JP5840473B2 - 中電圧乃至高電圧用の回路遮断器 - Google Patents

Description

本発明は中電圧ないし高電圧用の回路遮断器であって、真空インサートを収納するための少なくとも１つの極部品ケーシングを有しており、該極部品ケーシング内には１対の互いに対応する電気接点が同軸に配置されており、固定された電気接点が前記極部品の上側端子に電気的に接続されており、軸方向に可動な電気接点が前記極部品の下側端子に電気的に接続されており、前記極部品ケーシングの下側開口部に配置された遮蔽板を貫通して延びる絶縁プッシュロッドにより動かされる、回路遮断器に関するものである。

この種の回路遮断器は好ましくは電流レベルの高い１ｋＶから７２ｋＶの範囲の中電圧用に使用される。これらの回路遮断器は主に短絡電流および問題のある負荷インピーダンスの下での負荷電流を遮断するために電気回路網において使用される。中電圧回路遮断器内に挿入されている真空インサートは密閉された真空容器内でアークを発生および消弧することにより電流を遮断する。現代の真空回路遮断器は従来の空気回路遮断器に比べて長い耐用年数を有する傾向にある。しかし、それでも本発明は真空回路遮断器だけでなく、六フッ化硫黄ガスを充填したチャンバを有する現代のＳＦ６回路遮断器にも適用可能である。さらに、真空による電流遮断は高電圧レベルまで使用できる技術の１つである。これらの装置の安全性を保証するためには、特別な遮蔽手段と接地手段が不可欠である。

特許文献１には、中電圧回路遮断器の極部品が開示されている。１対の互いに対応する電気接点を含んだ真空インサートがエポキシ樹脂カプセルの中に絶縁されて埋め込まれている。真空遮断チャンバ内の上方電気接点は固定されており、真空遮断チャンバ内の下方電気接点は可動である。可動の電気接点はベローズを介して外部と通じており、軸方向に可動な中間軸によって動かされる。可動の下方電気接点と対応する下側端子との間に電気接続を形成するために、可動電気接点のプッシュロッドと外部端子との間に金属製の導電接続部が設けられている。この金属製導電接続部は極部品の絶縁ケーシング内にモールドされた金属製導電シリンダの中を動くピストンを含んでいる。

極部品の絶縁ケーシングは周知のように底部が開いている。極部品はふつう底側でねじ止めすることによりギヤケーシングの取付面に結合されている。ギヤケーシングはそれに取り付けられた１つまたは複数の極部品のプッシュロッドを作動させる中間軸装置を収納するために設けられている。

回路遮断装置において、高電圧部品と被接地部品との間の距離はふつう短いため、工業規格が要求する最も高い絶縁電圧を実現するには、付加的な手段が必要とされる。さらには、高電圧部品と被接地部品との間の距離よりも長い沿面距離を要求する規格も存在する。

ＷＯ ２００９／０４３３６１ Ａ１

本発明課題は、高電圧部品である極部品ケーシングと隣接する被接地部品であるギヤケーシングとの間に簡単であるが効果的な遮蔽手段を有する回路遮断装置を提供することである。

上記課題は、本発明に従い、中電圧乃至高電圧用の回路遮断装置であって、真空インサートを収納する少なくとも１つの極部品ケーシングを有しており、前記真空インサート内に１対の対応する電気接点が同軸に配置されており、前記極部品ケーシングの上側端子に固定電気接点が電気的に接続されており、前記極部品ケーシングの下側端子に、軸方向に可動な電気接点が電気的に接続されており、絶縁プッシュロッドによって作動される、中電圧乃至高電圧用の回路遮断装置において、前記絶縁プッシュロッドは前記極部品ケーシングの下部開口部に配置されている遮蔽板を貫通して延びており、前記遮蔽板はモールドされた硬質プラスチック絶縁材料でできており、弾性材料でできた少なくとも１つのシールリングが前記遮蔽板の外周にモールドされているようにすることにより解決される。

真空遮断装置の概略的な側面図を示す。 特殊遮蔽板の第２の実施形態の詳細な側面図を示す。 特殊遮蔽板の第３の実施形態の詳細な側面図を示す。 特殊遮蔽板の第４の実施形態の詳細な側面図を示す。 特殊遮蔽板の第５の実施形態の詳細な側面図を示す。 特殊遮蔽板の第６の実施形態の詳細な側面図を示す。 特殊遮蔽板の第７の実施形態の詳細な側面図を示す。 特殊遮蔽板の第８の実施形態の詳細な側面図を示す。 特殊遮蔽板の第９の実施形態の詳細な側面図を示す。

本発明によれば、可動の下方電気接点を作動させる絶縁プッシュロッドは、極部品ケーシングの底部に配置された特別な遮蔽板を貫通して延びている。この特殊な遮蔽板はモールドされた硬質プラスチック絶縁材料でできており、弾性材料でできた少なくとも１つのシールリングがこの遮蔽板の周囲に直接モールドされている。

かくして本発明は高レベルの絶縁を提供し、特殊遮蔽板と極部品ケーシングの対応する開口部の内壁との間のシーリング作用により沿面距離を増大させる。遮蔽板は絶縁材料でできており、下側端子と極部品ケーシングの縁部との間のフラッシュオーバーを防止するために、極部品ケーシングの下部開口部の縁部を覆っている。遮蔽板はモールドされたプラスチック部品であり、製造が容易である。シールリングは遮蔽板の縁部に直接モールドされるので、本発明は極部品ケーシングの組立を安全かつ容易にするワンピース部品を解決手段としている。

言い換えれば、本発明はシールリングと一体となった特殊な遮蔽板を使用することを提案する。この特殊シールリングは、プレート部分には硬質プラスチック材料を用い、シール部分には軟質の材料を用いて同じ射出成形ツールによって連続する２つのステップで作製することができる。

本発明の別の態様によれば、同心リング形のリブを遮蔽板の内側にモールドすることが推奨される。これら同心リング形のリブは真空遮断装置の高電圧部品と被接地部品との間の沿面距離を増大させる。これらの付加的なリブは付加的な硬質プラスチック材料のみを使って設けられている。

リブの長さは等しくなくてよい。沿面距離を増大させるために、いくつかのリブを他の短いリブよりも長くしてもよい。

シーリングの信頼性を高めるために、数個の平行したシールリングを使用してもよい。有利な実施形態では、２つのシールリングが遮蔽板の外周に小さな間隔で平行して配置される。

シールリングは凹断面を有していることが好ましい。別の実施形態では、極部品ケーシング内への挿入を容易にするために、少なくとも１つのシールリングが傾斜した断面を有する。

本発明の別の有利な実施形態によれば、少なくとも２つのシールリングが共通のシール体部分を介して相互に結合している。したがって、共通のシールリングは遮蔽板と周囲の極部品ケーシングとの間を安全にシールするためにより弾性的である。

本発明の別の実施形態によれば、遮蔽板のコーナー領域またはコーナー領域の周りにシールリングを配置することも可能である。好ましくは、遮蔽板の内周のコーナーは信頼性の高いシーリング機能を実現するのに適している。

通常、シールリングの弾性材料は圧縮されているので、シールリングは取り付けられた状態の極部品ケーシングの内壁との間の円筒形接触面を提供する。あるいは、遮蔽板の外周から外側へ向かって延びる少なくとも１つのシールチップを有するリップシールとしてシールリングを設計することも可能である。

以下に、本発明の実施形態を添付図面を参照してより詳しく説明する。

図中で使用される参照符号とその意味は参照符号リストにまとめて列挙してある。原則的に、図中で同一の部品には同じ参照符号を付してある。上に挙げたすべての図は概略的なものである。

図１によれば、中電圧用の回路遮断装置は、真空インサート２を収納するプラスチック絶縁材料でできた極部品ケーシング１から成っている。真空インサート２の内部には、電気スイッチを形成するために、１対の対応する電気接点４および４が同軸に配置されている。

スイッチングのために、極部品ケーシング１の中にモールドされた対応する上側端子５に電気的に接続された固定電気接点３が設けられている。固定電気接点３は極部品ケーシング１の対応する下側端子６に電気的に接続された可動電気接点４と対応している。可動電気接点４の軸方向の運動のために、絶縁プッシュロッド７が設けられている。

絶縁プッシュロッド７は絶縁材料でできており、可動電気接点４からベローズ（図示せず）を通り、さらに遮蔽板８の中央開口部を通って延びている。特殊遮蔽板８はポット形の極部品ケーシング１の下部開口部に配置されている。絶縁プッシュロッド７は回路遮断器ケーシング１０の内部で終端している。回路遮断器ケーシング１０は絶縁プッシュロッド７を公知のやり方で作動させるためのギヤ手段（図示せず）を収納している。回路遮断ケーシング１０は金属材料でできており、電気的に接地されている。特殊遮蔽板８は被接地部品を極部品ケーシング１内の高電圧部品から隔離する。そのため、遮蔽板８はモールドされた硬質プラスチック絶縁材料でできており、少なくとも１つのシールリング９は遮蔽板８の外周に直接モールドされた弾性材料でできている。

図２に示されているように、遮蔽板８にはさらに、高電圧部品と被接地部品との間の沿面距離を増大させる同心シング形のリブ１１が設けられている。この実施形態では、すべてのリング形リブ１１は同じ長さである。

図３による別の実施形態では、１つのリング形リブ１１ａが比較的短い他のリング形リブ１１の長さを超えて延びている。

図４を参照すると、遮蔽板８には、シーリング機能を高めるために、互いに平行に配置された２つの別個のシールリング９ａおよび９ｂが設けられている。

図５を参照すると、３つのシールリング９ａ〜９ｃが共通のシール体部分１２を介して相互に結合されている。さらに、シールリング９ａ〜９ｃは、極部品ケーシング１の底部開口部への挿入を容易にするために、傾斜した断面を有している。

図６による別の実施形態では、小さなシールリング９'が遮蔽板８の上コーナー領域に配置されている。図７では、シールリング９''が遮蔽板８の上コーナー領域に配置されており、極部品ケーシング１の内壁との間の円筒形接触面を提供している。

図８には、外周に３つのシールリップを有するリップシールとして設計されたシールリング９'''の実施形態が示されている。

図９に示されている最後の有利な実施形態では、シールリング９''''が遮蔽板８の上コーナー領域の周りに配置されている。その結果、シールリング９''''は遮蔽板８の上コーナーを囲むＬ字形の断面を有している。

以上に本発明を図および上記説明において詳しく解説したが、このような図解と説明は例示的なものであって、限定的なものではないと理解されなければならない。本発明は開示されている実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、本願の図面、開示および請求項から、開示された実施形態とは異なる変形も為しうる。

１ 極部品ケーシング
２ 真空インサート
３ 固定電気接点
４ 可動電気接点
５ 上側端子
６ 下側端子
７ 絶縁プッシュロッド
８ 遮蔽板
９ シールリング
１０ 回路遮断器ケーシング
１１ リング形リブ
１２ 共通シール体部分

Claims (7)

1. 中電圧乃至高電圧用の回路遮断装置であって、真空インサート（２）を収納する少なくとも１つの極部品ケーシング（１）を有しており、前記真空インサート内に１対の対応する電気接点（３，４）が同軸に配置されており、前記極部品ケーシング（１）の上側端子（５）に固定電気接点（３）が電気的に接続されており、前記極部品ケーシング（１）の下側端子（６）に、軸方向に可動な電気接点（４）が電気的に接続されており、絶縁プッシュロッド（７）によって作動される、中電圧乃至高電圧用の回路遮断装置において、
   前記絶縁プッシュロッド（７）は前記極部品ケーシング（１）の下部開口部に配置されている遮蔽板（８）を貫通して延びており、前記遮蔽板（８）はモールドされた硬質プラスチック絶縁材料でできており、弾性材料でできた少なくとも２つのシールリング（９；９ａ、９ｂ）が前記遮蔽板（８）の外周に平行に配置されてモールドされており、
   前記少なくとも２つのシールリング（９ａ、９ｂ、９ｃ）は前記極部品ケーシング（１）の開口部への挿入を容易にするために傾斜した断面を有しており、
   前記少なくとも２つのシールリング（９ａ、９ｂ、９ｃ）は共通のシール体部分（１２）を介して相互に結合されていることを特徴とする
   中電圧乃至高電圧用の回路遮断装置。
2. 前記遮蔽板（８）の内側に、沿面距離を増大させるための同心リング形リブ（１１）がモールドされている、請求項１記載の回路遮断装置。
3. 少なくとも１つの比較的長いリング形リブ（１１ａ）が比較的短いいくつかのリング形リブ（１１）の長さを超えて延びている、請求項２記載の回路遮断装置。
4. 前記遮蔽板（８）のコーナー領域にまたは該コーナー領域の周りにシールリング（９'；９''''）が配置されている、請求項１乃至３のいずれか一項記載の回路遮断装置。
5. 前記シールリング（９''）は前記極部品ケーシング（１）の内壁との間の円筒形接触面を提供する、請求項１乃至３のいずれか一項記載の回路遮断装置。
6. 前記シールリング（９'''）はリップシールとして設計されている、請求項１乃至３のいずれか一項記載の回路遮断装置。
7. 前記極部品ケーシング（１）は、前記プッシュロッド（７）を作動させるギヤ手段を含んだ接地された金属製の回路遮断器ケーシング（１０）に取り付けられている、請求項１乃至３のいずれか一項記載の回路遮断装置。

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