JP5807672B2 - 移動管理システム、移動管理方法、アクセスgw装置、移動管理制御装置、及びプログラム - Google Patents

移動管理システム、移動管理方法、アクセスgw装置、移動管理制御装置、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5807672B2
JP5807672B2 JP2013504405A JP2013504405A JP5807672B2 JP 5807672 B2 JP5807672 B2 JP 5807672B2 JP 2013504405 A JP2013504405 A JP 2013504405A JP 2013504405 A JP2013504405 A JP 2013504405A JP 5807672 B2 JP5807672 B2 JP 5807672B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mobility
transmission path
data packet
access gateway
mobile terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013504405A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012123999A1 (ja
Inventor
潤 粟野
潤 粟野
マルコ リーヴシュ
マルコ リーヴシュ
ステファン シュミッド
ステファン シュミッド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2013504405A priority Critical patent/JP5807672B2/ja
Publication of JPWO2012123999A1 publication Critical patent/JPWO2012123999A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5807672B2 publication Critical patent/JP5807672B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W88/00Devices specially adapted for wireless communication networks, e.g. terminals, base stations or access point devices
    • H04W88/16Gateway arrangements
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W8/00Network data management
    • H04W8/02Processing of mobility data, e.g. registration information at HLR [Home Location Register] or VLR [Visitor Location Register]; Transfer of mobility data, e.g. between HLR, VLR or external networks
    • H04W8/08Mobility data transfer
    • H04W8/12Mobility data transfer between location registers or mobility servers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W76/00Connection management
    • H04W76/20Manipulation of established connections
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W8/00Network data management
    • H04W8/02Processing of mobility data, e.g. registration information at HLR [Home Location Register] or VLR [Visitor Location Register]; Transfer of mobility data, e.g. between HLR, VLR or external networks
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W80/00Wireless network protocols or protocol adaptations to wireless operation
    • H04W80/04Network layer protocols, e.g. mobile IP [Internet Protocol]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Databases & Information Systems (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Telephonic Communication Services (AREA)

Description

本発明は、少なくとも1つのアクセスGW(Gateway)を含むネットワークに移動端末が接続した場合に、少なくとも1つのアクセスGW間での移動端末の移動に関わらず不変である移動端末の識別子(端末識別子)と、移動端末宛てパケットの転送先として用いられるアクセスGWの情報との対応関係をモビリティアンカーに登録することで移動通信を実現する移動通信システムに関する。モビリティアンカーは、アンカー機能を提供し、予め登録された端末識別子とアクセスGW情報との対応関係に基づいて、外部ネットワークから受信した移動端末宛てのデータパケットをアクセスGWに転送する。特に、本発明は、移動端末と通信相手ノード(CN:Corresponding Node)との間のデータ通信の最中に当該データ通信に関するパケットを転送するモビリティアンカーの切替えを行う方法に関する。
図1は、ネットワークベース移動管理システム(Network Based Mobility Management System)の概略図である。図1に示されたネットワークベースの移動管理システムは、モビリティアンカー100、アクセスゲートウェイ(アクセスGW)200、及び移動端末400を含む。ネットワークベース移動管理システムでは、ネットワーク10に配置されたアクセスGW200等のノードが移動端末400に代わって移動端末400の移動制御を行う。これに対して、移動端末400の移動制御に移動端末400自身が関与する移動通信システムは、ホストベース移動管理システム(Host Based Mobility Management System)と呼ばれる。ネットワークベース移動管理システムの一例は、PMIPv6(Proxy Mobile IPv6)を採用するシステムである。一方、ホストベース移動管理システムの一例は、MIPv6(Mobile IPv6)を採用するシステムである。本明細書では、特に断らない限り、単に移動管理システムといった場合はネットワークベース移動管理システムを指すものとする。
図1に示されるように、モビリティアンカー100、アクセスGW200、及びモビリティ管理ノード300は、ネットワーク10に配置される。外部ネットワーク20に配置された通信相手ノード(CN)500は、移動端末400との間でデータ通信を行う装置である。CN500は、例えば、WEBサービスなどのネットワークを介したサービスを移動端末400に提供する。CN500は、移動管理システムには含まれず、移動管理に関与しない。
図1の移動管理システムにおいて、アクセスGW200は、移動端末400の端末識別子と、移動端末400宛ての(i.e. データパケット)の転送先として用いられるアクセスGW200情報とをモビリティアンカー100に登録する。モビリティアンカー100は、端末識別子とアクセスGW情報の対応関係の登録(これを以降では位置登録と呼称する)を利用して、CN500から送られた移動端末400宛てのデータパケットを移動端末400が収容されている(つまり移動端末400の移動先である)アクセスGW200に転送する。これにより移動端末400が複数のアクセスGW200の間を移動した場合でも継続した通信が可能となる。移動端末400の端末識別子としては、例えば移動端末400のアドレスが使われる。データパケットの転送先として用いられるアクセスGW200の情報しては、アクセスGW200のアドレスが使われる。また、モビリティアンカー100とアクセスGW200の間でデータパケットを転送する方法としては、例えばトンネリング技術が使用される。
図1に示した移動管理システムにおいて移動端末400の位置登録を実現するためのプロトコル(以下、移動管理プロトコル)としては、IETF(Internet Engineering Task Force)において標準化されたPMIPv4(Proxy Mobile Internet Protocol version 4)、PMIPv6(Proxy Mobile Internet Protocol version 6)がある。また、その他のプロトコルとしては、3GPP(Third Generation Partnership Project)において標準化されたGTP(General Packet Radio Service(GPRS) Tunnelling Protocol)がある。PMIPv4については非特許文献1、PMIPv6については非特許文献2、GTPについては非特許文献3を参照されたい。これらの移動管理プロトコルは、信号形式、信号に含まれる情報、及びデータパケット転送用のトンネル形式に違いはあるが、基本的には前述した移動管理方法に沿った動作を規定している。これらの移動管理プロトコルを適用した移動通信システムに、例えば3GPPで標準化されたGPRS及びEPS(Evolved Packet System)がある。そのほかにも、3GPP2、及びWiMAX Forum等で標準化された移動通信システムにおいても上述した移動管理プロトコルが適用されている。
例えば、EPSでは、モビリティアンカー100及びアクセスGW200は、P−GW(Packet Data Network(PDN)-Gateway)及びS−GW(Serving-Gateway)にそれぞれ対応する。GPRSでは、モビリティアンカー100及びアクセスGW200は、GGSN(Gateway GPRS Support Node)及びSGSN(Serving GPRS Support Node)にそれぞれ対応する。また、PMIPv6では、モビリティアンカー100及びアクセスGW200は、LMA(Local Mobility Anchor)及びMAG(Mobile Access Gateway)にそれぞれ対応する。なお、PMIPv6におけるLMA及びMAGは、プロトコル上の機能を意味し、現実の通信システム上のノード名を意味するものではない。
モビリティ管理ノード300は、移動端末400、ネットワーク10上のいずれかのノード、又はO&M(Operation & Management)機能を有する装置からの要求に基づきアクセスGW200を制御することによって移動端末400の移動管理を実施する。具体的に述べると、モビリティ管理ノード300は、アクセスGW200によるモビリティアンカー100への移動管理用の信号送信を制御する。モビリティ管理ノード300は、システムによっては独立したノードではなく、モビリティ管理ノード300と同等の機能が例えばアクセスGW200に含まれることもある。例えば、EPSの場合、モビリティ管理ノード300はMME(Mobility Management Entity)という独立したノードとして定義されている。一方、同じ3GPPでも、GPRSの場合、モビリティ管理ノード300の機能はSGSNに内包される。
以上が従来のネットワークベースの移動管理システムの構成および動作である。ここで、移動端末400に対して移動通信サービスを提供するためのアンカーサービスを提供しているモビリティアンカー100を、移動端末400の通信を継続したまま、別のモビリティアンカーに切替えるケースを考える。モビリティアンカー100の切り替えの契機としては、モビリティアンカー100の異常を検出した場合、及び負荷分散を行う場合が想定される。しかしながら、現時点における3GPPなどの現実のシステムでは、移動通信を継続したままモビリティアンカーを切替える手法が存在しない。IETFのNETEXT(Network-Based Mobility Extension) WGでは、PMIPv6においてこの目的を達成するための提案がなされている(非特許文献4を参照)。
非特許文献4には、2通りのモビリティアンカー100の切り替え方法が示されている。これらの切り替え方法を図2及び3を使って簡単に説明する。図2において、移動端末400を収容するアクセスGW200は、なんらかの契機により位置登録要求信号をモビリティアンカー100Aに送信する(ステップS101)。位置登録要求信号を送信する契機は、例えば、移動端末400が接続した場合、及び既にモビリティアンカー100Aに対して位置登録をしている場合で当該位置登録の失効時刻が近づいた場合である。ここで、位置登録要求は、移動端末400のアドレス、及びアクセスGW200のアドレスを含む。つまり、アクセスGW200は、位置登録要求によって、移動端末400宛てのデータパケットをアクセスGW200宛てに転送することをモビリティアンカー100Aに要求する。
モビリティアンカー100Aは、位置登録要求の受信に応じて、切替え先のモビリティアンカー100Bとの間でメッセージの交換(シグナリング)を行う。これにより、切替え先のモビリティアンカー100Bは、移動端末400宛てのデータパケットを転送するための位置登録情報を保持する(ステップS102)。その後、モビリティアンカー100Aは、モビリティアンカー100Bのアドレスを位置登録応答信号に格納してアクセスGW200に送信する(ステップS103)。アクセスGW200は、モビリティアンカー100Aから受信した位置登録応答信号に格納されたモビリティアンカー100Bのアドレスを使って、移動端末400が送受信するデータパケットを転送するためのトンネルをアクセスGW200とモビリティアンカー100Bの間にセットアップする(ステップS104)。この結果、移動端末400が送受信するデータパケットは、アクセスGW200とモビリティアンカー100Bの間に新たに確立されたトンネルを介して送受信される。
図3を用いてモビリティアンカー100の他の切り替え方法について説明する。図3の手順においてステップS201の位置登録要求信号の処理については、図2の位置登録要求(ステップS101)、位置登録応答(ステップS103)とほぼ同等である。しかしながら、図3の手順では、ステップS102のモビリティアンカー間の情報交換をすることなく、アクセスGW200が、位置登録応答信号に格納されたモビリティアンカー100Bのアドレスを使って別途モビリティアンカー100Bに位置登録処理を実施する(ステップS202)。その後、移動端末400が送受信するデータパケットがモビリティアンカー100Bを介して転送されるのは、図2のステップS104と同様である。アクセスGW200は、モビリティアンカー100Aによって、切り替え先のモビリティアンカー100Bのアドレスと共に位置登録応答信号に格納された応答コードの違いに応じて、図2と図3のどちらの動作を実施するかを判定する。
なお、例えばPMIPv6の場合、図2及び3に関して述べた位置登録要求信号及び位置登録応答信号は、"Proxy Binding Update"及び"Proxy Binding Acknowledgement"にそれぞれ対応する。また、例えば、3GPPのEPSの場合、位置登録要求信号はS−GWからP−GWに送信されるデフォルトベアラ設定要求メッセージに対応し、位置登録応答信号はP−GWからS−GWに送信されるベアラ設定応答メッセージに対応する。
Leung, et al., RFC 5563 " WiMAX Forum / 3GPP2 Proxy Mobile IPv4", IETF(Internet Engineering Task Force), 2010年2月 Gundavelli, et al., RFC5213 "Proxy Mobile IPv6", IETF, 2008年8月 3GPP TS 29.060 V9.5.0 (2010-12) " General Packet Radio Service (GPRS); GPRS Tunnelling Protocol (GTP) across the Gn and Gp interface", 3GPP(3rd Generation Partnership Project), 2010年12月 Korhonen, et al., Internet-Draft "Runtime LMA Assignment Support for Proxy Mobile IPv6" (draft-ietf-netext-redirect-04.txt), IETF, 2010年9月
非特許文献4に示された方法は、ネットワークベースの移動管理システムにおいてモビリティアンカーを切替えることを可能とする。しかし、非特許文献4に示されたモビリティアンカー切り替え方法を実際の移動管理システムに適用する場合には問題がある。まず、第1の問題は、切替え先のモビリティアンカー100Bのアドレスの決定及び切り替え方法の決定が、切り替え元のモビリティアンカー100によって行われていることである。すなわち、非特許文献4に示された2つの方法はともに、切り替え元のモビリティアンカー100Aがモビリティアンカー切り替え処理を制御している。しかしながら、3GPPなど実際の移動管理システムでは、モビリティ管理ノード300が主体的に移動管理を行う。このため、非特許文献4に示された方法を3GPPなどのシステムに適用することは難しい。
第2の問題は、非特許文献4に示された2つの方法は、2つのモビリティアンカーの間でアンカーポイントの切り替えを行うのみであり、2つのモビリティアンカーを同時に使用する状態を想定していないことである。図2及び3の例では、モビリティアンカーの切り替え後はモビリティアンカー100Bのみが使用可能であり、モビリティアンカー100Aは使用できない。しかしながら、例えば、モビリティアンカー100Aの負荷が大きくなった場合などに、移動端末400とCN500の間のデータ通信の最中に、データパケットの種類に応じて一部のデータパケットの転送パスをモビリティアンカー100Aから100Bに切り替えることが想定される。また、モビリティアンカー又は外部ネットワークの機能及びキャパシティの違いを考慮すると、移動端末400に意識させることなく、移動端末400が送受信するデータパケットをその種別に応じて複数のモビリティアンカーに振り分けることが想定される。しかしながら、非特許文献4に示された2つの方法は、それらのニーズに対応することはできない。
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、移動端末と外部ネットワークに配置された通信相手ノード(CN)との間のデータ通信の最中にモビリティ管理ノード主導でモビリティアンカー切り替えを可能とするとともに、移動端末と通信相手ノード(CN)との間で送受信されるデータパケットの全体では無くその一部についてモビリティアンカーを変更することが可能な移動管理システム、移動管理方法、アクセスGW装置、移動管理制御装置、及びプログラムを提供することにある。
本発明の第1の態様は、移動端末の移動管理を前記移動端末では無くネットワーク側で行うネットワークベースの移動管理システムを含む。当該移動管理システムは、複数のモビリティアンカー、少なくとも1つのアクセスゲートウェイ、及び移動管理制御部を含む。前記複数のモビリティアンカーは、第1及び第2のモビリティアンカーを含み、各々が外部ネットワークとの間でデータパケットを送受信可能に構成されている。前記少なくとも1つのアクセスゲートウェイは、第1のアクセスゲートウェイを含み、前記移動端末と前記複数のモビリティアンカーとの間に配置され、各々が前記移動端末と前記外部ネットワークとの間で送受信されるデータパケットを前記複数のモビリティアンカーのうち少なくとも1つを介して中継できるよう構成されている。前記移動管理制御部は、前記データパケットを中継するモビリティアンカーの切り替えを制御する。さらに、前記移動管理制御部は、前記第1のアクセスゲートウェイに対して、前記第1のアクセスゲートウェイ及び前記第1のモビリティアンカーを介して中継されている前記移動端末に関するデータパケットフローの全体では無く一部のデータパケットフローのみを前記第2のモビリティアンカーを介して中継するように経路変更するための伝送路制御信号を送信できるよう構成されている。さらにまた、前記第1のアクセスゲートウェイは、(i) 前記伝送路制御信号の受信に応じて、前記第1のアクセスゲートウェイと前記第2のモビリティアンカーとの間に前記一部のデータパケットフローを転送するための論理的な伝送路を確立するとともに、(ii) 前記移動端末から受信したデータパケットを識別することによって、前記一部のデータパケットフローを前記第2のモビリティアンカーに転送し、その他のデータパケットフローを前記第1のモビリティアンカーに転送するよう構成されている。
本発明の第2の態様は、移動端末の移動管理を前記移動端末では無くネットワーク側で行うネットワークベースの移動管理システムによる移動管理方法を含む。ここで、本態様に関する移動管理システムは、上述した第1の態様の移動管理システムと同様に、第1及び第2のモビリティアンカーを含む複数のモビリティアンカー、第1のアクセスゲートウェイを含む少なくとも1つのアクセスゲートウェイ、及び移動管理制御部を含む。そして、本態様に係る方法は、以下のステップ(a)〜(c)を含む。
(a)前記第1のアクセスゲートウェイが、前記第1のアクセスゲートウェイ及び前記第1のモビリティアンカーを介して中継されている前記移動端末に関するデータパケットフローの全体では無く一部のデータパケットフローのみを前記第2のモビリティアンカーを介して中継するように経路変更するための伝送路制御信号を前記移動管理制御部から受信すること;
(b)前記第1のアクセスゲートウェイが、前記伝送路制御信号の受信に応じて、前記第1のアクセスゲートウェイと前記第2のモビリティアンカーとの間に前記一部のデータパケットフローを転送するための論理的な伝送路を確立すること;及び、
(c)前記第1のアクセスゲートウェイが、前記移動端末から受信したデータパケットを識別することによって、前記一部のデータパケットフローを前記第2のモビリティアンカーに転送し、その他のデータパケットフローを前記第1のモビリティアンカーに転送すること。
本発明の第3の態様は、移動端末の移動管理を前記移動端末では無くネットワーク側で行うネットワークベースの移動管理システムにて使用されるアクセスゲートウェイ装置を含む。ここで、本態様に係るアクセスゲートウェイ装置が配置される移動管理システムは、上述した第1の態様の移動管理システムと同様に、第1及び第2のモビリティアンカーを含む複数のモビリティアンカー、前記アクセスゲートウェイ装置を含む少なくとも1つのアクセスゲートウェイ、及び移動管理制御部を含む。さらに、本態様に係るアクセスゲートウェイ装置は、制御信号処理部、伝送路確立部、データ転送部を有する。前記制御信号処理部は、前記アクセスゲートウェイ装置及び前記第1のモビリティアンカーを介して中継されている前記移動端末に関するデータパケットフローの全体では無く一部のデータパケットフローのみを前記第2のモビリティアンカーを介して中継するように経路変更するための伝送路制御信号を前記移動管理制御手段から受信する。前記伝送路確立部は、前記伝送路制御信号の受信に応じて、前記第アクセスゲートウェイ装置と前記第2のモビリティアンカーとの間に前記一部のデータパケットフローを転送するための論理的な伝送路を確立する。前記データ転送部は、前記移動端末から受信したデータパケットを識別することによって、前記一部のデータパケットフローを前記第2のモビリティアンカーに転送し、その他のデータパケットフローを前記第1のモビリティアンカーに転送する。
本発明の第4の態様は、移動端末の移動管理を前記移動端末では無くネットワーク側で行うネットワークベースの移動管理システムにて使用される移動管理制御装置を含む。ここで、本態様に係る移動管理制御装置が配置される移動管理システムは、上述した第1の態様の移動管理システムと同様に、第1及び第2のモビリティアンカーを含む複数のモビリティアンカー、第1のアクセスゲートウェイを含む少なくとも1つのアクセスゲートウェイ、及び本態様の移動管理制御装置を含む。さらに、本態様の移動管理制御装置は、前記第1のアクセスゲートウェイ及び前記第1のモビリティアンカーを介して中継されている前記移動端末に関するデータパケットフローの全体では無く一部のデータパケットフローのみを前記第2のモビリティアンカーを介して中継するように経路変更するための伝送路制御信号を、前記第1のアクセスゲートウェイに対して送信する制御信号処理部を有する。
本発明の第4の態様は、上述した本発明の第2の態様に係る移動管理方法をコンピュータに行わせるためのプログラムを含む。
上述した本発明の各態様によれば、移動端末と外部ネットワークに配置された通信相手ノード(CN)との間のデータ通信の最中にモビリティ管理ノード主導でモビリティアンカー切り替えを可能とするとともに、移動端末と通信相手ノード(CN)との間で送受信されるデータパケットの全体では無くその一部についてモビリティアンカーを変更することが可能な移動管理システム、移動管理方法、アクセスGW装置、移動管理制御装置、及びプログラムを提供することができる。
背景技術に係る移動管理システムの構成例を示すブロック図である。 背景技術で述べたPMIPv6におけるモビリティアンカー切り替え手順の第1のパタンを示すシーケンス図である。 背景技術で述べたPMIPv6におけるモビリティアンカー切り替え手順の第2のパタンを示すシーケンス図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる移動管理システムの構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態におけるアクセスGWの構成例を示すブロック図である。 伝送路制御信号のフォーマット例を示す図である。 第1の実施の形態におけるフローテーブルの具体例を示す図である。 第1の実施の形態における転送テーブルの具体例を示す図である。 伝送路生成要求および削除要求を送信すべきか否かの判定条件を説明するための概念図である。 第1の実施の形態におけるモビリティ管理ノードの構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態における伝送路情報テーブルの具体例を示す図である。 第1の実施の形態における伝送路情報テーブルの設定例を示す図である。 第1の実施の形態における伝送路情報テーブルの他の設定例を示す図である。 第1の実施の形態におけるアクセスGWが伝送路制御信号を受信した際の動作例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態におけるアクセスGWがデータパケットを受信した際の動作例を示すフローチャート 第1の実施の形態におけるモビリティ管理ノードの動作例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る移動管理システムの動作例を示すシーケンス図である。 第1の実施の形態に係る移動管理システムの動作例を示すシーケンス図である(移動端末が接続したことを契機として伝送路生成信号を送信する場合)。 第1の実施の形態に係る移動管理システムによる一連の処理が完了した後のフローテーブルの状態を示す図である。 第1の実施の形態に係る移動管理システムによる一連の処理が完了した後の転送テーブルの状態を示す図である。 第1の実施の形態に係る移動管理システムによる一連の処理が完了した後の伝送路情報テーブルの状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態におけるアクセスGWの構成例を示す図である。 第2の実施の形態における転送テーブルの例を示す図である。 第2の実施の形態に係る移動管理システムによる一連の処理が完了した後転送テーブルの状態を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるアクセスGWの構成例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態におけるアクセスGWの構成例を示す図である。 本発明の第5の実施の形態におけるアクセスGWの構成例を示す図である。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
<第1の実施の形態>
(構成の説明)
本発明の第1の実施の形態に係る移動管理システムの全体構成例を図4に示す。当該移動管理システムは、ネットワーク10に配置されたモビリティアンカー100、アクセスGW201、及びモビリティ管理ノード301を含む。ネットワーク10は、移動端末400と外部ネットワーク20の間でデータパケットを中継する。ネットワーク10は、モバイルオペレータ等のある管理者又は団体により管理されるネットワークである。3GPPで定義された移動管理システムにおいては、ネットワーク10はコアネットワークと呼ばれ、モバイルオペレータによる管理及び運用がなされる。外部ネットワーク20は、インターネットなど、ネットワーク10とは異なる管理ドメインのネットワークである。ただし、ネットワーク10は、複数の管理ドメインにより構成されていてもよい。また、CN500は、外部ネットワーク20ではなくネットワーク10に配置されていても構わない。移動端末400は、アクセスGW201に主に無線技術を介して接続される。ただし、本発明においてこの点は重要でないので詳細説明は割愛する。図4に示された要素のうち図1示した要素と同じ機能を有する要素については、図1と同じ符号が付されている。すなわち、アクセスGW201及びモビリティ管理ノード301を除く他の要素は、図1に示した対応する要素と同様の機能を持つ。これらの要素については、ここでの詳細な説明を省略する。
アクセスGW201の構成例を図5に示す。図5に示すアクセスGW201は、制御信号処理部210、登録信号処理部211、データ転送部212、及び記憶装置220を含む。記憶装置220は、フローテーブルTB1及び転送テーブルTB2を保持する。記憶装置220は、例えば、RAM(Random Access Memory)若しくはハードディスクドライブ又はこれらの組合せとしてもよいし、これらと同様の揮発性記憶デバイス若しくは不揮発性記憶デバイス又はこれらの組合せとしてもよい。記憶装置220は、登録信号処理部211及びデータ転送部212からアクセス可能に配置されていればよく、アクセスGW201の外部に配置されてもよい。
制御信号処理部210は、モビリティ管理ノード301等から伝送路制御信号を受信すると、当該信号に含まれる伝送路制御情報を登録信号処理部211に出力する。伝送路制御情報は、例えば以下の情報を含む。しかしながら、伝送路制御情報は、以下に列挙する情報の一部のみを含んでもよいし、それ以外の情報を含んでもよい。なお、本明細書にて参照される"伝送路"は、アクセスGW(201)とモビリティアンカー(100)の間で確立される移動端末400のデータパケットを送受信するための論理的な伝送路である。例えば、PMIPv4及びPMIPv6の場合、この伝送路は、MAGとLMAの間に確立され、カプセル化されたデータパケットを転送するトンネルに対応する。3GPPのGPRS及びEPSの場合、この伝送路は、PDP(Packet Data Protocol) Context又はPDN(Packet Data Network) connectionにより提供される論理的な伝送路に対応する。また、WiMAXの場合は、PMIPv4及びPMIPv6の場合と同様に、この伝送路はASN−GW(Access Service Network―Gateway)とLMAの間に確立されるトンネルに対応する。なお、ASN−GWは、モビリティアンカー100に対応する。
伝送路制御信号に含まれる伝送路制御情報の一例を図6に示す。図6の例では、伝送路制御情報は、端末識別子、ソース伝送路情報、及びターゲット伝送路情報を含む。図6は、ターゲット伝送路情報が2つの場合の伝送路制御情報の構成例を示している。伝送路制御情報に含まれる各情報について以下に説明する。
(1)端末識別子
端末識別子は、移動端末400を識別するための識別子である。端末識別子は、複数のアクセスGW201の間での移動端末400の移動に関わらず不変である。端末識別子は、例えば、移動端末400のアドレス(e.g. IPアドレス)、又はNAI(Network Address Identifier)である。3GPPのシステムを想定する場合、端末識別子は、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)又はMSISDN(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)としてもよい。また、端末識別子は、移動端末400のIMSIとアドレス(e.g. IPアドレス)の組合せとしてもよい。
(2)ソース伝送路情報
ソース伝送路情報は、移動管理において操作対象とされる伝送路を特定するための情報である。ソース伝送路情報は、例えば、モビリティアンカー101のアドレス、若しくはAPN(Access Point Name)、あるいは、前記目的が達成できるのであれば他の識別子を用いても良い。さらに、それらの識別子を複数使うこととしても良い。
(3)ターゲット伝送路情報
ターゲット伝送路情報は、伝送路を切り替える場合は切替先の伝送路、伝送路を複製する場合は複製される伝送路を特定するための情報である。ターゲット伝送路情報は、ソース伝送路情報と同じく、例えば、モビリティアンカーのアドレス若しくはAPN、あるいは、前記目的が達成できるのであれば他の識別子を用いても良い。さらに、それらの識別子を複数使うこととしても良い。伝送路制御情報は、1つのソース伝送路情報に関して、複数のターゲット伝送路情報を含んでもよい。
(4)伝送路操作情報
伝送路操作情報は、ソース伝送路情報で特定される伝送路に対する処理内容を示す。伝送路制御情報は、ターゲット伝送路情報毎に少なくとも1つの伝送路操作情報を含む。伝送路操作情報の3つの具体例(4A)〜(4C)を以下に示す。
(4A)フローセレクタ
フローセレクタは、伝送路を流れる特定のパケットの集合(パケットフロー)を操作対象とするために、パケットフローを特定するための情報である。フローセレクタとしては、例えばベアラ識別情報、又はパケットフィルタを使うことができる。ベアラとは3GPPにおける用語であり、PDP contextやPDN connection中にさらに複数設定可能な論理的なサブ伝送路である。ベアラ上を転送されるデータパケットを識別する情報としては、例えば、TEID(Tunnel Endpoint Identifier)、又はGRE(Generic Routing Encapsulation) keyを使用することができる。一方、パケットフィルタとしては、送信元アドレス、宛先アドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号、プロトコル、又はビットマップ(ビット列)などを使用することができる。ここで、特定の伝送路中の全てのベアラを操作対象とする場合には、フローセレクタに含まれるベアラ識別子情報としてAPNを用いてもよいし、ベアラ識別情報をフローセレクタに含めないようにしてもよい。また、パケットフィルタによる操作対象の特定が必要ない場合は、パケットフィルタをフローセレクタに含めないようにしてもよいし、フローセレクタに含まれるパケットフィルタとして"*"や"Any"など全てのデータパケットに該当する意味を持つ設定値を用いてもよい。
(4B)優先度
優先度は、複数のパケットフロー間の優先度を示す。優先度は、複数のフローセレクタによってパケットフローを特定する際に、より優先して評価するフローセレクタを決めるために用いられる。例えば、優先度の値が小さいパケットフローほど優先順位を高くしてもよい。
(4C)操作情報
操作情報は、フローセレクタにより特定されるパケットフローに対する操作を指定する。具体的な操作は、例えば、"Redirect"及び"Duplicate"である。"Redirect"は、対象となるパケットフローをターゲット伝送路に転送する操作を意味する。また、"Duplicate"は、対象となるパケットフローを複製し、ソース伝送路に加えてターゲット伝送路にもパケットフローを転送する操作を意味する。なお、操作情報は、"Redirect"及び"Duplicate"とは異なる他の操作を指定してもよい。制御信号処理部210は、"Redirect"が設定された場合、ソース伝送路情報で特定される伝送路を用いて転送され、さらにフローセレクタで識別されるパケットフローを、ターゲット伝送路情報で特定される伝送路に転送するよう要求されたとみなす。一方、"Duplicate"が設定された場合、制御信号処理部210は、ソース伝送路情報で特定される伝送路を用いて転送し、さらにフローセレクタで識別されるパケットフローに属するパケットを複製した上で、ターゲット伝送路情報で特定される伝送路にも転送するよう要求されたとみなす。
さらに制御信号処理部210は、登録信号処理部211から伝送路制御結果(伝送路の生成及び削除の結果)を示す情報が入力された場合、この制御結果を示すための伝送路制御応答信号をモビリティ管理ノード301等の伝送路制御信号の送信元に対して送信する。
伝送路制御応答信号は、例えば、対応する伝送路制御信号に含まれていた端末識別子、ソース伝送路情報、及びターゲット伝送路情報、並びに各伝送路操作情報に設定された操作を実施した結果を示すコードを含む。ただし、伝送路制御応答信号は、これらの一部の情報のみを含んでもよいし、他の情報をさらに含んでもよい。
登録信号処理部211は、制御信号処理部210から伝送路制御情報が入力されると、当該伝送路制御情報に含まれる移動端末400の端末識別子を検索キーとして記憶装置220中の転送テーブルTB2を検索し、当該移動端末のデータパケット転送に関わる1つ又は複数の伝送路識別のための情報を参照する。そして、登録信号処理部211は、伝送路制御情報に含まれるソース伝送路情報及びターゲット伝送路情報と転送テーブルTB2に含まれる伝送路識別のための情報を比較することで、伝送路の生成及び削除が必要であるかを判定する。伝送路の生成又は削除が必要と判定した場合、登録信号処理部211は、伝送路生成要求信号又は削除要求信号をモビリティアンカー100に送信することで、モビリティアンカー100とアクセスGW201の間の伝送路の生成・削除を制御する。転送テーブルTB2に含まれる伝送路識別のための情報は、伝送路を一意に特定するための識別情報であり、例えば、移動端末400の端末識別子、モビリティアンカーのアドレス、その他の補助的な識別子を含む。伝送路の生成・削除の判定手法の詳細については後述する。
さらに登録信号処理部211は、転送テーブルTB2の更新結果を制御信号処理部210に応答する。さらに、登録信号処理部211は、伝送路生成要求信号又は削除要求信号に対する応答としてモビリティアンカー100から受信した応答信号に含まれる制御結果を示す情報を制御信号処理部210に応答する。さらにまた、登録信号処理部211は、新たに生成・削除する必要のなかった伝送路、及びモビリティアンカー100からの応答信号により伝送路の生成・削除処理が成功したことが確認できた伝送路について、伝送路制御情報に含まれる情報を使って、記憶装置220内に記録されたフローテーブルTB1および転送テーブルTB2の内容を更新する。
フローテーブルTB1のフォーマットの一例を図7に示す。図7の例では、フローテーブルTB1は、移動端末400の端末識別子(Terminal ID)毎に、1つ又は複数の第1フローセレクタ(Primary Flow Selector)、フローセレクタ(Flow Selector)、フロー識別子(Flow ID)、優先度(Priority)、バインディングID(Binding ID)が対応づけられたテーブルとして表わされる。このうち、移動端末400の端末識別子、フローセレクタ、及び優先度の詳細については前記した通りである。フロー識別子は、各フローセレクタの識別子である。バインディングIDは、フローセレクタに一致したパケットの転送先とする伝送路の指定と、転送の方法が示された転送テーブルTB2から目的の情報を取得するためのキー情報として使われる。なお、第1フローセレクタは、細かな設定ができるフローセレクタを使って各受信パケットのマッチングを行うことは処理量が大きく、時間もかかるため、最初に大まかな比較ができるようにするために設けられている。従って、第1フローセレクタは必ずしも必要ないが、効率的な転送先決定に大きく寄与する。
次に、転送テーブルTB2のフォーマットの一例を図8に示す。図8の例では、転送テーブルTB2は、移動端末400の端末識別子(Terminal Address)毎に、1つ又は複数の転送先および転送方法に関する情報(以下では、転送関連情報と呼ぶ)が対応づけられたテーブルとして表わされる。各転送関連情報は、バインディングIDによって識別される。転送関連情報は、転送先を示すモビリティアンカー100のアドレス(Anchor Address)、移動端末400からモビリティアンカー100までの伝送路を転送されるパケットフローを識別するためのパス識別子(Path ID)を含む。図8の例では、パス識別子として"SID"という値を示したが、パス識別子の具体例としては、例えば、パケットフローを転送する論理的な伝送路(ベアラ)がGTPにより制御されるのであればTEIDを使用することができる。また、PMIPv6及びPMIPv4の場合は、パス識別子としてGRE keyを使用することができる。TEID及びGRE keyは、アクセスGW201からモビリティアンカー100に転送する場合(アップリンク)と、モビリティアンカー100からアクセスGW200に転送する場合(ダウンリンク)とでは、通常異なる値が使われる。図8の転送テーブルTB2に使用されるパス識別子SIDは、アップリンク用及びダウンリンク用の識別子を包含しているものとする。一方、転送テーブルTB2に含まれるパス識別子は状況により省略することもできる。また、転送テーブルTB2は、伝送路を通るデータパケットに対して確保すべきQoS(Quality of SERVICE)の情報や、許可する通信帯域を示す情報などの他の情報を含んでもよい。
続いて以下では、登録信号処理部211による伝送路の生成・削除の判定手法について説明する。登録信号処理部211は、制御信号処理部210から入力された伝送路制御情報に含まれる伝送路識別セット(すなわち、ソース伝送路情報、ターゲット伝送路情報、及び伝送路操作情報)によって特定される伝送路操作を行ったと仮定したときの伝送路の集合P_reqと、転送テーブルTB2から取得した伝送路識別セット(すなわち、端末識別子、転送先及び転送方法に関する情報)によって特定される現在の伝送路の集合P_existを比較する。そして、登録信号処理部211は、P_existに存在せずP_reqに存在する伝送路があれば当該伝送路を生成するための伝送路生成要求信号の送信を判定し、P_existに存在しP_reqに存在しない伝送路があれば当該伝送路を削除するための伝送路削除要求信号の送信を判定する。登録信号処理部211は、P_exist及びP_reqの両方に存在する伝送路については、伝送路生成要求及び削除要求のいずれも不要と判定する。
データ転送部212は、移動端末400からデータパケットを受信した際に、データパケットのソースアドレス(e.g. ソースIPアドレス)を移動端末400の端末識別子とみなし、得られた端末識別子をキーとしてフローテーブルTB1を検索する。データ転送部212は、フローテーブルTB1においてこの端末識別子に対応づけられたフローセレクタと、データパケットに含まれるIPヘッダ、ポート番号、上位のアプリケーションレイヤのデータ等を比較する。そして、フローテーブルTB1から得たフローセレクタとデータパケットに含まれる情報が一致する場合、データ転送部212は、一致したフローセレクタに対応付けられたバインディングIDを取得する。ここで、各フローセレクタに対応するバインディングIDは、1つの場合もあるが、複数であっても構わない。
さらに、データ転送部212は、移動端末400の端末識別子、及びフローテーブルTB1から取得したバインティングIDを検索キーとして、転送テーブルTB2の情報を検索し、合致する転送先の転送関連情報を取得する。ここで、バインディングIDが複数ある場合、データ転送部212は、バインディングIDの数だけ転送関連情報を取得する。データ転送部212は、転送テーブルTB2から取得した転送関連情報を用いて、受信したデータパケットに対して、転送先をモビリティアンカー100とするカプセル化処理を実施する。データ転送部212は、必要に応じて、TEID又はGRE Key情報といったパス識別子を、カプセル化後のパケットのヘッダに設定する。データ転送部212は、カプセル化されたデータパケットをネットワーク10に送出する。ここで、データ転送部212は、転送テーブルTB2から複数の転送関連情報を取得した場合、受信したデータパケットを転送関連情報の数に応じて複製し、複製された複数のデータパケットを複数の転送関連情報を使ってカプセル化し、複数のカプセル化されたパケットをネットワーク10へ送出する。
さらにまた、データ転送部212は、アクセスGW201のアドレスが宛先に指定されたカプセル化されたパケットをモビリティアンカー100から受信した場合、これをデカプセル化することによって得られたデータパケットを移動端末400へ転送する。ここで、データ転送部212は、カプセル化されたパケットのヘッダに付与されたパス識別子(e.g. TEID又はGRE key)、及びペイロードに含まれるパケットの宛先アドレスをチェックし、フローテーブルTB1に対応するエントリが存在する場合のみ、デカプセル化をすることによって得られるデータパケットを移動端末400に転送することとしてもよい。
続いて以下では、図4に示した本実施の形態に係るモビリティ管理ノード301の構成について説明する。モビリティ管理ノード301は、伝送路制御信号をアクセスGW201に送信することで、アクセスGW201における伝送路生成・削除処理や、それに応じたデータデータパケットの転送処理を制御する。モビリティ管理ノード301の構成例を図10に示す。図10の例では、モビリティ管理ノード301は、制御契機検出部310、制御信号処理部311、及び記憶装置320を含む。記憶装置320は、伝送路情報テーブルTB3を保持する。記憶装置320は、例えば、RAM(Random Access Memory)若しくはハードディスクドライブ又はこれらの組合せとしてもよいし、これらと同様の揮発性記憶デバイス若しくは不揮発性記憶デバイス又はこれらの組合せとしてもよい。記憶装置320は、制御信号処理部311からアクセス可能に配置されていればよく、モビリティ管理ノード301の外部に配置されてもよい。
制御契機検出部310は、内部的に何らかの条件が満たされた場合や、外部から伝送路制御が必要となるなんらかのイベントが発生したことを通知されると、制御トリガを制御信号処理部311に出力する。制御トリガは、伝送路制御信号をアセクス網GW210に送信することを制御信号処理部311に対して促す。制御トリガの条件となるイベントは、例えば、移動端末400のネットワーク10への接続を検出したこと、又はモビリティアンカー100の故障、故障の兆候、若しくは高負荷になったことを示す通知を外部のネットワークを管理するシステムから受信したこと、が考えられる。なお、制御トリガの条件となるイベントは、これら以外の様々な要因であってもよい。
制御信号処理部311は、制御契機検出部310から制御トリガを受信すると、制御トリガに含まれる情報に基づき記憶装置320に保持された伝送路情報テーブルTB3から必要な情報を取得し、この情報を用いて伝送路制御信号を生成し、当該伝送路制御信号を適切なアクセスGW201に送信する。適切なアクセスGW201のアドレスは、伝送路情報テーブルTB3から取得される。
伝送路情報テーブルTB3の一例を図11に示す。図11の例では、伝送路情報テーブルTB3は、以下の情報要素(1)〜(4)を対応付けている。
(1)端末識別子(Terminal ID)
既に述べたように、端末識別子は、移動端末400を識別可能な識別子である。例えば、3GPPでは、端末識別子としてIMSI、MSISDN、又はNAIを使用してもよい。また、移動端末400のアドレス(e.g. IPアドレス)を端末識別子として使ってもよい。
(2)端末アドレス(Terminal Address)
端末アドレスは、移動端末400に付与されたアドレス(e.g. IPアドレス)である。端末アドレスは、例えば、移動端末400がネットワーク10(つまり、いずれかのアクセスGW201)に接続し、外部ネットワーク20に接続した際に、モビリティアンカー100あるいは外部ネットワーク20によって移動端末400に割り当てられる。
(3)アクセスGWアドレス(Access GW Address)
アクセスGWアドレスは、アクセスGW201のアドレス(e.g. IPアドレス)である。
(4)伝送路情報(Data Path Information)
伝送路情報は、伝送路の識別のため、及び特性を示すための情報を含む。以下に、伝送路情報の具体例(4A)〜(4D)を示す。
(4A)アンカーアドレス(Anchor Address)
アンカーアドレスは、モビリティアンカー100のアドレス(e.g. IPアドレス)である。
(4B)パス識別子(Path ID)
パス識別子は、既に述べたように、伝送路内を転送されるパケットフローを識別するための情報である。例えば、3GPPでは、パス識別子としてTEID又はGRE Keyを用いることができる。
(4C)フローセレクタ(Flow Selector)
フローセレクタは、既に述べたように、当該伝送路に転送対象とするパケットフローの内容を特定するための情報である。例えば、フローセレクタは、送信元および宛先アドレス、送信元および宛先ポート番号、上位プロトコルの情報(e.g. TCP 又はUDP)、その他のパケットを特定するための情報を含む。図11の例では、パケットフローが全てのデータパケットを対象とすることを示す値"Any"がフローセレクタに設定されている。
(4D)優先度(Priority)
優先度は、既に述べたように、複数のフローセレクタ間の優先順位を示す。つまり、優先度は、アクセスGW201が受信したデータパケットと複数のフローセレクタを照合する際に、どのフローセレクタを先に評価するかを示す。ここでは、優先度の値が小さいパケットフローほど優先度が高いものとする。
なお、伝送路情報テーブルTB3を構成する情報は、図11に示した内容の一部としても良いし、他の情報を含むこととしても構わない。また、3GPPのEPSへの適用を想定した場合は、図11の伝送路情報テ―ブルTB3は、3GPP TS23.401の「Table 5.7.2-1: MME MM and EPS bearer Contexts」に記載されたテーブルを拡張したものとしてもよい。具体的には、3GPP TS23.401の「Table 5.7.2-1: MME MM and EPS bearer Contexts」に記載されたテーブルの伝送路情報(例えば、3GPP EPSではPDN connection)に、アクセスGW201(この場合、S−GW)とモビリティアンカー100との間で複製された伝送路であることを判定可能な情報と、複製元の伝送路を特定するための情報を追加すれば良い。
また、図10の例では伝送路情報テーブルTB3を記憶装置320に配置しているが、伝送路情報テーブルTB3の少なくとも一部をモビリティ管理ノード301の外部に配置されたデータベ―スに保持しておいてもよい。この場合、制御信号処理部311は、ネットワーク10を介して伝送路情報テーブルTB3に保持された情報を取得すればよい。
さらに、制御信号処理部311は、伝送路制御信号を送信すべきアクセスGW210が複数ある場合には、複数の伝送路制御信号を送信してもよい。また、ここでは、1つの伝送路送信信号は、1つの移動端末400に関する伝送路制御情報を含むことを想定しているが、複数の移動端末400に関する伝送路制御情報を含んでもよい。
制御信号処理部311がどのような情報を使って伝送路制御信号を構成するかは、発生したイベントの内容によって様々なものが考えられる。以下に2つの例を示す。
(例1)管理上の理由で移動端末400(端末識別子:MN1_ID)の全てのデータパケットを他のモビリティアンカー100に収容させる場合
制御信号処理部311は、端末識別子(MN1_ID)をキーとして伝送路情報テーブルTB3を検索することによって、端末識別子(MN1_ID)と一致するエントリに対応付けられた移動端末400のアドレス(MN1_Addr)、アクセスGW201のアドレス(AGW1_Addr)、モビリティアンカー100のアドレス(Anchor1_ID)、パス識別子(SID_1)を取得する。制御信号処理部311は、さらに、当該移動端末400を新たに収容するモビリティアンカー100のアドレスをモビリティ管理ノード301の外部、あるいは内部のデータベースから取得する。その後、制御信号処理部311は、これらの取得された情報を用いて伝送路制御信号を生成する。以下に、例1における伝送路制御信号が含む情報要素の具体例を示す。
(例1における伝送路制御信号の構成例)
・端末識別子:MN1_IDおよびMN1_Addr
・ソース伝送路情報:Anchor1_AddrおよびSID_1
・ターゲット伝送路情報:New_Anchor_Addr(移動先のモビリティアンカー100のアドレス)およびSID_New(移動先のパス識別子)
・伝送路操作情報:
- フローセレクタ:"Any"(すべてのフロー)
- 優先度 :255
- 操作情報 :"Redirect"
(例2)合法的傍受、特別な課金、特別なQoSを実現するためなどの理由で、移動端末400(端末識別子:MN1_ID)の一部のデータパケット(ここでは宛先ポート番号5004のUDPとする)を別モビリティアンカー100に収容させる場合
制御信号処理部311は、端末識別子(MN1_ID)をキーとして伝送路情報テーブルTB3を検索し、端末識別子(MN1_ID)と一致するエントリに対応付けられたた移動端末400のアドレス(MN1_Addr)、アクセスGW201のアドレス(AGW1_Addr)、モビリティアンカー100のアドレス(Anchor1_ID)、パス識別子(SID_1)を取得する。制御信号処理部311は、さらに、当該移動端末400を新たに収容するモビリティアンカー100のアドレスをモビリティ管理ノード301の外部、あるいは内部のデータベースから取得する。その後、これらの取得された情報を用いて伝送路制御信号を生成する。以下に、例2における伝送路制御信号が含む情報要素の具体例を示す。
(例2における伝送路制御信号の構成例)
・端末識別子:MN1_IDおよびMN1_Addr
・ソース伝送路情報:Anchor1_AddrおよびSID_1
・ターゲット伝送路情報:New_Anchor_Addr(移動先のモビリティアンカー100のアドレス)およびSID_New(移動先のパス識別子)
・伝送路操作情報:
- フローセレクタ:"宛先ポート番号=5004、プロトコル=UDP"
- 優先度 :1
- 操作情報 :"Redirect"
制御信号処理部311は、さらに伝送路制御応答信号を受信した場合には、当該信号に含まれる情報に基づき、伝送路情報テーブルTB3の内容を更新する。図12は、伝送路制御信号が上述した例1のように構成された場合における、伝送路制御応答信号の受信後の更新された伝送路情報テーブルTB3を示している。図11と図12を対比すると、図11に示されたMN1_IDに関するアンカーアドレスANCHOR1_ADDRおよびパス識別子SID_1を持つエントリが、それぞれアンカーアドレスNEW_ANCHOR_ADDRおよびパス識別子SID_Newを持つエントリに更新されている。同様に、図13は、伝送路制御信号が上述した例1のように構成された場合における更新された伝送路情報テーブルTB3を示している。図11と図13を対比すると、図13では、アンカーアドレスNEW_ANCHOR_ADDRおよびパス識別子SID_Newを持つエントリが新たに追加されている。
以上説明した、制御信号処理部210、登録信号処理部211、データ転送部212、制御契機検出部310、制御信号処理部311は、その全てをソフトウェアで実装することができる。言い換えると、これらの機能は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサを含むコンピュータシステムに1又は複数のプログラムを実行させることによって実現することができる。ただし、その一部、あるいは全てをハードウェアで構成することも可能である。
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
(動作の説明)
続いて以下では、アクセスGW201、モビリティ管理ノード301を含む本実施の形態に係る移動管理システムの動作について、フローチャート及びシーケンス図を用いて詳細に説明する。図14は、伝送路制御信号を受信したアクセスGW201による伝送路生成・削除の制御手順の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS301では、アクセスGW201は、モビリティ管理ノード301から伝送路制御信号を受信する。制御信号処理部210は、伝送路制御信号に含まれている伝送路制御情報を登録信号処理部211に送る。
ステップS302において、登録信号処理部211は、図9を用いて説明したように、伝送路制御情報から特定される伝送路操作を行ったと仮定したときの伝送路の集合(P_req)と、転送テーブルTB2から特定される現在の伝送路の集合(P_exist)を比較する。これら2つの集合が一致しない場合(S302でYES)、登録信号処理部211は、伝送路の制御(伝送路の生成又は削除)が必要と判断し、ステップS303の処理を行う。一方、これら2つの集合が一致する場合(S302でNO)、登録信号処理部211は、伝送路の制御が不要であるためにステップ303をスキップする。
ステップS303では、登録信号処理部211は、アクセスGW201とモビリティアンカー100との間の伝送路の生成又は削除のために、伝送路生成要求信号又は削除要求信号をモビリティアンカー100に送信する。登録信号処理部211は、モビリティアンカー100から伝送路生成応答信号又は削除応答信号を受信した際に、各応答信号内の情報(例えば、伝送路への操作が成功したかどうか)に基づいた伝送路制御の結果を制御信号処理部210に通知する。
ステップS304では、登録信号処理部211は、伝送路制御結果が成功を示した伝送路と、新たに生成・削除する必要のなかった伝送路について、伝送路制御情報に含まれる情報を使ってフローテーブルTB1および転送テーブルTB2の内容を更新する。
ステップS305では、制御信号処理部210は、登録信号処理部211から通知された伝送路制御の結果を用いて伝送路制御応答信号を構成し、これをモビリティ管理ノード301に送信する。
次に、図15のフローチャートを用いて、アクセスGW201が移動端末400からデータパケットを受信した際の動作を説明する。図15は、移動端末400からデータパケットを受信したアクセスGW201の動作例を示すフローチャートである。ステップS401では、データ転送部212は、データパケットを受信する。ステップS402では、データ転送部212は、受信データパケットがモビリティアンカー100からカプセル化されて送られてきたデータパケットであるか否かを判定する。受信データパケットがモビリティアンカー100から到着したカプセル化されたパケットである場合(ステップS402でYES)、データ転送部212は、ステップS412の処理を行う。そうでない場合(ステップS402でNO)、データ転送部212は、ステップS403の処理を行う。なお、受信データパケットがモビリティアンカー100から到着したカプセル化されたパケットであるか否かは、受信データパケットがカプセル化パケットであることに加えて、受信データパケットの宛先アドレスがアクセスGW201のアドレスであり、受信データパケットの送信元アドレスが転送テーブルに記録されたいずれかのエントリ中のモビリティアンカー100のアドレスであることによって判定できる。当該判定では、さらに合致するエントリ中の端末アドレスが内部パケットの宛先アドレスに設定されているかどうかを考慮してもよい。
ステップS403では、データ転送部212は、受信データパケットに含まれる移動端末400を識別可能な情報を利用してフローテーブルTB1を検索する。ここで、移動端末400を識別可能な情報として、データパケットの送信元アドレスに設定される移動端末400のアドレスを使用してもよい。ただし、3GPPのGPRS及びEPSのように、アクセスGW201が移動端末400からのデータパケットをカプセル化された状態で受信する場合がある。この場合、フローテーブルTB1を検索するためキー情報として、カプセル化パケットのヘッダに含まれる情報(例えば、TEID)を使っても良い。また、移動端末400の識別子として複数の情報の組合せ(例えば、移動端末400のアドレスとTEID)を使用してもよい。次にステップS404では、データ転送部212は、受信データパケットに含まれる移動端末400を識別可能な情報と一致する情報を持つエントリがフローテーブルTB1に存在したかを判定する。一致するエントリが見つかった場合(S404でYES)、データ転送部212は、ステップS405の処理を行う。一方、一致するエントリが見つからなかった場合(S404でNO)、データ転送部212は、当該受信データパケットを破棄して処理を終了する(ステップS406)。
ステップS405では、データ転送部212は、受信データパケットの送信元アドレス、宛先アドレス、ポート番号、プロトコル種別、又はさらに他のデータ部分と、フローテーブルTB1における一致するエントリが持つフローセレクタ情報とを比較する。この際、比較する順番は、フローテーブルTB1に記録されたフローセレクタの優先度に従う。ステップS407において、データ転送部212は、受信データパケットとフローテーブルTB1内のフローセレクタ情報との比較の結果、一致するエントリがあったか否かを判定する。一致するエントリが見つかった場合(S407でYES)、データ転送部212は、テップS408の処理を行う。一方、一致するエントリがなかった場合(S407でNO)、データ転送部212は、当該受信データパケットを破棄して処理を終了する(ステップS406)。
ステップS408では、データ転送部212は、S405のおけるフローセレクタとの照合により得られた一致したエントリからバインディングIDを読み取り、さらに取得したバインディングIDを検索キーとして転送テーブルTB2を検索し、対応するデータパケット転送のための情報を取得する。フローテーブルTB1において一致した少なくとも1つのエントリに対応付けられているバインディングIDが複数存在する場合、データ転送部212は、それぞれのバインティングIDについての転送情報を取得する。
次に、ステップS409では、データ転送部212は、ステップS408で取得した転送情報が複数かどうか(つまり転送先が複数かどうか)を判定する。転送先が複数であった場合(S409でYES)、データ転送部212は、転送先の数に応じたパケットの複製を行う(ステップS410)。ステップS411では、データ転送部212は、データパケットに対し、ステップS408で取得した転送情報を使って送信元アドレスを当該アクセスGW201のアドレスとされ、宛先アドレスを取得した転送情報から得られたモビリティアンカー100のアドレスとされたヘッダによりカプセル化処理を実施し、カプセル化後のデータパケットをネットワーク10に送出する。なお、転送情報がTEID又はGRE key等の伝送路をさらに詳細に区別可能な情報を含む場合は、それらの情報をカプセル化する際のヘッダに設定しても良い。例えば、3GPPの場合は、アクセスGW(S−GWに相当)とモビリティアンカー(P−GWに相当)で使われるプロトコルがGTPの場合はTEIDがカプセル化の際に使用され、PMIPv6の場合はGRE keyが使用される。
ステップS412では、データ転送部212は、モビリティアンカー100からカプセル化されて送られたパケットをデカプセル化する。そして、データ転送部212は、得られたデータパケットの宛先アドレスに設定された移動端末400に対して、当該パケットを転送する。この際、データ転送部212は、必要に応じて、データパケットをカプセル化して移動端末400に転送してもよい。
次に、図16のフローチャートを用いて、伝送路制御信号を送信に関するモビリティ管理ノード301の動作例を説明する。ステップS501では、モビリティ管理ノード301の制御契機検出部310は、モビリティ管理ノード301の外部又は内部で伝送路制御のイベントが発生したことを検出すると、制御信号処理部311にイベント発生を通知するとともに、当該イベントに関与する移動端末400の識別子又はモビリティアンカー100の識別子を制御信号処理部311に送る。
ステップS502では、制御信号処理部311は、制御契機検出部310から受信した移動端末400の識別子を使って伝送路情報テーブルTB3を検索し、該当するエントリ中の情報を用いて伝送路制御信号を生成し、これをアクセスGW201に送信する。伝送路制御信号の生成についての具体例は、既に制御信号処理部311の説明箇所で示した通りである。
ステップS503では、制御信号処理部311は、ステップS502で送信した伝送路制御信号の応答として伝送路制御応答信号をアクセスGW201から受信すると、当該応答信号に格納された情報に基づき、伝送路情報テーブルTB3の内容を更新する。伝送路情報テーブルの更新例については、制御信号処理部311の説明の箇所に示した通りである。なお、イベント発生をモビリティ管理ノード301の外部から受信した場合には、制御信号処理部311は、ステップS503完了後などに、当該イベントの送信元に処理の完了を通知するようにしてもよい。
次に図17の示すシーケンス図を用いて、本実施の形態にかかる移動管理システムの全体の動作例を説明する。ここでは、アクセスGW201及びモビリティアンカー100Aを介して移動端末400がCN500と通信している最中に、移動端末400とCN500の間の一部のパケットフローの転送経路をモビリティアンカー100Aから100Bに切り替える場合を例にとって説明する。さらに、ここでは、以下の状況を想定する。
・移動端末400の識別子:MN1_ID
・移動端末400のアドレス:MN1_Addr
・アクセスGW201のアドレス:AGW1_Addr
・モビリティアンカー100Aのアドレス:Anchor1_Addr
・モビリティアンカー100Bのアドレス:Anchor2_Addr
・モビリティアンカー100Bに移すパケットフロー:宛先ポート番号80(TCP)を持つパケットフロー
・アクセスGW201とモビリティアンカー100A間の伝送路中のパケットフローの識別子:SID_1
・アクセスGW201とモビリティアンカー100B間の伝送路中のパケットフローの識別子:SID_2
はじめにステップS601において、アクセスGW201とモビリティアンカー100Aとの間に伝送路(e.g. トンネル)が確立されており、当該伝送路を経由して、移動端末400とCN500間での通信が行われている。このとき、モビリティ管理ノード301が保持する伝送路情報テーブルTB3における移動端末400に関するエントリは、図11に示すようになっている。また、アクセスGW201が保持するフローテーブルTB1および転送テーブルTB2における移動端末400に関するエントリは、それぞれ図7及び図8に示すMN1_IDに関するエントリのようになっている。
次にステップS602では、上述した想定のように宛先ポート番号が80かつTCPに該当するパケットをモビリティアンカー100B経由の通信とするためのイベントが発生する。このイベントに応じて、モビリティ管理ノード301は、伝送路制御信号をアクセスGW201に送信する。
この際の伝送路制御信号の内容は以下の通りである。
・端末識別子:MN1_IDおよびMN1_Addr
・ソース伝送路情報:Anchor1_AddrおよびSID_1
・ターゲット伝送路情報:Anchor2_AddrおよびSID_2
・伝送路操作情報:
-フローセレクタ:"宛先ポート番号=80、プロトコル=TCP"
-優先度 :1
-操作情報 :"Redirect"
ステップS603では、アクセスGW201は、伝送路制御信号を受信したことに応じて伝送路生成・削除の要否を判定し、モビリティアンカー100B宛てに伝送路生成要求信号を送信する。テップS604では、モビリティアンカー100Bは、伝送路生成要求信号を処理し、アクセスGW201との間に伝送路を確立するための設定を行う。そして、モビリティアンカー100Bは、伝送路生成応答信号をアクセスGW201に送信する。ここでは、モビリティアンカー100Bが伝送路確立に成功した場合を考慮する。ステップS605では、アクセスGW201は、伝送路生成応答信号を受信し、フローテーブルTB1及び転送テーブルTB2を更新する。ステップS605の処理の結果、アクセスGW201が保持するフローテーブルTB1及び転送テーブルTB2のエントリは、図19及び20に示すようにそれぞれ更新される。ステップS606では、アクセスGW201は、伝送路制御応答信号をモビリティ管理ノード301に送信する。ステップS607で、モビリティ管理ノード301は、伝送路制御応答信号を受信し、伝送路情報テーブルTB3を更新する。
この後、ステップS608にて、移動端末400が、宛先ポート番号80のTCPを使った通信を含むデータ通信をCN500との間で行う。ステップS609では、アクセスGW201は、移動端末400からのデータパケットを受信する。データ転送部212は、受信データパケットを、例えば図15のフローチャートに示した手順で処理する。
ここで送信元アドレスがMN1_Addrであり、宛先ポート番号が80番号のTCPパケットをアクセスGW201が受信した場合を考える。図15のS403に相当する処理において、データ転送部212は、受信データパケットの送信元アドレスに設定された端末アドレス(MN1_Addr)又は端末識別子(MN1_ID)を検索キーとしてフローテーブルTB1を検索する。このとき、フローテーブルTB1のエントリは図19に示すようになっているので、端末識別子がMN1_IDである2つのエントリ(言い換えると、第1フローセレクタがMN1_Addrである2つのエントリ)が検出される。さらに、図15のステップS405に相当する処理において、データ転送部212は、これら2つのエントリのフローセレクタと受信データパケットとの比較を実施する。フローセレクタは優先度の高い方(e.g. 値の小さい方)から順次比較される。したがって、始めに、"dst_port=80、protocol=tcp"と、受信データパケットの比較が行われる。結果が一致するため、ステップS407の一致判定はYESとなる。そして、図15のステップS408に相当する処理では、データ転送部212は、一致したフローセレクタに対応づけられているバインディングIDを読み出す。図19の例では、バインディングID="2"が読み出される。さらに、データ転送部212は、このバインティングIDを検索キーとして転送テーブルTB2を検索する。このとき、転送テーブルTB2のエントリは図20に示すようになっている。したがって、データ転送部212は、転送のための情報(転送関連情報)として、モビリティアンカーのアドレス="Anchor2_Addr"と、パス識別子="SID_2"を取得する。転送先は1つなので、データ転送部212は、データパケットの複製を行う必要はない。
図15のステップS411に相当する処理では、データ転送部212は、データパケットに対しカプセル化を実施する。この例の場合、カプセル化ヘッダに含まれる送信元アドレスはアクセスGW201のアドレスとされ、宛先アドレスはモビリティアンカー100Bのアドレス(Anchor2_Addr)とされる。さらに、パス識別子 "SID_2"に含まれるアップリンク用の識別情報も、カプセル化ヘッダに設定される。例えば、3GPPのGTPに従ったカプセル化を実施する場合は、GTPヘッダにアップリンク用のTEIDが設定される。その結果、カプセル化されたデータパケットは、図17のステップS610Bに示すように、モビリティアンカー100Bにトンネリングされる。モビリティアンカー100Bは、デカプセル化を行って得られたデータパケットを外部ネットワーク20(CN500)へ転送する。
次に、図17のS609において、送信元アドレスがMN1_Addrであり、宛先ポート番号が80番とは異なる他のデータパケットがアクセスGW201により受信された場合を考える。この場合は、図15のステップS405に相当する処理において、データ転送部212は、フローセレクタ("Any")を持つエントリと受信データパケットとの一致を判定し、一致したフローセレクタに対応づけられているバインディングIDを読み出す。図19の例では、バインディングID="1"が読み出される。さらに、データ転送部212は、このバインティングIDを検索キーとして転送テーブルTB2を検索する。このとき、転送テーブルTB2のエントリは図20に示すようになっている。したがって、データ転送部212は、転送のための情報(転送関連情報)として、モビリティアンカーのアドレス=" Anchor1_Addr"と、パス識別子=" SID_1"を取得する。転送先は1つなので、データ転送部212は、データパケットの複製を行う必要はない。
図15のステップS411に相当する処理では、データ転送部212は、データパケットに対しカプセル化を実施する。この例の場合、カプセル化ヘッダに含まれる送信元アドレスはアクセスGW201のアドレスとされ、宛先アドレスはモビリティアンカー100Aのアドレス(Anchor1_Addr)とされる。さらに、パス識別子 "SID_1"に含まれるアップリンク用の識別情報も、カプセル化ヘッダに設定される。例えば、3GPPのGTPに従ったカプセル化を実施する場合は、GTPヘッダにアップリンク用のTEIDが設定される。その結果、カプセル化されたデータパケットは、図17のステップS610Aに示すように、モビリティアンカー100Aにトンネリングされる。モビリティアンカー100Aは、デカプセル化を行って得られたデータパケットを外部ネットワーク20(CN500)へ転送する。
以上説明したように、本実施の形態に係る移動管理システムは、移動端末400の関与なしに、移動端末400とCN500との間の通信を継続したまま、モビリティアンカー100A経由で転送されているデータパケットの全て又はその一部を別のモビリティアンカー100B経由での転送に切り替えることが可能となる。これにより、例えば、始めに使用していたモビリティアンカー100Aの障害発生時の障害復帰や、モビリティアンカー100Aの負荷分散を円滑に実現可能となる。
なお、図17に示した動作説明では、アクセスGW201とモビリティアンカー(100A)との間で既に移動端末400用の伝送路が確立された状態から、アクセスGW201が別のモビリティアンカー(100B)との間で新たに伝送路を確立し、移動端末400に関するパケットフローの一部の転送経路をモビリティアンカー(100B)経由に切り替えるケースを説明した。以下では、図18を用いて、移動端末400がネットワーク10に接続した際に、アクセスGW201と複数のモビリティアンカー(100A及び100B)の間に同時に2つの伝送路を確立する例を説明する。また、この例では、モビリティ管理ノード301が伝送路制御信号をアクセスGW201に送信する際のトリガとして、移動端末400がネットワーク10に接続した際に送信する接続要求信号を使用する。
まず、ステップS701において移動端末400は、モビリティ管理ノード301に対して接続要求信号を送信する。接続要求信号は、3GPPのEPSの場合では"Attach Request"に相当し、3GPPのGPRSの場合では"Active PDP Context Request"に相当する。ステップS702では、モビリティ管理ノード301は、移動端末400からの接続要求信号を受信する。そして、モビリティ管理ノード301の制御契機検出部310は、この接続要求信号をトリガとして、伝送路制御信号をアクセスGW201に送信する。当該伝送路制御信号は、モビリティアンカー100Aのアドレス及び100Bのアドレスを含み、図6の伝送路制御信号のフォーマット例のように、アクセスGW201とモビリティアンカー100A及び100Bとの間で確立するべき伝送路に関する情報を含む。ここでは、移動端末400とCN500の間の複数のパケットフローのうちの一部をモビリティアンカー100Bが転送し、その他をモビリティアンカー100Aが転送するケースを想定する。そして、モビリティアンカー100Aへの伝送路がソース伝送路であり、モビリティアンカー100Bへの伝送路がターゲット伝送路であるとみなす。パケットの複製は行わないので、モビリティアンカー100Bへの伝送路についての伝送路操作情報には"Redirect"が設定される。
ステップS703では、アクセスGW201は、例えば図14のフローチャートに示した手順に従って伝送路生成・削除処理を行う。この結果、アクセスGW201は、伝送路制御信号に格納されたモビリティアンカー100A及び100Bとの間で確立する2つの伝送路に関する情報を使って、モビリティアンカー100A及び100Bに対して、伝送路生成要求信号を送信する(ステップS704)。ステップS705では、アクセスGW201は、伝送路生成要求に対する応答として、2つのモビリティアンカー100A及び100Bから伝送路生成応答信号を受信する。ステップS706では、アクセスGW201は、伝送路生成応答信号の受信に応じて、フローテーブルTB1及び転送テーブルTB2を更新する。ステップS707では、アクセスGW201は、伝送路制御応答信号をモビリティ管理ノード301に送信する。ステップS708で、モビリティ管理ノード301は、伝送路制御応答信号を受信し、伝送路情報テーブルTB3を更新する。ステップS709、S710、S711A、及びS711Bの処理は、図17に示したステップS608、S609、S610A、及びS610Bの処理と同等なので、ここでは説明を省略する。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態に係る移動管理システムの全体構成は、図4に示した第1の実施の形態と同様とすればよい。本実施の形態では、アクセスGW201の一部の構成及び動作が第1の実施の形態とは異なる。従ってここではアクセスGW201の構成及び動作の第1の実施の形態との相違点に着目して説明する。
図22は、本実施の形態のアクセスGW201の構成例を示すブロック図である。本実施の形態のアクセスGW201が有するデータ転送部213は、上述したデータ転送部212の機能を有するとともに、アドレス変換部214をさらに有する。アドレス変換部214は、移動端末400から受信したデータパケットをカプセル化する際に、データパケットに送信元アドレスとして付与されている移動端末400のアドレスを異なるアドレス(つまり、切り替え先のモビリティアンカーに到達可能なアドレス)に変換することができる。この構成によれば、移動端末400のデータフローの切り替え先とするモビリティアンカーの選択自由度が大きくなる。例えば、移動端末400が切り替え先のモビリティアンカー経由でCN500に送信したパケットへの応答のパケットも切り替え先のモビリティアンカー経由で受信する必要がある場合、第1の実施の形態では、切り替え先のモビリティアンカーと切り替え元のモビリティアンカーは同一のサブネットワーク上に配置されている必要がある。しかしながら、第2の実施の形態ではその制限はなく、切り替え先のモビリティアンカーを切り替え元のモビリティアンカーから遠くはなれた場所に配置することも可能となる。このため、本実施の形態は、切り替え元のモビリティアンカーが配置されたネットワークの負荷を低減(オフロード)する用途にも適用することができる。
第2の実施の形態におけるアクセスGW201は、制御信号処理部210、登録信号処理部211、データ転送部213、及び記憶装置220を含む。このうち、制御信号処理部210は、第1の実施の形態と同様とすればよい。本実施の形態における登録信号処理部211は、第1の実施の形態における登録信号処理部211と同じ機能を有する。さらに、本実施の形態における登録信号処理部211は、モビリティアンカー100から受信した伝送路生成応答信号にモビリティアンカー100が移動端末400に割り当てたアドレスが格納されていた場合、転送テーブルTB2に含まれる該当するエントリの別アドレス(Alternative Address)のフィールドに取得したアドレスを設定する。
本実施の形態におけるデータ転送部213は、第1の実施の形態におけるデータ転送部212と同じ機能を有する。さらに、上述したように、データ転送部213はアドレス変換部214を有する。アドレス変換部214は、受信したデータパケットをカプセル化する前に送信元アドレスに設定された移動端末400のアドレスを異なるアドレスに変換できる。データ転送部213は、アドレス変換を実施するかどうかを決定し、さらにアドレスを変換する場合には、変換後のアドレスを転送テーブルTB2の別アドレス(Alternative Address)フィールドから取得する。
本実施の形態における転送テーブルTB2の具体例を図23に示す。本実施の形態における転送テーブルTB2は、第1の実施の形態における転送テーブルに対して別アドレスフィールドを追加したフォーマットを持つ。別アドレスフィールドは、アドレス変換部214によって移動端末400のアドレスと置換される変換後のアドレスを格納する。なお、別アドレスフィールドの値"None"は、アドレス変換する必要がないことを示す。ただし、アドレス変換を実施するかどうかの決定については、別アドレスフィールドとは別にフラグフィールド用意し、フラグフィールドの値によってアクセス変換の要否を決定してもよい。
データ転送部213は、第1の実施の形態のデータ転送部212と同様に、転送テーブルTB2を使って、転送先のモビリティアンカー100のアドレスなどの転送時に必要な情報を取得する。さらに、データ転送部213は、転送テーブルTB2に含まれる別アドレスフィールドを参照して、移動端末400から受信したデータパケットに対するアドレス変換を必要に応じて実施し、その後カプセル化を実施する。データ転送部213は、別アドレスフィールドにアドレスが設定されており、かつ受信データパケットの送信元アドレスに設定された移動端末400のアドレスと別アドレスフィールドに設定されたアドレスとが異なる場合に、アドレス変換を実施する。
本実施の形態におけるアクセスGW201は、第1の実施の形態と同様に、モビリティ管理ノード301から伝送路制御信号を受信したことに応じて伝送路制御を実施する。さらに、本実施の形態におけるアクセスGW201は、モビリティアンカー100が新たに割り当てた移動端末400のアドレスがモビリティアンカー100から受信した伝送路生成応答信号に格納されていた場合には、この新たなアドレスを転送テーブルTB2の別アドレスフィールドに記録する。
本実施の形態におけるアクセスGW201は、移動端末400からの受信データパケットの転送を第1の実施の形態とほぼ同様に行う。ただし、既に述べたように、本実施の形態におけるアクセスGW201は、転送テーブルTB2を検索する際に別アドレスフィールドに設定されたアドレスを取得し、このアドレスと受信データパケットの送信元アドレス(移動端末400のアドレス)が異なる場合にアドレス変換を実施する。さらに、本実施の形態におけるアクセスGW201は、モビリティアンカー100から送られたカプセル化されたデータパケットをデカプセル化した後に、デカプセル化された宛先アドレスを移動端末400のアドレスへと変換する。
図17を用いて第1の実施の形態における移動管理システム全体の動作について説明したが、その際に想定した条件をここでも適用した場合、第2の実施の形態の動作も図17のシーケンス図と同様となる。ただし図17のステップS604以降の処理において、信号に格納される情報や、処理の内容、パケットのアドレスが変わってくるので、その点に着目して説明を行う。
まず、ステップS604の伝送路生成応答信号は、モビリティアンカー100Bが割り当てた移動端末400のアドレス(ここではMN1_AltAddrとする)を含む。なお、モビリティアンカー100が移動端末400のアドレスを割り当てるという動作は、公知のモビリティアンカー(3GPPにおけるGGSN及びP−GW、並びにPMIPv6におけるLMA等)においても行われている。よって、この場合でもモビリティアンカー100には特別な機能を必要としない。
ステップS605では、アクセスGW201は、受信した伝送路生成応答信号から移動端末400のアドレスMN1_AltAddrを抽出し、このアドレスを転送テーブルTB2中の別アドレスフィールドに記録する。この結果、更新された転送テーブルTB2は、図24に示すとおりとなる。
この後、ステップS608において、移動端末400が宛先ポート番号80のTCPを使った通信をCN500との間で行う状況を考える。ステップS609では、データ転送部213は、フローテーブルTB1および転送テーブルTB2を参照し、受信データパケットの送信元アドレスをアドレスMN1_AltAddrに変換し、受信データパケットをカプセル化し、カプセル化されたパケットをモビリティアンカー100Bに送信する(ステップS610B)。一方、アクセスGW201は、モビリティアンカー100Bからカプセル化されたパケットを受信した場合に、これをデカプセル化して得たデータパケットの宛先アドレスをMN1_AltAddrから移動端末400のアドレス(MN1_Addr)に変換し、移動端末400に転送する。
一方、移動端末400が、宛先ポート番号が80であるTCPパケットとは異なる他のデータパケットを送信した場合については、図24の転送テーブルのバインディングIDが"1"のエントリが参照される。このため、アドレス変換部214によるアドレス変換は行われず、データパケットは、送信元アドレスがMN1_Addrのままモビリティアンカー100A経由でCN500に転送される(ステップS610A)。CN500から移動端末400に送られる逆方向のデータパケットについても、アドレス変換部214によるアドレス変換は行われない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、第1又は第2の実施の形態の変形として、モビリティ管理ノード301及びアクセスGW201の機能を一装置内に一体的に配置する例について説明する。本実施の形態に係る移動管理システムの構成例を図25に示す。図25に示すアクセスGW202は、アクセスGW機能部230及びモビリティ管理機能部231を含む。アクセスGW機能部230は、第1又は第2の実施の形態におけるアクセスGW201に相当する機能を有する。また、モビリティ管理機能部231は、第1又は第2の実施の形態におけるモビリティ管理ノード301に相当する機能を有する。アクセスGW機能部230とモビリティ管理機能部231との間の通信は、装置外部のネットワークには送出されず、内部的に実施されるより効率的な通信インタフェースを使うことができる。
アクセスGW機能部230及びモビリティ管理機能部231は、その全てをソフトウェアで実装することができる。言い換えると、これらの機能は、CPU、MPU等のプロセッサを含むコンピュータシステムに1又は複数のプログラムを実行させることによって実現することができる。ただし、その一部、あるいは全てをハードウェアで構成することも可能である。
本実施の形態によれば、アクセスGWとモビリティ管理ノードの機能をひとつの装置として提供できる。このため、本実施の形態は、アクセスGW機能とモビリティ管理機能の間の通信インタフェースを効率的なものとすることが可能であり、また、ハードウェア資源も共通化できるため、より安価で高性能な機能を提供できる。
本実施の形態は、アクセスGW機能とモビリティ管理機能とが分離されていないシステムに好適である。一例として3GPPのGPRSがそれに相当し、この場合、本実施の形態におけるアクセスGW202はSGSNに相当する。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、第1又は第2の実施の形態の変形として、アクセスGW201の機能及びモビリティアンカー100の機能を一装置内に一体的に配置する例について説明する。本実施の形態に係る移動管理システムの構成例を図26に示す。図26に示すアクセスGW203は、アクセスGW機能部230及びモビリティアンカー機能部232を含む。アクセスGW機能部230は、第1又は第2の実施の形態におけるアクセスGW201に相当する機能を有する。モビリティアンカー機能部232は、第1又は第2の実施の形態におけるモビリティアンカー100に相当する機能を有し、外部ネットワーク30へのインタフェースを提供する。アクセスGW機能部230とモビリティアンカー機能部232との間の通信は、装置外部のネットワークには送出されず、内部的に実施されるより効率的な通信インタフェースを使うことができる。例えば、内部的に自由にルーティングできるため、カプセル化などの処理は省略することができる。
アクセスGW機能部230及びモビリティアンカー機能部232は、その全てをソフトウェアで実装することができる。言い換えると、これらの機能は、CPU、MPU等のプロセッサを含むコンピュータシステムに1又は複数のプログラムを実行させることによって実現することができる。ただし、その一部、あるいは全てをハードウェアで構成することも可能である。
本実施の形態は、ネットワーク10に配置されたモビリティアンカー100、又はネットワーク10のトラフィックを外部ネットワーク30にオフロードし、モビリティアンカー100又はネットワーク10の負荷を低減する場合に好適となる。
また、本実施の形態は、アクセスGWとモビリティカンカーの機能をひとつの装置として提供できる。このため、本実施の形態は、アクセスGW機能とモビリティカンカー機能の間の通信インタフェースを効率的なものとすることが可能であり、かつ、ハードウェア資源も共通化できるため、より安価で高性能な機能を提供できる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、上述した第3及び第4の実施の形態の組合せについて説明する。つまり、本実施の形態では、アクセスGW201の機能、モビリティ管理ノード301の機能、及びモビリティアンカー100の機能を一装置内に一体的に配置する例について説明する。本実施の形態に係る移動管理システムの構成例を図27に示す。図27に示すアクセスGW204は、アクセスGW機能部230、モビリティ管理機能部231、及びモビリティアンカー機能部232を含む。アクセスGW機能部230、モビリティ管理機能部231、及びモビリティアンカー機能部232については、第3及び第4の実施の形態で説明したのでここでは説明を省略する。
本実施の形態は、アクセスGW機能とその制御のためのモビリティ管理ノードの機能が分離されていないシステムにおいて、ネットワーク10に配置されたモビリティアンカー100、又はネットワーク10のトラフィックをオフロードし、モビリティアンカー100又はネットワーク10の負荷を低減する場合に好適となる。
<補足説明>
以下に、第1〜第5の実施の形態で述べた要素と、これらに対応する実システム上のノード名との対応関係を記述しておく。ただし、以下はあくまで例であり、以下で例示した以外にも各実施の形態を適用することができる。
(1)3GPP EPS
P−GW: モビリティアンカー100
S−GW: アクセスGW201
MME : モビリティ管理ノード301
L−GW(Local-Gateway, トラフィックオフロード機能を備えたS−GW装置):アクセスGW203
UE(User Equipment): 移動端末400
(2)3GPP GPRS
GGSN: モビリティアンカー100
SGSN: アクセスGW202、アクセスGW204
L−GW: アクセスGW204
UE : 移動端末400
(3)3GPP2
HA(Home Agent): モビリティアンカー100
AGW(Access Gateway): アクセスGW202、アクセスGW204
AT(Access Terminal): 移動端末400
(4)WiMAX Forum
HA: モビリティアンカー100
ASN−GW(Access Service Network-Gateway): アクセスGW201,アクセスGW202
MS(Mobile Station) : 移動端末400
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
この出願は、2011年3月15日に出願された日本出願特願2011−056243を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
100 モビリティアンカー
200 アクセスGW
300 モビリティ管理ノード
400 移動端末
500 通信相手ノード(CN)
201〜204 アクセスGW
210 制御信号処理部
211 登録信号処理部
212、213 データ転送部
214 アドレス変換部
220 記憶装置
230 アクセスGW機能部
231 モビリティ管理機能部
232 モビリティアンカー機能部
301 モビリティ管理ノード
310 制御契機検出手段
311 制御信号処理手段
320 記憶装置

Claims (30)

  1. 移動端末の移動管理を前記移動端末では無くネットワーク側で行うネットワークベースの移動管理システムであって、
    第1及び第2のモビリティアンカーを含み、各々が外部ネットワークとの間でデータパケットを送受信可能な複数のモビリティアンカーと、
    第1のアクセスゲートウェイを含み、前記移動端末と前記複数のモビリティアンカーとの間に配置され、各々が前記移動端末と前記外部ネットワークとの間で送受信されるデータパケットを前記複数のモビリティアンカーのうち少なくとも1つを介して中継することが可能な少なくとも1つのアクセスゲートウェイと、
    前記データパケットを中継するモビリティアンカーの切り替えを制御する移動管理制御手段と、
    を備え、
    前記移動管理制御手段は、前記第1のアクセスゲートウェイに対して、前記第1のアクセスゲートウェイ及び前記第1のモビリティアンカーを介して中継されている前記移動端末に関するデータパケットフローの全体では無く一部のデータパケットフローのみを前記第2のモビリティアンカーを介して中継するように経路変更するための伝送路制御信号を送信できるよう構成され、
    前記第1のアクセスゲートウェイは、(i) 前記伝送路制御信号の受信に応じて、前記第1のアクセスゲートウェイと前記第2のモビリティアンカーとの間に前記一部のデータパケットフローを転送するための論理的な伝送路を確立するとともに、(ii) 前記移動端末から受信したデータパケットを識別することによって、前記一部のデータパケットフローを前記第2のモビリティアンカーに転送し、その他のデータパケットフローを前記第1のモビリティアンカーに転送するよう構成されている、
    移動管理システム。
  2. 前記伝送路制御信号は、前記少なくとも1つのアクセスゲートウェイ間での前記移動端末の移動に関わらず不変である前記移動端末の端末識別情報、前記第2のモビリティアンカーの識別情報、及び経路切り替え対象となる前記一部のデータパケットフローを特定するためのフロー情報を含む、請求項1に記載の移動管理システム。
  3. 前記第1のアクセスゲートウェイは、前記伝送路制御信号の受信に応じて、前記論理的な伝送路を確立するための伝送路生成信号を前記第2のモビリティアンカーに送信するよう構成され、
    前記伝送路生成信号は、前記端末識別情報、及び前記一部のデータパケットフローの転送先として用いられる前記第1のアクセスゲートウェイのGW識別情報を含む、
    請求項2に記載の移動管理システム。
  4. 前記第1のアクセスゲートウェイは、前記伝送路制御信号に含まれる前記フロー情報と前記第2のモビリティアンカーの識別情報に基づいて、前記一部のデータパケットフローの識別と転送先モビリティアンカーの決定を行う、請求項2又は3に記載の移動管理システム。
  5. 前記第1のアクセスゲートウェイは、前記一部のデータパケットフローを複製することによって、前記一部のデータパケットフローを前記第1及び第2のモビリティアンカーの両方に転送できるよう構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動管理システム。
  6. 前記第1のアクセスゲートウェイは、前記一部のデータパケットフローを前記第2のモビリティアンカーに転送する際に、前記一部のデータパケットフローに含まれる各データパケットの送信元アドレスを前記第2のモビリティアンカーに到達可能なアドレスに変換する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動管理システム。
  7. 前記第2のモビリティアンカーは、前記伝送路生成信号を受信に応じて、前記到達可能なアドレスを決定し、前記第1のアクセスゲートウェイに通知する、請求項6に記載の移動管理システム。
  8. 前記第2のモビリティアンカーは、前記移動端末のアドレスを宛先とするデータパケットに対して、前記第1のアクセスゲートウェイを宛先とするカプセル化を行う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動管理システム。
  9. 前記第1のアクセスゲートウェイと前記第2のモビリティアンカーは、1つの装置として一体的に配置され、
    前記一部のパケットフローは、前記装置の内部インタフェースを介して転送される、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の移動管理システム。
  10. 移動端末の移動管理を前記移動端末では無くネットワーク側で行うネットワークベースの移動管理システムによる移動管理方法であって、
    前記移動管理システムは、
    第1及び第2のモビリティアンカーを含み、各々が外部ネットワークとの間でデータパケットを送受信可能な複数のモビリティアンカーと、
    第1のアクセスゲートウェイを含み、前記移動端末と前記複数のモビリティアンカーとの間に配置され、各々が前記移動端末と前記外部ネットワークとの間で送受信されるデータパケットを前記複数のモビリティアンカーのうち少なくとも1つを介して中継することが可能な少なくとも1つのアクセスゲートウェイと、
    前記データパケットを中継するモビリティアンカーの切り替えを制御する移動管理制御手段と、
    を備え、
    前記方法は、
    前記第1のアクセスゲートウェイが、前記第1のアクセスゲートウェイ及び前記第1のモビリティアンカーを介して中継されている前記移動端末に関するデータパケットフローの全体では無く一部のデータパケットフローのみを前記第2のモビリティアンカーを介して中継するように経路変更するための伝送路制御信号を前記移動管理制御手段から受信すること、
    前記第1のアクセスゲートウェイが、前記伝送路制御信号の受信に応じて、前記第1のアクセスゲートウェイと前記第2のモビリティアンカーとの間に前記一部のデータパケットフローを転送するための論理的な伝送路を確立すること、及び、
    前記第1のアクセスゲートウェイが、前記移動端末から受信したデータパケットを識別することによって、前記一部のデータパケットフローを前記第2のモビリティアンカーに転送し、その他のデータパケットフローを前記第1のモビリティアンカーに転送すること、
    を備える移動管理方法。
  11. 前記伝送路制御信号は、前記少なくとも1つのアクセスゲートウェイ間での前記移動端末の移動に関わらず不変である前記移動端末の端末識別情報、前記第2のモビリティアンカーの識別情報、及び経路切り替え対象となる前記一部のデータパケットフローを特定するためのフロー情報を含む、請求項10に記載の移動管理方法。
  12. 前記伝送路を確立することは、前記伝送路制御信号の受信に応じて、前記論理的な伝送路を確立するための伝送路生成信号を前記第1のアクセスゲートウェイから前記第2のモビリティアンカーに送信することを含み、
    前記伝送路生成信号は、前記端末識別情報、及び前記一部のデータパケットフローの転送先として用いられる前記第1のアクセスゲートウェイのGW識別情報を含む、
    請求項11に記載の移動管理方法。
  13. 前記第1のアクセスゲートウェイは、前記伝送路制御信号に含まれる前記フロー情報と前記第2のモビリティアンカーの識別情報に基づいて、前記一部のデータパケットフローの識別と転送先モビリティアンカーの決定を行う、請求項11又は12に記載の移動管理方法。
  14. 前記転送することは、前記第1のアクセスゲートウェイが、前記一部のデータパケットフローを複製することによって、前記一部のデータパケットフローを前記第1及び第2のモビリティアンカーの両方に転送することを含む、請求項10〜13のいずれか1項に記載の移動管理方法。
  15. 前記転送することは、前記第1のアクセスゲートウェイが、前記一部のデータパケットフローを前記第2のモビリティアンカーに転送する際に、前記一部のデータパケットフローに含まれる各データパケットの送信元アドレスを前記第2のモビリティアンカーに到達可能なアドレスに変換することを含む、請求項10〜14のいずれか1項に記載の移動管理方法。
  16. 前記方法は、前記第2のモビリティアンカーが、前記伝送路生成信号を受信に応じて、前記到達可能なアドレスを決定し、前記第1のアクセスゲートウェイに通知することをさらに備える、請求項15に記載の移動管理方法。
  17. 移動端末の移動管理を前記移動端末では無くネットワーク側で行うネットワークベースの移動管理システムにて使用されるアクセスゲートウェイ装置であって、
    前記移動管理システムは、
    第1及び第2のモビリティアンカーを含み、各々が外部ネットワークとの間でデータパケットを送受信可能な複数のモビリティアンカーと、
    前記アクセスゲートウェイ装置を含み、前記移動端末と前記複数のモビリティアンカーとの間に配置され、各々が前記移動端末と前記外部ネットワークとの間で送受信されるデータパケットを前記複数のモビリティアンカーのうち少なくとも1つを介して中継することが可能な少なくとも1つのアクセスゲートウェイと、
    前記データパケットを中継するモビリティアンカーの切り替えを制御する移動管理制御手段と、
    を備え、
    前記アクセスゲートウェイ装置は、
    前記アクセスゲートウェイ装置及び前記第1のモビリティアンカーを介して中継されている前記移動端末に関するデータパケットフローの全体では無く一部のデータパケットフローのみを前記第2のモビリティアンカーを介して中継するように経路変更するための伝送路制御信号を前記移動管理制御手段から受信する制御信号処理手段と、
    前記伝送路制御信号の受信に応じて、前記第アクセスゲートウェイ装置と前記第2のモビリティアンカーとの間に前記一部のデータパケットフローを転送するための論理的な伝送路を確立する伝送路確立手段と、
    前記移動端末から受信したデータパケットを識別することによって、前記一部のデータパケットフローを前記第2のモビリティアンカーに転送し、その他のデータパケットフローを前記第1のモビリティアンカーに転送するデータ転送手段と、
    を備える、
    アクセスゲートウェイ装置。
  18. 前記伝送路制御信号は、前記少なくとも1つのアクセスゲートウェイ間での前記移動端末の移動に関わらず不変である前記移動端末の端末識別情報、前記第2のモビリティアンカーの識別情報、及び経路切り替え対象となる前記一部のデータパケットフローを特定するためのフロー情報を含む、請求項17に記載のアクセスゲートウェイ装置。
  19. 前記伝送路確立手段は、前記伝送路制御信号の受信に応じて、前記論理的な伝送路を確立するための伝送路生成信号を前記第2のモビリティアンカーに送信することを含み、
    前記伝送路生成信号は、前記端末識別情報、及び前記一部のデータパケットフローの転送先として用いられる前記アクセスゲートウェイ装置のGW識別情報を含む、
    請求項18に記載のアクセスゲートウェイ装置。
  20. 前記データ転送手段は、前記伝送路制御信号に含まれる前記フロー情報と前記第2のモビリティアンカーの識別情報に基づいて、前記一部のデータパケットフローの識別と転送先モビリティアンカーの決定を行う、請求項18又は19に記載のアクセスゲートウェイ装置。
  21. 前記データ転送手段は、前記一部のデータパケットフローを複製することによって、前記一部のデータパケットフローを前記第1及び第2のモビリティアンカーの両方に転送できるよう構成されている、請求項17〜20のいずれか1項に記載のアクセスゲートウェイ装置。
  22. 前記データ転送手段は、前記一部のデータパケットフローを前記第2のモビリティアンカーに転送する際に、前記一部のデータパケットフローに含まれる各データパケットの送信元アドレスを前記第2のモビリティアンカーに到達可能なアドレスに変換する、請求項17〜21のいずれか1項に記載のアクセスゲートウェイ装置。
  23. 前記到達可能なアドレスは、前記第2のモビリティアンカーから前記アクセスゲートウェイ装置に通知される、請求項22に記載のアクセスゲートウェイ装置。
  24. 前記データ転送手段は、前記移動端末のアドレスを送信元とするデータパケットに対して、前記第1又は第2のアクセスゲートウェイを宛先とするカプセル化を行う、請求項17〜23のいずれか1項に記載のアクセスゲートウェイ装置。
  25. 前記アクセスゲートウェイ装置と前記第2のモビリティアンカーは、1つの装置として一体的に配置され、
    前記一部のパケットフローは、前記1つの装置の内部インタフェースを介して転送される、
    請求項17〜24のいずれか1項に記載のアクセスゲートウェイ装置。
  26. 前記アクセスゲートウェイ装置と前記移動管理制御手段は、1つの装置として一体的に配置され、
    前記伝送路制御信号は、前記1つの装置の内部インタフェースを介して転送される、
    請求項17〜25のいずれか1項に記載のアクセスゲートウェイ装置。
  27. 移動端末の移動管理を前記移動端末では無くネットワーク側で行うネットワークベースの移動管理システムにて使用される移動管理制御装置であって、
    前記移動管理システムは、
    第1及び第2のモビリティアンカーを含み、各々が外部ネットワークとの間でデータパケットを送受信可能な複数のモビリティアンカーと、
    第1のアクセスゲートウェイを含み、前記移動端末と前記複数のモビリティアンカーとの間に配置され、各々が前記移動端末と前記外部ネットワークとの間で送受信されるデータパケットを前記複数のモビリティアンカーのうち少なくとも1つを介して中継することが可能な少なくとも1つのアクセスゲートウェイと、
    前記データパケットを中継するモビリティアンカーの切り替えを制御する前記移動管理制御装置と
    を備え、
    前記移動管理制御装置は、
    前記第1のアクセスゲートウェイ及び前記第1のモビリティアンカーを介して中継されている前記移動端末に関するデータパケットフローの全体では無く一部のデータパケットフローのみを前記第2のモビリティアンカーを介して中継するように経路変更するための伝送路制御信号を、前記第1のアクセスゲートウェイに対して送信する制御信号処理手段を備える、
    移動管理制御装置。
  28. 前記伝送路制御信号は、前記少なくとも1つのアクセスゲートウェイ間での前記移動端末の移動に関わらず不変である前記移動端末の端末識別情報、前記第2のモビリティアンカーの識別情報、及び経路切り替え対象となる前記一部のデータパケットフローを特定するためのフロー情報を含む、請求項27に記載の移動管理制御装置。
  29. 前記一部のデータパケットフローの経路変更に関連付けられたイベントの発生を判定する制御契機検出手段をさら備え、
    前記制御信号処理手段は、前記イベントの発生に応じて前記伝送路制御信号を送信する、
    請求項27又は28に記載の移動管理制御装置。
  30. 請求項10〜16のいずれか1項に記載の移動管理方法をコンピュータに行わせるためのプログラム

JP2013504405A 2011-03-15 2011-11-11 移動管理システム、移動管理方法、アクセスgw装置、移動管理制御装置、及びプログラム Active JP5807672B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013504405A JP5807672B2 (ja) 2011-03-15 2011-11-11 移動管理システム、移動管理方法、アクセスgw装置、移動管理制御装置、及びプログラム

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011056243 2011-03-15
JP2011056243 2011-03-15
JP2013504405A JP5807672B2 (ja) 2011-03-15 2011-11-11 移動管理システム、移動管理方法、アクセスgw装置、移動管理制御装置、及びプログラム
PCT/JP2011/006316 WO2012123999A1 (ja) 2011-03-15 2011-11-11 移動管理システム、移動管理方法、アクセスgw装置、移動管理制御装置、及びコンピュータ可読媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012123999A1 JPWO2012123999A1 (ja) 2014-07-17
JP5807672B2 true JP5807672B2 (ja) 2015-11-10

Family

ID=46830137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013504405A Active JP5807672B2 (ja) 2011-03-15 2011-11-11 移動管理システム、移動管理方法、アクセスgw装置、移動管理制御装置、及びプログラム

Country Status (6)

Country Link
US (2) US9344874B2 (ja)
EP (1) EP2688325B1 (ja)
JP (1) JP5807672B2 (ja)
KR (1) KR101488312B1 (ja)
CN (1) CN103460732B (ja)
WO (1) WO2012123999A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9497132B2 (en) * 2013-04-23 2016-11-15 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Method and system of implementing conversation-sensitive collection for a link aggregation group
US9461880B2 (en) 2013-04-23 2016-10-04 Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) Method and system for network and intra-portal link (IPL) sharing in distributed relay control protocol (DRCP)
CN104243302B (zh) * 2013-06-20 2018-03-16 华为技术有限公司 业务路由报文处理方法、装置及网络系统
US10382914B2 (en) * 2013-10-23 2019-08-13 Facebook, Inc. Techniques to leverage data from mobile headers
CN103825824A (zh) * 2014-03-04 2014-05-28 华为技术有限公司 一种报文处理方法及装置
KR20160014382A (ko) * 2014-07-29 2016-02-11 삼성전자주식회사 무선 통신 시스템에서 앵커 게이트웨이를 변경하기 위한 장치 및 방법
WO2016026088A1 (zh) * 2014-08-19 2016-02-25 华为技术有限公司 路径切换方法、移动锚点及基站
CN105450711B (zh) * 2014-09-02 2019-05-31 深圳Tcl新技术有限公司 实现第一终端与第二终端自动绑定的方法和系统
CN108370351B (zh) 2016-01-19 2022-09-20 德国电信股份有限公司 用于处置电信网络与用户装备之间的通信的方法
CN110049073B (zh) 2018-01-15 2021-01-05 华为技术有限公司 软件升级方法及系统

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010541303A (ja) * 2007-09-28 2010-12-24 パナソニック株式会社 移動ネットワークにネストされた移動ノードが最適経路通信を行うためのシステム、方法及び装置

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1764970A1 (en) * 2005-09-19 2007-03-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Multiple interface mobile node with simultaneous home- and foreign network connection
EP1942610A4 (en) 2005-10-25 2009-11-25 Nec Corp HISTORIZED MOBILE MANAGEMENT SYSTEM, ACCESS ROUTER, ANCHOR NODES, MOBILE COMMUNICATION SYSTEM AND WAY MANUFACTURING METHOD
CN101601204B (zh) 2006-12-13 2014-01-22 日本电气株式会社 归属网络系统及该归属网络系统中使用的移动锚点分配方法
JPWO2008105176A1 (ja) * 2007-02-27 2010-06-03 パナソニック株式会社 通信方法、通信システム、モバイルノード、代理ノード及び管理ノード
JP4920086B2 (ja) * 2007-03-12 2012-04-18 エヌイーシー ヨーロッパ リミテッド ネットワークベースのモビリティ管理における2ノード間の経路最適化を実行する方法
JP4794520B2 (ja) * 2007-05-16 2011-10-19 Kddi株式会社 ネットワーク主導型移動管理プロトコルにおける通信経路を最適化するシステム、アクセスゲートウェイ、ホームエージェント、およびプログラム
US8724528B2 (en) * 2008-03-03 2014-05-13 Optis Wireless Technology, Llc Information exchange between gateways for route optimization with network-based mobility management
US20110134869A1 (en) * 2008-08-06 2011-06-09 Jun Hirano Prefix allocation administration system and mobile terminal, and prefix allocation administration device
US8588240B2 (en) * 2008-10-07 2013-11-19 Cisco Technology, Inc. Methods and systems for accounting in an access gateway
US9143919B2 (en) 2009-02-27 2015-09-22 Nokia Solutions And Networks Oy IPv6 anycast-based load balancing and redirection functionality for PMIPv6
US8774039B2 (en) * 2009-06-17 2014-07-08 Panasonic Corporation Communication system, mobile terminal, network node, and base station apparatus
JPWO2011001594A1 (ja) * 2009-06-29 2012-12-10 パナソニック株式会社 リダイレクション方法、リダイレクションシステム、モバイルノード、ホームエージェント及び代理ノード
CN102484827B (zh) * 2009-08-25 2016-04-20 瑞典爱立信有限公司 用于流动订户的移动性锚的重定位
CN102014482A (zh) * 2009-09-04 2011-04-13 株式会社日立制作所 无线通信系统和方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010541303A (ja) * 2007-09-28 2010-12-24 パナソニック株式会社 移動ネットワークにネストされた移動ノードが最適経路通信を行うためのシステム、方法及び装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015031656; J. Korhonen: 'Runtime LMA Assignment Support for Proxy Mobile IPv6' draft-ietf-netext-redirect-04.txt , 20100929, IETF *

Also Published As

Publication number Publication date
KR20130121155A (ko) 2013-11-05
US9344874B2 (en) 2016-05-17
US20160255491A1 (en) 2016-09-01
EP2688325B1 (en) 2018-08-01
EP2688325A4 (en) 2014-12-31
CN103460732B (zh) 2016-10-26
EP2688325A1 (en) 2014-01-22
CN103460732A (zh) 2013-12-18
US9693218B2 (en) 2017-06-27
WO2012123999A1 (ja) 2012-09-20
US20140169271A1 (en) 2014-06-19
JPWO2012123999A1 (ja) 2014-07-17
KR101488312B1 (ko) 2015-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5807672B2 (ja) 移動管理システム、移動管理方法、アクセスgw装置、移動管理制御装置、及びプログラム
JP6301358B2 (ja) 通信ネットワークにおけるマルチパス伝送制御プロトコル信号伝達の処理
EP2250827B1 (en) A method and an apparatus for providing route optimisation
JP5538544B2 (ja) モビリティアンカーの移転
US9967781B2 (en) Apparatus and method for supporting handover
JP5406220B2 (ja) ユーザ装備の位置情報を更新するための方法
US9788353B2 (en) Mobile network communications method, communications apparatus, and communications system
US20180234792A1 (en) Terminal device, base station device, mme, and communication control method
JP2011514068A5 (ja)
JPWO2014077352A1 (ja) ネットワークシステムと方法と装置並びにプログラム
WO2010124603A1 (zh) 基于PMIPv6的数据传输方法、系统及相关网络设备
KR20140144246A (ko) 통신 시스템 및 경로 제어 방법
KR20150138866A (ko) 네트워크 시스템, 경로 제어 장치, 경로 제어 방법 및 프로그램을 저장한 비일시적 컴퓨터 판독가능 매체
WO2011054247A1 (zh) 网络协议分流连接的管理方法及装置
WO2016163420A1 (ja) 端末装置、mme及びpgw
WO2015058339A1 (zh) 基站间的路由方法、服务网关和基站
JP2018133777A (ja) 制御装置、中継装置及びネットワーク
WO2011109999A1 (zh) 信息的指示方法及移动管理网元
JP2011509611A (ja) 通信ネットワークにおいて、ルートを最適化するためのテクニック
CN101610462A (zh) 一种数据报文发送方法、装置及通信系统
JPWO2016163411A1 (ja) 端末装置、pgw及びtwag
JP2011061774A (ja) 無線通信システム及び方法
WO2015054850A1 (zh) 通信方法、通信装置及通信系统
WO2018148861A1 (zh) 下行数据的传输方法及装置
WO2015161451A1 (zh) 互联网协议报文的转发方法、移动网关和无线网络控制器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5807672

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150