JP5823182B2 - 太陽電池パネル - Google Patents
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Description
透過型の太陽電池モジュールを用いたこのような太陽電池パネルは、多くの場合、屋内からその裏面が見えるような状態で屋根や窓等に設置されて使用されるが、その場合には室内に外光を採り込めるという利点がある。
そのようにしているのは、異なる開口率の太陽電池モジュールは動作電流が異なるため、それらを互いに直列に接続すると各太陽電池モジュールの動作点が最大動作点からずれることになり、発電効率が低下するおそれがあると共に、動作電流の相違する太陽電池モジュール同士を直列接続すると、流しきれないエネルギーが熱となり危険な状態になるおそれがないとは言い切れないからである。
しかしながら、この太陽電池パネルにも改良すべき点がないとはいえない。
それは、上述の太陽電池パネルでは、同じ開口率の太陽電池モジュール同士を直列接続したものを一群の太陽電池モジュール群としてそれを並列に接続するという制約があるため、太陽電池モジュール群の組み合わせ方に制約が出易いということである。また、仮に、同じ開口率の太陽電池モジュール同士を直列に接続し、それを並列に接続することが可能であったとしても、同じ開口率の太陽電池モジュールの配置の次第によっては、配線が長くなったり、輻輳する可能性がないとはいえない。
本願発明は、光の一部を裏側へ透過させる透過型の太陽電池モジュールであり、開口率の影響を考慮しない場合の発電能力が同じ太陽電池モジュールを多数縦横方向に配列させることによりアレイ状に配列してなる太陽電池パネルである。
そして、この太陽電池パネルの多数の前記太陽電池モジュールは、 少なくとも一つの前記太陽電池モジュールを含み、複数の前記太陽電池モジュールを含む場合には、それらが互いに並列接続された、小モジュール群を直列接続してなる、モジュール群を構成するようになっているとともに、前記小モジュール群の少なくとも一つは、複数の前記太陽電池モジュールを含み、且つ前記小モジュール群のそれぞれは、それに含まれる前記太陽電池モジュールの非開口面積の和が等しくなるようになっている。
この太陽電池パネルは、多数の太陽電池モジュールを含み、且つ多数の太陽電池モジュールは、異なる開口率のものを含み得るので、それによりその裏面に、文字、絵柄等の任意のパターンを描くことができるものとなる。
加えて、この太陽電池パネルの多数の前記太陽電池モジュールは、少なくとも一つの前記太陽電池モジュールを含む小モジュール群を直列接続したモジュール群を含んでいるが、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュールの非開口面積(太陽電池モジュールの開口されていない面積)の和は、それぞれ等しくなるようになっている。この太陽電池パネルでは、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュールの非開口面積の和が同じである限り、各小モジュール群の中で、複数の太陽電池モジュールに任意に開口率を割り振ることが可能であるから、パターンを描く場合の自由度を従来よりも高められる。また、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュールの開口率の差は、小モジュール群に複数の太陽電池モジュールが含まれていたとしてもそれらが並列接続されている限り問題とはならず、また、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュールの非開口面積の和が同じであることによって、各小モジュール群の動作点にずれが生じないことになるので、結果として、太陽電池モジュールの発電効率を落とすことがない。
前記小モジュール群の一つが、複数の前記太陽電池モジュールを含む場合には、当該小モジュール群に含まれる太陽電池モジュールはすべて同じ開口率であってもよいし、当該小モジュール群に含まれる太陽電池モジュールの少なくとも一つは他の太陽電池モジュールとはその開口率が異なるようになっていてもよい。いずれの場合も採りうるというのが、本発明の自由度を増しているが、後者の場合の方がよりバラエティーに富んだパターンを描くに有用である。なお、後者の場合であっても、同じ小モジュール群に含まれる太陽電池モジュールの中に同じ開口率のものが含まれるのを妨げない。
複数のモジュール群を備える太陽電池パネルは、パターンを描く場合の自由度をより高められる。
複数のモジュール群を備える太陽電池パネルは、少なくとも一つの前記モジュール群に含まれる前記小モジュール群のそれぞれにおける前記太陽電池モジュールの非開口面積の和が、他の前記モジュール群に含まれる小モジュール群のそれぞれにおける前記太陽電池モジュールの非開口面積の和と異なるようになっていてもよい。モジュール群毎に、それに含まれる小モジュール群における太陽電池モジュールの非開口面積の和を変更することで、パターンを描く場合の自由度をより高められ、またよりバラエティーに富んだパターンを描けるようになる。
太陽電池パネルは、多数の太陽電池モジュール1を含み、各太陽電池モジュール1は、多数の太陽電池セル11を含んでいる。
太陽電池セル11は、太陽光発電を行う太陽電池そのものであり、周知のもので良い。
これには限られないが、太陽電池セル11は、この実施形態では、図2に示したように、例えば、矩形のガラス板である透明な基板111上に、光を透過させることのできる例えば合成樹脂等により形成の密着層である第1の中間膜層112、光電変換を行う半導体である光電変換素子部113と開口部116により形成の層である光電変換層117(光電変換層117は、光電変換素子部113を、中間膜層112の代わりに、透明な基板111に直接蒸着して構成されていてもよい。)、及びこれも光を透過させることのできる例えば合成樹脂等により形成の密着層である第2の中間膜層114をこの順で積層してなる。第1の中間膜層112、第2の中間膜層114はいずれも、必ずしもこの限りではないが、この実施形態では、基板111と同じ大きさ、形状である。光電変換層113は、基板111の全面積を覆わず、また、場合により分割されている。
太陽電池セル1は、縦横に適当な数ずつ配列した状態で纏めて、その第2の中間膜層114の側の表面を、これも透明な矩形のガラス板である封止板115で封止されている。
封止板115でまとめられてユニット化された太陽電池セル11が太陽電池モジュール1である。
基板111、第1の中間膜層112、第2の中間膜層114、封止板115はいずれも光を透過させるが、光電変換層117のうち光電変換素子部113は略光を透過させない。したがって、平面視した場合の太陽電池モジュール1のうち、光電変換層117の光電変換素子部113が存在しない部分を開口部116とすることにより、当該開口部116の部分では光を透過させることができる。平面視した場合の光電変換層117のうち、開口部116が占める比率が、太陽電池モジュール1の開口率となる。
各太陽電池モジュール1は、上述の範囲の開口率が採られ、また、開口率の如何により発電能力が異なるが、開口率の影響を考慮しない場合の発電能力は同じものとなっている。
太陽電池モジュール1を一纏めにして太陽電池パネルとする方法は、どのようなものでもよく、周知の方法でよい。この実施形態では、隣り合う太陽電池モジュール1同士を接続可能なサッシ12を用いることにより、太陽電池モジュール1は一纏めにされている。また、太陽電池パネルは、その外周もサッシ12で囲まれている。上述したケーブルは、外部に露出しないように、このサッシ12の中を通されることになる。
この実施形態では、一番上の段の3つの太陽電池モジュール1、2段目の3つの太陽電池モジュール1、3段目の3つの太陽電池モジュール1、がそれぞれケーブル2によりそれぞれ並列接続されている。
各段の3つの太陽電池モジュール1は、それにより本願の小モジュール群となっている。これらを、便宜上上の段から、第1小モジュール群、第2小モジュール群、第3小モジュール群と呼ぶことにするが、これらはいずれも本願発明における小モジュール群に相当する。
かならずしもそうする必要はないが、この実施形態では、小モジュール群のそれぞれに含まれる太陽電池モジュール1の数が複数であり、且つ同数となっている。
また、第1小モジュール群、第2小モジュール群、第3小モジュール群は、直列に接続されている。第1小モジュール群、第2小モジュール群、第3小モジュール群を直列に接続して構成されるのが、本発明でいうモジュール群である。上端のケーブル2は、図示を省略の外部機器に接続される。
第2小モジュール群に含まれる3つの太陽電池モジュール1の非開口率は、この実施形態では、左から2つは同じく非開口率5%であり、一番右のものは非開口率15%である。そして、第2小モジュール群に含まれる3つの太陽電池モジュール1の非開口率の和は、第1小モジュール群の場合と同じく45%となっている。
第3小モジュール群に含まれる3つの太陽電池モジュール1の非開口率は、この実施形態では、すべて異なり、左から10%、12%、23%である。そして、第3小モジュール群に含まれる3つの太陽電池モジュール1の非開口率の和は、第1小モジュール群、第2小モジュール群の場合と同じく45%となっている。
このように、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1は、すべて同じ開口率でも良いし、すべてが異なる開口率でも良いし、そのうちの幾つかが同じ開口率で他が異なる開口率となっていてもよい。
もっとも、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1の非開口面積の和は、各小モジュール群ですべて等しくなっている。非開口率の和が45%に限られないのは当然である。
また、各小モジュール群に含まれている太陽電池モジュール1の非開口面積の和が各小モジュール群で等しいので、各小モジュール群同士で見た場合に動作点がずれることがないので、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1が最大動作効率で発電を行うことになる。
さらに、各小モジュール群の太陽電池モジュールの数が複数であり、且つ同数の場合は、直列接続される小モジュール群間を流れる電流量の差異を特に考慮すること無く好ましくない発熱を避けることができる。
図4で示した太陽電池モジュール1の上述のケーブルによる他の接続方法は、図3に示されたものと大きく変わりはない。
図4には、本発明でいうモジュール群が左右に2つ示されている。便宜的に、図4において右側のモジュール群を右モジュール群、左側のモジュール群を右モジュール群と呼ぶこととする。
各段の太陽電池モジュール1は、それにより本願の小モジュール群となっている。これらを、便宜上上の段から、右第1小モジュール群、右第2小モジュール群、右第3小モジュール群と呼ぶことにする。
かならずしもそうする必要はないが、この実施形態では、右第1小モジュール群、右第2小モジュール群、右第3小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1の数がすべて異なるようになっている。
右第1小モジュール群、右第2小モジュール群、右第3小モジュール群は、直列に接続されている。また、右モジュール群の上端のケーブル2は、図示を省略の外部機器に接続される。
右第2小モジュール群に含まれる2つの太陽電池モジュール1は、この実施形態では、左から非開口率15%、30%であり、非開口率の和は、右第1小モジュール群の場合と同じく45%となっている。
右第3小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1は、一つであり、その非開口率は、右第1小モジュール群、右第2小モジュール群の非開口率の和の場合と同じく45%となっている。
このように、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1は、すべて同じ開口率でも良いし、すべてが異なる開口率でも良いし、そのうちの幾つかが同じ開口率で他が異なる開口率となっていてもよい。
また、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1の数は、同じでも良いが、このように異なっていても良い。つまり、小モジュール群の一つは、それに含まれる太陽電池モジュール1の数が、他に含まれる太陽電池モジュール1の数と異なるようになっていてもよい。もっとも、その場合であっても、各小モジュール群の中に、それに含まれる太陽電池モジュール1の数が同数のものがあってもよい。
各段の太陽電池モジュール1は、それにより本願の小モジュール群となっている。これらを、便宜上上の段から、左第1小モジュール群、左第2小モジュール群、左第3小モジュール群と呼ぶことにする。
左第1小モジュール群、左第2小モジュール群、左第3小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1の数はすべて異なるようになっている。
左第1小モジュール群、左第2小モジュール群、左第3小モジュール群は、直列に接続されている。また、左モジュール群の上端のケーブル2は、図示を省略の外部機器に接続される。つまり、右モジュール群と、左モジュール群は、所定の外部機器に対して並列に接続された状態となっている。
左第2小モジュール群に含まれる4つの太陽電池モジュール1は、この実施形態では、左から非開口率35%、5%、5%、15%であり、非開口率の和は、左第1小モジュール群の場合と同じく60%となっている。
左第3小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1は5つで、この実施形態では、その非開口率は、左から16%、12%、10%、10%、12%となっており、非開口率の和は、左第1小モジュール群、左第2小モジュール群の場合と同じく60%となっている。
また、右モジュール群、左モジュール群とも、各小モジュール群に含まれている太陽電池モジュール1の非開口面積の和が各小モジュール群で等しいので、各小モジュール群に含まれる太陽電池モジュール1が最大動作効率で発電を行うことになる。
なお、この例では、モジュール群は右モジュール群と左モジュール群の2つであったが、モジュール群の数はより多くても良いのは当然である。また、この例では、右モジュール群と左モジュール群における各小モジュール群に含まれている太陽電池モジュール1の非開口率の和は45%と60%と異なっていたが、これが同一でも良いこと、また非開口率の和が45%と60%に限られないことは当然である。
ただし、この例の場合は、モジュール群を構成する各小モジュール群内の各太陽電池モジュール1における、通電容量と比例する光電変換素子部113の面積の和が各小モジュール群によって異なるため、光電変換素子部113の面積の和が他よりも小さい小モジュール群(これは、太陽電池モジュール1の数が少ない小太陽電池モジュール群と同義である。)が抵抗となり、効率低下等の問題が生じる可能性も考えられる。各小モジュール群に含まれるに含まれる太陽電池モジュール1に最大動作効率で発電を行わせた上、効率低下等の問題を避けるには、小モジュール群のそれぞれを、それらに含まれる太陽電池モジュール1の数が複数であり、且つ同数とすることによって、非開口面積の和だけでなく、通電容量の和も各小モジュール間で同一にすれば良いのは既に述べた通りである。
2 ケーブル
11 太陽電池セル
12 サッシ
111 基板
112 第1の中間膜層
113 光電変換素子部
114 第2の中間膜層
115 封止板
116 開口部
117 光電変換層
Claims (4)
- 光の一部を裏側へ透過させる透過型の太陽電池モジュールであり、開口率の影響を考慮しない場合の発電能力が同じ太陽電池モジュールを多数縦横方向に配列させることによりアレイ状に配列してなる太陽電池パネルであって、
多数の前記太陽電池モジュールは、少なくとも一つの前記太陽電池モジュールを含み、複数の前記太陽電池モジュールを含む場合には、それらが互いに並列接続された、小モジュール群を直列接続してなる、モジュール群を構成するようになっているとともに、
前記小モジュール群の少なくとも一つは、複数の前記太陽電池モジュールを含み、且つ前記小モジュール群のそれぞれは、それに含まれる前記太陽電池モジュールの非開口面積の和が等しくなるようになっているとともに、
前記小モジュール群の一つは、それに含まれる前記太陽電池モジュールの数が、他の前記小モジュール群に含まれる前記太陽電池モジュールの数と異なるようになっている、
太陽電池パネル。 - 光の一部を裏側へ透過させる透過型の太陽電池モジュールであり、開口率の影響を考慮しない場合の発電能力が同じ太陽電池モジュールを多数縦横方向に配列させることによりアレイ状に配列してなる太陽電池パネルであって、
多数の前記太陽電池モジュールは、少なくとも一つの前記太陽電池モジュールを含み、複数の前記太陽電池モジュールを含む場合には、それらが互いに並列接続された、小モジュール群を直列接続してなる、モジュール群を構成するようになっているとともに、
前記小モジュール群の少なくとも一つは、複数の前記太陽電池モジュールを含み、且つ前記小モジュール群のそれぞれは、それに含まれる前記太陽電池モジュールの非開口面積の和が等しくなるようになっているとともに、
互いに並列接続された前記モジュール群を複数含み、
少なくとも一つの前記モジュール群に含まれる前記小モジュール群のそれぞれにおける前記太陽電池モジュールの非開口面積の和は、他の前記モジュール群に含まれる小モジュール群のそれぞれにおける前記太陽電池モジュールの非開口面積の和と異なるようになっている、
太陽電池パネル。 - 前記小モジュール群の一つは、複数の前記太陽電池モジュールを含み、且つ当該小モジュール群に含まれる太陽電池モジュールの少なくとも一つは他の太陽電池モジュールとはその開口率が異なるようになっている、
請求項1又は2記載の太陽電池パネル。 - 前記小モジュール群のそれぞれは、それらに含まれる前記太陽電池モジュールの数が複数であり、且つ同数である、
請求項1又は2記載の太陽電池パネル。
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