JP5812415B2 - 親水化グラファイト材料およびその製造方法 - Google Patents

親水化グラファイト材料およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、親水化グラファイト材料、その製造方法、およびそれを含有するグラファイト分散液に関する。
黒鉛粒子は、耐熱性、耐薬品性、機械的強度、熱伝導性、導電性に優れ、潤滑性を有し、軽量であるなど、様々な優れた特性を有するものであり、各種分野においては黒鉛粒子を樹脂中に分散させて樹脂成形品などにこれらの特性を付与している。しかしながら、黒鉛粒子は凝集しやすく、溶媒との親和性も低いため、溶媒中には凝集した状態で分散される。特に、黒鉛粒子は水との親和性が低く、水や水を主成分とする混合溶媒に高度に分散させることは非常に困難であった。また、このように凝集した状態の黒鉛粒子を溶媒中に分散させると前記特性が十分に発現しない傾向があった。
このため、従来から、溶媒中に黒鉛粒子を高度に分散させるために、様々な黒鉛粒子の微細化方法が提案されている。例えば、特開2005−53773号公報(特許文献1)には、黒鉛を酸化して得られる薄膜状の酸化黒鉛粒子と特定の分散媒とを含有する薄膜状粒子の分散液が開示されており、前記薄膜状酸化黒鉛粒子の調製直後において、薄膜状酸化黒鉛粒子の水分散液が得られている。
また、特開2009−242209号公報(特許文献2)には、グラファイトに酸化処理を施して得られる表面酸化グラファイトの表面のカチオンとカチオン性有機化合物とをイオン交換してグラファイトを有機化する方法が開示されており、前記表面酸化グラファイトの調製直後において、表面酸化グラファイトの水分散液が得られている。
しかしながら、酸化により微細化された黒鉛粒子の特性は、原料として用いた黒鉛粒子の特性に比べて低下する傾向にあり、このような微細化黒鉛粒子には、黒鉛本来の特性を十分に発現させるという点で、未だ改良の余地があった。
特開2005−53773号公報 特開2009−242209号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、水中または水を主成分とする混合溶媒中に高度に分散させることが可能であり、酸化により微細化された黒鉛粒子に比べて優れた特性を有するグラファイト材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、黒鉛粒子、特定の芳香族ビニル共重合体、過酸化水素化物を混合して粉砕処理を施すことによって得られる微細化黒鉛粒子に、官能基を有する置換アニリンを付加反応させ、さらに、この付加反応によって得られた前記官能基を有する微細化黒鉛粒子にポリ塩基またはポリ酸を反応させることによって、水中または水を主成分とする混合溶媒中に高度に分散させることができ、しかも分散安定性に優れており、さらに、酸化により微細化された黒鉛粒子に比べて優れた導電性および熱伝導性を示すグラファイト材料を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の親水化グラファイト材料は、板状黒鉛粒子と、該板状黒鉛粒子に吸着した、下記式(1):
−(CH−CHX)− (1)
(式(1)中、Xはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはピレニル基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
で表されるビニル芳香族モノマー単位を含有する芳香族ビニル共重合体とを備える微細化黒鉛粒子、
前記板状黒鉛粒子の表面に結合している芳香族環、および
前記芳香族環に2価以上の連結基を介して結合している、ポリ塩基またはポリ酸の残基
を備えていることを特徴とするものである。
本発明の親水化グラファイト材料において、前記連結基としては、前記芳香族環に結合した官能基と、前記ポリ塩基または前記ポリ酸中の官能基とが反応して形成されたものが好ましく、(A)前記芳香族環に結合した、第1級〜第3級のアミノ基および水酸基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基と、前記ポリ酸中のカルボキシル基とが反応して形成されたもの、あるいは、(B)前記芳香族環に結合した、カルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基と、前記ポリ塩基中の第1級〜第4級のアミノ基のうちの少なくとも1種とが反応して形成されたものがより好ましく、カルボン酸アミド基、スルホン酸アミド基、リン酸アミド基およびカルボン酸エステル基からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
また、本発明のグラファイト分散液は、水を50質量%以上含有する溶媒と、この溶媒に分散している前記本発明の親水化グラファイト材料とを含有するものである。本発明のグラファイト材料成形体は、前記本発明の親水化グラファイト材料からなるものであり、本発明のグラファイト複合材料は、親水性マトリックスと、この親水性マトリックスに分散している前記本発明の親水化グラファイト材料とを含有するものである。
また、本発明の親水化グラファイト材料の製造方法は、板状黒鉛粒子と、該板状黒鉛粒子に吸着した、下記式(1):
−(CH−CHX)− (1)
(式(1)中、Xはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはピレニル基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
で表されるビニル芳香族モノマー単位を含有する芳香族ビニル共重合体とを備える微細化黒鉛粒子に、官能基を有する芳香族ジアゾニウム塩を付加反応させて、前記板状黒鉛粒子の表面に前記官能基を有する芳香族環を結合させ、前記官能基を有する微細化黒鉛粒子を得る付加工程と、
前記官能基を有する微細化黒鉛粒子とポリ塩基またはポリ酸とを混合して、前記芳香族環に結合した官能基と前記ポリ塩基またはポリ酸の官能基とを反応させ、親水化グラファイト材料を得る親水化工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
本発明の親水化グラファイト材料の製造方法において、前記ポリ酸の官能基がカルボキシル基である場合には、前記芳香族ジアゾニウム塩の官能基が、第1級〜第3級のアミノ基および水酸基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、一方、前記ポリ塩基の官能基が第1級〜第4級のアミノ基のうちの少なくとも1種である場合には、前記芳香族ジアゾニウム塩の官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
なお、本発明の親水化グラファイト材料が水中または水を主成分とする混合溶媒中で優れた分散安定性を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、黒鉛粒子は、水との親和性が低く、水中や水を主成分とする混合溶媒中で凝集しやすいものであるため、水中や水を主成分とする混合溶媒中に高度に分散させることは困難であった。一方、本発明の親水化グラファイト材料においては、微細化された板状の黒鉛粒子に前記芳香族ビニル共重合体が吸着しているため、板状黒鉛粒子間の凝集力が低下する。さらに、この板状黒鉛粒子の表面には、芳香族環と連結基とを介して親水性のポリ塩基またはポリ酸の残基が結合しているため、グラファイト材料は親水性を示し、水中や水を主成分とする混合溶媒中に高度に分散すると推察される。
ここで、「ポリ塩基またはポリ酸の残基」とは、ポリ塩基またはポリ酸の構造中、前記連結基の形成に寄与した官能基を除いた部分を意味する。例えば、アミノ基を有する芳香族環とポリカルボン酸とを反応させた場合には、連結基としてカルボン酸アミド基が形成されるが、「ポリカルボン酸の残基」とは、ポリカルボン酸の構造中、前記カルボン酸アミド基の形成に寄与したカルボキシル基を除いた部分を意味し、「ポリカルボン酸の残基」には、ポリカルボン酸のカルボキシル基以外の部位(例えば、主鎖)だけでなく、未反応のカルボキシル基も含まれる。
また、本発明の親水化グラファイト材料が、酸化により微細化された黒鉛粒子に比べて優れた導電性および熱伝導性を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の親水化グラファイト材料においては、本発明にかかる微細化黒鉛粒子中の板状黒鉛粒子が構造欠陥の少ないもの(ラマンスペクトルにおけるDバンドのピークがほとんど観測されないもの)であるため、グラファイト構造が保持され、黒鉛本来の特性がそのまま発現すると推察される。一方、黒鉛粒子を酸化により微細化する場合、黒鉛粒子の表面だけでなく、内部まで酸化することによって十分に微細化することが可能となる。しかしながら、黒鉛粒子を内部まで酸化すると粒子の微細化とともにグラファイト構造の一部が破壊される傾向にある。このため、酸化により微細化された黒鉛粒子においては、グラファイト構造に起因する特性、例えば、導電性、熱伝導性、機械的強度などの黒鉛本来の特性が低下すると推察される。
本発明によれば、水中または水を主成分とする混合溶媒中に高度に分散させることが可能であり、しかも分散安定性に優れており、さらに、酸化により微細化された黒鉛粒子に比べて優れた導電性および熱伝導性を示す親水化グラファイト材料およびそれを含有するグラファイト材料分散液を得ることが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明にかかる微細化黒鉛粒子について説明する。本発明にかかる微細化黒鉛粒子は、板状黒鉛粒子とこの板状黒鉛粒子に吸着した芳香族ビニル共重合体とを備えるものである。
前記板状黒鉛粒子は、特に制限されず、例えば、グラファイト構造を有する公知の黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛(例えば、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛))をグラファイト構造が破壊されないように粉砕することによって得られるものである。
このような板状黒鉛粒子の厚さとしては特に制限はないが、0.3〜1000nmが好ましく、0.3〜100nmがより好ましく、1〜100nmが特に好ましい。また、板状黒鉛粒子の平面方向の大きさとしては特に制限はないが、例えば、長軸方向の長さ(長径)としては0.1〜500μmが好ましく、1〜500μmがより好ましく、短軸方向の長さ(短径)としては0.1〜500μmが好ましく、0.3〜100μmがより好ましい。
また、本発明にかかる板状黒鉛粒子の表面には、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基などの官能基が結合(より好ましくは共有結合)していることが好ましい。このような官能基は、本発明にかかる芳香族ビニル共重合体との親和性を有するものであり、芳香族ビニル共重合体の板状黒鉛粒子への吸着量が増大して板状黒鉛粒子間の凝集力が低下し、また、親水性マトリックスとの親和性が増大して、水中や水を主成分とする混合溶媒中あるいは親水性マトリックス中での親水化グラファイト材料の凝集をより十分に抑制することが可能となる。また、前記官能基は、ポリ塩基またはポリ酸の官能基と反応して連結基を形成することも可能である。これにより、ポリ塩基またはポリ酸の残基が2価以上の連結基を介して板状黒鉛粒子の表面に結合し、本発明の親水化グラファイト材料を、水中または水を主成分とする混合溶媒中あるいは親水性マトリックス中に、より高度に分散させることが可能となる。
このような官能基は、板状黒鉛粒子の表面近傍(好ましくは、表面から深さ10nmまでの領域)の全炭素原子の50%以下(より好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下)の炭素原子に結合していることが好ましい。官能基が結合している炭素原子の割合が前記上限を超えると、板状黒鉛粒子は、親水性が増大するため、芳香族ビニル共重合体との親和性が低下する傾向にある。また、官能基が結合している炭素原子の割合の下限としては特に制限はないが、0.01%以上が好ましい。なお、水酸基などの前記官能基はX線光電子分光法(XPS)により定量することができ、粒子表面から深さ10nmまでの領域に存在する官能基の量を測定することができる。なお、板状黒鉛粒子の厚さが10nm以下の場合には、板状黒鉛粒子の全領域に存在する官能基の量が測定される。
本発明にかかる芳香族ビニル共重合体は、下記式(1):
−(CH−CHX)− (1)
(式(1)中、Xはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはピレニル基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
で表されるビニル芳香族モノマー単位と他のモノマー単位とを含有するものである。
このような芳香族ビニル共重合体において、前記ビニル芳香族モノマー単位は黒鉛粒子に対する吸着性を示し、他のモノマー単位は黒鉛粒子表面近傍の官能基や親水性マトリックスとの親和性を示す。本発明の親水化グラファイト材料においては、このような芳香族ビニル共重合体が板状黒鉛粒子に吸着しているため、板状黒鉛粒子同士の凝集力が低くなり、また、親水性マトリックスとの親和性が増大し、水中や水を主成分とする混合溶媒中あるいは親水性マトリックス中での親水化グラファイト材料の凝集を抑制することが可能となる。
また、上述したように、ビニル芳香族モノマー単位は黒鉛粒子に吸着しやすいため、ビニル芳香族モノマー単位の含有率が高い共重合体ほど、板状黒鉛粒子への吸着量が増大し、親水化グラファイト材料の凝集が抑制される傾向にある。ビニル芳香族モノマー単位の含有量としては、芳香族ビニル共重合体全体に対して10〜98質量%が好ましく、30〜98質量%がより好ましく、50〜95質量%が特に好ましい。ビニル芳香族モノマー単位の含有量が前記下限未満になると、芳香族ビニル共重合体の板状黒鉛粒子への吸着量が低下し、親水化グラファイト材料の凝集が十分に抑制されない場合がある。ビニル芳香族モノマー単位の含有量が前記上限を超えると、芳香族ビニル共重合体は、黒鉛粒子表面近傍の官能基との親和性が低下するため、板状黒鉛粒子への吸着量が低下し、親水化グラファイト材料の凝集が十分に抑制されない場合がある。また、親水性マトリックスとの親和性が低下して、親水性マトリックス中で凝集しやすくなる傾向にある。
前記式(1)中のXで表される基が有していてもよい置換基としては、アミノ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、水酸基、アミド基、イミノ基、グリシジル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基)、カルボニル基、イミド基、リン酸エステル基などが挙げられ、中でも、親水化グラファイト材料の凝集が十分に抑制されるという観点から、メトキシ基などのアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
このようなビニル芳香族モノマー単位としては、例えば、スチレンモノマー単位、ビニルナフタレンモノマー単位、ビニルアントラセンモノマー単位、ビニルピレンモノマー単位、ビニルアニソールモノマー単位、ビニル安息香酸エステルモノマー単位、アセチルスチレンモノマー単位などが挙げられ、中でも、親水化グラファイト材料の凝集が十分に抑制されるという観点から、スチレンモノマー単位、ビニルナフタレンモノマー単位、ビニルアニソールモノマー単位が好ましい。
本発明にかかる芳香族ビニル共重合体を構成する他のモノマー単位としては特に制限はないが、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルイミダゾール類、ビニルピリジン類、無水マレイン酸およびマレイミド類からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーから誘導されるモノマー単位が好ましい。芳香族ビニル共重合体は、このような他のモノマー単位を含むことによって、黒鉛粒子表面近傍の官能基との親和性が向上し、板状黒鉛粒子への吸着量が増大したり、あるいは親水性マトリックスとの親和性が増大して、親水化グラファイト材料の凝集を十分に抑制することが可能となる。
前記(メタ)アクリレート類としては、アルキル(メタ)アクリレート、置換アルキル(メタ)アクリレート(例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート)などが挙げられる。前記(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
前記ビニルイミダゾール類としては、1−ビニルイミダゾールなどが挙げられる。前記ビニルピリジン類としては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどが挙げられる。前記マレイミド類としては、マレイミド、アルキルマレイミド、アリールマレイミドなどが挙げられる。
このような他のモノマーのうち、親水化グラファイト材料の凝集が十分に抑制されるという観点から、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アリールマレイミドが好ましく、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、2−ビニルピリジン、アリールマレイミドがより好ましく、フェニルマレイミドが特に好ましい。
本発明の親水化グラファイト材料において、前記芳香族ビニル共重合体の数平均分子量としては特に制限はないが、1千〜100万が好ましく、5千〜10万がより好ましい。芳香族ビニル共重合体の数平均分子量が前記下限未満になると、黒鉛粒子に対する吸着能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粘度が著しく上昇して取り扱いが困難になる傾向にある。なお、芳香族ビニル共重合体の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(カラム:Shodex GPC K−805LおよびShodex GPC K−800RL(ともに、昭和電工(株)製)、溶離液:クロロホルム)により測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
また、本発明の親水化グラファイト材料においては、前記芳香族ビニル共重合体としてランダム共重合体を用いても、ブロック共重合体を用いてもよいが、親水化グラファイト材料の凝集が十分に抑制されるという観点から、ブロック共重合体を用いることが好ましい。
本発明の親水化グラファイト材料において、前記芳香族ビニル共重合体の含有量としては、前記板状黒鉛粒子100質量部に対して10−7〜10−1質量部が好ましく、10−5〜10−2質量部がより好ましい。芳香族ビニル共重合体の含有量が前記下限未満になると、板状黒鉛粒子への芳香族ビニル共重合体の吸着が不十分なため、親水化グラファイト材料の凝集が十分に抑制されない場合があり、他方、前記上限を超えると、板状黒鉛粒子に直接吸着していない芳香族ビニル共重合体が存在しやすい傾向にある。
このような板状黒鉛粒子とこれに吸着した芳香族ビニル共重合体とを備える微細化黒鉛粒子は、以下のようにして製造することができる。すなわち、本発明にかかる微細化黒鉛粒子は、原料の黒鉛粒子、前記式(1)で表されるビニル芳香族モノマー単位を含有する芳香族ビニル共重合体、過酸化水素化物、および溶媒を混合し、得られた混合物に粉砕処理を施し、必要に応じて、ろ過などによって溶媒を除去することによって得ることができる。
原料として用いられる黒鉛粒子(以下、「原料黒鉛粒子」という)としては、グラファイト構造を有する公知の黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛(例えば、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛))が挙げられ、中でも、粉砕することによって前記範囲の厚さを有する板状黒鉛粒子となるものが好ましい。このような原料黒鉛粒子の粒子径としては特に制限はないが、0.01〜5mmが好ましく、0.1〜1mmがより好ましい。
また、原料黒鉛粒子を構成する板状黒鉛粒子の表面には、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基などの官能基が結合(好ましくは共有結合)していることが好ましい。前記官能基は、前記芳香族ビニル共重合体との親和性を有するものであり、芳香族ビニル共重合体の板状黒鉛粒子への吸着量が増大して板状黒鉛粒子間の凝集力が低下し、また、親水性マトリックスとの親和性が増大して、親水化グラファイト材料の凝集を抑制することが可能となる。また、前記官能基は、ポリ塩基またはポリ酸の官能基と反応して連結基を形成することも可能である。これにより、ポリ塩基またはポリ酸の残基が2価以上の連結基を介して板状黒鉛粒子の表面に結合し、本発明の親水化グラファイト材料をより高度に分散させることが可能となる。
このような官能基は、板状黒鉛粒子の表面近傍(好ましくは、表面から深さ10nmまでの領域)の全炭素原子の50%以下(より好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下)の炭素原子に結合していることが好ましい。官能基が結合している炭素原子の割合が前記上限を超えると、板状黒鉛粒子は、親水性が増大するため、芳香族ビニル共重合体との親和性が低下する傾向にある。また、官能基が結合している炭素原子の割合の下限としては特に制限はないが、0.01%以上が好ましい。
また、過酸化水素化物としては、カルボニル基を有する化合物(例えば、ウレア、カルボン酸(安息香酸、サリチル酸など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトンなど)、カルボン酸エステル(安息香酸メチル、サリチル酸エチルなど))と過酸化水素との錯体;四級アンモニウム塩、フッ化カリウム、炭酸ルビジウム、リン酸、尿酸などの化合物に過酸化水素が配位したものなどが挙げられる。このような過酸化水素化物は、本発明にかかる微細化黒鉛粒子を製造する際に酸化剤として作用し、原料黒鉛粒子のグラファイト構造を破壊せずに、炭素層間の剥離を容易にするものである。すなわち、過酸化水素化物が炭素層間に侵入して層表面を酸化しながら劈開を進行させ、同時に芳香族ビニル共重合体が劈開した炭素層間に侵入して劈開面を安定化させ、層間剥離が促進される。その結果、板状黒鉛粒子の表面に前記芳香族ビニル共重合体が吸着して、水中や水を主成分とする混合溶媒中あるいは親水性マトリックス中での親水化グラファイト材料の凝集を抑制することが可能となる。
本発明にかかる微細化黒鉛粒子を製造する際に用いられる溶媒としては特に制限はないが、ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピロリドン(NMP)、ヘキサン、トルエン、ジオキサン、プロパノール、γ−ピコリン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAC)が好ましく、ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピロリドン(NMP)、ヘキサン、トルエンがより好ましい。
本発明にかかる微細化黒鉛粒子を製造する場合、先ず、前記原料黒鉛粒子と前記芳香族ビニル共重合体と前記過酸化水素化物と前記溶媒とを混合する(混合工程)。前記原料黒鉛粒子の混合量としては、溶媒1L当たり0.1〜500g/Lが好ましく、10〜200g/Lがより好ましい。原料黒鉛粒子の混合量が前記下限未満になると、溶媒の消費量が増大し、経済的に不利となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると液の粘度が上昇して取り扱いが困難となる傾向にある。
また、前記芳香族ビニル共重合体の混合量としては、前記原料黒鉛粒子100質量部に対して0.1〜1000質量部が好ましく、0.1〜200質量部がより好ましい。芳香族ビニル共重合体の混合量が前記下限未満になると、芳香族ビニル共重合体の板状黒鉛粒子への吸着量が減少し、親水化グラファイト材料の凝集が十分に抑制されない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、芳香族ビニル共重合体が溶媒に溶解しなくなるとともに、液の粘度が上昇して取り扱いが困難となる傾向にある。
また、前記過酸化水素化物の混合量としては、前記原料黒鉛粒子100質量部に対して0.1〜500質量部が好ましく、1〜100質量部がより好ましい。前記過酸化水素化物の混合量が前記下限未満になると、親水化グラファイト材料の凝集が十分に抑制されない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、原料黒鉛粒子が過剰に酸化され、親水化グラファイト材料の導電性および熱伝導性が低下する傾向にある。
次に、前記混合工程で得られた混合物に粉砕処理を施して原料黒鉛粒子を板状黒鉛粒子に粉砕する(粉砕工程)。これにより、生成した板状黒鉛粒子の表面に前記芳香族ビニル共重合体が吸着して、水中や水を主成分とする混合溶媒中あるいは親水性マトリックス中での親水化グラファイト材料の凝集を抑制することが可能となる。
本発明にかかる粉砕処理としては、超音波処理(発振周波数としては15〜400kHzが好ましく、出力としては500W以下が好ましい。)、ボールミルによる処理、湿式粉砕、爆砕、機械式粉砕などが挙げられる。これにより、原料黒鉛粒子のグラファイト構造を破壊させずに原料黒鉛粒子を粉砕して板状黒鉛粒子を得ることが可能となる。また、粉砕処理時の温度としては特に制限はなく、例えば、−20〜100℃が挙げられる。また、粉砕処理時間についても特に制限はなく、例えば、0.01〜50時間が挙げられる。
次に、本発明の親水化グラファイト材料について説明する。本発明の親水化グラファイト材料は、板状黒鉛粒子とこの板状黒鉛粒子に吸着した芳香族ビニル共重合体とを備える前記微細化黒鉛粒子、前記板状黒鉛粒子の表面に結合している芳香族環、および前記芳香族環に2価以上の連結基を介して結合しているポリ塩基またはポリ酸の残基を備えるものである。
本発明にかかる前記芳香族環は、前記微細化黒鉛粒子中の板状黒鉛粒子の表面と前記連結基とに結合している2価以上の芳香族環であり、結合しやすさの観点から、単環が好ましい。また、前記連結基は、この芳香族環とポリ塩基またはポリ酸の残基とに結合している2価以上の基である。
このような本発明の親水化グラファイト材料は、例えば、以下のようにして製造することができる。すなわち、先ず、前記微細化黒鉛粒子に、官能基を有する芳香族ジアゾニウム塩を付加反応させることによって、前記板状黒鉛粒子の表面に前記官能基を有する芳香族環を結合させ、前記官能基を有する微細化黒鉛粒子を得る(付加工程)。次いで、この官能基を有する微細化黒鉛粒子とポリ塩基またはポリ酸とを混合して前記芳香族環に結合した官能基とポリ塩基またはポリ酸の官能基とを反応させ、前記芳香族環とポリ塩基またはポリ酸の残基とを前記連結基を介して結合させることによって、本発明の親水化グラファイト材料を得る(親水化工程)。
具体的には、先ず、官能基を有する置換アニリンと前記微細化黒鉛粒子とを混合し、この混合物にジアゾ化剤を添加することによって、前記付加反応を進行させる。このとき、前記ジアゾ化剤の添加によって、官能基を有する置換アニリンがジアゾ化されて官能基を有する芳香族ジアゾニウム塩が形成され、次いで、この官能基を有する芳香族ジアゾニウム塩が、前記微細化黒鉛粒子中の板状黒鉛粒子の表面に付加することによって、前記官能基を有する芳香族環が前記板状黒鉛粒子の表面に結合され、前記官能基を有する微細化黒鉛粒子が得られる。
前記ジアゾ化剤としては、亜硝酸、亜硝酸エステル(例えば、亜硝酸メチル、亜硝酸イソアミル)、亜硝酸のアルカリ金属塩(例えば、亜硝酸ナトリウム)などが挙げられる。前記付加反応における反応温度としては、0〜100℃が好ましく、反応時間としては1〜24時間が好ましい。また、前記付加反応は、極性溶媒中で行うことが好ましい。この場合、前記官能基を有する微細化黒鉛粒子は、極性溶媒中に分散した状態で得られるが、ろ過などにより前記極性溶媒を除去することによって容易に回収することができる。前記極性溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
次に、このようにして得られる前記官能基を有する微細化黒鉛粒子とポリ塩基またはポリ酸とを混合することによって、前記芳香族環に結合した官能基に前記ポリ塩基またはポリ酸の官能基を反応(酸−塩基反応)させる。このような酸−塩基反応により、前記芳香族環とポリ塩基またはポリ酸の残基とが前記連結基を介して結合され、本発明の親水化グラファイト材料が得られる。
前記微細化黒鉛粒子の官能基(すなわち、前記芳香族環に結合した官能基であり、前記芳香族ジアゾニウム塩の官能基であり、前記置換アニリンの官能基である)としては、第1級〜第3級のアミノ基、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられる。また、前記ポリ塩基の官能基としては、第1級〜第4級のアミノ基、含窒素複素芳香環、含窒素芳香族化合物基などが挙げられ、前記ポリ酸の官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられる。
前記微細化黒鉛粒子の官能基(すなわち、前記芳香族環に結合した官能基であり、前記芳香族ジアゾニウム塩の官能基であり、前記置換アニリンの官能基である)と前記ポリ塩基またはポリ酸の官能基との組み合わせとしては、これらが互いに反応する組み合わせであれば特に制限はないが、これらの反応性の観点から、ポリ酸を混合する場合には、ポリ酸の官能基がカルボキシル基(すなわち、前記ポリ酸がポリカルボン酸)であり、前記微細化黒鉛粒子の官能基が第1級〜第3級のアミノ基および水酸基のうちの少なくとも1種であることが好ましく、また、ポリ塩基を混合する場合には、ポリ塩基の官能基がアミノ基(すなわち、前記ポリ塩基がポリアミン)であり、前記微細化黒鉛粒子の官能基がカルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
また、このような酸−塩基反応によって形成される2価以上の連結基としては、カルボン酸アミド基(−C(=O)−NH−)、スルホン酸アミド基(−S(=O)−NH−)、リン酸アミド基(−O−P(=O)(−N<))、カルボン酸エステル基(−O−C(=O)−)、スルホン酸エステル基、リン酸エステル基、アミノ基が好ましく、本発明の親水化グラファイト材料においては、これらの連結基の1種が含まれていても2種以上が含まれていてもよい。
本発明にかかるポリ塩基としては、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンといったポリアミン、アミノ化ポリスチレン、ポリビニルピリジンなどが挙げられる。また、本発明にかかるポリ酸としては、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸といったポリカルボン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルリン酸などが挙げられる。
また、このようなポリ塩基およびポリ酸の重量平均分子量としては特に制限はないが、1×10〜1×10が好ましく、5×10〜1×10がより好ましい。前記重量平均分子量が前記下限未満になると、親水化グラファイト材料の分散性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粘度が高く、取り扱いにくい傾向にある。
前記酸−塩基反応において、その反応温度としては、0〜100℃が好ましく、反応時間としては1分間〜12時間が好ましい。また、前記酸−塩基反応は、水中または水を主成分とする混合溶媒中で行うことが好ましい。この場合、得られる親水化グラファイト材料は、水中または水を主成分とする混合溶媒中に分散した状態で(すなわち、本発明のグラファイト分散液として)得られるが、そのまま分散液の状態で使用してもよいし、ろ過などにより水または前記混合溶媒を除去して使用してもよい。また、得られた親水化グラファイト材料を水中または水を主成分とする混合溶媒中に再分散させて(すなわち、本発明のグラファイト分散液として)使用することもできる。なお、本発明において「水を主成分とする混合溶媒」とは、水を50質量%以上含有する混合溶媒であり、水と混合する溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、グリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール)およびそのエーテルなどが挙げられる。
また、本発明の親水化グラファイト材料は、板状黒鉛粒子の表面に芳香族ビニル共重合体が吸着し且つポリ塩基またはポリ酸の残基が結合したものであるので、そのまま圧縮成形して親水化グラファイト材料からなる成形体を作製することも可能である。また、本発明のグラファイト分散液を基板などの上に塗布して水または水を主成分とする混合溶媒を除去することによって、親水化グラファイト材料からなる塗膜(膜状成形体)を形成することも可能である。
さらに、本発明の親水化グラファイト材料は、親水性マトリックスとの親和性が高いため、親水性マトリックス中に分散させることによって、グラファイト複合材料を形成することも可能である。前記親水性マトリックスとしては、ポリビニルアルコール、親水化セルロース、ポリアクリル酸などが挙げられる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<芳香族ビニル共重合体の数平均分子量>
芳香族ビニル共重合体の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(昭和電工(株)製「Shodex GPC101」)を用いて以下の条件で測定し、標準ポリスチレンで換算した。
(測定条件)
・カラム:Shodex GPC K−805LおよびShodex GPC K−800RL(ともに、昭和電工(株)製)。
・溶離液:クロロホルム。
・測定温度:25℃。
・サンプル濃度:0.1mg/ml。
・検出手段:RI。
<分散性評価>
実施例および比較例で得られたグラファイト材料の分散性を下記基準で判定した。
A:すべてのグラファイト材料が均一に分散。
B:沈降しているグラファイト材料は5%以下であり、分散性は良好。
C:グラファイト材料はわずかに分散しているものの、80%以上が沈降しており、分散性は不良。
D:すべてのグラファイト材料が沈降。
(調製例1)
スチレン(ST)1.8g、N,N−ジメチルメタクリルアミド(DMMAA)0.2g、アゾビスイソブチロニトリル8mgおよびトルエン7mlを混合し、窒素雰囲気下、85℃で6時間重合反応を行なった。放冷後、クロロホルム−エーテルを用いて再沈殿により精製し、0.99gのST−DMMAA(9:1)ランダム共重合体を得た。このST−DMMAA(9:1)ランダム共重合体の数平均分子量(Mn)は、52000であった。
黒鉛粒子(日本黒鉛工業(株)製「EXP−P」、粒子径100〜600μm)20mg、ウレア−過酸化水素包接錯体80mg、前記ST−DMMAA(9:1)ランダム共重合体20mgおよびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)2mlを混合し、室温で5時間超音波処理(出力:250W)を施して黒鉛粒子分散液を得た。この黒鉛粒子分散液をろ過し、ろ滓をDMFで洗浄した後、真空乾燥して微細化黒鉛粒子を回収した。
(調製例2)
超音波処理の代わりに湿式微粒化装置((株)スギノマシン製「スターバーストラボ」)を用いて、室温、シリンダー圧力200MPa、循環処理の条件で30分間湿式粉砕処理を行なった以外は調製例1と同様にして微細化黒鉛粒子を得た。
(合成例1)
調製例1で得られた微細化黒鉛粒子300mg、1,4−ジアミノベンゼン塩酸塩540mg、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)18mlおよび水6mlを混合し、窒素雰囲気下で氷冷しながら6時間超音波処理(出力:250W)を施した。得られた分散液に亜硝酸イソアミル0.42mlを添加して1,4−ジアミノベンゼンのジアゾニウム塩を形成させた後、超音波処理(出力:250W)を施しながら分散液の温度を30分かけて0℃から40℃まで上昇させて、さらに50℃で5時間超音波処理(出力:250W)を施した。その後、分散液を濾過し、ろ滓をDMFで洗浄して真空乾燥し、表面にアミノフェニル基を有する微細化黒鉛粒子(約300mg)を得た。
(合成例2)
1,4−ジアミノベンゼン塩酸塩の代わりに4−ジメチルアミノ−1−アミノベンゼン塩酸塩600mgを用いた以外は合成例1と同様にして、表面にジメチルアミノフェニル基を有する微細化黒鉛粒子(約300mg)を得た。
(合成例3)
1,4−ジアミノベンゼン塩酸塩の代わりにアミノ安息香酸800mgを用い、水を混合せず、DMFの量を30mlに変更し、亜硝酸イソアミルの量を0.5mlに変更した以外は合成例1と同様にして、表面にカルボキシフェニル基を有する微細化黒鉛粒子(約300mg)を得た。
(合成例4)
調製例1で得られた微細化黒鉛粒子の代わりに調製例2で得られた微細化黒鉛粒子300mgを用いた以外は合成例3と同様にして、表面にカルボキシフェニル基を有する微細化黒鉛粒子(約300mg)を得た。
(合成例5)
1,4−ジアミノベンゼン塩酸塩の代わりに4−アミノフェニルスルホン酸970mgを用いた以外は合成例1と同様にして表面に、スルホフェニル基を有する微細化黒鉛粒子(約300mg)を得た。
(実施例1)
容量2mlのサンプル瓶に、合成例1で得られたアミノフェニル基を有する微細化黒鉛粒子2.5mgを入れ、水0.5mlを添加して室温で1分間超音波処理(出力:250W)を施した。これにポリアクリル酸(アルドリッチ社製、重量平均分子量:10万)5mgを添加し、室温で60分間超音波処理(出力:250W)を施し、グラファイト材料を含有する水分散液を得た。得られた水分散液を室温で1時間静置した後、グラファイト材料の分散状態を目視により観察し、前記基準で判定した。さらに、水分散液を室温で1日間静置した後、グラファイト材料の分散状態を目視により観察し、前記基準で判定した。これらの結果を表1に示す。
(実施例2)
合成例1で得られたアミノフェニル基を有する微細化黒鉛粒子の代わりに合成例2で得られたジメチルアミノフェニル基を有する微細化黒鉛粒子2.5mgを用いた以外は実施例1と同様にしてグラファイト材料を含有する水分散液を得た。この水分散液中のグラファイト材料の分散性を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
合成例1で得られたアミノフェニル基を有する微細化黒鉛粒子の代わりに合成例3で得られたカルボキシフェニル基を有する微細化黒鉛粒子2.5mgを用い、ポリアクリル酸の代わりにポリアリルアミン(塩基型、ニットーボーメディカル(株)製「PAA−15」(フリー)、重量平均分子量:1.5万)5mgを用いた以外は実施例1と同様にしてグラファイト材料を含有する水分散液を得た。この水分散液中のグラファイト材料の分散性を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
(実施例4)
ポリアリルアミンの代わりにポリエチレンイミン(アルドリッチ社製、重量平均分子量:100万)5mgを用いた以外は実施例3と同様にしてグラファイト材料を含有する水分散液を得た。この水分散液中のグラファイト材料の分散性を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
(実施例5)
合成例3で得られたカルボキシフェニル基を有する微細化黒鉛粒子の代わりに合成例4で得られたカルボキシフェニル基を有する微細化黒鉛粒子2.5mgを用いた以外は実施例3と同様にしてグラファイト材料を含有する水分散液を得た。この水分散液中のグラファイト材料の分散性を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
(実施例6〜7)
合成例3で得られたカルボキシフェニル基を有する微細化黒鉛粒子の代わりに合成例5で得られたスルホフェニル基を有する微細化黒鉛粒子2.5mgを用いた以外は、それぞれ実施例3〜4と同様にしてグラファイト材料を含有する水分散液を得た。この水分散液中のグラファイト材料の分散性を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
容量2mlのサンプル瓶に、調製例1で得られた微細化黒鉛粒子2.5mgを入れ、水0.5mlを添加して室温で60分間超音波処理(出力:250W)を施し、グラファイト材料を含有する水分散液を得た。得られた水分散液を室温で静置したところ、1分以内にすべてのグラファイト材料が沈降した。
(比較例2〜3)
調製例1で得られた微細化黒鉛粒子の代わりに、合成例1で得られたアミノフェニル基を有する微細化黒鉛粒子(比較例2)または合成例3で得られたカルボキシフェニル基を有する微細化黒鉛粒子(比較例3)を2.5mg用いた以外は、比較例1と同様にしてグラファイト材料を含有する水分散液を得た。得られた水分散液を室温で静置したところ、静置直後はすべてのグラファイト材料が分散していたが、1時間以内にすべてのグラファイト材料が沈降した。
(比較例4〜5)
ポリアリルアミンの代わりに、水酸化ナトリウム2mg(比較例4)または濃塩酸10μl(比較例5)を用いた以外は、実施例3と同様にしてグラファイト材料を含有する水分散液を得た。得られた水分散液を室温で静置したところ、静置直後はすべてのグラファイト材料が分散していたが、1時間以内にすべてのグラファイト材料が沈降した。
(比較例6〜8)
ポリアリルアミンの代わりに、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水酸化物(比較例6)、テトラブチルアンモニウム水酸化物(比較例7)、またはトリエタノールアミン(比較例8)を5mg用いた以外は実施例3と同様にしてグラファイト材料を含有する水分散液を得た。この水分散液中のグラファイト材料の分散性を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0005812415
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜7で得られたグラファイト材料は、いずれも水分散安定性に優れたものであった。すなわち、官能基を有する微細化黒鉛粒子に前記官能基と反応する官能基を備えるポリ塩基またはポリ酸を反応させることによって、親水化されたグラファイト材料が得られることが確認された。
一方、官能基を有しない微細化黒鉛粒子(比較例1)は水分散性に非常に劣っており、また、官能基を有する微細化黒鉛粒子(比較例2〜3)、官能基を有する微細化黒鉛粒子に無機塩基または無機酸を反応させたグラファイト材料(比較例4〜5)、官能基を有する微細化黒鉛粒子にモノ塩基を反応させたグラファイト材料(比較例6〜8)は、撹拌直後は水に分散するものの、分散安定性に非常に劣るものであった。
(実施例8)
容量100mlのサンプル瓶に、合成例1で得られたアミノフェニル基を有する微細化黒鉛粒子250mgを入れ、水50mlを添加して室温で1分間超音波処理(出力:250W)を施した。これにポリアクリル酸(アルドリッチ社製、重量平均分子量:10万)500mgを添加し、室温で60分間超音波処理(出力:250W)を施し、親水化グラファイト材料を含有する水分散液を得た。この水分散液をろ過し、ろ滓を水洗して真空乾燥を施し、約250mgの親水化グラファイト材料を得た。
得られた親水化グラファイト材料2.5mgを容量2mlのサンプル瓶に入れ、水0.5mlを添加して室温で60分間超音波処理(出力:250W)を施した。得られた水分散液を室温で1時間静置したところ、親水化グラファイト材料は良好に分散しており、沈降は見られなかった。その後、1日間静置しても良好な分散状態は維持されていた。
(実施例9)
合成例1で得られたアミノフェニル基を有する微細化黒鉛粒子の代わりに合成例3で得られたカルボキシフェニル基を有する微細化黒鉛粒子250mgを用い、ポリアクリル酸の代わりにポリエチレンイミン(アルドリッチ社製、重量平均分子量:100万)500mgを用いた以外は実施例8と同様にして約250mgの親水化グラファイト材料を得た。
得られた親水化グラファイト材料2.5mgを容量2mlのサンプル瓶に入れ、水0.5mlを添加して室温で60分間超音波処理(出力:250W)を施した。得られた水分散液を室温で1時間静置したところ、親水化グラファイト材料は良好に分散しており、沈降は見られなかった。その後、1日間静置したところ、一部の親水化グラファイト材料が沈降していたが、大部分は良好な分散状態が維持されていた。
(比較例9)
黒鉛粒子(日本黒鉛工業(株)製「EXP−P」)1g、硝酸カリウム1.2gおよび濃硫酸62gを混合し、この混合物に0℃で撹拌しながら4.5gの過マンガン酸カリウムを1時間かけて添加した。2時間撹拌を継続した後、混合物の温度を室温に戻し、さらに2日間撹拌を継続した。その後、水140mlと30%過酸化水素水2.5mlとを添加して撹拌し、得られた懸濁液に遠心分離を施して上澄み液を除去した。得られた沈殿物に1mol/Lの塩酸50mlを添加して撹拌し、得られた懸濁液に遠心分離を施して上澄み液を除去した後、室温で減圧乾燥させて表面酸化グラファイト材料を得た。
<導電性>
得られたグラファイト材料を濃度が5g/Lとなるように水に添加し、室温で60分間超音波処理(出力:250W)を施した。得られた水分散液をガラス板上に塗布して乾燥させ、グラファイト材料塗膜を作製した。この塗膜の表面の任意の2点間(距離:1cm)の電気抵抗を、テスターを用いて室温で測定した。実施例8で得られた親水化グラファイト材料の電気抵抗は9Ω、実施例9で得られた親水化グラファイト材料の電気抵抗は10Ω、比較例9で得られた表面酸化グラファイト材料の電気抵抗は400MΩ以上であった。なお、原料の黒鉛粒子(日本黒鉛工業(株)製「EXP−P」)の電気抵抗も同様に測定したところ、5Ωであった。
以上の結果から明らかなように、本発明の親水化したグラファイト材料においては、原料の黒鉛粒子の導電性がほぼ維持されていることが確認された。一方、黒鉛粒子の表面を酸化処理した場合には、導電性が著しく低下することがわかった。
<熱伝導性>
得られたグラファイト材料を錠剤成形器を用いて圧粉成形し、錠剤型のグラファイト成形体を作製した。このグラファイト成形体の圧縮方向に垂直な方向の熱伝導度をキセノンフラッシュアナライザー(NETZSCH社製「LFA447 NanoFlash」)を用いて測定した。実施例8で得られた親水化グラファイト材料の熱伝導率は180W/mK、比較例9で得られた表面酸化グラファイト材料の熱伝導率は0.5W/mKであった。なお、原料の黒鉛粒子(日本黒鉛工業(株)製「EXP−P」)の熱伝導率も同様に測定したところ、290W/mKであった。
以上の結果から明らかなように、本発明の親水化したグラファイト材料においては、原料の黒鉛粒子の熱伝導性がほぼ維持されていることが確認された。一方、黒鉛粒子の表面を酸化処理した場合には、熱伝導性が著しく低下することがわかった。
(実施例10)
実施例8で得られた親水化グラファイト材料100mgを脱水DMF20mlに添加し、窒素雰囲気下、室温で60分間超音波処理(出力:250W)を施した。得られた分散液に、窒素雰囲気下でジシクロヘキシルカルボジイミド500mgを添加し、80℃で加熱しながら撹拌した。得られた分散液を室温まで冷却してろ過し、ろ滓をDMFで洗浄した後、真空乾燥し、約100mgのグラファイト材料を得た。
このグラファイト材料2.5mgを容量2mlのサンプル瓶に入れ、水0.5mlを添加して室温で60分間超音波処理(出力:250W)を施した。得られた水分散液を室温で1時間静置したところ、グラファイト材料は良好に分散しており、沈降は見られなかった。その後、1日間静置したところ、一部のグラファイト材料が沈降していたが、大部分は良好な分散状態が維持されていた。
以上の結果から、ポリアクリル酸残基を有する親水化グラファイト材料にジシクロヘキシルカルボジイミドを反応させた場合であっても、得られるグラファイト材料の親水性は維持されることが確認された。これは、親水化グラファイト材料中のカルボキシル基がジシクロヘキシルカルボジイミドと反応することによって、親水性のアミノ基が形成するためと推察される。
以上説明したように、本発明によれば、水中または水を主成分とする混合溶媒中あるいは親水性マトリックス中に高度に分散させることが可能であり、しかも分散安定性に優れた親水化グラファイト材料を得ることが可能となる。また、このような親水化グラファイト材料を水中または水を主成分とする混合溶媒中に分散させることによって分散安定性に優れたグラファイト分散液を容易に製造することが可能となる。さらに、本発明の親水化グラファイト材料は、グラファイト構造が保持されており、黒鉛本来の特性(例えば、耐熱性、耐薬品性、機械的強度、熱伝導性、導電性、潤滑性)を損なっておらず、このような特性を有するグラファイト材料成形体を形成したり、前記特性を親水性マトリックスに容易に付与したりすることが可能となる。
したがって、本発明の親水化グラファイト材料は、耐熱性、耐薬品性、機械的強度、熱伝導性、導電性、潤滑性などを有する成形体の原料や、前記特性を付与することが可能な充填材などとして有用である。

Claims (10)

  1. 板状黒鉛粒子と、該板状黒鉛粒子に吸着した、下記式(1):
    −(CH−CHX)− (1)
    (式(1)中、Xはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはピレニル基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
    で表されるビニル芳香族モノマー単位を含有する芳香族ビニル共重合体とを備える微細化黒鉛粒子、
    前記板状黒鉛粒子の表面に結合している芳香族環、および
    前記芳香族環に2価以上の連結基を介して結合している、ポリ塩基またはポリ酸の残基
    を備えるものであることを特徴とする親水化グラファイト材料。
  2. 前記連結基が、前記芳香族環に結合した官能基と、前記ポリ塩基または前記ポリ酸中の官能基とが反応して形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の親水化グラファイト材料。
  3. 前記連結基が、(A)前記芳香族環に結合した、第1級〜第3級のアミノ基および水酸基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基と、前記ポリ酸中のカルボキシル基とが反応して形成されたもの、あるいは、(B)前記芳香族環に結合した、カルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基と、前記ポリ塩基中の第1級〜第4級のアミノ基のうちの少なくとも1種とが反応して形成されたもの、であることを特徴とする請求項1または2に記載の親水化グラファイト材料。
  4. 前記連結基が、カルボン酸アミド基、スルホン酸アミド基、リン酸アミド基およびカルボン酸エステル基からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の親水化グラファイト材料。
  5. 水または水を50質量%以上含有する混合溶媒と、水または前記混合溶媒に分散している請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の親水化グラファイト材料とを含有することを特徴とするグラファイト分散液。
  6. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の親水化グラファイト材料からなることを特徴とするグラファイト材料成形体。
  7. 親水性マトリックスと、該親水性マトリックスに分散している請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の親水化グラファイト材料とを含有することを特徴とするグラファイト複合材料。
  8. 板状黒鉛粒子と、該板状黒鉛粒子に吸着した、下記式(1):
    −(CH−CHX)− (1)
    (式(1)中、Xはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはピレニル基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
    で表されるビニル芳香族モノマー単位を含有する芳香族ビニル共重合体とを備える微細化黒鉛粒子に、官能基を有する芳香族ジアゾニウム塩を付加反応させて、前記板状黒鉛粒子の表面に前記官能基を有する芳香族環を結合させ、前記官能基を有する微細化黒鉛粒子を得る付加工程と、
    前記官能基を有する微細化黒鉛粒子とポリ塩基またはポリ酸とを混合して、前記芳香族環に結合した官能基と前記ポリ塩基またはポリ酸の官能基とを反応させ、親水化グラファイト材料を得る親水化工程と、
    を含むことを特徴とする親水化グラファイト材料の製造方法。
  9. 前記芳香族ジアゾニウム塩の官能基が、第1級〜第3級のアミノ基および水酸基からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記ポリ酸の官能基がカルボキシル基であることを特徴とする請求項8に記載の親水化グラファイト材料の製造方法。
  10. 前記芳香族ジアゾニウム塩の官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記ポリ塩基の官能基が第1級〜第4級のアミノ基のうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項8に記載の親水化グラファイト材料の製造方法。
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