JP5827196B2 - 座部昇降可能な椅子 - Google Patents
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Description
使用者が着座する座部と、
その座部を昇降可能に支える支台部と、
前記座部を前記支台部に対して昇降させ得る昇降駆動手段と、
前記座部の下面領域に揺動可能に取り付けられてその揺動動作で座部下面と床面との間に入った被検知物を検知する下降障害検知センサーと、を備え、
前記下降障害検知センサーの検知を受けて前記昇降駆動手段が少なくとも下降停止するようになっている座部昇降可能な椅子において、
前記座部は、座板と、その座板の下面に固着され且つ前記支台部の昇降部と一体である左右一対の座受けアームと、その座受けアームの下縁に内向き鍔状に突設したセンサー受枠と、を有しており、
前記下降障害検知センサーは、前記座部下面に揺動可能に支持された可動部材と、その可動部材の変位を検知するセンサースイッチと、で形成され、
前記可動部材は、前記座部下面のほぼ全体を覆い得る大きさの仮想四角形を基準にしてその仮想四角形の少なくとも四つの角部に対応位置し且つ上動可能な吊り下げ支点で吊り下げられて前記座部下面に対して少なくとも上動可能且つ前後方向と左右方向に揺動可能になっており、前記吊り下げ支点が、逆さL字状に形成されていてその逆L字部を前記センサー受枠に引っ掛けて上動可能とし、さらに前記センサースイッチに対応する位置にスイッチ操作部材を突設したものであり、
一方、前記センサースイッチは、前記可動部材の前後方向に並ぶ両横の前記吊り下げ支点間のほぼ中央又は可動部材の左右方向に並ぶ前後の前記吊り下げ支点間のほぼ中央に対応させて二個を対向配置し、そうして前記可動部材の上動又は揺動に伴う前記吊り下げ支点間のほぼ中央の変位を検知するものであって、前記座受けアームの前記センサー受枠側の内面に取り付けられていて前記可動部材の前記スイッチ操作部材の変位を受けてON・OFF状態が切り替わり、前記二個の何れか一方又は双方が可動部材の前記変位を検知した場合に、前記昇降駆動手段が少なくとも下降停止するようになっており、
さらに前記座受けアームの前記センサー受枠側の内面に前記センサースイッチを保護するカバー部材を設けると共に、そのカバー部材に前記可動部材の前記スイッチ操作部材を前記センサースイッチに誘導し得るガイド溝を設けた座部昇降可能な椅子を提供する。
第1に、座部の前方部分に被検知物があった場合に、可動部材が後方の吊り下げ支点を中心に後傾揺動してその揺動をセンサースイッチで検知し、
第2に、座部の後方部分に被検知物があった場合に、可動部材が前方の吊り下げ支点を中心に前傾揺動してその揺動をセンサースイッチで検知し、
第3に、座部の前後の中間部分に被検知物があった場合に、可動部材が前後方向に並ぶ右列又は左列の吊り下げ支点を中心に左右方向に揺動してその揺動を反支点側のセンサースイッチで検知し、
第4に、座部の下面ほぼ中央に被検知物があった場合に、可動部材全体が上動してその上動をセンサースイッチで検知する。
したがって、可動部材がフロートのように移動して座部のほぼ全域について被検知物を検知することができるから、幼い子供が椅子の周囲にいるような一般家庭でも安全に使用することができる。
前記座部2は、上面にクッションを設けた座板7と、その座板7の下面に固着された左右一対の座受けアーム8,8と、を備えている。この座受けアーム8は、断面略コ字状の金属材であって、上部の水平板が前記座板7を固定する座受け片であり、下部の内向き鍔状に突出する水平板が前記下降障害検知センサー6を支持するセンサー受枠8aである。
前記支台部4は、使用する場所の床面Fに置くベース部40と、そのベース部40に上下摺動可能に装着された昇降部41と、からなる。
前記ベース部40は、床面Fに付く台脚40aと、その台脚40aから斜め上向きに伸びる二本の支柱脚40b,40bとから概略構成される。
一方、昇降部41は、前記支柱脚40b,40bに内嵌して上下方向に摺動可能な摺動脚41a,41aと、両摺動脚41a,41aの上端を繋ぐ連結材41bとから概略構成され、その摺動脚41a,41aの下端に図4に示したように座部2の前記座受けアーム8,8の後端が一体に繋がっている。したがって座部2は昇降部41と一体である。なお、図4,図5において符合9は摺動脚41a,41aに設けたローラであり、そのローラ9を支柱脚40bに内接させて転がすことによって、摺動脚41a,41aを軽快に動かすことができる。
前記昇降駆動手段5は、例えば電動モータ(図示せず)や油圧等の駆動源によって伸縮可能な伸縮ロッドであり、その下端部が前記支台部4のベース部40の台脚40aに連結され、一方、上端部が前記支台部4の昇降部41の連結材41bに連結されている。したがって、昇降駆動手段5を伸ばすことによってその突張り力で昇降部41が上昇し、逆に昇降駆動手段5を縮めることによって昇降部41が下降する。前記のように昇降部41と座部2は座受けアーム8を介して一体であるから、昇降駆動手段5たる伸縮ロッドを伸縮させることによって昇降部41を介して座部2が昇降する。
前記下降障害検知センサー6は、座部2下面に少なくとも上動と揺動が可能なように支持された可動部材60と、その可動部材60の上動又は揺動による変位を検知するセンサースイッチ61a,61bと、で概略形成されている。
前記可動部材60は、座部2下面のほぼ全体を覆い得る大きさ(具体的には、左右の座受けアーム8,8の間隔にほぼ相当する横幅と、その座受けアーム8,8の前後方向の長さにほぼ相当する奥行き)の仮想四角形Q(図6想像線参照)を基準にしてその仮想四角形Qの少なくとも四つの角部に対応位置し且つ上動可能な吊り下げ支点62a〜62dで吊り下げられて前記座部2下面に対して上動可能且つ前後方向と左右方向に揺動可能になっている。
したがって、可動部材60は、鍵部材の横杆60bが上動(浮き上がり)可能な吊り下げ支点62a〜62dになるため、座部2下面に対して左右方向に並ぶ吊り下げ支点62a−62bを支点として前傾方向に、また、吊り下げ支点62c−62dを支点として後傾方向に、また、座部2下面に対して前後方向に並ぶ左列の吊り下げ支点62a−62d又は右列の吊り下げ支点62b−62cを支点として左右方向に揺動可能であり、さらに全吊り下げ支点62a〜62dが一斉に浮き上がった状態で上動し得る。もちろん、これらの揺動や上動が、同時的・複合的に組み合わさる場合もある。
その他、可動部材60には、座受けアーム8より前方に突出する前触枠60fと、座受けアーム8より側方に突出する横触枠60g,60gとが形成されており、主としてこの前触枠60f又は横触枠60gが被検知物に触れる。
なお、左右の横触枠60g,60gは、座受けアーム8,8の下側を横切る状態に連結されており、可動部材60が後傾したとき座受けアーム8,8の下面に当接するようになっている。したがって、横触枠60g,60g同士の前側の連結部が、可動部材60の後傾角度を適正範囲に規制するストッパー的役割をも担っている。
また、可動部材60には、後側の端部に線状のストッパー部材60hが突設されていて、このストッパー部材60hが座受けアーム8のセンサー受枠8aの下面に当たって可動部材60の前傾角度を適正範囲に規制する。
前記センサースイッチ61a,61bは、可動部材60の前後方向左列に並ぶ吊り下げ支点62a−62dと、同じく右列に並ぶ吊り下げ支点62b−62cの間のほぼ中央においてその可動部材60の上下方向の変位を検知するべく、左右の座受けアーム8,8のセンサー受枠8a側の内面に一個ずつ合計二個を対向配置したものである。
実施形態のセンサースイッチ61a,61bは、図7に示したようにアクチュエータ63を下側に配置したリーフスプリング形マイクロスイッチであって、そのアクチュエータ63の直下に前記可動部材60のスイッチ操作部材60eが臨んでいる。
また、センサースイッチ61a,61bは、座受けアーム8,8の内面に衝立状に設けたカバー部材10で覆われており、一方、前記スイッチ操作部材60eは、そのカバー部材10に設けたガイド溝11に遊嵌されていて、このガイド溝11に誘導されてセンサースイッチ61a,61bのアクチュエータ63に確実に接触するようになっている。なお、ガイド溝11は、スイッチ操作部材60eの過上昇を規制してアクチュエータ63が過剰に曲がらないように保護する役割をも果たすようになっている。
図面中、12,12は座部2の両座受けアーム8,8に固着した左右の肘掛け、13は一方(実施形態では右側)の肘掛け12に取り付けた操作部において昇降駆動手段5を上昇操作するための上昇ボタン、14は同じく昇降駆動手段5を下降操作するための下降ボタン、15は支台部4(昇降部41)の上端に設けた握り部、16は支台部4(ベース部40)の後端下部に設けた移動用のローラ、17は支台部4(ベース部40)の背面側を覆う安全カバーである。
実施形態の椅子1は、昇降駆動手段5である伸縮ロッドを伸縮させることにより、座部2の高さを、図4に示した一般的な腰掛けレベルの高位置と、図5に示した座椅子レベルの低位置と、に自由に切り換えることができる。
すなわち、座部2が高位置にある図4の状態で、その座部2に腰掛けた者が前記下降ボタン14を押すと、昇降駆動手段5の伸縮ロッドが縮んで支台部4の昇降部41と一緒に座部2が着座者を載せたまま図5の低位置に下降し、一方、座部2が図5の低位置にある状態で着座者が上昇ボタン13を押すと、昇降駆動手段5の伸縮ロッドが伸びて支台部4の昇降部41と一緒に座部2が着座者を載せたまま図4の高位置に上昇する。
したがって、座椅子に座った姿勢から一人では容易に立つことが出来ない、或はその逆に立った姿勢から容易に座椅子に座ることが出来ない、という高齢者等が、介助者の助けを借りずに一人で座椅子に座り、さらにそこから一人で立ち上がる、という自立した日常生活が行えるようになる。
まず、座部2の前方の部分に被検知物がある場合、図8に矢示したように、その被検知物に可動部材60の前触枠60fや横触枠60gの前方が当たって前方の吊り下げ支点62a,62bが浮き上がり、可動部材60が後方の吊り下げ支点62c,62dを支点として後傾揺動する。そして、その揺動に伴うスイッチ操作部材60eの上昇により、図8拡大図に示したようにアクチュエータ63が押されてセンサースイッチ61a,61bが共にOFFに切り替わり、これにより昇降駆動手段5が停止して座部2の下降が停止する。
なお、被検知物が可動部材60の右側(吊り下げ支点62b,62c側)の横触枠60gの中程付近に当たった場合は、可動部材60が逆の右上がりに傾いて右側のセンサースイッチ61bがOFFに切り替わる。
また、実施形態では、可動部材60を線材による骨組み構造で形成したが、パンチングメタル等の金属板をトレー状に形成したものでもよい。その場合、吊り下げ支点62a〜62dの横杆60bはフランジ状にすればよい。
また、実施形態では昇降駆動手段5を伸縮ロッドで形成したが、座部2を昇降させることが可能である限り、どのようなものであってもよい。
また、実施形態では、下降障害検知センサー6による被検知物の検知を受けて昇降駆動手段5が停止するようになっているが、センサースイッチ61a,61bを昇降駆動手段5の座部2を上昇させる回路とは切り離し、そうしてセンサースイッチ61a,61bがOFFの場合でも昇降駆動手段5による座部2の上昇のみ可能となるようにしてもよい。そしてさらに、昇降駆動手段5が下降停止してから自動的に上昇に転じるように設定してもよい。
2 …座部
4 …支台部
5 …昇降駆動手段
6 …下降障害検知センサー
60 …可動部材
60e …スイッチ操作部材
61a,61b …センサースイッチ
62a〜62d …吊り下げ支点
7 …座板
8 …座受けアーム
8a …センサー受枠
10 …カバー部材
11 …ガイド溝
F …床面
Q …仮想四角形
Claims (1)
- 使用者が着座する座部と、
その座部を昇降可能に支える支台部と、
前記座部を前記支台部に対して昇降させ得る昇降駆動手段と、
前記座部の下面領域に揺動可能に取り付けられてその揺動動作で座部下面と床面との間に入った被検知物を検知する下降障害検知センサーと、を備え、
前記下降障害検知センサーの検知を受けて前記昇降駆動手段が少なくとも下降停止するようになっている座部昇降可能な椅子において、
前記座部は、座板と、その座板の下面に固着され且つ前記支台部の昇降部と一体である左右一対の座受けアームと、その座受けアームの下縁に内向き鍔状に突設したセンサー受枠と、を有しており、
前記下降障害検知センサーは、前記座部下面に揺動可能に支持された可動部材と、その可動部材の変位を検知するセンサースイッチと、で形成され、
前記可動部材は、前記座部下面のほぼ全体を覆い得る大きさの仮想四角形を基準にしてその仮想四角形の少なくとも四つの角部に対応位置し且つ上動可能な吊り下げ支点で吊り下げられて前記座部下面に対して少なくとも上動可能且つ前後方向と左右方向に揺動可能になっており、前記吊り下げ支点が、逆さL字状に形成されていてその逆L字部を前記センサー受枠に引っ掛けて上動可能とし、さらに前記センサースイッチに対応する位置にスイッチ操作部材を突設したものであり、
一方、前記センサースイッチは、前記可動部材の前後方向に並ぶ両横の前記吊り下げ支点間のほぼ中央又は可動部材の左右方向に並ぶ前後の前記吊り下げ支点間のほぼ中央に対応させて二個を対向配置し、そうして前記可動部材の上動又は揺動に伴う前記吊り下げ支点間のほぼ中央の変位を検知するものであって、前記座受けアームの前記センサー受枠側の内面に取り付けられていて前記可動部材の前記スイッチ操作部材の変位を受けてON・OFF状態が切り替わり、前記二個の何れか一方又は双方が可動部材の前記変位を検知した場合に、前記昇降駆動手段が少なくとも下降停止するようになっており、
さらに前記座受けアームの前記センサー受枠側の内面に前記センサースイッチを保護するカバー部材を設けると共に、そのカバー部材に前記可動部材の前記スイッチ操作部材を前記センサースイッチに誘導し得るガイド溝を設けたことを特徴とする座部昇降可能な椅子。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012219416A Active JP5827196B2 (ja) | 2012-10-01 | 2012-10-01 | 座部昇降可能な椅子 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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-
2012
- 2012-10-01 JP JP2012219416A patent/JP5827196B2/ja active Active
Also Published As
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---|---|
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