JP5814857B2 - 耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性に優れた溶射皮膜 - Google Patents

耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性に優れた溶射皮膜 Download PDF

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Description

本発明は、例えば石灰・石膏法が適用される排煙脱硫装置の構成部材のように、十分な耐久性が要求される部材表面に形成される溶射皮膜に関するものであり、特にスラリー摩耗およびキャビテーションによる壊食、等に対する耐久性を改善した溶射皮膜に関するものである。
土砂などを含む流体(スラリー)を扱うポンプ等では、流体と接触する構成部材、例えばケーシングやポンプ部材(羽根部材、流体供給口部材、流体吐出口部材も含む)等においては、耐スラリー摩耗性に優れた部材が要求される。このスラリー摩耗は、流体や固体粒子が直接衝突することによって発生する摩耗である。従来では、耐スラリー摩耗性が要求される環境ではあるが、腐食環境でもあるから、一般的に耐食性に優れたものが選ばれ、例えばステンレス鋼が汎用されてきた。しかしながら、ステンレス鋼では、必ずしも耐スラリー摩耗性が優れているとはいえず、更なる特性改善が望まれているのが実状である。
耐スラリー摩耗性を改善する手段として、溶射法によって基材表面に硬質皮膜(溶射皮膜)を形成する方法が採用されている。この溶射法は、金属、セラミックス、サーメット(金属とセラミックスの混合)などの粉末を、プラズマ炎や可燃性ガスの燃焼炎によって溶融させつつ、基材表面へ高速で吹き付けることによって、溶融した粒子を基材表面に堆積させ、これを皮膜化させる技術である。
耐スラリー摩耗性は、スラリー中の固体粒子による摩耗であるため、セラミックス等の硬質粒子の添加が特性向上に有効である。そのために、耐スラリー摩耗用皮膜は、硬質粒子と、バインダーとなる金属の混合した組織が適用される。
上記のような溶射法によって形成される溶射皮膜では、耐スラリー摩耗性に優れたものとなり、土砂などを含む流体(スラリー)を扱うポンプ等に適用されて、ある程度の効果を発揮している。但し、中長期の連続使用により溶射皮膜の剥離が発生するなど、更なる特性改善が要求されている。こうした溶射皮膜としては、例えば特許文献1には、「Cr,W,Si,Alの炭化物および酸化物系セラミックスが少なくとも重量%で70〜90%とNi,Cr,Coの1種以上の金属ならびに合金が重量%で10〜30%を含み、ビッカース硬さが900以上であり、30〜500μmの厚さで形成される溶射層」が提案されている。こうした溶射層(溶射皮膜)では、基本的に耐スラリー摩耗性が良好なものとなるが、その成分組成によっては希望する特性が発揮できないことがある。
上記のような通常の流体(スラリー)を扱うポンプ部材等では、上記した従来技術でも、その特性が十分に発揮される場合がある。しかしながら、一層厳しいスラリー摩耗環境、例えば石灰・石膏法が適用される排煙脱硫装置の構成部材のような場合には、耐スラリー摩耗性が更に改善されることが必要となる。
また、排煙脱硫装置が使用される環境下では、その構成部材には、上記耐スラリー摩耗性の他に、キャビテーションによる壊食に対する耐久性にも優れていることが要求される。このキャビテーションによる壊食は、流体の圧力変動による気泡消滅時の衝撃によって発生するものであるが、上記のような環境下では、特に耐キャビテーション壊食性が良好であることが要求される。
耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性の両特性を改善する技術として、特許文献2のような技術も提案されている。この技術では、「ステンレス鋼からなるポンプ部材の母材表面に、Cr、Moを含有し、Si、Bのうち少なくとも1種を含有し、残りがNiと不可避不純物からなるNi−Cr−Mo系合金、または、残りがCoと不可避不純物からなるCo−Cr−Mo系合金を被覆した第1の皮膜と、Cr、Mo、Ni、Fe、Si、Cを含有し、残りがCoと不可避不純物からなるCo基合金からなる硬質材料を被覆した第2の皮膜を備えた被覆部材。」について提案されている。
この技術は、耐キャビテーション壊食性の特性向上のために、合金を溶接肉盛り法等の冶金的結合を有する被覆法を適用しており、添加されている硬質粒子は多くない。従って、土砂などを含む流体のように通常の流体を扱う場合には、その効果が有効に発揮されるが、石灰・石膏法が適用される排煙脱硫装置の構成部材のように、これまでよりも更に高い耐スラリー摩耗性が要求される場合には、その効果が十分に発揮されないものとなる。
一方、溶射皮膜の耐食性を更に向上させるための技術としては、炭素と水素を主成分とするアモルファス状膜が被覆された溶射皮膜が提案されている。このような技術として、例えば特許文献3には、「高エネルギー照射処理によって生成した2次再結晶層を有する溶射皮膜の開気孔部が、90〜55原子%の炭素を含有し、10〜45原子%の水素を含有するアモルファス状炭素水素固形物によって充填され、且つ該溶射皮膜表面には、0.5〜80μmの膜厚の、硬さ(Hv)が700〜2800の特性を有する該アモルファス状炭素水素固形物の膜が被覆された耐食性溶射皮膜。」が開示されている。この技術では、溶射皮膜表面をアモルファス状炭素水素固形物によって封孔および保護することによって、溶射皮膜の耐食性を向上させるものである。
この技術では、硬質のアモルファス状膜(アモルファス状炭素水素固形物)によって溶射皮膜表面を被覆することにより、溶射皮膜の耐久性を格段に向上させることができる。しかしながら、キャビテーション等の衝撃により、アモルファス状膜に亀裂等の損傷が生じた場合のように、下地となる溶射皮膜まで腐食性の液体が浸透する状態になると、下地の溶射皮膜表面が腐食してアモルファス状膜が脱落することがあり、その溶射皮膜自体の基本的な特性改善が必要となる。
特開平10−47224号公報 特許第3886394号公報 特許第4327177号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、排煙脱硫装置が使用されるような過酷な環境下であっても、優れた耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性の両特性を発揮することのできる溶射皮膜を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明の溶射皮膜とは、WCを硬質相とするWC系の溶射皮膜であって、Co:8〜19%(質量%の意味、以下同じ)およびCr:2〜8%を夫々含有し、残部が実質的にWCおよび不可避不純物からなり、且つCoの含有量を[Co]、Crの含有量を[Cr]と表したとき、これらが下記(1)式および(2)式の関係を満足する点に要旨を有する。
2×[Co]≧11×[Cr]−50 …(1)
6×[Co]≦7×[Cr]+58 …(2)
本発明の溶射皮膜においては、Coの含有量[Co]とCrの含有量[Cr]が、下記(3)式および(4)式の関係を満足するものであることが好ましい。
2×[Co]≧−[Cr]+22 …(3)
2×[Co]−3×[Cr]+30 …(4)
また、本発明の溶射皮膜は、(a)厚さが0.1mm以上、1mm以下であること、(b)溶射皮膜硬さがビッカース硬度Hvで900以上であること、(c)溶射皮膜の表面粗さが算術平均粗さRaで2μm以下であること、等の要件を満足することが好ましい。
一方、本発明の溶射皮膜の表面に、炭素と水素を主成分とするアモルファス状膜を被覆することも有用であり、こうした皮膜を被覆することによって、溶射皮膜の耐久性を更に向上させることができる。また、アモルファス状膜を被覆するときには、その厚さは5μm以上、80μm以下であることが好ましい。
本発明の溶射皮膜は、排煙脱硫装置の構成部材における腐食性液体の接触部表面に形成されるものとして極めて有用である。
本発明では、溶射皮膜の成分組成をWC−Co−Cr系とすると共に、Co含有量とCr含有量の関係を適切に規定することによって、耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性の両特性が極めて優れたものとなり、このような溶射皮膜を形成した部材は、排煙脱硫装置の構成部材として極めて有用である。
アモルファス状膜を形成するときに用いるプラズマCVD処理装置の概略説明図である。 耐スラリー摩耗性試験を実施するための隙間噴流試験装置の概略説明図である。 Co含有量[Co]とCr含有量[Cr]の関係が溶射皮膜の特性に与える影響を示すグラフである。 成分組成の異なる各溶射皮膜の特性を比較して示した棒グラフである。
本発明者らは、前記課題を解決するために、様々な角度から検討を重ねた。その結果、タングステンカーバイト(WC)の硬質粒子(硬質相)に対して、有効なバインダー金属成分としてCoを見出し、溶射皮膜の成分組成をWC−Co−Cr系とすると共に、Co含有量とCr含有量の関係を適切に規定すれば、耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性の両特性が極めて優れたものとなることを見出し、本発明を完成した。
本発明の溶射皮膜の基本的な成分組成として、WCを硬質相とする化学成分において、バインダー金属としてCo:8〜19%およびCr:2〜8%を夫々含有するものとする必要がある。この基本的な成分組成を満足することによって、溶射皮膜としての耐食性や靭性が満足されることになる。これらの基本成分の範囲限定理由は下記の通りである。
[Co:8〜19%]
CoとCrはいずれも、硬質で脆性を示すWC粒子を接着するバインダー金属としての機能を発揮するが、特にCoは延性に優れているため溶射皮膜の靭性を確保する上で重要な成分である。溶射皮膜の靭性が低下した場合には、使用中の応力によって皮膜に割れが生じるばかりでなく、皮膜形成中の熱応力で皮膜割れや皮膜剥離が生じやすくなる。こうした観点から、Coは8%以上含有させる必要があり、好ましくは10%以上である。しかしながら、Co含有量が過剰になって19%を超えると、相対的にWC相(硬質相)が少なくなり、耐スラリー摩耗性が低下することになる。Co含有量は、好ましくは17%以下である。
[Cr:2〜8%]
Crは、WC粒子を接着するバインダー金属としての機能を発揮する他、水溶液腐食環境下で不動態皮膜を形成することによって、金属バインダー相の耐食性を高める効果を発揮する。こうした効果を発揮させるためには、Cr含有量は2%以上とする必要があり、好ましくは3%以上である。しかしながら、Cr含有量が過剰になって8%を超えると、バインダーの靭性低下により耐キャビテーション壊食性が低下、または相対的なWC量の低下により耐スラリー摩耗性が低下することになる。Cr含有量は、好ましくは7%以下である。
本発明の溶射皮膜において、上記成分以外(残部)は、実質的にWCおよび不可避不純物である。ここで「実質的に」とは、WC以外にも少量のWを含んでいても良いことを意味し、また不可避不純物としては、微量のNi,Fe,Si,B等を含んでいてもよい。
本発明の溶射皮膜は、上記のような基本成分を満足するだけでは、その効果を発揮させることができず、Coの含有量を[Co]、Crの含有量を[Cr]としたとき、これらが下記(1)式および(2)式の関係を満足することも必要である。即ち、Coの含有量[Co]とCrの含有量[Cr]が所定の関係式を満足したときに、耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性の両特性が優れたものとなる。
2×[Co]≧11×[Cr]−50 …(1)
6×[Co]≦7×[Cr]+58 …(2)
Coの含有量[Co]とCrの含有量[Cr]は、下記(3)式および(4)式の関係を満足するものであることが好ましく、これによって特性が更に改善されるものとなる。
2×[Co]≧−[Cr]+22 …(3)
2×[Co]−3×[Cr]+30 …(4)
溶射皮膜による効果を有効に発揮させるためには、その厚さは0.1mm以上、1mm以下であることが好ましい。即ち、溶射皮膜の厚さが0.1mm未満では、皮膜が早期に損耗し、溶射皮膜を形成することによる効果が発揮されにくくなる。また、溶射皮膜の厚さが厚くなればなるほど、その効果は増大するが、1mmを超えるような皮膜では、その効果が飽和するばかりか、その形成に要するコストが高くなる。溶射皮膜の厚さは、より好ましくは0.2mm以上、0.8mm以下である。
本発明の溶射皮膜は、その硬さがビッカース硬度Hvで900以上のものが得られる。これは、石灰・石膏法が適用される排煙脱硫装置でのスラリー中に含まれる石膏(Hvで60程度)や長石(Hvで700程度)よりも高い硬度を示し、最も硬い珪砂(Hvで1000程度)と同等かそれ以上の硬度を示すものを用いることが一層望ましい。これによって、溶射皮膜の耐スラリー摩耗性が格段に優れたものとなる。皮膜硬さは、ビッカース硬度Hvで1000以上がより好ましく、更に好ましくは1100以上である。
本発明の溶射皮膜における表面粗さは、溶射粒子の大きさや溶射条件によっても異なるが、溶射状態(溶射されたままの状態:アズ・スプレイ)で、算術平均粗さRa(以下、単に「Ra」と呼ぶ)で3〜6μm程度のものとなる。この表面粗さは、異物の衝突時に抵抗となり摩耗し易くなるため、表面粗さが粗いほど耐スラリー摩耗性が低下する。この表面粗さは、流体中において抵抗となり、ポンプの部材においては、粗いほど性能低下に影響する。こうした観点から、溶射皮膜における表面粗さは、研磨等によってRaで2μm以下に調整することが好ましく、より好ましくは1μm以下である。
本発明の溶射皮膜を形成するには、高速フレーム溶射法(コールド・スプレイ、ウォーム・スプレイを含む)を採用することが好ましい。この高速フレーム溶射法は、酸素または空気と、可燃性ガスまたは液体燃料(灯油など)との燃料炎を用いて、粉末溶射材料を加熱および加速し、施工面(溶射皮膜形成面)に溶射粒子を堆積させる方法である。この方法の特徴は、溶射ガン内部で燃料を高圧高温で燃焼させることによって、高速のガスジェットを形成し、ガン内部に供給した粉末粒子を音速以上に加速することによって、緻密で高強度の溶射皮膜の形成が可能である。好ましい粒子飛行速度は500〜2000m/秒である。粒子飛行速度が大きくなり過ぎると、衝突した粒子によるエロージョン量が多くなり、皮膜形成速度が低下するため効率的ではない。
好ましい粒子加熱温度は、粒子が軟化または部分的に溶融する温度であり、本発明の材料においては、Wを固溶するCoの融点が1200℃程度であることから、900〜2000℃程度となる。粉末粒子を2000℃よりも高い温度に加熱すると、硬質粒子であるタングステンカーバイト(WC)等が、脱炭および金属相との複合炭化物化現象が生じて、減少する傾向を示すため、耐スラリー摩耗性の改善に不利となる。加熱温度が900℃未満となると、材料付着率の低下および衝突した粒子によるエロージョンによって皮膜形成速度が著しく低下するため効率的ではない。
本発明の溶射皮膜は、他の溶射方法でも形成可能であるが、プラズマ溶射等のように、5000℃を超えるフレームの溶射では、粉末粒子の温度を2000℃程度に管理することが難しく高温となりやすい。そのため、タングステンカーバイト(WC)等の硬質粒子が減少し、耐スラリー摩耗性の改善に不利となる。また、通常のフレーム溶射では、ガスジェットの速度が音速程度となり、粉末粒子の飛行速度が小さいため、堆積する粒子の密着性が小さく、皮膜強度が低下し、耐キャビテーション壊食性の改善に不利となる。
但し、高速フレーム溶射よりもガスジェットの温度が低いとされるコールド・スプレイやウォーム・スプレイであっても、粒子温度および飛行速度を好ましい範囲に設定すれば、同様の溶射皮膜の形成は可能である。
上記のような本発明の溶射皮膜が形成される素材(基材)については、ステンレス鋼(SUS304、SUS630等)が代表的なものとして挙げられるが、これに限らず、例えば一般構造用鋼、銅合金、アルミニウム合金等でも、適用可能である。また本発明の溶射皮膜は、排煙脱硫装置の二相ステンレス鋼部材の表面に形成されるものとして、極めて有用である。
本発明の溶射皮膜による効果は、そのままの状態でも有効に発揮されるが、必要によって溶射皮膜表面に、炭素と水素を主成分とするアモルファス状膜を被覆することも有効である。このアモルファス状膜(アモルファス状炭素水素固形物)は、前記特許文献3で提案されている皮膜と同じものである。こうしたアモルファス状膜で、溶射皮膜表面を被覆することによって、溶射皮膜の耐久性を格段に向上させることができる。
図1は、アモルファス状膜を溶射皮膜表面に被覆するときに用いる装置(以下、「プラズマCVD処理装置」と呼ぶ)の概略説明図である。この装置によって、アモルファス状炭素水素固形物微粒子を溶射皮膜の気孔中に充填すると共に、溶射皮膜の表面に被覆する。このプラズマCVD処理装置は、主として、接地(アース線8)された反応容器1と、この反応容器1内の所定の位置に配置される被処理溶射皮膜2と、これに接続されている導体3とを備えており、この反応容器1内に成膜用の有機系ガス導入装置(図示せず)や反応容器1内を真空引きする真空装置(図示せず)等を介して、高電圧パルスを印加するための高電圧パルス発生電源を備えている。
また、プラズマCVD処理装置は、被処理溶射皮膜2の周囲に炭化水素ガスプラズマを発生させるためのプラズマ発生用電源5が配置されている他、前記導体3および被処理溶射皮膜2に、高電圧パルスおよび高周波電圧の両方を同時に印加するために、高電圧パルス発生電源4およびプラズマ発生用電源5との間に重畳装置6が介装設置されている。尚、ガス装入装置および真空装置は、夫々バルブ7aと7bを介して反応容器1に接続され、導体3は高電圧導入部9を介して重畳装置6に接続されている。
このような装置を用いて、溶射皮膜(被処理溶射皮膜2)の表面に、アモルファス状膜を被覆するにあたっては、被処理溶射皮膜2を反応容器1内の所定位置に設置し、真空装置を稼働させて反応容器1内の空気を排出して脱気した後、ガス導入装置によって有機系ガスを反応容器1内に導入する。次いで、プラズマ発生用電源5からの高周波電力を被処理溶射皮膜2に印加する。反応容器1は、アース線8によって電気的に中性状態にあるため、被処理溶射皮膜2は、相対的に負の電位を有することになる。このため、印加によって発生する導入ガスのプラズマ中のプラスイオンは、負に帯電した被処理溶射皮膜2の周りに発生することになる。
そして、高電圧パルス発生電源4からの高電圧パルス(負の高電圧パルス)を被処理溶射皮膜2に印加すると、炭化水素系ガスプラズマ中のプラスイオンが溶射皮膜の表面に誘引吸着される。このような処理によって、溶射皮膜表面には、アモルファス状炭素水素固形物の微粒子が充填され、また表面に膜状に成長して保護膜を形成する。
本発明では、成膜用の炭化水素系ガス中のC/H比を小さくすること、即ち、アモルファス状炭素水素固形物層中の水素含有量を多くすることによって、生成した皮膜の剥離も起りにくくなる。このように、水素含有量を多くしたアモルファス状炭素水素固形物の皮膜(アモルファス状膜)は、ビッカース硬さHvで700〜2800の特性を示すようになり、これは一般のDLC膜(ダイヤモンドライクカーボン)に比較すると、極めて低い物性値と言えるものである。しかも、得られる皮膜の内部応力値も小さいため、最高膜厚で80μmのアモルファス状炭素水素固形物層の形成も可能である。このような理由から、アモルファス状炭素水素固形物層は、炭素含有量:90〜55原子%、水素含有量:10〜45原子%とすることが好ましい。より好ましくは、炭素含有量:85〜62原子%、水素含有量:15〜38原子%である。尚、このようなアモルファス状膜を形成するときの厚さは、少なくとも5μmであることが好ましい。即ち、アモルファス状膜の厚さが5μm未満では早期に摩耗するだけでなく、固体粒子の衝突やキャビテーションの衝撃が下地の溶射皮膜に伝播し、下地の変形によりアモルファス状皮膜が剥離し、効果が発揮されにくくなる。アモルファス状膜の厚さは、より好ましくは10μm以上、70μm以下である。
上記のようなアモルファス状膜を形成する際には、耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性(特に、耐スラリー摩耗性)を改善する観点からすれば、その表面粗さもできるだけ微細(例えば、Raで2μm以下)にすることが好ましい。このような表面性状を得るには、上記した装置の製造原理からして、その下地となる溶射皮膜の表面粗さが微細となるように調整すれば良い。これによって、溶射皮膜の表面粗さが反映されてアモルファス状膜の表面性状が微細なものとなる。尚、このアモルファス状膜は、下地となる溶射皮膜と馴染み性が良好なものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
下記の溶射条件にて、各種化学成分の溶射皮膜を基材上に厚さ500μmで形成した。溶射粉末としては、粒径が8μm以下のタングステンカーバイト(WC)粒子と、金属相となるCo基合金粒子(Cr等の合金元素を含む)を造粒焼結し、造粒した粒径が10〜53μmとなる様に粒度調整した。また溶射粉末は、金属配合比の異なる粉末を混合することで、目標の金属配合比となる様に調整した。
[溶射条件]
溶射法:高速フレーム溶射法
燃焼条件:灯油および酸素の燃焼
基材:ステンレス鋼(SUS304)
溶射粉末粒径:10〜53μm
形成した各種溶射皮膜について、下記の試験方法で耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性を評価した。
[耐スラリー摩耗性の試験方法]
耐スラリー摩耗性の試験は、隙間噴流試験装置を用いて実施した。このとき用いた装置の概略を図2に示す。この装置は、噴流ポンプと巻き上げポンプとの組み合わせによって、スラリー流動層を形成しつつ、スラリーの噴流を試験片に噴射し、試験片にスラリー摩耗を発生させることを基本的な原理としている。耐スラリー摩耗性の試験結果は、排煙脱硫装置のポンプ翼によく使用されているWC−20Cr−7Niの成分組成の溶射皮膜(後記表1の試験No.1)を基準試験片とし、各溶射皮膜試験片当たりの単位時間当たりの質量減少量(スラリー摩耗速度)を、基準試験片における単位時間当たりの質量減少量を1.00としたときの相対値で示した。尚、図2に示した装置構成では、図面に表れていないが、噴流は4つに分岐され、同時に4つの試験片の摩耗評価が行なえるように構成されている。
この試験における他の条件は、下記の通りである。尚、試験片の表面粗さはRaで3〜6μmの状態(アズ・スプレイ)とした。また耐スラリー摩耗性は、隙間噴流試験の結果において、1.00以上を×(従来と同等か劣る)、1.00未満のときを○(良好)、更に0.7以下のときを◎(優れる)で評価した(下記表2)。
[試験条件]
試験片:直径18mm(円盤状)
噴流ポンプ流量:550L/時(4つに分岐)
巻き上げポンプ流量:800L/時
固体粒子:天然珪砂(粒径250〜355μm)
試験液:水道水
試験時間:3時間
[耐キャビテーション壊食性の試験方法]
耐キャビテーション壊食性の試験は、対向形振動法(JIS R1646に準拠)によって、専用の治具で固定した試験片に対して、イオン交換水中で実施した。耐キャビテーション壊食性の試験結果は、WC−20Cr−7Niの成分組成の溶射皮膜(後記表1の試験No.1)を基準試験片とし、各溶射皮膜試験片の単位時間当たりの質量減少量(キャビテーション壊食速度)を、基準試験片における単位時間当たりの質量減少量を1.00としたときの相対値で示した。この試験における他の条件は、下記の通りである。尚、試験片の表面粗さは、研磨仕上げによってRaで1μm以下に調整した。また耐キャビテーション壊食性は、耐スラリー摩耗性のときと同様に評価した(下記表2)。
[試験条件]
試験片:直径18mm(円盤状)
周波数:18kHz
ホーン先端径:直径16mm
振幅 :30μm
試験片〜ホーン間距離:0.4mm
試験液:イオン交換水(室温:25℃)
試験時間:8時間
各溶射皮膜の成分組成を、CoおよびCrの含有量の適否、および前記(1)式、(2)式の適否と共に、下記表1に示す。また試験結果を、下記表2に示す。尚、下記表2には、皮膜断面に対して300gfの荷重で測定したビッカース硬さHvについても示した。また、試験No.1、2、4、7のものについては、下記の方法で測定した浸漬電位(腐食電位)および電流密度についても示した(下記表2)。
[浸漬電位の測定方法]
浸漬電位およびアノード分極測定は、40℃の実機排煙脱硫装置のスラリー溶液で測定した。測定には、参照電極として飽和KCl銀・塩化銀電極、対極として白金電極を用いた。試料電極は、エポキシおよびシリコーンシーラントで表面積を1cm2(10mm×10mm)に調整した。浸漬電位は、20時間後の自然電位とした。アノード分極測定は、浸漬電位測定後、アノード方向へ掃印速度20mV/minで行った。
[電流密度の測定方法]
電流密度(腐食電流密度)は、実機における腐食因子を考慮して、0.1Vの電位増分と等価とし、アノード分極曲線で自然電位からアノード方向へ0.1V上昇した時の電流密度とした。
Figure 0005814857
Figure 0005814857
表1、2の結果に基づき、Co含有量[Co]とCrの含有量[Cr]の関係が溶射皮膜の特性に与える影響を図3に示す。また、成分組成の異なる各溶射皮膜の特性(耐スラリー摩耗速度およびキャビテーション壊食速度を便宜上「エロージョン速度」と呼ぶ)を比較して図4(棒グラフ)に示す。尚、図3において、●印で示したポイントは、耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性の少なくともいずれかの特性が劣化した成分組成を示しており、○印で示したポイントは、耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性の両特性が優れている成分組成を示している。また、図3に示したラインA、B、C、Dは、下記(1a)式、(2a)式、(3a)式および(4a)式で夫々表されるものであり、これらの結果に基づいて、前記(1)〜(4)式の関係を導いたものである。
2×[Co]=11×[Cr]−50 …(1a)
6×[Co]=7×[Cr]+58 …(2a)
2×[Co]=−[Cr]+22 …(3a)
2×[Co]=−3×[Cr]+30 …(4a)
これらの結果から、次のように考察できる。溶射皮膜の成分組成をWC−Co−Cr系とすると共に、Co含有量とCr含有量の関係を、(1)式および(2)式を満足するように[好ましくは更に(3)式および(4)式の関係をも満足するように]適切に規定することによって、耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性の両特性が極めて優れたものとなることが分かる。また、浸漬電位や電流密度は、耐食性の指標となるものであり、これらの値が増大するにつれて、耐食性が低下するが、耐食性が若干低下しても、それほど問題のない範囲となっている。更に、浸漬電位や電流密度と、耐スラリー摩耗性や耐キャビテーション壊食性とは、明瞭な相関関係がないことも明らかである。
[実施例2]
表1に示したWC−10Co−4Cr皮膜の表面に、図1示した装置を用い、下記の条件にて炭素と水素を主成分とするアモルファス状膜を形成し、実施例1と同様にして、耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性を評価した(但し、体積摩耗量で評価)。このとき、アモルファス状膜を形成する下地となる溶射皮膜表面は、いずれもRaで1μm以下に研磨仕上げした。また、耐スラリー摩耗性については、摩耗量が少なかったために、試験時間は7時間とした。
[アモルファス状膜の形成条件]
直径18mmの片端面に、WC−10Co−4Cr溶射皮膜を厚さ600μmで形成し、♯400のダイヤモンド砥石を用いて機械研削にて溶射皮膜を、表面粗さをRaで0.4〜0.6μm、膜厚500μmに加工した。その後、脱脂のために、アルカリ性の洗浄液にて超音波洗浄を行い、アモルファス状膜を形成した。アモルファス状膜は、水素含有量を13〜22原子%に調整し、20〜30μmの厚さに形成した。
その結果、アモルファス状膜における耐スラリー摩耗性(スラリー摩耗速度)は、体積摩耗速度で比較すると基準試験片の1.00に対し0.25となり、約1/4の摩耗速度であった。即ち、溶射皮膜表面にアモルファス状膜を形成することによって、耐スラリー摩耗性の向上に大きな効果が得られることが分かる。これに対し、耐キャビテーション壊食性の向上は、それほど期待できない結果であった(溶射皮膜より劣る)。また、アモルファス状膜を形成した場合の電流密度は、0.02μA/cm2で1/100程度となり、アモルファス状膜により耐食性が大幅に向上していることが分かる。
実機においてはスラリーの流れによって、必ずしもキャビテーション壊食とスラリー摩耗が同程度で発生するとは限らないため、キャビテーション壊食が軽微でスラリー摩耗の激しい部分では、アモルファス状膜の形成が非常に有効なものとなる。
1 反応容器
2 被処理溶射皮膜
3 導体
4 高電圧パルス発生電源
5 プラズマ発生用電源
6 重畳装置
7a,7b バルブ
9 高電圧導入部
A〜D ライン

Claims (6)

  1. WCを硬質相とするWC系の溶射皮膜であって、Co:8〜19%(質量%の意味、以下同じ)およびCr:2〜8%を夫々含有し、残部が実質的にWCおよび不可避不純物からなり、且つCoの含有量を[Co]、Crの含有量を[Cr]と表したとき、これらが下記(1)式および(2)式の関係を満足すると共に、前記溶射皮膜の表面に、炭素と水素を主成分とするアモルファス状膜が被覆され、前記アモルファス状膜の厚さが10μm以上、80μm以下であることを特徴とする耐スラリー摩耗性および耐キャビテーション壊食性に優れた溶射皮膜。
    2×[Co]≧11×[Cr]−50 …(1)
    6×[Co]≦7×[Cr]+58 …(2)
  2. Coの含有量[Co]とCrの含有量[Cr]が、下記(3)式および(4)式の関係を満足するものである請求項1に記載の溶射皮膜。
    2×[Co]≧−[Cr]+22 …(3)
    2×[Co]≧−3×[Cr]+30 …(4)
  3. 厚さが0.1mm以上、1mm以下である請求項1または2に記載の溶射皮膜。
  4. 溶射皮膜硬さがビッカース硬度Hvで900以上である請求項1〜3のいずれかに記載の溶射皮膜。
  5. 溶射皮膜の表面粗さが算術平均粗さRaで2μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の溶射皮膜。
  6. 排煙脱硫装置の構成部材の表面に形成されるものである請求項1〜のいずれかに記載の溶射皮膜。
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