図1は、この発明の実施例に係るコージェネレーション装置を模式的に示す模式図である。
図1において符号10はコージェネレーション装置を示す。コージェネレーション装置10は、商用電源(商用電力系統)12から電気負荷(例えば家庭内の照明器具など)14に至る交流電力の給電路(電力線)16に接続可能な多極コイルからなる発電機(図1で「GEN」と示す)20と発電機20を駆動する内燃機関(図1で「ENG」と示し、以下「エンジン」という)22と発電機20とエンジン22の動作を制御する発電制御部24とからなる発電ユニット26と、エンジン22の冷却水と熱交換可能な熱交換器30を含む熱交換ユニット32とを備える。また、発電ユニット26は一体化され、発電ユニットケース(筐体)34の内部に収容される。
商用電源12は、単相3線からAC100/200Vで50Hz(または60Hz)の交流電力を出力する。
エンジン22は都市ガス(あるいはLPガス。以下、単に「ガス」という)を燃料とする水冷4サイクルの単気筒OHV型の火花点火式のエンジンであり、例えば163ccの排気量を備える。図示は省略するが、エンジン22のシリンダヘッドとシリンダブロックは発電ユニットケース34に対して横(水平)方向に配置され、その内部に1個のピストンが往復動自在に配置される。
供給された吸気とガスはミキサで混合され、生成された混合気は燃焼室に流れ、点火プラグ(図示せず)で点火されるとき燃焼してピストンを駆動し、発電ユニットケース34に対して縦(重力)方向にピストンに連結されるクランクシャフトを回転させる。よって生じた排気は、排気熱交換器36でエンジン22の冷却水と熱交換された後、排気管22aおよびマフラ38を通って発電ユニットケース34の外(庫外)に排出される。
発電機20は、クランクシャフトの上端に取り付けられるフライホイール(図示せず)の内側のクランクケース上に固定され、フライホイールとの間で相対回転するとき、交流電力を発電し、その発電量はエンジン回転数に比例する。発電機20の出力は発電制御部24に送られる。
発電制御部24は、図示は省略するが、マイクロコンピュータからなる電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「ECU」という)と、DC/DCコンバータ(昇圧電源)と、インバータとを備える。
インバータは、DC/DCコンバータを介して発電機20の出力をAC100/200V(単相)に変換すると共に、インバータの出力は商用電源12と電気負荷14を結ぶ給電路16に介挿される配電盤40に供給され、そこから商用電源12と連系しつつ給電路16を介して電気負荷14に送られる。
発電機20は商用電源12からインバータを介して通電されるとき、エンジン22をクランキングするスタータモータとしても機能する。発電制御部24は発電機20の機能をスタータとジェネレータの間で切り換えると共に、エンジン22などの動作を制御する。
エンジン22と排気熱交換器36には、冷却水(不凍液)が循環させられ、一部が後述する熱交換ユニット32に配置される1次側循環路50が接続される。1次側循環路50は、エンジン22のシリンダブロックなどの発熱部位と排気熱交換器36を通るように形成される。従って、1次側循環路50の内部を流れる冷却水は、発熱部位と熱交換してエンジン22を冷却させつつ昇温させられると共に、排気熱交換器36も通過し、エンジン22の排気と熱交換してさらに昇温させられる。
1次側循環路50においてエンジン22の冷却水出口22bの下流側には、電気ヒータ52が取り付けられる。電気ヒータ52は、例えば発電ユニット26において余剰電力が生じたときに通電されて1次側循環路50を流れる冷却水を昇温する。尚、この明細書において「上流」「下流」とは、そこを流れる液体(流体)などの流れ方向における上流、下流を意味する。
コージェネレーション装置10は、発電ユニット26に加え、熱交換ユニット32を備える。
熱交換ユニット32は、熱交換器30と、1次側循環路50と、2次側循環路54とを備える。
熱交換器30は、2次側循環路54を流れる温水を1次側循環路50を流れるエンジン22の冷却水と熱交換させて昇温する。具体的には、1次側循環路50と2次側循環路54とが局部的に接近して熱交換器30を形成し、熱交換器30で1次側循環路50を流れる冷却水は2次側循環路54を流れる温水(循環路)に熱を伝えて冷却させられる。
1次側循環路50には、エンジン22の冷却水を循環させるポンプ60と、ポンプ60のいわゆるエア噛みを防止するためのエア抜きバルブ62と、循環水の圧力調整を行うためのリザーバータンク64が設けられる。
2次側循環路54には、温水を熱交換器30から貯湯タンク70を介して再び熱交換器30に循環させるためのポンプ66と、ポンプ66のエア噛みを防止するためのエア抜きバルブ68が設けられる。
2次側循環路54は、熱交換器30と貯湯タンク70の給湯口70a(または給湯口配管70b)を接続し、熱交換器30で昇温された温水を貯湯タンク70に供給可能な第1流路54aと、貯湯タンク70の出水口70c(または出水口配管70d)と熱交換器30を接続し、貯湯タンク70から排出される水を熱交換器30に供給可能な第2流路54bとからなる。尚、貯湯タンク70の出水口70cは貯湯タンク70の下部(重力方向において下部)に配置される。
また、2次側循環路54には、熱交換器30をバイパスして第1流路54aと第2流路54bを接続する第3流路54cが設けられる。
第2流路54bと第3流路54cとの合流点P、即ち、第2流路54bの一部を構成し、貯湯タンク70から合流点Pまでの配管P1と同じく第2流路54bの一部を構成し、合流点Pから熱交換器30までの配管P2と第3流路を構成する配管P3の3つが合流する位置には、水の流路を切り換える流路切換弁72が配置される。流路切換弁72は、例えば三方弁とされ、内部の弁を切り換えることによって配管P3とP2を連通させるか、配管P1とP2を連通させるかを選択可能なように構成される。
流路切換弁72は、第3流路54cに設けられた温度センサ72aの出力値に基づいて切り換えられる。具体的には、流路切換弁72は、第3流路54cを流れる温水の温度T3が所定温度以下のときは配管P3とP2を連通させ、温度T3が所定温度を超えると配管P1とP2を連通させるように構成される。
従って、第3流路54cを流れる温水の温度T3が所定温度以下のときはこの温水は第1、第2、第3流路54a,54b,54cを循環し、第3流路54cを流れる温水の温度T3が所定温度を超えるときはこの温水は第1流路54aを通って貯湯タンク70に流れる。
第1流路54aには、第3流路54cとの合流点よりも下流側に逆止弁74が設けられる。逆止弁74は、後述するボイラ76によって昇温された温水が熱交換器30側に逆流しないようにするためのものである。尚、ボイラ76は第1流路54aに接続可能とされる。また、逆止弁74を流路切換弁72(第3流路54c)とボイラ76(の出湯部)との間に設けることで、ボイラ76で昇温された温水の第3流路54cへの逆流を確実に防ぎ、第3流路54cの水温をより正確に検出することができる。
第1流路54aの最も下流側、即ち、逆止弁74より下流側であって貯湯タンク70の給湯口70aに比較的近い位置、より正確には、第1流路54aを構成する配管の貯湯タンク70側端部54d(端部54dは貯湯タンク70の給湯口配管70bに接続される)付近には貯湯タンク70に供給される温水の温度T1を検出するための温度センサ78が設置される。
また、第2流路54bの最も上流側、即ち、貯湯タンク70の出水口70cに近い位置、具体的には、第2流路54bを構成する配管の貯湯タンク70側端部54e(端部54eは貯湯タンク70の出水口配管70dに接続される)付近には貯湯タンク70から排出される水の温度T2を検出するための温度センサ80が設置される。
上記の通り、第1流路54aの下流側に位置する貯湯タンク70側端部54dと第2流路54bの上流側に位置する貯湯タンク70側端部54eは、それぞれ貯湯タンク70の給湯口70a(あるいは給湯口70aから延びる給湯口配管70b)や出水口70c(あるいは出水口70cから延びる出水口配管70d)と配管継手などで接続可能なように構成される。
次に、コージェネレーション装置10が接続を予定、即ち、コージェネレーション装置10に対して接続可能なボイラ76や貯湯タンク70などからなるボイラユニット82について説明する。
ボイラユニット82は、上記したボイラ76と、貯湯タンク70と、ボイラ制御部84とからなる。ボイラ76は、ガス供給源(図示せず)に接続され、ガス供給源からのガスを燃焼させてボイラ循環路86を流れる温水を昇温する。また、貯湯タンク70は、周囲を断熱(保温)材で被覆され、内部に温水を貯留する。
ボイラ循環路86は、一端が第1流路54aの逆止弁74と温度センサ78との間に接続され、他端が第2流路54bの流路切換弁72と温度センサ80との間に接続される。ボイラ76で昇温された温水は貯湯タンク70とボイラ76の間で循環可能なようになっている。
ボイラ循環路86にも温水を循環させるためのポンプ88と、循環する温水の温度T4を検出するための温度センサ90が設置される。
ボイラ制御部84は、温度センサ90の出力値に基づきボイラ76やポンプ88の起動および停止を制御する。ボイラ制御部84も発電制御部24と同様、マイクロコンピュータからなるECU(電子制御ユニット)を備える。
以上がこの実施例に係るコージェネレーション装置10およびコージェネレーション装置10に接続可能なボイラユニット82の構成であるが、次に、コージェネレーション装置10の動作について説明する。
図2は、発電制御部24の動作を示すフロー・チャートである。尚、図示のプログラムは、コージェネレーション装置10が起動されると所定周期で繰り返し実行される。
以下説明すると、先ずS(ステップ)10において、ボイラ76の運転が開始されたか否か判断する。ボイラ76の運転が開始されたか否かは、温度センサ78の出力値を監視し、その変化の状況に基づいて判断する。
尚、ボイラユニット82の運転状態は、概ねボイラ76が点火し、ボイラ循環路86内の水を昇温すると共に、ポンプ88を運転することで昇温された温水を貯湯タンク70に供給(給湯)する点火状態と、ボイラ76およびポンプ88が共に停止している停止状態と、ポンプ88のみ駆動することで貯湯タンク70内の水をかき混ぜ、貯湯タンク70内の温度監視を行う温度監視状態の3通り存在する。
S10で否定されるときは、以降の処理をスキップして処理を終了する一方、肯定されるときはS12に進み、発電ユニット26の運転を開始すべきか否か判定する。
図3は、その判定処理を示すフロー・チャートである。図3のプログラムは、図2のフロー・チャートの処理と平行して行われる。
図3について説明すると、S100において温度センサ78の出力値に基づき貯湯タンク70に供給される温水の温度T1を検出すると共に、温度センサ80の出力値に基づき貯湯タンクから排出される水の温度T2を検出する。
次いでS102に進み、温度センサ78により検出された温水の温度T1の所定時間当たりの温度変化量ΔT1を算出する。温度変化量ΔT1の算出は、過去(前回、前々回、・・・)のプログラムループで検出された温度T1_oldと今回検出された温度T1に基づいて算出され、例えば温度T1が所定時間の間に何度変化したかを算出する。
次いでS104に進み、温度変化量ΔT1が所定値ΔT1on以上か否か判断(判定)する。「変化量ΔT1が所定値ΔT1on以上」とは、例えば温度T1が10秒間に1℃(1℃/10sec)以上上昇したか否かを意味する。
S104で否定されるときは、以降の処理をスキップして処理を終了する一方、肯定されるときは、S106に進み、タイマT1timerを1つインクリメントする。
次いでS108に進み、1つずつインクリメントされたタイマT1timerが所定値Tt1に達するまでの間、S100からS106までの処理を繰り返し、タイマT1timerが所定値Tt1に達するとS110に進む。即ち、ここでの処理は、温度変化量ΔT1が所定時間継続して所定値ΔT1on以上か否かを判断し、所定時間継続して所定値ΔT1on以上であれば次のステップ(S110)に進む。従って、例えば所定値ΔT1onが1℃/10secであり、所定時間が20secの場合には、20secの間、1℃/10sec以上の割合で温度T1が上昇し続けたとき、S110に進むことになる。
即ち、このときの貯湯タンク70に供給される温水の温度T1とはボイラ76の出湯温度を意味していることから(発電ユニット26は運転を停止中であり、ボイラユニット82のみが動いているため)、ここでの処理は、ボイラ76の出湯温度T1を監視し、その温度変化によってシステムの熱需要があるか否かを判断していることを意味する。
また、温度変化量ΔT1が所定時間継続して所定値ΔT1on以上か否か判断するのは次の理由による。ボイラ76が点火し、ポンプ88の運転が開始された直後は貯湯タンク70の内部(特に下部)の水温は低い状態であるが、ポンプ88によって貯湯タンク70の水がかき混ぜられて温度が均一になってくると温度T1は除々に上昇する。しかしながら、単に温度変化量ΔT1が所定値ΔT1on以上になったか否かだけの判断では、それが一時的な場合もあり、誤検知の可能性もあることから、温度変化量ΔT1が所定時間継続して所定値ΔT1on以上の場合に次のステップ(S110)に進むこととした。
S110では検出された温度T2が所定温度T2on以下か否か判断(判定)し、否定されるときは以降の処理をスキップして処理を終了する一方、肯定されるときはS112に進み、発電ユニット26の運転を開始すべきと判定して処理を終了する。尚、所定温度T2onは、貯湯タンクの許容最大温度以下に設定され、例えば65°に設定される。
図4は、ボイラ流量の変化、ボイラガス流量の変化、発電出力の変化、貯湯タンクに供給される流体および貯湯タンクから排出される流体の温度変化を示すタイム・チャートである。
図4に示すように、時刻t1からt2においてボイラ76と発電ユニット26の両方が運転されているときには、貯湯タンク70に供給される温水の温度T1と、貯湯タンク70から排出される水の温度T2が共に上昇しているのが分かる。しかし、時刻t2以降発電ユニット26の運転を停止すると、ボイラ76の運転は継続しているものの貯湯タンク70に供給される温水の温度T1と、貯湯タンク70から排出される水の温度T2は除々に低下する。
図5は、発電ユニット26の運転が開始されるときの様子を示す、図4と同様なタイム・チャートである。図5の時刻t1からt2は、温度変化量ΔT1が所定値ΔT1on以上と判断され、しかも温度T2も所定温度T2on以下と判断されたが、変化量ΔT1が所定値ΔT1on以上の状態が所定時間継続しなかったため(所定時間を20secに設定したが、ここでは12sec(図5で「12s」と示す)しか継続しなかった)、発電ユニット26の運転を開始すべきとの判定には至らなかった例である。
一方、時刻t3からt4では、温度変化量ΔT1が所定値ΔT1on以上で温度T2も所定温度T2on以下と判断され、しかもこの状態が所定時間以上継続したため(所定時間が20secのところ、48sec(図5で「48s」と示す)継続した)、発電ユニット26の運転を開始すべきとの判定となり、その後時刻t5において発電ユニット26の運転が開始された例である。尚、実際には発電ユニット26の運転開始の指令があってから発電が開始されるまでに30sec程度要するため図5では発電開始が若干遅れている。
図6は、発電ユニット26の運転の開始条件が満たされなかったときの様子を示す、図4と同様なタイム・チャートである。
上記の通り、図5において発電ユニット26の運転を開始すべきとの判定に至らなかった例を示したが、図6においても時刻t1からt2において温度変化量ΔT1が所定値ΔT1on以上と判断されたが、この状態が所定時間継続しなかったため(所定時間を20secに設定したが、ここでは18sec(図6で「18s」と示す)しか継続しなかった)、発電ユニット26の運転を開始すべきとの判定には至らなかった。
図2の説明に戻ると、S12で肯定、即ち、発電ユニット26の運転を開始すべきと判定されたときはS14に進み、エンジン22や発電機20の動作を制御して発電ユニット26の運転を開始させる。尚、S12で否定されるときは、発電ユニット26の運転を開始すべきとの判定がなされるまで次のステップには進まない。
次いでS16に進み、発電ユニット26の運転が開始されたことから、1次側循環路50のポンプ60と2次側循環路54のポンプ66を駆動し、1次側循環路50の冷却水と2次側循環路54の温水を循環させる。尚、ポンプ60とポンプ66で水が循環されることで熱交換器30による熱交換が開始される。
次いでS18に進み、温度センサ72aにより2次側循環路54の第3流路54cを流れる温水の温度T3を検出する。
次いでS20に進み、第3流路54cを流れる温水の温度T3が所定温度T3on以上か否か判断する。所定温度T3onは例えば65°とされる。
S20で否定されるときは、第3流路54cを流れる温水の温度T3が所定温度T3on以上になるまでS18の処理を繰り返す。一方S20で肯定されるときは、S22に進み、流路切換弁72の弁を切り換えて、第1流路54aから貯湯タンク70を経由して第2流路54bに水が流れるようにし、熱交換器30で昇温された温水の貯湯タンク70への給湯を開始する。
即ち、熱交換器30による熱交換が開始されてから2次側循環路54(第3流路54c)の温水の温度T3が上昇するまでのしばらくの間は、熱交換器30で昇温された温水は貯湯タンク70には供給されずに、第1流路54a、第2流路54b、第3流路54c内で循環される。
その後、第3流路54cを流れる温水の温度T3が所定温度T3on以上になると流路切換弁72の弁が切り換わり、第1流路54a、第2流路54b、第3流路54c内を循環していた温水が第1流路54aから貯湯タンク70へ供給されるようになる。
次いでS24に進み、ボイラ76の運転が停止されたか否か判断する。ボイラ76の運転が停止されたか否かの判断は、温度センサ78,80の出力値を監視することで行う。尚、ボイラ制御部84は、ボイラ76の出湯温度が予め設定された温度になると点火を止め、ボイラ76の運転を停止させる。
S24で否定されるときは、以降の処理をスキップして処理を終了する一方、肯定されるときはS26に進み、発電ユニット26の運転を停止すべきか否か判定する。
図7は、その判定処理を示すフロー・チャートである。
図7について説明すると、S200において温度センサ80の出力値に基づき貯湯タンク70から排出される水の温度T2を検出する。
次いでS202に進み、検出された水の温度T2が所定温度T2off以上か否か判断(判定)する。所定温度T2offは貯湯タンク70内の温水の沸き上がりを判定するための温度であり、例えば65°とされる。
S202で否定されるときは、以降の処理をスキップして処理を終了する一方、肯定されるときは、S204に進み、タイマT1timerを1つインクリメントする。
次いでS206に進み、1つずつインクリメントされたタイマT1timerが所定値Tt2に達するまでの間、S200からS204までの処理を繰り返し、タイマT1timerが所定値Tt2に達するとS208に進んで発電ユニット26の運転を停止すべきと判定して処理を終了する。
即ち、ここでの処理は、温度T2がタイマT1timerが所定値Tt2に達するまで、換言すると、温度T2が所定時間継続して所定温度T2off以上であれば発電ユニットの運転を停止すべきと判定して処理を終了する。従って、例えば所定温度T2offが65°であり、所定時間が300secの場合には、300secの間、所定温度T2offが65°以上であり続けると、発電ユニット26の運転を停止すべきと判定する。尚、温度T2が所定時間継続して所定温度T2off以上の場合には、貯湯タンク70内の温水が沸き上がったと判断し、発電ユニット26の運転を停止させるものである。
S206で肯定されるとS208に進み、発電ユニット26の運転を停止すべきと判定して処理を終了する。
即ち、発電ユニット26の運転を開始した後、貯湯タンク70の下部の出水口70cから排出される温水の温度T2が沸き上がりを判定するための温度である所定温度T2off以上になったとき、システムの熱需要がないと判断し、発電ユニット26を停止させる。つまりこのような状態を貯湯タンク70内の温水がすべて沸き上がったと判断するものである。
図2の説明に戻ると、S26で肯定、即ち、発電ユニット26の運転を停止すべきと判定されたときはS28に進み、エンジン22や発電機20の動作を制御して発電ユニット26の運転を停止させる。尚、S26で否定されるときは、発電ユニット26の運転を停止すべきとの判定がなされるまで次のステップには進まない。
図8は、発電ユニット26の運転が停止されるときの様子を示す、図4と同様なタイム・チャートである。図8の時刻t1からt2は、検出された温度T2が所定温度T2off(図8では、T2offを60°としている)以上と判断され、かつこの状態が所定時間継続したため(所定時間が300secのところ、300sec(図8で「300s」と示す)継続した)、発電ユニット26の運転を停止すべきとの判定となり、その後発電ユニット26の運転を停止させた例である。
上記の如く、この発明の実施例にあっては、貯湯タンク70とボイラ76に接続可能であると共に、商用電力系統12から電気負荷14に至る交流電力の給電路16に接続可能な発電機20と前記発電機20を駆動する内燃機関(エンジン)22と前記内燃機関22と発電機20の動作を制御する制御部(発電制御部)24とからなる発電ユニット26と、前記内燃機関22の冷却水と熱交換可能な熱交換器30とを備え、前記熱交換器30と前記ボイラ76の少なくともいずれかで前記貯湯タンク70に供給されるべき第1流体(貯湯タンク70に供給される温水)を昇温させる如く構成した。
これにより、貯湯タンク70とボイラ76からなる既設のボイラユニット82に後から発電ユニット26や熱交換器30などを接続して使うことができ、ユーザの便宜性を高めることができる。さらに、既設のボイラユニット82の有効活用が図れると共に、ボイラユニット82を含んだ装置一式を購入するよりも安価である。
また、前記第1流体の温度T1を検出する第1流体温度検出手段(温度センサ78、発電制御部24。S12,S100)と、前記貯湯タンクから排出される第2流体の温度T2を検出する第2流体温度検出手段(温度センサ80、発電制御部24。S12,S100)と、前記検出された第1流体の温度T1の所定時間当たりの変化量ΔT1を算出する第1流体温度変化量算出手段(発電制御部24。S12,S102)と、前記算出された第1流体の温度T1の所定時間当たりの変化量ΔT1が第1所定値ΔT1on以上か否か判定する第1流体温度変化量判定手段(発電制御部24。S12,S104)と、前記検出された第2流体の温度T2が第1所定温度T2on以下か否か判定する第2流体温度判定手段(発電制御部24。S12,S110)とを備えると共に、前記制御部24は、前記ボイラ76の運転が開始された後、前記算出された第1流体の温度T1の所定時間当たりの変化量ΔT1が前記第1所定値ΔT1on以上と判定され、かつ前記検出された第2流体の温度T2が前記第1所定温度T2on以下と判定されるとき、前記内燃機関22と発電機20の動作を制御して前記発電ユニット26の運転を開始する(S14,S112)如く構成した。
これにより、貯湯タンク70に供給される第1流体と貯湯タンク76から排出される第2流体の温度T1,T2を監視するだけで発電ユニット26の運転を開始することができるので、貯湯タンク70の給湯配管70bおよび出水配管70dと接続するだけでいかなるタイプのボイラユニット82でも組み合わせて使うことができる。
また、前記第2流体温度判定手段は、前記検出された第2流体の温度T2が第2所定温度T2off以上か否か判定する(S202)と共に、前記制御部24は、前記ボイラ76の運転が停止された後、前記検出された第2流体の温度T2が前記第2所定温度T2off以上と判定されるとき、前記内燃機関22と発電機20の動作を制御して前記発電ユニット26の運転を停止する(S28,S208)如く構成したので、既設のボイラユニット82などに組み合わせ使うことができるだけでなく、簡易な構成でありながら最適なタイミングで発電ユニット26の運転を停止することができる。
また、前記第1流体を前記貯湯タンク70に接続可能な第1流路54aと、前記第2流体を前記熱交換器30に接続可能な第2流路54bと、前記熱交換器30をバイパスして前記第1流路54aと前記第2流路54bを接続する第3流路54cと、前記第3流路54cを流れる第3流体の温度T3を検出する第3流体温度検出手段(温度センサ72a、発電制御部24。S18)と、前記検出された第3流体の温度T3が第3所定温度T3on以下のとき、前記第1流体を前記第1、第2、第3流路54a,54b,54cを介して循環させる一方、前記検出された第3流体の温度T3が前記第3所定温度T3onを超えるとき、前記第1流体を前記第1、第2流路54a,54bを介して前記貯湯タンク70に供給させる流路制御手段(流路切換弁72、発電制御部24。S20,S22)とを備える如く構成したので、第3流体の温度T3が第3所定温度T3onを超えてから第1流体を貯湯タンク70に供給させるようにすることで運転効率を向上させることができる。
また、前記第1流体温度変化量判定手段は、前記算出された第1流体の温度T1の所定時間当たりの変化量ΔT1が第2所定時間継続して(T1timer=Tt1)前記第1所定値ΔT1on以上か否か判定する(S106)と共に、前記制御部24は、前記ボイラ76の運転が開始された後、前記算出された第1流体の温度T1の所定時間当たりの変化量ΔT1onが前記第2所定時間継続して前記第1所定値ΔT1on以上と判定され、かつ前記検出された第2流体の温度T2が前記第1所定温度T2on以下と判定されるとき、前記内燃機関22と発電機20の動作を制御して前記発電ユニット26の運転を開始する(S14,S112)如く構成したので、より最適なタイミングで発電ユニット26の運転を開始することができる。
また、前記第2流体温度判定手段は、前記検出された第2流体の温度T2が第1所定時間継続して(T1timer=Tt2)前記第2所定温度T2off以上か否か判定する(S206)と共に、前記制御部24は、前記ボイラ76の運転が停止された後、前記検出された第2流体の温度T2が前記第1所定時間継続して前記第2所定温度T2off以上と判定されるとき、前記内燃機関22と発電機20の動作を制御して前記発電ユニット26の運転を停止する(S28,S208)如く構成したので、一層最適なタイミングで発電ユニット26の運転を停止することができる。
尚、上記において、発電制御部24が図2,3,7に示す処理、即ち、温度センサ78,80の出力値T1,T2に基づき、発電ユニット26の運転を開始すべきか、あるいは停止すべきかの判定を行うと共に、判定結果に基づいて発電ユニット26の運転の開始および停止までを制御したが、必ずしも1つの発電制御部24で上記の処理をすべて行う必要はなく、例えばもう1つ制御部を設け(例えば発電ユニット26の発電制御部24の他に、別の制御部をもう1つ設け)、一方の制御部(発電制御部24)は発電ユニット26の運転の開始、停止の制御のみを行い、他方の制御部では温度センサ78,80の出力値T1,T2に基づき、発電ユニット26の運転を開始すべきか、あるいは停止すべきかの判定を行うようにしても良い。勿論この場合、一方の制御部と他方の制御部は相互に通信可能とされる(一方の制御部は他方の制御部から送られてきた判定結果に基づいて発電ユニット26の運転の開始、停止の制御を行う)。
また、発電制御部24が、第3流路54cを流れる温水の温度T3を温度センサ72aにより検出し、この検出結果に基づいて流路切換弁72を切り換えるようにしたが、例えば流路切換弁72を温度センサ内蔵のサーモスタット弁として、第3流路54cを流れる温水の温度T3が所定温度T3onになったら、発電制御部24によらずにサーモスタット弁が自動的に弁を切り換えるようにしても良い。
また、エンジン22を都市ガス・LPガスを燃料とするガスエンジンとしたが、ガソリン燃料などを使用するエンジンであっても良い。また、所定値ΔT1on、所定温度T2on,T2off,T3on、所定時間Tt1,Tt2、エンジン22の排気量などを具体的な値で示したが、それらは例示であって限定されるものではない。
また、商用電源12が出力する交流電力を100/200Vとしたが、商用電源12が出力する交流電力が100/200Vを超えるときは、それに相応する電圧を発電ユニット26から出力させることはいうまでもない。