JP2014042494A - リグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物及びその製造方法 - Google Patents

リグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】前処理のみで効率よく酵素糖化処理を行え、リグノセルロース系バイオマスの品質に関わらず、均一な品質の糖溶液を得られる糖化前処理物を提供する。
【解決手段】基質1としてのリグノセルロース系バイオマスを糖化する前に前処理を施して、基質1からリグニン5が解離され、又は基質1が膨潤された糖化前処理物において、基質1は細孔を備え、細孔全体の60〜80%の範囲の細孔が10〜50nmの範囲の直径を有する。糖化前処理物の製造方法は、基質1とアンモニア水とを混合して得られた基質混合物を所定温度に所定時間保持して、基質1を構成するヘミセルロース4のうち、7.8×10〜2.0×10の分子量を備えるヘミセルロース4の少なくとも一部を遊離させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物及びその製造方法に関する。
従来、食用とされないリグノセルロース系バイオマスを用いてバイオ・エタノールを製造し、該バイオ・エタノールをガソリン等の液体炭化水素と混合して自動車用燃料に用いることが検討されている。前記リグノセルロース系バイオマスは、含有するセルロース及びヘミセルロースを酵素糖化により加水分解してグルコース、キシロース、アラビノース等の糖を含む糖溶液とし、得られた糖溶液中の糖を発酵させることによりエタノールを得ることができる。前記リグノセルロース系バイオマスとして、例えば稲藁を挙げることができる。
ところが、前記リグノセルロースは、前記セルロース及びヘミセルロースの他にリグニンを含んでおり、該セルロース及びヘミセルロースは該リグニンと強固に結合しているため、そのままでは酵素糖化反応を円滑に行うことができない。従って、基質としての前記リグノセルロースを酵素糖化反応させるに際しては、予め該基質からリグニンを解離し、又は該基質を膨潤させて、糖化酵素が該基質に接触できるように、前処理を施しておくことが望ましい。
尚、本願では、「解離」との用語は、セルロース又はヘミセルロースとリグニンとの結合の少なくとも一部を切断することを意味する。又、「膨潤」との用語は、液体の浸入によって結晶性セルロースを構成するセルロース若しくはヘミセルロースに空隙を生じ、又はセルロース繊維の内部に空隙を生じて、該結晶性セルロースが膨張することを意味する。
前記前処理として、前記稲藁等のリグノセルロース系バイオマスをアンモニアで処理して糖化前処理物とすることが知られている。また、このとき、前記ヘミセルロースと前記リグニンとの間のエステル結合(フェルラ酸エステル架橋)を切断し、前記糖化前処理物のエステル結合の残存率を90%以下にすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記従来の技術によれば、前記糖化前処理物の前記エステル結合の残存率を90%以下とすることにより、酵素糖化処理の効率を向上することができるとされている。
特開2012−70725号公報
しかしながら、前記従来の技術では、酵素糖化処理の効率を向上するために、前記糖化前処理物をさらに湿式粉砕しなければならないという不都合がある。
また、前記リグノセルロース系バイオマスは、バイオマスの特性として、収穫された季節、地方、又はその種類によって品質に差異があり、同一条件で酵素糖化処理を行っても前記糖溶液の品質を均一化することが難しいという不都合がある。
本発明は、かかる不都合を解消して、前処理のみで効率よく酵素糖化処理を行うことができると共に、前記リグノセルロース系バイオマスの品質に関わらず、均一な品質の前記糖溶液を得ることができる糖化前処理物及びその製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物は、基質としてのリグノセルロース系バイオマスを糖化する前に前処理を施して、該基質からリグニンが解離され、又は該基質が膨潤された糖化前処理物において、該基質の有する細孔全体の60〜80%の範囲の細孔が10〜50nmの範囲の直径を備えることを特徴とする。
本発明のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物は、前記基質が細孔を備えており、該細孔全体の60〜80%の範囲の細孔が10〜50nmの範囲の直径を備えることにより、糖化酵素が該基質内部に侵入しやすくなる。この結果、前記糖化前処理物では、前記糖化酵素が前記基質に含まれるセルロース及びヘミセルロースに接触することができ、酵素糖化処理の効率を向上させることができる。
また、本発明の糖化前処理物によれば、前記基質が備える細孔全体の60〜80%の範囲の細孔が10〜50nmの範囲の直径を備えることにより、基質となる前記リグノセルロース系バイオマスの品質の差異に関わらず、均一な品質の糖溶液を得ることができる。
本発明の糖化前処理物では、前記細孔が10nmより小さい直径を備えるときには、前記糖化酵素が前記基質内部に侵入することができず、前記酵素糖化処理の効率を向上させることができない。一方、前記細孔が50nmより大きい直径を備えるときには、前記前処理に要する時間が過大になる。
また、前記範囲の直径を備える細孔が、前記基質が備える細孔全体の60%未満であるときには、前記糖化酵素が前記基質内部に十分に侵入することができず、前記酵素糖化処理の効率を向上させることができない。一方、前記範囲の直径を備える細孔が、前記基質が備える細孔全体の80%を超えるときには、前記前処理に要する時間が過大になる。
本発明のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物の製造方法は、基質としてのリグノセルロース系バイオマスを糖化する前に前処理を施して、該基質からリグニンが解離され、又は該基質が膨潤された糖化前処理物の製造方法において、該基質とアンモニア水とを混合して得られた基質混合物を所定温度に所定時間保持して、該基質を構成するヘミセルロースのうち、7.8×10〜2.0×10の範囲の分子量を備えるヘミセルロースの少なくとも一部を遊離させ、該基質に10〜50nmの範囲の直径を有する細孔を形成すると共に、該範囲の直径を備える細孔を該基質の有する細孔全体の60〜80%の範囲とすることを特徴とする。
前記基質としてのリグノセルロース系バイオマスは、セルロースからなるミクロフィブリルの外面側にヘミセルロースが配置され、さらに該ヘミセルロースの外面側にリグニンが配置された構成を備えている。また、前記ヘミセルロースは、フェルラ酸エステル架橋により前記リグニンに結合している。
前記構成を備える前記基質は、前記アンモニア水と混合して得られた基質混合物を所定温度に所定時間保持することにより、前記基質が膨潤されると共に、前記フェルラ酸エステル架橋が切断されて、該基質からリグニンが解離される。このとき、さらに、前記基質を構成するヘミセルロースの少なくとも一部が該基質から遊離する。
ここで、前記基質から遊離するヘミセルロースが、7.8×10〜2.0×10の範囲の分子量を備えることにより、該基質の前記セルロースからなるミクロフィブリルと解離された前記リグニンとの間に10〜50nmの範囲の直径を備える細孔が形成される。また同時に、前記範囲の直径を備える細孔は、前記基質の有する細孔全体の60〜80%の範囲で形成される。
本発明の糖化前処理物の製造方法では、前記基質から遊離する前記ヘミセルロースの分子量が7.8×10未満のときには、該基質に形成される細孔の直径が10nmより小さくなり、形成される細孔が前記基質の有する細孔全体の60%未満になる。一方、前記基質から遊離する前記ヘミセルロースの分子量が2.0×10を超えるときには、該基質に形成される細孔の直径が50nmより大きくなると共に、形成される細孔が前記基質の有する細孔全体の80%を超え、前記前処理に要する時間が過大になる。
本発明の糖化前処理物の製造方法において、前記基質混合物は、前記基質と、20〜30質量%の範囲の濃度のアンモニア水とを、基質:アンモニア水=1:0.7〜1:4の質量比で混合してなることが好ましい。ここで、前記アンモニア水の濃度が20質量%未満であるときは、前記基質を膨潤させ、該基質からリグニンを解離させると共に、前記範囲の分子量を備えるヘミセルロースを遊離させる作用が十分に得られないことがある。一方、前記アンモニア水の濃度が30質量%を超えても、前記基質を膨潤させ、該基質からリグニンを解離させると共に、前記範囲の分子量を備えるヘミセルロースを遊離させる作用について、それ以上の効果を得ることはできないことがある。
また、前記基質1質量部に対して前記アンモニア水が0.7質量部未満であるときは、該アンモニア水が過少になり、該基質に該アンモニア水を均一に含浸させることができない。この結果、前記基質を膨潤させ、該基質からリグニンを解離させると共に、前記範囲の分子量を備えるヘミセルロースを遊離させる作用が十分に得られないことがある。
一方、前記基質1質量部に対して前記アンモニア水が4質量部を超えても、前記基質を膨潤させ、該基質からリグニンを解離させると共に、前記範囲の分子量を備えるヘミセルロースを遊離させる作用について、それ以上の効果を得ることはできないことがある。また、前記基質1質量部に対して前記アンモニア水が4質量部を超えると、前記基質混合物の加熱に要するエネルギーが過大になることがある。
また、本発明の糖化前処理物の製造方法においては、前記基質混合物を、25〜100℃の範囲の温度に、1〜100時間の範囲の時間保持することが好ましい。
前記基質混合物の温度が25℃未満であるときには、前記基質を膨潤させ、該基質からリグニンを解離させると共に、前記範囲の分子量を備えるヘミセルロースを遊離させるために前記温度に100時間を超える時間保持しなければならないことがある。この結果、前記基質混合物の加熱に要するエネルギーが過大になることがある。
一方、前記基質の温度が100℃を超えるときには、前記基質を膨潤させると共に、該基質からリグニンを解離させるために前記温度に保持する時間が1時間未満となり、保持時間の管理が困難になることがある。また、前記基質の温度が100℃を超えるときには、適正な保持時間を超えると、前記基質混合物に含まれる該基質が部分的に互いに焼き付いたり、反応容器に焼き付くことがある。
稲藁の構成を模式的に示す説明図。 本発明の糖化前処理物に含まれる稲藁の細孔径分布を示すグラフ。 本発明の糖化前処理物に含まれる稲藁の細孔径と積算細孔比表面積との関係を示すグラフ。 本発明の糖化前処理物を酵素糖化して得られた糖溶液における糖化率を示すグラフ。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の糖化前処理物は、リグノセルロース系バイオマスとしての稲藁を基質とし、該基質をアンモニア水と混合して得られる基質混合物を所定温度に所定時間保持してなるものである。
ここで、図1に模式的に示すように、稲藁1は、セルロース2からなるミクロフィブリル3の外面側にヘミセルロース4が配置され、さらにヘミセルロース4の外面側にリグニン5が配置された構成を備えている。また、ヘミセルロース4は、フェルラ酸エステル架橋6によりリグニン5に結合している。尚、図中、−ara−は、2価のアラキドン酸残基(−C10−(CH=CH−CH−C−COO−)を示す。稲藁1は前記構成を備えるので、糖化酵素を直接作用させても、該糖化酵素がリグニン5に妨げられてセルロース2又はヘミセルロース4に接触することが難しく、効率よく糖化することができない。
そこで、本実施形態の糖化前処理物は、稲藁1の有する細孔全体の60〜80%の範囲の細孔が10〜50nmの範囲の直径を備えている。本実施形態の糖化前処理物によれば、前記構成を備えることにより、糖化酵素が稲藁1の内部に侵入しやすくなり、酵素糖化処理の効率を向上させることができる。また、本実施形態の糖化前処理物によれば、前記構成を備えることにより、前記リグノセルロース系バイオマスとしての稲藁1の品質の差異に関わらず、均一な品質の前記糖溶液を得ることができる。
前記糖化前処理物は、次のようにして製造することができる。
まず、稲藁1を20〜30質量%の範囲の濃度のアンモニア水と混合して基質混合物とする。前記基質混合物は、稲藁1を基質として、基質:アンモニア水=1:0.7〜1:4の質量比となるようにする。
次に、前記基質混合物を、例えば反応槽に収容し、25〜100℃の範囲の温度に1〜100時間の範囲の時間保持する。このようにすると、前記アンモニア水の作用により、稲藁1が膨潤されると共に、フェルラ酸エステル架橋6が切断されて、稲藁1からリグニン5が解離される。また同時に、稲藁1を構成するヘミセルロース4のうち、7.8×10〜2.0×10の範囲の分子量を備えるヘミセルロース4の少なくとも一部、例えば15%以上が稲藁1から遊離する。
前記範囲の分子量を備えるヘミセルロース4が稲藁1から遊離することにより、セルロース2からなるミクロフィブリル3と、解離されたリグニン5との間に10〜50nmの範囲の直径を備える細孔が形成される。また、前記範囲の直径を備える細孔は、稲藁1が備える細孔全体の60〜80%の範囲になる。
この結果、前記構成を備える本実施形態の糖化前処理物を得ることができる。
次に、本発明の実施例を示す。
本実施例では、まず、自然乾燥した稲藁をカッターミルで粉砕し、直径3mmのスクリーンフィルタを通過したものを、25質量%のアンモニア水と、稲藁:アンモニア水=1:4の質量比で混合して基質混合物を得た。次に、前記基質混合物を反応容器内に収容し、80℃の温度に8時間保持して前処理を行い、糖化前処理物を得た。
次に、得られた糖化前処理物を10質量%になるようにして50ミリモル/Lの酢酸緩衝液(pH4)に懸濁し、45℃の温度に24時間保持した後、上清を採取した。前記上清に終濃度4質量%の硫酸を加え、オートクレーブ中で121℃の温度に1時間保持した。次に、前記上清に硫酸を加えた試料と、加えない試料とについて、各試料に含まれる単糖の濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
この結果、前記硫酸を加えない試料からは単糖が検出されず、前記硫酸を加えた試料からは、グルコース、キシロース、アラビノース等の単糖が検出された。従って、前記上清には遊離の糖鎖が含まれており、前記単糖は該糖鎖が硫酸により加水分解されたものと考えられる。また、前記単糖の構成から、前記糖鎖はヘミセルロース由来のものであると考えられる。
次に、前記稲藁の糖含有率をNREL(National Renewable Energy Laboratory の推奨する実験プロトコル(http://www.nrel.gov/biomass/pdfs/42618.pdf 参照)に基づいて測定し、前記オートクレーブによる処理後の試料から検出された単糖の量と比較した。この結果、本実施例で得られた前記糖化前処理物は、遊離のヘミセルロースを含み、該ヘミセルロースは前記稲藁中に含まれる全ヘミセルロースの22質量%に当たる量であった。
次に、前記上清180μLに1モル/Lの硝酸ナトリウム20μLを添加し、0.22μmのフィルターで濾過して、前記ヘミセルロースを得た。次に、得られたヘミセルロースの分子量をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した。この結果、前記ヘミセルロースの分子量は、7.8×10〜2.0×10の範囲であった。
次に、本実施例で得られた前記糖化前処理物に含まれる稲藁を100℃の温度で真空下に24時間以上脱気した後、該稲藁の細孔径分布を全自動ガス吸着量測定装置(Quantachrome社製、商品名:オートソープ1−MP−9)を用い脱着法により測定した。結果を図2に示す。
図2に示すように、本実施例で得られた前記糖化前処理物に含まれる稲藁は、10〜50nmの範囲の直径を備える細孔が、細孔全体の69%であった。
また、本実施例で得られた前記糖化前処理物に含まれる稲藁と、前記前処理を全く行っていない稲藁(比較例)とを試料とし、100℃の温度で真空下に24時間以上脱気した後、それぞれの前記稲藁の細孔径と積算細孔比表面積との関係を前記全自動ガス吸着量測定装置(Quantachrome社製、商品名:オートソープ1−MP−9)を用い脱着法により測定した。結果を図3に示す。
図3に示すように、本実施例で得られた前記糖化前処理物に含まれる稲藁は、前記範囲の直径を備える細孔が1.18〜1.7m/gの範囲であるのに対し、比較例で得られた前記糖化前処理物に含まれる稲藁は、前記範囲の直径を備える細孔が0.3m/g未満の範囲であった。
次に、本実施例で得られた前記糖化前処理物と、前記前処理を全く行っていない稲藁(比較例)とを試料とし、該試料0.5質量%と、糖化酵素(ジェネンコア社製、商品名:GC220)10質量%と、アジ化ナトリウム0.05質量%とを含む50ミリモル/L酢酸緩衝液(pH4)をそれぞれ50℃の温度に3日間保持して酵素糖化処理を行って糖溶液を得た。
次に、得られた糖溶液を8000×gで20分間遠心分離し、得られた上清を95℃の温度で5分間熱処理した。次に、前記熱処理後の糖溶液を15000×gで10分間遠心分離し、得られた上清に含まれる糖濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
次に、前記各遠心分離の残渣を105℃の温度で24時間乾燥させ、乾燥後の質量を前記糖溶液の質量から差し引くことにより、実際の糖液の量を算出した。また、前記稲藁の糖含有率をNREL(National Renewable Energy Laboratory の推奨する実験プロトコル(http://www.nrel.gov/biomass/pdfs/42618.pdf 参照)に基づいて測定した。
そして、次式により前記各糖溶液における糖化率を算出した。結果を図4に示す。
糖化率(%)=(糖濃度×糖液量)/(稲藁量×稲藁の糖含有率)
図4から、本実施例の糖化前処理物によれば、比較例の稲藁に対して、格段に優れた糖化率を得ることができ、前記前処理のみで効率よく酵素糖化処理を行うことができることが明らかである。
1…稲藁、 2…セルロース、 4…ヘミセルロース、 5…リグニン。

Claims (4)

  1. 基質としてのリグノセルロース系バイオマスを糖化する前に前処理を施して、該基質からリグニンが解離され、又は該基質が膨潤された糖化前処理物において、
    該基質の有する細孔全体の60〜80%の範囲の細孔が10〜50nmの範囲の直径を備えることを特徴とするリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物。
  2. 基質としてのリグノセルロース系バイオマスを糖化する前に前処理を施して、該基質からリグニンが解離され、又は該基質が膨潤された糖化前処理物の製造方法において、
    該基質とアンモニア水とを混合して得られた基質混合物を所定温度に所定時間保持して、該基質を構成するヘミセルロースのうち、7.8×10〜2.0×10の範囲の分子量を備えるヘミセルロースの少なくとも一部を遊離させ、
    該基質に10〜50nmの範囲の直径を有する細孔を形成すると共に、該範囲の直径を備える細孔を該基質の有する細孔全体の60〜80%の範囲とすることを特徴とするリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物の製造方法。
  3. 請求項2記載のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物の製造方法において、前記基質混合物は、前記基質と、20〜30質量%の範囲の濃度のアンモニア水とを、基質:アンモニア水=1:0.7〜1:4の質量比で混合してなることを特徴とするリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物の製造方法。
  4. 請求項3記載のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物の製造方法において、前記基質混合物を25〜100℃の範囲の温度に、1〜100時間の範囲の時間保持することを特徴とするリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理物の製造方法。
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