが特に好ましい。
好ましくは、前記架橋芳香族ヒドロカルビル基の炭素原子の総数は、6から25個、より好ましくは6から20個である。
代替の特に好ましい実施形態において、R11は、存在する唯一のヘテロ原子が酸素原子である、脂肪族または芳香族ヒドロカルビル基であり、酸素原子の1個が、R11をP(OAr)2基のリン原子と接続させ、少なくとも1個の他の酸素原子が、ヒドロキシ基として存在する。さらに好ましくは、R11をP(OAr)2基のリン原子と接続させる前記酸素原子、および場合により、ヒドロキシ基の形態で存在する1個のさらなる酸素は、存在する唯一のヘテロ原子である。
前述の代替の好ましい実施形態において、R11は、1から20個の炭素原子、より好ましくは2から16個の炭素原子を含むことがさらに好ましい。
前記代替の好ましい実施形態において、前記接続酸素原子、および、ヒドロキシ基の形態で存在する前記任意選択的な1個のさらなる酸素の他に、R1は、さらなるヘテロ原子を含まず、前記酸素原子は、好ましくは、8個までの炭素原子を含む分岐していないアルキル鎖を介して、前記ヒドロキシ基を場合により含む芳香族ヒドロカルビル基をP(OAr)2基と接続させることがさらに好ましい。
R12、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ、好ましくは1から20個の炭素原子、より好ましくは10個以下の炭素原子を含む。
好ましくは、R12、R13、R14、R15およびR16は、いかなるヘテロ原子も含まない。
好ましくは、R12、R13、R14、R15およびR16は、水素原子、または脂肪族ヒドロカルビル基、より好ましくはアルキル基である。さらにより好ましいのは、R12、R14およびR16の少なくとも1つが、アルキル基、より好ましくは、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、より好ましくはメチル基またはtert-ブチル基であることである。さらにより好ましくは、R13およびR15は、水素原子である。
一変形形態において、両OAr部分の2個のR12炭素原子はまた、0から3個の炭素原子を有するヒドロカルビレン架橋基を介して接続されてもよく、それにより「0」は、両R12原子間の直接結合が存在することを示す。
好ましくは、R12、R14およびR16の少なくとも2つは、tert-ブチル基であり、より好ましくは、少なくともR14およびR16がtert-ブチル基である。
R12、R13、R14、R15およびR16は、P(OAr)2基において同じであることがさらに好ましい。
特に好ましい式(II)の酸化防止剤は、ビス(2-メチル-4,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニル)亜リン酸エチルエステル(Irgafos 38)、6-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ)-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ-(d,t)(1.3.2)ジオキサホスフェピン(Sumilizer GP)、およびテトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4'ジイルビスホスホニト(Irgafos P-EPQ)である。
より好ましくは、成分(B)は、式(I)によるビタミンE型安定化剤から選択される。
好ましくは、成分(B)は、金属原子を含まない。
好ましくは、成分(B)は、(A)+(B)の100重量部(ppw)に対して、0.150重量部以下、より好ましくは0.100重量部以下、さらにより好ましくは0.075重量部以下、最も好ましくは0.050重量部以下の量で使用される。通常、(A)+(B)の100重量部に対して、少なくとも0.005重量部の(B)が使用される。
好ましくは、安定化ポリオレフィンにおける成分(A)および(B)の総量は、少なくとも99.0wt.%、より好ましくは、少なくとも99.5wt.%であり、最も好ましくは、安定化ポリオレフィンは、成分(A)および(B)からなる。
好ましくは、成分(B)は、
(i)ポリマーおよび/または未反応モノマーが少なくとも1つの反応器に存在している間の工程中に、前記反応器に供給される、および/または
(ii)オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)の生成工程が、2つ以上の反応器で実施される場合、2つの反応器間で行われる工程ステップ中に、ポリマーに供給される。
より好ましくは、成分(B)は、ポリマーおよび/または未反応モノマーが少なくとも1つの反応器に存在している間の工程中に、前記反応器に供給され、さらにより好ましくは、成分(B)は、ポリマー、および場合により未反応モノマーが存在している間の工程中に、少なくとも1つの反応器に供給され、最も好ましくは、成分(B)は、ポリマーおよび未反応モノマーが存在している間の工程中に、少なくとも1つの反応器に供給される。
該工程が、直列に接続した2つ以上の反応器で実施される場合、成分(B)は、好ましくは、第2の反応器および/または任意の後続の反応器(存在する場合)に供給され、より好ましくは、該工程の最後の反応器に供給される。
本発明の目的のために、用語「該少なくとも1つの反応器」は、酸化防止剤(B)が供給される単数の反応器または複数の反応器を示す。
好ましくは、該少なくとも1つの反応器は、少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも50℃、さらにより好ましくは少なくとも65℃、最も好ましくは少なくとも75℃の温度で操作される。
該少なくとも1つの反応器は、好ましくは、120℃以下、より好ましくは110℃以下、最も好ましくは100℃以下の温度で操作される。
さらに、好ましくは、該少なくとも1つの反応器は、少なくとも10bar、より好ましくは少なくとも15barの圧力で操作される。
該少なくとも1つの反応器は、好ましくは、80bar以下、より好ましくは70bar以下の圧力で操作される。
該少なくとも1つの反応器は、ループ型反応器または気相反応器であってもよい。
該少なくとも1つの反応器がループ型反応器である場合、好ましくは、ループ型反応器は、少なくとも55℃、より好ましくは少なくとも65℃、さらにより好ましくは少なくとも75℃、最も好ましくは少なくとも85℃の温度で操作される。
好ましくは、該少なくとも1つの反応器がループ型反応器である場合、ループ型反応器は、125℃以下、より好ましくは115℃以下、最も好ましくは105℃以下の温度で操作される。
該少なくとも1つの反応器がループ型反応器である場合、好ましくは、ループ型反応器は、少なくとも30bar、より好ましくは少なくとも40bar、最も好ましくは少なくとも50barの圧力で操作される。
好ましくは、該少なくとも1つの反応器がループ型反応器である場合、ループ型反応器は、80bar以下、より好ましくは75bar以下、最も好ましくは70bar以下の圧力で操作される。
該少なくとも1つの反応器が気相反応器(GPR)である場合、好ましくは、気相反応器は、少なくとも55℃、より好ましくは少なくとも65℃、最も好ましくは少なくとも75℃の温度で操作される。
好ましくは、該少なくとも1つの反応器が気相反応器である場合、気相反応器は、125℃以下、より好ましくは115℃以下、最も好ましくは105℃以下の温度で操作される。
該少なくとも1つの反応器が気相反応器である場合、好ましくは、気相反応器は、少なくとも5bar、より好ましくは少なくとも10bar、最も好ましくは少なくとも15barの圧力で操作される。
好ましくは、該少なくとも1つの反応器が気相反応器である場合、気相反応器は、50bar以下、より好ましくは40bar以下、最も好ましくは30bar以下の圧力で操作される。
成分(B)が反応器の前に供給される場合、好ましくは前記後続の反応器、より好ましくはすべての後続の反応器は、先に示した条件下で操作される。
好ましくは、該少なくとも1つの反応器は、気相反応器である。
好ましくは、該方法は、直列に接続した少なくとも2つの反応器、より好ましくは直列に接続した少なくとも3つの反応器で実施される。
該工程が、直列に接続した少なくとも2つの反応器で実施される場合、反応器の1つは、予備重合(prepolymerisation)反応器であってもよい。そのような予備重合反応器は、一連の反応器の第1の反応器である。予備重合反応器が存在する場合、該工程は、2つの反応器、すなわち、予備重合反応器とさらなる反応器で実施され得るが、通常、該工程は、予備重合反応器が存在する場合、少なくとも3つの反応器で実施される。
存在する場合、好ましくは、予備重合反応器は、75℃以下、より好ましくは65℃以下の温度で操作される。
予備重合反応器は、存在する場合、好ましくは、少なくとも15℃、より好ましくは少なくとも20℃、さらにより好ましくは少なくとも45℃、最も好ましくは少なくとも55℃の温度で操作される。
存在する場合、予備重合反応器で適用される圧力は、好ましくは、75bar以下、より好ましくは65bar以下である。
好ましくは、存在する場合、予備重合反応器で適用される圧力は、少なくとも25bar、より好ましくは少なくとも35bar、さらにより好ましくは少なくとも45bar、最も好ましくは少なくとも55barである。
好ましくは、成分(B)は、予備重合反応器(存在する場合)に供給されない。
該工程が2つ以上の反応器で実施される場合、該工程は、好ましくは、少なくとも1つのループ型反応器と少なくとも1つの気相反応器とを含み、より好ましくは、該工程は、気相反応器または一連の気相反応器の上流に、ループ型反応器または一連のループ型反応器を含む。この変形形態において、成分(B)は、先に示した通りに供給されてもよいが、好ましくは、少なくとも1つの気相反応器、より好ましくは最後の気相反応器に供給される。
本発明のさらなる態様は、該工程が、予備重合反応器(PR)をそれらの上流に場合によりさらに含む、直列に接続した2つ以上の反応器であって、ループ型反応器および/またはループ型もしくは気相反応器、例えば、(PR-)loop-loop、(PR-)loop-GPR、(PR-)GPR-GPR、(PR-)loop-GPR-GPR、(PR-)loop-loop-GPR、(PR-)loop-GPR-GPR-GPR、または(PR-)loop-loop-GPR-GPRである2つ以上の反応器で実施されるものである。反応器の配列における用語(PR-)は、予備重合反応器が、場合により存在し得ることを示す。
この態様において、成分(B)は、先に示した通りに供給されてもよいが、好ましくは、最後の反応器に供給される。
特に好ましい工程は、予備重合ステップおよびそれに続く気相重合ステップが場合により先に行われる、スラリー/バルクループ重合ステップを含む多段階工程で実施される。この場合、成分(B)は、先に示した通りに供給されてもよいが、好ましくは、気相重合ステップ中に供給され、より好ましくは、気相重合ステップが2つ以上の反応器で実施される場合、成分(B)は、好ましくは、最後の気相反応器に供給される。本発明との関連で使用できる好ましいループ型-気相反応器システムは、一般に、BORSTAR(登録商標)工程として知られている。EP517868、EP797599、およびWO2004/111095が特に参照される。
さらに適切な工程は、参照により本明細書に組み込まれているEP2223943に開示されている。
技術的および経済的理由により、任意選択の予備重合反応器(存在する場合)を含む通常8つ以下の反応器、好ましくは6つ以下の反応器が、本発明による方法において使用される。
本発明による、味および臭気が改善したオレフィンホモポリマーまたはコポリマーを製造する工程において使用される触媒は、チーグラー-ナッタ触媒、メタロセン系および非メタロセン系触媒を含むシングルサイト触媒、クロム系触媒、ならびに、本発明を実施するのに適したさらなる触媒などの遷移金属の配位触媒から選択することができる。
触媒は、元素周期表(IUPAC)の第4族から第10族の遷移金属化合物、またはアクチニドもしくはランタニドの化合物の配位触媒を含む。触媒は、シリカ、Al含有担体、およびMgCl2をベースとした担体などの従来の担体に担持されていてもよい。
好ましくは、触媒は、チーグラー-ナッタ触媒であり、より好ましくは、触媒は、非シリカ担持チーグラー-ナッタ触媒であり、最も好ましくは、MgCl2をベースとしたチーグラー-ナッタ触媒である。チーグラー-ナッタ触媒は、さらに好ましくは、第4族金属化合物、好ましくはチタン、より好ましくは塩素含有チタン化合物、MgCl2およびアルミニウムを含む。
さらに好ましい触媒は、従来のチーグラー-ナッタ触媒またはシングルサイト触媒である。触媒は、典型的には、当分野で一般に知られている従来の共活性化剤(co-activator)と共に使用される。好ましい活性剤は、アルキルアルミニウム化合物、例えば、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化ジアルキルアルミニウム、水素化ジアルキルアルミニウム、およびセスキハロゲン化アルキルアルミニウムである。トリアルキルアルミニウムは、特に好ましい活性剤である。これらの化合物の例は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、およびトリオクチルアルミニウムである。ハロゲン化ジアルキルアルミニウムの例は、塩化ジメチルアルミニウムおよび塩化ジエチルアルミニウムである。セスキハロゲン化アルキルアルミニウムの例は、セスキ塩化エチルアルミニウムである。
一実施形態によれば、チーグラー-ナッタ触媒が好ましい。典型的には、前記チーグラー-ナッタ触媒は、粒子状担体上に場合により生成される、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、および第4族金属化合物、例えば、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムを含有することができる。
触媒は、市販のものであってもよいし、文献に従ってまたは準じて生成されたものであってもよい。本発明において使用する触媒の調製については、WO2004/055068、WO2004/055069、WO2003/106510、EP1655335およびEP-A-0810235を参照し、それらの内容を参照により本明細書に組み込む。
好ましくは、オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)は、C2-からC8-オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン)ホモポリマーまたはコポリマー、より好ましくは、エチレンホモポリマーもしくはコポリマーまたはプロピレンホモポリマーもしくはコポリマーである。
(A)がエチレンホモポリマーまたはコポリマーである場合、好ましくは、以下の温度および圧力が、本発明による工程の間に適用される。
すでに先に定義した通り、本発明の目的のために、用語「該少なくとも1つの反応器」は、酸化防止剤(B)が供給される単数の反応器または複数の反応器を示す。
好ましくは、該少なくとも1つの反応器は、少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも60℃、さらにより好ましくは少なくとも70℃、最も好ましくは少なくとも80℃の温度で操作される。
該少なくとも1つの反応器は、好ましくは、110℃以下、より好ましくは100℃以下、最も好ましくは90℃以下の温度で操作される。
さらに、好ましくは、該少なくとも1つの反応器は、少なくとも10bar、より好ましくは少なくとも15bar、最も好ましくは少なくとも17barの圧力で操作される。
該少なくとも1つの反応器は、好ましくは、60bar以下、より好ましくは45bar以下、さらにより好ましくは30bar以下、最も好ましくは23bar以下の圧力で操作される。
該少なくとも1つの反応器は、ループ型反応器または気相反応器であってもよく、好ましくは、該少なくとも1つの反応器は、気相反応器である。
プロピレンホモポリマーまたはコポリマーを生成する場合、好ましくは、以下の温度および圧力が、本発明による工程の間に適用される。
すでに先に定義した通り、本発明の目的のために、用語「該少なくとも1つの反応器」は、酸化防止剤(B)が供給される単数の反応器または複数の反応器を示す。
好ましくは、該少なくとも1つの反応器は、少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも50℃、さらにより好ましくは少なくとも60℃、最も好ましくは少なくとも65℃の温度で操作される。
該少なくとも1つの反応器は、好ましくは、100℃以下、より好ましくは90℃以下、さらにより好ましくは80℃以下、最も好ましくは75℃以下の温度で操作される。
さらに、好ましくは、該少なくとも1つの反応器は、少なくとも20bar、より好ましくは少なくとも30bar、最も好ましくは少なくとも35barの圧力で操作される。
該少なくとも1つの反応器は、好ましくは、60bar以下、より好ましくは50bar以下、最も好ましくは45bar以下の圧力で操作される。
該少なくとも1つの反応器は、ループ型反応器または気相反応器であってもよく、好ましくは、該少なくとも1つの反応器は、ループ型反応器である。
特に明確に反対の記述がない限り、以下において、本発明のすべての実施形態の好ましい特徴を述べる。
成分(B)は、純粋な形態で供給されてもよいし、供給される前に、キャリアに溶解させてもよく、好ましくは、成分(B)は、供給される前に、キャリアに溶解させる。キャリアは、オレフィン重合方法において使用できる任意の溶媒から選択することができる。また、該方法の間に供給される別の液体化合物、例えば、液体モノマー(例えば、C6からC20のα-オレフィン、例えば、1-ヘキセン、1-オクテン)、油(例えば、帯電防止油(antistatic oil)のためのキャリアとして使用される)などをキャリアとして使用することができる。
オレフィン重合方法において使用できる溶媒は、好ましくは、無極性溶媒から選択され、より好ましくは脂肪族炭化水素から、さらにより好ましくはC3-からC10-脂肪族炭化水素から、最も好ましくはC4-からC6-脂肪族炭化水素(例えば、ペンタン)から選択される。
最も好ましくは、オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)が、エチレンホモポリマーまたはコポリマーである場合、成分(B)は、該工程の最後の反応器に供給される。
最も好ましくは、オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)が、プロピレンホモポリマーまたはコポリマーである場合、成分(B)は、該工程の最後の反応器の後、しかし、減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップから選択される生成後ステップの前、またはその間に供給され、より好ましくは、成分(B)は、触媒不活性化ステップの前、またはその間に供給され、さらにより好ましくは、成分(B)は、脱気ステップの前、またはその間に供給され、最も好ましくは、成分(B)は、触媒不活性化ステップの前、またはその間に供給される。好ましい実施形態において、成分(B)は、最後の反応器と第1の生成後ステップの前の間に供給される。
本発明は、さらに、本発明の実施形態のいずれかによる工程により得ることができる安定化ポリオレフィンを対象とする。
本発明は、さらに、ポリオレフィン組成物を製造するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
a)本発明による、成分(A)および(B)を含む安定化ポリオレフィンを製造するステップと、
b)安定化ポリオレフィンを、さらなる添加剤と配合するステップ
とを含む方法を対象とする。
好ましくは、前記さらなる添加剤は、安定化ポリオレフィンの100 ppwに対して、添加剤の10重量部(ppw)以下、より好ましくは、安定化ポリオレフィンの100 ppwに対して、添加剤の5重量部(ppw)以下という量で使用される。
さらなる添加剤は、好ましくは、調整剤および安定化剤、帯電防止剤、滑剤、核形成剤、発泡核剤(foam nucleator)、および顔料、ならびにそれらの組み合わせの群から選択される。特に、そのような添加剤としては、立体障害型フェノールのような一次酸化防止剤、および亜リン酸エステルのような二次酸化防止剤、立体障害型アミンのようなUV安定化剤、酸捕捉剤(acid scavenger)、カーボンブラック、顔料、ナトリウム2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェートのようなα核形成剤、またはピメリン酸カルシウムのようなβ核形成剤、モノステアリン酸グリセロールのような帯電防止剤、オレアミドのようなスリップ剤、ならびにタルクのような発泡核剤が挙げられる。
特に好ましい添加剤は、カーボンブラックおよび酸捕捉剤、好ましくは、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸亜鉛などのステアリン酸金属である。
典型的には、カーボンブラックは、安定化ポリオレフィンの100ppwに対して、0.5から5重量部(ppw)、好ましくは、安定化ポリオレフィンの100ppwに対して、1.5から3.0重量部という最終の量で使用される。好ましくは、カーボンブラックは、マスターバッチ、すなわち、カーボンブラックマスターバッチ(CBMB)として添加され、そこでは、カーボンブラックは、ポリマー、好ましくは高密度ポリエチレン(HDPE)と予め混合される。
酸捕捉剤は、典型的には、安定化ポリオレフィンの100ppwに対して、0.05から1.00重量部(ppw)の量で使用され、好ましくは、安定化ポリオレフィンの100ppwに対して、0.05から0.50重量部の量で使用される。
本発明は、さらに、本発明の実施形態のいずれかによる工程により得ることができるポリオレフィン組成物を対象とする。
さらに、本発明は、
オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)と、
酸化防止剤(B)と
を含む安定化ポリオレフィンの製造方法における酸化防止剤(B)の使用であって、
減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップから選択される生成後ステップの前、またはその間であり、ポリマーおよび/または未反応モノマーが存在している間の
使用を対象とする。
さらなる態様において、本発明は、
式(I)によるビタミンE型安定化剤:
Figure 0005841667
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立に、H、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換もしくは置換の脂肪族もしくは芳香族ヒドロカルビル基である)
から選択される酸化防止剤(B)、または
一般式R11-P(OAr)2を有し、OArが式(II)によるものであるリン含有安定化剤
Figure 0005841667
(式中、
R11は、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換または置換の脂肪族または芳香族ヒドロカルビル基であり、
R12、R13、R14、R15およびR16は、独立に、水素原子、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換もしくは置換の脂肪族もしくは芳香族ヒドロカルビル基である)
あるいはそれらの混合物
から選択される酸化防止剤(B)
の使用であって、
オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)と、
酸化防止剤(B)と
を含む安定化ポリオレフィンの製造方法における、
工程中の減圧ステップ、脱気ステップおよび触媒不活性化ステップから選択される生成後ステップの前、および/またはその間の使用を対象とする。
本発明は、さらに、物品を製造するための、本発明の実施形態のいずれかによる安定化ポリオレフィンおよび/またはポリオレフィン組成物の使用を対象とする。
さらに、本発明は、本発明の実施形態のいずれかによる安定化ポリオレフィンおよび/またはポリオレフィン組成物から作製された物品を対象とする。好ましくは、前記物品は、パイプ、より好ましくは飲料水用パイプである。
試験方法の定義:
メルトフローレート
メルトフローレート(MFR)は、ISO1133に従って決定し、g/10分で示す。MFRは、ポリマーの流動性を示すものであり、したがって、ポリマーの加工性を示すものである。メルトフローレートが高ければ高いほど、ポリマーの粘度は低くなる。ポリエチレンのメルトフローレートは、190℃で、2.16kg(MFR2)、5.00kg(MFR5)および21.6kg(MFR21)の荷重下で決定し、PPについては、2.16kgの荷重を適用し、230℃で決定する。
密度
ポリマーの密度は、EN ISO1872-2(2007年2月)に従って調製した圧縮成形試験片に関して、ISO1183-1:2004、方法Aに従って測定したものであり、kg/m3で示す。

味および/または臭気試験(官能試験)
異なるプラスチック材料からの、味の原因となる物質の放出を決定するために、味覚パネルを用いながら、いくつかの材料を試験した。材料を、押し出しと同時にペレット化し、清潔なガラス瓶に入れ、味および臭気のレベルを維持した。
試料の調製
各試験について、32gのペレットの試料を使用した。ペレット試料を、ブフナー漏斗に入れ、基準水で1分間すすぐ。その小球を、磁石棒を有するすり合わせ付き三角フラスコに移し、フラスコを基準水で満たし、ガラス栓で蓋をする。小球と水の体積との比は、32g/1000mlにすべきである。ガラス栓と小球の間に気泡が生じないことが重要である。
フラスコを、ポリエチレン材料について、30℃±1℃の温度(ポリプロピレン材料:70℃±1℃の浴温度)を有し、十分な撹拌速度を有する磁気撹拌浴に4時間入れる。抽出後、試験水を、すり合わせ付きガラス瓶に注ぎ、ガラス栓で蓋をする。その瓶を一晩放置する。翌日、官能試験を実施することができる。基準水を、小球を含まないこと以外、上述した通りに調製する。試験水と基準水の温度差は、0.5℃を超えることができない。
官能パネルは、味の試験について、5人以上の参加者、臭気試験について、3人以上の参加者からなるものとする。参加者は、訓練を受け、水試料の味/臭気判定に詳しいものとする。試験水を、以下の表に従って希釈した:
Figure 0005841667
味/臭気レベルの計算を、以下の式:
(X+Y)/X=味/臭気レベル
[式中、
X=味および臭気を検知できる、混合物中の試験水の体積(ml)。
Y=混合物に使用される、希釈水の体積、
(合計)体積X+Y=400ml。]
に従って行う。希釈水は、基準水と同じ品質を有するものとする。
試験水試料1〜4を、プラスチックのコップに移し、各参加者の前に置く。試料における試験水の度合いを徐々に高める、すなわち、試料番号4を最初の試料とし、および試料番号1を最後の試料とする方式でコップを置く。
4つのコップを基準水で満たし、それらを、希釈した試料と2つ一組で置く。これらの試料の隣りに、既知の基準水を有するコップを置く(0-試料)。パネルの参加者の任務は、各一組のコップの中の、既知の基準水とコード化した試料とを比較することである。
参加者は、各一組の2つの試料が同等かどうか、または、試料のいずれかが不快な味/臭気を有するかどうかを決定することとなる。プロトコルにおいて、参加者は、各組の試料のいずれかが不快な味/臭気を有する場合、バツ印で示す。手順は、番号4の一組の試料で開始し、番号1の一組の試料で終了するものである、すなわち、味/臭気を不快にする可能性のある任意の成分が、徐々に増えていく。味/臭気試験のプロトコルを同封する。
味/臭気試験の結果を、プロトコルに記録し、評価する。パネリストの過半数が味または臭気を記録する最も高い希釈レベルが、味/臭気試験の結果となる。例として、1.5の希釈レベルで5人のパネリスト中3人が、味を記録するが、2の希釈レベルで、5人中2人だけしか味を記録しなかったら、味の試験の結果は、1.5〜2になる(過半数は、希釈レベル1.5で味を感じるが、希釈レベル2では感じないので、「本当の」味レベルは、1.5から2くらいである)。
以下の味/臭気レベル、すなわち、<1、1〜1.5、1.5〜2、2〜4、>4が存在する。
官能パネルの5人の参加者による異なる味/臭気の点数と対応する味/臭気レベルの例
Figure 0005841667
味/臭気に関して認められる材料のボーダーラインは、典型的には、1.5〜2である。
補完として、小数の味/臭気の値を出す正規化モデル(POH2n)を使用した。経験に基づいて、正規化POH2nモデルは、上述した離散の味/臭気レベルよりも、本当の味/臭気レベルをよりよく反映する値を出し、したがって、異なる味/臭気レベル間のよりよく区別する、より高感度の方法をもたらす。さらに、小数値は、明らかに、より高い解析を与え、それは、味および臭気を分析するときに有益である。
これから、正規化POH2nモデルを、以下の等式[1]:
味/臭気POH2n=((a-b)×1.25+(b-c)×1.75+(c-d)×3+d×5)/P [1]
および記述により説明する。式[1]において、a、b、c、およびdは、それぞれ、味の点数に対応する1、1.5、2および4の特定の希釈レベルで、味/臭気を感じるパネリストの数であり、Pは、パネリストの総数である。Pは、典型的には、味の試験については5、臭気試験については3である。官能パネルの5人の参加者による異なる味/臭気試験、およびPOH2nモデルを使用する対応する結果の例をこれから示す。
Figure 0005841667
どの特性を試験するかに応じて、パネリストPの数は、味の試験について5、臭気試験について3である。
POH2nモデルを使用する、試料1、3および5についての例示的計算
((a-b)×1.25+(b-c)×1.75+(c-d)×3+d×5)/P=味/臭気POH2n
試料1において:
2人のパネリストが、味の点数1で味を感じた; a=2
1人のパネリストが、味の点数1.5で味を感じた; b=1
1人のパネリストが、味の点数2で味を感じた; c=1
0人のパネリストが、味の点数4で味を感じた; d=0
味の試験 P=5
等式[1]により、
((2-1)×1.25+(1-1)×1.75+(1-0)×3+0×5)/5=0.85
試料3において:
a=3、b=3、c=2、d=1、P=5
((3-3)×1.25+(3-2)×1.75+(2-1)×3+1×5)/5=1.95
試料5において:
a=5、b=5、c=3、d=3、P=5
((5-5)×1.25+(5-3)×1.75+(3-3)×3+3×5)/5=3.7
比較例CE1からCE3、本発明の実施例IE1からIE3(ポリエチレン):
製造方法の詳細を、下の表1に示す。触媒として、EP1655335の実施例1の触媒を使用した(BASF製のLynx 200)。
本発明の実施例IE1からIE3において、Ciba Specialty Chemicalsにより販売されているIrganox E201(3,4-ジ-ヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-(4,8,12-トリメチルトリデシル)-2H-1-ベンゾピラン-6-オール)[CAS-no.10191-41-0]を、重合の間、表3に示す量で気相反応器に添加した。
Figure 0005841667
ポリマーを、異方向回転二軸スクリュー押出機(日本製鋼所により販売されているJSW CIM90P)において、下の表2および3に示す条件下で、添加剤と配合した。
Figure 0005841667
Figure 0005841667
B225:50wt.%のIrgafos 168(トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)亜リン酸エステル) [CAS-no.31570-04-4]と50wt.%のIrganox 1010(ペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート) [CAS-no.6683-19-8]との混合物である、Ciba Specialty Chemicals(現在はBASF)により販売されているIrganox B225
E201:Ciba Specialty Chemicals(現在はBASF)により販売されているIrganox E201は、α-トコフェロール(2,5,7,8-テトラメチル-2(4',8',12'-トリメチルトリデシル)-クロマン-6-オール)[CAS-no.10191-41-0]である
Irganox 1330:3,3',3',5,5',5'-ヘキサ-tert-ブチル-a,a',a'-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール[CAS-no.1709-70-2]であり、Ciba Specialty Chemicals(現在はBASF)により販売されている
Irganox 1010:ペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート[CAS-no.6683-19-8]であり、Ciba Specialty Chemicals(現在はBASF)により販売されている
Irgafos 168:トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)亜リン酸エステル[CAS-no.31570-04-4]であり、Ciba Specialty Chemicals(現在はBASF)により販売されている
カーボンブラック:39.5wt.%のカーボンブラック(Cabotにより販売されているElftex TP)と、0.1wt.%のペンタエリトリトールテトラキス(3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオナート(CIba(現在BASFの一部)からIrganox 1010として市販されている)と、60.4wt.%のBCL-5931(1.7wt.%のコモノマー含有量、30g/10分のMFR2(2.16kg、190℃、ISO1133)を有するエチレン-ブチレンコポリマーである)とを含有するマスターバッチを使用した。
CaSt:CAS1592-23-0、Faciにより販売されているステアリン酸カルシウムSP
Grinsted PS432:Danisco A/Sにより供給されている、食用の精製植物脂肪酸から作製されたポリグリセロールエステルと、完全に水素化されたヒマシ油から作製されたモノグリセリドの酢酸エステルとのブレンド
鉱物油:OY Shell ABにより供給されている白色鉱油
表3から分かるように、配合の間、本発明の実施例3にはさらなる酸化防止剤を添加しなかった。
配合(表3に従う)および押し出し(ペレット化ステップ)の後の最終特性を、下の表4に示す。
Figure 0005841667
味の結果を表5に示す。
Figure 0005841667
表5からの味の試験結果は、本発明の実施例IE1〜IE3が、改善された味特性を有することを明らかに反映する。これはまた、官能特性を決定する試験方法のいずれかによっても確証される。
ポリプロピレン
例CE4、CE5、およびIE4からIE9を、予備重合-ループ型-ループ型の反応器系列を使用して調製し、以下の重合条件を適用した。Basellから供給されているZNM1を、触媒として使用した。
Figure 0005841667
予備重合ステップにおいて、コモノマーも水素も供給しなかった。
Werner & Pfleidererにより供給され、スクリュー直径251mm、比エネルギー入力230kWh/tのZSK250押出機において、以下の添加物、
Irganox 1330: 0.25wt%、
Irganox 1010: 0.25wt%、
Irgafos 168: 0.1wt%、
CaSt: 0.07wt%
と共に、組成物の配合を行い、ダイプレート前の溶融温度は、270℃であった。
例CE4、CE5、およびIE4からIE9のポリマーのMFR2は、0.3g/10分である。
本発明の実施例IE4からIE9において、鉱油中のIrganox E201とGrinsted PS432との混合物(Grinsted PS432:鉱油:Irganox E201の体積比が1:1:2である)を、第2の反応器とフラッシュ容器(ここで、減圧が行われる)との間のフラッシュライン(flash line)に添加した。供給する点は、第2のループ型反応器の出口弁のすぐ後ろに位置する。
混合物(Grinsted PS432:鉱油:Irganox E201)の供給速度は、最終のポリマーにおける約100ppmのIrganox E201の量に対応して、6kg/hであった。
味の結果を表7に示す。
Figure 0005841667

Claims (8)

  1. オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)と、
    酸化防止剤(B)と
    を含む安定化ポリオレフィンを製造するための方法であって、
    オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)が、1つ以上の反応器で実施される工程において生成され、
    酸化防止剤(B)が、
    ポリマーおよび/または未反応モノマーが存在している間の工程中に、触媒不活性化ステップの前、またはその間に、ポリマーおよび/または未反応モノマーに供給され、
    オレフィンホモポリマーまたはコポリマーを生成するために使用される触媒が、チーグラー-ナッタ触媒、メタロセン系および非メタロセン系触媒を含むシングルサイト触媒、ならびにクロム系触媒どの遷移金属の配位触媒から選択され
    酸化防止剤(B)が、
    式(I)によるビタミンE型安定化剤
    Figure 0005841667
    (式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 およびR 5 は、独立に、H、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換もしくは置換の脂肪族もしくは芳香族ヒドロカルビル基である)
    から選択される、または
    ビス(2-メチル-4,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニル)亜リン酸エチルエステル、6-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ)-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ-(d,t)(1.3.2)ジオキサホスフェピン、およびテトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4'ジイルビスホスホニトあるいはそれらの混合物からなる群から選択されるリン含有安定化剤から選択され、
    成分(B)が、金属原子を含まない、
    方法。
  2. 酸化防止剤(B)が、
    (i)ポリマーおよび/または未反応モノマーが少なくとも1つの反応器に存在している間の工程中に、前記反応器に供給される、および/または
    (ii)オレフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)の生成工程が、2つ以上の反応器で実施される場合、2つの反応器間で行われる工程ステップ中に、ポリマーに供給される、および/または
    (iii)触媒不活性化ステップの前、および/またはその間であって、
    前記反応器の後、
    または
    オレフィンホモポリマーもしくはコポリマー(A)の生成工程が、2つ以上の反応器で実施される場合は、最後の反応器の後
    のいずれかに、ポリマーに供給される、
    請求項1に記載の方法。
  3. 成分(B)が、(A)+(B)の100重量部に対して、0.095重量部以下の量で使用される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 直列に接続した少なくとも2つの反応器で実施される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 成分(B)が、第2の反応器および/または任意の後続の反応器(存在する場合)に供給される、請求項4に記載の方法。
  6. オレフィンホモポリマーまたはコポリマーが、C2-からC6-オレフィンホモポリマーまたはコポリマーである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ポリオレフィン組成物を製造するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
    a)請求項1から6のいずれか一項に記載の、成分(A)および(B)を含む安定化ポリオレフィンを製造するステップと、
    b)安定化ポリオレフィンを、さらなる添加剤と配合するステップと
    を含む方法。
  8. レフィンホモポリマーまたはコポリマー(A)と、
    酸化防止剤(B)と
    を含む安定化ポリオレフィンの製造方法における、
    工程中の触媒不活性化ステップの前、および/またはその間の酸化防止剤(B)の使用であって、
    酸化防止剤(B)が、
    式(I)によるビタミンE型安定化剤:
    Figure 0005841667
    (式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 およびR 5 は、独立に、H、または、ヘテロ原子を含んでいてもよい非置換もしくは置換の脂肪族もしくは芳香族ヒドロカルビル基である)
    から選択される、または
    ビス(2-メチル-4,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニル)亜リン酸エチルエステル、6-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ)-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ-(d,t)(1.3.2)ジオキサホスフェピン、およびテトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4'ジイルビスホスホニトあるいはそれらの混合物からなる群から選択されるリン含有安定化剤
    から選択され、
    成分(B)が、金属原子を含まない、上記使用。
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