JP5835541B2 - 水中油型乳化基剤及び化粧料 - Google Patents

水中油型乳化基剤及び化粧料 Download PDF

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本発明は主として、植物油を鹸化してなる組成物を使用し、構成成分の酸化が抑制され、発臭、着色、外観変化を起こさない経時安定性に優れた乳化基剤、更には水中油型乳化基剤を使用してなる洗浄剤、臭いの抑制能を有するエマルション、弱酸性で優れたバリア機能を有する化粧料、外用医薬品に関する。
背景となる技術
皮脂成分は不飽和脂肪酸、ワックスエステル、スクワレンなど変化しやすい成分で構成されている。そして外部からの刺激から、内部からの水分の蒸散を抑制する皮膚のバリアとして大切な役割を果たしている。このような機能を有する皮膚外用剤も皮脂を模して作るべく古くから種々の試みが成されてきているが、酸化され易い物質を多く含むため、この酸化、微生物による分解などから、発臭するという課題を解決するに至っていない。
また近年化粧料を天然物主体で構成しようと言う試みが成されている。しかし天然物主体で作られる原料は天然油脂を原料として、エステル化、エステル交換、水素添加などの操作により作られた原料を主として使用し、変化し易いという課題を解消したものである。
動植物油を鹸化して石鹸を作る事は古くから知られている。しかし天然油脂には不飽和脂肪酸が多く、酸化され、着色、発臭するという欠点がある。このため、この改善のための検討も多く行われている。経時的に酸化され、不快臭の抑制に黒胡麻エキス、ウコン、ハッカクなどを使用すると効果があるという特許があるが、臭いの質を変えるものであり変質を抑制する物ではない(特開2010−150492)。
飽和脂肪酸から構成される石鹸は融点が高い為に低温安定性に劣る。これを改善する目的で、不飽和脂肪酸の中では比較的安定性の高いオレイン酸を低温安定性改善剤として併用する(公表平08−502096)。しかしこれも飽和脂肪酸の一部を置き換えるもので、オレイン酸だけを使用したものでは無い。
植物油を鹸化して、海藻を初めて配合したと言う特許が公知化されているが、安定性には言及していない(特開2009−263644)。
オレイン酸石鹸が乳化力を有し、ワックス、切削油などの乳化剤として使用されている。しかしオレイン酸が経時変化して、発臭、着色するために、化粧品用乳化剤として用いられる事は稀で、用いる場合でも微少である。
不飽和度の高いスクワレンは皮脂成分である。このものは経時による変質が激しい為に、皮膚外用剤では水素添化して飽和油(スクワラン)として用いられている。
化粧料、外用医薬品では、このような変質し易い天然油脂類は、酸化防止剤と併用して微量使用するのが一般的である。最近でもアスコルビン酸などの誘導体を使用し、魚臭の戻り臭を改善するという特許が公開されている。(特開2010−81802)、また最近では酸化されやすい薬剤を液晶、ゲル中に閉じ込めて、酸化抑制する事が検討されている(特開2009−155326、特開2010−18536)。しかしこれらの方法も変化し易い物質を特定し、ある限られた組成の液晶、ゲルによって達成できるというものである。
解決しようとする課題
天然油脂を鹸化してなる組成物は強アルカリ性で、経時変化が激しく着色、発臭する。これを主たる乳化剤として使用したエマルションも同様である。このためこのような組成のエマルションは知られていない。また天然油脂の鹸化組成物を主として使用した経時安定性に優れた皮膚、毛髪の洗浄剤は知られていない。更には天然油脂の鹸化組成物を主たる乳化剤として使用した経時安定性に優れた皮膚、毛髪用乳化型化粧料、外用医薬品などは知られていない。
天然油脂を鹸化してなる組成物を主たる乳化剤とした弱酸性の安定なエマルションは得難い事が良く知られている。これは石鹸が酸性サイドでは水に溶けずに、乳化力を失うためである。このため弱酸性の乳化型化粧料、外用医薬品などは知られていない。
解決するための手段
課題を解決すべく鋭意検討したところ、天然油脂の鹸化組成物、特定の高級アルコール、グリセリン脂肪酸エステルをある組成範囲で組み合わせることにより、経時安定性に優れた水中油型基剤となることを見出した。さらに驚くべき事に本基剤は乳化力に優れ、得られたエマルションは被乳化物の変質を著しく抑制すること、更には魚油、アンモニアのような臭気の成分の臭いを抑制すること、弱酸性でも安定で有ること、皮膚、毛髪の優れたバリア機能を有していること、更に本基剤は腐敗抑制効果を有し、微量の防腐剤、防腐機能を有する物質を少量使用するだけで使用に耐え得る物であったことなどを見出して本発明を完成した。
本発明で言う天然油脂の鹸化組成物とは植物油にアルカリを加え鹸化して得られた組成物で、アルカリ量、アルカリの種類、鹸化の方法を問わない。
本発明は天然油脂の鹸化組成物を主として使用し、オレイン酸を少量併用しても良い。特定のグリセリン脂肪酸エステル、特定の高級アルコールを次に示すような範囲で組み合わせる事で課題が解消された。
上記組成物の配合比率は天然油脂の鹸化組成物(水分を除した量)、とオレイン酸の総量を1として、重量比でグリセリン脂肪酸エステルと高級アルコールの総量の比率が3から0.3である。
本発明でいう水中油型乳化基剤とは天然油脂の鹸化組成物とオレイン酸、及び特定のグリセリン脂肪酸エステル、特定の高級アルコールからなるエマルションである。製造法を規定するものでは無いが、天然油脂の鹸化組成物、もしくはオレイン酸の水溶液を加温して均一溶液とし、ここに良く撹拌しながら、グリセリン脂肪酸エステル、もしくは高級アルコールを加えて得られる。この水中油型乳化基剤は乳化力、洗浄力に優れ、一般的に化粧品、医薬品で使われる油脂類、活性成分、動植物抽出物、紫外線吸収剤、低級アルコール、中級アルコール、保湿剤、防腐剤などを加えて、各種の洗浄剤、エマルション、頭髪化粧品、皮膚用化粧品、軟膏などを作る事が出来る。
特定のグリセリン脂肪酸エステルとは天然油脂、もしくはこの水添物とグリセリンとのエステル交換法により得られたもの、天然油脂から得られた脂肪酸、もしくはこの水添物とグリセリンとのエステル化反応で得られたもの、またこれらを精製したグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステルである。構成脂肪酸は炭素数12以上、好ましくは主として飽和脂肪酸を含む物である。
本発明でいう高級アルコールとは天然油脂から得られた脂肪酸を還元して得られたものである。好ましくは炭素数12以上の高級アルコール、更に好ましくは主として飽和高級アルコールを含むものである。
本発明でいう水中油型乳化基剤を主として含む事を特徴とする皮膚、毛髪用洗浄剤とは、本発明乳化基剤にエタノール、多価アルコール、洗浄補助成分、防腐剤などを加えて得られる洗顔、手洗い洗浄剤、身体洗浄剤、シャンプーなどである。
本発明で言う水中油型乳化基剤を含む皮膚外用剤、頭髪化粧料とは、本発明乳化基剤に一般的に化粧品、外用医薬品で使用される原料を加えて得られる染毛剤、脱色剤、ウェーブ剤、基礎化粧品、仕上げ化粧品、整髪剤、トリートメント剤などの皮膚外用の化粧品、頭髪化粧品である。
本発明でいう臭いの抑制能のあるエマルションとは本発明水中油型乳化基剤に魚油、アンモニアなどの臭気成分を配合し、優れた臭気の抑制機能を有するものである。
本発明で言う弱酸性の皮膚外用剤、頭髪化粧料とは各種軟膏、ハンドクリーム、栄養クリーム、乳液などの基礎化粧品、クリームファンデーションなどの仕上げ化粧品、リンス、トリートメント、整髪剤などの頭髪化粧品である。これらは本発明乳化基剤を主たる乳化剤として、一般的に使われる原料を乳化し、これを酸でPHを調整して得られる。
発明の詳細な説明
本発明は天然油脂の鹸化組成物を主として使用し、オレイン酸を少量併用しても良い。
オレイン酸は鹸化促進剤、外観調整、感触改善の目的で使用し、使用量は天然油脂の鹸化組成物に対して30%以下、好ましくは10%以下である。
天然植物油とはオリーブ油、ひまわり油、菜種油、大豆油、マカデミアンナッツ油、ひまし油、椿油、などを言う。また好ましくは構成脂肪酸のオレイン酸、リシノレイン脂肪酸の含有量が70%以上である天然植物油である。
天然油脂の鹸化組成物とはこれら天然油脂をアルカリ水溶液で鹸化して得られる。鹸化する方法、アルカリの種類などを限定するものでは無いが、例えば次のようにして作る事が出来る。
(処方)
オリーブ油 40%
オレイン酸 1
苛性ソーダ 2.5
精製水で バランス
上記処方に沿って、オリーブ油、オレイン酸をビーカーに計り取り、これを80℃に加熱する。同温度に加温した苛性ソーダを精製水に溶解した水溶液を攪拌しながら、徐々に加えて乳化する。この乳化液を徐々に冷却しながら、攪拌を続けると半透明の水溶液が出来る。
オレイン酸は乳化して、鹸化速度を早めるために使用した。特許請求項の範囲[請求項1]の如く、▲1▼から▲4▼の内容であるが、作り方、処方などは上記に限定するものでは無く、アルカリの種類、撹拌方法は種々の方法がある。アルカリの種類としては苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダ、炭酸カリ、アンモニア、アミン類、塩基性アミノ酸なとの有機、無機のアルカリが使用できる。
本発明組成物の成分の組み合わせ比率は天然油脂の鹸化組成物(水分を除した純分)及びオレイン酸の総量を1として、重量比でグリセリン脂肪酸エステルと高級アルコールの総量との比率が3から0.3である。好ましくは2.5から0.5である。高級アルコール、グリセリン脂肪酸エステルが少ないと経時安定性が得られず、多すぎると感触に油性感が無く、閉塞性も低下する。また弱酸性での安定性が悪くなる。
本発明でいう水中油型乳化基剤は乳化力、洗浄力に優れ、一般的に化粧品、医薬品で使われる油脂類、活性成分、動植物抽出物、紫外線吸収剤、低級アルコール、中級アルコール、保湿剤、防腐剤などを加えて、各種の洗浄剤、頭髪化粧品、皮膚用化粧品、軟膏、及び、臭いの抑制効果のあるエマルションなどを作る事が出来る。
本発明で言うグリセリン脂肪酸エステルとは合成法を限定するものでは無いが、動植物油とグリセリンとを触媒下で加熱するエステル交換法、グリセリンに天然由来の脂肪酸を触媒下で加熱する直接エステル化法とがある。脂肪酸は天然油脂に含まれる主として炭化水素鎖長8以上の脂肪酸から構成される。飽和、不飽和、水酸基を有する脂肪酸などがある。好ましくは脂肪酸の炭化水素鎖長は主として12以上で、更に好ましくは主として飽和である脂肪酸を含むものである。
高級アルコールには天然脂肪酸を還元して得られる高級アルコールである。主として炭素数12以上の高級アルコール、更に好ましくは飽和高級アルコールを含むものである。例えばセタノール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコールなどで有る。
本発明で言う乳化基剤を主として含むことを特徴とする洗浄剤とは石鹸、洗顔、身体洗浄剤、シャンプーなどで、固型、乳液状、ゲル状、クリーム状など各種の形態を作ることが出来る。本発明洗浄剤の好ましいPHは弱アルカリ性で、強アルカリ性では経時変化して、着色、発臭などが起こる。好ましいPHは9.5以下である。
乳化基剤を主として含むことを特徴とする皮膚外用剤、頭髪化粧料とは、染毛剤、各種ウェーブ剤、脱色剤、整髪剤、基礎化粧品、リンス、トリートメントなどの皮膚外用の化粧品、頭髪化粧品などで、固型、乳液状、ゲル状、クリーム状など各種の形態を作ることが出来る。これら皮膚外用剤、頭髪化粧料のPHも好ましくは9.5以下である。
本発明でいう臭いを抑制してなるエマルションとは、染毛剤、ウェーブ剤、飼料用エマルション、臭いを嫌う農薬、害虫駆除剤、昆虫忌避剤などのエマルションである。
本発明で言う水中油型乳化基剤を主として含むことを特徴とする弱酸性の皮膚外用剤、頭髪化粧料とは水中油型乳化基剤に各種の油脂類、エステル類、活性成分、保湿剤、水溶性高分子、防腐剤などを加えて乳化し、適切な酸で中和して得られる。好ましいPHは6.5以下である。このような皮膚外用剤、頭髪化粧料には軟膏、ハンドクリーム、乳液、ボディーローション、紫外線吸収剤配合のサンケア化粧品などの皮膚外用剤、リキッドファンデーション、クリームファンデーションなどの仕上げ剤、整髪剤、トリートメント、リンスなどの頭髪化粧料である。ここで使用される酸はその種類を選ばない。酒石酸、乳酸、クエン酸、アミノ酸、酢酸などの有機酸、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸が使用できる。好ましくは弱酸性の酸類、更に好ましくは有機酸である。
本発明では各種皮膚外用剤、頭髪化粧品、各種仕上げ化粧品、各種皮膚、毛髪洗浄剤には、一般的にこれらに使われている原料を本発明範囲を損なわない程度に広く使用する事が出来る。例えば油脂類、ワックス、エステル、活性成分、界面活性剤、水溶性高分子、防腐剤、低級、中級アルコール、セリサイト、マイカ、タルク、ベントナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄などである。
活性成分では美白、消炎、血流促進、代謝活性促進、消臭、酸化抑制、細胞賦活などの機能を有する物質で、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類、及び誘導体、各種動植物抽出物、美白剤、抗炎症剤、血流促進剤などである。
保湿剤ではグリセリンなどの多価アルコール類、ヒアルロン酸、水溶性コラーゲン、ポリペプチド類などである。
低級、中級アルコールは一般的に使用されるエタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ヘキサノール、オクタンジオール、1,3ブチレングリコール、プロピレングリコール、フェノキシエタノール、ペンチレングリコールなどである。
水溶性高分子はキサンタンガム、アルギン酸、セルロース誘導体、澱粉誘導体、ポリペプチド、タンパク誘導体、ヒドロキシエチルセルロース,PVA、ポリビニールピロリドン、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリルアミド誘導体などである。
防腐剤はパラベン類、安息香酸など、各種有機紫外線吸収剤、また食塩、塩化カルシューム、塩化マグネシューム、リン酸ソーダなどの無機塩類、香料などである。
オリーブ油の鹸化組成物水溶液の作成法)
オリーブ油の鹸化組成物を下記のようにして作成した。
(処方)
オリーブ油 25%
オレイン酸 1
苛性カリ 4
精製水 70
(作成法)
オリーブ油、オレイン酸を80℃に加熱し、これをホモミキサーで攪拌しながら、苛性カリを精製水に溶解し、同温度に加温してこれを少しずつ加えて乳化した。これを30分間、攪拌しながらゆっくり冷却して、半透明で均一なオリーブ油鹸化組成物水溶液を得た。
水中油型乳化基剤の検討
上記のオリーブ油の鹸化組成物水溶液を使用して、ここに高級アルコールを併用して乳化基剤を作成した。この基剤の分離、着色などの外観、臭気抑制能などの経時変化と泡立ちを検討した。
(処方)
オリーブ油の鹸化組成物水溶液(純分30%) 30%
セタノール 所定量
防腐剤 適量
精製水 バランス
(作り方)
オリーブ油鹸化組成物水溶液、セタノールを60℃にて良く攪拌混合し、均一溶液とした後、防腐剤、精製水を加えた。攪拌しながら室温まで冷却し、これを試料とした。
(評価法)
安定性:得られたエマルションを40℃恒温槽に10日間放置し、分離などの有無を肉眼で、臭気を官能で調べた。○:変化なし、△:僅か変化あり、×:変化ありとした。
泡立ちは乳化基剤の1%水溶液を試験管に取りこれを手振りして泡立ちの比較をした。オリーブ油鹸化組成物を基準にして、優れる:◎、同等:○、劣る:△とした。
(結果)
セタノール量と結果を表1に、高級アルコールと脂肪酸モノグリセライドとの関係を表2に示した。
セタノールが増加するにつれて安定性が増した。泡立ちはセタノールの配合により、オリーブ油鹸化組成物(水分を除した純分)に対してほぼ同量付近で改善された。またセタノールがオリーブ油鹸化組成物(水分を除した純分)の3倍量を超えると結晶化し不安定化した。また表2では炭素数12以上の脂肪酸モノグリセライドは高級アルコールと同様な効果を示した。
Figure 0005835541
Figure 0005835541
実施例1で作成したオリーブ油の鹸化組成物水溶液を使用して乳化基剤を作成して、この乳化力と、得られたエマルションの弱酸性下での安定性を比較検討した。
(処方)
A)
オリーブ油鹸化組成物水溶液 30%
セタノール 所定量
B)
防腐剤 適量
精製水 30
C)
スクワレン 10
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
実施例1に準じて作成したオリーブ油鹸化組成物水溶液とセタノールを60℃でよく混合した。ここに60℃に加温したB)成分を加えてよく攪拌して乳化基剤を作成した。これを冷却して40℃でC)成分を加えよく攪拌した。これを室温まで冷却して、D成分を加えてPHを6に調節した。
(評価法)
乳化力:乳化基剤にスクワレンを攪拌しながら加えて得られたエマルションの状態を肉眼評価した。半透明のゲル状態を○、白色エマルション状態を○、直後分離を×とした。
着臭:得られたエマルションを40℃恒温槽に10日間放置し、臭気を官能で調べた。全くの無臭を◎、僅か臭いを感じる○、酷い臭い×とした。
(結果)
セタノールの量と結果を表3に示した。また他の高級アルコールとの関係を表4に示した。セタノールがオリーブ油鹸化組成物(水分を徐した純分)に対して4/9を超えると優れた乳化力を示し、臭気抑制能も発現した。セタノールが24/9を超えると乳化力、臭気抑制能も減少傾向であった。表4では炭素数が10の高級アルコールでは十分な経時安定化効果が劣り、炭素数12以上の飽和高級アルコールがセタノールと同様な優れた効果を示した。また同じ炭素数でも液状のイソステアリルアルコールはオレイルアルコールよりも良好な結果を示した。
Figure 0005835541
Figure 0005835541
Figure 0005835541
水分蒸散抑制能の検討
試料の作成
実施例2と同様な条件で試料を作成し、エマルションの水分蒸散抑制能と経時安定性を検討した。
(処方)
A)
オリーブ油の鹸化組成物水溶液 30%
高級アルコール 所定量
B)
防腐剤 適量
精製水 30
D)
スクワレン 10
乳酸 適量
精製水 バランス
(作り方)
実施例2と同様にして試料を作成した。
(評価法)
臭気の有無:実施例1と同様にして評価した。
水分蒸散抑制能の評価:ガラス瓶に試料を塗布した濾紙を張り、ガラス瓶内にある精製水が一定温度、一定湿度下、12時間後で、どの程度蒸発抑制が成されているかを測定した。水分蒸散抑制能はろ紙に何も塗布していない場合の蒸発量、試料を塗布した時の蒸発量xとして、次の式で求めた。
(蒸発量−蒸発量x)/蒸発量×100=水分蒸散抑制能(%)
(結果)
オリーブ油鹸化組成物(水分を徐した純分)に対して、高級アルコールを6/9以上加えた実施例について、良好な水分蒸散抑制能が得られた。高級アルコールの炭素数が増加するに連れて、良好な水分蒸散抑制能を示した。
Figure 0005835541
ハンドクリーム
(処方)
A)
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液 25.0%
ベヘニルアルコール 5.0
B)
尿素 5.0
グリセリン 10.0
クエン酸 0.1
ヒアルロン酸 0.02
防腐剤 適量
精製水 25.0
C)
スクワレン 3.0
D)
乳酸 適量
精製水で バランス
(作成法)
サンフラワー油鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして、オリーブ油をサンフラワー油に変えて作成した。A)成分を60℃で良く攪拌して均一なゲルとし、攪拌しながらここに50℃でB)成分,C)成分を均一溶解させて添加した。攪拌しながら室温まで冷却して、D)成分を加えてPHを6に調整した。
(結果)
肌荒れ修復効果に優れた、感触の良いハンドクリームが得られた。本品は40℃に10日間放置し、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
ボディー乳液
A)
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液 20.0%
セタノール 5.0
B)
リノール酸 0.1
スクワレン 3.0
ホホバ油 2.0
C)
キサンタンガム 0.1
塩化カルシューム 0.1
塩化マグネシューム 0.1
グリセリン 5.0
オクタンジオール 1.0
精製水 20.0
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
サンフラワー油鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして、オリーブ油をサンフラワー油に変えて作成した。A)成分を60℃でよく攪拌して均一とし、50℃でB)成分を加えて良く攪拌し、更にC)成分を加えて良く攪拌し、室温まで冷却した。室温にてD)成分を加えてPHを6に調整した。
サンスクリーンクリーム
(処方)
A)
椿油の鹸化組成物水溶液 30%
エイコサノール 8
B)
オクトキシメトキシケイ皮酸オクチル 7
ホホバ油 3
C)
精製水 20
還元澱粉 3
グリセリン 5
水溶性コラーゲン 1
防腐剤 適量
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
椿油の鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして作成した。A)成分を60℃にて良く攪拌して均一なゲルとした。ここにB)成分,C)成分を加えて乳化して室温まで冷却した。室温でD)成分を加えてPHを6に調整した。
(結果)
耐水性に優れ、SPF18の高い紫外線防御能を有した。また本試料を40℃に10日間放置し、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
ボディーローション
(処方)
A)
オレイン酸 2.0%
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液 20.0
セタノール 6.0
グリセリンモノベヘニン酸エステル 1.0
B)
精製大豆レシチン 0.1
グリセリン 10.0
アルギン酸 0.4
防腐剤 適量
精製水 10.0
C)
スクワレン 10.0
D)
乳酸 中和量
精製水 バランス
(作成法)
A)成分を60℃でよく攪拌し、ここに同温度に加温したB)成分を加えて均一溶液とした。これを冷却して40℃でC)成分を加えて乳化した。攪拌しながら室温まで冷却してD)成分を加えてPH6に調整した。
(結果)
得られたエマルションは伸びも良く、しっとりした感触で、優れた水分蒸散抑制能を有し肌荒れ修復効果が認められた。
本試料を40℃に10日間放置しても、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
肌荒れ修復軟膏
(処方)
A)
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液 30%
オレイン酸 3
ステアリン酸モノグリセリド 1
ベヘニルアルコール 6
B)
アルギン酸 1
尿素 20
クエン酸 1
グリセリン 10
エリスリトール 5
ビタミンB6 0.2
防腐剤 適量
精製水 15
C)
スクワラン 5
ホホバ油 3
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして作成した。A)成分を70℃にて良く攪拌して均一に溶解した。50℃で均一溶液にしたB)成分を加え、更にC)成分を加えて乳化した。攪拌を続けて室温まで冷却して、D)成分を加えてPH6に調整した。
(結果)
本試料を40℃に10日間放置しても、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。また感触も良く、肌荒れ修復能に優れていた。
石鹸
(作成法)
オリーブ油の鹸化組成物水溶液、ひまし油の鹸化組成物水溶液は実施例と同様にして作成した。全ての原料を同一容器に計り取り、60℃にて良く攪拌し、室温まで冷却して半透明ゲル状の石鹸を得た。
処方と結果を下表に示す。
Figure 0005835541
(結果)
実施例の試料は良好な泡立ちを示した。試料を40℃に10日間放置したところ、比較例は着色し、酷く臭うのに対し、実施例では発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
身体洗浄剤
(処方)
A)
茶実油の鹸化組成物水溶液 50%
ラウリルアルコール 15
グリセリン 10
B)
精製水 バランス
(作成法)
茶実油の鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして作成した。夫々の原料を容器に計り取り、80℃にて良く攪拌して均一溶液とした。同温度でA)成分、B)成分を良く混合、攪拌し、これを室温まで冷却して半透明で粘性のある液体石鹸を得た。
(結果)
泡立ちに優れ、洗浄後の感触に優れた洗浄剤が得られた。また40℃に10日間放置し、
発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
染毛剤(酸化染毛料 1剤)
(処方)
A)
椿油の鹸化組成物水溶液 20%
セタノール 10
オリーブスクワラン 5
B)
精製水 20
染料 3
C)
防腐剤 適量
精製水 バランス
D)
アンモニア(28%) 6
(作成法)
A)成分を60℃に加温して十分攪拌し、ここに同温度に加温して均一に溶解したB)成分を加えて十分攪拌して乳化した。冷却して室温でC)成分、D)成分を混合して試料を得た。
(結果)
アンモニア臭が著しく低減し、染色性に優れた染毛剤が得られた。また本試料は40℃に10日間放置し、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
DHA油の酸化抑制効果
(処方)
A)
椿油の鹸化組成物水溶液 30.0%
オレイン酸 1.0
セタノール 8.5
B)
安息香酸 1.0
精製水 20.0
C)
ドコサヘキサエン酸 4.0
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
A)成分を60℃に加温して十分攪拌し、冷却して40℃加温して均一に溶解したB)成分、更にC)成分を加えて十分攪拌して乳化した。冷却して室温でD)成分を加えてPHを6.5に調整した。
(結果)
本試料を40℃に10日間放置しても、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
整髪剤
(処方)
A)
キャンデリラワックス 1.0%
椿油の鹸化組成物水溶液 20.0
ベヘニルアルコール 6.0
B)
安息香酸 0.1
ソルビトール 5.0
精製水 10.0
C)
椿油 5.0
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
A)成分を80℃に加温して攪拌して均一溶液とし、冷却して50℃で同温度に加温して均一に溶解したB)成分、C)成分を加えて十分攪拌して乳化した。冷却して室温でD)成分を加えてPHを6に調整した。
(結果)
本試料を40℃に10日間放置しても、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。また感触も良く、艶のある自然な整髪性を示した。

Claims (7)

  1. ▲1▼オレイン酸を70%以上含む 又は、リシノレイン酸を70%以上含む天然植物油にオレイン酸を添加して鹸化してなる組成物、
    ▲2▼オレイン酸を70%以上含む 又は、リシノレイン酸を70%以上含む天然植物油にオレイン酸を添加して鹸化してなる組成物にグリセリン脂肪酸エステルを添加した組成物、
    ▲3▼オレイン酸を70%以上含む 又は、リシノレイン酸を70%以上含む天然植物油にオレイン酸を添加して鹸化してなる組成物に高級アルコールを添加した組成物、
    ▲4▼オレイン酸を70%以上含む 又は、リシノレイン酸を70%以上含む天然植物油にオレイン酸を添加して鹸化してなる組成物にグリセリン脂肪酸エステルと高級アルコールを添加した組成物、
    上記の▲1▼から▲4▼のいずれかからなり、次に示す比率で配合してなる経時安定性に優れた水中油型乳化基剤。
    (配合):上記の天然植物油の鹸化組成物(水分を除したもの)、の総量を1として、これに対して動植物由来の高級アルコール、及び動植物由来のグリセリン脂肪酸エステルの総量が3から0.3(重量比)である水中油型乳化基剤。
  2. 天然植物油を鹸化してなる組成物の構成脂肪酸はオレイン酸、もしくはリシノレイン酸を70%以上含有し、グリセリン脂肪酸エステルの炭素数が12以上の動植物由来の高級脂肪酸を含むものである請求項1記載の乳化基剤。
  3. 炭素数が12以上の飽和高級アルコール、飽和グリセリン脂肪酸エステルを含むものである請求項1、2のいずれかに記載の水中油型乳化基剤。
  4. 請求項1、2、3のいずれかに記載の水中油型乳化基剤を含む事を特徴とする皮膚、毛髪用洗浄剤。
  5. 請求項1、2、3のいずれかに記載の水中油型乳化基剤を、乳化剤として使用する事を特徴とする水中油型皮膚外用剤、頭髪化粧料。
  6. 請求項1、2、3のいずれかに記載の水中油型乳化基剤を乳化剤として使用してなる臭いの抑制能を有するエマルション。
  7. 請求項1、2、3のいずれかに記載の水中油型乳化基剤を乳化剤として使用する事を特徴とする弱酸性の水中油型皮膚外用剤、頭髪化粧料。
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