以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい一実施形態に係わるデジタルカメラは、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。制御部(CPU:Central Processing Unit)11は、プログラム/データ記憶部12に記憶された制御プログラムに従って動作し、デジタルカメラの全体制御を行う。制御部11内には、入力制御部11a、グループ選択部11b、表示制御部11cが設けられている。制御部11内の11a〜11cは、制御プログラムにより実行される処理の一部であるので、制御部11に含まれる機能部として説明する。
入力制御部11aは、ボタン操作部13およびローラ部14からユーザによる入力指示情報を入力する。グループ選択部11bは、詳しくは後述するローラ140の摺動操作位置に応じて、各画像グループの中から対応する画像グループを選択する。ここで画像グループは、後述するモードメニュー、撮影モードの第1階層メニュー、第2階層メニューや、アルバム画像等に相当し、各画像グループは、複数の画像を含んでいる。例えば、モードメニューであれば、撮影モードのアイコン、再生モードのアイコン、設定メニューのタブ画像等を有している。
制御部11内の表示制御部11cは、入力制御部11aによって入力制御されたユーザからの入力指示情報に基づいて、表示部27における表示制御を行う。すなわち、ローラ140やボタン操作部13によって入力指示された情報に基づいて、表示部27に表示する画像グループや各画像グループにおける画像(アイコン等)の表示制御を行う。例えば、ユーザがローラ140によって撮影モードを選択し、さらに撮影モードのいずれかのアイコンを選択した場合には、選択したアイコンに応じた撮影モード第2階層のメニューの表示制御を行う。これらの表示制御の詳細については、図5ないし図9を用いて後述する。
制御部11には、プログラム及びデータ記憶部12、ボタン操作部13、ローラ部14、及びバス30が接続されている。プログラム及びデータ記憶部12には前述したように制御部11において実行するプログラムが記憶されており、また各種データも記憶されている。ボタン操作部13は、ユーザがカメラに指示を与えるための各種操作部材を含み、電源釦、レリーズ釦等を有する。
ローラ部14は、ローラ140とローラ検出部16から構成されている。ローラ140は円柱形状をしており、中心軸を回転中心として回転可能である(図2、図3参照)。ただし、ローラ140の回転負荷は重く、ユーザが軽く触れただけでは回転しないよう設定されている。また、ローラ140の周面には、タッチパッド141(図2参照)が配置されており、ローラ検出部16は、ユーザのタッチ位置を検出する。また、ローラ検出部16は、ユーザの操作によってローラ140が回転するとその回転量および回転方向を検出する。ローラ140、ローラ検出部16の詳細については、図2を用いて後述する。
バス30には、前述の制御部11の他に、撮像部20、SDRAM21、画像処理部22、圧縮伸張部23、記録再生部24、表示処理部26が接続されている。撮像部20は、被写体像を結像させるための撮影レンズ、被写体像を画像データに変換するための撮像素子、及びこれらの処理回路、撮影レンズの光路中に介挿された絞り及びシャッタ等を含む。また、撮影レンズの焦点距離を変化させる焦点距離調整機構を有する。撮像部20によって生成された画像データはバス30に出力される。
SDRAM(Dynamic Random Access Memory)21は電気的に書き換え可能な揮発性の一時記憶メモリであり、撮像部20から出力される静止画や動画の画像データ等の一時記憶に用いられる。画像処理部22は、画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、ホワイトバランス、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成、記録用静止画像生成、動画画像生成等の各種の画像処理を行なう。
また圧縮伸張部23はSDRAM21に一時記憶された静止画や動画の画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式により圧縮し、また表示等のために伸張する回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
表示処理部26は、撮影時にはライブビュー表示を、再生時には再生画像を、表示部27に表示させる。また、制御部11内の表示制御部11cからの指示に基づき、撮影メニュー画像の作成と、作成された撮影メニュー画像をライブビュー画像に合成する処理を行う。同様に、再生時の再生メニュー画像の作成やメニュー設定時におけるメニュー画像の作成を行う。撮影メニュー画像等の画像データも表示処理部26に格納されている。
表示部27は、表示処理部26に接続されており、デジタルカメラ10の本体の背面等に図3に示すように配置された液晶モニタや有機EL等のディスプレイを有し、表示処理部26の制御によりディスプレイの画面に所定の画像が表示される。
記録再生部24は、圧縮伸張部23において圧縮された画像データを画像記憶部25に記憶し、また、画像記憶部25に記憶された撮影画像の画像データを読み出す。この読み出された画像データは、圧縮伸張部23において伸張され、この伸張された画像データに基づいて、表示部27に画像が再生表示される。画像記憶部22は、記録再生部21に接続されており、デジタルカメラ本体に内蔵、または装填可能な画像データの記録媒体である。
次に、ローラ部14について、図2および図3を用いて説明する。ローラ部14を構成するローラ140は、図3に示すように、デジタルカメラ10の背面の側端部に配置されている。すなわち、デジタルカメラ10の背面には、表示部27が配置され、その脇には、ボタン操作部13が配置され、さらにその脇であって、デジタルカメラ10の側端部に沿ってローラ140が配置されている。
ローラ140は、円柱形状をしており、その周面全体に、タッチパッド141が設けられている。ローラ140の周面に配置されたタッチパッド141は、タッチされた指の位置を検出するためのタッチセンサを有する。タッチセンサとしては、例えば、抵抗性検出、表面弾性波検出、圧力検出、容量性検出等の検出方法により検知するセンサが使用できる。このタッチセンサは、タッチパッド141にx,y位置を検出できるようにグリッド状に配置されている。
よって、指がローラ140のタッチパッド141に触れると、まず、接触開始位置x0,y0を検出し、更にその状態で指が移動すると、移動した位置をx1,y1とし、指の移動に応じて適宜検出していく。このため、図2(b)に示すように、ローラ140での上下方向の摺動と、左右方向の摺動を、タッチパッド141によって検出することができる。タッチパッド141からの信号出力は、非接触(例えば、電磁結合等)によりデジタルカメラ10のローラ検出部16に送信される。
また、ローラ140は、円柱形状の中心軸回りに回転可能に構成されている。ただし、この回転負荷は大きめに設定されており、ユーザの左右方向への軽い力ではローラ140自体は回転されず、左右への摺動操作のみ検出される。また、ローラ140の回転を検出ためにエンコーダ部142が設けられている。このエンコーダ部142は、例えば、光方式のエンコーダであり、デジタルカメラ10の本体に受発光素子が設けられ、ローラ140に発光素子からの光を反射する反射部材が設けられている。なお、エンコーダの方式は、本実施形態における光学式に限らず、磁気式であってもよい。
ローラ140は、タッチパッド141、エンコーダ部142にから構成されている。ユーザは、ローラ140上で、上下方向でいずれかの位置にタッチすることができ、また上下方向の摺動、左右方向の摺動、そしてローラ140自体の回転を行うことができる。
ローラ検出部16は、図2(a)に示すように、タッチパッド141からの検出信号を入力し、上下・左右摺動操作の方向および量を検出する摺動方向・量検出部161と、上下方向の接触位置を検出する接触位置検出部162を有する。また、ローラ検出部16は、エンコーダ部142からの検出信号を入力し、回転方向・回転角度の検出を検出する回転方向・角度検出部163を有する。
次に、ローラ140の操作と表示部27における表示について、図4ないし図9を用いて説明する。まず、図4を用いて撮影時の表示について説明する。デフォルト状態では、図4(a)に示すように、表示部27の最下段表示部271にモードメニューが表示され、最下段表示部271の上側の中段表示部272に撮影モードの第1階層メニューが表示される。中段表示部272より上側には、ライブビュー画像が表示される。
図4(a)に示す例では、最下段表示部271のモードメニューとしては、撮影モード、再生モード、設定モードが表示され、中段表示部272の撮影モードの第1階層メニューとしては、画質、ISO感度(自動)、ホワイトバランス(自動)、マクロ(オフ)、露出補正(なし)、タイマー(オフ)、ストロボ(自動)、顔選択(オフ)が表示されている。ローラ140の回転軸方向の長さの半分(L/2)から下は最下段表示部271に対応する領域140bであり、半分(L/2)から上は中段表示部272に対応する領域140aである。
図4(a)に示されるデフォルト表示の状態で、ユーザがローラ140の上半分の領域140aに軽くタッチし、指を右側に摺動すると、図4(b)に示すように、領域140aに対応する中段表示部272の撮影モードの第1階層メニューのアイコンを指示するためのカーソル275が表示されて、右に移動する。このカーソル275は、指の移動に合わせて、中段表示部272の上部を左右にスクロールする。
図4(b)の状態で、ユーザが指の摺動を所定時間(例えば、1秒程度)の間、停止すると、停止位置に対応するアイコンの第2階層メニュー(サブメニュー)が上段表示部273に表示される。図4(c)に示す例は、カーソル275がホワイトバランス(WB)に来た際に、ユーザが摺動を停止した例である。ホワイトバランスが選択され、ホワイトバランスの第2階層メニュー、すなわち、自動、屋外晴天、屋外曇天、蛍光灯等のアイコンが表示されている。
上段表示部273に撮影モードの第2階層メニューが表示されると、図4(d)に示すように、上段表示部273の撮影モードの第2階層メニューの各アイコンを指示するためのカーソル276が表示される。また、選択できるメニューが増えたことに対応して、ローラ140の領域は3分割され、ローラ140の回転軸方向の長さのL/3から下は最下段表示部271に対応する領域140eであり、その上のL/3は中段表示部272に対応する領域140dであり、その上のL/3は上段表示部273に対応する領域140cである。
図4(d)の状態で、ユーザが摺動を所定時間(例えば、1秒程度)の間、停止すると、停止位置に対応するアイコン(図4(d)の例では、屋外晴天)に対応するモードが設定される。
このように、撮影時に、撮影モードの第1階層に対応するローラ140の領域140bを、ユーザが左右に摺動することで、第1階層のメニューを選択することができ、第1階層のメニュー選択後に第2階層に対応するローラ140の領域140cを、ユーザが左右に摺動することで、第2階層のメニューを選択することができる。なお、サブメニューは、第1階層メニューのいずれかの特定されたアイコンに対応するものが表示されると説明したが、図4(b)でカーソル275が位置するアイコンのサブメニューが常に表示されるものとして、カーソル275の移動に伴って、サブメニューが次々に切り換わって表示されるようにしてもよい。
次に、図5を用いて再生時の表示について説明する。図5(a)に示すデフォルト表示状態において、最下段表示部271に対応するローラ140の領域140bを、ユーザが軽くタッチし左右いずれかに摺動すると、図5(a)に示すように、移動に応じてアイコンが選択され、選択されたアイコンが点滅表示する。再生モードを示すアイコンが点滅している状態で、ユーザが摺動を所定時間(例えば、1秒)の間、停止すると、再生モードが選択される。
再生モードが選択され設定されると、図5(b)に示すように、表示部27には再生画像が表示され、また、表示部27の中段表示部272には、再生モードの第1階層メニューが表示される。図5(b)に示す例は、再生モードの第1階層メニューとして、消去、アルバム、スライドショー、印刷を示す各アイコンが表示される。
図5(b)に示される再生モードの表示の状態で、ユーザがローラ140の上半分の領域140aに軽くタッチし指を右側に摺動すると、図5(c)に示すように、領域140aに対応する中段表示部272の再生モードの第1階層メニューのアイコンを指示するためのカーソル275が表示される。このカーソル275は、撮影モードの場合と同様に、指の移動に合わせて、中段表示部272の上部を左右にスクロールする。
図5(c)の状態で、ユーザが指で摺動することを所定時間(例えば、1秒程度)の間、停止すると、中段表示部272に停止した位置に対応するアイコンの第2階層メニューが表示される。図5(d)に示す例は、カーソル275がスライドショーに位置した際に、指の摺動が停止された例である。スライドショーが選択され、スライドショーの第2階層メニュー、すなわち、BGM無しでのスライドショー、BGM有りで、タイプA〜タイプCが選択項目として表示された様子を示す。
上段表示部273に再生モードの第2階層メニューが表示されると、図5(d)に示すように、上段表示部273の再生モードの第2階層メニューを指示するためのカーソル276が表示される。また、ローラ140の領域は、撮影モードの場合と同様に領域140c〜140eに3分割される。そして、図5(d)の状態で、ユーザが指で摺動することを所定時間(例えば、1秒程度)の間、停止すると、停止した位置に対応する再生条件に対応するモードが設定される。なお、撮影モードの場合には、領域140cを左右に摺動すると、カーソル276も左右に移動したが、再生モードの場合には、領域140cを左右に摺動すると、カーソル276は上下に移動する。
このように、再生モードの場合においても、再生モードの第1階層に対応するローラ140の領域140bを左右に摺動することで、第1階層のメニューを選択することができ、第1階層のメニュー選択後に第2階層に対応するローラ140の領域140cを左右に摺動することで、第2階層のメニューを選択することができる。
次に、図6を用いて設定モード時の表示について説明する。図6(a)に示すデフォルト状態において、最下段表示部271に対応するローラ140の領域140bを、ユーザが軽くタッチし左右いずれかに摺動すると、図6(a)に示すように、移動に応じて選択されたアイコンが点滅表示する。設定モードを示すアイコンが点滅している状態で、ユーザが摺動を所定時間(例えば、1秒程度)の間、停止すると、設定モードが選択される。
設定モードが選択され、設定されると、表示部27には、ライブビュー画像や再生画像は消去され、図6(b)に示すように、設定のためのメニュー画像が表示される。図6(b)に示す例では、メニュー画像としては、第1タブから第4のタブの4つのタブが表示され、第1のタブには、カード初期化、データコピー等の設定条件が表示される。また、メニュー画像の下側の最下段表示部271には、モードメニューが表示される。
設定モードが選択されると、ローラ140の領域は5分割され、その上側の領域140f〜140iは、メニュー画像の第1タブから第4タブにそれぞれ対応し、一番下側の領域140jは最下段表示部271に表示されるモードメニューに対応する。
図6(b)に示される設定モードの表示の状態で、ユーザがローラ140の領域140fから領域140iのいずれかを軽くタッチすると、対応するタブの設定条件が表示される。図6(c)に示す例は、領域140hをタッチし、第3のタブが選択された様子を示す。
領域140hを軽くタッチし指を左右に摺動すると、図6(d)に示すように、第3のタブの設定条件内で、選択されたことを示す表示(図では、○印)が上下に移動する。例えば、右方向への移動によって○印を上から下へ、左方向への移動によって、○印を下から上へ移動させるようにする。図6(d)の状態で、設定したい項目に○印を移動させて、所定時間(例えば、1秒程度)の間、ユーザが指の摺動を停止すると、選択された設定条件が決定される。その後、設定された条件の画面が表示される。
このように、設定モードの場合には、ローラ140の領域140fから領域140iのいずれかをタッチすると、設定のための第1タブから第4のタブのいずれかが選択され、さらに、その位置で左右に摺動することで、タブ内で摺動方向と異なる方向である上下方向に並んで表示された設定条件を選択し決定することができる。
次に、メニュー画像以外でのグループ画像の操作について説明する。図7(a)は、撮影時や再生時における画質の調整の様子を示す。この画質の調整は、予め、設定モード等において設定しておいてもよく、また、撮影モードや再生モードの際に、画質調整用のアイコンを選択することにより実行できるようにしておいてもよい。
画質調整モードに入ると、表示部27には、図7(a)に示すように、彩度、明度、色調を表わすバーが表示される。また、ローラ140は領域140cから領域140eに3分割され、領域140cは彩度に対応し、領域140dは明度に対応し、領域140eは色調に対応する。
明度を調整したい場合には、領域140dに軽くタッチし、続いて左右いずれかの方向に摺動すると、設定を示す指針277が摺動方向と同方向に移動する。指を摺動させながら、ユーザの望む値に指針277を位置させ、その位置で所定時間(例えば、1秒程度)の間、停止すればよい。彩度を調整したい場合には領域140cを、色調を調整した場合には領域140eを、明度の場合と同様にタッチし摺動すればよい。
図7(b)はアルバムモードにおけるサムネイル画像のスクロールを示す。再生モードにおいて、アルバム表示を選択すると、図7(b)に示すようなサムネイル画像が表示される。ここで、サムネイル画像は、アルバムに対応して各行(図7(b)の例ではAからDの4行)に分けられ、各行ごとに画像が並んで表示される。ローラ140は、サムネイル画像の行に合わせて、領域140kから領域140pに分割される(図7(b)の例では4分割)。
サムネイル画像の選択は、選択したい画像の属する行に対応したローラ140の領域をタッチし、左右いずれかの方向に摺動することにより選択することができる。例えば、図7(b)において、斜線を施した画像を選択したい場合には、領域140nにタッチすることにより、C行の最左の画像が選択され、続けて右に摺動することにより、選択画像が右側にずれていく。そこで、斜線を施した画像が選択されると、この位置で所定時間(例えば、1秒程度)の間、摺動を停止すれば、斜線を施した画像の選択が決定される。
このように、メニュー画像以外でも、縦横等、2次元的な配置がなされている場合、ローラ140の分割された領域をタッチすることにより、2次元的な配置の内の縦方向について選択がなされる。そして、その位置でローラ140を摺動することにより、2次元的な配置の内の横方向について選択を行うことができる。
次に、ローラ140を回転操作することにより、ライブビュー表示の表示形態を順次、切り替える様子を、図8を用いて説明する。前述したように、ローラ140は回転負荷が大きく設定してあるので、軽く回しても回転することはなく、左右いずれかに摺動操作となる。しかし、この摺動操作の力量よりも大きな力を印加することにより、ローラ140は回転するので、この回転を前述の摺動操作とは別の入力手段として利用することができる。本実施形態においては、この回転を検知することにより、ライブビュー表示の表示形態を切り替えるようにしている。
本実施形態においては、ライブビュー表示(LVとも表示)の表示画像には、図8(a)に示すメニュー付きライブビュー画像、図8(b)に示すライブビュー画像のみ、図8(c)に示すヒストグラム付きライブビュー画像、図8(d)に示す罫線付きライブビュー画像の4種類がある。そこで、ローラ140を時計方向に回転させることにより、メニュー付きライブビュー画像→ライブビュー画像のみ→ヒストグラム付きライブビュー画像→罫線付きライブビュー画像の順に表示形態を切り替えることができる。また、ローラ140を反時計方向に回転させることにより、逆の方向に表示形態を切り替えることができる。
次に、ローラ140に対する摺動操作を上述のメニュー切換えだけでなく、撮影モード時および再生モード時のズーム操作に利用した例を、図9を用いて説明する。電子ズーム操作が選択された場合に、ユーザはローラ140を縦方向、言い換えるとローラ140の回転軸方向に沿って摺動すると、ズーム処理が実行される。図9(a)に示される画像の状態において、ユーザがローラ140の上から下に向けて摺動すると、図9(b)に示すように、ワイド側にズーミングを行う。また、ユーザがローラ140の下から上に向けて摺動すると、図9(c)に示すようにテレ側にズーミングを行う。
次に、本実施形態の撮影モードを実行するためのフローについて、図10ないし図13に示すフローチャートを用いて説明する。このフローはプログラム/データ記憶部12に記憶されているプログラムに従って制御部11によって実行される。
撮影モードに入ると、まず、メニュー付きライブビュー表示を行う(S11)。ここでは、撮像部20から出力される画像データを画像処理部22によって表示し、表示処理部26を通じて表示部27にライブビュー表示を行う。また、ライブビュー表示の際には、図4(a)に示すようなモードメニューおよび撮影モードの第1階層メニューの画像を生成し、ライブビュー画像にこれらの画像を重畳して表示する。撮影者は、ライブビュー表示を観察することによって構図を決定し、シャッタレリーズを行うことができる。
メニュー付きライブビュー表示を行うと、次に、ローラ操作されたか否かの判定を行う(S12)。ここでは、ローラ検出部16からの検出信号によって、ローラ140が操作されたか否かを判定する。この判定の結果、ローラ操作された場合には、次に、ローラ操作は回動操作か否かの判定を行う(S13)。ここでは、ローラ140内のエンコーダ部142からの検出信号に基づいて、ローラ検出部16内の回転方向・角度検出部163によって判定する。
ステップS13における判定の結果、ローラ操作が回動操作であった場合には、次に、回動操作処理を行う(S14)。ここでは、図8を用いて説明したように、ライブビュー表示の表示形態の切換えや、通常のサムネイル画像のスクロールを行う。この回動操作処理の詳しい動作は、図11を用いて後述する。
ステップS13における判定の結果、ローラ操作は回動操作でなかった場合には、次に、ローラ操作は左右の摺動操作か否かの判定を行う(S15)。ここでは、ローラ140の内のタッチパッド141からの検出信号に基づいて、ローラ検出部16内の摺動方向・量検出部161によって判定する。
ステップS15における判定の結果、ローラ操作は左右の摺動操作であった場合には、次に、グループ画像表示中か否かの判定を行う(S16)。ここでは、図4ないし図7において説明したようなアイコンやタブ等をグループにして表示しているか否かの判定を行う。この判定の結果、グループ画像の表示中であった場合には、次に、グループ画像別操作処理を行う(S17)。ここでは、図4ないし図7において説明したような処理を行う。このグループ画像別処理の詳しい動作は、図12を用いて後述する。
ステップS15における判定の結果、ローラ操作は左右の摺動操作でなかった場合には、次に、ローラ操作は上下の摺動操作であったか否かの判定を行う(S18)。ここでは、ローラ140の内のタッチパッド141からの検出信号に基づいて、ローラ検出部16内の摺動方向・量検出部161によって判定する。
ステップS18における判定の結果、ローラ操作が上下の摺動操作であった場合には、次に、表示中であるか否かの判定を行う(S19)。ここでは、撮影モードであればライブビュー表示中であるか、また再生モードであれば再生画像の表示中であるか否かを判定する。この判定の結果、画像表示中であれば、次に、ズーム処理を行う(S20)。ここでは、図9を用いて説明したような電子ズームを実行する。このズーム処理の詳しい動作については、図13を用いて後述する。
ステップS18における判定の結果、ローラ操作は上下の摺動操作でなかった場合、またはステップS20のズーム処理を行うと、またはステップS19における判定の結果、画像表示中でなかった場合、またはステップS17のグループ画像別操作処理を行うと、またはステップS16における判定の結果、グループ画像表示中でなかった場合、またはステップS14の回動操作処理を行うと、またはステップS12における判定の結果、ローラ操作されていなかった場合には、次に、モードは撮影モードか否かの判定を行う(S21)。
ステップS21における判定の結果、撮影モードが設定されていた場合には、撮影用処理を行う(S22)。ここでは、レリーズ釦の半押しに応じてAFやAEを実行し、またレリーズ釦の全押しに応じて撮像部20から取得した画像データを処理した後、画像記録部25に記録する等、通常の撮影動作を実行する。一方、ステップS21における判定の結果、撮影モードでなかった場合には、次に、再生用処理を行う(S23)。ここでは、設定されている再生モードに応じて、画像の再生表示等を行う。
ステップS22において撮影用処理を行うと、またはステップS23において再生用処理を行うと、次に、電源オフ操作がなされたか否かの判定を行う(S24)。ここでは、ボタン操作部13の電源スイッチが操作されたか否かを判定する。この判定の結果、電源オフ操作がなされていなかった場合には、ステップS12に戻る。一方、電源オフ操作がなされた場合には、電源オフ処理を行った後、このフローを終了する。
次に、ステップS14における回動操作処理について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。回動操作処理のフローに入ると、まず、撮影モードか否かの判定を行う(S31)。ここでは設定されているモードに基づいて判定する。
ステップS31における判定の結果、撮影モードであった場合には、次に、画面のモードをサイクリックに切り替える(S32)。ここでは、図8を用いて説明したように、ローラ140が回動されるたびに、メニュー付きライブビュー画像→ライブビュー画像のみ→ヒストグラム付きライブビュー画像→罫線付きライブビュー画像の順、または逆順に表示形態を切り替える。
続いて、選択された付加画像をライブビューに合成して表示する(S33)。ここでは、ライブビュー画像に、選択された表示形態に応じた付加画像を合成する。付加画像としては、メニュー付きライブビュー画像の場合には、図4に示すようなメニューモードや撮影モードの画像であり、ヒストグラム付きライブビュー画像の場合には、図8(c)に示すような輝度分布を示すヒストグラムや撮影条件等であり、また、罫線付きライブビュー画像の場合には、図8(d)に示すような縦横の罫線である。
ステップS31における判定の結果、撮影モードでなかった場合には、再生モードであり、この場合には、サムネイル表示か否かの判定を行う(S34)。サムネイル表示は、再生モード中に、ボタン操作部13のテレ/ワイドボタンを操作することによりサムネイル表示に切り換わるので、このステップでは、テレ/ワイドボタンが操作されたか否かの判定を行う。この判定の結果、サムネイル表示であった場合には、サムネイル切換えを行う(S35)。ここでは、ローラ140の回動操作に応じて、再生画像の送りまたは戻しを行う。
ステップS33またはステップS35における処理を実行すると、またはステップS34における判定の結果、サムネイル表示でなかった場合には、回動操作処理のフローを終了し、元のフローに戻る。
次に、ステップS17におけるグループ画像別操作処理について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。グループ画像別処理のフローに入ると、まず、ローラ操作の位置を検出する(S41)。ここでは、ユーザのタッチ位置を、接触位置検出部162による検出結果に基づいて判定する。判定にあたっては、図4(a)〜(c)のように、2段でメニューが表示されている場合には、ローラ140の2分割した場合の何れの領域か、また図4(d)の3段でメニューが表示されている場合には、ローラ140の3分割した場合の何れの領域に属しているか等、表示形態に合わせて分割された領域の何れに属しているかを判定する。
続いて、対象はメニュー表示か否かを判定する(S42)。ここでは、図4〜図6の各種メニュー表示、または図7(a)における画質調整のようなメニュー画像以外のグループ画像の表示か否かを判定する。
ステップS42における判定の結果、対象がメニュー表示であった場合には、次に、操作位置に応じてメニューの割り当て順番から操作階層を特定する(S43)。ここでは、例えば、図4(b)のように2分割されている場合に領域140aがタッチされた場合には、第1階層のメニューであると判定する。また、図4(d)のように3分割されている場合に領域140dがタッチされた場合には第2階層のメニューであると判定する。
次に、摺動方向と量に応じて条件を特定する(S44)。ここでは、摺動方向・量検出部161によって検出された摺動方向と量に応じて条件を特定する。例えば、図4(b)のように2分割されている場合に、ユーザが領域140aを摺動すると、その方向に応じて、カーソル275を移動させ、所定時間の間、摺動が停止すれば、その位置に対応するメニューの条件を選択する。また、図7(a)に示すような画質調整の表示状態において、ユーザが領域140dを摺動すると、その方向に応じて指針277を移動させ、所定時間の間、摺動が停止すれば、その位置の明度に設定する。
次に、サブメニューがあるか否かの判定を行う(S45)。例えば、図4(c)に示される表示状態において、ホワイトバランス(WB)のモードが選択されると、このモードではさらに、自動、屋外晴天、屋外曇天等のサブメニューが存在する。そこで、このステップでは、第2階層にあたるサブメニューが存在するか否かの判定を行う。ステップS45における判定の結果、サブメニューが有る場合には、次に、サブメニューの表示を行う(S46)。
ステップS42における判定の結果、対象がメニュー表示でなかった場合には、次に、再生モードでのアルバム表示か否かの判定を行う(S51)。アルバム表示は、図5(b)〜(d)に示す中段表示部272において、左から3番目のアルバムのアイコンが選択された場合に設定される。
ステップS51における判定の結果、アルバム表示であった場合には、次に、操作位置に応じてアルバムの割り当て順番からアルバムを特定する(S52)。ここでは、図7(b)を用いて説明したように、ローラ140のタッチ位置に応じて、A行〜D行のいずれかのアルバムを特定する。アルバムを特定すると、次に、摺動方向と量に応じて画像をスクロールする(S53)。ここでは、摺動方向・量検出部161によって検出された摺動方向と量に応じて、画像を順次スクロールする。
ステップS46におけるサブメニュー表示を行うと、またはステップS45における判定の結果、サブメニューがなかった場合には、またはステップS53における画像のスクロールを行うと、またはステップS51における判定の結果、再生モードでのアルバム表示でなかった場合には、元のフローに戻る。
次に、ステップS20におけるズーム処理について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。ズーム処理のフローに入ると、まず、摺動方向は上方向か否かの判定を行う(S61)。ここでは、摺動方向・量検出部161によって摺動方向が上方向か否かを判定する。
ステップS61における判定の結果、上方向であった場合には、次に、設定されているモードが撮影モードか否かの判定を行う(S62)。この判定の結果、撮影モードであれば、焦点距離を長焦点方向(テレ側)に変化させる(S63)。ここでは、撮像部20の焦点距離を焦点距離調整機構によって長焦点距離側に変化させる。
ステップS62における判定の結果、撮影モードでなかった場合には、次に、電子ズームで画像を拡大する(S64)。ここでは、再生モードであることから、画像を電子ズームによって拡大する。拡大は、画像データから一部を切り出し、この切り出した画像データを、元と同じサイズで再生すればよい。
ステップS61における判定の結果、摺動方向は上方向でなかった場合には、摺動方向は下方向であり、次に、ステップS62と同様に、撮影モードか否かの判定を行う(S65)。この判定の結果、撮影モードであった場合には、焦点距離を短焦点方向(ワイド側)に変化させる(S66)。ここでは、撮像部20の焦点距離を焦点距離調整機構によって短焦点距離側に変化させる。
ステップS65における判定の結果、撮影モードでなかった場合には、次に、電子ズームで画像を縮小する(S67)。ここでは、再生モードであることから、画像を電子ズームによって縮小する。縮小は、画像データのサイズを小さくすることにより行う。
ステップS63、ステップS64、ステップS66、またはステップS67における処理を行うと、元のフローに戻る。
以上、説明したように、本発明の一実施形態においては、モードメニュー、第1階層メニュー、第2階層メニュー,タブ等、画像グループの各項目を一定の順番で並べ、またこの並びに沿った方向に、ローラ140の回転軸が沿うように配置している。また、ローラ140にはタッチ位置と摺動方向を検知するためのタッチパッドを設け、ユーザのタッチ位置と摺動方向を検知している。そして、ローラ140の領域を各項目に対応するように設定している。このため、ユーザはローラ140の対応する領域をタッチし、摺動する動作で、2次元的に配置された項目を迅速に選択することが可能となる。
また、本発明の一実施形態においては、ローラ140の摺動操作を検知する以外に、回転を検知するエンコーダ部163を設けている。このため、ローラ140のタッチ位置と摺動方向以外にローラ140の回動方向によっても項目の選択を行うことができる。
次に、本発明の一実施形態のローラ部14の変形例について図14および図15を用いて説明する。図14(a)は、第1の変形例であって、ローラ140Aはデジタルカメラ10の外部に露出している部分が円柱形状であり、回転不能であり、デジタルカメラ10の本体の側部に固定されている。ローラ140Aは固定されていることから、ローラ140Aはエンコーダ部を有しておらず、タッチパッド141のみを有する。また、ローラ検出部16Aは回転方向・角度検出部を有しておらず、摺動方向・量検出部161および接触位置検出部162のみを有する。
この第1の変形例は、ローラ140の回転方向を検出することができないことから、図8を用いて説明した、ライブビュー表示の際の表示形態の切り替えを行うことはできないが、それ以外の処理であれば、実行することができる。
次に、図14(b)に第2の変形例のローラ部14を示す。ローラ140Bは、回転可能であるが、タッチパッド141に代えて、圧電センサ144が設けられている。この圧電センサ144は、図14(c)に示すように、リング形状で、ローラ140Bの軸方向にほぼ一定間隔で外周に嵌め込まれるようにして、複数設けられている。回転と同時に電圧に変化の有った圧電センサ144を検出することによって、およそ軸上のどの位置でタッチされたかを特定することができる。
ローラ140Bは、エンコーダ部142と圧電センサ144を有する。ローラ検出部16Bは、圧電センサ144から検出出力を入力する接触位置検出部162と、エンコーダ部142から検出出力を入力する回転方向・角度検出部163を有する。
この第2の変形例は、ローラ140を指で摺動した際の摺動方向を検出することができないから、グループ画像内での選択を行うことができない。しかし、図8を用いて説明した、ライブビュー表示の際の表示形態の切り替えを行うことはできる。
次に、図15に第3の変形例のローラ部14を示す。本発明の一実施形態や、第1および第2の変形例においては、ローラ140、140A、140Bは、いずれもデジタルカメラ10の本体の側端部に配置しており、言い換えると、表示部27の短辺方向に沿って、長軸が配置されていた。第3の変形例においては、図15(a)に示すよう用に、ローラ140Cを、デジタルカメラ10の本体の底面側の端部近傍に配置しており、言い換えると、表示部27の長辺方向に沿って、長軸を配置している。
第3の変形例においては、ローラ140Cを表示部27の長辺方向に沿って配置しているが、表示部27におけるメニュー表示等は、図15(b)に示すように、短辺方向に沿って、順番に配列する。そして、画面の一番左側の列に並べたグループ画像は、ローラ140Cの一番左側の領域に対応させ、画面の二番目に左側の列に並べたグループ画像は、ローラ140Cの中央の領域に対応させ、画面の一番右側の列に並べたグループ画像は、ローラ140Cの一番右側の領域に対応させる。
このように、第3変形例においても、メニュー等のグループ画像は一定の順番に並べ、この順番とローラ140Cの領域の割り当てを対応付けるようにしている。このような対応関係を付けることにより、本発明の一実施形態と同様に、情報入力を行うことができる。
以上説明したように、本発明の一実施形態や変形例においては、入力制御部11aは、摺動操作がなされた円柱部材(ローラ140)の位置に応じて、各画像グループの中から対応する画像グループを選択するグループ選択部11bを有し、このグループ選択部11bは、一定の順番で並ぶようにされた各画像グループの少なくとも一部を基準として各画像グループの割り当て順番を決めると共に、摺動操作が行われた円柱部材(ローラ140)の軸方向での位置である操作位置と割り当て順番等を関係付けて、操作位置に対応する画像グループを各画像グループの中から選択し、入力制御部11aは選択された画像グループに属する操作可能な画像に対して摺動操作を入力するようにしている。このため、2次元的に配置されている項目の内、操作位置を検知することによって画像グループを指定し、さらに操作位置からの摺動を検知することによって画像グループ内での項目を指定することができる。したがって、ワンタッチ+摺動で項目を指定でき、スピーディに所望の項目を指定することができる。
なお、本発明の一実施形態や変形例においては、ローラ140を領域140a〜140pに分割する際に、ローラ140の全領域を等分割していたが、これに限らず、一部分を等分割してもよく、不等分割であってもよい。その場合には、分割領域を表示するようにすればよい。
また、本発明の一実施形態や変形例においては、情報入力部材として、ローラ140を用いていたが、ローラは第1の変形例に示したように、固定され回転不能でもよく、また、円柱形状に限らず、棒状等、他の形状でもよい。さらに、本発明の一実施形態や変形例においては、画像グループとしては、アイコンやタブから構成されていたが、これに限らず、記号や文字等で構成されていても勿論かまわない。
また、本発明の一実施形態や変形例においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。
さらに、本発明の一実施形態や変形例においては、入力装置として、デジタルカメラに適用した例を説明したが、入力装置としてはデジタルカメラ等の撮影機器に限らず、表示部を有し、またこの表示部を利用して情報入力を行う機器であれば、本発明を適用することができる。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。