次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。
図1はパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3はパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。
[パチンコ機10の全体構成]
実施例のパチンコ機10は、図1に示すように、前面枠11に嵌め込まれたガラス板12(透明板)を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤30(図2参照)と、遊技球を貯留する上受け皿14および下受け皿16と、上受け皿14に貯留されている遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ハンドル18と、を備える。
前面枠11は、本体枠21に嵌め込まれており、左辺を回動軸として本体枠21に対して回動できるようになっている。本体枠21は、外枠22に嵌め込まれており、左辺を回動軸として外枠22に対して回動できるようになっている。なお、前面枠11と本体枠21は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。また、外枠22は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、パチンコホールの島設備の島枠に固定される。
また、前面枠11の左上部と右上部には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bが設けられており、右端部には、前面枠11を本体枠21に対して施錠するための施錠装置29が設けられている。また、前面枠11の左側には、図示しないプリペイドカード式の球貸装置(CRユニット)が設けられている。
上受け皿14は、その上面部に、CRユニットに挿入されたカードの価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン24aと、CRユニットに挿入されているカードの返却を指示するための返却ボタン24bとが配設されている。また、上受け皿14は、その上面中央部に、遊技者の操作に応じて各種演出を行うための演出ボタン26が配設されている。
発射ハンドル18は、前面枠11の右下部に設けられており、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチセンサ18a(図3参照)や遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ18b(図3参照)が設けられている。発射ハンドル18の回転軸には、上受け皿14に貯留されている遊技球を1球ずつ打ち出すための図示しない発射装置が接続されており、発射ハンドル18が回転操作されると、発射装置が備える発射モータ19(図3参照)が回転し、これに伴って発射ハンドル18の操作量に応じた強さの打撃力で遊技球を打ち出す。
[遊技盤30の構成]
遊技盤30は、図2に示すように、外レール31aと内レール31bとによって囲まれる遊技領域31が形成されている。この遊技盤30は、遊技領域31の左部に配置され遊技球の通過を検知するゲートスイッチ32a(図3参照)を有する普通図柄作動ゲート32と、遊技領域31の右下部に配置された図柄表示装置40と、遊技領域31の中央部に配置された演出表示装置34と、演出表示装置34の周囲を囲むように配置されたセンター役物50と、センター役物50の下側に配置され遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ36a(図3参照)を有する第1始動口36と、センター役物50の左部に形成され遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ38a(図3参照)を有する第2始動口38と、遊技領域31の右下部に開閉可能に配置され遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ44a(図3参照)を有する大入賞口44と、遊技領域31の左下部に配置された一般入賞口スイッチ45a(図3参照)を有する一般入賞口45と、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口46と、を備える。また、遊技盤30は、この他に、普通図柄作動ゲート32の下側には風車48が設けられ、上述した各入賞口の周辺には遊技球をガイドしたり弾いたりする図示しない多数の釘が設けられている。
第2始動口38は、普通電動役物として設けられる可変式の入球口であり、翼片部38cと、翼片部38cを作動させる第2始動口ソレノイド38b(図3参照)と、を備える。この第2始動口38は、翼片部38cが直立しているときには遊技球の入球の可能性が比較的低い通常状態となり(図2の点線参照)、翼片部38cが左側に開いているときには遊技球の入球の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図2の実線参照)。なお、本実施例では、翼片部38cが直立した通常状態においては、第2始動口38への遊技球の入球が不可能となるように構成されている。
大入賞口44は、特別電動役物として設けられる可変式の入球口であり、開閉板44cと、開閉板44cを作動させる大入賞口ソレノイド44b(図3参照)と、を備える。この大入賞口44は、通常は開閉板44cによって塞がれて遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態)とされており、大当り遊技(特定遊技)のときに、大入賞口ソレノイド44b(図3参照)によって開閉板44cが作動して手前側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態)となる。大入賞口44には、遊技球の入球を検知すると共にその入球数をカウントするための大入賞口スイッチ44a(図3参照)が取り付けられている。本実施例では、大当り遊技の処理として、大入賞口スイッチ44aが遊技球の入球を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、25秒)が経過するまでを1ラウンドとして大入賞口44を開放し、規定ラウンドまで大入賞口44の開放動作を繰り返す。なお、各ラウンドの間には、所定時間(例えば、2秒間)だけ大入賞口44を閉状態とする。
図柄表示装置40は、図4の構成図に例示するように、普通図柄の変動表示および停止表示が可能な普通図柄表示装置41と、特別図柄の変動表示および停止表示が可能な特別図柄表示装置42と、大当り遊技の規定ラウンド数(最大ラウンド数)を示す図柄を表示するラウンド表示装置43と、を備える。普通図柄表示装置41は、発光ダイオード(LED)を用いて構成された左普通図柄表示部41aおよび右普通図柄表示部41bを備える。図5に、普通図柄表示装置41の表示態様の一例を示す。普通図柄表示装置41は、図示するように、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に消灯した表示態様(図5の上から1段目参照)と、左普通図柄表示部41aが点灯し右普通図柄表示部41bが消灯した表示態様(図5の上から2段目参照)と、左普通図柄表示部41aが消灯し右普通図柄表示部41bが点灯した表示態様(図5の上から3段目参照)と、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に点灯した表示態様(図5の上から4段目参照)の4通りの表示態様がある。普通図柄表示装置41は、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過するのを検知したときに、4通りの表示態様を順次切り替えることにより普通図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、上記表示態様のうちのいずれかの表示態様で普通図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された普通図柄の表示態様が特定の表示態様(例えば、図5の上から4段目に示す表示態様)であるときに、当りとして第2始動口38を一定時間(例えば、0.5秒)に亘って開放する。なお、普通図柄の変動表示中に、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過したときには、普通図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている変動表示が順次消化される。
特別図柄表示装置42は、図4に示すように、7セグメント表示器を用いて構成された第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様(最大128通り)を表現している。特別図柄表示装置42は、第1始動口36か第2始動口38かのいずれかの入球が検知されたときに、第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bのうち対応する特別図柄表示部の表示状態を順次切り替えることにより特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様(当り特別図柄)である場合に、大当りとなる。本実施例では、第1特別図柄表示部42aが第1始動口36への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる第1始動口対応表示部となっており、第2特別図柄表示部42bが第2始動口38への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる第2始動口対応表示部となっている。以下、第1特別図柄表示部42aで表示される特別図柄を第1特別図柄(特図1)とも呼び、第2特別図柄表示部42bで表示される特別図柄を第2特別図柄(特図2)とも呼ぶ。図6に、大当り時における特別図柄表示装置42の表示態様の一例を示す。図示するように、第1の通常大当りとなる特別図柄(第1の通常大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける右上,右下,左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける中段の横棒セグメントと右上および左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様とがある(図6の上から1段目参照)。また、第1の確変大当りとなる特別図柄(第1の確変大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける上段の横棒セグメントと左上および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様とがある(図6の上から2段目参照)。また、第2の確変大当りとなる特別図柄(第2の確変大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける上段および下段の横棒セグメントと左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様とがある(図6の上から3段目参照)。なお、大当り時における特別図柄の表示態様は、上記態様に限られることはなく、如何なる態様で表示するものとしてもよいし、大当り時における特別図柄の表示態様の種類も1種類に限られず、複数種類用意するものとしてもよい。特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1始動口36および第2始動口38のいずれかに入球したときには、それぞれの始動口毎に特別図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている特別図柄の変動表示が順次消化される。なお、後述するが、第1特別図柄の変動表示の保留数は第1保留図柄35aによって表示され、第2特別図柄の変動表示の保留数は第2保留図柄35bによって表示される。
ここで、第1の通常大当りは、大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数(例えば、16ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、大当り判定の結果(特別図柄の当否判定)が大当りとなる確率(大当り確率)を低確率状態に設定し、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄が当りで停止表示されたときに第2始動口38の開放時間が延長される電サポあり状態を発生させる大当り態様である。なお、大当り遊技の終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が行われると、電サポあり状態が終了し、電サポなし低確率状態となる。第1の確変大当りは、第1の通常大当りと同様に大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数(例えば、16ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、所定回数(例えば、10,000回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、大当り確率を低確率状態よりも高い高確率状態に設定し、電サポあり状態を発生させる大当り態様である。また、第2の確変大当りは、大入賞口44の開放が第1の通常大当りよりも少ないラウンド数(例えば、2ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、所定回数(例えば、10,000回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、大当り確率を高確率状態に設定し、電サポあり状態を発生させる大当り態様である。
演出表示装置34は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、表示画面上で演出図柄の変動表示やリーチ演出や予告演出などの様々な演出表示が行われる。本実施例の演出表示装置34は、図7に例示する画面構成に示すように、横方向に並んで配置されキャラクタや数字により構成される左,中,右の3つの演出図柄(疑似特別図柄)34L,34M,34Rと、図示しない背景図柄とを有している。この演出表示装置34は、遊技球が第1始動口36に入球した場合と、遊技球が第2始動口38に入球した場合に、3つの演出図柄34L,34M,34Rを変動表示させる。演出図柄34L,34M,34Rは、変動表示が開始されると、それぞれ上から下に向かって高速でスクロールするように変動表示され、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、左の演出図柄34L,右の演出図柄34R,中の演出図柄34Mの順に停止表示される。このとき、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致しなかったときにはリーチなしの単純な外れとなり、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致したときにはリーチとなる。そして、所定のリーチ演出を伴って中の演出図柄34Mが停止したときに、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致しなかったときにはリーチありの外れとなり、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致したときに大当りとなる。この演出表示装置34で表示される演出図柄の当否の結果は、基本的には、上述した特別図柄表示装置42により表示される特別図柄(第1特別図柄,第2特別図柄)の当否の結果と対応する。
また、本実施例では、演出表示装置34の表示画面内に第1保留図柄35aと第2保留図柄35bも表示されている。第1保留図柄35aは、第1特別図柄の変動表示中に第1始動口36に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第1特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。第2保留図柄35bも、第2特別図柄の変動表示中に第2始動口38に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第2特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。
こうして構成された実施例のパチンコ機10では、第1始動口36が演出表示装置34(センター役物50)の下側に配置されており、大当り遊技でない通常遊技のときに、遊技者は遊技球を遊技領域31の左側(演出表示装置34の左側領域)に流下させるように発射ハンドル18を回転操作(所謂左打ち)することにより、遊技球を第1始動口36に入球させることができる。また、普通図柄作動ゲート32および第2始動口38が演出表示装置34の左側に配置されており、遊技者は左打ちをすることにより、遊技球を普通図柄作動ゲート32に通過させることができ、普通図柄が当りとなって第2始動口38が開放すると、遊技者は左打ちを継続することにより、遊技球を第2始動口38に入球させることができる。さらに、大入賞口44が遊技領域31の右下部に配置されており、大当り遊技が開始されると、遊技者は発射ハンドル18を最大限右回転させて遊技球を発射させる所謂右打ちすることにより、遊技球を遊技領域31の右側(演出表示装置34の右側領域)に流下させて、開状態となった大入賞口44に入球させることができる。
[制御回路の構成]
次に、実施例のパチンコ機10の制御回路の構成について主として図3を参照しながら説明する。パチンコ機10の制御回路は、図3に示すように、遊技の基本的な進行の制御を司る主制御基板70と、賞球や球貸の払い出しに関する制御を司る払出制御基板80と、遊技の進行に伴って行われる各種演出の全体的な制御を司るサブ制御基板90と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板100などの制御基板により構成されている。これらの制御基板は、各種論理演算や算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM,プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM,各種制御に必要な時間を計るタイマ(システムタイマ),周辺機器との間でデータをやり取りするための周辺機器インターフェース(PIO),CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器,CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ,定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマー・サーキット)などの種々の周辺LSIがバスにより相互に接続されている。なお、図3では、各制御基板に搭載された各種デバイスのうち主制御基板70のCPU70a,ROM70b,RAM70cのみを図示し、その他については図示を省略した。また、制御回路の一部をなすサブ制御基板90の構成の概略を示すブロック図を図8に示す。
主制御基板70は、遊技の基本的な進行の制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、第1始動口スイッチ36aからの入球信号や第2始動口スイッチ38aからの入球信号が直接に入力されると共にゲートスイッチ32aからの通過信号や大入賞口スイッチ44aからの入球信号,一般入賞口スイッチ45aからの入球信号などが中継端子板72を介して入力されている。主制御基板70からは、図柄表示装置40の表示制御を司る図柄表示基板40aへの制御信号や第2始動口ソレノイド38bへの駆動信号,大入賞口ソレノイド44bへの駆動信号などが中継端子板72を介して出力されている。また、主制御基板70は、払出制御基板80やサブ制御基板90,発射制御基板100(払出制御基板80を介して通信)と通信しており、各種指令信号(コマンドや駆動信号など)やデータのやり取りを行っている。
払出制御基板80は、賞球や球貸の払い出しに関する制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、前面枠11の開放を検知する枠開放スイッチ81からの検知信号が直接に入力され、球貸ボタン24aや返却ボタン24bからの操作信号が球貸表示基板82,中継端子板83を介して入力され、賞球の払い出しを検知する払出前スイッチ84および払出後スイッチ85からの検知信号が中継端子板87を介して入力されている。払出制御基板80からは、賞球の払い出しを行う払出モータ86への駆動信号などが中継端子板87を介して出力されている。また、払出制御基板80は、主制御基板70や発射制御基板100と通信しており、各種指令信号やデータのやり取りを行っている。
サブ制御基板90は、図8に示すように、CPU90aやROM90b,RAM90cなどを備えており、主制御基板70から各種指令信号を受信してその指令に応じた遊技の演出を行う。サブ制御基板90は、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や各種スピーカ28a,28bを駆動するアンプ基板92、各種LEDランプ93aを駆動したり可動式の装飾部材を作動させるための装飾モータ93bを駆動したりする装飾駆動基板93,演出ボタン26に設けられ演出ボタン26の操作を検知する操作検知スイッチ27からの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されている。
発射制御基板100は、タッチセンサ18aからの検知信号や発射停止スイッチ18bからの操作信号,下受け皿16に遊技球が満タン状態となるのを検知する下受け皿満タンスイッチ102からの検知信号などを入力しており、発射モータ19へ駆動用のパルス信号などを出力している。発射制御基板100は、発射ハンドル18が回転操作されてタッチセンサ18aがオンで発射停止スイッチ18bがオフで下受け皿満タンスイッチ102がオフのときに発射モータ19を駆動して遊技球を発射し、タッチセンサ18aがオフか発射停止スイッチ18bがオンか下受け皿満タンスイッチ102がオンかのいずれかが成立したときに発射モータ19の駆動を停止して遊技球の発射を停止する。また、発射制御基板100は、払出制御基板80を介して主制御基板70と通信しており、タッチセンサ18aからの検知信号などの発射ハンドル18の操作状態に関するデータを払出制御基板80を介して主制御基板70に送信する。
[主制御処理]
次に、こうして構成された実施例のパチンコ機10の動作について説明する。図9は、主制御基板70のCPU70aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機10の電源が投入されたときに実行される。主制御処理は、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、遊技開始処理(S110)と、普通図柄遊技処理(S120)と、普通図柄当り遊技処理(S130)と、特別図柄遊技処理(S140)と、大当り遊技処理(S150)とを繰り返し実行することにより行われる。なお、本実施例では、S110〜S150の処理に要する時間は約4msecとなっているため、これらの処理は約4msecの間隔で繰り返し実行されることになる。主制御基板70は、これらの処理の実行に伴って、各種コマンドを担当する制御基板に送信してコマンドに応じた処理を実行させることにより、パチンコ機10の全体の遊技を進行させている。
[遊技開始処理]
S110の遊技開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、各種センサ(ゲートスイッチ32aや第1始動口スイッチ36a,第2始動口スイッチ38a,大入賞口スイッチ44a,一般入賞口スイッチ45aなど)の状態を検出してRAM70cの所定の状態記憶領域に保存したり、各種判定用情報(後述する大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数,リーチ用乱数,変動パターン決定用乱数、普通図柄当否判定用乱数など)を更新したりする。続いて、遊技球の入球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ36aや第2始動口スイッチ38a,大入賞口スイッチ44a,一般入賞口スイッチ45aなど)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM70cの所定の賞球情報記憶領域に保存し、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御基板80に送信して遊技開始処理を終了する。払出制御基板80は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ86を駆動制御して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出前スイッチ84および払出後スイッチ85により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御基板70から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返さ
れる。遊技開始処理が終了すると、主制御処理に戻って次のS120の普通図柄遊技処理に進む。
[普通図柄遊技処理]
S120の普通図柄遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、普通図柄の保留が値0でない即ち値1以上あるか否かを判定し、保留が値1以上あるときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行うと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(図5参照)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート32を遊技球が通過することに基づき取得される普通図柄当否判定用乱数と、普通図柄当り判定テーブルを用いて行われるもので、電サポなし状態にあるときには当り確率の低い(例えば、約0.8%)低確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられ、電サポあり状態にあるときには当り確率の高い(例えば、約99.2%)高確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられる。また、当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止表示させる図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄のうちのいずれかを停止表示させる図柄に決定する。そして、普通図柄の変動時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過するのを待つ。変動時間の設定は、電サポなし状態にあるときには長時間(例えば、30秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮される。変動時間が経過すると、決定した図柄で普通図柄を停止表示し、停止表示した図柄が当り図柄のときには、第2始動口38の開放時間を設定し、第2始動口38の開放を開始して普通図柄遊技処理を一旦終了し、停止表示した図柄が外れ図柄のときには、何もせずに普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口38の開放時間は、電サポなし状態にあるときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには長時間(例えば5秒)に延長される。また、第2始動口38の開放は、上述したように、第2始動口ソレノイド38bを駆動制御することによって、翼片部38cを左に開くことにより行う。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS130の普通図柄当り遊技処理に進む。このように、電サポあり状態においては、普通図柄の変動時間を短縮する変動時間短縮機能を作動させると共に普通図柄の当否判定の結果が当りとなる確率(普図当り確率)を高くする確率変動機能を作動させ、且つ、第2始動口38の開放時間を延長する開放延長機能を作動させる。このため、本実施例の電サポあり状態を、開放延長機能作動状態、時短状態または普図確変状態ともいう。また、これら3つの機能を同時に作動させる形態のみを例示したが、いずれか1つの機能またはいずれか2つの機能を作動させる形態とすることもできる。
[普通図柄当り遊技処理]
S130の普通図柄当り遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、第2始動口38が開放を開始してからの経過時間(開放経過時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、8個)の遊技球が第2始動口38に入球しているか否かを判定する。開放経過時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口38に入球してもいないと判定すると、第2始動口38の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放経過時間が設定時間に達していると判定したり、開放経過時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口38に入球していると判定すると、第2始動口ソレノイド38bの駆動を停止して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS140の特別図柄遊技処理に進む。
[特別図柄遊技処理]
S140の特別図柄遊技処理は、図10〜図12に示すフローチャートに従って実行される。特別図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1始動口スイッチ36aからの検知信号を入力して第1始動口36に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口36に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S204)、判定用情報を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S206)、第1特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S208)。ここで、S206で取得される判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第1特別図柄表示部42aに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,第1特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。なお、大当り判定は、特別図柄の当否判定に相当するものである。また、第1特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第1保留図柄35aで表示するための第1特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S200で第1始動口36に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S204〜S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
続いて、第2始動口スイッチ38aからの検知信号を入力して第2特別図柄を変動表示させるための第2始動口38に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口38に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S214)、判定用情報を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納し(S216)、第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S218)。ここで、S216で取得される判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第2特別図柄表示手段42bに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,第2特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの図柄変動遊技の進行に関する情報が例示できる。また、第2特別図柄保留発生時コマンドには、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第2保留図柄35bで表示するための第2特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S210で第2始動口38に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S214〜S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、大当り遊技中であるか否か(S220)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S222)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが停止表示時間中であるか否か(S224)をそれぞれ判定する。大当り遊技中と判定すると、これで特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。一方、大当り遊技中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが変動表示中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが停止表示時間中でないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S226)。第2特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第2特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S228)、第2特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S230)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。
一方、第2特別図柄の保留数が値0と判定すると、第1特別図柄の保留数が値0であるか否かを判定する(S232)。第1特別図柄の保留数が値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第1特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数)のうち最も古い判定用情報を読み出し(S234)、第1特別図柄の変動表示関連処理を実行して(S236)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。第1特別図柄の保留数も値0のときには、これで特別図柄遊技処理を終了する。S226〜S236では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0でないときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(特図2優先変動)。以下、変動表示関連処理の詳細について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理はいずれも共通の処理が実行されるため、共通のフローチャート(図13のフローチャート)を用いて説明する。
変動表示関連処理では、まず、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定する(S300)。確変フラグがオフのとき、即ち現在の遊技状態が低確率状態のときにはS228またはS234で読み出した大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い(S302)、確変フラグがオンのとき、即ち現在の遊技状態が高確率状態のときには読み出した大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って(S304)、その判定結果が大当りか否かを判定する(S306)。大当り判定テーブルの一例を図14に示す。なお、図14(a)に低確率用大当り判定テーブルを示し、図14(b)に高確率用大当り判定テーブルを示す。低確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜796のうち値60,61のときに大当りとし(1/398.5の大当り確率)、高確率用大当り判定テーブルでは当り判定用乱数が値0〜796のうち値60〜79のときに大当りとするものとした(1/39.85の大当り確率)。なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当り判定テーブルが用いられる。
S306で大当り判定の結果が大当りと判定されたときには、判定用情報記憶領域(RAM70c)から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S308)、読み出した大当り図柄決定用乱数に基づいて停止表示させる大当り図柄を選択して決定する(S310)。ここで、第1特別図柄の大当り図柄の決定には、図15に例示する第1特別図柄用の大当り図柄決定テーブルが用いられ、第2特別図柄の大当り図柄の決定には、図16に例示する第2特別図柄用の大当り図柄決定テーブルが用いられる。
第1特別図柄用の大当り図柄決定テーブルでは、図15に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜101のときに図6の左側1段目の図柄が選択されて「第1の通常大当り」となり(約40%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値102〜203のときに図6の左側2段目の図柄が選択されて「第1の確変大当り」となり(約40%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値204〜255のときに図6の左側3段目の図柄が選択されて「第2の確変大当り」となる(約20%の出現確率)。また、第2特別図柄用の大当り図柄決定テーブルでは、図16に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜101のときに図6の右側1段目の図柄が選択されて「第1の通常大当り」となり(約40%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値102〜229のときに図6の右側2段目の図柄が選択されて「第1の確変大当り」となり(約50%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値230〜255のときに図6の右側3段目の図柄が選択されて「第2の確変大当り」となる(約10%の出現確率)。
S306で大当り判定の結果が大当りでないと判定すると、外れであるから、外れ図柄を決定する(S312)。なお、外れ図柄は、詳細な説明は省略するが、例えば、大当り図柄決定用乱数と図示しない外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することができる。勿論、大当り図柄決定用乱数とは別に外れ図柄決定用乱数を取得するものとすれば、この外れ図柄決定用乱数と外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することもできる。
こうして停止図柄を決定すると、変動パターンテーブルを設定する(S314)。ここで、変動パターンテーブルの設定は、S302,S304の大当り判定の結果が大当りである場合には図17に例示する大当り変動パターンテーブルに基づいて行われ、大当り判定の結果が外れである場合には図18に例示する外れ変動パターンテーブルに基づいて行われる。図17,図18に示すように、各変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数の値0〜255に対応付けて各種の変動パターンP01〜P05,P11,P12が規定されており、特別図柄を変動表示させる際には、これらの変動パターンテーブルを用いて1の変動パターンが選択される。ここで、本実施例では、変動パターンP01,P02,P11,P12は演出パターンが通常変動となるパターンとして規定され、変動パターンP03は演出パターンがノーマルリーチとなるパターンとして規定され、変動パターンP04は演出パターンがスーパーリーチとなるパターンとして規定され、変動パターンP05は演出パターンがストーリーリーチとなるパターンとして規定されている。また、大当り変動パターンテーブルでは、出現確率が高い順に、ストーリーリーチ(「第1演出」ともいう),スーパーリーチ(「第2演出」ともいう),ノーマルリーチ(「第3演出」ともいう),通常変動(「第4演出」ともいう)となっており、外れ変動パターンテーブルでは、出現確率が高い順に、通常変動、ノーマルリーチ,スーパーリーチ,ストーリーリーチとなっている。これにより、ノーマルリーチは通常変動よりも大当りの可能性が高い演出パターンとされ、スーパーリーチはノーマルリーチよりも大当りの可能性が高い演出パターンとされ、ストーリーリーチはスーパーリーチよりも大当りの可能性が高い演出パターンとされている。すなわち、大当りの可能性が異なる複数の演出態様(第1演出乃至第4演出)を備えている。なお、上述した各変動パターンテーブル(図17,図18)は、便宜上、少数のパターンを記憶したテーブルを示しているが、実際には、より多数のパターン(例えば、20種類以上のパターン)を記憶したテーブルが用いられる。
図13の変動表示関連処理に戻って、こうして変動パターンテーブルを設定すると、変動パターン決定用乱数を読み出し(S316)、読み出した変動パターン決定用乱数と設定した変動パターンテーブルとを用いて変動パターンを設定する(S318)。そして、特別図柄の変動表示を開始すると共に(S320)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし(S322)、図柄変動開始時コマンドと保留消化時コマンドとをサブ制御基板90に送信して(S324)、変動表示関連処理を終了する。S320〜S324の処理は、現在の変動表示関連処理の対象が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄の変動表示を開始すると共に、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第1特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。一方、現在の変動表示関連処理の対象が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄の変動表示を開始すると共に、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第2特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。S324で送信する図柄変動開始時コマンドには、大当り判定の結果が大当りのときには大当り変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と大当り停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれ、大当り判定の結果が外れのときには外れ変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と外れ停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれている。図柄変動開始時コマンドを受信したサブ制御基板90は、コマンドを解析し、その解析結果に基づいて演出表示装置34の画面上で行う演出内容を決定し、その決定に応じた制御信号(演出コマンド)を演出表示制御基板91に出力して演出表示装置34の制御を行う。なお、特別図柄の変動表示が開始されると、その変動表示に係る判定用情報(保留情報)が判定用情報記憶領域からクリアされる。
図10〜図12の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S222で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御基板70のCPU70aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S238)。変動時間は特別図柄の変動パターンに応じて決定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行うことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、変動中の特別図柄の変動表示を停止し(S240)、図柄停止コマンドをサブ制御基板90に送信する(S242)。この図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板90(演出表示制御基板91)は、演出表示装置34での図柄変動演出を終了させる。そして、停止表示時間を設定し(S244)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(S246)。ここで、停止表示時間は、特別図柄の変動表示を停止してから次に変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S224で停止表示時間中と判定するため、再びS246で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過していると判定すると、停止表示している特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S248)。
S248で大当り図柄と判定すると、大当り遊技フラグをオンとすると共に(S250)、大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信する(S252)。これにより、後述する大当り遊技演出処理で大当り遊技開始演出などが実行されることになる。また、大当り遊技中には確変機能や変動時間短縮機能,開放延長機能を停止させるために、確変フラグがオンのときには確変フラグをオフとし(S254,S256)、変動短縮フラグがオンのときには変動短縮フラグをオフとすると共に開放延長フラグをオフとして(S258〜S262)、特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。
一方、S250で大当り図柄でないと判定すると、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定し(S264)、変動短縮フラグがオンでないときにはそのまま特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動短縮フラグがオンのときには変動短縮カウンタを値1だけデクリメントし(S266)、変動短縮カウンタが値0であるか否かを判定する(S268)。ここで、変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能(特別図柄および普通図柄の変動短縮)の作動状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際して大当り態様に応じた値がセットされる。変動短縮カウンタが値0でないときには、電サポあり状態を維持したまま特別図柄遊技処理を一旦終了し、変動短縮カウンタが値0のときには、電サポあり状態を終了させるために、変動短縮フラグをオフとすると共に(S270)、開放延長フラグをオフとし(S272)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S274)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、電サポあり状態から電サポなし状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す変動短縮フラグや開放延長フラグの設定状況などが含まれる。遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面などの表示を電サポあり状態用から電サポなし状態用に変更する等の処理を行う。なお、S268の判定は低確率状態か高確率状態かに拘わらず実行されるが、第1の確変大当りや第2の確変大当りでは、大当り終了後に、変動短縮カウンタに10,000回が設定されるため、これらの確変大当りの場合に、変動短縮カウンタが値0となることは通常あり得ず、次回に大当りを引くまで電サポあり状態が終了することはない。
[大当り遊技処理]
S150の大当り遊技処理は、図19に示すフローチャートに従って実行される。図19の大当り遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグがオンであるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップ400)。大当り遊技フラグがオフであると判定すると、そのまま大当り遊技処理を終了する。一方、大当り遊技フラグがオンであると判定すると、大入賞口44が開放中であるか否かを判定し(S402)、大入賞口44が閉鎖中である(開放中でない)と判定すると、大入賞口44の開放タイミングであるか否かを判定する(S404)。この判定は、規定の閉鎖時間(本実施例では、2秒)が経過したか否かを判定することにより行われる。大入賞口44の開放タイミングであると判定すると、大入賞口44が開放されるよう大入賞口ソレノイド44bを駆動制御して(S406)、大当り遊技処理を一旦終了する。一方、S404で大入賞口44の開放タイミングでないと判定すると、そのまま大当り遊技処理を一旦終了する。
一方、S402で大入賞口44が開放中であると判定すると、大入賞口44の閉鎖タイミングか否かを判定する(S408)。この判定は、規定の開放時間(本実施例では、25秒)が経過したか、大入賞口44に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したかのいずれかの成立を判定することにより行われる。大入賞口44の閉鎖タイミングでないと判定すると、大入賞口44の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口44の閉鎖タイミングであると判定すると、大入賞口44が閉鎖されるよう大入賞口ソレノイド44bを駆動制御し(S410)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S412)。この判定は、大入賞口44が規定ラウンド数通りに開放されたか否かを判定することにより行われる。なお、規定ラウンド数は、第1の通常大当りや第1の確変大当りでは16ラウンドとなり、第2の確変大当りでは2ラウンドとなる。S412で大当り遊技の終了条件が成立していないと判定すると、そのまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大当り遊技の終了条件が成立したと判定すると、図20に例示する大当り遊技終了時処理を実行して(S414)、大当り遊技処理を終了する。
図20の大当り遊技終了時処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグをオンからオフとし(S450)、大当り図柄が確変図柄、即ち今回の大当りが「第1の確変大当り」および「第2の確変大当り」のいずれかであるかを判定する(S452)。確変図柄でない、即ち今回の大当りが「第1の通常大当り」であると判定すると、確変フラグはオフのまま維持して、変動短縮カウンタを100回に設定し(S454)、確変図柄と判定すると、確変フラグをオンとすると共に(S456)、変動短縮カウンタを10,000回に設定する(S458)。前述したように、変動短縮カウンタが10,000回に設定されると、実質的には、次回の大当りを引くまで電サポあり状態が継続される。こうして変動短縮カウンタをセットすると、変動短縮フラグをオンとすると共に(S460)、開放延長フラグをオンとし(S462)、大当り遊技終了指定コマンドと遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S464)、大当り遊技終了時処理を終了する。また、遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面をそのときの遊技状態に応じた背景に設定する処理等を行う。
[演出制御処理]
次に、サブ制御基板90により実行される動作について説明する。図21は、サブ制御基板90のCPU90により実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理は、保留表示演出処理(S500)と、図柄変動演出処理(S510)と、予告演出処理(S520)等の各種処理を繰り返し実行することにより行われる。なお、サブ制御基板90は、大当り遊技が発生したことに基づいて所定の大当り遊技演出処理等の他の演出処理も行うが、本発明の要旨をなさないからその処理の説明は省略する。以下、保留表示演出処理と図柄変動演出処理と予告演出処理の詳細について順に説明する。
[保留表示演出処理]
S500の保留表示演出処理では、サブ制御基板90のCPU90は、図10の特別図柄遊技処理のS208またはS218で主制御基板70により送信される保留発生時コマンドを受信すると、保留図柄の追加表示を指示する演出コマンドを演出表示制御基板91に送信することにより、演出表示装置34にて保留図柄を追加表示し、図13の変動表示関連処理のS324で主制御基板70により送信される図柄変動開始時コマンドを受信すると、保留図柄の消去を指示する演出コマンドを演出表示制御基板91に送信することにより、演出表示装置34にて保留表示を消去する処理を行う。
[図柄変動演出処理]
図22の図柄変動演出処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、図13の変動表示関連処理のS324の処理で主制御基板70により送信される図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定する(S600)。図柄変動開始時コマンドを受信したと判定すると、その受信したコマンドに基づき今回の大当り判定の結果が大当りか否かを判定し(S602)、判定の結果が大当りの場合には演出図柄の停止図柄に大当り図柄を設定し(S604)、外れの場合には演出図柄の停止図柄に外れ図柄を設定する(S606)。前述したように、図柄変動開始時コマンドには、特別図柄の変動パターン(変動パターン指定コマンド)と特別図柄の停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれているから、演出図柄の停止図柄の選択は、ROM90bに予め記憶されている演出図柄の停止図柄のうち受信した特別図柄停止情報指定コマンドに対応する停止図柄を読み出すことにより行うことができる。演出図柄の停止図柄を設定すると、受信した図柄変動開始時コマンドに含まれる特別図柄の変動パターンに基づいて演出図柄の演出パターンを設定する(S608)。S608の処理は、本実施例では、特別図柄の変動パターンが変動パターンP01,P02,P11,P12のいずれかである場合には演出パターンとして通常変動演出パターンを設定し、特別図柄の変動パターンが変動パターンP03である場合には演出パターンとしてノーマルリーチ演出パターンを設定し、特別図柄の変動パターンが変動パターンP04である場合には演出パターンとしてスーパーリーチ演出パターンを設定し、特別図柄の変動パターンが変動パターンP05である場合には演出パターンとしてストーリーリーチ演出パターンを設定する。
こうして演出図柄の停止図柄と演出パターンとを設定すると、図柄変動演出を開始する(S610)。この処理は、演出図柄の停止図柄と演出パターンとに基づく図柄変動演出の開始を指示する演出コマンド(図柄変動演出開始コマンド)を演出表示制御基板91に送信することによって行われる。演出コマンドを受信した演出表示制御基板91は、演出表示装置34の表示画面上で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始されるよう表示制御する。
S600で図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定した場合またはS610で図柄変動演出を開始した後には、図11の特別図柄遊技処理のS242の処理で主制御基板70により送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S612)。図柄停止コマンドを受信したと判定すると、図柄変動演出を終了して(S614)、図柄変動演出処理を終了する。なお、図柄停止コマンドを受信していないと判定すると、S614の処理をスキップして図柄変動演出処理を終了する。S614の処理は、図柄変動演出の終了を指示する演出コマンド(図柄変動演出終了コマンド)を演出表示制御基板91に送信することによって行うもので、その演出コマンドを受信した演出表示制御基板91の表示制御により、演出表示装置34では図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が終了して、S604あるいはS606で設定された演出図柄の停止図柄が停止表示される。
ここで、通常変動演出パターンは、図示しないが、画面中央で3つの演出図柄が高速でスクロール表示された後、左の演出図柄と右の演出図柄とが異なる図柄で順次停止表示され、さらに、中の演出図柄が停止表示される。また、ノーマルリーチ演出は、画面中央で3つの演出図柄が高速でスクロール表示された後、左の演出図柄と右の演出図柄とが順次停止表示されてリーチ目となり、中の演出図柄が低速で一定期間スクロール表示された後にリーチ目とは異なる図柄(外れ図柄)で停止表示される。
図23は、スーパーリーチ演出の様子を示す説明図である。スーパーリーチ演出パターンは、図示するように、画面中央で3つの演出図柄が停止した状態(図23(a))から図柄変動演出が開始され、3つの演出図柄が高速でスクロール表示された後に(図23(b))、左の演出図柄と右の演出図柄とが同じ図柄のリーチ目(「7」)で停止表示されると、リーチが発生する(図23(c))。リーチが発生すると、中の演出図柄が低速で一定期間スクロール表示された後(図23(d))、スーパーリーチに発展する。スーパーリーチ中の演出では、リーチ目の左右の演出図柄が左上の位置(図中の「表示位置A」)で縮小表示されると共に中の演出図柄が拡大表示され、中の演出図柄が1つずつコマ送りされる(図23(e),(f))。そして、リーチ目と同じ図柄(大当り図柄「7」)とその1つ手前の図柄(外れ図柄「6」)とが中の演出図柄の停止位置へ交互に行き来する煽り演出が行われた後(図23(g))、いずれかの図柄が停止位置で停止表示される(図23(h))。図23の例では、大当り図柄が停止表示されて、大当りとなる。
図24は、ストーリーリーチ演出の様子を示す説明図である。ストーリーリーチ演出パターンは、図示するように、スーパーリーチ演出と同様に、画面中央で3つの演出図柄が停止した状態(図24(a))から図柄変動演出が開始され、3つの演出図柄が高速でスクロール表示された後に(図24(b))、左の演出図柄と右の演出図柄とが同じ図柄のリーチ目(「7」)で停止表示されると、リーチが発生する(図24(c))。リーチが発生すると、中の演出図柄が低速で一定期間スクロール表示された後(図24(d))、ストーリーリーチに発展する。ストーリーリーチでは、リーチ目の左右の演出図柄と中の演出図柄(スクロール中)とが右上の位置(図中の「表示位置B」)で縮小表示されると共に魚を釣り上げる釣り演出(キャラクタ演出)が開始される(図24(e))。釣演出は、「鯛」が釣り上げられると大当りとなり、何も釣れなかったり「鯛」以外のものが釣り上げられると外れとなる演出として構成され、何かがヒットしたことを示す画像(図24(f))と、ヒットしている魚の引きの強さを示す画像(図24(g))と、魚が釣れたことを示す画像(図24(h))或は何も釣れなかったことを示す画像とが順次表示される。図24の例では、「鯛」が釣り上げられ、表示位置Bで縮小表示中の演出図柄が大当り図柄で停止表示されて(図24(h))、大当りとなる。
このように、発生したリーチがスーパーリーチに発展すると、演出図柄が表示位置Aに縮小表示され、発生したリーチがストーリーリーチに発展すると、演出図柄が表示位置Bに縮小表示される。
[予告演出処理]
続いて、図柄変動演出中に行われる予告演出処理について説明する。図25は、サブ制御基板90のCPU90により実行される予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理では、サブ制御基板90のCPU90は、まず、図柄変動演出が開始されたか否かを判定する(S700)。図柄変動演出が開始されたと判定すると、演出パターンが所定パターンであるか否かを判定する(S702)。ここで、所定パターンは、本実施例では、スーパーリーチパターンとストーリーリーチパターンとした。演出パターンが所定パターン、即ちスーパーリーチパターンおよびストーリーリーチパターンのいずれかであると判定すると、予告演出を実行するか否かの抽選を行い(S704)、抽選結果が当りである場合には(S706)、演出パターンに応じた図柄表示位置に演出図柄を仮表示することにより、予告演出を行って(S708)、予告演出処理を終了する。ここで、S708の予告演出は、本実施例では、リーチ演出の演出パターンがスーパーリーチである場合には演出図柄を表示位置Aに仮表示し、リーチ演出の演出パターンがストーリーリーチである場合には演出図柄を表示位置Bに仮表示することにより行われる。なお、S700で図柄変動演出が開始されていないと判定したり、S702で演出パターンが所定パターンでないと判定したり、S706で予告抽選結果が外れと判定すると、予告演出を行うことなく、予告演出処理を終了する。
図26は、スーパーリーチ演出の開始前に予告演出が実行される様子を示す説明図である。図示するように、予告演出における演出図柄の仮表示は、演出図柄の変動表示が開始された後であって、スーパーリーチに発展する前(本表示の演出図柄が表示位置Aに移行する前)に、表示位置Aに演出図柄を半透明で縮小表示することにより行われる(図26(b),(c))。この時点で遊技者は、この後にスーパーリーチが実行される(演出が発展する)ことを認識する(推測する)。そして、左の演出図柄と右の演出図柄とが同じ図柄で停止表示されてリーチとなり、さらに、スーパーリーチに発展すると(所定のタイミングになると)、左の演出図柄と右の演出図柄とを上述の仮表示と重なるように表示位置Aに縮小表示する(図26(d))。これにより、表示位置Aに半透明で仮表示されていた演出図柄は同一図柄で不透明の本表示に変化し、スーパーリーチ演出が実行されることとなる(図26(e)〜(h))。すなわち、変動開始後の所定のタイミングで、仮表示及び本表示の両方が実行される状態が発生し(表示位置事前報知状態)、その後の所定のタイミングで、仮表示が行われていた位置に本表示が行われると共に仮表示が終了し、本表示のみが実行される状態となる。尚、仮表示と本表示の表示態様は実施例に限定されないが、何れの表示か(仮表示なのか本表示なのか)を遊技者が認識可能な態様で表示される。
図27は、ストーリーリーチ演出の開始前に予告演出が実行される様子を示す説明図である。図示するように、予告演出における演出図柄の仮表示は、演出図柄の変動表示が開始された後であって、ストーリーリーチに発展する前に、表示位置Bに演出図柄を半透明で縮小表示することにより行われる(図27(b),(c))。この時点で遊技者は、この後にストーリーリーチが実行される(演出が発展する)ことを認識する(推測する)。そして、左の演出図柄と右の演出図柄とが同じ図柄で停止表示されてリーチとなり、さらに、ストーリーリーチに発展すると、左の演出図柄と右の演出図柄とを上述の仮表示と重なるように表示位置Bに縮小表示する(図27(d))。これにより、表示位置Bに半透明で仮表示されていた演出図柄は同一図柄で不透明の本表示に変化し、ストーリーリーチ演出が実行されることとなる(図27(e)〜(h))。
以上説明した本実施例のパチンコ機10によれば、リーチ演出が開始されたときにリーチ目の演出図柄がリーチ演出の種別毎に異なる表示位置に表示される図柄変動演出を実行するものにおいて、リーチ演出が所定パターン(スーパーリーチ,ストーリーリーチ)となる図柄変動演出が開始されると、リーチ演出の開始に先立って、リーチ目の演出図柄をリーチ演出の種別に応じた表示位置に仮表示(半透明表示)する予告演出を行うから、予告演出を見た遊技者は、演出図柄が仮表示される位置に基づいてリーチ演出の種類を判別することができる。この結果、予告演出の新たな表示態様によって遊技興趣をより向上させることができる。しかも、リーチ演出の種別(ノーマルリーチ,スーパーリーチ,ストーリーリーチ)毎に大当りの可能性が異なるため、予告演出で演出図柄が仮表示される位置によって大当りの可能性を報知するといった遊技性も実現することができ、遊技興趣をより一層向上させることができる。
本実施例のパチンコ機10では、予告演出として、リーチ目となる演出図柄をリーチ演出の種別に応じた表示位置に仮表示するものとしたが、例えば、図28に示すように、リーチ目の演出図柄を仮表示させる位置をスーパーリーチ演出に係る表示位置A(図28(b))からストーリーリーチ演出に係る表示位置B(図28(c))へ変化させる等、リーチ目の演出図柄を仮表示させる位置を変化させることで、予告演出をステップアップさせるものとしてもよい。
本実施例のパチンコ機10では、予告演出として、リーチ目となる演出図柄と同じ図柄を仮表示することで演出図柄の種別も報知するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、リーチ目となる演出図柄とは異なる図柄(キャラクタ絵柄)、例えば「???」や「○○○」などのようにリーチ目となる演出図柄が事前にわからないような演出図柄を仮表示し、事前報知の段階では、表示位置のみを報知し、リーチ演出が開始されると、リーチ目となる演出図柄に置き換えるものとしてもよい。すなわち、事前報知の段階では演出図柄の種別は報知せず表示位置だけ報知し、当該事前報知した表示位置で本表示されるときに(本表示の後に)、当該表示位置に演出図柄(の種別)を表示するものとしてもよい。これにより、遊技者はどの演出が実行されるかを認識する(大当りの可能性を認識する)ものの、通常図柄でリーチとなるのか、確変図柄でリーチとなるのか(通常大当りとなるか、確変大当りとなるか)を認識することができない。これにより、遊技者に事前報知する情報の種類(事前報知態様)を多様化でき、遊技興趣を高めることができる。
本実施例のパチンコ機10では、リーチ演出中の演出図柄の本表示を不透明の図柄で行い、予告演出による演出図柄の仮表示を半透明の図柄で行うものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、演出図柄の本表示と仮表示とで異なるサイズの図柄を表示するものとしてもよいし、演出図柄の本表示と仮表示とで異なる色の図柄を表示するものとしてもよい。
本実施例のパチンコ機10では、演出図柄の変動表示が開始された直後に予告演出を開始するものとしたが、これに限定されるものではなく、予告演出が開始されるタイミングは、リーチ演出の開始前であれば如何なるタイミングであっても構わない。
本実施例のパチンコ機10では、今回の消化対象の保留に係る判定情報に基づいて変動パターンを判定し、その判定結果に基づいて予告演出を行うものとしたが、これに限定されるものではなく、今回の消化対象の保留以外に未消化の保留が存在する場合に、未消化の保留に係る判定情報に基づいて変動パターンを事前判定し、事前判定の結果、変動パターンが特定パターンと判定されたことに基づいて予告演出を行うものとしてもよい。この場合、主制御基板70にて図10の特別図柄遊技処理に代えて図29の特別図柄遊技処理を実行し、サブ制御基板90にて図30の保留予告演出処理を実行するものとすればよい。以下、図29の特別図柄遊技処理と図30の保留予告演出処理とを説明する。ここで、図30の保留予告演出処理は、図25の予告演出処理と並行して実行されるようになっており、1の図柄変動演出中に複数の保留(当該図柄変動演出中のものを含む)に対して予告演出を実行することが可能である。
図29の特別図柄遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、S206で第1特別図柄の判定用情報(大当り判定用乱数や変動パターン決定用乱数等)を取得すると、取得した判定用情報に基づき事前判定を行うことによって、大当り判定結果(大当りか否か)と特別図柄の変動パターンとを取得し(S207)、取得した大当り判定結果と変動パターンとを第1特別図柄保留発生時コマンドに含めてサブ制御基板90に送信する(S208)。ここで、発生した保留に係る事前判定は、具体的には、まず、S206で取得した大当り判定用乱数と、保留発生時の遊技状態(確変フラグの設定状態、即ち高確率状態か低確率状態)と、図14の大当り判定テーブルとに基づいて大当り判定を行う。そして、大当り判定の結果が大当りの場合には、S206で取得した変動パターン決定用乱数と、図17の大当り変動パターンテーブルとに基づいて当該保留に係る特別図柄の変動表示に対応する変動パターンを事前に取得する。また、大当り判定の結果が外れの場合には、S206で取得した変動パターン決定用乱数と、保留発生時の遊技状態(変動短縮フラグや開放延長フラグの設定状態、即ち電サポあり状態か電サポなし状態)と、図18の外れ変動パターンテーブルとに基づいて当該保留に係る特別図柄の変動表示に対応する変動パターンを事前に取得する。なお、この変形例では、第1特別図柄に係る保留について事前判定を行うものとしたが、第2特別図柄に係る保留について事前判定を行うものとしてもよい。
図30の保留予告演出処理では、サブ制御基板90のCPU90は、まず、図29の特別図柄遊技処理のS208で主制御基板70から送信された保留発生時コマンドを受信したか否かを判定する(S750)。保留発生時コマンドを受信したと判定すると、受信したコマンドに含まれる変動パターンが特定パターンであるか否かを判定する(S752)。ここで、特定パターンは、変形例では、大当りの可能性が最も高いパターンであり、ストーリーリーチを発生させる変動パターンP05とした。勿論、特定パターンを大当りの可能性が最も高いパターン(ストーリーリーチ)とするものに限られず、特定パターンに大当りの可能性が異なる複数のパターンを含めるものとしてもよい。変動パターンが特定パターンであると判定すると、保留予告演出実行フラグFに値1を設定し(S754)、次の処理に進む。なお、S750で保留発生時コマンドを受信していないと判定したり、保留発生時コマンドを受信してもS752でコマンドに含まれる変動パターンが特定パターンでないと判定すると、S754の処理をスキップして次の処理に進む。
次に、図13の変動表示関連処理のS324で主制御基板70により送信された図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定する(S756)。図柄変動開始時コマンドを受信したと判定すると、保留予告演出実行フラグFが値1であるか否かを判定する(S758)。保留予告演出実行フラグFが値1であると判定すると、特定パターン時の図柄表示位置(表示位置B)に演出図柄を仮表示すると共に(S760)、保留図柄の表示態様を、演出制御処理のS500の保留表示処理で保留表示を行う態様(通常態様)とは異なる態様(例えば通常態様とは異なる色や形状)に変化させ(S762)、保留予告演出実行フラグFを値0に設定して(S764)、保留予告演出処理を終了する。なお、S756で図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定したり、図柄変動開始時コマンドを受信してもS758で保留予告演出実行フラグFが値0であると判定すると、S760〜S764の処理をスキップして、保留予告演出処理を終了する。
図31は、保留予告演出の様子を示す説明図である。図示するように、今回の消化対象の保留に係る判定情報に基づきスーパーリーチを発生させる変動パターンP04が設定されると共に、未消化の保留に係る判定情報に基づく事前判定の結果がストーリーリーチを発生させる変動パターンP05である場合、今回の消化対象の保留に係る図柄変動演出にて、表示位置Aにリーチ目の演出図柄を仮表示(半透明表示)してスーパーリーチの発生を予告する。同時に、表示位置Bにリーチ目の演出図柄を仮表示(半透明表示)すると共に対応する保留図柄の表示態様を変化させることで、未消化の保留に係る図柄変動演出にてストーリーリーチが発生することを予告する(図31(b),(c))。そして、今回の図柄変動演出にて、リーチが発生してスーパーリーチに発展すると、表示位置Aで演出図柄が仮表示に重なるように本表示される。今回の図柄変動演出が外れ図柄で停止すると(図31(d))、表示位置Aでの演出図柄の本表示は消去されるが、表示位置Bでの演出図柄の仮表示は継続したままである(図31(e))。そして、次の図柄変動演出(上述の未消化の保留に係る図柄変動演出)が開始されリーチが発生すると(図31(f),(g))、表示位置Bにリーチ目の演出図柄が本表示されて、ストーリーリーチ演出が実行される(図31(h))。
また、上述した変形例では、今回の消化対象の保留以外に未消化の保留が存在し、未消化の保留に係る判定情報に基づく事前判定により変動パターンが特定パターン(演出パターンがストーリーリーチ)と判定されると、特定パターン時の演出図柄の表示位置を報知する予告演出を行うものとしたが、この態様に限られない。例えば、未消化の保留が複数存在する場合に、未消化の複数の保留につき対応する判定情報に基づいてそれぞれ事前判定を行い、事前判定により判定された変動パターン(演出パターン)のうち大当りの可能性が最も高い変動パターン(演出パターン)に対してその演出図柄の表示位置を報知する予告演出を行うものとしてもよい。この場合、図30の保留予告演出処理に代えて図32の保留予告演出処理を実行するものとすればよい。なお、図32の保留予告演出処理の各処理のうち図30の保留予告演出処理と同一の処理については同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は重複するから省略する。
図32の保留予告演出処理では、サブ制御基板90のCPU90は、S750で保留発生時コマンドを受信したと判定すると、保留予告演出を実行するか否かの抽選(演出抽選)を行う(S770)。なお、演出抽選は、例えば、乱数値(専用の乱数を用いてもよいし、大当り判定用乱数や変動パターン決定用乱数などを併用してもよい)を取得し、取得した乱数値が特定値であるか否かに基づいて行うことができる。抽選結果が当選したと判定すると(S772)、特別図柄の保留数(第1特別図柄の保留数)が値2以上であるか否か(S774)、保留発生時コマンドに含まれる事前判定結果に基づいて変動パターンが所定リーチを発生させるパターン(演出パターンが「スーパーリーチ」,「ストーリーリーチ」のいずれかのパターン)であると事前判定された保留(リーチ保留)が存在する否か(S776)をそれぞれ判定する。保留数が値2以上で且つリーチ保留が存在すると判定すると、事前判定された変動パターンのうち最も大当りの可能性が高いパターンを選択し(S778)、保留予告演出実行フラグを値1に設定する(S754)。即ち、記憶されている複数の保留のいずれかにリーチ保留が含まれる場合、「スーパーリーチ」を発生させる変動パターンと事前判定された保留が含まれ「ストーリーリーチ」を発生させる変動パターンと事前判定された保留が含まれない場合には「スーパーリーチ」が選択され、「スーパーリーチ」を発生させる変動パターンと事前判定された保留と「ストーリーリーチ」を発生させる変動パターンと事前判定された保留とが含まれている場合には「スーパーリーチ」よりも大当りの可能性が高い「ストーリーリーチ」が選択される。勿論、「ストーリーリーチ」を発生させると事前判定された保留が含まれ「スーパーリーチ」を発生させると事前判定された保留が含まれない場合にも「ストーリーリーチ」が選択される。なお、S772で演出抽選が外れと判定した場合や、演出抽選に当選してもS774で保留数が値2未満と判定したりS776でリーチ保留が存在しないと判定した場合には、S754をスキップして、予告演出を行わない。
次に、S756で図柄変動開始時コマンドを受信したと判定し、且つ、S758で保留予告演出実行フラグFが値1であると判定すると、S778で選択したパターンに対応する図柄表示位置に演出図柄を仮表示する(S780)。即ち、S778で「スーパーリーチ」が選択されると、表示位置Aに演出図柄を仮表示し、「ストーリーリーチ」が選択されると、表示位置Bに演出図柄を仮表示する。そして、S762で予告演出に係る保留の保留図柄の表示態様を変化させ、S764で保留予告演出実行フラグFを値0に設定して、保留予告演出処理を終了する。これにより、大当り遊技への期待感を長時間に亘って高めることができるため、遊技興趣を一層向上させることができる。
本実施例のパチンコ機10では、予告演出として、リーチ演出の開始前にリーチ目となる演出図柄を仮表示することで所定のリーチ演出(スーパーリーチ,ストーリーリーチ)の発生を予告するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、演出図柄が所定表示位置で本表示されると当りとなる場合に、事前に演出図柄を当該所定表示位置に仮表示(半透明表示)することで当りの発生を予告する演出として行うものとしてもよい。この場合、大当りや小当り,突然確変等の当りの種別毎に異なる表示位置に演出図柄を表示する図柄変動演出を行うものとすれば、当りの種別に対応する表示位置に演出図柄を仮表示する予告演出を行うことで、当りの種別を事前報知すること(当り予告)が可能となる。なお、演出図柄として通常大当りとなる通常大当り図柄と確変大当りとなる確変大当り図柄とが設けられている場合には、大当り予告時に停止図柄の種別(通常大当りか確変大当りか)が事前にわからないように例えば「???」や「○○○」などの図柄で予告演出を行うものとしてもよい。また、リーチ有効ラインが複数存在(ダブルリーチ,トリプルリーチ等)する場合に、複数のリーチ有効ライン上にリーチ目となる演出図柄を仮表示することで、リーチ発生前にリーチ有効ラインの増加を事前報知するものとしてもよい。
また、本実施例では、リーチ演出の演出パターンがスーパーリーチである場合には演出図柄を表示位置Aに仮表示し、リーチ演出の演出パターンがストーリーリーチである場合には演出図柄を表示位置Bに仮表示するものをあげたが、この様な態様に限られない。具体的には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、ストーリーリーチにも夫々複数の演出を設定し、それら演出によって、演出図柄の表示位置を異ならせると共に、大当りとなる可能性を異ならせ(一部重複しても可)、遊技者に何れの演出が実行されるかを推測させることができる。
例えば、表示位置1(表示領域の右上)を事前報知した場合には、ストーリーリーチA(大当り可能性20%)、表示位置2(表示領域の右中)を事前報知した場合には、ストーリーリーチB(大当り可能性25%)、表示位置3(表示領域の右下)を事前報知した場合には、ストーリーリーチC(大当り可能性30%)の発生を報知するものとすることができる。また、表示位置4(表示領域の左上)を事前報知した場合には、スーパーリーチA(大当り可能性8%)、表示位置5(表示領域の左中)を事前報知した場合には、スーパーリーチB(大当り可能性10%)、表示位置6(表示領域の左下)を事前報知した場合には、スーパーリーチC(大当り可能性10%)の発生を報知するものとすることができる。また、表示位置7(表示領域の中上)を事前報知した場合には、ノーマルリーチA(大当り可能性1%)、表示位置8(表示領域の中中)を事前報知した場合には、ノーマルリーチB(大当り可能性2%)、表示位置9(表示領域の中下)を事前報知した場合には、ノーマルリーチC(大当り可能性2%)の発生を報知するものとすることができる。これにより、表示位置が、表示領域の左、中、右のいずれになるかを報知することで、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、又はストーリーリーチの何れが実行されるかを報知することができ、更に表示位置が表示領域の上、中、下のいずれになるかを報知することで、どの種類のノーマルリーチ(スーパーリーチ、ストーリーリーチ)かを報知することができる。これにより、遊技者は具体的に発生する予定の演出(遊技演出)を認識することができ、期待感を高めて遊技を行うことができる。
また、「演出図柄の表示位置」の事前報知(仮表示の態様)としては、演出図柄の変動表示の所定時期(実際にその位置に表示される前段階)において、演出図柄が変動表示される位置を事前に報知したり、演出図柄が仮停止表示される位置を事前に報知したり、演出図柄が停止表示される位置を事前報知したりすることが例示される。また、仮表示の態様の一つである仮停止表示とは、再度の変動表示が行われることを前提とし、その前に行われる停止表示であって、所定の表示位置で完全に停止していてもよいし、揺れ変動等の微動をしていてもよい。
また、遊技者は、変動表示される位置や、仮停止表示される位置や、停止表示される位置を事前に知ることによって、その後に実行される演出態様や当りの可能性をある程度把握することができる。「実行される演出態様を把握できる」とは、特定の演出態様(特定のリーチ)が実行されることを認識したり、多数(例えば、30種類)ある演出態様のうちから絞られる複数の演出(例えば、4種類のストーリーリーチ)の何れかが実行されることを認識したり(30種類から4種類に絞り込める)できることをいう。またこれらの表示位置によって当りの可能性の異なる演出を実行可能であるので、表示位置を事前に知ることで、当りの可能性が高いか低いか(どの程度であるのか、期待できるかどうか)を、ある程度把握することができる。
また、実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAM(遊技価値管理制御部)に記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。もちろん、遊技価値管理制御部が管理する遊技価値として、遊技の結果得られた遊技価値と、現金等を投入することで得られた遊技価値とを別に管理(別途に表示)してもよいし、一緒に管理(加減算して表示)してもよい(別表示と加減算表示の両方をしてもよい)。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、パチンコ機10が「遊技機」に相当し、演出図柄が「識別情報」に相当し、演出図柄の表示位置が異なる複数の演出パターンを記憶するサブ制御基板90のROM90bが「演出態様記憶手段」に相当し、図22の図柄変動演出処理を実行するサブ制御基板90のCPU90aと演出表示制御基板91と演出表示装置34とが「識別情報変動表示手段」に相当し、図25の予告演出処理を実行するサブ制御基板90のCPU90aが「識別情報の表示位置を事前に報知する」ものに相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。