次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明において、前後、左右および上下は、シートに座る乗員を基準とする。
[第1実施形態]
図1に示すように、乗物用シートの一例としての車両用シート1は、乗員が着座する着座部の高さを調整可能に構成されており、シートバックのフレームを構成するシートバックフレーム2と、着座部のフレームを構成する着座部フレーム3と、シートスプリング4と、リンク支持部材としてのスライドレール5と、前後一対のリンクとしてのフロントリンク6およびリアリンク7と、駆動ユニット8と、検出センサの一例としての荷重検出センサ10とを主に備えている。
この車両用シート1は、シートバックフレーム2および着座部フレーム3の外側に、ウレタンフォームなどからなるシートクッション(図示省略)を被せることで構成される。
着座部フレーム3は、着座部の左右のフレームを構成する略板状の左右のサイドフレーム30と、左右のサイドフレーム30の前部を連結するパンフレーム39とを主に備えている。各サイドフレーム30およびパンフレーム39は、それぞれ、金属板をプレス加工するなどして形成されている。
なお、本実施形態おいては、駆動ユニット8を左右いずれのサイドフレーム30にも取り付けることができるように、一対のサイドフレーム30は左右対称に形成されている。しかし、本発明はこれに限定されず、駆動ユニット8が固定される右のサイドフレーム30と、駆動ユニット8が固定されない左のサイドフレーム30とは、互いの形状が異なっていてもよい。具体的には、例えば、左のサイドフレーム30は、後述する保護壁36を有しない構成であってもよい。
図2に示すように、サイドフレーム30は、略前後方向に延びる本体部30Aと、本体部30Aの後部から後斜め上方に向けて突出する取付部30Bとを主に有して構成されている。本実施形態において、サイドフレーム30は、本体部30Aと取付部30Bとが一体に(一部品として)形成されている。
取付部30Bには、シートバックフレーム2の角度を調整するための公知のリクライニング機構9が設けられており、このリクライニング機構9を介して、取付部30B(着座部フレーム3の後部)にシートバックフレーム2が取り付けられている。
本実施形態において、サイドフレーム30は、全体として凹凸面を有している。より具体的に、サイドフレーム30は、駆動ユニット8が固定される固定壁31と、固定壁31の周囲に設けられたフランジ部32と、リンク取付凹部33とを有している。
固定壁31は、本体部30Aの前部から後端に向けて略前後方向に沿って延び、その後部で取付部30Bの下側部分にかかるように上方に向けて突出するような形状をなしている。この固定壁31は、係合部34と、保護壁36(図3参照)とを主に有している。
フランジ部32は、固定壁31の周囲で固定壁31に対して左右方向外側に向けて突出してサイドフレーム30の上下の縁部に沿って延びるように設けられている。上下の各フランジ部32は、断面視においてそれぞれ略U形状をなしている(図4参照)。
なお、本実施形態において、サイドフレーム30の上下の縁部に設けられたフランジ部32と、サイドフレーム30(本体部30A)の前端部と、サイドフレーム30(取付部30Bの上部を含む)の後端部とは、面一な連続した面(後述する切れ目部を除く。)となっている。このため、リクライニング機構9は、駆動ユニット8が固定される固定壁31に対して左右方向外側に向けて突出した面に取り付けられている。
フランジ部32は、サイドフレーム30の上縁部の本体部30Aと取付部30Bとが連結する部分と、本体部30Aの下縁部の前後方向中央よりやや前側の部分において部分的に切れる、上側切れ目部32Aと、下側切れ目部32Bとを有している。上側切れ目部32Aと下側切れ目部32Bは、固定壁31と面一となっている。
リンク取付凹部33は、本体部30Aの前後方向中央よりもやや前側の部分に設けられた、固定壁31に対して左右方向内側に向けて凹む凹部である。このリンク取付凹部33は、側面視において略円形状をなしており、その一部が下側切れ目部32Bにかかるように設けられている。これにより、例えば、下側切れ目部32Bが設けられていない上下のフランジ部32の間にリンク取付凹部33を設けるような構成と比較して、サイドフレーム30(本体部30A)を高さ方向にコンパクト化することができる。
このリンク取付凹部33の底壁の左右方向内側には、フロントリンク6が連結されている。
以上のように、サイドフレーム30が全体として凹凸面を有することで、サイドフレーム30の剛性を向上させることができる。また、本実施形態では、フランジ部32が断面略U形状をなしているので、例えば、サイドフレーム30の周縁部を左右方向外側に向けて1回折り曲げただけのような構成と比較して、サイドフレーム30の剛性をより向上させることができる。
そして、このように剛性が向上したサイドフレーム30のリンク取付凹部33の底壁にフロントリンク6が連結されることで、フロントリンク6の動作を安定させることができる。同様のことは、リアリンク7やリクライニング機構9についてもいうことができるので、後述する着座部の高さ調整動作や、シートバックフレーム2の角度調整動作の安定性も向上させることができる。
次に、固定壁31に設けられた係合部34および保護壁36について説明する。
係合部34は、サイドフレーム30にシートスプリング4を取り付けるための構成であり、固定壁31(本体部30A)の上側切れ目部32Aの前端部の下方および下側切れ目部32Bの後端部の上方に1つずつ設けられている。この係合部34は、固定壁31に対して左右方向内側に向けて凹む凹形状に形成され、その底部に2つの貫通孔を有しており、シートスプリング4は、その端部が貫通孔に挿入されることで係合部34に係合する。
図3に示すように、保護壁36は、固定壁31の後部(後側の係合部34の後方)から左右方向内側に向けて延出する略カップ状の部分であり、固定壁31と一体に設けられている。この保護壁36は、固定壁31と略平行な底壁部36Aと、固定壁31と底壁部36Aとを連結する連結壁部36Bとを有している。
底壁部36Aは、後述する、ピニオンギヤ82の全体と、当該ピニオンギヤ82とセクタギヤ71とが噛み合う部分とを左右方向内側から覆うように形成されている。また、連結壁部36Bは、ピニオンギヤ82の周囲に沿って、ピニオンギヤ82の後斜め上方から前斜め下方までを覆うように設けられ、これにより、ピニオンギヤ82とセクタギヤ71とが噛み合う部分を上から覆うように形成されている。
このように、保護壁36がピニオンギヤ82とセクタギヤ71とが噛み合う部分を覆うことで、ピニオンギヤ82とセクタギヤ71の間に異物が入り込んで挟まることを抑制することができる。特に、本実施形態では、噛み合う部分を上から覆っているので、異物がピニオンギヤ82の歯やセクタギヤ71の歯に落ち込みにくくなっており、異物が入り込んで挟まることをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、保護壁36がサイドフレーム30に一体に設けられていることで、保護壁36と同様の機能を有する別部品をサイドフレーム30に取り付ける必要がなくなるので、部品点数の削減や組み付け作業性の向上を図ることができる。
図1に示すように、シートスプリング4は、着座部に着座する乗員を支持する部材であり、左右のサイドフレーム30(本体部30A)の間に配置されている。より詳細に、本実施形態において、シートスプリング4は、その一端部が一方のサイドフレーム30の係合部34に係合し、他端部が他方のサイドフレーム30の係合部34に係合することで、左右のサイドフレーム30の本体部30Aの間に架け渡されるように配置されている。
スライドレール5は、着座部フレーム3(着座部)を前後に移動させるための公知の構成であり、サイドフレーム30(着座部フレーム3)の下方に設けられている。このスライドレール5は、ロアレール51と、アッパーレール52とから主に構成されている。
ロアレール51は、前後に長く延びた形状を有しており、左右に所定の間隔をあけて2つ設けられている。各ロアレール51は、車両(乗物)の床に固定される。
アッパーレール52は、前後に長く延びた形状を有し、ロアレール51に対して前後にスライド移動可能に係合している。このアッパーレール52の上端には、フロントリンク6やリアリンク7の後述するストッパ部62,72,73が当接する略前後方向に延びる平面状の被当接面52Aと、フロントリンク6およびリアリンク7を回動可能に支持する側面視略三角形状のリンク支持部52Bとがそれぞれ設けられている。
アッパーレール52は、フロントリンク6およびリアリンク7を介して着座部フレーム3と接続されており、これにより、着座部をロアレール51が固定される車両の床に対して前後にスライド移動させることができるようになっている。
図3に示すように、フロントリンク6およびリアリンク7は、それぞれ、サイドフレーム30およびアッパーレール52(スライドレール5)に対して回動可能に接続されることで、サイドフレーム30およびスライドレール5とともに高さ調整機構としてのリンク機構を構成している。そして、このリンク機構により、左右のサイドフレーム30(着座部)をスライドレール5(車両の床)に対して昇降させることができるようになっている。
より詳細に、フロントリンク6は、左右に1つずつ設けられ(一方のみ図示)、それぞれ、図示後端がピン91により、サイドフレーム30(本体部30A)の前部に節点を形成するようにリンク取付凹部33の底壁に連結されている。ピン91は、フロントリンク6を回転可能に軸支しており、これにより、フロントリンク6がサイドフレーム30に対して回動可能となっている。
また、フロントリンク6の図示前端は、荷重検出センサ10によりアッパーレール52の前側のリンク支持部52Bに節点を形成するように連結されている。荷重検出センサ10は、フロントリンク6を回転可能に軸支しており、これにより、フロントリンク6がスライドレール5に対して回動可能となっている。荷重検出センサ10の詳細な構成については後述する。
各フロントリンク6の外周縁には、凹部61と、ストッパ部62とが一体に設けられている。
凹部61は、連結部材としての連結パイプ65の端部が係合可能な凹部であり、左右方向から見て、略円弧状をなしている。左右のフロントリンク6は、略円筒状の連結パイプ65の端部が凹部61に係合した状態で連結パイプ65と溶接されることで、一方のサイドフレーム30から他方のサイドフレーム30に向けて延びる連結パイプ65によって互いに連結されている。
以上のような連結のための構成によれば、フロントリンク6の外周縁に設けられた凹部61に連結パイプ65を置くように配置し、取り付けることが可能となるので、フロントリンク6と連結パイプ65との組み付け作業性を向上させることができる。特に、本実施形態では、略円筒状の連結パイプ65と側面視略円弧状の凹部61との係合となるため、連結パイプ65とフロントリンク6との位置合わせが容易となり、組み付け作業性をより向上させることができる。
また、連結パイプ65を凹部61に置くように配置できることで、車両用シート1を組み立てるときのフロントリンク6や連結パイプ65の組み付け順に自由度が生じるため、車両用シート1の組み立て作業性を向上させることが可能となる。
以下、凹部61についてさらに説明する。
フロントリンク6が図3に示す姿勢にあるとき、凹部61は、フロントリンク6の外周縁のうちの上側で、上方に向けて開口するように設けられている。より詳細に、凹部61は、フロントリンク6の外周縁のうち、フロントリンク6のサイドフレーム30側の回動軸であるピン91と、スライドレール5側の回動軸である荷重検出センサ10との間で、左右のフロントリンク6のサイドフレーム30側の回動中心とスライドレール5側の回動中心とを結ぶ面PL2の上側の空間に向けて開口するように形成されている。
これにより、凹部61に連結パイプ65を置くことができるので、フロントリンク6と連結パイプ65との組み付け作業性をより確実に向上させることができる。また、凹部61がピン91と荷重検出センサ10との間に形成されていることで、例えば、凹部61を設けるために、フロントリンク6にピン91の後方に向けて突出するような部位を設ける必要がないため、フロントリンク6の小型化やその構成の簡略化を図ることができる。
さらに述べると、凹部61は、その開口縁部61Aが連結パイプ65と係合する部分よりも凹部61の外側に向けて広がるように形成されている。これにより、凹部61に対して連結パイプ65を係合させやすくなるので、フロントリンク6と連結パイプ65との組み付け作業性をさらに向上させることができる。
本実施形態において、連結パイプ65は、凹部61の内周壁に沿って溶接されている。これにより、溶接により一体化された連結パイプ65と左右一対のフロントリンク6との連結強度を向上させることができるため、リンク機構の駆動に伴ってフロントリンク6にかかる荷重の方向が変化した場合でも、その変化の影響を受けにくくすることができる。
なお、略円筒状の連結パイプ65と側面視略円弧状の凹部61とを、係合する範囲の全範囲にわたって溶接すると、連結パイプ65と左右一対のフロントリンク6とをより強固に連結することができるのでより望ましい。
ストッパ部62は、アッパーレール52の被当接面52Aに当接することで、リアリンク7の後述する第2ストッパ部73とともに、リンク機構の駆動を規制する部位である。このストッパ部62は、フロントリンク6の外周縁のうち、前記した面PL2を基準として、凹部61が設けられた図示上側とは反対側の図示下側、具体的には、フロントリンク6が図3に示す姿勢にあるときのピン91の下側において下方に向けて突出するように設けられている。
このように、ストッパ部62と凹部61とが互いに離れて設けられていることで、ストッパ部62が被当接面52Aに当接したときにかかる荷重の影響が凹部61に係合する連結パイプ65にかかることを低減することができる。これにより、連結パイプ65の変形などを抑制することができる。
リアリンク7は、左右に1つずつ設けられ(一方のみ図示)、それぞれ、図示後端がピン93により、サイドフレーム30(本体部30A)の後部に節点を形成するように固定壁31の左右方向内側に連結されている。ピン93は、リアリンク7を回転可能に軸支しており、これにより、リアリンク7がサイドフレーム30に対して回動可能となっている。
また、リアリンク7の図示前端は、荷重検出センサ10によりアッパーレール52の後側のリンク支持部52Bに節点を形成するように連結されている。荷重検出センサ10は、リアリンク7を回転可能に軸支しており、これにより、リアリンク7がスライドレール5に対して回動可能となっている。
右のリアリンク7Rの外周縁には、セクタギヤ71と、ストッパ部(第1ストッパ部72および第2ストッパ部73)とが一体に設けられている。なお、本実施形態において、左のリアリンク7Lの外周縁には、セクタギヤ71と第1ストッパ部72は設けられておらず、第2ストッパ部73だけが一体に設けられている(図1参照)。
セクタギヤ71は、駆動ユニット8に設けられたピニオンギヤ82と噛み合って、ピニオンギヤ82の回動によりリンク機構を駆動させるギヤであり、リアリンク7Rが図3に示す姿勢にある状態で、リアリンク7Rの後端の上面部に形成されている。セクタギヤ71の各ギヤ歯は、リアリンク7Rのサイドフレーム30側の回動軸であるピン93を中心とする略円弧上に配置されている。
第1ストッパ部72および第2ストッパ部73は、アッパーレール52の被当接面52Aに当接することでリンク機構の駆動範囲を規制する部位である。より詳細に、第1ストッパ部72は、左右のサイドフレーム30(着座部)が最高位置にあるときに、被当接面52Aに当接してリンク機構の駆動を規制する部位(図5(b)参照)であり、第2ストッパ部73は、着座部が最低位置にあるときに、被当接面52Aに当接してリンク機構の駆動を規制する部位である。
第1ストッパ部72は、リアリンク7Rが図3に示す姿勢にあるとき、リアリンク7Rの荷重検出センサ10を支持する部分付近から前方に向けて突出する部位であり、荷重検出センサ10を基準として、セクタギヤ71が設けられた後端側とは反対側のリアリンク7Rの前端側に設けられている。この第1ストッパ部72の端面(前端面)は、着座部が最高位置にあるときに被当接面52Aに当接する第1当接面72Aとなっている。
図5(b)に示すように、第1ストッパ部72の第1当接面72Aは、被当接面52Aに当接したときの前端部が駆動ユニット8の後述する操作ノブ81(駆動部材)の回動軸81Aよりも前方に位置し、被当接面52Aに当接したときの後端部における被当接面52Aの法線L1が駆動ユニット8を通るように設けられている。
図3に戻り、第2ストッパ部73は、リアリンク7が図3に示す姿勢にあるとき、リアリンク7のピン93と荷重検出センサ10との間から下方に向けて突出する部位であり、ピン93および荷重検出センサ10(ピン93の回動中心と荷重検出センサ10の回動中心とを結ぶ面PL3)を基準として、セクタギヤ71が設けられた上面側とは反対側のリアリンク7の下面側に設けられている。この第2ストッパ部73の端面(下端面)は、着座部が最低位置にあるときに被当接面52Aに当接する第2当接面73Aとなっている。
なお、本実施形態において、リアリンク7Rのスライドレール5側の回動軸(連結軸)である荷重検出センサ10は、前後方向において第1ストッパ部72と第2ストッパ部73との間に設けられている。
第2ストッパ部73の第2当接面73Aは、被当接面52Aに当接したときの後端部が操作ノブ81の回動軸81Aよりも後方に位置し、被当接面52Aに当接したときの前端部における被当接面52Aの法線L2が駆動ユニット8を通るように設けられている。
左右のリアリンク7は、一方のサイドフレーム30から他方のサイドフレーム30に向けて延びる連結部材としての連結パイプ75によって互いに連結されている(図1も参照)。より詳細に、左右のリアリンク7は、略円筒状の連結パイプ75の端部がそれぞれ溶接されることで、互いに連結されている。
連結パイプ65,75は、いずれも、荷重検出センサ10を避けた位置でフロントリンク6またはリアリンク7に取り付けられている。具体的に、連結パイプ65は、フロントリンク6が図3に示す姿勢にあるとき、荷重検出センサ10の後斜め上方に取り付けられており、連結パイプ75は、リアリンク7が図3に示す姿勢にあるとき、荷重検出センサ10の後方上寄り(ピン93と重なる位置)に取り付けられている。
このように、連結パイプ65,75が荷重検出センサ10を避けた位置に取り付けられることで、荷重検出センサ10と連結パイプ65,75との干渉を抑制することができる。また、連結パイプ65,75が、荷重検出センサ10を避けた位置においてリンク6,7に溶接されていることで、荷重検出センサ10への溶接スパッタや熱などの影響を低減することができる。
荷重検出センサ10は、着座部の状態、具体的には、着座部にどの程度の荷重がかかっているのかを検出するセンサである。さらに述べると、荷重検出センサ10は、着座部(車両用シート1)に乗員が着座したときの荷重を検出するセンサであり、本実施形態においては、車両用シート1に合計4つ設けられている(図3では2つのみ図示)。
図4に示すように、荷重検出センサ10は、荷重を検出するためのセンサ本体11と、荷重検出センサ10をリンク支持部52Bに取り付けるための延出軸部12とを主に有している。
センサ本体11は、収容軸部13と、有底略円筒状の外筒体14と、図示しない歪みゲージと、外筒体14に取り付けられた図示しない基板ユニットとを主に有して構成されている。
収容軸部13は、外筒体14内に設けられており、大径部13Aと、大径部13Aから左右方向外側に向けて縮径して延びる小径部13Bとを有している。なお、図示は省略するが、小径部13Bは、外筒体14の底部で外筒体14につながっている。すなわち、収容軸部13と外筒体14とは、一体に(一部品として)形成されている。
大径部13Aは、外筒体14の開口端付近に位置しており、その外径が外筒体14(荷重検出部15)の内径よりもわずかに小さくなっている。そのため、車両用シート1に乗員が着座していない状態において、大径部13Aの外周面と、外筒体14(荷重検出部15)の内周面との間には、わずかな隙間が形成される。
外筒体14の開口端(左右方向外側の端)は、荷重を検出する検出部としての荷重検出部15となっている。車両用シート1に乗員が着座したとき、荷重検出部15には、リアリンク7(またはフロントリンク6)を介して外筒体14の径方向に沿って荷重がかかることとなる。このとき、荷重検出部15は、荷重がかかった方向に沿って大径部13Aに近づくように変形する。荷重検出部15の変形量は、図示しない歪みゲージによって検出され、基板ユニットを介して外部の制御装置などに出力される。
荷重検出センサ10の検出結果は、車両に備えられた設備の動作、例えば、エアバッグ装置の展開などを制御するために用いられる。このような制御や当該制御に関わる構成については、広く公知の方法や構成を採用することができるので、本明細書では詳細な説明を省略する。
延出軸部12は、収容軸部13の大径部13Aよりも小さい外径(小径部13Bと略同等の外径)を有し、収容軸部13(大径部13A)の左右方向外側の端部から外側に向けて延びるように収容軸部13と一体に設けられている。この延出軸部12は、外筒体14から外側に延び出しており、その外周面に雄ネジ部12Aが形成されている。
このような荷重検出センサ10は、センサ本体11や延出軸部12の軸方向が、左右方向(水平方向)に略沿うように、車両用シート1に取り付けられている。さらに、荷重検出センサ10は、リアリンク7(またはフロントリンク6)と、スライドレール5のリンク支持部52B材との回動軸線上に配置されている。より詳細には、荷重検出センサ10は、リアリンク7(またはフロントリンク6)と、リンク支持部52Bとの回動を軸支する連結軸として設けられている。
具体的に、荷重検出センサ10は、外筒体14(荷重検出部15)が、リアリンク7(またはフロントリンク6)に設けられた貫通孔に挿入されることで、リアリンク7(またはフロントリンク6)に取り付けられている。また、荷重検出センサ10は、延出軸部12が、リンク支持部52Bに設けられた貫通孔に挿入され、雄ネジ部12Aにナット95が螺合されることで、リンク支持部52B(スライドレール5)に固定されている。
さらに、リアリンク7およびフロントリンク6に設けられた貫通孔には、ボールベアリング19が配設されており、荷重検出部15はボールベアリング19を介して貫通孔に挿入されている。そのため、リアリンク7およびフロントリンク6は、荷重検出部15(荷重検出センサ10)に対して回動可能に設けられている。
このように、前後のリンク6,7が荷重検出部15に対して回動可能に設けられていることで、リンク機構が駆動しても荷重検出部15の姿勢が変化しないため、着座部の高さ位置によらず、同じ条件で荷重を検出することができる。これにより、荷重検出センサ10の検出結果に基づいて実行される制御の精度を高めることが可能となる。
なお、本実施形態においては、荷重検出センサ10が、リアリンク7(またはフロントリンク6)と、リンク支持部52Bとの連結軸として設けられているため、リンク機構が駆動しても荷重検出部15(荷重検出センサ10)は、その高さ位置も変化しない。
車両用シート1に取り付けられた荷重検出センサ10は、センサ本体11の大部分が荷重検出部15(リアリンク7)から左右方向外側(サイドフレーム30側)に向けて突出する。そこで、本実施形態においては、図2に示すように、サイドフレーム30の下部に、着座部が最低位置にあるときに、センサ本体11(突出部分)を受け入れる凹部37が設けられている。
より詳細に、凹部37は、本体部30Aの後部の下縁部、具体的には、後側の係合部34の後斜め下方で、着座部が最低位置にあるときに、後側の荷重検出センサ10のセンサ本体11を受け入れ可能に設けられている。なお、凹部37は、センサ本体11の全体を受け入れるような深さに設けられていてもよいし、センサ本体11の一部だけを受け入れ可能な深さに設けられていてもよい。
このような凹部37を設けることで、サイドフレーム30と荷重検出センサ10との干渉を抑制できるので、着座部が最低位置にあるときの車両用シート1の高さを低くすることが可能となる。これにより、特に最低位置にあるときの車両用シート1を高さ方向にコンパクト化することができる。
また、センサ本体11(外筒体14)が、左右方向外側に向けて突出する、言い換えると、車両用シート1の外側から視認可能に配置されていることで、外筒体14がリアリンク7の左右方向内側に向けて突出する構成と比較して、荷重検出センサ10のメンテナンスを行いやすくなっている。
なお、図3に示すように、本実施形態において、後側の荷重検出センサ10は、連結パイプ75の前方に配置されている。これにより、例えば、荷重検出センサ10を配置するために、リアリンク7に連結パイプ75の後方に向けて延出するような部位を設ける必要がなくなるので、リアリンク7の前後方向への大型化を抑制することができる。その結果、車両用シート1の前後方向への大型化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態において、前後の荷重検出センサ10は、連結パイプ65,75の下方に配置されている。これにより、荷重検出センサ10とサイドフレーム30との干渉を抑制することができる。
さらに、後側の荷重検出センサ10は、連結パイプ75の前方かつ下方に配置されているので、サイドフレーム30との干渉を抑制することができるとともに、車両用シート1の前後方向への大型化を抑制することができる。
また、前記したように、荷重検出センサ10は、センサ本体11などの軸方向が左右方向に沿うように取り付けられているため、左右方向に延びる連結パイプ65,75と略平行に配置されている。これにより、荷重検出センサ10と連結パイプ65,75とをコンパクトに配置することが可能となっている。
図2に示すように、駆動ユニット8は、乗員の操作によってリンク機構を駆動させ、着座部の高さを調整するための部材であり、左右のサイドフレーム30のうちの、右のサイドフレーム30の左右方向外側の面の後部に固定されている。
この駆動ユニット8は、板状の台座部80と、駆動部材としての操作ノブ81と、ピニオンギヤ82(図3参照)と、固定部83とを主に有して構成されている。
操作ノブ81は、台座部80に対して回動可能に支持され、固定壁31(サイドフレーム30)の左右方向外側の面から外側に向けて突出するように設けられている。なお、図示は省略するが、この操作ノブ81は、公知の構成によって、台座部80に対してフリクションを持って回転するようになっている。また、本発明において、操作ノブ81の形状は、特に限定されず、例えば、ダイヤル型であってもよいし、レバー型であってもよい。
図3に示すように、ピニオンギヤ82は、台座部80に対し操作ノブ81と同軸で操作ノブ81の操作により共に回動するように支持され、固定壁31の左右方向内側に設けられている。このピニオンギヤ82は、リアリンク7Rのセクタギヤ71と噛み合っている。このような構成により、操作ノブ81を回動させることで、ピニオンギヤ82が回動し、リンク機構を駆動させて左右のサイドフレーム30(着座部)の高さを調整することができるようになっている。
図2に戻り、固定部83は、台座部80から径方向外側に向けて突出する略三角形板状の部位であり、本実施形態においては2つ設けられている。より詳細に、2つの固定部83のうち、一方は、操作ノブ81の回動軸81Aを挟んで他方とは反対側に向けて突出して設けられている。
このような駆動ユニット8は、固定部83が固定壁31に溶接されることで、サイドフレーム30に固定されている。これにより、駆動ユニット8をサイドフレーム30に対して強固に固定できるので、例えば、車両が追突された場合などの駆動ユニット8の耐衝撃性を高めることができる。また、駆動ユニット8とサイドフレーム30を、可動部分である操作ノブ81などから離れた位置(固定部83)で溶接できるので、溶接時に生じるスパッタや熱などの影響を抑制することができる。
また、本実施形態では、駆動ユニット8がサイドフレーム30に設けられた凹部の底壁(固定壁31)に取り付けられているので、左右方向外側への駆動ユニット8の突出量を小さくすることができる。これにより、着座部を左右方向に小型化することができ、車両用シート1のコンパクト化を図ることができる。
また、駆動ユニット8が固定壁31(凹部の底壁)に取り付けられていることで、例えば、取付部30Bのリクライニング機構9が取り付けられた面と面一となる面に駆動ユニット8を取り付ける構成と比較して、ピニオンギヤ82の回転軸(回動軸81A)の長さを短くすることができる。これにより、ピニオンギヤ82の回転軸にかかる荷重の影響を低減することができる。
さらに、駆動ユニット8には、固定部83が2つ設けられているので、サイドフレーム30に対する駆動ユニット8の固定強度がより向上し、駆動ユニット8のより安定した固定が可能となっている。
本実施形態において、操作ノブ81の回動軸81Aと、4つの荷重検出センサ10の荷重検出部15は、前後方向および上下方向において互いにずれて配置されている。具体的に、回動軸81A(操作ノブ81)は、図2に示すような左右方向から見て、荷重検出センサ10よりも後方かつ上方に配置されている。より詳細に、回動軸81Aは、右後側の荷重検出センサ10の後斜め上方に配置されている。
また、本実施形態において、駆動ユニット8の一部と右後側の荷重検出センサ10の一部、より詳細には、操作ノブ81の回動軸81Aと荷重検出部15は、左右方向において重なるように配置されている。具体的に、回動軸81Aのピニオンギヤ82が設けられた左端部は、図4に示すような前後方向から見て、右のリアリンク7の貫通孔に挿入された荷重検出部15と左右方向において同じ位置(リアリンク7R上)に配置されている。
このような操作ノブ81と荷重検出センサ10の配置によれば、操作ノブ81と荷重検出センサ10との干渉を抑制することができる。また、駆動ユニット8の全体と、右後側の荷重検出センサ10の全体とが左右方向にずれて配置される構成と比較して、車両用シート1を左右方向にコンパクト化することができる。
次に、車両用シート1について、高さ調整を行うときの動作について説明する。
図5(a)に示すように、サイドフレーム30が最低位置にあるときに、乗員が操作ノブ81を操作してピニオンギヤ82を図の時計回り方向に回動させると、ピニオンギヤ82と噛み合うリアリンク7Rのセクタギヤ71がピン93を中心として図の反時計回り方向に回動する。これにより、連結パイプ75によって連結された左右のリアリンク7が前方に向けて立ち上がることとなる。
そして、これに連動して、リアリンク7、スライドレール5およびサイドフレーム30とともにリンク機構を構成するフロントリンク6も前方に向けて立ち上がるので、図5(b)に示すように、サイドフレーム30が上方へ移動することとなる。これにより、サイドフレーム30の位置を高くすることができる。その後、リアリンク7Rの外周縁に設けられた第1ストッパ部72の第1当接面72Aが、スライドレール5の被当接面52Aに当接することで、リンク機構の駆動が規制され、サイドフレーム30は最高位置に到達する。
図5(b)に示すサイドフレーム30が最高位置にあるときに、乗員が操作ノブ81を操作してピニオンギヤ82を図の反時計回り方向に回動させると、ピニオンギヤ82と噛み合うリアリンク7Rのセクタギヤ71がピン93を中心として図の時計回り方向に回動する。これにより、左右のリアリンク7が後方に向けて倒れることとなる。
そして、これに連動して、フロントリンク6も後方に向けて倒れるので、図5(a)に示すように、サイドフレーム30が下方へ移動することとなる。これにより、サイドフレーム30の位置を低くすることができる。その後、フロントリンク6の外周縁に設けられたストッパ部62と、リアリンク7の外周縁に設けられた第2ストッパ部73の第2当接面73Aが、被当接面52Aに当接することで、リンク機構の駆動が規制され、サイドフレーム30は最低位置に到達する。
本実施形態においては、サイドフレーム30を昇降させるためのリアリンク7Rにセクタギヤ71とストッパ部72,73を一体に設け、フロントリンク6およびリアリンク7Lにストッパ部62,73を一体に設けたので、ストッパを別部品として設ける必要がない。これにより、部品点数を削減することができるとともに、車両用シート1の組み立て作業性を向上させることができる。また、リンク6,7の外周縁にストッパ部62,72,73を一体に設けたことで、ストッパ構造を簡略化・小型化することができるので、車両用シート1の小型化を図ることが可能となる。
特に、リアリンク7Rは、第1ストッパ部72と第2ストッパ部73を有するので、最高位置および最低位置の両方において、リンク機構の駆動を確実に規制することができ、いずれの位置においても着座部を安定して支持することができる。
なお、本実施形態においては、ストッパ部62,72,73が当接する相手として、リンク機構を構成するスライドレール5を利用したので、ストッパ部62,72,73が当接する別の部品を設ける必要がないため、部品点数を削減することができる。また、これにより、車両用シート1の組み立て作業性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、荷重検出センサ10(連結軸)が第1ストッパ部72と第2ストッパ部73との間に設けられているので、リンク機構の可動範囲、すなわち、調整可能な着座部の高さの範囲を大きくしつつ、被当接面52Aに当接したときには着座部を安定して支持することができる。
また、図5(b)に示すように、第1当接面72Aの前端部が操作ノブ81の回動軸81Aよりも前方に位置し、図5(a)に示すように、第2当接面73Aの後端部が回動軸81Aよりも後方に位置しているので、回動軸81Aは、前後方向において第1当接面72Aの前端部と第2当接面73Aの後端部との間に位置することになる。これにより、回動軸81Aからピニオンギヤ82、セクタギヤ71およびリアリンク7Rを通って被当接面52Aに伝達される力の経路の長さの差を小さくすることができ、着座部をより安定して支持することができる。
さらに、図5(b)に示す第1当接面72Aの後端部における被当接面52Aの法線L1と、図5(a)に示す第2当接面73Aの前端部における被当接面52Aの法線L2とが、いずれも駆動ユニット8を通るので、言い換えると、駆動ユニット8は、各当接面72A,73Aの上方に位置することになる。これにより、回動軸81Aからリアリンク7Rを通って被当接面52Aに伝達される力の経路を短くすることができ、着座部をより安定して支持することができる。
なお、本実施形態においては、第1ストッパ部72が荷重検出センサ10を基準としてセクタギヤ71が設けられた後端側とは反対側の前端側に設けられ、第2ストッパ部73がピン93および荷重検出センサ10(面PL3)を基準としてセクタギヤ71が設けられた上面側とは反対側の下面側に設けられているため、各ストッパ部72,73は、セクタギヤ71と離れて設けられることとなる。これにより、各ストッパ部72,73が被当接面52Aに当接したときにかかる荷重の影響が、セクタギヤ71に及ぶことを低減することができるので、リンク機構を良好に駆動させることが可能となる。
以上によれば、本実施形態において以下のような作用効果を得ることができる。
回動軸81Aと荷重検出部15が、前後方向および上下方向において互いにずれて配置されているので、操作ノブ81と荷重検出センサ10との干渉を抑制することができる。また、駆動ユニット8の一部と右後側の荷重検出センサ10の一部とが、左右方向において重なるように配置されているので、車両用シート1を左右方向にコンパクト化することができる。
荷重検出センサ10が、前後のリンク6,7と、リンク支持部52B(スライドレール5)との回動軸線上に配置されているので、荷重検出センサ10が前後のリンク6,7の下方に配置されるような構成と比較して、車両用シート1を上下方向にもコンパクト化することができる。
荷重検出センサ10が、前後のリンク6,7とリンク支持部52Bとの回動を軸支する連結軸として設けられているので、荷重検出センサ10をリンク機構(高さ調整機構)に組み込むことができる。これにより、荷重検出センサ10と前後のリンク6,7との干渉を抑制することができるので、干渉抑制のためのスペースを設ける必要がなくなり、車両用シート1をコンパクト化することができる。また、荷重検出センサ10を連結軸として使用することで、車両用シート1の部品点数を削減することができる。
サイドフレーム30の下部に、着座部が最低位置にあるときにセンサ本体11を受け入れる凹部37が設けられているので、サイドフレーム30と荷重検出センサ10との干渉を抑制でき、着座部が最低位置にあるときの車両用シート1の高さを低くすることが可能となる。これにより、特に最低位置にあるときの車両用シート1を高さ方向にコンパクト化することができる。
連結パイプ65,75が、荷重検出センサ10を避けた位置で前後のリンク6,7に取り付けられているので、荷重検出センサ10と連結パイプ65,75との干渉を抑制することができる。
前後のリンク6,7が、荷重検出部15に対して回動可能に設けられているので、リンク機構が駆動しても荷重検出部15の姿勢が変化しないため、着座部の高さ位置によらず、同じ条件で荷重を検出することができる。これにより、荷重検出センサ10の検出結果に基づいて実行される制御の精度を高めることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、先に説明した実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。
前記第1実施形態では、荷重検出センサ10が、前後のリンク6,7と、スライドレール5(リンク支持部材)との回動を軸支する連結軸として設けられた構成について説明した。本実施形態は、図6に示すように、荷重検出センサ10,20が、前後のリンク6,7と、サイドフレーム30との回動を軸支する連結軸として設けられた構成である。
本実施形態の車両用シート1は、シートバックフレーム2と、着座部フレーム3と、シートスプリング4と、スライドレール5と、フロントリンク6およびリアリンク7と、駆動ユニット8と、検出センサとしての荷重検出センサ10,20とを主に備えている。
図7に示すように、フロントリンク6は、図示前端がピン92により前側のリンク支持部52Bに節点を形成するように連結されている。ピン92は、フロントリンク6を回転可能に軸支しており、これにより、フロントリンク6がリンク支持部52B(スライドレール5)に対して回動可能となっている。
また、フロントリンク6の図示後端は、荷重検出センサ10によりサイドフレーム30(本体部30A)の前部に節点を形成するようにリンク取付凹部33の底壁に連結されている。荷重検出センサ10は、フロントリンク6を回転可能に軸支しており、これにより、フロントリンク6がサイドフレーム30に対して回動可能となっている。
本実施形態の荷重検出センサ10は、フロントリンク6と、サイドフレーム30との回動を軸支する連結軸として、各フロントリンク6に1つずつ(合計2つ)設けられている。なお、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の構成で、フロントリンク6は、荷重検出部15に対して回動可能に設けられている。
また、本実施形態の荷重検出センサ10は、左右の向きが、前記第1実施形態で示した向きとは逆向きとなるように配置されている。すなわち、図4を参考にして説明すると、本実施形態の荷重検出センサ10は、外筒体14が、フロントリンク6に設けられた貫通孔に挿入されることで、フロントリンク6に取り付けられ、延出軸部12が、サイドフレーム30に設けられた貫通孔に挿入され、雄ネジ部12Aにナット95が螺合されることで、サイドフレーム30に固定されている。これにより、荷重検出センサ10は、センサ本体11を左右方向内側に向け、延出軸部12を左右方向外側に向けて配置されている。
図7に戻り、リアリンク7は、図示前端が、ピン94により後側のリンク支持部52Bに節点を形成するように連結されている。ピン94は、リアリンク7を回転可能に軸支しており、これにより、リアリンク7がリンク支持部52B(スライドレール5)に対して回動可能となっている。
また、リアリンク7の図示後端は、荷重検出センサ20により、サイドフレーム30(本体部30A)の後部に節点を形成するように固定壁31の左右方向内側に連結されている。荷重検出センサ20は、リアリンク7を回転可能に軸支しており、これにより、リアリンク7がサイドフレーム30に対して回動可能となっている。
図8に示すように、荷重検出センサ20は、荷重検出センサ10と同様に、車両用シート1に乗員が着座したときの荷重を検出するセンサであり、収容軸部13と、外筒体14と、図示しない歪みゲージおよび基板ユニットとから主に構成されるセンサ本体11を有している。
荷重検出センサ20の収容軸部13は、大径部13Aおよび小径部13Bのほか、大径部13Aから左右方向外側(外筒体14の外側)に向けて延びる延出部13Cを有している。
このような荷重検出センサ20は、センサ本体11の軸方向が、左右方向に略沿うように、車両用シート1に取り付けられている。さらに、荷重検出センサ20は、リアリンク7と、サイドフレーム30との回動を軸支する連結軸として、各リアリンク7に1つずつ(合計2つ)設けられている。
具体的に、荷重検出センサ20は、外筒体14(荷重検出部15)が、リアリンク7に設けられた貫通孔にボールベアリング19を介して挿入されることで、リアリンク7に取り付けられ、延出部13Cが、サイドフレーム30に設けられた貫通孔に圧入されることで、サイドフレーム30に固定されている。なお、本実施形態においても、リアリンク7は、荷重検出部15に対して回動可能に設けられている。
車両用シート1に取り付けられた荷重検出センサ20は、その大部分(延出部13Cを除く部分)がサイドフレーム30から左右方向内側に向けて突出する。言い換えると、荷重検出センサ20のサイドフレーム30から突出する部分は、サイドフレーム30の左右方向内側に位置している。
なお、本実施形態においても、左右のリアリンク7は、一方のサイドフレーム30から他方のサイドフレーム30に向けて延びる略円筒状(管状)の連結パイプ75によって互いに連結されている。そして、荷重検出センサ20は、その一部、具体的には、リアリンク7から左右方向内側に向けて突出する部分が、連結パイプ75の内側に配置されている。
これによれば、荷重検出センサ20が連結パイプ75の外側に配置される構成と比較して、リアリンク7を小型化することが可能となるため、車両用シート1のコンパクト化が可能となる。また、荷重検出センサ20の一部が連結パイプ75の内側に配置されていることで、連結パイプ75により荷重検出センサ20を保護することができる。
駆動ユニット8は、前記第1実施形態と同様に、右のサイドフレーム30の左右方向外側の面の後部に固定されており、台座部80と、操作ノブ81と、ピニオンギヤ82と、固定部83(図6参照)とを主に有して構成されている。
図6に示すように、本実施形態においても、操作ノブ81の回動軸81Aと、荷重検出センサ10,20(荷重検出部15)は、前後方向および上下方向において互いにずれて配置されている。また、図8に示すように、操作ノブ81の回動軸81Aの左端部(駆動ユニット8の一部)と、右の荷重検出センサ20の荷重検出部15(荷重検出センサ20の一部)は、左右方向において重なるように、リアリンク7R上に配置されている。
また、図7に示すように、本実施形態において、回動軸81Aは、着座部が最低位置にあるときに、前後方向において、リアリンク7Rの2つの節(ピン94と荷重検出センサ20)の間で、かつ、荷重検出センサ20(荷重検出部15)よりも上方に配置されている。
これによれば、着座部が最低位置にあるときの駆動ユニット8の回動軸81Aとリアリンク7Rとの干渉を抑制可能としつつ、サイドフレーム30を前後方向に小型化することが可能となる。
補足すると、回動軸81Aとリアリンク7Rとの干渉を抑制するため、回動軸81A(駆動ユニット8)をリアリンク7Rの前方や後方に配置する構成が考えられるが、そのような構成では、サイドフレーム30が前後方向に大型化する可能性がある。そこで、本実施形態では、回動軸81Aをリアリンク7Rの2つの節の間、かつ、荷重検出部15よりも上方に配置することで、干渉を抑制しつつ、サイドフレーム30の小型化を可能としている。そして、これにより、車両用シート1を前後方向にコンパクト化することができる。
なお、図9(b)に示すように、本実施形態においては、回動軸81Aは、着座部が最高位置にあるときにも、前後方向において、ピン94と荷重検出センサ20の間、かつ、荷重検出センサ20よりも上方に配置されている。すなわち、本実施形態の車両用シート1では、回動軸81Aは、着座部の高さ位置によらず(着座部の昇降範囲のすべてにおいて)、常に、前後方向におけるピン94と荷重検出センサ20の間、かつ、荷重検出センサ20よりも上方に位置している。
図8に示すように、駆動ユニット8は、操作ノブ81(サイドフレーム30から突出する部分)が、サイドフレーム30の左右方向外側に位置するようにサイドフレームに取り付けられている。そのため、本実施形態において、駆動ユニット8の突出する部分(操作ノブ81)と、荷重検出センサ20の突出する部分(センサ本体11)とは、サイドフレーム30を挟んで反対側に配置されることとなっている。
これによれば、駆動ユニット8(操作ノブ81)と荷重検出センサ20(センサ本体11)との干渉を抑制することができる。さらに述べると、操作ノブ81とセンサ本体11の少なくとも一部を、左右方向から見て互いに重なるように(ラップさせて)配置することが可能となるので、サイドフレーム30のさらなる小型化が可能となる。これにより、車両用シート1のさらなるコンパクト化が可能となる。
次に、本実施形態の車両用シート1について、高さ調整を行うときの動作について簡単に説明する。
図9(a)に示すように、サイドフレーム30が最低位置にあるときに、操作ノブ81(ピニオンギヤ82)を図の時計回り方向に回動させると、リアリンク7Rが図の反時計回り方向に回動する。これにより、連結パイプ75によって連結された左右のリアリンク7が前方に向けて立ち上がることとなる。
そして、これに連動して、フロントリンク6も前方に向けて立ち上がるので、図9(b)に示すように、サイドフレーム30が上方へ移動することとなる。これにより、サイドフレーム30の位置を高くすることができる。その後、第1ストッパ部72が、被当接面52Aに当接することで、リンク機構の駆動が規制され、サイドフレーム30は最高位置に到達する。
また、図9(b)に示すサイドフレーム30が最高位置にあるときに、操作ノブ81を(ピニオンギヤ82)を図の反時計回り方向に回動させると、リアリンク7Rが図の時計回り方向に回動する。これにより、連結パイプ75によって連結された左右のリアリンク7が後方に向けて倒れることとなる。
そして、これに連動して、フロントリンク6も後方に向けて倒れるので、図9(a)に示すように、サイドフレーム30が下方へ移動することとなる。これにより、サイドフレーム30の位置を低くすることができる。その後、ストッパ部62と第2ストッパ部73が、被当接面52Aに当接することで、リンク機構の駆動が規制され、サイドフレーム30は最低位置に到達する。
以上によれば、本実施形態において以下のような作用効果を得ることができる。
回動軸81Aと荷重検出部15が、前後方向および上下方向において互いにずれて配置されているので、駆動ユニット8と荷重検出センサ20との干渉を抑制することができる。また、駆動ユニット8の一部と荷重検出センサ20の一部とが、左右方向において重なるように配置されているので、車両用シート1を左右方向にコンパクト化することができる。
荷重検出センサ10,20が、前後のリンク6,7と、サイドフレーム30との連結軸として設けられているので、車両用シート1をさらにコンパクト化することができるとともに、車両用シート1の部品点数を削減することができる。
なお、本実施形態においても、連結軸としての荷重検出センサ10,20は、当然、前後のリンク6,7と、サイドフレーム30との回動軸線上に配置されることになるので、車両用シート1を上下方向にもコンパクト化することができる。
右の荷重検出センサ20の回動軸81Aが、前後方向において、リアリンク7Rの2つの節の間で、かつ、荷重検出部15よりも上方に配置されているので、回動軸81Aとリアリンク7Rとの干渉を抑制可能としつつ、サイドフレーム30を前後方向に小型化することが可能となる。これにより、車両用シート1を前後方向にコンパクト化することができる。
駆動ユニット8の突出する部分がサイドフレーム30の左右方向外側に位置し、右の荷重検出センサ20の突出する部分がサイドフレーム30の左右方向内側に位置しているので、駆動ユニット8と荷重検出センサ20との干渉を抑制することができる。また、駆動ユニット8と荷重検出センサ20の一部をラップさせて配置可能となるので、サイドフレーム30および車両用シート1のさらなるコンパクト化が可能となる。さらに、荷重検出センサ20の突出する部分がサイドフレーム30の内側に位置していることで、部品を追加することなく、サイドフレーム30によって荷重検出センサ20を保護することができる。
荷重検出センサ20の一部が連結パイプ75の内側に配置されているので、リアリンク7の小型化が可能となり、車両用シート1のコンパクト化が可能となる。また、連結パイプ75によって荷重検出センサ20を保護することができる。
前後のリンク6,7が、荷重検出部15に対して回動可能に設けられているので、着座部の高さ位置によらず、同じ条件で荷重を検出することができる。これにより、荷重検出センサ10,20の検出結果に基づいて実行される制御の精度を高めることが可能となる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、図10(b)において、前記実施形態および図10(a)と同一の符号が付された部材は、前記実施形態などで説明した部材と同様の構成であることを意味し、詳細な説明については省略する。
前記第2実施形態では、前後の荷重検出センサ10,20が、いずれも、サイドフレーム30との連結軸として設けられた構成について説明した。本実施形態は、図10に示すように、前後の荷重検出センサ10のうち、一方がサイドフレーム30との連結軸として設けられ、他方がスライドレール5(リンク支持部材)との連結軸として設けられた構成である。
具体的に、図10(a)に示す車両用シート1では、前側の荷重検出センサ10(10A)は、フロントリンク6と、サイドフレーム30との回動を軸支する連結軸として設けられている。また、後側の荷重検出センサ10は、リアリンク7と、後側のリンク支持部52B(スライドレール5)との回動を軸支する連結軸として設けられている。
一方、図10(b)に示す車両用シート1では、前側の荷重検出センサ10は、フロントリンク6と、前側のリンク支持部52B(スライドレール5)との回動を軸支する連結軸として設けられている。また、後側の荷重検出センサ10(10A)は、リアリンク7と、サイドフレーム30との回動を軸支する連結軸として設けられている。
なお、図10(a)に示す形態(および前記実施形態)では、駆動ユニット8は、サイドフレーム30の後部に取り付けられていたが、図10(b)に示す形態では、駆動ユニット8は、サイドフレーム30の前部(前後方向における中央よりも前側)に取り付けられている。すなわち、本発明には、駆動ユニット8がサイドフレーム30の前部に取り付けられる構成も含まれている。
ちなみに、図10(b)に示す形態では、右のフロントリンク6にピニオンギヤ82と噛み合うセクタギヤ71が設けられており、操作ノブ81の回動によって、まずフロントリンク6が回動し、これに連動して、リアリンク7が回動(リンク機構が駆動)するようになっている。
ここで、本実施形態において、荷重検出センサ10Aは、前後のリンク6,7のうち、前後方向において、駆動ユニット8から遠い方のリンクと、サイドフレーム30との連結軸として設けられている。
具体的に、図10(a)に示す駆動ユニット8がサイドフレーム30の後部に取り付けられた構成では、荷重検出センサ10Aは、駆動ユニット8から遠い、フロントリンク6と、サイドフレーム30との連結軸として設けられている。一方、図10(b)に示す駆動ユニット8がサイドフレーム30の前部に取り付けられた構成では、荷重検出センサ10Aは、駆動ユニット8から遠い、リアリンク7と、サイドフレーム30との連結軸として設けられている。
このような、サイドフレーム30と、フロントリンク6またはリアリンク7との連結軸としての荷重検出センサ10Aの配設によれば、特に駆動ユニット8が固定される右のサイドフレーム30において、荷重検出センサ10Aと駆動ユニット8の干渉を抑制しつつ、サイドフレーム30を大型化することなく、1つのサイドフレーム30に駆動ユニット8と荷重検出センサ10Aの両方を設けることができる。
補足すると、1つのサイドフレーム30に、荷重検出センサ10Aと駆動ユニット8とを近づけて配置すると、干渉を避けるため、サイドフレーム30を大型化する必要が生じる可能性がある。本実施形態では、荷重検出センサ10Aを駆動ユニット8から遠い方のリンクの連結軸として設けているので、サイドフレーム30の大型化の必要は生じない。また、干渉を避けるためのスペースを必要としないことで、場合によっては、サイドフレーム30の小型化が可能となるので、車両用シート1のコンパクト化が可能となる。
さらに、本実施形態の構成によれば、1つのサイドフレーム30に対し、駆動ユニット8と荷重検出センサ10Aとが前後に離れて配置されることになるので、サイドフレーム30に対する駆動ユニット8および荷重検出センサ10Aの組み付け性を向上させることができる。
なお、本実施形態において、駆動ユニット8が固定されていない左のサイドフレーム30側における、2つの荷重検出センサ10の配設は任意である。
ここで、以上説明した第1〜第3実施形態では、いずれも、駆動ユニット8が、リアリンク7(またはフロントリンク6)に近接して配置されている。これによれば、駆動ユニット8がリアリンク7(またはフロントリンク6)から遠い位置、例えば、図2においてピン91,93の間など、に配置される構成と比較して、リンク機構を駆動させるための構成の部品点数を少なくしたり、駆動伝達のための部品を小型化したりすることができるとともに、操作ノブ81を回動させたときの力をリアリンク7(またはフロントリンク6)に伝えやすくすることができる。
なお、補足すると、駆動ユニット8がリンク6,7から遠い位置に配置される構成では、操作ノブ81を回動させたときの力をリンク6,7に伝えるため、例えば、ピニオンギヤ82とセクタギヤ71の間に他の部品が必要となって部品点数が多くなったり、駆動伝達のためのギヤなどの部品を大型化する必要が生じたりするおそれがある。また、操作ノブ81を回動させたときの力をリンク6,7に伝えにくくなるので、より大きな力で操作ノブ81を操作する必要性が生じるおそれなどがある。
また、以上説明した第1〜第3実施形態では、いずれも、荷重検出センサ10,20が、リンク6,7と、サイドフレーム30(またはスライドレール5)との連結軸として設けられているので、車両用シート1をコンパクト化できるとともに、荷重検出センサ10,20とリンク6,7とをコンパクトに配置することが可能となる。
そして、特に、第2実施形態(図6参照)のように、駆動ユニット8と荷重検出センサ20の両方を、リアリンク7(リンク)に近接して配置することで、部品点数の削減やコンパクトな配置などが可能になるという効果のほか、さらに、リンクの剛性を高めることができる。これにより、荷重のかかるリンクの駆動安定性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態で示したサイドフレーム30の具体的な構成は一例であり、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、図8を参考にして説明すると、前記実施形態では、サイドフレーム30(固定壁31)は、断面視において上下方向に真っ直ぐ延びるように形成されていたが、これに限定されず、駆動ユニット8が固定される上部が左右方向外側(右側)に位置し、荷重検出センサ20が取り付けられる下部が左右方向内側(左側)に位置するように、断面視において屈曲形成されていてもよい。
なお、サイドフレームが上記したように屈曲形成されている場合において、前記第2実施形態のように、検出センサの突出する部分がサイドフレームの内側に位置する構成によれば、サイドフレーム30によって荷重検出センサ20を保護することができる。また、前記第1実施形態のように、検出センサ(センサ本体11)の突出する部分がサイドフレームの外側に位置する構成によれば、サイドフレームの検出センサが取り付けられる部分が左右方向内側に屈曲していることで、検出センサの左右方向外側への突出量を抑制することができる。
前記実施形態では、フロントリンク6やリアリンク7(リンク)に設けられた貫通孔にボールベアリング19(転がり軸受)を配設することで、リンクを荷重検出部15(検出部)に対して回動可能に設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、リンクに設けられた貫通孔に転がり軸受としてのニードルベアリングなどを配設することで、リンクを検出部に対して回動可能に設けてもよい。また、リンクに設けられた貫通孔に金属製や樹脂製のカラーを配設することで、リンクを検出部に対して回動可能に設けてもよい。さらに、リンクと検出部をすきまばめすることで、リンクを検出部に対して回動可能に設けてもよい。また、検出センサの検出精度に影響がないのであれば、リンクは検出センサの検出部に対して回動不能に設けられていてもよい(固定されていてもよい)。
前記実施形態では、連結部材として、略円筒状(管状)の連結パイプ65,75を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、円柱状や角柱状の連結部材などであってもよい。なお、前記第2実施形態では、後側の荷重検出センサ20が連結パイプ75の内側に配置されていたが、これに限定されず、例えば、前側の荷重検出センサ10も管状の連結部材の内側に配置されていてもよい。
前記実施形態では、連結部材としての連結パイプ65,75が溶接によりフロントリンク6またはリアリンク7に固定されていた(取り付けられていた)が、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、連結部材は、リンクに設けられた貫通孔に圧入されることでリンクに取り付けられていてもよいし、ボルトなどの締結具によりリンクに取り付けられていてもよい。
前記第2実施形態では、駆動ユニット8の回動軸81Aが、着座部の昇降範囲のすべてにおいて、前後方向におけるピン94と荷重検出センサ20の間、かつ、荷重検出センサ20よりも上方に位置していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、回動軸81Aは、リアリンク7Rとの干渉が発生しやすい、着座部が最低位置にあるときだけ、前後方向におけるピン94と荷重検出センサ20の間、かつ、荷重検出センサ20よりも上方に位置していてもよい。
前記実施形態で示したリンクの具体的な構成は一例であり、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、左右のリアリンク7の形状が異なっていたが、これに限定されず、駆動ユニット8を左右いずれのサイドフレーム30に固定してもリンク機構を駆動させることができるように、左右のリアリンク7が左右対称に形成されていてもよい。
前記実施形態では、リンク支持部材(リンク6,7を支持する部材)として、着座部を前後に移動可能とするスライドレール5を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、リンク支持部材は、乗物の床に固定されるリンク支持用の金具であってもよいし、リンク支持用の構成が一体に設けられた乗物の床であってもよい。
前記実施形態では、左右のサイドフレーム30を昇降させる高さ調整機構として、リンク機構を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、高さ調整機構は、モータや油圧、空気圧などでサイドフレームを昇降させる機構であってもよい。
前記実施形態で示した駆動ユニット8の具体的な構成は一例であり、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、ピニオンギヤ82が操作ノブ81(駆動部材)と同軸で回動するように設けられていたが、これに限定されず、リンク側のギヤと噛み合うギヤは、駆動部材の回動軸と同軸で回動するギヤと直接、または、他のギヤを介して噛み合うように設けられていてもよい
前記実施形態では、駆動ユニット8が右のサイドフレーム30に固定されていたが、本発明はこれに限定されず、左のサイドフレーム30に固定されていてもよい。また、本発明において、駆動ユニットは、左右両方のサイドフレームにそれぞれ設けられていてもよい。
前記実施形態では、荷重検出センサ10,20(検出センサ)が合計4つ設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、検出センサの個数は特に限定されるものではなく、本発明は、少なくとも1つの検出センサを備える乗物用シートに適用することができる。したがって、検出センサは、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
前記実施形態で示した荷重検出センサ10,20の具体的な構成は一例であり、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、荷重検出センサ10,20は、センサ本体11が収容軸部13と外筒体14を有していたが、これに限定されず、センサ本体が軸状に形成されていてもよい。また、前記実施形態では、センシング素子として歪みゲージを採用したが、これに限定されず、ホールICなどを採用してもよい。
前記実施形態では、荷重検出センサ10,20が、前後のリンク6,7と、サイドフレーム30またはスライドレール5(リンク支持部材)との回動を軸支する連結軸として設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、検出センサは、リンクと、サイドフレームまたはリンク支持部材とを軸支していなくてもよい。具体的には、図4を参考にして説明すると、リアリンク7とリンク支持部52Bとの回動がピンによって軸支されている構成において、検出センサは、ピンの軸線上でピンに隣接して配設されていてもよい。
前記実施形態では、荷重検出センサ10,20は、センサ本体11の軸方向が左右方向(水平方向)に沿うように取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、荷重検出センサは、軸状の検出部が上下方向(鉛直方向)に沿うように取り付けられるタイプのものであってもよい。
なお、本発明は、軸状の検出部が左右方向に沿うように取り付けられる検出センサ(以下、説明の便宜のため、横型センサと称する。)を採用した場合に特に有効である。すなわち、軸状の検出部が上下方向に沿うように取り付けられる検出センサ(以下、縦型センサと称する。)は、その上下の寸法(高さ)の分だけ、乗物用シートが高さ方向に大きくなる可能性があるが、横型センサを採用した場合には、前記した可能性が生じないため、乗物用シートを高さ方向にもコンパクト化することができるからである。
一方、横型センサは、縦型センサと比較して、左右の寸法が大きくなることが多いため、乗物用シートに取り付けた場合、縦型センサを取り付けた場合よりも、乗物用シートが左右方向に大きくなる可能性がある。そのため、横型センサを採用した場合には、乗物用シートを左右方向にコンパクト化できるという本発明の効果が特に大きな意義を有することになる。
前記実施形態では、検出センサとして、荷重を検出する荷重検出センサ10,20を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、検出センサは、着座部の位置、具体的には、前後位置や高さ位置などを検出する位置センサであってもよい。
前記実施形態では、操作ノブ81(駆動部材)の回動軸81Aと荷重検出部15(検出部)が、前後方向および上下方向の両方向において互いにずれて配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、駆動部材の回動軸と検出部は、前後方向において重なるように配置され、上下方向のみにおいて互いにずれて配置されていてもよい。また、駆動部材の回動軸と検出部は、上下方向において重なるように配置され、前後方向のみにおいて互いにずれて配置されていてもよい。
なお、特に、前記第2実施形態のように、駆動ユニット8と荷重検出センサ10,20の両方がサイドフレーム30に取り付けられる構成において、回動軸と検出部が、前後および上下の少なくとも一方向において互いにずれて配置されることで、回動軸と検出部が前後方向および上下方向に重なるように配置される構成と比較して、サイドフレームの厚みを薄くする(左右の寸法を小さくする)ことができる。これにより、乗物用シートを左右方向にコンパクト化することができる。また、本発明によれば、回動軸と検出部が前後方向および上下方向に重なるように配置される構成と比較して、駆動ユニットと検出センサの配置の自由度を高めることができる。
前記実施形態では、駆動ユニット8の一部と荷重検出センサ10,20(検出センサ)の一部とが、左右方向において重なるように配置されていた。言い換えると、左右方向において、検出センサは、その一部が駆動ユニットの左右の幅内に配置されていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、左右方向において、検出センサは、その全体が駆動ユニットの左右の幅内に配置されていてもよい。これによれば、乗物用シートを左右方向によりコンパクト化することができる。
前記実施形態では、乗物用シートの適用例として、自動車などの車両用シート1を示したが、本発明はこれに限定されず、その他の乗物用シート、例えば、船舶用や航空機用のシートに適用することもできる。
なお、本発明とは別に、駆動ユニットと検出センサとの干渉を抑制するための参考的形態として、例えば、図11に示すように、車両用シート1’(乗物用シート)は、左右のサイドフレーム30のうち、右(一方)のサイドフレーム30に駆動ユニット8を設け、左(他方)のサイドフレーム30に荷重検出センサ10(検出センサ)を設ける構成としてもよい。ちなみに、車両用シート1’において、リンク6,7とスライドレール5との連結軸として設ける検出センサの配設は任意である。また、リンク6,7とスライドレール5との連結軸には、検出センサを採用しなくてもよい。