JP5808317B2 - 糖化溶液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、糖化溶液の製造方法に関する。
近年、地球温暖化防止の観点から、その原因の一つと考えられている二酸化炭素排出量を削減することが求められている。そこで、ガソリン等の液体炭化水素とエタノールとの混合燃料を自動車燃料に用いることが検討されている。前記エタノールとしては、植物性物質、例えばサトウキビ、トウモロコシ等の農作物の発酵により得たエタノールを用いることができる。前記植物性物質は、原料となる植物自体が既に光合成により二酸化炭素を吸収しているので、かかる植物性物質から得られたエタノールを燃焼させたとしても、排出される二酸化炭素の量は前記植物自体が吸収した二酸化炭素の量に等しい。即ち、総計としての二酸化炭素の排出量は理論的にはゼロになるという所謂カーボンニュートラル効果を得ることができる。
ところが、前記サトウキビ、トウモロコシ等は、エタノールの原料として大量に消費されると、食料として供給される量が減少するという問題がある。
そこで、前記植物性物質として、サトウキビ、トウモロコシ等に代えて、セルロースを含むが食用ではないバイオマスを用いてエタノールを製造する技術が検討されている。前記セルロースを含むバイオマスとしては、例えば、木材、稲藁、麦藁、バガス、竹、パルプ及びこれらから生じる廃棄物例えば古紙等のリグノセルロース系バイオマスを挙げることができる。
前記リグノセルロース系バイオマスからエタノールを製造する際には、まず、該リグノセルロース系バイオマスを基質として、該基質に糖化酵素を添加し、糖化酵素を含む水溶液(基質・糖化酵素混合液)を調製し、該糖化酵素の作用により該基質に含まれるセルロース及びヘミセルロースを分解する。前記糖化酵素としては、例えば、アクレモニウム属やトリコデルマ属の微生物により産生されるものが用いられる。
次に、前記セルロース及びヘミセルロースが分解された処理溶液から前記基質(リグノセルロース系バイオマス)の残渣(以下、バイオマス残渣と記載することがある)を除去して、糖化溶液を回収する。そして、前記糖化溶液にエタノール発酵菌を添加し、エタノール発酵させることにより、エタノール水溶液を得る。得られたエタノール水溶液は、蒸留等の無水化処理を行うことにより、最終的にエタノール燃料に精製することができる。
前記糖化溶液の製造方法として、例えば、古紙を基質とする基質溶液に、アクレモニウム・セルロリティカスC1株により産生される糖化酵素を添加して処理する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。前記古紙を基質とする糖化溶液の製造方法によれば、前記基質及び前記糖化酵素を含む混合液は、pH2〜8の範囲で処理され糖化溶液となる。また、このとき、前記基質・糖化酵素混合液は、50ミリリットル中に古紙2.5gを含んでおり、基質濃度は約5質量%となっている。
この他の前記糖化溶液の製造方法として、例えば、稲藁からなる基質に市販糖化酵素を添加して処理する方法が知られている(例えば特許文献2参照)。前記稲藁からなる基質に市販糖化酵素を添加して処理する糖化溶液の製造方法によれば、前記基質は糖化酵素水溶液により処理され糖化溶液となる。また、このとき、前記基質・糖化酵素混合液は、1ミリリットル中に基質50mgを含んでおり、基質濃度は約5質量%となっている。
特許第4025848号公報(段落(0024)) 特開2010−35431号公報(段落(0063))
前記従来の糖化溶液の製造方法により得られる糖化溶液を用いてエタノール発酵を行うときには、該糖化溶液として回収される糖ができるだけ多いことが好ましい。そこで、前記基質溶液における前記基質濃度をできる限り高くすることが望まれる。
しかしながら、前記基質溶液において単純に前記基質濃度を高くすると、前記糖化酵素により処理した後、前記基質の残渣を除去する際に該残渣に吸着されて除去される糖が増加し、前記基質・糖化酵素混合液から前記糖化溶液として回収される糖が低減するという不都合がある。
本発明は、かかる不都合を解消して、基質・糖化酵素混合液に対して、前記糖化溶液として得られる糖の回収率を増加させることができる糖化溶液の製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、リグノセルロース系バイオマスをアンモニア又は水蒸気により処理してセルロース又はヘミセルロースに結合しているリグニンを除去して調製された基質溶液を、微生物が産生した糖化酵素により処理して基質・糖化酵素混合液を調製し、前記基質・糖化酵素混合液から前記基質の残渣を除去して糖化溶液を得る糖化溶液の製造方法において、前記基質・糖化酵素混合液を調製する際に、前記基質・糖化酵素混合液中の基質濃度を15〜30質量%の範囲に調製すると共に、前記基質・糖化酵素混合液の全量に対して、5〜40質量%の範囲の濃度となるように糖化酵素を添加し、前記糖化酵素として、GC220(商標、ジェネンコア社製)又はアクレモニウムセルラーゼ(商標、明治製菓株式会社製)のいずれか1種類のみを用い、前記基質・糖化酵素混合液から前記基質の残渣を除去する際に該残渣に吸着されている糖を、フィルタープレス、真空脱水機、ベルトプレス脱水機、スクリュープレス脱水機、多重円板脱水機による方法からなる群から選択されるいずれか1つの方法を用いて抽出し、前記糖化溶液中の糖濃度が6〜18質量%の範囲であることを特徴とする。
本発明の糖化溶液の製造方法では、前記基質・糖化酵素混合液中の基質濃度を前記範囲とすることにより、前記基質としての前記リグノセルロース系バイオマスから生じる残渣が過剰となることを防止することができる。この結果、前記残渣に吸着される糖が過剰になることがなく、前記基質・糖化酵素混合液に対して、より多くの糖を前記糖化溶液として回収することができる。
前記基質濃度が15質量%未満であるときには、基質となる前記リグノセルロース系バイオマスが少量であり、前記糖化酵素の作用により得られる糖自体が少ないため、効率が低下する。また、前記基質濃度が30質量%を超えると、前記基質から生じる残渣が増加し、該残渣に吸着される糖も増加するため、前記糖化溶液として回収される糖が低減する。
次に、本発明の糖化溶液の製造方法では、前記基質・糖化酵素混合液から前記基質の残渣を除去する際に該残渣に吸着されている糖を抽出する。この結果、さらに多くの糖を前記糖化溶液として回収することができる。
また、前記基質となるリグノセルロース系バイオマスは、セルロースまたはヘミセルロースにリグニンが結合した構造となっている。そのため、前記糖化酵素のセルロースまたはヘミセルロースへの作用は、リグニンにより妨げられる。そこで、本発明の糖化溶液の製造方法では、前記リグノセルロース系バイオマスをアンモニア又は水蒸気により処理してセルロース又はヘミセルロースに結合しているリグニンを除去して調製された基質溶液を、前記糖化酵素により処理することにより、前記基質・糖化酵素混合液を得る。前記基質溶液は、前記リグノセルロース系バイオマスのセルロース又はヘミセルロースに結合しているリグニンを除去することにより、前記糖化酵素により容易に糖化することができる。
また、本発明の糖化溶液の製造方法では、前記基質溶液に対する前記糖化酵素による処理は、前記基質・糖化酵素混合液1gに対して、微結晶性セルロース分解活性1.2〜70.2Uかつキシラン分解活性0.8〜46.8Uの範囲の量の糖化酵素を添加することにより行うことが好ましい。前記糖化酵素の添加量は、前記基質・糖化酵素混合液1gに対し、微結晶性セルロース分解活性が1.2U未満あるいはキシラン分解活性が0.8U未満であるときには、前記リグノセルロース系バイオマスを十分に糖化することができないことがある。また、前記糖化酵素の添加量は、前記基質・糖化酵素混合液1gに対し、微結晶性セルロース分解活性で70.2Uあるいはキシラン分解活性で46.8Uを超えてもそれ以上の効果は得られにくく、製造コストの増加を抑制することができない。
第1の糖化酵素を用いたときの基質・糖化酵素混合液中の基質濃度と、基質・糖化酵素混合液の全量に対して得られる糖化溶液の回収率との関係を示すグラフ。 第1の糖化酵素を用いたときの基質・糖化酵素混合液中の基質濃度と、得られる糖化溶液中の糖濃度との関係を示すグラフ。 第1の糖化酵素を用いたときの基質・糖化酵素混合液中の基質濃度と、糖化溶液中に得られる糖の基質・糖化酵素混合液の全量に対する回収率との関係を示すグラフ。 第2の糖化酵素を用いたときの基質・糖化酵素混合液中の基質濃度と、基質・糖化酵素混合液の全量に対して得られる糖化溶液の回収率との関係を示すグラフ。 第2の糖化酵素を用いたときの基質・糖化酵素混合液中の基質濃度と、得られる糖化溶液中の糖濃度との関係を示すグラフ。 第1の糖化酵素を用いたときの基質・糖化酵素混合液中の基質濃度と、糖化溶液中に得られる糖の基質・糖化酵素混合液の全量に対する回収率との関係を示すグラフ。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の糖化溶液の製造方法では、まず、基質であるリグノセルロース系バイオマスとしての稲藁を25質量/体積%−アンモニア水により処理し、該稲藁のセルロース又はヘミセルロースに結合しているリグニンを除去して、基質溶液を調製する。前記アンモニア水によりリグニンを除去する処理は、例えば、前記基質溶液を80℃の温度に保持して8時間反応させる。
前記基質溶液は、前記アンモニア水による処理の結果として、pHが13〜14の範囲となっている。
そこで、前記基質溶液に、さらに、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、クエン酸、リン酸等から選択される酸を添加して、該基質溶液のpHを3〜7の範囲に調整する。前記酸は、1種だけ用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
次に、pH3〜7の範囲に調整された前記基質溶液に、糖化酵素水溶液を添加する。前記糖化酵素としては、例えば、GC220(商標、ジェネンコア社製)、アクレモニウムセルラーゼ(商標、明治製菓株式会社製)を用いることが好ましいが、他の糖化酵素でも代替することができる。前記糖化酵素の添加量は、前記基質・糖化酵素混合液1gに対し、好ましくは微結晶性セルロース分解活性1.2〜70.2Uかつキシラン分解活性0.8〜46.8Uの範囲、さらに好ましくは微結晶性セルロース分解活性5.9〜46.8Uかつキシラン分解活性3.9〜31.2Uの範囲であり、例えば微結晶性セルロース分解活性23.4Uかつキシラン分解活性15.6Uである。前記糖化酵素の添加量を基質・糖化酵素混合液の全量に対する濃度に変換すると、1〜60質量%の範囲であり、好ましくは5〜40質量%の範囲であり、例えば20質量%である。
ここで、微結晶性セルロース分解活性の測定は、次のようにして行うことができる。まず、糖化酵素を含む水溶液の試料50μlに、200mMの酢酸緩衝液(pH4)350μlと、4質量/体積%微結晶セルロース(メルク社製、型番1.02331.0500)懸濁液400μlとを加え、攪拌しながら50℃で15分間反応させる。その後、30質量/体積%ロッシェル塩、1質量/体積%ジニトロサリチル酸、1.6質量/体積%水酸化ナトリウムを含む水溶液800μlを加え、15000×gで20分間遠心分離し、その上清を100℃で5分間処理した溶液の波長540nmの光線における吸光度を測定し、グルコースを標準物質に用いて、溶出した還元糖濃度を算出する。ここで、1分間に1マイクロモルの還元糖を遊離する酵素量を1Uとする。
また、キシロース分解活性の測定は、次のようにして行うことができる。まず、1質量/体積%キシラン(バーチウッド由来、シグマ社製)懸濁液を2時間煮沸後、10000×gで20分間遠心分離した上清を凍結乾燥したものを可溶性キシランとし、キシロース分解活性の基質として用いる。次に、糖化酵素を含む水溶液の試料20μlに、200mMの酢酸緩衝液(pH4)180μlと、1質量/体積%可溶性キシラン水溶液200μlとを加え、攪拌しながら50℃で15分間反応させる。その後、30質量/体積%ロッシェル塩、1質量/体積%ジニトロサリチル酸、1.6質量/体積%水酸化ナトリウムを含む水溶液800μlを加え、100℃で5分間処理した溶液の波長540nmの光線における吸光度を測定し、キシロースを標準物質に用いて、溶出した還元糖濃度を算出する。ここで、1分間に1マイクロモルの還元糖を遊離する酵素量を1Uとする。
次に、前記糖化酵素が添加された前記基質溶液を、30〜50℃の範囲の温度、例えば50℃の温度に、50〜150時間の範囲の時間、例えば72時間保持して、該糖化酵素の作用により、前記基質としての稲藁のセルロースまたはヘミセルロースを分解して糖化する。このとき、基質としての稲藁中のセルロースまたはヘミセルロースの60〜85質量%が分解、糖化される。この結果、例えば、グルコース、キシロース、アラビノース等の糖が含まれる基質・糖化酵素混合液を得ることができる。
糖化後の前記基質・糖化酵素混合液は、前記基質としての稲藁のセルロースまたはヘミセルロースが分解された結果として生じるバイオマス残渣を含んでいる。そこで、次に、前記基質・糖化酵素混合液から前記バイオマス残渣を分離、除去し、前記糖化溶液を回収する。
このとき、本実施形態の糖化溶液の製造方法では、前記基質・糖化酵素混合液における基質としての前記稲藁の濃度を15〜30質量%の範囲とすることにより、バイオマス残渣が過剰となることを防止することができる。
また、本実施形態の糖化溶液の製造方法では、前記基質・糖化酵素混合液から前記バイオマス残渣を分離、除去する際に、該バイオマス残渣に吸着されている糖を抽出する。前記バイオマス残渣を分離、除去すると共に、該バイオマス残渣に吸着されている糖を抽出する方法としては、フィルタープレス、真空脱水機、ベルトプレス脱水機、スクリュープレス脱水機、多重円板脱水機等による方法を挙げることができる。
本実施形態の糖化溶液の製造方法では、前記基質・糖化酵素混合液における基質としての前記稲藁の濃度を15〜30質量%の範囲とすると共に、前記バイオマス残渣に吸着されている糖を抽出することにより、前記基質・糖化酵素混合液に対して、より多くの糖を前記糖化溶液として回収することができる。この結果、前記糖化溶液は、グルコース、キシロース、アラビノース等の発酵に利用できる糖を、例えば6〜18質量%の範囲の濃度で含んでいる。
次に、前記基質溶液における基質としての前記稲藁の濃度を10〜35質量%の範囲で変量すると共に、前記バイオマス残渣に吸着されている糖を抽出したときに得られる糖の回収率を次のようにして測定した。まず、所定量の稲藁に25質量/体積%−アンモニア水を添加し、80℃の温度に保持して8時間反応させて、該稲藁のセルロース又はヘミセルロースに結合しているリグニンを除去した。その後、リグニンが除去された前記稲藁を含む前記基質溶液に硫酸を添加し、pHを約4に調整した。
次に、pH約4に調整された前記基質溶液に糖化酵素水溶液を添加し、最終的に基質・糖化酵素混合液の全量に対して、前記基質が20〜30質量%、糖化酵素水溶液が20質量%になるように混合した。その後、前記基質・糖化酵素混合液を50℃の温度に72時間保持して、糖化処理した。前記糖化酵素としては、第1の糖化酵素としてGC220(商標、ジェネンコア社製)又は第2の糖化酵素としてアクレモニウムセルラーゼ(商標、明治製菓株式会社製)を用いた。そして、前記糖化処理後、遠心分離(8000×g、20分)により前記バイオマス残渣を分離、除去し、糖化溶液を回収した。
糖化酵素としてGC220(商標、ジェネンコア社製)を用いたときに、各基質濃度に対応して、前記基質・糖化酵素混合液の全量に対して得られる糖化溶液の回収率(質量%)を図1に示す。このとき、各基質濃度に対応して、得られた糖化溶液中の糖濃度(質量%)を図2に示す。さらに、各基質濃度に対応して、各糖化溶液中に得られた糖の、基質・糖化酵素混合液の全量に対する回収率を図3に示す。
図3中の各基質濃度における糖回収率(質量%)は、図1中の各基質濃度における糖濃度(質量%)と図2中の各基質濃度における糖液回収率(質量%)を乗じ、100で除することにより算出したものである。
また、糖化酵素としてアクレモニウムセルラーゼ(商標、明治製菓株式会社製)を用いたときに、各基質濃度に対応して、前記基質・糖化酵素混合液の全量に対して得られる糖化溶液の回収率(質量%)を図4に示す。このとき、各基質濃度に対応して、得られた糖化溶液中の糖濃度(質量%)を図5に示す。さらに、各基質濃度に対応して、各糖化溶液中に得られた糖の、基質・糖化酵素混合液の全量に対する回収率を図6に示す。
図6中の各基質濃度における糖回収率(質量%)は、図4中の各基質濃度における糖濃度(質量%)と図5中の各基質濃度における糖液回収率(質量%)を乗じ、100で除することにより算出したものである。
図3及び図6から、本実施形態の糖化溶液の製造方法によれば、前記基質・糖化酵素混合液における基質としての前記稲藁の濃度を15〜30質量%の範囲とすると共に、前記バイオマス残渣に吸着されている糖を抽出することにより、該稲藁の濃度を該範囲外とした場合よりも多くの糖を回収することができることが明らかである。

Claims (5)

  1. リグノセルロース系バイオマスをアンモニア又は水蒸気により処理してセルロース又はヘミセルロースに結合しているリグニンを除去して調製された基質溶液を、微生物が産生した糖化酵素により処理して基質・糖化酵素混合液を調製し、前記基質・糖化酵素混合液から前記基質の残渣を除去して糖化溶液を得る糖化溶液の製造方法において、
    前記基質・糖化酵素混合液を調製する際に、前記基質・糖化酵素混合液中の基質濃度を15〜30質量%の範囲に調製すると共に、前記基質・糖化酵素混合液の全量に対して、5〜40質量%の範囲の濃度となるように糖化酵素を添加し、
    前記糖化酵素として、GC220(商標、ジェネンコア社製)又はアクレモニウムセルラーゼ(商標、明治製菓株式会社製)のいずれか1種類のみを用い、
    前記基質・糖化酵素混合液から前記基質の残渣を除去する際に該残渣に吸着されている糖を、フィルタープレス、真空脱水機、ベルトプレス脱水機、スクリュープレス脱水機、多重円板脱水機による方法からなる群から選択されるいずれか1つの方法を用いて抽出し、
    前記糖化溶液中の糖濃度が6〜18質量%の範囲であることを特徴とする糖化溶液の製造方法。
  2. 請求項1記載の糖化溶液の製造方法において、前記基質溶液に対する前記糖化酵素による処理は、前記基質・糖化酵素混合液1gに対して、微結晶性セルロース分解活性1.2〜70.2Uかつキシラン分解活性0.8〜46.8Uの範囲の量の糖化酵素を添加することにより行うことを特徴とする糖化溶液の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の糖化溶液の製造方法において、前記基質溶液に対する前記糖化酵素による処理は、前記基質・糖化酵素混合液1gに対して、微結晶性セルロース分解活性5.9〜46.8Uかつキシラン分解活性3.9〜31.2Uの範囲の量の糖化酵素を添加することにより行うことを特徴とする糖化溶液の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の糖化溶液の製造方法において、前記糖化酵素が添加された前記基質溶液を、30〜50℃の範囲の温度に50〜150時間の範囲の時間保持して、該糖化酵素の作用により、前記基質のセルロース又はヘミセルロースを分解して糖化することを特徴とする糖化溶液の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の糖化溶液の製造方法において、前記糖化溶液は、糖としてグルコース、キシロース又はアラビノースを含むこと特徴とする糖化溶液の製造方法。
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