JP5840217B2 - 印字方法および印字装置 - Google Patents

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Description

この発明は、印字方法および印字装置に係り、特に、繊維密度の異なる領域を含む被印字物にインクジェット方式で印字を行う方法および装置に関する。
インクジェット方式は、簡便な機構で高速に印字できることから広く普及し、紙だけでなく、布、織物、平滑樹脂表面などの様々な被印字物に対する印字が試みられている。近年では、これら被印字物の形態や素材も多様化しており、被印字物を均一に印字することが困難となっている。
例えば、平織りまたは綾織りなどから構成される布が被印字物の場合では、経糸と緯糸の交差頻度の違いで糸の繊維密度が異なる領域が生じる。また、糸を織る際の糸張力等の違いによっても繊維密度が異なる領域が生じる。このような、繊維密度が異なる領域に打滴されたインクは、式(1)で示すように、繊維間の空隙の大きさ、すなわち繊維密度に応じた浸透速度で被印字物の厚さ方向へ浸透される。
=d・γ・t・cosθ/4η ・・・(1)
なお、Lは浸透距離、dは繊維間の空隙サイズ、γは表面張力、tは時間、θはインクと繊維の間の濡れ性を示す接触角、ηはインクの粘度である。
印字されたインクが、繊維間の空隙に浸透した後は、式(1)で示されるような浸透は止まるが、毛管力差に起因するインクの移動が起こる。すなわち、隣接した領域間で繊維密度あるいはインクとの接触角の違いにより、繊維間の空隙に浸透したインクに対して毛管力が生ずる。なお、毛管力とは、インクに働く力であり、濡れ性が大きくまたは繊維間距離が小さくなると毛管力は大きくなり、濡れ性が小さくまたは繊維間距離が大きくなると毛管力は小さくなるものである。その結果、周囲の繊維密度が高い領域から毛管力が働くことにより、毛管力の高い領域へインクが移動される。繊維が同じ素材の場合、インクとの接触角は同じなので、繊維密度の高い領域にインクは移動する。
このため、被印字物におけるインクの最終着弾位置は、繊維密度の違いに起因して被印字物の厚さ方向および被印字物に沿う方向にそれぞれ差が生じ、これが均一な発色の妨げとなっている。
織物の部分的な毛管力の差は、例えば織物の一部にインク滴を供給したときのインクの浸透速度差として検出することが出来る。インク滴供給後、インクは繊維の厚さ方向に浸透し始めるが、繊維密度の低い空隙の多い領域への浸透速度が速いことが観察できる。
また、織物をインク液に完全に浸した後に、引き上げ、スクイズ(ローラ等で液量を絞る)させると、スクイズ直後は均一にインクを含有し、色ムラが検出できないが、乾燥を伴う時間経過と共にインクの移動が起こり、繊維密度の高い領域、すなわち毛管力の高い領域のインク濃度が高くなることが観察される。
そこで、繊維密度が異なる領域を含む被印字物に印字する技術として、例えば特許文献1に開示されているように、予め酸性溶液に浸漬させた被印字物にインクを打滴することでインクを凝集させてにじみを抑制することが提案されている。
特開2004−025723号公報
特許文献1に示される方法では、被印字物に着弾したインクを瞬時に凝集させるため、被印字物の表層で凝集物による浸透阻害膜が形成され、その後に印字されたインクは被印字物内部に浸透し難く、液のまま止まることになる。印字量が少ない場合は被印字物の表面上を均一に印字することはできるが、印字量が多くなるとインクが周辺に流れ、不均一な印字となりやすい。特に、繊維密度の高い領域でインクの浸透阻害が起きやすい。また、被印字物の表面で凝集層が形成されるので、被印字物の厚さ方向に糸の内部まで均一に印字するのは困難である。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、繊維密度が異なる領域を含む被印字物の内部まで均一に印字することができる印字方法および印字装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る印字方法は、繊維密度が異なる領域を含む被印字物にインクジェット法によりインクを打滴して印字を行う印字方法であって、インクジェット法により打滴されるインクを所定の粘度まで上昇させるための第1の凝集剤を予め被印字物に供給し、インクジェット法でインクを被印字物に打滴し、その後、前記第1の凝集剤と同じ成分からなる第2の凝集剤を被印字物に供給して、前記第1の凝集剤により所定の粘度に上昇され移動速度が抑えられたインクを被印字物内に固定させ、毛管力によるインクの移動を止め、前記第1の凝集剤は、前記第2の凝集剤の濃度より低い濃度を有するものである。
ここで、前記第1の凝集剤および前記第2の凝集剤の供給量の総和は、被印字物に打滴されたインク中の被凝集剤が前記第1の凝集剤および前記第2の凝集剤と反応して等電点を超えるように設定されるのが好ましい。つまり、すべてのインク中の被凝集剤が凝集するに十分な凝集剤が供給される。
また、インクが被印字物中へ浸透する距離は、前記第1の凝集剤の供給量により制御することができる。また、前記第1の凝集剤は、被印字物を構成する糸を所定の距離だけインクが浸透したところで粘度が上昇したインクの移動が抑制されるように設定されるのが好ましい。
また、前記第1の凝集剤は、インクジェット法、ディップ法により供給することができる。また、前記第2の凝集剤は、エアースプレー法により供給することができる。
また、インクジェット法により打滴されるインクがアニオン性に荷電される粒子、ポリマーから構成される場合は、前記第1の凝集剤および前記第2の凝集剤はカチオン性の素材が使用出来る。また、インクジェット法により打滴されるインクがカチオン性に荷電される、粒子、ポリマーから構成される場合は、前記第1の凝集剤および前記第2の凝集剤はアニオン性の素材が使用できる。
また、被印字物は、複数の繊維から構成される糸による織物または編み物、不織布等繊維から構成される素材からなり、前記糸の交差頻度が異なる領域を有することが好ましい
また、本発明に係る印字装置は、繊維密度が異なる領域を含む被印字物にインクジェット法によりインクを打滴して印字を行う印字装置であって、インクジェット法により打滴されるインクを所定の粘度まで上昇させるための第1の凝集剤を予め被印字物に供給する第1の凝集剤供給装置と、前記第1の凝集剤供給装置により前記第1の凝集剤が供給された被印字物にインクジェット法でインクを打滴するインク供給装置と、被印字物の内部に浸透して前記第1の凝集剤により所定の粘度に上昇されたインクの移動を停止させるための前記第1の凝集剤と同じ成分からなる第2の凝集剤を被印字物に供給する第2の凝集剤供給装置とを有し、前記第1の凝集剤供給装置は、前記第2の凝集剤の濃度より低い濃度を有する前記第1の凝集剤を供給するものである。
この発明によれば、被印字物に予め供給された第1の凝集剤により被印字物の内部に浸透したインクが所定の粘度に上昇された後、第2の凝集剤を供給して被印字物内のインクが固定されるので、繊維密度が異なる領域を含む被印字物の内部まで均一に印字することが可能となる。また、印字量が多く、第1の凝集剤により浸透阻害層が形成されて凝集反応が不十分なインクが残っているような場合においても、第2の凝集剤により未凝集のインクを完全に凝集させ移動できなくするので均一な印字が可能となる。
この発明の実施の形態1に係る印字方法を行う印字装置の構成を示すブロック図である。 平織りされた被印字物を示す図である。 綾織りされた被印字物を示す図である。 被印字物を構成する糸を示す断面図である。 実施の形態1の変形例で用いられた被印字物を示す断面図である。 実施の形態1の変形例で印字された被印字物を示す図である。 凝集剤Aを供給する凝集剤供給装置を示す図である。 凝集剤Bを供給する凝集剤供給装置を示す図である。 実施の形態2で印字された被印字物を示す断面図である。 実施の形態1および2に係る印字方法を行う印字装置の変形例を示すブロック図である。 実施の形態3に係る印字方法を行う印字装置の構成を示す図である。
以下、図面に示す好適な実施の形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る印字方法を行う印字装置の構成を示す。印字装置は、インクジェット法により打滴されるインクを所定の粘度まで上昇させるための凝集剤Aを予め被印字物Pに供給する第1の凝集剤供給装置1と、インクジェット法でインクを被印字物Pに打滴するインク供給装置2と、被印字物Pの内部に浸透して凝集剤Aにより所定の粘度に上昇されたインクを固定するための凝集剤Bを被印字物Pに供給する第2の凝集剤供給装置3と、被印字物P内に固定されたインクを被印字物Pに定着させる定着装置4とを有する。
なお、被印字物Pとしては、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維、綿、毛、絹等の動物または植物性繊維から構成される糸で織られた布、あるいは編まれた編み物など、繊維密度の異なる領域を有するものが用いられる。
第1の凝集剤供給装置1は、凝集剤Aを被印字物Pの糸の内部まで浸透するように供給する。凝集剤Aは、凝集剤Bと同じ成分からなると共に凝集剤Bより低い濃度に調整されたもので、インク供給装置2から被印字物Pに打滴されたインクが糸の太さ距離程度浸透した時点でインクを所定の粘度まで上昇させるような濃度に調整されている。
このように、インクが所定の粘度に上昇することでインクの移動速度を低下させることができ、インクが被印字物Pの糸の太さ距離まで浸透してから凝集剤Bにより固定されるまでの間に、周囲の毛管力により被印字物Pに沿う方向に拡散しないように、すなわちインクの移動が一定の範囲内(インク供給装置2から順次打滴されるインクの着弾位置ピッチ程度あるいは被印字物を構成する糸の太さ程度の範囲)に留まるように所定の粘度が設定される。また、凝集剤Aの供給量は、インクが糸の太さ距離まで浸透したところで所定の粘度となるように、被印字物Pの素材、糸の太さ、インクの種類、インクの供給量などに基づいて設定される。
インク供給装置2は、被印字物Pの移動方向に対して、第1の凝集剤供給装置1の下流側に配置され、凝集剤Aが供給された被印字物Pにインクジェット法によりインクの打滴を行う。打滴されるインクには、被凝集剤が含まれており、この被凝集剤が凝集剤AおよびBと凝集反応を行う。ここで、被凝集剤の一部が予め供給された低い濃度からなる凝集剤Aと凝集反応され、残りの被凝集剤が凝集剤Bと凝集反応される。また、インクの供給量は、被印字物Pに印字される印字画像などに基づいて設定される。
なお、インクに含まれる染料は、被印字物Pの素材に応じたものが用いられ、例えば、被印字物Pがポリエステル繊維からなる場合には分散染料を、被印字物Pが木綿などの植物繊維からなる場合には反応性染料を、被印字物Pがナイロンおよび動物性繊維(毛または絹など)からなる場合には酸性染料をそれぞれ用いることができる。
第2の凝集剤供給装置3は、被印字物Pの移動方向に対して、インク供給装置2の下流側に配置され、インクが打滴された被印字物Pに凝集剤Bの供給を行う。凝集剤Bは、被印字物Pにおけるインクの移動を固定するように調整されている。すなわち、インクに含まれる被凝集剤が凝集剤Aに続いて凝集剤Bと凝集反応することにより、被凝集剤の電荷が等電点を超えるように凝集剤AおよびBの供給量の総和が設定され、凝集剤Bは、その供給量の総和から凝集剤Bの供給量を差し引いた量以上が供給される。なお、被凝集剤の等電点を超える量以上とする凝集剤AおよびBの供給量の総和は、例えば電気泳動法、コロイド粒子凝集測定などの計測結果に基づいて求めることができる。
定着装置4は、被印字物Pの移動方向に対して、第2の凝集剤供給装置3の下流側に配置され、乾燥装置5、発色処理装置6および洗浄乾燥装置7を有する。乾燥装置5は、インクが固定された被印字物Pを乾燥するものである。発色処理装置6は、被印字物Pの素材および染料の種類に応じた発色処理を行うものである。例えば、分散染料を用いた場合には加熱発色処理,あるいは高温スチーム処理により発色処理を行うことができ、酸性染料および反応性染料を用いた場合には高温スチーム処理により発色を行うことができる。洗浄乾燥装置7は、染色された被印字物Pを洗浄および乾燥して仕上げるためのものである。アルカリ還元洗浄液を用い残留未反応物を除去することも出来る。
なお、繊維密度の異なる領域を有する被印字物Pとしては、例えば、図2に示されるように平織りされたもの、または図3に示されるように綾織りされたものを用いることができる。あるいは、部分的に異なる織りが組み込まれた布を用いることも出来る。被印字物Pを構成する糸Yは、図4に示されるように、複数の繊維Fが集合して構成されているが、上記のような被印字物Pでは、例えば、糸が織られた交差部と交差部以外の部分、経糸と緯糸の交差頻度が異なる部分、織のパターンが変化した部分、部分的にエッチィングを施して繊維太さが異なる部分などにおいて、糸Yを構成する繊維密度に差が生じており、これがインクの浸透を不均一とさせている。図に示される綾織りの場合、全ピッチで交差している部分と1本おきに交差している部分があり、一本おきに交差している部分の繊維密度は他の部分より低いものとなる。
次に、インクに含まれる被凝集剤と凝集剤AおよびBの凝集反応について説明する。
インクとしては、アニオン性に荷電されたものが使用できる。例えば、アニオン性の荷電調節剤で荷電された顔料分散物を含むインクを使用することができる。あるいはアニオン性染料水溶液を使用することが出来る。
なお、インクの粘度調整、粒子分散の安定のため、酢酸ビニル系、アクリル系、ポリエステル系あるいはウレタン系等の水性ポリマー分散液、PVAあるいはアルギン酸等の水性ポリマーをインクに添加することもできる。これらポリマーはアニオンに荷電されていることが望ましい。また、インクジェットヘッドの乾燥を防ぐ目的で、エチレングリコール、グリセリン等の水可溶性高沸点溶剤を添加することもできる。
このようにしてインクを調整し、染料、荷電調節剤、あるいは水性ポリマーなどを被凝集剤として機能させることができる。
一方、凝集剤AおよびBとしては、カチオン性に荷電されたもので凝集反応を行うことができる。
凝集反応は、インク中において中性あるいはアルカリ性に調整された状態でイオン解離していることで分散安定しているアニオン性分散安定剤に対し、凝集剤AおよびBとして有機酸を加え酸性とするとその解離度が低くなって分散が不安定となり凝集される。これに伴い、インクに含まれる分散安定剤が凝集し、凝集剤AおよびBの濃度に応じた粘度の上昇がそれぞれ引き起こされる。
また、被凝集剤がアニオン界面活性剤あるいはアニオン性水性ポリマーで構成されたインクを、カチオン高分子からなる凝集剤AおよびBを用いて凝集反応する場合、インク中のアニオン成分と、凝集剤AおよびBに含まれるカチオンポリマーのカチオン基とが反応し凝集が起こる。この凝集反応はカチオン基の密度が高い程起こりやすく、凝集反応の速度に対応する。凝集剤Aは、インクが一定距離浸透後に凝集が起こるように、すなわち凝集剤Bより凝集反応が遅くなるように調整される。例えば、凝集剤Aはカチオン高分子を0.03%〜0.3%含むものを使用することができ、凝集剤Bはカチオン高分子を0.1%〜5%含むものを使用することができる。このように、カチオン高分子の濃度を調整することで、凝集剤Aによる凝集能を調整することができる。また、凝集能の調整は、凝集に寄与する官能基の種類を選択、または凝集剤の働くphをコントロールすることで実現することもできる。例えば、カチオンポリマーの重合度を上げることで水中での移動速度を下げ、これにより同じカチオン基の密度であっても凝集速度を遅くすることが出来る。
アニオン性界面活性剤およびアニオン性水性ポリマーとしては、水中で解離した時に陰イオンとなる基を含むものが使用され、例えば、カルボン酸、スルホン酸、あるいはリン酸構造を持つものが使用される。具体的には、カルボン酸系の荷電調節剤として脂肪酸塩やコール酸塩が、スルホン酸系の荷電調節剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩、またはアルキルポリオキシエチレン硫酸塩が、リン酸構造を持つ荷電調節剤としてモノアルキルリン酸塩などが利用できる。一方、凝集剤AおよびBに用いられる酸としては、マロン酸、クエン酸、酢酸等の有機酸、希塩酸などの無機酸が利用できる。
次に、印字装置により行われる印字方法について説明する。
まず、図1に示されるように、繊維密度の異なる領域を含む被印字物Pが一定方向に移動される。ここで、被印字物Pは、ポリエステル繊維からなるものとする。
被印字物Pが移動されて第1の凝集剤供給装置1に到達すると、第1の凝集剤供給装置1は被印字物Pに対して、例えばカチオン高分子が0.1〜0.3重量%含まれる凝集剤Aを供給する。供給された凝集剤Aは、被印字物Pを構成する糸の内部にまで浸透される。
凝集剤Aが供給された被印字物Pが第1の凝集剤供給装置1からインク供給装置2に到達すると、インク供給装置2はインクジェット法により被印字物Pに対してインクの打滴を行う。この時、インクは、例えば、アニオン界面活性剤で荷電された分散染料、分散安定のための水性ポリマーとしてアルギン酸、リグニンスルフォン酸等、および高沸点溶剤としてエチレングリコール、グリセリン等を含むものが使用され、分散染料、アニオン界面活性剤、および水性ポリマーが被凝集剤として機能する。
繊維密度の異なる被印字物Pに打滴されたインクは、着弾位置から被印字物Pを構成するそれぞれの糸の内部に浸透される。インクは、糸の内部を太さ程度浸透すると、インクに含まれる被凝集剤の一部が予め供給された凝集剤Aと凝集反応し、インクが糸の太さ距離だけ浸透したところで所定の粘度まで上昇される。凝集剤がない場合、着弾直後に糸内部に浸透したインクは、繊維密度の違いによる毛管力により織りのピッチを超えて移動されていき織りに依存する染色ムラとなる。凝集剤Aが供給されている場合、凝集反応によりインクを所定の粘度まで上昇させることで被印字物Pに沿う方向への移動速度を低下させることができる。すなわち、糸の太さ距離まで浸透したインクを凝集剤Bが供給されるまでの間、一定の範囲内に留めておくことができる。
このようにして、インクが打滴された被印字物Pがインク供給装置2から第2の凝集剤供給装置3に到達すると、第2の凝集剤供給装置3は、被印字物Pにおいて所定の粘度に上昇されたインクが一定の範囲内に留められているうちに、例えばカチオン高分子が2重量%含まれる凝集剤Bを供給する。この凝集剤Bは、先に供給された凝集剤Aと合わせて被凝集剤と反応することで被凝集剤の等電点を超える量、ここでは被印字物Pに対して10g/m以上となるように供給される。
第2の凝集剤供給装置3から供給された凝集剤Bは、インクに含まれる未反応の被凝集剤、すなわち凝集剤Aと反応していない被凝集剤と凝集反応して、被印字物Pにおいて一定の範囲内に留められたインクをそれぞれ固定し、インクの移動を完全に停止させる。このようにして、繊維密度の異なる領域を含む被印字物Pを厚さ方向に糸の内部まで均一に浸透したインクを被印字物Pに沿う方向に拡散させることなく固定することができる。また、被印字物に沿う方向への毛管力によるインクの移動を止めることが出来るので、被印字物の面方向の発色パターンはインクジェットインクの供給パターンにより制御することが可能となる。
被印字物Pは、被印字物Pにインクを固定した状態で定着装置4に移動され、乾燥装置5により乾燥される。通常、この乾燥工程における部分的な乾燥速度の違いが被印字物Pに浸透したインクの移動を促進させてにじみの原因となるが、凝集剤Bの供給によりインクの移動を完全に固定しているため乾燥工程におけるインクのにじみを抑制することができる。続いて、被印字物Pは、発色処理装置6により、例えば160℃から200℃に数分から数十分置かれて加熱発色処理が行われ、糸の内部の繊維表面に付着した分散染料が昇華されて繊維内に取り込まれる。その後、被印字物Pは、洗浄乾燥装置7によりアルカリ還元条件で未反応物の洗浄が行われると共に乾燥されて、被印字物Pの染色が完了する。
本実施の形態によれば、被印字物Pの厚さ方向に糸の内部まで均一に浸透した状態でインクの粘度を上昇させてその拡散が抑制されているうちにインクの移動を完全に固定するため、被印字物Pを厚さ方向に糸の内部まで均一に染色することができる。
なお、図5に示すように、複数の糸が厚さ方向に重なるようにして織られた被印字物Pに対してもインクNのにじみを抑制した印字をすることができる。被印字物Pの糸の内部まで凝集剤Aが供給された後、インク供給装置2からインクNが打滴される。打滴されたインクNは、被印字物Pの表面から裏面まで浸透し、厚さ方向に重なるそれぞれの糸の内部に浸透される。そして、インクNは、被印字物Pの裏面程度まで浸透した時点で、予め供給された凝集剤Aと凝集反応して所定の粘度まで上昇される。この時、被印字物Pに沿う方向については、インクNは糸に沿って糸の織りのピッチ分だけ移動しており、その時点で所定の粘度まで上昇される。このようにして、インクNが被印字物Pの裏面まで浸透し且つ織りのピッチの範囲内に留められているうちに、第2の凝集剤供給装置3から凝集剤Bが供給され、被印字物PにおけるインクNの移動を完全に固定することができる。
これにより、被印字物Pを表面から裏面まで均一に染色すると共に、図6に示すようにインクのにじみを織りのピッチ範囲に収めることができる。
また、第1の凝集剤供給装置1は、凝集剤Aを被印字物Pの糸の内部まで供給できればよく、例えば、図7に示すように、ディップ法により凝集剤Aを被印字物Pに供給することができる。すなわち、凝集剤Aを収容したバット11に被印字物Pを浸し、その直後に配置された絞りローラ12で凝集剤Aを10〜60%程度のピックアップ量(被印字物Pの重量に対して絞った後の液残重量)とすることで、被印字物Pの糸の内部まで凝集剤Aを供給することができる。なお、絞りローラの材質としては、ゴムを使用するのが好ましい。また、ディップ法の他にもロールコーター、エアースプレー、インクジェット法などを用いてもよい。
また、第2の凝集剤供給装置3は、例えば、図8に示すように、被印字物Pの裏面側に配置されたロールコーター13により凝集剤Bを供給することができる。このように、被印字物Pの裏面側から凝集剤Bを供給することで、ロールコーター13が被印字物Pの印字面に直接接触することがなく、凝集剤Bの供給による印字の乱れを抑制することができる。
また、第2の凝集剤供給装置3は、凝集剤Bの供給が被印字物Pに浸透したインクの移動に影響しないようになるべく少ない量で供給するのが好ましく、濃度を高くすると共に液滴のサイズを小さくして供給するのが好ましい。例えば、エアースプレー法により数μm〜20μm程度の微粒子にして供給することができ、エアースプレーを間欠吹きかけにすることでその供給量を調整することができる。
また、凝集剤としての有機カチオン性高分子として、アンモニアやアルキルアミン等のアミノ基(-NH2)を有する化合物及び窒素を更に多く有するアルギニンやグアニジンあるいはビグアニド誘導体等のグアニジノ基やビグアニド基を持つ化合物を用いることができる。また、側鎖あるいは主鎖にアミノ基あるいはイミノ基をもつ高分子としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の合成高分子及びポリオルニチン、ポリリジン等のポリアミノ酸を含む水性ポリマーが使用できる。
アクリルアミドとN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートまたはN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートモノマーとを共重合したN,N−ジメチルアミノエチルアクリレート系共重合物や、ポリビニルアミジン系高分子、両性高分子などが利用できる。
また、上記の実施の形態では、アニオン性に荷電されたインクとカチオン性に荷電された凝集剤AおよびBを用いて凝集反応を行ったが、カチオン性に荷電されたインクとアニオン性に荷電された凝集剤AおよびBを用いて凝集反応を行うこともできる。
アニオン性の凝集剤としては、例えば、水溶性あるいは水分散性高分子に親水基としてカルボン酸、スルホン酸、あるいはリン酸構造をもつものが使用できる。具体的には、動植物油脂脂肪酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸等のソーダ塩、カリウム塩等が使用できる。また、カチオン性のインクとしては、アルカリ性染料などのカチオン性の色材を含むと共にカチオン性の荷電調節剤が使用される。カチオン性の荷電調節剤としては、水中で解離した時に陽イオンとなるものが使用され、例えば、親水基としてテトラアルキルアンモニウムを持つものが使用される。具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、またはアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩などが利用できる。
実施の形態2
実施の形態1において、第1の凝集剤供給装置1から供給される凝集剤Aは、インク供給装置2から被印字物Pに打滴されたインクが糸の太さ距離程度浸透した時点でインクを所定の粘度まで上昇させるような量で供給されていたが、これに限られず、凝集剤Aの供給量を制御することで、凝集剤Aとインクに含まれる被凝集剤との凝集反応が起こる深さを、コントロールすることもできる。
図1に示す印字装置において、被印字物Pに対し、第1の凝集剤供給装置1から凝集剤Aが供給された後、インク供給装置2からインクが打滴される。被印字物Pに着弾したインクは、繊維に沿う方向及び糸の太さ方向に浸透していくが、例えば図9の矢印で示すように、糸Yの太さの半分程度まで浸透した時点でインクNが所定の粘度まで上昇するように、凝集剤Aの供給量を調整することができる。これにより、被印字物Pに沿う方向へのインクNの移動速度が低下され、凝集剤Bが供給されるまでの間、インクNが被印字物Pの印字側表面近傍に留められる。
このように、実施の形態1と比べ、凝集剤Aとインクの凝集反応が若干早く起こるように凝集剤Aの供給量を調整することで、印字されたインクを被印字物Pの印字側表面近傍に多く分布させることが出来る。被印字物Pの印字側表面近傍に位置する色材は染色時の光学濃度への寄与が大きく、上記のようにインクを被印字物Pの印字側表面近傍に多く分布させることにより、少ないインク量で十分な光学濃度のある染色を実現することが出来る。さらに、色材の分布を被印字物Pの厚みの半分程度に制御し、裏面から別の色のインクを印字することで、表面と裏面で異なる色に印字された被印字物Pを作成することも出来る。
なお、実施の形態1と同様に、被印字物Pに供給された凝集剤Aは、被印字物Pの繊維密度の違いから生じる毛管力の差により、その分布に違いが生じているため、インクが印字された直後に瞬時に凝集するような高濃度の凝集剤Aを使用すると、被印字物Pを均一に染色することが困難となる。このため、インクが被印字物Pの深さ方向へ適度に浸透することが求められる。すなわち、凝集剤Aの供給量は、被印字物Pを浸透する全てのインクがほぼ均一な深さ位置まで到達した後に凝集するように調整される。具体的には、実施の形態1で用いた凝集剤Aの濃度を2〜3倍程度に高めて調整したものが使用可能である。
また、インクの浸透は被印字物Pの印字側表面近傍で留められるので、第1の凝集剤供給装置1から被印字物Pに供給された凝集剤Aのうち、被印字物Pの印字側表面近傍に位置するものだけがインク中の被凝集剤との凝集反応に寄与し、印字インクの全量が所定の粘度まで上昇されないことが起こり得る。特に、濃色染色を行うために大量のインクを印字する領域でこの現象は起こりやすい。具体的には、印字量が被印字物重量の20%程度(1m当たり100gの被印字物の場合、1m当たり20g以上)の印字を行う場合に問題となる。また、織りに起因した繊維密度が高く繊維間空隙の少ない領域、例えば経糸と緯糸の交差頻度の高い織り領域は繊維密度が高くなり、インクを受容する空隙が少ないため繊維間に浸透出来ずに被印字物表面に止まるインクは、凝集剤Aとインクとの凝集反応が阻害されてしまう。このような所定の粘度まで上昇されていないインクは、毛管力により移動して濃度ムラの原因となるため、上記の阻害要因を考慮して印字インクの全量が所定の粘度まで上昇されるような凝集剤Aの供給が必要となる。
続いて、被印字物Pに対して第2の凝集剤供給装置3から凝集剤Bが供給される。この凝集剤Bは、先に供給された凝集剤Aと合わせてインクに含まれる被凝集剤と反応することで被凝集剤の等電点を超えるように濃度が調整されており、被印字物Pの印字側表面近傍に所定の粘度で留められていたインクは、凝集剤Bとの凝集反応により、その移動が完全に停止される。これにより、被印字物Pの印字側表面近傍に均一に浸透したインクを、被印字物Pに沿う方向に拡散させることなく固定することができる。
なお、凝集剤Bは、被印字物Pにインクを印字後、未凝集のインクが毛管力により移動して濃度ムラになる前に供給することが望ましく、インク印字方向と同方向から供給することが望ましい。このため、第2の凝集剤供給装置3としては、例えば、インクジェット法、エアースプレー法、ロールコーターなどによる供給装置を用いることが好ましい。
続いて、被印字物Pは、印字側表面近傍にインクが固定された状態で乾燥装置5、発色処理装置6および洗浄乾燥装置7に順次移動され、被印字物Pに色材を定着させることにより被印字物Pの染色が完了する。
なお、実施の形態1および2では、被印字物Pに対して、第1の凝集剤供給装置1から凝集剤Aを供給した直後にインク供給装置2によりインクが印字されていたが、凝集剤Aが供給された被印字物Pにインクを印字することができればよく、これに限られない。
例えば、図10に示すように、第1の凝集剤供給装置1とインク供給装置2の間に乾燥装置14を配置し、第1の凝集剤供給装置1から凝集剤Aが供給された被印字物Pを乾燥装置14により一旦乾燥させることもできる。乾燥された被印字物Pは、インク供給装置2に供され、インク供給装置2から打滴されたインクと被印字物P内の凝集剤Aが凝集反応することにより、所定の粘度まで上昇されたインクが被印字物Pの一定の範囲内に留められる。その後、実施の形態1および2と同様にして、被印字物Pに第2の凝集剤供給装置3から凝集剤Bが供給されてインクが被印字物Pに完全に固定され、定着装置4により被印字物Pに色材が定着される。
実施の形態3
図11に示されるように、実施の形態3に係る印字方法で用いられる印字装置は、入力データに基づいてインク、凝集剤Aおよび凝集剤Bの供給量を演算することでそれぞれの供給を自動化すると共に、被印字物Pに印字した結果をフィードバックすることでそれぞれの供給量を順次補正することができる。
また、凝集剤Aの供給量あるいは種類を切り替えることで、被印字物Pへのインクの浸透位置を制御することも出来る。さらに、印字および発色処理等を施し、染色が完了した被印字物Pの光学特性を表裏両面で計測することにより、被印字物Pへのインクの浸透位置を計測してその結果をフィードバックすることも可能である。
本実施の形態で用いられる印字装置は、順次接続された供給量演算部21、制御部22および駆動部23を有し、この駆動部23が実施の形態1で用いられた印字装置の第1の凝集剤供給装置1、インク供給装置2および第2の凝集剤供給装置3と接続されている。なお、被印字物Pの裏面側にインク供給装置2aを配置することもできる。また、印字装置は、被印字物Pの移動方向に対し、定着装置4の下流側に計測装置24および24aを表面側および裏面側にそれぞれ配置し、計測装置24および24aに印字結果計測値入力部25を接続すると共にこの印字結果計測値入力部25を供給量演算部21に接続している。
まず、供給量演算部21には、インク、凝集剤Aおよび凝集剤Bの供給量に関する情報が入力データとしてオペレータにより入力される。インクの供給量に関する情報としては、印字画像の情報(画素毎の色など)および被印字物Pの情報(素材、厚み、糸の太さなど)などが入力される。また、凝集剤AおよびBに関する情報としては、被印字物Pの情報、インクの情報(種類、濃度、被凝集剤の等電点など)などが入力される。
供給量演算部21は、入力された情報に基づいてインク、凝集剤Aおよび凝集剤Bの供給量をそれぞれ演算し、制御部22に出力する。制御部22は、凝集剤A、インクおよび凝集剤Bの供給量をそれぞれ適当な時点で駆動部23に出力すると、駆動部23は、それぞれの供給量に応じた駆動信号を第1の凝集剤供給装置1、インク供給装置2、インク供給装置2aおよび第2の凝集剤供給装置3にそれぞれ出力し、被印字物Pに凝集剤A、インクおよび凝集剤Bが順次供給される。インク供給装置2aは、例えばインク供給装置2と異なる色のインクを打滴する場合などに使用することができ、被印字物Pを表面と裏面で異なる色に染色することができる。続いて、被印字物Pに固定されたインクが定着装置4により被印字物Pに定着されることで、被印字物Pへの印字が完了する。
被印字物Pに印字された印字画像は、光学センサなどからなる計測装置24および24aにより光学特性が計測され、その計測値が印字結果計測値入力部25に入力されることで被印字物Pに印字した結果がフィードバックされる。供給量演算部21は、印字結果計測値入力部25から入力された計測値に基づいて、目標の発色を実現するようにインク、凝集剤Aおよび凝集剤Bの供給量を補正し、補正されたそれぞれの供給量に応じて駆動部23が第1の凝集剤供給装置1、インク供給装置2および第2の凝集剤供給装置3をそれぞれ駆動し、被印字物Pへの印字が行われる。
本実施の形態によれば、インク、凝集剤Aおよび凝集剤Bの供給量に関する情報を入力するだけで、それぞれ適当な量を自動的に被印字物Pに供給することができる。また、被印字物Pに印字した結果をフィードバックして補正されたインク、凝集剤Aおよび凝集剤Bの供給量に基づき再び被印字物Pに印字するため、初期の供給量が悪い場合、あるいは、インクおよび被印字物Pなどの物性が変化した場合であっても、発色の変動を効果的に抑制することができる。
1 第1の凝集剤供給装置、2,2a インク供給装置、3 第2の凝集剤供給装置、4 定着装置、5,14 乾燥装置、6 発色処理装置、7 洗浄乾燥装置、11 バット、12 絞りローラ、13 ロールコーター、21 供給条件演算部、22 制御部、23 駆動部、24,24a 計測装置、25 印字結果計測値入力部、Y 糸、F 繊維、N インク、P 被印字物。

Claims (10)

  1. 繊維密度が異なる領域を含む被印字物にインクジェット法によりインクを打滴して印字を行う印字方法であって、
    インクジェット法により打滴されるインクを所定の粘度まで上昇させるための第1の凝集剤を予め被印字物に供給し、
    インクジェット法でインクを被印字物に打滴し、
    前記第1の凝集剤と同じ成分からなる第2の凝集剤を被印字物に供給して、前記第1の凝集剤により所定の粘度に上昇されたインクの移動を停止させ
    前記第1の凝集剤は、前記第2の凝集剤の濃度より低い濃度を有することを特徴とする印字方法。
  2. 前記第1の凝集剤および前記第2の凝集剤の供給量の総和は、被印字物に打滴されたインク中の被凝集剤が前記第1の凝集剤および前記第2の凝集剤と反応して等電点を超えるように設定される請求項1に記載の印字方法。
  3. インクが被印字物中へ浸透する距離は、前記第1の凝集剤の供給量により制御される請求項1または2に記載の印字方法。
  4. 前記第1の凝集剤の供給量は、被印字物を構成する糸を所定の距離だけインクが浸透したところで粘度が上昇したインクの移動が抑制されるように設定される請求項3に記載の印字方法。
  5. 前記第1の凝集剤は、ディップ法により供給される請求項1〜4のいずれか一項に記載の印字方法。
  6. 前記第2の凝集剤は、エアースプレー法により供給される請求項1〜5のいずれか一項に記載の印字方法。
  7. インクジェット法により打滴されるインクはアニオン性に荷電されると共に、前記第1の凝集剤および前記第2の凝集剤はカチオン性に荷電される請求項1〜6のいずれか一項に記載の印字方法。
  8. インクジェット法により打滴されるインクはカチオン性に荷電されると共に、前記第1の凝集剤および前記第2の凝集剤はアニオン性に荷電される請求項1〜7のいずれか一項に記載の印字方法。
  9. 被印字物は、複数の繊維から構成される糸による織物または編み物からなり、前記糸の交差頻度が異なる領域を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の印字方法。
  10. 繊維密度が異なる領域を含む被印字物にインクジェット法によりインクを打滴して印字を行う印字装置であって、
    インクジェット法により打滴されるインクを所定の粘度まで上昇させるための第1の凝集剤を予め被印字物に供給する第1の凝集剤供給装置と、
    前記第1の凝集剤供給装置により前記第1の凝集剤が供給された被印字物にインクジェット法でインクを打滴するインク供給装置と、
    前記第1の凝集剤により所定の粘度に上昇されたインクの移動を停止させるための前記第1の凝集剤と同じ成分からなる第2の凝集剤を被印字物に供給する第2の凝集剤供給装置と
    を有し、
    前記第1の凝集剤供給装置は、前記第2の凝集剤の濃度より低い濃度を有する前記第1の凝集剤を供給することを特徴とする印字装置。
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