JP5806978B2 - リサイクル処理コスト、環境負荷評価装置、および評価方法 - Google Patents
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Description
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
リサイクル処理コスト、環境負荷評価装置100は、CPU110、記憶装置120、メモリ130、ディスク記録・再生装置140、外部にあるデータサーバ201とネットワーク202を介して通信する通信装置150、ディスプレイ161やキーボード・マウス162の入出力インターフェース160を有する。
データ入力画面300は、ユーザが評価対象製品の最適なリサイクル方法を本実施例の評価装置により評価をするために、予め入力するデータを指定するための画面である。各データファイルは、総務庁発行の統計資料、ユーザの企業内実績情報、製品設計情報、公知情報などに基づいて既に作成されてデータサーバ201に記憶されているか、ディスク記録・再生装置140を介して記憶媒体に記憶されたデータファイルが読み出される。
また、ユーザは、データ入力画面300上の評価製品選択欄305より、これから評価を行なう対象の製品を選択して、処理実行釦308により、評価製品の最適なリサイクル方法を得る処理を実行する指示を入力する。
データ受付部111は、データ入力画面300上よりユーザが指定したデータファイルの読込みを実行する(ステップS1)と共に、指定された評価製品を受け付けて(ステップS2)、評価処理を開始する。
なお、ここでいう製品情報ファイルとは、製品情報テーブル121を有するファイルを示す。解体情報ファイルとは解体方法テーブル122、解体ユーティリティテーブル123を有するファイルを示す。再生情報ファイルとは再生方法テーブル124、再生ユーティリティテーブル125を有するファイルを示す。コスト、環境負荷原単位ファイルとはコスト、環境負荷情報テーブル126を有するファイルを示す。
図4では、鉄100gで構成される部品「ケーシング」、鉄300gと銅300gで構成される部品「ステータ」、鉄200gとNd磁石100gで構成される部品「ロータ」で構成される製品「モータ」の情報が入力されたテーブルを示している。
解体方法テーブル122は、解体の対象となる製品のIDが格納される製品ID領域122aと、解体方法を特定するIDが格納される解体ID領域122bと、解体される部品のIDを示す解体部品ID領域122c〜eと、解体によって得られる回収物を特定するIDが格納される回収物ID領域122fと、回収物を構成する素材の素材IDが格納される素材ID領域122gと、回収物を構成する素材の重量が格納される重量領域122hとを少なくとも有している。
図5では、製品「モータ」において解体する部品が無く(未解体)、鉄600g、銅300g、Nd磁石100gの混合物が回収物となる解体方法の情報が解体ID「1」として、第1〜第3行目のデータレコードに示している。また、「モータ」から部品ID「11」の「ケーシング」を解体して鉄100gの回収物(回収物ID=2)と、鉄500g、銅300g、Nd磁石100gの回収物(回収物ID=3)が得られる解体方法の情報が解体ID「2」として、第4〜第7行目のデータレコードに格納されているテーブルを示している。
解体ユーティリティテーブル123は、解体方法を特定する解体IDが格納される解体ID領域123aと、当該解体方法で製品1kgを解体する場合に必要となる電力量が格納される電力領域123bと、製品1kgを解体する場合に必要となる工数が格納される工数領域123cと、製品1kgを解体する場合に必要となる水量が格納される水量領域123dとを少なくとも有している。この他にも必要となるユーティリティが存在する場合は、対応するユーティリティの情報を格納する領域を用意する。
図6では、「解体ID=1」の第1行目のデータレコードが、製品に何も処理をせずに回収物とする解体方法を表しており、「解体ID=2〜6」の第2〜第6行目のデータレコードが、図5の解体方法テーブルに示される解体方法に対応して、各ユーティリティに必要とされる情報を表している。
再生方法テーブル124は、再生方法を特定する再生IDが格納される再生ID領域124aと、再生処理の対象となる、解体処理によって得られる回収物を構成する素材の有無を「1 or 0」で示す数値が格納される素材領域124b〜dと、再生される素材の有無を「1 or 0」で示す数値が格納される再生素材領域124e〜gとを少なくとも有している。素材領域124b〜dの数は再生対象となる回収物を構成する素材の数に対応し、再生素材領域124e〜gの数も、再生対象となる回収物から再生される素材の数に対応して領域が確保される。
例えば、図7の再生方法テーブルでは、第1行目のデータレコードは、「再生ID=1」の再生方法は、素材1(例えば、鉄)を構成素材として含む回収物を再生対象として、再生素材1(例えば、鉄)が得られる再生処理方法であることを表している。また、第8行目のデータレコードは、「再生ID=8」の再生方法は、素材1(例えば、鉄)、素材2(例えば、銅)、および素材3(例えば、Nd磁石)を構成素材として含む回収物を再生対象として、再生素材1(例えば、鉄)のみが再生結果として得られて、銅およびNd磁石は廃棄物中に含まれて失われる再生処理方法であることを表している。
再生ユーティリティテーブル125は、再生方法を特定する再生IDが格納される再生ID領域125aと、当該再生方法で、解体によって得られた回収物1kgを再生する場合に必要となる電力量が格納される電力領域125bと、回収物1kgを再生する場合に必要となる工数が格納される工数領域125cと、回収物1kgを再生する場合に必要となる水量が格納される水量領域125dと、回収物1kgを再生する場合に必要となる酸の量が格納される酸領域125eを少なくとも有している。この他にも必要となるユーティリティが存在する場合は、対応するユーティリティの情報を格納する領域を用意する。
コスト、環境負荷情報テーブル126は、解体処理、または再生処理に必要なユーティリティが格納されるユーティリティ領域126aと、当該ユーティリティの現状の単価が格納されるコスト領域126bと、当該ユーティリティの環境負荷がコストに換算された係数が格納される環境負荷コスト換算係数126cとを少なくとも有する。
出力情報テーブル127は、評価製品を特定する製品IDが格納される製品ID領域127aと、評価製品のリサイクル処理方法を示す処理IDが格納される処理ID領域127bと、処理方法のうち、解体方法を示す解体IDが格納される解体ID領域127cと、再生方法を示す再生IDが格納される再生ID領域127d〜fと、当該解体方法のコストが格納される解体コスト領域127gと、金額に換算された解体処理による環境負荷が格納される解体環境負荷領域127hと、当該解体方法のコストと環境負荷の合計値が格納される解体統合指標領域127iと、当該再生方法のコストが格納される再生コスト領域127jと、金額に換算された再生処理による環境負荷が格納される再生環境負荷領域127kと、当該再生方法のコストと環境負荷の合計値が格納される再生統合指標領域127lを有している。
出力情報テーブル127の各領域内のデータは、リサイクル処理コスト、環境負荷算出処理の過程で、各値を導出した際に格納される。
まず、リサイクル処理コスト、環境負荷評価装置100のデータ受付部111がデータ入力画面300上からユーザによる各情報ファイルの読込みの指示を受けると、ネットワークを介して外部に在るデータサーバなどに記憶されている既作成のデータファイルを検索して、ユーザ指定のデータを読み出して、記憶装置120の該当テーブルに格納する。(ステップS1)
具体的に説明すると、データ受付部111は、ディスク記録・再生装置140を介して記憶媒体から、または通信装置150を介してネットワークに接続されているデータサーバ201に保存されている製品情報、解体情報などの各種情報を受け付け、製品情報テーブル121に格納するデータ、解体方法テーブル122に格納するデータ、解体ユーティリティテーブル123に格納するデータ、再生方法テーブル124に格納するデータ、再生ユーティリティテーブル125に格納するデータ、コスト、環境負荷情報テーブル126に格納するデータを該当テーブル121〜126の該当領域に格納する。格納されるデータは、図3に示すデータ入力画面上で、ユーザがキーボード・マウス162を用いて記憶場所を指定し、読み込みボタンを押下することで決定される。
具体的に説明すると、図3に示すデータ入力画面300において、ユーザが評価製品選択のタブ305を選ぶと展開される製品の一覧から評価対象とする製品を選択し、処理実行ボタン308を押下する。データ受付部111は、ユーザの選択を受付けて、評価対象製品IDをメモリ130に設定する。
例えば、図4に示す製品情報テーブル121が格納されている製品情報ファイルがステップS1において読み込まれた場合、評価製品の一覧には製品ID「1」の「モータ」が表示されるので、ユーザはこれを選択し、処理実行ボタン308を押下する。
具体的に説明すると、全解体方法導出部112が、解体方法テーブル122から、ステップS2で選択された製品の製品IDについて定義されている解体IDを抽出し、メモリ部130にその情報を格納する。
例えば、図5に示す解体方法テーブル122がステップS1で読み込まれ、ステップS2で評価製品として製品ID「1」の「モータ」が選択された場合、解体方法テーブル122には製品ID「1」の製品の解体方法として解体ID「1」から「6」までの解体方法が定義されていることから、これらのIDをメモリ部130に格納する。
具体的に説明すると、全再生方法導出部113が、前ステップS3でメモリ部130に格納された解体IDの解体方法によって得られる回収物を構成する素材IDと、再生方法テーブル124の素材領域に格納されている素材IDが一致する再生方法の再生IDを抽出し、出力情報テーブル127に解体IDと対応する再生IDを格納する。そして、解体方法と再生方法の組合せごとに処理IDを定義し、出力情報テーブル127に格納する。
ステップS11では、製品IDを特定して、解体方法テーブル122の評価対象製品を解体する方法のうち、最初の解体IDを選択する。
ステップS12では、解体IDごとに、ステップS22までの処理を繰り返す。
ステップS13では、選択された解体IDの解体方法によって得られる回収物IDを解体方法テーブル122より全て検索する。
ステップS15では、前ステップS14で検索された全ての素材IDと一致する素材を入力とする再生方法(再生ID)を、再生方法テーブル124より検索する。もし、一致する再生IDがあればステップS16へ移行し、一致する再生IDが無ければステップS18へ移行する。
ステップS16では、検索された再生IDを、回収物IDと対応させてメモリ130に記録する。
ステップS17では、再生方法テーブル124上の次の検索対象の再生IDを指定して、ステップS15へ移行する。
ステップS19では、残っていた回収物の中より次の回収物を素材IDの検索対象として、ステップS14へ移行する。
ステップS20では、選択された解体IDに対応させて、ステップS16で記録した回収物IDと再生IDとの全ての組合せのそれぞれに新しい処理IDを付けて、各データレコードを出力情報テーブル127に登録する。
ステップS21では、ステップS12でループ対象とした解体IDの次の解体IDがあれば検索対象とする。もし、次の解体IDがあるならばループ対象としてステップS12より処理を繰り返す。もし、次の解体IDが無ければ、S22においてループを終了して、本処理を終了する。
具体的に説明すると、コスト算出部114が、各処理IDについて定義された解体IDの解体方法で用いるユーティリティのデータを解体ユーティリティテーブル123から読み込み、このデータと製品情報テーブル121から得られる解体対象の製品の部品重量を総計した製品重量を乗じて、製品の解体に必要となる各ユーティリティ量を算出する。そして、得られた値と、コスト、環境負荷情報テーブル126に定義されたコスト単価を乗じることで解体コストを算出し、出力情報テーブル127の解体コスト領域127gに格納する。同様に、各処理IDについて定義された再生IDの再生方法で用いるユーティリティのデータを再生ユーティリティテーブル125から読み込み、このデータと、解体方法テーブル122から得られる再生対象の回収物の各素材の重量を総計した回収物重量を乗じて、素材の再生に必要となる各ユーティリィ量を算出する。そして、得られた値とコスト、環境負荷情報テーブル126に定義されたコスト単価126bを乗じることで再生コストを算出し、出力情報テーブル127の再生コスト領域127jに格納する。
具体的に説明すると、環境負荷算出部115が、各処理IDについて定義された解体IDの解体方法で用いるユーティリティのデータを解体ユーティリティテーブル123から読み込み、このデータと製品情報テーブル121から得られる解体対象の製品重量を乗じて製品の解体に必要となるユーティリィ量を算出する。そして、得られた値とコスト、環境負荷情報テーブル126に定義された環境負荷コスト換算係数126cを乗じることで解体環境負荷を算出し、出力情報テーブルの解体環境負荷領域127hに格納する。同様に、各処理IDについて定義された再生IDの再生方法で用いるユーティリティのデータを再生ユーティリティテーブル125から読み込み、これと解体方法テーブル122から得られる再生対象の回収物重量を乗じて素材の再生に必要となるユーティリティ量を算出する。そして、得られた値とコスト、環境負荷情報テーブル126に定義された環境負荷コスト換算係数126cを乗じることで再生環境負荷を算出し、出力情報テーブルの再生環境負荷領域127kに格納する。
具体的に説明すると、表示制御部116が、解体コストと解体環境負荷の合計値を解体統合指標として、再生コストと再生環境負荷の合計値を再生統合指標として出力情報テーブル127の解体統合指標領域127i、再生統合指標領域127lに格納する。そして、評価製品名とその構成素材、再生処理によって得られる再生素材の量がユーザによって予め指定された条件と同一となる処理について、解体統合指標と再生統合指標の合計値(統合指標値と呼ぶ)を示したグラフ、統合指標値が最小となる処理IDの値401と解体する部品名、再生素材の量、統合指標値等を示した画面を作成し、出力する。
110 CPU
111 データ受付部
112 全解体方法導出部
113 全再生方法導出部
114 コスト算出部
115 環境負荷算出部
116 表示制御部
120 記憶装置
121 製品情報テーブル
122 解体方法テーブル
123 解体ユーティリティテーブル
124 再生方法テーブル
125 再生ユーティリティテーブル
126 コスト、環境負荷情報テーブル
127 出力情報テーブル
130 メモリ
140 ディスク記録・再生装置
150 通信装置
160 入出力インターフェース
161 ディスプレイ
162 キーボード・マウス
201 データサーバ
202 ネットワーク
300 データ入力画面
301 製品情報ファイル読込み欄
302 解体情報ファイル読込み欄
303 再生情報ファイル読込み欄
304 コスト、環境負荷原単位ファイル読込み欄
305 評価製品選択欄
306 参照釦
307 読込釦
308 処理実行釦
400 コスト、環境負荷算出結果出力画面
401 統合指標値が最小となる処理IDのグラフ
Claims (6)
- 製品のリサイクルコスト、環境負荷が最小となるリサイクル処理方法を導出するリサイクル処理コスト、環境負荷評価装置であって、
製品を構成する素材情報、製品の解体方法、解体ユーティリティ情報、回収物の再生方法、再生ユーティリティ情報、ユーティリティのコスト、環境負荷情報を記憶する記憶装置と、
評価製品の全ての解体方法を導出する全解体方法導出部と、
評価製品の各解体方法に応じた再生方法を導出する全再生方法導出部と、
各リサイクル処理方法の解体方法、再生方法ごとに用いるユーティリティと、コスト単価情報に基づき、解体コスト、再生コストを算出するコスト算出部と、
各リサイクル処理方法の解体方法、再生方法ごとに用いるユーティリティと、環境負荷コスト換算係数情報に基づき、解体環境負荷、再生環境負荷を算出する環境負荷算出部と、
前記算出したコスト、環境負荷からこれらの値が最小となる処理方法を出力する表示制御部とを備えたことを特徴とするリサイクル処理コスト、環境負荷評価装置。 - 入出力インターフェースを介して、ユーザにデータ入力画面を提示して、製品評価に先立って、ユーザによる製品情報ファイル、解体情報ファイル、再生情報ファイル、およびコスト、環境負荷原単位ファイルの読込みの指示を受付けて、データサーバ、または記憶媒体より該当データファイルを読み込んで、記憶装置の該当データテーブルに格納するデータ受付部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のリサイクル処理コスト、環境負荷評価装置。
- 前記全再生方法導出部は、評価製品を解体する各解体方法において、当該解体方法によって得られる回収物ごとに、当該回収物を構成する素材の組合せと同じ素材の組合せを再生処理の入力とする再生方法を検索して、各解体方法と、各解体方法に応じて検索された再生方法との全ての組合せを、新しい処理IDを付けて評価対象としてリストアップすることを特徴とする請求項1に記載のリサイクル処理コスト、環境負荷評価装置。
- 前記表示制御部は、解体コストと解体環境負荷との合計より解体統合指標を、再生コストと再生環境負荷との合計より再生統合指標を計算して、ユーザに算出結果の出力画面を提示して、評価製品名とその構成素材、再生処理によって得られる再生素材の量がユーザによって予め指定された条件と同一となる処理について、解体統合指標と再生統合指標を合計した統合指標値を示したグラフ、および前記統合指標値が最小となる処理IDの再生素材の量、前記統合指標値を出力することを特徴とする請求項3に記載のリサイクル処理コスト、環境負荷評価装置。
- 前記表示制御部は、ユーザに算出結果の出力画面を提示して、評価対象のリサイクル処理方法の中で、再生処理によって得られる再生素材の量がユーザが指定した条件を満たす処理方法のみを、解体統合指標と再生統合指標を合計した統合指標値を示したグラフによって比較して出力することを特徴とする請求項4に記載のリサイクル処理コスト、環境負荷評価装置。
- 製品を構成する素材情報、製品の解体方法、解体ユーティリティ情報、回収物の再生方法、再生ユーティリティ情報、ユーティリティのコスト、環境負荷情報を製品の評価に先立って記憶装置に記憶する工程と、
評価対象となる製品のユーザ選択を受付ける工程と、
評価製品の全ての解体方法を記憶装置に記憶した情報に基づいて導出する工程と、
前記評価製品を解体する各解体方法において、当該解体方法によって得られる回収物ごとに、当該回収物を構成する素材の組合せと同じ素材の組合せを再生処理の入力とする再生方法を検索して、各解体方法と、各解体方法に応じて検索された再生方法との全ての組合せを、新しい処理IDを付けて評価対象としてリストアップする工程と、
各リサイクル処理方法の解体方法、再生方法ごとに用いるユーティリティと、コスト単価情報に基づき、解体コスト、再生コストを算出する工程と、
各リサイクル処理方法の解体方法、再生方法ごとに用いるユーティリティと、環境負荷コスト換算係数情報に基づき、解体環境負荷、再生環境負荷を算出する工程と、
前記算出したコスト、環境負荷からこれらの値が最小となる処理方法を出力する工程とをリサイクル処理コスト、環境負荷評価装置が実行することを特徴とするリサイクル処理コスト、環境負荷評価方法。
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