JP5840169B2 - 配線基板、透明粘着シート、タッチパネル - Google Patents
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Description
画像表示方式のトレンドとしてタッチパネル式のものが注目されており、特に静電容量方式のタッチパネルが普及している。静電容量方式のタッチパネルは、多くの部材を積層させた構成を有しており、部材を貼り合わせる目的で粘着シートが使用されている。例えば、カバーガラス/粘着シート/導電膜/ガラス基板の積層構成を有する静電容量方式のタッチパネルが挙げられる。
本発明者は、特許文献1で開示される(E)成分を含む共重合体の透明粘着シートを、金属配線間距離の最小値が50μm未満である金属配線付き基板上に張り付けて、金属配線間の絶縁信頼性について検討を行った。その結果、金属配線間においては配線間抵抗の顕著な低下が確認され、そのイオンマイグレーション抑制効果は昨今要求されるレベルを満たしておらず、さらなる改良が必要であった。
この原因としては、共重合体に(E)成分のような親水性成分が含まれているためと推測される。そこで、このような(E)成分を含まない共重合体を使用すると、白化が進行してしまい、粘着層の透明性が失われてしまう。
つまり、従来技術においては、イオンマイグレーション抑制機能と白化防止とはトレード・オフの関係にあることが多かった。
また、本発明は、上記配線基板に使用される透明粘着シートを提供することも目的とする。
つまり、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
絶縁基板上に配置された、銀を含む複数の金属配線と、
金属配線と直接接触して金属配線上に配置された透明粘着層とを備える配線基板であって、
隣り合う金属配線間の距離の最小値が50μm未満であり、
透明粘着層には、酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物、および、粘着剤が含有され、
透明粘着層が、後述する環境試験において時間Xが12時間以下を示す透明粘着層である、配線基板。
(2) 化合物が、フェノール化合物を含む、(1)に記載の配線基板。
(3) 化合物が、酸化還元電位が0.50〜1.20Vのフェノール化合物を含む、(1)または(2)に記載の配線基板。
(4) 化合物が、後述する式(1)〜式(3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の配線基板。
(5) 時間Xが6時間未満である、(1)〜(4)のいずれかに記載の配線基板。
(6) 隣り合う金属配線間の距離の最小値が40μm未満である、(1)〜(5)のいずれかに記載の配線基板。
透明粘着層が、後述する環境試験において時間Xが12時間以下を示す透明粘着層である、透明粘着シート。
(8) 化合物が、フェノール化合物を含む、(7)に記載の透明粘着シート。
(9) 化合物が、酸化還元電位が0.50〜1.20Vのフェノール化合物を含む、(7)または(8)に記載の透明粘着シート。
(10) 化合物が、後述する式(1)〜式(3)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、(7)〜(9)のいずれかに記載の透明粘着シート。
(11) 時間Xが6時間未満である、(7)〜(10)のいずれかに記載の透明粘着シート。
(12) (1)〜(6)のいずれかに記載の配線基板を含む、タッチパネル。
また、本発明によれば、上記配線基板に使用される透明粘着シートを提供することもできる。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
上述したように、本発明においては、所定の酸化還元電位を有する化合物を含み、所定の環境試験でヘイズの経時変化が一定範囲内である透明粘着層を使用することにより、所望の効果が得られることを見出している。酸化還元電位が所定の範囲内にある化合物を使用することにより、透明粘着層中の銀イオンを金属銀に還元することができ、結果としてイオンマイグレーションの発生を抑制することができる。そして、後述する環境試験で所定の特性を示す透明粘着層は、水分と比較的相互作用しやすく、その結果白化が抑制されると共に、化合物の分散性にも優れる。結果として、従来トレード・オフの関係にあったイオンマイグレーション抑制能と耐白化性をより高いレベルで達成することができる。
特に、化合物がフェノール化合物の場合、化合物中の水酸基部分が透明粘着層を構成する材料(粘着剤)と相互作用しやすくなり、透明粘着層中での分散性がより優れる。結果として、イオンマイグレーション抑制能と耐白化性をより高いレベルで達成することができる。
透明粘着シートには、酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物、および、粘着剤が含有される透明粘着層が少なくとも含まれる。
以下では、まず、透明粘着層に含まれる各成分について詳述する。
透明粘着シートの透明粘着層には、酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物(以後、適宜還元性化合物とも称する)が含まれる。この還元性化合物はいわゆるマイグレーション抑止剤(マイグレーション防止剤)であり、この還元性化合物が透明粘着層に含まれることにより、透明粘着層中の銀イオンを金属銀に還元することにより、イオンマイグレーションを抑制する。
還元性化合物の酸化還元電位は0.40〜1.30Vであり、なかでもイオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、0.50〜1.20Vが好ましく、0.55〜1.1Vがより好ましく、0.55〜1.0Vがさらに好ましい。
還元性化合物の酸化還元電位が0.40V未満または1.30V超の場合、イオンマイグレーション抑制能に劣る。
なお、本発明に用いられる還元性化合物の酸化還元電位の測定方法は、多くの文献に記載された方法で測定することができるが、本発明においては以下の方法で測定した値を酸化還元電位と定義する。
還元性化合物1mM、支持電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム0.1MのDMF溶液に5分間Arバブリングを行った後、ポテンショスタット(ビー・エー・エス株式会社 ALS−604A)にて、サイクリックボルタンメトリー測定を行う。作用極:Glassy Carbon、対極:Pt、参照電極:飽和カロメル電極を用いたときの酸化還元電位を測定する。
なかでも、透明粘着層中での分散性に優れ、イオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、フェノール化合物が好ましい。より詳細には、粘着層は比較的親水性の性質を示すため、粘着層を構成する粘着剤との間でフェノール化合物中の水酸基が相互作用を形成しやすく、粘着剤中でのフェノール化合物の分散性が優れ、結果としてイオンマイグレーション抑制能が向上する。
フェノール化合物の好適態様としては、以下の式(1)〜式(3)で表される化合物が挙げられる。該化合物であれば、粘着剤との相溶性により優れ、イオンマイグレーション抑制能により優れる。
炭化水素基の好適例としては、例えば、−O−R31が挙げられる。R31は、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。−O−R31が複数ある場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。
炭化水素基の炭素数としては、粘着剤との相溶性により優れる点で、1〜12が好ましく、1〜10がより好ましい。
炭化水素基としては、より具体的には、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
また、R11〜R15の各基の分子量の合計は21以上である。なかでも、35以上が好ましい。なお、上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下がさらに好ましい。上記各基の分子量の合計とは、R11〜R15それぞれの基の分子量を計算し、それらを合計した値を意図する。
また、R11〜R15は、任意の2つが互いに結合して環を形成してもよい。例えば、R11とR12、R12とR13、R13とR14、または、R14とR15などのように隣接する2つの基が、各々結合して環を形成してもよい。形成される環の種類は特に制限されないが、例えば、5〜6員環構造を挙げることができる。
Y1〜Y4は、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、およびテルル原子からなる群から選択される。なかでも、取り扱いがより簡便である点から、酸素原子、硫黄原子が好ましい。tは、1〜3の整数を表す。
酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基としては、より具体的には、酸素原子を含んでいてもよい脂肪族炭化水素基、酸素原子を含んでいてもよい芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
また、炭化水素基には、酸素原子が含まれていてもよい。酸素原子が含まれる場合は、例えば、−O−、−COO−などの連結基の形で含まれていてもよい。
R12およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表すことが好ましい。炭化水素基の炭素数としては、粘着剤との相溶性により優れる点で、2〜9が好ましく、3〜8がより好ましい。
R13は、水酸基、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(例えば、−O−Ra)を表すことが好ましい。Raは、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R13およびRaで表される炭化水素基の炭素数は、粘着剤との相溶性により優れる点で、1〜18が好ましく、1〜15がより好ましい。
R11〜R15は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。つまり、R11〜R15のうち任意の2つは、互いに結合して環を形成してもよい。例えば、R11とR12、R12とR13、R13とR14、または、R14とR15などのように隣接する2つの基が、それぞれ結合して環を形成してもよい。
形成される環の種類は特に制限されないが、例えば、5〜6員環構造を挙げることができる。
R16〜R23で表される炭化水素基の好適範囲は、上述したR11〜R15で表される炭化水素基の好適範囲と同義である。
また、R16〜R23の各基の分子量の合計は24以上である。なかでも、35以上が好ましい。なお、上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下がさらに好ましい。また、R16〜R23は、任意の2つが互いに結合して環を形成してもよい。
R24は、水素原子またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
R17、R19、R20およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表すことが好ましい。R17、R19、R20およびR22で表される酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基の好適範囲は、上述したR12およびR14で表される酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基の好適範囲と同義である。
R18およびR21は、それぞれ独立に、水酸基、または、酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基(例えば、−O−Ra)を表す。Raは、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R18およびR21で表される炭化水素基の好適範囲は、上述したR13およびRaで表される炭化水素基の好適範囲と同義である。
R25〜R28で表される炭化水素基の好適範囲は、上述したR11〜R15で表される炭化水素基の好適範囲と同義である。
また、R25〜R28の各基の分子量の合計は40以上である。なかでも、50以上が好ましい。なお、上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下がさらに好ましい。
また、R25〜R28は、任意の2つが互いに結合して環を形成してもよい。
Lは、ヘテロ原子を有していてもよい2価若しくは3価の炭化水素基、−S−、または、これらを組み合わせた基を表す。2価の炭化水素基の炭素数は、絶縁樹脂との相溶性により優れる点で、1〜12が好ましく、1〜10がより好ましい。
mは、2または3の整数を表す。
Lは、酸素原子を有していてもよい2価若しくは3価の炭化水素基、−S−、または、これらを組み合わせた基を表すことが好ましい。炭化水素基に含まれる炭素原子の数は特に制限されないが、1〜40が好ましく、2〜20がより好ましい。炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状、または芳香族含む形態のいずれであってもよく、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基が挙げられる。なお、酸素原子は、例えば、−O−、−COO−などの連結基の形で上記炭化水素基に含まれていてもよい。
式(4) *−CH2−R32
R32は、水素原子または炭素数1〜19の炭化水素基を表す。R32で表される炭化水素基の炭素数は、粘着剤との相溶性により優れる点で、1〜15が好ましく、1〜12がより好ましい。*は結合位置を表す。
式(5)中、R40およびR41は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、酸素原子を含んでもよい脂肪族炭化水素基、酸素原子を含んでもよい芳香族炭化水素基を表す。なかでも、イオンマイグレーション抑制能がより優れる点で、3級炭素原子あるいは4級炭素原子を含むアルキル基であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基に含まれる炭素原子の数は特に制限されないが、2〜20がより好ましい。特に、R40が炭素原子数1〜5個のアルキル基で、R41が炭素原子数10〜20個のアルキル基であることが好ましい。
粘着剤としては特に限定されず、粘着性を示す材料(例えば、粘着性樹脂)であれば公知の材料を使用することができる。例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などの各種の粘着剤を使用できるが、透明性がより優れると共に還元性化合物との相溶性がより優れる点で、アクリル系粘着剤が好ましい。
上記時間Xが12時間超の場合、イオンマイグレーション抑制能に劣る。
環境試験としては、まず、上記還元性化合物と所定の粘着剤とを含む透明粘着層(長さ5cm×幅4cm×厚み50μm)をガラス基板上に設け、透明粘着層上にPET基板(50μm)を配置して評価サンプルを作製する。その後、評価サンプルを65℃、95%RHの条件で72時間放置する。その後、評価サンプルを取り出し、23℃、50%RHの環境下で放置する。その際に、評価サンプル中の透明粘着層のヘイズを村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定し、ヘイズが3%以下に達するまでの時間Xを測定する。
なお、全光線透過率は、村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定する。
透明粘着層の厚みを20μm以上とすることで貼り付ける基板の段差や凹凸をカバーできるという効果が得られ、250μm以下とすることで透明粘着シートの透過率を充分に確保できるという効果が得られる。
また、基材付き透明両面粘着シートの場合には、上記還元性化合物および粘着剤を含む粘着剤組成物を、基材表面に直接塗布、乾燥することにより透明粘着層を設けてもよいし(直写法)、上記と同様にセパレータ上に上記化合物を含む透明粘着層を形成した後、基材と転写する(貼り合わせる)ことにより基材上に透明粘着層を設けてもよい(転写法)。さらに、セパレータ(剥離ライナー)に塗布したあと、塗布面にセパレータを貼り、紫外線を照射することで硬化してもよい。この場合、光重合開始剤を添加するのが一般的である。
次に、本発明の配線基板の好適態様について、図面を参照して詳述する。
図1は、配線基板の一実施態様の模式的断面図を示し、配線基板10は、絶縁基板12と、絶縁基板12上に配置された金属配線14と、金属配線14を覆う透明粘着層18とを備える。なお、絶縁基板12と金属配線14とは、金属配線付き絶縁基板16を構成する。
以下に、各部材(絶縁基板12、金属配線14、透明粘着層18)について詳述する。
絶縁基板は、絶縁性であり、金属配線を支持できるものであれば、その種類は特に制限されない。例えば、有機基板、セラミック基板、ガラス基板などを使用することができる。
また、絶縁基板は、有機基板、セラミック基板、およびガラス基板からなる群から選ばれる少なくとも2つの基板が積層した構造であってもよい。
なお、有機基板の材料としては、ガラス織布、ガラス不織布、アラミド織布、アラミド不織布、芳香族ポリアミド織布や、これらに上記樹脂を含浸させた材料なども使用できる。
金属配線は、主に銀を含む。銀は銀合金の形態で含まれていてもよく、金属配線が銀合金を含む場合、銀以外の含有される金属としては、例えば、錫、パラジウム、金、ニッケル、クロムなどが挙げられる。なお、金属配線中に、本発明の効果を損なわない範囲で、バインダーなどの樹脂成分や感光性化合物などが含まれていてもよく、さらに必要に応じてその他の成分が含まれていてもよい。
また、金属配線は、銀または銀合金からなる金属ナノワイヤを含有することが好ましい。なお、金属ナノワイヤについては、後段で詳述する。
また、金属配線間の距離は、最小値が上記範囲を満たしていればよく、50μm以上の距離(間隔)があってもよい。
なお、金属配線中に含まれる銀量が少ない場合にイオンマイグレーションが起こると、金属配線を形成していた銀が溶出することによって、金属配線の断線が生じやすくなる。しかし、本発明においては、所定の還元性化合物を含む透明樹脂層で金属配線を覆うことにより、銀のイオンマイグレーションを抑制し、金属配線の断線を抑制することができる。
また、金属配線の単位面積当たりとは、言い換えると、金属配線の絶縁基板との接触部分の単位面積当たりを意味する。つまり、金属配線と絶縁基板との接触部分の面積のみを基準に銀量の計算を行う。言い換えると、金属配線と接触していない絶縁基板表面(例えば、金属配線間に位置する、金属配線と接触していない絶縁基板表面)の面積は、上記金属配線の単位面積当たりの計算には考慮にいれない。従って、金属配線の単位面積当たりに含まれる銀量とは、金属配線と絶縁基板との接触部分における単位面積あたり(mm2)に含まれる銀量を意味する。
また、金属配線の形状は特に制限されず、任意の形状であってもよい。例えば、直線状、曲線状、矩形状、円状などが挙げられる。また、金属配線の配置(パターン)は特に制限あれず、例えば、ストライプ状が挙げられる。
さらに、図1において金属配線14は2つ設けられているが、その数は特に制限されない。通常、金属配線は複数設けられる。
また、図1では、金属配線14が一層の配線構造を例にあげたが、もちろんこれに限定されない。例えば、複数の金属配線と絶縁基板とを交互に積層した金属配線付き絶縁基板(多層配線基板)を使用することにより、多層配線構造の配線基板としてもよい。
金属ナノワイヤは、銀または銀合金から構成される。銀合金の種類は、上述の通りである。
金属ナノワイヤとは、導電性を有し、且つ長軸方向長さが直径(短軸方向長さ)に比べて十分に長い形状を持つものをいう。中実繊維であっても、中空繊維であってもよい。
平均短軸径が5nm以上とすることで、耐酸化性を向上させられるため好ましく、平均短軸径を50nm以下とすることで、金属ナノワイヤの散乱を低減できるため好ましい。特に、平均短軸長さを25nm以下にすることより、金属ナノワイヤの散乱は大きく低減でき、より好ましい。
金属ナノワイヤの平均短軸径は、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤの短軸径を観察し、その平均値から金属ナノワイヤの平均短軸径を求める。なお、金属ナノワイヤの断面が円形でない場合の短軸径は、最も長いものを短軸径とする。
平均長軸径を5μm以上とすることで金属ナノワイヤ同士が接触して導電性ネットワーク形成しやすくなるため好ましく、40μm以下とすることで金属ナノワイヤ同士が製造時に絡まる可能性が低くなるため好ましい。
金属ナノワイヤの平均長軸径は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤの長軸径を観察し、その平均値から金属ナノワイヤの平均長軸径を求める。なお、金属ナノワイヤが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、および、曲率から算出される値を長軸径とする。
また、金属ナノワイヤの製造方法としては、特開2009−215594号公報、特開2009−242880号公報、特開2009−299162号公報、特開2010−84173号公報、特開2010−86714号公報、特表2009−505358号公報などに記載の方法を用いることができる。
アスペクト比の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子顕微鏡等により測定する方法などが挙げられる。
金属ナノワイヤのアスペクト比を電子顕微鏡で測定する場合、電子顕微鏡の1視野で確認できればよい。また、金属ナノワイヤの平均長軸径と平均短軸径とを各々別に測定することによって、金属ナノワイヤ全体のアスペクト比を見積もることができる。
なお、金属ナノワイヤがチューブ状の場合には、アスペクト比を算出するための直径としては、該チューブの外径を用いる。
透明粘着層は、金属配線付き絶縁基板の金属配線側の表面に配置され、金属配線表面を覆い、金属配線間の銀のイオンマイグレーションを抑制するための層である。言い換えれば、透明粘着層は銀イオン拡散抑制層に該当する。
なお、透明粘着層中には、銀イオンまたは金属銀が実質的に含まれていないことが好ましい。透明粘着層に過剰の銀イオンまたは金属銀が含まれていると、イオンマイグレーション抑制効果が低下する場合がある。
なお、銀イオンまたは金属銀が実質的に含まれないとは、透明粘着層中における銀イオンまたは金属銀の含有量が、1μmol/l以下であることを指し、0.1μmol/l以下であることがより好ましく、最も好ましくは0mol/lである。
なお、全光線透過率は、村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定する。
アクリル共重合体の調製攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部と、イソボルニルアクリレート25質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部と、アクリル酸2質量部とを酢酸エチル100質量部に溶解し、窒素置換後に内温70℃までに加温した。
この反応液に2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部と酢酸エチル10部とを予め溶解させた溶液をゆっくり滴下しながら、3時間攪拌した。その後さらに内温80℃に加温し、2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部と酢酸エチル10部とを予め溶解させた溶液をゆっくり滴下しながら、3時間攪拌して質量平均分子量40万のアクリル共重合体(P−1)を得た。
次に、上記アクリル共重合体(P−1)と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製コロネートL−45、固形分45%)0.7重量部を添加し、5分間攪拌した。これにDL−α−トコフェロール(酸化還元電位0.56V)を酢酸エチル/トルエン混合溶剤(酢酸エチル/トルエン=1/1)に溶解した溶液を添加し、5分間攪拌して、アクリル共重合体固形分100質量部に対してDL−α−トコフェロール0.5質量部の粘着剤組成物を得た。
上記粘着剤組成物を、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ50μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmになるように塗工して、75℃で5分間乾燥した。得られた粘着シートと、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ38μmのPETフィルムを貼り合わせた。その後23℃で5日間熟成し厚さ50μmの透明両面粘着シート(基材レス粘着シート)S−1を得た。
2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を15質量部から20質量部に、アクリル酸の使用量を2質量部から0質量部に変更した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−2を製造した。
2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を15質量部から25質量部に、アクリル酸の使用量を2質量部から0質量部に変更した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−3を製造した。
2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を15質量部から30質量部に、アクリル酸の使用量を2質量部から0質量部に変更した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−4を製造した。
2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を15質量部から25質量部に変更し、さらに、モノマーとしてメチルアクリレート25質量部およびブチルアクリレート25質量部を追加してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−5を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例5と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−7を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例5と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−7を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−8を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例2と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−9を製造した。
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、メチルアクリレート30質量部と、ブチルアクリレート70質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート8質量部と、アクリル酸2質量部を使用してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−10を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例10と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−11を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例10と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−12を製造した。
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、ブチルアクリレート75質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部とを使用してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−13を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例13と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−14を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例13と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−15を製造した。
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、ブチルアクリレート75質量部と、2−エチルヘキシルアクリレート15質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート6質量部と、アクリル酸1.5質量部とを使用してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−16を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例16と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−17を製造した。
反応容器中で、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部と、イソボルニルアクリレート25質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部と、アクリル酸2質量部と、重合開始剤としてイルガキュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.05質量部とを混合し、窒素置換後、低圧水銀ランプで7分間紫外線を照射し、粘度2000mPa・s程度の粘着剤組成物を得た。このあと、粘着剤組成物にDL−α−トコフェロール(酸化還元電位0.56V)を酢酸エチル/トルエン混合溶剤(酢酸エチル/トルエン=1/1)に溶解した溶液を添加した。このとき、粘着剤固形成分100質量部に対してDL−α−トコフェロールが0.5質量部になるように添加した。
得られた粘着剤組成物を厚さ50μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、溶剤を乾燥させた。得られた粘着シートと、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ38μmのPETフィルムを貼り合わせ、両面から低圧水銀ランプを5分間照射し、透明両面粘着シートS−18を得た。
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例18と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−19を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例18と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−20を製造した。
反応容器に、ブチルアクリレート56質量部、シクロヘキシルアクリレート13質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート23質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8質量部と、イルガキュア651(0.05質量部)とを投入したあと窒素雰囲気下で攪拌しながら紫外線を照射した。
これにコロネートL55EおよびDL−α−トコフェロールを、粘着剤固形成分100質量部に対して、それぞれ0.1質量部および0.5質量部添加した後、攪拌し、粘着剤組成物を得た。
上記粘着剤組成物を厚さ50μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmになるように塗工し、溶剤を乾燥させた。得られた粘着シートと、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ38μmのPETフィルムを貼り合わせ、両面から低圧水銀ランプを5分間照射し、透明両面粘着シートS−21を得た。
DL−α−トコフェロールを化合物B(酸化還元電位:1.09V)に変更した以外は、合成例21と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−22を製造した。
DL−α−トコフェロールを化合物C(酸化還元電位:1.17V)に変更した以外は、合成例21と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−23を製造した。
化合物Bの含有量を0.5質量部から0.1質量部にした以外は、実施例6と同様に透明両面粘着シートS−24を製造した。
化合物Bの含有量を0.5質量部から1.0質量部にした以外は、実施例6と同様に透明両面粘着シートS−25を製造した。
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−26を製造した。
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例2と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−27を製造した。
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例3と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−28を製造した。
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例4と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−29を製造した。
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例5と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−30を製造した。
DL−α−トコフェロールの代わりに化合物D(酸化還元電位0.17V)を使用した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−31を製造した。
DL−α−トコフェロールの代わりに化合物E(酸化還元電位1.39V)を使用した以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−32を製造した。
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例10と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−33を製造した。
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例13と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−34を製造した。
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例16と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−35を製造した。
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、ブチルアクリレート60質量部と、2−エチルヘキシルアクリレート25質量部、メチルメタクリレート15質量部とを使用してアクリル共重合体の重合を行い、DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−36を製造した。
2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソボルニルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部、およびアクリル酸2質量部のモノマーの代わり、ブチルアクリレート60質量部と、2−エチルヘキシルアクリレート25質量部、メチルメタクリレート15質量部とを使用してアクリル共重合体の重合を行った以外は、合成例1と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−37を製造した。
DL−α−トコフェロールを使用しなかった以外は、合成例21と同様の手順に従って、透明両面粘着シートS−38を製造した。
PET基板上に、スクリーン印刷法により、銀ペースト(アサヒ化学研究所製 LS−450−7HL)を用いて、L/S=40μm/40μmのストライプ状の銀配線パターンを形成した。その後130℃で30分加熱処理を行い、銀配線を硬化させることで、銀配線を備える金属配線付き絶縁基板を製造した。
得られた金属配線付き絶縁基板上に、透明両面粘着シートS−1の一方の片面上の剥離フィルムを剥がして、粘着性を示す一方の表面を積層面として貼り合せて、さらに透明両面粘着シートの他方の片面上の剥離フィルムを剥がして、粘着性を示す他方の表面上にPETフィルム(膜厚:50μm)を貼り合せて配線基板を得た。その後、得られた配線基板を45℃、0.5MPaの条件下で20分オートクレープ処理を行った。これにより配線基板T−1を得た。
得られた配線基板T−1に関して、以下の寿命測定を行った。
得られた配線基板T−1を用いて、湿度85%、温度85度、圧力1.0atm、電圧15Vの条件で寿命測定(使用装置:エスペック(株)社製、EHS−221MD)を行った。銀配線間の抵抗値が1×105Ωを下回るまでの時間Xを測定し、以下の基準に従って評価した。実用上、AまたはBであることが必要である。
「A」:時間Xが40時間以上
「B」:時間Xが30時間以上40時間未満
「C」:時間Xが30時間未満
実施例1で得られた配線基板の結果を、表1に示す。
透明両面粘着シートS−1〜S−38を所定の大きさ(長さ5cm×幅4cm×厚み50μm)に切断し、一方の片面上の剥離フィルムを剥がして、粘着性を示す一方の表面を積層面としてガラス基板に貼り合せて、さらに透明両面粘着シートの他方の片面上の剥離フィルムを剥がし、PET基板(厚み:50μm)を貼り付けて、評価用サンプルを作製した。
評価用サンプルを65℃、95%RHの条件で72時間放置した。その後、評価用サンプルを23℃、50%RHの条件に放置した際に、評価用サンプル中の透明粘着層のヘイズが3%以下に達するまでの時間を測定し、以下の基準に従って評価した。実用上、AまたはBであれば、耐白化性に優れる。
「A」:時間Xが6時間未満
「B」:時間Xが6時間以上12時間以下
「C」:時間Xが12時間超
なお、ヘイズは、村上色彩技術研究所製「HR−100型」を用いて測定した。
表1に示すように、透明両面粘着シートS−1の代わりに上述した透明両面粘着シートS−2〜S−38を用いて、実施例1と同様の手順で配線基板を製造し、寿命延長効果測定および環境試験を行った。結果を表1にまとめて示す。
L/Sを30μm/30μmにした以外は、実施例6と同じように配線基板を作成し、実施例1と同一の寿命測定を行った。
表1中、「化合物」欄の含有量欄中の数値は、質量部を表す。
一方、所定の酸化還元電子を示さない化合物を使用していない、または、透明粘着層が所定の特性を示さない比較例1〜15においては、白化評価および寿命延長効果評価の少なくとも一方の評価が劣っていた。
12,12a,12b 絶縁基板
14,14a,14b 金属配線
16,16b 金属配線付き絶縁基板
18 透明粘着層
Claims (10)
- 絶縁基板と、
前記絶縁基板上に配置された、銀を含む複数の金属配線と、
前記金属配線と直接接触して前記金属配線上に配置された透明粘着層とを備える配線基板であって、
隣り合う前記金属配線間の距離の最小値が50μm未満であり、
前記透明粘着層には、酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物、および、粘着剤が含有され、
前記透明粘着層が、以下環境試験において時間Xが12時間以下を示す透明粘着層である、配線基板であって、
前記化合物が、式(1)で表される化合物、または、式(3)で表される化合物を含み、
前記粘着剤が、アクリル系粘着剤であり、
前記化合物の質量(A)と前記粘着剤の質量(B)との質量比(A/B)が、0.0001〜0.20である、配線基板。
式(3)中、R 25 〜R 28 は、各々独立に、水素原子、水酸基、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。なお、R 25 〜R 28 の各基の分子量の合計は40以上である。また、R 25 〜R 28 は、各々互いに結合して環を形成してもよい。Lは、ヘテロ原子を有していてもよい2価若しくは3価の炭化水素基、−S−、または、これらを組み合わせた基を表す。mは、2または3の整数を表す。)
(環境試験は、前記透明粘着層(長さ5cm×幅4cm×厚み50μm)を基板上に配置し、前記透明粘着層上にPET基板(厚み50μm)をさらに配置して評価用サンプルを作製し、前記評価用サンプルを65℃、95%RHの条件で72時間放置し、その後、評価用サンプルを23℃、50%RHの環境下で放置して、前記透明粘着層のヘイズが3%に達するまでの時間Xを測定する。) - 前記アクリル系粘着剤が、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを含むアクリル系ポリマーを含み、
前記アルキル(メタ)アクリレートが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、または、2−エチルへキシル(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の配線基板。 - 前記アクリル系ポリマーが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、および、アクリル酸からなる群から選択されるモノマーのユニットを含む、請求項2に記載の配線基板。
- 前記時間Xが6時間未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線基板。
- 隣り合う前記金属配線間の距離の最小値が40μm未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の配線基板。
- 酸化還元電位が0.40〜1.30Vの化合物と粘着剤とを含む透明粘着層を少なくとも有する透明粘着シートであって、
前記透明粘着層が、以下環境試験において時間Xが12時間以下を示す透明粘着層であり、
前記化合物が、式(1)で表される化合物、または、式(3)で表される化合物を含み、
前記粘着剤が、アクリル系粘着剤であり、
前記化合物の質量(A)と前記粘着剤の質量(B)との質量比(A/B)が、0.0001〜0.20である、透明粘着シート。
式(3)中、R 25 〜R 28 は、各々独立に、水素原子、水酸基、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。なお、R 25 〜R 28 の各基の分子量の合計は40以上である。また、R 25 〜R 28 は、各々互いに結合して環を形成してもよい。Lは、ヘテロ原子を有していてもよい2価若しくは3価の炭化水素基、−S−、または、これらを組み合わせた基を表す。mは、2または3の整数を表す。)
(環境試験は、前記透明粘着層(長さ5cm×幅4cm×厚み50μm)を基板上に配置し、前記透明粘着層上にPET基板(厚み50μm)をさらに配置して評価用サンプルを作製し、前記評価用サンプルを65℃、95%RHの条件で72時間放置し、その後、評価用サンプルを23℃、50%RHの環境下で放置して、前記透明粘着層のヘイズが3%に達するまでの時間Xを測定する。) - 前記アクリル系粘着剤が、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを含むアクリル系ポリマーを含み、
前記アルキル(メタ)アクリレートが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、または、2−エチルへキシル(メタ)アクリレートを含む、請求項6に記載の透明粘着シート。 - 前記アクリル系ポリマーが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、および、アクリル酸からなる群から選択されるモノマーのユニットを含む、請求項7に記載の透明粘着シート。
- 時間Xが6時間未満である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の透明粘着シート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の配線基板を含む、タッチパネル。
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