JP5820220B2 - ニムフェオール類の分散方法 - Google Patents
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Description
本実施形態のニムフェオール類含有溶液は、ニムフェオール類を水系分散媒に分散させるために用いられる。該ニムフェオール類含有溶液は、水系分散媒に易溶性である、一価アルコール、二価アルコール、及び三価アルコールから選ばれる少なくとも一種の溶媒が用いられる。水系分散媒に易溶性である一価アルコールとしては、低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びブタノールが挙げられる。水系分散媒に易溶性である二価アルコールとして、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、低分子量のポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、及び1,2−ペンタンジオールが挙げられる。水系分散媒に易溶性である三価アルコールとして、例えばグリセリンが挙げられる。これら溶媒のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの溶媒の中で、水系分散媒に対する分散安定性、並びに水系分散媒からなる飲食品、医薬品、及び香粧品への適用の容易性の観点から、好ましくは1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、及びエタノールが用いられる。
上記のように調製されたニムフェオール類含有溶液の溶媒は、水系分散媒に易溶性である、一価アルコール、二価アルコール、及び三価アルコールから選ばれる少なくとも一種として構成されている。水に対し難溶性のニムフェオール類は、ニムフェオール類含有溶液と水系分散媒とを混合する工程を経ることにより、ニムフェオール類が安定して分散した状態の水系分散媒を得ることができる。
(1)本実施形態のニムフェオール類含有溶液は、水系分散媒に易溶性である、一価アルコール、二価アルコール、及び三価アルコールから選ばれる少なくとも一種を溶媒とし、前記ニムフェオール類含有溶液中のニムフェオール類の濃度は、8質量%以下とした。したがって、ニムフェオール類含有溶液を水系分散媒に添加した場合、水系分散媒中においてニムフェオール類を安定に分散させることができる。
・上記実施形態のニムフェオール類含有溶液は、例えば香粧品、飲食品、衛生用品、及び医薬品の分野における各種水系分散媒に添加することにより使用される。水系分散媒は、最終製品が水系分散媒である香粧品、飲食品、衛生用品、及び医薬品のみならず、最終製品が固体状であっても、製造工程の途中において水系分散媒の形態が適用される製品であれば、製造工程途中においてかかる水系分散媒に適用することができる。
<1.オオバギ抽出液の調製>
沖縄県で採集して冷凍したオオバギの生葉を解凍した後に、はさみでその生葉を細かくカットした。カットした生葉30gと、溶媒100mlとをビーカー内に入れ、室温で2週間浸漬させて溶媒抽出を行った後に、ろ過することにより、ろ液としてオオバギ抽出液を採取した。なお、前記溶媒抽出には、エタノールと水とを体積比率でエタノール:水=90:10とした混合溶媒を使用した。次に、オオバギ抽出液を凍結乾燥することにより、オオバギ抽出液に含まれる室温でタール状の固形物であるオオバギ抽出物を調製した。調製したオオバギ抽出物をメタノールで希釈して、このオオバギ抽出物中に含まれるニムフェオール類の濃度を、HPLC条件で分析した。クロマトグラムから算出した結果、55.85質量%であった。なお、このニムフェオール類の濃度は、ニムフェオール−A、ニムフェオール−B、及びニムフェオール−Cを合計した濃度を示している。以下においても、ニムフェオール類の量は、ニムフェオール−A、ニムフェオール−B、及びニムフェオール−Cの合計量を示している。
システム: PDA−HPLCシステム(島津製作所)、LC10ADvpシリーズ、UV;SPD−10Avp、PDA;SPD−M10Avp
カラム : Luna C18 (内径2.0mm×長さ250mm)(島津GLC)
溶媒 : A:水(5%酢酸)、B:アセトニトリル(5%酢酸)
溶出条件: 0−20min
(グラジエント溶出;A:B=80:20→A:B=30:70)
20−50min
(グラジエント溶出;A:B=30:70→A:B=0:100)
50−60min(A:B=0:100)
60−75min(A:B=80:20)
流速 : 0.2mL/min
PDA検出:UV190−370nm
UV検出: UV287nm
注入量 : 20μL
温度 : 40℃
次に、得られたタール状の固形物であるオオバギ抽出物について、下記実施例1〜5、比較例1に示される各溶媒を用い、ニムフェオール類含有溶液を調製した。ニムフェオール類含有溶液中におけるニムフェオール類の含有量が、それぞれ1,4,5,6,8,10質量%となるように混合し、ボルテックスミキサーで5分間振とう攪拌しながら溶解することにより各例のニムフェオール類含有溶液を調製した。
上記のように得られたニムフェオール類含有溶液を水に溶解した場合の水分散性について試験した。まず、プラスチックカップに蒸留水(水系分散媒)50mLを入れ、その蒸留水中のニムフェオール類の濃度が100ppmの統一濃度になるように、各例の上記ニムフェオール類含有溶液を添加し、スパテラを使用し、手でよく撹拌した。容易に分散する上記ニムフェオール類含有溶液の場合は、1分間程度の攪拌で十分であったが、分散し難い場合は3分間程度攪拌した。
(1)スターラを用いた攪拌
上記のように得られたニムフェオール類含有溶液について、スターラを用いて攪拌した場合の水分散性を試験した。スパテラを使用し手で攪拌する代わりにスターラを使用し、攪拌時間を10分間としたこと以外は、上記の水分散性試験と同様の方法を採用した。また、ニムフェオール類含有溶液中におけるニムフェオール類の含有量が1質量%の場合を追加で試験した。蒸留水50mLにニムフェオール類含有溶液500mgを投入することにより水系分散液中のニムフェオール類が100ppmになるように調製した。結果を表2に示す。
上記のように得られたニムフェオール類含有溶液について、高圧ホモジナイザを用いて水に溶解した場合の水分散性を試験した。スパテラを使用し手で攪拌する代わりに高圧ホモジナイザ(SMT社製 型式:LAB1000)を使用した以外は、上記の水分散性試験と同様の方法を採用した。実施例1のニムフェオール類含有溶液を使用し、圧力を表3に示されるように変化させた場合の水分散性を測定した。結果を表3に示す。
水系分散液(蒸留水)に添加される溶媒の最終濃度を統一して試験を行った。実施例1のニムフェオール類含有溶液を使用し、試験方法は上記の水分散性試験を採用した。構成する溶媒として1,3−ブチレングリコールを用いたニムフェオール類含有溶液中におけるニムフェオール類の含有量が10質量%の場合、まず50mLの蒸留水に予め溶媒として1,3−ブチレングリコールを50mg添加した。その後、10質量%ニムフェオール類含有溶液を50mg添加した(最終濃度ニムフェオール類100ppm)。ニムフェオール類含有溶液中におけるニムフェオール類の含有量が5質量%の場合、5質量%ニムフェオール類含有溶液を100mg添加した(最終濃度ニムフェオール類100ppm)。結果を表4に示す。
(a)前記ニムフェオール類含有溶液中のニムフェオール類の濃度は、6質量%以下である前記ニムフェオール類含有溶液。(a)の構成によれば、ニムフェオール類を水系分散媒中において、より安定的に分散させることができる。(b)前記溶媒は、1,3−ブチレングリコールである前記ニムフェオール類含有溶液。(b)の構成によれば、ニムフェオール類を水系分散媒中において、より安定的に分散させることができる。また、特に香粧品の分野において、好ましく適用することができる。
Claims (3)
- 水系分散媒にニムフェオール−A、ニムフェオール−B、及びニムフェオール−Cから選ばれる少なくとも一種であるニムフェオール類を分散させるニムフェオール類の分散方法において、
前記ニムフェオール類を溶媒に溶解したニムフェオール類含有溶液(漬け物用添加剤としての適用を除く)と前記水系分散媒とを混合する混合工程を備え、
前記ニムフェオール類含有溶液は、水系分散媒に易溶性である、一価アルコール、二価アルコール、及び三価アルコールから選ばれる少なくとも一種が溶媒であって、
前記混合工程における前記ニムフェオール類含有溶液中のニムフェオール類の濃度は、8質量%以下であることを特徴とするニムフェオール類の分散方法。 - 前記ニムフェオール類が、オオバギ由来であることを特徴とする請求項1に記載のニムフェオール類の分散方法。
- 前記溶媒は、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、及びエタノールから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のニムフェオール類の分散方法。
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