JP5829113B2 - 携帯用機器 - Google Patents

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本発明は、防水性を有する携帯機器の蓋構造に関する。
カメラなど携帯される機器は近年、雨の中や水中での使用も可能となってきている。そのため携帯機器の本体は勿論のことこれに用いられる蓋構造なども防水性の高い構造が要求されている。
そこで特開2011−154820号公報は蓋部材に2つのパッキン部材を、2つのパッキング支持枠を介してビスで固定している。
特開2011−154820号公報
上記特開2011−154820号公報にはパッキン部材を蓋部材に固定するためパッキン支持枠を必要とし、その分だけ厚みを必要として結果としてこれを有する携帯機器の小型化を妨げてしまう。また、長年の蓋開閉の繰返しに対しパッキンがパッキン支持枠から離脱する可能性もあり、これに対する耐久性をさらに向上させたいという要望もある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、防水を目的とした蓋構造を有する携帯機器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の水中使用可能な携帯用機器において、蓋部材と、上記携帯機器本体に深さを有し上記蓋部材により露呈、覆われる凹部であって、該深さ方向に該凹部の内部全周に沿って形成されている環状の第1の環状面と、上記蓋部材が該凹部を覆うとき上記蓋部材と対向するように設けられた環状の第2の環状面とを有する本体凹部と、上記蓋部材に設けられ、上記蓋が上記本体凹部を覆うとき、法線を上記機器外側方向に向けた第1の表面と、法線を上記機器内側方向に向けた第2の表面とからなって板状に形成され、平板の外周端面から外方に向かって環状に突出した第1の凸部と、この第1の凸部から平板のみ方向に離間して上記外周端面から外方に向かって環状に突出した第2の凸部と、該第2の凸部近傍の第2の表面から垂直に環状に突出する第3の凸部とを有しているシール基材と、上記第1の凸部と上記第2の凸部と上記第3の凸部とを覆い、かつ上記第1の凸部と第2の凸部との間に充填された第1の被覆部と、これに連続して第2の表面全体を覆う第2の被覆部と、上記シール基材の厚み方向における上記第1の凸部と上記第2の凸部との間から該被覆部外周から延びて環状に突出した第1のシール凸部と、上記第1の被覆部と第2の被覆部との連続部分あって上記第2の被覆部の周囲部分から機器本体内側方向に向かって環状に突出した第2のシール凸部とを有した弾性シール部材と、を具備した。
本発明に係わる蓋装置を有する水中使用可能な携帯用機器においては、該蓋の開閉においても耐久性を有しながら防水性および小型な蓋装置を有した携帯機器を提供できる。
以下、図面に沿って本発明を適用した携帯機器としてのデジタルカメラ(以下、カメラと称する)を用いて説明する。
図1は、本実施形態の蓋手段を閉じた状態の携帯用機器としてのカメラ1を前方斜め左から眺めた斜視図である。図2は、本実施形態の蓋手段を開いた状態の携帯用機器としてのカメラ1を前方斜め左から見た斜視図である。図3は、図2に示すA部を拡大して表示した部分拡大斜視図である。図4は、本発明の蓋手段の分解斜視図である。図5は、本発明の蓋手段を構成する一部品であるシール部分を保持するためのシール基材を示す斜視図である。図6は、図5のシール基材を背面より示す斜視図である。図7は、本発明の蓋手段を構成する一部品であるシールを示す斜視図である。図8は、図7のシールを背面より示す斜視図である。図9(a)は、蓋手段である電池蓋部組2を構成する一部組であるシール部組2bを示す平面外観図である。図9(b)は、(a)で示す線A−Aで示す縦断面図である。(c)は(a)で示すFF断面を示す横断面図である。図10は、図1のカメラ1の正面を眺めたとき電池蓋外観を含むカメラ外観の左側面図を示す。図11は、図10の線Z−Zで示す電池蓋の断面を含むカメラの一部縦断面を示す。図12は、図10の線Y−Yで示す電池蓋の断面を含むカメラの一部横断面を示す。
なおカメラ前方とは被写体がある方向であり、カメラ後方とはカメラを操作する撮影者側をいい、カメラ右側とは被写体側よりカメラ正面から眺めたときの右側であり、カメラ左側とは被写体側カメラ正面から眺めたときの左側である。
カメラ1の被写体側からカメラ正面を眺めたとき、カメラ1にはカメラ1右側の上部に撮影レンズ窓1xが配されている。従って、撮影レンズ窓から垂直に被写体に向かって撮影レンズ光軸が存在する。カメラ1は上記左側面に、電池蓋である蓋部材2aが閉じ状態にあるとき、カメラ本体外装表面と電池蓋の外観表面とを略同一面として一体感を出すために蓋自身を収納する長穴状の深さを有する本体凹部1bが、略カメラ左側面全域を占めるように設けられている。そして蓋部材2aはカメラ左下に、光軸と平行に配された蓋軸1cに関して回動し、開閉を行い、蓋が開状態のときは、電池を挿入装填される凹部1b内の開口(電池装填開口1d)、及び記録媒体(メモリーカード)が挿入、装填される開口(記憶媒体装填開口)、外部との電気接続を行うためのコネクタ1fが外部に露呈される。蓋部材2aが閉状態のときはこれら開口が覆われる。
尚、電池蓋のカメラ本体へのロック機構などは公知の技術であり、本発明と直接には関係がないので説明は省略する。
蓋部材2aが閉状態では蓋部材2aとカメラ1との間の水密状態を確保するため、蓋部材2aとカメラ本体との間にはシール部組2bが介在させられる。本実施形態においては、シール部組2bは蓋部材2aにねじ2iで固着され、このシール部組2bに有るシール2pと密着するための当接面がカメラ側に設けられる。
初めに、上記水密状態を確保するための構成をカメラ本体側から説明する。
上記凹部1bには、該凹部1bの深さ方向に、この凹部1bと上記複数の開口までの間に、深さ方向に沿い幅を有し、該凹部1b内部の全周に沿って囲む環状の面である第1の環状面1g(当接面)が形成されている。さらに、第1の環状面1gと伴に上記水密状態を二重に確保するため、上記蓋部材2aと対向するように上記複数の開口全部を囲んで設けられた環状の面である第2の環状面1h(当接面)とを有する。
次に電池蓋である電池蓋部組2の構成を説明する。電池蓋部組2は外観となる蓋部材2aとシール部組2bとからなり、さらにシール部組2bはシール基材2cとシール2p(パッキン)とから成る。そして電池蓋にはカメラ本体に対し閉じ位置に維持されるためのロック機構(ロックツマミ2r、ロック板2s、クリックばね2t、ロック付勢ばね2u、ねじ2k等)が蓋部材2aとシール部組2bとの間に配置される。尚、電池蓋のカメラ本体への該ロック機構は公知の技術であり、本発明と直接には関係がないので説明は省略する。
蓋部材2aは、電池蓋が閉状態のとき電池蓋の外観となる部材であり、シール部組2bを支持している。シール部組2bはシール基材2cとシール2pとが一体となって、いわゆる二色成形で成型されている。
蓋部材2aには、別部品から成る丁番2v(軸受け部材)がねじ2jで蓋部材に固着され、この丁番2vが上記蓋軸1cに関し回動し、これに伴い電池蓋部組2がカメラ本体に対し閉状態、開状態をなす(図3参照)。
シール基材2cの形状について図4、図5、図6、図9、図11、図12を基に説明する。シール基材2cは合成樹脂、例えばABS樹脂、ポリカーボネート樹脂等で形成されている。シール基材2cは、電池蓋を閉じたとき、法線をカメラ外側方向に向けた複数の凸凹面からなる第1の表面2dと、法線をカメラ内側方向に向けた複数の凸凹面からなる第2の表面2eとからなって略平板状に形成されている。シール基材2cのこの平板外周端面からは外方に向かって環状に突出した第1の凸部2fと、この第1の凸部2fから上記厚み方向に離間して同じくこの外周端面からは外方に向かって環状に突出した第2の凸部2gと、該第2の凸部2g近傍の第2の表面2eから垂直に環状に突出する第3の凸部2hとを有している。よって、外周の全周表面にわたって第1の凸部2fと第2の凸部2gとが並んで形成され、第1の凸部2fと第2の凸部2gとの間は溝状の形状となっている。
次にシール2p(弾性シール部材)の形状について図4、図7、図8、図9、図11、図12を基に説明する。シール2pはシリコン素材(コンパウンド)から成り、シール基材2cと2色成形され一体となっている。シール2pはシール基材2cの第1の凸部2f、第2の凸部2g及び第3の凸部2hとを覆いながら、かつ第1の凸部2fと第2の凸部2gの間の溝状部に充填された第1の被覆部分2wと、これに連続して第2の表面2eの一部を除き略全体を覆う第2の被覆部分2xとからなる。
上記シール基材2cの厚み方向における上記第1の凸部2fと上記第2の凸部2gとの間の第1の被覆部分2w外側表面には断面三角状の、外方に突出し外周全周にわたって形成された環状の凸部である第1のシール凸部2yが設けられている。さらに、第1の被覆部分2wの第3の凸部2hを覆った部分近傍、すなわち上記第1の被覆部分2wと第2の被覆部分2wとの連続部分近傍であって第2の被覆部分2wの周囲部分には電池蓋厚み方向であるカメラ本体内側方向に向かって環状に突出した断面三角状の凸部である第2のシール凸部2zが設けられている。なお、シール2pがシール基材2cに一体化されたシール部組2bの短辺方向の最大幅寸法W1(図9(c)参照)は、第1のシール凸部2yの短辺方向の幅の一辺における第1のシール凸部2yの凸部先端からこの一辺に対向し、平行な他の辺の凸部先端までの寸法であり、また、シール2pがシール基材2cに一体化されたシール部組2bの長辺方向の最大長さ寸法W2(図9(b)参照)は、第1のシール凸部2yの長辺方向の長さの一辺における第1のシール凸部2yの凸部先端からこの一辺に対向し、平行な他の辺の凸部先端までの寸法である。そして、カメラ本体側の凹部1b内部に設けられた第1の環状面1gが形成する長穴の幅方向の幅寸法W1'(図12参照)は上記W1より僅かに小さく、また カメラ本体側の凹部1b内部に設けられた第1の環状面1gが形成する長穴の長手方向の長さ寸法W2'(図11参照)は上記W2より僅かに小さい。
次に、上記構成による電池蓋の動作を次に説明する。
上記構成からなる電池蓋は、開状態、すなわち凹部1b(開口部)を露出させた状態から、回動して上記凹部1b内に電池蓋が収納状態である閉じ状態に移行、すなわち蓋軸1cの軸周りに回動すると、その閉じ過程において第1のシール凸部2yが上記第1の環状面1gによって曲げられ、凹部1b内側方向に圧縮されながら上記第1の環状面1gを摺接する。そして電池蓋閉じ回動動作最終付近になると上記第2のシール凸部2zが第2の環状面1hに対向圧縮される。最後には電池蓋ロック機構により電池蓋閉状態が保持され電池蓋の第1のシール凸部2y、第2のシール凸部2zの両方が圧縮された状態で凹部1b内の水密性が保持される。すなわち、W1'<W1、W2'<W2という寸法により第1のシール凸部2yは圧縮され、電池蓋が凹部1bに収納、すなわち閉じ状態にあるとき電池蓋と凹部1bとの間は水密状態が維持される(図11、図12参照)。
なお、本実施形態の電池蓋及びこれに組み付けられるシール部組2bの形状は、カメラ側面から見たとき、正確には6辺から成る変形六角形であるが、その本質は上記四辺を除く二辺についても同じであるので略四角形として説明した(図9参照)。
上記閉じ状態への移行途中及び電池蓋の開状態への移行途中において、第1のシール凸部2yは第1の環状面1gを摺接するが、このとき、第1のシール凸部2yは横方向からその凸部に対し外力である剪断力及び曲げモーメントが生ずることになる。これによって第1のシール凸部2yを有するシール2pはシール基材2cから剥離されようとする。しかし第1のシール凸部2yの根本にある第1の被覆部分2wが第1の凸部2fと第2の凸部2gを被覆しているので、電池蓋を上記閉じ状態から開状態への移行に伴う上記剥離を防ぐ効果を有する。また、第1のシール凸部2yの根本にある第1の被覆部分2wは第3の凸部2hを覆い、さらに第2の被覆部分2wこれに続いて形成されているので電池蓋を上記開状態から閉じ状態への移行に伴う第1のシール凸部2yに対する外力である剪断力及び曲げモーメントによるシール基材2cからの第1のシール凸部2yの剥離が防止される。
また本発明はシール基材2cとシール2pとを2色成形によって形成したものを説明したが、必ずしも2色成形ではなく別々に部品を形成した後に一体化することも出来る。これらを2色成形により形成すれば互いの部品は密着度も高まり、シール2pのシール基材2cからの蓋開閉に伴う剥離の危険は、尚一層、別々に部品を形成した場合よりも少なくなり水密性が維持される。
以上のように本発明によれば、シール2pがシール基材2cに対し複雑に固着しているので、蓋部材の頻繁な開閉によってもシールの劣化を防ぐことなどができ、水密性を確保し製品の寿化を実現できる。
本発明は、より確実な水密性を有した蓋手段を用いた携帯用機器を提供出来る。
本実施形態の蓋手段を閉じた状態の携帯用機器としてのカメラを前方斜めから見た斜視図である。 本実施形態の蓋手段を開いた状態の携帯用機器としてのカメラを前方斜めから見た斜視図である。 図2に示すA部を拡大して表示した部分拡大斜視図である。 本発明の蓋手段の分解斜視図である。 本発明の蓋手段を構成する一部品であるシール部分を保持するシール基材を示す斜視図である。 図5のシール基材を背面より示す斜視図である。 本発明の蓋手段を構成する一部品であるシールを示す斜視図である。 図7のシールを背面より示す斜視図である。 (a)は蓋手段である電池蓋部組を構成する一部組であるシール部組であるを示す平面外観図である。(b)は(a)で示す線A−Aで示す縦断面図である。(c)は(a)で示すFF断面を示す横断面図である。 図1のカメラの正面を眺めたとき電池蓋外観を含むカメラ外観の左側面図を示す。 図10の線Z−Zで示す電池蓋の断面を含むカメラの一部縦断面を示す。 図10の線Y−Yで示す電池蓋の断面を含むカメラの一部横断面を示す。
1・・・カメラ
1b・・・凹部
1c・・・蓋軸
1d・・・電池装填開口
1e・・・記憶媒体装填開口(メモリーカード装填開口)
1f・・・コネクタ
1g・・・第1の環状面
1h・・・第2の環状面
2・・・電池蓋部組(蓋手段)
2a・・・外観電池蓋(蓋部材)
2b・・・シール部組
2c・・・シール基材
2d・・・第1の表面
2e・・・第2の表面
2f・・・第1の凸部
2g・・・第2の凸部
2h・・・第3の凸部
2i・・・ねじ
2j・・・ねじ
2k・・・ねじ
2p・・・シール(弾性シール部材)
2r・・・ロックツマミ
2s・・・ロック板
2t・・・クリックばね
2u・・・ロック付勢ばね
2v・・・丁番
2w・・・第1の被覆部分(第1の被覆部)
2x・・・第2の被覆部分(第2の被覆部)
2y・・・第1のシール凸部
2z・・・第2のシール凸部

Claims (3)

  1. 水中使用可能な携帯用機器において、
    蓋部材と、
    上記携帯機器本体に深さを有し上記蓋部材により露呈、覆われる凹部であって、該深さ方向に該凹部の内部全周に沿って形成されている環状の第1の環状面と、上記蓋部材が該凹部を覆うとき上記蓋部材と対向するように設けられた環状の第2の環状面とを有する本体凹部と、
    上記蓋部材に設けられ、上記蓋が上記本体凹部を覆うとき、法線を上記機器外側方向に向けた第1の表面と、法線を上記機器内側方向に向けた第2の表面とからなって板状に形成され、平板の外周端面から外方に向かって環状に突出した第1の凸部と、この第1の凸部から該平板の厚み方向に離間して上記外周端面から外方に向かって環状に突出した第2の凸部と、該第2の凸部近傍の第2の表面から垂直に環状に突出する第3の凸部とを有しているシール基材と、
    上記第1の凸部と上記第2の凸部と上記第3の凸部とを覆い、かつ上記第1の凸部と第2の凸部との間に充填された第1の被覆部と、これに連続して第2の表面全体を覆う第2の被覆部と、上記シール基材の厚み方向における上記第1の凸部と上記第2の凸部との間から該被覆部外周から延びて環状に突出した第1のシール凸部と、上記第1の被覆部と第2の被覆部との連続部分あって上記第2の被覆部の周囲部分から機器本体内側方向に向かって環状に突出した第2のシール凸部とを有した弾性シール部材と、
    を具備したことを特徴とした水中使用可能な携帯用機器。
  2. 上記シール基材と上記弾性シール部材は一体に2色成形されていることを特徴とした上記請求項1記載の水中使用可能な携帯用機器。
  3. 上記シール基材はポリカーボネート樹脂であり、上記弾性シールはシリコン素材から成形されていることを特徴とした上記請求項2記載の携帯用機器。
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