JP5823902B2 - 原子力発電プラントの使用済み燃料輸送方法 - Google Patents

原子力発電プラントの使用済み燃料輸送方法 Download PDF

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Description

本発明は、原子力発電プラントの使用済み燃料の輸送方法に係り、特に、使用済み燃料を湿式輸送する際の輸送容器(キャスク)内での水素発生抑制に適用するのに好適な使用済み燃料輸送方法に関する。
原子力発電プラントの炉心で所定期間使用された使用済み燃料(核燃料)は、原子炉圧力容器の炉心から燃料交換機を用いて取り出されて、使用済み燃料プールの燃料ラック内などで一時保管される。所定の冷却期間が終了した使用済み燃料は、使用済み燃料プールから搬出されて、一時的に貯蔵された後、再処理される。
使用済み燃料の運搬には、キャスクと呼ばれる放射線の遮蔽並びに除熱の機能を有する大型の輸送容器が使用される。キャスク内に使用済み燃料を装荷し、キャスクをトレーラーや船舶等で再処理施設に輸送する。再処理施設へ輸送する前に発電所内外の中間貯蔵施設で保管されることもある。
キャスクには湿式と乾式の2つの方法がある。湿式キャスクは輸送の際にキャスク内に水を内包し、使用済み燃料が水に浸漬された状態で輸送される。湿式キャスクの場合は使用済み燃料を装荷後に排水する手間がかからず、また水が遮蔽や除熱の機能を一部担うメリットがある。一方、乾式キャスクでは、キャスクの内部は使用済み燃料装荷後に排水され、十分に乾燥された状態で使用済み燃料を輸送する。乾式キャスクでは、キャスク内の水分がないので材料の腐食や水の放射線分解による水素発生の問題がない。
以上に記したキャスクの代表的なものについては、例えば非特許文献1に記されている。
湿式のキャスクを使用する場合、キャスク内の水の放射線分解によって水素が発生する。キャスク内には水の体積膨張を緩衝するための気相部が設けられている。その結果、キャスク内の水の放射線分解で生じた水素は一部がキャスク内の気相部に移行して存在することになる。例えば、非特許文献2では湿式キャスク内での水素発生量を実測した結果を報告している。
また、特許文献1あるいは特許文献2には、関連するキャスクあるいは移送と貯蔵を兼ねたキャスクに関する従来技術が開示されている。
さらに、特許文献3あるいは特許文献4には、原子炉から回収された使用済み燃料の再処理工程において、容器を電解槽内の溶融塩に浸漬して還元剤と反応させる構成が開示されている。これらは、燃料自体を再処理する目的で還元剤を使用している。
特開2000−98082号公報 特許第4280255号公報 特開2000−131489号公報 特開2003−166094号公報
神戸製鋼技報、Vol.53、No.3(Dec.2003) Y. Fujita and M. Ebihara, "Evaluation of Hydrogen Yield in Spent Fuel Transport Package", Proc. 16th International Symposium on the Packaging and Transport of Radioactive Materials. October 3-8, 2010. London, (2010)
上述のように、湿式のキャスクを使用する場合、キャスク内の水の放射線分解によって水素が発生する。沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)のどちらの燃料輸送においても、水素の発生量は空気中の爆発下限界値の4%より十分低いことが確認されている。
しかしながら、今後BWRやPWRの燃料の燃焼度が現在の40〜50GWd/MTU(ウラン1メトリックトン当たりの発熱量)よりさらに上昇すると一定期間冷却した使用済み燃料1の崩壊熱量が高くなり、それに伴って使用済み燃料1から放出される放射線の線量率も高くなることが予想される。
例えば、燃料は冷却初期には大きな発熱量を持つため、適切な期間冷却することによって発熱量が十分輸送できるレベルまで低下させる。燃焼度が上がるとこの冷却曲線は上方にシフトし発熱量が従来より高い状態になるので、さらに長期間冷却しなければならない。
また、もし使用済み燃料の燃料被覆管にピンホール等があると、燃料ペレットと水が接触し、被覆管内のβ核種およびα核種の影響を受けて水の分解が増加する可能性がある。以上のような場合に、湿式輸送に用いられるキャスク内の気相部水素濃度の爆発下限界に対する裕度が低下することになる。
そこで、本発明は、湿式での使用済み燃料輸送時にキャスク内部での水素の発生を抑制して、輸送作業が安全に実施できる使用済み燃料の輸送方法を提供することを目的としている。
本発明は、原子力発電プラントの湿式輸送容器を用いた使用済み燃料の輸送方法において、使用済み燃料を湿式輸送容器内に装荷した後に、湿式輸送容器内の水に還元剤を溶解させることを特徴とする。
また、使用済み燃料の輸送方法において、少なくとも、湿式輸送容器内の水に溶存する酸素濃度と等量な水素濃度及び使用済み燃料から発する放射線によって湿式輸送容器内の水から発生する水素の平衡濃度の和である水素濃度を与える水素を供給する還元剤を、湿式輸送容器内の水に添加することを特徴とする。
また、使用済み燃料の輸送方法において、湿式輸送容器内の水に添加する還元剤は、湿式輸送容器内の水に溶存する酸素濃度と等量な水素濃度及び輸送中の使用済み燃料から発する放射線線量率によって湿式輸送容器内の水から発生する水素の平衡濃度の和である水素濃度に対し、化学的に等量であることを特徴とする。
また、使用済み燃料の輸送方法において、使用済み燃料を湿式輸送容器に装荷した後に、湿式輸送容器内に保持された水の量を調整して湿式輸送容器内に気相部を形成し、次いで、還元剤を湿式輸送容器内の水に添加することを特徴とする。
また、使用済み燃料の輸送方法において、少なくとも、湿式輸送容器内の水に溶存する酸素濃度と等量な水素濃度及び使用済み燃料から発する放射線によって湿式輸送容器内の水から発生する水素の平衡濃度の和である水素濃度を与える水素を供給する還元剤を、湿式輸送容器内の水に添加することを特徴とする。
さらに、使用済み燃料の輸送方法において、湿式輸送容器内の水に添加する還元剤は、湿式輸送容器内の水に溶存する酸素濃度と等量な水素濃度及び輸送中の使用済み燃料から発する放射線線量率によって湿式輸送容器内の水から発生する水素の平衡濃度の和である水素濃度に対し、化学的に等量であることを特徴とする。
さらに、使用済み燃料の輸送方法において、湿式輸送容器内の水に添加する還元剤は水溶性の還元剤であることを特徴とする。
また、使用済み燃料の輸送方法において、湿式輸送容器内の水に添加する還元剤はメタノール又はヒドラジンのいずれか一つを含むことを特徴とする。
さらに、使用済み燃料の輸送方法において、湿式輸送容器内の水に添加する還元剤は水素化ホウ素ナトリウム又はBが5以上の水素化ホウ素のいずれか一つを含むことを特徴とする。
本発明によれば、原子力発電プラントの使用済み燃料の輸送方法において、使用済み燃料を燃料プールから輸送する作業に使用する湿式キャスクに使用済み燃料を装荷した直後に、キャスク内に保持された水中に溶存する酸素濃度と、輸送中の使用済み燃料から発する放射線の線量率によって決まる水素の平行濃度の和に化学的に等量な還元剤を、キャスク内の水に添加することによって、使用済み燃料輸送中にキャスクで水が分解することを抑制し、湿式輸送キャスク内部の気相部での水の放射線分解で生成した水素濃度を爆発下限界以下に管理することが可能となり、作業の安全性が向上する。
沸騰水型原子力発電プラントの原子炉建屋の断面図。 沸騰水型原子力発電プラントの原子炉建屋オペレーションフロアの平面図。 沸騰水型原子力発電プラントでの燃料取り出し手順を示す模式図。 キャスクの構成を示す模式図。 沸騰水型原子力発電プラントでのキャスクへの燃料設置作業を示す模式図。 キャスクを用いた燃料輸送手順を示すフロー図。 使用済み燃料集合体1体あたりの発熱量と冷却期間の関係を示すグラフ。 大気飽和した水が放射線分解する際に発生する水素の水中での平衡濃度のγ線の吸収エネルギー密度依存性を示すグラフ。 大気飽和した水が放射線分解する際に発生する過酸化水素の水中での平衡濃度のγ線の吸収エネルギー密度依存性を示すグラフ。 本発明の実施例1の作業手順を示すフロー図。 本発明の実施例2の作業手順を示すフロー図。
以下に本発明の実施形態について説明する。
〔原子力発電プラント〕
原子力発電プラントは図1に示すように、原子炉建屋5を構成する格納容器16内に原子炉圧力容器2(原子炉)が設置されている。原子炉建屋5の上部には原子炉で使用した燃料である使用済み燃料を保管するための使用済み燃料プール3と、原子炉圧力容器2に設置されている図示しない蒸気乾燥器および気水分離器を取り外した後に保管する蒸気乾燥器気水分離器ピット17がある。原子炉を停止して定期検査を行うときには、原子炉圧力容器2の蓋を外して原子炉ウエル18に水を満たし、原子炉圧力容器2内と使用済み燃料プール3および蒸気乾燥器気水分離器ピット17が原子炉ウエル18に満たされた水を介してつながるようにする。6はオペレーションフロア、24は圧力容器蓋である。
これらの配置をオペレーションフロア6上から見ると、図2のようになる。オペレーションフロア6には原子炉圧力容器2から外した蓋(図示せず)、格納容器16の蓋(図示せず)、あるいは原子炉ウエル18と使用済み燃料プール3および蒸気乾燥器気水分離器ピット17の仕切りを定期検査中に保管するための作業スペースが設けられ、また、キャスクピット8が設けられている。使用済み燃料プール3内には燃料ラック10が設置されている。使用済み燃料プール3の横にはキャスク除染ピット11、大物搬入口12がある。4はキャスクである。
図3に示す様に、原子力発電プラントの炉心で所定期間使用された使用済み燃料1は、原子炉圧力容器2の炉心から燃料交換機9を用いて取り出されて、使用済み燃料プール3の燃料ラック10内などに一時保管される。図3は原子炉圧力容器2内と使用済み燃料プール3および蒸気乾燥器気水分離器ピット17が原子炉ウエル18に満たされた水を介してつながった状態を示している。所定の冷却期間が終了した後に、使用済み燃料1は使用済み燃料プール3から搬出されて一時的に貯蔵された後、再処理される。
〔キャスク〕
使用済み燃料1の運搬には、キャスクと呼ばれる放射線の遮蔽並びに除熱の機能を有する大型の輸送容器が使用される。本発明は、輸送の際にキャスク内に水を内包し使用済燃料が水に浸漬された状態で輸送される湿式キャスクを対象とする。キャスク4内に使用済み燃料1を装荷し、キャスク4をトレーラーや船舶等で再処理のための施設に輸送する。再処理施設の前に、発電所内外の中間貯蔵施設で保管されることもある。
キャスク4に使用済み燃料1を装荷する場合、まずキャスク4は原子炉建屋5のオペレーションフロア6に運ばれる。そこで、図4に示す構造を有するキャスク4の胴19や蓋13などの表面に汚染防止用のプラスチックシートや金属カバーが掛けられて養生される。キャスクの蓋13を固定するボルト15が外されたあと、キャスク4の吊り上げ用のトラニオン21を用いてキャスク4を天井クレーン7で吊り上げ、使用済み燃料1を保管している燃料プール3のキャスクピット8に運び込む。20はキャスク4内で使用済み燃料を収納するラック、22はキャスク4上部に設けた計測ベント弁、23はキャスク4下部に設けた排水弁である。
図5はキャスク4をキャスクピット内に設置した状態を示している。燃料交換機9を用いて燃料プール3内の燃料ラック10から使用済み燃料1を取り出し、隣接するキャスク4まで移動し、キャスク4内のラック20に設置する。キャスク4に収容可能な本数までの使用済み燃料1をキャスク4に装荷したら、キャスク4に蓋13を載置する。その状態で天井クレーン7でキャスク4を吊り出し、キャスク除染ピット11に移動する。キャスク4の表面の汚染状態を確認し、表面を養生するためのプラスチックシートあるいは金属カバーを外す。ボルト15を締結してキャスク4の胴19と蓋13とを固定する。
ここで、湿式輸送の場合にキャスク4内の水が使用済み燃料1の発する熱によって膨張し内圧が上昇するのを防ぐために、上部の計測ベント弁21と下部の排水弁23を開け、キャスク4内の水を体積膨張分を吸収できるだけキャスク4から排出する。排水終了後、キャスク4の密閉性を確認した後、天井クレーン7でキャスク4を大物搬入口12まで移動させて、輸送車両に積載して貯蔵施設に移送される。貯蔵施設は原子力発電プラントの設置された敷地内の別の施設、あるいは別の土地に設置された施設である。以上の作業手順のフローを図6に示す。
図7に示すように、例えば50GWd/MTUの燃料は一年冷却後に2kW/集合体程度の発熱量を持つため、長い期間冷却することによって発熱量が十分輸送できるレベルまで低下させる。
使用済み燃料をキャスクに収容する場合、円筒または角柱状の収納缶に一旦使用済み燃料を設置してから、収納缶をキャスクに設置する場合もある。これは、使用済み燃料が破損の恐れがある場合や、臨界となることを防ぐために使用済み燃料1同士の距離を離す場合に用いられる。
〔水中における水素の生成機構〕
本発明は、湿式輸送容器を用いた使用済み燃料の輸送方法において、使用済み燃料を湿式輸送容器内に装荷する工程の後に、前期湿式輸送容器内の水に還元剤を溶解させる工程を有することを特徴とする。
水の放射線分解により、非常に早い初期の段階で、式(1)のように水素や過酸化水素のような分子性化学種とラジカルが生成する。なお、酸素のような化学種は初期に生成した化学種間の反応で二次的に生成する。
Figure 0005823902

水の分解が進んで水中の水素濃度が高くなると、式(2)のように溶存している水素からOHラジカルが水素を引き抜く反応が優勢に進行する。
Figure 0005823902

このときに生成する水素原子がきっかけとなって再結合反応が進行する。生成した水素原子は酸素や過酸化水素と反応しHOやOHラジカルが生成する。式(3)〜(5)に示すように、これらのラジカルが連鎖的に反応することによって反応が進行する。
Figure 0005823902
Figure 0005823902
Figure 0005823902
ここで、式(6)〜(8)に示す様に、H原子とOHラジカル並びにH原子同士が反応して再結合反応にブレーキがかかる。
Figure 0005823902
Figure 0005823902
Figure 0005823902
以上の反応が同時に進行することによって、見かけ上、式(9)、(10)で表される再結合反応が、式(1)の放射線分解の逆反応として進む。
Figure 0005823902
Figure 0005823902
その結果、水の分解と再結合がある線量率の下で平衡に達し、平衡水素濃度が決まる。
図8のグラフに、容器内に溶存する水素濃度をγ線の吸収エネルギー密度の関数として計算した結果を示す。また、図9のグラフに、過酸化水素濃度の同様の解析結果を示す。
従って、還元剤を添加して水素濃度を高め、初期に大気飽和の容器内の水に溶存する酸素を消費するのに必要な水素を供給することによって水の分解を抑制し、これらの水の分解の進行によって発生する水素量を抑制することができる。
酸素は、大気飽和の酸素気圧と気温によってキャスクの水中に7〜8ppm程度の濃度で溶存するので、等価な水素を供給するには水素を1ppm程度含有していればよい。
〔還元剤の添加〕
本発明はまた、湿式輸送容器を用いた使用済み燃料の輸送方法において、使用済み燃料を湿式輸送容器に装荷した後に、湿式輸送容器内に保持された水の量を調整して湿式輸送容器内に気相部を形成した後に、還元剤を湿式輸送容器内の水に添加する。
湿式輸送容器では、キャスクピット8内で使用済み燃料1を設置するので容器内に水が充満した状態で蓋が設置される。そのため蓋を固定した後で、輸送中の発熱による水の体積膨張による圧力上昇を緩和する目的で容器内に気相部を形成する。気相部を形成する前に還元剤を添加すると、排水に高濃度の還元剤が含まれ発電所での処理の負荷となる。また、薬品コストの観点からも無駄となるので、容器内の水量を調整したあとに液体の還元剤を添加する。
本発明は、湿式輸送容器内の水に溶存する酸素濃度と等量な水素濃度と、輸送中の使用済み燃料から発する放射線の線量率によって決まる水素の平衡濃度の和に等量な還元剤を、湿式輸送容器内の水に添加する。
さらに、湿式輸送容器内の水に添加する還元剤は水に可溶な形態とする。水素ガスを容器内に封入して水の分解抑制に使用することも可能である。しかし、原子炉内で水素のガスを容器に封入する作業自体が危険性を増大させ、容器内での水素発生を抑制する目的と相反する。したがって、ガス状の還元剤を使用せず、水に可溶な還元剤を使用することによって、安全に水の分解による水素の発生を抑えることが可能となる。水の分解の抑制のために水素を添加することはBWRやPWRの運転でも用いられているが、この取り扱いの容易さの観点で本発明は水に可溶な還元剤を使用する点が従来技術と異なる。
上記の、湿式輸送容器内の水に添加する水に可溶な還元剤は、メタノール、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、乃至Bが5以上の水素化ホウ素であることを特徴とする。メタノールは放射線照射下で酸素と反応して、式(11)に示す様に、水と二酸化炭素とを生成する。
Figure 0005823902
これによって酸素濃度を低下させて水の分解を抑え水素の発生を抑制する。また、同時に発生した二酸化炭素の一部が気相部に移行すると、水素の爆発下限界が上昇する方向に作用する。ヒドラジンは放射線照射化で酸素および過酸化水素との反応が促進されて、式(12)で示す様に、水と窒素を生成する。
Figure 0005823902
これによって酸素濃度を低下させて水の分解を抑え水素の発生を抑制する。また、同時に発生した窒素ガスが気相部に移行すると、水素の爆発下限界が上昇する方向に作用する。
水素化ホウ素ナトリウムは水に溶解して水素を供給する。水素濃度が上昇することで水の中での酸素、過酸化水素と水素の反応が促進されて、水中の水素濃度の上昇が抑制される。
また、同時に添加したホウ素が燃料破損が生じた場合に臨界を抑制する方向に作用するとともに、酸素と反応してホウ酸を形成して水に溶存することになり水の分解を促進する酸素濃度を下げることで水素の発生量を低下させる。
水素化ホウ素では、ホウ素Bを5以上とすることで水に可溶、かつ安定に溶存し、ゆっくりと分解して水素を供給する還元剤を提供することができる。
メタノールやヒドラジンは放射線化学の分野や火力発電など広い分野で、ラジカルスカベンジャーや脱酸素剤として知られており、BWRやPWRでの使用が検討されているが、反応で生成したガスである二酸化炭素および窒素が不活性な化学種であり、酸素や過酸化水素との反応性があるだけでなく、気相に移行した場合に水素の爆発範囲を緩和する方向に作用する。
以下に本発明の実施例を図面につき説明する。
以下に、図10を用いて、本発明の好適な一実施例である実施例1の使用済み燃料の輸送方法をBWRの場合について説明する。
湿式のキャスク4に使用済み燃料1を装荷する場合、図5に示す様にまずキャスク4は原子炉建屋5のオペレーションフロア6に運ばれる。そこで、図4に示す構造を有するキャスク4の胴19や蓋13などの表面に汚染防止用のプラスチックシートまたは金属カバーが掛けられて養生される。キャスクの蓋13を固定するボルト15が外されたあと、キャスク4の吊り上げ用のトラニオン21を用いてキャスク4を天井クレーン7で吊り上げ、使用済み燃料1を保管している燃料プール3のキャスクピット8に図5のように運び込まれる。
燃料交換機9を用いて燃料プール3内の燃料ラック10から使用済み燃料1を取り出し、キャスク4まで移動し、キャスク4内のラック20に設置する。燃料交換機9が故障している場合には、仮設のクレーンなどを使用する。キャスク4に収容可能な本数までの使用済み燃料1をキャスク4に装荷したら、キャスク4に蓋13を設置する。その状態で天井クレーン7でキャスク4を吊り出し、キャスク除染ピット11に移動する。
キャスク4の表面の汚染状態を確認し、表面を養生するためのプラスチックシートあるいは金属カバーを外す。汚染がひどいときはジェット洗浄などによって表面を除染したあとに養生用のシートやカバーを外す。ボルト15を締結してキャスク4の胴19と蓋13とを固定する。キャスク4内の水が使用済み燃料1の発する熱によって膨張し内圧が上昇するのを防ぐために、キャスク4内の水を水の体積膨張分を吸収するためにキャスク4から水を一部排出する。上部の計測ベント弁21と下部の排水弁23を開けることで排水する。
排水終了後、キャスク4の下部の排水弁23を閉じ、上部の計測ベント弁21に還元剤注入装置を接続し、液体の還元剤を注入する。所定の量を注入したら還元剤注入装置を外し、上部の計測ベント弁21を閉じて、キャスク全体の密閉性を確認する。その後、天井クレーン7でキャスク4を大物搬入口12まで移動させて、輸送車両にキャスク4を積載して貯蔵施設に移送する。
このとき、添加する所定の還元剤の量に関し、メタノールの場合には、式(11)から酸素の消費に必要なメタノールは、酸素8ppmに対し5.3ppmである。また、水素の平衡濃度に必要な放出水素量は、ガンマ線の吸収エネルギー密度が0.02W/cmのとき70ppbであるので、これと等価なメタノール量は0.560ppmであればよい。従って、5.3ppm+0.560ppm=5.860ppmとなり、メタノール約6ppmを添加すればよい。
ヒドラジンを添加する場合は、添加する所定の還元剤の量に関し、式(12)から酸素の消費に必要なヒドラジンは、酸素8ppmに対し8ppmである。また、水素の平衡濃度に必要な水素量はガンマ線の吸収エネルギー密度が0.02W/cmのとき70ppbであり、これと等価なメタノール量は0.560ppmであればよい。従って、8ppm+0.560ppm=8.56ppmとなり、ヒドラジン約9ppmを添加すればよい。
ヒドラジンやメタノールは移送先で万が一保管用のプールに混入しても悪影響はなく、使用済み燃料1からの放射線で消費されて水と不活性なガスになって気相に移行し換気空調系を通じて排気される。
図11を用いて、本発明の好適な一実施例である実施例2の使用済み燃料の輸送方法をBWRの場合について説明する。
湿式のキャスク4に使用済み燃料1を装荷する場合、まず図5に示す様に、キャスク4は原子炉建屋5のオペレーションフロア6に運ばれる。そこで、図4に示す構造を有するキャスク4の胴19や蓋13などの表面に汚染防止用のプラスチックシートまたは金属カバーが掛けられて養生される。キャスクの蓋13を固定するボルト15が外されたあと、キャスク4の吊り上げ用のトラニオン21を用いてキャスク4を天井クレーン7で吊り上げ、使用済み燃料1を保管している燃料プール3のキャスクピット8に図4のように運び込まれる。
燃料交換機9を用いて燃料プール3内の燃料ラック10から使用済み燃料1を取り出し、キャスク4まで移動し、キャスク4内のラック20に設置する。キャスク4に収容可能な本数までの使用済み燃料1をキャスク4に装荷したら、キャスク4に蓋13を設置する。その状態で天井クレーン7でキャスク4を吊り出し、キャスク除染ピット11に移動する。キャスク4の表面の汚染状態を確認し、表面を養生するためのプラスチックシートあるいは金属カバーを外す。汚染がひどいときはジェット洗浄などによって表面を除染したあとに養生用のシートやカバーを外す。ボルト15を締結してキャスク4の胴19と蓋13とを固定する。
キャスク4内の水が使用済み燃料1の発する熱によって膨張し内圧が上昇するのを防ぐために、上部の計測ベント弁21と下部の排水弁23を開けキャスク4内の水の体積膨張分を吸収するためにキャスク4から水を一部排出する。排水終了後、キャスク4の下部の排水弁23に還元剤注入装置を接続し、液体の還元剤を注入する。所定の量を注入したら下部の排水弁23を閉じ、還元剤注入装置を外し、上部の計測ベント弁21を閉じて、キャスク全体の密閉性を確認する。その後、天井クレーン7でキャスク4を大物搬入口12まで移動させて、輸送車両にキャスク4を積載して貯蔵施設に移送する。
1…使用済み燃料
2…原子炉圧力容器
3…使用済み燃料プール
4…キャスク
5…原子炉建屋
6…オペレーションフロア
7…天井クレーン
8…キャスクピット
9…燃料交換機
10…燃料ラック
11…キャスク除染ピット
12…大物搬入口
13…蓋
15…ボルト
16…格納容器
17…蒸気乾燥器気水分離器ピット
18…原子炉ウエル
19…胴
20…ラック
21…トラニオン
22…計測ベント弁
23…排水弁
24…圧力容器蓋

Claims (8)

  1. 原子力発電プラントの湿式輸送容器を用いた使用済み燃料の輸送方法において、
    前記使用済み燃料を前記湿式輸送容器内に装荷した後に、前記湿式輸送容器内の水に還元剤を溶解させるとともに、少なくとも、前記湿式輸送容器内の水に溶存する酸素濃度と等量な水素濃度及び前記使用済み燃料から発する放射線によって前記湿式輸送容器内の水から発生する水素の平衡濃度の和である水素濃度を与える水素を供給する還元剤を、前記湿式輸送容器内の水に添加することを特徴とする使用済み燃料の輸送方法。
  2. 請求項に記載の使用済み燃料の輸送方法において、前記湿式輸送容器内の水に添加する前記還元剤は、前記湿式輸送容器内の水に溶存する酸素濃度と等量な水素濃度及び輸送中の使用済み燃料から発する放射線線量率によって前記湿式輸送容器内の水から発生する水素の平衡濃度の和である水素濃度に対し、化学的に等量であることを特徴とする使用済み燃料の輸送方法。
  3. 請求項1に記載の使用済み燃料の輸送方法において、
    前記使用済み燃料を前記湿式輸送容器に装荷した後に、前記湿式輸送容器内に保持された水の量を調整して前記湿式輸送容器内に気相部を形成し、次いで、還元剤を前記湿式輸送容器内の水に添加することを特徴とする使用済み燃料の輸送方法。
  4. 請求項に記載の使用済み燃料の輸送方法において、少なくとも、前記湿式輸送容器内の水に溶存する酸素濃度と等量な水素濃度及び前記使用済み燃料から発する放射線によって前記湿式輸送容器内の水から発生する水素の平衡濃度の和である水素濃度を与える水素を供給する還元剤を、前記湿式輸送容器内の水に添加することを特徴とする使用済み燃料の輸送方法。
  5. 請求項に記載の使用済み燃料の輸送方法において、前記湿式輸送容器内の水に添加する前記還元剤は、前記湿式輸送容器内の水に溶存する酸素濃度と等量な水素濃度及び輸送中の使用済み燃料から発する放射線線量率によって前記湿式輸送容器内の水から発生する水素の平衡濃度の和である水素濃度に対し、化学的に等量であることを特徴とする使用済み燃料の輸送方法。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の使用済み燃料の輸送方法において、前記湿式輸送容器内の水に添加する還元剤は水溶性の還元剤であることを特徴とする使用済み燃料の輸送方法。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の使用済み燃料の輸送方法において、湿式輸送容器内の水に添加する還元剤はメタノール又はヒドラジンのいずれか一つを含むことを特徴とする使用済み燃料の輸送方法。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の使用済み燃料の輸送方法において、湿式輸送容器内の水に添加する還元剤は水素化ホウ素ナトリウム又はBが5以上の水素化ホウ素のいずれか一つを含むことを特徴とする使用済み燃料の輸送方法。
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