JP5817699B2 - エンジン制御装置の出力補正値設定方法 - Google Patents

エンジン制御装置の出力補正値設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジン制御装置の出力補正値の設定方法に係り、特に電流制御を行うエンジン制御装置の出力誤差を補正する補正値を設定する方法に関するものである。
インジェクタ駆動装置などを制御するエンジン制御装置には、製造時に、出力電流が設定値通りに出力されるか否かの検査を行う。斯かるエンジン制御装置は、極低温から極高温までの環境下で安定した電流制御を行うために、ECU(Electronic Control Unit)内部のメモリに電流温度特性のデータを保持している。
エンジン制御装置の製造ばらつきにより、当該電流温度特性は個体ごとに設計値からずれ得る。実出力値の設計値からのずれには、例えば、出力オフセットや、温度変化に対する電流値変化の勾配ばらつきなどがある。
これらの出力制御値の精度を向上させる目的で、ECU工場では想定使用温度範囲の低温側と高温側とで出力を所定電流に設定したときの実出力値を測定し、その結果から出力の制御に用いる補正値を算出してECU内のメモリに書き込む。このようにして、従来、走行時にエンジン制御装置の出力を補正するのに、補正された電流温度特性のメモリ値に基づき、温度センサ出力に応じて現温度に適正な出力電流の指示値を設定することにより、出力電流の精度を補償していた(例えば、特許文献1を参照)。
特開平11−296237号公報
しかしながら、上記従来の補正値の設定方法では、出力の検査時に低温と高温との各環境を作り、全製造品について当該2種類の温度で実出力値の測定を行って電流補正値を求める必要があった。従って、出力測定に多大な時間を要するとともに、実出力値の測定、補正値算出、補正値のメモリへの書込みといった補正値の設定に関する処理に大きなコストを費やしていた。
本発明は、斯かる従来の問題点を鑑みてなされたものであり、出力の補正値設定を省力化することのできるエンジン制御装置の出力補正値設定方法を提供するものである。
本発明の第1の局面は、エンジン制御装置の出力値の指示値と実出力値との対応関係を補正する補正値を前記エンジン制御装置に設定する、エンジン制御装置の出力補正値設定方法であって、所定の条件下において測定された前記実出力値と、予め用意した、前記所定の条件下における前記出力値の代表値との差分の大きさである第1の差分を算出するステップと、前記第1の差分を所定の閾値と比較して、前記第1の差分が前記所定の閾値以下である場合には、前記第1の差分を用いて前記補正値を算出して前記エンジン制御装置に設定するか、前記補正値を設定しないかのいずれかを行い、前記第1の差分が前記所定の閾値を超えている場合には、前記所定の条件とは異なる1つ以上の別の条件下において測定された前記実出力値と前記代表値との差分の大きさである第2の差分を前記別の条件毎に算出し、前記第1の差分および前記第2の差分を用いて前記補正値を算出して前記エンジン制御装置に設定するステップと、を含んでいることを特徴とする。
また、本発明の第2の局面は、第1の局面において、前記第1の差分を前記所定の閾値と比較して、前記第1の差分が前記所定の閾値以下である場合に、前記第1の差分が前記所定の閾値よりも小さい別の閾値よりも大きければ前記第1の差分を用いて前記補正値を算出して前記エンジン制御装置に設定し、前記第1の差分が前記別の閾値以下であれば前記補正値を設定しないことを特徴とする。
また、本発明の第3の局面は、第1または第2の局面において、前記所定の条件は前記エンジン制御装置内の所定の雰囲気温度であり、前記別の条件は前記エンジン制御装置内の前記所定の雰囲気温度とは異なる雰囲気温度であることを特徴とする。
また、本発明の第4の局面は、第1または第2の局面において、前記所定の条件は、前記エンジン制御装置内の所定の雰囲気温度における所定の前記指示値であり、前記別の条件は、前記エンジン制御装置内の前記所定の雰囲気温度における前記所定の前記指示値とは異なる前記指示値であることを特徴とする。
また、本発明の第5の局面は、第1または第2の局面において、前記所定の条件は、前記エンジン制御装置内の複数の所定の雰囲気温度と、前記エンジン制御装置内の前記複数の所定の雰囲気温度のそれぞれにおける所定の前記指示値とであり、前記別の条件は、前記エンジン制御装置内の前記所定の雰囲気温度とは異なる1つ以上の雰囲気温度と、前記複数の所定の雰囲気温度のそれぞれにおける前記所定の前記指示値とは異なる1つ以上の前記指示値とであることを特徴とする。
また、本発明の第6の局面は、第1から第5までのいずれかの局面において、前記出力値は電流値であることを特徴とする。
ことを特徴とする。
第1の局面によれば、予め出力値の代表値を用意しておき、製造されるエンジン制御装置の大部分については、測定される実出力値と代表値との差分が小さくなるような所定の閾値を設定することにより、第1の差分のみを用いる一点補正あるいは補正無しによる簡易な処理で製造品の設定を済ますことができる。しかして、残る少量品に対してのみ第1の差分および第2の差分を用いる多点補正による処理を行えばよいので、出力値の補正値設定を、従来の高低温環境下における全数チェックと比較して格段に省力化することのできるエンジン制御装置の出力補正値設定方法を提供することができる。
第2の局面によれば、所定の閾値以下である第1の差分を有する製造品の補正値設定処理の省力化を行うにあたり、さらに次のような効果が得られる。すなわち、第1の差分が別の閾値以下であるものを、実出力値が代表値に一致またはほぼ一致しているとみなして補正値の設定を不要とすることにより、補正値設定処理の大きな省力化を行うことができる。また、第1の差分が別の閾値をよりも大きく所定の閾値以下であるものを、実出力値の全てについて代表値からのずれが小さいとみなして、所定の条件下での実出力値の変化特性全体を一点補正により僅かに平行移動させることにより、実出力値を十分な精度で近似することができる。
第3の局面によれば、所定の出力の指示値について、エンジン制御装置内の雰囲気温度の変化に対する実出力値の変化を容易に補償することができる。
第4の局面によれば、エンジン制御装置の所定の雰囲気温度について、出力の指示値と実出力値との関係のずれを容易に補償することができる。
第5の局面によれば、各出力の指示値についてエンジン制御装置内の雰囲気温度の変化に対する実出力値の変化を容易に補償することができるとともに、エンジン制御装置の各雰囲気温度について出力の指示値と実出力値との関係のずれを容易に補償することができる。
第6の局面によれば、電流制御を行うエンジン制御装置の補正値設定処理を省力化することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、エンジン制御装置の第1の出力補正値設定方法を示すフローチャート 第1の出力補正値設定方法の具体例を示し、(a)は第1の出力補正値設定方法における実出力電流値の測定結果例を示すグラフ、(b)は(a)の測定結果から算出される出力補正値を説明するグラフ 本発明の実施形態を示すものであり、エンジン制御装置の第2の出力補正値設定方法を示すフローチャート 第2の出力補正値設定方法の具体例を示し、(a)は第2の出力補正値設定方法における実出力電流値の測定結果例を示すグラフ、(b)は(a)の測定結果から算出される出力補正値を説明するグラフ 本発明の実施形態を示すものであり、エンジン制御装置の第3の出力補正値設定方法を示すフローチャート 本発明の実施形態を示すものであり、エンジン制御装置の出力補正値を設定する際の機器構成を説明するブロック図
本発明の実施形態について図面を用いて説明すれば以下の通りである。
図6に、本実施形態に係るエンジン制御装置の出力補正値設定時の機器構成を示す。ここでは、製造されたエンジン制御装置としてのECU1から負荷3に出力される実出力値としての電流値が、設計値である指示電流値に対してどの程度ずれているかを検査装置2によって測定し、測定結果から出力電流の指示値を補正する系を示してある。
ECU1は、メモリ1a、電流補正値算出部1b、負荷駆動出力部1c、および、温度センサ1dを備えている。
メモリ1aは、ECU1の製造時にインジュクタ駆動装置などの負荷3に出力する電流値を設定するためのデータが格納される書き換え可能な不揮発性メモリである。メモリ1aには、あらゆる使用環境を想定した温度範囲、例えば極低温から極高温までの範囲に亘る温度と出力電流値との関係をノミナル値(典型値)で記述した初期データが、例えばルックアップテ−ブルの形態で予め格納されている。ノミナル値には、例えば、複数の測定データの平均値など、統計的に代表値として適当な値を用いる。そして、メモリ1aには、検査装置2を用いた実出力電流値の測定結果から得られた、温度と出力電流値との関係を補正する補正値がさらに格納される。当該測定結果が初期データと一定の範囲内で一致している場合には、出力電流値の補正は不要であるのでメモリ1aに補正値は格納されない。
電流補正値算出部1bは、車両走行時に負荷3を駆動するために出力すべき電流値(指示値)を、メモリ1aから読み出した初期データおよび補正値を用いて、ECU1内の雰囲気温度を検出する温度センサ1dからの出力に応じた値として算出する。メモリ1aに補正値が格納されない、すなわち補正が不要な場合には、電流補正値算出部1bはノミナル値のみに基づいて出力すべき電流値を求めて出力する。
負荷駆動出力部1cは、電流補正値算出部1bからの指示電流値に従った大きさの電流を生成して負荷3に出力する。電流の生成には、例えば電流源となるトランジスタのゲートに、目標の出力電流値に対応してパルス幅変調された電圧信号が入力される構成が用いられる。
検査装置2は、初期補正値算出部2aを備えており、負荷3が接続された状態において測定した負荷駆動出力部1cの出力電流値から、メモリ1aに格納する補正値を算出する。初期補正値算出部2aは、測定電流値をメモリ1aの初期データと比較して、メモリ1aに温度と出力電流値との関係を補正する補正値を算出するか否かを判断するとともに、補正値を算出する場合の算出方法を決定する。
上記のような処理を行うECU1内部の構成および初期補正値算出部2aは、ハードウェアのみで構成されていてもよいし、プロセッサがプログラムを実行する形態で構成されていてもよい。
以下に、上記初期補正値算出部2aによりメモリ1aに格納する補正値の算出方法例について、実施形態を挙げて説明する。
[第1の実施形態]
図1に、ECU1の第1の出力補正値設定方法を示すフローチャートを示す。本実施形態では、所定の出力電流値を指示するときに、実出力電流値が有する温度依存性を補償するための補正値を算出してメモリ1aに格納する場合について説明する。
まず、ステップS101では、温度センサ1dが検出する雰囲気温度が例えば常温のような所定温度の環境下で、メモリ1aに格納されているノミナル値の出力電流値を指示して負荷駆動出力部1cを駆動させ、実出力電流値を検査装置2で測定する。図2(a)において、例えば雰囲気温度t1が常温であるとすると、出力電流値のノミナル値を例えば400mAとして、測定電流値I1(点P1)が得られる。
ステップS102では、初期補正値算出部2aが測定電流値I1のノミナル値からの差分ΔI11を算出する。この差分は、測定電流値I1とノミナル値との大小関係に応じて正負の符号を伴うものとする。
次いで、ステップS103で、初期補正値算出部2aは、差分ΔI11の大きさが第1閾値Dth1以下であれば補正を行わないことを決定し、差分ΔI11の大きさが第1閾値Dth1よりも大きく第2閾値Dth2以下であれば(但し、Dth1<Dth2)、一点補正を行うことを決定し、差分ΔI11の大きさが第2閾値Dth2よりも大きければ二点補正などの多点補正を行うことを決定する。
ここで、補正を行わないこととは、車両走行時に、温度センサ1dにより検出される温度に応じたノミナル値を電流補正値算出部1bがそのまま指示電流値として負荷駆動出力部1cに出力することである。前記第1閾値Dth1を小さい値に設定することにより、製造されるECU1のうち、差分ΔI11の大きさが第1閾値Dth1以下であるものは、出力電流値がノミナル値に一致またはほぼ一致しているので、出力電流値の補正は不要である。
また、一点補正とは、点P1の測定結果のみを用い、製造されたECU1の電流温度特性の全体がノミナル値から差分ΔI11だけ変化したとみなして、温度t1における測定電流値I1と、ノミナル値により得られる温度変化に対する出力電流値の勾配とから、補正後の電流温度特性の全体を得るように補正値を決定することである。メモリ1aには差分ΔI11が書き込まれる。車両走行時には、温度センサ1dにより検出される温度に応じたノミナル値に対して等しく差分ΔI11を加味した指示電流値を電流補正値算出部1bが算出することとなる。図1(a)の場合には、常温では400mAの実出力電流値を得るのに、400mA+ΔI11の出力電流値を得るための指示電流値が算出され、その他の温度においては400mA−(当該温度におけるノミナル値)+ΔI11の出力電流値を得るための指示電流値が算出される。
前記第2閾値Dth2を比較的小さい値に設定することにより、製造されるECU1のうち、差分ΔI11の大きさが第1閾値Dth1よりも大きく第2閾値Dth2以下であるものは、電流温度特性全体のノミナル値からのずれが小さいと考えられるので、特性全体を一点補正により僅かに平行移動させるだけで実出力電流値を十分な精度で近似することが可能である。
また、多点補正とは、図2(a)のように点P1とは異なる温度t2での測定電流値I2(点P2)をも用い、製造されたECU1の電流温度特性の全体が点P1と点P2とで決まる特性に変化したとみなして補正値を決定することである。図2(a)には点P1と点P2との二点を用いる二点補正が示されているが、一般に複数の測定点を用いる多点補正を行うことができる。差分ΔI11と、点P2における測定電流値I2と400mAとの差分ΔI21とはメモリ1aに書き込まれ、電流補正値算出部1bは差分ΔI11およびΔI21を用いて両点間の内挿および両点外への外挿を所定の方法で計算し、算出後の特性における各温度での出力電流値と400mAとの差分を求めて指示電流値の補正分を算出する。図2(b)に、電流補正値算出部1bが点P1と点P2とから温度t1およびt2と異なる温度t3における出力電流値I3を算出する例を示す。例えば、図2(b)の点P1、点P2、および点P3が直線で結ばれる関係であるとすると、I3=400+I2+(ΔI21−ΔI11)/(t2−t1)×(t3−t2)と算出される。
差分ΔI11が第2閾値Dth2を超えるような大きな特性ずれを示すECU1は、製造品の中で少量である。従って、二点以上の温度で実出力電流値の測定を行ってメモリ1aに格納する補正値を算出する過程を要する頻度は少ない。第2閾値Dth2は、例えば全製造品の差分の分布に対して3σ(σ:標準偏差)以上の値に設定することができる。第1閾値Dth1は、例えば全製造品の差分の分布に対して2σ以上の値に設定することができる。
次に、ステップS104では、ステップS103において補正を行わないことが決定されたか否かを判定する。補正を行わないことが決定されたと判定した場合にはステップS105へ進む。ステップS105では、電流値補正を実施しないことからメモリ1aに補正値を書き込む処理は行われない。一方、補正を行わないことが決定されなかったと判定した場合にはステップS106へ進む。
ステップS106では、ステップS103において一点補正を行うと決定されたかどうかを判定する。一点補正を行うことが決定されたと判定した場合にはステップS107へ進む。ステップS107では、初期補正値算出部2aによって点P1の測定結果から補正値である差分ΔI11が算出され、メモリ1aに書き込まれる。一方、一点補正を行うことが決定されなかったと判定した場合にはステップS108へ進む。
ステップS108では、多点補正を行うために、初期補正値算出部2aによって、点P1および点P2の測定結果という、所定温度以外を含む複数温度での測定結果から差分ΔI11、ΔI12などの補正値が算出され、メモリ1aに書き込まれる。
以上のように、本実施形態によれば、予め高低温環境下での測定から得られたノミナル値を用意しておき、製造されるECU1の大部分については、ノミナル値からのずれが小さいという統計的性質を利用して、補正無しあるいは一点補正による簡易な処理で製造品の設定を済ますことができる。しかして、残る少量品に対してのみ多点補正による処理を行えばよいので、出力電流値の補正値設定を、従来の高低温環境下における全数チェックと比較して格段に省力化することのできるエンジン制御装置の出力補正値設定方法を提供することができる。
さらには、第2閾値Dth2以下となる大きさの差分を有する製造品の補正値設定処理の省力化を行うにあたり、次のような効果が得られる。すなわち、当該差分の大きさが第1の閾値Dth1以下であるものを、実出力電流値がノミナル値に一致またはほぼ一致しているとみなして補正値の設定を不要とすることにより、補正値設定処理の大きな省力化を行うことができる。また、当該差分の大きさが第1の閾値Dth1よりも大きく第2の閾値Dth2以下であるものを、実出力電流値の全てについてノミナル値からのずれが小さいとみなして、所定の条件下での実出力電流値の変化特性全体を一点補正により僅かに平行移動させることにより、実出力電流値を十分な精度で近似することができる。
[第2の実施形態]
図3に、ECU1の第2の出力補正値設定方法を示すフローチャートを示す。本実施形態では、所定温度において、所定の出力電流値を指示するときに、実出力電流値のずれを補償するための補正値を算出してメモリ1aに格納する場合について説明する。
まず、ステップS201では、温度センサ1dが検出する雰囲気温度が例えば常温のような所定温度の環境下で、メモリ1aに格納されているノミナル値の出力電流値を指示電流値として負荷駆動出力部1cを駆動させ、実出力電流値を検査装置2で測定する。図4(a)において、例えば指示電流値i1に対して、測定電流値I1(点Q1)が得られる。初期データとして格納されている電流温度特性において、常温が通常の車両走行条件となることから、また、統計的に大部分のECU1の特性がノミナル値に一致しているまたは近いことを考慮して、図4(a)では、出力電流のノミナル値の設定には、指示電流値に等しい出力電流値が得られるという常温における対応関係を用いている。なお、車種に応じた暖機による温度上昇分などを考慮して、別途、指示電流値と出力電流値との典型的な対応関係を測定しておき、これをノミナル値に用いるなどしてもよい。
ステップS202では、初期補正値算出部2aが測定電流値I1のノミナル値i1からの差分ΔI12を算出する。この差分は、測定電流値I1とノミナル値との大小関係に応じて正負の符号を伴うものとする。
次いで、ステップS203で、初期補正値算出部2aは、差分ΔI12の大きさが第1閾値Eth1以下であれば補正を行わないことを決定し、差分ΔI12の大きさが第1閾値Eth1よりも大きく第2閾値Eth2以下であれば(但し、Eth1<Eth2)、一点補正を行うことを決定し、差分ΔI12の大きさが第2閾値Eth2よりも大きければ二点補正などの多点補正を行うことを決定する。
ここで、補正を行わないこととは、車両走行時に、常温に応じたノミナル値を電流補正値算出部1bがそのまま負荷駆動出力部1cに出力することである。前記第1閾値Eth1を小さい値に設定することにより、製造されるECU1のうち、差分ΔI12の大きさが第1閾値Eth1以下であるものは、出力電流値がノミナル値に一致またはほぼ一致しているので、出力電流値の補正は不要である。
また、一点補正とは、点Q1の測定結果のみを用い、製造されたECU1の常温における出力電流値と指示電流値との対応関係の全体がノミナル値から差分ΔI12だけ変化したとみなして、補正後の出力電流値と指示電流値との対応関係の全体を得るように補正値を決定することである。メモリ1aには差分ΔI12が書き込まれる。車両走行時には、常温に応じたノミナル値に対して等しく差分ΔI12を加味した指示電流値を電流補正値算出部1bが算出することとなる。図4(a)の場合には、常温では目的のi1の実出力電流値を得るのに、i1+ΔI12の出力電流値を得るための指示電流値が算出され、その他の値の実出力電流値を目的とする場合については(その指示電流値)−i1+ΔI12の出力電流値を得るための指示電流値が算出される。
前記第2閾値Eth2を比較的小さい値に設定することにより、製造されるECU1のうち、差分ΔI12の大きさが第1閾値Eth1よりも大きく第2閾値Eth2以下であるものは、出力電流値と指示電流値との対応関係の全体のノミナル値からのずれが小さいと考えられるので、当該対応関係の全体を一点補正により僅かに平行移動させるだけで実出力電流値を十分な精度で近似することが可能である。
また、多点補正とは、図4(a)のように点Q1とは異なる指示電流値i2での測定電流値I2(点Q2)をも用い、製造されたECU1の電流温度特性の全体が点Q1と点Q2とで決まる特性に変化したとみなして補正値を決定することである。図4(a)には点Q1と点Q2との二点を用いる二点補正が示されているが、一般に複数の測定点を用いる多点補正を行うことができる。差分ΔI12と、点Q2における測定電流値I2とノミナル値のi2との差分ΔI22とはメモリ1aに書き込まれ、電流補正値算出部1bは差分ΔI12およびΔI22を用いて両点間の内挿および両点外への外挿を所定の方法で計算し、算出後の特性における各指示電流値と出力電流値との差分を求めて指示電流値の補正分を算出する。図4(b)に、電流補正値算出部1bが点Q1と点Q2とから指示電流値i1およびi2と異なる指示電流値i3における出力電流値I3を算出する例を示す。例えば、図4(b)の点Q1、点Q2、および点Q3が直線で結ばれる関係であるとすると、I3=I1+(ΔI22−ΔI12)/(i2−i1)×(i3−i1)と算出される。
差分ΔI12が第2閾値Eth2を超えるような大きな特性ずれを示すECU1は、製造品の中で少量である。従って、二点以上の指示電流値で実出力電流値の測定を行ってメモリ1aに格納する補正値を算出する過程を要する頻度は少ない。第2閾値Eth2は、例えば全製造品の差分の分布に対して3σ以上の値に設定することができる。第1閾値Eth1は、例えば全製造品の差分の分布に対して2σの値に設定することができる。
次に、ステップS204では、ステップS203において補正を行わないことが決定されたか否かを判定する。補正を行わないことが決定されたと判定した場合にはステップS205へ進む。ステップS205では、電流値補正を実施しないことからメモリ1aに補正値を書き込む処理は行われない。一方、補正を行わないことが決定されなかったと判定した場合にはステップS206へ進む。
ステップS206では、ステップS203において一点補正を行うと決定されたかどうかを判定する。一点補正を行うことが決定されたと判定した場合にはステップS207へ進む。ステップS207では、初期補正値算出部2aによって点Q1の測定結果から補正値である差分ΔI12が算出され、メモリ1aに書き込まれる。一方、一点補正を行うことが決定されなかったと判定した場合にはステップS208へ進む。
ステップS208では、多点補正を行うために、初期補正値算出部2aによって、点Q1および点Q2の測定結果という、所定電流値以外を含む複数電流値での測定結果から差分ΔI12、ΔI22などの補正値が算出され、メモリ1aに書き込まれる。
以上のように、本実施形態によれば、少なくとも常温などの所定温度の環境下での出力電流のノミナル値を用意しておき、ECU1に当該所定温度での入出力特性を設定するに際し、製造されるECU1の大部分については、ノミナル値からのずれが小さいという統計的性質を利用して、補正無しあるいは一点補正による簡易な処理で製造品の設定を済ますことができる。しかして、残る少量品に対してのみ多点補正による処理を行えばよいので、出力電流値の補正値設定を、従来の高低温環境下における全数チェックと比較して格段に省力化することのできるエンジン制御装置の出力補正値設定方法を提供することができる。
さらには、第2閾値Eth2以下となる大きさの差分を有する製造品の補正値設定処理の省力化を行うにあたり、さらに次のような効果が得られる。すなわち、当該差分の大きさが第1の閾値以下であるものを、実出力電流値がノミナル値に一致またはほぼ一致しているとみなして補正値の設定を不要とすることにより、補正値設定処理の大きな省力化を行うことができる。また、当該差分の大きさが第1の閾値Eth1よりも大きく第2の閾値Eth2以下であるものを、実出力電流値の全てについてノミナル値からのずれが小さいとみなして、所定の条件下での実出力電流値の変化特性全体を一点補正により僅かに平行移動させることにより、実出力電流値を十分な精度で近似することができる。
[第3の実施形態]
図5に、ECU1の第3の出力補正値設定方法を示すフローチャートを示す。本実施形態では、各出力電流値が有する温度依存性を補償するとともに、各温度における出力電流値と指示電流値との対応関係のずれを補償するための補正値を算出してメモリ1aに格納する場合について説明する。
図5において、ステップS301〜S308は、図1のステップS101〜S108と、図2のステップS201〜S208とを合せたものに相当している。図1のステップS101〜S108に従って、出力電流値が有する温度依存性を補償するための補正値を、第1閾値Dth1および第2閾値Dth2を用い、各出力電流値に対して算出する。そして、さらに、各温度における出力電流値と指示電流値との対応関係のずれを、第1閾値Dth1および第2閾値Dth2を用いて算出する。メモリ1aには、温度と出力電流との各組合せに対する補正値がマトリクス状の対応関係に格納される。
本実施形態によれば、各出力の指示電流値についてエンジン制御装置内の雰囲気温度の変化に対する出力電流値の変化を容易に補償することができるとともに、エンジン制御装置の各雰囲気温度について指示電流値と出力電流値との関係のずれを容易に補償することができる。
以上、各実施形態について説明した。
なお、上記例はエンジン制御装置の出力電流値を補正する場合の補正値の算出方法についてのものであったが、これに限らず、電圧制御を行うエンジン制御装置についても、出力の電流値を電圧値に変更するのみの同様の考え方で補正値を算出することが可能である。
また、第1閾値Dth1や第1閾値Eth1を設けずに、差分の大きさが第2閾値Dth2以下となる場合や、第2閾値Eth2以下となる場合に、全て一点補正を行うようにしたり、全て補正を行わないようにしたりしてもよい。すなわち、各実施形態の場合も含めて、差分の大きさが第2閾値Dth2以下となる場合や、第2閾値Eth2以下となる場合に、ECU1毎に、一点補正を行うか、補正を行わないかのいずれかに決定することができる。
本発明は、インジェクタ駆動装置などに電流制御を行う車両のエンジン制御装置に適用可能である。
1 ECU(エンジン制御装置)
1a メモリ
1b 電流補正値算出部
1c 負荷駆動出力部
1d 温度センサ
2 検査装置
2a 初期補正値算出部
3 負荷
ΔI11、ΔI21 差分
ΔI12、ΔI22 差分
Dth1、Eth1 第1閾値(別の閾値)
Dth2、Eth2 第2閾値(所定の閾値)

Claims (6)

  1. エンジン制御装置の出力値の指示値と実出力値との対応関係を補正する補正値を前記エンジン制御装置に設定する、エンジン制御装置の出力補正値設定方法であって、
    所定の条件下において測定された前記実出力値と、予め用意した、前記所定の条件下における前記出力値の代表値との差分の大きさである第1の差分を算出するステップと、
    前記第1の差分を所定の閾値と比較して、前記第1の差分が前記所定の閾値以下である場合には、前記第1の差分を用いて前記補正値を算出して前記エンジン制御装置に設定するか、前記補正値を設定しないかのいずれかを行い、前記第1の差分が前記所定の閾値を超えている場合には、前記所定の条件とは異なる1つ以上の別の条件下において測定された前記実出力値と前記代表値との差分の大きさである第2の差分を前記別の条件毎に算出し、前記第1の差分および前記第2の差分を用いて前記補正値を算出して前記エンジン制御装置に設定するステップと、
    を含んでいることを特徴とするエンジン制御装置の出力補正値設定方法。
  2. 前記第1の差分を前記所定の閾値と比較して、前記第1の差分が前記所定の閾値以下である場合に、前記第1の差分が前記所定の閾値よりも小さい別の閾値よりも大きければ前記第1の差分を用いて前記補正値を算出して前記エンジン制御装置に設定し、前記第1の差分が前記別の閾値以下であれば前記補正値を設定しないことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置の出力補正値設定方法。
  3. 前記所定の条件は前記エンジン制御装置内の所定の雰囲気温度であり、前記別の条件は前記エンジン制御装置内の前記所定の雰囲気温度とは異なる雰囲気温度であることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン制御装置の出力補正値設定方法。
  4. 前記所定の条件は、前記エンジン制御装置内の所定の雰囲気温度における所定の前記指示値であり、前記別の条件は、前記エンジン制御装置内の前記所定の雰囲気温度における前記所定の前記指示値とは異なる前記指示値であることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン制御装置の出力補正値設定方法。
  5. 前記所定の条件は、前記エンジン制御装置内の複数の所定の雰囲気温度と、前記エンジン制御装置内の前記複数の所定の雰囲気温度のそれぞれにおける所定の前記指示値とであり、前記別の条件は、前記エンジン制御装置内の前記所定の雰囲気温度とは異なる1つ以上の雰囲気温度と、前記複数の所定の雰囲気温度のそれぞれにおける前記所定の前記指示値とは異なる1つ以上の前記指示値とであることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン制御装置の出力補正値設定方法。
  6. 前記出力値は電流値であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のエンジン制御装置の出力補正値設定方法。
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