JP5834334B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、遊技領域が形成された遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行うパチンコ機等の弾球遊技機に関する。

遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球すると、識別情報を所定の変動時間が経過するまで変動表示させ、変動時間の経過後に、識別情報が特定の表示態様で表示されることで、大入賞口が入球可能状態となる特定遊技を実行する弾球遊技機が知られている。

このような弾球遊技機の中には、第１識別情報の変動表示と、第２識別情報の変動表示とを並行して実行可能とする同時変動機能を有する弾球遊技機が存在する。そして、このような弾球遊技機として、例えば、第１識別情報の変動表示を経て実行される特定遊技よりも、第２識別情報の変動表示を経て実行される特定遊技の方が遊技者に付与する利益が大きくなるように設定するとともに、特定の遊技状態にて、第１識別情報の変動表示に要する平均所要時間を、第２識別情報の変動表示に要する平均所要時間よりも長く設定して、「同時変動機能を作動させつつも、遊技者に有利な第２識別情報の変動表示頻度を高めるゲーム性」を実現したものが提案されている（特許文献１）。

特開２０１０−１１０４６０号公報

しかしながら、特許文献１に開示されるような構成では、上記ゲーム性が実現できるものの、第２識別情報の変動表示頻度の高い期間が固定的であり、遊技興趣に欠けるという問題がある。

本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、同時変動機能を有する弾球遊技機において、遊技興趣の更なる向上を図ることを目的とする。

上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の弾球遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
第１始動口への入球に基づいて取得された入球情報に基づき、第１識別情報の変動表示を行う第１識別情報表示手段と、
第２始動口への入球に基づいて取得された入球情報に基づき、第２識別情報の変動表示を行う第２識別情報表示手段と、
前記第１識別情報の変動表示の結果が特定結果になった場合に、獲得可能な遊技利益の量が所定量とされる第１特定遊技を実行し、前記第２識別情報の変動表示の結果が特定結果になった場合に、獲得可能な遊技利益の量が前記第１特定遊技よりも多い第２特定遊技を実行する特定遊技実行手段とを備え、
前記第１識別情報の変動表示と、前記第２識別情報の変動表示とを並行して実行可能に構成された弾球遊技機において、
所定条件が成立すると、前記第１識別情報の変動表示回数が所定回数になるまで、前記第１識別情報の変動時間を長変動時間に設定し、前記第２識別情報の変動時間を前記長変動時間よりも短い短変動時間に設定する変動時間設定手段と、
少なくとも前記第１識別情報の変動表示が行われているときに前記第２識別情報の変動表示の結果が前記特定結果となって前記第２特定遊技が実行される場合には、前記第１識別情報に係る変動時間の計測を中断し、該中断された第１識別情報に係る変動時間の計測を前記第２特定遊技の終了後に再開させる変動制御手段と、
前記長変動時間に基づいて前記第１識別情報の変動表示が行われているときに前記第２識別情報の変動表示の結果が前記特定結果となって前記第２特定遊技が実行されると、該第２特定遊技の終了後に前記変動時間設定手段によって前記長変動時間が設定される前記第１識別情報の変動表示回数を増加させる長変動回数増加手段と、
を備え、
前記長変動回数増加手段は、前記長変動時間に基づいて前記第１識別情報の変動表示が行われているときに前記第２識別情報の変動表示の結果が前記特定結果となって前記第２特定遊技が実行されると、増加させる変動表示回数を第１回数または前記第１回数よりも多い第２回数に決定し、決定した回数に応じて前記第２特定遊技の終了後に前記長変動時間を設定する前記第１識別情報の変動表示回数を増加させる
ことを特徴とする。

このような弾球遊技機では、第１識別情報を長変動させる変動表示回数を多彩にでき、上記ゲーム性の面白味を高め、同時変動機能を有する弾球遊技機の遊技興趣をより高めることが可能となる。

尚、「長変動時間」としては、１種類の長変動時間を設けてもよいし、規定される時間の異なる複数種類の長変動時間を設けてもよい。また、「短変動時間」としては、１種類の短変動時間を設けてもよいし、規定される時間の異なる複数種類の短変動時間を設けてもよい。また、長変動時間および短変動時間を複数種類設ける場合には、複数種類の長変動時間の平均が複数種類の短変動時間の平均よりも長くなっていれば良い。また、「長変動回数増加手段」は、「第２識別情報の変動表示の結果が特定結果となったことに基づき実行される特定遊技の全て」で第１識別情報を長変動させる変動表示回数を増加させることとしてもよいし、「第２識別情報の変動表示の結果が特定結果となったことに基づき実行される特定遊技の一部」で第１識別情報を長変動させる変動表示回数を増加させることとしてもよい。尚、「第２識別情報の変動表示の結果が特定結果となったことに基づき実行される特定遊技の一部」としては、特定遊技の実行契機となった第２識別情報の変動表示結果が、複数の特定結果のうちの所定の結果となった場合等が例示できる。また、「第１識別情報に係る変動時間の計測を中断し、該中断された第１識別情報に係る変動時間の計測を特定遊技の終了後に再開させる」とは、「第１識別情報の変動表示を停止させるとともに、変動時間の計測を中断する構成」や、「第１識別情報の変動表示を継続させつつ、変動時間の計測を中断する構成」等が例示できる。

尚、「第１回数」または「第２回数」を決定する構成としては、特定遊技の実行契機となった第２識別情報の特定表示態様の種類に対応付けて決定する構成や、何れの回数とするかを選択するための回数決定抽選を行って決定する構成等が例示できる。

また、上述した弾球遊技機は、
前記長変動時間を設定する前記第１識別情報の変動表示回数を前記長変動回数増加手段が増加させる場合に、その旨を示す特別演出を実行する特別演出実行手段を備えることとしてもよい。

このような弾球遊技機によれば、第１識別情報を長変動させる変動表示回数の増加を遊技者に明確に認識させることができるので、上述のゲーム性による面白味を高め、遊技興趣を一層高めることが可能となる。

また、上述した弾球遊技機は、
前記長変動回数増加手段は、前記長変動時間に基づいて前記第１識別情報の変動表示が行われているときに前記第２識別情報の変動表示の結果が前記特定結果となって前記第２特定遊技が実行されると、前記第２特定遊技の終了後に前記長変動時間を設定する前記第１識別情報の変動表示回数を増加させる場合と増加させない場合とがあるように構成され、
前記長変動時間を設定する前記第１識別情報の変動表示回数を前記長変動回数増加手段が増加させる場合と増加させない場合に、増加するか否かを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えることとしてもよい。

このような弾球遊技機によれば、第１識別情報を長変動させる変動表示回数が増加することへの遊技者の期待を煽ることができ、上述のゲーム性による面白味を高め、遊技興趣を一層高めることが可能となる。
また、従来の「同時変動機能を作動させつつも、遊技者に有利な第２識別情報の変動表示頻度を高めるゲーム性」に加え、「第１識別情報の長変動中（長変動時間に基づく変動表示中）に、第２識別情報に係る特定遊技を何回実行できるか」および「第１識別情報の長変動中に第２識別情報に係る特定遊技を実行して、第１識別情報の長変動が行われる変動表示回数を増加させる（上乗せする）ことができるか」という新たな遊技要素を付加した新規なゲーム性を実現できる。この結果、第１識別情報の長変動中に遊技者が注目すべき点が多様となり、同時変動機能を有する弾球遊技機の遊技興趣を従来に比して高めることが可能となる。

本発明によれば、同時変動機能を有する弾球遊技機において、遊技興趣の更なる向上を図ることができる。

本実施例のパチンコ機の正面図である。 本実施例の遊技盤の盤面構成を示す説明図である。 本実施例の第１図柄表示装置および第２図柄表示装置の構成を示す説明図である。 本実施例の演出表示装置の画面構成を示す説明図である。 本実施例の始動口ユニットの構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機における制御回路の構成を示したブロック図である。 本実施例の普通図柄表示部の表示態様を示した説明図である。 本実施例の演出表示装置で行われる演出の一態様を例示した説明図である。 本実施例の遊技制御処理を示すフローチャートである。 本実施例の特図保留関連処理を示すフローチャートである。 本実施例の第１図柄変動遊技処理を示すフローチャートである。 本実施例の第１図柄変動遊技処理を示すフローチャートである。 本実施例の第１特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本実施例の第１特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本実施例の大当り判定テーブルを概念的に示す説明図である。 本実施例の変動パターンテーブルを概念的に示す説明図である。 本実施例の第２図柄変動遊技処理を示すフローチャートである。 本実施例の第２図柄変動遊技処理を示すフローチャートである。 本実施例の第２特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本実施例の第２特図変動開始処理を示すフローチャートである。 本実施例の大当り遊技処理を示すフローチャートである。 本実施例の大当り遊技終了時処理を示すフローチャートである。 本実施例の３０秒長変動カウンタ加算値テーブルを概念的に示す説明図である。 本実施例の第１外れ変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 本実施例の６０秒長変動パターンテーブルおよび３０秒長変動パターンテーブルを概念的に示す説明図である。 本実施例の長変動が実行される様子を概念的に示す説明図である。 本実施例の図柄変動演出処理を示すフローチャートである。 本実施例の演出パターンテーブルを概念的に示す説明図である。 本実施例の長変動関連演出処理を示すフローチャートである。 本実施例の継続示唆演出抽選テーブルを概念的に示す説明図である。

上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機（遊技機）に適用した実施例について説明する。

Ａ．パチンコ機の装置構成 ：
Ａ−１．装置前面側の構成 ：
図１は、本実施例のパチンコ機１の正面図である。図１に示すように、パチンコ機１の前面部は、大きくは、前面枠４、上皿部５、下皿部６、遊技盤１０などから構成されている。なお、図１では遊技盤１０の詳細な図示を省略している。前面枠４は、図示しない中枠３に取り付けられており、中枠３は図示しない本体枠２に取り付けられている。中枠３はプラスチック材料で成形されており、本体枠２の内側に取り付けられている。本体枠２は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機１の外枠を形成している。前面枠４の一端は中枠３に対して回動可能に軸支されており、中枠３の一端は本体枠２に対して回動可能に軸支されている。遊技盤１０は中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠４で覆われている。

前面枠４は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には円形状の窓部４ａが形成されている。この窓部４ａにはガラス板等の透明板が嵌め込まれており、奥側に配置される遊技盤１０の盤面が視認可能となっている。また、前面枠４には、遊技効果を高めるための各種ランプ類４ｂ〜４ｆが設けられている。前面枠４の下方には上皿部５が設けられており、上皿部５の下方には下皿部６が設けられている。また、前面枠４の右側には施錠装置９が設けられており、前面枠４の左側にはプリペイドカード式の球貸装置１３（ＣＲユニット）が設けられている。

上皿部５には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部５ａとが設けられている。遊技球は、上皿部５に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット１２（図６参照）に供給される。また、皿外縁部５ａには、遊技球の球貸スイッチ５ｂ、返却スイッチ５ｃ、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。上皿部５の左部にはスピーカー５ｙが設けられている。また、上皿５の前面側には演出ボタンＢＴが設けられている。本実施例のパチンコ機１では、演出ボタンＢＴに対する遊技者の操作を受け付けることによって、該操作に対応した遊技演出を行うことが可能となっている。

下皿部６には、パチンコ機１の内部から遊技球を排出するための排出口６ａが設けられており、排出された遊技球は下皿部６内に貯留される。下皿部６の右端には発射ハンドル８が設けられている。発射ハンドル８には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ８ａが設けられている。発射ハンドル８の回転軸は、下皿部６の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット１２に接続されており、遊技者が発射ハンドル８を回転させると、その動きが発射装置ユニット１２に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル８の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ８ｂが配置されている。

Ａ−２．遊技盤の構成 ：
図２は、遊技盤１０の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤１０は中枠３の前面側に着脱可能に取り付けられている。図２に示すように、遊技盤１０の中央には、外レール１４と内レール１５とによって囲まれた略円形状の遊技領域１１が形成されている。上述した発射装置ユニット１２から発射された遊技球は、外レール１４と内レール１５との間を通って遊技領域１１に放出され、遊技領域１１の上方から下方に向かって流下する。

遊技領域１１の略中央には中央装置２６が設けられ、遊技領域１１の下方部分には変動入賞装置１８が設けられ、中央装置２６と変動入賞装置１８との間には始動口ユニット１７が設けられている。後述するように始動口ユニット１７は、２つの始動口が上下に組み合わせて構成されており、上側に設けられた第１始動口１７ａは、遊技球の入球を許容する遊技球受入口の大きさが不変（一定）で、遊技球が常時入球可能となっている固定式（非可変式）の入球口であり、下側に設けられた第２始動口１７ｂは、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成された可変式の入球口となっている。始動口ユニット１７の詳細な構成については、別図を用いて後述する。

中央装置２６のほぼ中央には、演出表示装置４０が設けられている。演出表示装置４０は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上では、識別図柄や背景画像などの種々の演出図柄を変動表示した後に停止表示することが可能となっている。演出表示装置４０の表示画面上で表示される各種の演出図柄については後述する。

演出表示装置４０の左斜め下方には第１図柄表示装置２８が設けられ、演出表示装置４０の右斜め下方には第２図柄表示装置３２が設けられている。このうち、演出表示装置４０の左下方に設けられた第１図柄表示装置２８では、普通図柄や第１特別図柄を変動表示することが可能となっており、演出表示装置４０の右下方に設けられた第２図柄表示装置３２では、第２特別図柄を変動表示することが可能となっている。第１図柄表示装置２８や、第２図柄表示装置３２の詳細な構成については後述する。尚、以下では、第１特別図柄を単に「第１特図」と略記し、第２特別図柄を単に「第２特図」と略記することがあるものとする。

遊技領域１１の左側および右側には、普通図柄作動左ゲート３６と普通図柄作動右ゲート３７とが設けられており、これらのゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ３６ｓ，３７ｓがそれぞれ設けられている。更に、左右の普通図柄作動ゲート３６，３７と中央装置２６との間には、ランプ風車２４，２５が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘２３が設けられている。

中央装置２６の下方に設けられた変動入賞装置１８には、ほぼ中央に大入賞装置３１が設けられている。この大入賞装置３１は、略長方形状に大きく開放する大入賞口３１ｄや、大入賞口３１ｄを開閉させる開閉部材３１ｅ、開閉部材３１ｅを動作させる大入賞口ソレノイド３１ｍ（図６参照）などから構成されている。後述する所定の条件が成立すると、大入賞装置３１が作動を開始して大入賞口ソレノイド３１ｍにより開閉部材３１ｅが開動作され、大入賞口３１ｄが開放状態となる。この結果、遊技球が高い確率で大入賞口３１ｄに入球することとなって、遊技者にとって有利な大当り遊技（特別遊技）が開始される。また、大入賞口３１ｄの内部には大入賞口スイッチ３１ｓが設けられており、大入賞口３１ｄに入賞した遊技球を検出することが可能である。遊技盤１０の下方にはアウト口４８が設けられ、そのアウト口４８の下部にはバック球防止部材５８が設けられている。バック球防止部材５８は、遊技領域１１に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。

図３は、本実施例のパチンコ機１に搭載された第１図柄表示装置２８および第２図柄表示装置３２の構成を示す説明図である。図３（ａ）は第１図柄表示装置２８を表しており、図３（ｂ）は第２図柄表示装置３２を表している。まず、第１図柄表示装置２８の構成について説明する。図３（ａ）示されているように、本実施例の第１図柄表示装置２８は、略矩形の領域内に１２個の小さな発光ダイオード（ＬＥＤ）が組み込まれて構成されている。これら１２個のＬＥＤのうちの、３個のＬＥＤは普通図柄表示部２９を構成しており、残りの９個のＬＥＤは第１特別図柄表示部３０を構成している。更に、普通図柄表示部２９は、普通図柄を表示するための１個のＬＥＤ（以下、普通図柄ＬＥＤ２９ａと呼ぶ）と、普通図柄の保留数を表示するための２個のＬＥＤ（以下、普図保留表示ＬＥＤ２９ｂと呼ぶ）とから構成されている。また、第１特別図柄表示部３０は、第１特別図柄を表示するための７個のＬＥＤ（以下、第１特別図柄ＬＥＤ３０ａと呼ぶ）と、第１特別図柄の保留数を表示するための２個のＬＥＤ（以下、第１特図保留表示ＬＥＤ３０ｂと呼ぶ）とから構成されている。尚、以下では、第１特別図柄（第１特図）の保留を「第１特図保留」とも称し、第１特図の保留数を「第１特図保留数」とも称する。

図３（ｂ）に示した第２図柄表示装置３２は、上述した第１図柄表示装置２８に対して普通図柄表示部２９を取り除いた構成となっている。すなわち、第２図柄表示装置３２には、９個のＬＥＤから構成される第２特別図柄表示部３３が設けられており、そのほぼ中央に設けられた７個のＬＥＤは、第２特別図柄を表示するためのＬＥＤ（以下、第２特別図柄ＬＥＤ３３ａと呼ぶ）であり、残りの２個のＬＥＤは、第２特別図柄の保留数を表示するためのＬＥＤ（以下、第２特図保留表示ＬＥＤ３３ｂと呼ぶ）となっている。尚、以下では、第２特別図柄（第２特図）の保留を「第２特図保留」とも称し、第２特図の保留数を「第２特図保留数」とも称する。また、特に区別する必要がない場合は「第１特図保留」と「第２特図保留」とを、まとめて単に「特図保留」とも称する。

図４は、本実施例のパチンコ機１に搭載された演出表示装置４０の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置４０は、主に液晶表示器を用いて構成されており、その液晶表示器の表示領域は、第１図柄表示装置２８での第１特別図柄の変動表示が行われて第２図柄表示装置３２での第２特別図柄の変動表示が行われない状態（基本状態）と、第１図柄表示装置２８での第１特別図柄の変動表示が行われるとともに第２図柄表示装置３２での第２特別図柄の変動表示が行われる状態（同時変動状態）とで、その表示態様が異なるように構成されている。つまり、第２特別図柄の変動表示が行われず第２特図保留数が「０（ゼロ）」となっている状態（基本状態）では、演出表示装置４０の表示画面の表示領域は、図４（ａ）に示すように、第１図柄表示装置２８での第１特別図柄の変動表示に連動した図柄変動演出を行うための表示態様となる。具体的には、第１特別図柄の変動表示に合わせて種々の態様で変動表示した後、第１特別図柄の停止表示に合わせて停止表示する３つの第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃと、その背景の背景画像４１ｅと、第１特図保留数を表示するための第１特図保留図柄４１ｄが表示される。そして、図柄変動演出の結果として停止表示された第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃの表示態様（当り態様または外れ態様）によって、遊技者は、大当り遊技が開始されるか否かを認識することが可能となっている。

一方、第１図柄表示装置２８での第１特別図柄の変動表示が行われるとともに第２図柄表示装置３２での第２特別図柄の変動表示が行われる状態（同時変動状態）では、演出表示装置４０の表示領域は、図４（ｂ）に示すように、第１図柄表示装置２８で変動表示される第１特別図柄に対応する第１表示領域４１と、第２図柄表示装置３２で変動表示される第２特別図柄に対応する第２表示領域４２とに区分けされた表示態様となる。このうち、第１表示領域４１には、図４（ａ）に示した基本状態と同様に、３つの第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃと、第１特図保留図柄４１ｄと、背景画像４１ｅが表示される。また、第２表示領域４２には、第２特別図柄の変動表示に合わせて種々の態様で変動表示した後、第２特別図柄の停止表示に合わせて停止表示する３つの第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃと、第２特図保留数を表示するための第２特図保留図柄４２ｄと、背景画像４２ｅとが表示される。そして、各表示領域４１，４２において、図柄変動演出の結果として停止表示された表示態様（当り態様または外れ態様）によって、遊技者は、大当り遊技が開始されるか否かを認識することが可能となっている。

なお、図４（ａ）および図４（ｂ）に示す第１特図保留図柄４１ｄおよび第２特図保留図柄４２ｄは、それぞれ４つの図柄から構成されており、表示されている保留図柄の数に応じて特図保留数を示すものとなっている。図４（ｂ）では、第１特図保留図柄４１ｄおよび第２特図保留図柄４２ｄのうち表示されている図柄を実線で示しており、非表示となっている図柄を破線で示している。そして、第１特図保留図柄４１ｄでは３つの図柄が表示されていることから、第１特図保留数が３つであることが示され、第２特図保留図柄４２ｄでは１つの図柄が表示されていることから、第２特図保留数が１つであることが示されている。

図５は、本実施例のパチンコ機１に搭載された始動口ユニット１７の構成を示す説明図である。前述したように始動口ユニット１７には、第１始動口１７ａと、第２始動口１７ｂとが設けられている。上側に設けられた第１始動口１７ａは、遊技球受入口の大きさが一定の非可変式（ポケット式）の入球口（一般始動口）として構成され、下側に設けられた第２始動口１７ｂは、一対の翼片１７ｗを備えた可変式の入球口（可変始動口）として構成されている。一対の翼片１７ｗは、ほぼ直立した閉鎖状態（図５（ａ）参照）と、外側に向かって回転した開放状態（図５（ｂ）参照）との２つの状態を取ることが可能である。図５（ａ）に示すように、一対の翼片１７ｗがほぼ直立した第２始動口１７ｂの閉鎖状態は、遊技球は第２始動口１７ｂに入球することができず、専ら第１始動口１７ａに入球する状態である。これに対して、図５（ｂ）に示すように、一対の翼片１７ｗが外側に開いた第２始動口１７ｂの開放状態は、第２始動口１７ｂにも遊技球が入球し得る状態である。尚、本実施例の始動口ユニット１７では、第２始動口１７ｂが開放状態となると、第１始動口１７ａよりも第２始動口１７ｂの方が、遊技球が入球し易くなる。

第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂに入球した遊技球は、それぞれの内部に設けられた通路を通って遊技盤１０の裏面側に導かれる。第１始動口１７ａの内部の通路の途中には第１始動口スイッチ１７ｓが設けられ、第２始動口１７ｂの内部の通路の途中には第２始動口スイッチ１７ｔが設けられており、第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂに入球した遊技球はそれぞれ第１始動口スイッチ１７ｓあるいは第２始動口スイッチ１７ｔによって検出されるようになっている。

Ａ−３．制御回路の構成 ：
次に、本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成について説明する。図６は、本実施例のパチンコ機１における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機１の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板２００と、演出図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板２２０と、サブ制御基板２２０の制御の下で画像の表示や音声の出力を行う画像音声制御基板２３０と、サブ制御基板２２０の制御の下で各種ＬＥＤ，ランプ４ｂ〜４ｆを駆動する装飾駆動基板２２６と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板２４０と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板２６０などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するＣＰＵや、ＣＰＵで実行される各種プログラムやデータが記憶されているＲＯＭ、プログラムの実行に際してＣＰＵが一時的なデータを記憶するＲＡＭなど、種々の周辺ＬＳＩがバスで相互に接続されて構成されている。

主制御基板２００は、第１始動口スイッチ１７ｓや、第２始動口スイッチ１７ｔ、大入賞口スイッチ３１ｓ、ゲートスイッチ３６ｓ，３７ｓなどから遊技球の検出信号の入力があると、その検出信号の入力のあったスイッチに応じて定められる各種動作を指令するコマンドを、サブ制御基板２２０や、払出制御基板２４０、発射制御基板２６０などに向けて送信する。また、主制御基板２００には、第２始動口１７ｂに設けられた一対の翼片部１７ｗを開閉させるための始動口ソレノイド１７ｍや、大入賞口３１ｄを開閉させるための大入賞口ソレノイド３１ｍ、更には、第１図柄表示装置２８、第２図柄表示装置３２などが中継端子板（図示略）を介して接続されており、これら各種ソレノイド１７ｍ，３１ｍ、第１図柄表示装置２８、第２図柄表示装置３２に向かって駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御も行う。

サブ制御基板２２０には、画像音声制御基板２３０、装飾駆動基板２２６、演出ボタン基板２２８が接続されている。サブ制御基板２２０は、主制御基板２００からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、画像音声制御基板２３０に対して表示内容および音声内容を指定するコマンドを送信したり、装飾駆動基板２２６に各種ＬＥＤ、ランプ４ｂ〜４ｆの駆動信号を送信したりすることにより、遊技の演出を行う。また、サブ制御基板２２０は、演出ボタン基板２２８を介して演出ボタンＢＴに対する遊技者の操作を検出すると、該操作に対応する演出を行う。

画像音声制御基板２３０は、ＣＰＵ２３１、ＲＯＭ２３２、ＲＡＭ２３３に加えて、ＶＤＰ２３４、画像ＲＯＭ２３５、音声ＲＯＭ２３６を備えている。画像音声制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、サブ制御基板２２０からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をＶＤＰ２３４に指示する。ＶＤＰ２３４は、指示された画像の表示に利用するデータ（例えば、演出図柄やキャラクタ画像を表示するためのスプライトデータや動画データなど）を画像ＲＯＭ２３５から読み出して画像を生成して、演出表示装置４０の表示画面に出力する。また、ＣＰＵ２３１は、サブ制御基板２２０からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ＲＯＭ２３６から読み出して、該音声データに基づく音声を、アンプ基板２２４を介してスピーカー５ｙから出力する。

払出制御基板２４０は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部５に設けられた球貸スイッチ５ｂや返却スイッチ５ｃを操作すると、この信号は、球貸表示基板２４２から中継端子板（図示略）を介して、球貸装置１３に伝達される。球貸装置１３は、払出制御基板２４０とデータを通信しながら、貸球の払い出しを行う。また、主制御基板２００が賞球の払出コマンドを送信すると、このコマンドを払出制御基板２４０が受信して、払出モータ１０９ｍに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。

Ｂ．遊技の概要 ：
本実施例のパチンコ機１では、次のようにして遊技が行われる。まず、遊技者が上皿部５の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル８を回転させると、上皿部５に投入された遊技球が、１球ずつ発射装置ユニット１２に供給されて、図２を用いて前述した遊技領域１１に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル８の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル８の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。

発射した遊技球が、遊技領域１１の左右に設けられた普通図柄作動左ゲート３６、普通図柄作動右ゲート３７の何れかを通過すると、演出表示装置４０の左下方に設けられた第１図柄表示装置２８において普通図柄の変動表示が開始される。図４を用いて前述したように、第１図柄表示装置２８には普通図柄表示部２９が設けられており、普通図柄表示部２９には、普通図柄ＬＥＤ２９ａおよび普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが搭載されている。このうち、普通図柄ＬＥＤ２９ａを用いて普通図柄の変動表示を行う。

図７（ａ）は、普通図柄が変動表示する様子を概念的に示した説明図である。本実施例のパチンコ機１では、普通図柄ＬＥＤ２９ａの点滅を繰り返すことによって、普通図柄の変動表示を行う。図７では、普通図柄ＬＥＤ２９ａが点灯している状態を放射状の実線で表し、消灯している状態を破線で表している。そして、予め定められた時間だけ点滅を繰り返した後、普通図柄ＬＥＤ２９ａが点灯状態で停止した場合には、普通図柄の当りとなって、第２始動口１７ｂ（始動口ユニット１７の下側の始動口）が所定の開放時間だけ開放状態となる。逆に、消灯状態で停止した場合には普通図柄の外れとなって、第２始動口１７ｂが開放することはない。また、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動左ゲート３６または普通図柄作動右ゲート３７を通過した場合は、この遊技球の通過が普通図柄の保留（普図保留）としてＲＡＭ２０３の記憶領域（普図保留記憶領域）に記憶され、現在の普通図柄の変動表示が終了した後に、その普図保留に基づき変動表示が行われる。普図保留は最大４個まで記憶可能となっており、記憶されている普通図柄の保留数（普図保留数）は、普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによって表示される。

図７（ｂ）は、第１図柄表示装置２８に設けられた普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによって普図保留数が表示される様子を示した説明図である。普図保留が無い場合（すなわち、普図保留が０個の場合）は、２個の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂは何れも消灯している。普図保留が１個の場合は、向かって左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂは消灯したままで、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。普図保留が２個になると、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂに加えて左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。次いで、普図保留が３個になると、右側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点滅し、左側の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点灯する。更に普図保留が増加して上限値である４個になると、左右の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂが点滅した状態となる。このように普通図柄表示部２９では、２個の普図保留表示ＬＥＤ２９ｂを点灯、消灯、あるいは点滅させることによって、０個から４個までの普図保留数を表示することができる。

また、図３（ａ）を用いて前述したように、第１図柄表示装置２８には、第１特別図柄表示部３０が設けられており、第１特別図柄（第１特図）を変動表示可能となっている。更に、図３（ｂ）に示したように、第２図柄表示装置３２に設けられた第２特別図柄表示部３３では、第２特別図柄（第２特図）を変動表示可能となっている。このうち、第１特別図柄は第１始動口１７ａに対応し、第２特別図柄は第２始動口１７ｂに対応しており、第１特別図柄あるいは第２特別図柄は、それぞれ対応する始動口に遊技球が入球すると変動表示を開始する。また、前述したように第１特別図柄表示部３０および第２特別図柄表示部３３は、何れも同様な構成をしており、従って、第１特別図柄も第２特別図柄も同様な態様で変動表示を行う。

第１特別図柄および第２特別図柄は、所定の変動時間が経過するまで変動表示した後、大当り判定の結果に応じて大当り図柄または外れ図柄で停止表示される。そして、停止表示された大当り図柄または外れ図柄を確定させるべく、特別図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示（以下「確定表示」ともいう）を行う。本実施例では、停止表示される図柄（停止図柄）として、第１特別図柄および第２特別図柄の各々について、１００種類の大当り図柄と、１種類の外れ図柄が設けられている。図３を用いて前述したように、第１特別図柄表示部３０および第２特別図柄表示部３３の何れも７個のＬＥＤによって構成されており、各大当り図柄および外れ図柄は、点灯させるＬＥＤの組合せを互いに異ならせて設定されている。第１図柄表示装置２８および第２図柄表示装置３２では、それぞれ７個のＬＥＤ（第１特別図柄ＬＥＤ３０ａおよび第２特別図柄ＬＥＤ３３ａ）を所定の変動時間にわたって点滅させることによって特別図柄の変動表示を行い、その変動時間が経過すると、所定の組合せのＬＥＤを点灯させることで何れかの大当り図柄あるいは外れ図柄を停止表示する。そして、いずれかの大当り図柄が停止表示（確定表示）されると、大入賞口３１ｄが開放状態となる大当り遊技が開始される（大当りが発生する）。

尚、本実施例では、第１特別図柄を変動表示させてから大当り図柄または外れ図柄を確定表示するまでの遊技を「第１図柄変動遊技」とも称し、第２特別図柄を変動表示させてから大当り図柄または外れ図柄を確定表示するまでの遊技を「第２図柄変動遊技」とも称する。また、「第１図柄変動遊技」と「第２図柄変動遊技」とを特に区別しない場合は、これらをまとめて「図柄変動遊技」とも称する。また、第１特別図柄が大当り図柄で確定表示されることで開始される大当り遊技を「第１大当り遊技」とも称し、第２特別図柄が大当り図柄で確定表示されることで開始される大当り遊技を「第２大当り遊技」とも称する。また、「第１大当り遊技」と「第２大当り遊技」とを特に区別しない場合は、これらをまとめて「大当り遊技」とも称する。

また、本実施例のパチンコ機１では、第１大当り遊技として、大入賞口３１ｄが開放状態となるラウンド遊技が４回行われる大当り遊技（以下「４Ｒ大当り遊技」ともいう）が実行される。また、第２大当り遊技として、ラウンド遊技が１５回行われる大当り遊技（以下「１５Ｒ大当り遊技」ともいう）が実行される。１回のラウンド遊技で遊技者に払い出される遊技球数はほぼ同じであることから、第１大当り遊技（４Ｒ大当り遊技）より第２大当り遊技（１５Ｒ大当り遊技）の方が遊技者にとって有利な大当り遊技である。

また、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技終了後は、特別図柄が大当り図柄で停止表示される確率（大当り確率）が通常よりも高くなる「高確率状態」が、特別図柄の変動表示（図柄変動遊技）が「８０回」行われるまで設定される。すなわち、本実施例のパチンコ機１は、確変突入率が１００％の回数切り確変機（所謂ＳＴ機）となっている。

第１始動口１７ａあるいは第２始動口１７ｂへの遊技球の入球は、該入球を契機とする特別図柄の変動表示が開始されるまで、第１特別図柄の保留（第１特図保留）あるいは第２特別図柄の保留（第２特図保留）としてＲＡＭ２０３の記憶領域（特図保留記憶領域）に記憶される。第１特図保留および第２特図保留は、それぞれ最大４個まで記憶可能となっており、第１特図保留の個数（第１特図保留数）については第１特図保留表示ＬＥＤ３０ｂに表示され、第２特図保留の個数（第２特図保留数）については第２特図保留表示ＬＥＤ３３ｂに表示される。第１特図保留表示ＬＥＤ３０ｂあるいは第２特図保留表示ＬＥＤ３３ｂに特別図柄の保留数を表示する態様は、図７（ａ）に示した普図保留表示ＬＥＤ２９ｂによる普通図柄の保留数表示と同様であるため、ここでは説明を省略する。

ここで、詳しくは後述するが、本実施例のパチンコ機１では、第１特別図柄および第２特別図柄のうち、一方が変動表示中であったとしても、他方の変動表示を開始するように設定されている。すなわち、本実施例のパチンコ機１は、第１特別図柄および第２特別図柄を並行して変動表示する（第１図柄変動遊技および第２図柄変動遊技を並行して実行する）機能（いわゆる同時変動機能）を有する。

上述した第１図柄変動遊技あるいは第２図柄変動遊技の実行に合わせて、演出表示装置４０では演出図柄（第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃ、第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃ、背景図柄４１ｅ，４２ｅなど）を用いた各種の演出（以下「図柄変動演出」ともいう）が行われる。

図８は、第１図柄表示装置２８での第１特別図柄の変動表示が行われるとともに第２図柄表示装置３２での第２特別図柄の変動表示が行われる状態（同時変動状態）において、演出表示装置４０で図柄変動演出が行われる様子を例示した説明図である。図４（ｂ）を用いて前述したように、第１特別図柄の変動表示が行われるとともに第２特別図柄の変動表示が行われる状態（同時変動状態）では、演出表示装置４０を構成する液晶表示器の表示領域が、第１特別図柄に対応する第１表示領域４１と第２特別図柄に対応する第２表示領域４２とに分割されるようになっている。そして、前述した第１図柄表示装置２８で第１特別図柄の変動表示（第１図柄変動遊技）が開始されると、第１表示領域４１の３つの第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃも一斉に変動表示を開始する。また、前述した第２図柄表示装置３２で第２特別図柄の変動表示（第２図柄変動遊技）が開始されると、第２表示領域４２の第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃも一斉に変動表示を開始する。本実施例では、第１識別図柄および第２識別図柄として「１」〜「９」までの９つの数字を意匠化した図柄が用意されている。なお、識別図柄は、数字以外にも、文字、図形、記号等を意匠化した図柄であってもよく、遊技者が特別図柄の大当り抽選の結果を識別できる形態であればよい。

図８（ａ）には、第１表示領域４１の第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃと第２表示領域４２の第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃが同時に変動表示している様子が概念的に示されている。第１表示領域４１では、第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃの変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに、１つめの識別図柄（例えば左第１識別図柄４１ａ）が「１」〜「９」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、２つめの識別図柄（例えば右第１識別図柄４１ｃ）が停止表示され、最後に、残った３つめの識別図柄（例えば中第１識別図柄４１ｂ）が停止表示される。第１表示領域４１で停止表示されるこれら３つの第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃの組合せは、前述した第１図柄表示装置２８で停止表示される第１特別図柄の停止表示態様と連動するように構成されている。たとえば、第１特別図柄が「大当り図柄」で停止する場合は、演出表示装置４０の３つの第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃが同じ図柄で揃う当り態様（「７−７−７」等）で停止表示される。また、第１特別図柄が「外れ図柄」で停止する場合は、３つの第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃが同じ図柄で揃わない外れ態様（「５−１−７」等）で停止表示される。第２表示領域４２では、上述した第１表示領域４１と同様に、第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃが変動表示した後、第２特別図柄の停止表示態様と連動する第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃの組合せ（当り態様あるいは外れ態様）で停止表示する。

このように、第１表示領域４１で表示される第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃは、第１図柄表示装置２８で表示される第１特別図柄に表示内容が対応しており、第２表示領域４２で表示される第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃは、第２図柄表示装置３２で表示される第２特別図柄に表示内容が対応している。しかも、図２に示すように、第１表示領域４１および第２表示領域４２を有する演出表示装置４０は、第１図柄表示装置２８や第２図柄表示装置３２よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置４０の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、図８（ｂ）の第１表示領域４１に示すように、演出表示装置４０の表示画面上で初めに停止表示される識別図柄（図８（ｂ）では左第１識別図柄４１ａ）と、続いて停止表示される識別図柄（図８（ｂ）では右第１識別図柄４１ｂ）とが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される識別図柄（図８（ｂ）では中第１識別図柄４１ｂ）も同じ図柄で停止して、いわゆる大当り遊技が開始されるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このように、２つの識別図柄を同じ図柄（大当り図柄となり得る態様）で停止させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能となっている。

尚、第１表示領域４１および第２表示領域４２の大きさや形状等は固定である必要はなく、種々の構成を採用しても良い。例えば、演出表示装置４０の表示領域を第１表示領域４１と第２表示領域４２とに区分け（分割）して表示する場合、第１表示領域４１および第２表示領域４２の各々の大きさ（表示サイズ）は、図４（ｂ）や図８に示すように両者均等にしてもよく、あるいは、一方の大きさを他方に比べて大きくしてもよい。また、一方の表示領域で「リーチ演出を伴う図柄変動演出」が行われ、他方の表示領域で「リーチ演出を伴わない図柄変動演出」が行われる場合に、「リーチ演出を伴う図柄変動演出」が行われる表示領域を「リーチ演出を伴わない図柄変動演出」が行われる表示領域に比べ大きくするなど、図柄変動演出の進行態様に応じて各表示領域の大きさを変更するように構成してもよい。

一方、第１特別図柄の変動表示が行われて第２特別図柄の変動表示が行われない基本状態では、演出表示装置４０の表示領域に第２表示領域４２は形成されず、表示領域全体が第１表示領域４１となる（図４（ａ）参照）。そして、演出表示装置４０の表示領域全体で、第１特別図柄の変動表示に連動する図柄変動演出が行われる。

Ｃ．遊技機の制御内容 ：
Ｃ−１．遊技制御処理 ：
図９は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。

図９に示すように、遊技制御処理では、「賞球関連処理」「普通図柄遊技処理」「第２始動口閉鎖処理」「特図保留関連処理」「第１図柄変動遊技処理」「第２図柄変動遊技処理」「大当り遊技処理」などの各処理が繰り返し実行されている。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、所定周期毎に発生するタイマ割り込みに基づき遊技制御処理を行うように構成されており、本実施例では、４ｍｓｅｃ毎にタイマ割り込みが発生するものとなっている。つまり、図９に示す遊技制御処理は、ＣＰＵ２０１における４ｍｓｅｃ毎のタイマ割り込み処理として実行される。そして、遊技制御処理中に、サブ制御基板２２０を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板２００から各種コマンドを送信する。こうすることにより、パチンコ機１全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板２２０では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が行う遊技制御処理について説明する。

ＣＰＵ２０１は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理（賞球関連処理）を行う（Ｓ５０）。この処理では、主制御基板２００に接続された各種スイッチのうち、遊技球の入賞に関わるスイッチ（第１始動口スイッチ１７ｓや、第２始動口スイッチ１７ｔ、大入賞口スイッチ３１ｓなど）について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板２４０に向かって賞球数指定コマンドを送信する。払出制御基板２４０は、主制御基板２００から送信された賞球数指定コマンドを受信するとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置（図示せず）に搭載された払出モータ１０９ｍに駆動信号を送信することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、賞球関連処理（Ｓ５０）に続いて、普通図柄遊技処理を行うか否かを判断する（Ｓ１００）。この判断は、第２始動口１７ｂが開放状態であるか否かを検出することによって行う。第２始動口１７ｂが開放状態でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断し（Ｓ１００：ｙｅｓ）、第２始動口１７ｂが開放状態であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断する（Ｓ１００：ｎｏ）。そして、普通図柄遊技処理を行うと判断した場合は（Ｓ１００：ｙｅｓ）、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う（Ｓ１５０）。これに対して、普通図柄遊技処理を行わないと判断した場合は（Ｓ１００：ｎｏ）、普通図柄遊技処理（Ｓ１５０）は省略する。

普通図柄遊技処理（Ｓ１５０）では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留（普図保留）が存在するか否か（「０」であるか否か）を判定し、普図保留が存在する場合には普通図柄の当り判定を行う。ここで、普図保留は、遊技球が普通図柄作動ゲート３６，３７を通過することにより取得される普図当り判定乱数の値を示す情報を記憶するものであり、本実施例では、その記憶数（保留数）の上限値を「４」としている。そして、普通図柄の当り判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄（図７（ａ）参照）で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。続いて、普通図柄の変動時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始し、その後、変動時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させる。このとき、普通図柄の当り図柄が停止表示されると、第２始動口ソレノイド１８ｍを作動させて、第２始動口１７ｂに設けられた翼片１７ｗを両側に回動させることにより、第２始動口１７ｂを開放状態とする（図５（ｂ）参照）。

以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、第２始動口１７ｂが開放状態であるか否かを判断する（Ｓ１９０）。そして、開放状態である場合は（Ｓ１９０：ｙｅｓ）、第２始動口１７ｂを開放状態から閉鎖状態にするための処理（第２始動口閉鎖処理）を行う（Ｓ２００）。一方、第２始動口１７ｂが開放状態でない場合は（Ｓ１９０：ｎｏ）、第２始動口閉鎖処理を行う必要はないので省略する。

第２始動口閉鎖処理（Ｓ２００）では、次の何れかの条件が満足された場合、すなわち、第２始動口１７ｂの開放時間が経過したか、若しくは、第２始動口１７ｂに規定数の遊技球が入球したかの何れかの条件が成立したか否かを判断し、何れかの条件（始動口開放終了条件）が成立した場合に、開放状態の第２始動口１７ｂを閉鎖状態にする処理を行う。一方、第２始動口１７ｂの開放時間が経過しておらず、第２始動口１７ｂへの入球数も規定数に達していない場合（始動口開放終了条件が成立していない場合）は、第２始動口１７ｂを開放状態としたまま、第２始動口閉鎖処理（Ｓ２００）を終了する。

ここで、本実施例のパチンコ機１の遊技状態は、大別すると、大当り判定の結果が大当りとなる確率（大当り確率）の設定状況と、第２始動口１７ｂが開放状態になる際の開放時間の設定状況とに基づき決定される。このうち、第２始動口１７ｂの開放時間の設定状況に基づく遊技状態として「開放延長状態」と「非開放延長状態」の何れかに設定される。「開放延長状態」は「非開放延長状態」に比べ、前述の普通図柄の当り判定の結果が「当り」となる確率（普図当り確率）が高く、普通図柄の変動時間（普図変動時間）が短く、第２始動口１７ｂの開放時間が長く設定される。従って、開放延長状態は、非開放延長状態と比較して、第２始動口１７ｂが頻繁に開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第２始動口１７ｂへの遊技球の入球可能性が高くなる。このような構成を実現するために、本実施例のパチンコ１では、遊技状態が「開放延長状態」に設定されている場合は「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」がＯＮに設定され、遊技状態が「非開放延長状態」に設定されている場合はこれらのフラグがＯＦＦに設定される。そして、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、「変動短縮フラグ」がＯＮに設定されていることに基づき、普図当り確率を高確率（例えば「９９／１００」）、普図変動時間を短時間（例えば「１秒」）にそれぞれ設定し、「開放延長フラグ」がＯＮに設定されていることに基づき、第２始動口１７ｂの開放時間を長時間（例えば「１．５秒×３回開放＝４．５秒」）に設定する。一方、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、変動短縮フラグがＯＦＦに設定されていることに基づき、普図当り確率を低確率（例えば「２／１００」）、普図変動時間を長時間（例えば「２０秒」）にそれぞれ設定し、開放延長フラグがＯＦＦに設定されていることに基づき、第２始動口１７ｂの開放時間を短時間（例えば「０．１秒×３回開放＝０．３秒」）に設定する。尚、変動短縮フラグおよび開放延長フラグは、同じタイミングでＯＮあるいはＯＦＦに設定されるので、何れか一方のフラグのみを設定して、該一方のフラグを他方のフラグに代えて利用する構成としてもよい。

Ｃ−２．特図保留関連処理 ：
図１０は、特図保留関連処理を示すフローチャートである。特図保留関連処理（Ｓ２５０）では、先ず初めに、第１始動口１７ａに遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ２５２）。その結果、第１始動口１７ａに遊技球が入球した場合は（Ｓ２５２：ｙｅｓ）、第１特別図柄の保留数（第１特図保留数）が上限値（本実施例では「４」）に達しているか否かを判断する（Ｓ２５４）。そして、第１特図保留数が上限値に達していなければ（Ｓ２５４：ｎｏ）、判定乱数を取得する（Ｓ２５６）。ここで、判定乱数としては、後述する大当り判定を行うために用いられる大当り判定乱数や、大当り発生時に第１図柄表示装置２８（あるいは第２図柄表示装置３２）で停止表示する図柄を決定するために用いられる大当り図柄決定乱数、図柄が停止表示するまでの変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定乱数などの乱数を取得する。続いて、取得した判定乱数の値を示す情報を、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３（特図保留記憶領域）に第１特図保留として記憶する（Ｓ２５８）。第１特図保留を記憶したら（Ｓ２５８）、第１特図保留数に「１」を加算する（Ｓ２６０）。こうして、第１特図保留数に「１」を加算したら、第１保留発生コマンドを主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ２６２）。第１保留発生コマンドには、第１特図保留が記憶された（発生した）ことを示す情報、今回記憶した第１特図保留を含む現在の第１特図保留数を示す情報が含まれている。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、受信した第１保留発生コマンドに基づき、第１特図保留数を判断する。尚、第１保留発生コマンドに含まれる各情報を、それぞれ別のコマンドで送信するようにしてもよい。また、第１始動口１７ａに遊技球が入球していない場合や（Ｓ２５２：ｎｏ）、第１特図保留数が上限値（ここでは「４」）に達していた場合は（Ｓ２５４：ｙｅｓ）、Ｓ２５６〜Ｓ２６２の処理は省略する。

以上のようにして、第１特図保留に関する処理を終了したら、続いて第２特図保留に関する処理を開始する。第２特図保留に関する処理は、第１始動口１７ａに対して行った上述の第１特図保留に関する処理を、第２始動口１７ｂに対して行う処理である。以下、簡単に説明すると、先ず初めに、第２始動口１７ｂに遊技球が入球したか否かを判断し（Ｓ２７２）、第２始動口１７ｂに遊技球が入球していれば（Ｓ２７２：ｙｅｓ）、第２特図保留数が上限値（本実施例では「４」）に達しているか否かを判断する（Ｓ２７４）。その結果、第２特図保留数が上限値に達していなければ（Ｓ２７４：ｎｏ）、判定乱数（大当り判定乱数、大当り図柄決定乱数、変動パターン決定乱数など）を取得して（Ｓ２７６）、取得した判定乱数の値を示す情報を、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３（特図保留記憶領域）に第２特図保留として記憶する（Ｓ２７８）。そして、第２特図保留数に「１」を加算する（Ｓ２８０）。こうして、第２特図保留数に「１」を加算したら、第２保留発生コマンドを主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ２８２）。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、受信した第２保留発生コマンドに基づき、第２特図保留数を判断する。尚、第２保留発生コマンドに含まれる各情報を、それぞれ別のコマンドで送信するようにしてもよい。また、第２始動口１７ｂに遊技球が入球していない場合や（Ｓ２７２：ｎｏ）、第２特図保留数が上限値（ここでは「４」）に達していた場合は（Ｓ２７４：ｙｅｓ）、Ｓ２７６〜Ｓ２８２の処理は省略する。

以上のようにして、第１特図保留および第２特図保留に関する処理を終了したら、図１０に示した特図保留関連処理を終了して、図９の遊技制御処理に復帰する。そして、特図保留関連処理から復帰すると、遊技制御処理では、以下に説明する「第１図柄変動遊技処理（Ｓ３００）」「第２図柄変動遊技処理（Ｓ５００）」を実行する。

Ｃ−３．第１図柄変動遊技処理 ：
図１１および図１２は、本実施例の第１図柄変動遊技処理を示したフローチャートである。第１図柄変動遊技処理では、第１特図を変動表示および確定表示させる処理（第１図柄変動遊技を実行する処理）が行われる。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、第１図柄変動遊技処理を開始すると、第１特図が変動表示中であるか否かを判断する（Ｓ３０２）。

第１特図が変動表示中でない場合は（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図が確定表示中であるか否かが判断される（Ｓ３０４）。前述したように、第１特図および第２特図の何れであっても、変動表示が終了してから所定の時間が経過するまでは、変動表示の終了に伴い停止表示された特別図柄を確定させるべく、特別図柄が停止表示された状態を維持する表示（確定表示）を行う。Ｓ３０４の処理では、第１特図について、この「確定表示」の実行中であるか否かが判断される。その結果、第１特図が変動表示中でも確定表示中でもない場合は（Ｓ３０２：ｎｏ、Ｓ３０４：ｎｏ）、第１特図の変動表示（第１図柄変動遊技）を開始するための処理（第１特図変動開始処理）を実行する（Ｓ３０６）。

図１３および図１４は、本実施例の第１特図変動開始処理を示すフローチャートである。第１特図変動開始処理を開始すると、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、「第１大当りフラグ」または「第２大当りフラグ」の何れかがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ４００）。「第１大当りフラグ」は第１大当り遊技の実行中であることを示すフラグであって、「第２大当りフラグ」は第２大当り遊技の実行中であることを示すフラグである。したがって、Ｓ４００の判断処理では、第１大当り遊技または第２大当り遊技の何れかの実行中であるか否かが判断される。尚、「第１大当りフラグ」および「第２大当りフラグ」の記憶領域は、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスに確保されている。

何れかの大当り遊技が実行中である場合は（Ｓ４００：ｙｅｓ）、そのまま図１３および図１４に示す第１特図変動開始処理を終了して図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理に復帰する。すなわち、何れかの大当り遊技が実行中である場合は、第１特図の変動表示（第１図柄変動遊技）は開始しない。これに対して、何れの大当り遊技も実行されていない場合は（Ｓ４００：ｙｅｓ）、第１特図保留数が「０」であるか否かを判断する（Ｓ４０２）。その結果、第１特図保留数が「０」でなければ（第１特図保留数≧１）（Ｓ４０２：ｎｏ）、記憶されている第１特図保留の中から最も古くに記憶された第１特図保留を読み出す（Ｓ４０４）。このＳ４０４の処理では、第１特図保留として記憶されている各種の判定乱数の値を読み出す。これに対して、第１特図保留数が「０」である場合は（Ｓ４０２：ｙｅｓ）、第１特図保留が記憶されていないと判断されるので、後述の大当り判定や第１特図の変動表示を開始する必要はない。そこで、図１３および図１４に示す第１特図変動開始処理を終了して、図１１および図１２に示した第１図柄変動遊技処理に復帰する。

以上のようにして、第１特図保留を読み出したら（Ｓ４０４）、高確フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ４０６）。ここで、本実施例のパチンコ機１の遊技状態は、前述した「開放延長状態」あるいは「非開放延長状態」の何れかに設定されるとともに、特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率（特図当り確率もしくは大当り確率）の高い「高確率状態」あるいは該確率が高確率状態より低い「低確率状態」の何れかに設定される。高確フラグとは、遊技状態を高確率状態（確変機能が作動した状態）に設定するときにＯＮに設定されるフラグであり、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０３の所定アドレスが、高確フラグとして割り当てられている。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、高確フラグの設定状況に基づき現在の遊技状態が高確率状態か否かを判断する。Ｓ４０６の結果、高確フラグがＯＮに設定されていれば（Ｓ４０６：ｙｅｓ）、高確率用の大当り判定テーブルを選択し（Ｓ４０８）、高確フラグがＯＮに設定されていなければ（Ｓ４０６：ｎｏ）、低確率用の大当り判定テーブルを選択する（Ｓ４１０）。大当り判定テーブルとは、大当り判定乱数の値に対応付けて「大当り」または「外れ」の判定結果が設定されているテーブルであり、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。

図１５は、本実施例の大当り判定テーブルを概念的に示す説明図である。図１５（ａ）には低確率用の大当り判定テーブルが示されており、図１５（ｂ）には高確率用の大当り判定テーブルが示されている。図１５（ａ）に示すように、低確率用の大当り判定テーブルには、「０」〜「５９９」の大当り判定乱数の値のうち「１３」〜「１４」の値に対して「大当り」の判定結果が設定されている。また、図１５（ｂ）に示すように、高確率用の大当り判定テーブルには、「０」〜「５９９」の大当り判定乱数の値のうち「１３」〜「３２」の値に対して「大当り」の判定結果が設定されている。

図１５（ａ）と図１５（ｂ）とを比較すれば明らかなように、図１５（ｂ）に示す高確率用の大当り判定テーブルは、図１５（ａ）に示す低確率用の大当り判定テーブルよりも多くの乱数値に「大当り」の判定結果が設定されている。換言すれば、高確率用の大当り判定テーブルには、低確率用の大当り判定テーブルよりも多くの「大当りの判定結果が得られる乱数値（大当り値）」が設定されていることになる。したがって、図１５（ｂ）の高確率用の大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行った場合には、図１５（ａ）の低確率用の大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行った場合よりも、高確率で「大当り」の判定結果が得られることになる。

続いて、図１４の第１特図変動開始処理では、Ｓ４０８またはＳ４１０の処理で選択した大当り判定テーブルを参照して、第１特図保留として読み出した大当り判定乱数の値が「大当り」に対応する値（大当り値）か否かを判断する（Ｓ４１２）。つまり、今回の大当り判定の結果が大当りか外れかを判断する。

その結果、今回の大当り判定の結果が大当りでない場合（Ｓ４１２：ｎｏ）、すなわち、大当り判定の結果が外れである場合は、第１外れ変動パターン選択処理を行う（Ｓ４１４）。第１外れ変動パターン選択処理は、第１図柄表示装置２８で第１特図の変動表示を開始してから停止表示させるまでの変動パターンのうち、外れ図柄で停止表示させる際の変動パターン（外れ変動パターン）を選択する処理である。詳しくは後述するが、第１外れ変動パターン選択処理では、変動パターンテーブルを参照して外れ変動パターンを選択する。

図１６には、本実施例の変動パターンテーブルの一例として、遊技状態が高確率状態且つ開放延長状態に設定された期間（以下「高確開放期間」ともいう）において大当り判定の結果が外れである場合に選択される変動パターンテーブル（高確開放外れ変動パターンテーブル）が概念的に示されている。図１６に示すように、変動パターンテーブルは、特図保留として取得される変動パターン決定乱数に対応させて変動パターンが設定されたデータテーブルであり、変動パターンとして特別図柄の変動時間が記憶されている。また、各変動パターンには該変動パターンの種類を識別するための変動パターン識別情報が付されている。

変動パターンが選択されて特別図柄の変動表示が開始されると、該特別図柄は、その選択された変動パターンに従って（変動時間が経過するまで）変動表示された後に停止表示される。また、変動パターンが選択されると、その選択された変動パターンの変動パターン識別情報は、変動パターン指定コマンドとしてサブ制御基板２２０に向けて送信される。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、変動パターン指定コマンドを受信すると、そのコマンド（変動パターン識別情報）に対応する図柄変動演出を実行する。すなわち、所定の変動パターンに基づき図柄変動遊技が行われる場合は、該変動パターンに対応する図柄変動演出が実行される。図１６に示す高確開放外れ変動パターンテーブルは、高確開放期間において大当り判定の結果が外れである場合に選択される変動パターンテーブルであることから、該変動パターンテーブルに設定されている変動パターンに基づき図柄変動遊技が行われる場合は、高確開放期間での外れ図柄が停止表示（確定表示）される図柄変動遊技（以下「外れ変動遊技」ともいう）に対応する図柄変動演出として「第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃが外れ態様で停止表示される図柄変動演出」が実行される。尚、変動パターンテーブルは、主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。

第１外れ変動パターン選択処理では（Ｓ４１４）、外れ変動パターンテーブルを選択するとともに、図１３のＳ４０４で第１特図保留として読み出した変動パターン決定乱数に対応する外れ変動パターンを、選択した外れ変動パターンテーブルを参照して選択する。尚、第１外れ変動パターン選択処理の中では、上述したような遊技状態に応じた外れ変動パターンを選択する処理だけでなく、該外れ変動パターンとは異なる外れ変動パターンを選択する処理も行われる。この処理については、後に詳しく説明する。

第１外れ変動パターン選択処理において外れ変動パターンを選択したら（Ｓ４１４）、停止表示させる図柄（停止図柄）として外れ図柄をＲＡＭ２０３の記憶領域（停止図柄記憶領域）に記憶する（Ｓ４１６）。

一方、今回の大当り判定の結果が大当りであると判断された場合には（Ｓ４１２：ｙｅｓ）、「第２特図当り変動フラグ」がＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ４１８）。「第２特図当り変動フラグ」は、第２特図が「当り変動」中（大当り図柄で確定表示される第２図柄変動遊技の実行中）であることを示すフラグである。ここで「当り変動」とは「大当り図柄で確定表示する変動表示」である。Ｓ４１８の判断処理では、第２特図が当り変動中であるか否かが判断される。その結果、第２特図が当り変動中である場合は（Ｓ４１８：ｙｅｓ）、上述した第１外れ変動パターン選択処理において外れ変動パターンを選択するとともに（Ｓ４１４）、停止図柄として外れ図柄をＲＡＭ２０３の停止図柄記憶領域に記憶する（Ｓ４１６）。すなわち、第１特図の変動表示を開始するに際して第２特図が当り変動中である場合は、大当り判定の結果が大当りであったとしても、今回開始する第１特図の変動表示を「外れ図柄で確定表示する変動表示」（以下「外れ変動」ともいう）とする。

これに対して、第２特図が当り変動中でない場合は（Ｓ４１８：ｎｏ）、大当り図柄を選択するための処理（大当り図柄選択処理）を行う。この処理では、図１３のＳ４０４で第１特図保留として読み出した判定乱数のうち大当り図柄決定乱数に対応する大当り図柄を、大当り図柄決定テーブル（図示せず）を参照して選択（決定）する（Ｓ４２０）。

本実施例では、大当り図柄決定乱数として「０〜９９」の１００個の値が設定され、この大当り図柄決定乱数の各値に対して大当り図柄が設定されている。つまり、１００種類（１００個）の大当り図柄が設定されている。そして、大当り図柄決定テーブルには、「大当り図柄乱数の値」と「大当り図柄」との対応関係が設定されており、第１特図に対応するテーブルと第２特図に対応するテーブルとが主制御基板２００のＲＯＭ２０２に予め記憶されている。Ｓ４２０の処理では、このような大当り図柄決定テーブルを参照して、Ｓ４０４で読み出した大当り図柄決定乱数に対応する大当り図柄を選択する。こうして大当り図柄を選択したら（Ｓ４２０）、その選択した大当り図柄を停止図柄としてＲＡＭ２０３の記憶領域（停止図柄記憶領域）に記憶する（Ｓ４２０）。

図１４のＳ４２２の処理で停止図柄記憶領域に大当り図柄を記憶したら、大当り変動パターンを選択する処理（第１当り変動パターン選択処理）を行う（Ｓ４２４）。第１当り変動パターン選択処理では、第１図柄表示装置２８で第１特図の変動表示を開始してから停止表示させるまでの変動パターンのうち、大当り図柄で停止表示させる際の変動パターン（大当り変動パターン）を選択する処理が行われる。具体的には、先ず、大当り変動パターンが設定された変動パターンテーブル（大当り変動パターンテーブル）のうち、遊技状態に対応する大当り変動パターンテーブルを選択する。続いて、図１３のＳ４０４で第１特図保留として読み出した変動パターン決定乱数を基に、選択した大当り変動パターンテーブルを参照して、読み出した変動パターン決定乱数に対応する大当り変動パターンを選択する。そして、今回開始する第１特図の変動表示は「当り変動」であるので、第１特図が当り変動中であることを示す「第１特図当り変動フラグ」をＯＮに設定する（Ｓ４２６）。尚、「第１特図当り変動フラグ」「第２特図当り変動フラグ」は、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。

こうして、停止表示する図柄を記憶するとともに変動パターンを選択したら、選択した変動パターンに従って、第１図柄表示装置２８で第１特図の変動表示（図柄変動遊技）を開始した後（Ｓ４２８）、第１特図保留数から「１」を減算する（Ｓ４３０）。そして、今回、変動表示を開始した第１特図の変動パターンの種類を指定する（変動パターン識別情報を含む）変動パターン指定コマンドや、変動表示を経て停止表示される第１特図の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドを、第１変動開始時コマンドとしてサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ４３２）。尚、第１特図の変動表示を開始すると同時に所定のタイマ（第１変動時間計測タイマ）に変動パターンに対応する変動時間が設定される。そして、この設定された変動時間を時間経過に伴い減算していくことにより、第１特図の変動時間が計測される。

ここで、サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２１は、変動開始時コマンド（上述の第１変動開始時コマンドまたは後述の第２変動開始時コマンド）を受信すると、図柄変動遊技の終了に伴って演出表示装置４０で第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃまたは第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃとして停止表示する図柄を決定する。すなわち、停止図柄指定コマンドが指定する停止図柄が外れ図柄である場合は、数字が揃わずに（バラケ目で）第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃまたは第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃが停止表示するように図柄を決定する。また、停止図柄指定コマンドが指定する停止図柄が大当り図柄である場合は、数字が揃って（ゾロ目で）第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃまたは第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃが停止表示するように図柄を決定する。

また、サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２１は、変動開始時コマンド（上述の第１変動開始時コマンドまたは後述の第２変動開始時コマンド）を受信すると、今回の図柄変動遊技の開始から終了までの演出パターン、すなわち、第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃまたは第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃの変動表示を開始してから、それら３つの識別図柄を停止表示するまでの演出パターンを選択する。そして、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、選択された演出パターンにしたがって演出表示装置４０の表示画面上で図柄変動演出を実行し、第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃまたは第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃを決定した図柄で停止表示する。

こうして第１変動開始時コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信したら、図１３および図１４に示す第１特図変動開始処理を終了して、図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理に復帰する。

以上では、第１図柄変動遊技処理の実行に際して、第１特図が変動表示中でなく（Ｓ３０２：ｎｏ）、第１特図が確定表示中でもない場合（Ｓ３０４：ｎｏ）の処理について説明した。これに対して、第１特図が変動表示中である場合は（Ｓ３０２：ｙｅｓ）、「計測中断フラグ」がＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３０８）。詳しくは後述するが、本実施例のパチンコ機１では、第１特図の変動表示中において、第１特図の変動時間（第１図柄変動遊技の実行時間）の計測を中断することがある。「計測中断フラグ」は、第１特図の変動時間の計測（変動時間計測）が中断されていることを示すフラグである。したがって、Ｓ３０８の判断処理では、第１特図の変動時間計測が中断されているか否かが判断される。尚、「計測中断フラグ」の記憶領域は、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスに確保されている。

第１特図の変動時間計測が中断されていない場合は（Ｓ３０８：ｎｏ）、第２大当りフラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、第２大当り遊技の実行中であるか否かを判断する（Ｓ３１０）。ここで、図１３を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機１では、第２大当り遊技が実行中である場合は、第１特図の変動表示を開始しない。したがって、Ｓ３１０の判断処理では、第１特図の変動表示が開始された後において（第１特図の変動表示中に）第２大当り遊技が開始されたか否かが判断される。

Ｓ３１０の判断処理の結果、第１特図の変動表示中に第２大当り遊技が開始されたと判断された場合は（Ｓ３１０：ｙｅｓ）、第１特図の変動時間計測を中断する（Ｓ３１２）。具体的には、第１変動時間計測タイマに設定された変動時間の減算を停止することによって、第１特図の変動時間計測を中断する。そして、第１特図の変動時間計測が中断されていることを示すべく、計測中断フラグをＯＮに設定する（Ｓ３１４）。その後、図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。尚、本実施例では、第１特図の変動時間計測が中断されている状態では、第１図柄表示装置２８における第１特図の変動表示を継続させることとしている。

上述したように、計測中断フラグをＯＮに設定した状態で、図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理を再び開始すると、Ｓ３０８の判断処理で、第１特図の変動時間計測が中断されていると判断される。このように判断された場合は（Ｓ３０８：ｙｅｓ）、第２大当りフラグがＯＦＦに設定されているか否か、すなわち、第１特図の変動時間計測を中断する契機となった第２大当り遊技が終了したか否かを判断する（Ｓ３１６）。その結果、第２大当り遊技が未だ終了していない場合は（Ｓ３１６：ｎｏ）、そのまま図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理を繰り返しているうちに、やがて第２大当り遊技は終了するので、この場合は（Ｓ３１６：ｙｅｓ）、第１特図の変動時間計測を再開する（Ｓ３１８）。具体的には、第１変動時間計測タイマに設定された変動時間の減算を再開する。そして、第１特図の変動時間計測が再開されたことを示すべく、計測中断フラグをＯＦＦに設定した後（Ｓ３２０）、図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

以上は、第１特図の変動表示中に開始された第２大当り遊技が実行中である場合の処理について説明した。これに対して、第１特図の変動表示中において第２大当り遊技が実行中でない場合は（Ｓ３１０：ｎｏ）、第１特図の変動時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３２２）。具体的には、第１変動時間計測タイマに設定された変動時間が「０」になったか否かを判断する。その結果、未だ変動時間が経過していない場合は（Ｓ３２２：ｎｏ）、そのまま、図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は（Ｓ３２２：ｙｅｓ）、変動表示中の第１特図を予め設定しておいた図柄（図１４のＳ４２２、Ｓ４１６）で停止表示させることで確定表示を行い（Ｓ３２４）、変動表示中の第１特図を停止表示させた（確定表示を開始した）ことを示すコマンド（第１特図停止コマンド）をサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ３２６）。そして、確定表示時間を設定した後（Ｓ３２８）、設定した確定表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３３０）。その結果、確定表示時間が経過していない場合は（Ｓ３３０：ｎｏ）、そのまま図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理を終了して図９に示す遊技制御処理に復帰する。

こうして第１特図が確定表示された状態で、図９の遊技制御処理に復帰した後、再び図１１および図１２の第１図柄変動遊技処理が開始されると、第１特図が変動表示中ではないと判断され（Ｓ３０２：ｎｏ）、続いて、第１特図の確定表示中であるか否かの判断では、確定表示中と判断されるので（Ｓ３０４：ｙｅｓ）、再び確定表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ３３０）。このような判断を繰り返しているうちに確定表示時間が経過したと判断されると（Ｓ３３０：ｙｅｓ）、停止表示（確定表示）された第１特図が「大当り図柄」であるか否かを判断する（図１２のＳ３３２）。その結果、停止表示された第１特図が「大当り図柄」であった場合は（Ｓ３３２：ｙｅｓ）、今回終了した第１特図の変動表示は当り変動であったと判断できるので、該当り変動中にＯＮに設定されていた第１特図当り変動フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３３４）。続いて、第１大当り遊技中の大入賞口３１ｄの開放パターンを設定する（Ｓ３３６）。すなわち、本実施例のパチンコ機１では、第１大当り遊技として４Ｒ大当り遊技を実行することから、大入賞口３１ｄの開放パターン（開放回数、開放時間、閉鎖時間など）を４回のラウンド遊技に対応するパターンに設定する。

こうして、大入賞口３１ｄの開放パターンを設定すると、第１大当り遊技を開始すべく、第１大当りフラグをＯＮに設定する（Ｓ３３８）。続いて、第１大当り遊技を開始するにあたって、遊技状態が高確率状態且つ開放延長状態に設定された期間（高確開放期間）中であれば該期間を終了する処理を行う。具体的には、高確フラグがＯＮに設定されていれば（Ｓ３４０：ｙｅｓ）、高確フラグをＯＦＦに設定し（Ｓ３４２）、変動短縮フラグがＯＮに設定されていれば（Ｓ３４４：ｙｅｓ）、変動短縮フラグとともに開放延長フラグもＯＮに設定されているので、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３４６）。これらのフラグは、第１大当り遊技または第２大当り遊技終了時に遊技状態を設定する際に改めて設定される。尚、本実施例のパチンコ機１では、高確率状態および開放延長状態は同時に設定される。

こうして第１大当り遊技を開始するにあたってのフラグ設定処理を終了すると（Ｓ３３８〜Ｓ３４６）、第１大当り遊技を開始することを示す第１大当り遊技開始コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ３４８）。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、第１大当り遊技開始コマンドを受信すると、第１大当り遊技に対応する演出を実行する。第１大当り遊技開始コマンドを送信したら（Ｓ３４８）、図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

以上は、第１図柄表示装置２８で停止表示された第１特図が大当り図柄であった場合（Ｓ３３２：ｙｅｓ）の処理について説明した。これに対して、停止表示された第１特図が大当り図柄でなかった場合、すなわち外れ図柄であった場合は（Ｓ３３２：ｎｏ）、高確開放期間の進行に関する処理を行う。

詳しくは後述するが、本実施例のパチンコ機１では、大当り遊技の終了に続いて高確開放期間が開始され、この高確開放期間が開始されてからの図柄変動遊技の実行回数が大当りを生ずることなく所定回数（８０回）に達すると、高確開放期間が終了するように構成されている。つまり、高確開放期間の開始後、外れ図柄が確定表示される図柄変動遊技（外れ変動遊技）が連続して８０回行われると、高確開放期間が終了する。そこで、高確開放期間の進行に関する処理では、先ず、高確フラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、遊技状態が高確率状態に設定されているか否かを判断する（Ｓ３５０）。その結果、高確率状態である場合は（Ｓ３５０：ｙｅｓ）、高確カウンタの値から「１」を減算する（Ｓ３５２）。高確カウンタは、高確率状態を終了するまでの残りの図柄変動遊技回数が設定されているカウンタであって、１回の外れ変動遊技が終了する毎に「１」減算される。Ｓ３５２の処理により「１」減算した後の高確カウンタの値が「０」、すなわち、高確率状態での残りの図柄変動遊技回数が「０回」になったら（Ｓ３５４：ｙｅｓ）、高確率状態を終了すべく、高確フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３５６）。尚、高確フラグがＯＦＦに設定されている場合は（Ｓ３５０：ｎｏ）Ｓ３５２〜Ｓ３５６の処理を省略し、高確フラグがＯＮに設定されているものの高確カウンタの値が「０」でない場合は（Ｓ３５４：ｎｏ）、Ｓ３５６の処理を省略する。

次に、変動短縮フラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、遊技状態が開放延長状態に設定されているか否かを判断する（Ｓ３５８）。その結果、開放延長状態である場合は（Ｓ３５８：ｙｅｓ）、変動短縮カウンタの値から「１」を減算する（Ｓ３６０）。変動短縮カウンタは、開放延長状態を終了するまでの残りの図柄変動遊技回数が設定されているカウンタであって、１回の外れ変動遊技が終了する毎に「１」減算される。Ｓ３６０の処理により「１」減算した後の変動短縮カウンタの値が「０」、すなわち、高確率状態での残りの図柄変動遊技回数が「０回」になったら（Ｓ３６２：ｙｅｓ）、開放延長状態を終了すべく、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ３６４）。尚、変動短縮フラグがＯＦＦに設定されている場合は（Ｓ３５８：ｎｏ）、Ｓ３６０〜Ｓ３６４の処理を省略し、変動短縮フラグがＯＮに設定されており変動短縮カウンタの値が「０」でない場合は（Ｓ３６２：ｎｏ）、Ｓ３６４の処理を省略する。

こうして高確開放期間の進行に関する処理を行ったら、「長変動中フラグ」がＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ３６６）。詳しくは後述するが、本実施例のパチンコ機１では、「第１大当り遊技」が終了した後は第１特図の外れ変動の変動時間が「６０秒」に設定される。また、変動時間が「６０秒」に設定された外れ変動が行われた後、第１特図の外れ変動の変動時間が「３０秒」に設定されることがある。以下では、変動時間が「６０秒」に設定された外れ変動を「６０秒長変動」とも称し、変動時間が「３０秒」に設定された外れ変動を「３０秒長変動」とも称する。また、「６０秒長変動」と「３０秒長変動」とを特に区別しない場合は、これらをまとめて「長変動」とも称する。「長変動中フラグ」は、第１特図の「６０秒長変動」または「３０秒長変動」の実行中（６０秒長変動中または３０秒長変動中（長変動中））であることを示すフラグである。したがって、Ｓ３６６の判断処理では、今回終了した第１特図の外れ変動が「長変動」であったか否かが判断される。その結果、今回終了した第１特図の外れ変動が「長変動」であった場合は（Ｓ３６６：ｙｅｓ）、該「長変動」が終了したことにともなって「長変動中フラグ」をＯＦＦに設定する（Ｓ３６８）。

続いて、「３０秒長変動カウンタ」の値が「０」であるか否かを判断する（Ｓ３７０）。「３０秒長変動カウンタ」は第１特図の外れ変動を「３０秒長変動」に設定する回数が設定されるカウンタである。すなわち、第１大当り遊技が終了した後は第１特図の外れ変動は「６０秒長変動」に設定され、その後の第１特図の外れ変動は「３０秒長変動」に設定される場合があるところ、この第１特図の外れ変動を「３０秒長変動」に設定する回数が設定されるカウンタである。換言すると、「３０秒長変動カウンタ」の値が「０」でない場合は、第１特図の外れ変動が「３０秒長変動」に設定される。したがって、Ｓ３７０の判断処理では、次回の第１特図の外れ変動が「３０秒長変動」に設定されるか否かが判断される。その結果、次回の第１特図の外れ変動が「３０秒長変動」に設定される場合（Ｓ３７０：ｎｏ）、すなわち、今回終了した第１特図の外れ変動に続いて次回の第１特図の外れ変動も「長変動」に設定される場合は、長変動を継続することを示す「長変動継続コマンド」をサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ３７２）。これに対して、次回の第１特図の外れ変動は「長変動」に設定されない場合（Ｓ３７０：ｙｅｓ）、すなわち、今回終了した第１特図の外れ変動で「長変動」が終了する場合は、長変動を終了することを示す「長変動終了コマンド」をサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ３７４）。尚、今回終了した第１特図の外れ変動が「長変動」でなかった場合は（Ｓ３６６：ｎｏ）、Ｓ３６８〜Ｓ３７４の処理は省略する。

こうして、第１特図の長変動終了に係る処理を行ったら、遊技状態の設定状況を示す遊技状態指定コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ３７６）。尚、この遊技状態指定コマンドには、現在の３０秒長変動カウンタの値を示す情報も含まれている。遊技状態指定コマンドを送信したら、図１１および図１２に示す第１図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。尚、高確カウンタ、変動短縮カウンタ、長変動中フラグ、３０秒長変動カウンタは、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスに各記憶領域が確保されている。

図９に示すように、遊技制御処理では「第１図柄変動遊技処理（Ｓ３００）」から復帰すると「第２図柄変動遊技処理（Ｓ５００）」を実行する。

Ｃ−４．第２図柄変動遊技処理 ：
図１７および図１８は、本実施例の第２図柄変動遊技処理を示すフローチャートである。第２図柄変動遊技処理では、第２特図を変動表示および確定表示させる処理（第２図柄変動遊技を実行する処理）が行われる。尚、第２図柄変動遊技処理では、上述した第１図柄変動遊技処理と同様の処理（処理対象を第１特図から第２特図に変更した処理）が多いため、第１図柄変動遊技処理との相違点を中心に説明する。

第２図柄変動遊技処理を開始すると、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、第２特図が変動表示中および確定表示中の何れもなければ（Ｓ５０２：ｎｏ、Ｓ５０４：ｎｏ）、第２特図変動開始処理を実行する（Ｓ５０６）。

図１９および図２０は、本実施例の第２特図変動開始処理を示すフローチャートである。第２特図変動開始処理では、まず、第１大当り遊技または第２大当り遊技の何れかの実行中であるか否かを判断する（Ｓ６００）。そして、何れの大当り遊技も実行中でなければ（Ｓ６００：ｎｏ）、第２特図保留が記憶されているか否かを判断する（Ｓ６０２）。その結果、第２特図保留が記憶されていれば（Ｓ６０２：ｎｏ）、そのうち最も古い第２特図保留を読み出して（Ｓ６０６）、第１特図変動開始処理と同様の大当り判定を行う（Ｓ６０６〜Ｓ６１０）。

そして、大当り判定の結果が外れである場合は（Ｓ６１２：ｎｏ）、第２外れ変動パターン選択処理において、第１特図変動開始処理と同様に、遊技状態に応じた外れ変動パターンテーブルを利用して外れ変動パターンを選択するとともに（Ｓ６１４）、外れ図柄を停止図柄として記憶する（Ｓ６１６）。

一方、大当り判定の結果が大当りである場合は（Ｓ６１２：ｙｅｓ）、第１特図が当り変動中（大当り図柄で確定表示される第１図柄変動遊技の実行中）であるか否かを判断して（Ｓ６１８）、第１特図が当り変動中である場合は（Ｓ６１８：ｙｅｓ）、外れ変動パターンを選択するとともに（Ｓ６１４）外れ図柄を停止図柄として記憶する（Ｓ６１６）。すなわち、第２特図の変動表示を開始するに際して第１特図が当り変動中である場合は、大当り判定の結果が大当りであったとしても、今回開始する第２特図の変動表示を「外れ図柄で確定表示する変動表示」（外れ変動）とする。これに対して、第１特図が当り変動中でない場合は（Ｓ６１８：ｎｏ）、第１特図変動開始処理と同様に、大当り図柄を選択するとともに（Ｓ６２０）選択した大当り図柄を停止図柄として記憶する（Ｓ６２２）。続いて、第２大当り変動パターン選択処理において、第１特図変動開始処理と同様に、遊技状態に応じた大当り変動パターンテーブルを利用して大当り変動パターンを選択する（Ｓ６２４）。そして、今回開始する第２特図の変動表示は「当り変動」であるので、第２特図が当り変動中であることを示すべく第２特図当り変動フラグをＯＮに設定する（Ｓ６２６）。

こうして、停止表示する図柄を記憶するとともに変動パターンを選択したら、選択した変動パターンに従って、第２図柄表示装置３２で第２特図の変動表示（図柄変動遊技）を開始した後（Ｓ６２８）、第２特図保留数から「１」を減算する（Ｓ６３０）。そして、今回、変動表示を開始した第２特図の変動パターンの種類を指定する（変動パターン識別情報を含む）変動パターン指定コマンドや、変動表示を経て停止表示される第２特図の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドを、第２変動開始時コマンドとしてサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ６３２）。尚、第２特図の変動表示を開始すると同時に所定のタイマ（第２変動時間計測タイマ）に変動パターンに対応する変動時間が設定される。そして、この設定された変動時間を時間経過に伴い減算していくことにより、第２特図の変動時間が計測される。

こうして第２変動開始時コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信したら、図１９および図２０に示す第２特図変動開始処理を終了して、図１７および図１８に示す第２図柄変動遊技処理に復帰する。

以上では、第２図柄変動遊技処理の実行に際して、第２特図が変動表示中でなく（Ｓ５０２：ｎｏ）、第２特図が確定表示中でもない場合（Ｓ５０４：ｎｏ）の処理について説明した。これに対して、第２特図が変動表示中である場合は（Ｓ５０２：ｙｅｓ）、第１大当りフラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、第１大当り遊技の実行中であるか否かを判断する（Ｓ５０８）。ここで、図１９を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機１では、第２大当り遊技が実行中である場合は、第１特図の変動表示を開始しない。したがって、Ｓ５０８の判断処理では、第２特図の変動表示が開始された後において（第２特図の変動表示中に）第１大当り遊技が開始されたか否かが判断される。

その結果、第２特図の変動表示中において第１大当り遊技が開始されていない場合は（Ｓ５０８：ｎｏ）、第１特図の変動時間が経過したか否かを判断する（Ｓ５１０）。具体的には、第２変動時間計測タイマに設定された変動時間が「０」になったか否かを判断する。その結果、未だ変動時間が経過していない場合は（Ｓ５１０：ｎｏ）、そのまま図１７および図１８に示す第２図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は（Ｓ５１０：ｙｅｓ）、変動表示中の第２特図を予め設定しておいた図柄（図２０のＳ６２２、Ｓ６１６）で停止表示させることで確定表示を行い（Ｓ５１２）、変動表示中の第２特図を停止表示させたことを示すコマンド（第２特図停止コマンド）をサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ５１４）。

一方、Ｓ５０８の判断処理で、第２特図の変動表示中に第１大当り遊技が開始されたと判断された場合は（Ｓ５０８：ｙｅｓ）、そのまま予め設定しておいた図柄（図２０のＳ６２２、Ｓ６１６）で停止表示させることで確定表示を行い（Ｓ５１２）、第２特図停止コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ５１４）。すなわち、図１１を用いて前述したように、第１特図の変動表示中に第２大当り遊技が開始された場合は、第１特図の変動時間計測を中断した。これに対して、第２特図の変動表示中に第１大当り遊技が開始された場合は、変動時間が経過していなくても第２特図を停止表示させる。尚、別例として、第１大当り遊技が開始された場合は、第２特図の変動時間計測を中断する構成としてもよい。

こうして、第２特図を停止表示させるとともに（Ｓ５１２）第２特図停止コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信したら（Ｓ５１４）、確定表示時間を設定した後（Ｓ５１６）、設定した確定表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ５１８）。その結果、確定表示時間が経過していない場合は（Ｓ５１８：ｎｏ）、そのまま図１７および図１８に示す第２図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

こうして第２特図が確定表示された状態で、図９の遊技制御処理に復帰した後、再び図１７および図１８の第２図柄変動遊技処理が開始されると、第２特図が変動表示中ではないと判断され（Ｓ５０２：ｎｏ）、続いて、第２特図の確定表示中であるか否かの判断では、確定表示中と判断されるので（Ｓ５０４：ｙｅｓ）、再び確定表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ５１８）。このような判断を繰り返しているうちに確定表示時間が経過したと判断されると（Ｓ５１８：ｙｅｓ）、停止表示（確定表示）された第２特図が「大当り図柄」であるか否かを判断する（図１８のＳ５３２）。その結果、停止表示された第２特図が「大当り図柄」であった場合は（Ｓ５３２：ｙｅｓ）、今回終了した第２特図の変動表示は当り変動であったと判断できるので、該当り変動中にＯＮに設定されていた第２特図当り変動フラグをＯＦＦに設定する（Ｓ５３４）。続いて、第２大当り遊技中の大入賞口３１ｄの開放パターンを設定する（Ｓ５３６）。すなわち、本実施例のパチンコ機１では、第２大当り遊技として１５Ｒ大当り遊技を実行することから、大入賞口３１ｄの開放パターン（開放回数、開放時間、閉鎖時間など）を１５回のラウンド遊技に対応するパターンに設定する。

続いて、第２大当り遊技を開始すべく第２大当りフラグをＯＮに設定する（Ｓ５３８）。そして、第１図柄変動遊技処理と同様に、高確開放期間中であれば該期間を終了する処理を行う（Ｓ５４０〜Ｓ５４６）。続いて、第２大当り遊技を開始することを示す第２大当り遊技開始コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ５４８）。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、第２大当り遊技開始コマンドを受信すると、第２大当り遊技に対応する演出を実行する。第２大当り遊技開始コマンドを送信したら（Ｓ５４８）、図１７および図１８に示す第２図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

以上は、第２図柄表示装置３２で停止表示された第２特図が大当り図柄であった場合（Ｓ５３２：ｙｅｓ）の処理について説明した。これに対して、停止表示された第２特図が外れ図柄であった場合は（Ｓ５３２：ｎｏ）、第１図柄変動遊技処理と同様に、高確開放期間の進行に関する処理を行う（Ｓ５５０〜Ｓ５６４）。そして、遊技状態の設定状況を示す遊技状態指定コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ５６６）。その後、図１７および図１８に示す第２図柄変動遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

尚、図１２を用いて前述したように、第１特図を外れ図柄で確定表示する（第１図柄変動遊技を終了する）に際して、第１特図の「長変動」に係る処理を行った（Ｓ３６６〜Ｓ３７４）。これに対して、第２特図は長変動させないので、第２特図を外れ図柄で確定表示する（第２図柄変動遊技を終了する）に際しては、第２特図の長変動に係る処理は行わない。

図９に示すように、遊技制御処理では「第２図柄変動遊技処理（Ｓ５００）」から復帰すると、第１大当り遊技フラグまたは第２大当り遊技フラグの何れかがＯＮに設定されているか否か、すなわち、第１大当り遊技または第２大当り遊技の何れかが実行中か否かを判断する（Ｓ７５０）。そして、何れかの大当りフラグがＯＮに設定されている場合は（Ｓ７５０：ｙｅｓ）、以下に説明する大当り遊技処理を開始する（Ｓ８００）。

Ｃ−５．大当り遊技処理 ：
図２１は、本実施例の大当り遊技処理を示すフローチャートである。この大当り遊技処理が実行されることによって、第１大当り遊技および第２大当り遊技が行われる。以下、図２１を参照しながら大当り遊技処理について説明する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当り遊技処理（Ｓ８００）を開始すると、大入賞口３１ｄが開放状態（開放中）であるか否かを判断する（Ｓ８０２）。大入賞口３１ｄは、大当り遊技が開始されない限りは閉鎖されており、大当り遊技の開始直後は、大入賞口３１ｄは閉鎖している。そこで、大入賞口３１ｄは開放中ではないと判断して（Ｓ８０２：ｎｏ）、ラウンド遊技の回数（以下「ラウンド回数」ともいう）が所定回数に達したか否かを判断する（Ｓ８０４）。前述したように大当り遊技中には、大入賞口３１ｄが開放して、所定回数（第１大当り遊技であれば４回、第２大当り遊技であれば１５回）のラウンド遊技が繰り返されることになっている。このことに対応して、大入賞口３１ｄが閉鎖されている場合は（Ｓ８０２：ｎｏ）、大入賞口３１ｄのラウンド回数が所定回数（図１２のＳ３３６で開放パターンとして設定された開放回数４回、または、図１８のＳ５３６で開放パターンとして設定された開放回数１５回）に達したか否かを判断する（Ｓ８０４）。

当然のことながら、大当り遊技が開始された直後は、ラウンド回数は所定回数に達していないので（Ｓ８０４：ｎｏ）、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過したか否かを判断する（Ｓ８０６）。大入賞口３１ｄの閉鎖時間とは、ラウンド遊技とラウンド遊技との間で大入賞口３１ｄが閉鎖状態となっている時間である。本実施例では、大入賞口３１ｄの閉鎖時間は、１秒間に設定されている。大当り遊技が開始された直後は、大入賞口３１ｄが閉鎖されてから、当然、大入賞口３１ｄの閉鎖時間が経過していると判断され（Ｓ８０６：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを開放させて新たなラウンド遊技を開始する（Ｓ８０８）。そして、ラウンド遊技の開始を示すコマンド（ラウンド開始コマンド）をサブ制御基板２２０に向けて送信した後（Ｓ８１０）、図２１に示す大当り遊技処理を一旦終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

主制御基板２００のＣＰＵ２０１は遊技制御処理に復帰すると、図９に示したように、賞球関連処理（Ｓ５０）以降の一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理（Ｓ８００）を開始する。本実施例では、主制御基板２００のＣＰＵ２０１が図９に示す遊技制御処理（Ｓ５０〜Ｓ５００）を実行するのに要する時間が「４ｍｓｅｃ」となっているので、図２１に示した大当り遊技処理も４ｍｓｅｃ毎に実行されることになる。そして、大当り遊技が開始されて、図２１の大当り遊技処理が初めて実行された場合には、前述したようにＳ８０８において大入賞口３１ｄを開放させて、そのまま処理を終了するが、その４ｍｓｅｃ後に２周目の処理を行う場合には、Ｓ８０２にて、大入賞口３１ｄが開放中（Ｓ８０２：ｙｅｓ）と判断されることになる。

続いて、大入賞口３１ｄの開放時間が所定の開放時間（図１２のＳ３３６または図１８のＳ５３６で開放パターンとして設定された開放時間（例えば３０秒））に達したか否かを判断する（Ｓ８１２）。前述したように、大当り遊技では、大入賞口３１ｄの開放パターンに基づき設定された開放時間が経過するか、その開放時間の経過前に大入賞口３１ｄに規定数（例えば１０個）の遊技球が入球すると、大入賞口３１ｄは閉鎖される。このことに対応して、Ｓ８１２では大入賞口３１ｄが開放してから所定の開放時間が経過したか否かを判断する。そして、開放時間が経過していれば（Ｓ８１２：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖した後（Ｓ８１６）、図２１に示す大当り遊技処理を終了して、図９の遊技制御処理に復帰する。一方、所定の開放時間が経過していない場合は（Ｓ８１２：ｎｏ）、大入賞口３１ｄに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する（Ｓ８１４）。そして、遊技球が規定数に達した場合は（Ｓ８１４：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖する（Ｓ８１６）。これに対して、規定数に達していない場合は（Ｓ８１４：ｎｏ）、大入賞口３１ｄが開放してから未だ所定の開放時間が経過しておらず、大入賞口３１ｄに入球した遊技球も規定数に達していないことになるので、大入賞口３１ｄを開放させたまま、図２１に示す大当り遊技処理を終了して、図９の遊技制御処理に復帰する。

図９の遊技制御処理を繰り返し実行しているうちに、大入賞口３１ｄが開放してから所定の開放時間が経過するか（Ｓ８１２：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄに規定数の遊技球が入球すると（Ｓ８１４：ｙｅｓ）、大入賞口３１ｄを閉鎖する（Ｓ８１６）。

こうして、１回のラウンド遊技が終了する。そして、次のタイマ割り込みの発生による遊技制御処理で大当り遊技処理が実行されるときには、Ｓ８０２において大入賞口３１ｄが閉鎖中と判断されるとともに（Ｓ８０２：ｎｏ）、所定回数のラウンド遊技が終了したか否かが判断される（Ｓ８０４）。Ｓ８０４の判断処理の結果、全てのラウンド遊技が終了していなければ（Ｓ８０４：ｎｏ）、大入賞口の閉鎖時間が所定時間に達したことを確認した後（Ｓ８０６：ｙｅｓ）、再び大入賞口３１ｄを開放状態として新たなラウンド遊技を開始し（Ｓ８０８）、ラウンド開始コマンドをサブ制御基板２２０に向かって送信する（Ｓ８１０）。一方、Ｓ８０４において、所定回数のラウンド遊技が終了したと判断された場合は（Ｓ８０４：ｙｅｓ）、大当り終了時処理を開始する（Ｓ８５０）。

図２２は、本実施例の大当り終了時処理を示すフローチャートである。主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当り終了時処理を開始すると、大当り遊技の終了に伴って高確開放期間を開始するための処理を行う。この処理では先ず、遊技状態を高確率状態に設定すべく高確フラグをＯＮに設定するとともに（Ｓ９００）、該高確率状態を大当りが発生することなく最大で８０回の図柄変動遊技が繰り返し実行されるまで継続すべく高確カウンタの値に「８０」を設定する（Ｓ９０２）。次に、遊技状態を開放延長状態に設定すべく変動短縮フラグおよび開放延長フラグをＯＮに設定するとともに（Ｓ９０４、Ｓ９０６）、該開放延長状態を大当りが発生することなく最大で８０回の図柄変動遊技が繰り返し実行されるまで継続すべく変動短縮カウンタの値に「８０」を設定する（Ｓ９０８）。尚、大当り遊技終了後の高確開放期間にて、図柄変動遊技の実行回数が８０回に到達する前、すなわち「高確カウンタ」「変動短縮カウンタ」の値がそれぞれ「０」になる前に大当りが発生した場合には、その大当りに係る大当り遊技の終了後に改めて各カウンタに「８０」が設定される。

以上のように、大当り遊技の終了に伴って高確開放期間を開始するために各種フラグおよびカウンタを設定したら、第１大当りフラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、今回終了した大当り遊技が第１大当り遊技であるか否かを判断する（Ｓ９１０）。そして、今回終了した大当り遊技が第１大当り遊技である場合は（Ｓ９１０：ｙｅｓ）、該第１大当り遊技の終了に対応して第１大当りフラグをＯＦＦに設定する（Ｓ９１２）。続いて、第１大当り遊技が終了したことを示す第１大当り遊技終了コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ９１４）。そして、第１大当り終了時フラグをＯＮに設定する（Ｓ９１６）。第１大当り終了時フラグは、第１大当り終了してから未だ第１特図の変動表示（第１図柄変動遊技）が（１回も）行われていないことを示すフラグである。したがって、この第１大当り終了時フラグは、第１大当り遊技の終了にともなってＯＮに設定される。こうして、第１大当り遊技終了時の処理を行ったら、遊技状態の設定状況を示す遊技状態指定コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ９１８）。この後、図２２に示す大当り遊技終了時処理を終了するとともに図２１に示す大当り遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

一方、今回終了した大当り遊技が第２大当り遊技である場合は（Ｓ９１０：ｙｅｓ）、該第２大当り遊技の終了に対応して第２大当りフラグをＯＦＦに設定する（Ｓ９２０）。そして、第２大当り遊技が終了したことを示す第２大当り遊技終了コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ９２２）。続いて、長変動中フラグがＯＮに設定されているか否かを判断する（Ｓ９２４）。前述したように、長変動中フラグは、第１特図が長変動中であることを示すフラグである。したがって、Ｓ９２４の判断処理では、今回終了した第２大当り遊技が第１特図の長変動中に開始されたか否かが判断される。

その結果、今回終了した第２大当り遊技が第１特図の長変動中に開始された場合は（Ｓ９２４：ｙｅｓ）、まず、今回終了した第２大当り遊技を開始するに際して確定表示された（第２大当り遊技の開始契機となった）大当り図柄の種類を検出する。すなわち、前述したように、本実施例のパチンコ機１には１００種類の大当り図柄が設定されているところ、これらのうち今回確定表示された大当り図柄の種類を検出する（Ｓ９２６）。次に、検出した大当り図柄に対応する加算値を「３０秒長変動カウンタ」の値に加算する（Ｓ９２８）。前述したように、「３０秒長変動カウンタ」は第１特図の外れ変動を長変動とする回数が設定されるカウンタである。大当り図柄に対応する加算値は、図２３に示すような「３０秒長変動カウンタ加算値テーブル」を参照して選択する。すなわち、大当り図柄の種類が「１」〜「５０」の５０種類のうちの何れかであった場合は「３０秒長変動カウンタ」の値に「０」を加算する。また、大当り図柄の種類が「５１」〜「７５」の２５種類のうちの何れかであった場合は「３０秒長変動カウンタ」の値に「１」を加算する。また、大当り図柄の種類が「７６」〜「１００」の２５種類のうちの何れかであった場合は「３０秒長変動カウンタ」の値に「２」を加算する。このように、本実施例のパチンコ機１では、第１特図の長変動中に第２大当り遊技が開始された場合は、当該第２大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類に応じて、第１特図の外れ変動を「３０秒長変動」とする回数が加算される。尚、「第１大当り終了時フラグ」「３０秒長変動カウンタ加算値テーブル」は、主制御基板２００のＲＡＭ２０３の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。

こうして、第２大当り遊技終了時の処理を行ったら、遊技状態の設定状況を示す遊技状態指定コマンドをサブ制御基板２２０に向けて送信する（Ｓ９１８）。この遊技状態指定コマンドには、現在の「３０秒長変動カウンタ」の値を示す情報が含まれている。遊技状態指定コマンドを送信したら、図２２に示す大当り遊技終了時処理を終了するとともに図２１に示す大当り遊技処理を終了して、図９に示す遊技制御処理に復帰する。

Ｃ−６．第１外れ変動パターン選択処理 ：
ここで、第１外れ変動パターン選択処理（図１４のＳ４１４）について更に詳しく説明する。すなわち、第１外れ変動パターン選択処理では、図１４および図１６を用いて前述したような遊技状態に応じた外れ変動パターンを選択する処理だけでなく、該外れ変動パターンとは異なる外れ変動パターンを選択する処理も行われる。以下では、この処理を中心に説明する。

図２４は、本実施例の第１外れ変動パターン選択処理を示すフローチャートである。第１外れ変動パターン選択処理を開始すると、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、第１特図保留として取得した変動パターン決定乱数を検出する（Ｓ１０００）。その結果、第１大当り終了時フラグがＯＮに設定されているか否か、すなわち、今回開始する第１特図の外れ変動が、第１大当り遊技が終了してから１回目の外れ変動（外れ図柄が確定表示される第１図柄変動遊技）であるか否かが判断される（Ｓ１００２）。その結果、第１大当り遊技が終了してから１回目の外れ変動でない場合は（Ｓ１００２：ｎｏ）、３０秒長変動カウンタの値が「０」であるか否か、すなわち、第１特図の外れ変動を「３０秒長変動」に設定する回数が「０回」であるか否かを判断する（Ｓ１０１２）。その結果、第１特図の外れ変動を「３０秒長変動」に設定する回数が「０回」である場合は（Ｓ１０１２：ｙｅｓ）、既に図１４および図１６を用いて説明したように、遊技状態に応じた外れ変動パターンテーブルを選択するとともに（Ｓ１０２０）、選択した外れ変動パターンテーブルを利用して、今回開始する第１特図の外れ変動パターンを選択する（Ｓ１０１０）。

一方、今回開始する第１特図の外れ変動が、第１大当り遊技が終了してから１回目の外れ変動（外れ図柄が確定表示される第１図柄変動遊技）である場合は（Ｓ１００２：ｙｅｓ）、第１大当り遊技が終了してから１回目の外れ変動を今回開始することになるので、第１大当り終了時フラグをＯＦＦに設定する。続いて、「６０秒長変動パターンテーブル」を選択する（Ｓ１００６）。図２５（ａ）に示すように、「６０秒長変動パターンテーブル」には、変動時間が６０秒となる外れ変動パターンが変動パターン決定乱数に対応して設定されている。続いて、「６０秒長変動」が今回開始されるので、長変動中であることを示すべく長変動中フラグをＯＮに設定する（Ｓ１００８）。そして、選択した「６０秒長変動パターンテーブル」を利用して、今回開始する第１特図の外れ変動パターン、すなわち、変動時間が６０秒となる外れ変動パターンを選択する（Ｓ１０１０）。これにより、第１特図の外れ変動が「６０秒長変動」に設定される。

これに対して、今回開始する第１特図の外れ変動は、第１大当り遊技が終了してから１回目の外れ変動ではないものの（Ｓ１００２：ｎｏ）、第１特図の外れ変動を「３０秒長変動」に設定する回数が「０回」でない場合は（Ｓ１０１２：ｎｏ）、「３０秒長変動パターンテーブル」を選択する（Ｓ１０１４）。図２５（ｂ）に示すように、「３０秒長変動パターンテーブル」には、変動時間が３０秒となる外れ変動パターンが変動パターン決定乱数に対応して設定されている。続いて、「３０秒長変動」が今回開始されるので、第１特図の外れ変動を「３０秒長変動」に設定する回数を１回減じるべく、「３０秒長変動カウンタ」の値から「１」を減算する（Ｓ１０１６）。加えて、長変動中であることを示すべく長変動中フラグをＯＮに設定する（Ｓ１０１８）。そして、選択した「３０秒長変動パターンテーブル」を利用して、今回開始する第１特図の外れ変動パターン、すなわち、変動時間が３０秒となる外れ変動パターンを選択する（Ｓ１０１０）。これにより、第１特図の外れ変動が「３０秒長変動」に設定される。尚、「３０秒長変動カウンタ」の値から「１」を減算した場合は、この後サブ制御基板２２０に向けて送信される第１変動開始時コマンド（図１４のＳ４３２）に、現在の「３０秒長変動カウンタ」の値を示す情報が含ませられる。

以上のように、本実施例のパチンコ機１では、第１大当り遊技が終了してから１回目の第１特図の外れ変動として「６０秒長変動」が実行される。また、この第１特図の「６０秒長変動」が終了した後は、「３０秒長変動カウンタ」に設定された回数だけ第１特図の「３０秒長変動」が実行される。

また、図２２を用いて前述したように、３０秒長変動カウンタの値は、第１特図の長変動中（「６０秒長変動中」または「３０秒長変動中」）に第２大当り遊技が開始された場合に、該第２大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類に応じて加算される。すなわち、第１特図の長変動中に第２大当り遊技が開始されると、該第２大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類に応じた回数の「３０秒長変動」が追加して実行されることとなる。

また、図１１を用いて前述したように、第１特図の長変動中（変動表示中）に第２大当り遊技が開始された場合は、第１特図の変動時間計測を中断し、該第２大当り遊技が終了した後に、該第１特図の変動時間計測を再開する。

ここで、本実施例のパチンコ機１は、第１大当り遊技が終了すると高確開放期間が開始される。また、第１特図の「６０秒長変動」および「３０秒長変動」は第１大当り遊技が終了してから１回目〜数回目の第１特図の外れ変動として実行される。したがって、第１特図の「６０秒長変動」および「３０秒長変動」は、高確開放期間が終了されない限りは、高確開放期間中に実行される。そして、高確開放期間中における第１特図の外れ変動の変動時間は、それが「６０秒長変動」または「３０秒長変動」でなければ、図１６に示すように短時間（５秒前後）に設定される。すなわち、高確開放期間中において、「６０秒長変動」または「３０秒長変動」とは異なる外れ変動が行われる第１図柄変動遊技の平均実行時間は、「６０秒長変動」または「３０秒長変動」が行われる第１図柄変動遊技の実行時間より短く設定される。また、高確開放期間中における第２特図の外れ変動の変動時間も、図１６に示すように短時間（５秒前後）に設定される。すなわち、高確開放期間中において、外れ変動が行われる第２図柄変動遊技の平均実行時間は、「６０秒長変動」または「３０秒長変動」が行われる第１図柄変動遊技の実行時間より短く設定される。尚、以下では、変動時間が短時間に設定された外れ変動を「短変動」とも称する。

したがって、図２６（ａ）に示すように、高確開放期間中において、第１特図の「長変動」（「６０秒長変動」または「３０秒長変動」）が行われなければ、第１特図の外れ変動も第２特図の外れ変動も「短変動」に設定されるので、「第１特図の外れ変動の実行頻度」と「第２特図の外れ変動の実行頻度」は同程度となる。換言すると、第１特図または第２特図の変動表示が実行されるたびに大当り判定が行われることから、高確開放期間中において、第１特図の「長変動」が行われなければ、「第１大当り遊技の発生確率」と「第２大当り遊技の発生確率」は同程度となる。

この点、本実施例のパチンコ機１は、第１大当り遊技が終了してから（高確開放期間が開始してから）１回目〜所定数回目の第１特図の外れ変動は「長変動」に設定される。図２６（ｂ）に示すように、第１特図の「長変動」の実行中は、１回の第１特図の外れ変動中（長変動中）に複数回の第２特図の外れ変動（短変動）を実行させることが可能である。したがって、第１特図の「長変動」の実行中は、「第１特図の外れ変動の実行頻度」より「第２特図の外れ変動の実行頻度」が高くなり、ひいては、「第１大当り遊技の発生確率」より「第２大当り遊技の発生確率」が高くなる。

前述したように本実施例のパチンコ機１では、４回のラウンド遊技が行われる第１大当り遊技より、１５回のラウンド遊技が行われる第２大当り遊技が遊技者に有利な大当り遊技であるので、第１大当り遊技より第２大当り遊技が発生することに遊技者を期待させる。したがって、第１大当り遊技が終了すると（高確開放期間が開始すると）、「第１大当り遊技の発生確率」より「第２大当り遊技の発生確率」が高い状態が継続すること、すなわち、第１特図の「長変動」が継続することを遊技者に期待させることができる。

このような第１特図の「長変動」の継続は、第１特図の長変動中に第２大当り遊技が開始されると実現される。すなわち、図２６（ｃ）に示すように、第１特図の長変動中に第２大当り遊技が開始されることにより「３０秒長変動」が追加されることで、第１特図の長変動の継続が行われる。したがって、「第１特図の長変動中に第２大当り遊技が開始されることを遊技者に期待させる遊技性」を実現できるとともに、長変動の継続期間を多様にすることができる。これらの結果、長変動中における遊技興趣を高めることが可能となる。

また、「第１特図の長変動中に第２大当り遊技を何回実行できるか」および「第１特図の長変動中に第２大当り遊技を実行して、第１特図の長変動回数を増加させる（上乗せする）ことができるか」という新たな遊技要素を付加した新規なゲーム性を実現できる。この結果、第１特図の長変動中に遊技者が注目すべき点が多様となり、同時変動機能を有する弾球遊技機の遊技興趣を従来に比して高めることが可能となる。

また、追加される「３０秒長変動」の回数は、第２大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類に応じて決定されるため、「３０秒長変動」の増加パターンを多彩にすることができる。加えて、第１特図の長変動中は、第２大当り遊技の開始契機となる大当り図柄の種類に遊技者を注目させることが可能となる。この結果、長変動中における遊技興趣を一層高めることが可能となる。

また、第１特図の長変動中（変動表示中）に第２大当り遊技が開始された場合は、第１特図の変動時間計測を中断し、該第２大当り遊技が終了した後に、該第１特図の変動時間計測を再開する。したがって、同一の長変動中に、複数回の第２大当り遊技を開始させることが可能となり、ひいては、「３０秒長変動」の追加機会を複数回得ることが可能となる。これにより、同一の長変動中において、複数回の第２大当り遊技が開始されることを遊技者に期待させることが可能となる。この結果、長変動中における遊技興趣を一層高めることが可能となる。

尚、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、第１始動口１７ａへの入球に基づいて取得された判定乱数（入球情報）に基づき、第１特図（第１識別情報）の変動表示を行う。したがって、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「第１識別情報表示手段」に対応している。また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、第２始動口１７ｂへの入球に基づいて取得された判定乱数（入球情報）に基づき、第２特図（第２識別情報）の変動表示を行う。したがって、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「第２識別情報表示手段」に対応している。また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、第１特図（第１識別情報）の変動表示の結果が大当り図柄（特定結果）になった場合に、獲得可能な遊技利益の量が所定量とされる第１大当り遊技（第１特定遊技）を実行し、第２特図（第２識別情報）の変動表示の結果が大当り図柄（特定結果）になった場合に、獲得可能な遊技利益の量が第１大当り遊技（第１特定遊技）よりも多い第２大当り遊技（第２特定遊技）を実行する。したがって、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「特定遊技実行手段」に対応している。また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、第１特図（第１識別情報）の変動表示と、第２特図（第２識別情報）の変動表示とを並行して実行可能である。

また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、第１大当り遊技（第１特定遊技）が実行された後に（所定条件が成立すると）、第１特図（第１識別情報）の変動表示回数が所定回数になるまで、第１特図（第１識別情報）の変動時間を６０秒（長変動時間）または３０秒（長変動時間）に設定し、第２特図（第２識別情報）の変動時間を６０秒（長変動時間）および３０秒（長変動時間）よりも短い「高確開放外れ変動パターンテーブルに設定された変動時間」（短変動時間)に設定する。したがって、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「変動時間設定手段」に対応している。また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、少なくとも第１特図（第１識別情報）の変動表示が行われているときに第２特図（第２識別情報）の変動表示の結果が大当り図柄（特定結果）となって第２大当り遊技（第２特定遊技）が実行される場合には、第１特図（第１識別情報）に係る変動時間の計測を中断し、該中断された第１特図（第１識別情報）に係る変動時間の計測を第２大当り遊技（第２特定遊技）の終了後に再開させる。したがって、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「変動制御手段」に対応している。

また、６０秒（長変動時間）または３０秒（長変動時間）に基づいて第１特図（第１識別情報）の変動表示が行われているときに（６０秒長変動または３０秒長変動が行われているときに）第２特図（第２識別情報）の変動表示の結果が大当り図柄（特定結果）となって第２大当り遊技（第２特定遊技）が実行されると、該第２大当り遊技（第２特定遊技）の終了後に３０秒長変動に（変動時間設定手段によって長変動時間が）設定される第１特図（第１識別情報）の変動表示回数を増加させる。また、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、６０秒長変動または３０秒長変動（長変動時間に基づいて第１識別情報の変動表示）が行われているときに第２特図（第２識別情報）の変動表示の結果が大当り図柄（特定結果）となって第２大当り遊技（第２特定遊技）が実行されると、増加させる変動表示回数を１回（第１回数）または２回（第１回数よりも多い第２回数）に決定し、決定した回数に応じて３０秒長変動の回数（第２特定遊技の終了後に長変動時間を設定する第１識別情報の変動表示回数）を増加させる。また、６０秒長変動または３０秒長変動（長変動時間に基づいて第１識別情報の変動表示）が行われているときに第２特図（第２識別情報）の変動表示の結果が大当り図柄（特定結果）となって第２大当り遊技（第２特定遊技）が実行されると、第２大当り遊技（第２特定遊技）の終了後に３０秒長変動の回数（第２特定遊技の終了後に長変動時間を設定する第１識別情報の変動表示回数）を増加させる場合と増加させない場合とがある。したがって、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、本発明における「長変動回数増加手段」に対応している。

Ｄ．演出制御処理 ：
次に、遊技の進行に連動して遊技演出（図柄変動演出や、大当り遊技演出など）を実行する演出制御処理について説明する。遊技演出は、各種ＬＥＤ・ランプ４ｂ〜４ｆ、スピーカー５ｙ、演出表示装置４０等の演出装置を利用して行われる。具体的には、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が、遊技の進行に対応させて装飾駆動基板２２６を介して各種ＬＥＤ・ランプ４ｂ〜４ｆに駆動信号を送信することによって、各種ＬＥＤ・ランプ４ｂ〜４ｆを各種演出に対応する発光パターンで発光させる。また、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１が、遊技の進行に対応させて、画像音声制御基板２３０に向けてコマンド（演出コマンド）を送信する。画像音声制御基板２３０のＣＰＵ２３１は、サブ制御基板２２０からの演出コマンドを受信すると、その演出コマンドに対応する画像データの種類や、画像データの表示位置、画像データの拡大縮小率等（描画リスト）を決定して、その決定した描画リストをＶＤＰ２３４に対して送信する。ＶＤＰ２３４は描画リストを受信すると、受信した描画リストに基づいて画像ＲＯＭ２３５から画像データを読み出し、その読み出した画像データを描画リストに基づく位置や表示方法で演出表示装置４０に出力する。また、画像音声制御基板２３０のＣＰＵ２２１は、サブ制御基板２２０からの演出コマンドを受信すると、その演出コマンドに対応する音声データ（楽曲データ等）を決定して、その決定した音声データを音声ＲＯＭ２３６から読み出す。そして、読み出した音声データに基づく音声（楽曲等）を、アンプ基板２２４を介してスピーカー５ｙから出力する。

このように、本実施例の画像音声制御基板２３０は、サブ制御基板２２０から各種演出に対応するコマンド（演出コマンド）を受信した後、サブ制御基板２２０とは独立して、演出コマンドに対応する画像および音声の出力を実行することが可能である。以上のように、本実施例では、「サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１」が主体となって「装飾駆動基板２２６」や「画像音声制御基板２３０のＣＰＵ２３１，ＶＤＰ２３４」と協働して遊技演出を行うものとなっている。以下では、遊技演出の実行主体である「サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１」を基準に遊技演出を実行するための処理について説明する。

以下に、演出制御処理の中で行われる「図柄変動演出処理」「長変動演出処理」について説明する。尚、演出制御処理は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１における４ｍｓｅｃ毎のタイマ割り込み処理として実行される。したがって、演出制御処理の中で行われる「図柄変動演出処理」「長変動演出処理」も、４ｍｓｅｃ毎に実行されることになる。

Ｄ−１．図柄変動演出処理 ：
図２７は、本実施例の図柄変動演出処理を示すフローチャートである。図柄変動演出処理は、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１によって、演出制御処理の中で実行される。図柄変動演出処理を開始すると、まず、第１図柄変動遊技に対応する第１図柄変動演出に係る処理を行う。この処理を開始すると、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、第１変動開始時コマンドを受信しているか否かを判断する（Ｓ５０００）。図１４を用いて前述したように、第１変動開始時コマンドは、第１図柄表示装置２８で第１特図の変動表示が開始される際に主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向けて送信されるもので、第１特図の変動パターンや停止図柄を指定するコマンド（変動パターン指定コマンド、停止図柄指定コマンド）である。

第１変動開始時コマンドを受信している場合は（Ｓ５０００：ｙｅｓ）、図柄変動演出（第１図柄変動遊技に対応する第１図柄変動演出）の演出パターンを決定する処理を行う（Ｓ５００２）。ここで、サブ制御基板２２０のＲＯＭ２２２には演出パターンテーブルが記憶されている。演出パターンテーブルでは、演出表示装置４０の画面上で３つの識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃの変動表示を開始した後、第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃを所定の停止図柄で停止表示させるまでの態様を示す演出パターン（第１図柄変動演出の演出パターン）が第１特図の変動パターンに対応付けて記憶されており、３つの第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃの変動表示を開始した後、第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃを所定の停止図柄で停止表示させるまでの態様を示す演出パターン（第２図柄変動演出の演出パターン）が第２特図の変動パターンに対応付けて記憶されている。

図２８は、本実施例の演出パターンテーブルの一部を概念的に示した説明図である。図２８の左側には、変動パターン指定コマンドによって指定される特別図柄の変動パターンが示されている。また、図２８の右側には、各変動パターンに対応する演出パターンが示されている。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、第１変動開始時コマンドとして変動パターン指定コマンドを受信すると、図２７のＳ５００２の処理で、変動パターン指定コマンドが指定する変動パターンに対応した演出パターンを、演出パターンテーブルから選択する。演出パターンとしては、図柄変動演出に使用する画像データの種類やその出力態様、図柄変動演出に使用する音声データの種類やその出力態様、図柄変動演出における各種ＬＥＤ・ランプ４ｂ〜４ｆの発光パターン等が記憶されている。

第１図柄変動演出の演出パターンを決定したら（Ｓ５００２）、この第１図柄変動演出において、演出表示装置４０の画面上で停止表示させる第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃを決定する（Ｓ５００４）。具体的には、停止図柄指定コマンドが指定する停止図柄（第１特図）が外れ図柄である場合は、第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃの数字が揃わずに（バラケ目で）停止表示するように図柄を決定する。なかでも、Ｓ５００２の処理で決定された演出パターンがリーチ演出のパターンである場合は、左第１識別図柄４１ａおよび右第１識別図柄４１ｃが同じ数字になり、中第１識別図柄４１ｂが他の数字になるように、図柄を決定する。また、停止図柄指定コマンドが指定する停止図柄（第１特図）が大当り図柄である場合は、第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃの数字が揃って（ゾロ目で）停止表示するように図柄を決定する。

こうして、第１図柄変動演出の演出パターンを決定し（Ｓ５００２）、この第１図柄変動演出の結果として停止表示させる第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃを決定したら（Ｓ５００４）、演出表示装置４０の画面上で第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃの変動表示を開始することによって、第１図柄変動演出を開始する（Ｓ５００６）。尚、第１変動開始時コマンドを受信していない場合は（Ｓ５０００：ｎｏ）、Ｓ５００２〜Ｓ５００６の処理は省略する。

以上のようにして、第１図柄変動演出を開始したら（Ｓ５００６）、主制御基板２００からの第１特図停止コマンドを受信しているか否かを判断する（Ｓ５００８）。図１１を用いて前述したように、第１特図停止コマンドは、第１図柄表示装置２８で変動表示中の第１特図を停止表示させて確定表示を行う際に、主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向けて送信されるコマンドである。第１特図停止コマンドを受信していないと判断した場合は（Ｓ５００８：ｎｏ）、そのまま図２７に示す図柄変動演出処理を終了する。これに対して、第１特図停止コマンドを受信していると判断した場合は（Ｓ５００８：ｙｅｓ）、演出表示装置４０の第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃを、Ｓ５００４の処理で決定した図柄で停止表示させる（Ｓ５０１０）。

こうして、第１図柄変動演出に係る処理を終了したら、第２図柄変動遊技に対応する第２図柄変動演出に係る処理を実行する。この処理は、上述した第１図柄変動演出に係る処理を第２特図に対応させて実行するだけであるので、適宜省略しながら説明する。この処理を開始すると、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、第２変動開始時コマンドを受信しているか否かを判断する（Ｓ５０１２）。図２０を用いて前述したように、第２変動開始時コマンドは、第２図柄表示装置３２で第２特図の変動表示が開始される際に主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向けて送信されるもので、第２特図の変動パターンや停止図柄を指定するコマンド（変動パターン指定コマンド、停止図柄指定コマンド）である。

第２変動開始時コマンドを受信している場合は（Ｓ５０１２：ｙｅｓ）、図２８を用いて上述した演出パターンテーブルを参照して、図柄変動演出（第２図柄変動遊技に対応する第２図柄変動演出）の演出パターンを決定する処理を行う（Ｓ５０１４）。第２図柄変動演出の演出パターンを決定したら（Ｓ５０１４）、この第２図柄変動演出において、演出表示装置４０の画面上で停止表示させる第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃを決定する（Ｓ５０１６）。

こうして、第２図柄変動演出の演出パターンを決定し（Ｓ５０１４）、この第２図柄変動演出の結果として停止表示させる第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃを決定したら（Ｓ５０１６）、演出表示装置４０の画面上で第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃの変動表示を開始することによって、第２図柄変動演出を開始する（Ｓ５０１８）。尚、第１変動開始時コマンドを受信していない場合は（Ｓ５０１２：ｎｏ）、Ｓ５００２〜Ｓ５００６の処理は省略する。

以上のようにして、第２図柄変動演出を開始したら（Ｓ５０１８）、主制御基板２００からの第１特図停止コマンドを受信しているか否かを判断する（Ｓ５０２０）。図１７を用いて前述したように、第２特図停止コマンドは、第２図柄表示装置３２で変動表示中の第２特図を停止表示させて確定表示を行う際に、主制御基板２００からサブ制御基板２２０に向けて送信されるコマンドである。第２特図停止コマンドを受信していないと判断した場合は（Ｓ５０２０：ｎｏ）、そのまま図２７に示す図柄変動演出処理を終了する。これに対して、第２特図停止コマンドを受信していると判断した場合は（Ｓ５０２０：ｙｅｓ）、演出表示装置４０の第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃを、Ｓ５０１６の処理で決定した図柄で停止表示させる（Ｓ５０２２）。ここで、第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃ（第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃ）が、第１特図（第２特図）とともに停止表示された後は、該第１特図（第２特図）の確定表示時間が経過するまでは次回の図柄変動遊技が開始されないので、次回の図柄変動演出も開始されない。そして、通常は、第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃ（第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃ）が停止表示されている状態において新たな演出が開始されなければ、第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃ（第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃ）は停止表示されたままの状態となる。つまり、停止表示された第１識別図柄４１ａ，４１ｂ，４１ｃ（第２識別図柄４２ａ，４２ｂ，４２ｃ）は、第１特図（第２特図）の確定表示時間が経過するまで停止表示された状態となる。

Ｄ−２．長変動関連演出処理 ：
図２９は、本実施例の長変動関連演出処理を示すフローチャートである。この処理では、第１特図の長変動に関連する演出を実行する処理が行われる。長変動演出処理を開始すると、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、第１大当り遊技終了コマンドを受信したか否かを判断する（Ｓ６０００）。図２２を用いて前述したように、第１大当り遊技終了コマンドは、第１大当り遊技が終了した際に、すなわち、第１特図の「６０秒長変動」が開始されるタイミングで、主制御基板２００から送信されるコマンドである。したがって、第１大当り遊技終了コマンドを受信している場合は（Ｓ６０００：ｙｅｓ）、第１特図の長変動が開始されることを示す長変動開始演出を実行する。例えば、「長変動開始！」の文字を演出表示装置４０の表示画面上に表示する。尚、第１大当り遊技終了コマンドを受信していない場合は（Ｓ６０００：ｎｏ）、Ｓ６００２の処理は省略する。

続いて、継続示唆演出の実行タイミングであるか否かを判断する（Ｓ６００４）。継続示唆演出は、次回の第１特図の外れ変動でも長変動が継続して実行されること（長変動が継続すること）を示唆する演出である。本実施例のパチンコ機１では、継続示唆演出の実行タイミングは、「６０秒長変動」が開始されてから５０秒後、および、「３０秒長変動」が開始されてから２０秒後に設定されている。継続示唆演出の実行タイミングである場合は（Ｓ６００４：ｙｅｓ）、継続示唆演出の種類を決定するための継続示唆演出抽選を実行する（Ｓ６００６）。継続示唆演出抽選では、「継続示唆演出抽選テーブル」を用いて抽選が行われる。

図３０は、本実施例の継続示唆演出抽選テーブルを概念的に示す説明図である。図３０に示すように、継続示唆演出抽選テーブルとしては、３０秒長変動カウンタの値に応じて継続示唆演出抽選テーブルＡ〜Ｃがサブ制御基板２２０のＲＯＭ２２２に記憶されている。具体的には、３０秒長変動カウンタの値が「０」である場合、すなわち、第１特図の３０秒長変動が行われない場合（長変動が継続しない場合）の継続示唆演出抽選に用いられる継続示唆演出抽選テーブルＡ、３０秒長変動カウンタの値が「１」または「２」である場合、すなわち、第１特図の３０秒長変動が１〜２回行われる場合（長変動が１〜２回継続する場合）の継続示唆演出抽選に用いられる継続示唆演出抽選テーブルＢ、３０秒長変動カウンタの値が「３以上」である場合、すなわち、第１特図の３０秒長変動が３回以上行われる場合（長変動が３回以上継続する場合）の継続示唆演出抽選に用いられる継続示唆演出抽選テーブルＣが記憶されている。それぞれの継続示唆演出抽選テーブルには、乱数値の範囲に対応させて継続示唆演出の種類が設定されている。

継続示唆演出抽選では、まず、３０秒長変動カウンタの値を検出する。サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、主制御基板２００から送信される遊技状態指定コマンドおよび第１変動開始時コマンドに含まれる３０秒長変動カウンタの値を示す情報に基づき、現在の３０秒長変動カウンタの値を記憶している。３０秒長変動カウンタの値を検出したら、該カウンタの値に対応する継続示唆演出抽選テーブルを選択する。そして、逐次更新されているカウンタの値を所定のタイミングで乱数として取得するとともに、その取得した乱数値を基に、選択した継続示唆演出抽選テーブルを参照して継続示唆演出の種類を決定する。

図３０に示すように、継続示唆演出抽選では、第１特図の長変動が継続しない場合は、継続示唆演出抽選テーブルＡが用いられることで、長変動が終了することを示唆する継続示唆演出（「終了か？」という文字を演出表示装置４０の表示画面上に表示する演出）が選択される確率が高くなり、第１特図の長変動が継続する場合は、継続示唆演出抽選テーブルＢまたは継続示唆演出抽選テーブルＣが用いられることで、長変動が継続することを示唆する継続示唆演出（「継続か？」という文字または「継続確定」という文字を演出表示装置４０の表示画面上に表示する演出）が選択される確率が高くなる。また、第１特図の長変動が継続する回数が所定数以上（３回以上）の場合は、継続示唆演出抽選テーブルＣが用いられることで、長変動が継続することを強く示唆する継続示唆演出（「継続確定」という文字を演出表示装置４０の表示画面上に表示する演出）が選択される確率が高くなる。

こうして、継続示唆演出抽選を実行したら（図２９のＳ６００６）、該抽選で決定した継続示唆演出を実行する（Ｓ６００８）。尚、継続示唆演出の実行タイミングでない場合は（Ｓ６００４：ｎｏ）、Ｓ６００６〜Ｓ６００８の処理は省略する。

続いて、長変動継続コマンドを受信しているか否かを判断する（Ｓ６０１０）。長変動継続コマンドは、図１２を用いて前述したように、「６０秒長変動」を終了するに際して、次回の第１特図の外れ変動を「３０秒長変動」とする場合に主制御基板２００から送信されるコマンドである。すなわち、第１特図の「長変動」が継続する場合に主制御基板２００から送信されるコマンドである。長変動継続コマンドを受信している場合は（Ｓ６０１０：ｙｅｓ）、長変動が継続することを示す長変動継続演出を実行する（Ｓ６０１２）。例えば、「継続！」という文字を演出表示装置４０の表示画面上に表示する演出を実行する。尚、長変動継続コマンドを受信していない場合は（Ｓ６０１０：ｎｏ）、Ｓ６０１２の処理は省略する。

続いて、長変動終了コマンドを受信しているか否かを判断する（Ｓ６０１４）。長変動終了コマンドは、図１２を用いて前述したように、６０秒長変動を終了するに際して、次回の第１特図の外れ変動を３０秒長変動としない場合に主制御基板２００から送信されるコマンドである。すなわち、第１特図の長変動が継続しない（終了する）場合に主制御基板２００から送信されるコマンドである。長変動終了コマンドを受信している場合は（Ｓ６０１４：ｙｅｓ）、長変動が終了することを示す長変動終了演出を実行する（Ｓ６０１６）。例えば、「終了」という文字を演出表示装置４０の表示画面上に表示する演出を実行する。尚、長変動終了コマンドを受信していない場合は（Ｓ６０１４：ｎｏ）、Ｓ６０１６の処理は省略する。

以上のように、本実施例のパチンコ機１では、第１特図の「長変動」が開始される場合は長変動開始演出を実行し、「長変動」が継続する場合は長変動継続演出を実行し、「長変動」が終了する場合は長変動終了演出を実行する。これにより、第１特図の「長変動」の開始、終了、継続（増加）を遊技者に十分に認識させることができるので、第１特図の「長変動」に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。この結果、第１特図の長変動中の遊技興趣を一層高めることが可能となる。

また、本実施例のパチンコ機１では、第１特図の長変動中に「長変動」が継続するか否かを示唆する継続示唆演出を実行する。これにより、第１特図の「長変動」が継続（増加）することへの遊技者の期待を煽ることができ、この結果、第１特図の長変動中の遊技興趣を一層高めることが可能となる。

尚、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、３０秒長変動の回数が増加される（長変動時間を設定する第１識別情報の変動表示回数を長変動回数増加手段が増加させる）場合に、その旨を示す長変動継続演出（特別演出）を実行する。したがって、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、本発明における「特別演出実行手段」に対応している。また、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、３０秒長変動の回数が増加される（長変動時間を設定する第１識別情報の変動表示回数を長変動回数増加手段が増加させる）場合と増加されない（増加させない）場合に、増加するか否かを示唆する継続示唆演出（示唆演出）を実行する。したがって、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２１は、本発明における「示唆演出実行手段」に対応している。

以上、本発明について実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。

また、上述した実施例では、第１大当り遊技が終了した後に１回の「６０秒長変動」を実行する構成としたが、第１大当り遊技が終了した後に複数回の「６０秒長変動」を実行する構成や、第１大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類に応じた回数の「６０秒長変動」を実行する構成としてもよい。

また、上述した実施例では、長変動中に開始された第２大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類に応じて、追加して実行される「３０秒長変動」の回数を決定する構成としたが、長変動中に所定回数以上の第２大当り遊技が開始された場合に長変動を継続させる構成としてもよい。こうすると、長変動中における第２大当り遊技の実行回数に遊技者を注目させることが可能となる。

また、長変動中に開始された第２大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類に応じて、追加して実行される長変動の変動時間を異ならせる構成としてもよい。例えば、当該大当り図柄が「１〜５０」であれば「６０秒長変動」を追加して実行し、当該大当り図柄が「５１〜１００」であれば「３０秒長変動」を追加して実行する構成としてもよい。こうすると、長変動中に開始された第２大当り遊技の開始契機となった大当り図柄の種類に遊技者を注目させることが可能となる。

また、上述した実施例では、第１大当り遊技よりも第２大当り遊技のラウンド回数を多くすることで、第１大当り遊技よりも第２大当り遊技の方が獲得可能な遊技利益の量が多い構成としたが、このような構成としては、他にも、第１大当り遊技よりも第２大当り遊技の方が１回のラウンド遊技における大入賞口３１ｄの開放時間が長い構成や、第１大当り遊技よりも第２大当り遊技の方が大当り終了後の遊技状態が開放延長状態または高確率状態に設定され易い構成、第１大当り遊技よりも第２大当り遊技の方が特定演出（希少価値の高い演出）の実行確率が高い構成等が例示できる。

また、上述した実施例では、確変突入率が１００％の回数切り確変機（所謂ＳＴ機）に本発明を適用した例について説明したが、本発明は確変突入率が１００％のＳＴ機以外にも、例えば、大当り遊技終了後の大当り確率を「低確率」または「高確率」に設定する機種や、大当り確率が低確率に設定されるとともに第２始動口１７ｂの開放時間が延長される低確率開放延長状態（低確開放期間）を設定可能な機種や、大当り遊技の開始前と終了後とで大当り確率が変動しない機種など、あらゆるタイプのパチンコ機に適用することができる。

また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口（第１始動口１７ａ、第２始動口１７ｂ、大入賞口３１ｄ等）への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益（遊技価値）を遊技者に付与するパチンコ機１に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量（遊技価値の大きさ）を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のＲＡＭに記憶することによって、遊技上の利益（遊技価値）を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益（遊技価値）をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機（いわゆる封入式遊技機）を例示できる。

本発明は、遊技ホールで用いられる弾球遊技機に利用することができる。

１…パチンコ機（弾球遊技機）、１７ａ…第１始動口、１７ｂ…第２始動口、２８…第１図柄表示装置、３２…第２図柄表示装置、３１ｄ…大入賞口、２００…主制御基板、２０１…ＣＰＵ（第１識別情報表示手段、第２識別情報表示手段、特定遊技実行手段、変動時間設定手段、変動制御手段、長変動回数増加手段）、２２０…サブ制御基板、２２１…ＣＰＵ（特別演出実行手段、示唆演出実行手段）。

Claims (1)

1. 第１始動口への入球に基づいて取得された入球情報に基づき、第１識別情報の変動表示を行う第１識別情報表示手段と、
   第２始動口への入球に基づいて取得された入球情報に基づき、第２識別情報の変動表示を行う第２識別情報表示手段と、
   前記第１識別情報の変動表示の結果が特定結果になった場合に、獲得可能な遊技利益の量が所定量とされる第１特定遊技を実行し、前記第２識別情報の変動表示の結果が特定結果になった場合に、獲得可能な遊技利益の量が前記第１特定遊技よりも多い第２特定遊技を実行する特定遊技実行手段とを備え、
   前記第１識別情報の変動表示と、前記第２識別情報の変動表示とを並行して実行可能に構成された弾球遊技機において、
   所定条件が成立すると、前記第１識別情報の変動表示回数が所定回数になるまで、前記第１識別情報の変動時間を長変動時間に設定し、前記第２識別情報の変動時間を前記長変動時間よりも短い短変動時間に設定する変動時間設定手段と、
   少なくとも前記第１識別情報の変動表示が行われているときに前記第２識別情報の変動表示の結果が前記特定結果となって前記第２特定遊技が実行される場合には、前記第１識別情報に係る変動時間の計測を中断し、該中断された第１識別情報に係る変動時間の計測を前記第２特定遊技の終了後に再開させる変動制御手段と、
   前記長変動時間に基づいて前記第１識別情報の変動表示が行われているときに前記第２識別情報の変動表示の結果が前記特定結果となって前記第２特定遊技が実行されると、該第２特定遊技の終了後に前記変動時間設定手段によって前記長変動時間が設定される前記第１識別情報の変動表示回数を増加させる長変動回数増加手段と、
   を備え、
   前記長変動回数増加手段は、前記長変動時間に基づいて前記第１識別情報の変動表示が行われているときに前記第２識別情報の変動表示の結果が前記特定結果となって前記第２特定遊技が実行されると、増加させる変動表示回数を第１回数または前記第１回数よりも多い第２回数に決定し、決定した回数に応じて前記第２特定遊技の終了後に前記長変動時間を設定する前記第１識別情報の変動表示回数を増加させる
   ことを特徴とする弾球遊技機。

Images