JP5808729B2 - クライオスタット - Google Patents
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さらに、ギフォード・マクマホン冷凍機(GM冷凍機とも言う。)のような小型の機械式冷凍機によってヘリウムガスを液化させることで、低温冷媒を準備することなく極低温環境を作ることが可能となる(例えば、特許文献1等)。
機械式冷凍機で4Heを液化して減圧排気することで作り出された低温環境で3Heガスを液化し、液化した3Heガスを吸着剤に吸着させることで、0.5K程度の極低温環境を作り出す技術も提案されている(例えば、特許文献2等)。
また、大きな設備の持ち込みが制限されている又は設置スペースを確保できないような、管理区域内(原子炉等)での計測や、被計測物の移動が困難で検出器を被測定物の近くまで持ちこむ必要がある、医療、野外等での広範囲の計測においても、高感度な低温検出器を使用した計測を可能とすることを目的とする。
更に、該液体3Heを低温源として利用する際に、真空断熱により断熱された該3Heの冷却系が配設された真空断熱容器を、大きなスペースを占める機械式冷凍機と、4He循環系の一部が収納された他の真空断熱容器から切り離して、液体3Heを低温源として被冷却体を冷却する一方、低温源の液体3Heが被冷却体から熱の供給を受けて気化した3Heガスを、蓄冷材により冷却されている吸着剤容器中の吸着剤に吸着させることが可能な構造のクライオスタットにより、
上記課題を解決して、低温検出器等の被冷却体を冷却できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(1)(I)(i)第1真空断熱容器外に配置された、
冷却用4Heガスを循環するための循環ポンプ(P)と、
(ii)第1真空断熱容器内に配置された、
前記循環ポンプ(P)から送出された往路の4Heガスを循環ポンプ(P)に吸引される復路の4Heガスで冷却する第3熱交換器(HE3)と、
第1真空断熱容器内に冷却部が配置された機械式冷凍機の冷却部により、第3熱交換器(HE3)から排出された往路の4Heガスを冷却するための熱交換器(HE)と、
(iii)第2真空断熱容器内に配置された、
前記熱交換器(HE)で冷却された往路の4Heを一部液化するJT弁(V5)と、
液化され4Heを貯液すると共に、3Heを冷却液化するための3He冷却手段を有する1Kポット(D)と、
蓄冷材(M1)が収納される蓄冷材容器(M)と、
前記1Kポット(D)から排出した復路の4Heガスにより前記蓄冷材容器(M)を冷却するための第4熱交換器(HE4)と、
から少なくとも構成され、
(iv)往路の、前記循環ポンプ(P)、第3熱交換器(HE3)、熱交換器(HE)、第1真空断熱容器と第2真空断熱容器間の往路4Heガス配管部(C1)、JT弁(V5)、1Kポット(D)、及び、
復路の、1Kポット(D)、第4熱交換器(HE4)、第2真空断熱容器と第1真空断熱容器間の復路4Heガス配管部(C2)、第3熱交換器(HE3)、循環ポンプ(P)、
の順に冷却用4Heが循環可能な、3Heを冷却液化するための4He循環系、並びに
(II)第2真空断熱容器内に配置された、
(i)前記3He冷却手段により冷却されて液化された3Heを貯液する3Heポット(A)と、
(ii)第1ヒートスイッチを介して蓄冷材容器(M)と熱的に接触して冷却されることにより、前記3Heポット(A)から気化して送供路を通って流入してきた3Heガスを吸着、及び脱着することが可能な、吸着剤(B1)が収納された吸着剤容器(B)と、
から少なくとも構成された3He冷却系、
を備え、
(III)前記往路4Heガス配管部(C1)、及び、前記復路4Heガス配管部(C2)が、それぞれ着脱可能な継手により接続されている、
ことを特徴とするクライオスタット。
前記機械式冷凍機が2段式機械式冷凍機(R)であって、
前記熱交換器(HE)が
前記2段式機械式冷凍機(R)の第1冷却部と第2冷却部により、前記第3熱交換器(HE3)で冷却された往路の4Heガスをそれぞれ冷却するための第1熱交換器(HE1)と、第2熱交換器(HE2)とから構成されている、
ことを特徴とする、前記(1)に記載のクライオスタット。
(3)前記3He冷却手段が、
3Heポット(A1)が第2ヒートスイッチを介して1Kポット(D1)と熱的に接触して冷却される冷却手段であることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載のクライオスタット。
3He配管により接続されている吸着剤容器(B)と3Heポット(A2)との間に設けられた第5熱交換器(HE5)、及び
3He配管により接続されている、吸着剤容器(B)のベント配管と接続されている3Heバッファータンク(T)と、3Heポット(A2)との間に設けられた3He凝縮器(HE6)が
それぞれ1Kポット(D2)内に配設されていて、1Kポット(D2)内の4Heによりこれらの熱交換器内を流れる3Heを間接熱交換により冷却する手段であることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載のクライオスタット。
(5)前記着脱可能な継手がバイオネット継手であることを特徴とする、前記(1)から(4)のいずれかに記載のクライオスタット。
また、上記クライオスタットの3Heポット(A)を低温源として使用し、低温源としての使用終了後に、再度第2真空断熱容器の4Heラインを第1真空断熱容器の4Heラインに接続して、再冷却することで、再度、3He冷却系を低温源として使用することが可能である。更に第2真空断熱容器とその中に配設される機器を複数作製しておくことで、1つの機器を計測に使用している間に別の機器を第1真空断熱容器の4Heラインに接続して冷却することにより、低温検出器を連続的に冷却することも可能になる。
本発明のクライオスタットは、
(I)(i)第1真空断熱容器外に配置された、
冷却用4Heガスを循環するための循環ポンプ(P)と、
(ii)第1真空断熱容器内に配置された、
前記循環ポンプ(P)から送出された往路の4Heガスを循環ポンプ(P)に吸引される復路の4Heガスで冷却する第3熱交換器(HE3)と、
第1真空断熱容器内に冷却部が配置された機械式冷凍機の冷却部により、第3熱交換器(HE3)から排出された往路の4Heガスを冷却するための熱交換器(HE)と、
(iii)第2真空断熱容器内に配置された、
前記熱交換器(HE)で冷却された往路の4Heを一部液化するJT弁(V5)と、
液化され4Heを貯液すると共に、3Heを冷却液化するための3He冷却手段を有する1Kポット(D)と、
蓄冷材(M1)が収納される蓄冷材容器(M)と、
前記1Kポット(D)から排出した復路の4Heガスにより前記蓄冷材容器(M)を冷却するための第4熱交換器(HE4)と、
から少なくとも構成され、
(iv)往路に配設された、前記循環ポンプ(P)、第3熱交換器(HE3)、熱交換器(HE)、第1真空断熱容器と第2真空断熱容器間の往路4Heガス配管部(C1)、JT弁(V5)、1Kポット(D)、及び、
復路に配設された、1Kポット(D)、第4熱交換器(HE4)、第2真空断熱容器と第1真空断熱容器間の復路4Heガス配管部(C2)、第3熱交換器(HE3)、循環ポンプ(P)、
の順に冷却用4Heが循環可能な、3Heを冷却液化するための4He循環系、並びに
(II)第2真空断熱容器内に配置された、
(i)前記3He冷却手段により冷却されて液化された3Heを貯液する3Heポット(A)と、
(ii)第1ヒートスイッチを介して蓄冷材容器(M)と熱的に接触して冷却されることにより、前記3Heポット(A)から気化して送供路を通って流入してきた3Heガスを吸着、及び脱着することが可能な、吸着剤(B1)が収納された吸着剤容器(B)と、
から少なくとも構成された3He冷却系、
を備え、
(III)前記往路4Heガス配管部(C1)、及び、前記復路4Heガス配管部(C2)が、それぞれ着脱可能な継手により接続されている、
ことを特徴とする。
本発明のクライオスタットは、3Heを冷却液化するための4He循環系と、3He冷却系から構成される。4He循環系の構成機器の一つであり、冷却用4Heガスを循環するための循環ポンプ(P)(図1、2においては、真空ポンプ(P1)19、コンプレッサー(P2)18)は第1真空断熱容器61外に配置され、その他の4He循環系の構成機器は第1真空断熱容器61内と第2真空断熱容器62内に配設され、3He冷却系の構成機器は第2真空断熱容器62内に配置されている。
4He循環系の4Heガスは、循環ポンプ(P)から送出される往路の4Heガスを循環ポンプ(P)に吸引される復路の4Heガスで冷却する第3熱交換器(HE3)23で冷却された後に、
第1真空断熱容器内に冷却部が配置された機械式冷凍機(図1、2においては、2段式機械式冷凍機(R)17)の冷却部(図1、2においては、第1段冷却部17A1と、第2段冷却部17A2)の熱交換器(HE)(図1、2においては、第1熱交換器(HE1)21と、第2熱交換器(HE2)22)で、更に冷却される。
該冷却された4Heガスは、JT弁(V5)35にてJT効果(ジュール・トムソン効果)により冷却、一部液化されて、3Heを冷却液化するための3He冷却手段を有する1Kポット(D)(図1、2においては、それぞれ1Kポット(D1)14、1Kポット(D2)15)に導入される。
尚、前記3Heを冷却液化するための3He冷却手段は、後述する第1の実施態様と、第2の実施態様にその具体的冷却手段が例示されている。
1Kポット(D)内で気化されて排出された4Heガスは第4熱交換器(HE4)24で蓄冷材容器(M)16内の蓄冷材(M1)を冷却した後に、第3熱交換器(HE3)23を経由して循環ポンプ(P)に吸引される。
尚、該蓄冷材容器(M)16は第1ヒートスイッチ51を熱的に接続された状態とすることにより後述する吸着剤容器(B)13内の吸着剤(B1)を冷却できる。
上記から、3Heを冷却液化するための4He循環系は、往路に配設された、前記循環ポンプ(P)、第3熱交換器(HE3)、熱交換器(HE)、第1真空断熱容器と第2真空断熱容器間の往路4Heガス配管部(C1)、JT弁(V5)、及び1Kポット(D)、並びに
復路に配設された、1Kポット(D)、第4熱交換器(HE4)、第2真空断熱容器と第1真空断熱容器間の復路4Heガス配管部(C2)、第3熱交換器(HE3)、及び循環ポンプ(P)から少なくとも構成されている。
吸着剤容器(B)13中の吸着剤(B1)に吸着された3Heは、吸着剤容器(B)に設けられたヒータ25により加熱・脱着され、前記1Kポット(D)による3He冷却手段により冷却・液化されて、3Heポット(A)(図1、2においては、それぞれ3Heポット(A1)11、3Heポット(A2)12)に貯液される。
前記吸着剤(B1)からの脱着と3Heポット(A)内での3Heの液化が終了した後に、4He循環系は停止するか、又は4Heをバイパスライン(図1、2においては、バイパス弁(V3)33が設けられたライン)を使用した4Heリサイクルに切り替えた後、前記往路4Heガス配管部(C1)、及び前記復路4Heガス配管部(C2)継手部分(第1継手41、第2継手42)取り外しにより3He冷却系は4He循環系から切り離される。
3Heポット(A)が低温源として使用されている間、3Heポット(A)には被冷却体から熱が供給されるので、液体3Heは除々に気化されて、該気化した3Heガスは吸着剤容器(B)13中の吸着剤(B1)に吸着される。尚、吸着熱による吸着剤(B1)の温度上昇を抑えるために、吸着剤(B1)は、第1ヒートスイッチ51を介して蓄冷材(M1)により冷却される。
蓄冷材(M1)が昇温して冷凍能力が消滅した場合、又は、3Heポット(A)内の3He液体の殆どが気化した場合には液体3Heを利用した冷却ができなくなるので、3Heポット(A)の低温源としての使用は終了する。
3Heポット(A)の低温源としての使用の終了後、再度3Heポット(A)を低温源として使用するために、前記往路4Heガス配管部(C1)、及び、前記復路4Heガス配管部(C2)継手部分(第1継手41、第2継手42)を接続して、4He循環系により、再度3He冷却系を冷却することができる。
(1)4He循環系
(1−1)循環ポンプ(P)
循環ポンプ(P)は、冷却用4Heガスの強制循環ラインを形成するために設置される。循環ポンプ(P)の減圧排気手段によって強制的にJT弁(V5)以降の下流側の4He循環系の4Heガスを排気減圧し、その吐出側の加圧手段によりJT弁(V5)までの4Heガスを加圧する。
(1−2)第1真空断熱容器
第1真空断熱容器は、外部からの伝熱及び輻射熱を低減し、該容器内の温度上昇を抑制する真空断熱容器である。
第1真空断熱容器内には少なくとも、前記循環ポンプ(P)から送出された4Heガスを循環ポンプ(P)に吸引される4Heガスで冷却する第3熱交換器(HE3)と、
第1真空断熱容器内に冷却部が配置された機械式冷凍機の冷却部により、第3熱交換器(HE3)で冷却された4Heガスを冷却するための熱交換器(HE)が配置される。
機械式冷凍機としては、例えば2段階の冷却ステージを備える小型冷凍機である、2段式機械式冷凍機(R)を挙げることができる。2段式機械式冷凍機(R)を使用する場合、冷却部17Aは、高温側(40K程度〜70K程度)の第1段冷却部17A1と、低温側(4K程度)の第2段冷却部17A2から形成される。このような2段式機械式冷凍機(R)として、ギフォード・マクマホン冷凍機(GM冷凍機)、2段式パルス管冷凍機 、2段式スターリング冷凍機等で代表される小型極低温冷凍機の使用が好ましい。
第2真空断熱容器は、第1真空断熱容器と同様に外部からの伝熱及び輻射熱を低減する真空断熱容器である。第2真空断熱容器は、被冷却体に対する低温源としての使用方法 を考慮すると、持ち運び可能な携帯タイプの小型に形成されることが望ましい。
第2真空断熱容器内には、4He循環系として、少なくとも前記熱交換器(HE)で冷却された4Heを減圧し、一部が液化するJT弁(V5)、液化した4Heを貯液する1Kポット(D)、蓄冷材(M1)が収納される蓄冷材容器(M)、前記蓄冷材(M1)を冷却する第4熱交換器(HE4)が配置される。
JT弁(V5)35は、前記熱交換器(HE)で冷却された4Heを等エンタルピ膨張させる弁である。等エンタルピ膨張による温度低下により、JT弁出口では4Heの一部は液化する。また、JT弁(V5)は、第2真空断熱容器を第1真空断熱容器から取り外す際にストップ弁としての機能を有するが、該ストップ弁をJT弁(V5)の上流側又は下流側に別途設けることもできる。
1Kポット(D)は、1K程度の低温の液体4Heが貯液されるので1Kポットと称され、例えば筒状の容器形状とすることができる。1Kポット(D)は、前記液化され4Heを貯液すると共に、3Heを冷却液化するための3He冷却手段を有している。該3He冷却手段は、3Heガスを冷却して3Heポット(A)内に液化3Heを貯液可能とする手段であれば特に制限されるのもではなく、その具体例については、第1の実施態様のクライオスタット(1)、及び第2の実施態様のクライオスタット(2)の項で説明する。
蓄冷材容器(M)16中に充填されている蓄冷材(M1)としては、動作温度領域で大きな比熱を有し、長期間動作による変形、微粉化のない材料であれば特に制限されるものではない。このような蓄冷材(M1)として、例えば、公知の希土類、希土類金属と遷移金属との合金等の15K以下での磁気相転移に伴う比熱変化が大きい材料が好適に使用でき、その形状としては球状粉(例えば、平均粒径100〜300μm)が使用可能である。
尚、蓄冷材容器(M)における第1ヒートスイッチ、及び第4熱交換器(HE4)と接する部分の容器材料は熱伝導性の高い材料を選択することが望ましい。
第1ヒートスイッチ51を熱的に接続された状態として蓄冷材(M1)は吸着剤(B1)13を冷却することが可能な構造となっている。
第1ヒートスイッチは、公知のヒートスイッチを使用することが可能であり、熱伝導のために連通部を形成するための高熱伝導性材料として、使用温度において熱伝導率が比較的高い材料により形成されていることが望ましく、ヒートスイッチの構造としてはコネクタの抜き差し、板状物の挟み込み、熱交換ガス等が挙げられる。
3He冷却系では、第2真空断熱容器内に、少なくとも3Heポット(A)と蓄冷材容器(M)が配置され、第2真空断熱容器外に3Heバッファータンク(T)28を配置することができる。
3Heポット(A)は、1Kポット(D)の3He冷却手段により、冷却・液化された3Heを貯液すると共に、被冷却体を冷却するための低温源として使用される。
すなわち、吸着剤容器(B)から脱着された3Heガスを1Kポット(D)の3He冷却手段により冷却・液化する一方、3Heポット(A)が被冷却体を冷却するための低温源として使用される場合には、第2真空断熱容器を4He循環ラインで第1真空断熱容器から切り離した状態として、超伝導素子を用いた検出器に代表される各種低温検出器や半導体検出器用の低温源として使用される容器である。 被冷却体の冷却は、例えば、3Heポット(A1)の表面にあるいは内部に被冷却体を取り付けておくことにより、熱伝導で冷却することが可能である。
この場合、3Heポット(A)より気化した3Heガスは送供路に設けられたストップ弁(V8)38を通って、吸着剤容器(B)13中の吸着剤(B1)に吸着される 。
吸着剤容器(B)13は、第1ヒートスイッチを介して蓄冷材容器(M)と熱的に接触して冷却されることにより、3Heガスの吸着能力が向上し、3Heポット(A)から気化して送供路に設けられたストップ弁(V8)38を通って流入してきた3Heガスの吸着が可能で、かつ該吸着された3Heガスを、自然昇温、又は吸着剤容器(B)にヒータ25が装着されている場合には該ヒータを動作させることにより加熱脱着することが可能な吸着剤(B1)が収納された容器である。
吸着剤容器(B)13内に収納される必要な吸着剤量は、吸着剤(B1)の3Heガスの吸着能力と、3Heポット(A)内に貯液される液体3Heの全量から決定することができる。
前記ヒータが吸着剤容器(B)に設けられている場合には、吸着剤容器(B)内の吸着剤(B1)を加熱して3Heを効率良く脱着できる。このようなヒータとして、電熱ヒータ又はジャケットタイプのヒータを使用することができる。
3Heバッファータンク(T)は、3He冷却系の運転停止時、すなわち3He系が常温となったときに3Heガスを回収するための容器、又は運転時に吸着剤容器(B)内の圧力変動を吸収する容器であり、吸着剤容器(B)と、又は吸着剤容器(B)及び3Heポット(A)とが配管により連通接続されている。
第1真空断熱容器内の熱交換器(HE)と、第2真空断熱容器内のJT弁(V5)35間の往路4Heガス配管部(C1)、及び第1真空断熱容器内の第3熱交換器(HE3)23と、前記第2真空断熱容器内の第4熱交換器(HE4)24間の復路4Heガス配管部(C2)が、第1真空断熱容器と第2真空断熱容器間でそれぞれ着脱可能な継手により接続されている。
3Heガスを冷却・液化して3Heポット(A)内に貯液する場合には(使用形態1)、第2真空断熱容器62と第1真空断熱容器61が、第1継手41と、第2継手42で接続された状態とし、
一方、3Heポット(A)を低温源として使用する場合には(使用形態2)、必要に応じて、第2真空断熱容器62と第1真空断熱容器61が切り離された状態とする。
このような第1継手と、第2継手は、断熱二重配管用の継手であるバイオネット継手を使用することが好ましい。
本発明のクライオスタットは、液体4Heを新たに連続的に供給することなく、4He循環系により冷却された3He冷却系を含む第2真空断熱容器を、第1真空断熱容器から切り離して、3He冷却系にある3Heポット(A)を低温源として使用することが可能である。特に、管理区域、野外での調査、医療用検出器等に使用することが可能となる。
上記クライオスタットの3Heポット(A)を低温源として使用し、低温源としての使用後に、再度第2真空断熱容器を第1真空断熱容器に接続することにより、4He循環系で再冷却することで、再度、低温源として使用することが可能になる。
また、第2真空断熱容器と該容器内に配設した機器と1セットとして複数作製しておくと、4He循環系を停止することなく、複数の3Heポット(A)を交互に取り付けて冷却することにより、低温源として連続的に被冷却体を冷却することが可能になる。
以下に本発明のクライオスタットの具体例を、第1の実施態様のクライオスタット(1)、及び第2の実施態様のクライオスタット(2)として説明する。
第1の実施態様のクライオスタット(1)を図1を用いて説明する。
第1の実施態様のクライオスタット(1)は、前述の通り、3Heを冷却液化するための4He循環系と、3He冷却系から構成される。
4He循環系では、2段式機械式冷凍機(R)17の冷却部21,22で冷却された4HeガスがJT弁(V5)35にてJT効果(ジュール・トムソン効果)により冷却一部液化されて1Kポット(D1)14内に貯液される。1Kポット(D1)の内部は真空ポンプ(P1)19により減圧されるのに伴い液化された4Heを気化する。その際に気化熱(蒸発潜熱)に相当する熱量を液体4Heから奪うので、1Kポット(D1)内の液体4Heの温度は更に低下する。1Kポット(D1)内で気化されて排出された4Heガスは第4熱交換器(HE4)24で蓄冷材容器(M)16内の蓄冷材(M1)を冷却した後に、第3熱交換器(HE3)23でコンプレッサー(P2)18から吐出される4Heガスを冷却して、真空ポンプ(P1)19に吸引される。
(b)3Heポット(A1)11内の液体3Heを低温源として使用する場合であって、第2真空断熱容器62が第1真空断熱容器61から4Heガス配管部(C1、C2)で切り離された状態で、被冷却体から熱によって気化した3Heガスが、第1ヒートスイッチ51を介して蓄冷材容器(M)16により冷却されている吸着剤容器(B)13内の吸着剤(B1)に吸着される使用形態(使用形態2)、に分けられる。
4He循環系は、真空ポンプ(P1)19、コンプレッサー(P2)18、第3熱交換器(HE3)23、第1熱交換器(HE1)21、第2熱交換器(HE2)22、JT弁(V5)35、1Kポット(D1)14、第4熱交換器(HE4)24、及び第3熱交換器(HE3)23の順に4Heが循環し、3He冷却系を冷却する。
(i)真空ポンプ(P1)とコンプレッサー(P2)は、冷却用4Heガスの強制循環ラインを形成するために設置されている。真空ポンプ(P1)はJT弁(V5)の下流側の4He循環系の4Heガスを強制的に排気減圧し、真空ポンプ(P1)の吐出側に配置されたコンプレッサー(P2)は該4Heガスを所定圧力まで加圧する。尚、前記の通り、真空ポンプ(P1)とコンプレッサー(P2)は共に、 第1真空断熱容器外に配置される。
2段式機械式冷凍機(R)は、2段階の冷却ステージを備える小型冷凍機である。冷却部17Aは、高温側(40〜70K程度)の第1段冷却部17A1と、低温側(4K程度)の第2段冷却部17A2から形成される。このような2段式機械式冷凍機(R)として、ギフォード・マクマホン冷凍機(GM冷凍機)、2段式パルス管冷凍機等で代表される小型極低温冷凍機の使用が好ましい。
また、第1真空断熱容器内にはコンプレッサー(P2)から送出された4Heガスを真空ポンプ(P1)に吸引される4Heガスで冷却する第3熱交換器(HE3)、2段式機械式冷凍機(R)の第1段冷却部で4Heガスをそれぞれ冷却するための第1熱交換器(HE1)、第2段冷却部で4Heガスを更に冷却するための第2熱交換器(HE2)、が配置されている。
JT弁(V5)は、第2真空断熱容器を第1真空断熱容器から取り外す際にストップ弁としての機能も有する。JT弁(V5)の下流側には、1Kポット(D1)が配置されていて、液化された4Heが貯液される。
真空ポンプ(P1)の減圧排気手段により、JT弁(V5)の下流側から真空ポンプ(P1)入口までの4He循環系が強制的に減圧排気される。その際1Kポット(D1)内に溜まった液体4Heの一部は気化される、気化熱を液体4Heから奪うので1Kポット(D1)内の液体4Heの温度は低下する。
前記第4熱交換器(HE4)は、蓄冷材容器(M)を冷却可能な構造で形成されており、該蓄冷材容器(M)中には蓄冷材(M1)が充填されている。該蓄冷材容器(M)は後述する第1ヒートスイッチ51を介して吸着剤容器(B)13を冷却することが可能な構造となっている。
4Heガスは、第4熱交換器(HE4)のガス流路内を通る際、蓄冷材容器(M)を冷却する。第4熱交換器(HE4)の構造としては、蓄冷材容器(M)内に4Heガスを流通させ直接冷却する構造、蓄冷材容器(M)の内部或いは外周に4Heガスが流通する通路を設置し間接的に冷却する構造等が挙げられる。
第2真空断熱容器には、第2継手42の下流側のストップ弁(V5)35と、第1継手41の上流側のストップ弁(V4)34が設けられている。
ストップ弁(V1)31とストップ弁(V5)35の間にパージ用弁(V7)37と、ストップ弁(V2)32とストップ弁(V4)34の間にパージ用弁(V6)36がそれぞれ設けられていることが望ましい。尚、前記パージ用弁(V7、V6)は、それぞれ第2継手41の上流、第1継手42の下流に設けることもできる。
3He冷却系では、第2真空断熱容器内に3Heポット(A1)と蓄冷材容器(M)が配置され、第2真空断熱容器外に3Heバッファータンク(T1)28が配置されている。
第2真空断熱容器は小型に形成されることで持ち運び可能となり、携帯型冷凍機として使用できる。
(a)使用形態1は、第2真空断熱容器62と第1真空断熱容器61とが4He循環系で接続されている状態で、吸着剤容器(B)13中の吸着剤(B1)に吸着されている3Heガスを、ヒータ25により加熱・脱着し、1Kポット(D1)14の3He冷却手段により当該3Heガスを3Heポット(A1)11内で冷却・液化する使用形態である。
(b)使用形態2は、第2真空断熱容器62が第1真空断熱容器61から切り離された状態で、3Heポット(A1)11内液体3Heの気化熱(蒸発潜熱)を冷却源として使用する使用形態である。3Heポット(A1)は被冷却体から熱の供給を受けて、気化した3Heガスは、蓄冷材容器(M)16で冷却されている吸着剤容器(B)13中の吸着剤(B1)に吸着される。
3Heポット(A1)11は、吸着剤容器(B)から脱着され、前記1Kポット(D1)により冷却、液化された3Heを貯液するポットである。
3Heポット(A1)は、使用形態1において、吸着剤容器(B)から脱着され、冷却液化された3Heを貯液し、使用形態2において、第2真空断熱容器を4He循環ラインで第1真空断熱容器から切り離した状態で、X線、テラヘルツ波、光、放射線等を高感度に検出可能な低温検出器用の低温源として使用される。または観察したい試料を3Heポットに取り付けることで低温での分析や物性データの測定も可能である。 1Kポット(D1)が3Heポット(A1)を冷却する際に使用する第2ヒートスイッチ52は、前記の第1ヒートスイッチ51と同様な材料及び構造のものを使用することができる。
吸着剤容器(B)13は、使用形態1において、吸着された3Heガスを吸着剤容器(B)に装着されたヒータ25により加熱脱着することが可能な容器であり、
使用形態2において、第1ヒートスイッチ51を介して蓄冷材容器(M)16と熱的に接触して冷却されている状態で、3Heポット(A1)から気化して送供路に設けられたストップ弁(V8)38を通って流入してきた3Heガスの吸着が可能な容器である。
使用形態1のために、吸着剤容器(B)に設けられたヒータとして、吸着剤容器(B)内の吸着剤(B1)を効率良く加熱できる、電熱ヒータ又はジャケットタイプのヒータを使用することができる。
3Heバッファータンク(T1)28は、3He冷却系の運転停止時、すなわち3He系が常温となったときに3Heガスを回収するため、及び/又は吸着剤容器(B)内の圧力変動を吸収する容器で、吸着剤容器(B)と配管によりストップ弁(V9)39を介して連通接続されている。尚、ストップ弁(V9)39は、使用形態1、及び使用形態2のいずれの場合も開のまま使用することができる。
第1真空断熱容器内の第2熱交換器(HE2)22と、第2真空断熱容器内のJT弁(V5)35間の往路4Heガス配管部(C1)、及び、第1真空断熱容器内の第3熱交換器(HE3)23と、前記第2真空断熱容器内の第4熱交換器(HE4)24間の復路4Heガス配管部(C2)が、第1真空断熱容器と第2真空断熱容器間でそれぞれ着脱可能な継手42、41により接続されている。
前記使用形態1では、第2真空断熱容器62と第1真空断熱容器61が第1継手41と、第2継手42で接続された状態であり、使用形態2では、切り離された状態となる。
このような第1継手と、第2継手は、断熱二重配管用の継手であるバイオネット継手を使用することが可能である。
第2の実施態様の「クライオスタット(2)」を図2を用いて説明する。
第2の実施態様のクライオスタット(2)は、第1の実施態様のクライオスタット(1)と同様に、3Heを冷却するための4He循環系と、3He冷却系から構成されていて、第1の実施態様のクライオスタット(1)と同様に3He冷却系の使用形態は、使用形態1と使用形態2に分けられる。
尚、第2の実施態様の「クライオスタット(2)」において、前記第1の実施態様のクライオスタット(1)と共通する事項については説明を省略する部分がある。
(1)4He循環系
4He循環系において、第1の実施態様と異なる点は吸着剤容器(B)13と3Heポット(A2)12との間に設けられた第5熱交換器(HE5)27、及び3Heバッファータンク(T2)29と、3Heポット(A2)12との間に設けられた3He凝縮器(HE6)26がそれぞれ1Kポット(D2)内に配設されていて、1Kポット(D2)内の4Heとの間接熱交換により3Heが冷却・液化することである。
3He冷却系では、第2真空断熱容器62内に3Heポット(A2)12と蓄冷材容器(M)16が配置され、第2真空断熱容器外に3Heバッファータンク(T2)29が配置されている。
第2真空断熱容器は、第1の実施態様に記載したと同様である。3He冷却系の使用形態は第1の実施態様と同様に使用形態1と使用形態2に分けられる。第2の実施態様において、3Heポット(A2)12は、第1の実施態様と同様に、被冷却体を冷却する際の低温源として使用される容器である。3Heポット(A2)12による、被冷却体の冷却は、例えば、3Heポット(A2)の表面にあるいは内部に被冷却体を取り付けておくことにより、熱伝導で冷却することが可能である。
第1の実施態様に記載したと同様に、第1真空断熱容器内の第2熱交換器(HE2)22と、第2真空断熱容器内のJT弁(V5)35間の4Heガス配管部(C1)、及び、第1真空断熱容器内の第3熱交換器(HE3)23と、前記第2真空断熱容器内の第4熱交換器(HE4)24間の4Heガス配管部(C2)が、第1真空断熱容器と第2真空断熱容器間でそれぞれ着脱可能な継手により接続されている。
前記使用形態1では、第2真空断熱容器62と第1真空断熱容器61は、第1継手41と、第2継手42で接続された状態であり、使用形態2では、切り離された状態となる。このような第1継手と第2継手は、第1の実施態様に記載したと同様である。
第1の実施態様に記載したクライオスタット(1)の運転方法には、下記(i)〜(vii)の工程が含まれる。以下、図1を用いて各工程を説明する。
尚、クライオスタット(1)は、殆どの3Heが液化されて3Heポット(A1)内に貯液されている状態、又は殆どの3Heが吸着剤容器(B)中の吸着剤(B1)に吸着されている状態、のいずれの状態からも運転を開始することが可能で、前記使用形態1と使用形態2とが繰り返される。
下記(i)〜(iv)は主として使用形態1に対応し、下記(v)は主として使用形態2に対応する。
以下、(i)〜(vii)における操作を「 」内に記載し、その後に該操作の説明を記載する。
4He循環系の4Heの循環を開始するための操作であり、4He循環ラインに設けられたバルブ(弁)を開の状態にした状態で真空ポンプ(P1)とコンプレッサー(P2)を起動する。
上記「JT弁(V5)を所定の開度の状態」は、4Heガスの循環量を確保できるバルブ開度であればよい。尚、後述する(v)において、バイパス弁(V3)を開にして4He循環系の循環を継続状態とした場合には、真空ポンプ(P1)19とコンプレッサー(P2)18を起動する工程は省略する。
3He冷却系は4He循環系により冷却されるので、4He循環系の冷却を2段式機械式冷凍機(R)の起動の際、又は起動後に3He冷却系の第2ヒートスイッチ52をオンにすることにより、3Heポット(A1)11が第2ヒートスイッチを介して1Kポット(D1)14により冷却される状態となる。
又、3Heポット(A1)と吸着剤容器(B)間に設けられたストップ弁(V8)を開としておき、吸着剤容器(B)から加熱、脱着されてくる3Heガスを3Heポット(A1)に供給可能な状態とする。
4He循環系において、JT弁(V5)35によって前記第2熱交換器(HE2)22で冷却された4Heが等エンタルピ膨張し、温度が低下し、その一部が液化する。尚、前記「所定の温度」は、好ましくは3K以下、より好ましくは1K程度である。
また、1Kポット(D1)から排出した4Heガスにより、第4熱交換器(HE4)24で蓄冷材容器(M)中の蓄冷材(M1)は5K程度に冷却される。
吸着剤容器(B)13に設けられたヒータ25を作動させることにより、吸着剤容器(B)内に充填された前記吸着剤(B1)に吸着された、3Heを脱着する。該脱着された3Heガスはストップ弁(V8)38を通って、第2ヒートスイッチ52を介して1Kポット(D1)14により冷却されている3Heポット(A1)内で冷却、液化される。
尚、前記「所定の温度に冷却された状態」とは、好ましくは5K程度又はそれ以下の温度である。
尚、前記「所定の温度に冷却された状態」とは、好ましくは5K程度又はそれ以下の温度である 。
次に、前記ストップ弁(V2、V4)、及びストップ弁(V1)とJT弁(V5)を閉の状態でこれらのストップ弁間の配管内を真空排気した後、これらのストップ弁等を開とする。」
3Heガスが吸着剤(B1)に吸着される際には通常発熱を伴うので、第1ヒートスイッチを介して蓄冷材(M1)により吸着剤容器(B)を冷却する必要がある。その為、蓄冷材(M1)が昇温し冷凍能力が消滅した場合、又は、3Heポット(A1)内の3He液体の殆どが気化した場合には3He液体の気化熱(蒸発潜熱)を利用した冷却ができなくなるので、3Heポット(A1)の低温源としての使用は終了する。
3Heポット(A1)の低温源としての使用の終了後、更に前記(i)〜(v)に記載した使用形態1を繰り返すために、第1継手41、及び第2継手部42で4Heガス用配管を接続し、第2真空断熱容器と第1真空断熱容器を接続する。その後、4Heの循環系にある第1継手と第2継手の上流側と下流側のストップ弁等を閉、パージ用弁(V6、V7)を開として、4He循環系配管内を真空排気する。その後、パージ用弁(V6)36、パージ用弁(V7)37を閉とし、次にこれらのストップ弁等を開とする。
尚、複数の第2真空断熱容器を交互に使用する場合には、上記(v)に記載した、真空ポンプ(P1)、コンプレッサー(P2)、及び2段式機械式冷凍機(R)を停止することなく、バイパス弁(V3)33を開にして4He循環系の循環を継続状態とした後に、ストップ弁(V1、V2)を閉にして、4He循環系を稼働下状態で、上記操作に準じた第2真空断熱容器の交換を行い、その後ストップ弁(V1、V2)を開にし、ついでバイパス弁(V3)33を閉とすることにより、3He冷却系において使用形態1を行うことができる。
クライオスタット(2)の運転方法には、下記(i)〜(vii)の工程が含まれる。以下、図2を用いて各工程を説明する。
尚、クライオスタット(2)は、前記クライオスタット(1)と同様に、殆どの3Heが液化されて3Heポット(A2)内に貯液されている状態、又は殆どの3Heが吸着剤容器(B)中の吸着剤(B1)に吸着されている状態から運転を開始することが可能である。以下のクライオスタット(2)の運転方法では、下記(i)〜(iv)は主として前記使用形態1に対応し、下記(v)は主として前記使用形態2に対応する。クライオスタット(2)の運転方法において、クライオスタット(1)の運転方法と操作が同様な事項については説明を省略する部分がある。
クライオスタット(2)の運転方法において、4He循環系は、クライオスタット(1)における、1Kポット(D1)14の代わりに、1Kポット(D2)15を使用する。1Kポット(D2)の運転は、〈1〉内部に設置された第5熱交換器(HE5)27で吸着剤容器(B)内の吸着剤(B1)から加熱・脱着された3Heを冷却液化し、〈2〉3Heバッファータンク(T2)29からの3Heを1Kポット(D2)内部に設置された3He凝縮器(HE6)26で冷却・液化して、ともに3Heポット(A2)12内に貯液する点を除いてはクライオスタット(1)の運転と同様である。
以下、(i)〜(vii)における操作を「 」内に記載し、その後に該操作の必要な説明を記載する。
上記所定の開度は、4Heガスの循環量を確保できるバルブ開度であればよい。尚、後述する(v)において、バイパス弁(V3)33を開にして4He循環系の循環を継続状態とした場合には、真空ポンプ(P1)19とコンプレッサー(P2)18は停止されず、連続運転の状態が維持される。
(ii)「2段式機械式冷凍機(R)17を起動して4He循環系の冷却を開始すると共に、2段式機械式冷凍機(R)の起動の際又は起動後に、第1ヒートスイッチ51をオフ(熱的に絶縁された状態)とし、3He冷却系の3Heポット(A2)12と吸着剤容器(B)間に設けられたストップ弁(V8)38を開としておく。」
上記「所定の温度」は、好ましくは3K以下、より好ましくは1K程度である。
(iv)「吸着剤容器(B)13に装着されたヒータ25を作動させ吸着剤(B1)に吸着されている3Heを加熱脱着し、脱着された3Heガスは3Heバッファータンク(T2)及びストップ弁(V8)を経由して、1Kポット(D2)内又は1Kポット(D2)と熱的に接触して配設された3He凝縮器(HE6)26及び第5熱交換器(HE5)27により冷却液化され、液化された3Heを3Heポット(A2)に貯液する。」
その後、以下の(a)又は(b)のいずれかの操作方法を行う。」
(a)「ストップ弁(V8)を閉の状態で、第1ヒートスイッチをオンとして、吸着剤(B1)が所定の温度に冷却された状態で、4He循環ラインのストップ弁(V1)の上流側とストップ弁(V2)の下流側のバイパスラインに設置されたバイパス弁(V3)33を開にして、
前記ストップ弁(V2、V4)、及びストップ弁(V1)とJT弁(V5)を閉の状態とした後、第1継手、及び第2継手部で4Heガス用配管を切り離すことにより、第2真空断熱容器を第1真空断熱容器から取り外す。
その後、ストップ弁(V8)を開として、3Heポット(A2)内の気化した3Heを吸着剤(B1)に吸着させることにより、3Heポット(A2)を減圧し、低温源として使用する。」
尚、前記「所定の温度に冷却された状態」とは、好ましくは5K程度又はそれ以下の温度である 。
その後、第1ヒートスイッチをオンとすることにより、蓄冷材(M1)により吸着剤(B1)が冷却されて3Heを吸着することにより、3Heポット(A2)内の液体3Heが気化して冷却されている間、3Heポット(A2)を低温源として使用する。」
尚、前記「所定の温度に冷却された状態」とは、好ましくは5K程度又はそれ以下の温度である 。
次に、前記ストップ弁(V2、V4)、及びストップ弁(V1)とJT弁(V5)を閉の状態でこれらの弁間の配管内を真空排気した後、これらの弁を開とする。」
尚、複数の第2真空断熱容器を交互に使用する場合には、上記(v)に記載した、真空ポンプ(P1)、コンプレッサー(P2)、及び2段式機械式冷凍機(R)を停止することなく、バイパス弁(V3)33を開にして4He循環系の循環を継続状態とした後に、ストップ弁(V1、V2)を閉にして、4He循環系を稼働下状態で、上記操作に準じた第2真空断熱容器の交換を行い、その後ストップ弁(V1、V2)を開にし、ついでバイパス弁(V3)33を閉とすることにより、3He冷却系において使用形態1を行うことができる。
12 3Heポット(A2)
13 吸着剤容器(B)
14 1Kポット(D1)
15 1Kポット(D2)
16 蓄冷材容器(M)
17 2段式機械式冷凍機(R)
17A 冷却部
17A1 第1段冷却部
17A2 第2段冷却部
18 コンプレッサー(P2)
19 真空ポンプ(P1)
21 第1熱交換器(HE1)
22 第2熱交換器(HE2)
23 第3熱交換器(HE3)
24 第4熱交換器(HE4)
25 ヒータ
26 3He凝縮器(HE6)
27 第5熱交換器(HE5)
28 3Heバッファータンク(T1)
29 3Heバッファータンク(T2)
31 ストップ弁(V1)
32 ストップ弁(V2)
33 バイパス弁(V3)
34 ストップ弁(V4)
35 JT弁(V5)
36 パージ用弁(V6)
37 パージ用弁(V7)
38 ストップ弁(V8)
39 ストップ弁(V9)
40 ストップ弁(V10)
41 第1継手
42 第2継手
51 第1ヒートスイッチ
52 第2ヒートスイッチ
61 第1真空断熱容器
62 第2真空断熱容器
Claims (5)
- (I)(i)第1真空断熱容器外に配置された、
冷却用4Heガスを循環するための循環ポンプ(P)と、
(ii)第1真空断熱容器内に配置された、
前記循環ポンプ(P)から送出された往路の4Heガスを循環ポンプ(P)に吸引される復路の4Heガスで冷却する第3熱交換器(HE3)と、
第1真空断熱容器内に冷却部が配置された機械式冷凍機の冷却部により、第3熱交換器(HE3)から排出された往路の4Heガスを冷却するための熱交換器(HE)と、
(iii)第2真空断熱容器内に配置された、
前記熱交換器(HE)で冷却された往路の4Heを一部液化するJT弁(V5)と、
液化され4Heを貯液すると共に、3Heを冷却液化するための3He冷却手段を有する1Kポット(D)と、
蓄冷材(M1)が収納される蓄冷材容器(M)と、
前記1Kポット(D)から排出した復路の4Heガスにより前記蓄冷材容器(M)を冷却するための第4熱交換器(HE4)と、
から少なくとも構成され、
(iv)往路の、前記循環ポンプ(P)、第3熱交換器(HE3)、熱交換器(HE)、第1真空断熱容器と第2真空断熱容器間の往路4Heガス配管部(C1)、JT弁(V5)、1Kポット(D)、及び、
復路の、1Kポット(D)、第4熱交換器(HE4)、第2真空断熱容器と第1真空断熱容器間の復路4Heガス配管部(C2)、第3熱交換器(HE3)、循環ポンプ(P)、
の順に冷却用4Heが循環可能な、3Heを冷却液化するための4He循環系、並びに
(II)第2真空断熱容器内に配置された、
(i)前記3He冷却手段により冷却されて液化された3Heを貯液する3Heポット(A)と、
(ii)第1ヒートスイッチを介して蓄冷材容器(M)と熱的に接触して冷却されることにより、前記3Heポット(A)から気化して送供路を通って流入してきた3Heガスを吸着、及び脱着することが可能な、吸着剤(B1)が収納された吸着剤容器(B)と、
から少なくとも構成された3He冷却系、
を備え、
(III)前記往路4Heガス配管部(C1)、及び、前記復路4Heガス配管部(C2)が、それぞれ着脱可能な継手により接続されている、
ことを特徴とするクライオスタット。 - 前記循環ポンプ(P)が、冷却用4Heガスを排気減圧するための真空ポンプ(P1)とその吐出側に配置された4Heガスを加圧するためのコンプレッサー(P2)とからなり、
前記機械式冷凍機が2段式機械式冷凍機(R)であって、
前記熱交換器(HE)が
前記2段式機械式冷凍機(R)の第1冷却部と第2冷却部により、前記第3熱交換器(HE3)で冷却された往路の4Heガスをそれぞれ冷却するための第1熱交換器(HE1)と、第2熱交換器(HE2)とから構成されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載のクライオスタット。 - 前記3He冷却手段が、
3Heポット(A1)が第2ヒートスイッチを介して1Kポット(D1)と熱的に接触して冷却される冷却手段であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のクライオスタット。 - 前記3He冷却手段が、
3He配管により接続されている吸着剤容器(B)と3Heポット(A2)との間に設けられた第5熱交換器(HE5)、及び
3He配管により接続されている、吸着剤容器(B)のベント配管と接続されている3Heバッファータンク(T)と、3Heポット(A2)との間に設けられた3He凝縮器(HE6)が
それぞれ1Kポット(D2)内に配設されていて、1Kポット(D2)内の4Heによりこれらの熱交換器内を流れる3Heを間接熱交換により冷却する手段であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のクライオスタット。 - 前記着脱可能な継手がバイオネット継手であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のクライオスタット。
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