JP5818708B2 - 非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器及び波長分割多重送信器 - Google Patents
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Description
一般に高速・長距離の光信号伝送の実現のためには、光信号のオン・オフの強度比である消光比が大きいことが重要である。
また、一方で近年、光通信機器が消費する電力の低減が重要視されている。
従って、高い消光比を低消費電力にて実現できる光強度変調器が必要とされている。
即ち、電界吸収型光強度変調器を構成する半導体の層構造と電界(駆動電圧)を印加する電極長が決定された電界吸収型光強度変調器に対して、更なる消光比の向上を提供する。
これは、所望の消光比を得るために必要な駆動電圧の低減も意味する。
駆動電圧の低減が達成されると、一般的に光通信用送信器の駆動に用いられる高価な化合物半導体電子回路によるドライバを安価なCMOS回路に置き換えることや、更にはドライバそのものを必要とせずに、信号発生源から直接送信器を駆動できる可能性があり、光送信器モジュール全体で見た際のコストや消費電力の削減に寄与できる。
通常、電界吸収型光強度変調器はその光吸収特性が積極的に利用され、屈折率変化に関しては生成光信号の瞬時周波数の時間変化、いわゆるチャーピングを引き起こすことから、この現象を抑制することに焦点が当てられてきた。
本発明ではこの電界吸収型光強度変調器の屈折率変化を積極的に利用する。
本発明の構成は次のとおりである。
第1の入力光導波路と、
第2の入力光導波路と、
第1の入力側が、前記第1の入力光導波路の出力側に結合され、第2の入力側が、前記第2の入力光導波路の出力側に結合された非対称な光強度分岐比を持つ第1の2x2カプラと、
入力側が、前記第1の2x2カプラの第1の出力側に結合された第1のアーム光導波路と、
入力側が、前記第1の2x2カプラの第2の出力側に結合された第2のアーム光導波路と、
前記第1のアーム光導波路上に装荷された光位相調整器と、
前記第2のアーム光導波路上に装荷された電界吸収型光強度変調器と、
第1の入力側が、前記第1のアーム光導波路の出力側に結合され、第2の入力側が、前記第2のアーム光導波路の出力側に結合された非対称な光強度分岐比を持つ第2の2x2カプラと、
入力側が、前記第2の2x2カプラの第1の出力側に結合された第1の出力光導波路と、
入力側が、前記第2の2x2カプラの第2の出力側に結合された第2の出力光導波路とを有し、
前記第1の入力光導波路又は前記第2の入力光導波路のどちらか一方から入力された光を、前記第1の2x2カプラによって前記第1のアーム光導波路と前記第2のアーム光導波路とに異なる光強度で2分岐し、前記光位相調整器によって位相変化を与えた光と、前記電界吸収型光変強度調器によって光強度減衰と当該光強度減衰と同時に生じる位相変化とを与えた光を、前記第2の2x2カプラによって合波し、前記第1の出力光導波路又は前記第2の出力光導波路の少なくともどちら一方から光を出力する構成の2x2ポートの光回路を有しており、
前記電界吸収型光強度変調器が光を吸収するときの吸収係数をαとし、
前記第1の2x2カプラにおける前記第2のアーム光導波路への光強度分岐比をK1とし、
前記第2の2x2カプラにおける前記第1の入力側から見てCrossへの光強度分岐比をK2として、
前記K1および前記K2が、K1+K2=1かつK1=1/(e-α/2+1)を満たし、
前記第1の出力光導波路又は前記第2の出力光導波路の少なくともどちら一方から出力する光の消光比が、前記電界吸収型光強度変調器単体の消光比と比較して増大されるように前記K1および前記K2と、前記光位相調整器の位相変化量が調整されていることを特徴とする。
第1発明の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器において、
前記電界吸収型光強度変調器の長さが、50〜150μmの範囲であることを特徴とする。
第1又は第2発明の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器において、
前記K 1 と前記K 2 の比であるK 1 :K 2 が、55:45から95:5の範囲で調整されていることを特徴とする。
第1又は第2発明の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器において、
前記K 1 と前記K 2 の比であるK 1 :K 2 が、65:35から90:10の範囲で調整されていることを特徴とする。
第1〜第4発明の何れか1つの非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器において、
前記第1のアーム光導波路と前記第2のアーム光導波路と前記光位相調整器と前記電界吸収型光強度変調器は化合物半導体で作製され、前記第1の入力光導波路と前記第2の入力光導波路と前記第1の2x2カプラと前記第2の2x2カプラと前記第1の出力光導波路と前記第2の出力光導波路は化合物半導体以外の材料で作製されていることを特徴とする。
第1〜第5発明の何れか1つの非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器を、N(2以上の整数)個と、
前記N個の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器における前記第1の入力光導波路の入力側又は前記第2の入力光導波路の入力側のそれぞれに結合された波長の異なるN個の光源と、
前記N個の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器における前記第1の出力光導波路の出力側又は前記第2の出力光導波路の出力側に結合されたNx1カプラと、
を有することを特徴とする。
また、電界吸収型光強度変調器の長さを50〜150μmの範囲とすることにより、消光比を保ち、且つ、損失の増加を抑えて、電界吸収型光強度変調器の高周波特性を向上させることができる。
また、本発明の波長分割多重送信器によれば、本発明の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器をN個と、N個の光源と、Nx1カプラを有することにより、波長依存性の低い波長分割多重送信器を実現することができる。
図1〜図10に基づき、本発明の実施の形態例1に係る非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器(以下、これを発明素子とも称する)11について説明する。
第1のアーム光導波路A1は、その入力側A1−1が、第1の2x2カプラC1の第1の出力側C1−3に結合されている。
第2のアーム光導波路A2は、その入力側A2−1が、第1の2x2カプラC1の第2の出力側C1−4に結合されている。
第2の2x2カプラC2は、その第1の入力側C2−1が、第1のアーム光導波路A1の出力側A1−2に結合され、その第2の入力側C2−2が、第2のアーム光導波路A2の出力側A2−2に結合されている。
第1の出力光導波路O1は、その入力側O1−1が、第2の2x2カプラC2の第1の出力側C2−3に結合されている。
第2の出力光導波路O2は、その入力側O2−1が、第2の2x2カプラC2の第2の出力側C2−4に結合されている。
この2x2ポートの光回路において、第1の入力光導波路I1又は第2の入力光導波路I2のどちらか一方から入力された光は、第1の2x2カプラC1によって第1のアーム光導波路A1と第2のアーム光導波路A2とに異なる光強度で2分岐され、光位相調整器Pによって位相変化が与えられた光と、電界吸収型光変強度調器Mによって光強度減衰と当該光強度減衰と同時に生じる位相変化とが与えられた光が、第2の2x2カプラC2によって合波し、第1の出力光導波路O1又は第2の出力光導波路O2の少なくともどちら一方から光を出力する。
そして、この2x2ポートの光回路では、第1の出力光導波路O1又は第2の出力光導波路O2の少なくともどちら一方から出力する光の消光比が、単体の電界吸収型光強度変調器Mの消光比と比較して増大されるように第1の2x2カプラC1及び第2の2x2カプラC2の光強度分岐比と、光位相調整器Pの位相変化量が調整されている。
その際に、第2のアーム光導波路A2を伝搬する第2の分岐光は、その強度が減衰するだけではなく、位相も変化する。
図2に示すように、光導波路は、n型のInP基板1と、このInP基板1上に設けられたInP下部クラッド2と、このInP下部クラッド2上に設けられらたInGaAlAsベースとした多重量子井戸構造のコア層3と、このコア層3上に設けられたp型のInP上部クラッド層4と、コア層3上でInP上部クラッド層4の両側に設けられた空気クラッド5とから成っている。
また、電気信号を印加する電界吸収型光強度変調器M、光位相調整器Pとは異なり、光を伝搬させることのみを目的とした第1及び第2の入力光導波路I1,I2、第1及び第2の出力光導波路O1,O2、非対称な光強度分岐比を持つ第1及び第2の2x2カプラC1,C2、第1及び第2のアーム光導波路A1,A2については、電界吸収型光強度変調器M、光位相調整器Pと異なる半導体材料や層構造となっていても構わない。
コア層3の多重量子井戸の井戸層は、フォトルミネッセンスピーク波長で1.25μm付近の光を発光するような組成となっている。
次に、フォトリソグラフィーにより、図1のようなパターンを形成し、ドライエッチングにより、InP上部クラッド層4の両側部分をコア層3まで図2のようにエッチングをすることで、いわゆるリッジ光導波路構造を形成する。
その後、電極加熱型の蒸着装置により、半導体表面に電極となる金属を蒸着して、電界吸収型光強度変調器Mと光位相調整器Pを得る。
非対称な光強度分岐比を持つ第1及び第2の2x2カプラC1,C2については、ここでは方向性結合器を想定しており、従って非対称な光強度分岐比を持つ第1及び第2の2x2カプラC1,C2を構成する2本の光導波路の幅も、上記の光導波路幅の値に従い1.2μmとする。
図3に各パラメータのシンボルの定義を示す。
入力光として波長λ0が1.3μmである光を計算に用いた。
非対称な光強度分岐比を持つ第1の2x2カプラC1と第2の2x2カプラC2は、ここでは方向性結合器を想定しており、それぞれの光強度分岐比がBar:Crossで15:85と85:15になっている。
ここでは、非対称な光強度分岐比を持つ第1の2x2カプラC1と第2の2x2カプラC2の長さを、それぞれ225μmと75μmとした。
それ以外にも、例えば、2x2カプラとして方向性結合器を用いるならば、図4に示すように光強度分岐比の調整機構として、第1の2x2カプラC1が電流注入用の電極E1を有し、第2の2x2カプラC2が電流注入用の電極E2を有する構成とすることもできる。
即ち、非対称な光強度分岐比を持つ第1の2x2カプラC1を通じて、第1の入力光導波路I1より入力された光強度の85%が第2のアーム光導波路A2へ、残りの15%が第1のアーム光導波路A1へ結合される。
Δは第1のアーム光導波路A1に装荷されている光位相調整器Pによるバイアス位相変化量である。
Lは第1のアーム光導波路A2に装荷されている電界吸収型光強度変調器Mの電極長、即ち電界吸収型光強度変調器Mの長さである。
α,φ は第2のアーム光導波路A2へ装荷されている電界吸収型光強度変調器Mの光強度減衰係数と、この変化に伴う光位相変化量である。
従って、φ−Δは第1のアーム光導波路A1と第2のアーム光導波路A2の光位相差を示す。
本発明素子11の特性の計算に図5に示した電界吸収型光強度変調器Mの光消光特性、及び位相変化特性の数値計算結果を用いた。
また、Kramers-Kronigの関係式より、電界吸収型光強度変調器Mの吸収スペクトルの変化は屈折率スペクトルの変化も意味する。
従って、図5の様に電界吸収型光強度変調器Mの透過率の変化に伴って光が感じる屈折率が変化し、結果として電界吸収型光強度変調器Mからの透過光の位相も変化していることが分かる。
電界吸収型光強度変調器Mが光を吸収しない際には、第1のアーム光導波路A1と第2のアーム光導波路A2を伝搬する光は、非対称な光強度分岐比を持つ第2の2x2カプラC2により合波され、第1の出力光導波路O1と第2の出力光導波路O2にある強度の光が出力される。
特別な場合として、光位相調整器Pによるバイアス位相変化量Δが0の場合には第2の出力光導波路O2の光強度は最大となり、第1の入力光導波路I1へ入力された光強度の100%となる。
本計算では後述の理由により、光位相調整器Pに適当なバイアス信号を加えたとして、Δ=0.8πとした。
従って、第1の入力光導波路I1への光入力に対する第2の出力光導波路O2の透過率は、1よりも小さな値となる。
今回の場合は、図2にて示した様に化合物半導体によるダブルヘテロ構造を光導波路構造としているためにキャリア注入による屈折率変化を仮定すると、上述のΔ=0.8πの位相変化量を得るには10mA程度の電流量が必要となる。
本数値解析においては、第2の出力光導波路O2からの光出力強度であるt2の絶対値の2乗の値を、本発明素子11の出力光強度とした。
この電界吸収型光強度変調器Mによる光強度減衰には、光の位相の変化φも同時に生じる。
この作用は、第1のアーム光導波路A1を伝搬する光に対して、第1のアーム光導波路A1に装荷された光位相調整器Pを用いて適当なバイアス位相変化量(バイアス位相調整量)Δを加えることにより、更に強い作用とすることが可能となる。
本実施の形態例1においては、上述の通りΔ=0.8πとした。
図8は光位相調整器Pを用いたバイアス位相変化量Δと、電界吸収型光強度変調器Mによる位相変化量φの位相差であるφ−Δを、電界吸収型光強度変調器Mへの印加電界(印加電圧)に対してプロットしたものである。
図8では、図6の発明素子11の特性において光出力が最小となる駆動電圧3V付近において、φ−Δ=−πとなっている。消光比を最大にするには、位相差φ−Δの絶対値がπとなっていればよい。
本発明素子11を用いることで、既存の電界吸収型光強度変調器Mの消光特性を向上させることができる。
第1及び第2の2x2カプラC1,C2の光強度分岐比K1,K2を決める第1の条件は、『ON状態(電界吸収型光強度変調器Mが光を吸収しない状態)で、透過率T2が最大になること』である。即ち、図9(図6に相当する図)のa点における透過率T2が最大になることである。
光位相調整期器Pを用いないならば、Δ=0である。この場合、上記(2)式のα,φ,Δが0であるため、T2は次の(3)式のようになる。
従って、第1及び第2の2x2カプラC1,C2の光強度分岐比を決める一つの条件は、K1:K2=85:15など、K1とK2の和が100%になることである。
なお、実際には光位相調整器Pを用いるので、Δは有限の値となるが、Δがある程度小さい場合には、K1+K2=1の条件は素子の低損失設計のよい指針となる。
第1及び第2の2x2カプラC1,C2の光強度分岐比K1,K2を決める第2の条件は、『OFF状態(電界吸収型光強度変調器Mが光を吸収する状態)で、透過率T2が最小になること』である。即ち、図9のb点における透過率T2が最小になることである。
電界吸収型光強度変調器Mは通常5dBから20dB程度の範囲の消光比のものを用いるため、e-α/2は次の(7)式で示す範囲となる。
従って、K1,K2は、K1:K2=65:35からK1:K2=90:10の範囲となる。更に、これに幅を持たせて、K1,K2は、K1:K2=55:45からK1:K2=95:5としてもよい。
図11及び図12に基づき、本発明の実施の形態例2に係る非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器(発明素子)11について説明する。
なお、本実施の形態例2の発明素子11の基本的な構成については、上記実施の形態例1の発明素子11と同様であるため、図1,図3等を参照し、ここでの図示及び詳細な説明は省略する。
通常、電界吸収型光強度変調器Mの変調帯域は素子寄生容量によって制限されるから、電極長Lの削減は電界吸収型光強度変調器Mの変調帯域の拡大を意味する。
図11には、比較として、電極長L=25μm、50μm、75μm、100μm、125μm、150μm、175μmの単体の電界吸収型光強度変調器Mの消光比も示している。
特に、L=100μm以下の場合には変調速度が80Gbpsをも達成できる可能性がある(非特許文献1)ことから、本発明素子11はL=100μm以下において特に有用である。
電極長Lが150μmを上回ると単体の電界吸収型光強度変調器Mにおいても消光比10dBが得られるため、本発明素子11の恩恵は小さくなる。このことから、本発明素子11の電界吸収型光強度変調器Mの電極長Lの上限は150μmとなる。
電極長Lが50μm以下となると損失は10dBを超すことから、実用性を考慮すると、本発明素子11の電界吸収型光強度変調器Mの電極長Lの下限は50μmとなる。
(1) 経路Aからの光の強度と経路Bからの光の強度が等しい。
(2) 経路Aからの光の位相と経路Bからの光の位相の差がπである。
これらの条件(1)及び(2)が満たされるとき、光は大きく消光する。
従って、上記条件(1)を満たすためには、『入力から電界吸収型光強度変調器Mへ光が入力される割合K1を小さくする』、又は、『電界吸収型光強度変調器Mから出力した光が出力へ出される割合1−K2を小さくする(=K2を大きくする)』という手段が考えられる。
これを解消するために経路Aの光に対して、前段の第1の2x2カプラC1と後段の第1の2x2カプラC2の間の光位相調整器Pにて位相をバイアスしておく必要がある。この光位相調整器Pによる光位相調整により、上記条件(2)が満たされる。
従って、図12では電極長Lが短くなるにつれて光位相調整量Δが増加し、それにつれて損失も増加している。
図13に基づき、本発明の実施の形態例3に係る非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器(発明素子)11について説明する。
なお、本実施の形態例3の発明素子11の基本的な構成については、上記実施の形態例1の発明素子11(図1,図3等を参照)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
その後、化合物半導体で作製された電界吸収型光強度変調器M、光位相調整器P、第1及び第2のアーム光導波路A1,A2と、化合物半導体以外の材料で作製された第1及び第2の入力光導波路I1,I2、第1及び第2の出力光導波路O1,O2、非対称な光強度分岐比を持つ第1及び第2の2x2カプラC1,C2とを、ハイブリッド集積することにより、本発明素子11を構成する。
図13では、第1及び第2の入力光導波路I1,I2、第1及び第2の出力光導波路O1,O2、非対称な光強度分岐比を持つ第1及び第2の2x2カプラC1,C2を、化合物半導体以外の材料であるSOI(Silicon on Insulator)ウェハ31にて作製し、InP基板32上に化合物半導体にて電界吸収型光強度変調器M、光位相調整器P、これらの電界吸収型光強度変調器M及び光位相調整器Pを装荷する第1及び第2のアーム光導波路A1,A2を作製し、その後、SOIウェハ31で作製された第1及び第2の入力光導波路I1,I2、第1及び第2の出力光導波路O1,O2、非対称な光強度分岐比を持つ第1及び第2の2x2カプラC1,C2と、InP基板32上に化合物半導体で作製された電界吸収型光強度変調器M、光位相調整器P、第1及び第2のアーム光導波路A1,A2とを、ハイブリッド集積することにより、本発明素子11が構成されている。
本実施の形態例3においては、化合物半導体と比較して安価かつ加工性に優れたシリコンや石英材料を干渉光導波路に用いることにより、低コスト化が期待できる。
図14に基づき、本発明の実施の形態例4に係る波長分割多重送信器41について説明する。
N個の光源21−1,21−2,21−Nは、N個の発明素子11−1,11−2,・・・,11−Nにおける第1の入力光導波路I1の入力側I1−2又は第2の入力光導波路I2の入力側I2−2(図示例では第1の入力光導波路I1の入力側I1−2)のそれぞれに結合されている。
Nx1カプラ22は、N個の発明素子11−1,11−2,・・・,11−Nにおける第1の出力光導波路O1の出力側O1−2又は第2の出力光導波路O2の出力側O2−2(図示例では第2の出力光導波路O2の出力側O2−2)に結合されている。
従って、出力信号において、波長によっては消光特性が低い光信号が生成されることになる。
一方で、同一基板上への集積型の波長分割多重送信器の製作において、入力波長ごとに最適動作波長の異なる電界吸収型光強度変調器を集積することは、異なる半導体積層構造を同一基板上へ成長させる必要があり素子作製工程を考慮すると、これは非常に困難である。
2 InP下部クラッド
3 コア層
4 InP上部クラッド層
5 空気クラッド
11(11−1,11−2,・・・,11−N) 非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器(発明素子)
21−1,21−2,・・・,21−N 光源
22 Nx1カプラ
31 SOIウェハ
32 InP基板
41 波長分割多重送信器
I1 第1の入力光導波路
I1−1 第1の入力光導波路の出力側
I1−2 第1の出力光導波路の入力側
I2 第2の入力光導波路
I2−1 第2の入力光導波路の出力側
I2−2 第2の入力光導波路の入力側
C1 第1の2x2カプラ
C1−1 第1の2x2カプラの第1の入力側
C1−2 第1の2x2カプラの第2の入力側
C1−3 第1の2x2カプラの第1の出力側
C1−4 第1の2x2カプラの第2の出力側
A1 第1のアーム光導波路
A1−1 第1のアーム光導波路の入力側
A1−2 第1のアーム光導波路の出力側
A2 第2のアーム光導波路
A2−1 第2のアーム光導波路の入力側
A2−2 第2のアーム光導波路の出力側
C2 第2の2x2カプラ
C2−1 第2の2x2カプラの第1の入力側
C2−2 第2の2x2カプラの第2の入力側
C2−3 第2の2x2カプラの第1の出力側
C2−4 第2の2x2カプラの第2の出力側
P 光位相調整器
M 電界吸収型光強度変調器
O1 第1の出力光導波路
O1−1 第1の出力光導波路の入力側
O1−2 第1の出力光導波路の出力側
O2 第2の出力光導波路
O2−1 第2の出力光導波路の入力側
O2−2 第2の出力光導波路の出力側
Claims (6)
- 第1の入力光導波路と、
第2の入力光導波路と、
第1の入力側が、前記第1の入力光導波路の出力側に結合され、第2の入力側が、前記第2の入力光導波路の出力側に結合された非対称な光強度分岐比を持つ第1の2x2カプラと、
入力側が、前記第1の2x2カプラの第1の出力側に結合された第1のアーム光導波路と、
入力側が、前記第1の2x2カプラの第2の出力側に結合された第2のアーム光導波路と、
前記第1のアーム光導波路上に装荷された光位相調整器と、
前記第2のアーム光導波路上に装荷された電界吸収型光強度変調器と、
第1の入力側が、前記第1のアーム光導波路の出力側に結合され、第2の入力側が、前記第2のアーム光導波路の出力側に結合された非対称な光強度分岐比を持つ第2の2x2カプラと、
入力側が、前記第2の2x2カプラの第1の出力側に結合された第1の出力光導波路と、
入力側が、前記第2の2x2カプラの第2の出力側に結合された第2の出力光導波路とを有し、
前記第1の入力光導波路又は前記第2の入力光導波路のどちらか一方から入力された光を、前記第1の2x2カプラによって前記第1のアーム光導波路と前記第2のアーム光導波路とに異なる光強度で2分岐し、前記光位相調整器によって位相変化を与えた光と、前記電界吸収型光変強度調器によって光強度減衰と当該光強度減衰と同時に生じる位相変化とを与えた光を、前記第2の2x2カプラによって合波し、前記第1の出力光導波路又は前記第2の出力光導波路の少なくともどちら一方から光を出力する構成の2x2ポートの光回路を有しており、
前記電界吸収型光強度変調器が光を吸収するときの吸収係数をαとし、
前記第1の2x2カプラにおける前記第2のアーム光導波路への光強度分岐比をK1とし、
前記第2の2x2カプラにおける前記第1の入力側から見てCrossへの光強度分岐比をK2として、
前記K1および前記K2が、K1+K2=1かつK1=1/(e-α/2+1)を満たし、
前記第1の出力光導波路又は前記第2の出力光導波路の少なくともどちら一方から出力する光の消光比が、前記電界吸収型光強度変調器単体の消光比と比較して増大されるように前記K1および前記K2と、前記光位相調整器の位相変化量が調整されていることを特徴とする非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器。 - 請求項1に記載の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器において、
前記電界吸収型光強度変調器の長さが、50〜150μmの範囲であることを特徴とする非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器。 - 請求項1又は2に記載の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器において、
前記K1と前記K2の比であるK1:K2が、55:45から95:5の範囲で調整されていることを特徴とする非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器。 - 請求項1又は2に記載の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器において、
前記K1と前記K2の比であるK1:K2が、65:35から90:10の範囲で調整されていることを特徴とする非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器において、
前記第1のアーム光導波路と前記第2のアーム光導波路と前記光位相調整器と前記電界吸収型光強度変調器は化合物半導体で作製され、前記第1の入力光導波路と前記第2の入力光導波路と前記第1の2x2カプラと前記第2の2x2カプラと前記第1の出力光導波路と前記第2の出力光導波路は化合物半導体以外の材料で作製されていることを特徴とする非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器を、N(2以上の整数)個と、
前記N個の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器における前記第1の入力光導波路の入力側又は前記第2の入力光導波路の入力側のそれぞれに結合された波長の異なるN個の光源と、
前記N個の非対称分岐カプラ集積型電界吸収型光強度変調器における前記第1の出力光導波路の出力側又は前記第2の出力光導波路の出力側に結合されたNx1カプラと、
を有することを特徴とする波長分割多重送信器。
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