JP2016072734A - エンジン制御装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサからの出力電圧を精度よく読み取るエンジン制御装置等を提供する。
【解決手段】エンジン制御装置100は、バッテリ30から給電され、バッテリの電圧とは異なる定電圧出力を発生させる電源IC10と、外部アナログセンサ40で測定したときのアナログ電圧を入力してデジタル電圧に変換するA/D変換器50Aおよび温度センサ60を有し、電源ICから給電されるマイクロコンピュータ20と、を備える。マイクロコンピュータは、エンジン制御装置の使用温度範囲における電源ICの実際の基準電圧を測定して作成した測定基準電圧−温度線と、理想基準電圧の直線との電圧差を算出して得られた校正データを予め書き込んだメモリ70を有し、校正データおよび温度センサで検知した温度情報とを用いて、使用温度範囲における電源ICの基準電圧Vref1の変動を自動補正する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン制御装置100は、バッテリ30から給電され、バッテリの電圧とは異なる定電圧出力を発生させる電源IC10と、外部アナログセンサ40で測定したときのアナログ電圧を入力してデジタル電圧に変換するA/D変換器50Aおよび温度センサ60を有し、電源ICから給電されるマイクロコンピュータ20と、を備える。マイクロコンピュータは、エンジン制御装置の使用温度範囲における電源ICの実際の基準電圧を測定して作成した測定基準電圧−温度線と、理想基準電圧の直線との電圧差を算出して得られた校正データを予め書き込んだメモリ70を有し、校正データおよび温度センサで検知した温度情報とを用いて、使用温度範囲における電源ICの基準電圧Vref1の変動を自動補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジン制御装置および方法に関し、より詳細には、非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサで測定したときのアナログ入力電圧を、デジタル電圧に変換し、電源ICの基準電圧に対する出力電圧として出力する際の、アナログ入力電圧の読み取り精度の向上を図ることができるエンジン制御装置および方法に関する。
建設機械、農業機械を含む車両、船、飛行機などの自走式の移動体に搭載される内燃機関の燃料噴射量は、エンジン制御装置(エンジンコントロールユニット、以下「ECU」ともいう。)にて、各センサで得られた入力値を用いて算出した結果に基づいて制御を行なっているが、近年の排気ガス規制値の改正により、内燃機関への流入空気量の高精度な制御が不可欠になってきている。すなわち、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの場合には、燃料の量に対し、流入空気量が適正値を上回ると、燃焼時の排気ガス中に含まれる窒素酸化物NOXの量が増加するなどの問題が生じるおそれがあるためである。流入空気量は、通常エアフローセンサを使用し、このエアフローセンサで測定した数値をモニタ化して読み取っているが、上述した排気ガス規制値の改定に伴い、モニタ化した流入空気量の読み取り精度を向上させることへの要求が高まる傾向にある。
ECUでセンサのアナログ出力電圧を読む場合、通常、リファレンス電源を基準としたアナログ入力にて電圧レベルをモニタしている。一般的なセンサ出力値の読み取り方法としては、ECUのアナログ入力のリファレンス電源に、センサ電源と同じ電源を使用するレシオメトリック方式と、ECUのアナログ入力のリファレンス電源とセンサ電源の変動率が異なる非レシオメトリック方式とがあり、非レシオメトリック方式の場合、センサ電源とリファレンス電源の変動の影響を大きく受ける傾向がある。
すなわち、レシオメトリック方式の場合、ECUのアナログ入力のリファレンス電源(例えば、電源IC)に、センサ電源と同じ電源を使用することで、両電源は、リファレンス電圧(基準電圧)が同じになるため、入力電圧の変動とリファレンス電圧(基準電圧)の変動が比例する結果、変動による誤差を最小限にすることができるが、非レシオメトリック方式の場合、リファレンス電源の精度は、電源ICに依存するため、電源ICの誤差精度分だけ不正確となる。例えば、ECUのアナログ入力に使用しているリファレンス電圧(基準電圧)が変動した場合、その基準電圧の変動に比例して、読み取りデータも変動する結果、読み取りデータの誤差が生じやすくなる。
通常、センサ出力の電圧精度が必要となる場合、電源電圧変動の影響が受けにくいレシオメトリック方式を選択するのが一般的であるが、各種センサ及びECUの設定状況によっては、非レシオメトリック方式を選択せざるを得ない状況がある。例えば車両のエアフローセンサは、エンジン仕様によってはバッテリから離れた位置に設置される場合があり、かかる場合には、バッテリから電源ICを介して間接的に給電される非レシオメトリック方式を選択せざるを得なくなる。
このように、非レシオメトリック方式でECUに接続された外部アナログセンサからの出力電圧を読み取り、かつ、上述したような理由により、アナログ入力電圧の測定精度が求められる場合、ECU自体で生じる誤差をできるだけ低減することにより、アナログ入力電圧の読み取り精度を向上させる必要があった。
例えば、特許文献1には、電源IC(定電圧電源回路部)が、定電圧出力が得られるように出力電圧を発生して、エアフローセンサを含む各種アナログセンサ群に電源ICから給電する構成を採用した車載エンジン制御装置が開示されている。
例えば、特許文献1には、電源IC(定電圧電源回路部)が、定電圧出力が得られるように出力電圧を発生して、エアフローセンサを含む各種アナログセンサ群に電源ICから給電する構成を採用した車載エンジン制御装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の車載エンジン制御装置は、レシオメトリック方式を採用した車載エンジン制御装置であるため、上述した非レシオメトリック方式を採用したエンジン制御装置特有の問題点は生じない。また、特許文献1は、定電圧回路の出力電圧値の補正値を、計算により算出/想定し、この補正値をプロットしたときの検出電圧−温度線を、単純に線形特性として図示していることから、エンジン制御装置の使用温度範囲(例えば−40〜+120℃)における電源ICの基準電圧の変動を正確に補正することはできず、使用温度によっては、十分な補正精度が得られない場合も想定される。加えて、補正精度を向上させるための手段として、ECU内部に高精度電源を搭載して、電源ICの電源出力を自己補正できる構成を採用することも可能であるが、かかる構成を採用すると、制御装置が高価となってしまうため好ましくない。
このため、本発明の目的は、非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサからの出力電圧を精度よく読み取ることを前提とし、マイクロコンピュータ(CPU)に、所定の校正データを予め書き込んだメモリ(例えばROM)および温度センサで検出した温度情報を利用することにより、ECU内部に高精度電源などの高価な部品を搭載することなく、低価格な部品を使用し、ECUごとにばらつきのある、使用温度範囲における電源ICの基準電圧の変動を、効率良く補正することで、安価で、比較的容易に、ECU内部で生じる誤差を可能な限り低減することができるエンジン制御装置および方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)内燃機関をもつ自走式の移動体に搭載されたバッテリから給電され、給電された前記バッテリの電圧とは異なる定電圧出力を発生させる電源ICと、非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサで測定したときのアナログ電圧を入力してデジタル電圧に変換するアナログ・デジタル変換器(A/D変換器)、および温度センサを有し、前記電源ICから給電されるマイクロコンピュータとを備え、前記電源ICが、前記A/D変換器で変換した前記デジタル電圧を、前記電源ICの基準電圧に対する出力電圧として出力するエンジン制御装置において、前記マイクロコンピュータは、校正データを予め書き込んだメモリを有し、前記校正データは、前記エンジン制御装置の使用温度範囲の、上下限の温度と、該上下限の温度間に存在する1の温度の少なくとも3つの温度で、前記電源ICの実際の基準電圧を測定し、測定した前記基準電圧を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線と、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧の直線との電圧差を算出して得られたデータであり、前記測定基準電圧−温度線は、前記理想基準電圧の直線に対し少なくとも1点で交差し、かつ上に凸の略2次曲線であり、前記校正データおよび前記温度センサで検知した温度情報を用いて、前記エンジン制御装置の使用温度範囲における前記電源ICの基準電圧の変動を自動補正することを特徴とするエンジン制御装置。
(1)内燃機関をもつ自走式の移動体に搭載されたバッテリから給電され、給電された前記バッテリの電圧とは異なる定電圧出力を発生させる電源ICと、非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサで測定したときのアナログ電圧を入力してデジタル電圧に変換するアナログ・デジタル変換器(A/D変換器)、および温度センサを有し、前記電源ICから給電されるマイクロコンピュータとを備え、前記電源ICが、前記A/D変換器で変換した前記デジタル電圧を、前記電源ICの基準電圧に対する出力電圧として出力するエンジン制御装置において、前記マイクロコンピュータは、校正データを予め書き込んだメモリを有し、前記校正データは、前記エンジン制御装置の使用温度範囲の、上下限の温度と、該上下限の温度間に存在する1の温度の少なくとも3つの温度で、前記電源ICの実際の基準電圧を測定し、測定した前記基準電圧を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線と、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧の直線との電圧差を算出して得られたデータであり、前記測定基準電圧−温度線は、前記理想基準電圧の直線に対し少なくとも1点で交差し、かつ上に凸の略2次曲線であり、前記校正データおよび前記温度センサで検知した温度情報を用いて、前記エンジン制御装置の使用温度範囲における前記電源ICの基準電圧の変動を自動補正することを特徴とするエンジン制御装置。
(2)前記エンジン制御装置の使用温度範囲は、−40〜+120℃の範囲である上記(1)に記載のエンジン制御装置。
(3)外部アナログセンサは、エアフローセンサを少なくとも含む上記(1)または(2)に記載のエンジン制御装置。
(4)内燃機関をもつ自走式の移動体に搭載されたバッテリから給電され、給電された前記バッテリの電圧とは異なる定電圧出力を発生させる電源ICと、非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサで測定したときのアナログ電圧を入力してデジタル電圧に変換するアナログ・デジタル変換器(A/D変換器)、および温度センサを有し、前記電源ICから給電されるマイクロコンピュータとを備え、前記電源ICが、前記A/D変換器で変換した前記デジタル電圧を、前記電源ICの基準電圧に対する出力電圧として出力するエンジン制御装置を用いて行なうエンジン制御方法において、前記マイクロコンピュータは、校正データを予め書き込んだメモリを有し、前記校正データは、前記エンジン制御装置の使用温度範囲の、上下限の温度と、該上下限の温度間に存在する1の温度の少なくとも3つの温度で、前記電源ICの実際の基準電圧を測定し、測定した前記基準電圧を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線と、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧の直線との電圧差を算出して得られたデータであり、前記測定基準電圧−温度線は、前記理想基準電圧の直線に対し少なくとも1点で交差し、かつ上に凸の略2次曲線であり、前記校正データおよび前記温度センサで検知した温度情報を用いて、前記エンジン制御装置の使用温度範囲における前記電源ICの基準電圧の変動を自動補正することを特徴とするエンジン制御方法。
本発明によれば、非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサからの出力電圧を精度よく読み取ることを前提とし、マイクロコンピュータ(CPU)が、校正データを予め書き込んだメモリを有し、校正データが、前記エンジン制御装置の使用温度範囲の、上下限の温度と、該上下限の温度間に存在する1の温度の少なくとも3つの温度で、前記電源ICの実際の基準電圧を測定し、測定した前記基準電圧を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線と、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧の直線との電圧差を算出して得られたデータであり、前記測定基準電圧−温度線が、前記理想基準電圧の直線に対し少なくとも1点で交差し、かつ上に凸の略2次曲線であり、前記校正データおよび前記温度センサで検知した温度情報を用いて、エンジン制御装置の使用温度範囲における前記電源ICの基準電圧の変動を自動補正することにより、ECU内部に高精度電源などの高価な部品を搭載することなく、低価格な部品を使用し、ECUごとにばらつきのある、使用温度範囲における電源ICの基準電圧の変動を、効率良く補正することができ、その結果、安価で、比較的容易に、ECU内部で生じる誤差を可能な限り低減することができるエンジン制御装置および方法を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
なお、以下で説明する構成要素および配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
なお、以下で説明する構成要素および配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1に示すエンジン制御装置は、内燃機関をもつ移動体である、例えば建設機械や農業機械のような自走式の車両に搭載されたエンジン制御装置の構成例を概念的に示したものである。
図1のエンジン制御装置(図1では、「ECU」と表記)100は、車両のエンジン制御やトランスミッション制御の中心となるもので、電源IC10と、マイクロコンピュータ20とを主として備えている。
電源IC10は、内燃機関をもつ車両(図示せず)に搭載されたバッテリ30から給電され、給電されたバッテリ30の電圧Vb(例えば12V)とは異なる定電圧出力VIC(例えば5V)を発生させ、後述するアナログ・デジタル変換器50A等で変換したデジタル電圧を、電源IC10の基準電圧Vref1に対する出力電圧として出力するために設けられている。
マイクロコンピュータ20は、エンジン制御やトランスミッション制御のためのプログラム等の実行処理に加えて、後述するアナログ入力信号の補正処理のためのプログラムの実行等を行うためにECU100の内部に設けられ、非レシオメトリック方式で接続され、電源IC10の基準電圧Vref1とは異なる基準電圧をもつ外部アナログセンサ40で測定したときのアナログ電圧を入力してデジタル電圧に変換するアナログ・デジタル変換器50Aを有し、電源IC10から給電されるように構成されている。なお、図1に示されている実施形態では、温度センサ60として、ECU100に内蔵されたアナログセンサを用い、この温度センサ60で測定したときのアナログ電圧を入力してデジタル電圧に変換する別のアナログ・デジタル変換器50Bを、アナログ・デジタル変換器50Aとともにマイクロコンピュータ20の内部に設けた場合を示している。また、図1では、マイクロコンピュータを「CPU」と表記し、また、アナログ・デジタル変換器を「A/D変換器」と表記した。
また、マイクロコンピュータ20は、校正データを予め書き込んだメモリ70を有している。なお、図1では、メモリ70を「ROM70」と表記した。
ここで、メモリ70は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリであるROMを用いることが好適である。また、車両用エンジン制御装置100は、通常、この他に、マイクロコンピュータ20において実行されるプログラムが記憶される他の不揮発性メモリや、種々の演算処理において得られた演算値やデータなどを一時的に記憶するRAMなどの多数のメモリを備えているが、本発明の実施の形態の説明を簡便にして本発明の理解を容易にするため、図1のECU100では、メモリ70として1個のROMだけを示し、他のメモリについての図示は省略してある。
図1においては、構成を簡便にして説明を理解し易くする観点から、1個の外部アナログセンサ40(例えばエアフローセンサ)だけが、エンジン制御装置100の外部に設けられた構成が示されているが、実際には、エンジン制御やトランスミッション制御等のための種々の外部アナログセンサ(例えば、排気ガスセンサ、アクセルポジションセンサ、スロットルポジションセンサ等)が設けられ、エンジン制御装置100に入力される構成になっている。
また、外部アナログセンサ40は、図1では、バッテリ30から給電される場合を示しているが、センサ40内に独自に電源を持っている構成でもよく、要するに、エンジン制御装置100の電源IC10における定電圧出力VIC(例えば5V)とは異なる出力電圧(例えば12V)を有する別個の電源(例えばバッテリ30)から供給されるものとなっている。
本発明者は、非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサからの出力電圧を精度よく読み取ることができるエンジン制御装置(ECU)100を開発するため鋭意検討を行なった結果、ECU100内に配置された電源IC10の出力の温度特性が、特許文献1に示されているような線形特性ではなく、2次曲線的に変化すること、および、この電源IC10の出力の温度特性を、校正データとしてECU100内のメモリ70に予め書き込んでおき、この校正データと、ECU100の内部に配置された温度センサ60で検出した温度情報を利用して、ECU100の使用温度範囲における電源IC10の基準電圧Vref1の変動を自動補正することにより、外部アナログセンサ40からの出力電圧を精度よく読み取ることができることを新規に見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のエンジン制御装置(ECU)100は、マイクロコンピュータ(CPU)20に、校正データを予め書き込んだメモリ70を設け、この校正データは、ECU100の使用温度範囲の、上下限の温度と、該上下限の温度間に存在する1の温度の少なくとも3つの温度で、電源IC10の実際の基準電圧Vref1を測定し、測定した基準電圧Vref1を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線と、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧Vref0の直線との電圧差ΔVrefを算出して得られたデータであり、前記測定基準電圧−温度線は、前記理想基準電圧Vref0の直線に対し少なくとも1点で交差し、かつ上に凸の略2次曲線であり、前記校正データおよび前記温度センサ60で検知した温度情報を用いて、ECU100の使用温度範囲における電源IC10の基準電圧Vref1の変動を自動補正することにあり、この構成を採用することによって、ECU100の内部に高精度電源などの高価な部品を搭載することなく、低価格な部品を使用し、ECU100ごとにばらつきのある、使用温度範囲における電源IC10の基準電圧Vref1の変動を、効率良く補正することができ、その結果、安価で、比較的容易に、ECU100の内部で生じる誤差を可能な限り低減することができる。
図2は、ECU100の使用温度範囲(本実施形態では、−40〜+120℃を想定)における電源IC10の基準電圧Vref1を測定し、測定した基準電圧Vref1を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線図であって、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧Vref0の直線とともに示したものである。
ECU100内部のメモリ70に予め書き込まれた校正データは、ECU100の使用温度範囲の、上下限の温度と、該上下限の温度間に存在する1の温度の少なくとも3つの温度、図2では、上限温度(+120℃)、下限温度(−40℃)、および室温(+30℃)の3点の温度で、電源ICの実際の基準電圧Vref1を測定し、測定した前記基準電圧Vref1を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線と、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧Vref0の直線との電圧差ΔVrefを算出して得られたデータであり、この測定基準電圧−温度線は、いずれのエンジン制御装置でも、上に凸の略2次曲線となる。
なお、ここでいう「上に凸の略2次曲線」には、図2に示すように、理想基準電圧Vref0の直線に対し少なくとも1点で交差し、かつ上に凸で、しかも極大値を有する2次曲線の他、理想基準電圧Vref0の直線に対し1点だけで交差し、かつ上に凸ではあるものの極大値をもたない2次曲線も含まれる。
加えて、測定基準電圧−温度線は、いずれのECU100とも、上に凸の略2次曲線となるため、1のエンジン制御装置で作成した校正データを、別のエンジン制御装置の校正データとして使用することも可能であるが、通常は、ECU100ごとに、測定基準電圧Vref1の変動幅の絶対値が異なるため、ECU100ごとに、使用温度範囲にわたる基準電圧Vref1を測定し、算出した電圧差ΔVrefを算出して校正データを作成することが好ましい。
ECU100は、校正データを予めメモリ70に書き込まれた状態で製品として出荷されるため、校正データの作成は、製品出荷前、例えばECUの出荷検査時に行われることが好ましい。
校正データの作成をECU100の出荷検査時に行う場合、まず、ECU100の出荷検査時に、ECU100の使用温度範囲における、下限温度(−40℃)、常温(+30℃)および上限温度(+120℃)の少なくとも3 温度で、電源ICの実際の基準電圧Vref1を測定する。測定温度は、多いほど補正精度が向上するため好ましい。測定の際には製造ラインの高精度定電圧電源を使用し、上記3温度(または3温度以上)にて、ECU100のリファレンス電源となる電源IC10の実際の基準電圧Vref1を測定し、電源IC10の実際の基準電圧Vref1と、高精度電源の理想基準電圧Vref0とを比較することで、電圧差ΔVrefを算出して、各温度における電圧差ΔVrefを補正値としてメモリ70に書き込めばよい。また、この際、電圧が異なる複数の電源(例えば 9V、12V、16V 等)に対する補正値についても、併せて取得してメモリに書き込んでおくことが好ましい。
そして、このように構成されたECU100に、非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサ40、例えばエアフローセンサで流入空気量を測定した場合、ECU100内のメモリ70に記録されている上述した校正データにより、補正曲線(測定基準電圧−温度線)を作成し、この補正曲線とECU(基板)100に搭載している温度センサ60にて検知した温度データおよび電源電圧値データを使用し、補正値を算出する。この補正値を ECU100のアナログ入力へ乗算することで、ECU100のアナログ入力のリファレンス電圧(基準電圧)による誤差の低減を低価格で実現することができる。
また、エアフローセンサの出力値についてはソフトウェアによる補正方法が一般的に知られているが、本発明は、この方法と組み合わせてもよく、これによって、より高精度な補正を実現することができる。
本発明によれば、非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサからの出力電圧を精度よく読み取ることを前提とし、マイクロコンピュータが、校正データを予め書き込んだメモリを有し、校正データが、前記エンジン制御装置の使用温度範囲の、上下限の温度と、該上下限の温度間に存在する1の温度の少なくとも3つの温度で、前記電源ICの実際の基準電圧を測定し、測定した前記基準電圧を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線と、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧の直線との電圧差を算出して得られたデータであり、前記測定基準電圧−温度線が、前記理想基準電圧の直線に対し少なくとも1点で交差し、かつ上に凸の略2次曲線であり、前記校正データおよび前記温度センサで検知した温度情報を用いて、エンジン制御装置の使用温度範囲における前記電源ICの基準電圧の変動を自動補正することにより、ECU内部に高精度電源などの高価な部品を搭載することなく、低価格な部品を使用し、エンジン制御装置ごとにばらつきのある、使用温度範囲における電源ICの基準電圧の変動を、効率良く補正することができ、その結果、安価で、比較的容易に、ECU内部で生じる誤差を可能な限り低減することができるエンジン制御装置および方法を提供することが可能になった。
10 電源IC
20 マイクロコンピュータ(CPU)
30 バッテリ
40 外部アナログセンサ(またはエアフローセンサ)
50A、50B アナログ・デジタル変換器(A/D変換器)
60 温度センサ
70 メモリ
100 エンジン制御装置(ECU)
20 マイクロコンピュータ(CPU)
30 バッテリ
40 外部アナログセンサ(またはエアフローセンサ)
50A、50B アナログ・デジタル変換器(A/D変換器)
60 温度センサ
70 メモリ
100 エンジン制御装置(ECU)
Claims (4)
- 内燃機関をもつ自走式の移動体に搭載されたバッテリから給電され、給電された前記バッテリの電圧とは異なる定電圧出力を発生させる電源ICと、
非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサで測定したときのアナログ電圧を入力してデジタル電圧に変換するアナログ・デジタル変換器(A/D変換器)、および温度センサを有し、前記電源ICから給電されるマイクロコンピュータと、
を備え、前記電源ICが、前記A/D変換器で変換した前記デジタル電圧を、前記電源ICの基準電圧に対する出力電圧として出力するエンジン制御装置において、
前記マイクロコンピュータは、校正データを予め書き込んだメモリを有し、
前記校正データは、前記エンジン制御装置の使用温度範囲の、上下限の温度と、該上下限の温度間に存在する1の温度の少なくとも3つの温度で、前記電源ICの実際の基準電圧を測定し、測定した前記基準電圧を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線と、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧の直線との電圧差を算出して得られたデータであり、
前記測定基準電圧−温度線は、前記理想基準電圧の直線に対し少なくとも1点で交差し、かつ上に凸の略2次曲線であり、
前記校正データおよび前記温度センサで検知した温度情報を用いて、前記エンジン制御装置の使用温度範囲における前記電源ICの基準電圧の変動を自動補正することを特徴とするエンジン制御装置。 - 前記エンジン制御装置の使用温度範囲は、−40〜+120℃の範囲である請求項1に記載のエンジン制御装置。
- 外部アナログセンサは、エアフローセンサを少なくとも含む請求項1または2に記載のエンジン制御装置。
- 内燃機関をもつ自走式の移動体に搭載されたバッテリから給電され、給電された前記バッテリの電圧とは異なる定電圧出力を発生させる電源ICと、
非レシオメトリック方式で接続された外部アナログセンサで測定したときのアナログ電圧を入力してデジタル電圧に変換するアナログ・デジタル変換器(A/D変換器)、および温度センサを有し、前記電源ICから給電されるマイクロコンピュータと、
を備え、前記電源ICが、前記A/D変換器で変換した前記デジタル電圧を、前記電源ICの基準電圧に対する出力電圧として出力するエンジン制御装置を用いて行なうエンジン制御方法において、
前記マイクロコンピュータは、校正データを予め書き込んだメモリを有し、
前記校正データは、前記エンジン制御装置の使用温度範囲の、上下限の温度と、該上下限の温度間に存在する1の温度の少なくとも3つの温度で、前記電源ICの実際の基準電圧を測定し、測定した前記基準電圧を温度に対してプロットしたときの測定基準電圧−温度線と、前記使用温度範囲にわたって変化しない理想基準電圧の直線との電圧差を算出して得られたデータであり、
前記測定基準電圧−温度線は、前記理想基準電圧の直線に対し少なくとも1点で交差し、かつ上に凸の略2次曲線であり、
前記校正データおよび前記温度センサで検知した温度情報を用いて、前記エンジン制御装置の使用温度範囲における前記電源ICの基準電圧の変動を自動補正することを特徴とするエンジン制御方法。
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JPWO2017090352A1 (ja) * | 2015-11-23 | 2018-07-05 | ボッシュ株式会社 | 波及故障防止回路を備えた電子装置 |
WO2019097760A1 (ja) * | 2017-11-15 | 2019-05-23 | 日立金属株式会社 | ガス測定装置および方法 |
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2014
- 2014-09-29 JP JP2014198361A patent/JP2016072734A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2017090352A1 (ja) * | 2015-11-23 | 2018-07-05 | ボッシュ株式会社 | 波及故障防止回路を備えた電子装置 |
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