JP5837332B2 - 廻り階段用作業足場 - Google Patents

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本発明は、廻り階段に設置する仮設の作業足場に関する。
住宅など建物内の天井部分の電気配線や下地桟、石膏ボード・クロスの貼り付けなど天井部分や壁面の高所に対する施工は、床面に脚立やはしご等の足場を組んで行われる。
特開2001−227153号公報
しかし、階段部分では、天井が吹き抜けとなっているため、床面からの高さが非常に高い。また、床面が階段であるため足場を組むことが難しかった。そのため、作業者は不安定な状態での作業を強いられ、階段室での作業は、危険で困難な作業となっていた。
また、階段の踏板の段差に応じて仮設足場を設置した場合であっても、階段を通じて上下階の移動をすることは、仮設足場が邪魔になって難しかった。
本発明は、以上のような問題点に鑑み、廻り階段に設置する仮設の作業足場を提供することを課題とする。
上記の課題は、上階側階段と踊り場と下階側階段からなる廻り階段に設置する廻り階段用作業足場であって、
該廻り階段用作業足場は、
支持材と、
該支持材間に渡して取り付けられる下地材と、
該下地材上に取り付けられる作業床と、
該作業床間に取り付けられる渡し材とからなり、
上階側階段、踊り場及び下階側階段の踏板のいずれかを土台として、上階側階段及び下階側階段のそれぞれに作業床が同一高さとなるように備えられ、該作業床間に作業床と同一高さとなるように渡し材を取り付けたことを特徴とする廻り階段用作業足場により解決される。
この廻り階段用作業足場では、上階側階段及び下階側階段のそれぞれに、上階側階段、踊り場及び下階側階段の踏板のいずれかを土台として、作業床が同一高さとなるように備えられ、さらに、該作業床間に作業床と同一高さとなるように渡し材が取り付けられているので、廻り階段にフラットな作業足場を仮設することができる。さらに、この廻り階段用作業足場の床面は、上階側階段及び下階側階段のそれぞれに設けた作業床と渡し材の3つの要素により構成されているため、床面どうしの繋ぎ目を少なくし、作業中の躓きを防止することができる。
また、廻り階段用作業足場は、支持材と下地材と作業床と渡し材で構成されているので、少ない部材で、作業足場を構成することができる。
この廻り階段用作業足場において、支持材の下端が伸縮自在であるとよい。
支持材の下端が伸縮自在であるので、さまざまな階段の踏板高さに対応することができ、階段の種類にとらわれず汎用性の高い廻り階段用作業足場とすることができる。
また、この廻り階段用作業足場において、作業床が折り畳み可能な2枚の板材からなるとよい。
作業床が折り畳み可能な2枚の板材からなっているので、作業床の一部を折り畳むことで、作業床に開口部が生じ、この開口部を通じて上下階の移動をすることができる。
本発明は以上のとおりであるから、廻り階段に設置する仮設の作業足場を提供することができる。
図(イ)は、本発明の実施形態である廻り階段用作業足場の設置状況を示す斜視図、図(ロ)は、廻り階段用作業足場が設置される階段室を示す平面図、図(ハ)は、廻り階段用作業足場の設置状態を示す平面図である。 図(イ)、(ロ)、(ハ)は、順に高さの異なる支持体(小)、支持体(中)、支持体(大)を示す正面図である。 図(イ)は、下地材を示す斜視図、図(ロ)は、折り畳みできない作業床を示す斜視図、図(ハ)は、下地材と作業床との組立て状況を説明する分解斜視図である。 図(イ)は、折り畳み可能な作業床を示す斜視図、図(ロ)は、同作業床を折り畳んだ状態を示す斜視図である。 図(イ)は、渡し材を示す斜視図、図(ロ)は、作業床間に渡し材を設置した状態を示す斜視図である。 図(イ)、(ロ)は、図7(イ)、(ロ)、図8とともに、廻り階段用作業足場の組み立て状況を説明する斜視図である。 図(イ)、(ロ)は、図6(イ)、(ロ)、図8とともに、廻り階段用作業足場の組み立て状況を説明する斜視図である。 図は、図6(イ)、(ロ)、図7(イ)、(ロ)とともに、廻り階段用作業足場の組み立て状況を説明する斜視図である。 図は、本発明の実施形態である廻り階段用作業足場の設置状況であって、折り畳み可能な作業床を開けた状態を示す斜視図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示す本発明の実施形態である廻り階段用作業足場1において、3は支持材、4は下地材、5は作業床、6は渡し材、7は筋交いである。2は、廻り階段用作業足場1が設置される建物内の階段室であり、図1(ロ)に示すように、下階側から上階側に対して180度回転しながら上昇するU字型階段である。U字型階段は、下階側階段である下階側21から続く直階段22‥が4段と、略正方形の踊り場23と、上階側階段の一部であり、3段からなる進行方向を90度回転させる廻り部24‥と、上階側階段の一部であり上階側26へ続く直階段25‥が4段の計12段により構成される。
この廻り階段用作業足場1では、図1(イ)、(ハ)に示すように、作業床5及び渡し材6が同一高さで、階段室2の全平面部を覆うように配置される。なお、27は、階段室2の下階側階段と上階側階段との間に設置させる間仕切壁である。
支持材3は、図2(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように、支持材3が設置される箇所に応じて高さ寸法が異なる支持材(小)3a、支持材(中)3b、支持材(大)3cが使用される。
図2(イ)に示す支持材(小)3aは、支持材を設置する土台から作業床面までの距離が短い場合に用いられる支持材であり、2本の脚部31,31と脚部31どうしを連結するつなぎ部32により略H状に構成される。後述するように、廻り階段用作業足場設置後に、上下階の人の移動を容易にするために、つなぎ部32は、脚部31,31の上端側に取り付けられている。支持材(小)3cの幅寸法、つまり脚部31,31の間隔は、設置させる階段の幅寸法にあわせて設定されている。脚部31は内部空洞の鋼管であり、下端には伸縮用脚部33が伸縮自在に挿入される。伸縮用脚部33の下端には、土台に対する設置を安定させるための安定材34が備えられている。なお、35は、脚部31に対して伸縮用脚部33を固定したり、解除したりするために設けられた固定材であり、ボルトである固定材35を、螺子が切られた脚部31の側面に対して締めたり緩めたりすることで、脚部31に対して伸縮用脚部33を固定したり、解除したりできるようになされている。
図2(ハ)に示す支持材(大)3cは、支持材を設置する土台から作業床面までの距離が長い場合に用いられる支持材であり、2本の脚部31,31と脚部31どうしを連結する2本のつなぎ部32により略ロの字状に構成される。後述するように、廻り階段用作業足場設置後に、上下階の人の移動を容易にするために、2本のつなぎ部32,32は、それぞれ脚部31,31の上端側と下端側に取り付けられている。支持材(大)3aの幅寸法、つまり脚部31,31の間隔は、設置させる階段の幅寸法にあわせて設定されている。脚部31は内部空洞の鋼管であり、下端には伸縮用脚部33が伸縮自在に挿入される。伸縮用脚部33の下端には、土台に対する設置を安定させるための安定材34が備えられている。なお、35は、脚部31に対して伸縮用脚部33を固定したり、解除したりするために設けられた固定材であり、ボルトである固定材35を、螺子が切られた脚部31の側面に対して締めたり緩めたりすることで、脚部31に対して伸縮用脚部33を固定したり、解除したりできるようになされている。
図2(ロ)に示す支持材(中)3bは、支持材(小)3aと支持材(大)3cの中間の高さ寸法の支持材であり、基本構成は支持材(大)3cと同様である。
図3(イ)に示すように、下地材4は、受け材41と受け材41の両端に備えられ、支持材3の脚部31の上端部に取り付けるための連結部42により構成される。受け材41の上面に間隔をあけて設けられる43‥は、後述する作業床5を固定するための固定ピン挿入用の孔であり、44,44は筋交いである。連結部42,42は内部空洞の鋼管であり、支持材3の脚部31の上端部が挿入される。なお、45は、挿入した脚部31を固定するために設けられた固定材であり、ボルトである固定材45を、螺子が切られた連結部42の側面に対して締めたり緩めたりすることで、連結部42に対して脚部31の上端部を固定したり、解除したりできるようになされている。
図3(ロ)に示す作業床5aは、下階側階段側に取り付ける折り畳みできない作業床である。作業床5aは、図1(ハ)に示すように、階段室2の下階側階段22‥および踊り場23を覆うことになる。作業床5aは、1枚からなる木製の合板51からなり、長手方向の両端部には、後述する固定ピンを挿入して下地材4と一体化するための孔が、下地材4に設けられた孔43‥と同じ間隔であけられている。
図3(ハ)に示すように、作業床5aの長手方向両端部に沿って、下地材4をそれぞれ配置し、作業床5a及び下地材4のそれぞれに設けられた孔、43‥,52‥を介して固定ピン56により固定される。固定ピン56は、軸部56aと頭部56bとからなり、固定ピンを作業床5a側から孔52‥に落とし込むだけで固定される。
図4(イ)に示す作業床5bは、上階側階段側に取り付ける折り畳み可能な作業床である。作業床5aは、図1(ハ)に示すように、階段室2の上部側階段の一部である廻り部24‥と上階側階段25‥を覆うことになる。作業床5bは、2片からなる木製の合板53,53が連結具54,54により、図4(ロ)に示すように、折り畳み可能に連結されている。連結具54,54には、例えば蝶番などが使用される。作業床5bの開き状態で、長手方向の両端部には、固定ピン56を挿入して下地材4と一体化するための孔が、下地材4に設けられた孔43‥と同じ間隔であけられている。なお、55は、作業床5bを開閉するときに作業者が手を引っ掛けるための掴み手である。
作業床5bの下地材4への固定は、作業床5aと同様に行われるが、折り畳む側の作業床、つまり掴み手55を有する作業床が上階側に配置されるように下地材4に固定される。
図5に示す渡し材6は、間仕切壁27があることにより作業床5aと作業床5bとが近接できないために生じる作業床5aと作業床5bとの隙間を埋めるために取り付けられる部材であり、木製の合板からなる本体部61と、本体部61の表面に本体部の長尺方向に間隔をあけて配置されるジョイント金物62‥からなる。ジョイント金物はその両端部が本体部61から延出し、その延出部には、固定ピン56により、作業床5a,5b及び下地材4と固定するための孔63があけられている。
図5(ロ)に示すように、作業床5a及び5bを設置後、渡し材6は、作業床5a,5b間に取り付けられ、作業床5a,5b及び渡し材6は、同一高さとなる。
この廻り階段用作業足場1は次のようにして階段室2内に組み立てる。
最初に、図6(イ)に示すように、階段室2内に支持材3を設置する。下階側階段部の作業床5aを取り付けるための支持材3として、下階から1段目の踏板に支持材(大)3c、下階から5段目にあたる踊り場23に支持材(中)3bを、それぞれ階段の幅方向と平行となるように設置する。また、上階側階段部の作業床5bを取り付けるための支持材3として、下階から6段目及び7段目にあたる廻り部24に支持材(中)3b、下階から12段目、つまり上階から1段目の踏板に支持材(小)3aを、それぞれ階段の幅方向と平行となるように設置する。なお、支持材(中)3bは、作業床5a、5bを階段室全面を覆うように配置するため、及び階段昇降時の通路を確保するために、壁際に寄せて設置する。
支持材3a,3b,3cを設置の際には、作業床5が同一高さで水平に設置できるように、それぞれの伸縮用脚部33を調整し、脚部31の上端高さを揃えておく。下階側階段部に設置する支持材(大)3cと支持材(中)3b、及び上階側階段部に設置する支持材(小)3aについては、伸縮用脚部33の伸縮寸法は、左右の脚部で同一であるが、上階側階段部に設置する支持材(中)3bは、設置する踏板が、下階から6段目及び7段目にあたる廻り部24で異なるため、伸縮用脚部33の伸縮寸法は、左右の脚部で異なる。なお、支持材(小)3a、支持材(中)3b、支持材(大)3cのそれぞれの伸縮用脚部33には、階段の高さに応じて寸法調整ができるように、一定間隔で目盛りが付されているとよい。
次に、図6(ロ)に示すように、下階側階段部設置した支持材3c,3bに対して、支持材3c,3b間に渡すように下地材4,4を取り付ける。つまり、下地材4,4は、階段の進行方向に沿って平行に、それぞれ階段の壁際に2列配置されることになる。取り付けは、下地材4の連結部に支持材3c,3bの脚部31の上端部を挿入し、固定材45により固定することで行う。この際、下地材4の水平を確認し、下地材4が水平となるように調整する。調整は、支持材3の伸縮用脚部33の伸縮を調整してもよいし、支持材3に対する下地材4の取り付け高さを調整することにより調整してもよい。
同様に、上階側階段部設置した支持材3b,3aに対しても、支持材3b,3a間に渡すように下地材4,4を取り付ける。
次に、図7(イ)に示すように、下地材4,4に対して、下階側階段部には、作業床5aを、上階側階段部には、作業床5bを固定する。作業床5a,5b及び下地材4のそれぞれに設けられた孔、43‥,52‥を介して固定ピン56により固定する。なお、後述する渡し材6の取り付けのために必要な箇所については、固定ピン56での固定は保留する。
次に、図7(ロ)に示すように、作業床5a,5b間の隙間に渡し材6を配置し、ジョイント金物62‥を介して作業床5a,5b及び下地材4に固定ピン56により固定する。
最後に、図8に示すように、下階側階段部及び上階側階段部のそれぞれの支持材3c,3b及び3b,3a間に筋交い7を取り付ける。
この廻り階段用作業足場では、上階側階段及び下階側階段のそれぞれに、上階側階段、踊り場及び下階側階段の踏板のいずれかを土台として、作業床が同一高さとなるように備えられ、さらに、該作業床間に作業床と同一高さとなるように渡し材が取り付けられているので、廻り階段にフラットな作業足場を仮設することができる。さらに、この廻り階段用作業足場の床面は、上階側階段及び下階側階段のそれぞれに設けた作業床と渡し材の3つの要素により構成されているため、床面どうしの繋ぎ目を少なくし、作業中の躓きを防止することができる。
また、支持材と下地材と作業床と渡し材で構成されているので、少ない部材で、作業足場を構成することができる。
また、支持材の下端が伸縮自在であるので、さまざまな階段の踏板高さに対応することができ、階段の種類にとらわれず汎用性の高い廻り階段用作業足場とすることができる。
また、作業床が折り畳み可能な2枚の板材からなっているので、図9に示すように、折り畳み可能な作業床の一部を折り畳むことで、作業床に開口部が生じ、この開口部を通じて上下階の移動をすることができる。
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、作業床に木製の合板を利用した場合について示したが、作業床の材質に制限はなく、作業足場の目的に沿う範囲で自由に選択が可能である。
また、上記実施形態では、作業床が、折り畳みできない作業床と折り畳み可能な作業床の組み合わせの場合について示したが、共に、折り畳み可能な作業床の組み合わせであってもよいし、共に、折り畳みできない作業床の組み合わせであってもよいのはいうまでもない。
また、支持材や下地材の形状、材質、接合方法についても任意に選択できることはいうまでもない。
1・・・廻り階段用作業足場
2・・・階段室
3・・・支持材
3a・・・支持材(小)
3b・・・支持材(中)
3c・・・支持材(大)
4・・・下地材
5・・・作業床
5a・・・作業床(折り畳みできない)
5b・・・作業床(折り畳み可能な)
6・・・渡し材
7・・・筋交い

Claims (2)

  1. 上階側階段と踊り場と下階側階段からなる廻り階段に設置する廻り階段用作業足場であって、
    該廻り階段用作業足場は、
    支持材と、
    該支持材間に渡して取り付けられる下地材と、
    該下地材上に取り付けられる作業床と、
    該作業床間に取り付けられる渡し材とからなり、
    上階側階段、踊り場及び下階側階段の踏板のいずれかを土台として、作業床は下地材の上側に固定されて上階側階段及び下階側階段のそれぞれに作業床が同一高さとなるように備えられ、該作業床間に作業床と同一高さとなるように渡し材取り付けられ、
    該作業床が折り畳み可能な2枚の板材からなり、折り畳む側の作業床が上階側階段の上階側に配置されることを特徴とする廻り階段用作業足場。
  2. 前記支持材の下端が伸縮自在である請求項1に記載の廻り階段用作業足場。
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