JP5817790B2 - 給湯制御システム - Google Patents

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本発明は、複数のヒートポンプ給湯器を制御する給湯制御システムに関するものである。
従来より、ヒートポンプ給湯器が知られている。例えば特許文献1に開示されているように、ヒートポンプ給湯器は、冷凍サイクルを行う冷媒回路と、冷凍サイクルによって得られた温熱で加熱した水を蓄える貯湯タンクとを備えている。例えば、オール電化タイプの集合住宅では、各戸にヒートポンプ給湯器が設置される。
一方、近年、いわゆる高圧一括受電を採用する集合住宅が増えている。特許文献2に開示されているように、この高圧一括受電は、電力会社と契約する管理会社が高圧(例えば、6600ボルト)の電力を一括して受電し、それを100ボルト又は200ボルトに降圧して各戸に配電する仕組みである。
特開2012−207914号公報 特開2003−324844号公報
多くの場合、高圧電力を受電する場合の電気料金には、最大需要電力に応じて決まる基本料金と、電力使用量に比例する電力量料金とが含まれる。最大需要電力とは、所定の基準時間(例えば30分間)毎の使用電力の最大値である。そして、ある基準時間(例えば8月1日の14時〜14時30分)における使用電力が150kWであったとすると、それ以外の基準時間における使用電力が150kW未満であったとしても、その後1年間は最大需要電力である150kWに基づいて算出された基本料金が適用される。
このため、高圧一括受電を行う場合は、対象エリア(例えば、一棟の集合住宅)における一日の使用電力の変動をできるだけ少なくするのが望ましい。一日の使用電力の変動が小さくなると最大需要電力が低くなり、最大需要電力に比例する基本料金が安くなるため、電気料金が安くなるからである。
一日の使用電力の変動を小さくするには、最大需要電力の算定基準となる基準時間(例えば30分間)毎に、ヒートポンプ給湯器や空調機等の電気器具の運転状態を使用電力に応じて調節するのが望ましい。
具体的には、例えば対象エリアの消費電力量を予め予測し、この予測値に基づいて沸ヒートポンプ給湯器の運転台数や対象を決定することが考えられる。これにより、例えば対象エリアの消費電力量の予測値が高い時間帯において、ヒートポンプ給湯器の運転台数が制限され、上述した最大需要電力の増大を防止できる。
ところが、対象エリアの消費電力量を予測する場合、この予測値と、実際の消費電力量との間に誤差が生じることがある。例えば所定の時間帯における消費電力量の予測値が、実際の消費電力量よりも小さく予測されたとする。この場合、消費電力量の予測値が比較的小さいことから、この時間帯におけるヒートポンプ給湯器の運転台数が多めに決定されることになる。ところが、この時間帯では、ヒートポンプ給湯器以外の他の電気器具の実際の消費電力量が予測値を上回ってしまうため、給湯器の消費電力量と他の電気器具の消費電力量の合計値も増大してしまう。この結果、対象エリアの最大需要電力が増大してしまい、ひいては電気料金の増大を招いてしまうという問題が生じうる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力量の予測値の誤差に起因して最大需要電力が増大してしまうことを防止することにある。
第1の発明は、所定の対象エリア(15)に設置され、それぞれが貯湯タンク(66)を有する複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を制御する給湯制御システムを対象とし、上記対象エリア(15)の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を予測値として算出する予測部(52)と、該予測部(52)で算出した過去の予測値の誤差を示す指標を算出し、該指標に基づいて該予測部(52)で算出した予測値を補正する補正部(58)と、上記所定の基準電力量と上記補正部(58)で補正した後の予測値との差に基づいて、上記対象エリア(15)の複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)のうち沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する決定部(54)とを備え、上記対象エリア(15)の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を実績値として計測する計測部(42,43a,43b)を備え、上記補正部(58)は、上記計測部(42,43a,43b)で計測した複数の過去の実績値と、上記予測部(52)で算出した複数の過去の予測値との差の平均値μを上記指標として算出し、上記予測部(52)で算出した予測値に該指標を加算する補正を行うように構成されていることを特徴とする。
第1の発明では、予測部(52)が、対象エリア(15)において、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を予測値として算出する。そして、補正部(58)は、予測部(52)が算出した過去の予測値の誤差を示す指標に基づいて、予測部(52)で算出された予測値を補正する。その結果、補正部(58)によって補正された後の予測値は、過去の予測値の誤差を反映した値となる。
決定部(54)は、所定の基準電力量と、補正後の予測値の差分を求める。ここで、予測部(52)で予測した予測値は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量の予測値である。従って、基準電力量からこの予測値を引いた差分は、対象エリア(15)において、基準電力量を越えることなくヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)が使用できる電力量に相当する。決定部(54)は、この差分に基づき、沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する。
の発明の補正部(58)は、過去の予測値の誤差を示す指標として、複数の過去の実績値と複数の過去の予測値との差の平均値μを算出する。そして、補正部(58)は、予測部(52)で算出した予測値にこの平均値μを加算する。これにより、過去において、予測値が実績値に対して小さくなる誤差が生じた場合、予測部(52)で算出される予測値が大きく補正される。また、過去において、予測値が実績値に対して大きくなる誤差が生じた場合、予測部(52)で算出される予測値が小さく補正される。
第2の発明は、所定の対象エリア(15)に設置され、それぞれが貯湯タンク(66)を有する複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を制御する給湯制御システムを対象とし、上記対象エリア(15)の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を予測値として算出する予測部(52)と、上記予測部(52)で算出した過去の予測値の誤差を示す指標を算出し、該指標に基づいて該予測部(52)で算出した予測値を補正する補正部(58)と、所定の基準電力量と上記補正部(58)で補正した後の予測値との差に基づいて、上記対象エリア(15)の複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)のうち沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する決定部(54)とを備え、上記対象エリア(15)の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を実績値として計測する計測部(42,43a,43b)を備え、上記予測部(52)は、上記計測部(42,43a,43b)で計測した過去の複数の実績値に基づき上記予測値を算出するように構成され、上記補正部(58)は、上記計測部(42,43a,43b)で計測した複数の実績値の標準偏差σaに所定の係数Aを乗じたもの上記指標として算出し、上記予測部(52)で算出した予測値に該指標を加算する補正を行うように構成されていることを特徴とする。
の発明の予測部(52)は、計測部(42,43a,43b)で計測した過去の複数の実績値に基づき、その後の消費電力量を予測値として算出する。補正部(58)は、過去の複数の標準偏差σaを、誤差を示す指標として算出する。そして、補正部(58)は、予測部(52)で算出した予測値に、この標準偏差σaに係数Aを乗じたものを加算する。これにより、予測値を求めるために用いられる過去の複数の実績値のばらつきが大きい場合、予測部(52)で算出される予測値が大きく補正される。
の発明は、第1又は第2の発明において、上記補正部(58)は、上記予測部(52)で算出した所定の時間帯毎の過去の誤差を示す指標をそれぞれ算出し、上記予測部(52)で算出した所定の時間帯の予測値を、該時間帯に対応する上記指標に基づいて補正するように構成されていることを特徴とする。
の発明の補正部(58)は、所定の時間帯毎において、予測部(52)で予測した過去の複数の予測値の誤差を示す指標を算出する。そして、補正部(58)は、予測部(52)で予測した所定の時刻帯の予測値を、この時刻帯と同じ時間帯の誤差(異なる日の同じ時刻帯の誤差)を示す指標に基づいて補正する。つまり、予測部(52)の過去の予測値の誤差は、深夜帯、早朝、昼間等の各時間帯において同じような傾向で生じやすい。このため、本発明では、予測部(52)で予測した所定の時刻帯の予測値を補正する際、この時刻帯と同じ時刻帯における過去の誤差を示す指標を用いている。
第4の発明は、第の発明において、上記補正部(58)は、上記計測部(42,43a,43b)で計測した複数の過去の実績値と、上記予測部(52)で算出した複数の過去の予測値との差の平均値μ及び標準偏差σを上記指標として算出し、上記予測部(52)で算出した予測値に、上記平均値μと上記標準偏差σに所定の係数Aを乗算したものを加算する補正を行うように構成されていることを特徴とする。
第4の発明の補正部(58)は、過去の予測値の誤差を示す指標として、複数の過去の実績値と複数の過去の予測値との差の平均値μ及び標準偏差σを算出する。そして、補正部(58)は、予測部(52)で算出した予測値にこの平均値μ、及び標準偏差σに係数Aを乗じたものを加算する。これにより、過去の予測値の標準偏差σが比較的大きい(即ち、予測値のばらつきが大きい)場合、予測部(52)で算出される予測値が大きく補正される。
の発明は、第又は第の発明において、上記補正部(58)は、対象エリア(15)の全体の消費電力量が所定の閾値を越えると、上記係数Aを増大させる補正を行うように構成されていることを特徴とする。
の発明では、対象エリア(15)の全体の消費電力量が大きくなると、補正部(58)が、係数Aを増大させる補正を行う。この結果、予測部(52)で予測値が比較的大きめに補正されるため、基準電力量と補正後の予測値の差分が小さくなる。これにより、決定部(54)において、沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数が比較的少なくなる。
本発明によれば、基準電力量と、予測部(52)で算出した電気器具(65a,65b,…)の消費電力量の予測値との差に基づき、沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定するため、対象エリア(15)の全体の消費電力量が基準電力量を上回ることを回避しつつ、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)で沸き上げ運転を行うことができる。
ここで、本発明では、予測部(52)で算出した予測値を、過去の予測値の誤差を示す指標に基づいて補正している。このため、予測部(52)で算出した電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を、実際の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量に近づけることができる。この結果、消費電力量の予測値の誤差に起因してヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の運転台数が過剰に多くなることを防止でき、対象エリアの最大需要電力が増大してしまうことを防止できる。
また、このようにして、予測部(52)で算出した電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を、実際の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量に近づけるようにすると、消費電力量の予測値の誤差に起因してヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の運転台数が過剰に少なくなってしまうことをも防止できる。この結果、実際には、電気器具(65a,65b,…)の消費電力量がさほど大きくないにも拘わらず、沸き上げ運転が実行されるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の運転台数が制限されてしまうことも回避できる。
の発明では、予測部(52)で所定時間帯に算出した予測値を、同じ時間帯における過去の誤差に基づいて補正するため、この予測値を実績値に精度良く近づけることができる。
の発明では、複数の実績値と複数の予測値の差の平均値を用いることで、予測値を実績値に更に近づけることができる。第4や第発明では、誤差のばらつきが大きい場合に、予測値を増大させる補正を行っている。このため、消費電力量の予測値の誤差に起因してヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の運転台数が過剰に多くなることを確実に防止できる。
の発明では、対象エリア(15)の消費電力量が所定の閾値を越えると、補正後の予測値が大きくなり易くなる。この結果、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の運転台数が制限されるため、対象エリアの最大需要電力が増大してしまうことを防止できる。
図1は、実施形態1の給湯制御システムと、この給湯制御システムの制御対象であるヒートポンプ給湯器が設けられた集合住宅の概略構成図である。 図2は、実施形態1の給湯制御システムの運転制御部のブロック図である。 図3は、ヒートポンプ給湯器の概略構成図である。 図4は、集合住宅に設けられたヒートポンプ給湯器以外の電気機器の、第1基準時間毎の消費電力量の予測値(予測電力量y(n))を示すグラフである。 図5は、実績値と予測値との間の誤差の正規分布を表したグラフである。 図6は、集合住宅に設けられたヒートポンプ給湯器以外の電気機器の、第1基準時間毎の消費電力量の予測値(予測電力量y(n))を補正する第1の例、及び沸き上げ運転に利用できる電力量ΔWを決定する手順を表したグラフである。 図7は、集合住宅に設けられたヒートポンプ給湯器以外の電気機器の、第1基準時間毎の消費電力量の予測値(予測電力量y(n))を補正する第2の例、及び沸き上げ運転に利用できる電力量ΔWを決定する手順を表したグラフである。 図8は、ヒートポンプ給湯器の蓄熱量の算出手法を示す貯湯タンクの模式図と数式である。 図9は、蓄熱量に基づくヒートポンプ給湯器の順位付けを示すグラフである。 図10は、実施形態2の給湯制御システムと、この給湯制御システムの制御対象であるヒートポンプ給湯器が設けられた集合住宅の概略構成図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
図1に示すように、本実施形態の給湯制御システム(40)は、対象エリアである一棟の集合住宅(15)に設置されたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を制御する。この集合住宅(15)には、100戸の住戸(15a,15b,…)が設けられている。なお、一棟の集合住宅(15)に設けられる住戸(15a,15b,…)の数は、単なる一例である。ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)は、集合住宅(15)の各住戸(15a,15b,…)に一台ずつ設置されている。ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の詳細については、後述する。
−集合住宅の配電系統−
集合住宅(15)の配電系統(20)について説明する。この配電系統(20)には、受変電設備(21)が設けられている。この配電系統(20)において、受変電設備(21)は、幹線(22)を介して商用電源(10)に接続され、支線(23)を介して各住戸(15a,15b,…)の分電盤(24a,24b,…)に接続される。また、受変電設備(21)は、共用部(16)に設置された電気器具(例えば、廊下の照明器具など)にも接続される。受変電設備(21)は、商用電源(10)から高圧(例えば6600ボルト)の電力を受電し、受電した高圧電力を100ボルト又は200ボルトにまで降圧して各住戸(15a,15b,…)へ供給する。各住戸(15a,15b,…)の分電盤(24a,24b,…)には、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)と、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)(例えば、空調機、冷蔵庫、洗濯機、電磁調理器、照明器具など)が接続される。
なお、以下の説明に記載した電気器具は、集合住宅(15)の配電系統(20)から電力を供給されて作動するものを意味する。従って、例えば乾電池などを電源として配電系統(20)から切り離された状態で作動する器具は、以下の説明に記載した電気器具には含まれない。
−給湯制御システムの構成−
本実施形態の給湯制御システム(40)は、集合住宅(15)の外部に設置された中央サーバ(41)と、集合住宅(15)に設置された基幹電力量計(42)及び個別電力量計(43a,43b,…)とを備えている。基幹電力量計(42)は、集合住宅(15)に一つだけ設置されている。一方、個別電力量計(43a,43b,…)は、各住戸(15a,15b,…)に一つずつ設置されている。基幹電力量計(42)と各個別電力量計(43a,43b,…)は、インターネット等の通信回線(30)を介して中央サーバ(41)に接続される。また、各住戸(15a,15b,…)のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)も、通信回線(30)を介して中央サーバ(41)に接続される。
各住戸(15a,15b,…)では、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)と個別電力量計(43a,43b,…)とがHUB/ハブ(31A,31B,…)に接続される。ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)は、通信アダプタ(32a,32b,…)を介してHUB(31A,31B,…)に接続される。また、各住戸(15a,15b,…)では、HUB(31A,31B,…)がルータ(33a,33b,…)及び光回線終端装置(34a,34b,…)を介して通信回線(30)に接続される。光回線終端装置(34a,34b,…)は、電気信号と光信号を相互に変換する。一方、基幹電力量計(42)は、通信回線(30)に直接に接続される。
基幹電力量計(42)は、受変電設備(21)を商用電源(10)に接続する幹線(22)に設けられている。この基幹電力量計(42)は、商用電源(10)から集合住宅(15)へ供給される電力量(即ち、集合住宅(15)全体の消費電力量)を計測する。
個別電力量計(43a,43b,…)は、各住戸(15a,15b,…)の分電盤(24a,24b,…)とヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を繋ぐ配線に接続される。この個別電力量計(43a,43b,…)は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の消費電力量を計測する。つまり、住戸A(15a)に設けられた個別電力量計(43a)は、住戸A(15a)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a)の消費電力を計測する。また、住戸B(15b)に設けられた個別電力量計(43b)は、住戸B(15b)に設けられたヒートポンプ給湯器(60b)の消費電力を計測する。基幹電力量計(42)と個別電力量計(43a,43b,…)とは、対象エリア(集合住宅(15)のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量の合計値を実績値として計測するための計測部を構成する。
中央サーバ(41)は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を制御する運転制御部(50)を構成している。図2に示すように、運転制御部(50)は、記憶部(51)と、消費電力量予測部(52)と、上限電力量決定部(53)と、沸き上げ台数決定部(54)と、蓄熱量算出部(55)と、沸き上げ対象選定部(56)と、運転指令部(57)と、補正部(58)とを備えている。
記憶部(51)は、第1基準時間(本実施形態では30分間)毎の基幹電力量計(42)の計測値(即ち、集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を含む全ての電気器具(65a,65b,…)の消費電力量の合計の実績値)と、第1基準時間毎の個別電力量計(43a,43b,…)の計測値(即ち、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の消費電力量の実績値)とを記憶する。また、記憶部(51)は、各時刻における各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の蓄熱量も記憶する。なお、この第1基準時間は、電力会社が電気料金を算出する際の基準となる消費電力量を測定する時間と等しい。
また、記憶部(51)は、第1基準時間毎の基幹電力量計(42)の計測値から第1基準時間毎の個別電力量計(43a,43b,…)の計測値の合計を差し引いた値を記憶する。また、記憶部(51)は、第1基準時間毎の消費電力量予測部(52)の予測値を記憶する。
消費電力量予測部(52)(予測部)は、“集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の、第1基準時間毎の消費電力量の合計”の予測値を、現時点から24時間先の分まで算出する。
上限電力量決定部(53)は、消費電力量予測部(52)が算出した消費電力量の予測値等を用いて、基準電力量である上限電力量を決定する。
補正部(58)は、“集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の、第1基準時間毎の消費電力量の合計”の過去の実績値と、“集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の、第1基準時間毎の消費電力量の合計”の過去の予測値とに基づいて、過去の各予測値の誤差を算出する。そして、補正部(58)は、算出した誤差に基づき、消費電力量予測部(52)で予測した予測値を補正する。
沸き上げ台数決定部(54)は、補正部(58)によって補正した後の予測値と、上限電力量決定部(53)が決定した上限電力量とを用いて、沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する決定部を構成する。
蓄熱量算出部(55)は、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の蓄熱量を算出する。
沸き上げ対象選定部(56)は、蓄熱量算出部(55)が算出した各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の蓄熱量と、沸き上げ台数決定部(54)が決定した台数とに基づいて、沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を選ぶ。
運転指令部(57)は、沸き上げ対象選定部(56)が選んだヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)に対して、沸き上げ運転を実行させるための指令信号を出力する。
−ヒートポンプ給湯器−
図3に示すように、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)は、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(70)と、貯湯タンク(75)とを備えている。
冷媒回路(70)は、圧縮機(71)と、水熱交換器(72)と、膨張弁(73)と、空気熱交換器(74)とを順に配管で接続した閉回路である。この冷媒回路(70)は、圧縮機(71)の吐出側に水熱交換器(72)が配置され、圧縮機(71)の吸入側に空気熱交換器(74)が配置される。また、冷媒回路(70)には、二酸化炭素が冷媒として充填されている。
圧縮機(71)は、ロータリ式またはスクロール式の全密閉型圧縮機(71)である。水熱交換器(72)は、一次側流路(72a)と二次側流路(72b)とを備えている。水熱交換器(72)は、一次側流路(72a)に冷媒回路(70)が接続され、二次側流路(72b)に後述する水回路(76)が接続される。水熱交換器(72)は、二次側流路(72b)を流れる水を一次側流路(72a)を流れる冷媒と熱交換させる。膨張弁(73)は、いわゆる電子膨張弁(73)である。空気熱交換器(74)は、冷媒回路(70)を流れる冷媒を、図外の室外ファンによって供給された室外空気と熱交換させる。
貯湯タンク(75)は、起立状態で設置された円筒形の容器である。貯湯タンク(75)の容積は、例えば300〜500リットル程度である。貯湯タンク(75)には、水回路(76)が接続されている。水回路(76)は、一端が貯湯タンク(75)の下端付近に接続され、他端が貯湯タンク(75)の上端付近に接続される。水回路(76)には、水熱交換器(72)の二次側流路(72b)と、ポンプ(77)とが接続される。ポンプ(77)は、水熱交換器(72)の上流側に配置されている。
貯湯タンク(75)には、給水管(78)と出湯管(79)とが接続されている。給水管(78)は、貯湯タンク(75)の下端付近に接続され、水道水を貯湯タンク(75)へ供給する。出湯管(79)は、貯湯タンク(75)の上端付近に接続され、貯湯タンク(75)内の温水を給湯栓や風呂などへ向けて送り出す。
貯湯タンク(75)には、六つの温度センサ(80〜85)が設けられている。これら六つの温度センサ(80〜85)は、貯湯タンク(75)の上下方向に等間隔で配置されている。また、温度センサ(80)は、貯湯タンク(75)の上端部に設置され、温度センサ(85)は、貯湯タンク(75)の下端部に設置される。
〈沸き上げ運転〉
ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)は、沸き上げ運転を行う。沸き上げ運転中には、圧縮機(71)とポンプ(77)とが作動する。
沸き上げ運転中は、冷媒回路(70)を冷媒が循環し、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(71)から吐出された冷媒は、水熱交換器(72)の一次側流路(72a)へ流入し、二次側流路(72b)を流れる水へ放熱する。放熱後の冷媒は、膨張弁(73)を通過する際に膨張してから空気熱交換器(74)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。空気熱交換器(74)を通過した冷媒は、圧縮機(71)へ吸入されて圧縮される。
また、沸き上げ運転中は、水回路(76)を水が流れる。ポンプ(77)は、貯湯タンク(75)の底部に存在する比較的低温(例えば20℃程度)の水を吸い込み、水熱交換器(72)の二次側流路(72b)へ向けて吐出する。水熱交換器(72)の二次側流路(72b)へ流入した水は、その一次側流路(72a)を流れる冷媒によって加熱され、比較的高温(例えば80℃程度)の高温水となる。水熱交換器(72)から流出した高温水は、貯湯タンク(75)の上部へ供給される。
貯湯タンク(75)は、常に内部空間が水で満たされた満水状態となっている。貯湯タンク(75)では、貯留された高温水の量が増えるにつれて、高温水の存在する領域が下方へ拡大する。そして、貯湯タンク(75)の下端部にも例えば80℃程度の高温水が存在する状態になると、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)は、沸き上げが完了したと判断して沸き上げ運転を終了する。具体的には、最も下方に配置された温度センサ(85)の計測値が目標値(例えば80℃)に達すると、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)は、貯湯タンク(75)が高温水で満たされたと判断し、沸き上げ運転を終了する。
−運転制御部の制御動作−
給湯制御システム(40)の運転制御部(50)が行う制御動作について、図4〜7を適宜参照しながら説明する。
この運転制御部(50)では、消費電力量予測部(52)と、上限電力量決定部(53)と、補正部(58)と、沸き上げ台数決定部(54)と、蓄熱量算出部(55)と、沸き上げ対象選定部(56)と、運転指令部(57)とが、順に所定の動作を行う。消費電力量予測部(52)、上限電力量決定部(53)、沸き上げ台数決定部(54)、蓄熱量算出部(55)、沸き上げ対象選定部(56)、及び運転指令部(57)の一連の動作は、選定動作であって、第2基準時間(本実施形態では2時間)が経過する毎に繰り返し行われる。つまり、運転制御部(50)は、“沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を選び、選んだヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)に対して沸き上げ運転の実行を指令する動作”を、2時間毎に行う。なお、本実施形態の第2基準時間である2時間(=120分)は、本実施形態の第1基準時間である30分(=0.5時間)の整数倍である。
〈記憶部〉
記憶部(51)は、運転制御部(50)が制御動作を行う際に必要な各主のデータを記憶する。
上述したように、記憶部(51)は、第1基準時間(本実施形態では30分間)毎の基幹電力量計(42)及び個別電力量計(43a,43b,…)の計測値を記憶する。つまり、記憶部(51)は、一日(24時間)を30分毎に区分した48の評価時間帯のそれぞれについて、基幹電力量計(42)の計測値(Wt(n)、n(評価時間帯の番号)=1〜48)と、各住戸(15a,15b,…)に設けられた個別電力量計(43a,43b,…)の計測値(Wi(n,m)、 評価時間帯の番号:n=1〜48、住戸の番号:m=1〜100)とを記憶する。
また、記憶部(51)は、“各評価時間帯における基幹電力量計(42)の計測値(Wt(n))”から“各評価時間帯における各個別電力量計(43a,43b,…)の計測値(Wi(n,m))の合計(Wit(n)=Wi(n,1)+Wi(n,2)+Wi(n,3)+・・・・+Wi(n,100))”を差し引いた値(Wo(n)=Wt(n)−Wit(n)、n(評価時間帯の番号)=1〜48)を記憶する。
上述したように、各評価時間帯における基幹電力量計(42)の計測値(Wt(n))は、各評価時間帯における集合住宅(15)全体の消費電力量を示す。また、各評価時間帯における全ての個別電力量計(43a,43b,…)の計測値(Wi(n,m))の合計は、集合住宅(15)に設けられた各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の評価時間帯毎の消費電力量の合計を示す。従って、“各評価時間帯における基幹電力量計(42)の計測値(Wt(n))”から“各評価時間帯における各個別電力量計(43a,43b,…)の計測値(Wi(n,m))の合計(Wit(n))”を差し引いた値(Wo(n)、以下実績値ともいう)は、“集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(その他の電気器具(65a,65b,…))の、各評価時間帯における消費電力量の合計値”である。また、記憶部(51)は、消費電力量予測部(52)で予測した予測電力量y(n)を記憶する(詳細は後述する)。
記憶部(51)は、上述した値Wt(n) , Wi(n,m) , Wit(n) , Wo(n)、y(n)を、過去の所定期間分(例えば、過去一週間分)記憶する。また、記憶部(51)は、各時刻における各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の蓄熱量も記憶する。各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の蓄熱量は、後述する蓄熱量算出部(55)によって算出される。
〈消費電力量予測部〉
消費電力量予測部(52)は、所定の消費電力量を予測する予測動作を行う。具体的に、消費電力量予測部(52)は、集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(その他の電気器具(65a,65b,…))の消費電力量の合計値Wo(n)を、現時点から24時間先の時点までの各評価時間帯(30分間)毎に予測する。つまり、例えば現在が0時数分前であったとすると、消費電力量予測部(52)は、当日の0時から24時を30分毎の評価時間帯に区分し、その各評価時間帯の合計値Wo(n)を予測する。図4は、消費電力量予測部(52)が0時を基点として予測を行った結果を示すグラフである。
まず、消費電力量予測部(52)は、記憶部(51)が記憶するデータを利用して、 その他の電気器具(65a,65b,…)の消費電力の合計値Wo(n)の、過去一週間の平均値Wom(n)を算出する。そして、消費電力量予測部(52)は、下記の数式1を用いて、“その他の電気器具(65a,65b,…)の消費電力の合計値Wo(n)”の予測値である予測電力量y(n)を算出する。つまり、消費電力量予測部(52)は、48個の予測電力量(y(1)〜y(48))を算出する。
y(n)=a(n)×y(n-1)+b(n)×Wom(n)+c(n)×C(n)+N(n) (数式1)
数式1は、過去の“その他の電気器具(65a,65b,…)の消費電力の合計値Wo(n)”を重回帰分析することによって得られた予測式である。数式1のa(n), b(n), c(n)は、各評価時間帯について予め定められた係数である。数式1のC(n)は、日特性(その日の特性)を示す値であり、例えば、“休日の前日”と“休日”と“平日の前日”とでは異なる値となる。数式1のN(n)は、切片である。
なお、y(n-1)は、計算対象の評価時間帯の直前の評価時間帯における“その他の電気器具(65a,65b,…)の消費電力の合計値Wo(n)”の予測値である。従って、例えば5時から5時30分の評価時間帯における予測電力量y(x)を算出する際には、4時30分から5時の評価時間帯における予測電力量y(x-1)が用いられる。また、例えば0時に予測電力量を算出する場合において、0時から0時30分の評価時間帯の予測電力量y(1)を算出する際には、前日の23時30分から24時の評価時間帯における“その他の電気器具(65a,65b,…)の消費電力の合計値Wo(48)”がy(0)として用いられる。
以上のように算出された評価時間帯毎の予測電力量y(n)は、記憶部(51)に記憶されていく。つまり、記憶部(51)は、第1基準時間(本実施形態では30分間)毎の予測電力量を記憶する。より詳細に、記憶部(51)は、一日(24時間)を30分毎に区分した48の評価時間帯のそれぞれの予測電力量(y(n)、(評価時間帯の番号)=1〜48)を一日毎に記憶していく。
〈上限電力量決定部〉
上限電力量決定部(53)は、上限電力量Wuを決定する上限設定動作を行う。この上限電力量決定部(53)の動作は、上述した消費電力量予測部(52)の動作が終了した後に行われる。
はじめに、上限電力量決定部(53)は、24時間の集合住宅(15)全体の消費電力量の平均値Wtmを算出する。この平均値Wtmを算出するため、上限電力量決定部(53)は、まず、消費電力量予測部(52)が算出した予測電力量y(n)の合計値yt(=y(1)+y(2)+…+y(48))を算出する。また、上限電力量決定部(53)は、一日における各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の消費電力量の合計値の予測値yhを予め記憶している。そして、上限電力量決定部(53)は、合計値ytと予測値yhの合計を評価時間帯の数(本実施形態では48)で除することによって、平均値Wtmを算出する(Wtm=(yt+yh)/48)。
なお、一日における各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の消費電力量の合計値の予測値yhは、次のようにして算出された値である。一台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)が、貯湯タンク(75)に高温水(例えば80℃の温水)が全く無い状態から、貯湯タンク(75)が高温水で満たされた状態になるまで8時間に亘って沸き上げ運転を行った場合の消費電力量は、予め算出することができる。この消費電力量を、一台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の一日の消費電力量と仮定する。そして、一台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の一日の消費電力量に、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数(本実施形態では100台)を乗ずれば、一日における各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の消費電力量の合計値の予測値yhが得られる。
そして、上限電力量決定部(53)は、消費電力量予測部(52)が算出した予測電力量y(n)の最大値と、24時間後までの集合住宅(15)全体の消費電力量の平均値Wtmとを比較し、その大きい方を上限電力量Wuとする。
例えば、図4の場合は、18時30分から19時までの評価時間帯の予測電力量y(38)=108kWが最大となる。そして、24時間の集合住宅(15)全体の消費電力量の平均値Wtmが115kWである場合(同図の一点鎖線を参照)、上限電力量決定部(53)は、上限電力量Wuを115kWに設定する。一方、24時間の集合住宅(15)全体の消費電力量の平均値Wtmが95kWである場合(同図の破線を参照)、上限電力量決定部(53)は、上限電力量Wuを108kWに設定する。
〈補正部〉
まず、補正部(58)は、記憶部(51)に記憶された過去の予測電力量y(n)(即ち、消費電力量予測部(52)で予測された、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量の合計値)と、記憶部(51)に記憶された実績値Wo(n)(即ち、基幹電力量計(42)と個別電力量計(43a,43b,…)の計測値に基づいて算出された、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…))の実際の消費電力量の合計値)とに基づいて、過去に予測した予測電力量(y(n))の誤差を示す指標を算出する。
具体的に、補正部(58)では、過去の数日に亘る評価時間帯毎のそれぞれについて、実績値Wo(n)から予測電力量y(n)を差し引いた差(e(n)=Wo(n)−y(n)、n(評価時間帯の番号)=1〜48)を算出する。この評価時間帯毎の差e(n)は、記憶部(51)に記憶された日毎にそれぞれ算出される。そして、補正部(58)は、過去の数日に亘って、同じ評価時間帯(同じ評価時間帯の番号)の各差の平均値μ、及び標準偏差σをそれぞれ算出する(例えば図5を参照)。つまり、補正部(58)は、評価時間帯毎の複数の差e(n)の平均値(μ(n)、n(評価時間帯の番号))と、評価時間帯毎の複数の差e(n)の標準偏差(σ(n)、n(評価時間帯の番号))とをそれぞれ算出する。
補正部(58)は、以上のようにして求めた平均値μ(n)及び標準偏差σ(n)(誤差を示す指標)に基づいて、予測電力量y(n)を補正する。具体的に、補正部(58)は、消費電力量予測部(52)で予測した評価時間帯毎の予測電力量y(n)について、同じ評価時間帯における平均値μ(n)及び標準偏差σ(n)を用いて、各予測電力量y(n)を補正する。
補正部(58)の補正について、図6及び図7を参照しながら詳細に説明する。図6及び図7は、現在(例えば0時)から2時までの評価時間帯毎の予測電力量(y(1)、y(2)、y(3)、y(4))について、それぞれの予測電力量y(n)を補正部(58)によって補正する動作を表したものである。
補正部(58)は、以下の数式2に基づき予測電力量y(n)を補正する。
y’(n)=y(n)+μ(n)+σ(n)×A (数式2)
数式2において、y’(n)は、補正部(58)によって補正された後の予測電力量(nは評価時間帯番号)であり、Aは標準偏差σ(n)に乗じられる係数である。
図6の例は、各予測電力量(y(1)、y(2)、y(3)、y(4))をそれぞれ増大する補正が行われたものである。つまり、例えば各評価時間帯の過去の差e(n)の平均値μ(n)がそれぞれ正である場合、過去の予測電力量が実績値に対して小さい傾向にあったといえる。このため、補正部(58)は、消費電力量予測部(52)で予測した各予測電力量y(n)に、誤差の平均値μ(n)、及び標準偏差σ(n)に係数Aを乗算した値をそれぞれ加えることで予測電力量y(n)を増大させる補正を行う(図6(A)及び図6(B)を参照)。これにより、補正後の予測電力量y’(n)は、実際の実績値に近くなる。この結果、その後の決定動作(詳細は後述する)において、沸き上げ運転が実行されるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数が過剰に多くなることを防止できる。
また、図7の例は、各予測電力量(y(1)、y(2)、y(3)、y(4))をそれぞれ減少する補正が行われたものである。つまり、例えば各評価時間帯の過去の差e(n)の平均値μ(n)が負である場合、過去の予測電力量が実績値に対して大きい傾向にあったといえる。このため、補正部(58)は、消費電力量予測部(52)で予測した各予測電力量(y(n))に負の誤差の平均値(μ(n))を加え、予測電力量を減少させる補正を行う(図7(A)及び図7(B)を参照)。これにより、補正後の予測電力量(y’(n))は、実際の消費電力量に近くなる。この結果、その後の決定動作(詳細は後述する)において、沸き上げ運転が実行されるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数が過剰に少なくなることを防止できる。
〈沸き上げ台数決定部〉
沸き上げ台数決定部(54)は、沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する決定動作を行う。この沸き上げ台数決定部(54)の動作は、上述した上限電力量決定部(53)の動作が終了した後に行われる。
沸き上げ台数決定部(54)は、現在から第2基準時間(本実施形態では2時間)が経過した時点までに沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する。
ここでは、0時から2時までの2時間に沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する場合を例に、沸き上げ台数決定部(54)の動作を、図6及び図7を参照しながら説明する。沸き上げ台数決定部(54)では、補正部(58)で補正した後の予測電力量y’(n)に基づいて、沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数が決定される。
図6(C)及び図7(C)に示すように、沸き上げ台数決定部(54)は、0時から2時までの四つの評価時間帯における補正後の予測電力量y’(1)〜y’(4)を比較し、そのうち最も大きいものを選び出す。図6(C)及び図7(C)において、予測電力量y’(1)〜y’(4)のうち最も大きいのは、0時から0時30分の評価時間帯における予測電力量y’(1)である。
次に、沸き上げ台数決定部(54)は、上限電力量決定部(53)が決定した上限電力量Wuと、0時から2時までにおける最大の予測電力量y’(1)の差ΔW(=Wu−y’(1))を算出する。0時から2時までの残りの予測電力量y’(2)〜y’(4)は、予測電力量y’(1)よりも小さい。このため、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の消費電力量がΔW以下であれば、0時から2時までの各評価時間帯における集合住宅(15)全体の消費電力量は、上限電力量Wu以下となる。
つまり、ΔWは、0時から2時までの各評価時間帯における集合住宅(15)全体の消費電力量が上限電力量Wu以下となる範囲で、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の沸き上げ運転に利用できる電力量を示す。
そこで、沸き上げ台数決定部(54)は、沸き上げ運転を実行するヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の消費電力量の合計がΔW以下となるように、沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する。
具体的に、沸き上げ台数決定部(54)は、上限電力量Wuと予測電力量y’(1)の差ΔWを、一台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の単位時間あたりの消費電力量Whpで除することによって、沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数Nhpを決定する。例えば図6に示す例では、上限電力量Wu=108kWであり、0時から0時30分の評価時間帯における予測電力量y’(1)=57kWであるため、ΔW=51kWである。そして、仮に一台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の単位時間あたりの消費電力量Whp=1.8kWであるとすると、ΔW/Whp=28.33…であるため、沸き上げ台数決定部(54)は、沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数Nhpを28台とする。
〈蓄熱量算出部〉
蓄熱量算出部(55)は、集合住宅(15)に設けられた各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の蓄熱量を個別に算出する動作(蓄熱量算出動作)を行う。蓄熱量算出部(55)は、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の貯湯タンク(75)に設けられた温度センサ(80〜85)の計測値を取得し、取得した温度センサ(80〜85)の計測値に基づいて、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の貯湯タンク(75)に蓄えられた温熱量を算出する。
蓄熱量算出部(55)が一つのヒートポンプ給湯器(60a)の貯湯タンク(75)の蓄熱量を算出する動作について、図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、貯湯タンク(75)には、六つの温度センサ(80〜85)が、貯湯タンク(75)の高さ方向に等間隔に設置されている。また、最も上方の温度センサ(80)は貯湯タンク(75)の上端部に設置され、最も下方の温度センサ(85)は貯湯タンク(75)の下端部に設置されている。このため、貯湯タンク(75)の内部空間は、上下に隣り合う二つの温度センサ(80〜85)に挟まれた五つのエリア(A1〜A5)に区分される。
蓄熱量算出部(55)は、算出対象の貯湯タンク(75)に設けられた温度センサ(80〜85)の計測値(T0〜T5)と、図6に示す数式とを用いて、貯湯タンク(75)の蓄熱量Q(m) (住戸の番号:m=1〜100)を算出する。つまり、蓄熱量算出部(55)は、貯湯タンク(75)内の45℃以上の温熱量を、貯湯タンク(75)の蓄熱量Q(m)とする。なお、VkはエリアAkの容積であり、ρkは温度Tkにおける水の密度であり、ckは温度Tkにおける水の比熱である。
例えば、上側三つの温度センサ(80〜82)の計測値(T0〜T2)が45℃以上であり、下側三つの温度センサ(83〜85)の計測値(T3〜T5)が45℃未満である場合は、ΔT1=T1−45、ΔT2=T2−45、ΔT3=ΔT4=ΔT5=0(ゼロ)となる。従って、この場合、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の貯湯タンク(75)の蓄熱量Q(m)は、下記の数式2によって算出される。
Q(m)=ρ1c1V1ΔT1+ρ2c2V2ΔT2 (数式2)
蓄熱量算出部(55)は、集合住宅(15)に設けられた全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)について、それぞれの貯湯タンク(75)の蓄熱量Q(m)を個別に算出する。
〈沸き上げ対象選定部〉
沸き上げ対象選定部(56)は、集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)のうち沸き上げ運転を実行させるものを選ぶ動作を行う。この沸き上げ対象選定部(56)の動作は、沸き上げ台数決定部(54)の動作と蓄熱量算出部(55)の動作とが終了した後に行われる。
まず、沸き上げ対象選定部(56)は、蓄熱量算出部(55)が算出した各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の蓄熱量Q(m)を比較する。そして、沸き上げ対象選定部(56)は、図7に示すように、集合住宅(15)に設けられた全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を、蓄熱量Q(m)の少ない順に順位付けする。
次に、沸き上げ対象選定部(56)は、順位付けしたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)のうち蓄熱量Q(m)の最も少ないものから沸き上げ台数決定部(54)が決定した台数Nhp分のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を、沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)に選ぶ。つまり、沸き上げ台数決定部(54)が決定した台数Nhpが28台である上記の例において、沸き上げ対象選定部(56)は、蓄熱量Q(m)の少ない順に順位付けされたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)のうち1番目から28番目のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を、沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)とする。
このように、沸き上げ対象選定部(56)は、蓄熱量Q(m)の少ないヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を、優先的に沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)に選定する。
〈運転指令部〉
運転指令部(57)は、集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)のうち沸き上げ対象選定部(56)が沸き上げ運転の対象に選んだものに対し、沸き上げ運転を実行させるための指令信号を出力する。上記の例の場合、運転指令部(57)は、沸き上げ対象選定部(56)が選んだ28台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)に対して、指令信号を出力する。運転指令部(57)が出力した指令信号は、通信回線(30)を通じて対象となるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)へ送られる。
運転指令部(57)からの指令信号を受信したヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)は、沸き上げ運転を開始し、沸き上げ運転の開始から第2基準時間(本実施形態では2時間)が経過するか、貯湯タンク(75)が80℃程度の高温水で満たされた状態になる(具体的には、最も下方に配置された温度センサ(85)の計測値T5が80℃に達する)までの間、沸き上げ運転を継続して行う。
−実施形態1の効果−
実施形態1によれば、上限電力量Wuと、評価時間帯毎の予測電力量との差に基づいて、沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定している。このため、対象エリア(15)に供給される電力量が上限電力量Wuを上回ることを回避しつつ、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)で沸き上げ運転を行うことができる。
ここで、補正部(58)は、消費電力量予測部(52)で予測し予測電力量y(n)を、過去の予測値の誤差に基づいて補正している。このため、補正後の予測電力量y’(n)を実際に実績値に近づけることができる。この結果、決定動作では、例えば予測電力量が実際よりも低めに予測されることに起因して、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の運転台数が過剰に多くなることを防止できる。この結果、対象エリア(15)に供給される電力量が上限電力量Wuを上回ってしまうことを防止できる。
また、決定動作では、例えば予測電力量が実際よりも高めに予測されることに起因して、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の運転台数が過剰に少なくなることを防止できる。この結果、他の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量の合計値がさほど大きくないにも拘わらず、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の運転台数が過剰に制限されてしまうことも防止できる。
また、上記実施形態1では、評価時間帯毎の予測電力量y(n)を、同じ評価時間帯の誤差e(n)の平均値μ(n)及び標準偏差σ(n)に基づき補正している。同一の評価時間帯では、同じような傾向で誤差が発生するため、このような補正により、予測電力量をより実際の実績値に近づけることができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。
図10に示すように、本実施形態の給湯制御システム(40)では、気象情報および交通情報を提供するデータベース(35)と、集合住宅(15)に実際に居る人間の数を推定するためのセンサ(36)とが、通信回線(30)を介して中央サーバ(41)に接続される。
データベース(35)が提供する気象情報には、気温、湿度、雨量、全天日射量、暴風雨警報の有無などの情報が含まれる。これらの気象情報は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力や、給湯需要量などに影響を及ぼす。
データベース(35)が提供する交通情報には、電車の運行状況と、渋滞情報とが含まれる。これらの交通情報は、集合住宅(15)から外出する人間の数(従って、集合住宅(15)に実際に居る人間の数)に影響を及ぼす。このため、これらの交通情報も、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力や、給湯需要量などに影響を及ぼす。
ここで、集合住宅(15)に実際に居る人間の数は、集合住宅(15)のエントランスを通る人間の数から推定できる。また、集合住宅(15)のエントランスを通る人間の数は、集合住宅(15)のエントランスに設置されたドアの開閉の頻度からも推定できる。従って、上記センサ(36)の一例としては、集合住宅(15)のエントランスに設置された人感センサや、集合住宅(15)のエントランスに設置されたドアの開閉を検知する開閉センサなどが挙げられる。
本実施形態の給湯制御システム(40)の運転制御部(50)は、データベース(35)とセンサ(36)から取得した情報を利用して、予測電力量y(n)の算出や、沸き上げ運転を実行させるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の選定などを行う。
〈変形例〉
上記実施形態1及び2の変形例に係る給湯制御システム(40)について説明する。変形例に係る給湯制御システム(40)は、上述した実施形態と消費電力量予測部(52)及び補正部(58)の構成が異なる。
変形例の消費電力量予測部(52)は、予測電力量y(n)の算出方法が上述した実施形態と異なるものである。変形例の消費電力量予測部(52)は、記憶部(51)に記憶された過去の実績値Wo(n)に基づいて予測電力量y(n)を算出する。この実績値Wo(n)は、上述したように、“各評価時間帯における基幹電力量計(42)の計測値(Wt(n))”から“各評価時間帯における各個別電力量計(43a,43b,…)の計測値(Wi(n,m))の合計(Wit(n))”を差し引いた値である。換言すると、実績値Wo(n)は、“集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(その他の電気器具(65a,65b,…))の、各評価時間帯における消費電力量の合計値”である。
変形例の消費電力量予測部(52)は、過去の数日(例えば一週間)における評価時間帯毎の実績値Wo(n)(n=1〜48)の平均値μa(n)(n=1〜48)をそれぞれ算出し、これらを評価時間帯毎の予測電力量y(n)(=μa(n)(n=1〜48))とする。
また、変形例に係る補正部(58)は、まず、過去の数日(例えば一週間)における評価時間帯毎の実績値Wo(n)(n=1〜48)の標準偏差σa(n)(n=1〜48)を誤差を示す指標としてそれぞれ算出する。そして、補正部(58)は、以下の数式3に基づき評価時間毎の予測電力量y(n)をそれぞれ補正する。
y’(n)=y(n)+σa(n)×A (数式3)
数式3において、y’(n)は、補正部(58)によって補正された後の予測電力量(nは評価時間帯番号)であり、Aは標準偏差σa(n)に乗じられる係数である。このように、変形例では、過去の複数の実績値Wo(n)の平均値である予測電力量y(n)に、過去の複数の実績値Wo(n)の標準偏差σa(n)に所定の係数Aを乗じたものを加算する補正が行われる。つまり、変形例では、過去の実績値Wo(n)のばらつきが大きければ大きいほど、予測電力量y(n)を大きくする補正が行われる。この結果、その後の決定動作において、沸き上げ運転が実行されるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数が過剰に多くなることを防止でき、ひいては対象エリア(15)に供給される電力量が上限電力量Wuを上回ってしまうことを防止できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1に係る補正部(58)は、予測電力量y(n)に対し、標準偏差σ(n)に係数Aを乗じた値を加えて補正を行っている。また、上記変形例に係る補正部(58)は、予測電力量y(n)に対し、標準偏差σa(n)に係数Aを乗じた値を加えて補正を行っている。この係数Aは、入力部の入力操作によって変更可能な変動値であってもよい。
また、補正部(58)は、例えば係数Aを自動的に変更するように構成されていてもよい。具体的には、補正部(58)は、対象エリア(15)の全体の消費電力量(例えば基幹電力量計(42)で計測された集合住宅(15)全体の消費電力量)が所定の閾値(上限電力量Woよりも小さい所定の基準電力量)を越えた場合に、係数Aを増大させる補正を行う。この結果、上述した数式2で得られる補正後の予測電力量y’(n)の増大幅が大きくなるため、その後の決定動作では、沸き上げ運転が行われるヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の決定台数が少なくなる。この結果、対象エリア(15)の全体の消費電力量が上限電力量Woを越えてしまうことを確実に防止できる。
また、この例では、対象エリア(15)の全体の消費電力量が上記閾値を越えた後、この全体の消費電力量が所定期間(例えば一週間)に亘って連続して所定値(上記閾値又は該閾値と異なる他の値)を下回ると、補正部(58)が上記係数Aを減少させる補正を行う。この結果、補正後の予測電力量y’(n)の増大幅が小さくなる。
また、実施形態1に係る補正部(58)による予測電力量y(n)の補正の動作と、変形例1に係る補正部(58)による予測電力量y(n)の補正の動作とを手動により、または自動的に切り替え可能な構成としてもよい。つまり、補正部(58)は、予測電力量y(n)を補正するための式や数値が可変に構成されていてもよい。
上記の各実施形態では、第1基準時間を30分としているが、これは単なる一例である。この第1基準時間は、電気料金の算出基準となる消費電力量を測定する時間と同じであるのが望ましい。従って、第1基準時間は、電力会社の料金体系に応じて設定されるべきものである。
また、上記の各実施形態では、第2基準時間を2時間としているが、これは単なる一例である。この第2基準時間は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の貯湯タンク(75)に45℃以上の温水が存在しなくなる状態(いわゆる湯切れ状態)に陥らない範囲で、できるだけ短い時間に設定するのが望ましい。
また、上記の各実施形態では、一棟の集合住宅(15)を対象エリアとしたが、複数棟の集合住宅を対象エリアとしてもよいし、複数の戸建て住宅が存在する所定の地域を対象エリアとしてもよい。
以上説明したように、本発明は、複数のヒートポンプ給湯器を制御する給湯制御システムについて有用である。
10 商用電源
15 集合住宅(対象エリア)
40 給湯制御システム
42 基幹電力量計(計測部)
43a,43b,… 個別電力量計(計測部)
52 予測部(消費電力量予測部)
53 決定部(沸き上げ台数決定部)
58 補正部
60a,60b,… ヒートポンプ給湯器
65a,65b,… 電気器具
75 貯湯タンク

Claims (5)

  1. 所定の対象エリア(15)に設置され、それぞれが貯湯タンク(66)を有する複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を制御する給湯制御システムであって、
    上記対象エリア(15)の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を予測値として算出する予測部(52)と、
    上記予測部(52)で算出した過去の予測値の誤差を示す指標を算出し、該指標に基づいて該予測部(52)で算出した予測値を補正する補正部(58)と、
    定の基準電力量と上記補正部(58)で補正した後の予測値との差に基づいて、上記対象エリア(15)の複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)のうち沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する決定部(54)と
    を備え
    上記対象エリア(15)の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を実績値として計測する計測部(42,43a,43b)を備え、
    上記補正部(58)は、上記計測部(42,43a,43b)で計測した複数の過去の実績値と、上記予測部(52)で算出した複数の過去の予測値との差の平均値μを上記指標として算出し、上記予測部(52)で算出した予測値に該指標を加算する補正を行うように構成されている
    ことを特徴とする給湯制御システム。
  2. 所定の対象エリア(15)に設置され、それぞれが貯湯タンク(66)を有する複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)を制御する給湯制御システムであって、
    上記対象エリア(15)の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を予測値として算出する予測部(52)と、
    上記予測部(52)で算出した過去の予測値の誤差を示す指標を算出し、該指標に基づいて該予測部(52)で算出した予測値を補正する補正部(58)と、
    所定の基準電力量と上記補正部(58)で補正した後の予測値との差に基づいて、上記対象エリア(15)の複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)のうち沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)の台数を決定する決定部(54)と
    を備え、
    上記対象エリア(15)の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,…)以外の電気器具(65a,65b,…)の消費電力量を実績値として計測する計測部(42,43a,43b)を備え、
    上記予測部(52)は、上記計測部(42,43a,43b)で計測した過去の複数の実績値に基づき上記予測値を算出するように構成され、
    上記補正部(58)は、上記計測部(42,43a,43b)で計測した複数の実績値の標準偏差σaに所定の係数Aを乗じたもの上記指標として算出し、上記予測部(52)で算出した予測値に該指標を加算する補正を行うように構成されている
    ことを特徴とする給湯制御システム。
  3. 請求項1又は2において、
    上記補正部(58)は、上記予測部(52)で算出した所定の時間帯毎の過去の誤差を示す指標をそれぞれ算出し、上記予測部(52)で算出した所定の時間帯の予測値を、該時間帯に対応する上記指標に基づいて補正するように構成されている
    ことを特徴とする給湯制御システム。
  4. 請求項において、
    上記補正部(58)は、上記計測部(42,43a,43b)で計測した複数の過去の実績値と、上記予測部(52)で算出した複数の過去の予測値との差の平均値μ及び標準偏差σを上記指標として算出し、上記予測部(52)で算出した予測値に、上記平均値μと上記標準偏差σに所定の係数Aを乗算したものを加算する補正を行うように構成されている
    ことを特徴とする給湯制御システム。
  5. 請求項又はにおいて、
    上記補正部(58)は、上記対象エリア(15)の全体の消費電力量が所定の閾値を越えると、上記係数Aを増大させる補正を行うように構成されている
    ことを特徴とする給湯制御システム。
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