JP5820922B1 - ビールテイストアルコール飲料 - Google Patents

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【課題】味の「コク」と「シマリ」のバランスに優れる新しいビールテイストアルコール飲料を提供すること。【解決手段】原料に麦芽、ホップ、および未発芽大麦を含んでなり、原料中に占める麦芽の使用比率が25%未満であるビールテイストアルコール飲料であって、以下に記載の含有量の(A)クエン酸、及び(B)アスコルビン酸を含有してなる、ビールテイストアルコール飲料。(A)クエン酸:300〜2000ppm(B)アスコルビン酸:500〜2000ppm【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイストアルコール飲料に関する。
近年の消費者の嗜好の多様化にともなって、様々な香味特徴をもつビールテイストアルコール飲料の開発が望まれている。
例えば、特許文献1には、麦芽由来又はホップ由来の飲料製品における露光によって起こるオフフレーバーの形成を抑制するために、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、クロム、銅、鉄、セレン、マンガンから選択される金属と、アスコルビン酸、エリソルビン酸、糖アルコール、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸塩から選択される添加物とを組み合わせて含有させる技術が開示されている。ここで、麦芽由来又はホップ由来の飲料製品としては、ビール、エール、ライトビール、麦芽酒、ラガービール、ランビック、麦芽飲料(アルコール及びノンアルコール)、麦芽清涼飲料、及びフレーバー付き麦芽飲料(フレーバー付きのビールではない麦芽由来のアルコール飲料)が対象として挙げられている。
特表2008−543310号公報
一方、クエン酸等に代表される酸味料は、酸味の尖った味がコクに穴をあける成分でもあり、酸味料の含有量を増やすと「コク」の付与が十分ではなくなることが知られている。よって、酸味による味の「シマリ」を付与したビール飲料を設計しようとして酸味料を添加する場合には、「コク」の付与が充分ではなくなるという課題がある。
本発明の課題は、味の「コク」と「シマリ」のバランスに優れる新しいビールテイストアルコール飲料を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、酸味料として、クエン酸とアスコルビン酸を併用することにより、意外にも、酸味が目立つことなく、味の「コク」と「シマリ」にバランスのとれた、味わいのあるビールテイストアルコール飲料が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、原料に麦芽、ホップ、及び未発芽大麦を含み、原料中に占める麦芽の使用比率が25%未満のビールテイストアルコール飲料であって、以下の含有量の(A)クエン酸、及び(B)アスコルビン酸を含有してなる、ビールテイストアルコール飲料に関する。
(A)クエン酸:300〜2000ppm
(B)アスコルビン酸:500〜2000ppm
本発明のビールテイストアルコール飲料は、味の「コク」と「シマリ」にバランスがとれ、味わいがあるという優れたものとなる。
本発明のビールテイストアルコール飲料は、原料に麦芽、ホップ、及び未発芽大麦を含み、原料中に占める麦芽の使用比率が25%未満であって、(A)クエン酸と(B)アスコルビン酸を以下の含有量で含有することに特徴を有する。
(A)クエン酸:300〜2000ppm
(B)アスコルビン酸:500〜2000ppm
一般的に、クエン酸は、爽快な(シャープな)酸味を提供する酸味料として知られ、クエン酸を添加すると味に「シマリ」は付与されるが、その反面、鋭い酸味によるコクの崩壊が生じて好ましくない。しかし、本願発明においては、当該クエン酸と、まろやかな酸味を伴うアスコルビン酸(ビタミンC)とを併用することで、クエン酸によるコクの崩壊を抑えながらも、酸味を付与させることができ、ひいては味の「シマリ」と「コク」のバランスをとることが可能になると推定される。ただし、これらの推測は、本発明を限定するものではない。
(A)クエン酸
本発明におけるクエン酸は食品に添加することが認められているものであれば制限なく用いることができる。
クエン酸の含有量は、ビールテイストアルコール飲料に酸味による味の「シマリ」を付与する観点から、本発明のビールテイストアルコール飲料中、300ppm以上であり、500ppm以上が好ましく、1000ppm以上がより好ましい。また、ビールテイスト飲料のコクの崩壊を防ぐ観点から、2000ppm以下であり、1950ppm以下が好ましく、1900ppm以下がより好ましい。
(B)アスコルビン酸
本発明におけるアスコルビン酸は食品に添加することが認められているものであれば制限なく用いることができる。なお、アスコルビン酸はビタミンCとも言う。
アスコルビン酸の含有量は、ビールテイストアルコール飲料に酸味による味の「シマリ」を付与しつつ、クエン酸によるビールテイスト飲料のコクの崩壊を防ぐ観点から、本発明のビールテイストアルコール飲料中、500ppm以上であり、800ppm以上が好ましく、1000ppm以上がより好ましい。また、アスコルビン酸によるビールテイスト飲料のコクの崩壊を防ぐの観点から、2000ppm以下であり、1800ppm以下が好ましく、1500ppm以下がより好ましい。
また、(A)クエン酸と(B)アスコルビン酸の合計重量は、800ppm以上が好ましく、1300ppm以上がより好ましく、2000ppm以上が更に好ましい。また、4000ppm以下が好ましく、3600ppm以下がより好ましく、3200ppm以下が更に好ましい。また、(A)クエン酸と(B)アスコルビン酸の重量比〔(A)/(B)〕としては、ビールテイストアルコール飲料に酸味による味の「シマリ」を付与しつつ、クエン酸によるビールテイストアルコール飲料のコクの崩壊を防ぐ観点から、4/1〜0.3/1が好ましく、2/1〜0.5/1がより好ましく、1/1〜0.5/1が更に好ましい。
一般に、麦芽比率が低いものはコクの付与が十分ではないことから未発芽大麦などの穀物由来原料や酸味料、甘味料でコクを付与し、酸味料で酸味を付与して香味調整を行うところ、酸味料の添加量が多くなるとコクの崩壊が見られ、所望の香味に調整することが困難であるが、前記のように、クエン酸とアスコルビン酸の含有量を調整することで、意外にも、麦芽比率が低いものであっても、クエン酸によるコクの崩壊をアスコルビン酸が抑制しながら、酸味も提供することで、本発明のように味の「シマリ」と「コク」のバランスをとることが可能になる。
また、本発明のビールテイストアルコール飲料は、前記クエン酸とアスコルビン酸を所定量で含むことを特徴し、原料に麦芽、ホップ、及び未発芽大麦を含み、かつ、麦芽比率が25%未満のものであれば、前記以外の成分としては、ビールや発泡酒の製造において一般的に用いられる原料を用いることができる。
本明細書でいう麦とは、ビールや発泡酒の製造において一般的に用いられるものであればよい。例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等が挙げられ、好ましくは大麦を用いる。また、前記麦以外に、他の穀物、でんぷん、及び糖類を用いることができ、具体的には、例えば、米、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、でんぷん、豆類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記の麦は、発芽した麦、未発芽の麦のいずれでもよいが、本発明においては、発芽した麦の麦芽使用比率が、水とホップを除いた原料中に占める麦芽の重量の比率として25%未満となるように用いる。
また、本発明においては、前記に加えて、ビールテイストアルコール飲料にコクを付与する観点から、未発芽の大麦を用いる。未発芽大麦の使用比率は、水とホップを除いた原料中、5%以上が好ましく、7.5%以上がより好ましく、また、16%以下が好ましく、12%以下がより好ましい。なお、本明細書における麦や糖類の使用比率「%」とは「重量%」のことである。
本発明におけるホップとしては、ビール等の製造に使用される通常のペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキスを、所望の香味に応じて適宜選択して使用することができる。イソ化ホップ、還元ホップなどのホップ加工品を用いてもよい。本発明におけるホップには、これらのものが包含される。
本発明における水としては、水道水及び/又は水道水処理水を用いることができる。水道水処理水としては、水道水に対して、凝集沈殿、ろ過、膜、脱塩、ミネラル分調整、トリハロメタン除去などの処理を一又は二以上行ったものを用いることができる。
また、前記以外の原料として、本発明のビールテイストアルコール飲料は、高甘味度甘味料を含有することが好ましい。高甘味度甘味料としては、食品に添加することが認められているものであれば特に制限なく、天然甘味料及び合成甘味料のいずれの高甘味度甘味料も使用することができる。例えば、ペプチド系甘味料、例えばネオテーム、アリテーム等;配糖体系甘味料、例えばステビア(ステビア抽出物及びステビアを酵素処理してブドウ糖を付加した酵素処理ステビア等のステビア誘導体及びステビアの甘味成分の中で最も甘味質のよいレバウディオサイドAを含む)、カンゾウ抽出物等;ショ糖誘導体、例えばスクラロース等;合成甘味料、例えばアセスルファムK、サッカリン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組み合せて用いることができるが、なかでも、スクラロース及び/又はアセスルファムKが好ましい。ここで、「甘味度」とは、ショ糖の甘味を基準としたときの甘味の程度を意味しており、高甘味度甘味料の甘味度は当業者に広く知られている。例えば、ショ糖1重量%溶液の甘味度を1とした場合、スクラロースの甘味度は約600で、アセスルファムKの甘味度は約200である。
高甘味度甘味料の含有量としては、本発明のビールテイストアルコール飲料中、20ppm以上が好ましく、50ppm以上がより好ましく、90ppm以上が更に好ましい。また、160ppm以下が好ましく、150ppm以下がより好ましく、140ppm以下が更に好ましい。なお、ここでの高甘味度甘味料の含有量とは、二種以上の高甘味度甘味料を用いる場合は、総含有量を意味する。
また、飲料中の甘味度は目的とする飲料に応じて設定することができ、たとえば本発明のビールテイストアルコール飲料の甘味度は0.4以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、1.2以上が更に好ましい。また、5.4以下が好ましく、4.3以下がより好ましく、3.2以下が更に好ましい。アセスルファムKを使用する場合は、0.002重量%となるように調製することによって甘味度0.4の飲料となる。なお、甘味料を複数用いる場合は、合計甘味度を意味する。
本発明のビールテイストアルコール飲料は、前記成分以外に、更に、香料、食物繊維、苦味料、色素、安定剤、炭酸ガス、及び醸造用アルコールからなる群より選ばれる一又は二以上を含有することができる。これらは、当該分野で公知のものであれば特に限定なく用いることができ、その配合量も当業者の技術常識に従って適宜設定することができる。
本発明のビールテイストアルコール飲料は、前記(A)クエン酸、(B)アスコルビン酸を所定量で用い、原料に麦芽、ホップ、及び未発芽大麦を含み、かつ、麦芽使用比率が25%未満となるようにすれば特に限定なく調製することができる。例えば、麦芽使用比率が25%未満となるように原料を、仕込釜又は仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行なわせた後、穀皮等を濾過により取り除き、ホップなどを加えて煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパク質などの固形分を取り除いて得ることができる。次いで、前記で得られた麦汁に酵母を添加して発酵を行なわせ、必要に応じ濾過機などで酵母を取り除いて製造する。なお、前記成分(A)、(B)の添加タイミングについては、特に限定されない。なお、貯蔵(貯酒)、濾過・容器詰め、必要により殺菌の工程を経ることができる。これらの糖化工程、煮沸工程、固形分除去工程、発酵工程などにおける条件は、一般に知られている条件を用いればよい。
かくして、本発明のビールテイストアルコール飲料が得られる。
本発明のビールテイストアルコール飲料のエキス分の総量としては、味に適度な厚みを付与する観点から、2.0重量%以上が好ましく、2.2重量%以上がより好ましく、2.4重量%以上が更に好ましい。また、同様に味に適度な厚みを付与する観点から、2.8重量%未満が好ましく、3.0重量%未満がより好ましい。本発明において、エキス分とは、麦芽、米、トウモロコシ、コウリャン、バレイショ、デンプン、麦芽以外の麦、糖類、高甘味度甘味料、酸味料、苦味料、着色料及び香料などの原料に由来して増減する、不揮発性の成分をいう。エキス分の総量を調整する方法は特に限定されないが、例えば、原料として用いる麦芽などの麦の様な、エキス分をもたらす原料の量を調整する方法、中間製品を希釈する方法などが挙げられる。本明細書における「エキス分の総量」は、飲料のアルコール度数が0.005%以上の場合、日本の酒税法におけるエキス分、すなわち、温度15度の時において原容量100立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数をいう。
本発明のビールテイストアルコール飲料のアルコール濃度は、ビールや発泡酒といった麦芽発酵飲料として消費者に好んで飲用されるアルコール濃度、すなわち、1〜10%(v/v)の範囲である。
また、本発明のビールテイストアルコール飲料のアルコール分は、ビールや発泡酒を製造する方法に従って設定されたものでよく、発泡酒においては、麦芽やその他の原料を発酵して得られたアルコール含有物に対して、原料用アルコールなどを加えることにより最終製品のアルコール分を調整したものでもよい。
本発明のビールテイストアルコール飲料のpHは、飲み応えを適切に感じさせる観点から、好ましくは2.8以上、より好ましくは3.0以上、更に好ましくは3.2以上であり、同様に飲み応えを適切に感じさせる観点から、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.8以下、更に好ましくは3.6以下である。
本発明のビールテイストアルコール飲料は、通常の飲料と同様、ビン、缶、樽、またはペットボトル等の密封容器に充填して、容器入り飲料とすることができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
試験例1(参考例1−1〜1−9)
参考例1−1〜1−9のビールテイストアルコール飲料を下記のように調製した。
麦芽24重量%、未発芽大麦10重量%、糖液66重量%の組成の原料を用い、定法どおりに麦汁を製造した。麦芽及び未発芽大麦の粉砕物を糖化し、得られた糖化液を濾過し、得られた濾液にホップ、糖液を加えて煮沸を行い、エキス分15.0重量%の麦汁を得た。これにビール酵母を添加して定法により発酵させ、エキス分2.5重量%でアルコール分が4.0%の麦芽発酵飲料を得た。
上記で得た麦芽比率24重量%の麦芽発酵飲料に、ビタミンC及びクエン酸、高甘味度甘味料を添加し、このとき、アルコール濃度は4v/v%となるようにし、ビタミンC及びクエン酸、高甘味度甘味料については、下記表1の含有量となるように調整した(参考例1−1〜1−4のpH=3.7、参考例1−5〜1−9のpH=3.2、参考例1−10のpH=4.0)。
得られたビールの香味を、評点法による官能試験によって評価した。良く訓練された官能評価者5名が、「コク」、「シマリ」、及び「総合評価」について、5点満点で評価した。「とても感じる又はとても良い」を5点、「感じる又は良い」を4点、「やや感じる又はやや良い」を3点、「わずかに感じる又はわずかに良い」を2点、「感じない又は普通」を1点として、評価点の平均点を算出し、平均点に応じて下記基準に従って評価を行なった。「総合評価」は平均点が高いほどよく、3.0以上が好ましいと判断した。「コク」及び「シマリ」は平均点が2.5以上、4.3以下が好ましく、平均点が3.0以上、4.3以下がより好ましいと判断した。結果を表1に示す。
Figure 0005820922
表1から明らかなように、アセスルファムK、スクラロースの含有量及び飲料の甘味度の増加に伴い、味のコクは高まる傾向にあり、ビタミンCはこの傾向に影響を与えないが(参考例1−1〜1−4)、クエン酸が存在するとコクの崩壊が見られる(参考例1−5〜1−8)。
試験例2(参考例2−1〜2−6)
参考例2−1〜2−6のビールテイストアルコール飲料を下記のように調製した。
麦芽24重量%、未発芽大麦(5、12、16)重量%、糖液(71、64、60)重量%の組成の原料を用い、定法どおりに麦汁を製造した。麦芽及び未発芽大麦の粉砕物を糖化し、得られた糖化液を濾過し、得られた濾液にホップ、糖液を加えて煮沸を行い、エキス分15.0重量%の麦汁を得た。これにビール酵母を添加して定法により発酵させ、エキス分2.5重量%でアルコール分が4.0%の麦芽発酵飲料を得た。
上記で得た麦芽比率24重量%の麦芽発酵飲料に、ビタミンC及びクエン酸を添加し、このとき、アルコール濃度は4v/v%となるようにし、ビタミンC及びクエン酸については、下記表2の含有量となるように調整した(参考例2−1〜2−3のpH=3.7、参考例2−4〜2−6のpH=3.2)。
得られたビールについて、試験例1と同様にして官能試験による評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005820922
表2から明らかなように、大麦比率が増加すると味のコクは高まる傾向にあり、ビタミンCはこの傾向に影響を与えないが(参考例2−1〜2−3)、クエン酸が存在するとコクの崩壊が見られる(参考例2−4〜2−6)。
試験例3(実施例1〜6、比較例1)
実施例1〜6及び比較例1のビールテイストアルコール飲料を下記のように調製した。麦芽24重量%、未発芽大麦10重量%、糖液66重量%の組成の原料を用い、定法どおりに麦汁を製造した。麦芽及び未発芽大麦の粉砕物を糖化し、得られた糖化液を濾過し、得られた濾液にホップ、糖液を加えて煮沸を行い、エキス分15.0重量%の麦汁を得た。これにビール酵母を添加して定法により発酵させ、エキス分2.5重量%でアルコール分が4.0%の麦芽発酵飲料を得た。
上記で得た麦芽比率24重量%の麦芽発酵飲料に、ビタミンC及びクエン酸、高甘味度甘味料を添加し、このとき、アルコール濃度は4v/v%となるようにし、ビタミンC及びクエン酸、高甘味度甘味料については、下記表3の含有量となるように調整した(実施例1のpH=3.5、実施例2のpH=3.4、実施例3のpH=3.0、実施例4〜6のpH=3.2、比較例1のpH=2.9)。
得られたビールについて、試験例1と同様にして官能試験による評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005820922
表3から明らかなように、クエン酸の量が多すぎると(比較例1)、ビタミンCを使用してもクエン酸によるコクの崩壊を抑制する効果が低下することが分かる。一方、クエン酸とビタミンCを所定量で含有する実施例のビールテイストアルコール飲料は、味のコクとシマリのバランスがとれ、総合評価にも優れるものであることが分かった。
試験例4(実施例7〜10、比較例2〜3)
実施例7〜10及び比較例2〜3のビールテイスト飲料を下記のように調製した。
麦芽24重量%、未発芽大麦10重量%、糖液66重量%の組成の原料を用い、定法どおりに麦汁を製造した。麦芽及び未発芽大麦の粉砕物を糖化し、得られた糖化液を濾過し、得られた濾液にホップ、糖液を加えて煮沸を行い、エキス分15.0重量%の麦汁を得た。これにビール酵母を添加して定法により発酵させ、エキス分2.5重量%でアルコール分が4.0%の麦芽発酵飲料を得た。
上記で得た麦芽比率24重量%の麦芽発酵飲料に、ビタミンC及びクエン酸、高甘味度甘味料を添加し、このとき、アルコール濃度は4v/v%となるようにし、ビタミンC及びクエン酸、高甘味度甘味料については、下記表4の含有量となるように調整した(比較例2、実施例7のpH=3.1、比較例3、実施例8〜10のpH=3.0)。
得られたビールについて、試験例1と同様にして官能試験による評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005820922
表4から明らかなように、ビタミンCの量が少な過ぎる場合(比較例2)、ビタミンCの量が多すぎる場合(比較例3)のいずれにおいても、クエン酸による味のコクの崩壊を抑制する効果が低下することが分かる。一方、クエン酸とビタミンCを所定量で含有する実施例のビールテイストアルコール飲料は、味のコクとシマリのバランスがとれ、総合評価にも優れるものであることが分かった。
本発明のビールテイストアルコール飲料は、味の「コク」と「シマリ」のバランスに優れるものであり、嗜好品として新たなテイストを提供できる。

Claims (5)

  1. 原料に麦芽、ホップ、及び未発芽大麦を含み、原料中に占める麦芽の使用比率が25%未満のビールテイストアルコール飲料であって、以下の含有量の(A)クエン酸、及び(B)アスコルビン酸を含有してなる、ビールテイストアルコール飲料。
    (A)クエン酸:300〜2000ppm
    (B)アスコルビン酸:500〜2000ppm
  2. 更に、高甘味度甘味料を20〜160ppm含有してなる請求項1記載のビールテイストアルコール飲料。
  3. 原料中に占める未発芽大麦の使用比率が5〜16%である、請求項1又は2記載のビールテイストアルコール飲料。
  4. (A)クエン酸と(B)アスコルビン酸の重量比〔(A)/(B)〕が2000/500〜300/1000である、請求項1〜3いずれか記載のビールテイストアルコール飲料。
  5. 高甘味度甘味料が、スクラロース及びアセスルファムKを4/1〜0.3/1の重量比(スクラロース/アセスルファムK)で含有してなる、請求項2〜4いずれか記載のビールテイストアルコール飲料。
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