JP5824907B2 - 磁気抵抗素子及び磁気記憶装置 - Google Patents

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本発明は、磁気抵抗素子及び磁気記憶装置に関する。
電源を断っても記憶が消失しない不揮発性メモリ素子の一つに、磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic random access memory:MRAM)がある。MRAMは、SRAMに匹敵する高速な読み書き動作が可能であり、消費電力がフラッシュメモリの1/10程度であること、高集積化が可能であること等の長所を有している。即ちMRAMは、メモリ素子として重要な属性を殆ど備えている。このため、SRAM(高速動作性)、DRAM(高集積性)、フラッシュメモリ(不揮発性)の全ての機能を備えた、いわゆるユニバーサルメモリとしての応用が期待されている。
特開2010−165790号公報
Slonczewski: J. Magn. Magn. Mater. 159 L1 (1996) S. Ikeda et al. Nature Mater., 9, 721 (2010)
スピン注入型のトンネル型磁気抵抗素子(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)では、従来の配線磁場書き込み方式の素子に比べ、書き込み電流が小さく、高密度化が可能である。しかしながら、現在の単純な膜構造では、書き込み電流密度が2MA/cm2以上で90nm以下の線幅を持つトランジスタで書き込むことは容易ではない。自由磁化層の膜厚を薄くしたり、素子面積を小さくすれば書き込み電流Icは減少するが、リテンション(Δ)も自由磁化層の体積に比例するために共に減少してしまう。
MTJの書き込み電流密度Jc0は、以下の式(1)で表わされる(非特許文献1を参照)。
c0=αγeMst(Hext±Hk−±Hd)/μBg ・・・(1)
ここで、αはダンピング定数、γはザイロ定数、eは電子の電荷、Msは自由磁化層の飽和磁化、Hextは外部磁場、Hkは自由磁化層の磁気異方性、Hdは自由磁化層の面直方向の反磁界、μBはBohr magneton、gはスピントルク効率である。
MTJのリテンションΔは以下の式(2)で表わされる。
Δ=KuV/kBT ・・・(2)
ここで、Kuは自由磁化層の異方性エネルギー、Vは自由磁化層の体積、kBはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
書き込み電流はJc×自由磁化層の面積で規定され、書き込み電流IcとΔはいずれも自由磁化層の体積Vに比例するため、IcとΔはお互いにトレードオフの関係にある。即ち、自由磁化層の面積を小さくすればIcは減少するが、Δも共に減少する。面内方式のMTJでKuは殆ど形状磁気異方性から発生するために、面積とアスペクト比を減らすことに限界がある。
これに対して、磁気異方性が大きく、微小な素子でも大きなΔを確保する垂直磁化膜を備えたMTJが提案された。このMTJでは、Kuは形状磁気異方性ではなく結晶磁気異方性から発生する。また、上記の式(1)中の、垂直方向への反磁界成分Hdが0になるため、Jcも小さくなる。ところが、主に貴金属とCo或いはFeとの金属間化合物からなる合金系の垂直磁化膜を形成するには、合金の規則度を高くするために基板を加熱しながら成膜する必要があり、製造のコスト及びスループットの面で不利である。また、自由磁化層の物理的な膜厚も一定以上に厚くしないと結晶磁気異方性が発生し難いため、フリー層が厚くなってJcが上昇するという問題がある。
そこで、薄いCoFeB層のみで垂直磁化膜を構成したMTJが提案されている(非特許文献2を参照)。このMTJは、Ru及びTaが積層されてなる下部電極上に、厚みが1nm程度の一対のCoFeB層でMgOからなるトンネルバリア層を挟み、上部のCoFeB層上にTaからなるキャップ層が形成されてなる。この場合、2層のCoFeB層のうちの一方が固定磁化層、他方が自由磁化層となる。
しかしながら、上記のようなMTJでは、固定磁化層と自由磁化層とが、共にほぼ同じ厚みのCoFeBからなるため、両者の保持力の差異が小さく、未だ十分なリテンションΔを有するものではない。CoFeBを特に固定磁化層に用いるには、更に熱的に安定な構造が必要である。熱的に安定な動作のためには、固定磁化層の動作がスピントルク効果の影響で熱揺らぎを生じてはならず、固定磁化層が自由磁化層より遥かに大きいΔ(2倍以上)を有することが必須である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、書き込み電流を低減させたまま、リテンション、特に固定磁化層の大きなリテンションを十分に確保することができ、熱的に安定な動作を可能とする信頼性の高い磁気抵抗素子及び磁気記憶装置を提供することを目的とする。
磁気抵抗素子の一態様は、主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が固定された固定磁化層と、主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が変化可能である自由磁化層と、前記固定磁化層と前記自由磁化層との間に設けられたトンネルバリア層とを含み、前記固定磁化層と前記自由磁化層の双方は、それぞれ、前記トンネルバリア層に接する第1磁性層と、前記第1磁性層に接するTaからなる挿入層と、前記挿入層に接するRuからなるスペーサ層と、前記スペーサ層に接する第2磁性層とを有する。
磁気記憶装置の一態様は、磁気抵抗素子及び駆動トランジスタを備えたメモリセルが複数配置されてなる磁気記憶装置であって、前記磁気抵抗素子は、主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が固定された固定磁化層と、主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が変化可能である自由磁化層と、前記固定磁化層と前記自由磁化層との間に設けられたトンネルバリア層とを含み、前記固定磁化層と前記自由磁化層の双方は、それぞれ、前記トンネルバリア層に接する第1磁性層と、前記第1磁性層に接するTaからなる挿入層と、前記挿入層に接するRuからなるスペーサ層と、前記スペーサ層に接する第2磁性層とを有する。
上記の諸態様によれば、書き込み電流を低減させたまま、リテンション、特に固定磁化層の大きなリテンションを十分に確保することができ、熱的に安定な動作を可能とする信頼性の高い磁気抵抗素子及び磁気記憶装置が実現する。
第1の実施形態によるMTJの概略構成を示す概略断面図である。 VSMにより、主面に垂直方向の飽和磁場を測定し、CoFeBの垂直成分を評価した結果を示す特性図である。 図2においてCoFeBの厚みが1nmの場合の磁化曲線を示す特性図である。 XRDにより試料のX強度を調べた結果を示す特性図である。 Ru/CoPt(1.2)/Ru(0.4)/Ta(0.2)/CoFeB(1)/MgOの積層構造の磁化曲線をVSMで垂直方向に測定した結果を示す特性図である。 第1の実施形態の変形例1によるMTJの概略構成を示す概略断面図である。 第1の実施形態の変形例2によるMTJの概略構成を示す概略断面図である。 第2の実施形態によるMRAMの概略構成を示す平面図である。 第2の実施形態によるMRAMの製造方法を工程順に示す概略断面図である。 第2の実施形態によるMRAMの磁気メモリ素子の製造方法を工程順に示す概略断面図である。 図10に引き続き、第2の実施形態によるMRAMの磁気メモリ素子の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
以下、磁気抵抗素子及び磁気記憶装置の具体的な諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、MTJの構造を開示する。
図1は、第1の実施形態によるMTJの概略構成を示す概略断面図である。
本実施形態によるMTJ10は、所定の下部電極、例えばTaからなる下部電極11上にバッファ層12を介して形成される。
MTJ10は、下部磁性層1と上部磁性層3とでトンネルバリア層2を挟持し、上部磁性層3上にTa又はRu等のキャップ層4が形成されて構成されている。
下部磁性層1及び上部磁性層3は、一方が主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が固定された固定磁化層となり、他方が主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が変化可能である自由磁化層となる。本実施形態では、上部磁性層3は下部磁性層1よりも薄く、下部磁性層1が固定磁化層、上部磁性層3が自由磁化層とされることが望ましい。
バッファ層12は、Ru,Pt,Rh,Pd,Cuから選ばれた少なくとも1種からなる2nm〜10nm程度の厚みのものである。本実施形態では、例えばRu又はRu/Ptの積層構成(RuとPtとが順次積層された構成)とされている。
下部磁性層1は、トンネルバリア層2と接する第1自由層1aと、第1自由層1aに接する挿入層1bと、挿入層1bに接するスペーサ層1cと、スペーサ層1cに接する第2自由層1dとを有して構成される。本実施形態では、バッファ層12上に、第2自由層1d、スペーサ層1c、挿入層1b、第1自由層1aの順に積層される。
第1自由層1aは、垂直磁性膜として機能するものであり、Co,Fe,Niのうちから選ばれた少なくとも1種とBとを含む材料からなり、0.9nm〜1.3nm程度の厚みに形成される。本実施形態では、例えばCoFeBで1nm程度の厚みとする。第1自由層1aは、その厚みが0.8nmよりも薄いと界面垂直磁化膜にならず、1.3nmよりも厚いと水平磁化膜となってしまう。従って、第1自由層1aを厚み0.9nm〜1.3nm程度に形成することが好ましい。
挿入層1bは、Taからなり、0.1nm〜0.4nm程度の厚み、例えば0.2nm程度に形成される。挿入層1bは、その厚みが0.1nmよりも薄いと第1自由層1aを十分に垂直磁性膜とすることができず、0.4nmよりも厚いとスペーサ層1cのRuの交換結合力が不十分となる。また、0.4nmよりも厚いと後述のように所期のエッチングが困難となる。従って、挿入層1bを厚み0.1nm〜0.4nm程度に形成することにより、スペーサ層1cの交換結合力を十分に確保するも、第1自由層1aを確実に垂直磁性膜とすることができる。
スペーサ層1cは、Ruからなり、0.4nm〜2nm程度の厚み、例えば0.4nm程度に形成される。スペーサ層1cは、その厚みが0.4nmよりも薄いと第1自由層1aを十分に垂直磁性膜とすることができず、2nmも厚いと交換結合力が働かなくなる。従って、スペーサ層1cを厚み0.4nm〜2nm程度に形成することが好ましい。
第2自由層1dは、主面に垂直方向の結晶磁気異方性を有する薄膜(PMA)であり、以下の(1)〜(4)から選ばれたいずれか1種からなり、0.5nm〜10nm程度の厚み、例えば1.2nm程度に形成される。第2自由層1dは、第1自由層と反平行(あるいは平行)結合し、その結合膜全体の磁化があまり大きくならないように、第2自由層の厚みを決めることが好ましい。
(1)Co又はFeとPt又はPdとの合金(以下、(Co又はFe,Pt又はPd)合金と記す)。
(2)Co又はFeとPt又はPdとの積層膜。
(3)(Co又はFe,Pt又はPd)合金の多層膜。
(4)CoとNiとの合金(以下、(Co,Ni)合金)と記す)の多層膜。
上部磁性層3は、垂直磁性膜として機能するものであり、Co,Fe,Niのうちから選ばれた少なくとも1種とBとを含む材料からなり、0.9nm〜1.3nm程度の厚みに形成される。本実施形態では、例えばCoFeBで1nm程度の厚みとする。上部磁性層3は、その厚みが0.8nmよりも薄いと界面垂直磁化膜にならず、1.3nmよりも厚いと平行磁化膜となってしまう。従って、上部磁性層3を厚み0.8nm〜1.3nm程度に形成することが好ましい。
本実施形態のMTJ10において、第1自由層1aとスペーサ層1cとの間に挿入層1bを配したことの技術的意義について、挿入層1bを設けない比較例との比較に基づいて説明する。
VSM(Vibrating Sample Magnetometry)により、主面に垂直方向の飽和磁場を測定し、CoFeBの垂直成分を評価した。その結果を図2に示す。
本実施形態の試料Aとして、シリコン基板上にRu(8)/Ta(0.2)/CoFeB(t)/MgO(1)/Ta(5)の順に積層した構造物を用いた。比較例の試料Bとして、シリコン基板上にRu(8)/CoFeB(t)/MgO(1)/Ta(5)の順に積層した構造物を用いた。ここで、括弧内の数字は膜厚であり、単位はnmである。CoFeBの膜厚tを0.8nmから1.5nmまで変化させた。
ここで、垂直方向の反磁界Hdzと、飽和した磁場Hsとは同じである。有効反磁界Hd_effは、
d_eff=Hdz−Hkz
であるため、主面に垂直方向のHsが小さいということは、垂直方向の磁気異方性Hkzが大きいことを意味する。図2から、CoFeBにRuのみが接する構成の試料Bよりも、CoFeBとRuとの間に厚み0.2nmのTaが挿入された構成の試料Aの方が、磁気異方性が垂直になり易いことが判る。
図3は、図2においてCoFeBの厚みが1nmの場合の磁化曲線を示す特性図である。図3から、試料Bよりも試料Aの方が角型性に優れ、界面垂直異方性により垂直膜になっていることが判る。
上記のように、第1自由層1aとRuからなるスペーサ層1cとの間にTaからなる挿入層1bを配することにより、第1自由層1aの確実な垂直異方性が得られることが確認された。挿入層1bの厚みは制限がある。それは、挿入層1bのTaがMRAMの製造プロセスで用いられる反応性イオンエッチング(RIE)のエッチングストッパとして機能するためである。Taが1.5nm以上に厚くなるとエッチングが困難となり、エッチングされるとしても第1自由層1aのCoFeB、又はトンネルバリア層2bのMgOにダメージを与える。従って、挿入層1bの厚みを0.1nm〜1.5nm程度、更に、第1自由層1aに確実な垂直異方性を付与すること、及びスペーサ層1cとで十分な交換結合力を得ることを考慮すれば、0.1nm〜0.4nm程度に限定することを要する。
挿入層1bによって第1自由層1aに界面垂直異方性が発生する理由は、CoFeBの結晶構造にあると思われる。CoFeBは、スパッタ等で成膜した直後には、非結晶の状態である。
図4は、XRD(X-Ray Diffractometry)により試料のX強度を調べた結果を示す特性図である。試料としては、Ta(5)/Ru(8)/Ta(0.2)/(Co30Fe)B16(10)/MgO(1)/Ta(5)のものと、Ta(5)/Ru(8)/(Co30Fe)B16(10)/MgO(1)/Ta(5)のものとを用いた。括弧内の数字は膜厚であり、単位はnmである。
図4から、前者の試料でRu(8)/Ta(0.2)上にCoFeBを成膜すると、350℃の熱処理後にもCoFeBが結晶化せず、非結晶の状態で残ることが判った。後者の試料でRu(8)上にCoFeBを成膜すると、CoFeBは熱処理後にbcc(110)に結晶化する。厚いTa上にCoFeBを成膜すると、CoFeBは熱処理後にbcc(001)に結晶化する。Ru(8)/Ta(0.2)上に成膜されたCoFeBに垂直異方性が付与され易いのは、熱処理後にも非結晶の状態で残るためであると考えられる。
CoFeBの単一膜で垂直磁性膜を形成することができるが、CoFeB単独では熱揺らぎに対する安定性が十分ではない。特に、固定磁化層として機能する薄膜は、自由磁化層として機能する薄膜に比べて2倍以上の熱安定性を必要とする。この熱安定性を実現すべく、本実施形態では、図1のように、CoFeB等の第1自由層1aと、結晶磁気異方性を有する第2自由層1dとを含む多層構造とする。第1自由層1aを、Ruのスペーサ層1cを利用して、垂直磁性膜である第2自由層1dと結合させる。薄いRuであるスペーサ層1cを強磁性層(第1自由層1a及び第2自由層1d)の間に配することにより交換結合力が働き、Ruの膜厚によって両側の強磁性層が平行或いは反平行結合する。ある程度強い結合力を保つため、Ruの膜厚は0.4nm〜2nm程度の間にすることが望ましい。本実施形態では、第1自由層1aとRuのスペーサ層1cとの間にTaの挿入層1bを配する。これにより、第1自由層1aの界面垂直成分と高い磁気抵抗比(MR)とを維持することができる。但し、挿入層1bが厚過ぎるとスペーサ層1cのRuの交換結合力を十分に得ることができなくなる。そのため、挿入層1bは0.1nm〜0.4nm程度の厚みとすることが望ましい。
図5は、Ru/CoPt(1.2)/Ru(0.4)/Ta(0.2)/CoFeB(1)/MgOの積層構造(括弧内の数字は膜厚であり、単位はnmである。)の磁化曲線をVSMで垂直方向に測定した結果を示す特性図である。図中の矢印は、各磁場においてCoFeBとCoPtの磁化の方向を示しており、低い磁場領域でRuによって反平行結合していることが判る。
上記のように、MTJ10の下部磁性層1において、第1自由層1aとRuのスペーサ層1cとの間にTaの挿入層1bを配することにより、第1自由層1aの界面垂直異方性が大きく発生する。また、固定磁化層或いは自由磁化層の熱安定性を向上させるため、界面垂直異方性を持つほどに薄い第2自由層1dを設ける。第1自由層1aと第2自由層1dとの間に挿入層1b及びスペーサ層1cを配することにより、MRのみならず、第1自由層1aの界面磁気異方性も共に向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、書き込み電流を低減させたまま、リテンション、特に固定磁化層の大きなリテンションを十分に確保することができ、熱的に安定な動作を可能とする信頼性の高いMTJ10が実現する。
(変形例)
以下、本実施形態の諸変形例について説明する。なお、本実施形態のMTJの構成部材等に対応するものについては、同符号を付する。
−変形例1−
図6は、第1の実施形態の変形例1によるMTJの概略構成を示す概略断面図である。
本例によるMTJ10は、所定の下部電極、例えばTaからなる下部電極11上にバッファ層12を介して形成される。
MTJ10は、下部磁性層5と上部磁性層6とでトンネルバリア層2を挟持し、上部磁性層6上にTa又はRu等のキャップ層4が形成されて構成されている。
下部磁性層5及び上部磁性層6は、一方が主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が固定された固定磁化層となり、他方が主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が変化可能である自由磁化層となる。本例では、下部磁性層5は上部磁性層6よりも薄く、上部磁性層6が固定磁化層、下部磁性層5が自由磁化層とされることが望ましい。
バッファ層12は、Ru,Pt,Rh,Pd,Cuから選ばれた少なくとも1種からなる2nm〜10nm程度の厚みのものである。本実施形態では、例えばRu又はRu/Ptの積層構成(RuとPtとが順次積層された構成)とされている。
下部磁性層5は、垂直磁性膜として機能するものであり、Co,Fe,Niのうちから選ばれた少なくとも1種とBとを含む材料からなり、0.9nm〜1.3nm程度の厚みに形成される。本例では、例えばCoFeBで1nm程度の厚みとする。下部磁性層5は、その厚みが0.8nmよりも薄いと界面垂直磁化膜にすることが難しく、1.3nmよりも厚いと平行磁化膜となってしまう。従って、下部磁性層5を厚み0.8nm〜1.3nm程度に形成することにより、界面垂直磁化膜となる。
上部磁性層6は、トンネルバリア層2と接する第1自由層6aと、第1自由層6aに接する挿入層6bと、挿入層6bに接するスペーサ層6cと、スペーサ層6cに接する第2自由層6dとを有して構成される。本実施形態では、トンネルバリア層2上に、第1自由層6a、挿入層6b、スペーサ層6c、第2自由層6dの順に積層される。
第1自由層6aは、垂直磁性膜として機能するものであり、Co,Fe,Niのうちから選ばれた少なくとも1種とBとを含む材料からなり、0.9nm〜1.3nm程度の厚みに形成される。本例では、例えばCoFeBで1nm程度の厚みとする。第1自由層6aは、その厚みが0.8nmよりも薄いと界面垂直磁化膜にならず、1.3nmよりも厚いと平行磁化膜となってしまう。従って、第1自由層6aを厚み0.8nm〜1.3nm程度に形成することが好ましい。
挿入層6bは、Taからなり、0.1nm〜0.4nm程度の厚み、例えば0.2nm程度に形成される。挿入層6bは、その厚みが0.1nmよりも薄いと第1自由層6aを十分に垂直磁性膜とすることができず、0.4nmよりも厚いとスペーサ層6cのRuの交換結合力が不十分となる。また、0.4nmよりも厚いと上述のように所期のエッチングが困難となる。従って、挿入層6bを厚み0.1nm〜0.4nm程度に形成することにより、エッチングストッパの機能が担保され、スペーサ層6cの交換結合力を十分に確保するも、第1自由層6aを確実に垂直磁性膜とすることができる。
スペーサ層6cは、Ruからなり、0.4nm〜2nm程度の厚み、例えば0.8nm程度に形成される。スペーサ層6cは、その厚みが0.4nmよりも薄いか、あるいは、2nmも厚いと第1自由層と第2自由層の間に、交換結合が働かなくなる。従って、スペーサ層6cを厚み0.4nm〜2nm程度に形成することが好ましい。
なお、スペーサ層6cは、例えば第1の実施形態における下部磁性膜1のスペーサ層1cよりも厚く形成することが望ましい。これは、RuがCoPt等の垂直膜の下地となるためで、異方性の強い垂直膜を作製するためには厚いRuの下地が必要であるためである。
第2自由層6dは、主面に垂直方向の結晶磁気異方性を有する薄膜(PMA)であり、以下の(1)〜(4)から選ばれたいずれか1種からなり、2nm〜10nm程度の厚み、例えば2nm程度に形成される。第2自由層6dは、当該第2自由層6dの下地が薄いスペーサ層6cであることから、磁気異方性の強い膜を形成することが困難である。従って、その厚みを2nm以上とすることが望まれる。また、第2自由層6dが10nmよりも厚いと反応性イオンエッチング(RIE)が困難となる。従って、第2自由層6dを厚み2nm〜10nm程度に形成することが好ましい。
(1)(Co又はFe,Pt又はPd)合金。
(2)Co又はFeとPt又はPdとの積層膜。
(3)(Co又はFe,Pt又はPd)合金の多層膜。
(4)(Co,Ni)合金の多層膜。
本例によれば、書き込み電流を低減させたまま、リテンション、特に固定磁化層の大きなリテンションを十分に確保することができ、熱的に安定な動作を可能とする信頼性の高いMTJ10が実現する。
−変形例2−
図7は、第1の実施形態の変形例2によるMTJの概略構成を示す概略断面図である。
本例によるMTJ10は、所定の下部電極、例えばTaからなる下部電極11上にバッファ層12を介して形成される。
MTJ10は、第1の実施形態における下部磁性層1と、変形例1における上部磁性層6とでトンネルバリア層2を挟持し、上部磁性層6上にTa又はRu等のキャップ層4が形成されて構成されている。
下部磁性層1及び上部磁性層6は、一方が主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が固定された固定磁化層となり、他方が主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が変化可能である自由磁化層となる。本例では、下部磁性層1の第2自由層1dは容易に薄く形成することができるが、上部磁性層6の第2自由層6dは薄く形成することが困難であるため、第2自由層6dを第2自由層1dよりも厚く形成することが望ましい。この場合、下部磁性層1は上部磁性層6よりも薄く、上部磁性層6が固定磁化層、下部磁性層1が自由磁化層とされる。
本例によれば、書き込み電流を低減させたまま、リテンション、特に固定磁化層の大きなリテンションを十分に確保することができ、熱的に安定な動作を可能とする信頼性の高いMTJ10が実現する。
しかも、下部磁性層及び上部磁性層の双方を、第1自由層、第1自由層に接する挿入層、挿入層に接するスペーサ層、スペーサ層に接する第2自由層を積層して構成するため、リテンションの更なる向上、及び更に確実な熱的安定動作が可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態又は諸変形例によるMTJを備えたMRAMを開示する。MRAMの構造を、その製造方法と共に説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成部材等については同符号を付す。
本実施形態によるMRAMは、図8に示すように、複数のメモリセルMCが行列状に配設されている。列方向に並ぶ各メモリセルMCにおいては、ゲート電極24が共通とされており、各ゲート電極24がワード線として機能する。このようにゲート電極24を列ごとに共通とする代わりに、各メモリセルMCのゲート電極24を列ごとに電気的に接続するワード線を別途設けるようにしても良い。行方向に並ぶ各メモリセルMCにおいては、ビット線33が共通とされている。ワード線とビット線33とは互いに絶縁されて交差、ここでは直交するように配設される。
図9〜図11は、本実施形態によるMRAMの製造方法を工程順に示す概略図である。ここでは、第1の実施形態で示したMTJ10を備えたメモリセルを形成する場合を例示する。
先ず、図9(a)に示すように、メモリセル領域において、シリコン基板20上に駆動トランジスタとして機能するMOSトランジスタを形成する。
詳細には、シリコン基板20の表層に例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により素子分離構造21を形成し、素子活性領域を確定する。
次に、素子活性領域に不純物、ここではホウ素(B+)を例えばドーズ量3.0×1013/cm2、加速エネルギー300keVの条件でイオン注入し、ウェル22を形成する。
次に、素子活性領域に熱酸化等により薄いゲート絶縁膜23を形成し、ゲート絶縁膜23上にCVD法により多結晶シリコン膜を堆積し、多結晶シリコン膜及びゲート絶縁膜23をリソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより電極形状に加工することにより、ゲート絶縁膜23上にゲート電極24をパターン形成する。
次に、ゲート電極24をマスクとして素子活性領域に不純物、ここではn型不純物である砒素(As+)をイオン注入する。これにより、素子活性領域でゲート電極24の両側にソース/ドレインとして機能する不純物拡散領域25が形成される。
なお、不純物拡散領域25としては、浅いLDD領域(エクステンション領域)を形成した後に、これと一部重畳するようにソース/ドレインを形成するようにしても良い。
以上により、各メモリセルで選択トランジスタとして機能するMOSトランジスタが形成される。
続いて、図9(b)に示すように、MOSトランジスタを覆う層間絶縁膜26を形成した後、MOSトランジスタの不純物拡散領域25と電気的に接続されるコンタクトプラグ27,28を形成する。
詳細には、MOSトランジスタを覆うように、例えばシリコン酸化物をCVD法により堆積し、例えば化学機械研磨(CMP)によりシリコン酸化物の表面を平坦化する。これにより、層間絶縁膜26が形成される。
不純物拡散領域25の表面の一部が露出するまで層間絶縁膜26をリソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより加工する。これにより、層間絶縁膜26にコンタクト孔26a,26bが形成される。
コンタクト孔26a,26bの内壁面を覆うように、スパッタ法により例えばTi膜及びTiN膜を順次堆積して、不図示の下地膜(グルー膜)を形成する。そして、CVD法によりグルー膜を介してコンタクト孔26a,26bを埋め込むように例えばW膜を堆積する。その後、CMPにより層間絶縁膜26をストッパーとしてW膜及びグルー膜を研磨する。以上により、コンタクト孔26a,26b内をグルー膜を介してWで埋め込むコンタクトプラグ27,28が同時形成される。
続いて、図9(c)に示すように、配線34、第1の実施形態で開示したMTJ10を備えた磁気メモリ素子30等を形成する。
磁気メモリ素子30の作製方法について、図10〜図11を用いて説明する。ここでは、磁気メモリ素子30及びその周辺部分のみを拡大して示す。
層間絶縁膜26上に配線材料、例えばAl合金をスパッタ法等により堆積し、リソグラフィー及びドライエッチングでAl合金を加工する。これにより、コンタクトプラグ27と電気的に接続される配線34が形成される。
図10(a)に示すように、層間絶縁膜26上に電極層40、バッファ層41、MTJ層42、及びハードマスク43を、例えばスパッタ法により連続成膜する。
電極層40は、導電材料として例えばRuを用い、20nm程度の厚みに成膜する。
バッファ層41は、例えばRu又はRu/Ptを用い、8nm程度の厚みに成膜する。
MTJ層42は、例えばCoPtを1.2nm程度、Ruを0.4nm程度, Taを0.2nm程度、CoFeBを1nm程度等の厚みにそれぞれ堆積する。これにより、第2自由層1d、スペーサ層1c、挿入層1b、第1自由層1aが順次積層されてなるMTJ層42が形成される。
ハードマスク43は、例えばTaを用い、50nm程度の厚みに成膜する。
図10(b)に示すように、レジストマスク44を形成する。
詳細には、ハードマスク43上にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工する。これにより、レジストマスク44が形成される。
図10(c)に示すように、ハードマスク43を加工する。
詳細には、レジストマスク44を用いて、Clガス、CF4ガス等をエッチングガスとした反応性イオンエッチング(RIE)によりハードマスク43をドライエッチングする。これにより、レジストマスク44の形状に倣ってハードマスク43が加工される。
レジストマスク44は、アッシング処理等により除去される。
図10(d)に示すように、MTJ層42及びバッファ層41を加工して、MTJ10を形成する。
詳細には、ハードマスク43を用いて、COガス+NH3ガス等をエッチングガスとしたRIEにより、MTJ層42及びバッファ層41をドライエッチングする。このとき、挿入層1bのTaをエッチングストッパとして用いるようにしても良い。これにより、ハードマスク43の形状に倣ってMTJ層42及びバッファ層41が加工され、電極層40上でバッファ層12を介したMTJ10が形成される。
MTJ10上のハードマスク43は、MTJ10の上部電極の一部となる。
図11(a)に示すように、レジストマスク45を形成する。
詳細には、電極層40上でMTJ10及びバッファ層12を覆うようにレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工する。これにより、レジストマスク45が形成される。
図11(b)に示すように、電極層40を加工する。
詳細には、レジストマスク45を用いて、電極層40をドライエッチングする。これにより、レジストマスク45の形状に倣って電極膜41が加工され、下部電極11が形成される。下部電極11はその下面でコンタクトプラグ28と電気的に接続される。
レジストマスク45は、灰化処理等により除去される。
以上により、下部電極11上にバッファ層12を介してMTJ10を備えてなる磁気メモリ素子30が形成される。
図11(c)に示すように、層間絶縁膜29を形成する。
詳細には、図11(c)の配線34及び磁気メモリ素子30を覆うように、例えばシリコン酸化物をCVD法により堆積し、例えばCMPによりシリコン酸化物の表面を平坦化する。これにより、層間絶縁膜29が形成される。
図11(d)に示すように、ビアプラグ32を形成する。
詳細には、MTJ10の表面の一部が露出するまで層間絶縁膜29をリソグラフィー及びそれに続くドライエッチングにより加工する。これにより、層間絶縁膜29にビア孔29aが形成される。
ビア孔29aの内壁面を覆うように、スパッタ法により例えばTi膜及びTiN膜を順次堆積して、不図示の下地膜(グルー膜)を形成する。そして、CVD法によりグルー膜を介してビア孔29aを埋め込むように例えばW膜を堆積する。その後、CMPにより層間絶縁膜29をストッパーとしてW膜及びグルー膜を研磨する。以上により、ビア孔29a内をグルー膜を介してWで埋め込むビアプラグ32が形成される。
そして、図9(c)に示すように、層間絶縁膜29上に配線材料、例えばAl合金をスパッタ法等により堆積し、リソグラフィー及びドライエッチングでAl合金を加工する。これにより、ビアプラグ32と電気的に接続されるビット線33が形成される。
なお、本実施形態では、第1の実施形態で開示したMTJ10を備えたメモリセルを形成する場合を例示したが、変形例1又は変形例2で開示したMTJ10を備えたメモリセルを形成する場合にも、同様に適用可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態によるMTJ10を磁気メモリ素子30に適用して、MRAMを構成することにより、書き込み電流を低減させたまま、リテンション、特に固定磁化層の大きなリテンションを十分に確保することができ、熱的に安定な動作を可能とする信頼性の高いMRAMが実現する。
以下、磁気抵抗素子及び磁気記憶装置の諸態様について、付記としてまとめて記載する。
(付記1)主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が固定された固定磁化層と、
主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が変化可能である自由磁化層と、
前記固定磁化層と前記自由磁化層との間に設けられたトンネルバリア層と
を含み、
前記固定磁化層と前記自由磁化層の一方又は双方は、
前記トンネルバリア層に接する第1自由層と、
前記第1自由層に接するTaからなる挿入層と、
前記挿入層に接するRuからなるスペーサ層と、
前記スペーサ層に接する第2自由層と
を有することを特徴とする磁気抵抗素子。
(付記2)前記挿入層は、厚みが0.1nm〜0.4nmの範囲内の値とされていることを特徴とする付記1に記載の磁気抵抗素子。
(付記3)前記スペーサ層は、厚みが0.4nm〜2nmの範囲内の値とされていることを特徴とする付記1又は2に記載の磁気抵抗素子。
(付記4)前記第1自由層は、Co,Fe,Niのうちから選ばれた少なくとも1種とBとを含む材料からなることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
(付記5)前記自由磁化層は、前記固定磁化層よりも薄いことを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
(付記6)磁気抵抗素子及び駆動トランジスタを備えたメモリセルが複数配置されてなる磁気記憶装置であって、
前記磁気抵抗素子は、
主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が固定された固定磁化層と、
主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が変化可能である自由磁化層と、
前記固定磁化層と前記自由磁化層との間に設けられたトンネルバリア層と
を含み、
前記固定磁化層と前記自由磁化層の一方又は双方は、
前記トンネルバリア層に接する第1自由層と、
前記第1自由層に接するTaからなる挿入層と、
前記挿入層に接するRuからなるスペーサ層と、
前記スペーサ層に接する第2自由層と
を有することを特徴とする磁気記憶装置。
(付記7)前記挿入層は、厚みが0.1nm〜0.4nmの範囲内の値とされていることを特徴とする付記6に記載の磁気記憶装置。
(付記8)前記スペーサ層は、厚みが0.4nm〜2nmの範囲内の値とされていることを特徴とする付記6又は7に記載の磁気記憶装置。
(付記9)前記第1自由層は、Co,Fe,Niのうちから選ばれた少なくとも1種とBとを含む合金からなることを特徴とする付記6〜8のいずれか1項に記載の磁気記憶装置。
(付記10)前記自由磁化層は、前記固定磁化層よりも薄いことを特徴とする付記6〜9のいずれか1項に記載の磁気記憶装置。
1,5 下部磁性層
1a,6a 第1自由層
1b,6b 挿入層
1c,6c スペーサ層
1d,6d 第2自由層
2 トンネルバリア層
3,6 上部磁性層
4 キャップ層
11 下部電極
12,41 バッファ層
20 シリコン基板
21 素子分離構造
22 ウェル
23 ゲート絶縁膜
24 ゲート電極
25 不純物拡散領域
26,29 層間絶縁膜
26a,26b コンタクト孔
27,28 コンタクトプラグ
29a ビア孔
32 ビアプラグ
30 磁気メモリ素子
33 ビット線
34 配線
40 電極層
42 MTJ層
43 ハードマスク
44,45 レジストマスク

Claims (6)

  1. 主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が固定された固定磁化層と、
    主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が変化可能である自由磁化層と、
    前記固定磁化層と前記自由磁化層との間に設けられたトンネルバリア層と
    を含み、
    前記固定磁化層と前記自由磁化層の双方は、それぞれ、
    前記トンネルバリア層に接する第1磁性層と、
    前記第1磁性層に接するTaからなる挿入層と、
    前記挿入層に接するRuからなるスペーサ層と、
    前記スペーサ層に接する第2磁性層と
    を有することを特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 前記挿入層は、厚みが0.1nm〜0.4nmの範囲内の値とされていることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 前記スペーサ層は、厚みが0.4nm〜2nmの範囲内の値とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気抵抗素子。
  4. 磁気抵抗素子及び駆動トランジスタを備えたメモリセルが複数配置されてなる磁気記憶装置であって、
    前記磁気抵抗素子は、
    主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が固定された固定磁化層と、
    主面に垂直方向の磁気異方性を有し、且つ磁化方向が変化可能である自由磁化層と、
    前記固定磁化層と前記自由磁化層との間に設けられたトンネルバリア層と
    を含み、
    前記固定磁化層と前記自由磁化層の双方は、それぞれ、
    前記トンネルバリア層に接する第1磁性層と、
    前記第1磁性層に接するTaからなる挿入層と、
    前記挿入層に接するRuからなるスペーサ層と、
    前記スペーサ層に接する第2磁性層と
    を有することを特徴とする磁気記憶装置。
  5. 前記挿入層は、厚みが0.1nm〜0.4nmの範囲内の値とされていることを特徴とする請求項4に記載の磁気記憶装置。
  6. 前記スペーサ層は、厚みが0.4nm〜2nmの範囲内の値とされていることを特徴とする請求項4又は5に記載の磁気記憶装置。
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