JP5839155B2 - 立体画像表示装置及び立体画像表示方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特殊な眼鏡を使用しない立体画像表示装置及び立体画像表示方法に関し、特に、立体画像の視認性を向上させ観察者の疲労の低減を図った立体画像表示装置及び立体画像表示方法に関する。
従来より、立体画像を表示することができる表示装置の検討が行われている。立体視については、紀元前280年にギリシャの数学者ユークリッドが、「立体視とは、同一物体の異なる方向から眺めた別々の映像を左右両眼が同時に見ることによって得られる感覚である」と考察している(例えば、非特許文献1(増田千尋著「3次元ディスプレイ」産業図書株式会社)参照。)。即ち、立体画像表示装置の機能としては、観察者の左右両眼に相互に視差がある画像を夫々独立して提示することが必要となる。
この機能を具体的に実現する方法として、多くの立体画像表示方式が検討されている。これらの立体画像表示方式は、眼鏡を使用する方式と眼鏡を使用しない方式に大別することができる。このうち、眼鏡を使用する方式には、色の違いを利用したアナグリフ方式、及び偏光を利用した偏光眼鏡方式等があるが、本質的に眼鏡をかける煩わしさを避けることができないため、近年では眼鏡を使用しない眼鏡なし方式の検討が盛んに行われている。
眼鏡なし方式には、レンチキュラレンズ方式及びパララックスバリア方式等がある。レンチキュラレンズ方式は、例えば前述の非特許文献1に記載されているように、Ives等により1910年頃に発明された。図9はレンチキュラレンズを示す斜視図であり、図10はレンチキュラレンズを使用する立体表示方法を示す光学モデル図である。図9に示すように、レンチキュラレンズ21は一方の面が平面となっており、他方の面には、一方向に延びるかまぼこ状の凸部(シリンドリカルレンズ)22が、その長手方向が相互に平行になるように複数個形成されている。
そして、図10に示すように、観察者側から順に、レンチキュラレンズ21、表示パネル6、光源8が配置されており、レンチキュラレンズ21の焦点面に表示パネル6の画素が位置している。表示パネル6においては、右眼41用の画像を表示する画素23と左眼42用の画像を表示する画素24とが交互に配列されている。このとき、相互に隣接する画素23及び24からなる群は、レンチキュラレンズ21の各凸部22に対応している。これにより、光源8から出射し各画素を透過した光は、レンチキュラレンズ21の凸部22により左右の眼に向かう方向に振り分けられる。これにより、左右の眼に相互に異なる画像を認識させることが可能となり、観察者に立体画像を認識させることが可能になる。
一方、パララックスバリア方式は、1896年にBerthierが着想し、1903年にIvesによって実証された。図11は、パララックスバリアを使用する立体画像表示方法を示す光学モデル図である。図11に示すように、パララックスバリア5は、細い縦縞状の多数の開口、即ち、スリット5aが形成されたバリア(遮光板)である。そして、このパララックスバリア5の一方の表面の近傍には、表示パネル6が配置されている。表示パネル6においては、スリットの長手方向と直交する方向に右眼用画素23及び左眼用画素24が交互に配列されている。また、パララックスバリア5の他方の表面の近傍、即ち、表示パネル6の反対側には、光源8が配置されている。
光源8から出射され、パララックスバリア5の開口(スリット5a)を通過し、右眼用画素23を透過した光は、光束81となる。同様に、光源8から出射され、スリット5aを通過し、左眼用画素24を通過した光は光束82となる。このとき、立体画像の認識が可能となる観察者の位置は、パララックスバリア5と画素との位置関係により決定される。即ち、観察者の右眼41は、複数の右眼用画素23に対応する全ての光束81の通過域内にあり、且つ、観察者の左眼42は、全ての光束82の通過域内にあることが必要となる。これは、図11において、観察者の右眼41と左眼42との中点43が図11に示す四角形の立体可視域7内に位置する場合である。立体可視域7における右眼用画素23及び左眼用画素24の配列方向に延びる線分のうち、立体可視域7における対角線の交点7aを通る線分が最も長い線分となる。このため、中点43が交点7aに位置するとき、観察者の位置が左右方向にずれた場合の許容度が最大となるため、観察位置としては最も好ましい。従って、この立体画像表示方法においては、この交点7aと表示パネル6との距離を最適観察距離ODとし、この距離で観察することを観察者に推奨している。なお、立体可視域7における表示パネル6からの距離が最適観察距離ODとなる仮想的な平面を、最適観察面7bという。これにより、観察者の右眼41及び左眼42に夫々右眼用画素23及び左眼用画素24からの光が到達することになる。このため、観察者は表示パネル6に表示された画像を、立体画像として認識することが可能になる。
パララックスバリア方式は、当初考案された際には、パララックスバリアが画素と眼との間に配置されていたこともあり、目障りで視認性が低い点が問題であった。しかし、近時の液晶表示装置の実現に伴って、図11に示すように、パララックスバリア5を表示パネル6の裏側に配置することが可能となって視認性が改善された。このため、パララックスバリア方式の立体画像表示装置については、現在盛んに検討が行われている。
パララックスバリア方式を用いて実際に製品化された例が、非特許文献2(2003年1月6日発行 日経エレクトロニクスNo.838、第26〜27頁 表1)に記載されている。これは3D対応液晶表示装置を搭載した携帯電話であり、立体表示装置を構成する液晶表示装置は、対角2.2インチ型の大きさで横方向に176ドット、縦方向に220ドットの表示ドット数を有する。そして、パララックスバリアの役割を果たす液晶パネルが設けられており、この液晶パネルをオン・オフすることにより、立体表示と平面表示を切り替えて表示することができる。この製品の製品カタログ及び取扱説明書によれば、立体表示時の最適観察距離は400mmとされている。即ち、液晶表示装置から40cm離れた場所から観察することにより立体画像を視覚することができる。この従来の立体画像表示の平面表示時の表示精細度は縦方向、横方向共に128dpiであるが、立体表示時には前述のように左眼用画像と右眼用画像を縦ストライプ状に交互に配列して表示するため、横方向の精細度は、縦方向の精細度128dpiの半分である64dpiとなっている。
増田千尋著「3次元ディスプレイ」産業図書株式会社 2003年1月6日発行 日経エレクトロニクスNo.838(第26〜27頁 表1)
しかしながら、前述の従来の技術には、以下に示すような問題点がある。即ち、上述の従来製品の製品カタログ及び取扱説明書に記載されているように、立体画像の鑑賞は観察者の眼等に疲労を発生させるという問題点がある。即ち、観察者は長時間立体画像を観察することにより疲労する。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、観察者の疲労が少なく視認性が優れた立体画像表示装置及び立体画像表示方法を提供することを目的とする。
本発明に係る立体画像表示装置は、右眼用の画像を表示する画素左眼用の画像を表示する画素とから構成される表示単位がマトリクス状に配列された表示パネルと、前記右眼用の画像を表示する画素から出射した光及び前記左眼用の画像を表示する画素から出射した光を相互に異なる方向に出射させる光学手段と、を有し、立体可視域を、観察者の右眼と左眼との中点を前記立体可視域内に位置させたときに前記右眼に前記右眼用の画像を表示する画素から出射した光が入射すると共に前記左眼に前記左眼用の画像を表示する画素から出射した光が入射する領域であると定義した場合に、前記立体可視域における前記表示パネルから最も遠い点と前記表示パネルとの間の距離をD(mm)とし、前記表示パネルにおける前記右眼用画素と前記左眼用画素との配列方向である一の配列方向における前記表示単位の精細度をY(dpi)とし、前記一の配列方向に交差する他の配列方向における前記表示単位の精細度をX(dpi)とするとき、前記距離D、精細度X及び精細度Yが下記数式1を満たすことを特徴とする。
(数1)
X≧25.4/{D×tan(1’)}
X≧175
X:Y=2:1
本発明においては、複数の画素を含む表示単位の精細度(dpi)を、インチとミリメートルとの換算定数である25.4(mm/inch)を前記距離D(mm)と角度1分の正接(タンジェント)との積で除した値以上とすることにより、画素の配列周期を視力が1.0の観察者の最小視角以下とすることができる。なお、精細度とは長さ1インチ当りのドット数をいい、表示単位の配列周期の逆数に比例する数である。この結果、観察者が立体画像の特徴点を認識できなくなることを防止できる。これにより、立体画像の視認性が向上し、観察者の疲労を軽減することができる。また、立体静止画像のみならず立体動画像の視認性も向上することができる。
本発明者等は、上述の従来の技術における問題点を解決すべく鋭意実験研究を行い、立体画像の精細度と観察者の疲労との間に一定の関係があることを知見した。そして、この知見に基づいて本発明を完成した。
観察者が立体画像を認識する際に行う不可欠な処理の一部として、左右の画像における特徴点の対応を見出すことが挙げられる。文献「原島博監修「3次元画像と人間の科学」オーム社」に記載されているように、奥行きの知覚は、観察者が左右の画像において対応する特徴点を見つけだし、この特徴点の視差から奥行きを計算することにより行われていると考えられている。そして、本発明者等は、この事実に基づいて検討を重ね、観察者にとって、左右の画像において対応する特徴点の知覚が大幅に欠落すると、立体画像の視認性が著しく低下し、疲労することを突き止めた。即ち、左右の眼が相互に視差が異なる画像を視覚した場合に、観察者は対応する特徴点を探索する。この際に、前記画像において特徴点が大幅に欠落していると、左右の画像における対応が取れずに、観察者が混乱する。この混乱は、観察者に、左右の眼で観察した画像のうちどちらを優先させるかという両眼視野闘争を誘発する。両眼視野闘争が発生している状態は、両眼融合が不可能な不安定な状態であるために、立体画像の視認性が低下するとともに、観察者は疲労するのである。
従って、立体視を容易にし、観察者の疲労を低減するためには、左右の画像において対応する特徴点の欠落を防止すればよい。これにより、観察者は左右の画像において特徴点を容易に見出すことができるようになり、両眼視野闘争を防止でき、結果として両眼融合を容易に行うことができる。
そこで、本発明者等は、特徴点の欠落がどの程度まで許容できるかについて検討を行った。特徴点の欠落を完全に防止するためには、立体画像の精細度を観察者の視力による分解能以上にする必要がある。これにより、観察者が視覚できるはずの特徴点が、画像の精細度が低いために視覚できずに、特徴点の認識が欠落するという現象を避けることができる。観察者の視力とこの観察者が識別できる最小視角との関係は、下記数式2により与えられる。
(数2)
視力=1/最小視角(分)
一般的な眼の視力は1.0であり、上記数式2から、視力が1.0である観察者の最小視角は1分、即ち、(1/60)度である。そしてこの場合、観察距離D(mm)における観察者の分解能は、D×tan(1(分))(mm)となる。従って、立体画像の精細度を25.4/(D×tan(1(分)))(dpi)以上とすることにより、画像の基本周期が前記分解能よりも小さくなる。このため、観察者は、視覚できるはずの対応する特徴点を視覚でき、この結果、特徴点を認識することが容易になり、特徴点の欠落を防止できる。
また、本発明に係る立体画像表示方法は、表示パネルにマトリクス状に配列された複数の表示単位の各々を構成する2つの画素の内、一の画素が右眼用の画像を表示すると共に他の画素が左眼用の画像を表示し、光学手段が前記右眼用の画像を表示する画素から出射した光及び前記左眼用の画像を表示する画素から出射した光を相互に異なる方向に出射させ、観察者がその右眼と左眼との中点を立体可視域に位置させることにより、前記右眼に前記右眼用の画像を表示する画素から出射した光が入射すると共に前記左眼に前記左眼用の画像を表示する画素から出射した光が入射する立体画像表示方法において、前記中点と前記表示パネルとの距離をD(mm)とし、前記表示パネルにおける前記右眼用画素と前記左眼用画素との配列方向である一の配列方向における前記表示単位の精細度をY(dpi)とし、前記一の配列方向に交差する他の配列方向における前記表示単位の精細度をX(dpi)とするとき、前記距離D、精細度X及び精細度Yが上記数式1を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、立体画像の視認性を飛躍的に向上させ、観察者の疲労を低減することができ、特に、立体動画像の視認性を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態における立体画像表示方法を示す斜視図である。 本実施形態における立体画像表示装置の光学モデルを示す図であり、スリットの幅が無視できる程度に小さい場合を示す。 本実施形態における立体画像表示装置の光学モデルを示す図であり、スリットの幅が有限の値Qである場合を示す。 本実施形態に係る立体画像表示装置が搭載された携帯電話を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態における立体画像表示方法を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態における立体画像表示装置の光学モデルを示す図であり、スリットの幅が無視できる程度に小さい場合を示す。 本実施形態における立体画像表示装置の光学モデルを示す図であり、スリットの幅が有限の値Qである場合を示す。 本発明の第5の実施形態における立体画像表示装置の光学モデルを示す図である。 レンチキュラレンズを示す斜視図である。 レンチキュラレンズを使用する立体表示方法の光学モデルを示す図である。 パララックスバリアを使用する立体画像表示方法の光学モデルを示す図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態における立体画像表示方法を示す斜視図であり、図2及び図3は本実施形態における立体画像表示装置の光学モデルを示す図であり、図2はパララックスバリアのスリットの幅が無視できる程度に小さい場合を示し、図3はスリットの幅が有限の値Qである場合を示す。また、図4は本実施形態に係る立体画像表示装置が搭載された携帯電話を示す斜視図である。本実施形態においては、図1及び図2に示すように、立体画像表示装置2が設けられている。この立体画像表示装置2には、観察者側から順に、パララックスバリア5、表示パネル6及び光源8が設けられている。
光源8は、例えば、サイドライト(図示せず)及び導光板(図示せず)により構成されており、サイドライトが発した光を導光板により表示パネル6に向けて出射するものである。
また、表示パネル6は例えば透過型液晶表示パネルであり、その表示面は一辺が縦方向11に延び他辺が横方向12に延びた長方形状である。表示パネル6においては、複数の画素が縦方向11及び横方向12に沿ってマトリクス状に配列されている。この複数の画素のうち、一部は右眼用の画像を表示する右眼用画素23となっており、残部は左眼用の画像を表示する左眼用画素24となっている。そして、表示パネル6においては、右眼用画素23及び左眼用画素24からなる表示単位としての画素群が、縦方向11及び横方向12に沿ってマトリクス状に配列されている。即ち、右眼用画素23及び左眼用画素24が横方向12に沿って交互に配列されており、右眼用画素23は縦方向11に沿って配列され、左眼用画素24も縦方向11に沿って配列されている。
更に、パララックスバリア5においては、各1列の右眼用画素23の列及び左眼用画素24の列からなる1対の列に対応して、1本のスリット5aが形成されている。即ち、スリット5aの長手方向は縦方向11に延びており、スリット5aの数は各1列の右眼用画素23の列及び左眼用画素24の列からなる対の数と同数であり、スリット5aは相互に平行で、横方向12に相互に間隔をおいて配列されている。なお、パララックスバリア5は例えば、ガラス板の表面に金属膜が形成されたものであり、スリット5aはこの金属膜がパターニングされて線状に除去された部分である。
次に、本実施形態における観察距離の定義について説明する。先ず、図2に示すように、スリット5aの幅が極小であり無視できる場合について説明する。パララックスバリア5のスリット5aの配列ピッチをLとし、表示パネル6とパララックスバリア5との間の間隔をHとする。また、画素の配列ピッチをPとする。前述の如く、表示パネル6においては、2個の画素、即ち、各1個の右眼用画素23及び左眼用画素24が1組の画素群となって配置されているため、その画素群の配列ピッチは2Pとなる。スリット5aの配列ピッチLと画素群の配列ピッチPとは相互に関係しているため、一方に合わせて他方を決めることになるが、通常、表示パネルに合わせてパララックスバリアを設計することが多いため、画素の配列ピッチPを定数として扱う。
また、全ての右眼用画素23からの光が到達する領域を右眼領域71とし、全ての左眼用画素24からの光が到達する領域を左眼領域72とする。観察者は、右眼41を右眼領域71に位置させ、左眼42を左眼領域72に位置させれば、立体画像を認識することができる。但し、観察者の両眼間隔は一定なので、右眼41及び左眼42を夫々右眼領域71及び左眼領域72の任意の位置に配置できるわけではなく、両眼間隔を一定値に保つことができる領域に限定される。即ち、右眼41及び左眼42の中点43が立体可視域7に位置する場合にのみ、立体視が可能となる。表示パネル6からの距離が最適観察距離ODとなる位置では、立体可視域7における横方向12に沿った長さが最長となるため、観察者の位置が横方向12にずれた場合の許容度が最大となる。このため、表示パネル6からの距離が最適観察距離ODとなる位置が、最も理想的な観察位置である。更に、立体可視域7における表示パネル6からの距離が最適観察距離ODである仮想平面を最適観察面7bとする。更に、最適観察面7bにおける1個の画素の拡大投影幅を、例えば、観察者の両眼間隔eとする。なお、観察者の両眼間隔の平均的な値は、例えば65mmである。
次に、上述の各値を使用して、パララックスバリア5と表示パネル6との間の距離Hを決定する。図2に示す幾何学的関係より、下記数式3が成立し、これにより、下記数式4に示すように、間隔Hが求まる。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
更に、表示パネル6の横方向12における中心に位置する画素群の中心と、横方向12における端に位置する画素群の中心との間の距離をWとし、これらの画素群に夫々対応するスリット5aの中心間の距離をWとすると、距離Wと距離Wとの差Cは下記数式5で与えられる。また、表示パネル6において距離Wに含まれる画素数を2m個とすると、下記数式6が成立する。更に、幾何学的関係から下記数式7が成り立つため、パララックスバリア5のスリット5aのピッチLは下記数式8により与えられる。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
Figure 0005839155
Figure 0005839155
前述の如く、立体可視域7に両眼の中点43が位置すれば立体視が可能である。立体可視域7における表示パネル6から最も遠い点と表示パネル6との間の距離を最大観察距離Dとする。最大観察距離Dを算出するためには、図2に示すように、表示パネル6における図示の最も右側に位置する右眼用画素23の左端から発した光線25において光学系中心線26から図示の左方向に(e/2)の距離だけ離れた点と、表示パネル6との間の距離を求めればよい。図2に示す幾何学的関係から、下記数式9及び数式10が成り立つ。また、上記数式7及び下記数式10から、下記数式11が算出される。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
Figure 0005839155
上述の説明では、スリット5aの幅が極小であり無視できる場合について述べたが、この場合には、左眼用画像と右眼用画像とのクロストークは少ないものの、スリットの幅が小さいために表示が暗くなるという問題がある。そこで、実際には、図3に示すように、スリット5aにある有限の幅を持たせ、表示を明るくしている。次に、スリット5aの幅を考慮した場合の観察距離について説明する。
図3において、表示パネル6の表面をX軸とし光学系の中心線26をY軸とするXY直交座標系を設定すると、表示パネル6における図示の最も右側に位置する右眼用画素23の左端から出射し、スリット5aの右端を通過する光線27は、下記数式12により与えられる。
Figure 0005839155
そして、このとき、最大観察距離Dは、光線27とx=(−e/2)との交点におけるY座標の値となる。従って、上記数式12にx=(−e/2)を代入すると、最大観察距離Dが下記数式13により与えられる。
Figure 0005839155
また、幾何学的関係より下記数式14が成立するため、上記数式13及び下記数式14から下記数式15が導出される。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
図3においては、最適観察面7bにおける1個の画素の拡大投影幅が2e、即ち観察者の両眼間隔の2倍となるように、スリット5aの幅Qを設定している。スリット5aの幅Qがこれ以上大きくなると、最適観察面7bにおける全ての観察点において、左眼用画像と右眼用画像とのクロストークが発生してしまい、クロストークが発生しない観察点が存在しなくなる。このため、通常は、スリットの幅Qをこれよりも大きくすることはない。即ち、本条件はスリットの幅Qが最大値をとった場合であるといえる。幾何学的関係から、スリットの幅Qは下記数式16及び数式17のように記載できる。なお、パララックスバリア5と表示パネル6との間の距離H、及びパララックスバリア5のスリット5aの配列周期Lは、上記数式4及び数式8と同様に求めることができる。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
なお、立体可視域7の大きさは、クロストークの許容量及び画素の開口率に依存するが、上述のようにスリット5aの幅Qが最大値をとる場合には、図3に示すような光学的配置になる。このとき、上記数式14から、下記数式18が導出される。
Figure 0005839155
スリットの幅Qが無視できる場合の最大観察距離DをDmin、スリットの幅Qが前記最大値をとる場合の最大観察距離DをDmaxとすると、上記数式10及び数式18より、下記数式19が成立する。この数式19及び上記数式11から、下記数式20が導出される。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
以上、スリット5aの幅が最も小さい場合と最も大きい場合について、最大観察距離Dを定義した。実際には、左右の画像のクロストークの許容量、画素の開口率、表示の明るさ等により、スリットの幅は、上述の最小値と最大値との間の範囲内で設計される。その場合には、1個の画素の拡大投影幅は両眼間隔(e)から両眼間隔の2倍(2e)の範囲となる。なお、上述の説明はパララックスバリアの開口部がスリット状である場合についてのものであるが、開口部がピンホール状である場合にも適用できる。
上述の如く、立体画像表示装置2の最大観察距離Dを、立体画像表示装置2の構成に基づいて定義した。この最大観察距離Dにより、表示パネル6の縦方向11の精細度X(dpi)は、下記数式21を満たすように設定されている。つまり、縦方向11の精細度、即ち、例えば右眼用画素23の1インチ当りの個数は、25.4(mm/inch)を前記距離D(mm)と角度1分の正接(タンジェント)との積で除した値以上となっている。最大観察距離D及び精細度Xの最小値の代表的な値を表1に示す。
(数21)
X≧25.4/{D×tan(1’)}
Figure 0005839155
本実施形態においては、最大観察距離Dを例えば500mmとし、観察者は、表示パネル6から500mm以下の距離、例えば400乃至500mmの距離で立体画像表示装置2を観察するようにする。このとき、立体画像1について、縦方向11における精細度11を175dpi以上、例えば230dpiとする。また、横方向12の精細度を例えば115dpiとする。また、表示パネル6の表示面の大きさは例えば対角2.2型であり、表示面における縦方向11の長さは例えば45mmであり、横方向12の長さは例えば34mmである。また、図4に示すように、本実施形態の立体画像表示装置2は、例えば、携帯電話9に搭載されている。なお、立体画像表示装置2は、携帯端末、PDA、ゲーム機、デジタルカメラ又はデジタルビデオ等の携帯機器に搭載されていてもよい。
次に、本実施形態に係る立体画像表示装置の動作、即ち、立体画像表示方法について説明する。図1及び図2に示すように、先ず、光源8が点灯すると共に、表示パネル6が立体画像1を表示する。即ち、表示パネル6の右眼用画素23が右眼用画像を表示すると共に、左眼用画素24が左眼用画像を表示する。次に、観察者4が立体可視域7内の観察点、例えば表示パネル6から400mm離れた観察点に右眼41と左眼42との中点43を位置させる。このとき、光源8が表示パネル6に向けて光を出力し、表示パネル6の右眼用画素23に入射した光は、これを透過し、パララックスバリア5のスリット5aを通過して観察者の右眼41に入射する。一方、表示パネル6の左眼用画素24に入射した光は、これを透過し、パララックスバリア5のスリット5aを通過して観察者の左眼42に入射する。これにより、観察者は立体画像1を認識することができる。実際には、観察者4が立体画像表示装置2を手に持ってその位置を動かすか、又は、観察者自身が移動することにより、立体画像を認識できる位置を探し、画像を観察することになる。なお、表示パネル6が表示する立体画像1は、静止画像であってもよく、動画像であってもよい。
このように、本実施形態においては、表示パネル6の縦方向の精細度Xを上記数式21を満たすように設定しているため、立体画像を表示する際に、画像の精細度が観察者の視力の分解能以下となる。このため、観察者が見えるはずの特徴点を見落とすことを防止でき、観察者が疲労を感じることを抑制できる。特に、立体動画像を表示する場合に、この効果が大きい。動画像は時間と共に画像が刻々と変化するが、観察者の特徴点の探索に時間がかかる場合には、両眼融合が画像の変化に追い付かなくなる。この結果、常に両眼視野闘争が発生するため、観察者は多大な疲労を感じることになる。これに対して、本実施形態においては、前述の如く特徴点の探索が速やかに行われ、立体視が容易になるため、立体動画像を容易に認識することができる。
なお、本実施形態においては、表示パネル6は、右眼用画像を表示する右眼用画素23及び左眼用画像を表示する左眼用画素24のみを有するが、表示パネルは、他の画像を表示する1種類以上の画素を備えていてもよい。これにより、多視点の表示を行うことができる。
また、本実施形態においては、表示パネルとして透過型液晶表示パネルを使用したが、本発明はこれに限定されず、反射型液晶表示パネル、又は各画素に透過領域及び反射領域が設けられた半透過型液晶表示パネルを使用してもよい。また、液晶表示パネルの駆動方法は、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)方式及びTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)方式等のアクティブマトリクス方式でもよく、STN(Super Twisted Nematic liquid crystal)方式等のパッシブマトリクス方式でもよい。更に、表示パネルには液晶表示パネル以外の表示パネル、例えば、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、プラズマ表示パネル、CRT(Cathode-Ray Tube:陰極線管)表示パネル、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)表示パネル、フィールドエミッション表示パネル、又はPALC(Plasma Address Liquid Crystal:プラズマ・アドレス液晶)を使用してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は本実施形態における他の立体画像表示方法を示す斜視図である。本実施形態においては、表示パネルの縦方向の精細度を175dpiとし、観察距離Dを500mmとしている。これにより、図5に示すように、立体画像表示装置2を観察者が手44で保持し、移動しながら立体画像1を観察することが可能となる。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態においては、前述の第1の実施形態と異なり、表示装置6の表示面の縦方向11及び横方向12の両方向の精細度Xを、上記数式21を満たすように設定している。縦方向11の精細度は、例えば右眼用画素23の1インチ当りの個数である。また、横方向12の精細度は、各1個の右眼用画素23及び左眼用画素24からなる群の1インチ当りの数である。
本実施形態においては、上述の如く構成することにより、特徴点の欠落をより確実に防止でき、観察者の疲労をより効果的に低減することができる。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図6及び図7は本実施形態における立体画像表示装置の光学モデルを示す図であり、図6はスリットの幅が無視できる程度に小さい場合を示し、図7はスリットの幅が有限の値Qである場合を示す。図6に示すように、本実施形態に係る立体画像表示装置においては、表示パネル6の背面側にパララックスバリア5が設けられている。即ち、観察者側から順に、表示パネル6、パララックスバリア5及び光源8が設けられている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本実施形態における観察距離の定義について説明する。先ず、図6に示すように、スリット5aの幅が極小であり無視できる場合について説明する。前述の第1の実施形態と同様に、パララックスバリア5のスリット5aの配列ピッチをLとし、表示パネル6とパララックスバリア5との間の間隔をHとし、表示パネル6の画素群の配列ピッチをPとする。また、立体可視域7における表示パネル6から最も遠い点と表示パネル6との間の距離を最大観察距離Dとし、立体可視域7の交点7aと表示パネル6との間の距離を最適観察距離ODとする。更に、最適観察面7bにおける1個の画素の拡大投影幅を、例えば、観察者の両眼間隔eとする。これにより、下記数式22及び数式23が成立する。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
更にまた、表示パネル6の横方向12における中心に位置する画素群の中心と、横方向12における端に位置する画素群の中心との間の距離をWとし、これらの画素群に夫々対応するスリット5aの中心間の距離をWとすると、距離Wと距離Wとの差Cは下記数式24で与えられる。また、表示パネル6において距離Wに含まれる画素数を2m個とすると、前記数式6が成立し、その結果、下記数式25及び数式26が成立する。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
Figure 0005839155
一方、最大観察距離Dを算出するためには、図6に示すように、パララックスバリア5における図示の最も右側に位置するスリット5aから出射し、表示パネル6の最も右側に位置する右眼用画素23の右端を透過した光線25において光学系中心線26から図示の左方向に(e/2)の距離だけ離れた点と、表示パネル6との間の距離を求めればよい。図6に示す幾何学的関係から、下記数式27及び数式28が成り立つ。また、上記数式25及び下記数式28から、下記数式29が算出される。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
Figure 0005839155
上述の説明では、スリット5aの幅が極小であり無視できる場合について述べたが、この場合には、左眼用画像と右眼用画像とのクロストークは少ないものの、スリットの幅が小さいために表示が暗くなるという問題がある。そこで、実際には、図7に示すように、スリット5aにある有限の幅を持たせ、表示を明るくしている。以下、スリット5aの幅を考慮する場合について説明する。
図7において、表示パネル6の表面をX軸とし光学系の中心線をY軸とするXY直交座標系を設定すると、パララックスバリア5における図示の最も左端に位置するスリット5aの右端を通過し、表示パネル6の最も左側に位置する左眼用画素24の左端を透過する光線28は、下記数式30により与えられる。
Figure 0005839155
そして、このとき、最大観察距離Dは、光線28と直線x=(e/2)との交点のY座標の値となる。従って、上記数式27にx=(e/2)を代入すると、最大観察距離Dが下記数式31により与えられる。
Figure 0005839155
図7においては、最適観察面7bにおける1個の画素の拡大投影幅が2e、即ち観察者の両眼間隔の2倍となるように、スリット5aの幅Qを設定している。スリット5aの幅Qがこれ以上大きくなると、最適観察面7bにおける全ての観察点において左眼用画像と右眼用画像とのクロストークが発生してしまい、クロストークが発生しない観察点が存在しなくなるため、通常は、スリットの幅Qをこれよりも大きくすることはない。即ち、本条件はスリットの幅Qが最大値をとる場合である。幾何学的関係から、スリットの幅Qは下記数式32及び数式33のように記載できる。なお、パララックスバリア5と表示パネル6との間の距離H、及びパララックスバリア5のスリット5aの配列周期Lは、前述の第1の実施形態と同様に、上記数式4及び数式8により求めることができる。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
なお、立体可視域7の大きさは、クロストークの許容量及び画素の開口率に依存するが、上述のようにスリット5aの幅Qが最大値をとる場合には、図7に示すように、各画素の拡大投影幅が2eとなるような光学的配置になる。従って、図7に示す幾何学的関係から、下記数式34が成り立ち、下記数式34から下記数式35が導出される。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
スリットの幅Qが無視できる場合の最大観察距離DをDmin、スリットの幅Qが前記最大値をとる場合の最大観察距離DをDmaxとすると、距離Dminは上記数式28により与えられ、Dmaxは上記数式35により与えられるため、下記数式36が成立する。この数式36及び上記数式29から、下記数式37が導出される。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
以上、スリット5aの幅が最も小さい場合と最も大きい場合について、最大観察距離Dを定義した。実際には、左右の画像のクロストークの許容量、画素の開口率、表示の明るさ等により、スリットの幅は上述の最小値と最大値との間の範囲内で設計される。その場合には、1個の画素の拡大投影幅は両眼間隔(e)から両眼間隔の2倍(2e)の範囲となる。なお、上述の説明はパララックスバリアの開口部がスリット状である場合についてのものであるが、開口部がピンホール状である場合にも適用できる。
次に、本実施形態に係る立体画像表示装置の動作、即ち、立体画像表示方法について説明する。図1及び図6に示すように、先ず、光源8が点灯すると共に、表示パネル6が立体画像1を表示する。即ち、表示パネル6の右眼用画素23が右眼用画像を表示すると共に、左眼用画素24が左眼用画像を表示する。次に、観察者4が立体可視域7内の観察点、例えば表示パネル6から400mm離れた観察点に右眼41と左眼42との中点43を位置させる。このとき、光源8がパララックスバリア5に向けて光を出力し、この光がパララックスバリア5のスリット5aを通過して、右眼用画素23及び左眼用画素24に入射する。右眼用画素23に入射した光は、これを透過して、観察者の右眼41に入射する。また、左眼用画素24に入射した光は、これを透過して、観察者の左眼42に入射する。これにより、観察者は立体画像1を認識することができる。本実施形態における上記以外の動作は、前述の第1の実施形態と同様である。
本実施形態においては、前述の第1の実施形態と比較して、パララックスバリアを表示パネルの背面側に設けているため、観察者が立体画像1を観察する際にパララックスバリアが目障りにならず、視認性がより優れている。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図8は本実施形態における立体画像表示装置の光学モデルを示す図である。また、本実施形態に係る立体画像表示方法は図1に示すようになる。図8に示すように、本実施形態に係る立体画像表示装置においては、観察者側から順に、レンチキュラレンズ21、表示パネル6及び光源8が設けられており、レンチキュラレンズ21は表示パネル6に接しており、レンチキュラレンズ21の焦点面に表示パネル6の画素が位置している。表示パネル6及び光源8の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
レンチキュラレンズ21においては、長手方向が縦方向11(図1参照)であるシリンドリカルレンズ(凸部)22が、複数本横方向12に沿って配列されている。そして、相互に隣接する画素23及び24からなる群は、レンチキュラレンズ21の各凸部22に対応している。
次に、本実施形態における観察距離の定義について説明する。レンチキュラレンズ21のシリンドリカルレンズ22の配列ピッチをLとし、レンチキュラレンズ21の厚さ、即ち、表示パネル6とレンチキュラレンズ21の頂部との間の距離をHとする。また、レンチキュラレンズ21の屈折率をnとする。更に、表示パネル6の画素の配列ピッチをPとする。シリンドリカルレンズ22の配列ピッチLと画素の配列ピッチPとは相互に関係しているため、一方に合わせて他方を決めることになるが、通常、表示パネルに合わせてレンチキュラレンズを設計することが多いため、画素の配列ピッチPを定数として扱う。また、レンチキュラレンズ21の材料を選択することにより、屈折率nを決めることができる。
また、表示パネル6の横方向12における中心に位置する画素群の端部からレンチキュラレンズ21の横方向12における中心に位置するシリンドリカルレンズ22の中心への入射角をαとし、出射角をβとし、表示パネル6の横方向12における図示の最も右側に位置する画素群の中心からレンチキュラレンズ21の横方向12における最も右側に位置するシリンドリカルレンズ22の中心への入射角をγとし、出射角をδとする。また、更に、表示パネル6の横方向12における中心に位置する画素群の中心と、横方向12における端に位置する画素群の中心との間の距離をWとし、これらの画素群に夫々対応するシリンドリカルレンズ22の中心間の距離をWとする。なお、図8に示す立体可視域7、最適観察距離OD、最大観察距離D、最適観察面7b及び両眼間隔eの定義は、前述の第1の実施形態(図2参照)と同様である。
次に、上述の各値を使用して、レンチキュラレンズ21と表示パネル6との間の距離Hを決定する。スネルの法則及び図8に示す幾何学的関係より、下記数式38乃至43が成立する。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
Figure 0005839155
Figure 0005839155
Figure 0005839155
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また、距離Wと距離Wとの差Cは下記数式44で与えられる。また、表示パネル6において距離Wに含まれる画素数を2m個とすると、下記数式45が成立する。更に、幾何学的関係から上記数式43が成り立つため、パララックスバリア5のスリット5aのピッチは上記数式8により与えられる。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
観察者の右眼41が右眼領域71に位置し、左眼42が左眼領域72に位置すれば、観察者は立体画像を認識することができる。但し、観察者の両眼間隔は一定なので、右眼41及び左眼42を夫々右眼領域71及び左眼領域72の任意の位置に配置できるわけではなく、両眼間隔を一定値に保つことができる領域に限定される。即ち、右眼41及び左眼42の中点43が立体可視域7に位置する場合にのみ、立体視が可能となる。表示パネル6からの距離が最適観察距離ODとなる位置では、立体可視域7における横方向12に沿った長さが最長となるため、観察者の位置が横方向12にずれた場合の許容度が最大となる。このため、表示パネル6からの距離が最適観察距離ODとなる位置が、最も理想的な観察位置である。
一方、最大観察距離Dを算出するためには、図8に示すように、表示パネル6における図示の最も右側に位置する右眼用画素23の左端から発した光線29において光学系中心線26から図示の左方向に(e/2)の距離だけ離れた点と、表示パネル6との間の距離を求めればよい。図8に示す幾何学的関係から、下記数式46及び数式47が成り立つ。また、上記数式43及び下記数式47から、下記数式48が算出される。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
Figure 0005839155
なお、上述の説明はレンズがレンチキュラレンズである場合についてのものであるが、レンズがフライアイレンズである場合にも適用できる。
上述の如く、立体画像表示装置2の最大観察距離Dを、立体画像表示装置2の構成に基づいて定義した。この最大観察距離Dにより、表示パネル6の縦方向11の精細度X(dpi)は、上記数式21を満たすように設定されている。つまり、縦方向11の精細度、即ち、例えば右眼用画素23の1インチ当りの個数は、25.4(mm/inch)を前記距離D(mm)と角度1分の正接(タンジェント)との積で除した値以上となっている。本実施形態においては、最大観察距離Dを例えば500mmとし、縦方向11の精細度11は175dpi以上、例えば230dpiとする。
次に、本実施形態に係る立体画像表示装置の動作、即ち、立体画像表示方法について説明する。図1及び図8に示すように、先ず、観察者4が、立体可視域7内の観察点、例えば表示パネル6から400乃至500mm離れた観察点に右眼41と左眼42との中点43を位置させる。次に、表示パネル6が立体画像1を表示する。即ち、表示パネル6の右眼用画素23が右眼用画像を表示すると共に、左眼用画素24が左眼用画像を表示する。そして、光源8が表示パネル6に向けて光を出力する。この光が表示パネル6の右眼用画素23及び左眼用画素24に入射する。右眼用画素23に入射した光は、これを透過して、レンチキュラレンズ21の各シリンドリカルレンズ22で屈折し、観察者の右眼41に入射する。また、左眼用画素24に入射した光は、これを透過して、シリンドリカルレンズ22で屈折し、観察者の左眼42に入射する。これにより、観察者は立体画像1を認識することができる。
本実施形態においては、前述の第1の実施形態と比較して、光学手段としてパララックスバリアではなくレンチキュラレンズを使用しているため、光源8から出射した光を損失することがなく、効率がよい。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
以下、本発明の実施例の効果について、その特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。本発明の効果について検証するために、立体画像表示装置に2種類の立体画像を表示させ、被験者10名による主観評価を行った。立体画像表示装置は、観察距離、即ち表示パネルと観察者との間の距離が500mmとなるような位置に配置した。観察者の視力を1.0とすると、この観察距離における眼の解像度は175dpiである。
本発明の実施例においては、画像の縦方向の精細度を230dpiとし、横方向の精細度を115dpiとした。即ち、縦方向の精細度のみを眼の解像度以上とした。これに対して、比較例においては、画像の縦方向の精細度を128dpiとし、横方向の精細度を64dpiとした。即ち、縦方向及び横方向共に、精細度は眼の解像度未満とした。
そして、10名の被験者がこの2種類の立体画像を観察し、その見易さを5段階の評価尺度により評価した。この評価尺度の基準を表2に示し、評価結果を表3に示す。
Figure 0005839155
Figure 0005839155
表3に示すように、本発明の実施例においては、被験者の評点の平均値は4.3であり、比較例においては、評点の平均値は2.1であった。従って、この結果より、本発明の実施例の画像は、比較例の画像と比較して視認性が優れることが判明した。即ち、立体画像の一方向のみにおいて、対応する特徴点の欠落を防止しても、立体視が飛躍的に容易になることが実験により検証された。前述の如く、視認性が優れるということは、結果として観察者の疲労を低減できることを意味する。
なお、一方向のみにおける特徴点の欠落防止でも視認性の向上に対して効果がある以上、縦横両方向において特徴点の欠落を防止した場合には、観察者の疲労を低減する効果を有することは明らかである。
1;立体画像
2;立体画像表示装置
4;観察者
5;パララックスバリア
5a;スリット
6;表示パネル
7;立体可視域
7a;立体可視域7における対角線の交点
7b;最適観察面
8;光源
9;携帯電話
11;縦方向
12;横方向
21;レンチキュラレンズ
22;凸部(シリンドリカルレンズ)
23;右眼用画素
24;左眼用画素
25、27、28、29;光線
26;光学系の中心線
41;観察者の右眼
42;観察者の左眼
43;右眼41と左眼42との中点
44;観察者の手
71;右眼領域
72;左眼領域
81、82;光束
D;最大観察距離
OD;最適観察距離

Claims (3)

  1. 右眼用の画像を表示する画素と左眼用の画像を表示する画素とから構成される表示単位がマトリクス状に配列された表示パネルと、
    前記表示単位の列毎に配置されこの列が延びる方向に沿って延びる複数のスリットが形成されてなり、前記右眼用の画像を表示する画素から出射した光及び前記左眼用の画像を表示する画素から出射した光を相互に異なる方向に出射させるパララックスバリアと、を有し、
    立体可視域を、観察者の右眼と左眼との中点を前記立体可視域内に位置させたときに前記右眼に前記右眼用の画像を表示する画素から出射した光が入射すると共に前記左眼に前記左眼用の画像を表示する画素から出射した光が入射する領域であると定義した場合に、前記立体可視域における前記表示パネルから最も遠い点と前記表示パネルとの間の距離をD(mm)とし、前記表示パネルにおける前記右眼用画素と前記左眼用画素との配列方向である一の配列方向における前記表示単位の精細度をY(dpi)とし、前記一の配列方向に交差する他の配列方向における前記表示単位の精細度をX(dpi)とするとき、前記距離D、精細度X及び精細度Yが下記数式を満たし、
    X≧25.4/{D×tan(1’)}
    X≧175
    X:Y=2:1
    前記複数のスリットの各々は、前記立体可視域における前記一の配列方向における長さが最大となる線分上の点と前記表示パネルとの間の距離をOD(mm)とし、観察者の両眼間隔をe(mm)とするとき、前記距離ODにおける一の画素の投影幅が2e(mm)となるように形成されており、
    記表示パネルの前記一の配列方向における中心に位置する前記表示単位の中心と、前記一の配列方向における端に位置する前記表示単位の中心との間の距離をW(mm)とするとき、下記数式を満たすことを特徴とする立体画像表示装置
    =OD×(W+e/2)/(W−e/2) (数)
  2. 前記表示パネルが液晶表示パネルであることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。
  3. 立体動画像を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の立体画像表示装置。
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