JP5831015B2 - 半導体多結晶ダイヤモンドおよびその製造方法 - Google Patents

半導体多結晶ダイヤモンドおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体の性質を示しかつ多結晶である半導体多結晶ダイヤモンドおよびその製造方法に関する。
従来から、ダイヤモンドは最も硬い物質として知られている。このような特性を活かし、ダイヤモンドは切削工具等に使用することができる。たとえば特開2003−292397号公報には、切削工具に使用可能なダイヤモンド多結晶体が記載されている。また、国際公開第2005/065809号には、切削工具に使用可能な高硬度導電性ダイヤモンド多結晶体が記載されている。さらに、特開2003−192443号公報には、切削工具に使用可能でありダイヤモンドに次ぐ硬度を有する立方晶窒化硼素焼結体が記載されている。
特開2003−292397号公報 国際公開第2005/065809号 特開2003−192443号公報
近年、ダイヤモンドの組織をナノメートルサイズにすることで、マクロなへき開性を無くした多結晶ダイヤモンドが開発され、ダイヤモンドの切削加工への適用の広がりが期待されている。
しかしながら、ダイヤモンドは、切削温度が高くなると、鉄等との反応摩擦が起こり、急激に磨耗する。また、大気中では、600℃を越えると、表面のグラファイト化も起こり易くなり、磨耗が進行する。そのため、切削できる材料や温度条件が限定されてきた。
このように温度に起因する磨耗量の増大を効果的に抑制するための方策の1つとして、ダイヤモンドの温度が計測可能となるような特性をダイヤモンドに付与することが考えられる。
そこで、本発明は、温度の計測が可能となる特性を有する半導体多結晶ダイヤモンドおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体多結晶ダイヤモンドは、平均粒径が10nm以上200nm以下のダイヤモンド結晶粒と、5×1014/cm以上5×1019/cm以下の硼素および不可避不純物とで構成され、温度が上昇した際に電気抵抗が減少する特性を有するように硼素をダイヤモンド結晶粒中に分散させる。
上記半導体多結晶ダイヤモンドは、好ましくは、90GPa以上のヌープ硬度を有する。また、ダイヤモンド結晶粒の平均粒径は、好ましくは、10nm以上50nm以下である。上記半導体多結晶ダイヤモンドの100℃以上700℃以下の温度範囲での電気抵抗値は、好ましくは、室温における電気抵抗値よりも低い。
上記半導体多結晶ダイヤモンドの表面における硼素の濃度は、半導体多結晶ダイヤモンドの内部の硼素の濃度の0.1倍以上10倍以下であればよい。上記半導体多結晶ダイヤモンドの表面における硼素の濃度は、好ましくは、半導体多結晶ダイヤモンドの内部の硼素の濃度の0.2倍以上5倍以下であり、より好ましくは、0.9倍以上1.1倍以下である。
本発明に係る半導体多結晶ダイヤモンドの製造方法は、気相合成により、硼素を5×1014/cm以上5×1019/cm以下含むグラファイトを作製する工程と、1200℃以上2500℃以下の温度、7GPa以上25GPa以下の圧力で前記グラファイトを直接ダイヤモンドに変換する工程とを備える。
上記グラファイトは、好ましくは、硼素を置換型元素として含む。また、上記グラファイトにおいては、硼素と炭素が原子レベルで結合することが好ましい。
本発明に係る半導体多結晶ダイヤモンドでは、温度が上昇した際に電気抵抗が減少する特性を有するように硼素をダイヤモンド結晶粒中に分散させているので、半導体多結晶ダイヤモンドの電気抵抗値を計測することで、半導体多結晶ダイヤモンドの温度を計測することができる。
本発明に係る半導体多結晶ダイヤモンドの製造方法によれば、気相合成により作製され硼素を5×1014/cm以上5×1019/cm以下含むグラファイトを直接ダイヤモンドに変換しているので、従来にないレベルの均一さで硼素をダイヤモンド中に分散させることができ、温度が上昇した際に電気抵抗が減少するという特性を有する半導体多結晶ダイヤモンドが得られる。この半導体多結晶ダイヤモンドの電気抵抗値を計測することで、半導体多結晶ダイヤモンドの温度を計測することができる。
本発明の1つの実施の形態における半導体多結晶ダイヤモンドを使用した切削工具の一例を示す図である。 本発明の1つの実施の形態における半導体多結晶ダイヤモンドの電気抵抗値の温度依存性を示す図である。 本発明の1つの実施の形態における半導体多結晶ダイヤモンドの電圧・電流特性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図1〜図3を用いて説明する。
本実施の形態のダイヤモンドは、半導体の性質を示す多結晶ダイヤモンドであり、ドーパントによって電気伝導率を制御可能である。該半導体多結晶ダイヤモンドは、ナノスケールの結晶粒、すなわち1nm以上1μm未満の範囲の粒径の結晶粒からなる多結晶体である。上限値の根拠は、粒径が1μm以上であると、単結晶のへき開され易いという性質が反映され、硬さが90GPa以下程度となり、単結晶と同等になってしまうからである。また、下限値の根拠は、1nm以下の粒径、すなわち粒界の厚さと粒径が同等以下になると、粒界の性質がその多結晶体の性質を支配するようになり、いわゆる粒界滑りが優勢となり、やはり硬さが低くなるからである。上記ダイヤモンド結晶粒の平均粒径は、好ましくは、10nm以上200nm以下であり、より好ましくは、10nm以上50nm以下である。
本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドでは、ドーパントである硼素が均一に分散している。硼素は、原子レベルでダイヤモンド中の炭素と結合しており、ダイヤモンド中の硼素の含有量は、1×1014〜5×1019/cmである。この量の硼素を原子レベルで均一に多結晶ダイヤモンド中で分散させることで、ダイヤモンドに、独特の電気伝導性を付与することができる。具体的には、温度が上昇した際に電気抵抗が減少するという特性を半導体多結晶ダイヤモンドに発現させることができる。
なお、半導体多結晶ダイヤモンド中への硼素の添加量を変化させることにより、半導体多結晶ダイヤモンドの電気抵抗を制御することができる。また、本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドは、電気伝導性に影響を与えるドーパントとして所定量の硼素を含むが、半導体多結晶ダイヤモンド中には硼素以外の不可避不純物も含まれる。本願明細書では、半導体多結晶ダイヤモンドに含まれ、ダイヤモンドの電気伝導性に実質的に影響を与えない元素を「不可避不純物」と称する。
本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドのヌープ硬度は90GPa以上である。ダイヤモンドの硬度を活かしながら、半導体の性質を持たせることが目的であるため、単結晶に対する優位性のある90GPa以上としている。当該ダイヤモンドは切削工具に好適である。その上、立方晶窒化硼素では切削できない材料をも加工することができる。また、本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドは、これまでダイヤモンドが必要であったものの、反応摩耗の問題で適用が困難であった微小工具の加工にも使用することができる。
図1に、上記の半導体多結晶ダイヤモンドを使用した切削工具の一例を示す。図1に示すように、切削工具1は、超硬合金等からなる工具本体2と、該工具本体2にろう材層を介して接合されたダイヤモンドチップ3とを備える。このダイヤモンドチップ3の材質として、本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドを使用することができる。
図1の例では、切削工具1に電気的に接続された電流供給手段5と、工作物4に電気的に接続された電流検知手段6と、電流供給手段5および電流検知手段6に電気的に接続された演算部7とを設けている。電流供給手段5により、切削工具1を例えば正極として、切削中に切削工具1に所定の電流を供給することができる。また、電流検知手段6によりダイヤモンドチップ3を介して切削中に工作物4に流れる電流を検知することができる。そして、演算部7により、供給電流と検知電流からダイヤモンドチップ3の電気抵抗値を算出することができる。
ここで、上述のように、本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドは、温度が上昇した際に電気抵抗が減少するという特性を有するので、該半導体多結晶ダイヤモンドの温度と電気抵抗値との関係、つまり電気抵抗の温度依存性のデータを予め取得することができる。この電気抵抗の温度依存性のデータを参考にして、上記のダイヤモンドチップ3の電気抵抗値から、ダイヤモンドチップ3の温度を算出することができる。その結果、切削中のダイヤモンドチップ3の温度変化、つまり切削中の切削工具1の温度変化をリアルタイムで検知することができる。
それにより、切削工具1の温度が所定値以上に上昇したことを容易に検知することができる。具体的には、切削工具1が、ダイヤモンドの反応摩耗が発生する温度に達したか否かを容易に検知することができる。そして、ダイヤモンドの反応摩耗が発生する温度にまで切削工具1の温度が達した際には、工具と工作物の接触時間や加工圧等を適切に調整すればよい。それにより、切削工具1の刃先温度の制御を行うことができ、ダイヤモンドの反応摩耗の発生を効果的に抑制することができる。
また、ダイヤモンドの電気抵抗が温度上昇に伴い減少することで、切削工具1における接点や導線部の抵抗値、すなわち温度に対して抵抗値の上昇する金属部品の抵抗値と、ダイヤモンドの電気抵抗値とを容易に分離することができ、監視対象であるダイヤモンドの電気抵抗値の変化のみをモニターすることもできる。
さらに、半導体多結晶ダイヤモンドに添加する硼素量を制御することにより、検出する温度範囲を制御することもできる。その上、本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドを用いると、結晶粒が1nm以上1μm未満であるため、マイクロメートルスケール以下の加工においてもへき開を生じない。
以上のように、本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドを切削工具に使用した場合には、工具自体の温度をリアルタイムで計測することで反応摩耗の発生を効果的に抑制し、かつ高硬度で多様な材質をも切削することができる。
本願発明者等は、硼素を1×1018/cm添加した切削工具用の半導体多結晶ダイヤモンドチップ(バイト)を作製し、ケースレーインスツルメンツ株式会社製のKeithley231を用い、300K(約27℃:室温)〜900K(約627℃)の温度範囲での半導体多結晶ダイヤモンドチップの電気抵抗値を測定した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、温度が上昇するに従ってダイヤモンドチップの電気抵抗値が減少しているのがわかる。より詳しくは、300K(約27℃)から600K(約327℃)の範囲では、ダイヤモンドチップの電気抵抗値の減少量は比較的大きく、600K(約327℃)から900K(約627℃)の範囲では、ダイヤモンドチップの電気抵抗値の減少量は小さくなっている。また、300Kから600Kの範囲と比較して、600Kから900Kの範囲では、ダイヤモンドチップの電気抵抗値自体も小さな値となっている。この傾向は、1000K(約727℃)以上でも同様であるものと推察される。
以上より、本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドでは、100℃以上700℃以下の温度範囲での電気抵抗が、室温における電気抵抗よりも低くなるといえる。
本願発明者等は、硼素を1×1018/cm添加した上記のダイヤモンドチップの電圧・電流特性をも確認したので、その結果を図3に示す。
図3に示すように、温度により、ダイヤモンドチップの電圧・電流特性も異なっていることがわかる。より詳しくは、温度が上昇するにつれて、電圧・電流特性曲線の傾き(電流/電圧の値)が増加しているのがわかる。
次に、本実施の形態の半導体多結晶ダイヤモンドの製造方法について説明する。
ダイヤモンドの製造方法の1つとして単結晶合成が知られている。しかし、この単結晶合成では、一般にダイヤモンド中に500ppm以上のドーパントの導入は困難である。また、セクター依存性があるため、たとえば(100)成長面にはドーパントが入り難く、個体内のドーパント濃度分布も大きい。
また、原料グラファイトにBCを固溶させたものや、硼素粉末、類似の硼素化合物を混合したものを用いてダイヤモンドを合成した場合には、ダイヤモンド中の硼素濃度の偏りが大きくなり、BCが析出したり、ダイヤモンド結晶粒の巨大成長粒子が発生し、ダイヤモンドの十分な硬さを得ることができない。また、濃度の濃い部分を通じたパーコレーションによって、半導体性を制御することも困難となる。
そこで、硼素を効率的かつ均一にダイヤモンドに添加すべく、本願発明等は鋭意検討を重ね、硼素をドープしたグラファイトを、高温、高圧下でダイヤモンドに直接変換する方法を想到した。硼素をドーピング手法としては、原料であるグラファイトに対して気相合成で硼素を添加する手法を採用した。この手法を採用することにより、置換型元素として硼素をグラファイトに添加することができ、硼素と炭素を原子レベルで結合させることができる。併せて、グラファイト中に均一に多くの量の硼素を分散させることもできる。具体的には、5×1014/cm以上5×1019/cm以下といった比較的多くの量の硼素をグラファイトに均一に添加することができる。
なお、気相合成でグラファイトに硼素を添加するには、炭素を含むガスと、硼素を含むガスとを混合して高温下で反応させ、基材上にグラファイトを生成すると共に、グラファイトに硼素を添加すればよい。
上記のようにして硼素を添加したグラファイトを、1200℃以上2500℃以下の温度、7GPa以上の圧力によって描かれる温度―圧力条件の範囲で直接ダイヤモンドに変換する。これは、1200℃以下の温度では直接変換が進行せず、2500℃以上の温度に加熱するとヒーターが断線し、加熱できないからである。また、7GPa未満の圧力では、2500℃の温度でもダイヤモンドへの直接変換が困難となるからである。こうして、ダイヤモンド中で、従来にないレベルで均一に分散した硼素分布を有する半導体多結晶ダイヤモンドが得られる。また、該半導体多結晶ダイヤモンドは、温度が上昇した際に電気抵抗が減少するという独特の電気抵抗の温度依存性をも有する。
本願発明者等が、ダイヤモンドにおける結晶粒径や電気抵抗の分布の均一化という観点から研究を重ねた結果、ダイヤモンド焼結体内部の硼素濃度分布が小さい方が好ましいことが判明した。具体的には、ダイヤモンドにおける結晶粒径や電気抵抗の分布の均一化を図るには、半導体多結晶ダイヤモンドの任意の複数箇所の硼素濃度の差が、1桁の範囲内、すなわち10倍以内であることが有効である。より詳しくは、半導体多結晶ダイヤモンドの表面における硼素の濃度は、ダイヤモンド内部の硼素の濃度の0.1倍以上10倍以下である。これは、例えば硼素濃度1014/cmや1019/cmを狙ってダイヤモンドを作製した場合に、1014/cmに対して0.1倍の濃度では、ダイヤモンドが絶縁性となり、1019/cmに対して10倍の濃度では、場合によっては温度依存性がほとんど見られない1020/cmとなるからである。
同様の理由で、上記硼素濃度の差は、好ましくは5倍以内である。例えば半導体多結晶ダイヤモンドの表面における硼素の濃度は、ダイヤモンド内部の硼素の濃度の0.2倍以上5倍以下である。
上記硼素濃度の差は、より好ましくは±10%以内である。例えば半導体多結晶ダイヤモンドの表面における硼素の濃度は、ダイヤモンド内部の硼素の濃度の0.9倍以上1.1倍以下である。これは、抵抗値の温度依存性を取得した際に、ほとんど無視できる差となるのが10%であったためである。
なお、上記の本実施の形態の方法を用いることで、ダイヤモンド焼結体表面のいずれの面においても、深さ方向の硼素濃度のばらつきを、10%以内に抑えることができる。つまり、結晶粒径のばらつきが小さく、かつ電気抵抗値のばらつきも小さい半導体多結晶ダイヤモンドが得られる。
半導体多結晶ダイヤモンドの合成には、等方的な圧力によって粒径、異方性を揃えるという観点から、静水圧下での合成が好ましい。超高圧発生装置を用いることが好ましい。ダイヤモンドの合成条件については、合成温度が1900℃以上、合成圧力が12GPa以上が好ましい。
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、原料炭素として、気相合成で作製した硼素濃度5×1014/cmのグラファイトを準備した。そして、超高圧装置を用い、合成温度2200℃、圧力15GPaで上記グラファイトを直接多結晶ダイヤモンドに変換した。
このダイヤモンド多結晶の結晶粒径は、各々10〜100nm程度であった。X線パターンから、BCの析出などは見られなかった。また、この多結晶ダイヤモンドのヌープ硬度は120GPaであった。電気抵抗は、室温での10kΩから、150℃での2kΩまで減少することが確かめられた。これ以上高い温度では抵抗は再び上昇する傾向にあった。
本実施例2では、原料炭素として、気相合成で作製した硼素濃度5×1015/cmのグラファイトを準備した。超高圧装置を用い、合成温度2200℃、圧力15GPaで上記グラファイトから直接多結晶ダイヤモンドを得た。
ダイヤモンド多結晶の結晶粒径は、各々10〜100nm程度であった。また、X線パターンから、BCの析出などは見られなかった。本実施例2における多結晶ダイヤモンドのヌープ硬度は120GPaであった。電気抵抗は室温での5kΩから、200℃での500Ωまで減少することが確かめられた。これ以上高い温度では抵抗は再び上昇する傾向にあった。
本実施例3では、原料炭素として、気相合成で作成した硼素濃度5×1016/cmのグラファイトを準備した。超高圧装置を用い、合成温度2200℃、15GPaで上記グラファイトから直接多結晶ダイヤモンドを得た。
ダイヤモンド多結晶の結晶粒径は、各々10〜100nm程度であった。また、X線パターンから、BCの析出などは見られなかった。この多結晶ダイヤモンドのヌープ硬度は120GPaであった。電気抵抗は室温での1kΩから、300℃での100Ωまで減少することが確かめられた。これ以上高い温度では、抵抗は微増したものの、大きな変化が無かった。
本実施例4では、原料炭素として、気相合成で作成したホウ素濃度5×1017/cmのグラファイトを準備した。超高圧装置を用い、合成温度2200℃、15GPaで上記グラファイトから直接多結晶ダイヤモンドを得た。
ダイヤモンド多結晶の結晶粒径は、各々10〜100nm程度であった。また、X線パターンから、BCの析出などは見られなかった。この多結晶ダイヤモンドのヌープ硬度は115GPaであった。電気抵抗は室温での1kΩから、400℃での20Ωまで減少することが確かめられた。これ以上高い温度では、抵抗は微増したものの、大きな変化が無かった。
本実施例5では、原料炭素として、気相合成で作成したホウ素濃度5×1018/cmのグラファイトを準備した。超高圧装置を用い、合成温度2200℃、15GPaで上記グラファイトから直接多結晶ダイヤモンドを得た。
X線パターンから、BCの析出などは見られなかった。ダイヤモンド多結晶のグレインは各々10〜200nmの大きさであった。この多結晶ダイヤモンドのヌープ硬度は150GPaであった。電気抵抗は室温での500Ωから、400℃での10Ωまで減少することが確かめられた。これ以上高い温度では、抵抗は微増したものの、大きな変化が無かった。
本実施例6では、原料炭素として気相合成で作成したホウ素濃度5×1019/cmのグラファイトを準備した。超高圧装置を用い、合成温度2200℃、15GPaで上記グラファイトから直接多結晶ダイヤモンドを得た。ダイヤモンド多結晶の平均結晶粒径は100nm以下程度であった。X線パターンから、BCの析出などは見られなかった。この多結晶ダイヤモンドのヌープ硬度は120GPaであった。電気抵抗は室温での100Ωから、500℃での2Ωまで減少することが確かめられた。これ以上高い温度では、抵抗は微増したものの、大きな変化が無かった。なお、硼素濃度の表面からの分布を2次イオン質量分析計(SIMS)によって測定したところ、硼素分布は5%/μmであった。
(比較例)
原料炭素として、BCを原料として硼素濃度1×1020/cmに固溶したグラファイトを利用した。超高圧装置を用い、合成温度2200℃、15GPaで上記グラファイトから直接多結晶ダイヤモンドを得た。ダイヤモンド多結晶の結晶粒径は、各々数μmから数十μm程度であった。これは、BCが触媒作用をしたことと、硼素が偏析しやすい為であると考えられる。また、X線パターンから、BCの析出が見られた。この多結晶ダイヤモンドのヌープ硬度は70GPaであった。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の実施の形態および実施例を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態および実施例に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
1 切削工具、2 工具本体、3 ダイヤモンドチップ、4 工作物、5 電流供給手段、6 電流検知手段、7 演算部。

Claims (10)

  1. 平均粒径が10nm以上200nm以下のダイヤモンド結晶粒と、
    5×1014/cm以上5×1019/cm以下の硼素および不可避不純物とで構成され、
    温度が上昇した際に電気抵抗が減少する特性を有するように前記硼素を前記ダイヤモンド結晶粒中に分散させた、半導体多結晶ダイヤモンド。
  2. 90GPa以上のヌープ硬度を有する、請求項1に記載の半導体多結晶ダイヤモンド。
  3. ダイヤモンド結晶粒の平均粒径が10nm以上50nm以下である、請求項1または請求項2に記載の半導体多結晶ダイヤモンド。
  4. 100℃以上700℃以下の温度範囲での電気抵抗が、室温における電気抵抗よりも低い、請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体多結晶ダイヤモンド。
  5. 前記半導体多結晶ダイヤモンドの表面における前記硼素の濃度は、前記半導体多結晶ダイヤモンドの内部の前記硼素の濃度の0.1倍以上10倍以下である、請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体多結晶ダイヤモンド。
  6. 前記半導体多結晶ダイヤモンドの表面における前記硼素の濃度は、前記半導体多結晶ダイヤモンドの内部の前記硼素の濃度の0.2倍以上5倍以下である、請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体多結晶ダイヤモンド。
  7. 前記半導体多結晶ダイヤモンドの表面における前記硼素の濃度は、前記半導体多結晶ダイヤモンドの内部の前記硼素の濃度の0.9倍以上1.1倍以下である、請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体多結晶ダイヤモンド。
  8. 気相合成により、硼素を5×1014/cm以上5×1019/cm以下含むグラファイトを作製する工程と、
    1200℃以上2500℃以下の温度、7GPa以上25GPa以下の圧力で前記グラファイトを直接ダイヤモンドに変換する工程とを備えた、半導体多結晶ダイヤモンドの製造方法。
  9. 前記グラファイトは、前記硼素を置換型元素として含む、請求項8に記載の半導体多結晶ダイヤモンドの製造方法。
  10. 前記グラファイトにおいて、前記硼素と炭素が原子レベルで結合する、請求項8または請求項9に記載の半導体多結晶ダイヤモンドの製造方法。
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