JP5826581B2 - ガス圧装置、ガス圧装置を用いる破砕方法及びガス圧装置の保護カバー - Google Patents

ガス圧装置、ガス圧装置を用いる破砕方法及びガス圧装置の保護カバー Download PDF

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Description

本発明は、例えば、ガラス、岩石、コンクリート、セラミックなどの脆性物質を破砕するガス圧装置ガス圧装置を用いる破砕方法及びガス圧装置の保護カバーに関する。
本発明において、脆性とは、破断に至るまでのひずみの小さい性質をいう。また、脆性物質(材料)は、引張強さが小さい反面、圧縮強度が大きいという性質があり、代表的なものとして、例えば、ガラス、岩石、コンクリート、セラミックなどがある。岩石やコンクリートは、圧縮強度は大きいが引張強度は圧縮強度の1/10と小さく、破砕されやすい性質をもっている。
従来、岩石、岩盤、コンクリートなどの破砕には、その内部へ穿孔した後に、火薬類(多くは爆薬と起爆用雷管)を装填し、込め物を装填した後、防護対策などを行い、安全な位置から遠隔操作で起爆し破砕する方法(発破工法)が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。
発破工法の応用として、ケーブルの切断に特化した火工品としては、切断用火工品が、鋼板や鋼管の切断用に特化した火工品としては、ノイマン効果を利用した火工品が使用されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
発破工法以外の破砕装置としては、例えば、油圧式ブレーカー、リッパ、油圧ニブラ、油圧割岩機などの土木建設用重機が用いられてきた。
しかし、土木建設用の重機の能力は、一般的にその大きさに比例する。そのため、幅の狭い道路の造成工事など、その場所の広さに制限があると、その適用には限界があった。また、破砕対象物が、強度の大きな花崗岩などの岩石となると、作業能率が極端に落ち、適用できない場合があった。
特開2005−300105号公報
「一般火薬学」、日本火薬工業会 資料編集部、平成22年3月15日発行 P.111 ジェットタッパーなどの火工品 火薬学会編「エネルギー物質ハンドブック」、共立出版株式会社、1999年2月出版 「微小発破による尿路結石破砕技術」の開発に成功、新技術事業団報第658号、新技術事業団、平成7年8月23日発行
しかし、発破工法には、以下のような問題点があった。
穿孔法の発破工法を実施するには、発破設計に則って、岩盤やコンクリート中に所定の穿孔を行わなければならない。
穿孔作業には、手持ちの穿孔用ドリル、手で支えるレッグ式ドリルや、キャタピラ自走式のドリル、トンネル用ジャンボと呼ばれる自走式のドリルなどが用いられる。
しかし、破砕対象となる岩盤やコンクリート面が安全な場所にあり、穿孔が可能であれば良いが、急斜面であったり、土石流によって流れ出してきた崩壊岩石であったりすると、振動を伴う穿孔作業は危険である。自走式の重機が入れない場合もある。
地震や火災によってダメージを受けたビルや構造物などでは、振動を伴う穿孔作業は危険である。自走式の重機が入れない場合もある。
穿孔作業ができない場合には、転がり出た岩石などでは、貼り付け発破を行う場合もあるが、非常に多くの爆薬を必要とし、その爆発音はきわめて大きい。
発破工法の応用として、ケーブルの切断に特化した火工品としては、切断用火工品が使用され、鋼板や鋼管の切断用に特化した火工品としては、ノイマン効果を利用した火工品が使用されている。
しかし、これらの火工品の中で唯一リニアシェープドチャージは、岩石やコンクリート、セラミックのような焼結体など、脆性体の破砕は不可能ではないが、非常に多くの爆薬を必要とし、その爆発音も非常に大きい。
これ以外の火工品はその形状が切断や破壊対象に合わせて設計されているので、その設計対象となっている形状以外によっては、適応が困難である。
一方、爆薬が爆発する際には急激に熱とガスを発生するが、これを利用してピストンを急速に突出させ、ピストンを一定の距離を移動した後に停止させる原理を利用したものとして尿路結石破砕装置が知られている(例えば、非特許文献2、非特許文献3参照)。
しかし、医療用結石の破砕用ピン(火工品)は、その適用が結石に限定されるため、パワーが小さく、土木工法には使用できない。また、その原理として、水中(生理食塩水など)での使用を前提とし、ピンの衝突だけでなく、水中衝撃波による破砕効果の併用であり、殆どが陸上作業である土木工事には適用できない。
なお、医療用結石の破砕用ピン(火工品)を土木工事用にするためには、大型化する必要があるが、その場合には、下記のような課題が考えられる。
第一に、ピン式破砕装置は、使用する駆動薬の爆発でピンハンマーを瞬時に加速する。
駆動薬として爆薬を使用すると、その高い爆轟圧力により、瞬時にピンハンマーを高速に駆動できる。ただし、密着していないと加速効率は非常に落ちる。
同時に、駆動薬として爆薬を用いると、その高い爆轟圧力により、周囲の筐体が破片化し飛散する危険性がある。
そのため、装置を大型化するには、その筐体を非常に大型化、高強度化しなければならない。
第二に、ピン式破砕装置は、駆動薬の爆発により発生したガスを装置内に溜める。
駆動薬の爆発により発生したガスを装置外に逃がす構造にすると、その高温・高圧のガスにより、尿管・膀胱が傷つく虞がある。
ガス噴出の反動がある。
構造体を再利用しようと思っても、分解時に残圧が残っていると危険である。
分解するには、ドリルで孔を開けてガスを抜くので、実質再利用できない。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、ガス発生剤による装置の破壊を防ぎ、ピン部の再利用を可能とすると共に装置内に高圧ガスを閉じ込めないガス圧装置ガス圧装置を用いる破砕方法及びガス圧装置の保護カバーを提供することにある。
請求項1に係る発明は、ガス発生剤とその点火装置とを有するガス発生器と、前記ガス発生剤の燃焼により発生するガスの圧力で移動するピストン部と、前記ピストン部に一体に設けられ、前記ピストン部の移動時に脆性物質を破砕するピン部と、前記ガス発生器が一端部に設けられるとともに、前記ピストン部が移動可能に収納されるシリンダ状の本体と、前記本体における前記ガス発生器が設けられる一端部とは反対側の端部に設けられ、前記ガス発生剤の燃焼により発生するガスの圧力で前記ピストン部が前記本体内部を移動したときに、前記ピストン部に一体に設けた前記ピン部が突出する開口部と、前記本体に設けられ、前記ピン部が前記開口部から突出する位置まで前記ピストン部が前記本体内部を移動したときに、前記本体内部に存在するガスを放出することが可能なガス抜き穴と、前記ガス抜き穴から放出されたガスを前記本体の開口部側へ導くように、前記本体の略全長に亘って前記本体を覆い、一端部が前記本体の一端部側に取り付けられる筒状の第一のカバー部材と、前記第一のカバー部材に対して移動自在に取り付けられる筒状の第二のカバー部材と、からなる保護カバーとを備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のガス圧装置において、前記第一のカバー部材を取り付ける前記本体の一端部には、外周から膨出する段部が形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載のガス圧装置において、前記保護カバーは、前記ガス圧装置に着脱自在に取り付けられることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガス圧装置において、前記保護カバーは、第二のカバー部材を前記第一のカバー部材上の所定位置に固定するための位置決め機構を備えていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のガス圧装置において、前記位置決め機構は、前記第二のカバー部材を、前記第一のカバー部材上の所定位置に固定するために前記第一のカバー部材に設けた位置決め溝と、前記ガス圧装置の作動時に前記位置決め溝に係止される、前記第二のカバー部材に設けた作動時固定ピンと、前記ガス圧装置の非作動時に前記位置決め溝に係止される、前記第二のカバー部材に設けた非作動時固定ピンとを備え、作動時に前記第二のカバー部材の先端部を前記第一のカバー部材の先端部と略同じ位置に移動させて前記作動時固定ピンを前記位置決め溝に係止し、非作動時に前記第二のカバー部材の先端部を前記ガス圧装置のピン部突出長さ以上の長さで前記第一のカバー部材の先端部から突出した位置に移動させて前記非作動時固定ピンを前記位置決め溝に係止することが好ましい。
請求項に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガス圧装置において、前記ガス発生剤は、非火薬ガス発生剤であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガス圧装置において、前記ピン部は、前記ピストンに連結され、先端部が凸型又は平面型を為していることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガス圧装置において、前記ガス抜き穴は、移動後の前記ピストンの後部側に位置するように、前記シリンダの軸線に対し対向する側に対称に設けられていることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のガス圧装置において、前記点火装置は、リード線を介して遠隔点火装置に接続されていることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のガス圧装置において、前記本体を支える保持具を更に備えることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、破砕対象の脆性物質に対し、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のガス圧装置を、前記ピン部の突出範囲内に脆性物質が位置するように配置した後、前記ガス圧装置の非作動時の位置に固定されている前記第二のカバー部材を前記第一のカバー部材上をスライドして前記ガス圧装置の作動時の位置に固定し、前記ガス圧装置に連絡する遠隔点火装置によって前記点火装置を作動させ、前記ガス発生剤の燃焼によるガス圧で前記本体内の前記ピストンを加速し、その運動エネルギーにより前記ピン部で脆性物質を破砕し、前記ピストンの移動後の前記シリンダ内のガスを前記ガス抜き穴から放出させることを特徴とする。
請求項12に係る発明は、ガス発生剤とその点火装置とを有するガス発生器と、前記ガス発生剤の燃焼により発生するガスの圧力で移動するピストン部と、前記ピストン部に一体に設けられ、前記ピストン部の移動時に脆性物質を破砕するピン部と、前記ガス発生器が一端部に設けられるとともに、前記ピストン部が移動可能に収納されるシリンダ状の本体と、前記本体における前記ガス発生器が設けられる一端部とは反対側の端部に設けられ、前記ガス発生剤の燃焼により発生するガスの圧力で前記ピストン部が前記本体内部を移動したときに、前記ピストン部に一体に設けた前記ピン部が突出する開口部と、前記本体に設けられ、前記ピン部が前記開口部から突出する位置まで前記ピストン部が前記本体内部を移動したときに、前記本体内部に存在するガスを放出することが可能なガス抜き穴と、を有するガス圧装置に取り付けられるガス圧装置の保護カバーであって、前記ガス圧装置の前記ガス抜き穴からのガスを前記ガス圧装置の前記本体の開口部側へ導くように、前記本体の略全長に亘って前記本体を覆い、一端部が前記本体の一端部側に取り付けられる筒状の第一のカバー部材と、前記第一のカバー部材上に移動自在に取り付けられる筒状の第二のカバー部材とを備えることを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項12に記載のガス圧装置の保護カバーにおいて、前記第二のカバー部材は、前記第一のカバー部材上の所定位置に固定するための位置決め機構を備えていることを特徴とする。
請求項14に係る発明は、請求項13に記載のガス圧装置の保護カバーにおいて、前記位置決め機構は、前記第二のカバー部材を、前記第一のカバー部材上の所定位置に固定するために前記第一のカバー部材に設けた位置決め溝と、前記ガス圧装置の作動時に前記位置決め溝に係止される、前記第二のカバー部材に設けた作動時固定ピンと、前記ガス圧装置の非作動時に前記位置決め溝に係止される、前記第二のカバー部材に設けた非作動時固定ピンとを備え、前記ガス圧装置の作動時には、前記第二のカバー部材の先端部を前記第一のカバー部材の先端部と略同じ位置に移動し、前記作動時固定ピンを前記位置決め溝に係止し、前記ガス圧装置の非作動時には、前記第二のカバー部材の先端部を前記ガス圧装置のピン部突出長さ以上の長さで前記第一のカバー部材の先端部から突出した位置に移動し、前記非作動時固定ピンを前記位置決め溝に係止することを特徴とする。
本発明によれば、圧力容器内でガス発生剤を燃焼させるので、貼り付け発破法のように、大きな爆発音を伴わず、環境に優しい破砕が可能である。
本発明によれば、脆性物質にピストン部が衝突可能な位置にガス圧装置を設置し、ピストン部を高速で衝突させて破砕するので、発破のための穿孔作業が困難な状態又は場所でも、安全に破砕が可能である。
本発明によれば、破砕作業後に、ピストン部が毀損しない限り、使用済みのガス発生部を本体から取り外し、新たなガス発生部を取り付けることによって再使用することが可能となる。また、ピストン部が損傷した場合には、新たなピストン部と取り替えることによって再使用が可能である。
本発明によれば、破砕作業時に、例えば長尺の延長棒などの保持具を使用することで、安全な位置よりピン部の衝突位置を自由に決めることが可能である。
本発明によれば、ガス圧装置に保護カバーを設けるので、例えば、静電気による着火部の作動による誤作動、電磁波により誘導電流が生じた際の誤作動、遠隔点火装置による誤作動などのガス圧装置の誤作動時には、ガス抜き穴より噴出されるガスが、開放面が大きい保護カバー前方に噴出され、直接ガス抜き穴より噴出される圧力より緩和させることができる。また、ガスと共に発生する熱粒子も、噴出経路が延長し冷却され、直接ガス抜き穴より噴出される状況より緩和される。
また、ピン部突出箇所は、ピン部突出距離以上の空間を保護カバーにより覆うことで、ピン部が直接衝突することがなくなる。
従って、以上の状況下で誤作動が生じても、保護カバーがあることで、人体や機材へピン部の衝突する可能性はなくなり、発生するガス圧及び熱粒子も緩和され、保護カバーがない状態より安全となる。
本発明の第一実施形態に係るガス圧装置を示す斜視図である。 図1のガス圧装置を示す断面図である。 図1のガス圧装置を分解して示す斜視図である。 図1のガス圧装置に用いる点火装置の断面図である。 図1のガス圧装置を用いる転石の集合体の破壊又は移動をする状態を示す説明図である。 図1のガス圧装置を作動後の状態を示す斜視図である。 図6のガス圧装置を作動後の状態を示す断面図である。 図1のガス圧装置に用いるピストン部の別の例を示す斜視図である。 図1のガス圧装置に長尺の延長棒を取り付けた状態を示す斜視図である。 図9のガス圧装置と長尺の延長棒とを分解して示す斜視図である。 図9、図10の長尺の延長棒を示す断面図である。 図9、図10の長尺の延長棒に接続部材を介して接続用の延長棒を接続する状態を示す斜視図である。 図12の長尺の延長棒に接続部材を介して接続用の延長棒を接続する状態を示す斜視図である。 図13の長尺の延長棒に接続部材を介して接続用の延長棒を接続した状態を示す斜視図である。 図9の長尺の延長棒に角度付き接続部材を介して接続用の延長棒を接続する状態を示す斜視図である。 図15の長尺の延長棒に角度付き接続部材を介して接続用の延長棒を接続する状態を示す斜視図である。 図16の長尺の延長棒に角度付き接続部材を介して接続用の延長棒を接続した状態を示す斜視図である。 図1のガス圧装置に90°に曲げた装置ホルダーを介して長尺の延長棒を接続した状態を示す斜視図である。 図18のガス圧装置に90°に曲げた装置ホルダーを介して長尺の延長棒を接続する手順を示す斜視図である。 図1のガス圧装置に90°に曲げた装置ホルダーを介して長尺の延長棒及び接続部材を介して接続用の延長棒を接続した状態を示す斜視図である。 図1のガス圧装置に90°に曲げた装置ホルダーを介して長尺の延長棒及び角度付き接続部材を介して接続用の延長棒を接続した状態を示す斜視図である。 図1のガス圧装置に90°に曲げた装置ホルダーを介して長尺の延長棒及び角度付き接続部材を介して接続用の延長棒を接続した状態を示す斜視図である。 図1のガス圧装置に用いる別の点火装置の断面図である。 本発明の第二実施形態に係るガス圧装置を示す断面図である。 図24のガス圧装置の非作動時の状態を示す断面図である。 図24のガス圧装置が誤作動を生じた状態を示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係るガス圧装置を示す断面図である。 図27のガス圧装置の非作動状態で誤作動による状態を示す断面図である。 本発明の第四実施形態に係るガス圧装置を示す断面図である。 図29のガス圧装置に用いられる保護カバーを示す断面図である。 本発明の第五実施形態に係るガス圧装置を示す断面図である。 図31のガス圧装置に用いられる保護カバーを示す断面図である。 図1のガス圧装置を用いて岩石を移動させる前の状態を示す斜視図である。 図1のガス圧装置を用いて岩石を移動させた後の状態を示す斜視図である。 図1のガス圧装置を用いて岩石を破砕した後の状態を示す斜視図である。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1乃至図7は、本発明の第一実施形態に係るガス圧装置1を示す。
本実施形態に係るガス圧装置1は、ガス抜き穴14を有するシリンダ状の本体10と、非火薬ガス発生剤18と非火薬組成の点火装置20とを有し、本体10の一端部に配されるガス発生部15と、ピン部31を備え、本体10内を移動自在に配され、非火薬ガス発生剤18のガス圧で駆動されてピン部31を本体10から突出させるピストン部30とを備えている。
本体10は、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムA5056などから成るシリンダで構成されている。
本体10は、一端部に、ガス発生部15を取り付ける雌ねじ部11が設けられ、他端部に、ピストン部30のピン部31を突出させる案内孔部12が設けられている。案内孔部12と雌ねじ部11との間には、ピストン部30の収容部13が形成され、収容部13には、ピストン部30の移動後の収容部13内のガス(後ガス)を放出するためのガス抜き穴14が設けられている。ガス抜き穴14は、ガスの噴出による応力を相殺するために本体10の軸線に対して上下左右対称となるように設けることが望ましい。収容部13と案内孔部12との境目には、高速で移動されるピストン部30を受け止める受け部14aが形成されている。
また、本体10は、例えば、図9、図10に示すように、ガス圧装置1に装置ホルダー39を介して長尺の延長棒(保持具)38に取り付け、岩にガス圧装置1を当てて作業することができるように、本体10の軸線に対して上下左右対称となるように切り欠き部10aを設けている。
ガス発生部15は、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムA5056などから成るコップ形状の第一ボディ16と、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムA5056などから成り、第一ボディ16の開口端にネジ止めされる筒形状の第二ボディ17と、第一ボディ16内に封鎖体19を介して封入される非火薬ガス発生剤18と、第一ボディ16の底部に装着される非火薬組成の点火装置20とで構成されている。
第一ボディ16は、非火薬ガス発生剤18を収容するための凹部16aと、開口端の内側に設けられる雌ねじ部16bと、開口端の外側に設けられる雄ねじ部16cと、非火薬組成の点火装置20を装着すると共に非火薬組成の点火装置20のリード線(電線)28を通す貫通穴16dとで構成されている。貫通穴16dでは、非火薬ガス発生剤18の燃焼によって発生するガス圧に耐えると共に、非火薬ガス発生剤18への水分の浸入を防止
することができる接着剤によって非火薬組成の点火装置20を気密状態で封鎖している。
第二ボディ17は、第一ボディ16の開口端の内側の雌ねじ部16bにネジ止めされる雄ねじ部17aを側壁部に設け、開口端側が拡径するラッパ形状を為している。
封鎖体19は、例えば、アルミニウムなどの軟質金属材料を用いることによって、ガス発生剤18の反応熱及び反応ガス圧力で容易に破壊するものである。
ガス発生部15から引き出されたリード線(電線)28は、遠隔点火装置35に接続している。遠隔点火装置35は、例えば、リード線(電線)28の長さを調整することによってガス圧装置1の作動時に安全な場所で作業者が操作できるように持ち運ぶことができるものであれば良く、特に限定するものではない。
なお、ガス発生部15から引き出されたリード線(電線)28は、コネクタ(図示せず)を介して遠隔点火装置35に接続することも可能である。コネクタは、リード線28の長さが長くなり、ガス圧装置1運搬時にリード線28の損傷を回避するため、リード線28の長さを一定にすることができれば良く、特に限定はないが、例えば、防水コネクタを用いることで、コネクタと遠隔点火装置35との接続部の防水性を有することができる。
ピストン部30は、例えば、鉄、ステンレスなどで構成され、対象となる脆性物質を移動又は破砕するためのピン部31を備えている。ピストン部30には、外周にOリング32が装着され、本体10の収容部13の内面を気密状態で高速走行できるようにされている。ピン部31の先端は、岩石などに衝突した際に岩石などを確実に移動又は破砕することができるように平面型になっている。
次に、非火薬ガス発生剤18について説明する。
本発明において、非火薬ガス発生剤18は、下記のように分類される。
1)大分類
テルミット反応薬剤+気化性の良い薬剤
テルミット反応により生じる高熱(発熱)により、加熱により気化しやすい成分を瞬 時に気化・膨張させ、そのエネルギーを利用する。
テルミット反応薬剤は、酸化剤成分と燃料成分とからなる。
2)中分類
酸化剤成分:酸化鉄、酸化銅(酸化第二銅)、二酸化マンガンなどの金属酸化物
燃料成分:アルミニウム、マグネシウム、マグナリウム(アルミニウムとマグネシウ ムの合金)、アリシウム(アルミニウムとリチウムの合金)などの金属、ホウ素
ガス発生剤:硫酸マグネシウム・7水和物、硫酸ニッケル・6水和物、硫酸カリウム アルミニウム・12水和物(汎用名:カリウム明礬)、硫酸アンモニウムアルミニウム ・12水和物(汎用名:アンモニウム明礬)、硫酸ナトリウム・10水和物、硫酸銅・ 5水和物 などの、熱によって分離可能な結晶水を有する化合物
ポリエチレン・蔗糖・メタアルデヒド などの炭化水素の微粉末、水素化ホウ素ナト リウムなど、熱により容易に分解して、水素などの気体を生じる化合物
*基本は微粉体どうし、比表面積の大きな粉体どうしの混合物
*酸化剤と燃料は、そのテルミット反応式より、量論反応式となる組成が良い。
*ガス発生剤は、テルミット反応により発生する熱量より、気化成分が全量ガス化す る量論組成が良い。
*ガス発生剤には、ポリエチレン微粉末など、熱によって容易に分解し、水素ガスな どを発生する物質も使用することができる。
3)小分類
非火薬ガス発生剤組成物は、酸化第二銅CuO(酸化剤)とアルミニウムAl(燃 料)と硫酸カリウムアルミニウム・12水和物AlK(SO42・12H2O(ガス発 生)とからなる。カリウム明礬は、酸化第二銅とアルミニウムの混合物に対して、外割 で混合される。添加剤成分として、ステアリン酸カリウム、ポリテトラフルオロエチレ ンが配合されている。
表1に、非火薬ガス発生剤組成物の可能範囲、適している範囲、望ましい範囲、実用組成を示す。
表中、適している組成及び実用組成のカリウム明礬*は、内割で表記している。
望ましい範囲に使用される非火薬ガス発生剤組成物は、例えば、下記のものがある。
(1)粒子径44μm以下の微粒子を粒度分布で95%以上含み、且つポリテトラフルオロエチレンから成る粉塵飛散防止剤とステアリン酸又はステアリン酸アルミニウムから成る酸化防止剤を含んだアルミニウム粉15〜30重量%と、粒子径74μm以下の微粒子を粒度分布で95%以上含む酸化第二銅70〜80重量%とから成るテルミット剤100重量部と、分解ガス発生剤80〜120重量部とで構成される非火薬破砕組成物。
(2)アルミニウム、酸化第二銅から成るテルミット剤と、カリウム明礬又はアンモニウム明礬から成るガス発生剤と、塩化ビニルから成るバインダーと、ステアリン酸カルシウムから成る小ガス炎着火感度を低減する鈍感化剤とで構成し、鈍感化剤の含有量が、0.5〜5.0重量%の範囲である非火薬破砕組成物。
適している範囲に使用される非火薬ガス発生剤組成物は、例えば、下記のものがある。
24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け品から成る非火薬ガス発生剤。
実用組成に使用される非火薬ガス発生剤組成物は、例えば、下記のものがある。
酸化第二銅38.5重量部とアルミニウム11.5重量部ととから成るテルミット剤と、カリウム明礬又はアンモニウム明礬50重量部から成るガス発生剤と、塩化ビニル粉1.5重量部から成るバインダーと、ステアリン酸カリウム2.5重量部から成る鈍化剤とで構成される造粒物を、24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け処理して成る前記非火薬ガス発生剤。
添加剤のステアリン酸カリウム 2.5%、塩化ビニル1.5%が更に加えられる。
本発明において、非火薬ガス発生剤18を使用する理由としては、下記の事項が挙げられる。
長期の保存に耐える。燃焼残渣がある。燃焼残渣は装置を腐食しない。火薬類と異なり、火薬類取締法による規制が無いため、取り扱いが容易である。
次に、図4により、非火薬組成の点火装置20について説明する。
非火薬組成の点火装置は、片方のみ開放された筒状容器から成る有底のガス発生器管体21と、ガス発生器管体21に填薬されるガス発生剤22及び点火薬カップ23と、点火薬ホルダー24と点火薬25と電橋線付塞栓26とリード線(電線)28とで構成されている。
ガス発生器管体21は、例えば、アルミニウムなどの軟質金属材料を用いることによって、非火薬組成物であるガス発生剤22の反応熱及び反応ガス圧力で容易に破壊することができる。このガス発生器管体21は、加工性の良い軟質金属材料であれば何でも良いが、例えば銅を用いる電気雷管と全く同一の形状に成るため、アルミニウム(例えば、Al−6016−0など)を用いることにより紛らわしさを除いたものである。なお、このアルミニウム製のガス発生器管体21には、内外面にアルマイト処理が施されている。
ガス発生器管体21には、ガス発生剤22が0.1g〜1.1gの範囲で充填されている。このガス発生剤22は、低振動・低騒音破砕薬剤ガンサイザー(日本工機株式会社製商品名)を使用している。これは、火薬類を用いた破砕方法と全く同じ手順で消費許可を必要とせずに岩盤などを破砕する非火薬破砕組成物である。この非火薬破砕組成物は、例えば、特開平11−029389号公報に開示されている。本発明者は、この非火薬破砕組成物を岩盤などを破砕する目的ではなく、このガス圧力を脆性物質を破砕する、並びに脆性物質の集合体を移動させる目的を達成するために、ガス発生剤22の粒径を揃えることでガス圧力のバラツキを小さくできることを見出した。また、脆性物質を破砕する、並びに脆性物質の集合体を移動させる性能にあわせてガス発生剤22の薬量は変えることが可能である。
次に、ガス発生剤22について説明する。
ガス発生剤22を構成するテルミット剤、ガス発生剤、バインダー及び鈍化剤の割合は、テルミット剤が酸化第二銅33〜44重量部とアルミニウム9〜17重量部とから成り、ガス発生剤がカリウム明礬又はアンモニウム明礬45〜55重量部から成り、バインダーが塩化ビニル1.2〜1.8重量部から成り、鈍化剤がステアリン酸カルシウム2.4〜2.6重量部とから成る。
本実施形態では、アルミニウム11.5重量部と酸化第二銅38.5重量部とから成るテルミット剤と、カリウム明礬又はアンモニウム明礬50重量部から成るガス発生剤と、予めアセトンに溶かしておいたバインダーとして用いる塩化ビニル粉1.5重量部とを同一容器に入れ、更に適量のアセトンを加えて良く混ぜる。アセトンがほぼ揮発し固まってきたら8メッシュの篩で造粒し、それを乾燥させる。乾燥後、鈍化剤としてステアリン酸カリウムを2.5重量部とアセトン適量を加えゆっくり混和し、先と同様にアセトンが気化し固まったら造粒し、乾燥してガス発生剤22を得る。
このガス発生剤22は、24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け品を用いる。すなわち、粒径が0.35mm〜0.71mmの範囲に調整されている。
ガス発生器管体21内には、充填されたガス発生剤22と点火薬25との混合防止のために隔壁と成る合成樹脂製のカプセル形状の点火薬カップ23が配置されている。この点火薬カップ23は、金属、非金属を問わないが、金属材料では良電性であるために、電気的発火信号が電橋線27には流れず放電エネルギーに費やされて、点火薬25が不着火となる虞があることから絶縁処理(例えば、アルマイト処理など)する必要がある。
点火薬カップ23は、肉厚0.1μm以下の薄膜で形成したカプセルを半切した形状のものを使用し、点火薬ホルダー24に挿入される。点火薬カップ23及び点火薬ホルダー24には、非火薬組成物で構成する点火薬25と電橋線付塞栓26の電橋線(例えば、白金−イリジュウム線)27とが配置されている。点火薬25として、ボロン/酸化第二銅=10〜20重量%/80〜90重量%を用いた。
電橋線付塞栓26は、電橋線付塞栓26に点火薬ホルダー24を挿入後、点火薬25が0.06g〜0.13gの範囲で填薬され、点火薬カップ23を挿入してから、ガス発生剤22が填薬されたガス発生器管体21内に圧入され、ガス発生器管体21の外側から2箇所にかしめ部29a、29bを形成する。
次に、非火薬組成の点火装置20の組立について説明する。
(1)電橋線付塞栓26の電橋線接続側に筒状の点火薬ホルダー24を圧入し、その中に一定量に計量された点火薬25を填薬する。
(2)点火薬25の外部への漏洩を防止するための点火薬カップ23を点火薬ホルダー24に被せ、圧入する。
(3)ガス発生器管体21の中に篩い分けされたガス発生剤22を一定量に計量し、填薬する。
(4)ガス発生剤22を填薬したガス発生器管体21の開放端に、電橋線付塞栓26を挿入し、全周に亘ってガス発生器管体21の円周上かしめ部29a、29bを形成する。なお、このかしめ部29a、29bは通常は2段であるが1段や3段の場合もある。
以上により、非火薬組成の点火装置20を得ることができる。
次に、本実施形態に係るガス圧装置1の作用を説明する。
例えば、建物や道路近くの転石(岩石)などは、保安距離、防御、消費の法的な許可など、発破での除去が難しい。しかも、岩石が硬いと、建設重機での破砕も困難である。
これに対し、本実施形態では、図5に示すように、例えば、建物や道路近くの転石(岩石)36などに向かって、ガス圧装置1を支持具37に固定し、ガス発生部15から引き出されたリード線(電線)28を遠隔点火装置35に接続する。
そして、遠隔点火装置35を操作して、非火薬組成の点火装置20を駆動させて、非火薬ガス発生剤18を瞬時に燃焼させてガス圧を発生させ、そのガス圧でピストン部30を高速で移動させ、例えば、図6、図7に示すように、ピン部31を突出させることができる。そのため、ピン部31が転石(岩石)36に高速で打撃し、容易に破壊することができる。また、移動させることができる。
この作業を適宜行うことによって、転石(岩石)36の集合体を順次破壊又は分解することによって、転石(岩石)36を搬送しやすい形態に変えることが可能となる。
この作業では、非火薬ガス発生剤18の燃焼に伴うガスの噴射音は、通常の発破に比較すると遙かに小さく、建物や道路近くの住人に対して騒音による被害を小さくすることが可能となる。
騒音防止のために、ガス抜き穴14に消音装置を設けることによってガスの噴射音を低減することができる。
また、本実施形態によれば、破砕作業後に、ピストン部30が損傷しない限り、使用済みのガス発生部15を本体10から取り外し、ピストン部30を元の位置に戻した後、新たなガス発生部15を本体10に取り付けることによって再使用することが可能となる。
また、ピストン部30が損傷した場合には、新たなピストン部30と取り替え、使用済みのガス発生部15を本体10から取り外し、ピストン部30を元の位置に戻した後、新たなガス発生部15を本体10に取り付けることによって再使用することが可能となる。
なお、上記実施形態では、ピストン部30のピン部31の先端部を平面型にした場合について説明したが、破壊、移動対象がガラスやセラミックの場合には、例えば、図8に示すように、凸型にすると良い。
また、本実施形態に係るガス圧装置1は、平地での使用に限らず、例えば、斜面で岩が重なり合っているような危険な場所での使用も可能である。
斜面での作業は、必ずしも安全であるとは言えず、岩が重なり合っている状態でのその上に乗っての穿孔作業は危険である。
その場合には、例えば、図9〜図11に示すように、ガス圧装置1の後端部に装置ホルダー39を装着した長尺の延長棒(保持具)38を取り付け、岩にガス圧装置1を当てて作業することも可能である。これによって、安全に岩を割岩、移動させることができる。
例えば、ガス圧装置1を装着した長尺の延長棒(保持具)38などの延長棒は、人の手で延長棒の端を持つか、或いは、万力に延長棒の端を挟み固定する。
また、後述するように、延長棒を接続することで長さを延長させたり、角度を付けたりすることで、小スペースの安全な位置より装置を作動させることが可能になる。
例えば、急斜面等の危険な位置に存在する脆性物質を狙う場合に、延長棒を使用することで、安全な位置から、遠方の脆性物質に対し、自由にガス圧装置のピン部衝突箇所を決定することが可能になる。
なお、延長棒38(保持具)の材質としては、例えば、アルミニウムや繊維強化プラスチック(FRP)を使用することで、強度を有し軽量となることが可能である。
装置ホルダー39は、筒形状を為し、頭部側にガス圧装置1の本体10を取り付けるために拡径された本体取付部39aを設けている。本体取付部39aに連なる尾部側の筒部39b内には、ガス圧装置1のガス発生部15が配され、リード線(電線)28が挿通されている。筒部39bの後部外縁には、長尺の延長棒(保持具)38を取り付ける雄ねじ部39cが設けられている。本体取付部39aは、挿入されたガス圧装置1の本体10をボルト39e、ナット39fで固定するための通し穴39dが設けられている。通し穴39dは、装置ホルダー39の軸線に対して上下左右対称となるように設けられている。
装置ホルダー39の側部には、本体取付部39aの先端から筒部39bの雄ねじ部39cの近傍に亘ってスリット39gが設けられている。スリット39gの終端でリード線(電線)28が外部に取り出されるようになっている。
長尺の延長棒(保持具)38の先端には、雄ねじ部39cに螺着される雌ねじ部38aが設けられている。
長尺の延長棒(保持具)38の側部には、リード線(電線)28を挿入するための通し穴38bが設けられている。リード線(電線)28は、スリット39gの終端から外部に取り出され長尺の延長棒(保持具)38の側部に沿って通し穴38bまで這わされ通し穴38bから内部に導かれる。
先ず、ガス圧装置1の後端部をリード線(電線)28と共に装置ホルダー39の本体取付部39aに挿入し、本体10の切り欠き部10aと本体取付部39aの通し穴39dとの位置合わせを行った後、ボルト39e、ナット39fで固定する。
次に、ガス圧装置1の後端部に装置ホルダー39を装着した長尺の延長棒(保持具)38を取り付ける方法を説明する。
先ず、ガス圧装置1を装置ホルダー39に取り付けた後に、ガス圧装置1のリード線(電線)28と遠隔点火装置35のリード線(電線)とを接続する場合は、装置ホルダー39のスリット39gよりガス圧装置1のリード線(電線)28を出す。
また、長尺の延長棒(保持具)38のスリット39gからは、遠隔点火装置35のリード線(電線)を出すことで、リード線がばらける度合いが低減される。ただし、リード線(電線)28がばらけても良い場合は、長尺の延長棒(保持具)38に遠隔点火装置35のリード線(電線)28を通す必要はない。
また、ガス圧装置1のリード線(電線)28と遠隔点火装置35のリード線(電線)とを接続した後に、装置ホルダー39にガス圧装置1を取り付けるのであれば、長尺の延長棒(保持具)38内にリード線(電線)を通すことが可能である。
なお、図9〜図11では、ストレート型の1本の長尺の延長棒(保持具)38を用いる場合について説明したが、長尺の延長棒(保持具)38は接続部材47により接続することで、自由に長さを調整可能となる。
例えば、図12〜図14に示すように、長尺の延長棒(保持具)38の後端部に1つ又は複数の接続用の延長棒46を接続部材47を介して取り付ける。
長尺の延長棒(保持具)38は、後端部に通し穴38cを設ける。接続用の延長棒46は、先端部に通し穴(図示せず)を設ける。接続部材47は、接続部に2つの通し穴47aを設ける。
例えば、図13に示すように、長尺の延長棒(保持具)38の後端部を接続部材47に挿入し、接続部材47の2つの通し穴47aを長尺の延長棒(保持具)38の通し穴38cと接続用の延長棒46の通し穴(図示せず)との位置合わせを行う。次に、2つの通し穴47aにボルト47bをそれぞれ挿入し、ボルト47bにナット47cを螺合して、図17に示すように、長尺の延長棒(保持具)38の後端部に接続用の延長棒46を接続することができる。
なお、必要に応じて、接続用の延長棒46の後端部にさらに別の接続用の延長棒46を接続することができる。
これによって、長尺の延長棒(保持具)38、延長棒46の全長を調整し、安全な位置より、岩を割岩、移動させることができる。
なお、延長棒46の材質としては、例えば、アルミニウムや繊維強化プラスチック(FRP)を使用することで、強度を有し軽量となることが可能である。
また、図12〜図14に示す例では、直線状の接続部材47を用いた場合について説明したが、接続部材47に角度を付けることで、接続用の延長棒46の角度が自由に調整可能となる。
例えば、図15〜図17に示すように、長尺の延長棒(保持具)38は、後端部に通し穴38cを設ける。接続用の延長棒46は、先端部に通し穴(図示せず)を設ける。角度付き接続部材47Aは、接続部に2つの通し穴47aを設ける。
例えば、図16に示すように、長尺の延長棒(保持具)38の後端部を角度付き接続部材47Aに挿入し、角度付き接続部材47Aの2つの通し穴47aを長尺の延長棒(保持具)38の通し穴38cと接続用の延長棒46の通し穴(図示せず)との位置合わせを行う。次に、2つの通し穴47aにボルト47bをそれぞれ挿入し、ボルト47cにナット47cを螺合して、図17に示すように、長尺の延長棒(保持具)38の後端部に接続用の延長棒46を角度を付けて接続することができる。
角度付き接続部材47Aの角度は、例えば、90°、45°、60°など任意に設定することができる。
また、図15〜図17に示す例では、角度付き接続部材47Aを用いて長尺の延長棒(保持具)38、延長棒46の角度を調整しているが、装置ホルダー39に角度を付けることも可能である。
例えば、図18に示すように、ガス圧装置1を角度付き装置ホルダー39Aに装着し、角度付き装置ホルダー39Aの他端は長尺の延長棒(保持具)38を装着する。
これによって、ガス圧装置1の角度を調整し、安全な位置より、岩を割岩、移動させることができる。
このガス圧装置1では、本体10の一端部に、環状の隆起部14bと切り欠き部16eとが設けられている。切り欠き部16eは、ガス圧装置1を角度付き装置ホルダー39Aに装着する際に、ボルト39e、ナット39fによって固定できるように、第一ボディ16の軸線に対して上下左右対称となるよう設けられている。
例えば、角度付き装置ホルダー39Aは、図19(a)に示すように、ガス圧装置1を挿入する穴39hと、長尺の延長棒(保持具)38を挿入する穴39iと、ガス圧装置1と長尺の延長棒(保持具)38をボルト39e、ナット39fで固定するための通し穴39jとを設けている。
次に、図19(b)に示すように、長尺の延長棒(保持具)38を角度付き装置ホルダー39Aの穴39iに挿入し、長尺の延長棒(保持具)38の通し穴38aと通し穴39jとの位置合わせを行ってボルト39eとナット39fとで固定する。この際、コネクタ28cを設けた遠隔装置35側のリード線(電線)28bを穴39iから挿入して穴39hから取り出すように角度付き装置ホルダー39A内に配置する。
次に、図19(c)に示すように、コネクタ28cにガス圧装置1のコネクタ28aを接続する。
次に、図19(d)に示すように、ガス圧装置1を穴39h内に挿入し、切り欠き部16eと通し穴39jとの位置合わせを行ってボルト39eとナット39fとで固定する。
これによって、ガス圧装置1の角度と長尺の延長棒(保持具)38、延長棒46の全長を調整し、安全な位置より、岩を割岩、移動させることができる。
また、本実施形態では、図20に示すように、長尺の延長棒(保持具)38に接続部材47を介して接続用の延長棒46を接続することも可能である。
また、例えば、図21に示すように、ガス圧装置1を垂直方向に90°曲がる角度付き装置ホルダー39Aに装着し、角度付き装置ホルダー39Aの他端は長尺の延長棒(保持具)38を装着する。長尺の延長棒(保持具)38には、新たな接続用の延長棒46を接続できる角度付き接続部材47Aを装着する。
これによって、ガス圧装置1の角度と長尺の延長棒(保持具)38、延長棒46との角度を調整し、安全な位置より、岩を割岩、移動させることができる。
また、例えば、図22に示すように、ガス圧装置1を垂直方向に90°曲がる角度付き装置ホルダー39Aに装着し、角度付き装置ホルダー39Aの他端は長尺の延長棒(保持具)38を装着する。長尺の延長棒(保持具)38には、新たな接続用の延長棒46を接続できる角度付き接続部材47Aを装着する。接続用の延長棒46には、新たな接続用の延長棒46を接続できる角度付き接続部材47Aを装着する。
これによって、ガス圧装置1の角度及び長尺の延長棒(保持具)38、延長棒46の全長と延長棒46の角度を調整し、安全な位置より、ピン部31の衝突位置を自由に決め、岩を割岩、移動させることができる。
また、上記実施形態では、非火薬ガス発生剤18及び非火薬組成の点火装置20を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、非火薬ガス発生剤18に代えて例えば、黒色火薬、発射薬などの火薬としても良い。また、非火薬組成の点火装置20に代えて例えば、電気点火玉としても良い。ただし、爆薬は、鋼管に詰めて作動すると、衝撃波がガスの移動より早く、ガスが噴出するだけでなく鋼管が飛散するので好ましくない。
また、本発明では、非火薬組成の点火装置20に代えて、図23に示す非火薬組成の点火装置20Aを使用することもできる。
非火薬組成の点火装置20Aは、片方のみ開放された筒状容器から成る有底のガス発生器管体21a及び点火薬カップ23aと、点火薬ホルダー24aと点火薬25と電橋線付塞栓26とリード線(電線)28とで構成されている。
ガス発生器管体21aは、例えば、アルミニウムなどの軟質金属材料を用いることによっって、点火薬25の反応熱及び反応ガス圧力で容易に破壊することができ、ガス発生器管体21aの有底部頂点21bは、厚さ0.5mm以下に調整することでより破壊が生じやすくなる。有底部頂点21b肉厚としては、0.1mmのガス発生器管体を用いた。
このガス発生器管体21aは、加工性の良い軟質金属材料であれば何でも良いが、例えば、銅を用いる電気雷管と全く同一の形状に成るため、アルミニウム(例えば、Al−6016−0など)を用いることにより紛らわしさを除いたものである。
点火薬カップ23aは、点火薬25の反応熱及び反応ガス圧力で容易に破壊されやすいよう有底部肉厚0.5mm以下とし、静電気による点火薬への放電経路を遮断するため、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などの樹脂を使用し、点火薬ホルダー24aに挿入される。点火薬カップ23a及び点火薬ホルダー24aには、非火薬組成物で構成する点火薬25と電橋線付塞栓26の電橋線(例えば、白金−イリジュウム線)27とが配置されている。点火薬25として、ボロン/酸化第二銅=10〜20重量%/80〜90重量%を用いた。
電橋線付塞栓26は、電橋線付塞栓26に点火薬ホルダー24aを挿入後、点火薬25を填薬し、点火薬カップ23aを挿入してから、ガス発生器管体21a内に圧入され、ガス発生器管体21aの外側から2箇所にかしめ部29a、29bを形成する。
点火薬25の填薬量は、ガス発生器管体21a及び点火薬カップ23aと、点火薬ホルダー24aの長さを調整することで、填薬量0.06〜2.0gまで調整可能である。
次に、非火薬組成の点火装置20Aの組立について説明する。
(1)電橋線付塞栓26の電橋線接続側に筒状の点火薬ホルダー24aを圧入し、その中に一定量に計量された点火薬25を填薬する。
(2)点火薬25の外部への漏洩を防止するための点火薬カップ23aを点火薬ホルダー24bに被せ、圧入する。
(3)ガス発生器管体21aの開放端に、電橋線付塞栓26を挿入し、全周に亘ってガス発生器管体21aの円周上かしめ部29a、29bを形成する。なお、このかしめ部29a、29bは通常は2段であるが1段や3段の場合もある。
以上により、非火薬組成の点火装置20Aを得ることができる。
(第二実施形態)
図24乃至図26は、本発明の第二実施形態に係るガス圧装置1Aを示す。
本明の第二実施形態に係るガス圧装置1Aは、本体10のガス抜き穴14からのガスを本体10の開口部側へ導くように、本体10の略全長に亘って本体10を覆い、一端部が本体10の一端部側に取り付けられる筒状の固定保護カバー(第一の保護カバー)50と、筒状の固定保護カバー50上に移動自在に取り付けられる筒状のスライド保護カバー(第二の保護カバー)51とを備えた点で、本発明の第一実施形態に係るガス圧装置1とは相違する。
なお、本実施形態では、リード線(電線)28には、コネクタ28aを介して遠隔点火器35に接続するように構成されている。
また、ガス発生部15は、例えば、図9、図10に示す例示と同様に、ガス圧装置1Aに装置ジョイント39を介して長尺の延長棒(保持具)38に取り付け、岩にガス圧装置1Aを当てて作業することができるように、第一ボディ16の軸線に対して上下左右対称となるように切り欠き部16eを設けている。
本体10の一端部に、環状の隆起部14bとガス発生部15を取り付ける雌ねじ部11とが設けられ、環状の隆起部14bには固定保護カバー50を取り付ける雄ねじ部14cが設けられている。本体10の他端部に、ピストン部30のピン部31を突出させる案内孔部12が設けられている。
固定保護カバー50は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)などの樹脂製又はアルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属製から成る筒状体で構成され、一端部に、本体10の外側の隆起部14bの雄ねじ部14cにネジ止めされる雌ねじ部50aを備えている。固定保護カバー50は、本体10の外側の隆起部14bの雄ねじ部14cに雌ねじ部50aをネジ止めすることによって固定されるので、内径が本体10の外周より大きく設定されており、本体10の外周面との間に空間Xが形成される。固定保護カバー50と本体10との間隔(空間X)は、例えば、1mm以上あれば、ガス抜き穴14から噴出されるガス及び熱粒子の噴出経路を形成することができる。
スライド保護カバー51は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)などの樹脂製又はアルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属製から成る筒状体で構成され、固定保護カバー50の開口端側から固定保護カバー50上に圧入され、ピン部31突出距離L以上の空間Yを形成するように固定保護カバー50上を移動自在に取り付けられている。
次に、本実施形態に係るガス圧装置1Aの作用を説明する。
本実施形態に係るガス圧装置1Aは、図25に示すように、例えば、製造後の輸送、保管又は作業現場までの輸送、作業現場での保管或いは岩などの破壊作業の現場での作業前などの非作動時において、スライド保護カバー51を固定保護カバー50上をスライドさせてピン部31の突出距離L以上に移動させる。
これによって、例えば、静電気による誤作動などによってガス発生部15が作動した場合に、ピストン部30が飛び出してもピストン部30が作業者や設備、機器類などに衝突することがなくなる。
また、装置誤作動が生じても、本体10のガス抜き穴14が固定保護カバー50で覆われているので、本体10のガス抜き穴14からのガスを本体10の開口部側へ導くことができ、作動時にガス抜き穴14より噴出されるガスは、開放面が大きい固定保護カバー50の開口部側に噴出され、直接ガス抜き穴14より噴出される圧力より緩和される。また、ガスと共に発生する熱粒子も、噴出経路が延長し冷却され、直接ガス抜き穴14より噴出される状況より緩和される。
また、ピン部31突出箇所は、ピン部突出距離L以上の空間をスライド保護カバー51により覆われているので、ピン部31が直接衝突することがない。
一方、岩などの破壊作業時では、ガス圧装置1Aを取り付ける位置が確定した後に、図24に示すように、スライド保護カバー51を固定保護カバー50側へ移動させた後、遠隔操作によって岩などの破壊作業を行うことができる。
以上のように、本実施形態によれば、非作動時にスライド保護カバー51をピン部31突出距離L以上の長さに亘って固定保護カバー50上を移動して突出させることによって、非作動時の誤作動によるガスの噴出の圧力を緩和すると共に、ガスや熱粒子を冷却して人体又は周辺機器などへ与える悪影響低減できるという効果を奏することができる。
本実施形態によれば、第一実施形態の作用効果も奏される。
なお、本実施形態では、固定保護カバー50を、本体10の外側の雄ねじ部14cに雌ねじ部50aを介してネジ止めする場合について説明したが、ねじ部による固定の他に、かしめや溶接によっても固定可能である。
本実施形態においても、例えば、図9乃至図22に示すように、長尺の延長棒(保持具)38などを接続することができる。
次に、保護カバーの効果について説明する。
(1)ガス圧装置誤作動の要因
ガス圧装置の誤作動としては、以下の要因が挙げられる。
(i)静電気による着火部の作動による誤作動
静電気が着火部に印加された場合、着火部に配置されている点火薬が発火する可能性がある。
点火薬が発火することで、非火薬ガス発生剤が燃焼し、ピンが突出するといった誤作動になる。
(ii)電磁波により誘導電流が生じた際の誤作動
電磁波によっては、着火部リード線に誘導電流が生じる可能性がある。
リード線に電流が流れるため、電橋線も通電され、遠隔点火装置により通電した場合と同状況になり、点火薬が発火する。
点火薬が発火することで、非火薬ガス発生剤が燃焼し、ピンが突出するといった誤作動になる。
(iii)遠隔点火装置による誤作動
不必要時に遠隔点火装置を作動させることにより誤作動が生じる。
(2)ガス圧装置誤作動が発生する可能性がある状況
ガス圧装置誤作動が発生する可能性がある状況としては、以下の場合が考えられる。
1.ユーザーまでの装置搬送時
2.ユーザーでの装置保管時
3.保管場所から作業現場までの装置搬送時
4.作業現場での装置取り付け時
1.〜3.の搬送及び保管時に発生する誤作動の要因としては、上記(1)ガス圧装置誤作動の要因に記載した(i)静電気による誤作動と、(ii)電磁波による誘導電流が生
じた際の誤作動とが考えられる。
静電気及び電磁波については、常に発生する可能性がある。
また、4.作業現場での装置取り付け時に発生する誤作動の要因としては、上記(1)ガス圧装置誤作動の要因に記載した(i)静電気による誤作動と、(ii)電磁波による誘
導電流が生じた際の誤作動に加え、(iii)遠隔点火装置による誤作動も考えられる。
現場作業者がガス圧装置リード線と遠隔点火装置リード線を繋いだ後、更に間違って遠隔点火装置リード線と遠隔点火装置を繋ぎ、その後に延長棒へガス圧装置を取り付けている間に、遠隔点火装置を誤って作動させてしまい、誤作動が生じるといった危険がある。
(3)保護カバーの効果について
保護カバーがない場合、ガス圧装置が作動すると、ピン部が突出し、ガス抜き穴より勢いよくガスと熱粒子が発生する。
一方で、保護カバーが装着されている時は、作動時にガス抜き穴より噴出されるガスは、開放面が大きい保護カバー前方に噴出されることで、直接ガス抜き穴より噴出される圧力より緩和されることになる。また、ガスと共に発生する熱粒子も、噴出経路が延長し冷却され、直接ガス抜き穴より噴出される状況より緩和されることになる。
また、ピン部突出箇所は、ピン部突出距離以上の空間をスライド保護カバーにより覆うことで、ピン部が直接衝突することがなくなる。
ガス圧装置誤作動が発生する可能性がある状況として、1.ユーザーまでの搬送時、2.ユーザーでの保管時、3.保管場所から作業現場までの搬送時、4.作業現場での装置取り付け時の4点を挙げた。
1.ユーザーまでの搬送時や2.ユーザーでの保管時には、ガス圧装置付近に他の機材が存在する可能性がある。
また、3.保管場所から作業現場までの搬送時もガス圧装置付近に機材が存在する可能性もあり、手で運ぶのであれば、作業者が装置を持っている状態となる。
更に、4.現場での装置取り付け時には、ガス圧装置付近に作業者が存在する。
以上の状況下で誤作動が生じても、保護カバーがあることで、人体や機材へピン部の衝突する可能性はなくなり、発生するガス圧及び熱粒子も緩和され、保護カバーがない状態より安全となる。
(第三実施形態)
図27及び図28は、本発明の第三実施形態に係るガス圧装置1Bを示す。
本実施形態に係るガス圧装置1Bは、スライド保護カバー51を固定保護カバー50上を所定長移動させた後、その位置で移動を阻止する位置決め機構を備えている点で、本発明の第二実施形態に係るガス圧装置1Aとは相違する。
位置決め機構は、固定保護カバー50の外側円周上に設けた固定溝50bと、スライド保護カバー51に設けた第一ボールプランジャー51a及び第二ボールプランジャー51bとによって構成されている。第一ボールプランジャー51a及び第二ボールプランジャー51bは、スライド保護カバー51の軸線上に対し、上下左右対称となる位置に設けられている。
非作動時には、図28に示すように、スライド保護カバー51が固定保護カバー50上を所定長さ突出された位置で、第一ボールプランジャー51aが固定溝50bに固定される。
作動時には、図27に示すように、スライド保護カバー51がガス圧装置1の先端部と略同じ位置に固定保護カバー50上に位置するように、第二ボールプランジャー51bが固定溝50bに固定される。
なお、本実施形態では、固定保護カバー50を、本体10の外側の雄ねじ部14cに雌ねじ部50aを介してネジ止めする場合について説明したが、ねじ部による固定の他に、かしめや溶接によっても固定可能である。
本実施形態においても、例えば、図9乃至図22に示すように、長尺の延長棒(保持具)38などを接続することができる。
次に、本実施形態に係るガス圧装置1Bの作用を説明する。
本実施形態に係るガス圧装置1Bは、例えば、製造後の輸送、保管又は作業現場までの輸送、作業現場での保管或いは岩などの破壊作業の現場での作業前などの非作動時において、図28に示すように、スライド保護カバー51を固定保護カバー50上をスライドさせてピン部31の突出距離L以上に移動させ、その位置で第一ボールプランジャー51aを固定溝50bに固定されている。
これによって、例えば、静電気による誤作動などによってガス発生部15が作動した場合に、図28に示すように、ピストン部30が飛び出してもピストン部30が作業者や設備、機器類などに衝突することがなくなる。
また、装置誤作動が生じても、本体10のガス抜き穴14が固定保護カバー50で覆われているので、本体10のガス抜き穴14からのガスを本体10の開口部側へ導くことができ、ガス抜き穴14より噴出されるガスは、開放面が大きい固定保護カバー50の開口部側に噴出され、直接ガス抜き穴14より噴出される圧力より緩和される。また、ガスと共に発生する熱粒子も、噴出経路が延長し冷却され、直接ガス抜き穴14より噴出される状況より緩和される。
また、ピン部31突出箇所は、ピン部突出距離L以上の空間をスライド保護カバー51により覆われているので、ピン部31が直接衝突することがない。
また、スライド保護カバー51は、第一ボールプランジャー51aによって固定保護カバー50上に固定されているので、スライド保護カバー51が動くことがない。
一方、岩などの破壊作業時では、ガス圧装置1Bを取り付ける位置が確定した後に、図27に示すように、スライド保護カバー51を固定保護カバー50側へ移動させ、第二ボールプランジャー51bを固定溝50bに固定した後、遠隔操作によって岩などの破壊作業を行うことができる。
なお、位置決め機構は、ボールプランジャーによる固定の他に、固定保護カバー50の外周全長に雄ねじ部、スライド保護カバー51の内周全長に雌ねじ部を設け、非作動時はピン部突出距離L以上の空間を覆う位置にスライド保護カバー51を調整することでスライド保護カバー51を固定することも可能である。
ネジによる固定の場合の装置作動時は、スライド保護カバー51を回していき、ピン部突出距離Lを確保できる位置までスライド保護カバー51をスライドし調整することで、スライド保護カバー51を固定する。
また、位置決め機構を用いない場合も実施可能である。その場合には、スライド保護カバー51が固定保護カバー50に対してスライドしにくくなるように相互の穴径を調整すればよい。
また、本実施形態においても、例えば、図9乃至図11又は図15乃至図18に示すように、長尺の延長棒(保持具)38などを接続することができる。
(第四実施形態)
図29及び図30は、本発明の第四実施形態に係るガス圧装置1Cを示す。
本実施形態に係るガス圧装置1Cは、固定保護カバー50とこの固定保護カバー50上を所定長移動させるスライド保護カバー51とを備えている点で、本発明の第一実施形態に係るガス圧装置1とは相違する。
本実施形態に係るガス圧装置1Cは、図1に示すガス圧装置1に、図30に示す保護カバー50Aを取り付けている。
保護カバー50Aは、ガス圧装置1の本体10の後端部に圧入又は接着される環状の取付部50cを設けている。環状の取付部50cは、固定保護カバー50と一体的に形成されている。
本実施形態に係るガス圧装置1Cは、本発明の第二実施形態に係るガス圧装置1Aと同様の作用効果を奏することができる。
本実施形態に係るガス圧装置1Cは、例えば、本発明の第一実施形態に係るガス圧装置1の製造後の輸送、保管又は作業現場までの輸送、作業現場での保管或いは岩などの破壊作業の現場での作業前などの非作動時において、スライド保護カバー51を固定保護カバー50上をスライドさせてピン部31の突出距離L以上に移動させる。
これによって、例えば、静電気による誤作動などによってガス発生部15が作動した場合に、ピストン部30が飛び出してもピストン部30が作業者や設備、機器類などに衝突することがなくなる。
また、装置誤作動が生じても、本体10のガス抜き穴14が固定保護カバー50で覆われているので、本体10のガス抜き穴14からのガスを本体10の開口部側へ導くことができ、作動時にガス抜き穴14より噴出されるガスは、開放面が大きい固定保護カバー50の開口部側に噴出され、直接ガス抜き穴14より噴出される圧力より緩和される。また、ガスと共に発生する熱粒子も、噴出経路が延長し冷却され、直接ガス抜き穴14より噴出される状況より緩和される。
また、ピン部31突出箇所は、ピン部突出距離L以上の空間をスライド保護カバー51により覆われているので、ピン部31が直接衝突することがない。
一方、岩などの破壊作業時では、ガス圧装置1Aを取り付ける位置が確定した後に、図24に示すように、スライド保護カバー51を固定保護カバー50側へ移動させた後、遠隔操作によって岩などの破壊作業を行うことができる。
以上のように、本実施形態によれば、非作動時にスライド保護カバー51をピン部31突出距離L以上の長さに亘って固定保護カバー50上を移動して突出させることによって、非作動時の誤作動によるガスの噴出の圧力を緩和すると共に、ガスや熱粒子を冷却して人体又は周辺機器などへ与える悪影響低減できるという効果を奏することができる。
また、保護カバー50Aは、ガス圧装置1に対し着脱自在に取り付けることができるので、破損したり経年劣化を生じたりすると、新たな保護カバー50Aと交換することが可能である。
また、例えば、ガス圧装置1の本体10に後加工で雌ねじを設け、この雌ねじと螺合できる雄ねじを環状の取付部50cに設けることも可能である。
(第五実施形態)
図31及び図32は、本発明の第五実施形態に係るガス圧装置1Dを示す。
本実施形態に係るガス圧装置1Dは、保護カバー50Bに位置決め機構を設けた点で、本発明の第四実施形態に係るガス圧装置1Cとは相違する。
位置決め機構は、固定保護カバー50の外側円周上に設けた固定溝50bと、スライド保護カバー51に設けた第一ボールプランジャー51a及び第二ボールプランジャー51bとによって構成されている。第一ボールプランジャー51a及び第二ボールプランジャー51bは、スライド保護カバー51の軸線上に対し、上下左右対称となる位置に設けられている。
非作動時には、図31に示すように、スライド保護カバー51が固定保護カバー50上を所定長さ突出された位置で、第一ボールプランジャー51aが固定溝50bに固定される。
作動時には、図31に示す状態から、スライド保護カバー51がガス圧装置1の先端部と略同じ位置に固定保護カバー50上に位置するように、第二ボールプランジャー51bが固定溝50bに固定される。
本実施形態に係るガス圧装置1Dは、本発明の第三実施形態に係るガス圧装置1B、第四実施形態に係るガス圧装置1Cと同様の作用効果を奏することができる。
(実施例1)
先ず、図1乃至図4、図6、図7、図9乃至図22に示すガス圧装置1又は図25、図26に示すガス圧装置1A又は図27、図28に示すガス圧装置1B又は図29に示すガス圧装置1C又は図31に示すガス圧装置1Dと同様に、本体10の直径を40mm、本体10先端からガス発生部15の後部まで長さを170mm、ピストン部30の重量を80g、ピストン部30のピン部31の直径を15mm、飛び出し長さ50mmとし、非火薬ガス発生剤18の薬量を1.0g、3.0g、6.0gとした3種類の装置を用意した。
次に、図33に示すように、移動しようとする岩石45の前に、2つの取付台41と錘42とを設けた鋼板製のプレート40を用意し、2つの取付台41上にガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dを載置し、押さえ具43を被せ、ネジ44にて固定した。
この際、ピン部31が岩石45に突き当てられるように、ガス圧装置1の先端部を岩石45に接するようにして配置した。
ここで、岩石45は、5kg程度の岩石、10kg程度の岩石、2kg程度の中硬岩とした。
先ず、5kgの岩石45に対し、非火薬ガス発生剤18の薬量が1.0gのガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dを用いたところ、図34に示すように、岩石45を5cm以上移動させることができた。
この際、ガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dは、ピン部31を速度11.5m/s(時速41.1km)で岩石45に衝突させることができた。
次に、10kgの岩石45に対し、非火薬ガス発生剤18の薬量が3.0gのガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dを用いたところ、図34に示すように、岩石45を5cm以上移動させることができた。
この際、ガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dは、ピン部31を速度15.0m/s(時速54km)で岩石45に衝突させることができた。
次に、2kgの中硬岩45に対し、非火薬ガス発生剤18の薬量が6.0gのガス圧装置1を用いたところ、図35に示すように、岩石45を破壊することができた。
この際、ガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dは、ピン部31を速度20.0m/s(時速72km)もの速度で中硬岩45に衝突させることができた。
次に、2kgの中硬岩それよりも強度の弱い岩(軟岩)45に対し、非火薬ガス発生剤18の薬量が6.0gのガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dを用いたところ、図35に示すように、岩石45を破壊することができた。
80gの鋼鉄であるピストン部30が秒速20mで衝突する時のエネルギーは非常に大きく、1msの衝突時間で岩石45に応力を作用させると、下記のように1600kgの力Fを一瞬にして岩石45に作用させることとなる。
F=m・V/Δt=0.08kg×20m/s/1ms=1600kg
すなわち、1600kg(=1.6トン)もの力を一瞬にして岩石45に作用させるので、硬い岩であっても破砕することができる。
この結果、中硬岩が破砕可能であれば、軟岩I、IIは破砕可能であると考えられる。
(実施例2)
先ず、図1乃至図4、図6、図7、図9乃至図22に示すガス圧装置1又は図25、図26に示すガス圧装置1A又は図27、図28に示すガス圧装置1B又は図29に示すガス圧装置1C又は図31に示すガス圧装置1Dに示すガス圧装置1と同様に、ガス圧装置1は、本体10の直径を52mm、本体10先端からガス発生部15の後部まで長さを200mm、ピストン部30の重量を80g、ピストン部30のピン部31の直径を20mm、飛び出し長さ50mmとし、非火薬ガス発生剤18の薬量を6.0g、8.0g、10.0gとした3種類の装置を用意した。
次に、図33に示すように、移動しようとする岩石45の前に、2つの取付台41と錘42とを設けた鋼板製のプレート40を用意し、2つの取付台41上にガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dを載置し、押さえ具43を被せ、ネジ44にて固定した。
この際、ピン部51が岩石45に突き当てられるように、ガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dの先端部を岩石45に接するようにして配置した。
ここで、岩石45は、おおむね40cm大程度で、40kg程度の中硬岩、50kg程度の硬岩とした。
先ず、40kgの中硬岩45に対し、非火薬ガス発生剤18の薬量が6.0gのガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dを用いたところ、図35に示すように、中硬岩45を破壊することができた。
次に、40kgの中硬岩45に対し、非火薬ガス発生剤18の薬量が8.0gのガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dを用いたところ、図35に示すように、中硬岩45を破壊することができた。
先ず、50kgの硬岩45に対し、非火薬ガス発生剤18の薬量が10.0gのガス圧装置1又はガス圧装置1A又はガス圧装置1B又はガス圧装置1C又はガス圧装置1Dを用いたところ、図35に示すように、硬岩45を破壊することができた。
(参考例)
医療用の破砕装置は、約0.5gのピンが139m/sで飛び出すとされている。作用時間は同程度と考えると、0.0005kg×139m/s/1ms=69.5kg程度の衝撃力しかない。
さらに、実際の割岩では、ハンマー運動エネルギーが桁違いに違うために、医療用の破砕装置では、とうてい岩は砕くことができない。
1、1A、1B、1C、1D ガス圧装置
10 本体
12 案内孔部
13 収容部
14 ガス抜き穴
15 ガス発生部
18 非火薬ガス発生剤
20、20A 非火薬組成の点火装置
25 遠隔点火装置
28 リード線(電線)
30 ピストン部
31 ピン部
45 岩石
50 固定保護カバー
50b 固定溝
50A、50B 保護カバー
51 スライド保護カバー
51a 第一ボールプランジャー
51b 第二ボールプランジャー
L ピン部31突出距離
X 固定保護カバー50と本体10との間隔(空間)
Y ピン部31突出距離L以上の空間

Claims (14)

  1. ガス発生剤とその点火装置とを有するガス発生器と、
    前記ガス発生剤の燃焼により発生するガスの圧力で移動するピストン部と、
    前記ピストン部に一体に設けられ、前記ピストン部の移動時に脆性物質を破砕するピン部と、
    前記ガス発生器が一端部に設けられるとともに、前記ピストン部が移動可能に収納されるシリンダ状の本体と、
    前記本体における前記ガス発生器が設けられる一端部とは反対側の端部に設けられ、前記ガス発生剤の燃焼により発生するガスの圧力で前記ピストン部が前記本体内部を移動したときに、前記ピストン部に一体に設けた前記ピン部が突出する開口部と、
    前記本体に設けられ、前記ピン部が前記開口部から突出する位置まで前記ピストン部が前記本体内部を移動したときに、前記本体内部に存在するガスを放出することが可能なガス抜き穴と、
    前記ガス抜き穴から放出されたガスを前記本体の開口部側へ導くように、前記本体の略全長に亘って前記本体を覆い、一端部が前記本体の一端部側に取り付けられる筒状の第一のカバー部材と、前記第一のカバー部材に対して移動自在に取り付けられる筒状の第二のカバー部材と、からなる保護カバーと
    を備えた
    ことを特徴とするガス圧装置。
  2. 請求項1に記載のガス圧装置において、
    前記第一のカバー部材を取り付ける前記本体の一端部には、外周から膨出する段部が形成されている
    ことを特徴とするガス圧装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のガス圧装置において、
    前記保護カバーは、前記ガス圧装置に着脱自在に取り付けられる
    ことを特徴とするガス圧装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガス圧装置において、
    前記保護カバーは、第二のカバー部材を前記第一のカバー部材上の所定位置に固定するための位置決め機構を備えている
    ことを特徴とするガス圧装置。
  5. 請求項に記載のガス圧装置において、
    前記位置決め機構は、
    前記第二のカバー部材を、前記第一のカバー部材上の所定位置に固定するために前記第一のカバー部材に設けた位置決め溝と、
    前記ガス圧装置の作動時に前記位置決め溝に係止される、前記第二のカバー部材に設けた作動時固定ピンと、
    前記ガス圧装置の非作動時に前記位置決め溝に係止される、前記第二のカバー部材に設けた非作動時固定ピンと
    を備え、
    作動時に前記第二のカバー部材の先端部を前記第一のカバー部材の先端部と略同じ位置に移動させて前記作動時固定ピンを前記位置決め溝に係止し、
    非作動時に前記第二のカバー部材の先端部を前記ガス圧装置のピン部突出長さ以上の長さで前記第一のカバー部材の先端部から突出した位置に移動させて前記非作動時固定ピンを前記位置決め溝に係止する
    ことを特徴とするガス圧装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガス圧装置において、
    前記ガス発生剤は、非火薬ガス発生剤である
    ことを特徴とするガス圧装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガス圧装置において、
    前記ピン部は、前記ピストンに連結され、先端部が凸型又は平面型を為している
    ことを特徴とするガス圧装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガス圧装置において、
    前記ガス抜き穴は、移動後の前記ピストンの後部側に位置するように、前記シリンダの軸線に対し対向する側に対称に設けられている
    ことを特徴とするガス圧装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のガス圧装置において、
    前記点火装置は、リード線を介して遠隔点火装置に接続されている
    ことを特徴とするガス圧装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のガス圧装置において、
    前記本体を支える保持具を更に備える
    ことを特徴とするガス圧装置。
  11. 破砕対象の脆性物質に対し、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のガス圧装置を、前記ピン部の突出範囲内に脆性物質が位置するように配置した後、前記ガス圧装置の非作動時の位置に固定されている前記第二のカバー部材を前記第一のカバー部材上をスライドして前記ガス圧装置の作動時の位置に固定し、前記ガス圧装置に連絡する遠隔点火装置によって前記点火装置を作動させ、前記ガス発生剤の燃焼によるガス圧で前記本体内の前記ピストンを加速し、その運動エネルギーにより前記ピン部で脆性物質を破砕し、前記ピストンの移動後の前記シリンダ内のガスを前記ガス抜き穴から放出させることを特徴とする破砕方法。
  12. ガス発生剤とその点火装置とを有するガス発生器と、前記ガス発生剤の燃焼により発生するガスの圧力で移動するピストン部と、前記ピストン部に一体に設けられ、前記ピストン部の移動時に脆性物質を破砕するピン部と、前記ガス発生器が一端部に設けられるとともに、前記ピストン部が移動可能に収納されるシリンダ状の本体と、前記本体における前記ガス発生器が設けられる一端部とは反対側の端部に設けられ、前記ガス発生剤の燃焼により発生するガスの圧力で前記ピストン部が前記本体内部を移動したときに、前記ピストン部に一体に設けた前記ピン部が突出する開口部と、前記本体に設けられ、前記ピン部が前記開口部から突出する位置まで前記ピストン部が前記本体内部を移動したときに、前記本体内部に存在するガスを放出することが可能なガス抜き穴と、を有するガス圧装置に取り付けられるガス圧装置の保護カバーであって、
    前記ガス圧装置の前記ガス抜き穴からのガスを前記ガス圧装置の前記本体の開口部側へ導くように、前記本体の略全長に亘って前記本体を覆い、一端部が前記本体の一端部側に取り付けられる筒状の第一のカバー部材と、
    前記第一のカバー部材上に移動自在に取り付けられる筒状の第二のカバー部材と
    を備えることを特徴とするガス圧装置の保護カバー。
  13. 請求項12記載のガス圧装置の保護カバーにおいて、
    前記第二のカバー部材は、前記第一のカバー部材上の所定位置に固定するための位置決め機構を備えている
    ことを特徴とするガス圧装置の保護カバー。
  14. 請求項13記載のガス圧装置の保護カバーにおいて、
    前記位置決め機構は、
    前記第二のカバー部材を、前記第一のカバー部材上の所定位置に固定するために前記第一のカバー部材に設けた位置決め溝と、
    前記ガス圧装置の作動時に前記位置決め溝に係止される、前記第二のカバー部材に設けた作動時固定ピンと、
    前記ガス圧装置の非作動時に前記位置決め溝に係止される、前記第二のカバー部材に設けた非作動時固定ピンと
    を備え、
    前記ガス圧装置の作動時には、前記第二のカバー部材の先端部を前記第一のカバー部材の先端部と略同じ位置に移動し、前記作動時固定ピンを前記位置決め溝に係止し、
    前記ガス圧装置の非作動時には、前記第二のカバー部材の先端部を前記ガス圧装置のピン部突出長さ以上の長さで前記第一のカバー部材の先端部から突出した位置に移動し、前記非作動時固定ピンを前記位置決め溝に係止する
    ことを特徴とするガス圧装置の保護カバー。
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