JP5817692B2 - 端子付き電線および端子 - Google Patents

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Description

本発明は、端子付き電線および端子に関する。
従来、芯線を有する電線と、電線の端末から露出した芯線に接続された端子と、を備えた端子付き電線として、特許文献1に記載のものなどが知られている。
特許文献1には、アース用電線の芯線端末に接続されるアース端子が開示されている。この種のアース端子は、アース用電線端末に圧着された状態で、車体の所定個所に、ボルト等の固定部材を利用して強固に取り付けられて使用される。
このような端子付き電線は、リサイクル(再利用)目的で廃棄車両から回収される。具体的には、電線は、廃棄車両の解体時に、クレーン等の引き上げ装置に取り付けられたJ字状のフックに引っ掛けられた状態で引っ張られる。その際、端子は、固定部材によって車体に取り付けられたままの状態となっている。そして、端子に対して力が加えられると、端子が破断(切断)して、電線が車両側から取り外される。このような事情等によって、端子付き電線としては、解体時に容易に破壊できる構造(易解体性、解体容易性)を備えるものが求められている。
特開2003−132969号公報
解体時に容易に破壊できる構造を備える端子付き電線においても、端子と電線(芯線)との間の電気的な接続性能が優れていることは求められる。
しかしながら、端子と電線(芯線)との間の電気接続性能が優れ、かつ易解体性にも優れる端子付き電線は、未だ提供されていなかった。
本発明は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子と電線(芯線)との間の良好な電気接続性能を備えると共に、解体時に容易に破断可能な端子付き電線及びそれに利用される端子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するものとして本発明は、芯線を備えた電線と、前記電線の端末から露出する前記芯線に接続された端子と、を備え、前記端子は、前記芯線に圧着されるワイヤーバレル部および前記ワイヤーバレル部から延出された延出部を有する第1端子部と、相手側部材と接続される接続部と、前記延出部の上に重ねられた積層部と、前記積層部から前記ワイヤーバレル部に向けて延出された形をなしており、前記ワイヤーバレル部及び前記芯線の間に挟まれた状態で前記芯線に圧着された補助圧着部と、前記第1端子部の一端部を受け入れた状態としており、前記一端部を抜け止めする抜け止め孔と、を有する第2端子部と、を備え、前記電線に力が加えられたときに、前記抜け止め孔の孔縁が破断することにより、前記第1端子部の前記抜け止め孔における抜け止め状態が解除されるようになっている端子付き電線である。
また、本発明は、芯線を備えた電線の端末から露出する前記芯線に圧着されるワイヤーバレル部および前記ワイヤーバレル部から延出された延出部を有する第1端子部と、相手側部材と接続される接続部と、前記延出部の上に重ねられた積層部と、前記積層部から前記ワイヤーバレル部に向けて延出された形をなしており、前記ワイヤーバレル部及び前記芯線の間に挟まれた状態で前記芯線に圧着された補助圧着部と、前記第1端子部の一端部を受け入れた状態としており、前記一端部を抜け止めする抜け止め孔と、を有する第2端子部と、を備え、前記電線に力が加えられたときに、前記抜け止め孔の孔縁が破断することにより、前記第1端子部の前記抜け止め孔における抜け止め状態が解除されるようになっている端子である。
本発明においては、芯線が、ワイヤーバレル部及び補助圧着部によって圧着されることにより、芯線は、ワイヤーバレル部のみによって圧着された場合に比べて高圧着される。その結果、本発明によれば、芯線の表面に形成された酸化膜が剥がれて、芯線を構成する金属表面が露出し、この露出した金属表面とワイヤーバレル部とが接触することにより、電線と端子との間の電気抵抗値を低くすることができ、電気接続性能を優れたものとすることができる。
また、本発明においては、解体時に電線に対して力が加えられると、抜け止め孔の孔縁が破断することにより、第1端子部の抜け止め孔における抜け止め状態が解除され、電線に接続されている第1端子部が第2端子部から取り外される。
以上より本発明によれば、端子と電線(芯線)との間の良好な電気接続性能を備えると共に、解体時に容易に破断可能な端子付き電線を提供することができる。
本発明は以下の構成であってもよい。
前記第1端子部は、その一端部が前記抜け止め孔に差し込まれた後に折り曲げられることにより、前記抜け止め孔に抜け止めされている構成であってもよい。
このような構成とすると、簡易な加工方法により第1端子部が第2端子部の抜け止め孔に強固に抜け止めされるので、作業性に優れる。
前記芯線は前記ワイヤーバレル部のみにより圧着された低圧縮部と前記ワイヤーバレル部および前記補助圧着部の双方により圧着されて、前記低圧縮部よりも高圧縮された高圧縮部とを備えていてもよい。
このような構成とすると、ワイヤーバレル部のみに圧着された低圧縮部では、高圧縮部よりも低圧縮されているので、電線と端子との保持力を高めることができる。
前記芯線は金属製の複数の素線を備え、{(圧縮後の導体の断面積)/(圧縮前の導体の断面積)}×100(%)で定義された圧縮率について、前記低圧縮部の圧縮率は50%よりも大きく設定されており、前記高圧縮部の圧縮率は50%よりも小さく設定されていてもよい。
このような構成とすると、芯線の酸化被膜を破壊することができ、これにより芯線と端子との接触抵抗を小さくすることが可能である。
本発明によれば、端子と電線(芯線)との間の良好な電気接続性能を備えると共に、解体時に容易に破断可能な端子付き電線を提供することができる。
実施形態1の端子付き電線の平面図 端子付き電線の側面図 端子の斜視図 端子の平面図 第2端子部の斜視図 第2端子部の平面図 図1のX−X線における断面図 図1のY−Y線における断面図 端子を組み立てる様子を示す側面図 解体時に端子が分離された状態を示す斜視図 解体時に端子が分離された状態を示す側面図 実施形態2の端子付き電線の一部平面図 図12のZ−Z線における一部断面図 他の実施形態で説明する端子付き電線の一部断面図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を、図1ないし図11を参照しつつ説明する。以下の説明において、図1における右側を前方とし、左側を後方とし、図2における上方を上とし下方を下として説明する。
端子付き電線10は、図1および図2に示すように、電線13と、電線13の端末において露出する導体の芯線11に圧着される端子20とを備える。本実施形態において、端子20は図示しない車両に搭載されるアース端子とされる。
電線13は、複数の金属製の素線14を撚り合せてなる芯線11と、この芯線11の外周を覆う合成樹脂製の絶縁被覆12とを備える。芯線11は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属材料からなる。本実施形態の場合、芯線11は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる。
端子20は、図9に示すように、2種類の部品から構成されている。一方の部品21は、後方に配される第1端子部21であり、他方の部品26は、前方に配される第2端子部26である。第1端子部21および第2端子部26は、それぞれ金属製の板材を所定形状に打ち抜き加工すると共に、それぞれ所定形状にプレス加工することによって得られる。
端子20の材料として用いる金属製の板材としては、例えば、銅製、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等の金属製板材が挙げられる。なお、端子20の材料として用いられる金属製板材には、必要に応じて、スズ、ニッケル等によるメッキ処理が施されていてもよい。本実施形態では、銅合金製の板材にスズメッキが施されたものが、端子20の材料(第1端子部21および第2端子部26の材料)として利用されている。
第1端子部21は、図3、図4および図9に示すように、全体的には、前後方向(電線13の軸方向)に延びた形をなしている。第1端子部21は、電線13に圧着される2組のバレル部23,24と、バレル部23,24の前方に延出された延出部22とを有する。
2組のバレル部23,24のうち、前方に設けられている一対のバレル部23は、電線13の端末において露出する芯線11にまきつく形で圧着されるワイヤーバレル部23である。2組のバレル部23,24のうち、後方に設けられている一対のバレル部24は電線13の絶縁被覆12により覆われた部分に圧着されるインシュレーションバレル部24である。
ワイヤーバレル部23には、電線13(芯線11)が載せられる側の表面(内面)に、図示しない凹部が形成されている。ワイヤーバレル部23の内面に、凹部が形成されていると、ワイヤーバレル部23を芯線11に圧着した際に、凹部の孔縁30Aが、芯線11の周面に接触することによって、芯線11に形成されている酸化被膜が破壊され易くなる。なお、後述するように、ワイヤーバレル部23の前方側の端部には、第2端子部26の後端に設けられている補助圧着部29が載せられる。
ワイヤーバレル部23の前方に延出された延出部22には、第2端子部26の補助圧着部29よりも前方に設けられた積層部28が重ねられている。
第1端子部21の延出部22よりもさらに前方の端部(第1端子部21の一端部)は、図2に示すように、抜け止め孔30のところで略垂直上方に屈曲されたのち、抜け止め孔30を貫通し、抜け止め孔30の上に出ている部分25は略垂直前方に折り曲げられて、第2端子部26の上に重なるように配され、抜け止め孔30の孔縁30Aによって係止されている。第1端子部21の一端部のうち、抜け止め孔30の上に出ていて抜け止め孔30の孔縁30Aにより係止されている部分25を被係止部25ともいう。
次いで、第2端子部26について、詳細に説明する。第2端子部26は、図5および図6に示すように、全体的には、前後方向(電線13の軸方向)に延びた形をなしている。第2端子部26は、接続部27と、積層部28と、補助圧着部29と、を有する。
第2端子部26の前端に設けられている接続部27は相手側部材と接続される部分である。接続部27は、平坦な板状をなしており、上面視略円形状である。接続部27は相手側部材に対して、ボルト締め等によって固定される部分となっている。接続部27の先側には、ボルト等の固定部材が挿通される略円形の挿通孔27Aが設けられている。
第2端子部26の後端には、第1端子部21のワイヤーバレル部23の前端に重ねられる補助圧着部29が設けられている。補助圧着部29は、第1端子部21のワイヤーバレル部23の上に載せられて、ワイヤーバレル部23と共に芯線11に圧着される部分である。芯線11のうちワイヤーバレル部23と補助圧着部29とによって圧着される部分は、芯線11の末端を選択的に(部分的に)高圧縮する高圧縮部33とされる(図7を参照)。
本実施形態の補助圧着部29は、芯線11の周方向に沿って細長く延びた形をなしている。補助圧着部29の長さ(芯線11の周方向に沿った長さ)は、圧縮前及び圧縮後の芯線11の周方向の長さよりも短くなっている。
本実施形態の場合、補助圧着部29は、その前端位置がワイヤーバレル部23の前端の位置に対して略一致するように、ワイヤーバレル部23の上に載せられる。そして、補助圧着部29は、ワイヤーバレル部23と芯線11との間で挟まれた状態で、ワイヤーバレル部23の内側表面上に載せられる。補助圧着部29は、ワイヤーバレル部23の上に載せられると、ワイヤーバレル部23の表面よりも、内側(芯線11側)に盛り上がった状態となる。つまり、補助圧着部29がワイヤーバレル部23の表面上に載せられることによって、その載せられた部分の厚みを大きく(厚く)することができる。
なお、後述するように、本実施形態の場合、補助圧着部29がワイヤーバレル部23と共に芯線11に圧着されると、補助圧着部29は、芯線11の先側の周面を把持する(保持する)形となる。
第2端子部26において、接続部27と補助圧着部29との間には、第1端子部21の延出部22の上に重ねられる積層部28が設けられている。この積層部28の前端には、幅方向に延びる方形状の孔30が設けられている。積層部28の前端に設けられた方形状の孔30は、第1端子部21の前端部を受け入れて抜け止めする抜け止め孔30である。本実施形態において、抜け止め孔30の幅寸法は、第1端子部21の前端部の幅寸法よりも大きく設定されている。
端子付き電線10の組み付け方法について説明する。金属製の板材に打抜き加工とプレス加工を施して、第1端子部21と第2端子部26とを作製する(図9を参照)。図9に示す状態(第1端子部21を第2端子部26に組み付ける前の状態)において、第1端子部21の前端部は、延出部22に対して垂直上方に屈曲されておりL字状をなしている。
第1端子部21の前端部を、下方から第2端子部26の抜け止め孔30に差し込むと、第1端子部21の前端部が第2端子部26の抜け止め孔30に挿通される。第1端子部21の前端部が抜け止め孔30を貫通して、第2端子部26が第1端子部21の上に載置されると、第2端子部26の補助圧着部29が第1端子部21のワイヤーバレル部23の上に重ねられ、第2端子部26の積層部28が第1端子部21の延出部22の上に重ねられる。このとき補助圧着部29の前端とワイヤーバレル部23の前端は概ね一致する位置に配される。
次に、抜け止め孔30に挿通された第1端子部21の前端部を垂直前方に折り曲げて第2端子部26の上面に重ねるように配すると、第1端子部21の被係止部25が抜け止め孔30の孔縁30Aに係止され、第1端子部21が第2端子部26に対して抜け止めされる。これにより、第1端子部21が第2端子部26に組みつけられた端子20を得ることができる(図3参照)。
次に、端末において絶縁被覆12を剥離除去して芯線11を露出させた電線13を、端子20に圧着装置(図示せず)を利用して圧着する。芯線11の末端が、端子20のワイヤーバレル部23と補助圧着部29とが重なっている部分に配されるように電線13を載置してワイヤーバレル部23を芯線11に対して圧着するとともに、インシュレーションバレル部24を電線13の絶縁被覆12により覆われた部分に圧着すると、図1および図2に示す端子付き電線10が得られる。
この端子付き電線10のワイヤーバレル部23においては、前側の補助圧着部29が配されている部分と後側の補助圧着部29が配されていない部分とでは、芯線11の圧縮率が異なっている。ワイヤーバレル部23の前側の補助圧着部29が配されている部分では、補助圧着部29が配されていない部分(後側部分)よりも芯線11を高圧縮している。
図7には、補助圧着部29が配されているワイヤーバレル部23の前側部分の断面構造が示されている。これに対して、図8には、補助圧着部29が配されていないワイヤーバレル部23の後側部分の断面構造が示されている。これらを見比べると、図7に示される芯線11の断面積の方が、図8に示される芯線11の断面積よりも、小さくなっていることがわかる。
ワイヤーバレル部23の前側部分と後側部分とにおいて、ワイヤーバレル部23の外形状は、略同じに設定されているものの、芯線11の外形状は、前側部分の方が補助圧着部29を備えている分だけ、後側部分よりも小さくなっている。したがって、補助圧着部29が備えられている前側部分は、後側部分と比べて、高い圧力で芯線11の周面を押え付ける(締め付ける)ことができる。その結果、前側部分の内側にある芯線11は、後側部分の内側にある芯線11と比べて、細くなる。図7に示された前側部分における芯線11は高圧縮部33とされ、図8に示された後側部分における芯線11は低圧縮部32とされる。
高圧縮部33における芯線11の圧縮率は、50%より小さく設定されていることが好ましく、35%以下がより好ましく、25%以下が更に好ましく、20%以下が特に好ましい。なお、芯線11の圧縮率とは、(圧縮後の芯線11の断面積)/(圧縮前の芯線の断面積)×100(%)のことである。つまり、圧縮率の値が小さい程、芯線11は高圧縮されていることになる。高圧縮部33における圧縮率が、このような値に設定されていると、芯線11の表面に形成されていた酸化被膜が確実に破壊され易く、かつその酸化被膜の下側から新生面が確実に露出され易くなる。その結果、高圧縮部33においては、芯線11と端子20(ワイヤーバレル部23)との間の電気抵抗や、芯線11を構成する各素線14間の電気抵抗が小さくなり、これらの間において良好な電気接続性能が確保される。なお、高圧縮部33の内側にある芯線11は、補助圧着部29によって、芯線11の周方向に沿って固定(把持)された状態となっている。
これに対して、低圧縮部32における芯線11の圧縮率は、50%よりも大きく設定されていることが好ましく、60〜90%がより好ましく、70〜80%が特に好ましい。低圧縮部32における圧縮率が、このような値に設定されていると、芯線11は、高圧縮部33と比べて、低圧縮されるため、芯線11切れ(芯線11を構成する素線14の切れ)が抑制される。その結果、低圧縮部32においては、芯線11の良好な機械的強度(引っ張り強度)が確保され、ひいては、端子20(ワイヤーバレル部23)による良好な芯線11の保持力が確保される。
圧縮率を50%よりも小さくすることで芯線11の酸化被膜を破壊することができる。これにより、芯線11と端子20との電気抵抗値を小さくすることができる。また、圧縮率を35%以下とすると、芯線11を構成する素線14の表面同士が微視的に凝着するので電気的抵抗値を小さくすることができる。更に、圧縮率を25%以下とすると、素線14同士が巨視的に凝着するので、電気的抵抗値を更に小さくすることができる。更に、圧縮率を20%以下にすると、素線14同士を確実に凝着させることができるので、電気的抵抗値を確実に小さくすることができる。
また、高圧縮部33と低圧縮部32との間の領域においては、芯線11を構成する素線14同士が強くこすれ合う。この結果、素線14の表面に形成された酸化被膜が破壊されて、素線14を構成する金属表面が露出する。この金属表面同士が接触することにより、素線14同士の電気的抵抗値を小さくすることができる。これにより、芯線11の中心付近に位置する素線14についても、端子20との電気的な接続に寄与させることができる。この結果、芯線11と端子20との間の電気的抵抗値を一層小さくすることができる。
このようにして、端子付き電線10では、通常使用時において必要な機械的強度を損なうことなく、芯線11と、端子20との間の良好な電気接続性能が確保されている。
本実施形態の端子付き電線10は、所謂、アース線として車両内に配索された状態で使用(通常使用)される。端子付き電線10の一端に設けられている端子20は、端子付き電線10の相手側である車体の所定個所に、ボルト締めによって固定される。固定用のボルト(図示せず)は、接続部27にある挿通孔27Aに挿通された状態で、端子20を車体に対して強固に固定している。なお、端子20の接続部27は、ボルトのヘッド部(図示せず)と車体との間で強固に挟み付けられた状態となっている。なお、端子付き電線10の他端は、車両に搭載されている所定機器(図示せず)に接続されている。
本実施形態の端子付き電線10は、上述した電気接続性能に加えて、更に、易解体性(解体容易性)を備えた構造となっている。以下、その内容を説明する。 端子付き電線10は、通常使用を終えた後、リサイクル(再利用)等の目的で、廃棄車両から回収される。回収の際、端子付き電線10は、電線13部分が、クレーン等の引き上げ装置に取り付けられているJ字状のフックに引っ掛けられた状態で引っ張られる。その際、端子付き電線10(特に、端子20)に対して、通常使用における許容範囲を超えた、大きな力が加えられる。例えば、図2に示される端子付き電線10において、接続部27がボルト締めによって車体に固定されている場合、電線13が前記フックに引っ掛けられた状態で引っ張られると、電線13は図2における上方に引っ張られる。
すると、図10に示すように、電線13が上方に引き上げられることにより、抜け止め孔30の孔縁30Aが破断して第1端子部21の前端部が抜け止め孔30から外れ、抜け止め状態が解除される。これにより抜け止め孔30から前側の部分と後側の部分とに分かれるように解体される(図10および図11を参照)。
つまり、本実施形態によれば、電線13に力が加えられたときに、抜け止め孔30の孔縁30Aが破断することにより、第1端子部21の抜け止め孔30における抜け止め状態が解除されるようになっているから、解体時に容易に破断可能な端子付き電線10を提供することができる。
また、本実施形態によれば、第1端子部21は、その一端部が抜け止め孔30に差し込まれた後に折り曲げられることにより、抜け止め孔30に抜け止めされているから、簡易な加工方法により第1端子部21が抜け止め孔30に強固に抜け止めされるので、作業性に優れる。
また、本実施形態によれば、芯線11はワイヤーバレル部23のみにより圧着された低圧縮部32とワイヤーバレル部23および前記補助圧着部29の双方により圧着されて、低圧縮部32よりも高圧縮された高圧縮部33とを備えているから、ワイヤーバレル部23のみに圧着された低圧縮部32では、高圧縮部33よりも低圧縮されているので、電線13と端子20との保持力を高めることができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図12および図13によって説明する。
本実施形態の端子付き電線40は、第1端子部41の前端部の構成が実施形態1と相違する。図12には実施形態1と相違する部分のみを示している。本実施形態では実施形態1と同様の構成については同じ符号を用い、重複した説明は省略する。
第1端子部41の一端部(前端部)は、図13に示すように、斜め上方に折り曲げられて、第2端子部26の抜け止め孔30に差し込まれた後、抜け止め孔30から上に出ている末端42を抜け止め孔30の長手方向の寸法よりも大きくなるように押しつぶすことにより、抜け止め孔30により抜け止めされている。
第1端子部41の前端部の末端42(第2端子部26の上に重ねられている部分)は、図13に示すように、抜け止め孔30よりも下側に配されている部分よりも厚み寸法が小さくなっている。本実施形態でも、電線13に力が加えられたときに、抜け止め孔30の孔縁30Aが破断することにより、第1端子部41の抜け止め孔30における抜け止め状態が解除されるようになっている。
上記以外の構成は概ね実施形態1と同様である。本実施形態によっても実施形態1と同様に、端子20と電線13(芯線11)との間の良好な電気接続性能を備えると共に、解体時に容易に破断可能な端子付き電線40を提供することができる。
本実施形態では、第1端子部41の前端部は抜け止め孔30に差し込まれた後押しつぶされることにより、その末端42が第2端子部26に抜け止めされるようになっているので、簡易な加工により抜け止めされ、作業性に優れる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、アース端子を例示したが、他の実施形態においては、アース端子以外の端子であってもよい。例えば、相手側の端子と嵌合接続するような、端子(所謂、雄型端子、又は雌型端子)であってもよい。
(2)上記実施形態では、車両用の端子付き電線10および端子20を例示したが、他の用途(家屋、屋外施設等)で利用される端子付き電線および端子であってもよい。
(3)上記実施形態1では、第1端子部21の前端部を抜け止め孔30に差し込んだ後折り曲げることにより、第1端子部21を抜け止め孔30に対して係止し、抜け止め状態としていたが、この構成に限定されない。例えば図14に示すように、第1端子部51の前端部を垂直上方に折り曲げたのち、抜け止め孔30から突出する第1端子部51の端末52を押しつぶしてリベット状に加工することにより、第1端子部51の前端部を抜け止め孔30に抜け止めする構成であってもよい。図14に示す形態において、実施形態1と同様の構成については実施形態1と同じ符号を付している。
(4)上記実施形態では、解体時、クレーン等を利用して端子付き電線10の取り外しが行われていたが、作業者による手作業によって、端子付き電線10の取り外しが行われてもよい。なお、本発明の端子付き電線10は、解体以外の目的で、例えば、手作業等による取り外し作業中において、破断されない程度の強度を備えている。
10,40…端子付き電線
11…芯線(導体)
12…絶縁被覆
13…電線
14…素線
20…端子
21,41,51…第1端子部
22…延出部
23…ワイヤーバレル部
24…インシュレーションバレル部
25…被係止部
26…第2端子部
28…積層部
29…補助圧着部
30…抜け止め孔
30A…孔縁
32…低圧縮部
33…高圧縮部
42…第1端子部の末端
52…第1端子部の端末

Claims (4)

  1. 芯線を備えた電線と、
    前記電線の端末から露出する前記芯線に接続された端子と、を備え、
    前記端子は、
    前記芯線に圧着されるワイヤーバレル部および前記ワイヤーバレル部から延出された延出部を有する第1端子部と、
    相手側部材と接続される接続部と、前記延出部の上に重ねられた積層部と、前記積層部から前記ワイヤーバレル部に向けて延出された形をなしており、前記ワイヤーバレル部及び前記芯線の間に挟まれた状態で前記芯線に圧着された補助圧着部と、前記第1端子部の一端部を受け入れた状態としており、前記一端部を抜け止めする抜け止め孔と、を有する第2端子部と、を備え、
    前記電線に力が加えられたときに、前記抜け止め孔の孔縁が破断することにより、前記第1端子部の前記抜け止め孔における抜け止め状態が解除されるようになっている端子付き電線。
  2. 前記芯線は前記ワイヤーバレル部のみにより圧着された低圧縮部と前記ワイヤーバレル部および前記補助圧着部の双方により圧着されて、前記低圧縮部よりも高圧縮された高圧縮部とを備える請求項1に記載の端子付き電線。
  3. 前記芯線は金属製の複数の素線を備え、
    {(圧縮後の導体の断面積)/(圧縮前の導体の断面積)}×100(%)で定義された圧縮率について、前記低圧縮部の圧縮率は50%よりも大きく設定されており、前記高圧縮部の圧縮率は50%よりも小さく設定されている、請求項2に記載の端子付き電線。
  4. 芯線を備えた電線の端末から露出する前記芯線に圧着されるワイヤーバレル部および前記ワイヤーバレル部から延出された延出部を有する第1端子部と、
    相手側部材と接続される接続部と、前記延出部の上に重ねられた積層部と、前記積層部から前記ワイヤーバレル部に向けて延出された形をなしており、前記ワイヤーバレル部及び前記芯線の間に挟まれた状態で前記芯線に圧着された補助圧着部と、前記第1端子部の一端部を受け入れた状態としており、前記一端部を抜け止めする抜け止め孔と、を有する第2端子部と、を備え、
    前記電線に力が加えられたときに、前記抜け止め孔の孔縁が破断することにより、前記第1端子部の前記抜け止め孔における抜け止め状態が解除されるようになっている端子。
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