JP5825608B2 - ピリジルベンゾフラン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、ピリジルベンゾフラン誘導体および前記誘導体を含むアミロイド関連疾患診断用組成物に関する。
アルツハイマー病(AD)は、認知低下、不可逆的な記憶喪失、見当識障害、および言語障害を特徴とする進行性の神経変性疾患である。脳におけるβ-アミロイド(Aβ)凝集体の存在が、ADの顕著な特徴として一般的に認められている(非特許文献1,2)。ADの確定診断は剖検脳組織の病理学的検査によるもののみであることから、インビボにおけるβ-アミロイドプラークの画像化を可能にする技術の開発が強く望まれている(非特許文献3−5)。
陽電子断層撮影法(PET)における予備的な研究では、[11C]4−N−メチルアミノ−4’−ヒドロキシスチルベン(SB−13)(非特許文献6,7)、[11C]2−(4’−(メチルアミノフェニル)−6−ヒドロキシベンゾチアゾール(PIB)(非特許文献8,9)、[11C]2−(2−[2−ジメチルアミノチアゾール−5−イル]エテニル)−6−(2−[フルオロ]エトキシ)ベンゾオキサゾール(BF−227)(非特許文献10)、および[11C]−2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1,3−ベンゾチアゾール−6−オール(AZD2184)(非特許文献11)(図1)の脳における取り込みおよび保持が、AD患者と対照との間で異なることが示唆されている。ADが疑われる場合に11C標識トレーサーを用いて脳のβ−アミロイドプラークを画像化することに成功したことは、この技術のさらなる改良の大きな弾みとなった。しかしながら、11Cは半減期が短く(t1/2:20分)、診断ツールとしての可能性が制限される。この目的にはより長い半減期(t1/2:110分)を有する同位体である18Fがより有用であることから、最近は18Fで標識された類似薬の開発が集中的に試みられている。[18F]−2−(1−(2−(N−(2−フルオロエチル)−N−メチルアミノ)ナフタレン−6−イル)エチリデン)マロノニトリル(FDDNP)による予備的な研究(非特許文献12,13)において、AD患者の脳における取り込みおよび保持が異なることが初めて示された。より最近になって、スチルベン誘導体の(E)−4−(N−メチルアミノ)−4’−(2−(2−(2−[18F]−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)−スチルベン(BAY94−9172)(非特許文献14,15)、スチリルピリジン誘導体の(E)−4−(2−(6−(2−(2−(2−([18F]−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ピリジン−3−イルビニル)−N−メチルベンゼンアミン(AV−45)(非特許文献16−18)、およびPIBアナログの2−(3−[18F]−フルオロ−4−メチルアミノ−フェニル)ベンゾチアゾール−6−オール(GE−067)(非特許文献19)(図1)が、第二相および第三相臨床試験において生体の脳組織中のβ−アミロイドプラークの画像化に有用であることが示された(非特許文献20)。
本発明者らは、一連のフッ化ベンゾフラン誘導体を、PETによるβ−アミロイドプラークの画像化のための18F標識トレーサーの候補として評価した(非特許文献21)。これら誘導体は、Aβ凝集体に対してインビトロでもインビボでも優れた親和性を示した。特に、4−(5−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ベンゾフラン−2−イル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン(FPHBF−1)(図2)による脳組織の透過性が有望であった。しかしながら、このプローブは正常マウスの脳からの排出が遅いため、インビボにおける画像化には適さなかった。それゆえ、ベンゾフラン誘導体の取り込みおよび排出の動態をきめ細かく調節することが臨床的に必要とされている。脳への取り込みと脳からのクリアランスに関する以前の結果では、脳からの排出が遅いことの理由の一つとして高い親油性が指摘されている(非特許文献8,22−24)。
最近、フッ化ピリジルベンゾフラン誘導体である2−(2−フルオロ−6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル)ベンゾフラン−5−オール(AZD4694)(図2)が、生体脳組織における皮質β−アミロイドプラークの画像化に有望であると報告された(非特許文献26)。しかしながら、本文献では、18F標識や[18F]AZD4694のインビボ特性は報告されていない。
本発明は、インビボにおけるβ-アミロイドプラークの画像化に適する、ピリジルベンゾフラン誘導体を提供することを目的とする。
本発明者らは、フェニルベンゾフランのフェニル基をピリジル基と置換することにより、親油性の低い新規なフッ化ピリジルベンゾフラン誘導体を開発することを試みた。18Fにより誘導体を標識するためのコア構造のフルオロ−ペグ化(FPEG)という新しいアプローチが、Kungらにより開発されている(非特許文献25)。このアプローチは、親油性を大幅に増大させることなく標的に18Fを組み込む単純かつ簡便な方法を提供することから、本発明者らはピリジルベンゾフラン誘導体の標識のためにFPEGを選択した。本発明者らは、フルオロポリエチレングリコール側鎖とジメチルアミノピリジル基を有する新規なフッ化リガンドである5−(5−(2−(2−(2−フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ベンゾフラン−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン(FPYBF−1)(図2)をはじめとして、数種のピリジルベンゾフラン誘導体を合成した。そして、初めてピリジルベンゾフラン誘導体の放射性標識に成功し、インビボでのβ−アミロイドプラークの画像化について評価を行い、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
一般式(I)
Figure 0005825608
〔式中、
は、ヒドロキシ基、C1−10アルコキシ基および式:−(CHCHO)−X(式中、nは1〜10の整数を表し、Xはハロゲン原子を表す。)からなる群から選択される、
は、式:−NRaRb(式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して水素原子及びC1−3アルキル基のいずれかを表す。)で示される基である、
、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−4アルキル基、およびC1−4アルコキシ基からなる群から選択される〕
で表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
本発明はまた、
一般式(II)
Figure 0005825608
〔式中、Rは、ヒドロキシ基、C1−10アルコキシ基および式:−(CHCHO)−X(式中、nは1〜10の整数を表し、Xはハロゲン原子を表す。)からなる群から選択される、
は、式:−NRaRb(式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して水素原子及びC1−3アルキル基のいずれかを表す。)で示される基である〕
で表される前記化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
本発明はまた、放射性核種で標識されている、前記いずれかの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
本発明はまた、放射性核種で標識されている前記いずれかの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する、アミロイド関連疾患診断用組成物を提供する。
本発明はまた、放射性核種で標識されている前記いずれかの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む、アミロイドプラークの画像化剤を提供する。
本発明はまた、以下:
a.放射性核種で標識されている前記いずれかの化合物またはその薬学的に受容可能な塩の検出可能な量を哺乳動物に導入する工程;
b.該化合物がアミロイドプラークに結合するのに十分な時間放置する工程;および
c.1つ以上のアミロイドプラークに結合した化合物を検出する工程、を包含する、アミロイドプラークを画像化するための方法を提供する。
本発明により、脳組織中のアミロイドプラークを画像化すること、およびアルツハイマー病をはじめとするアミロイドタンパク質凝集体の存在を特徴とする疾患を診断することが可能となった。
AD患者におけるβ−アミロイドプラークを標的とするPET画像化剤の化学構造。 ベンゾフラン誘導体であるFPHBF-1、FPYBF-1、およびAZD4694の化学構造。 FPYBF-1対[125I]IMPYの競合曲線。 [18F]FPYBF-1のインビトロオートラジオグラフィー。(A) AD患者由来の脳組織。(B) 対照被験者の脳組織。 [18F]FPYBF-1のエクスビボオートラジオグラフィー。(A) Tg2576トランスジェニックマウス。(B) 野生型マウス。(C) (A)と同じ脳切片のチオフラビン-Sによる染色。 FPYBF-2対[125I]IMPYの競合曲線。 [18F]FPYBF-2のインビトロオートラジオグラフィー。(A) AD患者由来の脳組織。(B) 対照被験者の脳組織。 [18F]FPYBF-2のエクスビボオートラジオグラフィー。(A) Tg2576トランスジェニックマウス。(B) 野生型マウス。(C) (A)と同じ脳切片のチオフラビン-Sによる染色。 Re-BAT-BpのHPLCによる精製。 Re-BAT-Bp対[125I]IMPYの競合曲線。 [99mTc]BAT-Bpのインビトロオートラジオグラフィー。右:[99mTc]BAT-Bpによる標識。左:同じ切片のチオフラビン-Sによる染色。 Re-BAT-Bp-5のHPLCによる精製。 [99mTc]BAT-Bp-5のインビトロオートラジオグラフィー。右:[99mTc]BAT-Bp-5による標識。左:同じ切片のチオフラビン-Sによる染色。
本発明の化合物は、
一般式(I)
Figure 0005825608
〔式中、
は、ヒドロキシ基、C1−10アルコキシ基および式:−(CHCHO)−X(式中、nは1〜10の整数を表し、Xはハロゲン原子を表す。)からなる群から選択される、
は、式:−NRaRb(式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して水素原子及びC1−3アルキル基のいずれかを表す。)で示される基である、
、R、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−4アルキル基、およびC1−4アルコキシ基からなる群から選択される〕
で表される。
好ましい態様において、本発明の化合物は
一般式(II)
Figure 0005825608
〔式中、Rは、ヒドロキシ基、C1−10アルコキシ基および式:−(CHCHO)−X(式中、nは1〜10の整数を表し、Xはハロゲン原子を表す。)からなる群から選択される、
は、式:−NRaRb(式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して水素原子及びC1−3アルキル基のいずれかを表す。)で示される基である〕
である。
1−10アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチル基などが挙げられる。
1−4アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、F、Cl、Br、Iが挙げられる。好ましい態様において、XはFである。
好ましい態様において、−NRaRbは、−NH、−NHCHまたは−N(CHである。
ある態様において、Rは、−(CHCHO)−X(式中、nは1〜10の整数を表し、Xはハロゲン原子を表す。)である。nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10から選択される整数である。好ましい態様において、nは1〜3、1〜4、または1〜5の整数を表す。
本発明の好ましい化合物は、下記式で表されるFPYBF−1またはFPYBF−2である。

FPYBF−1
Figure 0005825608

FPYBF−2
Figure 0005825608
別の態様において、Rは、C1−10アルコキシ基、好ましくはC1−5アルコキシ基である。この態様の別の局面において、Rは、C1−3アルコキシ基である。
本発明の化合物は、以下の実施例の記載、またはCheng et al., Bioorg Med Chem Lett, 20, 6141-44, 2010およびOno et al., J Med Chem, 54, 2971-2979, 2011の記載にしたがって合成することができる。
本発明において、化合物が「放射性核種で標識されている」とは、化合物中の1以上の原子が同じ原子番号を有するが質量数の異なるその放射性同位体と置換されているか、あるいは化合物に放射性核種が結合されていることを意味する。化合物中の原子の放射性同位体としては、H、C、N、O、F、Cl、Br、Iの放射性同位体であるH、H、11C、13C、14C、15C、15O、18F、36Cl、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I、が挙げられ、中でも11Cおよび18Fが好ましい。本発明の化合物に結合される放射性核種としては、64Cu、67Ga、68Ga、又は99mTcが挙げられ、中でも99mTcが好ましい。これら放射性核種は、各放射性核種について一般的に用いられている方法により、本発明の化合物中の原子と置換することができ、また本発明の化合物に結合させることができる。
99mTcは通常、錯体の形で非標識化合物に結合される。99mTcを含む錯体としては、2−ヒドラジノピリジンを含む錯体(Liu S et al, Bioconjug Chem. 1996 Jan-Feb;7(1):63-71)、N−(2−メルカプトエチル)−2−〔(2−メルカプトエチル)アミノ〕−アセトアミドを含む錯体(Zhen W et al, J Med Chem. 1999 Jul 29;42(15):2805-15)、2,2’−(1,2−エタンジイルジイミノ)ビスエタンチオールを含む錯体(Oya S et al, Nucl Med Biol. 1998 Feb;25(2):135-40)、トリカルボニル錯体(Schibli R et al, Bioconjug Chem. 2000 May-Jun;11(3):345-51)などが挙げられる(これら文献は引用により本明細書に含まれる)。
本発明の好ましい標識化合物は、以下である。
18F]FPYBF−1
Figure 0005825608

18F]FPYBF−2
Figure 0005825608

99mTc]BAT−Bp
Figure 0005825608

99mTc]BAT−Bp−5
Figure 0005825608
「薬学的に受容可能な塩」としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明はまた、放射性核種で標識されている本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む、アミロイド関連疾患診断用組成物に関する。
本発明における「アミロイド関連疾患」とは、アミロイドタンパク質凝集体の存在が観察される疾患を意味する。本発明の化合物はβシート構造をとるタンパク質に結合することから、本発明における「アミロイド関連疾患」には、β−アミロイドの他、タウ、αシヌクレイン、プリオンなどの、βシート構造をとるアミロイドタンパク質の凝集体の存在が観察される疾患が含まれる。具体的には、本発明における「アミロイド関連疾患」としては、アルツハイマー病、地中海熱、マックル−ウェルズ症候群、突発性骨髄腫、アミロイド多発性神経障害、アミロイド心筋症、全身性老年性アミロイドーシス、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型またはアイスランド型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血を含む)、ダウン症候群、スクラピー、クロイツフェルト−ヤコプ病、クールー、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー症候群、甲状腺の髄様癌、孤立心房性アミロイド、透析患者におけるβ−ミクログロブリンアミロイド、封入体筋炎、筋消耗病におけるβ−アミロイド沈着、およびランゲルハンス島II型糖尿病インスリノーマが挙げられる。中でも、本発明の診断用組成物は、β−アミロイド(Aβ)凝集体の存在が観察される疾患、例えばアルツハイマー病、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、およびダウン症候群に特に好適である。また、一般には「疾患」と認識されない疾患の前駆症状も、本発明における「アミロイド関連疾患」に含まれる。このような疾患の前駆症状としては、アルツハイマー病の発症前にみられる軽度認知障害(MCI)などを例示できる。
本発明の組成物によるアミロイド関連疾患の診断は、通常、本発明の組成物を診断対象者又は実験動物などに投与し、その後、脳の画像を撮影し、画像における本発明の化合物の状態(量、分布等)を観察することにより行う。本発明の組成物は、コンピューター断層撮影法(SPECT)により診断を行う場合、123I、67Ga、または99mTcなどのγ線放出核種で標識された化合物を含んでいればよく、また陽電子断層撮影法(PET)により診断を行う場合、11C、13N、15O、18F、62Cu、68Ga、または76Brなどの陽電子放出核種で標識された化合物を含んでいればよい。
本発明の組成物の投与方法は特に限定されず、化合物および放射性核種の種類や、対象者の状態に応じて適宜決定されるが、通常、皮内、腹腔内、静脈、動脈、又は脊髄液への注射又は点滴によって投与する。本発明の組成物の投与量もまた、化合物および放射性核種の種類や対象者の状態に応じて適宜決定されるが、例えば成人の場合、本発明の化合物を1日当たり10−10〜10−3mg、好ましくは10−8〜10−5mg投与すればよい。
本発明の組成物は、通常注射又は点滴によって投与されるので、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩に加えて、注射液や点滴液に通常含まれる成分を含んでいてもよい。このような成分としては、液体担体(例えば、リン酸カリウム緩衝液、生理食塩水、リンゲル液、蒸留水、ポリエチレングリコール、植物性油脂、エタノール、グリセリン、ジメチルスルホキサイド、プロピレングリコール)、抗菌剤、局所麻酔剤(例えば、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン)、緩衝液(例えば、トリス−塩酸緩衝液、ヘペス緩衝液)、浸透圧調節剤(例えば、グルコース、ソルビトール、塩化ナトリウム)を例示できる。
本発明はまた、放射性核種で標識されている本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む、アミロイドプラークの画像化剤に関する。「アミロイドプラーク」は、βシート構造をとるアミロイドタンパク質が凝集して形成される。アミロイドタンパク質としては、β−アミロイド、タウ、αシヌクレイン、プリオンが挙げられるが、本発明の画像化剤はβ−アミロイドにより形成されるアミロイドプラークの画像化に特に好適である。本発明のアミロイドプラークの画像化剤は、アミロイド関連疾患診断用組成物と同様に調製し、使用することができる。
本発明はまた、
a.放射性核種で標識されている本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩の検出可能な量を哺乳動物に導入する工程;
b.該化合物がアミロイドプラークに結合するのに十分な時間放置する工程;および
c.1つ以上のアミロイドプラークに結合した化合物を検出する工程、
を包含する、アミロイドプラークを画像化するための方法に関する。
「哺乳動物」としては、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サルが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、「哺乳動物」はヒトである。
放射性核種による標識および標識化合物の検出は、前述のとおり行えばよい。すなわち、検出にはSPECTおよびPETを利用することができ、放射性核種は検出方法に応じて選択すればよい。また、哺乳動物への導入も、アミロイド関連疾患診断用組成物について記載のとおり行えばよい。
「放射性核種で標識されている本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩の検出可能な量」および「該化合物がアミロイドプラークに結合するのに十分な時間」は、対象とする哺乳動物、並びに使用する化合物および検出方法に応じて当業者が適宜決定可能である。例えば、対象とする哺乳動物に様々な濃度の標識化合物を導入し、導入後の様々な時点でこの標識化合物を選択した検出方法で検出することによって、これらの量および時間を決定することができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
FPYBF-1
Figure 0005825608
1.FPYBF-1の合成
FPYBF-1の合成をスキーム1に示す。

スキーム1
Figure 0005825608
試薬および条件:(a) Pd(Ph3P)4, Na2CO3 (水溶液)/ジオキサン, 還流; (b) パラホルムアルデヒド, シアノ水素化ホウ素ナトリウム, 酢酸, 室温; (c)BBr3, CH2Cl2, 室温; (d) 2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]エトキシ, K2CO3, DMF, 100℃; (e) DAST, DME, 0℃; (f) 塩化トシル, ピリジン, 室温。
5-(5-メトキシベンゾフラン-2-イル)ピリジン-2-アミン (1)
Figure 0005825608
5-メトキシベンゾフラン-2-ボロン酸 (576 mg, 3.0 mmol)、2-アミノ-5-ヨードピリジン (660 mg, 3.0 mmol)、およびPd(Ph3)4 (366 mg, 0.3 mmol) (2 M Na2CO3 (水溶液)/ジオキサン (150 mL, 1:1) 中)の溶液を還流下で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、1 M NaOH (20 mL)を添加した。酢酸エチルで抽出後、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 1 : 1) により精製して、374 mgの化合物1 (52.1%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.85 (s, 3H), 4.67(s, 2H), 6.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.67 (d, 1H, J =2.4 Hz). MS: m/z 241 (M++H).
5-(5-メトキシベンゾフラン-2-イル)-N, N-ジメチルピリジン-2-アミン (2)
Figure 0005825608
化合物1 (360 mg, 1.5 mmol)、パラホルムアルデヒド (450 mg, 15 mmol)、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム (284 mg, 4.5 mmol) (酢酸 (20 mL) 中)の混合物を室温で一晩撹拌し、次いで100 mL の水に注いだ。炭酸水素ナトリウムを添加して、pHを8-9に調節した。酢酸エチルによる抽出操作の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 3 : 1)により精製して、249 mgの化合物2 (62.0%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.15 (s, 6H), 3.85 (s, 3H), 6.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.67 (d, 1H, J = 2.4 Hz). MS: m/z 269 (M++H).
2-(6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ベンゾフラン-5-オール (3)
Figure 0005825608
BBr3 (4.8 mL, 1 M 溶液(CH2Cl2中)) を化合物2 (248 mg, 0.93 mmol) (CH2Cl2 (20 mL) 中)の溶液に氷浴中で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を氷浴中で冷却しながら水 (20 mL)を添加した。酢酸エチルで抽出後、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製して、234 mgの化合物3 (98.9%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.15 (s, 6H), 4.89 (s, 1H), 6.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.67 (d, 1H, J = 2.4 Hz). MS: m/z 255 (M++H).
2-(2-(2-(2-(6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ベンゾフラン-5-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール (4)
Figure 0005825608
化合物3 (233 mg, 0.92 mmol) および2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]エタノール (180 μL, 1.20 mmol) (DMF (5 mL)中)の溶液に無水K2CO3 (414 mg, 3.0 mmol)を添加した。反応混合物を18時間100℃で撹拌し、水中に注いだ。クロロホルムで抽出後、有機層をあわせてNa2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させて残渣を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 1 : 1)により精製して、204 mgの化合物4 (57.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.15 (s, 6H), 3.60-3.64 (m, 2H), 3.69-3.72 (m, 6H), 3.85-3.89 (m, 2H), 4.16-4.19 (m, 2H), 6.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.67 (d, 1H, J = 2.4 Hz). MS: m/z 387 (M++H).
5-(5-(2-(2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ベンゾフラン-2-イル)-N,N-ジメチルピリジン-2-アミン (5)
Figure 0005825608
化合物4 (136 mg, 0.35 mmol) (1,2-ジメトキシエタン (DME) (5 mL)中)の溶液にDAST (100 μL, 0.70 mmol)を乾燥氷−アセトン浴中で添加した。反応混合物を1時間室温で撹拌し、飽和NaHSO3溶液に注いだ。クロロホルムで抽出後、有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。残渣を予備的TLC (ヘキサン:酢酸エチル = 1 : 6) により精製して、62 mgの化合物5 (45.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.15 (s, 6H), 3.69-3.72 (m, 6H), 3.85-3.89 (m, 2H), 4.16-4.20 (m, 2H), 4.49-4.52 (m, 1H), 4.60-4.63 (m, 1H), 6.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.67 (d, 1H, J = 2.4 Hz). HRMS (EI): m/z calcd for C21H25FN2O4 (M+) 388.1798, found 387.1790.
2-(2-(2-(2-(6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ベンゾフラン-5-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチル 4-メチルベンゼンスルホナート (6)
Figure 0005825608
化合物4 (203 mg, 0.53 mmol) (ピリジン (5 mL)中)の溶液に塩化トシル(233 mg, 1.22 mmol)を添加した。反応混合物を3時間室温で撹拌した。酢酸エチルで抽出後。有機層をNa2SO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させ残渣を得て、これを予備的TLC (ヘキサン:酢酸エチル = 1 : 1)により精製して、233 mgの化合物6 (81.4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.41(s, 3H), 3.15(s, 6H), 3.71 (m, 6H), 3.85-3.89 (m, 2H), 4.16-4.20 (m, 4H), 6.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.67 (d, 1H, J = 2.4 Hz). HRMS (EI): m/z calcd for C28H32N2O7S (M+) 540.1930, found 540.1927.
2.インビトロにおけるAβ凝集体に対する結合試験
FPYBF-1のAβ凝集体に対する親和性を評価するため、常法にしたがい(非特許文献29,30)、[125I]IMPY をリガンドとして用いて溶液中で結合試験を行った。Aβ(1-42)は、株式会社ペプチド研究所 (大阪, 日本)から購入した。このペプチドを、10 mM リン酸ナトリウムおよび1 mM EDTAを含む緩衝液(pH 7.4)に穏やかに溶解することにより凝集させた。この溶液を、37℃で42時間穏やかに持続的に振盪しながらインキュベートした。50 μLのFPYBF-1 (0.008 pM-400 μM (10% EtOH中))、50 μLの0.02 nM [125I]IMPY、50 μLのAβ(1-42)凝集体、および850 μLの10% EtOHを含む混合物を室温で3時間インキュベートした。次いで、この混合物をWhatman GF/B 濾紙によりBrandel M-24 cell harvesterを用いて濾過し、結合した125Iリガンドを含む濾紙の放射能をγカウンターにより測定した。50%阻害濃度 (IC50)の値を、3つの独立した実験の置換曲線からGraphPad Prism 5.0を用いて決定し、阻害定数 (Ki)の値をCheng-Prusoff 式: Ki = IC50/(1 + [L]/Kd)(式中、[L]は試験に使用した[125I] IMPYの濃度であり、KdはIMPY (4.2 nM)の解離定数である)により計算した。FPYBF-1は[125I]IMPYの結合を用量依存的にKi 値0.9 nMにて阻害した(図3)。これは、FPYBF-1がAβ(1-42)凝集体に対して優れた親和性を有することを示唆する。
FPYBF-1のKi 値は、既報のフェニルベンゾフラン誘導体のKi 値 (Ki = 2.0 nM) (非特許文献21)と同様であり、ピリジルベンゾフラン誘導体のAβ凝集体に対する親和性はフェニル基をピリジル基で置換しても依然として高かった。この結果はまた、ベンゾフラン骨格が高度の構造改変に耐えうることを示す(非特許文献21,22,31)。
3.18F標識FPYBF-1の製造
Figure 0005825608
試薬および条件:(a) Kryptofix222, K2CO3, アセトニトリル, 120℃。
[18F]フッ化物は、サイクロトロン (CYPRIS HM-18、住友重機械工業株式会社、東京) により18O (p,n)18F 反応を介して製造し、18Oに富む水における水溶液としてSep-Pak Light QMA カートリッジ (Waters)に通した。このカートリッジをN2により乾燥させ、18F 活性を1.0 mL のKryptofix 222/K2CO3 溶液 (9.5 mgのKryptofix 222と1.7 mgのK2CO3とをアセトニトリル/水 (96/ 4)中に含む)により溶出した。溶媒を120℃でアルゴンガス流下除去した。残渣を、1 mLの無水アセトニトリルを用いて共沸により120℃において窒素ガス流下で2回乾燥させた。トシル前駆体6 (1.0 mg)(アセトニトリル (200 μL)中)の溶液を、18F 活性を含む反応容器に添加した。この混合物を120℃で10分間加熱した。水 (5 mL) を添加し、混合物を調整済みのOasis HLBカートリッジ (3 cm3) (Waters)に通した。このカートリッジを10 mLの水で洗浄し、標識化合物を2 mLのアセトニトリルで溶出した。溶出された化合物を予備的HPLC [YMC-Pack Pro C18 カラム (20 mm× 150 mm), アセトニトリル/水 (60/40), 流速 3.0mL/分]により精製した。所望の18F標識産物の保持時間は10.0 分である。放射化学的純度および特異的活性を、分析用HPLC [YMC-Pack Pro C18 カラム (4.6 mm × 150 mm), アセトニトリル/水 (60/40), 流速 1.0 mL/分]で測定し、[18F]FPYBF-1を放射化学的純度>99%、特異的活性242 GBq/μmolで得た。特異的活性は、精製18F標識化合物のUVピーク強度を既知の濃度の参照用非放射性化合物と比較することにより評価した。
4.正常マウスにおける生体内分布
脳における[18F]FPYBF-1の取り込みを評価するため、正常マウスにおいて生体内分布実験を行った。動物実験は、施設ガイドラインに沿って実施し、京都大学動物実験委員会に許可された。イソフルレンでの麻酔下、ddY マウス (22-25 g, 雄) の尾静脈に直接、100 μLの[18F]FPYBF-1 (185-370 kBq)含有0.1% BSA 溶液を注射した。これらマウス(各時点につきn = 5)を、注射後2、10、30、および60分の時点で殺した。対象の臓器を取り出し、重量を計測し、放射能を自動ガンマカウンター (COBRAII, Packard)により測定した。サンプルの放射線量(%)/g は、サンプルのカウントを希釈した初期放射線量と比較することで計算した。結果を表1に示す。

Figure 0005825608
[18F]FPYBF-1は、注射2分後にPETに十分な高い取り込み (5.16%ID/g) を示し、脳における放射能は時間とともに消失した (注射後60分の時点で2.44%ID/g)。正常な脳組織は[18F]FPYBF-1を捕捉するβ−アミロイドプラークを有さないことから、放射能は非常に迅速に排出されるべきである。それゆえ、正常な脳からの[18F]FPYBF-1の迅速なクリアランスは、FPYBF-1がAD脳におけるβ−アミロイドプラークの検出に適することを示している。
インビボで適切な動態を有するリガンドを選択する一つの方法は、排出率の比較のため脳 2 /脳 60 比(brain2 min/brain60 min ratio)を指標として使用することである(非特許文献32)。[18F]FPYBF-1の脳 2 /脳 60 比 (2.1)は、[18F]BAY94-9172 (4.8) (非特許文献14)や[18F]AV-45 (3.8) (非特許文献16)よりも低いが、既報の[18F]FPHBF-1の値 (1.0) (非特許文献21)と比較して改善されていた。この[18F]FPYBF-1の好ましいインビボの薬物動態は、[18F]FPHBF-1のフェニル基をピリジル基に変更することにより達成された。HPLC解析において、[18F]FPYBF-1と[18F]FPHBF-1の保持時間はそれぞれ14.8分と36.5分であり、これは [18F]FPYBF-1の親油性が[18F]FPHBF-1よりも低いことを示唆する。親油性は化合物の脳内への取り込みに影響する因子の一つに過ぎないが(非特許文献4)、脳における[18F]FPYBF-1の好ましい薬物動態を説明しうる。60分の時点での骨への取り込みは減少しており (1.42%ID/g)、これはインビボでの脱フッ素化が殆どなく、画像化への干渉が比較的小さいと期待されることを示唆する。
5.インビトロオートラジオグラフィー
次に、ADおよび対照の被験者由来の脳組織切片を用いて、[18F]FPYBF-1のβ-アミロイドプラークへの特異的結合を確認した。AD患者および対照被験者の死後脳切片 (5 μm, 側頭葉)を[18F]FPYBF-1 (444 kBq/50 μL) と1時間室温でインキュベートした。次いで、切片を飽和Li2CO3 (40% EtOH中)に浸漬し(2分間の洗浄を2回)、40% EtOHで洗浄し (2分間の洗浄を1回)、そして水で30秒すすいだ。乾燥後、18F標識切片をBAS 画像化プレート (富士写真フィルム株式会社、東京、日本)に一晩暴露した。オートラジオグラフィーの画像をBAS5000 スキャナーシステム (富士写真フィルム株式会社)により得た。結果を図4に示す。
オートラジオグラフィーの画像から、ADの脳ではβ−アミロイドプラークが広範囲にわたり標識される(図4A)が、対照の脳では標識されない(図4B)ことがわかった。この結果は、[18F]FPYBF-1が、合成のAβ凝集体に加えて、β−アミロイドプラークにも親和性を示すことを示唆する。
6.[18F]FPYBF-1によるインビボプラーク標識
生体脳組織におけるβ−アミロイドプラークの画像化のためのプローブとしての[18F]FPYBF-1の可能性をさらに明らかにするため、Tg2576マウス (36月齢、雄)と年齢適合対照としての野生型マウス (36月齢、雄)とにおいて、エクスビボでオートラジオグラフィーを行った。Tg2576トランスジェニックマウスは、帯状皮質、歯状回、海馬CA1野に11-13月齢までに顕著なAβ沈着を示し(非特許文献33)、β−アミロイドプラークの特異的結合を評価するためにインビトロおよびインビボの実験で頻繁に使用されている(非特許文献28,34,35)。Tg2576トランスジェニックマウス (36月齢, 雄)と野生型マウス (36月齢, 雄) とをそれぞれアルツハイマー病モデルと年齢適合対照として使用した。1% イソフルレンで麻酔後、11.1 MBqの[18F]FPYBF-1 (200 μLの0.1% BSA溶液中)を尾静脈から注射した。これら動物を30分間回復させ、次いで断頭により殺した。脳を直ちに取り出し、ドライアイス/ヘキサン浴中で凍結した。20 μmの切片を切断し、BAS画像化プレート (富士写真フィルム株式会社、東京、日本) に一晩暴露した。このようにしてエクスビボのフィルムオートラジオグラムを得た。オートラジオグラフィー実験の後、同じ切片をチオフラビン-Sで染色し、β−アミロイドプラークの存在を確認した。チオフラビン-Sの染色のため、切片を0.125% チオフラビン-S溶液(50% EtOH 含有)に3分間浸漬し、50% EtOH中で洗浄した。乾燥後、次いでB-2A フィルターセット(励起, 450-490 nm; ジアクロニックミラー, 505 nm; ロングパスフィルター, 520 nm)を備える顕微鏡 (Nikon, Eclipse 80i) により切片を調べた。結果を図5に示す。
オートラジオグラフィーにより、Tg2576マウスの脳においてβ−アミロイドプラークの鮮明な標識が見られた(図5A)。野性型マウスの脳では、かかる標識は見られなかった(図5B)。β−アミロイドプラークの染色に一般的に使用される病理学的色素であるチオフラビン-Sにより切片を共染色することによって、β−アミロイドプラークが存在することを確認した(図5C)。この結果はインビトロの結果と一致し、[18F]FPYBF-1が脳内のβ−アミロイドに対する結合において非常に選択的であることを示す。
以上のとおり、FPYBF-1は、インビトロのAβ凝集体および剖検AD脳の切片におけるβ−アミロイドプラークに高い親和性を示した。また、FPYBF-1は脳における良好な取り込み (注射後2分の時点で5.16%ID/g)を示し、かつトランスジェニックマウスにおいてエクスビボでβ−アミロイドプラークに対して優れた結合を示した。
[実施例2]
FPYBF-2
Figure 0005825608
1.FPYBF-2の合成
FPYBF-2の合成をスキーム2に示す。

スキーム2
Figure 0005825608

a試薬: (a) Pd(Ph3P)4, 2 M Na2CO3(水溶液)/ジオキサン; (b) 1)NaOMe, MeOH, (CHO)n; 2) NaBH4; (c) BBr3, CH2Cl2;
(d)
Figure 0005825608
, K2CO3, DMF; (e) TBDMSCI, イミダゾール, DCM; (f) TBAF(1M), THF; (g) (BOC)2O, THF; (h) MsCI, Et3N, DCM; (i) TBAF(1M), THF; (j) TFA, DCM。
5-(5-メトキシベンゾフラン-2-イル)ピリジン-2-アミン (1)
Figure 0005825608
5-メトキシベンゾフラン-2-イルボロン酸(576 mg, 3.0 mmol)、5-ヨードピリジン-2-アミン (660 mg, 3.0 mmol)、およびPd(Ph3)4 (366 mg, 0.3 mmol) (2M Na2CO3 (水溶液)/ジオキサン (150 mL, 1:1)中)の溶液を還流下で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却した後、1 M NaOH (20 mL) を添加し、酢酸エチルで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製して、374 mgの化合物1 (52.1%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 3.85 (s, 3H), 4.67(s, 2H), 6.59 (d, 1H, J=8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (d, d, 1H, J1=8.8 Hz, J2=2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J=2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.86 (d, d, 1H, J1=8.8 Hz, J2=2.4 Hz), 8.67(d, 1H, J=2.4 Hz). MS: m/z 241 (M++H).
5-(5-メトキシベンゾフラン-2-イル)-N-メチルピリジン-2-アミン (2)
Figure 0005825608
ナトリウムメトキシド (275 mg, 5.0mmol) をメタノール (15 mL)中の化合物1 (240 mg, 1.0 mmol)に添加し、続いてパラホルムアルデヒド (101 mg, 4.0mmol)を添加した。この溶液を加熱して2時間還流し、氷浴により0℃まで冷却した。水素化ホウ素ナトリウム (128 mg, 4.0 mmol) を添加した。混合物を再び1時間還流に供しし、砕いた氷上に注いだ。酢酸エチルによる抽出操作の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製して、234 mg の化合物1 (92.1%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 2.98 (d, 3H, J =5.2 Hz), 3.84 (s, 3H), 4.78 (s, 1H), 6.47 (d, 1H, J =8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.84 (dd, 1H, J1 =8.8 Hz, J2 =4.4 Hz), 7.00 (d, 1H, J =2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J =8.4 Hz), 7.87 (dd, 1H, J1 =8.8 Hz, J2 =2.4 Hz), 8.59 (d, 1H, J =2.8 Hz). MS: m/z 255 (M++H).
2-(6-(メチルアミノ)ピリジン-3-イル)ベンゾフラン-5-オール (3)
Figure 0005825608
BBr3 (4.8 mL, 1 M溶液(CH2Cl2中))を化合物2(234 mg, 0.92 mmol) (CH2Cl2 (20 mL)中)の溶液に氷浴中で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を氷浴中で冷却しながら水 (20 mL)を添加した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製して、218 mgの化合物3 (99.0%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.98 (d, 3H, J =5.2 Hz), 4.78 (s, 1H), 6.47 (d, 1H, J =8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.84 (dd, 1H, J1 =8.8 Hz, J2 =4.4 Hz), 7.00 (d, 1H, J =2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J =8.4 Hz), 7.87 (dd, 1H, J1 =8.8 Hz, J2 =2.4 Hz), 8.59 (d, 1H, J =2.8 Hz). MS: m/z 241 (M++H).
2-(2-(6-(メチルアミノ)ピリジン-3-イル)ベンゾフラン-5-イルオキシ)エタノール(4)
Figure 0005825608
化合物3 (197 mg, 0.82 mmol) および2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]エタノール (180 μL, 1.20 mmol) (DMF (5 mL)中)の溶液に無水K2CO3 (414 mg, 3.0 mmol)を添加した。反応混合物を18時間100℃で撹拌し、水中に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層をあわせ、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ残渣を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 6)により精製して、224.3 mgの化合物4 (60.3%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.98 (d, 3H, J =5.2 Hz), 3.62 (d, 2H, J =4.4 Hz), 3.70-3.74 (m, 6H), 3.84 (s, 2H), 4.11 (s, 2H), 5.18 (s, 1H), 6.47 (d, 1H, J =8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.84 (dd, 1H, J1 =8.8 Hz, J2 =4.4 Hz), 7.00 (d, 1H, J =2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J =8.4 Hz), 7.87 (dd, 1H, J1 =8.8 Hz, J2 =2.4 Hz), 8.59 (d, 1H, J =2.8 Hz). MS: m/z 373 (M++H).
5-(5-(2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ)ベンゾフラン-2-イル)-N-メチルピリジン-2-アミン (5)
Figure 0005825608
化合物4 (61.2 mg, 0.17 mmol) およびTBDMSCl (41mg, 0.27 mmol)をジクロロメタン (10 mL)に溶解し、続いてイミダゾール (24 mg, 0.34 mmol)を加えた。この溶液を室温で2時間撹拌した。酢酸エチルによる抽出操作の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 6)により精製して、72.5 mgの化合物5 (87.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.08 (s, 6H), 0.90 (s, 9H), 2.98 (d, 3H, J =5.2 Hz), 3.62 (d, 2H, J =4.4 Hz), 3.70-3.74 (m, 6H), 3.84 (s, 2H), 4.11 (s, 2H), 5.18 (s, 1H), 6.47 (d, 1H, J =8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.84 (dd, 1H, J1 =8.8 Hz, J2 =4.4 Hz), 7.00 (d, 1H, J =2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J =8.4 Hz), 7.87 (dd, 1H, J1 =8.8 Hz, J2 =2.4 Hz), 8.59 (d, 1H, J =2.8 Hz). MS: m/z 487 (M++H).
tert-ブチル5-(5-(2-(2-(2-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)ベンゾフラン-2-イル)ピリジン-2-イル(メチル)カルバメート (6)
Figure 0005825608
化合物5 (72.5 mg, 0.15mmol) を無水THF (5.0 mL)に溶解し、続いてBoc無水物 (66 mg, 0.30 mmol)を加えた。この溶液を一晩還流した。酢酸エチルによる抽出操作の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製して、37.4 mgの化合物6 (46.7%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 0.03 (s, 6H), 0.86 (s, 9H), 1.50 (s, 9H), 3.37 (s, 3H), 3.62-3.68 (m, 6H), 3.82-3.88 (m, 2H), 4.09-4.12 (m, 2H), 6.86 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 6.88 (s, 1H), 6.98 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.76 (d, 1H, J = 10Hz), 7.95 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.75 (d, 1H, J = 1.6 Hz). MS: m/z 587 (M++H).
tert-ブチル5-(5-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)ベンゾフラン-2-イル)ピリジン-2-イル(メチル)カルバメート (7)
Figure 0005825608
TBAF (1 M (THF中), 0.30 mL)を注射器により化合物6 (37.4 mg, 0.07 mL) (THF (5 mL)中)の溶液に添加した。この溶液を室温で5時間撹拌した。酢酸エチルによる抽出操作の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製し、30.5 mgの化合物7 (93.0%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.57 (s, 9H), 3.45 (s, 3H), 3.62-3.65 (m, 2H), 3.70-3.78 (m, 6H), 3.83-3.93 (m, 2H), 4.07-4.18 (m, 2H), 6.87(d, 1H, J = 6.8 Hz), 6.94 (s, 1H), 7.06 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.40 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.82 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 8.02 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2 Hz), 8.83 (d, 1H, J = 2.8 Hz). MS: m/z 473 (M++H).
2-(2-(2-(2-(6-(tert-ブトキシカルボニル)ピリジン-3-イル)ベンゾフラン-5-イルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチルメタンスルホネート (8)
Figure 0005825608
化合物7 (30.5 mg, 0.065 mmol)をジクロロメタン (5 mL)に溶解し、続いてトリエチルアミン (35 mg, 0.35 mmol)を加えた。次いで、塩化メタンスルホニル (25 mg, 0.21 mmol) を注射器により添加した。この溶液を室温で3時間撹拌した。酢酸エチルによる抽出操作の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 6)により精製し、24.6 mgの化合物8 (74.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.54 (s, 9H), 3.06 (s, 3H), 3.44 (s, 3H), 3.69-3.72 (m, 6H), 3.79-3.88 (m, 2H), 4.11-4.17 (m, 2H), 4.37-4.39 (m, 2H), 6.90 (dd, 1H, J1 = 9.2 Hz, J2 = 2.8 Hz), 6.95 (s, 1H), 7.05 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.40 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.83 (d, 1H, J = 8.0Hz), 8.02 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.83 (d, 1H, J = 0.8 Hz). HRMS (EI: m/z calcd for C26H34N2O9S (M+) 550.1985, found 550.1989.
tert-ブチル5-(5-(2-(2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ベンゾフラン-2-イル)ピリジン-2-イル(メチル)カルバメート (9)
Figure 0005825608
TBAF (1 M (THF中), 0.20 mL) を化合物8 (27 mg, 0.05 mmol) (無水THF (10 mL)中)の溶液に添加した。混合物を4時間還流した。室温まで冷却した後、酢酸エチルの抽出操作に供し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製して、22.3 mgの化合物9 (94.0%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.57 (s, 9H), 3.44 (s, 3H), 3.71-3.83 (m, 6H), 3.88-3.91 (m, 2H), 4.22-4.51 (m, 1H), 4.61-4.63 (m, 1H), 6.91 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 6.94 (s, 1H), 7.05 (d, 1H, J = 6.0 Hz), 7.38 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.81 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 8.02 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.82 (d, 1H, J = 2.4 Hz). MS: m/z 475 (M++H).
5-(5-(2-(2-(2-フルオロエトキシ)エトキシ)エトキシ)ベンゾフラン-2-イル)-N-メチルピリジン-2-アミン (10)
Figure 0005825608
トリフルオロ酢酸 (1.27 mL) をゆっくりと化合物9 (22.3 mg, 0.047 mmol) (ジクロロメタン (2 mL)中)の溶液に添加した。次いで、混合物を室温で1時間撹拌した。酢酸エチルによる抽出操作の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製し、8.9 mgの化合物10 (50.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 2.98 (d, 3H, J = 5.2 Hz), 3.71-3.80 (m, 6H), 3.79-3.88 (m, 2H), 4.11- 4.18 (m, 2H), 4.49-4.51 (m, 1H), 4.61-4.63 (m, 1H), 4.80 (s, 1H), 6.45 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.75 (s, 1H), 6.85 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.01 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.59 (d, 1H, J = 2 Hz). HRMS (EI: m/z calcd for C20H23FN2O4 (M+) 374.1642, found 374.1650.
2.インビトロにおけるAβ凝集体に対する結合試験
実施例1に記載ように、FPYBF-2のAβ凝集体に対する親和性を評価した。結果を図6に示す。FPYBY-2の阻害定数は、Ki=2.41±0.11 nMであった。
3.18F標識FPYBF-2の製造
Figure 0005825608
試薬および条件:(a) Kryptofix222/K2CO3, 18F, MeCN, 120℃ 5 分; (b) 10%HCl(水溶液), 120℃ 5 分。
[18F]フッ化物は、サイクロトロン (CYPRIS HM-18、住友重機械工業株式会社、東京) により18O (p,n)18F 反応を介して製造し、18Oに富む水における水溶液としてSep-Pak Light QMA カートリッジ (Waters)に通した。このカートリッジをN2により乾燥させ、18F 活性を1.0 mL のKryptofix 222/K2CO3 溶液 (9.5 mgのKryptofix 222と1.7 mgのK2CO3とをアセトニトリル/水 (96/ 4)中に含む)により溶出した。溶媒を120℃でアルゴンガス流下除去した。残渣を、1 mLの無水アセトニトリルを用いて共沸により120℃において窒素ガス流下で2回乾燥させた。メシラート前駆体8 (1.0 mg)(アセトニトリル (200 μL)中)の溶液を、18F 活性を含む反応容器に添加した。この混合物を120℃で5分間加熱し、1分間冷却した。次いで、HCl (10% 水溶液, 450μL) を添加し、混合物を再び120℃で5分間加熱した。NaOH水溶液を添加して、pHを塩基性 (pH 8-9)に調節した。混合物を酢酸エチル (1 mL×2) により抽出し、溶媒を窒素ガス下除去した。残渣を予備的HPLC [YMC-Pack Pro C18 カラム (20 mm× 150 mm), アセトニトリル/水 (70/30), 流速 4.0mL/分]により精製した。所望の18F標識産物の保持時間は13.3 分である。放射化学的純度および特異的活性を、分析用HPLC [YMC-Pack Pro C18 カラム (4.6 mm × 150 mm), アセトニトリル/水 (50/50), 流速 1.0 mL/分]で測定し、[18F]FPYBF-2を放射化学的純度>99%、特異的活性242 GBq/μmolで得た。特異的活性は、精製18F標識化合物のUVピーク強度を既知の濃度の参照用非放射性化合物と比較することにより評価した。
4.正常マウスにおける生体内分布
実施例1に記載のように、[18F]FPYBF-2の生体内分布を評価した。胃および腸については、各臓器の放射線量の割合を、組織のカウントを適切に希釈した注射材料のアリコートと比較することで計算した。結果を表2に示す。

Figure 0005825608
5.インビトロオートラジオグラフィー
実施例1に記載のように、[18F]FPYBF-2のβ-アミロイドプラークへの特異的結合を確認した。結果を図7に示す。
6.[18F]FPYBF-2によるインビボプラーク標識
実施例1に記載のように、Tg2576トランスジェニックマウスにおいて[18F]FPYBF-2のβ−アミロイドプラークへの結合を確認した。結果を図8に示す。
[実施例3]
99mTc/Re-BAT-Bp
Figure 0005825608
M: 99mTc/Re
1.Re-BAT-Bpの合成
Re-BAT-Bpの合成をスキーム3に示す。

スキーム3
Figure 0005825608
試薬:(a) Pd(Ph3P)4, 2 M Na2CO3(水溶液)/ジオキサン; (b) パラホルムアルデヒド, シアノ水素化ホウ素ナトリウム, 酢酸; (c)BBr3, CH2Cl2; (d)1,3-ジブロモプロパン, CH3CN, K2CO3; (e)Tr-Boc-BAT, CH3CN, DIPEA; (f) トリエチルシラン, TFA; (g) (Ph3P)2ReOCl3, AcONa, CH2Cl2/MeOH。
5-(5-メトキシベンゾフラン-2-イル)ピリジン-2-アミン (1)
Figure 0005825608
5-メトキシベンゾフラン-2-ボロン酸 (576 mg, 3.0 mmol)、2-アミノ-5-ヨードピリジン (660 mg, 3.0 mmol)、およびPd(Ph3)4 (366 mg, 0.3 mmol) (2 M Na2CO3 (水溶液)/ジオキサン (150 mL, 1:1)中)の溶液を還流下で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、1 M NaOH (20 mL)を添加した。酢酸エチルで抽出した後、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製して、374 mgの化合物1 (52.1%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.85 (s, 3H), 4.67(s, 2H), 6.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.67 (d, 1H, J =2.4 Hz). MS: m/z 241 (M++H).
5-(5-メトキシベンゾフラン-2-イル)-N, N-ジメチルピリジン-2-アミン (2)
Figure 0005825608
化合物1 (360 mg, 1.5 mmol)、パラホルムアルデヒド (450 mg, 15 mmol)、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム (284 mg, 4.5 mmol) (酢酸 (20 mL)中)の混合物を室温で一晩撹拌し、次いで100 mLの水に注いだ。炭酸ナトリウムを添加して、pHを8-9に調節した。酢酸エチルによる抽出操作の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=3 : 1)により精製して、249 mgの化合物2 (62.0%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.15 (s, 6H), 3.85 (s, 3H), 6.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.67 (d, 1H, J = 2.4 Hz). MS: m/z 269 (M++H).
2-(6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ベンゾフラン-5-オール (3)
Figure 0005825608
BBr3 (4.8 mL, 1 M 溶液 (CH2Cl2中)) を化合物2 (248 mg, 0.93 mmol) (CH2Cl2 (20 mL)中)の溶液に氷浴中で滴下した。混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を氷浴中で冷却しながら水 (20 mL)を添加した。酢酸エチルで抽出した後、有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=1 : 1)により精製して、234 mgの化合物3(98.9%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 3.15 (s, 6H), 4.89 (s, 1H), 6.59 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.76 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 7.07 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.67 (d, 1H, J = 2.4 Hz). MS: m/z 255 (M++H).
5-(5-(3-ブロモプロポキシ)ベンゾフラン-2-イル)-N,N-ジメチルピリジン-2-アミン (4)
Figure 0005825608
化合物3 (324.9 mg, 1.27 mmol) (CH3CN (20 mL)中)の溶液にK2CO3 (216 mg, 1.57 mmol)および1,3-ジブロモプロパン (0.65 mL, 6.4 mmol)を添加した。混合物を加熱して18時間還流し、室温まで冷却した後、蒸発乾固した。残渣 をCHCl3に溶解し、塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固した。未精製産物をシリカゲルクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン= 3 : 7)にかけ、275 mgの化合物4 (収率73.2 %)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ2.09 (t, 2H, J = 6.4 Hz), 3.09 (s, 6H), 3.60(t, 2H, J = 6.4 Hz), 4.08 (t, 2H, J = 5.8 Hz), 6.48 (s, 1H), 6.68 (s, 1H), 6.80 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 6.96 (s, 1H), 7.33 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.79 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 8.64 (s, 1H). MS: m/z 375 (M++H).
tert-ブチル2-((3-(2-(6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ベンゾフラン-6-イルオキシ)プロピル)(2-(トリチルチオ)エチル)アミノ)エチル(2-(トリチルチオ)エチル)カルバメート (5)
Figure 0005825608
化合物4 (272 mg, 0.72 mmol) およびtert-ブチル 2-(トリチルチオ)エチル(2-(2-(トリチルチオ)エチルアミノ)エチル)カルバメート (TRT-Boc-BAT) (550 mg, 0.72 mmol) (アセトニトリル (30 mL)中)の溶液にDIPEA (225 μL, 1.45 mmol)を添加した。反応混合物を加熱して、12時間還流した。溶媒が蒸発したところで飽和NaCl溶液を添加し、CHCl3で抽出後、有機層をあわせてNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固した。未精製産物をシリカゲルクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン= 3 : 7)にかけ、343.6 mgの化合物5 (収率45.0 %)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.26 (s, 9H), 1.61 (s, 2H), 2.16-2.30 (m, 10H), 2.77-2.87 (m, 4H), 2.97 (s, 6H), 3.81 (s, 2H), 6.40 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 6.55 (s, 1H), 6.66 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 6.84 (s, 1H), 7.03-7.20 (m, 19H), 7.21-7.31 (m, 12H), 7.71 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 8.55 (s, 1H). HRMS (FAB+): m/z calcd for C67H71N4O4S2 (MH+) 1059.4917, found 1059.4910.
Re-BAT-Bp (6)
化合物5 (137.6 mg, 0.13 mmol) (TFA (6 mL)中)の溶液にトリエチルシラン (0.29 mL) を添加し、10 分間撹拌し、次いで溶媒を窒素ガス流下で除去した。残渣 を10 mL CH2Cl2に溶解し、(Ph3P)2ReOCl3 (217 mg, 0.26 mmol) および1 M 酢酸ナトリウム (メタノール (7 mL)中)を添加した。反応混合物を加熱して4時間還流し、次いで室温まで冷却した。酢酸エチル (60 mL) を添加し、混合物を濾過した。溶媒を蒸発させ残渣を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー (CHCl3 : CH3OH = 10 : 1)により精製して、29 mgの化合物6 (収率33%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ2.27-2.34 (m, 2H), 2.98-3.06 (m, 2H), 3.16 (s, 6H), 3.28-3.47 (m, 2H), 3.78-3.93 (m, 2H), 4.07-4.33 (m, 6H), 6.56 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.75 (s, 1H), 6.80 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 6.98 (s, 1H), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.86 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 8.65 (s, 1H). HRMS (FAB+): m/z calcd for C24H32N4O3ReS2 (MH+) 675.1471, found 675.1469.
2.Re-BAT-Bpの精製
HPLCの結果を図9に示す。
3.インビトロにおけるAβ凝集体に対する結合試験
実施例1に記載のように、50 μLのRe-BAT-Bp (0.008 pM-400 μM (10% EtOH中))を用いて結合試験を行った。結果を図10に示す。Re-BAT-BpのIC50は13.6 ± 0.30 (nM)であった。
4.99mT標識反応およびRP-HPLCによる分析
Figure 0005825608
1) TFA, Et3SiH; 2) CH3CN, 0.1 N HCl, 99mTc-GH.
ヘプタン酸ナトリウム二水和物 (2 g, 7.04 mmol) (ナノピュア水 (25 mL)中)の溶液に0.75 mLのSnCl2・2H2O溶液 [12 mgの塩化Tin (II) 二水和物 (53.2 mmol)を15 mLの0.1 M HClに溶解]を添加した。この溶液のpHを少量の0.1 M NaOH によりpH 8.5-9.0に調節し、次いで凍結乾燥してSnグルコヘプトン酸 (SnGH) を得た。SnGH (1 mg)をNa99mTcO4 溶液 (200 μL)に添加し、室温で10 分間反応させ、99mTcGH溶液を得た。化合物5 (0.5 mg) (TFA (200 μL)中)の溶液にトリエチルシラン (10 μL)を混和後、溶媒を窒素ガス流下で除去した。残渣をアセトニトリル (200 μL)に溶解し、0.1 M HCl (15 μL)および99mTcGH溶液 (200 μL)を添加した。反応混合物を80-90℃まで10分間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をRP-HPLCで精製し、[99mTc]BAT-Bpを得た。[99mTc]BAT-Bp を、分析用RP-HPLCにより、Cosmosil C18 カラムを用いて、溶媒をH2O/アセトニトリル (0:00 (開始) 3/2 → 30:00 3/7)とし、流速 1.0 mL/分で分析した。複合体の吸収を254 nmにて測定し、99mTc標識型の放射能を60 分間記録した。
5.正常マウスにおける生体内分布
実施例1に記載のように、ddY マウス (22-25 g, 雄) の尾静脈に100 μLの[99mTc]BAT-Bp (4 μCi)含有生理食塩水を注射した。結果を表3に示す。
Figure 0005825608
6.インビトロオートラジオグラフィー
Tg2576マウスおよび対照の野生型マウスの脳切片 (10 μm)を、[99mTc]BAT-Bp (93 kBq/200 μL)と1時間室温でインキュベートした。次いで、切片を50% EtOHで洗浄し (2分間の洗浄を2回)、水で30秒間すすいだ。乾燥後、99mTc標識切片をBAS画像化プレート (富士写真フィルム株式会社、東京、日本)に一晩暴露した。オートラジオグラフィーの画像をBAS5000 スキャナーシステム (富士写真フィルム株式会社)により得た。結果を図11に示す。[99mTc]BAT-Bpにより、Tg2576マウス脳切片のβ−アミロイドプラークは標識されたが、野生型マウスの脳切片は標識されなかった。
[実施例4]
99mTc/Re-BAT-Bp-5
Figure 0005825608
M: 99mTc/Re
1.Re-BAT-Bp-5の合成
Re-BAT-Bp-5の合成をスキーム4に示す。

スキーム4
Figure 0005825608
試薬:(a) Pd(Ph3P)4, 2 M Na2CO3(水溶液)/ジオキサン; (b) パラホルムアルデヒド, シアノ水素化ホウ素ナトリウム, 酢酸; (c)BBr3, CH2Cl2; (d)1,5-ジブロモプロパン, CH3CN, K2CO3; (e)Tr-Boc-BAT, CH3CN, DIPEA; (f) トリエチルシラン, TFA; (g) (Ph3P)2ReOCl3, AcONa, CH2Cl2/MeOH。
5-(5-(5-ブロモペントキシ)ベンゾフラン-2-イル)-N,N-ジメチルピリジン-2-アミン (4)
Figure 0005825608
実施例3に記載のとおり、化合物1〜3を合成した。化合物3 (154.7 mg, 0.61 mmol) (CH3CN (20 mL)中)の溶液にK2CO3 (216 mg, 1.57 mmol)および1,3-ジブロモプロパンおよび1,5-ジブロモペンタン (139 mg, 0.61 mmol)を添加した。混合物を加熱して18時間還流し、室温まで冷却した後、蒸発乾固した。残渣 をCHCl3に溶解し、塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固した。未精製産物をシリカゲルクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン= 3 : 7)にかけ、275 mgの化合物4 (収率50.2 %)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.48-1.56 (m, 2H), 1.67-1.72 (m, 2H), 1.79-1.86 (m, 2H), 3.01 (s, 6H), 3.30-3.34 (m, 2H), 3.84-3.87 (m, 2H), 6.40 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6,61 (s, 1H), 6.70 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 6.85 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 7.24 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.71 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.54 (d, 1H, J = 2.0 Hz). MS: m/z 404 (M++H).
tert-ブチル2-((5-(2-(6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ベンゾフラン-5-イルオキシ)ペンチル)(2-(トリチルチオ)エチル)アミノ)エチル(2-(トリチルチオ)エチル)カルバメート (5)
Figure 0005825608
化合物4 (124.4 mg, 0.31 mmol) およびtert-ブチル 2-(トリチルチオ)エチル(2-(2-(トリチルチオ)エチルアミノ)エチル)カルバメート (TRT-Boc-BAT) (237.2 mg, 0.31 mmol) (アセトニトリル (20 mL)中)の溶液にDIPEA (96.2 μL, 0.62 mmol)を添加した。反応混合物を加熱して、12時間還流した。溶媒が蒸発したところで飽和NaCl溶液を添加し、CHCl3で抽出後、有機層をあわせてNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固した。未精製産物をシリカゲルクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン= 3 : 7)にかけ、343.6 mgの化合物5 (収率45.0 %)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.28 (s, 13H), 1.65 (m, 2H), 2.17 (m, 10H), 2.88 (m, 4H), 3.03 (s, 6H), 3.85 (m, 2H), 6.45 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 6.62 (s, 1H), 6.72 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 6.88 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.10 (m, 19H), 7.15 (m, 12H), 7.75 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.56 (d, 1H, J = 2.4 Hz). HRMS (FAB+): m/z calcd for C69H74N4O4S2 (MH+) 1087.5230, found 1087.5238.
Re-BAT-Bp-5 (6)
化合物5 (86.2 mg, 0.079 mmol) (TFA (3 mL)中)の溶液にトリエチルシラン (0.29 mL) を添加し、10 分間撹拌し、次いで溶媒を窒素ガス流下で除去した。残渣 を10 mL CH2Cl2に溶解し、(Ph3P)2ReOCl3 (135 mg, 0.15 mmol) および1 M 酢酸ナトリウム (メタノール (5 mL)中)を添加した。反応混合物を加熱して4時間還流し、次いで室温まで冷却した。酢酸エチル (60 mL) を添加し、混合物を濾過した。溶媒を蒸発させ残渣を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー (CHCl3 : CH3OH = 10 : 1)により精製して、17 mgの化合物6 (収率30%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ1.56-1.63 (m, 6H), 1.75-1.94 (m, 4H), 2.96-3.03 (m, 2H), 3.16 (s, 6H), 3.22-3.39 (m, 4H), 3.76-3.86 (m, 2H), 4.01-4.04 (m, 2H), 4.09-4.15 (m, 2H), 6.58 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 6.75 (s, 1H), 6.82 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 6.99 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.99 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 7.36 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.88 (dd, 1H, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz), 8.65 (d, 1H, J = 2.4 Hz). HRMS (FAB+): m/z calcd for C26H35N4O3ReS2 (MH+) 703.1784, found. 703.1781.
2.Re-BAT-Bp-5の精製
HPLCの結果を図12に示す。
3.99mT標識反応およびRP-HPLCによる分析
Figure 0005825608
1) TFA, Et3SiH; 2) CH3CN, 0.1 N HCl, 99mTc-GH.
実施例3に記載のようにして、[99mTc]BAT-Bp-5を得て、RP-HPLCにより分析した。
4.正常マウスにおける生体内分布
実施例1に記載のように、ddY マウス (22-25 g, 雄) の尾静脈に100 μLの[99mTc]BAT-Bp-5 (4 μCi)含有生理食塩水を注射した。結果を表4に示す。
Figure 0005825608
5.インビトロオートラジオグラフィー
実施例3に記載のように、[99mTc]BAT-Bp-5がTg2567トランスジェニックマウスのβ−アミロイドプラークに結合することを確認した(図13)。
[先行技術文献]
[非特許文献]
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Claims (13)

  1. 一般式(II)
    Figure 0005825608
    〔式中、R、式:−(CHCH −X(式中、nは1〜10の整数を表し、Xはハロゲン原子を表す。)であり
    は、式:−NRaRb(式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して水素原子及びC1−3アルキル基のいずれかを表す。)で示される基である〕
    で表される化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  2. nが1〜5の整数である、請求項記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  3. XがFである、請求項1または2記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  4. 化合物が下記の式のものである、請求項1〜3いずれかに記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
    Figure 0005825608
  5. 化合物が下記の式のものである、請求項1〜3いずれかに記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
    Figure 0005825608
  6. 放射性核種で標識されている、請求項1〜いずれかに記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  7. 18Fにて標識されている、請求項1〜6いずれかに記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
  8. 下記の式で表される、請求項記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
    Figure 0005825608
  9. 下記の式で表される、請求項記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
    Figure 0005825608
  10. 請求項のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する、アミロイド関連疾患診断用組成物。
  11. アミロイド関連疾患が、アルツハイマー病、地中海熱、マックル−ウェルズ症候群、突発性骨髄腫、アミロイド多発性神経障害、アミロイド心筋症、全身性老年性アミロイドーシス、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、ダウン症候群、スクラピー、クロイツフェルト−ヤーコプ病、クールー、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー症候群、甲状腺の髄様癌、孤立心房性アミロイド、透析患者におけるβ−ミクログロブリンアミロイド、封入体筋炎、筋消耗病におけるβ−アミロイド沈着、およびランゲルハンス島II型糖尿病インスリノーマからなる群から選択される、請求項10記載の組成物。
  12. 請求項のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む、アミロイドプラークの画像化剤。
  13. 求項のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩の検出可能な量を導入された哺乳動物を、コンピューター断層撮影法(SPECT)または陽電子断層撮影法(PET)により撮影する程を包含する、アミロイドプラークを画像化するための方法。
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