JP5840169B2 - 配線基板、透明粘着シート、タッチパネル - Google Patents

配線基板、透明粘着シート、タッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、配線基板、透明粘着シート、およびタッチパネルに関する。
近年、様々な分野で、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの表示装置と組み合わせて用いられる入力装置が広く用いられるようになってきている。これらの表示装置や入力装置の製造等においては、光学部材を貼り合わせる用途に粘着シートが用いられている。
画像表示方式のトレンドとしてタッチパネル式のものが注目されており、特に静電容量方式のタッチパネルが普及している。静電容量方式のタッチパネルは、多くの部材を積層させた構成を有しており、部材を貼り合わせる目的で粘着シートが使用されている。例えば、カバーガラス/粘着シート/導電膜/ガラス基板の積層構成を有する静電容量方式のタッチパネルが挙げられる。
粘着シートとしては、例えば、特許文献1では、所定のモノマー成分の共重合体を含む透明粘着シートが開示されており、共重合体のモノマー成分として(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル((E)成分)を含むと白化を防止できる旨が記されている(段落0040)。
特開2011−074308号公報
一方、近年、半導体集積回路やチップ部品等の小型化により、金属配線の微細化が進んでいる。そのため、配線基板中の金属配線の幅および間隔はより狭小化しており(具体的には、金属配線間の距離(間隔)の最小値が50μm未満)、イオンマイグレーションによる回路の断線や、回路間の導通がさらに生じやすくなっている。特に、金属配線を構成する金属としては導電性が高い銀、銅がよく用いられているが、これら金属はイオンマイグレーションが発生しやすいという問題があり、とりわけ銀はこの問題が顕著に表れる。このような状況の下、配線基板中の銀を含む金属配線間の絶縁信頼性のより一層の向上が要求されている。
本発明者は、特許文献1で開示される(E)成分を含む共重合体の透明粘着シートを、金属配線間距離の最小値が50μm未満である金属配線付き基板上に張り付けて、金属配線間の絶縁信頼性について検討を行った。その結果、金属配線間においては配線間抵抗の顕著な低下が確認され、そのイオンマイグレーション抑制効果は昨今要求されるレベルを満たしておらず、さらなる改良が必要であった。
この原因としては、共重合体に(E)成分のような親水性成分が含まれているためと推測される。そこで、このような(E)成分を含まない共重合体を使用すると、白化が進行してしまい、粘着層の透明性が失われてしまう。
つまり、従来技術においては、イオンマイグレーション抑制機能と白化防止とはトレード・オフの関係にあることが多かった。
本発明は、上記実情に鑑みて、銀を含む金属配線間の銀のイオンマイグレーションが抑制され、優れた金属配線間の絶縁信頼性を示すと共に、透明粘着層の白化耐性に優れた配線基板を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記配線基板に使用される透明粘着シートを提供することも目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討を行ったところ、所定の酸化還元電位を示す化合物を含み、所定の環境試験でのヘイズの経時変化が一定範囲内である透明粘着シートを使用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
つまり、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 絶縁基板と、
絶縁基板上に配置された、銀を含む複数の金属配線と、
金属配線と直接接触して金属配線上に配置された透明粘着層とを備える配線基板であって、
隣り合う金属配線間の距離の最小値が50μm未満であり、
透明粘着層には、酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物、および、粘着剤が含有され、
透明粘着層が、後述する環境試験において時間Xが12時間以下を示す透明粘着層である、配線基板。
(2) 化合物が、フェノール化合物を含む、(1)に記載の配線基板。
(3) 化合物が、酸化還元電位が0.50〜1.20Vのフェノール化合物を含む、(1)または(2)に記載の配線基板。
(4) 化合物が、後述する式(1)〜式(3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の配線基板。
(5) 時間Xが6時間未満である、(1)〜(4)のいずれかに記載の配線基板。
(6) 隣り合う金属配線間の距離の最小値が40μm未満である、(1)〜(5)のいずれかに記載の配線基板。
(7) 酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物と粘着剤とを含む透明粘着層を少なくとも有する透明粘着シートであって、
透明粘着層が、後述する環境試験において時間Xが12時間以下を示す透明粘着層である、透明粘着シート。
(8) 化合物が、フェノール化合物を含む、(7)に記載の透明粘着シート。
(9) 化合物が、酸化還元電位が0.50〜1.20Vのフェノール化合物を含む、(7)または(8)に記載の透明粘着シート。
(10) 化合物が、後述する式(1)〜式(3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、(7)〜(9)のいずれかに記載の透明粘着シート。
(11) 時間Xが6時間未満である、(7)〜(10)のいずれかに記載の透明粘着シート。
(12) (1)〜(6)のいずれかに記載の配線基板を含む、タッチパネル。
本発明によれば、銀を含む金属配線間の銀のイオンマイグレーションが抑制され、優れた金属配線間の絶縁信頼性を示すと共に、透明粘着層の白化耐性に優れた配線基板を提供することができる。
また、本発明によれば、上記配線基板に使用される透明粘着シートを提供することもできる。
本発明の配線基板の好適実施態様の模式的断面図である。
以下に、本発明の配線基板および透明粘着シートの好適態様について説明する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
上述したように、本発明においては、所定の酸化還元電位を有する化合物を含み、所定の環境試験でヘイズの経時変化が一定範囲内である透明粘着層を使用することにより、所望の効果が得られることを見出している。酸化還元電位が所定の範囲内にある化合物を使用することにより、透明粘着層中の銀イオンを金属銀に還元することができ、結果としてイオンマイグレーションの発生を抑制することができる。そして、後述する環境試験で所定の特性を示す透明粘着層は、水分と比較的相互作用しやすく、その結果白化が抑制されると共に、化合物の分散性にも優れる。結果として、従来トレード・オフの関係にあったイオンマイグレーション抑制能と耐白化性をより高いレベルで達成することができる。
特に、化合物がフェノール化合物の場合、化合物中の水酸基部分が透明粘着層を構成する材料(粘着剤)と相互作用しやすくなり、透明粘着層中での分散性がより優れる。結果として、イオンマイグレーション抑制能と耐白化性をより高いレベルで達成することができる。
まず、本発明の透明粘着シートの好適態様について詳述する。
透明粘着シートには、酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物、および、粘着剤が含有される透明粘着層が少なくとも含まれる。
以下では、まず、透明粘着層に含まれる各成分について詳述する。
(酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物)
透明粘着シートの透明粘着層には、酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物(以後、適宜還元性化合物とも称する)が含まれる。この還元性化合物はいわゆるマイグレーション抑止剤(マイグレーション防止剤)であり、この還元性化合物が透明粘着層に含まれることにより、透明粘着層中の銀イオンを金属銀に還元することにより、イオンマイグレーションを抑制する。
還元性化合物の酸化還元電位は0.40〜1.30Vであり、なかでもイオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、0.50〜1.20Vが好ましく、0.55〜1.1Vがより好ましく、0.55〜1.0Vがさらに好ましい。
還元性化合物の酸化還元電位が0.40V未満または1.30V超の場合、イオンマイグレーション抑制能に劣る。
なお、本発明に用いられる還元性化合物の酸化還元電位の測定方法は、多くの文献に記載された方法で測定することができるが、本発明においては以下の方法で測定した値を酸化還元電位と定義する。
還元性化合物1mM、支持電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム0.1MのDMF溶液に5分間Arバブリングを行った後、ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−604A)にて、サイクリックボルタンメトリー測定を行う。作用極:Glassy Carbon、対極:Pt、参照電極:飽和カロメル電極を用いたときの酸化還元電位を測定する。
還元性化合物の種類は上記酸化還元電位を満たしていれば特に制限されず、例えば、フェノール化合物、アミン系化合物、硫黄系化合物、リン系化合物などが挙げられる。本発明における還元性化合物は、酸化還元電位が規定の範囲であれば銀が酸化される代わりに酸化されるため、目的の効果が得られる。
なかでも、透明粘着層中での分散性に優れ、イオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、フェノール化合物が好ましい。より詳細には、粘着層は比較的親水性の性質を示すため、粘着層を構成する粘着剤との間でフェノール化合物中の水酸基が相互作用を形成しやすく、粘着剤中でのフェノール化合物の分散性が優れ、結果としてイオンマイグレーション抑制能が向上する。
フェノール化合物の種類としては、上記酸化還元電位を満たしてれば特に制限されず、例えば、DL−α−トコフェロールなどが挙げられる。
(好適態様)
フェノール化合物の好適態様としては、以下の式(1)〜式(3)で表される化合物が挙げられる。該化合物であれば、粘着剤との相溶性により優れ、イオンマイグレーション抑制能により優れる。
11〜R15は、各々独立に、水素原子、水酸基、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
炭化水素基の好適例としては、例えば、−O−R31が挙げられる。R31は、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。−O−R31が複数ある場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。
炭化水素基の炭素数としては、粘着剤との相溶性により優れる点で、1〜12が好ましく、1〜10がより好ましい。
炭化水素基としては、より具体的には、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
また、R11〜R15の各基の分子量の合計は21以上である。なかでも、35以上が好ましい。なお、上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下がさらに好ましい。上記各基の分子量の合計とは、R11〜R15それぞれの基の分子量を計算し、それらを合計した値を意図する。
また、R11〜R15は、任意の2つが互いに結合して環を形成してもよい。例えば、R11とR12、R12とR13、R13とR14、または、R14とR15などのように隣接する2つの基が、各々結合して環を形成してもよい。形成される環の種類は特に制限されないが、例えば、5〜6員環構造を挙げることができる。
炭化水素基中に含まれるヘテロ原子の種類は特に制限されないが、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子などが挙げられる。なかでも、銀のイオンマイグレーション抑制能が優れる点で、−Y1−、−N(Ra)−、−C(=Y2)−、−CON(Rb)−、−C(=Y3)Y4−、−SOt−、−SO2N(Rc)−、ハロゲン原子、またはこれらを組み合わせた基の態様で含まれることが好ましい。
1〜Y4は、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、およびテルル原子からなる群から選択される。なかでも、取り扱いがより簡便である点から、酸素原子、硫黄原子が好ましい。tは、1〜3の整数を表す。
式(1)中、R11およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表すことが好ましい。炭化水素基の炭素数としては、粘着剤との相溶性により優れる点で、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。
酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基としては、より具体的には、酸素原子を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基、酸素原子を含んでいてもよい芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
また、炭化水素基には、酸素原子が含まれていてもよい。酸素原子が含まれる場合は、例えば、−O−、−COO−などの連結基の形で含まれていてもよい。
12およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表すことが好ましい。炭化水素基の炭素数としては、粘着剤との相溶性により優れる点で、2〜9が好ましく、3〜8がより好ましい。
13は、水酸基、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(例えば、−O−Ra)を表すことが好ましい。Raは、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R13およびRaで表される炭化水素基の炭素数は、粘着剤との相溶性により優れる点で、1〜18が好ましく、1〜15がより好ましい。
11〜R15は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。つまり、R11〜R15のうち任意の2つは、互いに結合して環を形成してもよい。例えば、R11とR12、R12とR13、R13とR14、または、R14とR15などのように隣接する2つの基が、それぞれ結合して環を形成してもよい。
形成される環の種類は特に制限されないが、例えば、5〜6員環構造を挙げることができる。
式(2)中、R16〜R23は、各々独立に、水素原子、水酸基、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
16〜R23で表される炭化水素基の好適範囲は、上述したR11〜R15で表される炭化水素基の好適範囲と同義である。
また、R16〜R23の各基の分子量の合計は24以上である。なかでも、35以上が好ましい。なお、上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下がさらに好ましい。また、R16〜R23は、任意の2つが互いに結合して環を形成してもよい。
24は、水素原子またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
式(2)中、R16、R23およびR24は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表すことが好ましい。R16、R23およびR24で表される酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基の好適範囲は、上述したR11およびR15で表される酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基の好適範囲と同義である。
17、R19、20およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表すことが好ましい。R17、R19、20およびR22で表される酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基の好適範囲は、上述したR12およびR14で表される酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基の好適範囲と同義である。
18およびR21は、それぞれ独立に、水酸基、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(例えば、−O−Ra)を表す。Raは、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R18およびR21で表される炭化水素基の好適範囲は、上述したR13およびRaで表される炭化水素基の好適範囲と同義である。
式(3)中、R25〜R28は、各々独立に、水素原子、水酸基、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
25〜R28で表される炭化水素基の好適範囲は、上述したR11〜R15で表される炭化水素基の好適範囲と同義である。
また、R25〜R28の各基の分子量の合計は40以上である。なかでも、50以上が好ましい。なお、上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下がさらに好ましい。
また、R25〜R28は、任意の2つが互いに結合して環を形成してもよい。
Lは、ヘテロ原子を有していてもよい2価若しくは3価の炭化水素基、−S−、または、これらを組み合わせた基を表す。2価の炭化水素基の炭素数は、絶縁樹脂との相溶性により優れる点で、1〜12が好ましく、1〜10がより好ましい。
mは、2または3の整数を表す。
式(3)中、R25〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表すことが好ましい。R25〜R28で表される酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基の好適範囲は、上述したR11およびR15で表される酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基の好適範囲と同義である。
Lは、酸素原子を有していてもよい2価若しくは3価の炭化水素基、−S−、または、これらを組み合わせた基を表すことが好ましい。炭化水素基に含まれる炭素原子の数は特に制限されないが、1〜40が好ましく、2〜20がより好ましい。炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状、または芳香族含む形態のいずれであってもよく、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基が挙げられる。なお、酸素原子は、例えば、−O−、−COO−などの連結基の形で上記炭化水素基に含まれていてもよい。
式(1)中のR13、式(2)中のR18およびR21の好適態様として、式(4)で表される基が挙げられる
式(4) *−CH2−R32
32は、水素原子または炭素数1〜19の炭化水素基を表す。R32で表される炭化水素基の炭素数は、粘着剤との相溶性により優れる点で、1〜15が好ましく、1〜12がより好ましい。*は結合位置を表す。
還元性化合物のなかでも、イオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、式(5)で表される化合物が好適に挙げられる。
式(5)中、R11、R14、R15の定義は、式(1)中の各基の定義と同義である。
式(5)中、R40およびR41は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、酸素原子を含んでもよい脂肪族炭化水素基、酸素原子を含んでもよい芳香族炭化水素基を表す。なかでも、イオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、3級炭素原子あるいは4級炭素原子を含むアルキル基であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基に含まれる炭素原子の数は特に制限されないが、2〜20がより好ましい。特に、R40が炭素原子数1〜5個のアルキル基で、R41が炭素原子数10〜20個のアルキル基であることが好ましい。
11、R15、R40およびR41のうち少なくとも一つに含まれる炭素原子の数が1〜20であることが好ましい。炭素原子の数が上記範囲内であれば、粘着剤への溶解性が向上して、化合物の分散性が向上し、結果として銀のイオンマイグレーション抑制能が向上する。なかでも、炭素原子の数は8〜20が好ましく、10〜18がより好ましい。
また、R11、R15、R40およびR41の各基中に含まれる炭素原子の数の合計は4以上であることが好ましい。炭素原子の合計数が該範囲であれば、銀のイオンマイグレーションが抑制され、金属配線間の絶縁信頼性が向上する。なお、該効果がより優れる点で、合計数は8以上が好ましく、10以上がより好ましい。なお、上限は特に制限されないが、合成がより容易であり、粘着剤への分散性がより優れる点から、合計数は50以下が好ましく、40以下がより好ましい。
(粘着剤)
粘着剤としては特に限定されず、粘着性を示す材料(例えば、粘着性樹脂)であれば公知の材料を使用することができる。例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などの各種の粘着剤を使用できるが、透明性がより優れると共に還元性化合物との相溶性がより優れる点で、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤は、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを主骨格とするアクリル系ポリマーをベースポリマーとする。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素数は1〜12程度が好ましく、アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を例示できる。
透明粘着シートは、透明粘着層のみからなり基材を有しないタイプ(基材レス透明粘着シート)であっても、基材の少なくとも一方の主面に透明粘着層が配置された基材を有するタイプ(基材付き透明粘着シート。例えば、基材の両面に粘着層を有する基材付き透明両面粘着シート、基材の片面にのみ粘着層を有する基材付き透明片面粘着シート)であってもよい。なかでも、粘着シートを用いた製品の薄膜化の観点からは、基材レス透明両面粘着シートが好ましい。
透明粘着シートが基材付き透明粘着シートの場合、使用される基材の種類は特に制限されないが、透明基材を使用することが好ましい。透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。
透明粘着シートに含まれる透明粘着層は、以下の環境試験において時間Xが12時間以下を示す透明粘着層である。なかでも、透明粘着層のイオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、上記時間Xが6時間未満であることが好ましい。
上記時間Xが12時間超の場合、イオンマイグレーション抑制能に劣る。
環境試験としては、まず、上記還元性化合物と所定の粘着剤とを含む透明粘着層(長さ5cm×幅4cm×厚み50μm)をガラス基板上に設け、透明粘着層上にPET基板(50μm)を配置して評価サンプルを作製する。その後、評価サンプルを65℃、95%RHの条件で72時間放置する。その後、評価サンプルを取り出し、23℃、50%RHの環境下で放置する。その際に、評価サンプル中の透明粘着層のヘイズを村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定し、ヘイズが3%以下に達するまでの時間Xを測定する。
透明粘着層中における上記還元性化合物の質量(A)と上記粘着剤の質量(B)との質量比(A/B)は特に制限されないが、粘着層のイオンマイグレーション抑制能と白化耐性がより優れる点で、0.0001〜0.20が好ましく、0.0005〜0.10がより好ましい。
透明粘着シートの全光線透過率は特に制限されないが、80%以上(より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上)であることが好ましい。
なお、全光線透過率は、村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定する。
透明粘着シート中の透明粘着層の厚みは特に制限されず、粘着シートのタッチパネルへの応用の点から、5〜250μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。
透明粘着層の厚みを20μm以上とすることで貼り付ける基板の段差や凹凸をカバーできるという効果が得られ、250μm以下とすることで透明粘着シートの透過率を充分に確保できるという効果が得られる。
上記透明粘着シートは、公知の方法によって製造することができる。例えば、基材レス透明両面粘着シートの場合には、セパレータ(剥離ライナー)上に上記還元性化合物および粘着剤を含む粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように塗布して粘着剤組成物の塗布層を設けた後、該塗布層を乾燥、必要に応じて硬化して、透明粘着層を形成することにより、透明両面粘着シートを作製しうる。
また、基材付き透明両面粘着シートの場合には、上記還元性化合物および粘着剤を含む粘着剤組成物を、基材表面に直接塗布、乾燥することにより透明粘着層を設けてもよいし(直写法)、上記と同様にセパレータ上に上記化合物を含む透明粘着層を形成した後、基材と転写する(貼り合わせる)ことにより基材上に透明粘着層を設けてもよい(転写法)。さらに、セパレータ(剥離ライナー)に塗布したあと、塗布面にセパレータを貼り、紫外線を照射することで硬化してもよい。この場合、光重合開始剤を添加するのが一般的である。
[配線基板]
次に、本発明の配線基板の好適態様について、図面を参照して詳述する。
図1は、配線基板の一実施態様の模式的断面図を示し、配線基板10は、絶縁基板12と、絶縁基板12上に配置された金属配線14と、金属配線14を覆う透明粘着層18とを備える。なお、絶縁基板12と金属配線14とは、金属配線付き絶縁基板16を構成する。
以下に、各部材(絶縁基板12、金属配線14、透明粘着層18)について詳述する。
(絶縁基板)
絶縁基板は、絶縁性であり、金属配線を支持できるものであれば、その種類は特に制限されない。例えば、有機基板、セラミック基板、ガラス基板などを使用することができる。
また、絶縁基板は、有機基板、セラミック基板、およびガラス基板からなる群から選ばれる少なくとも2つの基板が積層した構造であってもよい。
有機基板の材料としては樹脂が挙げられ、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはそれらを混合した樹脂を使用することが好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。
なお、有機基板の材料としては、ガラス織布、ガラス不織布、アラミド織布、アラミド不織布、芳香族ポリアミド織布や、これらに上記樹脂を含浸させた材料なども使用できる。
(金属配線)
金属配線は、主に銀を含む。銀は銀合金の形態で含まれていてもよく、金属配線が銀合金を含む場合、銀以外の含有される金属としては、例えば、錫、パラジウム、金、ニッケル、クロムなどが挙げられる。なお、金属配線中に、本発明の効果を損なわない範囲で、バインダーなどの樹脂成分や感光性化合物などが含まれていてもよく、さらに必要に応じてその他の成分が含まれていてもよい。
また、金属配線は、銀または銀合金からなる金属ナノワイヤを含有することが好ましい。なお、金属ナノワイヤについては、後段で詳述する。
金属配線の形成方法は特に制限されず、蒸着法、スパッタリング法などの物理的成膜法、またはCVD法などの化学的気相法、銀ナノ粒子や銀ナノワイヤを含有した銀ペーストを塗布して形成する方法、特開2009−188360号に開示される銀塩を利用した方法などが挙げられる。
金属配線は絶縁基板上に複数配置され、隣り合う金属配線間の距離(間隔)の最小値は50μm未満である。言い換えれば、隣り合う金属配線間の距離が50μm未満である部分(領域)が少なくとも1か所以上含まれる。金属配線間の距離を上記範囲と設定することにより、より高密度に金属配線が集積された配線基板を製造することができる。なかでも、金属配線の集積度をより高める点からは、隣り合う金属配線間の距離(間隔)の最小値は40μm未満であることが好ましい。
また、金属配線間の距離は、最小値が上記範囲を満たしていればよく、50μm以上の距離(間隔)があってもよい。
金属配線間の平均間隔は特に制限されないが、配線基板の高集積化の点から、0.1〜60μmがさらに好ましく、0.2〜50μmが特に好ましい。なお、ここで平均間隔とは、任意の位置の金属配線間の間隔を20箇所以上測定して、それらを算術平均した値である。
金属配線の単位面積当たりに含まれる銀量は、50μg/mm2以下であることが好ましい。銀量を上記範囲にすることにより、金属配線の膜厚および幅を小さくすることが可能となり、高密度集積化の要望に対応することができる。なかでも、銀量は30μg/mm2以下であることが好ましく、15μg/mm2以下であることがより好ましい。下限に関しては特に制限されないが、金属配線の導電特性がより優れる点で、0.001μg/mm2以上が好ましく、0.005μg/mm2以上がより好ましい。
なお、金属配線中に含まれる銀量が少ない場合にイオンマイグレーションが起こると、金属配線を形成していた銀が溶出することによって、金属配線の断線が生じやすくなる。しかし、本発明においては、所定の還元性化合物を含む透明樹脂層で金属配線を覆うことにより、銀のイオンマイグレーションを抑制し、金属配線の断線を抑制することができる。
銀量の測定方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、金属配線の断面SEM写真を観察して元素分析することにより銀量を測定することができる。また、金属配線を硝酸などの強酸と接触させて、金属配線中の銀を溶解させ、溶解した量から銀量を測定することもできる。また、銀ナノワイヤや銀ナノ粒子を含む分散液を使用して金属配線を作製する場合は、金属配線を作製する際に使用した分散液の量から、金属配線中における銀量を計算により求めることもできる。
また、金属配線の単位面積当たりとは、言い換えると、金属配線の絶縁基板との接触部分の単位面積当たりを意味する。つまり、金属配線と絶縁基板との接触部分の面積のみを基準に銀量の計算を行う。言い換えると、金属配線と接触していない絶縁基板表面(例えば、金属配線間に位置する、金属配線と接触していない絶縁基板表面)の面積は、上記金属配線の単位面積当たりの計算には考慮にいれない。従って、金属配線の単位面積当たりに含まれる銀量とは、金属配線と絶縁基板との接触部分における単位面積あたり(mm2)に含まれる銀量を意味する。
金属配線の幅は特に制限されないが、配線基板の高集積化部および引き出し配線部(リード配線部)における電気信頼性を確保する点から、0.1〜10000μmが好ましく、0.1〜300μmがより好ましく、0.1〜100μmがさらに好ましく、0.2〜50μmが特に好ましい。
また、金属配線の形状は特に制限されず、任意の形状であってもよい。例えば、直線状、曲線状、矩形状、円状などが挙げられる。また、金属配線の配置(パターン)は特に制限あれず、例えば、ストライプ状が挙げられる。
さらに、図1において金属配線14は2つ設けられているが、その数は特に制限されない。通常、金属配線は複数設けられる。
金属配線の厚みは特に制限されないが、配線基板の高集積化の点から、0.001〜100μmが好ましく、0.01〜30μmがより好ましく、0.01〜20μmがさらに好ましい。
図1においては、金属配線14は、絶縁基板12の片面だけに設けられているが、両面に設けられていてもよい。つまり、金属配線付き絶縁基板16は、片面基板であっても、両面基板であってもよい。金属配線14が絶縁基板12の両面にある場合、透明粘着層18も両面に設けてもよい。
また、図1では、金属配線14が一層の配線構造を例にあげたが、もちろんこれに限定されない。例えば、複数の金属配線と絶縁基板とを交互に積層した金属配線付き絶縁基板(多層配線基板)を使用することにより、多層配線構造の配線基板としてもよい。
また、絶縁基板中にスルーホールが形成されていてもよい。絶縁基板の両面に金属配線が設けられる場合は、該スルーホール内に金属(例えば、銀または銀合金)が充填されることにより、両面の金属配線が導通されていてもよい。
(金属ナノワイヤ)
金属ナノワイヤは、銀または銀合金から構成される。銀合金の種類は、上述の通りである。
金属ナノワイヤとは、導電性を有し、且つ長軸方向長さが直径(短軸方向長さ)に比べて十分に長い形状を持つものをいう。中実繊維であっても、中空繊維であってもよい。
金属ナノワイヤの材料は、導電性に優れる点で、銀、または、銀と他の金属との合金が特に好ましい。銀との合金で使用する他の金属としては、白金、オスミウム、パラジウム、イリジウム、錫、ビスマス、ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
金属ナノワイヤの平均短軸長さ(「平均短軸径」と称することがある)としては、5〜50nmであり、5〜25nmがより好ましく、さらに5〜20nmが特に好ましい。
平均短軸径が5nm以上とすることで、耐酸化性を向上させられるため好ましく、平均短軸径を50nm以下とすることで、金属ナノワイヤの散乱を低減できるため好ましい。特に、平均短軸長さを25nm以下にすることより、金属ナノワイヤの散乱は大きく低減でき、より好ましい。
金属ナノワイヤの平均短軸径は、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤの短軸径を観察し、その平均値から金属ナノワイヤの平均短軸径を求める。なお、金属ナノワイヤの断面が円形でない場合の短軸径は、最も長いものを短軸径とする。
金属ナノワイヤの平均長軸長さ(「平均長軸径」と称することがある)としては、5μm以上が好ましく、5μm〜40μmがより好ましく、5μm〜30μmがさらに好ましい。
平均長軸径を5μm以上とすることで金属ナノワイヤ同士が接触して導電性ネットワーク形成しやすくなるため好ましく、40μm以下とすることで金属ナノワイヤ同士が製造時に絡まる可能性が低くなるため好ましい。
金属ナノワイヤの平均長軸径は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤの長軸径を観察し、その平均値から金属ナノワイヤの平均長軸径を求める。なお、金属ナノワイヤが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、および、曲率から算出される値を長軸径とする。
金属ナノワイヤの製造方法は特に制限はなく、いかなる方法で作製してもよいが、ハロゲン化合物と分散剤を溶解した溶媒中で金属イオンを還元することによって製造することが好ましい。また、金属ナノワイヤを形成した後は、常法により脱塩処理を行うことが、分散性、導電膜の経時安定性の観点から好ましい。
また、金属ナノワイヤの製造方法としては、特開2009−215594号公報、特開2009−242880号公報、特開2009−299162号公報、特開2010−84173号公報、特開2010−86714号公報、特表2009−505358号公報などに記載の方法を用いることができる。
金属ナノワイヤのアスペクト比としては目的に応じて適宜選択することができるが、10以上であれば特に制限なく、50以上がより好ましく、100以上がさらに好ましく、5000以上がさらに好ましく、10,000から100,000が特に好ましい。アスペクト比とは、一般的には繊維状の物質の長辺と短辺との比(平均長軸径/平均短軸径の比)を意味する。
アスペクト比の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子顕微鏡等により測定する方法などが挙げられる。
金属ナノワイヤのアスペクト比を電子顕微鏡で測定する場合、電子顕微鏡の1視野で確認できればよい。また、金属ナノワイヤの平均長軸径と平均短軸径とを各々別に測定することによって、金属ナノワイヤ全体のアスペクト比を見積もることができる。
なお、金属ナノワイヤがチューブ状の場合には、アスペクト比を算出するための直径としては、該チューブの外径を用いる。
(透明粘着層)
透明粘着層は、金属配線付き絶縁基板の金属配線側の表面に配置され、金属配線表面を覆い、金属配線間の銀のイオンマイグレーションを抑制するための層である。言い換えれば、透明粘着層は銀イオン拡散抑制層に該当する。
なお、透明粘着層中には、銀イオンまたは金属銀が実質的に含まれていないことが好ましい。透明粘着層に過剰の銀イオンまたは金属銀が含まれていると、イオンマイグレーション抑制効果が低下する場合がある。
なお、銀イオンまたは金属銀が実質的に含まれないとは、透明粘着層中における銀イオンまたは金属銀の含有量が、1μmol/l以下であることを指し、0.1μmol/l以下であることがより好ましく、最も好ましくは0mol/lである。
透明粘着層には、上述した還元性化合物および粘着剤が含有される。それぞれの成分の定義は、上述の通りである。また、透明粘着層中における還元性化合物と粘着剤との質量比は、上述した透明粘着シート中における還元性化合物と粘着剤との質量比と同義であり、好適態様も同義である。
透明粘着層の厚みは特に制限されないが、イオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、5〜1000μmが好ましく、10〜500μmがより好ましい。
透明粘着層の全光線透過率は特に制限されないが、80%以上(より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上)であることが好ましい。
なお、全光線透過率は、村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定する。
透明粘着層の製造方法は特に制限されず、例えば、還元性化合物および粘着剤を含む粘着層形成用組成物を金属配線付き絶縁基板上に塗布して、必要に応じて溶媒を除去して、透明粘着層を形成する方法がある。また、還元性化合物および粘着剤を含む透明粘着シートを直接金属配線付き絶縁基板上に積層(貼り付け)する方法も挙げられる。
必要に応じて、上記で得られた配線基板の透明粘着層の表面にさらに絶縁層を設けてもよい。樹脂層上にさらに絶縁層を設けることにより、該絶縁層上にさらに金属配線を設けて多層配線基板とすることができる。
配線基板は、金属配線間のイオンマイグレーションをより抑制できる点から、例えば、タッチパネル、ディスプレイ用電極、電磁波シールド、有機または無機ELディスプレイ用電極、電子パーパー、フレキシブルディスプレイ用電極、集積型太陽電池、表示素子、その他の各種デバイスなどに幅広く適用される。これらの中でも、タッチパネルが特に好ましい。つまり、配線基板は、タッチパネル用に使用されることが好ましい。より具体的には、上記配線基板中の金属配線が、タッチパネル電極部に接続された引き出し配線となる態様が好ましく挙げられる。なお、タッチパネル電極部とは、例えば、静電容量式のタッチパネルにおいては、静電容量の変化を感知するセンシング電極部のことを意味する。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1:透明両面粘着シートS−1の製造)
アクリル共重合体の調製攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部と、イソボルニルアクリレート25質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部と、アクリル酸2質量部とを酢酸エチル100質量部に溶解し、窒素置換後に内温70℃までに加温した。
この反応液に2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部と酢酸エチル10部とを予め溶解させた溶液をゆっくり滴下しながら、3時間攪拌した。その後さらに内温80℃に加温し、2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部と酢酸エチル10部とを予め溶解させた溶液をゆっくり滴下しながら、3時間攪拌して質量平均分子量40万のアクリル共重合体(P−1)を得た。
次に、上記アクリル共重合体(P−1)と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製コロネートL−45、固形分45%)0.7重量部を添加し、5分間攪拌した。これにDL−α−トコフェロール(酸化還元電位0.56V)を酢酸エチル/トルエン混合溶剤(酢酸エチル/トルエン=1/1)に溶解した溶液を添加し、5分間攪拌して、アクリル共重合体固形分100質量部に対してDL−α−トコフェロール0.5質量部の粘着剤組成物を得た。
上記粘着剤組成物を、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ50μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmになるように塗工して、75℃で5分間乾燥した。得られた粘着シートと、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ38μmのPETフィルムを貼り合わせた。その後23℃で5日間熟成し厚さ50μmの透明両面粘着シート(基材レス粘着シート)S−1を得た。
(合成例2:透明両面粘着シートS−2の製造)
2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を15質量部から20質量部に、アクリル酸の使用量を2質量部から0質量部に変更した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−2を製造した。
(合成例3:透明両面粘着シートS−3の製造)
2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を15質量部から25質量部に、アクリル酸の使用量を2質量部から0質量部に変更した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−3を製造した。
(合成例4:透明両面粘着シートS−4の製造)
2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を15質量部から30質量部に、アクリル酸の使用量を2質量部から0質量部に変更した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−4を製造した。
(合成例5:透明両面粘着シートS−5の製造)
2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を15質量部から25質量部に変更し、さらに、モノマーとしてメチルアクリレート25質量部およびブチルアクリレート25質量部を追加してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−5を製造した。
(合成例6:透明両面粘着シートS−6の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例5と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−7を製造した。
(合成例7:透明両面粘着シートS−7の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例5と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−7を製造した。
(合成例8:透明両面粘着シートS−8の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−8を製造した。
(合成例9:透明両面粘着シートS−9の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例2と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−9を製造した。
(合成例10:透明両面粘着シートS−10の製造)
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、メチルアクリレート30質量部と、ブチルアクリレート70質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート8質量部と、アクリル酸2質量部を使用してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−10を製造した。
(合成例11:透明両面粘着シートS−11の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例10と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−11を製造した。
(合成例12:透明両面粘着シートS−12の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例10と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−12を製造した。
(合成例13:透明両面粘着シートS−13の製造)
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、ブチルアクリレート75質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部とを使用してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−13を製造した。
(合成例14:透明両面粘着シートS−14の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例13と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−14を製造した。
(合成例15:透明両面粘着シートS−15の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例13と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−15を製造した。
(合成例16:透明両面粘着シートS−16の製造)
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、ブチルアクリレート75質量部と、2−エチルヘキシルアクリレート15質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート6質量部と、アクリル酸1.5質量部とを使用してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−16を製造した。
(合成例17:透明両面粘着シートS−17の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例16と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−17を製造した。
(合成例18:透明両面粘着シートS−18の製造)
反応容器中で、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部と、イソボルニルアクリレート25質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部と、アクリル酸2質量部と、重合開始剤としてイルガキュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.05質量部とを混合し、窒素置換後、低圧水銀ランプで7分間紫外線を照射し、粘度2000mPa・s程度の粘着剤組成物を得た。このあと、粘着剤組成物にDL−α−トコフェロール(酸化還元電位0.56V)を酢酸エチル/トルエン混合溶剤(酢酸エチル/トルエン=1/1)に溶解した溶液を添加した。このとき、粘着剤固形成分100質量部に対してDL−α−トコフェロールが0.5質量部になるように添加した。
得られた粘着剤組成物を厚さ50μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、溶剤を乾燥させた。得られた粘着シートと、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ38μmのPETフィルムを貼り合わせ、両面から低圧水銀ランプを5分間照射し、透明両面粘着シートS−18を得た。
(合成例19:透明両面粘着シートS−19の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例18と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−19を製造した。
(合成例20:透明両面粘着シートS−20の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例18と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−20を製造した。
(合成例21:透明両面粘着シートS−21の製造)
反応容器に、ブチルアクリレート56質量部、シクロヘキシルアクリレート13質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート23質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8質量部と、イルガキュア651(0.05質量部)とを投入したあと窒素雰囲気下で攪拌しながら紫外線を照射した。
これにコロネートL55EおよびDL−α−トコフェロールを、粘着剤固形成分100質量部に対して、それぞれ0.1質量部および0.5質量部添加した後、攪拌し、粘着剤組成物を得た。
上記粘着剤組成物を厚さ50μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、溶剤を乾燥させた。得られた粘着シートと、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ38μmのPETフィルムを貼り合わせ、両面から低圧水銀ランプを5分間照射し、透明両面粘着シートS−21を得た。
(合成例22:透明両面粘着シートS−22の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例21と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−22を製造した。
(合成例23:透明両面粘着シートS−23の製造)
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例21と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−23を製造した。
(合成例24:透明両面粘着シートS−24の製造)
化合物Bの含有量を0.5質量部から0.1質量部にした以外は、実施例6と同様に透明両面粘着シートS−24を製造した。
(合成例25:透明両面粘着シートS−25の製造)
化合物Bの含有量を0.5質量部から1.0質量部にした以外は、実施例6と同様に透明両面粘着シートS−25を製造した。
(合成例26:透明両面粘着シートS−26の製造)
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−26を製造した。
(合成例27:透明両面粘着シートS−27の製造)
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例2と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−27を製造した。
(合成例28:透明両面粘着シートS−28の製造)
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例3と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−28を製造した。
(合成例29:透明両面粘着シートS−29の製造)
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例4と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−29を製造した。
(合成例30:透明両面粘着シートS−30の製造)
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例5と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−30を製造した。
(合成例31:透明両面粘着シートS−31の製造)
DL−α−トコフェロールの代わりに化合物D(酸化還元電位0.17V)を使用した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−31を製造した。
(合成例32:透明両面粘着シートS−32の製造)
DL−α−トコフェロールの代わりに化合物E(酸化還元電位1.39V)を使用した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−32を製造した。
(合成例33:透明両面粘着シートS−33の製造)
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例10と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−33を製造した。
(合成例34:透明両面粘着シートS−34の製造)
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例13と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−34を製造した。
(合成例35:透明両面粘着シートS−35の製造)
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例16と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−35を製造した。
(合成例36:透明両面粘着シートS−36の製造)
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、ブチルアクリレート60質量部と、2−エチルヘキシルアクリレート25質量部、メチルメタクリレート15質量部とを使用してアクリル共重合体の重合を行い、DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−36を製造した。
(合成例37:透明両面粘着シートS−37の製造)
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、ブチルアクリレート60質量部と、2−エチルヘキシルアクリレート25質量部、メチルメタクリレート15質量部とを使用してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−37を製造した。
(合成例38:透明両面粘着シートS−38の製造)
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例21と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−38を製造した。
<実施例1>
PET基板上に、スクリーン印刷法により、銀ペースト(アサヒ化学研究所製 LS−450−7HL)を用いて、L/S=40μm/40μmのストライプ状の銀配線パターンを形成した。その後130℃で30分加熱処理を行い、銀配線を硬化させることで、銀配線を備える金属配線付き絶縁基板を製造した。
(配線基板の製造)
得られた金属配線付き絶縁基板上に、透明両面粘着シートS−1の一方の片面上の剥離フィルムを剥がして、粘着性を示す一方の表面を積層面として貼り合せて、さらに透明両面粘着シートの他方の片面上の剥離フィルムを剥がして、粘着性を示す他方の表面上にPETフィルム(膜厚:50μm)を貼り合せて配線基板を得た。その後、得られた配線基板を45℃、0.5MPaの条件下で20分オートクレープ処理を行った。これにより配線基板T−1を得た。
得られた配線基板T−1に関して、以下の寿命測定を行った。
(評価方法(寿命延長効果評価))
得られた配線基板T−1を用いて、湿度85%、温度85度、圧力1.0atm、電圧15Vの条件で寿命測定(使用装置:エスペック(株)社製、EHS−221MD)を行った。銀配線間の抵抗値が1×105Ωを下回るまでの時間Xを測定し、以下の基準に従って評価した。実用上、AまたはBであることが必要である。
「A」:時間Xが40時間以上
「B」:時間Xが30時間以上40時間未満
「C」:時間Xが30時間未満
実施例1で得られた配線基板の結果を、表1に示す。
(環境試験(白化評価))
透明両面粘着シートS−1〜S−38を所定の大きさ(長さ5cm×幅4cm×厚み50μm)に切断し、一方の片面上の剥離フィルムを剥がして、粘着性を示す一方の表面を積層面としてガラス基板に貼り合せて、さらに透明両面粘着シートの他方の片面上の剥離フィルムを剥がし、PET基板(厚み:50μm)を貼り付けて、評価用サンプルを作製した。
評価用サンプルを65℃、95%RHの条件で72時間放置した。その後、評価用サンプルを23℃、50%RHの条件に放置した際に、評価用サンプル中の透明粘着層のヘイズが3%以下に達するまでの時間を測定し、以下の基準に従って評価した。実用上、AまたはBであれば、耐白化性に優れる。
「A」:時間Xが6時間未満
「B」:時間Xが6時間以上12時間以下
「C」:時間Xが12時間超
なお、ヘイズは、村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定した。
<実施例2〜25、および、比較例1〜15>
表1に示すように、透明両面粘着シートS−1の代わりに上述した透明両面粘着シートS−2〜S−38を用いて、実施例1と同様の手順で配線基板を製造し、寿命延長効果測定および環境試験を行った。結果を表1にまとめて示す。
<実施例26>
L/Sを30μm/30μmにした以外は、実施例6と同じように配線基板を作成し、実施例1と同一の寿命測定を行った。
表1中、「アクリル共重合体のモノマー成分」欄の各成分欄中の数値は、質量部を表す。
表1中、「化合物」欄の含有量欄中の数値は、質量部を表す。
表1の結果より、本発明の態様に該当する実施例1〜26においては、白化評価および寿命延長効果評価において優れた結果が得られた。
一方、所定の酸化還元電子を示さない化合物を使用していない、または、透明粘着層が所定の特性を示さない比較例1〜15においては、白化評価および寿命延長効果評価の少なくとも一方の評価が劣っていた。
10,100 配線基板
12,12a,12b 絶縁基板
14,14a,14b 金属配線
16,16b 金属配線付き絶縁基板
18 透明粘着層

Claims (10)

  1. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板上に配置された、銀を含む複数の金属配線と、
    前記金属配線と直接接触して前記金属配線上に配置された透明粘着層とを備える配線基板であって、
    隣り合う前記金属配線間の距離の最小値が50μm未満であり、
    前記透明粘着層には、酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物、および、粘着剤が含有され、
    前記透明粘着層が、以下環境試験において時間Xが12時間以下を示す透明粘着層である、配線基板であって、
    前記化合物が、式(1)で表される化合物、または、式(3)で表される化合物を含み、
    前記粘着剤が、アクリル系粘着剤であり、
    前記化合物の質量(A)と前記粘着剤の質量(B)との質量比(A/B)が、0.0001〜0.20である、配線基板。
    (式(1)中、R 11 〜R 15 は、各々独立に、水素原子、水酸基、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。なお、R 11 〜R 15 の各基の分子量の合計は21以上である。また、R 11 〜R 15 は、各々互いに結合して環を形成してもよい。
    式(3)中、R 25 〜R 28 は、各々独立に、水素原子、水酸基、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。なお、R 25 〜R 28 の各基の分子量の合計は40以上である。また、R 25 〜R 28 は、各々互いに結合して環を形成してもよい。Lは、ヘテロ原子を有していてもよい2価若しくは3価の炭化水素基、−S−、または、これらを組み合わせた基を表す。mは、2または3の整数を表す。)
    (環境試験は、前記透明粘着層(長さ5cm×幅4cm×厚み50μm)を基板上に配置し、前記透明粘着層上にPET基板(厚み50μm)をさらに配置して評価用サンプルを作製し、前記評価用サンプルを65℃、95%RHの条件で72時間放置し、その後、評価用サンプルを23℃、50%RHの環境下で放置して、前記透明粘着層のヘイズが3%に達するまでの時間Xを測定する。)
  2. 前記アクリル系粘着剤が、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを含むアクリル系ポリマーを含み、
    前記アルキル(メタ)アクリレートが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、または、2−エチルへキシル(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記アクリル系ポリマーが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、および、アクリル酸からなる群から選択されるモノマーのユニットを含む、請求項2に記載の配線基板。
  4. 前記時間Xが6時間未満である、請求項1〜のいずれか1項に記載の配線基板。
  5. 隣り合う前記金属配線間の距離の最小値が40μm未満である、請求項1〜のいずれか1項に記載の配線基板。
  6. 酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物と粘着剤とを含む透明粘着層を少なくとも有する透明粘着シートであって、
    前記透明粘着層が、以下環境試験において時間Xが12時間以下を示す透明粘着層であり、
    前記化合物が、式(1)で表される化合物、または、式(3)で表される化合物を含み、
    前記粘着剤が、アクリル系粘着剤であり、
    前記化合物の質量(A)と前記粘着剤の質量(B)との質量比(A/B)が、0.0001〜0.20である、透明粘着シート。
    (式(1)中、R 11 〜R 15 は、各々独立に、水素原子、水酸基、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。なお、R 11 〜R 15 の各基の分子量の合計は21以上である。また、R 11 〜R 15 は、各々互いに結合して環を形成してもよい。
    式(3)中、R 25 〜R 28 は、各々独立に、水素原子、水酸基、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。なお、R 25 〜R 28 の各基の分子量の合計は40以上である。また、R 25 〜R 28 は、各々互いに結合して環を形成してもよい。Lは、ヘテロ原子を有していてもよい2価若しくは3価の炭化水素基、−S−、または、これらを組み合わせた基を表す。mは、2または3の整数を表す。)
    (環境試験は、前記透明粘着層(長さ5cm×幅4cm×厚み50μm)を基板上に配置し、前記透明粘着層上にPET基板(厚み50μm)をさらに配置して評価用サンプルを作製し、前記評価用サンプルを65℃、95%RHの条件で72時間放置し、その後、評価用サンプルを23℃、50%RHの環境下で放置して、前記透明粘着層のヘイズが3%に達するまでの時間Xを測定する。)
  7. 前記アクリル系粘着剤が、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを含むアクリル系ポリマーを含み、
    前記アルキル(メタ)アクリレートが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、または、2−エチルへキシル(メタ)アクリレートを含む、請求項6に記載の透明粘着シート。
  8. 前記アクリル系ポリマーが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、および、アクリル酸からなる群から選択されるモノマーのユニットを含む、請求項7に記載の透明粘着シート。
  9. 時間Xが6時間未満である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の透明粘着シート。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の配線基板を含む、タッチパネル。
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