JP5838994B2 - 電極材料と電極形成用ペースト、電極板及びリチウムイオン電池並びに電極材料の製造方法 - Google Patents

電極材料と電極形成用ペースト、電極板及びリチウムイオン電池並びに電極材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極材料と電極形成用ペースト、電極板及びリチウムイオン電池並びに電極材料の製造方法に関し、特に、リチウムイオン電池用の正極に用いて好適な電極材料と電極形成用ペースト、電極板、及び、この電極板を備えたリチウムイオン電池、並びに、電極材料の製造方法に関するものである。
近年、クリーンエネルギーの技術開発が急速に進展する中、脱石油、ゼロエミッション、省電力製品の普及等、地球に優しい社会を目指して技術開発が進んでいる。特に、最近脚光を浴びているのが、電気自動車、有事災害が発生した際にエネルギーを供給することのできる大容量の蓄電池、携帯用電子機器等に用いられている二次電池である。
このような二次電池としては、例えば、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池等が知られている。
特に、非水電解液系の二次電池であるリチウムイオン電池は、小型化、軽量化、高容量化が可能であり、しかも、高出力、高エネルギー密度であるという優れた特性を有していることから、電気自動車を始め、電動工具等の高出力電源としても商品化されており、次世代のリチウムイオン電池用材料の開発が世界中で活発化している。
また、最近では、エネルギー技術と住宅とのコラボレーションとしてHEMS(ホームエネルギー・マネッジメント・システム)が知られており、スマート家電や電気自動車、あるいは太陽光発電等、家庭の電気に関わる情報と制御システムを集中することで、自動制御、電力需給の最適化等を管理し、賢くエネルギーを消費するシステムが注目されている。
ところで、現在実用化されているリチウムイオン電池の正極材料活物質としては、LiCoO、LiMnOが一般的である。しかしながら、Coは、地球上に偏在しかつ稀少な資源であること、正極材料として大量に必要になること等を考慮すると、製品とした場合の製造コストが高くなり、かつ安定供給が難しいという問題がある。そこで、LiCoOに代わる正極活物質として、スピネル系の結晶構造を有するLiMn、三元系の材料組成のLiNi1/3Mn1/3Co1/3、鉄系化合物である鉄酸リチウム(LiFeO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)等の正極活物質の研究開発が盛んに進められている。
これらの正極活物質の中でもオリビン系正極活物質は、電子伝導性が低いという問題がある。
そこで、電子伝導性を向上させた電極材料として、例えば、LiPO(但し、AはCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuの群から選択された少なくとも1種、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択された少なくとも1種、0<x≦2、0<y≦1、5≦z≦1.5)からなる1次粒子を複数個集合して二次粒子とし、かつ、これら二次粒子間に炭素等の電子伝導性物質を介在させた電極材料やその製造方法が提案されている(特許文献1、2)。
また、LiFePOまたはLiMnPOが炭素層にてコーティングされ、このLiFePOまたはLiMnPOと炭素層との間に酸化マンガン層を有する電極材料が提案されている(特許文献3)。
特開2004−014340号公報 特開2004−014341号公報 特開2010−533354号公報
ところで、特許文献1〜3の電極材料では、確かに初期容量の向上は認められるが、充電状態の長期間維持及び充放電を繰り返し行うサイクル特性においては、電池容量が劣化するという問題点があった。そこで、これらの電極材料では、耐久性を向上させることが求められていた。
このような耐久性劣化の要因としては、電極材料から電解液にLi以外の金属不純物が溶出することが挙げられる。すなわち、電解液中へLi以外の金属不純物が溶出した場合、この金属不純物が負極表面に電析し、負極の表面に存在する堆積層(SEI:Solid Electrolyte Interphase)が破壊され、その後のSEI再構成により容量劣化が引き起こされる。また、電析した金属不純物がセパレーターを突き破ることが、電池がショートする一因にもなっている。
また、従来の電極材料には、材料由来の化合物、例えば、LiFePOであればFe化合物、LiMnPOであればMn化合物が含まれていることから、これらの化合物が金属不純物として溶出され易いという問題点があった。
また、特許文献3の電極材料では、オリビン系正極活物質の電子伝導性を向上させるために、酸化マンガン等のMn化合物を電極材料に混合することがある。そこで、Li以外の金属不純物の溶出が抑制された電極材料が求められていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、電極材料からLi以外の金属不純物が溶出されるのを抑制することにより、安定した充放電サイクル特性及び高い耐久性を実現することが可能な電極材料と電極形成用ペースト、電極板及びリチウムイオン電池並びに電極材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子の表面にFeが存在しかつ前記Feを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子を、40℃以上かつ500℃以下の温度にて熱処理すれば、Li以外の金属不純物の溶出が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電極材料は、LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子の表面にFeが存在しかつ前記Feを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子からなり、前記Feは、Fe単体、またはFe化合物として前記表面に存在し、前記Fe化合物は、塩化鉄(II)(FeCl )、硫酸鉄(II)(FeSO )、酢酸鉄(II)(Fe(CH COO) )またはその水和物、硝酸鉄(III)(Fe(NO )、塩化鉄(III)(FeCl )、クエン酸鉄(III)(FeC )、鉄酸リチウムまたはリン酸鉄リチウムであり、前記表面被覆LiPO粒子は、水素イオン指数4の硫酸溶液に24時間浸漬させたときのLi溶出量が200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量が500ppm以上かつ2000ppm以下であることを特徴とする。
本発明の他の電極材料は、LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子の表面にFeが存在し、かつ、このFeを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子からなり、前記Feは、Fe単体、またはFe化合物として前記表面に存在し、前記Fe化合物は、塩化鉄(II)(FeCl )、硫酸鉄(II)(FeSO )、酢酸鉄(II)(Fe(CH COO) )またはその水和物、硝酸鉄(III)(Fe(NO )、塩化鉄(III)(FeCl )、クエン酸鉄(III)(FeC )、鉄酸リチウムまたはリン酸鉄リチウムであり、前記凝集粒子は、水素イオン指数4の硫酸溶液に24時間浸漬させたときのLi溶出量が200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量が500ppm以上かつ2000ppm以下であることを特徴とする。
これらの電極材料では、さらに、酸化マンガンを含有してなることが好ましい。
本発明の電極形成用ペーストは、本発明の電極材料と、導電助剤と、結着剤と、溶媒とを含有してなることを特徴とする。
本発明の電極板は、本発明の電極材料を含む正極材層を集電体上に形成してなることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池は、本発明の電極板を備えてなることを特徴とする。
本発明の電極材料の製造方法は、LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子と、有機化合物と、鉄源及びリン酸鉄リチウムの前駆体物質のうちいずれか一方または双方と、を溶媒に混合させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥して乾燥物とし、次いで、この乾燥物を、非酸化性雰囲気下にて焼成して、前記LiPO粒子の表面にFeが存在しかつ前記Feを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または前記表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子とし、次いで、前記表面被覆LiPO粒子、前記表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子、のうちいずれか1種を、40℃以上かつ500℃以下の温度にて0.1時間以上かつ1000時間以下熱処理し、前記鉄源は、塩化鉄(II)(FeCl )、硫酸鉄(II)(FeSO )、酢酸鉄(II)(Fe(CH COO) )またはその水和物、硝酸鉄(III)(Fe(NO )、塩化鉄(III)(FeCl )、クエン酸鉄(III)(FeC )、またはリン酸鉄リチウムであり、前記有機化合物は、前記熱処理の際に分解・反応し、前記Li PO 粒子の表面に付着して前記炭素質被膜を生成するものであることを特徴とする。
本発明の電極材料によれば、LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子の表面にFeが存在しかつ前記Feを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子を、水素イオン指数4の硫酸溶液に24時間浸漬させたときのLi溶出量を200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量を500ppm以上かつ2000ppm以下としたので、これら表面被覆LiPO粒子または凝集粒子からのLi以外の金属不純物の溶出を抑制することができる。
本発明の電極形成用ペーストによれば、本発明の電極材料と、導電助剤と、結着剤と、溶媒とを含有したので、この電極形成用ペーストを用いて電極材料を含む正極材層を集電体上に形成して電極とすれば、この電極におけるLi以外の金属不純物の溶出を抑制することができる。
本発明の電極板によれば、本発明の電極材料を含む正極材層を集電体上に形成したので、Li以外の金属不純物の溶出を抑制することができる。
本発明のリチウムイオン電池によれば、本発明の電極板を備えたので、Li以外の金属不純物の溶出を抑制することができ、したがって、リチウムイオン電池の耐久性を向上させることができる。
本発明の電極材料の製造方法によれば、LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子と、有機化合物と、鉄源及びリン酸鉄リチウムの前駆体物質のうちいずれか一方または双方と、を溶媒に混合させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥して乾燥物とし、次いで、この乾燥物を、非酸化性雰囲気下にて焼成して、前記LiPO粒子の表面にFeが存在しかつ前記Feを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または前記表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子とし、次いで、前記表面被覆LiPO粒子、前記表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子、のうちいずれか1種を、40℃以上かつ500℃以下の温度にて0.1時間以上かつ1000時間以下熱処理するので、Li以外の金属不純物の溶出を抑制することができる電極材料を容易に作製することができる。
本発明の電極材料と電極形成用ペースト、電極板及びリチウムイオン電池並びに電極材料の製造方法を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[電極材料]
本実施形態の電極材料は、次の(1)、(2)のいずれかからなる電極材料である。
(1)LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子(以下、単にLiPO粒子とも称する)の表面にFeが存在しかつ前記Feを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子からなり、この表面被覆LiPO粒子は、水素イオン指数4(pH=4)の硫酸溶液に24時間浸漬させたときのLi溶出量が200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量が500ppm以上かつ2000ppm以下である。
(2)LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子の表面にFeが存在し、かつ、このFeを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子からなり、この凝集粒子は、水素イオン指数4(pH=4)の硫酸溶液に24時間浸漬させたときのLi溶出量が200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量が500ppm以上かつ2000ppm以下である。
ここで、「表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子」とは、表面被覆LiPO粒子の炭素質被膜同士が接触している状態、LiPO粒子同士が接触している状態、の双方が含まれるが、炭素質被膜同士が接触している状態がより好ましい状態である。
この接触した状態としては、特に限定されないが、LiPO粒子同士または炭素質被膜同士の接触面積が小さく、さらに、接触部分が断面積の小さい頸部状となって強固に接続された状態の凝集体であることが好ましい。すなわち、接触面積が小さくなることで凝集粒子内に空隙が形成され、よって、リチウムイオンの拡散浸透が容易になるので好ましい。また、接触部分が断面積の小さい頸部状であれば、凝集体内部にチャネル状(網目状)の空隙が三次元に広がった構造となるので、より好ましい。
なお、(2)の電極材料は、上記の(1)の電極材料とは、「表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子」とした点が異なるのみであり、その他の点については、全く同様である。
ここでは、上記の(1)の電極材料について説明し、上記の(2)の電極材料については、上記の(1)の電極材料と異なる点について適宜説明することとする。
この表面被覆LiPO粒子の主成分であるLiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)のうち、Aについては、Co、Mn、Niが、Dは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、Alが、高い放電電位等の点から好ましい。
ここで、希土類元素とは、ランタン系列であるLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの15元素のことである。
このFeは、上記のLiPO粒子の表面に効率的に炭素質被膜を生成する触媒としての作用を有し、また、Liの挿入脱離を促進する効果があると考えられる。したがって、所望の電子伝導性が得られる程度にLiPO粒子の表面に炭素質被膜が生成されるように、かつ、LiPO粒子の特性が過度に阻害されない程度に、表面に存在していればよい。このFeは、Fe単体で存在してもよく、Fe化合物として存在していてもよい。
このFeの量は、適宜調整すればよい。例えば、本実施形態の電極材料を誘導結合高周波プラズマ分光分析(Inductively Coupled Plasma spectrometry:ICP分光分析)で測定した場合に、1モルのPに対して、Feが0.03モル以上かつ0.09モル以下含有されていることが好ましく、より好ましくは0.04モル以上かつ0.08モル以下、さらに好ましくは0.05モル以上かつ0.07モル以下である。
Feが上記の範囲でLiPO粒子の表面に含有されていれば、このLiPO粒子の表面に炭素質被膜が効率的に生成され、LiPO粒子そのものの特性が過度に阻害されない。
この表面被覆LiPO粒子を硫酸溶液(pH=4)に24時間浸漬させたときのLi溶出量は200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量は500ppm以上かつ2000ppm以下である。
これらLi溶出量及びP溶出量は、これらの粒子を、これらの粒子の10倍の質量であり25℃に保持したpH=4の硫酸溶液に投入して撹拌することにより、25℃にて24時間浸漬し、この24時間後に、これらの粒子から硫酸溶液に溶出してきたLi溶出量及びP溶出量を測定することで求めることができる。
これらLi溶出量及びP溶出量を測定する方法としては、ICP分光分析が、検出感度が高く、かつ高感度の多元素同時定量を行うことができる点で好ましい。
この表面被覆LiPO粒子は、40℃以上かつ500℃以下で熱処理することによりLi溶出量及びP溶出量を制御することができる。
その理由は、この表面被覆LiPO粒子は、40℃以上かつ500℃以下で熱処理することで室温以上の熱エネルギーが付与されることとなり、よって、この表面被覆LiPO粒子に含まれるLi及びPが粒子内部から溶出し、これら溶出したLi、Li化合物、P、P化合物が粒子の表面に存在することになるからである。
この表面被覆LiPO粒子を硫酸溶液(pH=4)に浸漬させた場合、この表面に存在すると考えられるLi、Li化合物、P、P化合物から先に硫酸溶液(pH=4)中に溶出されることとなるので、結果として、Li以外の金属不純物の溶出を抑制することになる。
ここで、Li溶出量を200ppm以上かつ700ppm以下と限定した理由は、この範囲が、表面被覆LiPO粒子の表面にLiやLi化合物が良好に存在していることを示す範囲だからである。
このLi溶出量が200ppm未満では、表面被覆LiPO粒子の表面のLiやLi化合物の存在量が減少し、したがって、この粒子からのLi以外の金属不純物の溶出を抑制することができなくなる。一方、Li溶出量が700ppmを超えると、表面被覆LiPO粒子の表面におけるLiやLi化合物の存在量が多くなり、この粒子の表面を覆うLiやLi化合物の厚みが厚くなりすぎてしまい、その結果、リチウムイオン電池に適用した場合にLiの挿入・脱離が阻害されることとなり、充分な充放電特性を発現することができなくなる。
また、P溶出量を500ppm以上かつ2000ppm以下と限定した理由は、上記のLi溶出量と同様、この範囲が、表面被覆LiPO粒子の表面にPやP化合物が良好に存在していることを示す範囲だからである。
このP溶出量が500ppm未満では、表面被覆LiPO粒子の表面のPやP化合物の存在量が減少し、したがって、この粒子からのLi以外の金属不純物の溶出を抑制することができなくなるからであり、一方、P溶出量が2000ppmを超えると、表面被覆LiPO粒子の表面におけるPやP化合物の存在量が多くなり、この粒子の表面を覆うPやP化合物の厚みが厚くなりすぎてしまい、その結果、リチウムイオン電池に適用した場合にLiの挿入・脱離が阻害されることとなり、充分な充放電特性を発現することができなくなるからである。
この表面被覆LiPO粒子の平均粒子径は、0.01μm以上かつ20μm以下が好ましく、より好ましくは0.02μm以上かつ5μm以下である。
ここで、表面被覆LiPO粒子の平均粒子径を上記の範囲とした理由は、平均粒子径が0.01μm未満では、Feを含むLiPO粒子の表面を炭素質被膜により充分に被覆することが困難となり、高速充放電における放電容量が低くなり、その結果、充分な充放電性能を実現することが困難となるからであり、一方、平均粒子径が20μmを超えると、LiPO粒子の内部抵抗が大きくなり、その結果、高速充放電における放電容量が不十分なものとなるからである。
この表面被覆LiPO粒子の平均粒子径は、この粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて観察し、この表面被覆LiPO粒子を所定数、例えば、200個、あるいは100個を選び出し、これら表面被覆LiPO粒子各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値から平均値を算出することにより求めることができる。
上記以外の方法としては、この表面被覆LiPO粒子を水等の溶媒に分散させて分散液とし、この分散液の個数平均粒子径を、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置等を用いて測定することによっても求めることができる。
一方、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子の場合、この凝集粒子の平均凝集粒子径は、0.5μm以上かつ100μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上かつ20μm以下である。
ここで、凝集粒子の平均凝集粒子径を上記の範囲とした理由は、平均凝集粒子径が0.5μm未満では、凝集粒子が小さすぎて舞い易くなり、電極形成用ペーストを作製する際に取り扱いが困難になるからであり、一方、平均凝集粒子径が100μmを超えると、この電極材料を含む正極材層を集電体上に形成して電極板を作製した際に、乾燥後の正極材層の膜厚を超える大きさの凝集粒子が存在する可能性が高くなり、したがって、正極材層の膜厚の均一性を保持することができなくなるからである。
この凝集粒子の平均凝集粒子径は、上記の表面被覆LiPO粒子の測定方法と同様、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて所定数の凝集粒子個々の凝集粒子径を測定し、これらの凝集粒子径の測定値から平均凝集粒子径を算出してもよく、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置等を用いて分散液の個数平均凝集粒子径を測定してもよい。
この凝集体の体積密度は、水銀ポロシメーターを用いて測定することができ、この凝集粒子を中実とした場合の体積密度の40体積%以上かつ95体積%以下が好ましく、より好ましくは60体積%以上かつ90体積%以下である。
このように、この凝集粒子の体積密度を40体積%以上とすることで、凝集粒子が緻密化することにより凝集粒子の強度が増加し、例えば、この凝集粒子と、導電助剤と、結着剤と、溶媒とを混合して電極形成用ペーストを調製する際に凝集粒子が崩れ難くなり、その結果、電極形成用ペーストの粘度の上昇が抑制され、かつ流動性が保たれることにより、塗工性が良くなると共に、電極形成用ペーストの塗膜における電極材料の充填性の向上をも図ることができる。
また、この表面被覆LiPO粒子では、リチウムイオン電池の電極材料として用いる際にリチウムイオンの脱挿入に関わる反応を表面被覆LiPO粒子の表面全体で均一に行うために、表面被覆LiPO粒子の表面の80%以上、好ましくは90%以上を炭素質被膜にて被覆されていることが好ましい。
炭素質被膜の被覆率は、透過型電子顕微鏡(TEM)、エネルギー分散型X線分光器(EDX)を用いて測定することができる。ここで、炭素質被膜の被覆率が80%未満では、炭素質被膜の被覆効果が不十分となり、リチウムイオンの脱挿入反応が表面被覆LiPO粒子の表面にて行なわれる際に、炭素質被膜が形成されていない箇所におけるリチウムイオンの脱挿入に関わる反応抵抗が高くなり、放電末期の電圧降下が顕著になるので、好ましくない。
この炭素質被膜の厚みは、0.1nm以上かつ20nm以下であることが好ましい。
この炭素質被膜の厚みを上記の範囲とした理由は、厚みが0.1nm未満では、炭素質被膜の厚みが薄すぎてしまうために所望の抵抗値を有する膜を形成することができなくなり、その結果、導電性が低下し、電極材料としての導電性を確保することができなくなるからであり、一方、厚みが20nmを超えると、電池活性、例えば、電極材料の単位質量あたりの電池容量が低下するからである。
この炭素質被膜中の炭素量は、LiPO粒子100質量部に対して0.5質量部以上かつ5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1質量部以上かつ2質量部以下である。
ここで、炭素質被膜中の炭素量を上記の範囲に限定した理由は、炭素量が0.5質量部未満では、炭素質被膜の被覆率が80%を下回ってしまい、電池を形成した場合に高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となるからである。一方、炭素量が5質量部を超えると、LiPO粒子の表面には導電性を得るために必要最低限となる炭素質被膜を形成するための炭素量を超える量の炭素が存在することとなり、LiPO粒子の単位質量あたりのリチウムイオン電池の電池容量が必要以上に低下するからである。
この表面被覆LiPO粒子の形状は特に限定されないが、球状、特に真球状の粒子からなる電極材料を生成し易いことから、その形状も球状であることが好ましい。
ここで、球状が好ましい理由としては、この表面被覆LiPO粒子と、導電助剤と、バインダー樹脂(結着剤)と、溶媒とを混合して電極形成用ペーストを調製する際の溶媒量を低減させることができるとともに、この電極形成用ペーストの集電体への塗工も容易となるからである。また、形状が球状であれば、この表面被覆LiPO粒子の表面積が最小となり、よって、添加するバインダー樹脂(結着剤)の混合量を最小限にすることができ、得られる正電極の内部抵抗を小さくすることができるからである。
さらに、この表面被覆LiPO粒子の形状を球状、特に真球状とすることで最密充填し易くなるので、単位体積あたりの正極材料の充填量が多くなり、その結果、電極密度を高くすることができ、リチウムイオン電池の高容量化を図ることができるので、好ましい。
本実施形態の電極材料、すなわち表面被覆LiPO粒子、または、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子は、酸化マンガンを含有していることが好ましい。
酸化マンガンの含有量については、特に限定されず、電子伝導性が向上するように適宜調整して含有させることとすればよい。例えば、電極材料中に1ppm以上かつ1.0質量%以下含有させることが好ましい。
酸化マンガンの分布状態については、特に限定されず、表面被覆LiPO粒子の内部に分布していてもよく、この粒子の表面に分布していてもよい。
[電極材料の製造方法]
本実施形態の電極材料の製造方法は、上記のLiPO粒子と、有機化合物と、鉄源及びリン酸鉄リチウムの前駆体物質のうちいずれか一方または双方と、を溶媒に混合させてスラリーとするスラリー作製工程と、このスラリーを乾燥して乾燥物とし、次いで、この乾燥物を、非酸化性雰囲気下にて焼成して、LiPO粒子の表面にFeが存在しかつ、このFeを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子とする焼成工程と、この表面被覆LiPO粒子、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子、のうちいずれか1種を、40℃以上かつ500℃以下の温度にて0.1時間以上かつ1000時間以下熱処理する熱処理工程とを有する方法である。
次に、この製造方法について詳細に説明する。
「スラリー作製工程」
上記のLiPO粒子と、有機化合物と、鉄源及びリン酸鉄リチウムの前駆体物質のうちいずれか一方または双方と、を溶媒に混合させてスラリーとする工程である。
ここでは、まず、LiPO粒子を作製する。
このLiPO粒子を作製する方法しては、固相法、液相法、気相法等の従来の方法を用いることができる。特に、液相法は、粒子径を所望の大きさに制御することが可能であるので好ましい。
液相法にて作製する場合、例えば、Li源、A源、D源およびPO源を、これらのモル比(Li源:A源:D源:PO源)がx:y:z:1となるように水を主成分とする溶媒に投入し、撹拌してLiPO粒子の前駆体溶液とし、この前駆体溶液を耐圧容器に投入して密封し、次いで、高温、高圧下、例えば、120℃以上かつ250℃以下、0.2MPa以上の圧力下にて、1時間以上かつ24時間以下、水熱処理を行うことにより得ることができる。
この場合、水熱処理時の温度、圧力及び時間を調整することにより、生成するLiPO粒子の粒子径を所望の大きさに制御することができる。
上記のLi源としては、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、塩化リチウム(LiCl)、リン酸リチウム(LiPO)等のリチウム無機酸塩、酢酸リチウム(LiCHCOO)、蓚酸リチウム((COOLi))等のリチウム有機酸塩、の群から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
これらの中でも、塩化リチウムと酢酸リチウムは、均一な溶液相が得られ易いので好ましい。
ここで、A源としては、コバルト化合物からなるCo源、マンガン化合物からなるMn源、ニッケル化合物からなるNi源、銅化合物からなるCu源、クロム化合物からなるCr源の群から選択される1種または2種が好ましい。
Co源としてはCo塩が好ましく、例えば、塩化コバルト(II)(CoCl)、硫酸コバルト(II)(CoSO)、硝酸コバルト(II)(Co(NO)、酢酸コバルト(II)(Co(CHCOO))及びこれらの水和物の中から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
Mn源としてはMn塩が好ましく、例えば、塩化マンガン(II)(MnCl)、硫酸マンガン(II)(MnSO)、硝酸マンガン(II)(Mn(NO)、酢酸マンガン(II)(Mn(CHCOO))及びこれらの水和物の中から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。これらの中でも、硫酸マンガンは、均一な溶液相が得られ易いので好ましい。
Ni源としてはNi塩が好ましく、例えば、塩化ニッケル(II)(NiCl)、硫酸ニッケル(II)(NiSO)、硝酸ニッケル(II)(Ni(NO)、酢酸ニッケル(II)(Ni(CHCOO))及びこれらの水和物の中から選択された1種または2種以上が好ましい。
同様に、Cu源としてはCu塩が好ましく、例えば、塩化銅(II)(CuCl)、硫酸銅(II)(CuSO)、硝酸銅(II)(Cu(NO)、酢酸銅(II)(Cu(CHCOO))及びこれらの水和物の中から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
また、Cr源としてはCr塩が好ましく、例えば、硫酸クロム(II)(CrSO)、塩化クロム(III)(CrCl)、硝酸クロム(III)(Cr(NO)の中から選択された1種または2種以上が好適に用いられる。
PO源としては、例えば、オルトリン酸(HPO)、メタリン酸(HPO)等のリン酸、リン酸二水素アンモニウム(NHPO4)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸アンモニウム((NHPO)、リン酸リチウム(LiPO)、リン酸水素二リチウム(LiHPO)、リン酸二水素リチウム(LiHPO)及びこれらの水和物の中から選択された1種または2種以上が好ましい。
特に、オルトリン酸、リン酸アンモニウム、リン酸リチウム等は、均一な溶液相を形成し易いので好ましい。
次いで、このLiPO粒子と、有機化合物と、鉄源及びリン酸鉄リチウムの前駆体物質のうちいずれか一方または双方と、を溶媒に混合させて、均一なスラリーとする。この混合の際には、分散剤を加えるとなお良い。
有機化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース、デンプン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、マルトース、スクロース、ラクトース、グリコーゲン、ペクチン、アルギン酸、グルコマンナン、キチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、アガロース、ポリエーテル、多価アルコールが挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。
鉄(Fe)源としては、例えば、塩化鉄(II)(FeCl)、硫酸鉄(II)(FeSO)、酢酸鉄(II)(Fe(CHCOO))等の鉄化合物またはその水和物、硝酸鉄(III)(Fe(NO)、塩化鉄(III)(FeCl)、クエン酸鉄(III)(FeC)等の3価の鉄化合物、リン酸鉄リチウム等を用いることができる。
リン酸鉄リチウムの前駆体としては、Li源と、Fe源と、PO源とを、これらのモル比(Li源:Fe源:PO源)が1:1:1となるように調整して混合したものが好適に用いられる。
なお、これらLi源、Fe源及びPO源は、既に述べたものと全く同様であるから、説明を省略する。
これらLiPO粒子、有機化合物、鉄源及びリン酸鉄リチウムの前駆体物質のうちいずれか一方または双方、を混合させる溶媒としては、水が好ましいが、水の他、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール:IPA)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングルコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングルコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングルコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類等を挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
LiPO粒子と有機化合物との混合比は、この有機化合物の全質量を炭素量に換算したとき、このLiPO粒子100質量部に対して0.6質量部以上かつ10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.8質量部以上かつ4.0質量部以下である。
ここで、有機化合物の炭素量換算の混合比が0.6質量部未満では、この有機化合物を熱処理することにより生じる炭素質被膜のLiPO粒子の表面における被覆率が80%を下回ることとなり、電池を形成した場合に高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となる。一方、有機化合物の炭素量換算の混合比が10質量部を超えると、相対的にLiPO粒子の混合比が低下し、電池を形成した場合に電池の容量が低くなるとともに、炭素質被膜の過剰な担持によりLiPO粒子の嵩密度が高くなり、したがって、電極密度が低下し、単位体積あたりのリチウムイオン電池の電池容量の低下が無視できなくなる。
このLiPO粒子と鉄源及びリン酸鉄リチウム(LiFePO)の前駆体物質の一方または双方との混合比は、LiPO粒子の表面の80%以上が炭素質被膜で被覆されるように、適宜調整すればよい。
混合比の例としては、Pが1モルの場合、Feが0.03モル以上かつ0.09モル以下となる混合比が好ましく、0.04モル以上かつ0.08モル以下となる混合比がより好ましく、0.05モル以上かつ0.07モル以下となる混合比がさらに好ましい。
より具体的には、LiPO粒子とLiFePO粒子の合計質量に対して、LiFePO粒子が1質量%以上かつ10質量%以下、好ましくは2質量%以上かつ9質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上かつ8質量%以下となるように混合すればよい。
これらLiPO粒子、有機化合物、鉄源及びリン酸鉄リチウムの前駆体物質のうちいずれか一方または双方を、溶媒に混合させる方法としては、これらが均一に混合される方法であればよく、特に限定されないが、例えば、遊星ボールミル、振動ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、アトライタ等の攪拌型分散装置を用いる方法が好ましい。
この混合の際には、まず、LiPO粒子を溶媒中に分散させ、その後、有機化合物を溶解することが好ましい。このようにすれば、均一分散したLiPO粒子の表面が有機化合物にて被覆される。その結果、後の工程で焼成することにより、LiPO粒子の表面に有機化合物由来の炭素質被膜が均一に付着するようになる。
「焼成工程」
上記のスラリーを乾燥して乾燥物とし、次いで、この乾燥物を、非酸化性雰囲気下にて焼成して、LiPO粒子の表面にFeが存在しかつ、このFeを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子とする工程である。
ここでは、上記のスラリーを乾燥して乾燥物とする。
この乾燥方法としては、スラリーから溶媒を散逸させることができればよく、特に限定されないが、例えば、乾燥機による乾燥法、スプレイドライヤー等の噴霧乾燥法等が挙げられる。
この噴霧乾燥法としては、例えば、スラリーを、大気下、100℃以上かつ300℃以下の高温雰囲気中に噴霧し、乾燥させ、粒子状乾燥物または造粒状乾燥物とする方法が挙げられる。
次いで、上記の乾燥物を、非酸化性雰囲気下、700℃以上かつ1000℃以下、好ましくは800℃以上かつ900℃以下の範囲内の温度にて焼成する。
この非酸化性雰囲気としては、窒素(N)、アルゴン(Ar)等の不活性雰囲気が好ましく、より酸化を抑えたい場合には、不活性ガスに対して水素(H)等の還元性ガスを1体積%〜10体積%含む還元性雰囲気が好ましい。
ここで、焼成温度を700℃以上かつ1000℃以下とした理由は、焼成温度が700℃未満では、乾燥物に含まれる有機化合物の分解・反応が充分に進行せず、有機化合物の炭化が不充分なものとなり、生成する分解・反応物が高抵抗の有機物分解物となるので好ましくない。一方、焼成温度が1000℃を超えると、乾燥物を構成する成分、例えばリチウム(Li)が蒸発して組成にずれが生じるだけでなく、この乾燥物にて粒成長が促進し、高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となる。
焼成時間は、有機化合物が充分に炭化される時間であればよく、特に制限はないが、0.1時間以上かつ10時間以下とする。
この焼成過程では、Feは触媒として作用し、有機化合物は、熱処理の際に分解・反応して炭素を生成する。これにより、LiPO粒子の表面にはFeが付着し、このFeが付着したLiPO粒子の表面に有機化合物由来の炭素が付着し、炭素質からなる被膜を形成することとなる。
以上により、LiPO粒子の表面にFeが存在しかつ、このFeを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子が生成することとなる。
この焼成過程では、乾燥物にリチウムが含まれる場合には、焼成時間が長くなるにしたがって、リチウムが炭素質被膜に拡散して炭素質被膜内にリチウムが存在することとなり、炭素質被膜の導電性がより一層向上するので好ましい。
ただし、焼成時間が長くなり過ぎると、異常な粒成長が生じたり、リチウムが一部欠損した表面被覆LiPO粒子または凝集粒子が生成したり等が起こり、よって、表面被覆LiPO粒子または凝集粒子自体の性能が低下し、その結果、この表面被覆LiPO粒子または凝集粒子を用いた電池特性が低下する原因となるので好ましくない。
「熱処理工程」
上記の表面被覆LiPO粒子または凝集粒子を、40℃以上かつ500℃以下、好ましくは80℃以上かつ400℃以下の温度にて0.1時間以上かつ1000時間以下、好ましくは0.5時間以上かつ300時間以下、より好ましくは0.5時間以上かつ200時間以下、熱処理する工程である。
ここで、熱処理温度及び時間を上記の範囲とした理由は、この範囲の条件にて熱処理することで室温以上の熱エネルギーを付与することにより、乾燥物の粒子に含まれるLi及びPが粒子内部から溶出し、これら溶出したLi及びPが粒子の表面を覆い、この粒子からのLi以外の金属不純物の溶出を抑制することができるからである。
熱処理工程における雰囲気は、特に限定されず、大気中であってもよく、非酸化性雰囲気中であってもよい。
以上により、所望の平均粒子径の表面被覆LiPO粒子、または、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子を得ることができる。
[電極形成用ペースト]
本実施形態の電極形成用ペーストは、本実施形態の電極材料と、導電助剤と、結着剤と、溶媒とを含有してなるペーストである。
電極材料の含有率は、この電極材料と導電助剤と結着剤の合計質量を100質量%とした場合に、85質量%以上かつ98.5質量%以下が好ましく、90質量%以上かつ98.5質量%以下がより好ましい。この範囲で電極材料を含有することにより、電池特性に優れた電極を得ることができる。
導電助剤としては、導電性を付与することができるものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックや、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素の群から選択される、1種または2種以上を用いることができる。
導電材料の含有率は、電極材料と導電助剤と結着剤の合計質量を100質量%とした場合に、0.1質量%以上かつ7質量%以下が好ましく、0.2質量%以上かつ5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上かつ3質量%以下がさらに好ましい。
ここで、含有率が0.1質量%未満では、本実施形態の電極形成用ペーストを用いて電極を形成した場合に、電子伝導性が十分ではなく、電池容量や充放電レートが低下するので好ましくない。一方、含有率が7質量%を超えると、電極中に占める電極材料が相対的に減少し、単位体積あたりのリチウムイオン電池の電池容量が低下するので好ましくない。
結着剤は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
結着剤の含有率は、電極材料と導電助剤と結着剤の合計質量を100質量%とした場合に、0.5質量%以上かつ10質量%以下が好ましく、1質量%以上かつ7質量%以下がより好ましい。ここで、含有率が0.5質量%未満では、本実施形態のペーストを用いて塗膜を形成した場合に、塗膜と集電体の結着性が十分ではなく、電極の圧延形成時等において塗膜の割れや脱落が生じる場合があり、好ましくない。また、電池の充放電過程において塗膜が集電体から剥離し、電池容量や充放電レートが低下する場合があるので、好ましくない。一方、含有率が10重量%を超えると、電極材料の内部抵抗が増大し、高速充放電レートにおける電池容量が低下する場合があるので、好ましくない。
溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール:IPA)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングルコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングルコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングルコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類等を挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒は、電極形成用ペースト中に30質量%以上かつ70質量%以下となるように混合されるのが好ましい。換言すれば、電極材料と導電助剤と結着剤の合計質量の電極形成用ペースト中における含有率は、30質量%以上かつ70質量%以下が好ましく、40質量%以上かつ60質量%以下がより好ましい。
このように、電極材料と、導電助剤と、結着剤と、溶媒とを混合することにより、電極形成に優れ、かつ電池特性に優れた、電極形成用ペーストを得ることができる。
本実施形態の電極形成用ペーストを作製する方法としては、本実施形態の電極材料と、導電助剤と、結着剤と、溶媒とを均一に混合することができる方法であればよく、特に限定されないが、例えば、ボールミル、サンドミル、プラネタリー(遊星式)ミキサー、ペイントシェーカー、ホモジナイザー等の混錬機が挙げられる。
[電極板]
本実施形態の電極板は、本実施形態の電極材料を含む正極材層を集電体上に形成してなる電極板である。この電極板は、リチウムイオン電池の正極に用いられる。
ここでは、上記の電極形成用ペーストを、集電体となる金属箔の一方の面に塗布し、その後、乾燥し、上記の電極材料と、導電助剤と、結着剤との混合物からなる塗膜が一方の面に形成された金属箔を得る。
次いで、この塗膜を加圧圧着して、金属箔の一方の面に正極材層を有する電極とし、次いで、この電極を40℃以上かつ500℃以下の温度にて0.1時間以上かつ1000時間以下熱処理することにより、本実施形態の電極板を得る。熱処理の条件は、上述した電極材料の製造方法の熱処理条件と全く同様である。
このようにして、本実施形態の電極板を作製することができる。
この電極板では、正極材層の電子伝導性を向上させることが可能である。
[リチウムイオン電池]
本実施形態のリチウムイオン電池は、本実施形態の電極板を備えている。
すなわち、このリチウムイオン電池は、本実施形態の電極板(正極)と、負極と、電解液とにより構成されている。
負極としては、金属Li、炭素材料、Li合金、LiTi12等の負極材料を用いることができる。
負極は、例えば、黒鉛粉末と、バインダー樹脂からなる結着剤と、溶媒と、必要に応じてカーボンブラック等の導電助剤とを混合し、得られた負極形成用ペーストを金属箔の一方の面に塗布し、その後、乾燥し、上記の電極材料とバインダー樹脂との混合物からなる塗膜が一方の面に形成された金属箔を得、この塗膜を乾燥し、次いで加圧圧着し、金属箔の一方の面に電極材料を含む負極材層を有する電極を形成することにより、作製することができる。
電解液は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で1:1となるように混合し、得られた混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を、例えば、濃度1モル/dmとなるように溶解することで作製することができる。この電解液はセパレーターを必要とするものであり、この電解液及びセパレーターの代わりに固体電解質を用いてもよい。
本実施形態のリチウムイオン電池では、本実施形態の電極板を正極としたことにより、Liの脱離・挿入が良好となり、よって、安定した充放電サイクル特性や高い安定性が実現可能である。
以上説明したように、本実施形態の電極材料によれば、上記のLiPO粒子の表面にFeが存在しかつFeを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子とし、この表面被覆LiPO粒子または凝集粒子を硫酸溶液(pH=4)に24時間浸漬させたときのLi溶出量を200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量を500ppm以上かつ2000ppm以下としたので、これら表面被覆LiPO粒子または凝集粒子からのLi以外の金属不純物の溶出を抑制することができる。
本実施形態の電極材料に、さらに酸化マンガンを含有させた場合には、電子伝導性をさらに向上させることができる。
本実施形態の電極形成用ペーストによれば、本実施形態の電極材料と、導電助剤と、結着剤と、溶媒とを含有したので、この電極形成用ペーストを用いて電極材料を含む正極材層を集電体上に形成すれば、この電極におけるLi以外の金属不純物の溶出を抑制することができる。
本実施形態の電極板によれば、本実施形態の電極材料を含む正極材層を集電体上に形成したので、Li以外の金属不純物の溶出を抑制することができる。
本実施形態のリチウムイオン電池によれば、本実施形態の電極板を備えたので、Li以外の金属不純物の溶出を抑制することができ、したがって、リチウムイオン電池の耐久性を向上させることができる。
本実施形態の電極材料の製造方法によれば、上記のLiPO粒子と、有機化合物と、鉄源及びリン酸鉄リチウムの前駆体物質のうちいずれか一方または双方と、を溶媒に混合させてスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥して乾燥物とし、次いで、この乾燥物を、非酸化性雰囲気下にて焼成して、LiPO粒子の表面にFeが存在しかつFeを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子とし、次いで、この表面被覆LiPO粒子、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子、のうちいずれか1種を、40℃以上かつ500℃以下の温度にて0.1時間以上かつ1000時間以下熱処理するので、Li以外の金属不純物の溶出を抑制することができる電極材料を容易に作製することができる。
本実施形態の電極板の製造方法によれば、上記の電極形成用ペーストを、集電体となる金属箔の一方の面に塗布し、その後、乾燥し、上記の電極材料と、導電助剤と、結着剤との混合物からなる塗膜が一方の面に形成された金属箔を得、次いで、この塗膜を加圧圧着して、金属箔の一方の面に正極材層を有する電極とし、次いで、この電極を40℃以上かつ500℃以下の温度にて0.1時間以上かつ1000時間以下熱処理するので、Li以外の金属不純物の溶出を抑制することができる電極板を容易に作製することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
(電極材料の作製)
水2L(リットル)に、4molの酢酸リチウム(LiCHCOO)、2molの硫酸マンガン(II)(MnSO)、2molのリン酸(HPO)を、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、120℃にて1時間、水熱合成を行った。
次いで、得られた沈殿物を水洗し、LiMnPO粒子を得た。
次いで、このLiMnPO粒子60g(固形分換算)と、有機化合物としてポリエチレングリコール3gと、溶媒として水60gと、LiMnPO粒子表面にLiFePOを被覆するためのLi源、Fe源及びPO源を含む溶液とを、ボールミルを用いて、直径5mmのジルコニアボール500gを媒体粒子として12時間分散処理を行い、均一なスラリーを調整した。
ここでは、Li源、Fe源及びPO源を含む溶液は、LiMnPO粒子とLiFePO粒子との合計質量に対してLiFePO粒子が5質量%となるように、Li源、Fe源及びPO源それぞれの質量を設定した。
次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、表面がポリエチレングリコールにより被覆されたLiMnPO粒子を得た。
次いで、この表面がポリエチレングリコールにより被覆されたLiMnPO粒子を、窒素(N)雰囲気下、700℃にて1時間焼成し、表面が炭素質被膜により被覆され、粒子表面にFeが存在する表面被覆LiMnPO粒子を得た。
次いで、この表面被覆LiMnPO粒子を、大気雰囲気中、40℃にて0.5時間熱処理し、平均粒子径が55nmの表面被覆LiMnPO粒子からなる実施例1の電極材料(A1)を得た。
(電極材料の評価)
この電極材料(A1)を走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、LiMnPO粒子の表面が薄膜状の炭素質被膜にて被覆されていることが観察された。
この電極材料(A1)3gを、25℃かつpH4の硫酸溶液30g中に24時間浸漬させ、次いで、固液分離し、得られた溶液中のFe溶出量、Li溶出量及びP溶出量をICP分析装置(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて測定した。
この電極材料の評価結果を表1〜表2に示す。
(ペーストの作製)
上記の電極材料(A1)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてアセチレンブラック(AB)とを、質量比が90:5:5となるように混合し、さらに溶媒としてN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を加えて流動性を付与し、実施例1のペーストを作製した。
(電極板の作製)
上記のペーストを、厚み15μmのアルミニウム(Al)箔上に塗布し、乾燥した。その後、600kgf/cmの圧力にて加圧し、実施例1のリチウムイオン電池の電極板を作製し、正極とした。
(リチウムイオン電池の作製)
上記のリチウムイオン電池の正極に対し、負極としてリチウム金属を配置し、これら正極と負極の間に多孔質ポリプロピレンからなるセパレーターを配置し、電池用部材とした。
一方、電解液は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で1:1となるように混合し、得られた混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度1モル/dmとなるように溶解することで作製した。
次いで、上記の電池用部材を上記の電解液に浸漬し、実施例1のリチウムイオン電池を作製した。
(リチウムイオン電池の評価)
上記のリチウムイオン電池の充放電特性の評価を行った。
ここでは、上記のリチウムイオン電池について、60℃にて、1C電流値で充電電圧が4.2Vとなるまで定電流充電を行った後、定電圧充電に切り替えて電流値が0.01Cとなった時点で充電を終了した。その後、放電電流1Cでの放電を行い、電池電圧が2.5Vとなった時点で放電を終了した。その際の放電容量を測定し、初回放電容量とした。
また、同様の条件にて充放電を繰り返し、300サイクル目の放電容量を測定して、初回放電容量に対する容量維持率を算出した。
実施例1のリチウムイオン電池の評価結果を表3に示す。
「実施例2」
Li源、Fe源及びPO源を含む溶液について、LiFePO粒子として5質量%から3質量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして電極材料、ペースト、電極板及びリチウムイオン電池を得た。
これらについて、実施例1と同様にして測定し評価した。実施例2の電極材料及びリチウムイオン電池の評価結果を表1〜表3に示す。
「実施例3」
熱処理時間を0.5時間から200時間に変更した以外は、実施例1と全く同様にして電極材料、ペースト、電極板及びリチウムイオン電池を得た。
これらについて、実施例1と同様にして測定し評価した。実施例3の電極材料及びリチウムイオン電池の評価結果を表1〜表3に示す。
「実施例4」
熱処理温度を40℃から200℃に変更した以外は、実施例1と全く同様にして電極材料、ペースト、電極板及びリチウムイオン電池を得た。
これらについて、実施例1と同様にして測定し評価した。実施例4の電極材料及びリチウムイオン電池の評価結果を表1〜表3に示す。
「実施例5」
Li源、Fe源及びPO源を含む溶液について、LiFePO粒子として5質量%から8質量%に変更した以外は、実施例1と全く同様にして電極材料、ペースト、電極板及びリチウムイオン電池を得た。
これらについて、実施例1と同様にして測定し評価した。実施例5の電極材料及びリチウムイオン電池の評価結果を表1〜表3に示す。
「実施例6」
LiMnPO粒子と、ポリエチレングリコールと、水と、Li源、Fe源及びPO源を含む溶液とを分散処理する際に、酸化マンガンをLiMnPO粒子に対して0.5質量%加えた以外は、実施例1と全く同様にして電極材料、ペースト、電極板及びリチウムイオン電池を得た。
これらについて、実施例1と同様にして測定し評価した。実施例6の電極材料及びリチウムイオン電池の評価結果を表1〜表3に示す。
「比較例1」
LiMnPO粒子と、ポリエチレングリコールと、水を分散処理する際に、Li源、Fe源及びPO源を添加せず、かつ、熱処理を行わなかった以外は、実施例1と全く同様にして電極材料、ペースト、電極板及びリチウムイオン電池を得た。
これらについて、実施例1と同様にして測定し評価した。比較例1の電極材料及びリチウムイオン電池の評価結果を表1〜表3に示す。
「比較例2」
熱処理を行わなかった以外は、実施例1と全く同様にして電極材料、ペースト、電極板及びリチウムイオン電池を得た。
これらについて、実施例1と同様にして測定し評価した。比較例2の電極材料及びリチウムイオン電池の評価結果を表1〜表3に示す。
「比較例3」
LiMnPO粒子と、ポリエチレングリコールと、水と、Li源、Fe源及びPO源を含む溶液とを分散処理する際に、酸化マンガンをLiMnPO粒子に対して0.5質量%加え、かつ、熱処理を行わなかった以外は、実施例1と全く同様にして電極材料、ペースト、電極板及びリチウムイオン電池を得た。
これらについて、実施例1と同様にして測定し評価した。比較例3の電極材料及びリチウムイオン電池の評価結果を表1〜表3に示す。
Figure 0005838994
Figure 0005838994
Figure 0005838994
以上の結果によれば、実施例1〜6の電極材料は、電極材料から硫酸溶液中に溶出したLi溶出量を200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量を500ppm以上かつ2000ppm以下に制御した結果、Mn及びFe溶出量が良好に抑制されていることが分かった。
また、60℃環境下にて充放電サイクルした際の300サイクル後の容量維持率が80%を超えており、優れた充放電サイクル特性を示していることが分かった。
その理由は、サイクル時のFe溶出やMn溶出が抑制され、SEI破壊や負極へのFe系不純物やMn系不純物が電析するのを抑えられたことで、容量劣化が抑制されたことによると考えられる。
また、溶出させた後の溶液のpHが8.3〜8.9となったのは、溶液の水素イオン濃度が低下し、アルカリ側へシフトするLi量が多く溶出したことによると考えられる。
一方、比較例1〜3の電極材料は、硫酸溶液中に溶出したLi溶出量が200ppm以下となっている。その結果、Fe溶出量及びMn溶出量の抑制がうまく機能せず、60℃環境下にて充放電サイクルした際の300サイクル後の容量維持率が70%以下となり、充放電サイクル特性が大きく低下していることが分かった。
その理由は、サイクル時のMnやFeの溶出が抑制されず、SEI破壊や負極へのMn系不純物の電析量が多くなり、容量劣化が著しいことによると考えられる。
また、溶出させた後の溶液のpHが7.0以下となったのは、溶液中の水素イオン濃度が低下したものの、アルカリ側へシフトするLi量が少なかったことによると考えられる。
以上により、実施例1〜6の表面被覆LiMnPO粒子は、60℃という高温環境下にて充放電サイクルを繰り返した場合における容量劣化を抑制し、二次電池の高温使用における充放電サイクル特性を改善することができることが分かった。
本発明の電極材料は、LiPO粒子の表面にFeが存在しかつFeを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または、この表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子とし、この表面被覆LiPO粒子または凝集粒子を硫酸溶液(pH=4)に24時間浸漬させたときのLi溶出量を200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量を500ppm以上かつ2000ppm以下とすることにより、表面被覆LiPO粒子または凝集粒子からのLi以外の金属不純物の溶出を抑制することができるものであるから、より小型化、軽量化、高容量化が期待される次世代の二次電池に対しても適用することが可能であり、次世代の二次電池の場合、その効果は非常に大きなものである。

Claims (7)

  1. LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子の表面にFeが存在しかつ前記Feを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子からなり、
    前記Feは、Fe単体、またはFe化合物として前記表面に存在し、
    前記Fe化合物は、塩化鉄(II)(FeCl )、硫酸鉄(II)(FeSO )、酢酸鉄(II)(Fe(CH COO) )またはその水和物、硝酸鉄(III)(Fe(NO )、塩化鉄(III)(FeCl )、クエン酸鉄(III)(FeC )、鉄酸リチウムまたはリン酸鉄リチウムであり、
    前記表面被覆LiPO粒子は、水素イオン指数4の硫酸溶液に24時間浸漬させたときのLi溶出量が200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量が500ppm以上かつ2000ppm以下であることを特徴とする電極材料。
  2. LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子の表面にFeが存在し、かつ、このFeを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子からなり、
    前記Feは、Fe単体、またはFe化合物として前記表面に存在し、
    前記Fe化合物は、塩化鉄(II)(FeCl )、硫酸鉄(II)(FeSO )、酢酸鉄(II)(Fe(CH COO) )またはその水和物、硝酸鉄(III)(Fe(NO )、塩化鉄(III)(FeCl )、クエン酸鉄(III)(FeC )、鉄酸リチウムまたはリン酸鉄リチウムであり、
    前記凝集粒子は、水素イオン指数4の硫酸溶液に24時間浸漬させたときのLi溶出量が200ppm以上かつ700ppm以下、P溶出量が500ppm以上かつ2000ppm以下であることを特徴とする電極材料。
  3. さらに、酸化マンガンを含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の電極材料。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の電極材料と、導電助剤と、結着剤と、溶媒とを含有してなることを特徴とする電極形成用ペースト。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の電極材料を含む正極材層を集電体上に形成してなることを特徴とする電極板。
  6. 請求項5記載の電極板を備えてなることを特徴とするリチウムイオン電池。
  7. LiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x≦2、0<y≦1、0≦z≦1.5)粒子と、有機化合物と、鉄源及びリン酸鉄リチウムの前駆体物質のうちいずれか一方または双方と、を溶媒に混合させてスラリーとし、
    次いで、このスラリーを乾燥して乾燥物とし、
    次いで、この乾燥物を、非酸化性雰囲気下にて焼成して、前記LiPO粒子の表面にFeが存在しかつ前記Feを含む粒子の表面を炭素質被膜により被覆した表面被覆LiPO粒子、または前記表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子とし、
    次いで、前記表面被覆LiPO粒子、前記表面被覆LiPO粒子を複数個凝集した凝集粒子、のうちいずれか1種を、40℃以上かつ500℃以下の温度にて0.1時間以上かつ1000時間以下熱処理し、
    前記鉄源は、塩化鉄(II)(FeCl )、硫酸鉄(II)(FeSO )、酢酸鉄(II)(Fe(CH COO) )またはその水和物、硝酸鉄(III)(Fe(NO )、塩化鉄(III)(FeCl )、クエン酸鉄(III)(FeC )、またはリン酸鉄リチウムであり、
    前記有機化合物は、前記熱処理の際に分解・反応し、前記Li PO 粒子の表面に付着して前記炭素質被膜を生成するものであることを特徴とする電極材料の製造方法。
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