JP2011234688A - リグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法 - Google Patents

リグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エタノールを効率よく製造すると共に、糖化前処理物を容易に移送できるリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法を提供する。
【解決手段】リグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法は、基質であるリグノセルロース系バイオマスと5〜35質量%アンモニア水とを1:0.7〜1:1.3の質量比で混合した基質混合物を得る工程と、基質混合物を所定温度に所定時間保持してリグニンの解離等がされた糖化前処理物を得る工程と、糖化前処理物からアンモニアを放散した後、水分含有率を調整して粉体移送可能な糖化前処理物を得る工程とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法に関する。
従来、稲藁等のリグノセルロース系バイオマスを基質として溶媒と混合した基質混合物を、微生物が産生する糖化酵素によって糖化することにより糖化溶液を得て、糖化溶液を発酵させることによりエタノールを製造することが知られている。ここで、リグノセルロース系バイオマスは、セルロース又はヘミセルロースにリグニンが強固に結合した構成を備えている。
そのため、リグノセルロース系バイオマスとアンモニア水とを混合した基質混合物を加熱することにより、リグノセルロース系バイオマスに含まれるリグニンを解離し、又はリグノセルロース系バイオマスを膨潤させ、セルロース又はヘミセルロースを糖化可能にした糖化前処理物を得る。
そして、アンモニアを分離した糖化前処理物を得る糖化前処理を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表2008−535524号公報
しかしながら、特許文献1記載の糖化前処理方法では、糖化前処理後の糖化前処理物が水分を含み、一定の圧縮度を有する固形物の状態であるので、圧力をかけた場合、凝集してブリッジになり、後工程に移送することが困難であるという不都合がある。
また、糖化前処理物の移送を容易に行うために、糖化前処理物の水分含有率を増加させてスラリー状にすることが考えられる。しかし、糖化前処理物の水分含有率を増加させた場合、糖化前処理物を糖化して得られる糖化溶液の濃度が低下するため、糖化溶液を発酵させて得られるエタノールも低濃度となる。この結果、得られたエタノールを蒸留して濃縮する際、蒸留に要する時間及び熱エネルギーが増加し、製造コストが増大する。
本発明は、かかる不都合を解消するため、糖化前処理物を糖化させ、エタノールを効率よく製造すると共に、糖化前処理物を容易に後工程に移送できるリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法を提供することを目的とする。
本発明のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法は、基質であるリグノセルロース系バイオマスと5〜35質量%アンモニア水とを1:0.7〜1:1.3の質量比で混合した基質混合物を得る工程と、該基質混合物を所定温度に所定時間保持することにより、該基質からリグニンを解離し、又は該基質を膨潤させた糖化前処理物を得る工程と、該糖化前処理物からアンモニアを放散する工程と、該アンモニアが放散された糖化前処理物中の水分含有率を調整して粉体移送可能な糖化前処理物を得る工程と、該水分含有率が調整された糖化前処理物を後工程に移送する工程とを備えることを特徴とする。
本発明のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法では、まず、基質であるリグノセルロース系バイオマスとアンモニア水とを混合した基質混合物を得る。
本発明のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法では、例えば、リグノセルロース系バイオマスとして稲藁が用いられる。
アンモニア水は、5〜35質量%の範囲の濃度であることが必要である。アンモニア水の濃度が5質量%未満の場合、リグノセルロース系バイオマスからのリグニンの解離及びリグノセルロース系バイオマスの膨潤を十分に行うことができない。一方、アンモニア水の濃度が35質量%を超える場合、安全弁等の付帯設備を備える圧力容器内に貯留する必要が生じるため、設備費用がかかり、製造コストの低減化が困難となる。
本願では、解離とは、リグノセルロース系バイオマスのセルロース又はヘミセルロースに結合しているリグニンの結合部位のうち、少なくとも一部の結合を切断することをいう。また、膨潤とは、液体の浸入により結晶性セルロースを構成するセルロース又はヘミセルロースに空隙が生じ、又は、セルロース繊維の内部に空隙が生じて膨張することをいう。
リグノセルロース系バイオマス1質量部に対するアンモニア水の添加量比は、0.7〜1.3質量部の範囲であることが必要である。
リグノセルロース系バイオマス1質量部に対するアンモニア水の添加量比が0.7質量部未満の場合、アンモニア水の量がリグノセルロース系バイオマスに対して過少であるので、攪拌によりアンモニア水をリグノセルロース系バイオマスに均一に含浸させることができない。この結果、リグノセルロース系バイオマスからのリグニンの解離及びリグノセルロース系バイオマスの膨潤が不十分になる。
一方、リグノセルロース系バイオマス1質量部に対してアンモニア水の添加量比が1.3質量部を超える場合、リグノセルロース系バイオマスからのリグニンの解離及びリグノセルロース系バイオマスの膨潤について、それ以上の効果を得ることができない。また、基質混合物の加熱に要するエネルギーが過大になる。
次に、基質混合物を所定温度に所定時間保持して、リグノセルロース系バイオマスからリグニンが解離し、又はリグノセルロース系バイオマスを膨潤させた糖化前処理物を得る。この結果、後工程により、糖化前処理物のセルロース又はヘミセルロースを酵素糖化することが可能になる。
次に、糖化前処理物からアンモニアを放散する。アンモニアが放散された糖化前処理物のpHを至適pHに調整するpH調整剤の使用量を低減することができる。尚、糖化前処理物から放散されたアンモニアは水に吸収された後、アンモニア水として回収して、再利用することができる。
一方、アンモニアが放散された糖化前処理物は水分を含み、一定の圧縮度を有する固形物の状態であるので、圧力をかけた場合、凝集してブリッジになる。そのため、アンモニアが放散された糖化前処理物をそのままの状態で後工程に移送することが難しい。また、糖化前処理物の移送を容易に行うために、糖化前処理物の水分含有率を増加させてスラリー状にした場合、糖化前処理物を糖化して得られる糖化溶液の濃度が低下し、糖化溶液を発酵させて得られるエタノールも低濃度となり、効率よくエタノールを製造できない。
そこで、アンモニアが放散された糖化前処理物中の水分含有率を調整する。この結果、糖化前処理物の水分含有率を低下させて、粉体移送可能な糖化前処理物を得ることができる。
そして、水分含有率が調整された糖化前処理物を後工程である糖化工程に移送する。糖化前処理物は粉体移送可能なので、糖化前処理物を容易に後工程に移送できる。また、糖化前処理物は低い水分含有率に調整されているので、糖化前処理物を糖化し、エタノールを効率よく製造することができる。
本発明のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法では、アンモニア水は20〜30質量%の範囲の濃度であることが好ましい。
アンモニア水の濃度が20質量%未満の場合、リグノセルロース系バイオマスからのリグニンの解離とリグノセルロース系バイオマスの膨潤を十分に行うことができない場合があり得る。一方、アンモニア水の濃度は30質量%を超えても、それ以上の効果を得ることができない。
本発明のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法では、基質混合物は25〜100℃の範囲の温度に1〜100時間の範囲の時間保持されることが好ましい。
基質混合物の温度が25℃未満の場合、リグノセルロース系バイオマスからのリグニンの解離とリグノセルロース系バイオマスの膨潤を行うために前記温度に100時間を超える時間保持しなければならず、必要とする加熱エネルギーが過大になる。
一方、基質混合物の温度が100℃を超える場合、リグノセルロース系バイオマスからのリグニンの解離とリグノセルロース系バイオマスの膨潤を行うために前記温度に保持する時間が1時間未満となり、保持時間の管理が困難になる。また、基質混合物の温度が100℃を超える場合、適正な保持時間を越えると、基質混合物に含まれるリグノセルロース系バイオマスが部分的に互いに焼き付いたり、反応槽に焼き付く等の不都合がある。
本発明のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法では、アンモニアが放散された糖化前処理物中の水分含有率を、5〜25質量%の範囲に調整することが好ましい。
水分含有率が5質量%未満の場合、水分含有率が調整された糖化前処理物に含まれるリグノセルロース系バイオマスが部分的に互いに焼き付いたり、反応槽に焼き付く。従って、該糖化前処理物を糖化して得られる糖化率が低下し、得られるエタノールも低濃度となり、効率的なエタノール製造が難しくなる。また、水分含有率を5質量%未満に調整するためのエネルギーを必要とするので、エネルギーの低減化を図ることが難しくなる。一方、水分含有率が25質量%より大きい場合、粉体として移送することができない。
本実施形態に係るリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法を実施する糖化前処理装置の一構成例を示すシステム構成図。 図1に示す糖化前処理装置の変形例を示すシステム構成図。 図1に示す糖化前処理装置の他の変形例を示すシステム構成図。
次に、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法では、図1に示す糖化前処理装置1を用いて、リグノセルロース系バイオマス(以下、バイオマスと略記することがある)の糖化前処理を行う。そして、糖化前処理後の粉体化された糖化前処理物は、加圧空気を用いた圧縮空気式移送により、後工程に移送される。
糖化前処理装置1は、基質であるバイオマスとアンモニア水とを混合した基質混合物を、所定温度に所定時間保持して糖化前処理物を得る反応槽2と、糖化前処理物から放散されたアンモニアを水に吸収させてアンモニア水とする吸収塔3と、アンモニア水を貯留するアンモニア水タンク4とを備える。
反応槽2は、内部においてバイオマスとアンモニア水との攪拌等を行う逆円錐形状に形成された容器である。反応槽2上部には、反応槽2内に垂下された垂直軸5を回転駆動させるモータ6が設けられている。反応槽2内部の垂直軸5には、攪拌翼7が設けられている。
反応槽2では、モータ6により垂直軸5を回転駆動させ、垂直軸5を介して反応槽2内に設けられた攪拌翼7を回転させることによって、反応槽2内に供給されたアンモニア水とバイオマスとが攪拌される。
反応槽2は、バイオマスを供給するバイオマス供給導管8と、アンモニア水タンク4からのアンモニア水を供給するアンモニア水供給導管9と、反応槽2からアンモニアガスを吸収塔3に導出するアンモニアガス導管10とが接続されている。
反応槽2の下部には、糖化前処理物を後工程に移送するための移送導管11が接続されている。また、反応槽2の排出口2aと移送導管11との間には、排出口2aを開閉するダンパ2bが設置されている。移送導管11を介して移送された糖化前処理物は、サイクロン12に供給され、サイクロン12で排気と糖化前処理物とに分離された後、後工程に移送される。
また、反応槽2は、水蒸気により、反応槽2内の温度調整を行うためのジャケット13が容器の外側に設けられている。ジャケット13の上部には、ジャケット13に水蒸気を供給する水蒸気供給導管14が接続されている。ジャケット13の下部には、水蒸気が凝縮したドレンをジャケット13から排出するドレン排出導管15が接続されている。
また、反応槽2は、粉体化された糖化前処理物を加圧空気により後工程に移送するため、反応槽2の上部に加圧空気を供給する第1空気供給導管16と、反応槽2の下部に接続する移送導管11に加圧空気を供給する第2空気供給導管17とが接続されている。
反応槽2では、バイオマスとアンモニア水とを混合した基質混合物を所定温度に所定時間保持することにより、バイオマスからリグニンが解離し、又はバイオマスを膨潤させた糖化前処理を得る。糖化前処理物を得た後、糖化前処理物からアンモニアガスを放散させ、アンモニアガス導管10によりアンモニアガスを導出する。
反応槽2に接続されるアンモニアガス導管10は、導出されるアンモニアガスを吸収塔3に排出するため、加圧時の排気管路18aと減圧時の排気管路18bが接続されている。加圧時の排気管路18aは開閉弁19aを備え、減圧時の排気管路18bは開閉弁19bと真空ポンプ20を備えている。
加圧時の排気管路18aと減圧時の排気管路18bとの切り替えは、開閉弁19aと開閉弁19bとを切り替えることにより行われる。
吸収塔3は、下部に貯留部3aを備え、吸収塔3の貯留部3aに供給されたアンモニアガスを吸収塔3上部からイオン交換水を散布し、散布されたイオン交換水に吸収させてアンモニア水とし、アンモニア水を貯留部3aに貯留するように構成されている。
吸収塔3上部には、イオン交換水を供給するイオン交換水供給導管21が接続され、吸収塔3の貯留部3aには、アンモニア水をポンプ22を介してアンモニア水タンク4に送液する送液導管23が接続されている。
アンモニア水タンク4は、送液導管23を介して送液されたアンモニア水が貯留されるタンクである。アンモニア水タンク4は、貯留されるアンモニア水の濃度を検出するアンモニア濃度センサ4aと、アンモニア水の濃度を調整すると共に、装置1内の液量を調整するための濃アンモニア水を補充する補充用アンモニア水供給導管24が接続されている。
また、アンモニアタンク4下部には、ポンプ25を介して反応槽2にアンモニア水を供給するアンモニア水供給導管9が接続されている。
本実施形態のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法では、まず、バイオマスである稲藁を基質として反応槽2に供給し、稲藁とアンモニア水とを攪拌することにより、稲藁とアンモニア水とが混合した基質混合物を得る。
具体的には、稲藁1質量部に対して5〜35質量%アンモニア水を0.7〜1.3質量部の範囲の質量比で、バイオマス供給導管8を通じて稲藁を反応槽2に供給し、アンモニア水供給導管9を通じてアンモニア水を反応槽2に供給する。そして、モータ6を駆動することにより攪拌翼7を回転させて、稲藁とアンモニア水とを攪拌し、稲藁とアンモニア水とが混合した基質混合物を得る。
本実施形態では、少なくとも粒径1mm以上の粒子が累積30%以上となるように、カッターミルにより粉砕された稲藁がバイオマスとして用いられる。
本実施形態のバイオマスである稲藁より細かく微粉砕された稲藁とアンモニア水とを攪拌すると、粉体化した稲藁が凝集するために粘土状の稲藁となり、攪拌することが困難となる。また、アンモニアを放散する際、アンモニアが粘土状の稲藁内部に残留し、十分にアンモニアを回収することができない。
一方、本実施形態のバイオマスである稲藁とアンモニア水とを低い回転速度でかつ短時間攪拌することにより、稲藁が凝集しない糖化前処理物を得ることができる。また、得られた糖化前処理物からアンモニアを放散する際、アンモニアが糖化前処理物内部に残留することを低減することができる。
次に、反応槽2内の基質混合物を、所定温度、例えば、25〜100℃の範囲の温度に、所定時間、例えば、1〜100時間の範囲の時間保持する。この結果、セルロース又はヘミセルロースにリグニンが強固に結合したバイオマスからリグニンを解離し、又はバイオマスを膨潤させた糖化前処理物を得ることができ、後工程でバイオマスのセルロース又はヘミセルロースを酵素糖化することが可能になる。
反応槽2内の基質混合物は、水蒸気供給導管14を介して反応槽2のジャケット13に供給された水蒸気により、前記所定温度まで加熱され、前記所定時間保持される。この結果、バイオマスである稲藁からリグニンが解離し、又はバイオマスを膨潤させた糖化前処理物を得ることができる。
次に、反応槽2内の糖化前処理物からアンモニアを放散する。放散開始時の反応槽2内部は加圧状態であるため、開閉弁19aを開弁すると共に、開閉弁19bを閉弁し、加圧時の排気管路18aにより、アンモニアガスを導出する。
また、反応槽2内部の圧力は時間経過と共に低下し、アンモニアの放散量も低下するので、反応槽2内部を減圧状態にすることにより糖化前処理物からアンモニアの放散を十分に行う。具体的には、開閉弁19aを閉弁すると共に、開閉弁19bを開弁し、減圧時の排気管路18bの真空ポンプ20の回転数を変化させることにより反応槽2内部の圧力調整し、減圧状態にする。
糖化前処理物から分離されたアンモニアガスは、吸収塔3の貯留部3aに供給される。そして、アンモニアガスは、吸収塔3内で、イオン交換水供給導管21を通じて供給されて吸収塔3上部から散布されるイオン交換水に吸収されてアンモニア水として回収される。
次に、反応槽2において、アンモニアが放散された糖化前処理物中の水分含有率を調整する。この結果、粉体移送可能な糖化前処理物を得ることができる。水分含有率の調整は、水蒸気供給導管14により水蒸気を反応槽2のジャケット13に供給して、所定時間加熱することにより行われる。
そして、水分含有率が調整された糖化前処理物を反応槽2のダンパ2bを開放して排出口2aから排出し、後工程である糖化工程に移送する。
反応槽2内の糖化前処理物は、第1空気供給導管16を介して反応槽2の上部から供給される加圧空気により移送導管11に排出される。また、移送導管11に排出された糖化前処理物は、第2空気供給導管17を介して反応槽2の下部に接続する移送導管11に供給される加圧空気により、サイクロン12まで移送導管11内を移送される。
次に、本実施形態の水分含有率が調整された糖化前処理物を後工程に移送する変形例について図2を参照して説明する。図2に示す変形例は、ブロワ等の吸引装置を用いて糖化前処理物を吸引することにより後工程に移送する例である。
図2に示すように、変形例の糖化前処理装置は、反応槽2内の糖化前処理物を吸引して後工程に移送するためにブロワ26が設けられている。変形例の糖化前処理装置の反応槽2の上部には、ブロワ26を稼働させることにより反応槽2内に吸引される空気中の粉塵等の微粒子を取り除くため、バグフィルタ等の集塵装置27が設けられている。
変形例の糖化前処理装置は、ブロワ26を稼働し、反応槽2から糖化前処理物を吸引する。吸引された糖化前処理物は、移送導管11を介してサイクロン12に供給され、サイクロン12でブロワ26に吸引される排気と糖化前処理物とに分離された後、後工程に移送される。
他の変形例として、スクリューコンベア等の粉体移送装置を用いて糖化前処理物を後工程に移送する例を図3に示す。
図3に示すように、他の変形例の糖化前処理装置の反応槽2の下部には、反応槽2内から排出された糖化前処理物が供給されるサークルフィーダ(登録商標)28が設けられている。また、サークルフィーダ28は、後工程に糖化前処理物を移送するための高低差等の条件を考慮し、スクリューコンベア29が接続されている。
他の変形例の糖化前処理装置は、反応槽2のダンパ2bを開放することにより、反応槽2内の糖化前処理物がサークルフィーダ28に供給される。サークルフィーダ28に供給された糖化前処理物は、サークルフィーダ28によりスクリューコンベア29に供給された後、スクリューコンベア29により後工程に移送される。
1…糖化前処理装置、 2…反応槽、 3…吸収塔、 4…アンモニア水タンク、 8…バイオマス供給導管、 9…アンモニア水供給導管、 10…アンモニアガス導管、 11…移送導管、 12…サイクロン。

Claims (5)

  1. 基質であるリグノセルロース系バイオマスと5〜35質量%アンモニア水とを1:0.7〜1:1.3の質量比で混合した基質混合物を得る工程と、
    該基質混合物を所定温度に所定時間保持することにより、該基質からリグニンを解離し、又は該基質を膨潤させた糖化前処理物を得る工程と、
    該糖化前処理物からアンモニアを放散する工程と、
    該アンモニアが放散された糖化前処理物中の水分含有率を調整して粉体移送可能な糖化前処理物を得る工程と、
    該水分含有率が調整された糖化前処理物を後工程に移送する工程とを備えることを特徴とするリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法。
  2. 請求項1記載のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法において、
    前記アンモニア水は20〜30質量%の範囲の濃度であることを特徴とするリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法。
  3. 請求項1又は2記載のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法において、
    前記基質混合物を25〜100℃の範囲の温度に1〜100時間の範囲の時間保持することを特徴とするリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法において、
    前記水分含有率が調整された糖化前処理物は5〜25質量%の範囲の水分を含有することを特徴とするリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法において、
    前記リグノセルロース系バイオマスは稲藁であることを特徴とするリグノセルロース系バイオマスの糖化前処理方法。
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