JP5822596B2 - リグニン樹脂成形材料 - Google Patents

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Description

本発明は、リグニン樹脂成形材料に関するものである。
樹皮、間伐材、建築廃材等の木質系廃材(バイオマス)は、これまでその多くが廃棄処分されている。しかしながら、地球環境保護が重要課題になりつつあり、その観点から、木質系廃材の再利用、リサイクルが検討され始めている。
一般的な木質の主要成分は、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンである。このうち、約30%の割合で含まれるリグニンは、芳香環や、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基を豊富に含む構造を有しているため、樹脂原料としての利用が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
このようにリグニンを樹脂原料として利用するためには、木質系廃材からリグニンを単離する必要がある。
特許文献1には、木粉に液体状のフェノール誘導体を浸透させ、木粉中のリグニンをフェノール誘導体により溶媒和させ、次いで、濃酸を添加してセルロース成分を溶解することにより、リグニンを溶媒和したフェノール誘導体と、セルロース成分を溶解した濃酸との2相に分離し、このうちフェノール誘導体相からリグニンフェノール誘導体を抽出する方法が開示されている。
また、特許文献1には、木粉にフェノール誘導体を溶解した溶媒を浸透させた後、溶媒を留去し、その後、残存した木粉に濃酸を添加することにより、フェノール誘導体により溶媒和されたリグニンを得る方法が開示されている。
しかしながら、上記のような方法で製造されたリグニン誘導体では、流動性が低いため、成形型に充填して成形する場合、成形性(形状転写性)に乏しく、また、架橋硬化させても脆く、機械的特性が低いという問題がある。このため、このようなリグニン誘導体を含むリグニン樹脂成形材料は、樹脂原料として不適当であった。
特開2001−261839号公報
本発明の目的は、成形性に優れ、かつ硬化後の機械的特性に優れたリグニン樹脂成形材料を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) バイオマスを分解して得られたリグニン誘導体と、架橋剤と、充填剤と、を含み、
前記リグニン誘導体は、数平均分子量が1000未満であり、かつ、その総量中における分子量1000未満のリグニン誘導体の質量比をAとし、分子量1000以上のリグニン誘導体の質量比をBとしたとき、B/(A+B)の百分率が20質量%未満であることを特徴とするリグニン樹脂成形材料。
(2) 前記リグニン誘導体の総量中において、分子量1000以上3000未満のリグニン誘導体の質量比をB1とし、分子量3000以上のリグニン誘導体の質量比をB2としたとき、B1>B2であり、かつ、B1/(A+B1+B2)の百分率が0.1質量%以上10質量%未満である上記(1)に記載のリグニン樹脂成形材料。
(3) 前記リグニン誘導体は、水酸基に対して芳香環のオルト位およびパラ位の少なくとも一方が無置換である分子構造を有するものである上記(1)または(2)に記載のリグニン樹脂成形材料。
(4) 前記架橋剤は、ヘキサメチレンテトラミン、および、エポキシ基を2個以上含む化合物、の少なくとも一方を含むものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のリグニン樹脂成形材料。
(5) 前記充填剤の構成材料は、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、ケイ素酸化物、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、木粉、布粉砕粉、およびパルプ粉砕粉のいずれか1種を含むものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のリグニン樹脂成形材料。
(6) 前記リグニン樹脂成形材料は、タブレット状または顆粒状をなすものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のリグニン樹脂成形材料。
(7) 前記リグニン誘導体は、バイオマスを分解して得られたリグニン化合物に反応性基が導入されてなる二次誘導体である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のリグニン樹脂成形材料。
(8) 前記反応性基は、エポキシ基である上記(7)に記載のリグニン樹脂成形材料。
本発明によれば、成形性に優れ、かつ、硬化させることにより機械的特性に優れた樹脂製品を製造し得るリグニン樹脂成形材料が得られる。
以下、本発明のリグニン樹脂成形材料について好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<リグニン樹脂成形材料>
本発明のリグニン樹脂成形材料は、バイオマスを分解して得られるリグニン誘導体またはこのリグニン誘導体に反応性基を導入したリグニン二次誘導体と、架橋剤と、充填剤と、を含むものである。このリグニン樹脂成形材料を所定の形状に成形し、硬化架橋させることにより、樹脂製品を得ることができる。
(リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体)
まず、リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体について説明する。リグニン誘導体は、前述したようにバイオマスを分解して得られるものである。
本発明におけるバイオマスとは、リグニンを含有する植物または植物の加工品である。植物としては、例えば、ブナ、白樺、ナラのような広葉樹、杉、松、桧のような針葉樹、竹、稲わらのようなイネ科植物、椰子殻等が挙げられる。
リグニン誘導体は、フェノール誘導体を単位構造とする化合物である。この単位構造は、化学的および生物学的に安定な炭素−炭素結合や炭素−酸素−炭素結合を有するため、化学的な劣化や生物的分解を受け難い。このため、リグニン誘導体は、樹脂原料として有用とされる。
リグニン誘導体の具体例としては、下記式(1)で表わされるグアイアシルプロパン構造、下記式(2)で表わされるシリンギルプロパン構造、下記式(3)で表わされる4−ヒドロキシフェニルプロパン構造等が挙げられる。
Figure 0005822596
また、本発明におけるリグニン誘導体は、水酸基に対して芳香環のオルト位およびパラ位の少なくとも一方が無置換になっているものが好ましい。このようなリグニン誘導体は、芳香環への親電子置換反応により硬化剤が作用する反応サイトを多く含み、水酸基での反応において立体障害が低減できることになるため、反応性に優れたものとなる。
ここで、本発明のリグニン樹脂成形材料は、数平均分子量が1000未満のリグニン誘導体を含んでいる。本発明者は、リグニン樹脂成形材料中のリグニン誘導体について、その数平均分子量を前記範囲内に調整することにより、リグニン樹脂成形材料の反応性(硬化性)と流動性とを高度に両立し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。このようなリグニン誘導体を含むリグニン樹脂成形材料は、これまで両立させることが難しかった硬化後の機械的特性と成形性(形状転写性)という樹脂原料として重要な特性を高度に両立していることから、成形材料として利用性の高いものとなる。また、本発明のリグニン樹脂成形材料は、成形体中にボイド(空隙)が発生したり、成形体の平滑性が低下したりするのを防止し得るものとなる。
リグニン誘導体の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により測定され、ポリスチレン換算の値として求められる。
なお、数平均分子量が前記上限値以上である場合、リグニン誘導体の軟化点が高過ぎて流動性が低下するとともに、反応サイトの数が少なくなり過ぎて反応性が低下する。
また、リグニン誘導体の数平均分子量は、好ましくは200以上900未満とされ、より好ましくは300以上800未満とされる。
一方、本発明のリグニン樹脂成形材料では、上述した低分子量のリグニン誘導体を支配的に含むものの、それより分子量の高いものを含んでいてもよい。
具体的には、リグニン誘導体の総量中における分子量1000未満のリグニン誘導体の質量比をAとし、分子量1000以上のリグニン誘導体の質量比をBとしたとき、B/(A+B)の百分率が20質量%未満であることが好ましく、15質量%未満であるのがより好ましい。このように数平均分子量を1000未満にすることに加え、Bの割合を前記範囲内に抑えることによって、リグニン誘導体は、その反応性(硬化性)と流動性とをより高度に両立するものとなる。したがって、リグニン樹脂成形材料は、成形型への充填性に優れ、硬化後の機械的特性に優れるものとなる。
さらには、リグニン誘導体の総量中において、分子量1000以上3000未満のリグニン誘導体の質量比をB1とし、分子量3000以上のリグニン誘導体の質量比をB2としたとき、B1>B2であり、かつ、B1/(A+B1+B2)の百分率が0.1質量%以上10質量%未満であることが好ましく、0.1質量%以上8質量%未満であることがより好ましい。リグニン誘導体中において数平均分子量が1000未満であり、それに加えて、分子量1000以上3000未満のものの割合が前記範囲内であることにより、リグニン誘導体は、流動性を低下させることなく、より反応性の高いものとなる。この理由は明確ではないが、比較的分子量の低いリグニン誘導体の中に、それよりやや分子量の大きいリグニン誘導体がわずかに混在していることによって、流動性にはほとんど影響を及ぼすことなく、反応性が顕著に高くなるという作用に起因していると考えられる。
また、B2/B1の百分率は、10質量%以上70質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上50質量%以下であるのがより好ましい。これにより、分子量がやや大きいリグニン誘導体と、分子量が特に大きいリグニン誘導体との存在比が最適化されることとなり、上記の効果がより顕著なものとなる。
また、本発明におけるリグニン誘導体は、H−NMR分析に供されたとき、得られる化学シフトのスペクトルにおいて、芳香族プロトンに帰属するピークの積分値が、脂肪族プロトンに帰属するピークの積分値の15〜50%程度であるのが好ましく、15〜45%程度であるのがより好ましく、20〜40%程度であるのがさらに好ましく、20〜35%程度であるのが特に好ましい。これにより、リグニン誘導体の硬化樹脂の機械的特性に寄与する反応性と、成形時の成形性(形状転写性)に寄与する流動性とをより高度に両立することができる。その結果、樹脂原料に適したリグニン樹脂成形材料が得られる。
なお、前記比率が前記下限値を下回ると、一般的な硬化剤の作用により架橋反応を生じる反応サイトあるいは反応性基を導入するための反応サイトが脂肪族基で置換されていて架橋反応点が少なくなるため、リグニン誘導体を含むリグニン樹脂組成物を樹脂原料として用いたときに、硬化物の物性が低下するおそれがある。一方、前記比率が前記上限値を上回ると、リグニン誘導体の溶融性または溶媒への溶解性が著しく低下し、樹脂原料として利用したときに、成形加工性が低下して樹脂原料として利用することが困難になるおそれがある。
なお、芳香族プロトンおよび脂肪族プロトンは、H−NMR分析の化学シフトのスペクトルにおいて、離れた位置にピークを生じるため、ピークの分離が可能であり、ピークの同定および積分値の算出を行うことができる。
具体的には、分析の基準物質としてテトラメチルシランを用いた場合、一般的には、芳香族プロトンに帰属するピークは6〜8ppm付近に位置する。また、脂肪族プロトンに帰属するピークは0.5〜5ppm付近に位置することとなる。
一方、本発明におけるリグニン二次誘導体は、前述したように、本発明におけるリグニン誘導体に反応性基を導入してなるものである。このようなリグニン二次誘導体は、種々の反応性基を有していることから、高い密度で架橋することができ、樹脂原料として有用である。
リグニン二次誘導体が有する反応性基は、反応性を有する原子団であり、自己反応性を有し、2個以上の同じ反応性基が互いに反応し得るもの、または他の官能基と反応し得るものであれば特に限定されない。具体例としては、エポキシ基、メチロール基の他、炭素−炭素不飽和結合を有するビニル基、エチニル基、マレイミド基、シアネート基、イソシアネート基等が挙げられる。また、好ましくはエポキシ基が用いられる。エポキシ基を有するリグニン二次誘導体は、一般的なエポキシ樹脂を代替し得る樹脂原料として有用なものとなる。
(架橋剤)
次いで、架橋剤について説明する。
本発明のリグニン樹脂成形材料は、上述したリグニン誘導体およびリグニン二次誘導体の少なくとも一方と架橋剤とを含む。リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体には架橋剤の作用により架橋反応が生じ、硬化する。その結果、リグニン樹脂成形材料から樹脂製品を製造することができる。
架橋剤としては、リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体のフェノール性水酸基または反応性基に架橋反応を生じさせるものであれば、特に限定されない。また、リグニン樹脂組成物は、リグニン誘導体とリグニン二次誘導体の双方を含むことにより、フェノール性水酸基と前記反応性基の双方が反応サイトとなるため、架橋密度または架橋速度が向上し、樹脂原料として有用なものとなる。
具体的には、フェノール性水酸基に架橋反応を生じさせる架橋剤としては、例えば、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートのようなウレタン樹脂、リグニン誘導体の芳香環に対し親電子置換反応して架橋し得る化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒドのようなアルデヒド類、ポリオキシメチレンのようなアルデヒド源、ヘキサメチレンテトラミンの他、レゾール型フェノール樹脂等の通常のフェノール樹脂で公知の架橋剤、リグニン誘導体の芳香環に対し親電子置換反応して架橋し得る化合物等を挙げることができる。なお、反応性、入手の容易さからヘキサメチレンテトラミンおよびエポキシ基を2つ以上含む化合物の少なくとも一方を含む架橋剤が好ましく用いられる。
一方、リグニン二次誘導体の反応性基に架橋反応を生じさせる架橋剤としては、前記反応性基と反応する架橋剤または自己架橋性の反応性基を有する架橋剤であればよく、具体的には、リグニン二次誘導体中の反応性基がエポキシ基である場合、例えば、ノボラック型フェノール樹脂のようなフェノール樹脂、フェノール性水酸基を有するリグニン化合物、ジエチレントリアミン、m−キシリレンジアミン、N−アミノエチルピペラジンのようなアミン系化合物、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸のような酸無水物、ジシアンジアミド、グアニジン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等の一般的なエポキシ樹脂用硬化剤が挙げられる。
また、自己架橋性の反応性基を有する架橋剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールのようなイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7のようなアニオン系重合開始剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレートのようなスルホニウム塩、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレートのようなジアゾニウム塩といったカチオン系重合開始剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。これらの中でも、反応性等の観点からリグニン化合物が好ましく用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がイソシアネート基である場合、架橋剤としては、例えば、フェノール樹脂、リグニン分解物、ポリビニルアルコール、ポリアミン系化合物等の一般的なイソシアネート樹脂用硬化剤が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がビニル基である場合、架橋剤としては、例えば、ブチルリチウム、ナトリウムエトキシドのようなアニオン系重合開始剤、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル(BPO)のようなラジカル重合開始剤等の一般的なビニル基含有化合物の重合開始剤が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がエチニル基である場合、架橋剤としては、例えば、5塩化モリブデン、5塩化タングステン、ノルボルナジエンロジウムクロリドダイマー等の一般的なエチニル基含有化合物の重合触媒が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がマレイミド基である場合、架橋剤としては、例えば、BPOのようなパーオキサイド、前述したアニオン系重合開始剤等の一般的なマレイミド基含有化合物の重合開始剤が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、リグニン二次誘導体中の反応性基がシアネート基である場合、架橋剤としては、例えば、ナフテン酸コバルトのような金属触媒等の一般的なシアネート基含有化合物の重合触媒が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
なお、リグニン樹脂成形材料において、リグニン誘導体またはリグニン二次誘導体の含有量は40〜95質量%であるのが好ましく、50〜90質量%であるのがより好ましい。また、架橋剤の含有量は5〜60質量%であるのが好ましく、10〜50質量%であるのがより好ましい。
(充填剤)
次いで、充填剤について説明する。
充填剤としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスのようなケイ酸塩、酸化チタン、アルミナのような酸化物、溶融シリカ(溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ)、結晶シリカのようなケイ素化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトのような炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのような水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムのような硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムのようなホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素のような窒化物等の粉末、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維片といった無機充填剤の他、木粉、パルプ粉砕粉、布粉砕粉、熱硬化性樹脂硬化物粉、アラミド繊維のような有機充填剤等が挙げられる。このうち、充填剤としては、特に、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、ケイ素酸化物、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、木粉、パルプ粉砕粉、および布粉砕粉のうちのいずれか1種を含むものが好ましく用いられる。これらの充填剤は、リグニン樹脂成形材料から製造された複合構造体の膨張率を確実に低くすることができる。
この場合、充填剤の含有量は、リグニン誘導体100質量部に対して、10〜1000質量部であるのが好ましく、100〜400質量部であるのがより好ましい。充填剤の含有率が前記下限値を下回ると、リグニン樹脂成形材料から製造された複合構造体の膨張率を低下させるという充填剤添加の目的が十分に果たせないおそれがある。一方、充填剤の含有率が前記上限値を上回ると、充填剤の割合が多すぎるため、リグニン樹脂成形材料の成形性が低下するおそれがある。
また、充填剤の平均粒径は、0.1〜500μm程度であるのが好ましく、0.2〜300μm程度であるのがより好ましい。充填剤の平均粒径が前記範囲内であることにより、リグニン樹脂成形材料から製造された複合構造体は、低膨張率と優れた成形性とを高度に両立するものとなる。なお、充填剤の平均粒径とは、充填剤の粒度分布において、体積の累積で50%の部分に分布する粉末の粒径を指す。
充填材が繊維状の場合は、繊維径0.5〜100μm、繊維長1mm〜50mm程度であるのが好ましい。
また、充填剤の形状としては、例えば、フレーク状、樹枝状、球状、繊維状等が挙げられ、特に限定されない。
(その他の成分)
本発明のリグニン樹脂成形材料は、上記の成分以外に、必要に応じて、メトキシナトリウム、t−ブトキシカリウムのようなアルカリ金属塩、酢酸カルシウムのようなアルカリ土類金属塩、Na2O、K2Oのようなアルカリ金属酸化物、CaO、BaOのようなアルカリ土類金属酸化物といった硬化促進剤を含んでいてもよい。
また特に、反応性基としてエポキシ基を有するリグニン二次誘導体を含む場合には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールのようなイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミンのような3級アミン類、トリフェニルホスフィン、テトラ−n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート等を含んでいてもよい。
また、反応性基として、メチロール基、ビニル基、エチニル基、マレイミド基、シアネ−ト基等を有するリグニン二次誘導体を含む場合には、例えば、前記重合開始剤を含んでいてもよい。
さらには、その他の成分として、後述する添加剤を含んでいてもよい。
かかる添加剤としては、例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシランのようなシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤のような各種カップリング剤、カーボンブラック、ベンガラのような着色剤、ポリエチレンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、ケトン・アミン類、水素硬化油のような合成ワックス、パラフィンワックス、モンタンワックスのような天然ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛のような高級脂肪酸およびその金属塩類、パラフィンのような離型剤、シリコーンオイル、シリコーンゴムのような低応力化成分、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、フォスファゼンのような難燃剤、酸化ビスマス水和物のような無機イオン交換体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものが用いられる。
また、リグニン樹脂成形材料が離型剤を含む場合、離型剤の含有量は、リグニン誘導体またはリグニン二次誘導体100質量部に対して0.01〜10質量部であるのが好ましく、0.1〜5質量部であるのがより好ましい。なお、離型剤の含有量が前記未満である場合、リグニン樹脂成形材料を成形型に充填して成形したとき、離型性が不十分となるおそれがあり、一方、離型剤の含有量が前記上限値を上回る場合、リグニン樹脂成形材料の硬化性が低下するおそれがある。
なお、本発明のリグニン樹脂成形材料は、液状、粉末状等の形態をなしていてもよいが、好ましくはタブレット状または顆粒状をなすものとされる。これにより、リグニン樹脂成形材料の成形安定性をより高めることができる。
タブレットの形状としては、円柱、円錐、円錐台形等が挙げられる。
一方、顆粒の平均粒径は、10〜6000μm程度であるのが好ましく、100〜5000μm程度であるのがより好ましい。
<リグニン樹脂成形体>
次に、本発明のリグニン樹脂成形材料を用いて製造される複合構造体の一例としてリグニン樹脂成形体について説明する。
リグニン樹脂成形体は、本発明のリグニン樹脂成形材料を成形した後、硬化させることにより製造される。
具体的には、リグニン樹脂成形材料を成形金型内で加熱加圧成形した後、リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体を硬化させることにより製造される。
加熱加圧成形時の温度は、100〜280℃程度であるのが好ましく、120〜250℃程度であるのがより好ましい。また、圧力は、0.5〜20MPa程度であるのが好ましく、1〜10MPa程度であるのがより好ましい。
得られる樹脂製品としては、例えば、半導体部品、航空機部品、自動車部品、産業用機械部品、電子部品、電気部品、機構部品等が挙げられる。
<リグニン樹脂成形材料の製造方法>
次に、本発明のリグニン樹脂成形材料を製造する方法について説明する。
この製造方法は、[1]バイオマスを一定の大きさに調整し、次いで、これを水と非プロトン性極性溶媒とを含む混合溶媒存在下におき、これらを高温高圧下で分解処理する第1の分解工程と、[2]第1の分解工程により得られた可溶部を高温高圧下で分解処理する第2の分解工程と、[3]第2の分解工程により得られた処理物から非プロトン性極性溶媒を留去し、残存物中の不溶分としてリグニン誘導体を得る留去工程と、[4]必要に応じてリグニン誘導体に反応性基を導入する反応性基導入工程と、[5]リグニン誘導体と架橋剤と充填剤とを混合してリグニン樹脂成形材料を得る混合工程と、を有している。
以下、各工程について順次説明する。
[1]第1の分解工程
まず、バイオマスを溶媒存在下におく。バイオマスとしては、前述したようなものが挙げられるが、その形状は、特に限定されないものの、ブロック状、チップ状、粉末状等とされる。
また、本発明に用いられるバイオマスは、その大きさが100μm〜1cm程度であるのが好ましく、200〜1000μm程度であるのがより好ましい。このような大きさのバイオマスを用いることにより、液中でのバイオマスの分散性を高めるとともに、バイオマスの分解処理を効率よく行うことができる。
第1の分解工程において用いる溶媒としては、水や各種有機溶剤が用いられるが、特に水と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒が好ましく用いられる。このうち、水としては、例えば、超純水、純水、蒸留水、イオン交換水等が用いられる。
一方、非プロトン性極性溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトンのようなケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、アセトニトリルのようなニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドンのようなアミド類、塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン化アルキル類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものが用いられる。このうち、バイオマスの分解効率等の観点から、ケトン類および環状エーテル類のうちの少なくとも一方が好ましく用いられる。
また、非プロトン性極性溶媒は水に対して相溶性を有していることから、上記混合溶媒は、均質性の高いものとなり、分解処理を効率よく行うことができる。
ここで、非プロトン性極性溶媒には、水より低沸点のものが好ましく用いられる。このような非プロトン性極性溶媒を用いることにより、水との混合溶媒中から非プロトン性極性溶媒のみを容易に留去することができ、後述する留去工程を容易に行うことができる。
この場合、水と非プロトン性極性溶媒との沸点の差は、特に限定されないが、5〜60℃程度であるのが好ましく、10〜50℃程度であるのがより好ましく、20〜50℃程度であるのがさらに好ましい。沸点の差が前記範囲内であれば、相溶性を維持しつつ、後述する留去工程における水と非プロトン性極性溶媒との分離を確実に行うことができ、最終的に単離されるリグニン誘導体を高度に精製することができる。
溶媒の使用量としては、バイオマスに対して多いほどよいが、好ましくはバイオマスに対して1〜20質量倍程度であるのが好ましく、2〜10質量倍程度であるのがより好ましい。これにより、バイオマスの分解処理に際して必要かつ十分な溶媒の量となる。
また、混合溶媒における水と非プロトン性極性溶媒との混合比は、特に限定されないものの、水の量を1としたとき、非プロトン性極性溶媒の量が質量比で0.2〜5程度となる比率であるのが好ましく、0.3〜3程度となる比率であるのがより好ましい。これにより、バイオマスからリグニン誘導体を効率よく確実に単離することができる。
また、混合溶媒中には、水および非プロトン性極性溶媒以外にその他の溶媒を含んでいてもよい。混合溶媒におけるその他の溶媒の含有量は、水および非プロトン性極性溶媒の各々より少なく、かつ、混合溶媒の10質量%以下とされ、5質量%以下であるのが好ましい。
その他の溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類、フェノール、クレゾールのようなフェノール類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせたものが用いられる。
次に、溶媒存在下においたバイオマスを高温高圧下で分解処理する。これにより、バイオマスは、リグニン、セルロース、ヘミセルロース、およびその他の反応物等に分解される。
高温高圧環境の生成においては、例えばオートクレーブのような耐圧容器が用いられる。また、この耐圧容器としては、加熱手段や撹拌手段を備えているものが好ましく用いられ、高温高圧下でバイオマスを撹拌するようにするのが好ましい。また、必要に応じて容器内の温度など圧力に影響を与える要因とは独立に加圧する手段を備えていてもよい。かかる手段としては、例えば、容器内にアルゴンガス等の不活性ガスを導入する手段等が挙げられる。
なお、高温高圧環境の生成においては、バッチ式装置の他、連続式(フロー式)装置も用いられる。特に被処理物が液体であり、かつ分散質を含む場合にはその粒径が極小さければ、連続処理が可能で処理効率を高められるため、連続式装置が好ましく用いられる。
第1の分解工程における処理条件は、処理温度が150〜350℃であるのが好ましく、180〜300℃であるのがより好ましい。処理温度が前記範囲内であれば、分解後に得られるリグニン誘導体を含む成形材料が、成形性と硬化後の機械的特性とを両立するものとなる。なお、処理温度が前記下限値未満である場合、リグニン誘導体の分子量が必要以上に高くなり、リグニン誘導体の流動性が低下するとともに、反応サイトの数が少なくなり過ぎて反応性が低下する。一方、処理温度が前記上限値を超える場合、リグニン誘導体の分子量が必要以上に低くなり、樹脂原料として用いたときに反応性が低下するおそれがある。
また、分解処理における処理時間は、480分以下であるのが好ましく、30〜120分であるのがより好ましい。処理時間が前記範囲内であれば、分解後に得られるリグニン誘導体の芳香族プロトンと脂肪族プロトンの比率が適切な値となり、成形性と硬化後の機械的特性との両立の観点から最適化することができる。
さらに、分解処理における圧力は、0.1〜12MPaであるのが好ましく、0.2〜10MPaであるのがより好ましい。圧力が前記範囲内であれば、バイオマスの分解効率を格段に高めることができ、その分、処理時間の短縮化を図ることができる。なお、必要に応じて、アルゴンガス等により耐圧容器内を加圧して圧力を高めるようにしてもよい。
また、溶媒中には、必要に応じて、分解処理を促進する触媒、酸化剤を添加するようにしてもよい。この触媒としては、例えば、炭酸ナトリウムのような無機塩基類、酢酸、ギ酸のような無機酸類等が挙げられ、酸化剤としては、過酸化水素等が挙げられる。これらの触媒および酸化剤の添加量は、溶媒中の濃度で0.1〜10質量%程度であるのが好ましく、0.5〜5質量%程度であるのがより好ましい。
さらに、上記分解処理の前処理として、バイオマスと前記溶媒とを十分に撹拌し、両者をなじませる工程を行うのが好ましい。これにより、バイオマスの分解を特に最適化することができる。
なお、撹拌温度としては、0〜150℃程度であるのが好ましく、10〜130℃程度であるのがより好ましい。
また、撹拌時間としては、1〜120分程度であるのが好ましく、5〜60分程度であるのがより好ましい。
さらに、撹拌方法としては、ボールミル、ビーズミル等の各種ミル、撹拌翼を備えた撹拌機等を用いた方法、ホモジナイザー、ジェットポンプなどによる水流攪拌を用いた方法等が挙げられる。
また、第1の分解工程において用いる溶媒は、亜臨界または超臨界の状態(条件)で用いられるのが好ましい。亜臨界または超臨界の状態にある溶媒は、バイオマスの分解処理の促進に寄与すると考えられる。このため、分解処理の効率をより高めることができ、リグニン誘導体の製造コストの低減および製造工程の簡略化を図ることができる。
さらに、第1の分解工程において用いる溶媒は、前述したように水と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒であるので、水と非プロトン性極性溶媒の双方が亜臨界または超臨界の状態であるのが好ましいが、いずれか一方が亜臨界または超臨界の状態であっても十分な効果が得られる。
なお、一例として、水の臨界温度は約374℃、臨界圧力は約22.1MPaであり、アセトニトリルの臨界温度は約272℃、臨界圧力は約4.8MPaであり、アセトンの臨界温度は約235℃、臨界圧力は約4.7MPaである。
また、本工程により得られた処理物中には、不溶部としてセルロース、セルロース誘導体およびセルロース分解物のうちの少なくとも1種が高濃度で含まれている。このため、この不溶部を回収することによって、前述したセルロースやセルロース由来の物質を分離、製造することができる。不溶部の回収は、濾過等の方法により行うことができる。
[2]第2の分解工程
次に、第1の分解工程により得られた処理物を濾過により、可溶部と不溶部とを分離する。そして、得られた可溶部を高温高圧下で分解処理する。これにより、第1の分解工程により得られた処理物がより低分子化される。
本工程において用いられる高温高圧環境も第1の分解工程と同様に生成され、例えばオートクレーブ等が用いられる。
一方、第2の分解工程における処理条件については、処理温度が第1の分解工程における処理温度よりも高いことが好ましい。このように相対的に低温で処理する第1の分解工程と相対的に高温で処理する第2の分解工程とを順次行うことにより、前記処理物をより低分子のものに分解するとともに、分解後のリグニン誘導体の分子量のバラツキをより小さく抑えることができる。その結果、リグニン誘導体の数平均分子量を前記範囲内に抑えることができ、リグニン樹脂成形材料の流動性を向上させるとともに、成形材料を用いて製造される成形体中にボイド(空隙)が発生したり、成形体の平滑性が低下するのを防止することができる。
また、第1の分解工程に続いて第2の分解工程を行うことにより、第2の分解工程においてはリグニンの単位構造(フェニルプロパン構造)同士が結合した高分子体のうち、単位構造同士を主につないでいるβ−O−4結合を効率よく切断し、開裂させることができる。これにより、より低分子量化および分子量の均一化が図られる。
第2の分解工程における処理温度は、前述したように、第1の分解工程における処理温度よりも高いことが好ましいが、その温度差は30〜150℃程度であるのが好ましく、40〜120℃程度であるのがより好ましく、50〜100℃程度であるのがさらに好ましい。このような温度差を設けることにより、第1の分解工程ではリグニン中の単位構造同士をできるだけ切断せず、バイオマス中のリグニンの高分子体、セルロース、ヘミセルロース等の木質成分を互いに分離し、その後、第2の分解工程においては、前述のβ−O−4結合を切断するのに必要かつ十分な熱エネルギーが付与されることになる。その結果、低分子量化と高硬化性とを両立したリグニン誘導体が得られる。
なお、第2の分解工程は必要に応じて行えばよく、1回の分解工程であってもよい。
[3]留去工程
次に、第2の分解工程により得られた処理物から非プロトン性極性溶媒を留去する。これにより、非プロトン性極性溶媒の留去による残存物は、水相と不溶分とに分離する。この不溶分がリグニン誘導体である。よって、残存物から不溶分を回収することにより、リグニン誘導体を得ることができる。不溶分の回収には、濾過、加熱脱水、真空脱水等の方法が用いられる。また、この方法では、最終的にリグニン誘導体を固体物として回収することができる。このため、溶液の溶質として回収する場合に比べて回収作業が容易であり、リグニン誘導体の製造効率を飛躍的に高めることを可能にする。
以上のような方法により、高い収率でリグニン誘導体を製造することができる。
また、本工程により得られた処理物中には、可溶分としてヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体およびヘミセルロース分解物のうちの少なくとも1種が高濃度で含まれている。このため、この可溶部を回収することによって、前述したヘミセルロースやヘミセルロース由来の物質を分離、製造することができる。可溶部の回収は、濾過後、加熱脱水、真空脱水等の方法で水分を除去することにより行うことができる。
[4]反応性基導入工程
製造されたリグニン誘導体に反応性基を導入する方法としては、例えば、リグニン誘導体と反応性基を含む化合物とを混合する方法が用いられる。そして、混合後、必要に応じて触媒等を添加することにより、リグニン誘導体に反応性基が導入される。
具体的には、エポキシ基を導入する場合、リグニン誘導体とエピクロロヒドリンと溶媒とを混合し、これに減圧還流下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加することで導入することができる。
また、メチロール基を導入する場合、リグニン誘導体とホルムアルデヒド等のアルデヒド類を混合し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ性触媒を加えて加熱反応することで導入することができる。
また、ビニル基を導入する場合、リグニン誘導体とハロゲン化アリルまたはハロゲン化ビニルベンジル等のビニル基を含むハロゲン化合物と溶媒とを混合し、これに加熱攪拌下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加することで導入することができる。
また、エチニル基を導入する場合、リグニン誘導体とハロゲン化プロパルギルまたはハロゲン化フェニルアセチレン等のエチニル基を含むハロゲン化合物と溶媒とを混合し、これに加熱攪拌下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加することで導入することができる。
また、シアネート基を導入する場合、リグニン誘導体とハロゲン化シアネートと溶媒とを混合し、これに加熱攪拌下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加することで導入することができる。
また、マレイミド基を導入する場合、リグニン誘導体とパラクロロニトロベンゼンとを混合する。これにより、リグニン誘導体のフェノール性水酸基にマレイミド基が反応し、エーテル結合を介して結合したポリニトロ化リグニンが得られる。次いで、ポリニトロ化リグニンを還元することで、ポリアミノ化リグニンに変換され、さらに無水マレイン酸と反応させることで、マレイミド基が導入されたリグニン二次誘導体が得られる。
また、イソシアネート基を導入する場合、リグニン誘導体と無水マレイン酸とを混合することで、リグニン誘導体中の水酸基がカルボキシル基に変換される。その後、混合物をジフェニルリン酸アジド存在下で加熱することにより、イソシアネート基が導入されたリグニン二次誘導体で得られる。
以上のようにしてリグニン誘導体およびリグニン二次誘導体を製造することができる。
[5]混合工程
次いで、リグニン誘導体およびリグニン二次誘導体の少なくとも一方と、架橋剤と、充填剤と、必要に応じて添加されるその他の成分と、を混合機により均一に混合する。これにより、リグニン樹脂成形材料が得られる。また、混合する際には、熱板や、加圧ニーダー、ロール、コニーダー、二軸押し出し機等の混練機等を用い、混合物が硬化する温度未満で加熱溶融混練する。加熱する際の具体的な加熱温度は、選択する組成に応じて若干異なるが、好ましくは50〜130℃程度とされる。前記混合物を冷却したものを粉砕することにより、顆粒状のリグニン樹脂成形材料が得られる。
このようにして得られた成形材料は、所望の成形方法により成形し、これを硬化させることで樹脂製品を製造することができる。成形方法としては、例えば、トランスファー成形、インジェクション成形、圧縮成形等が挙げられる。
また、成形時の温度は150〜220℃程度、成形時間は1〜5分程度であるのが好ましい。なお、これらの条件は、目的に応じて適宜調整される。
得られる樹脂製品としては、例えば、半導体部品、航空機部品、自動車部品、産業用機械部品、電子部品、電気部品、機構部品等が挙げられる。
以上、本発明について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、バイオマスから単離されるリグニン誘導体は、上記とは異なる方法で単離されたものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.リグニン樹脂成形体の製造
(サンプルNo.1)
<リグニン誘導体の製造>
(第1の分解工程)
スギ木粉(60メッシュアンダー)100gと、純水とアセトンとを1:1の質量比で混合してなる混合溶媒400gとを、1Lオートクレーブに導入し、内容物を300rpmで攪拌しながら、前処理として室温で15分間撹拌を行い、スギ木粉と混合溶媒とを十分になじませた後、200℃、飽和蒸気圧で60分間処理して、スギ木粉を分解した。
(第2の分解工程)
第1の分解工程により得られた分解物について濾過により、可溶部と不溶部とを分離した。次いで、得られた可溶部を、連続式の分解処理装置に供することにより、可溶部に分解処理を施した。なお、第2の分解工程における処理条件は、処理温度300℃、処理時間8分、圧力20MPaであった。
(留去工程)
第2の分解工程により得られた処理物からアセトンを留去した。そして、残存物について濾過により、可溶部と不溶部とを分離した。その後、不溶部を乾燥させることで、リグニン誘導体を得た。
ここで得られたものについて、H−NMR分析に供したところ、テトラメチルシランを0ppmの基準物質とした化学シフトのスペクトルにおいて、6〜8ppmに芳香族プロトンに帰属する複数のピークが、0.5〜3ppmに脂肪族プロトンに帰属する複数のピークがそれぞれ認められた。
そこで、検出された各ピークについて、芳香族プロトンに帰属する複数のピークの積分値を1としたときの、脂肪族プロトンに帰属する複数のピークの積分値を算出した。算出結果を表1に示す。
また、上記で得られたリグニン誘導体の分子量について、テトラヒドロフランを溶離液として、ポリスチレン換算のゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。測定した数平均分子量(Mn)を表1に示す。
<リグニン樹脂成形材料の製造>
次に、得られたリグニン誘導体90質量部に、ヘキサメチレンテトラミン10質量部およびシリカ粉末(電気化学社製、平均粒径15μm)200質量部を配合し、熱ロールで90℃5分間混練し、シート状になった混練物を冷却後、粉砕することにより平均3mmの顆粒状のリグニン樹脂成形材料を得た。
<リグニン樹脂成形体の製造>
次に、上記で得られた顆粒状のリグニン樹脂成形材料をタブレットマシンを用いてφ20mmのタブレットとした。次いで、トランスファー成形により175℃、6.9MPaで5分間成形し、平均厚さ1.6mmの板状の成形体を得た。
(サンプルNo.2〜13)
バイオマスの種類、分解処理における溶媒、温度、圧力および時間を、表1に示すように変更した以外は、それぞれ、サンプルNo.1の場合と同様にしてリグニン誘導体を得るとともに、板状の成形体を得た。
また、各サンプルNo.のリグニン誘導体について、H−NMR分析による化学シフトのスペクトルを取得し、脂肪族プロトンに帰属する複数のピークの積分値に対する芳香族プロトンに帰属する複数のピークの積分値の割合を表1に示した。
さらに、各サンプルNo.のリグニン誘導体について、数平均分子量(Mn)を測定し、表1に示した。
(サンプルNo.14)
<リグニン誘導体の製造>
スギ木粉50gを2Lビーカーにとり、p−クレゾールのメタノール溶液(リグニン構成単位当たり3モル倍量のフェノール誘導体を含む。)を加え、ガラス棒で撹拌し、24時間静置した。その後、メタノールを完全に留去して、p−クレゾール収着木粉を得た。この木粉に対して、72質量%硫酸500mlを加え、30℃で1時間激しく撹拌した後、混合物を大過剰の水に投入し、不溶解分を回収、脱酸し、乾燥させてリグニン誘導体を得た。
得られたリグニン誘導体について、H−NMR分析による化学シフトのスペクトルを取得し、脂肪族プロトンに帰属する複数のピークの積分値に対する芳香族プロトンに帰属する複数のピークの積分値の割合を表2に示した。
また、得られたリグニン誘導体の数平均分子量(Mn)を測定し、表2に示した。
<リグニン樹脂成形材料の製造>
次に、得られたリグニン誘導体90質量部に、ヘキサメチレンテトラミン10質量部およびシリカ粉末(電気化学社製、平均粒径15μm)200質量部を配合し、熱ロールで90℃5分間加熱混練することによりリグニン樹脂成形材料を得た。
<リグニン樹脂成形体の製造>
次に、上記で得られたリグニン樹脂成形材料をトランスファー成形により175℃、6.9MPaで5分間成形した。しかしながら、溶融流動性が不十分で外観良好な成形体を得ることができなかった。
(サンプルNo.15)
バイオマスの種類を表2に示すように変更した以外は、サンプルNo.14の場合と同様にしてリグニン誘導体を得るとともに、リグニン樹脂成形材料を得た。そして、得られたリグニン樹脂成形材料を用いて加熱加圧成形を行ったが、成形時の溶融流動性が不十分で外観良好な成形体を得ることができなかった。
(サンプルNo.16〜21)
バイオマスの種類、分解処理における溶媒、温度、圧力および時間を、表2に示すように変更した以外は、それぞれ、サンプルNo.1の場合と同様にしてリグニン誘導体を得るとともに、リグニン樹脂成形材料を得た。板状の成形体を得た。No.16〜19については、成形時の溶融流動性が不十分で外観良好な成形体を得ることができなかった。また、No.20、21については強度が劣っていた。
また、各サンプルNo.のリグニン誘導体について、H−NMR分析による化学シフトのスペクトルを取得し、脂肪族プロトンに帰属する複数のピークの積分値に対する芳香族プロトンに帰属する複数のピークの積分値の割合を表2に示した。
さらに、各サンプルNo.のリグニン誘導体について、数平均分子量(Mn)を測定し、表2に示した。
(サンプルNo.22)
以下の工程によりリグニン誘導体にエポキシ基を導入し、リグニン二次誘導体を製造し、これを用いて板状のリグニン樹脂成形体を製造するようにした以外は、サンプルNo.1と同様にした。
<リグニン二次誘導体の製造>
まず、撹拌機および冷却管を備えた3つ口フラスコに、サンプルNo.1のリグニン誘導体25.0gと、エピクロロヒドリン100gとを導入し、100mmHg(1.3×10Pa)の圧力下で減圧還流しながら、20質量%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液2gを30分かけて滴下した。その後、90分間減圧還流状態を保持して反応処理物を得た。
次いで、反応処理物から不溶分を濾過して取り除き、エピクロロヒドリン可溶部を単離した。そして、このエピクロロヒドリン可溶部からエピクロロヒドリンを留去し、乾燥することで、リグニン二次誘導体21.8gを得た。
<リグニン樹脂成形材料の製造>
次いで、上記で得られたリグニン二次誘導体20.0g、リグニン誘導体10.0gおよび2−メチルイミダゾール0.3g、シリカ粉末(電気化学社製、平均粒径20μm)80gと、をパウダー混合した後、熱ロールで90℃5分間加熱混練することによりリグニン樹脂成形材料を得た。
<リグニン樹脂成形体の製造>
次に、上記で得られたリグニン樹脂成形材料をトランスファー成形により175℃、6.9MPaで5分間成形し、平均厚さ1.6mmの板状成形体を得た。
(サンプルNo.23〜27)
リグニン誘導体の種類、および導入する反応性基の種類を、表3に示すように変更した以外は、それぞれ、サンプルNo.22の場合と同様にしてリグニン二次誘導体を得るとともに、板状成形体を得た。なお、No.25については、成形時の溶融が不十分で板状成形体を形成することができなかった。
また、反応性基としてビニル基を用いたサンプルについては、エピクロロヒドリンに代えてアリルブロミドを用い、2−メチルイミダゾールに代えてアゾビスイソブチロニトリルを用いるようにした。
2.リグニン誘導体およびリグニン樹脂成形材料の評価
2.1 ゲルタイムの評価
各サンプルNo.のリグニン誘導体90gに対してヘキサメチレンテトラミン10gを添加し、この試料についてJIS K 6910に規定の方法に準じて150℃におけるゲルタイム(ゲル化時間)を測定し、その結果を表1、2に示した。
表1、2から明らかなように、各実施例では、各比較例に比べてゲルタイムの値が低すぎずかつ高すぎないリグニン誘導体(好ましくは30〜190程度)が得られることが認められた。このようなゲルタイムのリグニン樹脂組成物を用いることで、成形性が高く、かつ硬化後の機械的特性に優れたリグニン樹脂成形材料が得られる。
2.2 流動性の評価
各サンプルNo.のリグニン樹脂成形材料に対してスパイラルフローを測定した。測定にはスパイラルフロー測定用金型を用い、低圧トランスファー成形機にて温度175℃、射出圧6.9MPa、保圧時間300秒の条件でEMMI−1−66に規定の方法に準じてスパイラルフロー(SF)値(単位:cm)を測定した。そして、測定したスパイラルフロー値を以下の評価基準にしたがって評価した。
<流動性の評価基準>
○:スパイラルフロー値が70cm以上である
×:スパイラルフロー値が70cm未満である
2.3 曲げ破断時伸びの評価
各サンプルNo.のリグニン樹脂成形体について、JIS−C6481に規定の方法に準じて、破断するまでの曲げ試験を行った。そして、試験前寸法に対する試験後寸法の変化の割合(曲げ破断時伸び)を、以下の評価基準に従って評価した。
<曲げ破断時伸びの評価基準>
○:曲げ破断時伸びが1%以上である
×:曲げ破断時伸びが1%未満である
以上、2.2、2.3の評価結果を表1〜3に示す。
Figure 0005822596
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実施例に相当するリグニン樹脂成形材料は、流動性、すなわち成形時の成形性(形状転写性)が高く、かつ、リグニン樹脂成形材料を用いて製造された板状成形体は曲げ破断時の伸びに優れていることが認められた。これは、リグニン樹脂成形材料中に含まれるリグニン誘導体の数平均分子量が所定の範囲内にあるためであると考えられる。したがって、本発明のリグニン樹脂成形材料によれば、機械的特性に優れたリグニン樹脂成形体が得られることが明らかとなった。なお、表中には示していないものの、サンプルNo.7、12は実施例の中でも特性がやや劣っていた。一方、サンプルNo.1、2、4、5、9−11、22、24は実施例の中でも特性がやや優れていた。
一方、比較例に相当するリグニン樹脂成形材料は、流動性に劣るものや、硬化後の曲げ破断時の伸びに劣る(脆い)ものが含まれていた。
また、充填剤としてアルミナ粉末およびアラミド繊維片を用いた場合も、シリカ粉末と同様の傾向を示した。

Claims (8)

  1. バイオマスを分解して得られたリグニン誘導体と、架橋剤と、充填剤と、を含み、
    前記リグニン誘導体は、数平均分子量が1000未満であり、かつ、その総量中における分子量1000未満のリグニン誘導体の質量比をAとし、分子量1000以上のリグニン誘導体の質量比をBとしたとき、B/(A+B)の百分率が20質量%未満であることを特徴とするリグニン樹脂成形材料。
  2. 前記リグニン誘導体の総量中において、分子量1000以上3000未満のリグニン誘導体の質量比をB1とし、分子量3000以上のリグニン誘導体の質量比をB2としたとき、B1>B2であり、かつ、B1/(A+B1+B2)の百分率が0.1質量%以上10質量%未満である請求項に記載のリグニン樹脂成形材料。
  3. 前記リグニン誘導体は、水酸基に対して芳香環のオルト位およびパラ位の少なくとも一方が無置換である分子構造を有するものである請求項1または2に記載のリグニン樹脂成形材料。
  4. 前記架橋剤は、ヘキサメチレンテトラミン、および、エポキシ基を2個以上含む化合物、の少なくとも一方を含むものである請求項1ないしのいずれか1項に記載のリグニン樹脂成形材料。
  5. 前記充填剤の構成材料は、金属酸化物、金属水酸化物、金属窒化物、ケイ素酸化物、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、木粉、布粉砕粉、およびパルプ粉砕粉のいずれか1種を含むものである請求項1ないしのいずれか1項に記載のリグニン樹脂成形材料。
  6. 前記リグニン樹脂成形材料は、タブレット状または顆粒状をなすものである請求項1ないしのいずれか1項に記載のリグニン樹脂成形材料。
  7. 前記リグニン誘導体は、バイオマスを分解して得られたリグニン化合物に反応性基が導入されてなる二次誘導体である請求項1ないしのいずれか1項に記載のリグニン樹脂成形材料。
  8. 前記反応性基は、エポキシ基である請求項に記載のリグニン樹脂成形材料。
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