JP5826009B2 - マイクロポンプ実装用の基板およびマイクロポンプ組立体 - Google Patents

マイクロポンプ実装用の基板およびマイクロポンプ組立体 Download PDF

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この発明は、ダイヤフラムなどで形成されるポンプ室に吸入側および吐出側の逆止弁を接続したマイクロポンプを実装するために用いる基板と、この基板にマイクロポンプを実装したマイクロポンプ組立体とに関するものである。
近年家庭用(戸建て住宅用)の分散型エネルギープラントとして燃料電池システムの普及と商業化が期待されている。この種の燃料電池では、燃料ガスや液体燃料、改質器に供給する水、改質器でできた水素などを燃料電池自体に供給するためのポンプが必要になる。また燃料から必要な水素(H2)を取り出す改質時に一酸化炭素(CO)が生成されるが、この一酸化炭素は電池触媒の性能に悪影響を及ぼすため、一酸化炭素濃度低減のため選択酸化用空気の流量制御も同時に求められる。さらに分析装置や医療関連(投薬、臨床試験など)では、気体や液体の微少量の供給が必要になる。さらに、電子機器の性能向上にに伴って発生する熱を放出し冷却するためのポンプも必要になる。
従来よりこのような用途に用いるマイクロポンプが種々提案されている。一般的なポンプとして、遠心式、容積回転式、容積往復式などが周知である。容積往復式は微少流量の吐出が可能で軽量精度が良いなどの特徴が有り、特にダイヤフラム式のものは小型化に適するから、体内にインプラント可能な医療機器、小型の分析機器や事務用機器などへの適用が行われている。
このダイヤフラム式のものでは、ポンプ室にダイヤフラムに対向するように吸入弁と吐出弁とを配設し、ダイヤフラムの他の面に貼り付けた圧電素子(ピエゾ素子)によりダイヤフラムを振動させてポンプ室の圧力を変化させ、流体を吸入弁からポンプ室に吸入し、吐出弁から吐出するものである。
すなわち、吸入弁と吐出弁は逆止弁で構成し、外部から供給される流体を流入側の逆止弁を通してポンプ室に吸入し、ここで加圧した流体を吐出側の逆止弁を通して吐出するように構成されている。この場合には流入側の流体圧力が高くなると、逆止弁がこの圧力により強制的に開かれることになり、ダイヤフラムの非駆動時にも流入口から吐出口へ流れてしまう(漏れ流が生じる)という問題がある。
特許文献1には、この不都合を解決するために、マイクロポンプ20の流入口22および吐出口24がある同一面に、別の安全弁(本願発明の漏出防止弁に対応する。)40を取り付け全体として一体化した安全弁付きマイクロポンプ装置が開示されている。すなわち、ポンプケース側に流入口22、吐出口24、安全弁40の弁座42を設けて第1の統合部分14とし、この同一面に第2の統合部分12となる弁蓋(ダイヤフラム)44を重ね、さらに流体の流入側に接続されて弁蓋44を弁座42に押圧する流体領域50および流体の出口48が形成された第3の統合部分10を積層したものである。従って第1、2、3の統合部分14、12、10を一体化したポンプ装置である。
特表2011−504560号公報
この従来のポンプ装置によれば、第3の統合部分10に設けた流体の流入口46と、流出口48を他の(外部の)流体流路に接続する必要がある。しかしこの接続構造が複雑になったり、接続作業が面倒であり、作業性が極めて悪いという問題がある。またこのポンプ装置には安全弁40が一体に形成されているので、ポンプ部分だけの転用が不可能である。
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、マイクロポンプを基板に単に搭載することで基板側に設けた流体通路と一体化して、安全弁(漏出防止弁)付きのマイクロポンプを簡単に構成することを可能にするマイクロポンプ実装用の基板を提供することを第1の目的とする。すなわちマイクロポンプ自身は安全弁無しでも使用できる汎用性があるのものであり、これを簡単に安全弁付きのものにすることを可能にする。またこの基板を用いてマイクロポンプを実装したマイクロポンプ組立体を提供することを第2の目的とする。
この発明によれば第1の目的は、ポンプ室に正逆方向に連通する一対の逆止弁からなる吸入弁および吐出弁を有するマイクロポンプに、流体が前記吸入弁側から前記吐出弁側へ漏れ出るのを防止する漏出防止弁機能を持たせるためのマイクロポンプ実装用の基板であって、前記マイクロポンプを実装する多層構造の基板表面に開口し前記マイクロポンプの前記吸入口および吐出口に別々に連通する2つの接続口と、基板の内層に形成されこれらの接続口に連通する流入側および流出側の流体流路と、前記流出側の流体流路に形成され前記流入側の流体圧と前記マイクロポンプ吐出口の流体圧との差圧減少により前記流出側の流体流路を閉じる漏出防止弁と、を有することを特徴とするマイクロポンプ実装用の基板、により達成される。
第2の目的は、請求項1の基板にマイクロポンプを実装したことを特徴とする漏出防止弁付きマイクロポンプ組立体、により達成される。
この発明は、流入側の流体圧とマイクロポンプ(以下単にポンプともいう。)吐出口の流体圧との差圧減少により流出側の流体流路を閉じる漏出防止弁を基板に内装したものであるから、流体の漏出を確実に防止できる。すなわちポンプの不作動時には、流入側の流体圧はポンプ室を通ってポンプ吐出側に導かれるからこのポンプ吐出側の流体圧との差圧が減少して漏出防止弁が閉じる。また、ポンプの作動時にはポンプ吐出側流体圧がポンプ室で加圧されて大きくなるためこの差圧が増加することになり、このため漏出防止弁が開き、吐出口から流出側の流体流路への流動を許容することになる。
またマイクロポンプは基板に単に搭載するだけで基板側に設けた流体通路と一体化して、漏出防止弁付きのマイクロポンプを簡単に構成することができる。単体のマイクロポンプ自身は漏出防止弁無しでも使用できる汎用性があるのものであり、これを簡単に漏出防止弁付きのものにすることが可能になる。漏出防止弁は基板側に設けるが、基板はマイクロポンプの寸法に制約されず、マイクロポンプよりも大きくすることができるので、漏出防止弁の設計自由度が増大する。また基板はポンプの寸法に制約を受けずに大きくすることができるので、この基板を大きくすれば共通の基板に複数のマイクロポンプを実装することができる。
請求項6の発明によれば、請求項1の基板にマイクロポンプを実装して一体化した組立体としたから、この組立体を単位として他の装置に組み込むことができ、組立能率が向上し、これを使った装置の製造能率が向上する。
本発明で用いるマイクロダイヤフラムポンプの外観例を示す斜視図 同じくポンプの底面を示す斜視図 同じくポンプの積層構造を示すための分解斜視図 ポンプの積層構造を示すための拡大側断面図 ポンプ実装用の基板の外観例を示す斜視図 基板の積層構造を示す分解斜視図 図5におけるVI−VI線断面図 図7の基板にポンプを実装した組立体を示す断面図 ポンプの流体吐出時を示す組立体の断面図 漏出防止弁の作動状態を示す断面図 流体の逆流防止状態を示す断面図 基板の他の実施例を示す断面図 基板のさらに他の実施例を示す分解斜視図 基板のさらに他の実施例を示す分解斜視図
漏出防止弁は、箔状弁体(ダイヤフラムなど)で構成することができる。この場合、箔状弁体の異なる面にそれぞれマイクロポンプの吐出口の流体圧と流体流路の流入側の流体圧とを導き、この箔状弁体の両面にそれぞれ加わるこれら流体圧の差圧により開閉させることができる(請求項2)。すなわちこのポンプの不作動時には、流入側の流体圧が箔状弁体の一方の面に導かれる一方、この流体圧はポンプ室を通して箔状弁体の他方の面に作用するので、差圧は減少することになり、このため箔状弁体が閉じ、吐出口から流出側の流体流路への流動が規制されることになる。
この基板は次のように構成することができる。すなわち、マイクロポンプが搭載される表面となる表面層およびその反対側の底面層と、これらの間に挟まれた複数の内層とを持ち、漏出防止弁は箔状弁体となる弁体層とこの箔状弁体により開閉される環状弁座を有する弁座層とで形成され、前記弁体層と底面層とで挟まれる流路形成層に流体の流入側と流出側とにそれぞれ連通する流体流路が形成され、マイクロポンプの吸入口には流体流路の流入側が前記底面層以外の各層を順に貫通して連通され、マイクロポンプの吐出口は、前記弁座層の前記環状弁座周囲を囲み前記弁体層との間に形成される弁室に連通され、前記環状弁座で囲まれ前記箔状弁体により開閉される弁口は前記弁室を迂回して前記流路形成層の流出側流体流路に連通されることにより構成できる(請求項3)。
基板は平面視でマイクロポンプの形状よりも広くすることができ、この場合には漏出防止弁の弁体(箔状弁体、ダイヤフラムなど)の面積をポンプ寸法に比べて十分に大きくすることができる(請求項4)。このため前記差圧が小さい時にもこの弁体を確実に作動させることが可能になり、漏出防止弁の作動信頼性を高めることができる。
基板には、複数のマイクロポンプを実装可能とし、少なくとも1つのマイクロポンプに接続される漏出防止弁を内層に設けることができる(請求項5)。この場合には、ポンプの実装密度を上げることができ、複数のポンプの吐出流体を集合するなどして吐出量を増大させることなどが可能である。
図1〜4において、符号10は本発明の一実施例であるマイクロダイヤフラムポンプである。このポンプ10は、複数のステンレスの金属薄板と枠体とを多層化接合、すなわち金属薄板などを位置合わせして積層し、接合したものであり、一辺が約7〜10mmの四角形である。このポンプ10の構造は、同一出願人による特許出願2010−130304号に説明されている通りであるからここでは詳細な説明はしないが、本発明を理解するため必要に応じてこの既出願を参考にすることができるのは勿論である。
図3、4において12は弁板シートであり、例えば厚さ0.01mm(10ミクロン)のステンレス薄板に弁板14と流路開口16とをエッチングやプレス打ち抜きにより形成したものである。ここに弁板14は、流路開口16とほぼ同径の開口から内径側に折曲しながら伸びる支持腕に保持されて上下動可能である。
18は弁座シートであり、例えば厚さが0.05mmのステンレス薄板に、弁座20と弁ストッパ22とをエッチングやプレス打ち抜きにより形成したものである。弁ストッパ22は、環状部22aと、この環状部22aの周囲に周方向に分割された3つの流路22bとを有する(図2)。この環状部22aは、後記するようにポンプ10を組み立てた状態で弁板14を介して弁座20に対向するものである。
このように加工された弁板シート12と弁座シート18とは二枚ずつ準備され、弁板シート12,12を図4に示すように重ね、その両側に弁座シート18,18を重ねて多層化接合する。例えば拡散接合(真空中で加熱・加圧して接合)する。なおこの時弁板シート12,12は、図3から明らかなように、左右を逆にして(180度回転して)かつ裏返して重ねる。このため弁板シート12の弁板14と流路開口16は、弁板シート12の左右を逆にしたり裏返した時に弁座シート18の弁座20,弁ストッパ22と同心に重なる位置に形成する。この結果この積層体(予備積層体)24には、図4に示す吸入弁26と吐出弁28とが形成される。
図3、4で、符号32はベース板である。このベース板32は、例えば厚さ0.4mmのステンレス板であって、吸入弁26の弁座20に対向する吸入口となる流路32aと、吐出弁28の弁ストッパ22(流路22b)に対向する吐出口となる流路32bとが形成されている(図4)。ベース板32は、流路32a、32bが吸入弁26、吐出弁28に連通するように予備積層体24の下面に積層される。
34は第1の枠体であり、ベース板30と外形が同じで、例えば厚さが0.005mmの4枚のステンレス薄板34a〜dを積層して約0.02mmの厚さにしたものである。なおステンレス薄板34a〜dは非常に薄いので金属箔状のものであってもよい。各ステンレス薄板34a〜dには、それぞれ開口径が異なる円形の開口がエッチングまたは打ち抜きなどで形成され、各開口の直径は、後記ダイヤフラム36が後記ポンプ室40側に湾曲する時の曲面形状に段階的に接近するように設定されている。なおこれらの開口は吸入弁26と吐出弁28の周囲を囲んでいる。また図3では、作図上の都合から各薄板34a〜dの開口がほぼ同一径に見えるが、実際には図4に示すように段階的に(階段状に)変化している。
このように第1の枠体34を開口径が異なる金属薄板を積層した構造にしたのは、ポンプ室40内のデッドスペースを少なくして、ポンプの圧縮比を増大させるためである。圧縮比を増大させることにより、流体に混入した気泡がポンプ室に入ってポンプが流体を吐出できなくなるのを防ぎ(自吸性向上)、気泡混入による吐出量の減少などの不都合発生を防止できる特性(気泡耐性)を向上させることができるからである。
36はダイヤフラムであり、例えば厚さ0.05mmのステンレス薄板である。これもベース板32と外形が同じである。38は第2の枠体であり、例えば厚さ0.04mmのステンレス薄板である。この第2の枠体38は外形がベース板32と同一である。
前記予備積層体24には、下面にベース板32が、上面に枠体34とダイヤフラム36と第2の枠体38とが順次重ねられ、加圧しながら多層化接合される。例えば拡散接合される。この結果ダイヤフラム36とこれに対向する上方の弁座シート18との間にポンプ室(圧力室)40が形成される。
以上のようにして多数の金属薄板の多層化接合がなされると、次に第2の枠体38の上方からダイヤフラム36にシート状の駆動素子、例えば圧電素子であるPZT42が接着シート44によって貼着される。このPZT42は分極前のものであればこれを電界中に入れて分極する。このPZT42の電極に接続される配線は上方に導かれて、図示しない駆動回路に接続される。
この実施例は、ベース板32の流路32a、32bをそれぞれ流体の供給路と吐出路(共に図示せず)に接続し、PZT42の駆動回路を作動させて用いる。PZT42の作動によってダイヤフラム36が上下に振動し、この振動によってポンプ室40の容積が変化する。この振動によってポンプ室40が負圧になる時には吸入弁26の弁板14が弁座20から離れて吸入弁26が開き、吐出弁28の弁板14は弁座20に当たって吐出弁28が閉じる。この結果吸入弁26から新しく流体が吸入される。ダイヤフラム36がポンプ室40を加圧する時には、吸入弁26が閉じ、吐出弁28が開き、流体はポンプ室40から吐出弁28を通して吐出される。
前記ベース板32の下面には、ガスケット44が取り付けられている。このガスケット44は図2、3に示すように前記ベース板32の流路32a、32bを囲むように略8字型に形成されている。例えば未硬化エラストマーを適宜の方法、例えばスクリーン印刷などで流路32a、32bを囲むように供給し、加熱により適切な弾性を有する状態に硬化させることにより形成できる。
このように形成されたポンプ10は、図4に示す基板46に実装される。すなわちポンプ10は、ベース板32に開口する通路32a、32bを、基板46に形成した基板側流体供給通路48と基板側流体流入路50の開口に位置合わせして押圧し、連通させる。なおこの基板46には、後記するように漏出防止弁が内装されている。
ベース板32の下面に設けたガスケット44は、基板46の基板側流体供給口48と基板側流体流入口50の開口を囲むように形成した凹部51に進入し、ベース板32とこの凹部51との間に挟持される。この結果ベース板32と基板46の間から流体が外へ漏れ出るのが防止される。
次に基板46について説明する。この基板46は図6に示すように多層構造である。すなわち、表面層(ポンプ10を実装する面)46aと、最下層である底面層46fと、これらの間に挟まれる内層46b、46c、46d、46eを積層したものである。表面層46aにはポンプ10の吸入口32aおよび吐出口32bに連通する前記した基板側流体供給口48および基板側流体流出口50が開口している。
内層46bは第1の流路形成層(本発明の他の流体流路64を形成する)、内層46cは弁座形成層であり、内層46dは箔状弁体(ダイヤフラム)となる弁体層、内層46eは第2の流路形成層である。第2の流路形成層46eには、外から供給される流体を下弁室52に導く流体流路54と、これらから独立した流体を流出させる流体流路56とが形成されている。
内層46e(第2の流路形成層)の下弁室52に内層46d(弁体層)を挟んで積層される内層46c(弁座形成層)の下面には、図7に示すように、弁体層46dに対向する環状弁座58と、この環状弁座58を囲む環状の上弁室60とが形成されている。この弁室60には表面層46aの流体流出口50から内層46b、46cに形成した小孔を通ってポンプ10の吐出流体が導かれる。環状弁座58が形成された弁座形成層46cと、これに接触・離間可能な内層46d(弁体層)とで、本発明の漏出防止弁62が形成されている。
内層46d、46c、46bには、この流体流路54から流体を流体供給口48に供給するそれぞれ小孔が形成されている。またポンプ10が吐出口32bから吐出する流体は、表面層46aの流体流出口50から内層46b、46cに設けた小孔を通して、上弁室60(図7)に流入する。従って弁体となる内層46dの下面には流体の流入圧が導かれ、上面にはポンプ10の吐出圧が導かれる。
また上弁室60の流体は、上弁室60の圧力が上昇して弁体層46dが環状弁座58を開くと、環状弁座58を通って、第1の流路形成層46bに設けた流路64(本発明の他の流体流路に相当する迂回路)を通り、さらに前記弁座形成層46cと弁体層46dに設けた小孔を通って流出側流体流路56に導かれる。
すなわちこの漏出防止弁62は、ポンプ10の作動時にその吐出側の流体圧が流体供給側の流体圧よりも高くなると、弁体層46dが下方に変位して環状弁座58を開くことにより吐出側の流体流路を開くことになる(図9)。このためポンプ10が吐出する流体は、流出側の流体流路56から外へ吐出される。またポンプ10の不作動時には、基板46側の流体流路54に入る流入側流体圧は、ポンプ室40を介して漏出防止弁62の上弁室60に入るから、弁体層46dの両側の圧力差は小さくなる。このため弁体層46dは環状弁座58を閉じることになり、流体流路54の流体は、流出側の流体流路56に流出することがない(図10)。
なお図11に示すように、流出側流体流路56の流体圧が増加すると、漏出防止弁62は開くことになるが、この流体圧はポンプ10の吐出弁28を閉じることになり、流体の逆流は防止される。
図12は基板の他の実施例を示す一部断面図であり、前記図5のVI−VI線相当の位置で断面をしたものである。この実施例の基板46Aは、内層46c(弁座形成層)に環状弁座58を囲むように、複数の環状溝70a、70bを環状弁座58と同心に形成したものである。
前記実施例1によれば、箔状弁体となる弁体層46dが環状弁座58を閉じている時に、上弁室60の圧力と環状弁座58内の圧力(流出側流体圧となる。)との差圧により流体が両者間に漏れてこの差圧が減少することが考えられる。この差圧が減少すると漏出防止弁62の動作が不安定になったり漏出防止弁62の開閉が不完全になることが考えられる。これに対してこの実施例によれば、上弁室60と環状弁座58との間に環状溝70a、70bと弁体層46dとでラビリンスシールとして機能する絞りを多段階に形成することができ、流体圧の漏れを減少させて漏出防止弁62の作動を安定させ、その開閉動作の信頼性を向上させることが可能になるものである。
図13に示す実施例は、基板46Bを前記図6に示したものよりも長く大型にしたものである。すなわち第2の流路形成層bに長い基板側流路64Aを形成し、これに対応して第2の流路形成層46eの流出側流路56および弁座形成層46cと弁体層46dの小孔をそれぞれ弁室より遠く離したものである。
この実施例によれば、基板46Bの流体流入路54の流入口位置と、流出側流路56の流出口位置とを基板46Bの形状によって適宜変更することができ、基板の実装場所に応じて実装し易い基板形状にすることが可能になる。なおこの図13では前記図6などに示した実施例と対応する位置に同一符号を付し、基板46Bの各層46a〜fにはそれぞれ添え字1を付したので、それらの説明は繰り返さない。
図14に示した実施例は、基板46Cに複数の(例えば4つの)ポンプ10を搭載可能としたものである。すなわち、前記図13に示した基板46Aをその幅方向(流路54、56、64などの長さ方向に直交する方向)に並列させることにより、複数のポンプ10を並列に配置したものである。この実施例によれば、複数のポンプ10によって同一流体を吐出する場合には合計の吐出量を増大することができる。また一部のポンプ10が流出する流体を変更すれば、合流した流体の混合比を変化させることができる。なお図14においては、前記図6に対応する部分に同一の符号を付し、また基板46Cの各層46a〜fには添え字2を付したので、それらの説明は繰り返さない。
10 マイクロダイヤフラムポンプ(ポンプ)
14 弁板
20 弁座
26 吸入弁
28 吐出弁
32a 流路(吸入口)
32b 流路(吐出口)
36 ダイヤフラム
40 ポンプ室
42 駆動素子(圧電素子、ピエゾ素子、PZT)
46、46A、46B、46C 基板
46a、46a1、46a2 表面層
46b、46b1、46b2 第1の流路形成層(他の流路形成層)
46c、46c1、46c2 弁座形成層
46d、46d1、46d2 弁体層(ダイヤフラム)
46e、46e1、46e2 第2の流路形成層
46f、46f1、46f2 底面層
48 基板側流体供給路
50 基板側流体流入路
54 基板の流体供給側流路
56 基板の流体流出側流路
58 環状弁座
60 上弁室
62 漏出防止弁
64 他の流体流路(迂回流路)

Claims (6)

  1. ポンプ室に正逆方向に連通する一対の逆止弁からなる吸入弁および吐出弁を有するマイクロポンプに、流体が前記吸入弁の吸入口側から前記吐出弁の吐出口側へ漏れ出るのを防止する漏出防止弁機能を持たせるためのマイクロポンプ実装用の基板であって、
    前記マイクロポンプを実装する多層構造の基板表面に開口し前記マイクロポンプの前記吸入口および吐出口に別々に連通する2つの接続口と、基板の内層に形成されこれらの接続口に連通する流入側および流出側の流体流路と、前記流出側の流体流路に形成され前記流入側流体圧と前記マイクロポンプ吐出口の流体圧との差圧減少により前記流出側の流体流路を閉じる漏出防止弁と、を有することを特徴とするマイクロポンプ実装用の基板。
  2. 漏出防止弁は、マイクロポンプの吐出口の流体圧と基板に設けた流体流路の流入側の流体圧とが異なる面に加わる箔状弁体を備え、この箔状弁体はその両面にそれぞれ加わるこれら流体圧の差圧の減少により前記流出側の流体流路を閉じて吐出口から前記流出側の流体流路への流動を規制する請求項1のマイクロポンプ実装用の基板。
  3. 基板は、マイクロポンプが搭載される表面となる表面層および底面となる底面層と、これらの間に挟まれた複数の内層とを持ち、漏出防止弁は箔状弁体となる弁体層とこの箔状弁体により開閉される環状弁座を有する弁座形成層とで形成され、前記弁体層と底面層とで挟まれる流路形成層に流体の流入側と流出側とに別々に連通する流体流路が形成され、マイクロポンプの吸入口には流入側の流体流路が前記底面層以外の各層を順に貫通して連通し、マイクロポンプの吐出口は前記環状弁座の周囲を囲み前記弁体層との間に形成される上弁室に連通し、前記環状弁座で囲まれる弁口は前記上弁室を迂回して前記流路形成層の流出側の流体流路に連通している請求項2のマイクロポンプ実装用の基板。
  4. 基板は平面視でマイクロポンプの形状よりも広い請求項1のマイクロポンプ実装用の基板。
  5. 複数のマイクロポンプを実装可能とし、少なくとも1つのマイクロポンプに接続される漏出防止弁を内層に有する請求項1のマイクロポンプ実装用の基板。
  6. 請求項1の基板にマイクロポンプを実装したことを特徴とする漏出防止弁付きマイクロポンプ組立体。
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