JP5811907B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
自動変速機は、スロットル開度と車速に応じて所定のシフトパターンに従って変速シフトを行う。シフトパターンには、低速段から高速段へのアップシフト動作のためのアップシフト線と、高速段から低速段へのダウンシフト動作のためのダウンシフト線があり、これらはアクセル開度と車速の関数として設定される。
特許文献1には、車速とエンジン負荷とに応じて設定されたシフトパターンと、運転者の運転特性を検出する運転特性検出部と、車両の減速度を検出する減速度検出手段と、シフトパターンに記憶された低エンジン負荷領域におけるダウンシフト線を、運転特性検出部と減速度検出手段からの出力値に応じて連続的に変更するシフトパターン変更手段を備える自動変速機の変速制御装置が記載されている。これにより、車両の惰性走行中でのドライバの意志に反したダウンシフトが防止されるとしている。また、スポーティ運転中にコーナの手前で制動すると、ダウンシフトが迅速に行われ、ダウンシフトがコーナ出口ではなくコーナ手前で行われること、制動に続いてアクセルペダルが踏み込まれると、車両は加速運転状態へ円滑に移行し、コーナ出口における再加速性能が向上することが記載されている。
特開平7−280076号公報
減速度に応じてダウンシフト線を連続的に変更してシフトパターンを変更すると、減速度の変化に伴って随時ダウンシフト指令を出力し、自動変速機はこの指令に従って高速段から低速段に順次ダウンシフト(順番変速)することになる。ところが、高速段から低速段に順次ダウンシフトするには一定の時間を要するため、目標とする低速段に至るまでに時間を要し、結果的に旋回時にずれ込んでしまう事態も想定され、車両挙動の安定性が低下し得る。
本発明の目的は、減速度に応じてダウンシフトする場合において、順番変速による変速遅延を防止して、迅速に目標とする低速段にダウンシフトできる装置を提供することにある。
本発明は、自動変速機の制御装置であって、減速度に応じて目標ギヤ段を算出する算出手段と、前記減速度が極小値となるタイミングで、自動変速機のギヤ段を現在のギヤ段から前記目標ギヤ段に一括して変速する指令を出力する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記制御手段は、前記減速度が極小値となるタイミングより前に旋回が開始された場合に、旋回が開始されたタイミングで前記自動変速機のギヤ段を現在のギヤ段から前記目標ギヤ段に一括して変速する指令を出力することを特徴とする。
また、本発明の他の実施形態では、前記自動変速機が所定の中継ギヤ段を備える場合、前記制御手段は、前記目標ギヤ段が前記中継ギヤ段となるタイミングで前記自動変速機のギヤ段を現在のギヤ段から前記中継ギヤ段に一括変速する指令を出力することを特徴とする。
また、本発明のさらに他の実施形態では、前記制御手段は、旋回までに余裕がある場合には前記目標ギヤ段に一括変速し、旋回までに余裕がない場合には前記自動変速機が即応可能であるときに目標ギヤ段に一括変速する指令を出力することを特徴とする。
また、本発明のさらに他の実施形態では、前記制御手段は、前記減速度が極小値となるタイミングにおいて前記自動変速機が即応可能であるときに前記目標ギヤ段に一括変速する指令を出力し、前記自動変速機が前記目標ギヤ段への変速に即応可能でないときに前記目標ギヤ段に代えて即応可能なギヤ段に変速する指令を出力することを特徴とする。
また、本発明のさらに他の実施形態では、前記制御手段は、前記旋回が開始されたタイミングにおいて前記自動変速機が即応可能であるときに前記目標ギヤ段に一括変速する指令を出力し、前記自動変速機が前記目標ギヤ段への変速に即応可能でないときに前記目標ギヤ段に代えて即応可能なギヤ段に変速する指令を出力することを特徴とする。
また、本発明のさらに他の実施形態では、前記制御手段は、前記減速度が第1極小値となる第1タイミングで自動変速機のギヤ段をそのときの目標ギヤ段に一括して変速する指令を出力するとともに、前記第1タイミングよりも後のタイミングであって、前記減速度が前記第1極小値よりもその絶対値が大きい第2極小値となる第2タイミングで自動変速機のギヤ段をそのときの目標ギヤ段に一括して変速する指令を出力することを特徴とする。
本発明によれば、減速度が極小値となるタイミングで、自動変速機のギヤ段を現在のギヤ段から目標ギヤ段に一括して変速することにより、順番変速による変速遅延を防止できる。従って、変速が旋回時にずれ込む事態を防止し、車両挙動の安定性をより一層確保できる。
実施形態の構成ブロック図である。 実施形態の制御フローチャートである。 実施形態のダウンシフトを示すタイミングチャートである。 実施形態のダウンシフトを示すタイミングチャートである。 実施形態のダウンシフトを示すタイミングチャートである。 前後Gの時間変化を示すグラフ図である。 前後Gの時間変化を示すグラフ図である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態における車両用駆動装置及びその制御系統の構成ブロック図を示す。車両用駆動装置は、走行用の駆動源であるエンジン10と、トルクコンバータ12と、自動変速機14と、出力軸16とを直列に備えて構成される。
エンジン10は、例えば気筒内噴射される燃料の燃焼により駆動力を発生するガソリンエンジンあるいはディーゼルエンジン等の内燃機関である。エンジン10の吸気配管にはエンジンの吸入空気量を調節してエンジン10のエンジン回転数を変化させる電子スロットル弁が設けられており、電子スロットル弁は後述する電子制御装置(ECU)20により制御される。
トルクコンバータ12は、流体を介して動力伝達を行う流体式動力伝達装置である。トルクコンバータ12は、エンジン10のクランク軸に連結されたポンプ翼車と、タービン軸を介して自動変速機14に連結されたタービン翼車と、一方向クラッチにより一方向の回転が阻止されているステータ翼車を備えており、ポンプ翼車とタービン翼車との間で流体を介して動力伝達を行う。ポンプ翼車とタービン翼車との間には、これらを直結するためのロックアップクラッチが設けられており、ロックアップクラッチは油圧制御装置18により制御される。
自動変速機14は、所定の複数の変速段(例えば6段)の何れかが選択される有段式変速機である。自動変速機14は、各回転要素であるサンギヤ、キャリア、リングギア同士の係合状態、又は各回転要素とトランスミッションケースとの係合状態に応じて、第1段から第6段の6つの前進変速段、及び1つの後進変速段のいずれかを成立させるためのクラッチ及びブレーキを備えており、これらクラッチやブレーキは、油圧制御装置18により制御される。
電子制御装置20は、エンジン10の出力制御、トルクコンバータ12のロックアップクラッチの係合制御、及び自動変速機14の変速制御等を実行する。なお、以下では電子制御装置20による自動変速機14の制御を適宜ECTと称する。電子制御装置20は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入出力インタフェースを備えたマイクロコンピュータで構成され、CPUがROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことで上記の制御を実行する。
電子制御装置20には、車両の各部に設けられた各種センサからの検出信号が供給される。例えば、スロットル開度センサ22で検出された電子スロットル弁のスロットル開度信号や、車速センサ24で検出された車速信号、エンジン回転数センサ26で検出されたエンジン回転数信号等が供給される。また、電子制御装置20には、車両の前後G(前後加速度)で検出された前後G信号、及び車両の横G(横加速度)で検出された横G信号も供給される。電子制御装置20は、これらの信号に基づいてエンジン10やロックアップクラッチを制御するとともに、特に、前後G及び横Gに基づいて自動変速機14の変速段を制御する。具体的には、電子制御装置20は、前後G及び横Gを用いて目標ギヤ段を算出する目標ギヤ段算出部及び変速制御部を備え、これらの機能ブロックが各種条件に応じて適応的にダウンシフトを実行することで順番変速による変速遅延を防止する。
以下、自動変速機の制御装置として機能する電子制御装置20による減速時の自動変速機14のダウンシフト制御について説明する。
図2に、本実施形態の制御フローチャートを示す。まず、電子制御装置20の目標ギヤ段算出部は、開始条件が成立しているか否かを判定する(S101)。開始条件とは、減速時のダウンシフト制御を開始するための条件であり、具体的には車両が減速時であるか否かを判定する。車両が減速時であるか否かは、前後Gセンサ28からの前後G信号を所定の閾値と比較することで判定し、前後G信号が減速(減速G)であることを示しており、かつ、その大きさが所定の閾値以上であって有意の値を示している場合に減速時であると判定する。
車両が減速時(減速G)であって開始条件が成立すると判定した場合、目標ギヤ算出部は、合成Gから再加速時の駆動力要求割合を算出する(S102)。すなわち、目標ギヤ算出部は、前後Gセンサ28で検出された前後G信号と、横Gセンサ30で検出された横G信号から、前後Gと横Gを合成してなる合成Gを算出し、予め定められた合成Gと再加速時の駆動力要求割合との関係を規定するマップにアクセスして、算出された合成Gに対応する再加速時の駆動力要求割合を算出する。再加速時の駆動力は、減速して旋回部(カーブ)に進入し、その後に加速して旋回部を脱出する際の再加速に必要な駆動力である。再加速時の駆動力割合は、そのときの最大駆動力を100とした場合の百分率で示され、合成Gが大きくなるほど再加速時の駆動力要求割合は大きくなるように予め設定される。具体的な対応関係は任意であるが、例えば合成Gに対してリニアな関係となるように規定することもできる。予め設定された関係を規定するマップは、電子制御装置20のメモリに予め記憶させておく。
合成Gから再加速時の駆動力要求割合を算出した後、目標ギヤ段算出部は、算出した駆動力要求割合を実現できる最も高いギヤ段を算出する(S103)。駆動力要求割合とこれを実現できるギヤ段との関係も予めマップで規定されてメモリに記憶されており、目標ギヤ算出段は、このマップにアクセスすることで、算出した駆動力要求割合を実現できる最も高いギヤ段を目標ギヤ段として算出する。例えば、算出した駆動力要求割合が60%であり、これを実現できるギヤ段が1段〜4段である場合、目標ギヤ段算出部は、最も高いギヤ段として4段を算出する。また、算出した駆動力要求割合が80%であり、これを実現できるギヤ段が1段〜3段である場合、目標ギヤ段算出部は、最も高いギヤ段として3段を算出する。
目標ギヤ段算出部で目標ギヤ段を算出した後、次に、変速制御部は、変速開始条件が成立しているか否かを判定する(S104)。変速開始条件とは、算出した目標ギヤ段となるように自動変速機14に変速指令を出力する条件であり、具体的には以下の3つの条件がある。
(1)減速Gが極小値である場合
(2)横Gが所定の閾値を超えており旋回を開始したと判定する場合
(3)中継ギヤ段を経由しなければならない場合
上記の(1)の条件は、減速Gが極小値である場合はドライバがブレーキ印加を緩めたことを意味するから再加速のための変速を開始する必要があることに鑑みたものである。また、(2)の条件は、減速Gが極小値をとらないまま旋回を開始してしまう場合もあり得ることを考慮したものであり、減速Gが極小値をとらないと変速が開始されず、ギヤ段がそのまま保持されてしまうと再加速が困難となることに鑑みたものである。さらに、(3)の条件は、自動変速機14によっては、ダウンシフトするためには構造上経由しなければならないギヤ段が存在することに鑑みたものである。例えば、現在のギヤ段が6段であり、目標ギヤ段が3段であったとしても、中継ギヤ段として4段を経由しなければならない場合、本来であれば6段−3段と変速すべきところ、6段−4段−3段と多重変速となり、順番変速の場合と同様の変速遅延が生じてしまうことに鑑みたものである。これら(1)〜(3)の条件は、単独で、あるいは互いに組合せて用いることができる。
変速開始条件が成立しない場合、S102の処理に戻り、目標ギヤ段算出部は、再び合成Gから再加速時の駆動力要求割合を算出し、最も高いギヤ段を算出する。そして、再び変速開始条件が成立するか否かを判定する。一方、変速開始条件が成立する場合、変速制御部は、遅延可能条件か否かを判定する(S105)。遅延可能条件とは、変速開始条件のうち、変速を遅らせることができる条件、言い換えれば旋回までに余裕があることを意味し、具体的には上記の(1)〜(3)の条件のうち、(3)の条件が該当する。すなわち、変速開始条件として(1)あるいは(2)の条件が成立している場合、そのまま旋回開始となる可能性が高いので遅延可能でないと判定する。また、変速開始条件として(3)の条件が成立している場合、旋回とは直接の関係がないので遅延可能であると判定する。
変速開始条件が遅延可能条件である場合、変速制御部は、S103で算出した目標ギヤ段への変速指令をECT、つまり自動変速機14に出力する(S107)。また、変速開始条件が遅延可能条件でない場合、変速制御部は、ECT、つまり自動変速機14が即応可能であるか否かを判定する(S106)。自動変速機14が別の制御ルーチンにより変速中である場合には即応することができないと判定され、別の制御ルーチンにより変速中でない場合には即応することができると判定される。自動変速機14が即応可能である場合、変速制御部は、S103で算出した目標ギヤ段への変速指令をECT、つまり自動変速機14に出力する(S107)。一方、自動変速機14が即応可能でない場合、変速制御部は、即応可能ギヤ段で目標ギヤ段を置き換えて変速指令を自動変速機14に出力する(S108)。例えば、現在のギヤ段が5段であり、目標ギヤ段が3段であるものの、自動変速機14が即応できるギヤ段が4段である場合、目標ギヤ段として3段に代えて4段を新たに設定し、5段から4段にダウンシフトする指令を出力する。このように目標ギヤ段を即応可能なギヤ段に置換することで、ダウンシフト中での旋回を防止できる。
ダウンシフトする指令を出力した後、変速制御部は、終了条件が成立しているか否かを判定する(S109)。この終了条件は、S101における開始条件と対をなす条件であり、具体的には、変速制御部は、車両の減速が終了して加速しているか否かを前後Gセンサ28からの前後G信号を用いて判定する。終了条件が成立していない場合、変速制御部は、S103で算出した目標ギヤ段、あるいはS108で置換された後の目標ギヤ段をそのまま保持し(S111)、旋回走行が行われているか否かを判定する(S112)。この判定は、横Gセンサ30からの横G信号を用いて行われる。そして、旋回走行が行われている場合には、保持しているギヤ段を引き続き保持して旋回終了後の再加速に備える。また、旋回走行が終了した場合には、S102以降の処理に戻る。
また、S109にて終了条件が成立している、つまり減速が終了して再加速に移行した場合には、保持していた目標ギヤ段を解除する(S110)。
以上のようにして、目標ギヤ段が算出され、目標ギヤ段となるように自動変速機14が変速制御される。前後Gが極小となるタイミングで一括してダウンシフト制御することで、順番変速による変速遅延を防止できる。また、横Gが所定の閾値を超えるタイミングで一括してダウンシフト制御することで、同様に順番変速による変速遅延を防止できる。また、前後Gが極小となったタイミング、あるいは横Gが閾値を超えるタイミングで一括してダウンシフト制御する場合、自動変速機14側の制御態様にとっては一括変速できない事態も想定され、かつ、前後Gが極小となったタイミングや横Gが閾値を超えるタイミングはその直後に旋回が開始される可能性が高いため、一括変速ではなく順番変速となった場合に旋回中のダウンシフトとなってしまうおそれがあることを考慮し、自動変速機14が即応できる場合には目標ギア段をそのまま指令するものの、自動変速機14が即応できない場合には相応できるギヤ段を代わりに指令することで、旋回中のダウンシフトを確実に防止できる。
なお、S105〜S108の処理は、旋回までに余裕があるか否かに応じ、旋回までに余裕がある場合には目標ギヤ段まで一括変速し、旋回までに余裕がない場合には一括変速ではなく自動変速機14で対応可能なギヤ段まで暫定的に変速する処理、すなわち旋回までの余裕の有無による一括変速の適応的な許可/禁止処理を実行するものといえる。
次に、変速開始条件(1)〜(3)について、それぞれ詳細に説明する。
<変速開始条件(1)>
図3に、変速開始条件(1)を表すタイミングチャートを示す。図3(a)は、前後Gセンサ28で検出される前後G信号の時間変化である。図において、横軸は時間(t)、縦軸は前後Gであり、図中上方向が正で加速、図中下方向が負で減速を示す。前後G信号100は、ある時点から減速を開始し、あるタイミングにおいて極小値をとるものとする。つまり、このタイミングでドライバがブレーキ印加を緩和したものとする。図3(b)は、図3(a)に示す前後G信号100から求めた、再加速時駆動力要求に応えることができる最も高いギヤ段である。前後G信号100に応じてその都度算出されるギヤ段(目標ギヤ段)を符号102で示す。減速度が大きくなるほどギヤ段は低速側にシフトしていく。例えば、5段で走行中に減速を開始するものとすると減速度が順次増大するとともに、これに応じてギヤ段も5段→4段→3段→2段と低速側にシフトしていく。図3(c)は、算出されたギヤ段となるようにその都度、自動変速機14をダウンシフトした場合である。その都度算出されるギヤ段に応じた変速を符号104で示す。順次算出されるギヤ段に応じて自動変速機14のギヤ段が第1変速、第2変速、第3変速と変速制御される。第1変速は例えば5段から4段のダウンシフト、第2変速は例えば4段から3段のダウンシフト、第3変速は例えば3段から2段のダウンシフトである。
このように、その都度ダウンシフトすると、1つの変速が終了するまで次の変速が不可となるから最終的に全ての変速が終了するまでに時間を要してしまう(順番変速による変速遅延)。
そこで、前後G信号100に応じてその都度、目標ギヤ段を算出するとともに、図3(d)のように、前後Gが極小値となったタイミングで一括して現在のギヤ段から目標ギヤ段に変速制御する。例えば、順番変速では、5段→4段→3段→2段となるべきところ、図3(d)では前後Gが極小となるタイミングで5段→2段と一括変速する。前後Gが極小となるタイミングで一括して行われる変速を符号106で示す。
図2の制御フローチャートに即して説明すると、S102及びS103でその都度目標ギヤ段を算出し、S104で変速開始条件として前後G信号100が極小値をとったか否かを判定する。そして、極小値でない場合には、引き続きS102及びS103でその都度目標ギヤ段を算出する。前後G信号100が極小となると、S104で変速開始条件が成立したと判定し、S105で遅延不可と判定し、S106で即応可能と判定して、S107で自動変速機14に目標ギヤ段への変速を指令する。符号104の時間変化と符号106の時間変化を比較することで、本実施形態の優位性は明らかである。本実施形態では、順番変速による変速遅延を防止し、目標ギヤ段に迅速に変速できる。
<変速開始条件(2)>
図4に、変速開始条件(2)を表すタイミングチャートを示す。図4(a)は、前後Gセンサ28で検出される前後G信号の時間変化及び横Gセンサ30で検出される横G信号の時間変化である。図において、横軸は時間(t)、縦軸は前後G及び横Gである。前後G信号100は、ある時点から減速を開始し、順次減速度が増大するものとする。つまり、図3(a)のように極小値をとらないものとする。横G信号101は、ある時点から旋回を開始し、あるタイミングにおいて所定の閾値を超えるものとする。図4(b)は、図3(b)と同様に、図4(a)に示す前後G信号100から求めた、再加速時駆動力要求に応えることができる最も高いギヤ段である。前後G信号100に応じてその都度算出されるギヤ段(目標ギヤ段)を符号102で示す。減速度が大きくなるほどギヤ段は低速側にシフトしていく。例えば、5段で走行中に減速を開始するものとすると減速度が順次増大するとともに、これに応じてギヤ段も5段→4段→3段→2段と低速側にシフトしていく。図4(c)は、横G信号101が所定の閾値を超えたタイミングにおいて一括して現在のギヤ段から目標ギヤ段に変速する様子を符号106で示す。図3(d)では前後G信号100が極小となるタイミングにおいて一括変速しているが、図4の場合には図4(a)に示すように前後G信号100が極小値をとらずに単調に減速度が増大していくプロファイルであるため、前後G信号100が極小となるタイミングで一括変速するものとすると、いつまでも変速が実行されないことになる。その一方、横G信号101が所定の閾値を超えたタイミングで一括変速することで、たとえ前後G信号100が極小とならなくても一括変速によりダウンシフトが実行される。
図2の制御フローチャートに即して説明すると、S102及びS103でその都度目標ギヤ段を算出し、S104で変速開始条件として横G信号101が所定の閾値を超えたか否かを判定する。そして、閾値を超えない場合には、引き続きS102及びS103でその都度目標ギヤ段を算出する。横G信号101が閾値を超えると、S104で変速開始条件が成立したと判定し、S105で遅延不可と判定し、S106で即応可能と判定して、S107で自動変速機14に目標ギヤ段への変速を指令する。
<変速開始条件(3)>
図5に、変速開始条件(3)を表すタイミングチャートを示す。図5(a)は、前後Gセンサ28で検出される前後G信号の時間変化である。前後G信号100は、ある時点から減速を開始し、あるタイミングにおいて極小値をとるものとする。つまり、このタイミングでドライバがブレーキ印加を緩和したものとする。図5(b)は、図5(a)に示す前後G信号100から求めた、再加速時駆動力要求に応えることができる最も高いギヤ段である。前後G信号100に応じてその都度算出されるギヤ段(目標ギヤ段)を符号102で示す。減速度が大きくなるほどギヤ段は低速側にシフトしていく。例えば、5段で走行中に減速を開始するものとすると減速度が順次増大するとともに、これに応じてギヤ段も5段→4段→3段→2段と低速側にシフトしていく。図5(c)は、前後G信号100が極小値をとるタイミングで現在のギヤ段から目標ギヤ段まで変速する際に、自動変速機14の構造上、中継ギヤ段を経由して変速する場合である。この変速を符号108で示す。例えば、5段から2段に一括変速すべきところ、自動変速機14の構造上、4段を経由しなければ2段に変速できない場合、5段からまず4段に変速し、その後に4段から2段に変速する。この場合、中継ギヤ段を経由しなければならず、一種の順番変速と同様に変速遅延が生じてしまう。すなわち、5段から4段に変速が終了してから2段に変速するため、最終的に2段に変速するまでに時間を要してしまう。図5(d)は、その都度算出される目標ギヤ段が中継ギヤ段に一致するタイミングにおいて一旦中継ギヤ段にダウンシフトしてしまい、その後、前後G信号100が極小となるタイミングで一括変速する場合である。この場合の変速を符号110で示す。予め中継ギヤ段にダウンシフトしているため、前後G信号100が極小となるタイミングで中継ギヤ段を経由することなく一括して目標ギヤ段まで変速できる。例えば、5段から予め中継ギヤ段の4段に変速しておき、前後G信号100が極小となるタイミングで4段から2段に一括変速する。これにより、順番変速による変速遅延を防止できる。
図2の制御フローチャートに即して説明すると、S102及びS103でその都度目標ギヤ段を算出し、S104で変速開始条件として中継ギヤ段か否かを判定する。中継ギヤ段でない場合には、引き続きS102及びS103でその都度目標ギヤ段を算出する。目標ギヤ段が中継ギヤ段となると、S104で変速開始条件が成立したと判定し、S105で遅延可能と判定し、S107で自動変速機14に中継ギヤ段への変速を指令する。S109、S112でいずれもNOと判定すると、再びS102及びS103でその都度目標ギヤ段を算出し、前後G信号100が極小となると、S104で変速開始条件が成立したと判定し、S105で遅延不可と判定し、S106で即応可能と判定して、S107で自動変速機14に目標ギヤ段への一括変速を指令する。
なお、変速条件(1)〜(3)は、上記のように単独あるいは互いに組み合わせて用いることができる。例えば、変速条件(1)と変速条件(2)を組み合わせることができる。この場合、図2のS102では、前後Gが極小値であるか否か、あるいは横Gが所定の閾値を超えるか否かが判定され、いずれかの条件が成立した場合に変速開始条件の成立と判定される。従って、前後Gが極小値となる前に横Gが所定の閾値を超えて旋回が開始された場合には、旋回が開始されたタイミングにおいて一括変速が実行されることになる。
また、変速条件(1)と(3)の組み合わせ、変速条件(2)と(3)の組み合わせ、変速条件(1)、(2)、(3)の組み合わせも可能である。自動変速機14の構造上、中継ギヤ段が存在しない場合には、変速開始条件(3)を考慮しなくてよいのは言うまでもない。
また、上記の実施形態では、変速条件(1)、(2)の場合は遅延不可条件、変速条件(3)の場合に遅延可能条件と一義的に判定しているが、例えば変速条件(1)、(2)、(3)を組み合わせた場合において、目標ギヤ段が中継ギヤ段となるタイミングと旋回開始のタイミングがほぼ一致している場合には、変速条件(3)の場合も遅延不可と判定した方がよい場合もあり得るので、変速条件(1)〜(3)の種類によらずに遅延可能か否か、つまり旋回までに余裕があるか否かを別途判定してもよい。旋回までに余裕があるか否かは、横Gを所定の基準値と大小比較し、横Gが基準値以下であれば余裕があると判定し、基準値を超えたときに余裕がない、つまりその後の短期間に旋回が開始される可能性が高いと判定できる。
さらに、変速条件(1)において、前後G信号100に複数の極小値が存在する場合、その極小値の絶対値の大小に応じて一括変速制御を実行するか否かを決定してもよい。例えば、図6に示すように、前後G信号100があるタイミングt1において第1の極小値G1をとり、次のタイミングt2(t1<t2)において第2の極小値G2(|G1|<|G2|)をとった場合、第1の極小値G1のタイミングt1で一括変速するとともに、第2の極小値G2のタイミングt2でも一括変速する。例えば、タイミングt1で6段→4段に一括変速し、タイミングt2で4段→2段に一括変速する等である。一方、図7に示すように、前後G信号100があるタイミングt1において第1の極小値G1をとり、次のタイミングt2(t1<t2)において第2の極小値G2(|G1|>|G2|)をとった場合、第1の極小値G1のタイミングt1で一括変速するものの、第2の極小値G2のタイミングt2では変速制御は実行しない。これにより、ダウンシフト制御の安定性を確保できる。電子制御装置20の変速制御部は、開始条件が成立してから終了条件が成立するまでの前後Gの極小値をメモリに記憶しておき、今回検出された極小値が直前に検出され記憶された極小値よりもその絶対値が大きい場合に今回検出された極小値のタイミングで一括変速すべく指令を出力し、そうでなければ変速指令を出力しないように制御する。終了条件が成立した場合、メモリに記憶された極小値は消去すればよい。
10 エンジン、12 トルクコンバータ、14 自動変速機、16 出力軸、18 油圧制御装置、20 電子制御装置(ECU)、22 スロットル開度センサ、24 車速センサ、26 エンジン回転数センサ、28 前後Gセンサ、30 横Gセンサ。

Claims (7)

  1. 自動変速機の制御装置であって、
    減速度に応じて目標ギヤ段を算出する算出手段と、
    前記減速度が極小値となるタイミングで、自動変速機のギヤ段を現在のギヤ段から前記目標ギヤ段に一括して変速する指令を出力する制御手段と、
    を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、前記減速度が極小値となるタイミングより前に旋回が開始された場合に、旋回が開始されたタイミングで前記自動変速機のギヤ段を現在のギヤ段から前記目標ギヤ段に一括して変速する指令を出力する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1,2のいずれかに記載の自動変速機の制御装置において、
    前記自動変速機が所定の中継ギヤ段を備える場合、
    前記制御手段は、前記目標ギヤ段が前記中継ギヤ段となるタイミングで前記自動変速機のギヤ段を現在のギヤ段から前記中継ギヤ段に一括変速する指令を出力する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、旋回までに余裕がある場合には前記目標ギヤ段に一括変速し、旋回までに余裕がない場合には前記自動変速機が即応可能であるときに目標ギヤ段に一括変速する指令を出力する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 請求項1記載の自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、前記減速度が極小値となるタイミングにおいて前記自動変速機が即応可能であるときに前記目標ギヤ段に一括変速する指令を出力し、前記自動変速機が前記目標ギヤ段への変速に即応可能でないときに前記目標ギヤ段に代えて即応可能なギヤ段に変速する指令を出力する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  6. 請求項2記載の自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、前記旋回が開始されたタイミングにおいて前記自動変速機が即応可能であるときに前記目標ギヤ段に一括変速する指令を出力し、前記自動変速機が前記目標ギヤ段への変速に即応可能でないときに前記目標ギヤ段に代えて即応可能なギヤ段に変速する指令を出力する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、前記減速度が第1極小値となる第1タイミングで自動変速機のギヤ段をそのときの目標ギヤ段に一括して変速する指令を出力するとともに、前記第1タイミングよりも後のタイミングであって、前記減速度が前記第1極小値よりもその絶対値が大きい第2極小値となる第2タイミングで自動変速機のギヤ段をそのときの目標ギヤ段に一括して変速する指令を出力する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
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